JP2000321605A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

電気泳動表示装置

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JP2000321605A
JP2000321605A JP11133505A JP13350599A JP2000321605A JP 2000321605 A JP2000321605 A JP 2000321605A JP 11133505 A JP11133505 A JP 11133505A JP 13350599 A JP13350599 A JP 13350599A JP 2000321605 A JP2000321605 A JP 2000321605A
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electric field
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示される画像のコントラストが高く、応答
速度も高く、且つ省電力の電気泳動表示装置を提供する
こと。 【解決手段】 電気泳動表示装置1は、記録媒体PPを
搬送する搬送ローラ51,52を有する記録媒体搬送部
5と、この2対の搬送ローラ51,52の間に配置さ
れ、記録媒体PPに電圧を印加するアレイ状電極である
上電極部2と下電極部3とからなる電極と、配線8によ
り電極に接続されて画像データに基づいて変調された電
圧を印加する制御部4とが備えられて構成されている。
電極に画像形成のための所定の極性の電圧を一定時間継
続して印加してする前に、1の方向及びこれと逆方向と
に交互に電界が生じるように電極に交互に逆極性のパル
ス電圧を印加することにより、マイクロカプセル内の壁
面に不所望に付着した帯電粒子の剥離を容易にし帯電粒
子の電気泳動による移動を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気泳動表示装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスとマイナスの電位にそれぞ
れ帯電させた2色の帯電粒子を液体分散媒に多数分散さ
せて封入した透明の樹脂製のマイクロカプセルを層状に
形成した記録媒体を用い、この記録媒体を挟むように配
設された電極を備え、この電極に所定の極性の電圧を一
定時間継続して印加して記録媒体に制御電界をかけるこ
とで、マイクロカプセルに封入された帯電粒子を任意の
方向に移動させて、観察者に対して、表示面である記録
媒体の一面に2色の帯電粒子のいずれかを集合させて画
像を表示する電気泳動表示装置が提案されている。この
ような電気泳動表示装置においては、記録媒体を挟んで
対向して設けられた電極に一定時間電圧を継続的に印加
することにより制御電界を生じさせ、記録媒体の帯電粒
子を電界の向きに従って泳動させることにより、表示面
に表示したい色の帯電粒子を集合させ、表示させたくな
い色の帯電粒子は、表示面と反対方向に泳動させて隠
し、表示したい色のみを観察者に対して表示する。この
ようにして画素毎に選択的に色を表示して画像を形成す
る。また、制御電界を消失させた後は、帯電粒子とマイ
クロカプセルの壁面との間に生じる鏡像効果により帯電
粒子がマイクロカプセルの壁面に付着した状態が維持さ
れる、いわゆるメモリ効果で表示した画像が維持され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、再び逆
向きの制御電界を印加したときに、鏡像力の影響等でマ
イクロカプセルの壁面に付着して離れず、所望の方向に
移動しない帯電粒子を生じ、このような不所望に表示面
に残留した帯電粒子により画像のコントラストが低下し
てしまうという問題があった。また、一旦付着した帯電
粒子は長時間制御電圧を印加しても剥離し難く、画像の
表示速度が低下して応答性が悪くなる割にはコントラス
トが向上しないという問題があった。また、このような
不所望に表示面に付着して残留した帯電粒子を、表示面
から引き剥がすためにはさらに高い電圧を印加すること
も考えられるが、そのためには電気泳動表示装置自体を
高電圧が印加可能なものにする必要があり、また消費電
力も大きくなるという問題があった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであ
り、表示される画像のコントラストが高く、応答速度も
高く、且つ省電力の電気泳動表示装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の電気泳動表示装置では、液体
分散媒に分散させた泳動可能な帯電粒子を封入したマイ
クロカプセルを挟んだ電極を備え、当該電極に所定の極
性の電圧を一定時間継続して印加し前記マイクロカプセ
ルに制御電界をかけることで、前記マイクロカプセルに
封入された前記帯電粒子を任意の方向に移動させて画像
を表示する電気泳動表示装置において、前記電極に所定
の極性の電圧を一定時間継続して印加してする前に、1
の方向及びこれと逆方向とに交互に電界が生じるよう前
記電極に交互に逆極性のパルス電圧を印加することを特
徴とする。
【0006】この構成に係る電気泳動表示装置では、画
像形成の前段階で交互に逆極性のパルス電圧を印加する
ことで、マイクロカプセル内の壁面に不所望に付着した
帯電粒子の剥離を容易にし帯電粒子の電気泳動による移
動を促進して表示される画像のコントラストを高くし、
応答速度も速くすることができる。そして、不所望に付
着した帯電粒子の剥離をするための制御電界を形成する
ために過大な電圧を印加する必要がなく、電力の消費を
少なくすることができる。
【0007】また、請求項2に係る発明の電気泳動表示
装置では、請求項1に記載の電気泳動表示装置の構成に
加え、前記パルス電圧は、周波数が1Hz以上40Hz
以下であることを特徴とする。
【0008】この構成に係る電気泳動表示装置では、印
加するパルス電圧の周波数を適正化することで、表示さ
れる画像のコントラストをより高くすることができる。
【0009】請求項3に係る発明の電気泳動表示装置で
は、請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置の
構成に加え、前記パルス電圧は、波形が矩形波であるこ
とを特徴とする。
【0010】この構成に係る電気泳動表示装置では、印
加するパルス電圧の波形を適正化することで、表示され
る画像のコントラストをより高くすることができる。
【0011】請求項4に係る発明の電気泳動表示装置で
は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電気泳動
表示装置の構成に加え、前記パルス電圧は、印加する継
続時間が5秒以内であることを特徴とする。
【0012】この構成に係る電気泳動表示装置では、印
加するパルス電圧の印加時間を適正化することで、表示
される画像のコントラストをより高くすることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気泳動表示
装置を好ましい1の実施の形態である電気泳動表示装置
1により、添付図面を参照して説明する。
【0014】図1は、電気泳動表示装置1の構成の概略
を示す模式図である。図1に示すように、電気泳動表示
装置1は、記録媒体PPを表裏から挟んで協働して搬送
する2対の搬送ローラ51,52を有する移動手段であ
る記録媒体搬送部5が備えられる。また、この2対の搬
送ローラ51,52の間に配置され、記録媒体PPの表
示面側(図1上側)に接触又は近接して電圧を印加する
上電極部2と、記録媒体PPの裏面側(図1下側)に接
触又は近接して電圧を印加する下電極部3とが備えられ
る。そして、上電極部2及び下電極部3のそれぞれのセ
グメント電極(図2参照)に配線8により接続され、画
像データに基づいて変調された電圧を印加する制御部4
とが備えられて構成されている。
【0015】記録媒体搬送部5は、駆動モータ9を備え
る。この駆動モータ9は、制御部4のコンピュータ10
から制御信号がモータ駆動回路7に送られ、モータ駆動
回路7からの駆動信号により制御されて回転される。こ
の回転が1対の搬送ローラ51に伝達され、搬送ローラ
51は図1に示すように、記録媒体PPを挟持しながら
連れ回って、記録媒体PPを搬送方向であるX方向(図
1左方向)に搬送する。同様に他の1対の搬送ローラ5
2も駆動モータ9に図示外の動力伝達手段を介して駆動
されて搬送ローラ51と同期して回転し、記録媒体PP
を搬送する。
【0016】図2は、記録媒体PPに対する上電極部2
及び下電極部3の配置を模式的に示す斜視図である。図
2に示すように、上電極部2は、多数の微小なステンレ
ススチール等の金属片あるいは金属薄膜からなる電極2
2a,22b,22c,・・・22nが、搬送される記
録媒体PPの表面側の画素に対応した位置に接触又は近
接可能に配置され、記録媒体PPの搬送方向Xに垂直で
記録媒体PPの幅方向に、セグメント電極が直線状に並
べられて配置され電極アレイ21として構成されてい
る。また、下電極部3は、上電極部2と同様な構成とさ
れて、上電極部2のそれぞれの電極22a,22b,2
2c,・・・22nに対応した電極32a,32b,3
2c,・・・32nを備えた電極アレイ31が対向配置
される。従って、本実施の形態では、この電極アレイ2
1,31により記録媒体PPの幅方向を一括して画素ご
とに電界を印加して画像形成しながら記録媒体PPをX
方向に移動させて走査し、ページ全体の画像を形成する
いわゆるページプリンタと同様な構成とされている。
【0017】ここで、本実施の形態の電気泳動表示装置
1に用いられる記録媒体PPについて説明する。図3
は、記録媒体PPの構成を示す模式断面図である。
【0018】図3に示すように記録媒体PPは、基層P
1の表面に多数のマイクロカプセルP10を面状に配列
し、マイクロカプセルP10間の間隙を透明な可撓性を
有する可撓性媒体P12で充填して板状の帯電表示層P
3を形成して構成される。この帯電表示層P3は、図3
に示すようにマイクロカプセルP10が1段の層状に形
成されたもの以外にも複数段積層された層になっている
ものでもよい。また、基層P1は帯電表示層P3と一体
に形成されてもよいが、ここでは、基層P1は白色に着
色されて、マイクロカプセルP10の表示面P11に白
色の帯電粒子P2bが集合し白色を表示する場合に、マ
イクロカプセルP10の隙間から基層P1が見えても白
色が濁らないように白色の着色層として構成されてい
る。なお、この基層P1は、必ずしも必要ではない。
【0019】このように構成された記録媒体PPは、図
1に示すように、電気泳動表示装置1に配設された上電
極部2、下電極部3に挟まれ、図3に示す帯電表示層P
3に画像情報に基づいて画素単位で電界が印加されるこ
とにより、マイクロカプセルP10の内部に多数封入さ
れた、帯電特性及び色の異なる2種類の帯電粒子P2
a,P2b(図4参照)が移動し、図4の上側の表示面
P11に所望の画像を表示させるものである。以下、こ
の記録媒体PPの構成を詳細に説明する。
【0020】図4(A),(B),(C)は、マイクロ
カプセルP10の変化の様子を表す図である。ここで、
図4(A)は、本実施の形態の記録媒体PPにおいて制
御電界が印加される前のマイクロカプセルP10の構造
を示す模式図である。マイクロカプセルP10は、液体
分散媒P4に帯電粒子P2a,P2bを分散させた分散
系を、球状の透明な外殻部P5の中に内包する構造とな
っている。
【0021】次に、マイクロカプセルP10の製造方法
の概略について説明する。マイクロカプセル化の方法と
しては、既に当業界において公知の技術となっている方
法で作製することが可能である。例えば、米国特許第2
800457号、同第2800458号明細書等に示さ
れるような水溶液からの相分離法、特公昭38−195
74号、特公昭42−446号、特公昭42−771号
公報等に示されるような界面重合法、特公昭36−91
68号、特開昭51−9079号公報等に示されるモノ
マーの重合によるイン・サイチュ(in−situ)
法、英国特許第952807号、同第965074号明
細書等に示される融解分散冷却法等があるが、これらに
限定されるものではない。本実施の形態のマイクロカプ
セルP10の製造方法は、界面重合法により行ってお
り、以下この場合に基づいてマイクロカプセルP10の
製造方法を説明する。
【0022】マイクロカプセルP10の外殻部P5の形
成材料としては、上述のカプセル製造方法にて外殻部P
5が作製可能であれば、無機物質でも有機物質でもよい
が、光を十分に透過させるような材質が好ましい。具体
例としては、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン、アル
ギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、
ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリユリ
ア、ポリスチレン、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス、メチルセルロース、メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等、及びこれらの共重
合物等が挙げられる。
【0023】図4(A)に示すマイクロカプセルP10
の粒子径Dは、高解像度の表示装置を実現するために
は、理論的には小さいほど好ましいといえるが、帯電粒
子P2a,P2bを内包する構造であるため、実際に
は、約5μm以上、約300μm以下であることが望ま
しい。本実施の形態の記録媒体PPでは、2種類の帯電
粒子P2a,P2bは液体分散媒と共に約300μmの
マイクロカプセルP10に封入させている。
【0024】帯電粒子P2a,P2bは、染料または顔
料を分散した有機化合物や、顔料などの無機化合物が挙
げられる。
【0025】染料としては、以下のようなものがある。
従来から油性インク組成物に用いられている染料であれ
ばどれでも使用可能であるが、アゾ染料、金属錯塩染
料、ナフール染料、アントラキノン染料、インジゴ染
料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニン染
料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾ
キノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、
ペノリン染料、フタロシアニン染料、等の油溶性染料が
好ましく、これらの染料は、組み合わせて使用すること
も可能である。
【0026】また、顔料としては、以下のようなものが
使用できる。日本で通用する有機顔料の通称名として、
黄色では、Hansa Yellow、Benzine
Yellow等が使用できる。赤色では、Parma
nent Red、benzine orange、p
yrazolone orange、vulcanor
ange、orange lake、para re
d、lake red、toluidine red、
brill fast scarlet、brill
carmine、brill scarlet、bor
do、watchung red、lithol re
d、bon maroon、lakebordo、rh
odamine、madder lake等が使用でき
る。紫色では、rhodamine b lake、d
ioxazine violet、crystal v
iolet lake等が使用できる。青色では、vi
ctoria pure blue lake、vic
toria bluelake、phthalocya
nine blue、fast sky blue、t
hrene blue rs等が使用できる。緑色で
は、diamond green lake、phth
alocyanine green、pigment
green b、green gold等が使用でき
る。黒色では、diamond blackが使用でき
る。
【0027】また、無機顔料としては以下のようなもの
が使用できる。黒色では、カーボンブラック等が使用で
き、白色では、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、酸化鉛、酸化すずなどが使用できる。
【0028】有機化合物としては、以下のような合成樹
脂、合成ワックスなどの合成物や、天然ワックスなどが
使用できる。
【0029】合成樹脂、合成ワックスとして、その出発
モノマーにメチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート、ラウリルメタクリレート、メチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエー
テル、iso−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、エチレン、プロピレン、イソプレン、クロロプレ
ン、ブタジエン等を使用することが可能である。
【0030】更に、前記モノマーには、カルボキシル
基、水酸基、メチロール基、アミノ基、酸アミド基、グ
リシジル基等の官能基を有するモノマーが混合されても
良い。カルボキシル基を有するものはアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸等、水酸基を有するものはβ−ハ
イドロキシエチルアクリレート、β−ハイドロキシエチ
ルメタクリレート、β−ハイドロキシプロピルアクリレ
ート、β−ハイドロキシプロピルメタアクリレート、ア
リルアルコール等、メチロール基を有するものはN−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド等、アミノ基を有するものはジメチルアミノエチル
アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート
等、酸アミド基を有するものはアクリルアミド、メタク
リルアミド等、グリシジル基を有するものはグリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジル
アリルエーテル等が例示される。また、これらのモノマ
ーを単体、または、複数のモノマーを混合して使用する
ことが可能である。
【0031】天然ワックスとしては、以下のような植物
系、動物系、鉱物系、石油系ワックスなどが使用でき
る。
【0032】植物系ワックスとしては、キャンデリラワ
ックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、
ホホバ油などが使用できる。動物系ワックスとしては、
みつろう、ラノリン、鯨ろうなどが、鉱物系ワックスと
しては、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンな
どが、石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどがそ
れぞれ使用できる。
【0033】次に、液体分散媒P4としては、少なくと
も高絶縁性、無色透明性が求められ、水、アルコール
類、各種エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、
四環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素等のほか、天然ま
たは合成の各種の油などを使用できる。
【0034】分散系を生成するには、まず液体分散媒P
4にプラスの帯電極性を持つ黒色の帯電粒子P2aとマ
イナスの帯電極性を持つ白色の帯電粒子P2bとを均一
分散させる。更に、この分散液と、界面活性剤を添加し
た蒸留水を撹拌混合させ、分散液のエマルジョンを作製
する。分散液エマルジョンの大きさは、撹拌速度、また
は、乳化剤、界面活性剤の種類と量とにより所望の大き
さに調節される。また、必要に応じて1種類以上の乳化
剤、界面活性剤、電解質、潤滑剤、安定化剤などを適宜
添加することができる。
【0035】このとき、帯電粒子P2a,P2bは、体
積平均粒子径/個数平均粒子径で表される粒度分布の分
散度が約2以下であることが好ましい。
【0036】また、図4(A)に示す帯電粒子P2a,
P2bの平均粒子径dは、マイクロカプセルP10の粒
子径Dに対し約1/1000以上、約1/5以下である
ことが好ましい。粒子径dがマイクロカプセルP10の
粒子径Dの約1/5以上である帯電粒子P2a,P2b
を内包したマイクロカプセルP10では、電界を印加し
て画像形成する際に、極性の異なる帯電粒子P2a,P
2bがお互いの泳動の妨げとなり、応答速度が極端に低
下する。また、粒子径dがマイクロカプセルP10の粒
子径Dの約1/1000以下である帯電粒子P2a,P
2bは、マイクロカプセルP10内で凝集してしまい、
電界に対する応答性の低下や、表示ムラを引き起こして
しまうことがある。本実施の形態の記録媒体PPにおい
ては、微粒子は平均粒子径dが約20μmであり、黒い
プラスの帯電粒子P2aと、白いマイナスの帯電粒子P
2bの2種類が用いられている。
【0037】帯電粒子P2a,P2bの量は、マイクロ
カプセルP10中において、帯電粒子P2a,P2bの
体積が、前記マイクロカプセルP10の容積に対し、各
々約1.5%以上、約25%以下であり、且つマイクロ
カプセルP10に内包されているすべての帯電粒子P2
a,P2bの体積の総和が、マイクロカプセルP10の
容積に対して各々約1.5%以上、約50%以下である
ように調整することが好ましい。
【0038】マイクロカプセルP10に内包される帯電
粒子P2a,P2bの体積が、マイクロカプセルP10
の容積に対し各々約1.5%以下である場合、制御電界
により帯電粒子P2a,P2bがマイクロカプセルP1
0の外殻部P5の壁端部に移動しても、カプセル半球面
の1/2を占めることができず、低コントラストを招い
たり、または背後の他色の帯電粒子や背面の電極等の色
が観測者の目に触れてしまう。
【0039】また、帯電極性の異なる帯電粒子P2a,
P2bの体積がマイクロカプセルP10の容積に対し各
々約25%以上であり、且つマイクロカプセルP10に
内包されている帯電粒子P2a,P2bの体積の総和
が、マイクロカプセルP10の容積に対して約50%以
上であるような場合、制御電界に対し帯電粒子P2a,
P2bが応答する際に、衝突によりお互いの帯電粒子P
2a,P2bが泳動の妨げとなってしまう。このため、
制御電界の印加から画像形成が完結するまでの応答速度
が著しく低下してしまう。
【0040】次に帯電表示層P3を形成するには、図3
に示すように、多数のマイクロカプセルP10を平面状
に配列して並べ、可撓性媒体P12により、その間隙を
充填して全体を薄板状に形成する。この可撓性媒体P1
2には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透
明で可撓性のある材質が用いられる。
【0041】さらに、帯電表示層P3の表示面側と反対
の面を不透明な白色に着色した着色層である基層P1を
配設するようにしてもよく(図3参照)、この場合は、
基層P1上に帯電表示層P3を積層する。着色層を設け
ることで、例えば、帯電粒子P2a,P2bの色がそれ
ぞれ黒色と白色の場合に、着色層を白色に着色すること
で、帯電粒子P2bにより帯電表示層P3の表面を白色
に表示すべきときに、マイクロカプセルP10の隙間を
白色で埋めて、完全に隙間のない白色の表示面を構成す
ることができる。
【0042】本実施の形態の記録媒体PPは、上述のよ
うな構成を備えるため以下のような作用を有する。ここ
で図4(A)に示すマイクロカプセルP10は、未だ電
界を印加されない状態であり、帯電粒子P2a,P2b
は、均一の状態でマイクロカプセル内に分散して存在す
る。なお、ここでは図の上方(反Z方向)が、表示方向
である。
【0043】図5は、記録媒体PPに上電極部2の電極
22a,22b及び下電極部3の電極32a,32bに
より電界を印加した状態を表す模式図である。図5に示
すように、対応する上電極部2と下電極部3のそれぞれ
の電極22aと32a、22bと32bにそれぞれ電圧
が印加されると、印加された電圧の極性に応じた向きの
電界が生じる。ここでは、電気力線をELで示す。図5
左に示す電極22aは陰極で、電極32aは陽極であ
る。従って、上向きの電界を生じるが、この電界の中に
おかれたマイクロカプセルP10a,P10bを例に説
明する。図4(B)は、均一な上向きの電界を印加した
状態のマイクロカプセルP10a,P10b内の帯電粒
子P2a,P2bの状態を示す模式図である。図4
(B)において、上電極部2を陰極、下電極部3を陽極
とするように電圧を印加すると、上向きの電界が生じ、
プラスに帯電した黒色の帯電粒子P2aは陰極である上
の電極22aの方向に、マイナスに帯電した白色の帯電
粒子P2bは陽極である下の電極32aの方向に、それ
ぞれ引き寄せられる。帯電粒子P2a,P2bは、それ
ぞれ電極22a,32a側に引き寄せられてマイクロカ
プセルP10a,P10bの外殻部P5の内壁面に付着
する。図4(C)は帯電粒子P2a,P2bが、それぞ
れ電極32,22側に引き寄せられてマイクロカプセル
P10a,P10bの外殻部P5の内壁面に付着した状
態を示す模式図である。そのため、上電極部2側、即ち
表面側の表示面P11側から観察すると、帯電粒子P2
aのみが観察され、帯電粒子P2aに着色された黒色の
みが表示面に表示される。
【0044】なお、この状態で電圧の印加を停止して
も、液体分散媒P4の粘度及び鏡像力により図4(C)
に示す状態が維持される、いわゆるメモリ効果がある。
また、この状態で、ある程度の強度までの電界を受けた
としても、ヒステリシスのためこの状態が維持される。
すなわち、ここで形成された画像はこの記録媒体PPに
記録されることになる。
【0045】一方、図5右側に示すマイクロカプセルP
10c,P10dのように、マイクロカプセルP10
a,P10bに示した上電極部2と下電極部3に異なる
極性で再び電圧を印加した場合、ヒステリシスの限界を
超える逆向きの電界が印加されれば、帯電粒子P2a,
P2bは再び移動して位置が逆転し、図5右側に示すマ
イクロカプセルP10c,P10dのように帯電粒子P
2bが表示面P11側に付着し、表面側の表示面P11
側から観察すると、帯電粒子P2bのみが観察され、帯
電粒子P2bに着色された白色のみが表示面に表示され
画像は書き替えられる。
【0046】図1に示す制御部4は、制御用の図示しな
いCPU及びRAM、ROMを備えた周知のコンピュー
タ10を備え、このコンピュータ10は、外部コンピュ
ータにより構成されるものであってもよい。制御部4に
は、図示しないインタフェイスを介して画像情報が取り
込まれ、コンピュータ10はこの画像情報に基づいて制
御信号を発生させる。このコンピュータ10からの微弱
な制御信号に応じて各電極22,32から記録媒体PP
に十分な電界を印加できるように電極アレイ駆動回路6
を備え、この電極アレイ駆動回路6から配線8を介して
駆動信号を出力して各電極22,32に電圧を印加し、
搬送される記録媒体PPに対して各画素に応じた電界の
向きになるように各電極から電界を印加して画像を形成
する。また、前述のように記録媒体搬送部5に備えられ
た駆動モータ9を、コンピュータ10からの制御信号に
基づいて駆動信号を出力して駆動するモータ駆動回路7
を備える。
【0047】電気泳動表示装置1は、以上のように構成
される。次にこのように構成された電気泳動表示装置1
の制御方法について説明する。ここで、図6(D),
(E)、図7(F),(G)は、マイクロカプセルP1
0の壁面に不所望の帯電粒子P2cが付着した状態を示
す。図4(A)〜(C)に示した帯電粒子P2a,P2
bの動きは理想的なものであって、実際には、種々の条
件から図4(C)の状態から、再び逆向きの制御電界を
印加したときに、図6(D),(E)、図7(F),
(G)に示すような鏡像力の影響等でマイクロカプセル
P10の壁面に付着して離れず、所望の方向に移動しな
い帯電粒子P2cが生じることがあり、このような不所
望に表示面P11に残留した帯電粒子P2cにより画像
のコントラストが低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明においては以下に述べる本実施の形態の
電気泳動表示装置1のような制御方法により、このよう
な問題を解決している。
【0048】この制御方法では、帯電粒子P2a,P2
bを移動させる制御電界を生じさせるための上電極部2
及び下電極部3に電圧を所定の方向に継続して印加して
する前に、上電極部2及び下電極部3に1の方向及びこ
れと逆方向とに電界が生じるように交互にパルス電圧を
印加することを特徴とする。以下、この制御方法を詳述
する。
【0049】本実施の形態の上電極部2及び下電極部3
は、いずれも画素に対応したセグメント電極からなる電
極アレイ21,31から構成されており、記録媒体PP
の画素毎に必要な電界を容易に印加できる。
【0050】ここで従来の電気泳動表示装置における、
制御方法を説明する。図11は、従来の電気泳動表示装
置の制御電界の印加を示すグラフである。図11に示す
グラフにおいてV1は上電極部の電極、V2は下電極部
の電極を示す。また、V1−V2は両電極の電位差を示
す。また、t1はパルス電界の印加時間、t2は制御電
界の印加時間を示す。以下、図8、図9、図10におい
て同じである。図11(A)は、上電極部における電圧
の印加を示し、図11(B)は、対応する下電極部にお
ける電圧の印加を示し、図11(C)は、これらの電位
差を示す。ここで、t2は、制御電界を印加する時間を
示す。従来のように制御電界のみを印加する制御方法で
は、図4(C)に示す状態から図11(A)に示すよう
に上電極部にプラス、図11(B)に示すように下電極
部にマイナスの電圧を印加すれば、その電位差は図11
(C)に示すようになり、図6(D)に示すように、プ
ラスの電位を帯びた黒色の帯電粒子P2aは電気泳動に
より下方に、マイナスの電位を帯びた白色の帯電粒子P
2bは上方に移動する。しかし、制御電界を印加し続け
ても、鏡像力により一旦マイクロカプセルP10の外殻
部P5の壁面に付着した帯電粒子P2cは図6(E)、
図7(F)に示すように電気泳動によって移動しない。
そのため、図7(G)に示すように表示面P11に残留
し、すべて白色の帯電粒子P2bで表示面P11を表示
しようとしても不所望に残留した帯電粒子P2cにより
グレーがかった発色となり、その結果表示される画像の
コントラストを低下させた。
【0051】ここで図8は、電気泳動表示装置1におけ
る電圧の印加の制御方法を示すグラフである。図8
(A)は、上電極部2おける電圧の印加を示し、図8
(B)は、対応する下電極部3おける電圧の印加を示
し、図8(C)は、これらの電位差を示す。本実施の形
態の電気泳動表示装置1においては、黒色を表示したい
記録媒体PPの画素に対応する上電極部2の電極、例え
ば22aに対して、図8(A)に示すように、短時間に
極性を交互に変化させたパルス電圧をt1に示す時間印
加し、その後本来の制御電圧であるマイナスの電圧を印
加してしている。また、このとき電極22aに対応する
電極32aには、図8(B)に示すように22aとは逆
極性の電圧を印加する。その結果、両電極22a,32
aの電位の差は図8(C)に示すようになって記録媒体
PPに電界を印加する。また、白色を表示したい画素に
は、図8(A)及び図8(B)と逆の極性の電圧を上電
極部及び下電極部の対応する電極に印加することで表示
ができる。グラフは模式的なもので、好ましい周波数等
は後述する。
【0052】このように、画像を形成するために一定時
間極性を変えずに電圧を印加して制御電界を形成する前
の段階に、極性が短時間に変化するパルス電圧を印加す
ると後述の実験例のように形成される画像のコントラス
トが向上し且つ応答が良くなるのであるが、その理由は
以下のようであると考えられる。即ち、鏡像力により付
着していた帯電粒子P2a,P2bがパルス電圧を印加
されることにより電気泳動のエネルギを与えられ、その
多くがマイクロカプセルP10の外殻部P5の壁面から
離れて電気泳動を始めるが、一部は鏡像力のため付着し
たままになっている。そのとき、極性の異なるパルス電
圧を連続的に印加することで、マイクロカプセルP10
の外殻部P5の壁面から既に剥離した帯電粒子P2a,
P2bが激しく往復運動をすることにより、帯電粒子同
士がぶつかり合う。その運動エネルギにより、マイクロ
カプセルP10の外殻部P5の壁面に鏡像力のため未だ
付着していた帯電粒子P2cが壁面から剥離するのを促
進し、剥離後は印加された制御電界の方向に応答性よく
従って電気泳動されるからであると考えられる。
【0053】このパルス電圧は、印加する電圧の極性を
短時間に変化させる電圧であり、即ち交流電圧である。
そして波形は、正弦波でもよいが好ましくはパルス波形
であり、より好ましいのは矩形波である。
【0054】また、印加するパルス電圧の時間は、少な
くとも7秒以内がよく、好ましくは5秒以内であり、よ
り好ましいのは3秒以内である。
【0055】また、印加するパルス電圧の周波数は40
Hz以下がよく、好ましくは3Hzから40Hzが望ま
しい。
【0056】そして、印加するパルス電圧は、一般に大
きな電圧であるほどよいが、制御電界を印加するための
電圧と同じであってもよい。
【0057】なお、実施の形態においてはデューティー
比が1:1であるが、これに限定されるものではない。
【0058】以下の電気泳動表示装置1についての実験
例を示す。
【0059】(実験例1)実験例1は、粒径が20μm
の白色に着色しマイナスに帯電した帯電粒子と黒色に着
色しプラスに帯電した帯電粒子を液体分散媒としての絶
縁溶媒とともに封入した直径300μmの透明樹脂製の
マイクロカプセルを対向する電極間に挿入して、電極に
極性を変えて電圧を印加して、マイクロカプセルの表示
面に表示された白色の画像と黒色の画像の光学濃度(O
ptical Density(以下OD値という))
を測定し、そのOD値の差(以下ΔODという)をコン
トラストとして比較した。ここでは一応の基準として概
ねΔODが0.85前後を境界として、これ以上を高コ
ントラスト、これ以下を低コントラストとして扱った
が、単に比較のための基準で実用性の有無を問うもので
はない。なお、同じΔODの場合でも、黒色のOD値の
低下に比較して白色のOD値の上昇の方が官能的には敏
感に識別されるため、同じΔODでは、白色のOD値が
低いほど好ましい。光学濃度の測定にはマクベス(Ma
chbeth)株式会社製の反射濃度測定器RD914
を使用した。
【0060】実験例1では、パルス印加時間は3秒間と
し、400V/mmの電界となるように電圧を印加し
た。その後0.5秒間の制御電界を印加して画像を形成
した。
【0061】上記の条件において、パルス電圧の波形を
矩形波、正弦波、三角波に変え、且つパルス電圧の周波
数を40Hz、60Hz、80Hzと変化させて、それ
ぞれの場合のOD値を求めた。表1にその結果を示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1に示すように、最もコントラストが高
かったのはΔODが0.89を示した40Hzの矩形波
を印加した場合であった。矩形波の場合は、60Hz、
80Hzの場合でもΔODが0.84と概ね良好であっ
た。これと比較して、正弦波では、40HzのときにΔ
ODが0.87と矩形波に比べやや劣るも比較的良好な
コントラストを得られたが、60HzではΔODが0.
82、80HzではΔODが0.80とコントラストの
低下が目立った。さらに三角波では、40Hzのときに
ΔODが0.86と矩形波や正弦波に比べやや劣るも比
較的良好なコントラストを得られたが、60HzではΔ
ODが0.80、80HzではΔODが0.78と周波
数が上がるに連れてコントラストの低下が著しかった。
【0064】この結果から、波形は、パルス波であれば
正弦波や三角波でもよいが、より好ましいのは矩形波で
あることが判った。特に、パルス波の幅が狭いときは、
矩形波が有利であった。
【0065】(実験例2)実験例2では、パルス電圧の
波形を矩形波、周波数を40Hzとし、400V/mm
の電界となるように電圧を印加した。その後0.5秒間
の制御電界を印加して画像を形成した。
【0066】上記の条件において、パルス電圧の印加時
間を1秒、3秒、5秒、7秒と変化させて、それぞれの
場合のOD値を求めた。なお、それ以外の条件は実験例
1と同じである。表2にその結果を示す。
【0067】
【表2】
【0068】表2に示すように、最もコントラストが高
かったのはΔODが0.89を示した印加時間が1秒及
び3秒の場合で、極めて良好な結果であった。またΔO
Dが0.89と同じでも、印加時間が1秒のときの方が
白色のOD値が低いため、官能的には、印加時間が1秒
のときの方が良好な結果であった。これと比較して、印
加時間が5秒の場合は、ΔODが0.85と比較的良好
なコントラストを得られたが、印加時間が7秒のときは
ΔODが0.78とコントラストの低下が目立った。
【0069】この結果から、印加するパルス電圧の時間
は、少なくとも7秒以内がよく、好ましくは5秒以内で
あり、より好ましいのは3秒以内であることが判った。
【0070】(実験例3)実験例3では、パルス電圧の
波形を矩形波とし、400V/mmの電界となるように
電圧を3秒間印加した。その後0.5秒間の制御電界を
印加して画像を形成した。
【0071】上記の条件において、印加するパルス電圧
の周波数を1Hz、2Hz、3Hz、40Hz、60H
z、80Hzと変化させて、それぞれの場合のOD値を
求めた。なお、それ以外の条件は実験例1と同じであ
る。表3にその結果を示す。
【0072】
【表3】
【0073】表3に示すように、最もコントラストが高
かったのはΔODが0.94を示した周波数が3Hzの
場合で、極めて良好な結果であった。また周波数が40
Hzの場合もΔODが0.89と良好で、周波数が1H
z及び2Hzの場合もΔODが0.87と良好であっ
た。なお、周波数が1Hzのときの方が白色のOD値が
低いため、官能的には、印加時間が1Hzのときの方が
良好な結果であった。これと比較して、周波数が60H
zの場合は、ΔODが0.83とコントラストがやや低
下し、周波数が80HzのときにはΔODが0.84と
大きな変化がなかった。
【0074】この結果から、印加するパルス電圧の周波
数は、少なくとも60Hz以下がよく、好ましくは40
Hz以下であり、より好ましいのは3Hzから40Hz
であることが判った。
【0075】(実験例4)実験例4では、周波数が3H
zで波形が矩形波のパルス電圧を400V/mmの電界
となるように3秒間印加した。その後制御電界の印加時
間をそれぞれ0.1秒、0.2秒、0.3秒、0.4
秒、0.5秒と変化させて印加し画像を形成した。そし
て、それぞれの場合のOD値を求めた。なお、それ以外
の条件は実験例1と同じである。表4にその結果を示
す。
【0076】
【表4】
【0077】表4に示すように、最もコントラストが高
かったのはΔODが0.99を示した印加時間が0.5
秒の場合で、極めて良好な結果であった。また印加時間
が長くなるに従って、ΔODが良好になり、印加時間が
0.2秒のときもΔODが0.91と良好であった。な
お、印加時間が0.1秒のときは、ΔODが0.84と
コントラストがやや低下した。
【0078】この結果から、制御電界の印加時間は0.
1秒以上がよく、好ましくは0.2秒以上、より好まし
いのは0.5秒以上であることが判った。
【0079】上述のように構成され、制御される電気泳
動表示装置1は、上記実験結果からも裏付けられるよう
に、表示される画像のコントラストが高く、応答速度も
速くなるという効果がある。また、帯電粒子P2a,P
2bをマイクロカプセルP10の外殻部P5から完全に
剥離させるように制御電界を強くするように大きな電圧
を印加する必要がなく、装置の構成の簡易化及び省電力
化を図ることができるという効果もある。
【0080】以上、本発明を実施の形態である電気泳動
表示装置1により説明したが、以下のような変形例であ
る電気泳動表示装置101のような構成でも本発明は実
施が可能である。以下、変形例である電気泳動表示装置
101について説明する。図12は、電気泳動表示装置
101の構成を示す模式図である。
【0081】電気泳動表示装置1では記録媒体PPを搬
送することにより、アレイ状に形成された上電極部2及
び下電極部3が記録媒体PPと相対的に移動しつつ電界
を印加するように構成されていたが(図1参照)、電気
泳動表示装置101は、図12に示すように、上電極部
2と同様に構成されたアレイ状の上電極部102が電極
部搬送体61に記録媒体PPに対向可能に収容され、記
録媒体PPを固定させたまま上電極部102を搬送する
ことで、両者を相対的に移動させて電界を印加する。こ
の電極部搬送体61は図示しない案内部材により案内さ
れて記録媒体PPに電圧が印加可能に移動するように構
成される。電極部搬送体61の移動方向の端部にはベル
ト部材である駆動ベルト64の両端部が固着され、電極
部搬送体61と駆動ベルト64が環状に連結される。駆
動ベルト64は、図示しないモータ及び動力伝達手段に
より駆動される駆動プーリ62と、回動可能に構成され
た従動プーリ63に掛架される。このように構成される
ため、上電極部102は記録媒体PP上を移動しつつ電
圧の印加が可能となっている。
【0082】また、電気泳動表示装置1では下電極部3
が上電極部2と同様のアレイ状の電極により構成されて
いたが(図2参照)、電気泳動表示装置101の下電極
部103は、記録媒体PPの下部に配設され、記録媒体
PPの全面に対応する共通電極として構成される。な
お、下電極部103は、上電極部102と対応して移動
するような共通電極部として構成してもよい。
【0083】電気泳動表示装置101の電極構成は、上
電極部102が電気泳動表示装置1と同様の画素に対応
するように分割されたセグメント電極であるのに対し
て、下電極部103が電気泳動表示装置1と異なる共通
電極である。制御部4等上記構成以外は電気泳動表示装
置1と共通の構成である。そして、記録媒体PPに電界
を印加する制御方法が以下のように行われる。
【0084】ここで図9(A)〜(E)は、電気泳動表
示装置101における電圧の印加の制御方法を示すグラ
フである。図9(A)は、黒色を表示する画素に対応す
る上電極部102の電極における電圧の印加を示すグラ
フである。図9(B)は、共通電極である下電極部10
3の電極における電圧の印加を示すグラフである。図9
(C)は、黒色を表示する画素における電位の差を示す
グラフである。図9(D)は、白色を表示する画素に対
応する上電極部102の電極における電圧の印加を示す
グラフである。図9(E)は、白色を表示する画素にお
ける電位の差を示すグラフである。本変形例の電気泳動
表示装置101においては、下電極部103は、共通電
極を用いているので、アレイ状に構成された上電極部1
02のそれぞれの個別の電極に対応して電圧を印加する
ことはできないので、図9(B)に示すように下電極部
103は、アース電位とされ、プラス及びマイナスのい
ずれの電位ともすることができない。このとき上電極部
102の電極に対応する画素に黒色を表示したいとき
は、図9(A)に示すようにプラスとマイナスに変化す
るパルス電圧を印加した後、マイナスの電圧を印加す
る。これらの電極で電圧を印加された結果、画素には図
9(C)のような電位差が生じ、パルス電界及び制御電
界が形成され黒色の画像が形成される。一方、白色を表
示したい画素に対応する上電極部102の電極には、図
9(D)に示すように、図9(B)と逆極性になるよう
に電圧を印加する。このように電圧を印加すれば、下電
極部103はアース電位とされているので、白色を表示
したい画素には、図9(E)のように電界が印加され
る。以上のように制御することで、それぞれの画素にパ
ルス電界を印加した後制御電界を印加して選択的に黒色
又は白色を表示できる。
【0085】また、この制御方法は、以下のような制御
方法に代えることができる。上述の方法では、パルス電
圧が黒色を表示する画素と白色を表示する画素に対し
て、それぞれ逆極性の電界が印加されていた。図10
(A)〜(F)は、電気泳動表示装置101における電
圧の印加の制御方法の変形例を示すグラフである。図1
0(A)は、黒色を表示する画素に対応する上電極部1
02の電極における電圧の印加を示すグラフである。図
10(B)は、共通電極である下電極部103の電極に
おける電圧の印加を示すグラフである。図10(C)
は、黒色を表示する画素における電位の差を示すグラフ
である。図10(D)は、白色を表示する画素に対応す
る上電極部102の電極における電圧の印加を示すグラ
フである。図10(E)は、白色を表示する画素におけ
る電位の差を示すグラフである。図10(F)は、書き
換えをしない画素に対応する上電極部102の電極にお
ける電圧の印加を示すグラフである。この変形例では、
パルス電界においては、極性は問われないことから、パ
ルス電圧を印加する場合に、黒色を表示する画素と白色
を表示する画素に対応する電極に共通の極性のパルス電
圧を印加することに特徴がある。
【0086】即ち、図10(B)に示すように、下電極
部103に対し、マイナス−プラス−マイナス−プラス
−マイナスの順にパルス電圧を印加する。このとき、図
10(A)に示すように、黒色を表示する画素に対応し
た上電極部102の電極には、プラス−マイナス−プラ
ス−マイナス−プラスの順に下電極部103とは逆極性
の電圧を印加する。その後、黒色を表示するためにマイ
ナスの電圧を印加する。この結果、図10(C)に示す
ように対応する画素には、大きな電位差により強いパル
ス電界を形成した後に、所定の向きの電界を印加するこ
とで黒色を表示させることができる。一方、図10
(D)に示すように、白色を表示する画素に対応した上
電極部102の電極には、プラス−マイナス−プラス−
マイナス−プラスの順に下電極部103とは逆極性の電
圧を印加する。その後、白色を表示するためにプラスの
電圧を印加する。この結果、図10(E)に示すように
対応する画素には、大きな電位差により強いパルス電界
を印加した後に、所定の向きの電界を印加することで白
色を表示させることができる。このように制御すること
で、より効果的なパルス電界を印加することが可能にな
り、不所望にマイクロカプセルP10の外殻部P5の壁
面に付着する帯電粒子P2cを少なくし、コントラスト
のより高い画像を得ることができる。
【0087】さらに、画像を形成する場合に、必要な画
素のみ書き換えるような制御をする場合、書き換えを行
わない画素に対応する上電極部102の電極に、図10
(F)に示すような、下電極部103に印加した図10
(A)に示すパルス電圧と同じ極性の電圧を印加するこ
とで、電位差をなくして電界が印加されないようにする
ことで、既に表示されている表示の状態を変化させない
で、他の書き換えが必要な画素に対して有効なパルス電
界を印加することができる。
【0088】また、例えば、記録媒体の構成、例えばマ
イクロカプセルや帯電粒子が構成される材料、大きさ、
帯電電位、着色される色彩等種々の変形実施が可能であ
る。また、電極の構成や、印加される電圧の大きさ等も
同様である。
【0089】以上、1の実施の形態及びその変形例に基
づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態
及びその変形例に何ら限定されるものではなく、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良をし変更すること
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0090】
【発明の効果】請求項1に係る発明の電気泳動表示装置
によれば、画像形成の前段階で交互に逆極性のパルス電
圧を印加することで、マイクロカプセル内の壁面に不所
望に付着した帯電粒子の剥離を容易にし帯電粒子の電気
泳動による移動を促進して表示される画像のコントラス
トを高くし、応答速度も速くすることができるという効
果がある。そして、不所望に付着した帯電粒子の剥離を
するための制御電界を形成するための過大に電圧を印加
する必要がなく、電力の消費を少なくすることができる
という効果もある。
【0091】また、請求項2に係る発明の電気泳動表示
装置によれば、請求項1に記載の電気泳動表示装置の効
果に加え、印加するパルス電圧の周波数を適正化するこ
とで、表示される画像のコントラストをより高くするこ
とができるという効果がある。
【0092】請求項3に係る発明の電気泳動表示装置に
よれば、請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装
置の効果に加え、印加するパルス電圧の波形を適正化す
ることで、表示される画像のコントラストをより高くす
ることができるという効果がある。
【0093】請求項4に係る発明の電気泳動表示装置に
よれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電気
泳動表示装置の効果に加え、印加するパルス電圧の印加
時間を適正化することで、表示される画像のコントラス
トをより高くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気泳動表示装置1の構成の概略を示す模式図
である。
【図2】記録媒体PPに対する、上電極部2及び下電極
部3の配置を模式的に示す斜視図である。
【図3】記録媒体PPの構成を示す模式断面図である。
【図4】マイクロカプセルP10の変化の様子を表す図
である。 (A) 本実施の形態の記録媒体PPにおいて制御電界
が印加される前のマイクロカプセルP10の構造を示す
模式図である。 (B) 均一な上向きの電界を印加した状態のマイクロ
カプセルP10a内の帯電粒子P2a,P2bの状態を
示す模式図である。 (C) 帯電粒子P2a,P2bが、それぞれ電極3
2,22側に引き寄せられてマイクロカプセルP10a
の外殻部P5の内壁面に付着した状態を示す模式図であ
る。
【図5】記録媒体PPに上電極部2の電極22a,22
b及び下電極部3の電極32a,32bにより電界を印
加した状態を表す模式図である。
【図6】(D) マイクロカプセルP10の壁面に不所
望の帯電粒子P2cが付着した状態を示す。 (E) マイクロカプセルP10の壁面に不所望の帯電
粒子P2cが付着した状態を示す。
【図7】(F) マイクロカプセルP10の壁面に不所
望の帯電粒子P2cが付着した状態を示す。 (G) マイクロカプセルP10の壁面に不所望の帯電
粒子P2cが付着した状態を示す。
【図8】電気泳動表示装置1における電圧の印加の制御
方法を示すグラフである。 (A) 上電極部における電圧の印加を示すグラフであ
る。 (B) 対応する下電極部における電圧の印加を示すグ
ラフである。 (C) これらの電位差を示すグラフである。
【図9】電気泳動表示装置101における電圧の印加の
制御方法を示すグラフである。 (A) 黒色を表示する画素に対応する上電極部102
の電極における電圧の印加を示すグラフである。 (B) 共通電極である下電極部103の電極における
電圧の印加を示すグラフである。 (C) 黒色を表示する画素における電位の差を示すグ
ラフである。 (D) 白色を表示する画素に対応する上電極部102
の電極における電圧の印加を示すグラフである。 (E) 白色を表示する画素における電位の差を示すグ
ラフである。
【図10】電気泳動表示装置101における電圧の印加
の制御方法の変形例を示すグラフである。 (A) 黒色を表示する画素に対応する上電極部102
の電極における電圧の印加を示すグラフである。 (B) 共通電極である下電極部103の電極における
電圧の印加を示すグラフである。 (C) 黒色を表示する画素における電位の差を示すグ
ラフである。 (D) 白色を表示する画素に対応する上電極部102
の電極における電圧の印加を示すグラフである。 (E) 白色を表示する画素における電位の差を示すグ
ラフである。 (F) 書き換えをしない画素に対応する上電極部10
2の電極における電圧の印加を示すグラフである。
【図11】従来の電気泳動表示装置の制御電界の印加を
示すグラフである。 (A) 上電極部における電圧の印加を示すグラフであ
る。 (B) 対応する下電極部における電圧の印加を示すグ
ラフである。 (C) これらの電位差を示すグラフである。
【図12】電気泳動表示装置101の構成を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 電気泳動表示装置 2 上電極部 3 下電極部 4 制御部 5 記録媒体搬送部 6 電極アレイ駆動回路 7 モータ駆動回路 8 配線 9 駆動モータ 10 コンピュータ 21 電極アレイ 22a,22b,22c,・・・22n 電極 31 電極アレイ 32a,32b,32c,・・・32n 電極 51,52 搬送ローラ EL 電気力線 PP 記録媒体 P2a (黒色)帯電粒子 P2b (白色)帯電粒子 P2c (残留した)帯電粒子 P3 帯電表示層 P4 液体分散媒 P5 外殻部 P10 マイクロカプセル P11 表示面 P12 可撓性媒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体分散媒に分散させた泳動可能な帯電
    粒子を封入したマイクロカプセルを挟んだ電極を備え、
    当該電極に所定の極性の電圧を一定時間継続して印加し
    前記マイクロカプセルに制御電界をかけることで、前記
    マイクロカプセルに封入された前記帯電粒子を任意の方
    向に移動させて画像を表示する電気泳動表示装置におい
    て、 前記電極に所定の極性の電圧を一定時間継続して印加し
    てする前に、1の方向及びこれと逆方向とに交互に電界
    が生じるよう前記電極に交互に逆極性のパルス電圧を印
    加することを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス電圧は、 周波数が1Hz以上40Hz以下であることを特徴とす
    る請求請1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス電圧は、 波形が矩形波であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス電圧は、 印加する継続時間が5秒以内であることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電気泳動表示装
    置。
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