JP2000329687A - 摩擦試験機及び摩擦試験方法 - Google Patents

摩擦試験機及び摩擦試験方法

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JP2000329687A
JP2000329687A JP11142281A JP14228199A JP2000329687A JP 2000329687 A JP2000329687 A JP 2000329687A JP 11142281 A JP11142281 A JP 11142281A JP 14228199 A JP14228199 A JP 14228199A JP 2000329687 A JP2000329687 A JP 2000329687A
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drum
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茂 篠田
Michio Masui
道男 増井
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健八 三橋
Chikahiro Sato
親弘 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意のスリップ条件を設定可能であると共
に、そのスリップ条件において摩擦係数を正確に測定す
ることを可能にした摩擦試験機及び摩擦試験方法を提供
する。 【解決手段】 外周面4aに摩擦面4cを設けたドラム
4の回転軸3と、摩擦面4cに接しながら回転走行する
円板状のゴム試験片Xを保持する保持手段21の回転軸
22とを互いに平行に配置し、ドラム4及び保持手段2
1の回転速度をそれぞれ制御自在に構成すると共に、保
持手段21に加わるトルクを測定するトルクメータ18
と、ゴム試験片Xに荷重を負荷する荷重シリンダ37
と、その荷重を検出するロードセル41を設け、少なく
とも摩擦試験時には保持手段21の位置を軸方向に固定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム試験片の摩擦
特性を測定する摩擦試験機及びその摩擦試験機を用いた
摩擦試験方法に関し、更に詳しくは、各種スリップ条件
において摩擦係数を正確に測定することを可能にした摩
擦試験機及び摩擦試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、空気入りタイヤに用いられるゴ
ムは、実車走行時における摩擦係数を予測するため、試
験片の段階でラボ試験により摩擦係数を調べるようにし
ている。一般に、その試験に使用される摩擦試験機は、
特公昭53−34752号公報、特開平4−21503
8号公報、特開昭60−149946号公報に示すよう
に、回転可能に構成した治具に試験片を固定し、該試験
片を回転させながら路面に押しつけるか、或いは回転す
るドラムの摩擦面に対して、固定された試験片を押し付
けて摩擦係数を測定するようになっている。そのため、
スリップ率が一定の摩擦係数しか得ることができず、ス
リップ率を0〜100%まで変化させた時の摩擦係数−
スリップ率の関係を求めることができなかった。
【0003】一方、特開平1−292232号公報に
は、回転可能なドラムの外周面に設けられた摩擦面上
で、回転可能な試験片をスリップ率が変化するように回
転速度を変化させながらドラム軸方向に移動させること
により摩擦特性を測定する試験機が開示されている。し
かしながら、上記試験機では測定時に試験片をドラム上
で軸方向に移動させるためゴム試験片に対して横力が発
生し、正確な摩擦係数を測定できないという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、任意
のスリップ条件を設定可能であると共に、そのスリップ
条件において摩擦係数を正確に測定することを可能にし
た摩擦試験機及び摩擦試験方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の摩擦試験機は、外周面に摩擦面を設けたドラムの回
転軸と、前記摩擦面に接しながら回転走行する円板状の
試験片を保持する保持手段の回転軸とを互いに平行に配
置し、前記ドラム及び保持手段の回転速度をそれぞれ制
御自在に構成すると共に、前記保持手段に加わるトルク
を測定するトルク測定手段と、前記試験片に荷重を負荷
する荷重負荷手段と、その荷重を検出する荷重検出手段
とを設け、少なくとも摩擦試験時には前記保持手段の位
置を軸方向に固定するようにしたことを特徴とするもの
である。
【0006】このように試験片の保持手段及びドラムの
回転速度をそれぞれ制御自在に構成することにより、ド
ラムの表面速度と前記試験片の表面速度との速度比に基
づいて任意のスリップ条件を設定し、そのスリップ条件
において試験片の摩擦係数を測定することができる。ま
た、少なくとも摩擦試験時には保持手段の位置を軸方向
に固定するので、試験時に試験片が横力を受けることな
く摩擦係数−スリップ率の関係を正確に求めることがで
きる。
【0007】本発明において、ドラムの外周面の直径は
試験片の直径の5倍以上にすることが好ましい。このよ
うにドラムを試験片に比べて相対的に大きくすることに
より、上述のように摩擦試験時に保持手段の位置を軸方
向に固定した場合であっても、摩擦面に油やゴム屑の付
着による状態変化を生じる前に摩擦試験を完了すること
が可能になる。また、ドラムの外周面に試験片が走行す
る複数のレーンを有する摩擦面を設け、試験片をレーン
毎に移動可能に構成すれば、レーンを変更するだけで試
験片の摩擦試験を連続して行うことができる。
【0008】本発明では、ドラムの上方に保持手段を配
置し、ドラムの軸方向に平行移動可能な移動体上に支持
壁を立設し、該支持壁に沿って上下方向に進退自在な昇
降体を配設し、該昇降体に保持手段とトルク測定手段を
介して保持手段を駆動する駆動モータとを搭載すると共
に、支持壁に試験片に対する負荷荷重を相殺する荷重均
衡手段を設け、かつ昇降体に荷重負荷手段を設置し、該
荷重負荷手段が荷重検出手段を介して保持手段に荷重を
負荷することが好ましい。
【0009】このように保持手段及びその駆動モータ等
を搭載する昇降体を上下方向に進退自在に構成すること
により、試験片の大きさが種々異なる場合であっても、
ドラムの回転軸と保持手段の回転軸との平行状態を維持
し、測定条件を一定にすることができる。また、支持壁
に試験片に対する負荷荷重を相殺する荷重均衡手段を設
けることにより、荷重負荷手段から与えられる荷重を荷
重検出手段により正確に測定することができる。
【0010】また、ドラムの上方に水張りトレイを介し
て保持手段を配置し、該水張りトレイの底部に開口部を
形成し、該開口部を介してドラムの摩擦面と保持手段に
保持された試験片が当接する構成にし、水張りトレイに
水を供給する給水部を設けると共に、該水張りトレイの
開口部とドラムの摩擦面との隙間から水張りトレイに張
られた水を排出するように構成しても良い。この水張り
トレイを設けることにより、ウェット条件での摩擦係数
を測定することが可能になる。この場合、給水部の供給
水量を調整可能にすると共に、水張りトレイの開口部と
ドラムの摩擦面との隙間を調整可能にすると良い。ま
た、給水部に水温調節可能な水供給源を接続すると良
い。
【0011】更に、保持手段を恒温槽内に設置し、該恒
温槽に温度調整されたエアを供給可能にしても良い。こ
の恒温槽を設けることにより、温度条件を正確に設定す
ることが可能になる。
【0012】一方、本発明の摩擦試験方法は、上述した
摩擦試験機を使用し、ドラムの表面速度と試験片の表面
速度との速度差に基づいて任意のスリップ条件を設定す
ると共に、そのスリップ条件における摩擦係数を測定す
ることを特徴とするものである。
【0013】より具体的には、ドラムを一定の回転速度
に保持する一方で、保持手段を試験片の表面速度とドラ
ムの表面速度とを等速にする回転速度から停止状態まで
減速し、スリップ率0〜100%の範囲でタイヤ制動時
のスリップ条件を再現したり、ドラムを一定の回転速度
に保持する一方で、保持手段を試験片の表面速度とドラ
ムの表面速度とを等速にする回転速度を上限として繰り
返し加減速し、スリップ率0〜100%の任意の範囲で
タイヤ間欠制動時(ABS制動時)のスリップ条件を再
現したり、ドラムを特定の回転速度から減速する一方
で、保持手段を試験片の表面速度とドラムの表面速度と
を等速にする回転速度を上限として繰り返し加減速し、
スリップ率0〜100%の任意の範囲でタイヤ間欠制動
時(実車により近いABS制動時)のスリップ条件を再
現したり、或いはドラムを停止状態に保持する一方で、
保持手段を停止状態から回転駆動し、タイヤ発進時のス
リップ条件を再現し、これらスリップ条件において摩擦
係数を正確に測定することできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】図1〜図4は本発明の摩擦試験機の一例を
示し、ケーシング1内に立設された支持フレーム2の中
間部に前後方向(図2の左右方向)に水平に延びるドラ
ム回転軸3が回転自在に支持され、そのドラム回転軸3
の先端部にドラム4が設けられている。ドラム回転軸3
の後方の支持フレーム2上には、ドラム用の過負荷保護
装置5と減速機6とが設置されている。減速機6に隣接
して設置されたブレーキ機能を具備する駆動モータ7と
減速機6とがベルト8を介して接続され、駆動モータ7
の作動により、減速機6、過負荷保護装置5、ドラム回
転軸3を介して、ドラム4が回転可能になっている。ま
た、駆動モータ7にブレーキをかけた状態にすれば、ド
ラム4の回転を停止させることができる。ドラム4の制
動手段は、特に限定されるものではなく、上記のように
駆動モータ7にブレーキ機能を付加する以外に、ドラム
回転軸3やドラム4にブレーキを付加しても良い。
【0016】ドラム4の外周面4aには、エメリーペー
パー等の研摩紙4bが着脱自在に張りつけられ、摩擦面
4cを形成するようにしてある(図3)。ドラム4の前
後幅が幅広に形成され、外周面4aにはゴム試験片Xが
走行する複数(例えば10)のレーンを持つ摩擦面4c
が形成できるようになっている。このように複数のレー
ンを有する摩擦面4cの形成により、研摩紙を張り替え
ることなく試験を連続して行うことができ、またゴム試
験片Xの予備ずり(モールド表面に付いている油がゴム
試験片に付着した際に、本試験前にゴム試験片Xを摩擦
面4c上を転動させてその油を除去するなど)にも用い
ることができる。
【0017】支持フレーム2の上端部に横設された水平
板9上には、前後に延びるガイドレール10が固設さ
れ、このガイドレール10に板状の移動体11が摺動自
在に係合している。移動体11の一側方の水平板9上に
ガイドレール10と平行に延びるボールネジ12が配設
され、このボールネジ12に移動体11の一側に突設さ
れた係合部11aが螺合している。ボールネジ12の後
端に連結されたモータ12aの駆動により、ボールネジ
12が回転すると、移動体11がガイドレール10に沿
って前後にドラム4の軸方向(ドラム回転軸3の延在す
る方向)と平行に移動するようになっている。
【0018】移動体11の一側部には、前後(ドラム4
の軸方向)に延びる支持壁13が垂直に立設されてい
る。支持壁13の側面には、上下に延びるガイド部材1
4が前後2か所に固定され、これらガイド部材14,1
4に板状の昇降体15が上下に摺動自在に係合してい
る。昇降体15の側部に突設された前後のブラケット1
6,17には、トルクメータ(トルク測定手段)18と
ブレーキ機能を具備した駆動モータ19が取り付けられ
ている。この駆動モータ19は回転速度が制御自在に構
成されている。駆動モータ19の回転軸19aにカップ
リングZとクラッチ20を介してトルクメータ18の後
部回転軸18aが接続され、このトルクメータ18の前
部回転軸18bに円板状のゴム試験片Xを保持する保持
手段21の回転軸22が接続されている。この保持手段
21は移動体11の移動に伴ってドラム4の軸方向に往
復移動可能であるが、少なくとも摩擦試験時にはドラム
4に対する相対的位置を軸方向に固定するようになって
いる。
【0019】保持手段21は、図5に示すように、横設
された円筒体23内に軸受24を介して支持された回転
軸22の先端部22aにゴム試験片Xを着脱自在に保持
可能な保持部25を備えている。この保持部25は、回
転軸22の先端部22aに嵌着された保持軸26と、保
持軸26の後端に突設されたフランジ27と、保持軸2
6に嵌合する芯金28と、芯金28を押さえる押さえフ
ランジ29及び押さえキャップ31とを備えている。
【0020】芯金28は外周面が周方向に凹凸状に形成
され、その外周に内周面を周方向に凹凸状に形成して嵌
合するようにしたゴム試験片Xが装着される。芯金28
にゴム試験片Xを取り付け、その芯金28を保持軸26
に嵌合させた後、芯金回り止めピン30を挿入し、押さ
えフランジ29と押さえキャップ31とを保持軸26の
先端側からセットしてボルト31Aで固定することによ
り、保持部25にゴム試験片Xを保持するようにしてあ
る。この保持部25は、ドラム4の上方に対設された位
置となり、駆動モータ19の作動により回転するように
なっている。
【0021】支持壁13の前側上部側部にはブラケット
32が突設され、このブラケット32に上方に突出する
2本のロッド33aを伸縮自在に備えたシリンダ33の
側部が固定されている。昇降体15の前側上部側部に水
平に突設されたブラケット34には2本の支持棒35が
垂直に立設固定され、この支持棒35の上端に固定され
たプレート部材36の後部下面に上記ロッド33aの先
端(上端)が固定されている。シリンダ33がオンにな
ると、ロッド33aを図3に示すように縮小状態にし、
ゴム試験片Xがドラム4の摩擦面4cに当接するように
保持部25を試験位置に移動させる。一方、シリンダ3
3がオフになると、ロッド33aを伸長状態にし、ゴム
試験片Xがドラム4の摩擦面4cから離間するように保
持部25を待機位置に移動させる。また、プレート部材
36の前部下面には、荷重シリンダ(荷重負荷手段)3
7が取り付けられ、その下方に突出するロッド37aの
先端(下端)に押圧パッド37bが設けられている。
【0022】円筒体23の先端部上部には荷重用部材4
0が上方に突設され、その前方に突出する水平板部40
a上にロードセル(荷重検出手段)41が設置されてい
る。このロードセル41の上方に上記荷重シリンダ37
が位置し、ロッド37aを伸長して押圧パット37bに
よりロードセル41に荷重を加えることにより、荷重用
部材40、円筒体23を介して、保持部25に装着され
たゴム試験片Xに荷重を負荷できるようになっている。
ロードセル41では、負荷された荷重が検出される。
【0023】支持壁13の中央部上部側面には、所定の
角度だけ回動自在な回動体42が突設され、この回動体
42の前端部にはワイヤ43が吊設されている。他方、
昇降体15の中央部上端にはフック44が突設され、こ
のフック44にワイヤ43の下端部が取り付けられてい
る。また、回動体42の後端に後方に向けて突設された
アーム部材45には重量体46がアーム部材45の長手
方向に沿って摺動可能に取り付けられている。これら回
動体42、ワイヤ43、フック44、アーム部材45及
び重量体46は、試験片Xに対する負荷荷重を相殺する
カウンターバランス47(荷重均衡手段)を構成してい
る。即ち、カウンターバランス47は重量体46の重量
に基づいて回動体42を矢印eの方向の回転させ、ワイ
ヤ43を介して昇降体15を上方に引き上げるように作
用するが、アーム部材45の長手方向に対する重量体4
6の位置を適切に調整することにより、試験片Xに対す
る負荷荷重を相殺するようになっている。そのため、荷
重シリンダ37から与えられる荷重をロードセル41に
より正確に測定することが可能である。
【0024】上記保持手段21とドラム4とは、断熱部
材50で囲まれた恒温槽51内に配設されている。保持
手段21とドラム4とは、保持部25に装着されたゴム
試験片Xがドラム4と当接する部分に開口部を形成した
仕切り板52により仕切られている。その仕切り板52
には多数の貫通孔53が形成されている。
【0025】保持手段21が配置された上部恒温室51
aの壁面には、エアの供給口54が設けられている。こ
の供給口54は不図示の配管を介してケーシング1の右
側後部に設置されたエア供給源55に接続されている。
エア供給源55では、ヒータにより外部から取り入れた
エアを加熱し、また冷凍機により冷却し、エアを2℃〜
60℃の範囲で温度調整でき、その温度調整されたエア
を供給口54から上部恒温室51aに供給できるように
なっている。供給口54から上部恒温室51aに供給さ
れたエアは、仕切り板52の貫通孔53を通って下部恒
温室51bの壁面に形成された排出口56から不図示の
フィルターを介して外部に放出されるようにしてある。
【0026】また、ドラム4とその上方の保持部25と
の間には、水張りトレイ60が設けられている。この水
張りトレイ60は保持部25と共に前後に往復移動可能
になっている。水張りトレイ60の底部には、図6に示
すように、開口部60aが形成され、その開口部60a
を介してドラム4の摩擦面と保持部25に保持されたゴ
ム試験片Xが当接するように構成され、開口部60aと
ドラム4の摩擦面4cとの隙間sから水張りトレイ60
に張られた水を下方に排出するようになっている。この
隙間sは任意に調整可能になっている。
【0027】一方、水張りトレイ60の上方には水を供
給する給水部62が設けられている。この給水部62は
ケーシング1の左側後部に設置された水供給源63に接
続され、通常は水張りトレイ60から排出される水より
も多くの水を供給できるようにしてある。但し、給水部
62は必要に応じて供給水量を絞ることも可能である。
水供給源63では水温コントローラにより水を2℃〜6
0℃の範囲で温度調整できるようになっている。
【0028】下部恒温室51bの傾斜面に形成された床
面51xには排出口64が形成され、この排出口64は
水供給源63に接続されている。ドラム4の下方の床面
51x上方には床面全面を覆うようにフィルター65が
配設されている。水張りトレイ60の隙間sから流れ出
た水は、フィルター65を介して排出口64から水供給
源63に戻り、循環するようになっている。図中、70
は試験片交換用ドア、71は研摩紙張替え用治具、72
は研摩紙張替え用ドア、73は操作パネルである。
【0029】上記摩擦試験機においては、待機位置で保
持部25にゴム試験片Xを装着した後、シリンダ33を
作動し、そのロッド33aを縮小した状態にする。それ
により、昇降体15が降下して、保持部25に保持され
ているゴム試験片Xがドラム4の摩擦面4cに当接した
状態になる(図3)。次いで、供給口54からエアを供
給し、上部恒温室51a内が所定の試験温度になった
後、荷重シリンダ37を押圧作動し、ゴム試験片Xに所
定の負荷を与える。ウェット時の摩擦係数を測定する場
合には、水張りトレイ60に給水部62から所定の温度
の水を供給し、所定の水深となるように水を張るように
する。
【0030】タイヤ制動時のスリップ条件における摩擦
係数を測定する場合は、保持手段21の位置を軸方向に
固定した状態で駆動モータ7,19の回転速度をそれぞ
れ制御し、ドラム4を一定の回転速度に保持する一方
で、保持手段21をゴム試験片Xの表面速度とドラム4
の表面速度とを等速にする回転速度から停止状態まで減
速し、そのスリップ率を0%から100%まで連続的に
変化させる。このとき、ロードセル41で検出された荷
重データとトルクメータ18で検出されたトルクデータ
は不図示のコンピュータに順次送られ、そこで各スリッ
プ率に応じた摩擦係数がそれぞれ算出され、摩擦係数−
スリップ率曲線(μ−Sカーブ)が求められる。従っ
て、スリップ率を0〜100%まで変化させた時の摩擦
係数−スリップ率の関係をゴム試験片の段階で正確に測
定することができる。
【0031】また、タイヤ間欠制動時のスリップ条件に
おける摩擦係数を測定する場合は、保持手段21の位置
を軸方向に固定した状態で駆動モータ7,19の回転速
度をそれぞれ制御し、ドラム4を一定の回転速度に保持
する一方で、保持手段21をゴム試験片Xの表面速度と
ドラム4の表面速度とを等速にする回転速度を上限とし
て繰り返し加減速し、スリップ率0〜100%の任意の
範囲で、より好ましくは0〜20%の範囲で連続的に変
化させ、上記と同様にスリップ率に応じた摩擦係数を求
めるようにする。一般に、ABS(アンチロックブレー
キ装置)を採用した自動車では、タイヤのスリップ率が
例えば0〜20%の範囲で変化するような間欠制動が行
われるが、上記摩擦試験方法では、上記タイヤ間欠制動
時のスリップ条件を再現し、そのスリップ条件での摩擦
係数を正確に測定することができる。
【0032】また、実車により近いABS制動時のスリ
ップ条件を再現しながら摩擦係数を測定したい場合は、
保持手段21の位置を軸方向に固定した状態で駆動モー
タ7,19の回転速度をそれぞれ制御し、ドラム4を特
定の回転速度から減速する一方で、保持手段21をゴム
試験片Xの表面速度とドラム4の表面速度とを等速にす
る回転速度を上限として繰り返し加減速し、スリップ率
0〜100%の任意の範囲で、より好ましくは0〜20
%の範囲で連続的に変化させ、上記と同様にスリップ率
に応じた摩擦係数を求めるようにする。実車ではタイヤ
が制動しながら減速するため、上記摩擦試験方法によれ
ば実車により近いスリップ条件を再現することが可能に
なる。
【0033】更に、タイヤ発進時のスリップ条件におけ
る摩擦係数を測定する場合は、保持手段21の位置を軸
方向に固定した状態で駆動モータ7,19の回転速度を
それぞれ制御し、ドラム4を停止状態に保持する一方
で、保持手段21を停止状態から回転駆動し、そのとき
の摩擦係数を求めるようにする。この場合、タイヤ発進
時のスリップ条件を再現し、そのスリップ条件での摩擦
係数を正確に測定することができる。
【0034】上記試験終了後においては、昇降体15を
引き上げてゴム試験片Xを装着した保持部25を待機位
置に移動させる。別のゴム試験片Xを続けて試験する場
合には、保持部25のゴム試験片Xを交換し、モータ1
2aの作動によりボールネジ12を回転させ、移動体1
1をガイドレール10に沿って移動させて、保持部25
のゴム試験片Xを次の摩擦面(レーン)4c上に移動さ
せた後、上記と同様にして試験を行う。
【0035】本発明において、上記ドラム4の外周面4
aの直径としては、ゴム試験片Xの直径の5倍以上、好
ましくは10倍以上にするのが良い。この外周面4aの
外径は500〜3000mmにすることが好ましく、例え
ば外径1000mmにすることができる。このように試験
片に対して径を大きくした大径のドラム4の使用によ
り、外周面4aの曲率の影響を抑えて実路面に近い状態
にすると共に、試験中に走行した同じ摩擦面上をゴム試
験片Xが走行する回数を少なくし、試験片の摩耗による
摩擦面の状態変化を抑えることが可能になるので、摩擦
力の測定をより正確に行うことができる。
【0036】ドラム4の摩擦面4cを形成する研摩紙4
bは、実路面に応じた粗さを持つものを使用することが
好ましく、エメリーペーパーとしては粗さが#80〜#
800のものを好ましく使用することができる。
【0037】上述したゴム試験片Xの寸法としては、外
径30〜200mmにすることが好ましく、例えば外径1
00mmにすることができる。また、ゴム試験片Xの幅は
10〜20mmにすることができる。その試験片を取り付
ける芯金28の外径(凸部における外径)としては、例
えば、70mmにすることができる。
【0038】本発明の摩擦試験機は、上述したように試
験片にゴム試験片を使用し、ゴムの摩擦係数(特に、空
気入りタイヤに使用されるゴムの摩擦係数)を測定する
場合に好ましく用いることができるが、それに限定され
ず、合成樹脂等の弾性体からなる試験片を用いて、その
摩擦係数を測定するようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、試験片
の保持手段及びドラムの回転速度をそれぞれ制御自在に
構成すると共に、少なくとも摩擦試験時には保持手段の
位置を軸方向に固定するようにしたので、任意のスリッ
プ条件を設定可能であり、そのスリップ条件において試
験片の摩擦係数を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦試験機の一例を示す正面図であ
る。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】(a)は保持手段の拡大断面図、(b)は保持
手段の芯金に試験片を装着した状態を示す説明図であ
る。
【図6】水張りトレイの説明図である。
【符号の説明】
3 ドラム回転軸 4 ドラム 4a 外周面 4c 摩擦面 7,19 駆動モータ 11 移動体 13 支持壁 15 昇降体 18 トルクメータ(トルク測定手段) 21 保持手段 22 回転軸 37 荷重シリンダ(荷重負荷手段) 41 ロードセル(荷重検出手段) 47 カウンターバランス(荷重均衡手段) 51 恒温槽 60 水張りトレイ 60a 開口部 62 給水部 63 水供給源 s 隙間 X ゴム試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増井 道男 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 三橋 健八 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 佐藤 親弘 東京都国立市谷保1053−1 株式会社日本 アプライドテクノロジ内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に摩擦面を設けたドラムの回転軸
    と、前記摩擦面に接しながら回転走行する円板状の試験
    片を保持する保持手段の回転軸とを互いに平行に配置
    し、前記ドラム及び保持手段の回転速度をそれぞれ制御
    自在に構成すると共に、前記保持手段に加わるトルクを
    測定するトルク測定手段と、前記試験片に荷重を負荷す
    る荷重負荷手段と、その荷重を検出する荷重検出手段と
    を設け、少なくとも摩擦試験時には前記保持手段の位置
    を軸方向に固定するようにした摩擦試験機。
  2. 【請求項2】 前記ドラムの外周面の直径を前記試験片
    の直径の5倍以上にした請求項1に記載の摩擦試験機。
  3. 【請求項3】 前記ドラムの外周面に前記試験片が走行
    する複数のレーンを有する摩擦面を設け、前記試験片を
    レーン毎に移動可能に構成した請求項1又は請求項2に
    記載の摩擦試験機。
  4. 【請求項4】 前記ドラムの上方に前記保持手段を配置
    し、前記ドラムの軸方向に平行移動可能な移動体上に支
    持壁を立設し、該支持壁に沿って上下方向に進退自在な
    昇降体を配設し、該昇降体に前記保持手段と前記トルク
    測定手段を介して前記保持手段を駆動する駆動モータと
    を搭載すると共に、前記支持壁に前記試験片に対する負
    荷荷重を相殺する荷重均衡手段を設け、かつ前記昇降体
    に前記荷重負荷手段を設置し、該荷重負荷手段が前記荷
    重検出手段を介して前記保持手段に荷重を負荷する構成
    にした請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の摩
    擦試験機。
  5. 【請求項5】 前記ドラムの上方に水張りトレイを介し
    て前記保持手段を配置し、該水張りトレイの底部に開口
    部を形成し、該開口部を介して前記ドラムの摩擦面と前
    記保持手段に保持された試験片が当接する構成にし、前
    記水張りトレイに水を供給する給水部を設けると共に、
    該水張りトレイの開口部と前記ドラムの摩擦面との隙間
    から前記水張りトレイに張られた水を排出するようにし
    た請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の摩擦試
    験機。
  6. 【請求項6】 前記給水部の供給水量を調整可能にする
    と共に、前記水張りトレイの開口部と前記ドラムの摩擦
    面との隙間を調整可能にした請求項1乃至請求項5のい
    ずれか1項に記載の摩擦試験機。
  7. 【請求項7】 前記給水部に水温調節可能な水供給源を
    接続した請求項5又は請求項6に記載の摩擦試験機。
  8. 【請求項8】 前記保持手段を恒温槽内に設置し、該恒
    温槽に温度調整されたエアを供給可能にした請求項1乃
    至請求項7のいずれか1項に記載の摩擦試験機。
  9. 【請求項9】 外周面に摩擦面を設けたドラムの回転軸
    と、前記摩擦面に接しながら回転走行する円板状の試験
    片を保持する保持手段の回転軸とを互いに平行に配置
    し、前記ドラム及び保持手段の回転速度をそれぞれ制御
    自在に構成すると共に、前記保持手段に加わるトルクを
    測定するトルク測定手段と、前記試験片に荷重を負荷す
    る荷重負荷手段と、その荷重を検出する荷重検出手段と
    を設け、少なくとも摩擦試験時には前記保持手段の位置
    を軸方向に固定するようにした摩擦試験機を使用し、前
    記ドラムの表面速度と前記試験片の表面速度との速度比
    に基づいて任意のスリップ条件を設定すると共に、その
    スリップ条件での摩擦係数を測定する摩擦試験方法。
  10. 【請求項10】 前記ドラムを一定の回転速度に保持す
    る一方で、前記保持手段を前記試験片の表面速度と前記
    ドラムの表面速度とを等速にする回転速度から停止状態
    まで減速し、スリップ率0〜100%の範囲でタイヤ制
    動時のスリップ条件での摩擦係数を測定する請求項9に
    記載の摩擦試験方法。
  11. 【請求項11】 前記ドラムを一定の回転速度に保持す
    る一方で、前記保持手段を前記試験片の表面速度と前記
    ドラムの表面速度とを等速にする回転速度を上限として
    繰り返し加減速し、スリップ率0〜100%の任意の範
    囲でタイヤ間欠制動時のスリップ条件での摩擦係数を測
    定する請求項9に記載の摩擦試験方法。
  12. 【請求項12】 前記ドラムを特定の回転速度から減速
    する一方で、前記保持手段を前記試験片の表面速度と前
    記ドラムの表面速度とを等速にする回転速度を上限とし
    て繰り返し加減速し、スリップ率0〜100%の任意の
    範囲でタイヤ間欠制動時のスリップ条件での摩擦係数を
    測定する請求項9に記載の摩擦試験方法。
  13. 【請求項13】 前記ドラムを停止状態に保持する一方
    で、前記保持手段を停止状態から回転駆動し、タイヤ発
    進時のスリップ条件での摩擦係数を測定する請求項9に
    記載の摩擦試験方法。
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