JP2000320933A - 気液分離器およびその製造方法 - Google Patents

気液分離器およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気液分離器内部へ流入する気液二相冷媒が内
壁面と衝突することにより圧力損失が増大したり、衝突
により液が噴霧化して気液分離効率を低下させたり、液
を溜める機能のために気液分離器の容積が大きくなり実
装スペースを広く取らなければならなかったりしたこ
と。 【解決手段】 気液分離器10は、密閉容器から成る気
液分離部2の横方向一端側に、気液二相状態の流体をほ
ぼ水平方向に流入させる向きで流入口1を配置し、流入
口1に対しほぼ水平方向に位置する気液分離部2の他端
側には液流出口4を設けるとともに、気液分離部2内に
おける、ガス6の流速を10m/秒以下とし、かつ、液
5の流速を0.2m/秒以下とする流速設定手段10a
を備えた構成にされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主に、冷凍サイ
クル中における気液二相流体をガスと液とに分離する気
液分離器、および、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は例えば特開平9−250848
号公報に開示された気液分離器を用いた冷媒回路図であ
る。図19において、1は気液二相冷媒の流入口、2は
気液分離部、3はガス流出口、4は液流出口であり、こ
れらによって気液分離器10全体が構成されている。気
液分離器10内部にはバッフル手段11が内蔵され、ガ
ス流出口3と気液分離部2の接続口は突起部17を介し
て接続されている。また、12は冷媒の圧縮機、13は
凝縮器、14は絞り装置、15は蒸発器であり、これら
と気液分離器10が順次配管接続されて、冷媒回路が構
成される。尚、液流出口4は毛細管16を介して圧縮機
12の吸込側と接続される。
【0003】次に動作について説明する。流入口1から
気液分離器10内へ流入した一部蒸発の液冷媒とガス冷
媒は、気液分離部2の上部内壁に向かって吹き出され、
液冷媒の大部分は壁面に沿って流れ落ち、気液分離部2
の下部に溜まる。また、液冷媒の一部は、ガス冷媒とと
もに気液分離部2の液面上方を流れるが、バッフル手段
11によって気液分離部2の内周へ導かれ気液分離部2
の下部に流れ落ちるようになっている。
【0004】かかる気液分離器10において、気液分離
部2内部の液面が上昇して気液分離部2の上面付近まで
達した場合でも突起部17は大径であるので、突起部1
7におけるガス冷媒速度はガス流出口3におけるガス冷
媒速度よりも小さい。そのため、液冷媒がガス流出口3
に吸い上げられることは防止される。
【0005】一方、他の気液分離器として、特開平9−
178276号公報開示のものが知られている。図20
はこの公報に開示された気液分離器の構成図である。図
20において、1は流入口、2は気液分離部、18はガ
ス流出管である。前記の気液分離部2は、水平面に対し
てα度傾斜させて設置される。
【0006】次に動作について説明する。流入口1から
気液分離部2へ流入したガス冷媒は気液分離部2内部で
U字に曲げられたガス流出管18から流出する。この気
液分離部2では、圧縮機から持ち出された冷凍機油が溜
められる構成であり、ガス冷媒がガス流出管18から流
出する際には、ガス流出管18のU字部下方の孔19か
ら、気液分離部2の下部に溜まる冷凍機油を吸引し、冷
凍機油とガス冷媒がガス流出管18から流出する。
【0007】他方、別の気液分離器として、特開平10
−300287号公報開示のものが知られている。図2
1および図22は前記公報に記載された気液分離器であ
り、図21は側断面図、図22は気液分離器を上方から
見た平断面図である。図21において、1は冷媒の流入
口、2は流入口1が接線方向に接続された気液分離部、
3はガス流出口、4は液流出口である。また、気液分離
部2の内部には、気液分離を助ける分離材20が内蔵さ
れている。この分離材20は気液分離部2に対して所定
の角度に傾斜して設置されている。
【0008】次に動作について説明する。流入口1から
流入する油の液適を含むガス冷媒は、気液分離部2の側
面に沿って螺旋上に旋回するように気液分離部2内に流
れ込む。気液分離部2内部では、下部に油が溜まり、上
部からは分離材20を通ったガス冷媒がガス流出口3か
ら流出する。ガス冷媒が分離材20を通過する際には、
ガス冷媒中に浮遊する油の液滴が捕獲され、分離材20
の傾斜に沿って気液分離部2の下方に速やかに流れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平9−
250848号公報開示の気液分離器では、流入口1か
ら流入した気液二相状態の流体は、気液分離部2の内壁
に向かって吹き出されるので、流体が壁面に衝突する際
に圧力損失が大きくなる。また、気液二相流体が壁面に
衝突する際に噴霧状の液滴を生じやすく、この微細な液
滴がガス中を浮遊しながらガス流出口3から流出するこ
とによって、気液分離性能を低下させる要因となってい
た。また、気液分離部2に液を溜める機能を持たせてい
るため、気液分離部2の内容積が大きくなり、例えば冷
凍機に実装する場合はスペースを大きくとってしまうと
いう課題もあった。
【0010】また、特開平9−178276号公報開示
の気液分離器では、前記の課題に加え、U字に曲げられ
たガス流出管18を気液分離部2に内挿しなければなら
ないので、製造上、ガス流出管18の曲げ工程や、ガス
流出管18を気液分離部2に内挿してから気液分離部2
となる容器を溶接して成形する工程などを必要とし、製
造コストがかかるという課題があった。
【0011】更に、特開平10−300287号公報開
示の気液分離器は鉛直方向に縦長の構造となるため、例
えば冷凍機へ実装する場合は鉛直方向の設置スペースが
必要となり、冷凍機自体を鉛直方向に薄型化できないと
いう課題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した種々の課題を解
消するために、この発明の第1の発明に係る気液分離器
は、密閉容器から成っていて当該容器内で気液二相状態
の流体をガスと液に分離させる気液分離部と、気液分離
部内に気液二相状態の流体を流入させる流入口と、気液
分離部内で分離されたガスを気液分離部から流出させる
ガス流出口と、気液分離部内で分離された液を気液分離
部から流出させる液流出口とを備えた気液分離器におい
て、気液分離部の横方向一端側に、気液二相状態の流体
をほぼ水平方向に流入させる向きで流入口を配置し、流
入口に対しほぼ水平方向に位置する気液分離部の他端側
には、液流出口を設けるとともに、気液分離部内におけ
る、ガスの流速を10m/秒以下とし、かつ、液の流速
を0.2m/秒以下とする流速設定手段を備えた構成に
したものである。
【0013】また、この発明の第2の発明に係る気液分
離器は、前記の構成において、気液分離部内におけるガ
ス流出口の流体流れ方向上流側または下流側の少なくと
も一方に、気液界面に生じる波を抑制する波抑制手段を
設けたものである。
【0014】そして、この発明の第3の発明に係る気液
分離器は、前記の各構成において、ガス流出口もしくは
液流出口の少なくとも一方を気液分離部に複数口設けた
ものである。
【0015】更に、この発明の第4の発明に係る気液分
離器は、前記の各構成において、ガス流出口に、ガス流
出口からの液の流出を防ぐ液流出防止手段を設けたもの
である。
【0016】また、この発明の第5の発明に係る気液分
離器は、前記の各構成において、液流出口が流入口より
も下方位置となるように、気液分離部を傾けて配置した
ものである。
【0017】そして、この発明の第6の発明に係る気液
分離器は、前記の各構成において、ガス流出口から分岐
接続されるとともに流体の絞り手段および加熱手段を有
するガスバイパス配管と、ガスバイパス配管における加
熱手段の流体流れ方向下流側にガスバイパス配管内を流
れるガスの温度を検知するガス温度検知手段とを設けた
ものである。
【0018】更に、この発明の第7の発明に係る気液分
離器の製造方法は、請求項第1項に記載の気液分離器を
製造するにあたり、横置きした配管の一端開口を流入口
とし、配管の他端開口の上下ほぼ中央部を横からプレス
して圧潰することにより、当該圧潰部の上方にガス流出
口を形成し圧潰部下方に液流出口を形成して、気液分離
部を構成したものである。
【0019】また、この発明の第8の発明に係る気液分
離器の製造方法は、請求項第1項に記載の気液分離器を
製造するにあたり、気液二相状態の流体を流通させる中
抜き部が形成された中板と、中板の両側に重ねて配備さ
れて中抜き部を密閉するとともに流入口、ガス流出口、
液流出口が形成される2枚の側板を用い、中板および2
枚の側板を重ねて一体に固着して、気液分離部を構成し
たものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳しく説明する。 発明の実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態の一
例に係る気液分離器を示す側断面図であり、従来の気液
分離器と同様の部分は同一の符号で示す。図2は気液分
離器の気液分離部で見られる気液二相流の流動様式、図
3はAIChE Journal(Vol 24,No
5)に掲載された論文「Transient Gas−
Liquid Flow in Horizontal
Pipes:Modeling the Flow
Pattern Transition」中に記載され
ている気液二相流のガスの見かけ流速(ガスの容積流量
を気液分離部2の配管内断面積で除した値)を横軸にと
り、液の見かけ流速(液の容積流量を気液分離部2の配
管内断面積で除した値)を縦軸にとった気液二相流の流
動様式線図である。
【0021】図1において、1は気液二相流体の流入
口、2は密閉容器から成る気液分離部、3はガス流出
口、4は液流出口である。気液分離部2はその長手方向
を水平面と平行にして設置され、ガス流出口3は気液分
離部2の上面から分岐し、液流出口4は気液分離部2の
下面から分岐する構造によって、気液分離器10全体が
構成される。気液分離部2の管内径Dは、ガスの見かけ
流速が10m/秒以下で液の見かけ流速が0.2m/秒
以下となるように設定されていて、かかる設定構成が流
速設定手段10aを成している。また、気液分離部2の
横方向一端側には気液二相状態の流体を水平方向に流入
させる向きで流入口1が配置され、この流入口1に対し
水平方向に位置する気液分離部2の他端側には液流出口
4が設けられている。因みに、流入口1と気液分離部2
の位置は、流入口1から流入する気液二相流体の流入方
向と、気液分離部2内での流体流れ方向とが同じ向きと
なる位置に設定されている。尚、流入口1からガス流出
口3および液流出口4までの距離は、流入する気液二相
流体の速度に応じて変更する方が分離効率がよくなる。
因みに、図5に示すように、流入口1からガス流出口3
および液流出口4までの距離が短い場合は気液の分離効
率が低下するため、流入口1からガス流出口3および液
流出口4までの距離は10mm以上とるのが望ましい。
【0022】また、図4はこの気液分離器10を冷凍サ
イクルに実装した場合の冷媒回路図である。図4におい
て、12は圧縮機、13aは第1の凝縮器、10は気液
分離器、13bは第2の凝縮器、14a〜14dは第1
〜第4の絞り装置、15は蒸発器であり、これらによっ
て冷凍サイクルが構成される。21は、気液分離器10
と第2の絞り装置14bの間から分岐し、第4の絞り装
置14dおよび冷媒熱交換器20を介して冷凍サイクル
の低圧部に至るバイパス回路である。また、22は気液
分離器10の底部と第2の絞り装置14bをつなぐ配管
に設けられた温度検出手段、23は気液分離器10の底
部と第2の絞り装置14bをつなぐ配管に設けられた圧
力検出手段、24は気液分離器10の底部と第2の絞り
装置14bをつなぐ配管内の冷媒とバイパス回路21内
の冷媒との間で熱交換を行う冷媒熱交換器である。
【0023】ここで、気液分離器10の動作について図
1を用いて説明する。まず、気液二相状態の流体が流入
口1から気液分離部2へ流入する。気液分離部2の管内
径Dは、ガスの見かけ流速が10m/秒以下で液の見か
け流速が0.2m/秒以下となるように設定されている
ので、図3に示した流動様式線図から、気液分離部2内
での流動様式は成層流となる。従って、液とガスの流れ
が減速し、重力にしたがって、液は気液分離部2の下部
に沿って流れ、ガスは気液分離部2の上部に沿って流れ
るようになる。ここで、流入口1から流入する気液二相
流体の流入方向と、気液分離部2内での流体流れ方向が
同じ向きであるため、気液分離部2に流入した気液二相
流体を壁面に衝突させることなく気液に分離することが
可能となる。
【0024】更に、気液分離器10を組み入れた冷凍サ
イクルの動作を図4により説明する。圧縮機12から吐
出された高温・高圧のガス冷媒は、第1の凝縮器13a
で所定の乾き度まで凝縮されて気液二相状態となり、気
液分離器10へ流入する。気液分離器10へ流入した気
液二相冷媒は、未凝縮のガス冷媒と凝縮液とに分離され
る。未凝縮のガス冷媒は、第2の凝縮器13bで凝縮・
液化し、第1の絞り装置14aを介して中間圧部に流入
する。気液分離部10で分離された液冷媒は、冷媒熱交
換器24および第2の絞り装置14bで流量調節された
後、中間圧部に流入し、第1の絞り装置14aから中間
圧部へ流入した液冷媒と合流する。合流した液冷媒は、
第3の絞り装置14cにより低圧の気液二相冷媒となっ
て蒸発器15へ流れ込んで蒸発・気化し、圧縮機12へ
戻る。
【0025】気液分離器10で分離された液冷媒は、冷
媒熱交換器24で過冷却された後、一部はバイパス回路
21へ流れ、第4の絞り装置14dで低温・低圧の気液
二相状態となり冷媒熱交換器24へ至る。冷媒熱交換器
24において、バイパス回路21を流れる低温の気液二
相冷媒は、気液分離器10からの液冷媒より熱を奪って
蒸発・気化し冷凍サイクルの低圧部である圧縮機12の
吸込側に流れる。気液分離器10からの液冷媒に未凝縮
のガス冷媒が混入した場合には、冷媒熱交換器24にお
いてバイパス回路21内を流れる気液二相冷媒に奪われ
た熱は気液分離器10からの液冷媒中に混入したガス冷
媒を凝縮させるために使用されるので、冷媒熱交換器2
4を流出する液冷媒は飽和状態に近い。そこで、温度検
出手段22と圧力検出手段23により冷媒熱交換器24
出口における冷媒の温度と圧力を検出し、冷媒熱交換器
24を通過後の液冷媒が飽和状態であれば、気液分離器
10からの液冷媒に未凝縮のガス冷媒が混入したものと
判断して、第2の絞り装置14bで流量を低下させるよ
うに制御する。かかる制御により、気液分離部2に流入
した液を気液分離部2に滞留させることなく流出させる
ことができる。
【0026】従って、この実施の形態の気液分離器10
によれば、ガスの見かけ流速が10m/秒以下で液の見
かけ流速が0.2m/秒以下となるように気液分離部2
の管内径Dが選定されるとともに、流入口1からの冷媒
流入方向と気液分離部2内での冷媒流れ方向が同一にさ
れているので、気液分離部2内部での流体の壁面への衝
突をなくし、圧力損失を小さくすることができる。ま
た、気液分離部2には液が滞留することがなく、気液分
離器10に液を溜める機能を持たせなくてもよいので、
気液分離器10の空間容積をコンパクトにすることが可
能であり、かつ、軽量化することができる。尚、図3に
示す流動様式線図は、流体の密度、粘度、流路の管径、
重力などの影響により気液二相流の流動様式の遷移境界
が変化するので、ガスの見かけ流速および液の見かけ流
速の目標値は流体の物性値や管の形状に応じて修正する
ことが望ましい。
【0027】発明の実施の形態2.図6はこの発明の実
施の形態2を示す図である。図中、実施の形態1と同様
の部分には同一の記号を付して説明を省略する。図6に
おいて、7は仕切板から成り気液界面に生じる波を抑制
する波抑制手段である。ここで、波抑制手段7,7は、
気液分離部2内においてガス流出口3の流体流れ方向上
流側および下流側の双方に設置されている。
【0028】次に動作について説明する。気液二相状態
の流体が流入口1から気液分離部2へ流入する。気液分
離部2では液とガスの流れが減速し、重力にしたがっ
て、液は気液分離部2の下部に沿って流れ、ガスは気液
分離部2の上部に沿って流れるようになる。このとき、
流量が非定常的に変動したり、もしくは、流速が速くな
った場合には、気液分離部2内部において気液界面が波
立つようになる。ところが、波抑制手段7を設置したこ
とによって、発生した波が波抑制手段7に衝突し壁面を
流れ落ちて静められ、ガス流出口3への液の進入が防止
される。
【0029】従って、ガス流出口3の前後に波抑制手段
7,7を設置したことによって、ガス流出口3の近傍で
気液界面が波立つことが抑えられる。これにより、特
に、ガス流出口3からの液の流出を防ぎ、ガスの分離効
率を向上することができる。
【0030】発明の実施の形態3.図7はこの発明の実
施の形態3を示す図である。図中、実施の形態1と同様
の部分には同一の記号を付して説明を省略する。図7に
おいて、4a,4bは気液分離部2の底部に複数口設け
られた液流出口である。
【0031】次に動作について説明する。まず、気液二
相状態の流体が流入口1から気液分離部2へ流入する。
気液分離部2では、液とガスの流れが減速し、重力にし
たがって、液は気液分離部2の下部に沿って流れ、ガス
は気液分離部2の上部に沿って流れるようになる。ここ
で、流入口1から流入する気液二相流体の速度が速くな
った場合、気液分離部2内部において気液界面が波立つ
ようになるが、手前の液流出口4aによってまず一部の
液が合流液流出口4cへ排出される。これにより、気液
分離部2内部の気液界面の高さ位置が低くなる。液流出
口4aから流出しなかった液は気液分離部2を流れ、液
流出口4bから合流液流出口4cへ排出される。
【0032】従って、流入口1から気液分離部2に流入
する気液二相流体の流量が増えても、ガス流出口3近傍
における液面を低く抑えることができ、液がガス流出口
3に届きにくくなる。これにより、ガス流出口3から流
出する液冷媒を低減できるので、広い流量範囲において
安価に、かつ、効率的に気液を分離することができる。
【0033】尚、図示はしないが、複数のガス流出口3
を気液分離部2の上部に設けることもできる。かかる構
成の場合は、気液分離部2内でガス量が多いときに複数
口のガス流出口3からガスが抜かれて気液分離部2内の
流速が抑えられるので、気液界面のせん断力によってガ
ス中に霧状の液滴が飛散することを抑えることができ
る。
【0034】発明の実施の形態4.図8はこの発明の実
施の形態4を示す図である。図中、実施の形態1と同様
の部分には同一の記号を付して説明を省略する。ガス流
出口3は、気液分離部2との接続部付近においてその管
内径D1が気液分離部2の管内径D以上に設定されてい
る。
【0035】次に動作について説明する。気液二相状態
の流体が流入口1から気液分離部2へ流入する。気液分
離部2では液とガスの流れが減速し、重力にしたがっ
て、液は気液分離部2の下部に沿って流れ、ガスは気液
分離部2の上部に沿って流れるようになる。ここで、ガ
ス流出口3の接続部近傍の管内径D1は、気液分離部2
の管内径D以上であるため、気液分離部2からガス流出
口3に流入するガスの速度は気液分離部2内よりも遅く
なり、ガス中を浮遊する液滴は重力によってガス流出口
3の入口付近で下降する。そこで、ガス流出口3から流
出する液量が低下する。
【0036】従って、ガス流出口3の接続部近傍の管内
径D1を気液分離部2の管内径D以上とした液流出防止
手段8aを採用することによって、ガス流出口3から流
出しようとする液滴を重力で降下させることができる。
これにより、ガス流出口3から液が流出することを防ぐ
ことができ、簡易構成で安価にガスの分離効率を向上さ
せることができる。
【0037】尚、図9に示すように、気液分離部2の接
続口近傍のガス流出口3内に、液滴を捕獲する網状の液
流出防止手段8を設置し、液滴を捕獲するようにしても
同様の効果を有する。
【0038】発明の実施の形態5.図10はこの発明の
実施の形態5を示す図である。図中、実施の形態1と同
様の部分には同一の記号を付して説明を省略する。図1
0に示すように、液流出口4が流入口1よりも下方位置
となるように、気液分離部2は角度θぶん傾斜配置され
ている。
【0039】次に動作について説明する。気液二相状態
の流体が流入口1から気液分離部2へ流入する。気液分
離部2では、液とガスの流れが減速し、重力にしたがっ
て、液は気液分離部2の下部に沿って流れ、ガスは気液
分離部2の上部に沿って流れるようになる。ここで、液
は気液分離部2の傾斜にしたがって液流出口4へ流れや
すくなり、しかも液流出口4付近での液面の高さが高く
なるので、ガスが液に同伴して液流出口4から流出する
ことを防ぐことができる。
【0040】従って、気液分離部2を上記のように傾斜
させたことによって、特に、液流出口4からガスが流出
することを防ぐことができるので、安価に効率よく液を
分離することが可能となる。
【0041】発明の実施の形態6.図11および図12
はこの発明の実施の形態6を示す図であり、図11は構
成図、図12は正面図である。図中、実施の形態1と同
様の部分には同一の記号を付して説明を省略する。
【0042】引続き、気液分離器の製造方法について説
明する。配管径が均等な配管の一端側を配管上下中央部
でプレスして圧潰部30とし、ガス流出口3を上部に液
流出口4を下部に成型する。一方、配管の他端側は所要
の配管径になるまで絞るか、あるいはプレス加工を施し
て、流入口1を形成する。このとき、流入口1とガス流
出口3および液流出口4の間には、気液分離部2となる
空間を空けるようにする。このように製造した気液分離
器10は、ガス流出口3が上で液流出口4が下になるよ
うに設置されるので、コンパクトな形状で気液を分離す
ることが可能となる。
【0043】従って、1本の配管をプレス加工すること
によって、気液分離器を成型することができるため、安
価で、かつ、コンパクトな気液分離器を製造することが
可能となる。
【0044】発明の実施の形態7.図13および図14
はこの発明の実施の形態7を示す図であり、図13は気
液分離器の分解構成図、図14は気液分離器の組立図を
示す。図中、9aは前部の側板、9bは中板、9cは後
部の側板である。
【0045】この実施の形態による気液分離器の製造方
法について説明する。側板9a、中板9b、側板9c
は、板金プレスによって所定の大きさ・形状に切断され
る。このとき、側板9aには流入口1、ガス流出口3、
および液流出口4が打抜かれる。また、中板9bには気
液二相流の流路となる中空の中抜き部9dが打抜かれ
る。このように板金プレス加工して得られた側板9a、
中板9b、および側板9cは、それら3枚を1組として
重ねられ、炉中のろう付けにより一体化して固着され気
液分離器10となる。
【0046】従って、側板9a、中板9b、側板9cの
3枚の板を炉中のろう付けにより一体化して気液分離器
10を製造することによって、製造が容易となり、か
つ、厚みの薄い気液分離器10を得ることができる。
尚、図15に示すように中板9bの中抜き部9dの上部
に突起25,25を垂設し、図16に示すように気液分
離器10を組み立てた際に、ガス流出口3の両側を突起
25,25で囲うようにすると、中抜き部9d内で液面
が波立ったときでも、突起25,25に波があたること
で、ガス流出口3から液が流出することを抑えることが
可能であり、気液分離効率が向上する。尚、流入口1、
ガス流出口3、液流出口4の全てを前側の側板9aに設
けたが、これらの一部または全てを後側の側板9cに設
けても構わない。
【0047】発明の実施の形態8.図17はこの発明の
実施の形態8を示す図である。図中、実施の形態1と同
様の部分には同一の記号を付して説明を省略する。図1
7において、26はガス流出口3から分岐し、毛細管な
どから成る絞り手段27や熱交換器などから成る加熱手
段28を介してガスを流出させるガスバイパス配管、2
9はガスバイパス配管26における加熱手段28下流側
のガス温度を検出するガス温度検知手段である。
【0048】また、図18はこの気液分離器10を冷凍
サイクルに実装した場合の冷媒回路図である。図18に
おいて、12は圧縮機、13aは第1の凝縮器、10は
気液分離器、13bは第2の凝縮器、14a〜14cは
第1〜第3の絞り装置、15は蒸発器であり、これらに
よって冷凍サイクルが構成される。上記したガスバイパ
ス配管26の出口は、冷凍サイクル中の低圧部、例えば
蒸発器15出側の配管と接続される。
【0049】次に動作について説明する。圧縮機12か
ら吐出された高温・高圧のガス冷媒は、第1の凝縮器1
3aで所定の乾き度まで凝縮されて気液二相状態とな
り、気液分離器10へ流入する。気液分離器10へ流入
した気液二相冷媒は、未凝縮のガス冷媒と凝縮液とに分
離される。未凝縮のガス冷媒は、第2の凝縮器13bで
凝縮・液化し、第1の絞り装置14aを介して中間圧部
に流入する。気液分離部10で分離された液冷媒は、冷
媒熱交換器24および第2の絞り装置14bで流量調節
された後、中間圧部に流入し、第1の絞り装置14aか
ら流入した液冷媒と合流する。合流した液冷媒は、第3
の絞り装置14cにより低圧の気液二相冷媒となって蒸
発器15へ流れ込んで蒸発・気化し、圧縮機12へ戻
る。また、気液分離部2で分離された未凝縮のガス冷媒
の一部は、ガスバイパス配管26を流れ、絞り手段27
で低圧になるまで絞られた後、加熱手段28を介して蒸
発器15出口のガス冷媒と合流する。
【0050】ガス流出口3から流出するガス冷媒に液冷
媒が混入した場合、ガスバイパス配管26を流れる冷媒
は、絞り手段27で絞られた際に、低温・低圧の気液二
相冷媒となり、加熱手段28で加熱された後にも低温の
飽和に近い状態となる。このため、ガス温度検知手段2
9で検知したガス温度が冷凍サイクルでバランスする飽
和温度の値に近い場合には、第2の絞り装置4bを開く
操作を行い、液流出口4から流出させる液流量を増大さ
せる。これにより、気液分離部2内部の液面の高さを低
く抑えて、ガス流出口3から液冷媒が流出することを防
ぐことができる。
【0051】従って、絞り手段27、加熱手段28を介
してガスを流出させるようにガス流出口3から分岐した
ガスバイパス配管26と、加熱手段28下流側のガスの
温度を検出するガス温度検知手段29を備えた構成とす
ることによって、ガス流出口3から流出する液冷媒の有
無を検知し、ガス流出口3から液冷媒が流出することを
防止し、ガスの分離効率を向上させることができる。
尚、この実施の形態では、加熱手段28における熱源と
して、気液分離部2中を流れる冷媒を用いた例を示した
がそれに限らず、熱源はヒータなど何でもよい。また、
ガス温度検知手段の設置位置は加熱手段28の出口とし
たが、加熱量との関係で、加熱手段28の途中のガスバ
イパス配管の温度を検知しても構わない。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、第1の発明に係る気
液分離器は、気液分離部の横方向一端側に、気液二相状
態の流体をほぼ水平方向に流入させる向きで流入口を配
置し、流入口に対しほぼ水平方向に位置する気液分離部
の他端側には、液流出口を設けるとともに、気液分離部
内における、ガスの流速を10m/秒以下とし、かつ、
液の流速を0.2m/秒以下とする流速設定手段を備え
ているので、気液分離部内で流体が例えば壁面へ衝突す
ることを防ぐことができて、圧力損失を小さくできる。
また、気液分離部には大量の液を滞留させる機能を持た
せなくてもよいので、気液分離器の空間容積をコンパク
トにすることが可能で、かつ、軽量化することができ
る。
【0053】また、第2の発明に係る気液分離器では、
気液分離部内におけるガス流出口の流体流れ方向上流側
または下流側の少なくとも一方に、気液界面に生じる波
を抑制する波抑制手段を設けたことによって、ガス流出
口近傍における気液界面の波立ちを抑えることができ
る。これにより、特に、ガス流出口からの液の流出を防
ぎ、ガスの分離効率を向上させることができる。
【0054】そして、第3の発明に係る気液分離器で
は、流入口から気液分離部に流入する気液二相状態の流
体の流量が変動しても、ガス流出口での液面を低く抑
え、かつ、気液界面のせん断力によってガス中に霧状の
液滴が飛散することを抑えることが可能となり、特に、
ガス流出口から流出する液の量を低減できるので、広い
流量範囲において安価に、かつ、効率的に気液を分離す
ることができる。
【0055】更に、第4の発明に係る気液分離器では、
ガス流出口からの液の流出を防ぐ液流出防止手段をガス
流出口に設けたことによって、ガス流出口からの液の流
出を防ぐことができるので、簡易な構成で、かつ、安価
にガスの分離効率を向上させることができる。
【0056】また、第5の発明に係る気液分離器では、
液流出口が流入口よりも下方位置となるように気液分離
部を傾けて配置したことによって、特に、液流出口から
のガスの流出を防ぐことができる。従って、安価に、か
つ、効率よく液を分離することが可能となる。
【0057】また、第6の発明に係る気液分離器では、
ガス流出口から分岐接続されたガスバイパス配管におけ
る加熱手段の流体流れ方向下流側に、ガスバイパス配管
内を流れるガスの温度を検知するガス温度検知手段を設
けたことによって、ガス温度検知手段で検知したガス温
度に基づいてガス流出口から流出する液の有無を検知
し、それに応じてガス流出口からの液の流出を防止でき
るので、ガスの分離効率を向上させることが可能であ
る。
【0058】そして、第7の発明に係る製造方法によれ
ば、横置きした配管の他端開口の上下ほぼ中央部を横か
らプレスして圧潰し、当該圧潰部の上方にガス流出口を
形成し圧潰部下方に液流出口を形成することによって、
気液分離部を構成するようにしたため、安価で、かつ、
コンパクトな気液分離器を製造することが可能となる。
【0059】更に、第8の発明に係る製造方法によれ
ば、側板、中板、側板といった、少なくとも3枚の板を
重ねて一体に固着することによって、気液分離器を製造
するようにしたので、製造が容易で、かつ、薄手の気液
分離器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す気液分離器の
構成図である。
【図2】 気液分離部内の流動様式を示すパターン図で
ある。
【図3】 ガス流速と液流速との関係による流動様式を
示す図である。
【図4】 この発明に係る気液分離器を組み入れた冷凍
サイクルの冷媒回路図である。
【図5】 気液分離部入口からの距離に対するガス流出
口からの流出液量の関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2を示す気液分離器の
構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態3を示す気液分離器の
構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態4を示す気液分離器の
構成図である。
【図9】 液流出防止手段として網を用いた場合の気液
分離器の構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態5を示す気液分離器
の構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態6を示す気液分離器
の構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態6を示す気液分離器
の正面図である。
【図13】 この発明の実施の形態7を示す気液分離器
の分解図である。
【図14】 この発明の実施の形態7を示す気液分離器
の組立図である。
【図15】 この発明の実施の形態7の中板を示す構成
図である。
【図16】 この発明の実施の形態7を示す気液分離器
の組立図である。
【図17】 この発明の実施の形態8を示す気液分離器
の構成図である。
【図18】 この発明に係る気液分離器を組み入れた冷
凍サイクルの冷媒回路図である。
【図19】 従来例を示す気液分離器を組み入れた冷凍
サイクルの冷媒回路図である。
【図20】 他の従来例を示す気液分離器の構成図であ
る。
【図21】 図20に示した気液分離器の正面図であ
る。
【図22】 別の従来例を示す気液分離器の側面図であ
る。
【符号の説明】
1 流入口、2 気液分離部、3 ガス流出口、4 液
流出口、4a 液流出口、4b 液流出口、5 液、6
ガス、7 波抑制手段、8 液流出防止手段、8a
液流出防止手段、9a 側板、9b 中板、9c 側
板、9d 中抜き部、10 気液分離器、10a 流速
設定手段、26 ガスバイパス配管、27絞り手段、2
8 加熱手段、29 ガス温度検知手段、30 圧潰
部、θ 角度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋本 大祐 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 隅田 嘉裕 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4D011 AA02 AB10 AC03 AC04 AC06 AD03 AD06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器から成っていて当該容器内で気
    液二相状態の流体をガスと液に分離させる気液分離部
    と、前記気液分離部内に気液二相状態の流体を流入させ
    る流入口と、前記気液分離部内で分離されたガスを前記
    気液分離部から流出させるガス流出口と、前記気液分離
    部内で分離された液を前記気液分離部から流出させる液
    流出口とを備えた気液分離器において、前記気液分離部
    の横方向一端側に、気液二相状態の流体をほぼ水平方向
    に流入させる向きで前記流入口を配置し、前記流入口に
    対しほぼ水平方向に位置する前記気液分離部の他端側に
    は、前記液流出口を設けるとともに、前記気液分離部内
    における、ガスの流速を10m/秒以下とし、かつ、液
    の流速を0.2m/秒以下とする流速設定手段を備えて
    いることを特徴とする気液分離器。
  2. 【請求項2】 気液分離部内におけるガス流出口の流体
    流れ方向上流側または下流側の少なくとも一方に、気液
    界面に生じる波を抑制する波抑制手段を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の気液分離器。
  3. 【請求項3】 ガス流出口もしくは液流出口の少なくと
    も一方を気液分離部に複数口設けたことを特徴とする請
    求項第1項または第2項に記載の気液分離器。
  4. 【請求項4】 ガス流出口に、前記ガス流出口からの液
    の流出を防ぐ液流出防止手段を設けたことを特徴とする
    請求項第1項ないし第3項のいずれかに記載の気液分離
    器。
  5. 【請求項5】 液流出口が流入口よりも下方位置となる
    ように、気液分離部を傾けて配置したことを特徴とする
    請求項第1項ないし第4項のいずれかに記載の気液分離
    器。
  6. 【請求項6】 ガス流出口から分岐接続されるとともに
    流体の絞り手段および加熱手段を有するガスバイパス配
    管と、前記ガスバイパス配管における前記加熱手段の流
    体流れ方向下流側に前記ガスバイパス配管内を流れるガ
    スの温度を検知するガス温度検知手段とを設けたことを
    特徴とする請求項第1項ないし第5項のいずれかに記載
    の気液分離器。
  7. 【請求項7】 請求項第1項に記載の気液分離器を製造
    するにあたり、横置きした配管の一端開口を流入口と
    し、前記配管の他端開口の上下ほぼ中央部を横からプレ
    スして圧潰することにより、当該圧潰部の上方にガス流
    出口を形成し圧潰部下方に液流出口を形成して、気液分
    離部を構成したことを特徴とする気液分離器の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項第1項に記載の気液分離器を製造
    するにあたり、気液二相状態の流体を流通させる中抜き
    部が形成された中板と、前記中板の両側に重ねて配備さ
    れて前記中抜き部を密閉するとともに流入口、ガス流出
    口、液流出口が形成される2枚の側板を用い、前記中板
    および前記2枚の側板を重ねて一体に固着して、気液分
    離部を構成したことを特徴とする気液分離器の製造方
    法。
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