JP2000324771A - 巻線機 - Google Patents

巻線機

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JP2000324771A
JP2000324771A JP11132133A JP13213399A JP2000324771A JP 2000324771 A JP2000324771 A JP 2000324771A JP 11132133 A JP11132133 A JP 11132133A JP 13213399 A JP13213399 A JP 13213399A JP 2000324771 A JP2000324771 A JP 2000324771A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線機の構成を簡素化する。 【解決手段】 回転する巻枠1に導線が巻き付けられて
コイルが形成される。ガイド部材7,8は、巻枠1に巻
き付けられる導線に当接し、導線の巻付き位置を規定す
る。ガイド部材7,8は、巻枠回転軸と同軸に巻枠と同
期回転するように設けられたリンク機構9に保持され
る。第3アクチュエータ21が駆動リンク13を軸方向
に動かすと、ガイド部材7,8が巻枠径方向に移動す
る。第1アクチュエータ17が保持リンク11を軸方向
に動かすと、リンク全体とともにガイド部材7,8が軸
方向に移動する。さらに第2アクチュエータ19がアー
ム8aを伸縮させると、ガイド部材8がガイド部材7と
独立して動く。これらのアクチュエータは巻枠とともに
回転しないでもよい。アクチュエータが回転機構に搭載
されなくてよいので、装置の構成が簡単であり、巻枠回
転モータの負荷を軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転する巻枠に導
線を巻き付けてコイルを形成する巻線機に関し、特に、
簡単な構成で導線の巻付き位置を確実に規定できる装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電動機や発電機など回転電機において、
高出力化のためにコイルの巻き回数を増加することが行
われるが、単純にこの回数を増加すると回転電機の大型
化を招く。そこで、回転電機の磁極間の、コイルを納め
るスロットの断面積に対するコイルを形成する導線の断
面積の総和の割合(以下、占積率と記す)を高めること
が行われる。占積率を高めるとは、すなわち導線を隙間
なく配列することであり、このために導線を整列させて
巻くコイル成形方法およびコイル成形装置が開発されて
いる。このような装置に、特開平7−183152号公
報がある。
【0003】また、占積率を向上するためには平角導線
を用いることが効果的である。平角導線とは四角形の断
面積を有する導線である。円形断面の導線を用いるのと
比較して、平角導線を用いることにより、さらに導線間
の隙間を小さくできる。
【0004】このようなコイル成形は、回転電機の磁極
またはこれに相当する形状を有する巻枠(芯金)に、導
線を一列ずつ隣接する導線と隙間を空けずに巻き、コイ
ルの全長分を巻き終わると、その上の層を同様に巻き付
け、所定数の層を形成して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のコイル成形の導
線の巻き付けにおいては、ある列から次の列へ導線の巻
き付けを移行する列替えのときに導線の位置ずれが生じ
ると、コイルの形状精度が低下する。導線のずれ量が大
きくなると、一つの層における導線の巻付け回数の低下
を招く。
【0006】このような事態を避けるため、列替えによ
る導線のずれを防止する必要がある。例えば、本出願人
による特願平11−13051号では、巻枠の近傍に列
替部形成ユニットが設けられる。このユニットにより、
巻枠への巻付け前に導線がプレス成形され、列替部のS
字形状が形成される。
【0007】ここで、導線のずれを防止するために巻枠
を何度も停止したのでは、コイルの生産性が低下する。
従って、巻枠を停止することなく、導線のずれを防止す
ることが望まれる。そのためには、ずれ防止用のユニッ
トを巻枠とともに同期回転させることが考えられる。し
かしこの場合、回転部分の構成が大型になってしまうと
いう不利がある。特に、ユニットを動かすアクチュエー
タをも巻枠とともに回転させるために、装置が複雑化
し、かつ巻枠を回転させるモータの負荷も大きくなる。
【0008】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、簡単な構成で、巻枠が回転し続ける
状態で、導線の巻付き位置のずれを防止できる巻線機を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、回転する巻枠に導線を巻き付けることに
よりコイルを形成する巻線機において、前記巻枠に巻き
付けられる導線に当接し、該導線の巻付き位置を規定す
るガイド部材と、巻枠回転軸と同軸に前記巻枠と同期回
転するように設けられ、前記ガイド部材を保持するガイ
ド保持リンク機構と、前記巻枠および前記ガイド保持リ
ンク機構と共に回転することなく、前記ガイド保持リン
ク機構を構成する要素部材を巻枠回転軸方向に移動させ
るリンク駆動手段と、を備え、前記ガイド保持リンク機
構は、前記リンク駆動手段により与えられた巻枠回転軸
方向の移動を、前記ガイド部材の巻枠径方向の移動に変
換するように設定されていることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、ガイド部材が導線に当接
して導線の巻付き位置を規定することにより、導線の位
置ずれが防止される。巻枠と同期回転するリンク機構に
ガイド部材が保持されているので、巻枠が回転したまま
の状態でもガイド部材が機能できる。
【0011】特に本発明によればリンク機構は、回転軸
方向の移動を、ガイド部材の巻枠径方向の移動に変換す
るように設定されている。したがってリンク駆動手段は
リンク機構に回転軸方向の移動を与えればよいので、リ
ンク駆動手段自身は巻枠とともに回転しないでもその機
能を果たせる。例えば装置テーブル等に固定されたアク
チュエータでも、回転するリンクに回転軸方向の力を与
えることは容易である。このように、アクチュエータを
巻枠とともに回転しなくてよいので構成が簡単になり、
また巻枠回転モータの負荷を軽減できる。
【0012】好ましくは、前記ガイド保持リンク機構
は、前記ガイド部材を巻枠径方向にスライド可能に保持
する保持リンクと、前記保持リンクに対して巻枠回転軸
方向に相対移動する駆動リンクと、前記駆動リンクと前
記ガイド部材を連結し、駆動リンクの巻枠回転軸方向の
移動を、前記保持リンク上でのガイド部材の巻枠径方向
移動に変換する変換リンクとを含む。この態様によれ
ば、少ないリンク部材でガイド部材に所望の動きをさせ
ることができ、構成が簡素であるという利点が得られ
る。
【0013】また好ましくは、前記保持リンクは巻枠回
転軸と同軸な第1の円筒を有し、前記駆動リンクは巻枠
回転軸と同軸な第2の円筒を有し、前記リンク駆動手段
は、前記第2の円筒を前記第1の円筒に対して相対的に
移動させる。好ましくは、上記両円筒の一方の内側に他
方が挿入され、さらにその内側に巻枠回転軸が挿入され
る。この態様では、保持リンク、駆動リンクに円筒部を
設け、この円筒部を巻枠回転軸が貫通する。従って、リ
ンク機構を巻枠と同軸回転しながら巻枠に対して相対移
動させる構成が簡単でよく、また装置を小型化すること
ができる。
【0014】また好ましくは、巻線機はさらに、前記巻
枠および前記ガイド保持リンク機構と共に回転すること
なく、前記ガイド保持リンク機構の全体を前記巻枠に対
して回転軸方向に移動することにより、前記ガイド部材
を巻枠回転軸方向に移動させる駆動手段を含む。この態
様によれば、上述した巻枠径方向へのガイド部材の移動
に加え、ガイド部材が巻枠回転軸方向に移動する。ここ
でも、巻枠回転軸方向の力がリンクに与えられればよい
ので、アクチュエータが巻枠とともに回転しなくてよ
く、したがって構成が簡単であり、巻枠回転モータの負
荷を軽減できる。
【0015】また好ましくは、前記ガイド部材および前
記ガイド保持リンク機構は前記巻枠の両側に設けられて
おり、前記両側のガイド保持リンク機構に対して一つの
リンク駆動手段がそれらを駆動可能に設けられている。
この態様によれば、リンク駆動手段の数を減らすことが
できるという利点が得られる。
【0016】また好ましくは、一対のガイド部材が、巻
枠回転軸を挟んで両側で前記保持リンクに保持されてお
り、前記巻枠および前記ガイド保持リンク機構と共に回
転することなく、前記一対のガイド部材の一方を前記保
持リンクに対して巻枠回転軸方向に相対的に移動させる
駆動手段が設けられている。好ましくは、前記駆動手段
は、巻枠回転軸の周りを回転するガイド部材と摺接しな
がら、そのガイド部材に巻枠回転軸方向の力を付与する
ように設けられている。
【0017】この態様では、巻枠回転軸を挟んで両側に
一対のガイド部材が設けられ、これら一対のガイド部材
が回転軸方向に異なる位置へと移動可能に設けられる。
このガイド部材の移動が、巻枠とともに回転しないよう
に設けられた駆動手段によって行われる。ここでも、駆
動手段が巻枠とともに回転しなくてよいので、前述と同
様、装置の構成が簡単であり、巻枠回転モータの負荷を
軽減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明
する。
【0019】図1は本実施形態の巻線機の斜視図であ
り、図2は正面図であり、図3は平面図である。発明を
理解しやすいように、各図は部分的に断面で示され、ま
た適宜簡略化されている。さらに図4は巻線機の機構を
示している。
【0020】まず図4を参照して巻線機の機構を説明す
る。巻線機は左右対称に構成されているので、ここでは
主として右半部のみを説明する。巻枠(芯金)1の回転
軸3は、装置ベース(図示せず)に回転可能に支持され
ている。回転軸3はモータ5によって回転される。
【0021】巻枠1の近傍であって回転軸3を挟んで両
側にはガイド部材7,8が設けられている。これらのガ
イド部材は、巻枠1に巻き付けられる導線に当接し、導
線の巻付き位置を規定することにより、導線のずれを防
止する。
【0022】ガイド部材7,8は、本発明のガイド保持
リンク機構9に保持されている。このリンク機構は、以
下に説明するように、回転軸3と同軸に同期回転するよ
うに設けられており、さらにリンク機構は、リンク要素
の回転軸方向の移動をガイド部材の巻枠径方向の移動に
変換するように設定されている。
【0023】リンク機構9は、保持リンク11、駆動リ
ンク13および変換リンク15を有する。保持リンク1
1は、巻枠回転軸3と同軸に同期回転するように設けら
れた第1円筒11aと、第1円筒11aから放射状に延
びる放射部11bを有する。装置の具体的構成において
は放射部は円板形状を有する。そして放射部11bに
は、巻枠径方向にスライド可能にガイド部材7,8が保
持されている。
【0024】駆動リンク13は、回転軸3と同軸に同期
回転するように設けられた第2円筒13aにより構成さ
れる。回転軸3、第1円筒11aおよび第2円筒13a
は、回転方向には互いに拘束されるが、軸方向には拘束
されない。したがって回転軸3、保持リンク11および
駆動リンク13は軸方向には相対移動する。
【0025】変換リンク15は、保持リンク11の放射
部11bと駆動リンク13とを連結している。図示のよ
うに、変換リンク15は回転軸3に対して斜めに設けら
れている。
【0026】またガイド部材8は、巻枠回転軸方向に伸
縮自在なアーム8aを介して保持リンク11に保持され
ている。
【0027】次に図4のリンク機構の動作を説明する。
第1アクチュエータ17は、保持リンク11を回転軸方
向に移動させる。保持リンク11は回転軸3に対して相
対的に軸方向に移動し、これによりガイド部材7,8は
巻枠1に対して回転軸方向に移動する。
【0028】また第2アクチュエータ19は伸縮アーム
8aの長さを変更する。これにより、ガイド部材8は、
保持リンク11に対して回転軸方向に相対移動すること
ができ、そしてガイド部材7と軸方向に異なる場所に位
置することができる。
【0029】ここで、図4に示すように、アクチュエー
タ19は、アーム8aを両側から挟むフォーク19aを
有し、フォークを動かすことによりアーム8aを伸縮す
る。フォーク19aはアーム8aと摺接する。摺接の摩
擦抵抗が殆ど発生しないように、フォーク19はボール
を介してアーム8aと接している。このような構成によ
り、アクチュエータ19は、巻枠とともに回転すること
なくアームを伸縮できる。
【0030】また第3アクチュエータ21は、保持リン
ク11に対して駆動リンク13を回転軸方向に相対移動
させる。駆動リンク13の移動は、変換リンク15によ
り、ガイド部材7,8の径方向の移動に変換される。す
なわち、図4の状態から駆動リンク13が巻枠1に近づ
くと、回転軸3と変換リンク15の角度が小さくなる。
そしてガイド部材7,8が回転軸3に引き寄せられる。
駆動リンク13が巻枠1から遠ざかったときは、逆にガ
イド部材7,8が回転軸3から離れる。傘の骨組みと同
様の原理が適用されている。
【0031】以上により、ガイド部材7,8は巻枠1と
同期回転しながら、巻枠1に対して回転軸方向および径
方向に移動することができる。ガイド部材7,8は回転
軸方向に独立して移動し、径方向には同位置をとる。巻
線機の構成は左右対象なので、合計4つのガイド部材が
設けられている。すなわち、巻枠に対して径方向および
回転軸方向の両側にガイド部材が配置され、それぞれ独
立して巻枠1に対して移動する。
【0032】本実施形態では、リンク機構を動かすアク
チュエータ17,19,21は、駆動対象部材を巻枠回
転軸方向にのみ移動させる。この場合、各アクチュエー
タ17,19,21は、巻枠1とともに回転しないでも
必要な機能が果たせる。そこで、各アクチュエータは回
転しないように装置ベース等に設置されている。
【0033】なお、左右の駆動リンク13は、一つのア
クチュエータ21によって移動される。また制御部23
は、巻枠回転モータ5、アクチュエータ17,19,2
1および他のアクチュエータ類を連携して動作させる。
制御部23は、巻線機に設けられたセンサからの信号に
基づいて各アクチュエータに制御信号を送る。
【0034】次に、図2および図3を参照し、巻線機の
具体的な構成を説明する。
【0035】装置ベース30の両端に巻枠支持台32が
設置され、支持台32により巻枠1と回転軸3が軸支さ
れている。回転軸3の両端のプーリ34に駆動ベルト3
6が掛けられ、駆動ベルト36は、装置ベース30の下
側にある駆動シャフト38のプーリ40にも掛けられて
いる。駆動シャフト40が巻枠回転モータ5によりベル
ト駆動され、これにより巻枠1が回転する。
【0036】装置ベース30上にはガイドテーブル42
が搭載されている。ガイドテーブル42は、装置ベース
30に設けられたレール44に沿って巻枠回転軸方向に
スライド可能である。左右のテーブルは、それぞれモー
タ46a,46bにより独立して駆動される。モータ4
6a,46bは図4の第1アクチュエータ17に相当す
る。
【0037】ガイドテーブル42にはガイド保持台48
が固定されている。ガイド保持台48は、回転軸3と同
軸に設けられた保持リング50を軸支する。この保持リ
ング50は、後述する駆動円筒66を介して回転軸3と
回転方向に拘束され、回転軸3と同期回転する。また保
持リング50は、ガイド保持台48に対して軸方向に拘
束されている。この保持リング50が、図4で示した保
持リンクに相当する。
【0038】保持リング50は、ガイド爪アーム54,
56を保持しており、アーム54,56の先端にガイド
爪が設けられている。このガイド爪が図4のガイド部材
に相当する。ガイド爪アーム54,56は、保持リング
50のレール58に取り付けられ、保持リング50に対
して径方向にスライド可能である。
【0039】また一方のガイド爪アーム56は、軸方向
に伸縮可能であり、図4の伸縮アームに相当する。アー
ム56の先端側の部分は、円板60に取り付けられてい
る。テーブル42に固定されたアクチュエータ19のフ
ォーク19aが、円板60を挟んでいる。このフォーク
19aが円板60を軸方向に移動し、これによりアーム
56が伸縮する。
【0040】なお、円板60は、保持リング50に保持
されており、巻枠1と同軸に同期回転する。円板60
も、伸縮可能なアーム61により保持リング50に取り
付けられている。またアーム56の先端側の部分は、円
板60に対して軸方向には固定されているが、径方向に
は移動可能に設けられている。
【0041】さらに、ガイドテーブル42には駆動円筒
支持台62が搭載されている。支持台62は、テーブル
42上のレール64に取り付けられ、テーブル42に対
して巻枠回転軸方向にスライド可能である。
【0042】駆動円筒支持台62は駆動円筒66を軸支
している。駆動円筒66は回転軸3と同軸に設けられて
いる。駆動円筒66は、回転軸3に対して回転方向に拘
束されており、両者は同期回転する。この駆動円筒66
が、図4で説明した駆動リンクに相当する。駆動円筒6
6は、変換リンク15を介して保持リング50と連結さ
れている。
【0043】以上のように、図2および図3の巻線機
は、図4で説明した機構を備えている。したがって巻線
機は図4で説明したように動作し、各ガイド爪は巻枠1
に対して径方向および軸方向に移動することができる。
【0044】次に図3を参照して、駆動円筒66をテー
ブル上で移動させるための構成を説明する。図3に示す
ように、一方のガイドテーブル42(本実施形態では左
側のテーブル)にモータ68が固定されている。モータ
68は、図4で説明した第3アクチュエータ21に相当
する。
【0045】モータ68は、巻枠回転軸と平行に設けら
れた第1シャフト70を回転させる。第1シャフト70
は、駆動円筒支持台62と噛み合ってボールねじ機構7
2を形成している。支持台62は、逆さ配置されたT字
型を有しており、回転軸に対して直角方向に延びた足部
分で第1シャフト70と係合している。
【0046】第1シャフト70は、もう一方のガイドテ
ーブル42、すなわち右側のテーブルまで延びている。
第1シャフト70は右側テーブルで軸受支持部74に支
持されている。
【0047】右側テーブルには、第1シャフト70と平
行に第2シャフト76が設けられ、第2シャフト76は
軸受支持部78で支持されている。第2シャフト76
も、第1シャフト70と同様に、駆動円筒支持台と係合
してボールねじ機構を形成している。
【0048】第1シャフト70に取り付けられた歯車8
0と、第2シャフト76に取り付けられた歯車82が噛
み合っており、両歯車の歯数は同一である。各シャフト
と歯車との間にはボールスプライン機構が設けられてい
る。したがってシャフト70,76は、それぞれ歯車8
0,82に対して軸方向に移動できる。
【0049】モータ68が第1シャフト70を回転させ
ると、歯車を介して第2シャフト76も同じだけ回転す
る。そして、左右両テーブルで同時にボールねじ機構が
機能して、駆動円筒支持台62が軸方向に移動する。こ
れにより、駆動円筒66が保持リング50に対して軸方
向に移動する。
【0050】第1シャフト70と第2シャフト76は反
対方向に同じだけ回転するので、両側の駆動円筒は装置
ベース上で反対方向に(巻枠を基準にしたときは同方向
に)同じ量だけ動く。つまり両駆動円筒は同時に巻枠に
近づき、あるいは巻枠から遠ざかる。
【0051】上述のように、シャフト70,76と歯車
80,82はスライド可能である。このスライド移動
は、テーブル42が装置ベース30に対して移動したと
きに生じる。このスライドにより、テーブル42が移動
しても両歯車の噛み合い状態が確保される。
【0052】このように、本実施形態では、一つのアク
チュエータ68により、両側の駆動円筒66が常に同時
に同じ量だけ移動する。したがって4本のガイド爪を巻
枠径方向に同時に動かし、回転軸から同じ距離に位置さ
せることができる。そして、コイルの各層の巻き付けを
行うときに、その層の導線に4つのガイド爪が当接して
導線の巻付き位置を案内することができる。このような
動作を一つのアクチュエータのみで行うので、アクチュ
エータの数を削減できるという利点が得られる。
【0053】次に、巻枠1に導線を供給するための構成
を説明する。図5の模式図を参照すると、巻枠1の近傍
には4つのガイド爪BL,BR,FL,FRが位置して
いる。これらのガイド爪は、上述した4つのガイド爪に
相当する。導線は、巻枠1の近傍に設置されたノズル8
5から供給される。図示のように、ノズル85は、直角
方向に配置された2対のローラにより構成され、これら
のローラの隙間を通って導線は巻枠に供給される。
【0054】ここでノズル85は、図示しないアクチュ
エータにより巻枠1に対して相対移動可能に設けられて
おり、巻枠回転軸方向に往復移動する。この往復移動に
より導線の供給方向が変わり、導線は一つの列から次の
列へ移行することができる。すなわち、本実施形態では
ノズル85およびノズル駆動機構(図示せず)が、導線
に列替えを行わせる列替駆動手段として機能する。
【0055】次に、図6〜図12を参照し、本実施形態
の巻線機による導線巻付けの動作を説明する。ここで
は、図6に示す台形型のコイルを製造する場合を取り上
げる。ただし、他の形状のコイルも同様に形成できるこ
とはもちろんである。また本実施形態では、図示のよう
に、四角形断面を有する導線である平角線を用いてコイ
ルが形成される。
【0056】図7は第1層の巻付け過程を示している。
(a)まず導線の先端部が、巻枠1の両端のフランジの
一方にクランプされる。このとき、ガイド爪BL,BR
はフランジのところ、すなわち導線巻付け面の端部に位
置している。なお、残りのガイド爪FL,FRは、第1
層の巻付け時には機能しないので図から省略されている
が、これらのガイド爪FL,FRは導線と干渉しない位
置に待避している。
【0057】(b)次に巻枠が回転を開始することによ
り導線が巻き付き始める。巻枠が1回転する直前に(巻
枠が約270度回転したとき)、ガイド爪BLが回転軸
方向に移動して、巻枠に巻き付けられる導線に回転軸方
向に当接して、導線を押さえつける。このとき、ノズル
は回転軸方向に移動する。移動方向は、第1列から第2
列へ向かう方向である。
【0058】(c)は、巻枠1がちょうど1回転した状
態である。ノズルは、一旦大きく移動した後、第2列に
対応する位置まで戻されている。すなわちノズルは、
(a)の状態から導線1本分だけシフトしている。この
ようにして第1列の巻付けが終了し、巻枠は回転を継続
して第2列の巻付け工程に移る。
【0059】(d)および(e)は第2列の巻付け工程
である。(b)および(c)に示した第1列の巻付け工
程と同様である。
【0060】ただし図8に示すように、ガイド爪BL,
BRの間に第2列目の導線を挟み込むとき、一旦ガイド
爪BLが大きく移動する。これにより、両ガイド爪の隙
間は導線2本分より大きく広がる。それから第2列目の
導線が両ガイド爪の間に受け入れられる。そしてガイド
爪の隙間が閉じ、2本の導線が2つのガイド爪の間に挟
まれる。
【0061】このようなガイド爪の動作により、導線が
ガイド爪に引っかかったり、両者が擦れ合うことが防止
される。これにより導線の損傷、特に絶縁被膜の損傷が
防止される。
【0062】また図8の動作では、導線を受け入れた後
に両ガイド爪が閉じて、形成途中のコイルを両端から拘
束している。従ってコイルの形状が確実に保持され、コ
イルの形状精度が向上する。
【0063】なお、同様の動作は、図7に示されていな
い残りの2本のガイド爪が導線を挟み込むときにも同様
に行われる。
【0064】図7に戻り、(f)は、第3列および第4
列の巻付けも同様に行われた結果、第1層の巻付けが終
了した状態である。
【0065】図9は、本実施形態のガイド爪が適用され
ない場合を示している。導線には、巻枠の回転に伴って
大きな張力が作用している。そして列替えのために導線
の進行方向を変えるとき、すでに巻付けられた導線が軸
方向に引きずられる。その結果、図9(c)に示すよう
に導線が軸方向にずれてしまうことがある。列替えの度
に導線のずれが発生し、このずれが集積されると、全体
のずれ量は大きくなる。そして図9(d)に示すよう
に、導線のずれが原因で最終列の巻付けが不可能になる
こともあり得る。
【0066】一方、本実施形態では、ガイド爪が導線の
巻付き位置を規定するので、図9に示したような導線の
ずれが抑えられる。これにより、各層の列数を確保する
ことができ、コイル全体も正確な形状にすることができ
る。
【0067】次に図10を参照し、第2層の巻付け工程
を説明する。(a)まずガイド爪BL,BRが、導線1
本分だけ回転軸から遠ざけられる。前述したように、一
つのアクチュエータの動作により、両ガイド爪が同じ距
離だけ回転軸から離れる。この状態で巻枠が1回転し、
第2層の第1列の巻き付けが行われる。
【0068】(b)および(c)では、第1列から第2
列へ導線が移行する。ここでの動作は、第1層(図9
(b),(c))と対象である。巻枠が1回転する直前
に(約270度回転したとき)、ガイド爪BRが回転軸
方向に移動して導線に回転軸方向に当接して、導線を押
さえつける。ノズルは回転軸方向に大きく移動し、それ
から反対方向に戻される。そしてノズルは第2列に対応
する位置に配置される。(c)は、(a)から巻枠1が
ちょうど1回転した状態であり、第2列への列替えが終
了している。同様の巻付け工程が第3列および第4列に
対して行われ、第2列の巻付けが終了する(d)。
【0069】次に図11を参照し、第3層の巻付け工程
を説明する。ここでは台形コイルを形成する場合を取り
上げている。そのため、第3層の列数は3であり、第1
層および第2層の列数4より少ない。この列数変更のた
め、第3層は以下のようにして巻き付けられる。
【0070】(a)は、第3層の巻付け開始時の状態を
示している。ここでは4本のガイド爪BL,BR,F
L,FRが機能する。全ガイド爪は巻枠フランジのとこ
ろに位置している。全ガイド爪は、第2層の巻付け終了
の状態に対して、導線1本分だけ回転軸から遠ざけられ
る。前述したように、一つのアクチュエータの動作によ
り、全ガイド爪が同じ距離だけ回転軸から離れる。また
導線約1本分だけ回転軸方向にノズルがシフトする。こ
れにより第3層の列数が第2層より少なくなり、コイル
が台形になる。
【0071】(a)の状態から巻枠が回転し、第3層の
巻付けが始まる。図には示されないが、巻枠が約90度
回転したときにガイド爪FRが回転軸方向に移動し、導
線に当接する。
【0072】(b)さらに、巻枠が約270度回転した
とき、ガイド爪BLが回転軸方向に移動して導線に当接
する。このとき、第2列への列替えのため、ノズルは軸
方向に大きく移動する。
【0073】(c)は巻枠がちょうど1回転した状態で
ある。上述したように、第1列の巻付け中にガイド爪F
R,BLが移動して導線に当接している。ノズルは、軸
方向に大きく移動し後に戻され、第2列に対応する位置
に配置されている。このノズルの往復移動の結果、第2
列への列替えが完了している。
【0074】ここで、(b)および(c)に示すよう
に、ガイド爪FRおよびガイド爪BLは、導線が第3層
の第1列の位置(第2層の第3列の真上)に巻き付くよ
うに、導線の巻付き位置を規定している。ガイド爪FR
を設けたことにより、第2層と第3層に導線1本分の段
差が確実に形成され、これにより正確な形状の台形コイ
ルが形成される。すなわち、第1列の導線が巻枠端部
(巻枠フランジ)の方にずれて台形形状が乱れる、とい
ったことが防止される。またガイド爪BLの機能によ
り、他の層の場合と同様に、導線の列替え方向へのずれ
が効果的に防止される。
【0075】第3層の第2列、第3列の巻付けは、第1
層と同様にして行われる。ただし、図11(b),
(c)のガイド爪FRによる拘束状態は維持される。こ
のような巻付け動作の結果、図11(d)に示すように
台形コイルが完成する。
【0076】図12は、第3層の巻付け工程の変形例で
ある。図12(b)に示すように、ガイド爪BRが、第
3層第1列の導線に軸方向に当接している。ガイド爪B
Rは、巻枠が1回転する直前(約270度回転したと
き)に移動する。ガイド爪BRおよびガイド爪BLによ
り導線が挟み込まれる。これにより、導線は、その巻き
付くべき位置に確実に保持される。また、ガイド爪BR
およびガイド爪FRが、巻枠端部側から導線を支持す
る。したがって台形コイルの段差(第2層と第3層の段
差)が一層確実に形成される。
【0077】さらに図12では、ガイド爪FLも軸方向
に移動して導線に当接する。ガイド爪FLおよびガイド
爪FRが、形成途中のコイルを両端から拘束する。ガイ
ド爪FLは、巻枠1回転に一度、回転軸方向にシフトす
る(導線1本分待避する)。このとき、図8を用いて説
明したように、導線を受け入れるときにガイド爪の隙間
が開かれ、ガイド爪と導線の干渉に起因する導線の損傷
が防止される。
【0078】図12の巻付け動作では、4本のガイド爪
を同時に使って導線の巻付き位置が規定される。導線の
ずれが一層確実に防止され、完成コイルの形状のさらな
る安定が得られる。
【0079】以上にコイルの巻付け動作を説明した。こ
こでは図5の台形コイルを作る場合を取り上げて説明し
たが、本巻線機が他の形状のコイルもつくれることはも
ちろんである。コイルの層数や列数が異なっていてもよ
い。また各層の列数が任意に設定されたコイルを形成で
きる。長方形断面のコイルを作れることももちろんであ
る。
【0080】また本実施形態ではガイド爪が巻枠と同期
回転する。したがって、上記のガイド爪の移動と、ガイ
ド爪による導線位置の規定は、巻枠の回転を継続しなが
ら行われている。
【0081】次に図13を参照し、完成したコイルを巻
枠から取り外す動作を説明する。図13(a)は、図1
2(d)と同様であり、コイルが完成した状態である。
【0082】まず図13(b)に示すように巻枠1が2
つに切り離される。巻枠は、導線巻付き部と巻枠フラン
ジとの間で分離可能に構成されている。そこで、一方の
巻枠フランジが巻付け部から切り離される。このとき、
巻枠フランジとともに2本のガイド爪BR,BLも移動
される。
【0083】具体的には、図2,3に示したように本実
施形態では巻枠の両側に回転軸が取り付けられている。
回転軸はアクチュエータ(図示せず)により軸方向に移
動可能に構成されている。一方の回転軸が巻枠フランジ
とともに軸方向に移動する。これによりフランジが後退
し、導線巻付け部から切り離される。
【0084】それから、図13(c)に示すように、ガ
イド爪BL,BRが同時に回転軸方向に移動して、コイ
ルを巻枠から押し出す。好ましくは、図示のようにガイ
ド爪BL,BRは、回転軸に近づいた位置でコイルを押
す。コイル端面の広い範囲を押すことができ、コイルの
型くずれを防止できる。
【0085】図13(d)に示すように、巻枠の導線巻
付け部から完全にコイルが抜けたところで、作業者がコ
イルを取り外す。コイルは自動搬送装置等により取り外
されてもよい。
【0086】なお、変形例として、4本のガイド爪でコ
イルの両端を挟んだ状態で、コイルを巻枠から軸方向に
抜いてもよい。これにより、コイルの型くずれを確実に
防止することができる。
【0087】「導線クランプ装置の構成」次に図14お
よび図15を参照し、巻付け開始のときに導線の先端を
巻枠に自動的にクランプする装置について説明する。
【0088】図14は巻枠1を3方向から見た図であ
り、巻枠1を拡大して示している。(c)は、(a)の
ラインA−Aで巻枠1を切断した図である。巻枠1は、
導線が巻き付けられる巻付け部100を有する。巻付け
部100は、形成目標のコイルに対応した形状を有し、
すなわちコイルが装着されるモータの磁極とほぼ同等の
形状を有する。
【0089】さらに巻枠1は、巻付き部100の両側に
巻枠フランジ102,104を有する。巻枠フランジ1
02,104は、形成途中のコイルの端面を支持して型
崩れを防止するためのものである。巻枠フランジ10
2,104は、導線の巻付き位置を規定するガイド爪と
の干渉をさけるために切り欠かれ、逃げ部106が形成
されている。4本のガイド爪は、この逃げ部106を通
り、巻付け部100に巻き付けられる導線に当接する。
【0090】一方の巻枠フランジ102には、導線の先
端部をクランプ位置Bに導くための誘導溝108が設け
られている。図14(c)に示すように、誘導溝108
は、巻付け部100の4つの頂点のうちの一つの近傍で
始まる。そして、誘導溝108は、巻付け部100の一
辺に沿って進み、フランジ上端のクランプ位置Bまで続
く。誘導溝108は、開始点からクランプ位置Bにかけ
て徐々に深くなる。
【0091】また図14(c)に示すように、フランジ
102の上端には、フランジ端に沿って移動可能にクラ
ンプ爪110が設けられている。クランプ爪110の先
端がクランプ位置B(誘導溝108の出口)に配置され
ている。図示のように、クランプ爪110の先端は、フ
ランジ端部との間に楔型の隙間を形成している。これ
は、後述するように、誘導溝108から突き出した導線
をクランプ爪110が押すときに、押付け方向に導線を
屈曲させるためである。
【0092】クランプ爪110には、コイル型のクラン
プばね(リターンスプリング)112の一端が取り付け
られている。ばね112の他端は、フランジ102にボ
ルトで固定されたばね支持アーム114に取り付けられ
ている。このクランプばね112は、クランプ爪110
をクランプ位置B(誘導溝108の出口)の方向へ付勢
している。
【0093】クランプ爪110には、クランプばね11
2の反対側に解除ロッド116が取り付けられている。
解除ロッド116は、クランプばね112と同軸に設け
られ、フランジ上端と平行に延びる。解除ロッド116
は、ロッド支持アーム118に支持されている。ロッド
支持アーム118は、クランプばね112を支持するア
ーム114とは反対側のフランジ端面にボルトで固定さ
れている。解除ロッド116は、支持アーム118の貫
通穴に挿入されており、この貫通穴内を自由に移動でき
る。また解除ロッド116のストッパー凸部117は、
支持アーム118の壁面に当たっている。このストッパ
ー凸部117により、解除ロッド116の可動範囲が規
定されている。
【0094】クランプ解除アクチュエータ120は、装
置ベース(図示せず)に対して固定されている。アクチ
ュエータ120は、クランプ解除ロッド116を押して
移動させることができる。アクチュエータ120のプッ
シュアーム122が右方向に移動してロッド116を押
すと、ばね112の抵抗に打ち勝ってクランプ爪110
が移動し、クランプ位置Bから離れる。アクチュエータ
120がプッシュアーム122を戻すと、クランプ爪1
10はクランプばね112に押され、元のクランプ位置
Bに戻る。
【0095】さらに、図14(a)に示すように、巻枠
1の近傍には導入アクチュエータ124が設けられてい
る。導入アクチュエータ124は、巻枠の軸方向に移動
可能な導入アーム126を有する。アクチュエータ12
4は、導入アーム126を進退させることにより、ノズ
ル(図示せず)から供給される導線の先端を誘導溝10
8へと導く。
【0096】次に図15を参照し、クランプ装置の動作
を説明する。
【0097】(a)まずクランプ解除アクチュエータ1
20がプッシュアーム122を移動させて、解除ロッド
116を押す。クランプばね112の抵抗に打ち勝って
クランプ爪110が移動し、誘導溝108の出口が開か
れる。
【0098】(b)次に、ノズルから導線を繰り出すと
ともに、誘導アクチュエータ124が導入アーム126
をフランジ102の方へ動かす。これにより、導線の先
端が誘導溝108に進入し、誘導溝108の中を進む。
導線は、導入アーム126に押されているので、誘導溝
108の底部に沿って進む。導線の先端部が所定の長さ
だけ誘導溝108の出口から突出するまで、ノズルから
導線が供給される。
【0099】(c)次に、クランプ解除アクチュエータ
120がプッシュアーム122を後退させる。ロッド1
16およびクランプ爪110は、クランプばね112に
押されてアーム122に追従する。ロッド116の凸部
117が支持アーム118に当たるとロッド116が止
まる。アーム122は、ロッド116から離れる位置ま
で後退する。
【0100】クランプ爪110は、ばね112に押され
て移動するとき、誘導溝108から突き出した導線先端
部を屈曲させ、屈曲部分をフランジ102に押しつけ
る。この屈曲部分でクランプ爪110により導線が巻枠
にクランプされる。
【0101】以上のようにして導線のクランプが自動的
に行われる。この後、巻枠が回転し、導線の巻付けが行
われる。また、コイルの巻付けが完了したときは、クラ
ンプ解除アクチュエータ120が再び動作し、クランプ
爪110を移動させる。これによりクランプ状態が解除
されるので、コイルを巻枠から取り外すことができる。
【0102】本実施形態では、導線先端部が、フランジ
の端部に沿う方向に屈曲した状態でクランプされる。す
なわち導線は巻枠回転方向に屈曲した状態でクランプさ
れる。したがって下記のように先端部を確実にクランプ
できる。
【0103】導線を巻き付けるときは、導線に大きな張
力が作用し、導線を巻枠から外そうとする。しかし、導
線を巻枠回転方向に屈曲した状態で保持しているので、
導線に作用する張力に対して効果的に対抗することがで
きる。これにより、クランプ状態を確実に維持できる。
【0104】なお、このクランプのための構成に関し、
巻枠回転方向とは、巻枠回転軸の周りを回る方向を意味
しており、時計回りと反時計回りの両方向を意味する。
言い換えれば、巻枠回転方向は、コイル形成のために実
際に巻枠が回る方向と、その反対の方向の両方を含む。
そして、クランプのために導線先端を屈曲させる方向
は、どちらの方向でもよい。
【0105】具体的には、図14(c)の例では、コイ
ル形成のときに巻枠は時計回りに回転する。クランプ爪
は導線を反時計回りの方向に屈曲させている。変形例と
しては、クランプ爪が導線を時計回りの方向に、すなわ
ち巻枠の回転と同一の方向に屈曲させてもよい。この場
合、クランプ爪は導入溝の反対側に位置し、他の構成も
対称に設けられる。
【0106】以上に本実施形態の好適な巻線機について
説明した。次に、本実施形態の巻線機の各種の利点を説
明する。
【0107】本実施形態ではガイド爪が巻枠と同期回転
する。そして巻枠の回転を継続しながらガイド爪を移動
させることができる。列替え動作のたびに巻枠を停止
し、巻枠停止状態でガイド爪を移動する、といったこと
は不要であり、生産性を向上できる。また巻枠の回転中
もガイド爪で導線を押さえ続けられるので、コイルの形
状精度が向上し、この点でも生産性を向上できる。
【0108】特に本実施形態によれば、図4に示したよ
うに、ガイド爪を支持するリンク機構が、傘の骨組みと
同様の構成を有している。ガイド爪を巻枠回転軸から離
したり、回転軸に近づけるためには、第3アクチュエー
タ21が駆動リンク13を回転軸方向に移動すればよ
い。この場合、第3アクチュエータ21は巻枠と共に回
転しないでも、その機能を果たせる。そこで第3アクチ
ュエータ21は、ガイドテーブル42に固定され、すな
わち、巻枠とともに回転しないように設けられている。
以上より、回転部分に搭載すべきアクチュエータの数を
減らすことができるので、装置の構造が簡単である。ま
た、回転部分の重量を小さくできるので、巻枠回転モー
タの負担が軽く、モータを小型化できる。
【0109】また本実施形態では、ガイド爪を保持する
リンク機構は、図4に示した保持リンク、駆動リンクお
よび変換リンクにより構成される。少ないリンク部材で
ガイド爪に所望の動きをさせることができ、構成が簡素
である。
【0110】また本実施形態では、図4に示したよう
に、保持リンクの円筒部に駆動リンクの円筒部が挿入さ
れ、駆動リンクの円筒部に巻枠回転軸が挿入されてい
る。したがって装置の構成が簡素であり、また装置を小
型化できる。なお、駆動円筒の内側に保持リンクの円筒
を配置するように構成することも可能であり、同様の利
点が得られる。
【0111】また本実施形態では、図4に示したよう
に、第1アクチュエータ17が保持リンク11を回転軸
方向に移動することにより、ガイド爪が回転軸方向に移
動する。ここでも、第1アクチェータ17は巻枠ととも
に回転しないでもその機能を果たせることから、装置ベ
ースに固定されている。したがって、アクチュエータが
回転機構に搭載されなくてよいので、装置の構成が簡単
であり、巻枠回転モータの負荷を軽減できる。
【0112】また本実施形態では、図3に示したよう
に、巻枠の左右両側のガイド爪を巻枠径方向に移動させ
るモータの数が一つである。両側の爪を別々のアクチュ
エータで動かさなくてよい。したがってアクチュエータ
の数を削減することができる。
【0113】また本実施形態では、図2、3に示したよ
うに、回転軸を挟む両側のガイド爪が、回転軸方向に独
立して移動可能である。この移動は、リンク機構の一部
である回転円板60と、この円板60に摺接しつつ円板
60を移動させるアクチュエータ19とにより実現さ
れ、アクチュエータ19は装置テーブルに固定されてい
る。ここでもアクチュエータが回転機構に搭載されなく
てよいので、装置の構成が簡単であり、巻枠回転モータ
の負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の巻線機を示す斜視図で
ある。
【図2】 図1の巻線機の正面図である。
【図3】 図1の巻線機の平面図である。
【図4】 図1の巻線機の機構を示す図である。
【図5】 図1の巻線機に導線を供給するノズルを示す
模式図である。
【図6】 図1の巻線機を用いて形成されるコイルの例
を示す図である。
【図7】 図6のコイルの第1層の巻付け過程を示す図
である。
【図8】 コイルの巻付け過程でガイド爪が導線を挟み
込むときの動作を示す図である。
【図9】 ガイド爪を使用しない場合の巻付け過程を示
す図である。
【図10】 第2層の巻付け過程を示す図である。
【図11】 第3層の巻付け過程を示す図である。
【図12】 第3層の巻付け過程の変形例を示す図であ
る。
【図13】 完成したコイルを巻枠から取り外す過程を
示す図である。
【図14】 導線の先端を巻枠に自動的にクランプする
装置を示す図である。
【図15】 図14のクランプ装置の動作を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 巻枠、3 回転軸、5 モータ、7,8 ガイド部
材、8a アーム、9ガイド保持リンク機構、11 保
持リンク、11a 第1円筒、13 駆動リンク、13
a 第2円筒、15 変換リンク、17 第1アクチュ
エータ、19第2アクチュエータ、19a フォーク、
21 第3アクチュエータ、23制御部、30 装置ベ
ース、42 ガイドテーブル、44 レール、46a,
46b モータ、48 ガイド保持台、50 保持リン
グ、54,56 ガイド爪アーム、60 円板、62
駆動円筒支持台、64 レール、66 駆動円筒、68
モータ、70 第1シャフト、72 ボールねじ機
構、76 第2シャフト、80,82 歯車、85 ノ
ズル、100 巻付け部、102,104 巻枠フラン
ジ、106 逃げ部、108 誘導溝、110 クラン
プ爪、112クランプばね、116 解除ロッド、12
0 クランプ解除アクチュエータ、122 プッシュア
ーム、124 導入アクチュエータ、126 導入アー
ム、BL,BR,FL,FR ガイド爪。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する巻枠に導線を巻き付けることに
    よりコイルを形成する巻線機において、 前記巻枠に巻き付けられる導線に当接し、該導線の巻付
    き位置を規定するガイド部材と、 巻枠回転軸と同軸に前記巻枠と同期回転するように設け
    られ、前記ガイド部材を保持するガイド保持リンク機構
    と、 前記巻枠および前記ガイド保持リンク機構と共に回転す
    ることなく、前記ガイド保持リンク機構を構成する要素
    部材を巻枠回転軸方向に移動させるリンク駆動手段と、 を備え、 前記ガイド保持リンク機構は、前記リンク駆動手段によ
    り与えられた巻枠回転軸方向の移動を、前記ガイド部材
    の巻枠径方向の移動に変換するように設定されているこ
    とを特徴とする巻線機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の巻線機において、 前記ガイド保持リンク機構は、 前記ガイド部材を巻枠径方向にスライド可能に保持する
    保持リンクと、 前記保持リンクに対して巻枠回転軸方向に相対移動する
    駆動リンクと、 前記駆動リンクと前記ガイド部材を連結し、駆動リンク
    の巻枠回転軸方向の移動を、前記保持リンク上でのガイ
    ド部材の巻枠径方向移動に変換する変換リンクと、 を含むことを特徴とする巻線機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の巻線機において、 前記保持リンクは巻枠回転軸と同軸な第1の円筒を有
    し、 前記駆動リンクは巻枠回転軸と同軸な第2の円筒を有
    し、 前記リンク駆動手段は、前記第2の円筒を前記第1の円
    筒に対して相対的に移動させることを特徴とする巻線
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の巻線機
    において、 さらに、前記巻枠および前記ガイド保持リンク機構と共
    に回転することなく、前記ガイド保持リンク機構を前記
    巻枠に対して回転軸方向に移動することにより、前記ガ
    イド部材を巻枠回転軸方向に移動させる駆動手段を含む
    ことを特徴とする巻線機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の巻線機
    において、 前記ガイド部材および前記ガイド保持リンク機構は前記
    巻枠の両側に設けられており、 前記両側のガイド保持リンク機構に対して一つのリンク
    駆動手段がそれらを駆動可能に設けられていることを特
    徴とする巻線機。
  6. 【請求項6】 請求項2または3に記載の巻線機におい
    て、 一対のガイド部材が、巻枠回転軸を挟んで両側で前記保
    持リンクに保持されており、 さらに、前記巻枠および前記ガイド保持リンク機構と共
    に回転することなく、前記一対のガイド部材の一方を前
    記保持リンクに対して巻枠回転軸方向に相対的に移動さ
    せる駆動手段が設けられていることを特徴とする巻線
    機。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の巻線機において、 前記駆動手段は、巻枠回転軸の周りを回転するガイド部
    材と摺接しながら、そのガイド部材に巻枠回転軸方向の
    力を付与するように設けられていることを特徴とする巻
    線機。
  8. 【請求項8】 回転する巻枠に導線を巻き付けることに
    よりコイルを形成する巻線機において、 前記巻枠を回転可能に支持する装置ベースと、 前記装置ベース上を巻枠回転軸方向にスライド可能に設
    けられたガイドテーブルと、 ガイドテーブルに搭載され、巻枠回転軸と同軸に前記巻
    枠と同期回転するように設けられたガイド保持リンク機
    構と、 前記ガイド保持リンク機構に保持され、前記巻枠に巻き
    付けられる導線に当接し、該導線の巻付き位置を規定す
    るガイド部材と、 前記ガイドテーブルまたは前記装置ベースに搭載され、
    前記ガイド保持リンク機構を構成する部材を巻枠回転軸
    方向に移動させるリンク駆動手段と、 を備え、 前記ガイド保持リンク機構は、前記リンク駆動手段によ
    り与えられた巻枠回転軸方向の移動を、前記ガイド部材
    の巻枠径方向の移動に変換するように設定されているこ
    とを特徴とする巻線機。
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