JP2000336134A - 水性塗料用ポリイソシアネート分散液の安定化方法 - Google Patents

水性塗料用ポリイソシアネート分散液の安定化方法

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JP2000336134A JP11147849A JP14784999A JP2000336134A JP 2000336134 A JP2000336134 A JP 2000336134A JP 11147849 A JP11147849 A JP 11147849A JP 14784999 A JP14784999 A JP 14784999A JP 2000336134 A JP2000336134 A JP 2000336134A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性塗料用硬化剤等に用いられる、イソシア
ネート基が長時間安定に存在している水性塗料用ポリイ
ソシアネート分散液を提供する。 【解決手段】 特定量の酸性物質の存在下で、水性ポリ
イソシアネートを水に分散させることにより解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗料の硬化剤
や主剤として用いられる水性ポリイソシアネートの水分
散液において、イソシアネート基が長時間安定に存在さ
せることのできる、水性塗料用ポリイソシアネート分散
液の安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤を多く含有する塗料、コーティ
ング剤等は、人体への悪影響、爆発、火災等の安全衛生
上の問題や、また、大気汚染等の公害問題を有する。そ
こで、これらの問題を改善するため、近年、水性システ
ムの開発が活発に行われている。従来から、水溶性高分
子溶液や水性エマルジョンが使用されているが、水性一
液システムでは、市場の要求性能を発現できないことが
多い。このため、耐久性、密着性の向上等のため、硬化
剤・架橋剤が使用されている。硬化・架橋システムには
種々の方法が提案されており、親水性基含有ポリイソシ
アネートを硬化剤・架橋剤として用いる方法もその一つ
である。
【0003】従来の水性ポリイソシアネートには、特開
昭62−50373号公報、特開昭61−291613
号公報等に記載されているものがあり、これらは親水性
の界面活性剤的な構造をポリイソシアネートに導入した
ものである。また、特開平8−85716号公報には、
親水性界面活性剤と疎水鎖を導入した水性ポリイソシア
ネートが記載されている。
【0004】この水性ポリイソシアネートは比較的粘度
が高いため、そのまま使用するには困難であるため、水
に分散させてから使用するのが一般的である。しかしな
がら、従来の水性ポリイソシアネートは、水に分散させ
た状態では、イソシアネート基と水との反応により、イ
ソシアネート基が長時間存在することができず、ポット
ライフが短いという欠点を有していた。
【0005】そこで、水性ポリイソシアネートを水に分
散させた状態でのポットライフ改善のため、様々な改良
が試みられている。例えば、特開平9−71720号公
報、特開平9−302309号公報、特開平9−328
654号公報等では、イオン性界面活性剤を混合するこ
とにより、ポットライフの改良が試みられている。
【0006】しかしながら、これらの公報の方法では、
イオン性界面活性剤が遊離の状態で存在するため、硬化
物の外観、強度、耐久性に不安がある。また、水との混
合時に発生する「泡の消え」(消泡性)が悪く、そのま
まで使用することは不都合である。これを解消するため
に消泡剤の添加が行われているが、消泡剤を大量に添加
した水性ポリイソシアネートは、塗膜の密着性や接着強
度の低下が起こりやすくなる。
【0007】なお、特開平9−194809号公報に
は、水分散性水酸基含有樹脂にフリーの有機酸を添加し
た後、水分散性(水性)ポリイソシアネートを配合した
水性接着剤が記載されている。しかしながら、特開平9
−194809号公報では、実施例において、水性ポリ
イソシアネートをそのまま水に分散させているため、使
用直前に水性ポリイソシアネートを水に分散させる必要
があった。また、エマルジョンにそのまま水性ポリイソ
シアネートを添加する場合、一般に水性ポリイソシアネ
ートは高粘度であるため、主剤と硬化剤の配合がしにく
い。更に、この技術をアニオン性エマルジョンタイプに
適用とする場合、樹脂の凝集が起こりやすいという問題
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、水性塗料用ポ
リイソシアネートの水分散液に配慮を施すことにより、
あらゆるタイプの水性樹脂を用いた塗料に適用可能なポ
リイソシアネート水分散液となる。本発明は、消泡剤を
用いることなく作業性が良好であり、イソシアネート基
の寿命が長い、水性塗料用ポリイソシアネート分散液の
安定化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の問題点を解決するため、鋭意検討の結果、水性
ポリイソシアネートの水分散液に、酸性物質を用いるこ
とにより、上記の問題を解決できることを見いだし、本
発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)
である。 (1)少なくとも活性水素基含有ノニオン性界面活性剤
と有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる水性
ポリイソシアネートに、酸性物質を該水性ポリイソシア
ネートに対して0.01〜10質量%添加したものを水
に分散させることを特徴とする、水性塗料用ポリイソシ
アネート分散液の安定化方法。
【0011】(2)少なくとも活性水素基含有ノニオン
性界面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて
得られる水性ポリイソシアネートを、あらかじめ酸性物
質を該水性ポリイソシアネートに対して0.01〜10
質量%溶解させた水に分散させることを特徴とする、水
性塗料用ポリイソシアネート分散液の安定化方法。
【0012】(3)少なくとも活性水素基含有ノニオン
性界面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて
得られる水性ポリイソシアネートを水に分散させたポリ
イソシアネート分散液に、酸性物質を該水性ポリイソシ
アネートに対して0.01〜10質量%添加することを
特徴とする、水性ポリイソシアネート分散液の安定化方
法。
【0013】(4)少なくとも活性水素基含有ノニオン
性界面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて
得られる水性ポリイソシアネートに、酸性物質を該水性
ポリイソシアネートに添加したものを、あらかじめ酸性
物質を溶解させた水に分散させ、かつ、酸性物質の総量
が該水性ポリイソシアネートに対して0.01〜10質
量%であることを特徴とする、水性塗料用ポリイソシア
ネート分散液の安定化方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明に用いられる水性ポリイソシアネートは、活
性水素基含有ノニオン性界面活性剤と有機ポリイソシア
ネートとを反応させて得られるものである。
【0015】本発明に用いられる有機ポリイソシアネー
トとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレ
ンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニト
ロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′
−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシ
アネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′
−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ま
た、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2−
メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート等の脂肪族ジイソシアネート、また、イソホ
ロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水
素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメ
チルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイ
ソシアネート等の脂環族ジイソシアネートや、これらの
2種類以上の混合物が挙げられる。また、前記ジイソシ
アネートのウレタン変性体、アロファネート変性体、ビ
ュレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミ
ン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性
体等の単品や混合物も使用できる。また、ポリフェニレ
ンポリメチレンポリイソシアネートやクルードトリレン
ジイソシアネート等のポリメリックのイソシアネートも
使用できる。本発明に用いる有機ポリイソシアネート
は、水との反応性や耐候性等を考慮すると、脂肪族及び
/又は脂環族ジイソシアネートのイソシアヌレート変性
体やウレトジオン変性体が好ましい。
【0016】本発明に用いられる活性水素基含有ノニオ
ン性界面活性剤は、活性水素基を1個以上含有するノニ
オン性界面活性剤であり、好適には、ポリオキシアルキ
レンエーテル、ポリオキシアルキレンエーテル脂肪酸エ
ステル等が挙げられる。
【0017】このポリオキシアルキレンエーテルの製造
における開始剤としては、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノー
ル、iso−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキ
サノール、フェノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、アニリン、トリメチロールプロパン、グ
リセリン等が挙げられる。これらのうちで、メタノー
ル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール等の炭素数5以下の化合物が、水性ポリイソシア
ネートの親水性がより大きなものとなり、水分散性がよ
いので好ましい。
【0018】また、ポリオキシアルキレンエーテル脂肪
酸エステルの製造に用いられる脂肪酸としては、酢酸、
プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、
iso−吉草酸、カプロン酸、グリコール酸、乳酸、メ
トキシ酢酸等が挙げられる。これらのうちで、酢酸、プ
ロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、i
so−吉草酸等の炭素数5以下の化合物が、水性ポリイ
ソシアネートの親水性がより大きなものとなり、水分散
性がよいので好ましい。
【0019】また、ポリオキシアルキレンエーテル、ポ
リオキシアルキレンエーテル脂肪酸エステル等に存在す
るポリエーテルユニットは、好ましくはその50モル%
以上、特に好ましくは70モル%以上がエチレンオキサ
イドユニットであり、1分子当たりのポリエーテルユニ
ットの平均(繰り返し)数は、好ましくは3〜90個、
特に好ましくは5〜50個である。
【0020】活性水素基含有ノニオン性界面活性剤の導
入量は、ポリイソシアネート全体に対して好ましくは
0.1〜40質量%、更に好ましくは0.5〜30質量
%、最も好ましくは1〜30質量%である。
【0021】活性水素基含有ノニオン性界面活性剤の導
入量が下限未満の場合は、得られる水性ポリイソシアネ
ートの水分散後のポットライフが短すぎるため、作業性
が悪くなる。逆に上限を越える場合は、得られる水性ポ
リイソシアネートのイソシアネート含量が低下するた
め、塗膜の耐候性等の向上が得られない。
【0022】本発明に用いられる水性ポリイソシアネー
トは、必要に応じて、上記活性水素基含有ノニオン性界
面活性剤以外の活性水素基含有化合物を併用して反応さ
せたものであってもよい。この活性水素基含有化合物と
しては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタ
ノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノ
ール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、アル
キレングリコールモノアルキルエーテル等の低分子モノ
オール類、エチルアミン、ブチルアミン、アニリン等の
低分子1級モノアミン類、ジエチルアミン、ジブチルア
ミン、メチルアニリン等の低分子2級モノアミン類、活
性水素基含有ポリエステル、エチレンオキサイドユニッ
トが50モル%未満の活性水素基含有ポリエーテル、活
性水素基含有ポリカーボネート、活性水素基含有ポリオ
レフィン、リシノール酸等のような炭素数6以上のヒド
ロキシ高級脂肪酸やそのエステル等が挙げられる。
【0023】なお、この活性水素基含有化合物の数平均
分子量は1,000以下が好ましく、更には800以下
が好ましい。また、この活性水素基含有化合物の導入量
は、活性水素基含有ノニオン性界面活性剤に対して2倍
モル以下が好ましい。この活性水素基含有化合物の数平
均分子量が大きすぎる場合や導入量が多すぎる場合は、
水に分散しにくくなりやすい。
【0024】本発明に用いられる水性ポリイソシアネー
トのイソシアネート含量は、5〜45質量%が好まし
く、更に好ましくは7〜43質量%である。イソシアネ
ート含量が小さすぎる場合は、この自己乳化型ポリイソ
シアネートを塗料や接着剤に用いた場合、架橋点が少な
すぎることになるため、硬化物は機械的強度・耐久性等
に劣ったものとなりやすい。大きすぎる場合は、硬化物
の架橋密度が不必要に大きくなるため、塗膜の柔軟性が
不十分となりやすい。
【0025】本発明に用いられる水性ポリイソシアネー
トの25℃での粘度は、10,000mPa・s以下が
好ましく、更に好ましくは7,000mPa・s以下で
ある。粘度が高すぎる場合は、作業性が悪くなる。
【0026】本発明に用いられる水性ポリイソシアネー
トの平均官能基数は、2.0〜5.0が好ましく、更に
好ましくは2.0〜4.0である。平均官能基数が小さ
すぎる場合には、架橋密度が小さくなるため、塗膜強度
が不十分となりやすい。また、大きすぎる場合は、硬化
物の架橋密度が不必要に大きくなるため、塗膜の柔軟性
が不十分となりやすい。
【0027】本発明に用いられる酸性物質としては、水
性ポリイソシアネートと混和するものや水に溶解するも
のであるのものであれば特に制限はなく、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、次亜
塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、酸性リン酸エステル、酸性
亜リン酸エステル、酸性次亜リン酸エステル、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、シュウ酸、乳酸、
クエン酸、リンゴ酸、有機スルホン酸、有機スルホン酸
エステル、有機スルホニルイソシアネート等が挙げられ
る。なお、有機スルホン酸とアミン等のような強酸−弱
塩基の塩も酸性物質ではあるが、塩を用いると消泡性が
低下するので好ましくない。
【0028】好ましい酸性物質は、酸性リン酸エステ
ル、酸性亜リン酸エステル、酸性次亜リン酸エステル、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、シュウ
酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、有機スルホン酸、有機
スルホン酸エステル、有機スルホニルイソシアネート等
の有機酸性物質である。
【0029】更に必要に応じて、水性塗料で慣用される
添加剤及び助剤を使用できる。例えば、顔料、染料、分
散安定剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、
光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上剤、
無機及び有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強
材、触媒、揺変剤、界面活性剤、乳化剤等を添加するこ
とができる。また、特に必要があれば消泡剤も添加でき
るが、本発明における水性ポリイソシアネートは、消泡
性が良好であるので、無添加又は通常より少なめが好ま
しい。
【0030】本発明の水性塗料用ポリイソシアネート分
散液の安定化方法は、酸性物質を特定量用いることを特
徴とするが、その水性ポリイソシアネートと酸性物質の
配合時期は特に制限はなく、 (1)水性ポリイソシアネートに酸性物質を混合した
後、水に分散させる方法。 (2)あらかじめ酸性物質を混合した水に、水性ポリイ
ソシアネートを分散させる方法。 (3)水性ポリイソシアネートを水に分散させた後、酸
性物質を添加する方法。 (4)水性ポリイソシアネートに酸性物質を混合した
後、あらかじめ酸性物質を混合した水に分散させる方
法。 が挙げられる。
【0031】本発明における酸性物質の総使用量は、前
記水性ポリイソシアネートに対して0.01〜10質量
%であり、好ましくは0.02〜8質量%である。酸性
物質の使用量が下限未満の場合は、水に分散させた水性
ポリイソシアネート分散液において、イソシアネート基
が長時間安定に存在できない。また、上限を越える場合
は、例えば塗料の硬化剤として使用した場合、主剤との
反応が不十分になり、塗膜強度や密着性が不足するおそ
れがある。
【0032】また、酸性物質の総使用量を水に溶解させ
た場合の水溶液、又は、更にこれに水性ポリイソシアネ
ートを分散させた後の水分散液のpHは、2〜6が好ま
しく、特に2.2〜5.8が好ましい。pHが6を越え
る場合は、水性ポリイソシアネートの水分散液のポット
ライフが延びにく、pHが2未満の場合は塗膜強度が低
下しやすい。
【0033】水と水性ポリイソシアネートの配合比率
は、水100質量部に対して、水性ポリイソシアネート
は1〜100質量部が好ましく、更には10〜100質
量部がより好ましい。水性ポリイソシアネートが少なす
ぎる場合は、塗料や接着剤等の硬化剤として使用した場
合に、配合量が多くなりぎ、不経済である。また、多す
ぎる場合は、分散が困難になる。
【0034】分散装置としては、公知のものが使用で
き、例えば、ホモミキサー、攪拌機、グラインドミル、
ボールミル等が挙げられる。
【0035】本発明によって得られる水性ポリイソシア
ネート分散液は、水性塗料の硬化剤に最適である。ま
た、水性塗料の主剤や、水性の接着剤、シール材、イン
キ、繊維・ガラスファイバー処理剤、サイジング剤、目
止め剤、プライマー、固結剤、アンカーコート剤、各種
バインダー等の主剤や硬化剤として使用することができ
る。
【0036】
【実施例】本発明について、実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「部」
は全て「質量部」を意味し、「%」は全て「質量%」を
意味する。
【0037】(イソシアヌレート基変性ポリイソシアネ
ートの合成) 合成例1 攪拌機、温度計、窒素シール管、及び冷却器を装着した
反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)
300部と、1,3−ブタンジオール2.8部とを入れ
た後、該反応器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温
度80℃に加温し、同温度で2時間反応させた。この反
応液のイソシアネート基含有量を測定したところ、4
8.6%であった。次に触媒としてカプリン酸カリウム
0.06部、助触媒としてフェノ−ル0.3部を加え、
60℃で6時間イソシアヌレート化反応を行った。この
反応液に停止剤としてリン酸を0.042部加え、反応
温度で1時間攪拌して、その後、流下式薄膜蒸留装置を
用いて、130℃、26.7Paで薄膜蒸留し、遊離の
イソシアネートモノマーを除去して、イソシアヌレート
変性ポリイソシアネートP−1を得た。P−1は、淡黄
色透明液体、イソシアネート基含有量20.8%、25
℃における粘度は2,000mPa・s、遊離HDI含
有量0.3%、平均官能基数3.8であり、FT−IR
(パーキンエルマー社製、商品名:FT−IR1600
シリーズ)及び13C−NMR(バリアン社製、商品名:
FT−NMR ユニティ500)からイソシアネート
基、イソシアヌレート基及びウレタン基の存在が確認さ
れた。
【0038】(活性水素基含有ノニオン性界面活性剤と
有機ポリイソシアネートとの反応による水性ポリイソシ
アネートの合成) 合成例2 プラネタリーミキサーに、P−1を100部、数平均分
子量400のメトキシポリエチレングリコールを16部
仕込んで、70℃にて3時間反応させて、水性ポリイソ
シアネートAを得た。水性ポリイソシアネートAのイソ
シアネート基含有量は16.6%、25℃における粘度
は2,500mPa・sであった。
【0039】合成例3 プラネタリーミキサーに、P−1を100部、数平均分
子量400のメトキシポリエチレングリコールを20
部、リシノール酸メチルを18部仕込んで、70℃にて
3時間反応させて、水性ポリイソシアネートBを得た。
水性ポリイソシアネートBのイソシアネート基含有量は
11.9%、25℃における粘度は3,000mPa・
sであった。
【0040】[消泡性試験] 実施例1 水性ポリイソシアネートA:400部、パラトルエンス
ルホニルイソシアネート:0.8部、イオン交換水:6
00部を容器に仕込み、ホモミキサーにて2000rp
m・30秒間高速攪拌して泡立たせ、この状態で静置し
て泡がなくなるまでの時間を測定した。結果を表1に示
す。
【0041】実施例2、比較例1〜3 表1に示す配合で、実施例1と同様にして試験した。結
果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】消泡性の評価基準 A:30分以内で泡が消える。 (B:30分〜2時間で泡が消える。) C:2〜5時間で泡が消える。
【0044】(水性塗料用ポリイソシアネート分散液の
ポットライフ測定) 実施例3 水性ポリイソシアネートA:100部と、PTSI:
0.2部を混合した。この混合物:100部とイオン交
換水:400部を、ホモミキサーにて2,000rpm
・30秒間で分散して、水性塗料用ポリイソシアネート
分散液を調製した。この分散液の分散直後のpH及び1
時間毎に分散液のイソシアネート含量を測定し、イソシ
アネート含量が0%となった時点をポットライフ時間と
した。結果を表2に示す。
【0045】実施例4、比較例4〜5 表2に示す組み合わせで、実施例3と同様にして水性塗
料用ポリイソシアネート分散液の調製及びこの分散液の
ポットライフを測定した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例5 イオン交換水:100部にクエン酸:0.1部を溶解さ
せた。このクエン酸水溶液のpHは3.0であった。こ
のクエン酸水溶液:400部と、水性ポリイソシアネー
トA:100部をホモミキサーにて2,000rpm・
30秒間で分散して、水性塗料用ポリイソシアネート分
散液を調製した。その後、1時間毎に分散液のイソシア
ネート含量を測定し、イソシアネート含量が0%となっ
た時点をポットライフ時間とした。結果を表3に示す。
【0048】実施例6〜8 表3に示す組み合わせで、実施例5と同様にして水性塗
料用ポリイソシアネート分散液の調製及びこの分散液の
ポットライフを測定した。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】実施例9 水性ポリイソシアネートA:100部とイオン交換水:
400部をホモミキサーにて2,000rpm・30秒
間で分散した後、クエン酸:0.4部を添加して、水性
塗料用ポリイソシアネート分散液を調製した。その後、
1時間毎に分散液のイソシアネート含量を測定し、イソ
シアネート含量が0%となった時点をポットライフ時間
とした。結果を表4に示す。
【0051】実施例10 表4に示す組み合わせで、実施例5と同様にして水性塗
料用ポリイソシアネート分散液の調製及びこの分散液の
ポットライフを測定した。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】実施例11 水性ポリイソシアネートA:100部とEHAP:0.
1部を混合した。イオン交換水:100部にEHAP:
0.1部溶解させた。このクエン酸水溶液400部と、
クエン酸を混合した水性ポリイソシアネートA100部
をホモミキサーにて2,000rpm・30秒間で分散
して、水性塗料用ポリイソシアネート分散液を調製し
た。その後、1時間毎に分散液のイソシアネート含量を
測定し、イソシアネート含量が0%となった時点をポッ
トライフ時間とした。結果を表5に示す。
【0054】実施例12 表5に示す組み合わせで、実施例11と同様にして水性
ポリイソシアネート分散液の調製及びポットライフを測
定した。結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
【0056】表1〜5において PTSI:パラトルエンスルホニルイソシアネート EHAP:2−エチルヘキシルアシッドホスフェート
(酸性リン酸エステル) モノエステル/ジエステル=4/6(質量比) SLS :ラウリル硫酸ナトリウム
【0057】[塗料評価] 実施例13 サンドグラインドミルに下記塗料成分を仕込み、1時間
分散させて水性塗料を調製した。この水性塗料に含有さ
れる水酸基に対して当量になるように、実施例3で調製
した水性塗料用ポリイソシアネート分散液を配合して、
塗料評価用サンプルAP−1を調製した。各塗料成分の
配合比は以下の通りである。 <ポリイソシアネート配合前の水性塗料配合比> マクリナールVSM2521 640部 酸化チタンペースト※ 335部 キョーワノールM(協和発酵製) 25部 マクリナールVSM2521:ヘキスト合成製のアクリルエマルジョン 固形分=42% 水酸基価=140mgKOH/g 酸価=40mgKOH/g ※酸化チタンペースト配合比 酸化チタン(石原産業製、タイペークR−630) 709部 水 179部 界面活性剤(日本乳化剤製、25%Newcol723aq) 85部 分散剤(アーコケミカル製、SMA−1440H) 20部 アンモニア水 6部 防腐剤(ゼネカ製、ブロキセルBDN) 1部
【0058】このAP−1をボンデ鋼板に乾燥膜厚30
〜40μmになるように塗装し、25℃で2週間の条件
で硬化させた。この塗装サンプルの各塗膜物性を測定し
た。測定項目は以下の通りである。結果を表6に示す。 ・光沢 :JIS K5660−1995に準じて60
°鏡面光沢度を測定。 ・耐水性:JIS K5400−1995に準じて測
定。 ・密着性:JIS K5400−1995(碁盤目剥離
試験法)に準じて測定。 ・耐溶剤性:キシレンをしみ込ませた脱脂綿にて塗装面
をこすり、塗膜外観が破壊されるを回数を測定(キシレ
ンラビング試験)。
【0059】実施例14〜22 実施例3で調製した水性ポリイソシアネート分散液を実
施例4〜12で調製した水性塗料用ポリイソシアネート
分散液に変える以外は実施例13と同様にして試験し
た。結果を表6、7に示す。
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】表6、7において、 光沢の評価 60°鏡面光沢度の値が大きいほど良好。 耐水性の評価基準 ○:塗膜外観の変化がほとんど確認できない。 ×:塗膜外観の変化が確認できる。 密着性の評価 碁盤目剥離試験において、残存部の面積比率が大きいほ
ど良好。 耐溶剤性の評価 キシレンラビング試験において、その値が大きいほど良
好。
【0063】
【発明の効果】本発明の方法による水性塗料用ポリイソ
シアネート分散液はポットライフが長く、また、水性ポ
リイソシアネートを水に分散した後の、分散液の消泡性
も良好であるので、消泡剤を用いなくても作業性は良好
となる。また、本発明による塗料用水性ポリイソシアネ
ート分散液は、あらゆるタイプのエマルジョンを主剤と
した塗料の硬化剤として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/52 C08K 5/52 C08L 75/04 C08L 75/04 C09D 7/12 C09D 7/12 Z 175/04 175/04 Fターム(参考) 4F070 AA53 AB08 AB13 AC48 AC50 AC55 AE03 AE14 CA18 CB01 CB12 4J002 CK041 DD016 DE176 DF036 DG046 DH026 EF036 EF066 EV236 EV246 EW046 EW066 GH01 HA07 4J034 CA02 CA13 CA17 CB01 CC08 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 CD04 DA01 DB03 DB07 DF01 DF02 DG02 DG03 DG14 EA11 GA05 GA23 GA33 HA01 HA06 HA07 HB05 HB06 HB07 HB08 HB11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC25 HC26 HC34 HC35 HC44 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 QC05 RA07 4J038 DF002 DG262 DG302 GA11 HA096 HA256 HA336 HA376 HA416 JA35 JC22 KA03 KA09 MA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも活性水素基含有ノニオン性界
    面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて得ら
    れる水性ポリイソシアネートに、酸性物質を該水性ポリ
    イソシアネートに対して0.01〜10質量%添加した
    ものを水に分散させることを特徴とする、水性塗料用ポ
    リイソシアネート分散液の安定化方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも活性水素基含有ノニオン性界
    面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて得ら
    れる水性ポリイソシアネートを、あらかじめ酸性物質を
    該水性ポリイソシアネートに対して0.01〜10質量
    %溶解させた水に分散させることを特徴とする、水性塗
    料用ポリイソシアネート分散液の安定化方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも活性水素基含有ノニオン性界
    面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて得ら
    れる水性ポリイソシアネートを水に分散させたポリイソ
    シアネート分散液に、酸性物質を該水性ポリイソシアネ
    ートに対して0.01〜10質量%添加することを特徴
    とする、水性塗料用ポリイソシアネート分散液の安定化
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも活性水素基含有ノニオン性界
    面活性剤と有機ポリイソシアネートとを反応させて得ら
    れる水性ポリイソシアネートに、酸性物質を該水性ポリ
    イソシアネートに添加したものを、あらかじめ酸性物質
    を溶解させた水に分散させ、かつ、酸性物質の総量が該
    水性ポリイソシアネートに対して0.01〜10質量%
    であることを特徴とする、水性塗料用ポリイソシアネー
    ト分散液の安定化方法。
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