JP2000319664A - 炭素材料用メソフェーズピッチ及び炭素繊維の製造法 - Google Patents
炭素材料用メソフェーズピッチ及び炭素繊維の製造法Info
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- JP2000319664A JP2000319664A JP11128606A JP12860699A JP2000319664A JP 2000319664 A JP2000319664 A JP 2000319664A JP 11128606 A JP11128606 A JP 11128606A JP 12860699 A JP12860699 A JP 12860699A JP 2000319664 A JP2000319664 A JP 2000319664A
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- Japan
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- mesophase pitch
- pitch
- carbon fiber
- softening point
- thermal conductivity
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Abstract
(57)【要約】
【課題】配向性が高く、流動性に優れ、かつ繊維特性に
優れたピッチ系炭素繊維の原料となるメソフェーズピッ
チ、および高熱伝導率を有する炭素繊維を工業的に有利
に製造する方法を提供する。 【解決手段】光学的異方性含有量90%以上で、軟化点
が190〜280℃でかつX線回折で測定される積層厚
さ(Lc)が6nm以上のメソフェーズピッチ及び該メソフェ
ーズピッチを原料とする炭素繊維の製造法。
優れたピッチ系炭素繊維の原料となるメソフェーズピッ
チ、および高熱伝導率を有する炭素繊維を工業的に有利
に製造する方法を提供する。 【解決手段】光学的異方性含有量90%以上で、軟化点
が190〜280℃でかつX線回折で測定される積層厚
さ(Lc)が6nm以上のメソフェーズピッチ及び該メソフェ
ーズピッチを原料とする炭素繊維の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配向性が高く、流動
性等に優れた炭素材料用メソフェーズピッチ及びそれを
用いた高熱伝導率を有する炭素繊維の製造法に関する。
高熱伝導率を有する炭素繊維は、特に広い温度分布下で
の寸法安定性が要求される宇宙用材料、エレクトロデバ
イスの放熱用材料等の用途が期待されている。
性等に優れた炭素材料用メソフェーズピッチ及びそれを
用いた高熱伝導率を有する炭素繊維の製造法に関する。
高熱伝導率を有する炭素繊維は、特に広い温度分布下で
の寸法安定性が要求される宇宙用材料、エレクトロデバ
イスの放熱用材料等の用途が期待されている。
【0002】
【従来の技術】高性能の炭素繊維は、工業的には一般に
PAN(ポリアクリロニトリル)を原料として製造され
ている。しかし、PANは高価であり、またその炭化収
率が低いことが欠点である。近年、ピッチを原料として
高性能炭素繊維を製造できることが見出されている。炭
素材料用ピッチには、光学的に等方性なピッチと異方性
のピッチがある。光学的等方性ピッチから製造された炭
素繊維は安価であるが、分子配向が悪いため強度が低
く、高性能品が得られない。これに対してメソフェーズ
ピッチと呼ばれる光学的異方性ピッチから製造される炭
素繊維は、高度の分子配向性を有しており、強度と弾性
率において優れた機械的性質を示す。このため石油の接
触分解油からのピッチ、石油タールピッチ、あるいはコ
ールタールピッチから高性能炭素繊維の原料であるメソ
フェーズピッチを製造する研究が広く進められている。
このメソフェーズピッチを用いて溶融紡糸法により繊維
を製造すると、発達した芳香族平面分子がノズル孔を通
過する際に加えられるせん断応力により繊維軸方向に配
列する。この構造は、その後の不融化処理、炭化処理の
際も乱れることなく維持されるため、配向性のよい高性
能炭素繊維が得られることが多くの実験で確認されてい
る。
PAN(ポリアクリロニトリル)を原料として製造され
ている。しかし、PANは高価であり、またその炭化収
率が低いことが欠点である。近年、ピッチを原料として
高性能炭素繊維を製造できることが見出されている。炭
素材料用ピッチには、光学的に等方性なピッチと異方性
のピッチがある。光学的等方性ピッチから製造された炭
素繊維は安価であるが、分子配向が悪いため強度が低
く、高性能品が得られない。これに対してメソフェーズ
ピッチと呼ばれる光学的異方性ピッチから製造される炭
素繊維は、高度の分子配向性を有しており、強度と弾性
率において優れた機械的性質を示す。このため石油の接
触分解油からのピッチ、石油タールピッチ、あるいはコ
ールタールピッチから高性能炭素繊維の原料であるメソ
フェーズピッチを製造する研究が広く進められている。
このメソフェーズピッチを用いて溶融紡糸法により繊維
を製造すると、発達した芳香族平面分子がノズル孔を通
過する際に加えられるせん断応力により繊維軸方向に配
列する。この構造は、その後の不融化処理、炭化処理の
際も乱れることなく維持されるため、配向性のよい高性
能炭素繊維が得られることが多くの実験で確認されてい
る。
【0003】本発明において「メソフェーズ」とは、偏
光顕微鏡で観察した際に光学的異方性を示す相成分を指
し、偏光顕微鏡で観察した際の光学的異方性相の面積分
率を「光学的異方性含有量」と称する。この光学的異方
性含有量が少ない場合、溶融状態で異方性相と等方性相
が分離し紡糸操作を妨害するので、光学的異方性含有量
が高いものが望ましい。しかし、光学的異方性含有量を
多くすると一般にピッチの軟化点と粘度が高くなり、安
定した紡糸が困難となる。すなわち軟化点と粘度が高い
ので高温での紡糸が必要となり、ピッチの熱分解・熱縮
合反応が起こり易く、ガス及び不融性の高分子物質が生
成するので、安定な紡糸を長時間継続することが困難で
ある。
光顕微鏡で観察した際に光学的異方性を示す相成分を指
し、偏光顕微鏡で観察した際の光学的異方性相の面積分
率を「光学的異方性含有量」と称する。この光学的異方
性含有量が少ない場合、溶融状態で異方性相と等方性相
が分離し紡糸操作を妨害するので、光学的異方性含有量
が高いものが望ましい。しかし、光学的異方性含有量を
多くすると一般にピッチの軟化点と粘度が高くなり、安
定した紡糸が困難となる。すなわち軟化点と粘度が高い
ので高温での紡糸が必要となり、ピッチの熱分解・熱縮
合反応が起こり易く、ガス及び不融性の高分子物質が生
成するので、安定な紡糸を長時間継続することが困難で
ある。
【0004】このような欠点を改良する方法として本発
明者らは HF-BF3 を用いてナフタレン等の縮合多環芳香
族炭化水素を重合することで、不融化性が良好で、軟化
点が低くかつ光学的異方性含有量の高いメソフェーズピ
ッチの製造法を提案した(特許第526585号、特許
第2621253号)。しかしながら、それらのピッチ
は軟化点が低く不融化性は良好なものの、まだ配向性が
低く、高熱伝導率の炭素繊維を得るためには3000℃以上
の高温で黒鉛化する必要がある。
明者らは HF-BF3 を用いてナフタレン等の縮合多環芳香
族炭化水素を重合することで、不融化性が良好で、軟化
点が低くかつ光学的異方性含有量の高いメソフェーズピ
ッチの製造法を提案した(特許第526585号、特許
第2621253号)。しかしながら、それらのピッチ
は軟化点が低く不融化性は良好なものの、まだ配向性が
低く、高熱伝導率の炭素繊維を得るためには3000℃以上
の高温で黒鉛化する必要がある。
【0005】ピッチ系炭素繊維は、PAN系炭素繊維に
比べて、炭化工程での歩留まりが大きく、弾性率、熱伝
導率が高いなどの特徴を有している。この特徴を生かす
ためより高弾性率を有する炭素繊維を製造しようとする
試みがなされており、特開平9-119024号には、メソフェ
ーズピッチを紡糸ノズル直前で特定粘度の下で静置して
ピッチ液晶のドメインサイズを成長させて紡糸する方法
が記載されている。しかし、この方法でも配向性が不十
分であり、高熱伝導率の炭素繊維を得るためには3000℃
以上の高温で黒鉛化する必要がある。
比べて、炭化工程での歩留まりが大きく、弾性率、熱伝
導率が高いなどの特徴を有している。この特徴を生かす
ためより高弾性率を有する炭素繊維を製造しようとする
試みがなされており、特開平9-119024号には、メソフェ
ーズピッチを紡糸ノズル直前で特定粘度の下で静置して
ピッチ液晶のドメインサイズを成長させて紡糸する方法
が記載されている。しかし、この方法でも配向性が不十
分であり、高熱伝導率の炭素繊維を得るためには3000℃
以上の高温で黒鉛化する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く高熱伝導率
の炭素繊維を得るために種々の検討が行われているが、
炭素繊維の原料となるメソフェーズピッチの配向性が不
十分であり、より高熱伝導率を求めるには3000℃以上で
黒鉛化する必要がある。しかし、このような黒鉛化温度
では炉の消耗が激しく、最終的に得られる黒鉛化繊維の
価格が高くなる要因となっている。本発明の目的は、配
向性が高く、流動性に優れ、かつ繊維特性に優れたピッ
チ系炭素繊維の原料となるメソフェーズピッチ、および
高熱伝導率を有する炭素繊維を工業的有利に製造する方
法を提供することにある。
の炭素繊維を得るために種々の検討が行われているが、
炭素繊維の原料となるメソフェーズピッチの配向性が不
十分であり、より高熱伝導率を求めるには3000℃以上で
黒鉛化する必要がある。しかし、このような黒鉛化温度
では炉の消耗が激しく、最終的に得られる黒鉛化繊維の
価格が高くなる要因となっている。本発明の目的は、配
向性が高く、流動性に優れ、かつ繊維特性に優れたピッ
チ系炭素繊維の原料となるメソフェーズピッチ、および
高熱伝導率を有する炭素繊維を工業的有利に製造する方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高度に配向
しても流動性に優れ、紡糸性が良好で、かつ繊維特性に
優れたピッチ系炭素繊維の原料となるメソフェーズピッ
チについて鋭意検討した結果、メソフェーズピッチの光
学的異方性含有量と軟化点と構成分子の積層が重要であ
り、少なくとも1個のアルキル基を有する縮合多環方向
族化合物を HF-BF3 存在下で重合することにより、高熱
伝導率を有する炭素繊維を製造するために有利なメソフ
ェーズピッチが得られることを見出し、本発明に到達し
た。
しても流動性に優れ、紡糸性が良好で、かつ繊維特性に
優れたピッチ系炭素繊維の原料となるメソフェーズピッ
チについて鋭意検討した結果、メソフェーズピッチの光
学的異方性含有量と軟化点と構成分子の積層が重要であ
り、少なくとも1個のアルキル基を有する縮合多環方向
族化合物を HF-BF3 存在下で重合することにより、高熱
伝導率を有する炭素繊維を製造するために有利なメソフ
ェーズピッチが得られることを見出し、本発明に到達し
た。
【0008】即ち本発明は、光学的異方性含有量が90
%以上であり、フローテスターで測定した軟化点が19
0〜280℃でかつX線回折による積層厚さ(Lc)が6n
m以上であることを特徴とする炭素材料用メソフェーズ
ピッチおよび、該メソフェーズピッチを溶融紡糸した
後、不融化処理、黒鉛化処理することを特徴とする炭素
繊維の製造法である。なお該メソフェーズピッチは、少
なくとも1個以上のアルキルを有する縮合多環芳香族化
合物を原料とし HF-BF3 の存在下、150℃から400℃の温
度で反応することにより得られる。
%以上であり、フローテスターで測定した軟化点が19
0〜280℃でかつX線回折による積層厚さ(Lc)が6n
m以上であることを特徴とする炭素材料用メソフェーズ
ピッチおよび、該メソフェーズピッチを溶融紡糸した
後、不融化処理、黒鉛化処理することを特徴とする炭素
繊維の製造法である。なお該メソフェーズピッチは、少
なくとも1個以上のアルキルを有する縮合多環芳香族化
合物を原料とし HF-BF3 の存在下、150℃から400℃の温
度で反応することにより得られる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明のメソフェーズピッチの光学
的異方性含有量は90%以上、好ましくは100%であ
る。光学的異方性含有量は前述の如く偏光顕微鏡で測定
される。光学的異方性含有量が90%より低いと黒鉛化
した後の炭素繊維の黒鉛結晶性が低く、高熱伝導率が得
られない。また本発明のメソフェーズピッチの軟化点は
190〜280℃、好ましくは200〜260℃であ
る。この軟化点は島津製のフローテスターを用いて10
kgの荷重下、毎分6℃の昇温速度で測定される。軟化点
が190℃より低いと不融化開始温度が低くなり、生産
性が低下する。軟化点が280℃より高いと紡糸時にピ
ッチの分解が起こり、分解ガスの発生により紡糸性が低
下する。更に本発明のメソフェーズピッチのX線回折で
求めた積層厚さ(Lc)は6nm以上である。この積層厚さ(L
c)はシリコンを標準物質として学振法で測定される。積
層厚さ(Lc)が6nm未満の場合は配向性が悪いので、熱伝
導率を上げるために高温での黒鉛化が必要となる。なお
炭素繊維の熱伝導率はレーザーフラッシュ法で測定され
る。
的異方性含有量は90%以上、好ましくは100%であ
る。光学的異方性含有量は前述の如く偏光顕微鏡で測定
される。光学的異方性含有量が90%より低いと黒鉛化
した後の炭素繊維の黒鉛結晶性が低く、高熱伝導率が得
られない。また本発明のメソフェーズピッチの軟化点は
190〜280℃、好ましくは200〜260℃であ
る。この軟化点は島津製のフローテスターを用いて10
kgの荷重下、毎分6℃の昇温速度で測定される。軟化点
が190℃より低いと不融化開始温度が低くなり、生産
性が低下する。軟化点が280℃より高いと紡糸時にピ
ッチの分解が起こり、分解ガスの発生により紡糸性が低
下する。更に本発明のメソフェーズピッチのX線回折で
求めた積層厚さ(Lc)は6nm以上である。この積層厚さ(L
c)はシリコンを標準物質として学振法で測定される。積
層厚さ(Lc)が6nm未満の場合は配向性が悪いので、熱伝
導率を上げるために高温での黒鉛化が必要となる。なお
炭素繊維の熱伝導率はレーザーフラッシュ法で測定され
る。
【0010】上記の如く本発明のメソフェーズピッチ
は、少なくとも1個以上のアルキルを有する縮合多環芳
香族化合物を原料とし HF-BF3 の存在下、150℃から400
℃で重合反応することにより得られる。原料となる少な
くとも1個以上のアルキルを有する縮合多環芳香族化合
物としては、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等
が挙げられ、これらの縮合多環芳香族化合物を有する種
々の石油留分、石油加工工程の残油及び石炭タール留分
が原料に用いられる。重合触媒量は、原料1モルに対し
て弗化水素0.2〜1モル、三弗化硼素0.05〜0.
5モルである。弗化水素が1モル、三弗化硼素が0.5
モルを超える量を使用しても触媒の循環量が多くなり、
反応器も大きくなり有利でない。また弗化水素0.2モ
ル、三弗化硼素0.05モル未満では光学的異方性含有
量が90%以上のメソフェーズピッチが得られない。
は、少なくとも1個以上のアルキルを有する縮合多環芳
香族化合物を原料とし HF-BF3 の存在下、150℃から400
℃で重合反応することにより得られる。原料となる少な
くとも1個以上のアルキルを有する縮合多環芳香族化合
物としては、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等
が挙げられ、これらの縮合多環芳香族化合物を有する種
々の石油留分、石油加工工程の残油及び石炭タール留分
が原料に用いられる。重合触媒量は、原料1モルに対し
て弗化水素0.2〜1モル、三弗化硼素0.05〜0.
5モルである。弗化水素が1モル、三弗化硼素が0.5
モルを超える量を使用しても触媒の循環量が多くなり、
反応器も大きくなり有利でない。また弗化水素0.2モ
ル、三弗化硼素0.05モル未満では光学的異方性含有
量が90%以上のメソフェーズピッチが得られない。
【0011】重合に要する時間は、原料の種類、反応温
度及び触媒の量により変化するが、通常30〜300分
である。重合終了後、触媒を分離し、不活性ガスの存在
下、300〜500℃、好ましくは340〜450℃の
温度範囲で、1分から60時間の軽質分除去を行うこと
により、本発明のメソフェーズピッチが得られる。な
お、重合反応や軽質分除去の条件は、光学的異方性含有
量、軟化点およびX線回折で求めた積層厚さ(Lc)が本発
明のメソフェーズピッチの要件に適合するように設定さ
れる。
度及び触媒の量により変化するが、通常30〜300分
である。重合終了後、触媒を分離し、不活性ガスの存在
下、300〜500℃、好ましくは340〜450℃の
温度範囲で、1分から60時間の軽質分除去を行うこと
により、本発明のメソフェーズピッチが得られる。な
お、重合反応や軽質分除去の条件は、光学的異方性含有
量、軟化点およびX線回折で求めた積層厚さ(Lc)が本発
明のメソフェーズピッチの要件に適合するように設定さ
れる。
【0012】本発明の光学的異方性含有量が90%以上
で、軟化点が190〜280℃でかつX線回折で測定さ
れる積層厚さ(Lc)が6nm以上のメソフェーズピッチは、
配向性が高く、かつ均一性も高いので、これを原料とし
て、紡糸、不融化、黒鉛化することで、高熱伝導の炭素
繊維が得られる。本発明のメソフェーズピッチを原料に
用いて、260〜380℃で溶融紡糸し、酸素含有ガス
存在下で不融化した後、3000℃未満の温度で黒鉛化
することにより高熱伝導率を有する炭素繊維が得られ
る。
で、軟化点が190〜280℃でかつX線回折で測定さ
れる積層厚さ(Lc)が6nm以上のメソフェーズピッチは、
配向性が高く、かつ均一性も高いので、これを原料とし
て、紡糸、不融化、黒鉛化することで、高熱伝導の炭素
繊維が得られる。本発明のメソフェーズピッチを原料に
用いて、260〜380℃で溶融紡糸し、酸素含有ガス
存在下で不融化した後、3000℃未満の温度で黒鉛化
することにより高熱伝導率を有する炭素繊維が得られ
る。
【0013】
【実施例】次に実施例により更に具体的に説明する。も
ちろん本発明はこれらの実施例により制限されるもので
はない。
ちろん本発明はこれらの実施例により制限されるもので
はない。
【0014】実施例1 メチルナフタレン1モル、弗化水素0.5モル、三弗化
硼素0.2モルを0.5Lのオートクレーブに仕込み、
270℃で4時間反応後、触媒を回収した。その後、3
50℃で12時間不活性ガスを吹き込むことで軽質分を
除き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピ
ッチは光学的異方性含有量が100%、軟化点が226
℃、積層厚さ(Lc)は8nmであった。このメソフェーズピ
ッチを310℃で溶融紡糸し、空気中300℃で不融化
後、2800℃で黒鉛化処理を行った。得られた炭素繊
維の熱伝導率は600W/mKであった。
硼素0.2モルを0.5Lのオートクレーブに仕込み、
270℃で4時間反応後、触媒を回収した。その後、3
50℃で12時間不活性ガスを吹き込むことで軽質分を
除き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピ
ッチは光学的異方性含有量が100%、軟化点が226
℃、積層厚さ(Lc)は8nmであった。このメソフェーズピ
ッチを310℃で溶融紡糸し、空気中300℃で不融化
後、2800℃で黒鉛化処理を行った。得られた炭素繊
維の熱伝導率は600W/mKであった。
【0015】実施例2 ジナフタレン1モル、弗化水素0.7モル、三弗化硼素
0.25モルを0.5Lのオートクレーブに仕込み、2
80℃で4時間反応後、触媒を回収した。その後350
℃で12時間不活性ガスを吹き込むことで軽質分を除
き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッ
チは光学的異方性含有量が100%、軟化点が238
℃、積層厚さ(Lc)は15nmであった。このメソフェーズピ
ッチを320℃で溶融紡糸し、空気中300℃で不融化
後、2800℃で炭化処理を行った。得られた炭素繊維
の熱伝導率は700W/mKであった。
0.25モルを0.5Lのオートクレーブに仕込み、2
80℃で4時間反応後、触媒を回収した。その後350
℃で12時間不活性ガスを吹き込むことで軽質分を除
き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッ
チは光学的異方性含有量が100%、軟化点が238
℃、積層厚さ(Lc)は15nmであった。このメソフェーズピ
ッチを320℃で溶融紡糸し、空気中300℃で不融化
後、2800℃で炭化処理を行った。得られた炭素繊維
の熱伝導率は700W/mKであった。
【0016】比較例1 ナフタレン1モル、弗化水素0.7モル、三弗化硼素
0.2モルを0.5Lのオートクレーブに仕込み、27
0℃で2時間反応後、触媒を回収した。その後、340
℃で12時間不活性ガスを吹き込むことで軽質分を除
き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッ
チは光学的異方性含有量が100%、軟化点が248
℃、積層厚さ(Lc)は2nmであった。このメソフェーズピ
ッチを330℃で溶融紡糸し、空気中300℃で不融化
後、2800℃で炭化処理を行った。得られた炭素繊維
の熱伝導率は350W/mKであった。
0.2モルを0.5Lのオートクレーブに仕込み、27
0℃で2時間反応後、触媒を回収した。その後、340
℃で12時間不活性ガスを吹き込むことで軽質分を除
き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッ
チは光学的異方性含有量が100%、軟化点が248
℃、積層厚さ(Lc)は2nmであった。このメソフェーズピ
ッチを330℃で溶融紡糸し、空気中300℃で不融化
後、2800℃で炭化処理を行った。得られた炭素繊維
の熱伝導率は350W/mKであった。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明により、光学的異方
性含有量が90%以上、軟化点が200〜300℃で、
X線回折で測定される積層厚さ(Lc)が6nm以上のメソフ
ェーズピッチを紡糸・不融化することで、高熱伝導率を
有する炭素繊維が得られる。本発明にメソフェーズピッ
チでは、従来より低い3000℃未満の温度で炭素繊維
の黒鉛化を行うことができるので、高性能の炭素繊維を
工業的に有利に製造することができる。
性含有量が90%以上、軟化点が200〜300℃で、
X線回折で測定される積層厚さ(Lc)が6nm以上のメソフ
ェーズピッチを紡糸・不融化することで、高熱伝導率を
有する炭素繊維が得られる。本発明にメソフェーズピッ
チでは、従来より低い3000℃未満の温度で炭素繊維
の黒鉛化を行うことができるので、高性能の炭素繊維を
工業的に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H058 DA17 DA49 EA03 EA12 FA12 FA33 FA40 HA02 HA06 HA14 HA30 4L037 CS03 PG04 PP07 PP39 PS02 UA06
Claims (3)
- 【請求項1】 光学的異方性含有量が90%以上であ
り、フローテスターで測定した軟化点が190〜280
℃でかつX線回折による積層厚さ(Lc)が6nm以上であ
ることを特徴とする炭素材料用メソフェーズピッチ。 - 【請求項2】 光学的異方性含有量が90%以上であ
り、フローテスターで測定した軟化点が190〜280
℃でかつX線回折による積層厚さ(d002)が6nm以上で
あるメソフェーズピッチを溶融紡糸した後、不融化処
理、黒鉛化処理することを特徴とする炭素繊維の製造
法。 - 【請求項3】黒鉛化処理温度が3000℃未満である請
求項3に記載の炭素繊維の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11128606A JP2000319664A (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 炭素材料用メソフェーズピッチ及び炭素繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11128606A JP2000319664A (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 炭素材料用メソフェーズピッチ及び炭素繊維の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000319664A true JP2000319664A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=14988944
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11128606A Pending JP2000319664A (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 炭素材料用メソフェーズピッチ及び炭素繊維の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000319664A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100653929B1 (ko) | 2005-11-23 | 2006-12-08 | 주식회사 씨알-텍 | 탄소섬유강화 탄소 복합재료 (탄소/탄소 복합재) 제조용기질피치 제조방법 |
| CN104151532A (zh) * | 2014-08-12 | 2014-11-19 | 上海交通大学 | 制备高模量高导热碳纤维用的中间相沥青原料及制备方法 |
| CN104151531A (zh) * | 2014-08-12 | 2014-11-19 | 上海交通大学 | 一种生产碳纤维用的中间相沥青原料及制备方法 |
| JPWO2016204240A1 (ja) * | 2015-06-18 | 2018-03-01 | 帝人株式会社 | 繊維状炭素及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池用電極合剤層、並びに非水電解質二次電池用電極、並びに非水電解質二次電池 |
| CN115029816A (zh) * | 2022-06-17 | 2022-09-09 | 武汉科技大学 | 超高导热中间相沥青基碳纤维、复合材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-05-10 JP JP11128606A patent/JP2000319664A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100653929B1 (ko) | 2005-11-23 | 2006-12-08 | 주식회사 씨알-텍 | 탄소섬유강화 탄소 복합재료 (탄소/탄소 복합재) 제조용기질피치 제조방법 |
| CN104151532A (zh) * | 2014-08-12 | 2014-11-19 | 上海交通大学 | 制备高模量高导热碳纤维用的中间相沥青原料及制备方法 |
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| JPWO2016204240A1 (ja) * | 2015-06-18 | 2018-03-01 | 帝人株式会社 | 繊維状炭素及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池用電極合剤層、並びに非水電解質二次電池用電極、並びに非水電解質二次電池 |
| US11532822B2 (en) | 2015-06-18 | 2022-12-20 | Teijin Limited | Fibrous carbon, method for manufacturing same, electrode mixture layer for non-aqueous-electrolyte secondary cell, electrode for non-aqueous-electrolyte secondary cell, and non-aqueous-electrolyte secondary cell |
| CN115029816A (zh) * | 2022-06-17 | 2022-09-09 | 武汉科技大学 | 超高导热中间相沥青基碳纤维、复合材料及其制备方法 |
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