JP2000319077A - コンクリート成形品の高温高圧水中養生装置およびこの養生装置を用いたコンクリート成形品の養生方法 - Google Patents

コンクリート成形品の高温高圧水中養生装置およびこの養生装置を用いたコンクリート成形品の養生方法

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JP2000319077A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 養生水を再利用してエネルギー・生産効率と
安全性とに優れるコンクリート成形品の高温高圧水中養
生装置を提供する。 【解決手段】 複数の耐圧容器4A、4Bを備え、該各
耐圧容器には、内部に水を供給する養生水供給手段6
と、圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段8と、供給さ
れた水を加熱するヒータ12と、内部の圧力を減圧させ
る脱気手段10とが設けられると共に、その下部には他
の耐圧容器の任意箇所に繋がり開閉バルブ14A、14
Bを介して該他の耐圧容器に連通される高温高圧水の移
送管16A、16Bが設けられ、該各耐圧容器は前記移
送管により相互に循環路を形成するように連結されてお
り、養生終了直後の養生水は廃棄されずにその耐圧容器
内の高圧な圧力を利用して、大気圧状態で待機中の他の
耐圧容器に移送管を通じて順次に移し替えられて、繰り
返し利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリートを高温
高圧な養生水中にて養生する際に用いる装置およびその
装置を用いた養生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートパイルなどのコンク
リート二次製品の製造にあたっては、オートクレーブ養
生と呼ばれる高温高圧蒸気養生が行われている。このオ
ートクレーブ養生によれば、2日程度の養生であって
も、同一のコンクリートを20℃程度の水中にて養生す
る場合の材齢28日程度に相当する強度が得られるとい
った利点を有する。しかしその反面、養生中に極めて大
きな収縮歪みを生じるため、例えば鉄道線路の枕木等の
ようにプレテンション方式にて作製する必要があるプレ
ストレスト部材に対しては、オートクレーブ養生は不適
であった。
【0003】このプレストレスト部材の養生に関し、前
記問題点を解決し得るものとして、本願出願人が既に出
願した高温高圧水中養生がある(特願平9−35123
4号)。この高温高圧水中養生は、耐圧容器内部の圧力
を2.5〜10気圧程度に高めると共に、この耐圧容器
内部に充填してある養生水を130〜180℃程度の高
温に維持し、この高温高圧な養生水中にコンクリート部
材を沈めて養生するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような高温高圧水中養生では、オートクレーブ装置内を
コンクリート部材を沈めることができるだけの水量の養
生水で満たすとともに、その養生水を180℃程度まで
加熱して保温しなければならず、加えて、養生終了後に
は、内部に収納したコンクリート成形品を取り出すため
に耐圧容器内を脱気して減圧するとともにこの耐圧容器
の前面に設けられたハッチを開放して、内部に溜まって
いる高温高圧な養生水を排出しなければならない。即
ち、コンクリート成形品を入れ替える度に耐圧容器内部
を減圧すると共に大量の高温な養生水を排出して、あら
ためて養生水として大量の水をオートクレーブ装置内に
溜めて所定の高温度にまで加熱する必要があり、水と熱
エネルギーとの消費量が極めて多大になって養生コスト
の高騰を招いていた。また、この排出する養生水は、1
80℃程度以下という極めて高温であるため、安全性の
確保にも十分な配慮をする必要があった。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、高温高圧な養生水を無駄に捨てるこ
となく再利用することが可能で、エネルギー効率と安全
性とに優れるコンクリート成形品の高温高圧水中養生装
置およびこの養生装置を用いたコンクリート成形品の養
生方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本願の請求項1に係る発明では、耐圧容器内に封
入した高温高圧な養生水中でコンクリート成形品を養生
する高温高圧水中養生装置を以下のように構成する。
【0007】即ち、コンクリート成形品の高温高圧水中
養生装置はコンクリート成形品を収納する開閉可能な複
数の耐圧容器を備え、該各耐圧容器には、容器内部に養
生水として水または温水を供給する養生水供給手段と、
容器内部に圧縮空気を供給して内部の養生水を加圧する
圧縮空気供給手段と、容器内部に供給された養生水を加
熱して所定温度に維持するヒータと、容器上部に設けら
れ内部を大気開放する脱気バルブとが設けられると共
に、その下部には他の耐圧容器の任意箇所に繋がり開閉
バルブを介して該他の耐圧容器に連通されて養生水を送
り出す移送管が設けられる一方、その任意箇所には他の
耐圧容器の下部に繋がり開閉バルブを介して該他の耐圧
容器に連通されて養生水を受け入れる移送管が設けら
れ、該各耐圧容器は前記2つの移送管により相互に循環
路を形成するように連結されていることを特徴とする。
【0008】また、本願の請求項2に係るコンクリート
成形品の養生装置では、前記養生水の受け入れ側の移送
管が各耐圧容器の上部に位置して設けられていることを
特徴とする。
【0009】また、本願の請求項3に係るコンクリート
成形品の養生方法は、前記コンクリート成形品の高温高
圧水中養生装置を用いたコンクリート成形品の養生方法
であって、前記耐圧容器内を養生水で満たし、該養生水
を前記ヒータで所定の高温度に維持するとともに前記圧
縮空気供給手段から圧縮空気を供給して該耐圧容器内を
高圧にし、容器内部に収納したコンクリート成形品を所
定期間養生する養生工程と、該養生工程の終了後に、該
耐圧容器の前記送り出し側の移送管の開閉バルブを開い
て、該耐圧容器内に満たされた高温高圧の養生水を該送
り出し側の移送管を通じて他の耐圧容器に移し替え、該
養生水の移し替えの終了後、該送り出し側移送管の開閉
バルブを閉じる養生水の移し替え工程と、該移し替え工
程の終了後に、内部から養生後のコンクリート成形品を
取り出して養生前のコンクリート成形品に入れ替えた
後、他の耐圧容器からの養生水の受け入れを待つ待機工
程とを有し、該各耐圧容器毎に該各工程をずらして順次
繰り返して、前記養生水を循環路を形成するように繋が
れた複数の耐圧容器に移し替えながらコンクリート成形
品を養生することを特徴とする。
【0010】さらに、本願の請求項4に係るコンクリー
ト成形品の養生方法は、前記請求項3の養生水の移し替
え工程において、前記他の耐圧容器はその脱気手段によ
り内部が大気開放されることを特徴とする。
【0011】またさらに、本願の請求項5に係るコンク
リート成形品の養生方法は、前記請求項3または4の養
生水の移し替え工程において、前記養生工程の終了した
耐圧容器の前記圧縮空気供給手段から圧縮空気を供給し
て、内部に残存する養生水を強制的に該他の耐圧容器に
移し替えることを特徴とする。
【0012】以上の構成でなる本発明のコンクリート成
形品の高温高圧水中養生装置およびその装置を用いた養
生方法では、各耐圧容器は、それぞれ養生水の送り出し
側の移送管と受け入れ側の移送管とが開閉バルブを介し
て他の耐圧容器に相互に循環路を形成するように連結さ
れているので、これらの開閉バルブを全て閉じることに
よって、各耐圧容器をそれぞれ独立した養生装置として
使用することができると共に、養生水の移送管で繋がっ
た2つの耐圧容器間を途中の開閉バルブを開放すること
によって連通することができる。即ち、2つの耐圧容器
の一方が養生工程終了後の耐圧容器となり、他方を新た
なコンクリート成形品を収納した待機工程の耐圧容器と
なるようにしておくことで、一方の耐圧容器内部に溜ま
っている高温高圧な養生水を、前記開閉バルブを開放す
るだけで容易に他方の常圧の耐圧容器内に移し替えるこ
とができる。従って、一度使用した養生水を複数の耐圧
容器間で順次に移し替えて繰り返し循環させて再使用す
ることができるため、コンクリート成形品を入れ替える
都度に新たに高温高圧な養生水を準備して耐圧容器内に
満たす必要がなく、多量の水を節約できると共に加熱す
る手間とその熱エネルギーをも大幅に削減でき、極めて
効率の良い養生が行え、コンクリート成形品の養生コス
トの可及的な低減化を図ることができる。
【0013】さらに、高温高圧で取り扱いの危険な養生
水を養生工程の終了した一方の耐圧容器から待機中の他
方の耐圧容器に移し替えるにあたっては、これら両耐圧
容器を繋ぐ養生水の移送管の途中に設けた開閉バルブを
開放させるだけの操作で、高温高圧な養生水を閉ざされ
た装置の中に留めておいたまま等圧になるまで移し替え
ることができ、さらに高温高圧な養生水が外部に排出さ
れることがないため、作業の安全性が格段に高まる。
【0014】また、繰り返し使用する高温高圧な養生水
の移し替えに際しては、移送管の開閉バルブを開放させ
るだけで、養生工程終了後の耐圧容器内から高温高圧な
養生水を常圧となっている待機工程の耐圧容器内に、そ
れらの内圧が平衡状態になるまで移動させることがで
き、また、養生工程終了後の送り出し側の耐圧容器内に
残存する養生水は、当該養生終了後の耐圧容器に設けら
れた圧縮空気供給手段からその内部に圧縮空気を供給す
る一方、他方の待機工程の耐圧容器に設けられた脱気バ
ルブを開放させることで容易にそのほぼ全量を移送する
ことができる。ここで、前記移送管はこれを繋ぐ受け入
れ側の耐圧容器の上部に接続させると、受け入れ側の耐
圧容器内に移送済みの養生水の重量による圧力の影響を
受けることなく養生水を移送することができ、送り出し
側の耐圧容器の圧縮空気供給手段にかかる負荷の軽減化
が図れると共に、移送時間の短縮化が図れるようにな
る。
【0015】つまり、本発明の養生装置によれば、高温
高圧な養生水を移送するための装置を別途に特別に設け
ることなく、2つの耐圧容器内の圧力差を利用して養生
水の多くを移動させることができ、受け入れ側の耐圧容
器における脱気バルブの開放操作を伴わせることで圧縮
空気供給手段に依存する養生水の移動量を可及的に少な
く抑制し得、もって圧縮空気供給手段の運転時間の短縮
化が図れ、当該圧縮空気供給手段の消費エネルギーを抑
えて効率良く養生水を移し替えることができる。
【0016】また、単一の耐圧容器のみからなる高温高
圧水中養生装置にも、その機能上開閉バルブを介して給
水手段と、脱気手段と、圧縮空気供給手段とがそれぞれ
備えられ、さらに耐圧容器内の養生水の水温を上昇また
は保温するヒータも有しているから、このような既存の
耐圧容器を複数用いて、それらを開閉バルブを介して養
生水の移送管で相互に循環路を形成するように繋ぐだけ
という簡易な構造で構成でき、多大な設備投資をするこ
となく極めて安価に、かつ容易に本発明の高温高圧水中
養生装置を得ることができる。
【0017】さらに、前記のように移送管で相互に循環
路を形成するように連結した複数の耐圧容器のうち、少
なくとも1つの耐圧容器は常に養生水が満たされていな
い待機状態にして、各耐圧容器の工程をずらすことで、
養生工程の終了した耐圧容器内の高温高圧な養生水を順
次に待機工程の耐圧容器に移し替えて養生を繰り返すこ
とができるため、熱エネルギーの損失を大幅に削減し
て、エネルギーおよび時間の両面で極めて効率よく養生
作業を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施形態
について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本
発明に係る高温高圧水中養生装置の概略構成図であり、
図2は本発明の高温高圧水中養生装置に用いる耐圧容器
の外観を示す斜視図、図3はこの耐圧容器の平面図、図
4は図3中に示すA−A線部の断面図である。
【0019】なお、本実施形態では、説明の便宜上本発
明の高温高圧水中養生装置の最小単位である2つの耐圧
容器を用いた形態を例にして説明する。
【0020】図示するように、本発明の高温高圧水中養
生装置2は、内部にコンクリート成形品を収納するため
の閉空間を区画形成すると共に、前部に開閉自在なハッ
チ5を有する円筒形の2つの耐圧容器4A、4Bを備え
る。各耐圧容器4A、4Bの上部には、その内部に養生
水として水あるいは温水を供給する養生水供給手段6
と、圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段8、並びに容
器内部を大気開放して減圧させる脱気手段10とが設け
られ、さらに各耐圧容器4の内部には、内部に供給され
た水または養生水を加熱して所定温度に維持するための
ヒータ12が設けられている。ここで前記圧縮空気供給
手段8は共通のコンプレッサ8aから切換弁8bを介し
て各耐圧容器4A,4Bに個別に圧縮空気が切換供給さ
れるようになっており、その切換弁8bから各耐圧容器
4A、4Bを結ぶ供給管路8cには別途にそれぞれ開閉
バルブ8dが設けられている。また、養生水供給手段6
と脱気手段10にも各々開閉バルブ6a、脱気バルブ1
0aが備えられている。
【0021】ところで、一方の耐圧容器4Aの下部に
は、途中の開閉バルブ14Aを介して他方の耐圧容器4
Bの上部に連通される移送管16Aが設けられ、さら
に、この耐圧容器4Aの上部には、途中の開閉バルブ1
4Bを介して他方の耐圧容器4Bの下部に連通される移
送管16Bが設けられていて、2つの耐圧容器4A、4
Bは相互に2つの移送管16Aと16Bとによって循環
路を形成するように連結されている。
【0022】また、各耐圧容器4A、4B内にはこれら
に接続された送り出し側の移送管16A、16Bとの連
通部分の上方を覆って、ストレーナをなす網部材18が
設けられていて、この網部材18によりコンクリートの
破片等が移送管16A、16B内に流入することを防止
している。さらに各耐圧容器4A、4Bの最下端部には
清掃時等のための水抜管20およびその開閉バルブ20
aが設けられている。
【0023】また、前記養生水供給手段6の開閉バルブ
6a、脱気手段10の脱気バルブ10a、ヒータ12、
圧縮空気供給手段8のコンプレッサ8aと切換弁8bお
よびその開閉弁8d等は遠隔操作盤22によって電気的
にその作動が遠隔操作されるようになっている。
【0024】次に、この高温高圧水中養生装置2を用い
たコンクリート成形品の養生方法について説明する。
【0025】先ず最初に、例えば耐圧容器4Aで高温高
圧水中養生する場合の始動準備工程について説明する。
この始動準備工程では、耐圧容器4Aに養生前のコンク
リート成形品を収納配置すると共に、養生水の2つの移
送管16A、16Bの開閉バルブ14A、14Bの他、
この耐圧容器4Aに連通している全ての配管系の開閉バ
ルブ、つまり養生水供給手段6の開閉バルブ6a、圧縮
空気供給手段8の開閉バルブ8d、脱気手段10の脱気
バルブ10a、および水抜きバルブ20を閉塞させて、
耐圧容器4Aのハッチ5を閉め、その内部を完全密閉す
る。次に、耐圧容器4Aにおける養生水供給手段6の開
閉バルブ6aを開閉操作して当該耐圧容器4A内部に養
生水として所定量の水または温水を供給する。以上が始
動準備工程である。
【0026】この始動準備工程が終了したならば、耐圧
容器4Aは養生工程に移行する。この養生工程では、内
部に溜められた水または温水の養生水を耐圧容器内4A
に設けられたヒータ12によって加熱して、130〜1
80℃程度の範囲内の所定の設定温度にまで高めると共
に、圧縮空気供給手段8のコンプレッサ8a、切換弁8
b、開閉弁8dを操作して耐圧容器4A内にコンプレッ
サ8aで圧縮した圧縮空気を供給してその内部圧力を
2.5〜10気圧程度に高め、これにより養生水を加圧
して高圧にし、かつその温度が前記設定温度に保たれる
ようにヒータ12を断続的に作動させて、この高温高圧
な養生水中でコンクリート成形品を所定の期間が経過す
るまで養生する。養生期間は通常、約5時間程度であ
る。
【0027】そして、耐圧容器4Aでの養生工程が終了
したならば、高温高圧な養生水の移し替え工程に入る。
この移し替え工程では、待機中の養生前のコンクリート
成形品を収納配置した耐圧容器4Bにおける脱気手段1
0の脱気バルブ10aを開放して内部を大気圧状態にす
ると共に、それ以外のバルブを閉じて養生工程の終了し
た耐圧容器4Aにおける送り出し側の移送管16Aの開
閉バルブ14Aを開放する。すると、養生工程の終了し
た耐圧容器4A内の高温高圧状態の養生水が、大気圧と
なっている他方の耐圧容器4B内に移送管16Aを通じ
て流れ込み、両耐圧容器4A、4Bの内部圧力がほぼ平
衡状態になるまで(正確には耐圧容器4B内は大気開放
されているので、耐圧容器4A内の圧力が移送管16A
の水頭圧に等しくなるまで)、耐圧容器4Aから耐圧容
器4Bに向けて養生水が流れ込む。
【0028】爾後、養生工程終了側の耐圧容器4Aの圧
縮空気供給手段8によって、当該耐圧容器4A内の圧力
を高めてその内部に残存している養生水を待機工程側の
耐圧容器4B内に移送し、そのほぼ全量の養生水を移し
替え終えたところで圧縮空気供給手段8のコンプレッサ
8aの作動を止めてその開閉バルブ8dを閉じると共
に、移送管16Aの開閉バルブ14Aを閉じ、さらに耐
圧容器4Bの脱気手段10の脱気バルブ10aも閉じ
て、耐圧容器4Aでの高温高圧な養生水の移し替え工程
を終了する。
【0029】そして前記養生水の移し替え工程が終了し
た耐圧容器4Aでは、次の待機工程に移行する一方、養
生水を受け入れた耐圧容器4Bは養生工程に移行する。
ここで、耐圧容器4Bにおける養生工程は前述した養生
工程と同じであるが、養生水の量が不足している場合等
には適宜に養生水供給手段6から水または温水の補充を
受けることができる。
【0030】待機工程では、耐圧容器4A内に圧縮空気
が残存する場合、先ず耐圧容器4Aの脱気バルブ10a
を開いて、残存する圧縮空気を大気開放する。その後、
必要に応じ、耐圧容器4Aの温度が下がるのを待って、
内部に収容されている養生後のコンクリート成形品を、
耐圧容器4Aのハッチ5を開いて取り出し、次に養生す
るコンクリート成形品をその内部に収納配置する。そし
て、この耐圧容器4A内に連通する全ての配管系のバル
ブ6a、8d、10a、14A、14B、20aが閉じ
られているのを確認して、耐圧容器4Aのハッチ5を閉
じ、耐圧容器4Bでの養生工程が終了するのを待ち、養
生工程終了後は高温高圧な養生水の移し替え工程に移行
する。
【0031】以後、上述のようにして各耐圧容器4A、
4B毎に養生工程、移し替え工程、待機工程とをそれぞ
れ順次繰り返し、二つの耐圧容器4A,4B間で交互に
高温高圧な養生水を移し替えながら当該養生水を継続し
て再使用しつつ、高温高圧水中養生を繰り返していく。
【0032】このようにして、一度加熱して高温にした
養生水を両耐圧容器4A、4B間で順次交互に移送して
繰り返し再使用することができるため、コンクリート成
形品を入れ替える度に養生水を新たな水に交換したり、
その水をヒータ12等によって低温から加熱したりする
必要がなく、このような水の交換や加熱をその都度行う
場合に比べ、多量の水を節約できると共に加熱する手間
と加熱に要する熱エネルギーも大幅に削減でき、時間的
にも熱的にも極めて効率良く養生が行え、コンクリート
成形品の製造コストを著しく低減できるようになる。さ
らに、取り扱い上で安全性に十分な配慮を必要とする高
温な養生水を、2つの耐圧容器4A、4Bとそれらを繋
ぐ2つの移送管16A、16Bとからなる閉ざされた装
置の中に留めておくことができるため、作業者の安全性
を格段に向上させることができる。
【0033】即ち、本発明の養生装置によれば、高温高
圧な養生水を移送させる装置を特別に設けることなく、
耐圧容器4A、4B内の圧力差を利用して養生水の多く
を移動させているので、容易に養生水を両耐圧容器4
A、4B間で移し替えることができ、圧縮空気供給手段
8によって移送しなければならない養生水の量は少なく
なり、圧縮空気供給手段8の作動時間も短くて済み、そ
の作動に要する動力エネルギーをも抑えて効率良く養生
水を移し替えることができる。そして、これらのこと
は、受け入れ側である待機工程中の耐圧容器の脱気バル
ブ10aを開放させておくことでより顕著になり、しか
も開放した脱気バルブ10aが空気の抜け孔となるの
で、圧縮空気供給手段8や耐圧容器4A、4B、並びに
移送管16A、16Bに過大な負荷をかけることがない
ため、装置の劣化や破損も防止することができる。
【0034】また、単一の耐圧容器からなる高温高圧水
中養生装置にあっても、その機能面から各々開閉バルブ
を介して給水手段と、脱気手段と、圧縮空気供給手段と
がそれぞれ備えられ、さらに耐圧容器内の養生水の水温
を上昇または保温するためのヒータも有しているので、
このような耐圧容器を2つ用いて、それらを開閉バルブ
14A、14Bを介して2つの移送管16A、16Bで
繋ぐだけという簡単な改造で、多大な設備投資をするこ
となく極めて安価に、かつ容易に本発明の高温高圧水中
養生装置2を得ることができる。
【0035】なお本実施形態では、前にも述べたよう
に、説明の便宜上、2つの耐圧容器を2つの移送管で相
互に循環路を形成するように繋いだ形態について説明し
たが、連結する耐圧容器の数はこれに限らず、2つ以上
であればいくつあっても構わない。その例として、3つ
の耐圧容器を用いた本発明の第2実施形態について図5
を参照し、第1実施形態と同一部材については、同符号
を付して第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0036】図示するように、第1実施形態と同様の耐
圧容器を3つ用いて、第1耐圧容器4Aの下部には、開
閉バルブ14Aを介して第2耐圧容器4Bの上部に連通
される養生水の送り出し側(耐圧容器4Bの受け入れ
側)の移送管16Aを設ける。同様に第2耐圧容器4B
の下部には、開閉バルブ14Bを介して第3耐圧容器4
Cの上部に連通される養生水の送り出し側(耐圧容器4
Cの受け入れ側)の移送管16Bを設ける。さらに同様
に、第3耐圧容器4Cの下部には、開閉バルブ14Cを
介して第1耐圧容器4Aに連通される養生水の送り出し
側(耐圧容器4Aの受け入れ側)の移送管16Cを設け
る。このようにして3つの耐圧容器4A,4B,4Cを
3本の移送管16A,16B,16Cによって相互に循
環路を形成するように連結させる。
【0037】そして、この高温高圧水中養生装置を用い
た養生方法は、前記と同様の手順に従って第2耐圧容器
4Bで高温高圧水中養生(養生工程)を開始し、次にこ
れと同様の手順に従って第1耐圧容器4Aにおいても独
立して高温高圧水中養生(養生工程)を開始する。第3
耐圧容器4Cは、コンクリート成形品を収納配置して、
内部を密閉した状態で待機する(待機工程)。
【0038】その後、第2耐圧容器4Bの養生工程が終
了次第、第1実施形態と同様の手順に従って、第2耐圧
容器4B内の高温高圧な養生水を第3耐圧容器内4Cに
移送し(移し替え工程)、第3耐圧容器4Cにて高温高
圧水中養生(養生工程)を行う。その後、第2耐圧容器
4Bの温度が下がるのを待って、内部のコンクリート成
形品を養生するコンクリート成形品と入れ替え、内部を
密閉状態にして待機する(待機工程)。
【0039】そして、第1耐圧容器4Aの養生工程が終
了次第、その高温高圧な養生水を第2耐圧容器4Bに移
送し(移し替え工程)、第2耐圧容器4Bで養生を開始
すると共に第1耐圧容器4Aのコンクリート成形品を入
れ替えて待機状態(待機工程)にする。以後、この各工
程作業を各耐圧容器4A、4B、4C毎にずらして順次
繰り返して、前記高温高圧な養生水を循環路を形成する
ように繋がれた3つの耐圧容器4A、4B、4Cに移し
替えながらコンクリート成形品の養生を行う。
【0040】前記のように第2実施形態に示すコンクリ
ート成形品の高温高圧水中養生装置およびその装置を用
いた養生方法にあっては、各耐圧容器4A、4B、4C
で行う養生工程の開始時期をずらしつつ、常時少なくと
も1つの耐圧容器が待機工程の状態にあるようにするこ
とによって、養生工程の終了した耐圧容器内の養生水を
直ぐにその待機工程中の耐圧容器に移し替えて養生工程
へと移行させることにより、待機工程での待機時間を減
少させることができるため、作業効率よく短時間でより
多くのコンクリート成形品の養生を行うことができ、生
産効率の向上が図れる。
【0041】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明の
コンクリート成形品の高温高圧水中養生装置およびその
装置を用いた養生方法では、以下のような優れた効果を
発揮する。
【0042】(1)複数の耐圧容器が相互に循環路を形
成するように連結されており、開閉バルブを全て閉じる
ことによって、各耐圧容器をそれぞれ独立した養生装置
として使用することができると共に、開閉バルブを開放
することによって連通することができる。
【0043】(2)耐圧容器内部に溜まっている高圧な
養生水を、前記開閉バルブを開放するだけで容易に他方
の常圧の耐圧容器内に移し替えることができる。
【0044】(3)一度使用した高温高圧な養生水を複
数の耐圧容器間で順次に移し替えて繰り返し循環させて
再使用することができるため、コンクリート成形品を入
れ替える都度に新たな養生水として水または温水で耐圧
容器内を満たす場合に比べ、多量の水を節約できると共
に加熱する手間とその熱エネルギーをも大幅に削減で
き、時間的にも消費エネルギー的にも極めて効率の良い
養生が行える。
【0045】(4)開閉バルブを開放させるだけの操作
で、高温高圧な養生水を移し替えることができ、高温な
養生水が外部に排出されることがないため、作業の安全
性を格段に向上させることができる。
【0046】(5)移送管の開閉バルブを開放させるだ
けで、養生工程終了後の耐圧容器内の高温高圧な養生水
を常圧となっている待機工程の耐圧容器内に、それらの
内圧が平衡状態になるまで移動させることができ、その
際、受け入れ側の待機工程の耐圧容器の脱気手段の開閉
バルブを開放させることで、送り出し側の養生工程終了
後の耐圧容器内の内圧を最大限に利用して可及的に多量
の養生水を移動させることができ、更に、送り出し側の
養生工程終了後の耐圧容器内に残存する養生水は、当該
養生終了後の耐圧容器に設けられた圧縮空気供給手段か
らその内部に圧縮空気を供給することで他方の待機工程
の耐圧容器内に容易にそのほぼ全量を移送することがで
きる。
【0047】(6)更に、前記移送管はこれを繋ぐ受け
入れ側の耐圧容器に対して、その上部に接続させると、
受け入れ側の耐圧容器内に移送済みの養生水の重量によ
る圧力の影響を受けることなく養生水を移送することが
でき、送り出し側の耐圧容器の圧縮空気供給手段にかか
る負荷の軽減化が図れると共に、移送時間の短縮化が図
れ、圧縮空気供給手段の運転時間の短縮化が図れ、圧縮
空気供給手段の消費エネルギーを抑えて効率良く養生水
を移し替えることができる。
【0048】(7)既存の耐圧容器を複数用いて、それ
らを開閉バルブを介して養生水の移送管で相互に循環路
を形成するように繋ぐだけという簡易な構造で構成で
き、多大な設備投資をすることなく極めて安価に、かつ
容易に本発明の高温高圧水中養生装置を得ることができ
る。
【0049】(8)各耐圧容器の工程をずらすことで、
養生工程の終了した耐圧容器内の高温高圧な養生水を順
次に待機工程の耐圧容器に移し替えて養生を繰り返すこ
とができるため、熱エネルギーの損失を大幅に削減し
て、エネルギーおよび時間の両面で極めて効率よく養生
作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート成形品の高温高圧水中養
生装置の第1実施形態を示す構成モデル図である。
【図2】本発明のコンクリート成形品の高温高圧水中養
生装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のコンクリート成形品の高温高圧水中養
生装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図4】図3のA−A断面図であるである。
【図5】本発明のコンクリート成形品の高温高圧水中養
生装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
2 高温高圧水中養生装置 4A,4B,4C 耐圧容器 5 ハッチ 6 養生水供給手段 6a 開閉バルブ 8 圧縮空気供給手段 8a コンプレッサ 8b 切換弁 8c 供給管路 8d 開閉弁 10 脱気手段 10a 開閉弁 12 ヒータ 14A,14B,14C 開閉バルブ 16A.16B,16C 移送管 18 網部材 20 水抜管 20a 開閉バルブ 22 遠隔操作盤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐圧容器内に封入した高温高圧な養生水
    中でコンクリート成形品を養生する高温高圧水中養生装
    置であって、 コンクリート成形品を収納する開閉可能な複数の耐圧容
    器を備え、 該各耐圧容器には、容器内部に養生水として水または温
    水を供給する養生水供給手段と、容器内部に圧縮空気を
    供給して内部の養生水を加圧する圧縮空気供給手段と、
    容器内部に供給された養生水を加熱して所定温度に維持
    するヒータと、容器上部に設けられ内部を大気開放する
    脱気バルブとが設けられると共に、その下部には他の耐
    圧容器の任意箇所に繋がり開閉バルブを介して該他の耐
    圧容器に連通されて養生水を送り出す移送管が設けられ
    る一方、その任意箇所には他の耐圧容器の下部に繋がり
    開閉バルブを介して該他の耐圧容器に連通されて養生水
    を受け入れる移送管が設けられ、 該各耐圧容器は前記2つの移送管により相互に循環路を
    形成するように連結されていることを特徴とするコンク
    リート成形品の高温高圧水中養生装置。
  2. 【請求項2】前記養生水の受け入れ側の移送管が各耐圧
    容器の上部に位置して設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載のコンクリート成形品の高温高圧水中養
    生装置。
  3. 【請求項3】 前記コンクリート成形品の高温高圧水中
    養生装置を用いたコンクリート成形品の養生方法であっ
    て、 前記耐圧容器内を養生水で満たし、該養生水を前記ヒー
    タで所定の高温度に維持するとともに前記圧縮空気供給
    手段から圧縮空気を供給して該耐圧容器内を高圧にし、
    容器内部に収納したコンクリート成形品を所定期間養生
    する養生工程と、 該養生工程の終了後に、該耐圧容器の前記送り出し側の
    移送管の開閉バルブを開いて、該耐圧容器内に満たされ
    た高温高圧の養生水を該送り出し側の移送管を通じて他
    の耐圧容器に移し替え、該養生水の移し替えの終了後、
    該送り出し側移送管の開閉バルブを閉じる養生水の移し
    替え工程と、 該移し替え工程の終了後に、内部から養生後のコンクリ
    ート成形品を取り出して養生前のコンクリート成形品に
    入れ替えた後、他の耐圧容器からの養生水の受け入れを
    待つ待機工程とを有し、 該各耐圧容器毎に該各工程をずらして順次繰り返して、
    前記養生水を循環路を形成するように繋がれた複数の耐
    圧容器に移し替えながらコンクリート成形品を養生する
    ことを特徴とするコンクリート成形品の高温高圧水中養
    生方法。
  4. 【請求項4】 前記養生水の移し替え工程において、前
    記他の耐圧容器はその脱気手段により内部が大気開放さ
    れることを特徴とする請求項3記載のコンクリート成形
    品の高温高圧水中養生方法。
  5. 【請求項5】 前記養生水の移し替え工程において、前
    記養生工程の終了した耐圧容器の前記圧縮空気供給手段
    から圧縮空気を供給して、内部に残存する養生水を強制
    的に該他の耐圧容器に移し替えることを特徴とする請求
    項3または4のいずれかに記載のコンクリート成形品の
    高温高圧水中養生方法。
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