JP2000320670A - ピストンの表面処理方法 - Google Patents
ピストンの表面処理方法Info
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Abstract
間の滑り性を向上させることができるピストンの表面処
理方法を提供すること。 【解決手段】ポンプまたはモータなどのピストン8の摺
動面に、表面硬化処理をして硬化処理層6を形成すると
ともに、この硬化処理層6を研磨処理して平滑にし、そ
の平滑にした硬化処理層6の表面にDLC(ダイヤモン
ドライクカーボン)をコーティングして、DLC層7を
形成する。
Description
やピストンモータの、ピストンの表面処理方法に関する
ものである。
を示したものである。この斜板ピストンポンプは、シリ
ンダブロック1に形成したボア内をピストン2が、往復
することによって、圧油を供給するものである。上記ピ
ストン2は、筒状で、一方の端部内側に、凹球面2aを
形成し、ここにシュー4の球状部4aをはめ込んでい
る。このシュー4は、斜板5により、ピストン2に押し
つけられている。このとき、上記凹球面2aの先端をか
しめ、球状部4aがはずれないようにしている。また、
シリンダブロック1は、図示しない駆動源により、回転
軸xを中心にして、回転するように構成されている。こ
の回転軸xは、上記ピストン2の軸心からずれている。
ピストン2の軸心に対して、直交していない。そのた
め、シリンダブロック1と斜板5とが、軸xを中心にし
て相対回転すると、斜板5の、シュー4を押す部分の、
軸方向位置が変化する。このような斜板5の移動にとも
なって、ピストン2がボア内を往復する。このとき、シ
ュー4の球状部4aは、ピストン2の凹球面2a内で摺
動する。また、斜板ピストンポンプにおいては、ピスト
ン2の軸心と、斜板5とが直交していないため、斜板5
からシュー4を介してピストン2へ作用する力の方向
は、ピストン2が往復する方向とは異なる。すなわち、
往復運動する際、ピストン2には、曲げ応力が作用す
る。この曲げ応力により、ピストン2が疲労破壊しない
ようにするために、ピストン2の表面には軟窒化処理や
窒化処理、あるいは、焼き入れなどの表面硬化処理を施
している。このように、ピストン2の表面に、硬化処理
を行うことで、ピストン2は、曲げに対する強度が向上
する。
ストン2の外周面と、ボア内周面とが、焼き付いたり、
摩耗したりしないように、シリンダブロック1側には、
銅合金製のブッシュ3を圧入している。このように、ブ
ッシュ3を設けることにより、ピストン2とボア間の滑
り性が良くなる。滑り性が良くなると、耐焼き付き性
や、耐摩耗性が向上する。
ダブロック1のボアにブッシュ3を圧入して、シリンダ
2の外周面とボアとの間の滑り性を向上させるために
は、各部品の正確な寸法管理が必要である。ボアや、ブ
ッシュ3の寸法を正確に管理することはもちろん、圧入
により、ブッシュ3が変形して、各部品の寸法関係が狂
わないように、ブッシュ3の圧入工程にも、細心の注意
が必要である。すなわち、滑り性向上のために、ブッシ
ュ3を用いる方法では、部品数が多くなるとともに、加
工に手間がかかるため、費用がかかるという問題があっ
た。この発明の目的は、加工工数や、費用をかけずに、
ピストンとボア間の滑り性を向上させることができるピ
ストンの表面処理方法を提供することである。
たはモータなどのピストンの摺動面に、表面硬化処理を
して硬化処理層を形成するとともに、この硬化処理層を
研磨処理して平滑にし、その平滑にした硬化処理層の表
面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)をコーティ
ングする点に特徴を有する。第2の発明は、斜板に当接
したシューの球状部をはめ込むための凹球面を備えたピ
ストンの外周面に、上記凹球面側端部のかしめ加工部を
残して、表面硬化処理をして硬化処理層を形成するとと
もに、この硬化処理層を研磨して平滑にしてから、ピス
トンの外周面および凹球面上にDLC(ダイヤモンドラ
イクカーボン)をコーティングすることを特徴とする点
に特徴を有する。
提とし、表面硬化処理が、窒化または軟窒化処理である
とともに、研磨によって、硬化処理層の化合物層と拡散
層のうち化合物層を除去する点に特徴を有する。第4の
発明は、上記第1、第2の発明を前提とし、表面硬化処
理が、焼き入れ処理である点に特徴を有する。第5の発
明は、ポンプまたはモータなどのピストンの摺動面に、
SiC(炭化ケイ素)をコーティングしてSiC層を形
成するとともに、このSiC層の表面にDLC(ダイヤ
モンドライクカーボン)をコーティングする点に特徴を
有する。
この発明のピストンの表面処理方法を用いた斜板ピスト
ンポンプの例である。図1に示すピストン8が、球状部
8aを備えた形状が、従来例のものと異なる。また、こ
のピストン8は、外表面に、表面処理を施し、硬化処理
層6と、DLC層7とを備えている。上記表面処理は、
以下の手順で行う。まず、鉄製のピストン8の表面硬化
処理として、軟窒化処理を施し、硬化処理層を形成す
る。上記軟窒化処理によって形成した、硬化処理層は、
化合物層と、その下の拡散層からなる。上記硬化処理層
を形成したら、この表面を研磨処理して、化合物層を除
去するとともに、表面を平滑化する。このようにして、
化合物層を除いた層が、硬化処理層6である。
ングを施し、DLC層7を形成する。DLC層7を形成
することにより、ピストン8の外表面は、摩擦係数が小
さくなり、滑り性が向上する。このようにして図1に示
すピストン8を形成する。そして、このピストン8の球
状部8aを、シュー9の凹球面9aにはめ込んで、斜板
ピストンポンプを組み立てる。上記斜板ピストンポンプ
は、上記従来例と同様に、斜板5とシリンダブロック1
との相対回転によって、ピストン8が往復運動する仕組
みになっている。
DLC層7を備えているので、シリンダブロック1のボ
ア内周面との間の滑り性が良い。したがって、図9に示
す従来例のように、ブッシュ3を設けなくても、充分な
滑り性を得られ、焼き付く心配がない。また、ピストン
8の外周に、硬化処理層を形成してから、研磨処理をし
ているので、DLC層7の表面が、平滑になり、さらに
滑り性が向上する。なお、軟窒化処理を行った後に、化
合物層を除去する理由は、DLC層7を形成する際に、
化合物層があると、化合物層の中の窒素がDLC層7の
健全な形成を阻害してしまうからである。DLC層7の
形成が、健全に行われなければ、DLC層7がピストン
8の表面から剥離しやすくなる。DLC層7が剥がれれ
ば、滑り性が悪くなる。そして、上記研磨処理において
除去すべき化合物層の厚みは、軟窒化処理サンプルを測
定して、予め求めておき、研磨工程で、その分だけ取り
除くようにする。
磨処理によって表面を平滑化することにより、更に、D
LC層7を剥離しにくくする効果も得られる。上記のよ
うに、ピストン表面を平滑化することで、DLC層7
が、剥離しにくくなる理由を以下に示す。DLCコーテ
ィングは、DLCの均一な層を簡単に形成できる方法で
あるが、全体に、均一な厚みでDLCをコーティングす
るため、下地に凹凸があるとその凹凸が、DLC層7の
表面に現れてしまう。つまり、コーティング前の摺動面
に突起があれば、DLCコーティングをしても、そこが
突起となる。そして、ピストン8が往復運動すると、上
記突起の部分に応力が集中して、DLCが剥がれてしま
うことになる。特に、ピストン8の外周の摺動面には、
大きな摩擦力が作用するので、表面が平滑でないと、D
LC層7が剥がれ易くなる。
に、下地処理として、平滑化処理をおこなうことが有効
である。DLC層7の下地としては、平滑なほど良い。
DLC層7の滑り性や、耐剥離性の観点からは、下地面
の表面粗さは、Ra0.1μm以下にすることが好まし
い。特に、斜板ピストンポンプの場合には、図2に示す
ように、ピストン8をボアの軸心に対して傾ける力が作
用する。この場合、ピストン8とシリンダブロック1の
ボアとの接点に、応力が集中することになるが、表面処
理を施したピストン8は、DLC層7表面の滑り性が良
いために、接点部分でも、焼き付いたり、摩耗したりし
にくい。
よって、表面を硬化させているので、薄いDLC層7
を、硬化処理層6が支えることで、ピストン8の疲労強
度を向上させることができる。そのため、斜板5から曲
げ応力が作用しても、ピストン8が疲労破壊しにくい。
更に、薄いDLC層7が、過度に変形して、割れたり、
剥離したりすることがない。なお、表面硬化処理として
は、軟窒化処理に限らず、窒化処理や、焼き入れ処理な
ど、表面を硬化できるものならは、どのような方法を用
いてもかまわない。ただし、窒化処理の場合には、軟窒
化処理と同様に、研磨処理で、化合物層を除去する必要
がある。また、焼き入れ処理としては、高周波焼き入
れ、レーザー焼き入れ、浸炭焼き入れなどを利用でき
る。
す従来例と同じタイプのピストン10に表面処理を施し
た例である。図3に示すピストン10は、図9のピスト
ン2と同じ形状をしているが、表面処理を施し、焼き入
れ層11とDLC層7とを備えている点が、従来例と異
なる。この焼き入れ層11が、この発明の硬化処理層で
ある。そして、上記焼き入れ層11は、通常の焼き入れ
処理によって形成され、DLC層7は、上記第1実施例
と同様にして形成する。ただし、この第2実施例では、
図4に示すように、焼き入れ処理を行う際に、ピストン
10の外表面のうち、凹球面10a側の端部に、かしめ
加工部10bを残して焼き入れ層11を形成する。上記
かしめ加工部10bは、ポンプ組み立て時に、かしめ処
理を行う部分なので、焼き入れ処理により、硬化させる
ことができない部分である。
1を形成後、DLC層7を形成する前に、下地表面の研
磨処理をおこなう。この研磨処理によって、DLC層7
の下地を、Ra0.1μm以下の表面粗さにする。そし
て、外周面と、凹球面10aと、この凹球面10a側の
端部とに、DLCコーティングを施し、DLC層7を形
成する。このようにして、図3に示すピストン10を形
成したら、図5に示すように、ピストン10の凹球面1
0aに、シュー4の球状部4aをはめる。なお、ピスト
ン10の上記焼き入れ層11は、凹球面10a側のかし
め加工部10bを残して形成されているので、このかし
め加工部10bをかしめて、シュー4の球状部4aが、
ピストン10の凹球面10aから、はずれないようにす
ることができる。このように、球状部4aが上記凹球面
10aからはずれないようにして、ポンプを組み立て
る。
に、研磨処理をした表面に、DLC層7を形成している
ので、シリンダブロック1に形成したボアとの間の滑り
性が良く、焼き付きや、摩耗の心配がない。また、この
第2実施例のピストン10も、焼き入れ層11によっ
て、疲労強度を向上させることができる。したがって、
曲げ応力による疲労破壊も防止できる。
の表面処理を行うことで、シリンダブロック1は、通
常、球状黒鉛鋳鉄を素材として製造されているが、ブッ
シュを設けるなどの加工をせずに用いることができる。
上記と同様の表面処理を、シリンダブロック1側に施す
ことも考えられるが、ボア内を処理するより、ピストン
の外表面を処理する方が圧倒的に簡単である。特に、シ
リンダブロック1のボア内にDLCのコーティング処理
を施す場合には、特別なコーティング装置が必要にな
る。そのため、加工コストも高くなってしまうし、安定
したコーティングもむずかしい。
の厚みは、滑り性や耐剥離性を考えると、1〜10μm
程度が望ましい。また、硬化処理層の硬度は、疲労強度
や表面粗さの確保の点から、HRC(ロックウエル硬
度)=50以上が好ましい。また、上記第2実施例のタ
イプのピストンにも、軟窒化や窒化処理によって、硬化
処理層を形成することもできる。ただし、この場合に
は、マスキングによって、かしめ加工部を残して表面硬
化処理をしなければならい。これに対し、第1実施例の
タイプのピストンでは、かしめ加工部がいらないので、
全表面に硬化処理層を形成することができる。そのた
め、部分焼き入れや、マスキングの手間を省くことがで
きる。また、表面硬化処理が焼き入れ処理の場合には、
化合物層を除去する必要が無いので、軟窒化・窒化処理
と比べて、研磨作業が簡単である。
ンプルの、焼き付き限界荷重を示している。これらサン
プル1〜5のうち、焼き付き限界荷重の点から、実際
に、使用できるのは、サンプル1、2、4である。上記
サンプル1は、ピストン側に軟窒化処理を行い、シリン
ダブロックにブッシュを圧入した、従来例のサンプルで
ある。サンプル2は、ピストンの軟窒化処理後、化合物
層を除去するとともに、表面をRa0.1まで平滑にし
たサンプルで、実施例1に相当する。ブッシュを用いな
くても、サンプル1と同等の焼き付き限界荷重である。
サンプル3は、DLC層の下地の平滑度は充分である
が、軟窒化処理の化合物層を除去していないために、D
LC層が剥離してしまう。そのため、焼き付き限界荷重
が低く、使用に耐えない。
処理を行い、焼き入れ層をRa0.1まで平滑化してか
ら、DLC層を形成した実施例2のタイプで、焼き付き
限界荷重が大きい。サンプル5は、DLC層の下地とな
る焼き入れ層の表面粗さが粗く、Ra0.2であるサン
プルで、焼き付き限界荷重が低くなっている。
面処理によって、表面にSiC層12と、DLC層7と
を設けている点が第1実施例のものと異なる。上記表面
処理として、まず、鉄製のピストン表面に、SiCをコ
ーティングして、SiC層12を形成する。次に、Si
C層12上に、DLCコーティングを施し、DLC層7
を形成する。上記SiC層12は、表面が滑面なので、
他の実施例のように、研磨処理を行わなくても、その上
にコーティングするDLC層7の下地として十分な平滑
性を備えている。したがって、ポンプまたはモータとし
て使用する場合に、DLC層7が剥離してしまうような
ことがなく、耐焼き付き性を満足する。また、SiCは
硬度が高いので、SiC層12によって、ピストン表面
は硬化される。これにより、ピストン8の疲労強度を高
くできる。
ブロック間の滑り性を向上できる。したがって、摺動面
の、耐焼き付き性や、耐摩耗性が向上する。また、ピス
トンの疲労強度を高くできるので、ピストンに曲げ応力
が作用しても、疲労破壊しにくい。しかも、シリンダブ
ロック側に手間のかかる処理をせずに、ピストン側の表
面処理だけで足りるので、加工工数や、コストを抑える
こともできる。特に、第2の発明では、凹球面側のかし
め加工部に、硬化処理層を形成しないので、表面処理後
のピストンをかしめて、凹球面からシューの球状部がは
ずれないように加工することができる。
は軟窒化処理によって表面硬化したピストンにも、剥離
しにくいDLC層を形成することができる。さらに、第
4の発明によれば、研磨処理によって、化合物層を除去
する必要が無いので、表面を平滑に仕上げることが容易
である。第5の発明によれば、SiC層を形成すること
によって、特に、研磨などの平滑化処理を施さなくて
も、DLC層の下地を平滑にすることができる。したが
って、剥離しにくいDLC層を形成し、耐焼き付き性や
耐摩耗性が向上する。また、SiC層によってピストン
表面の硬度を高くし、ピストンの疲労強度を高めること
ができる。
ンポンプの部分図である。
図である。
ンポンプの部分図である。
係を示したグラフである。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポンプまたはモータなどのピストンの摺
動面に、表面硬化処理をして硬化処理層を形成するとと
もに、この硬化処理層を研磨処理して平滑にし、その平
滑にした硬化処理層の表面にDLC(ダイヤモンドライ
クカーボン)をコーティングすることを特徴とするピス
トンの表面処理方法。 - 【請求項2】 斜板に当接したシューの球状部をはめ込
むための凹球面を備えたピストン外周面に、上記凹球面
側端部のかしめ加工部を残して、表面硬化処理をして硬
化処理層を形成するとともに、この硬化処理層を研磨し
て平滑にしてから、ピストンの外周面および凹球面上に
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)をコーティング
することを特徴とするピストンの表面処理方法。 - 【請求項3】 表面硬化処理が、窒化または軟窒化処理
であるとともに、研磨によって、硬化処理層の化合物層
と拡散層のうち化合物層を除去することを特徴とする請
求項1または2に記載のピストンの表面処理方法。 - 【請求項4】 表面硬化処理が、焼き入れ処理であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のピストンの表
面処理方法。 - 【請求項5】 ポンプまたはモータなどのピストンの摺
動面に、SiC(炭化ケイ素)をコーティングしてSi
C層を形成するとともに、このSiC層の表面にDLC
(ダイヤモンドライクカーボン)をコーティングするこ
とを特徴とするピストンの表面処理方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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ID=15010509
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12947999A Expired - Fee Related JP3914657B2 (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | ピストンの表面処理方法 |
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