JP2000337410A - ディスクブレーキ用ロータ - Google Patents

ディスクブレーキ用ロータ

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JP2000337410A
JP2000337410A JP11144159A JP14415999A JP2000337410A JP 2000337410 A JP2000337410 A JP 2000337410A JP 11144159 A JP11144159 A JP 11144159A JP 14415999 A JP14415999 A JP 14415999A JP 2000337410 A JP2000337410 A JP 2000337410A
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Japan
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rotor
temperature
diffusion layer
nitrogen diffusion
nitrogen
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JP11144159A
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Yoshimasa Matsui
慶雅 松井
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Hitachi Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ高い耐摩耗性を有するディス
クブレーキ用ロータを提供することを目的とする。 【解決手段】 砂型鋳造により作成したJIS FC2
50製素材をロータ形状に仕上げたものを、ガス軟窒化
処理を施した後、A1変態点以上共晶温度以下の温度に
加熱保持し、さらに所定の温度の熱浴中に保持すること
で窒化により生じた窒素拡散層及び母材を等温変態させ
ることで、ロータの表面には硬質の窒素化合物層が形成
され、さらに窒素化合物層の下層の窒素拡散層及び母材
も硬度の高いベイナイト組織化するため、ロータの耐摩
耗性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキ用
ロータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用のディスクブレーキは、
JIS(日本工業規格) FC200あるいはFC25
0等の普通鋳鉄ロータを用いるのが主流である。また、
特開昭51−27828号に記載されたように、普通鋼
または窒化鋼で形成したディスクブレーキ用ロータに窒
化処理を施し、耐食性及び耐摩耗性を向上させるといっ
た方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディス
クブレーキの高性能化、軽量化の観点から摩擦材に焼結
金属系材料を用いる動きがあるが、焼結金属系の摩擦材
は通常用いられるレジン系の摩擦材よりも硬質で摩擦係
数が高いため、摩擦材のロータ攻撃性が高くなり、従来
の普通鋳鉄ロータでは耐摩耗性が低く対応できない。
【0004】また、特開昭51−27828号に記載さ
れたように、普通鋼または窒化鋼で形成したディスクブ
レーキ用ロータに窒化処理を施したものは、2輪車用デ
ィスクブレーキのようにロータが1枚板の単純形状であ
る場合には成形が簡単であるため有効であるものの、4
輪車用ディスクブレーキ等のロータのように複数枚の板
の間に冷却用の空洞及びフィンを有するなど複雑形状で
ある場合には、普通鋼または窒化鋼をロータ形状に成形
すること自体が難しいために、加工コストが高くなって
しまう。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、ロータ形状への成形が簡単でかつ高い耐摩耗性を有
するディスクブレーキ用ロータを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋳鉄からなる
成形体を窒化処理した後、鋳鉄のA1変態点以上共晶温
度以下に加熱保持し、その後所定の温度の熱浴中に焼入
れ保持して、窒化により生じた窒素拡散層及び母材を等
温変態させたことを特徴とする。
【0007】このようにしたことにより、窒化処理によ
って表面に窒素化合物層、その下に窒素拡散層が形成さ
れ、その後鋳鉄のA1変態点以上共晶温度以下の温度に
加熱保持してから所定の温度の熱浴中に焼入れ保持する
ことによって窒素拡散層及び母材を等温変態させて基地
組織をベイナイト組織に変態する。
【0008】また、請求項2の発明は、鋳鉄からなる成
形体を窒化処理した後、窒素拡散層のA1変態点以上鋳
鉄のA1変態点未満に加熱保持し、その後所定の温度の
熱浴中に焼入れ保持して、窒化により生じた窒素拡散層
を等温変態させたことを特徴とする。
【0009】このようにしたことにより、窒化処理によ
って表面に窒素化合物層、その下に窒素拡散層が形成さ
れ、その後窒素拡散層のA1変態点以上鋳鉄のA1変態
点未満の温度に加熱保持することにより窒素拡散層のみ
をオーステナイト組織化し、その後所定の温度の熱浴中
に焼入れ保持することによって窒素拡散層のみを等温変
態させて基地組織をベイナイト組織に変態させる。
【0010】また、請求項3の発明は、鋳鉄からなる成
形体を窒化処理した後、窒素拡散層のA1変態点以上鋳
鉄のA1変態点未満に加熱保持し、その後マルテンサイ
ト変態開始点以上の温度の熱浴中に焼入れ保持してから
冷却し、窒化により生じた窒素拡散層をマルテンサイト
変態させたことを特徴とする。
【0011】このようにしたことにより、窒化処理によ
って表面に窒素化合物層、その下に窒素拡散層が形成さ
れ、その後窒素拡散層のA1変態点以上鋳鉄のA1変態
点未満の温度に加熱保持することにより窒素拡散層のみ
をオーステナイト組織化し、その後マルテンサイト変態
開始点以上の温度の熱浴中に焼入れ保持してから空冷す
ることによって窒素拡散層のみをマルテンサイト組織化
する。
【0012】また、請求項4の発明は、鋳鉄からなる成
形体を窒化処理した後、窒素拡散層のA1変態点以上共
晶温度以下に加熱保持し、その後マルテンサイト変態開
始点以上の温度の熱浴中に焼入れ保持してから冷却し、
窒化により生じた窒素拡散層をマルテンサイト変態さ
せ、所定温度に加熱・保持することによって酸化・焼き
戻したことを特徴とする。
【0013】このように構成したことにより、窒化処理
によって表面に窒素化合物層、その下に窒素拡散層が形
成され、その後窒素拡散層のA1変態点以上共晶温度以
下の温度に加熱保持してから所定の温度の熱浴中に焼入
れ保持することによって窒素拡散層のみまたは窒素拡散
層及び母材を等温変態させて基地組織をオーステナイト
組織化し、その後マルテンサイト変態開始点以上の温度
の熱浴中に焼入れ保持してから空冷することによって窒
素拡散層のみまたは窒素拡散層及び母材をマルテンサイ
ト組織化する。さらに、所定温度に加熱・保持すること
によって酸化・焼き戻すことによって、窒素化合物層の
表面に酸化物(Fe3O4)層が形成され、かつ、マルテ
ンサイト組織となっている窒素拡散層のみまたは窒素拡
散層及び母材が焼戻しされる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例1,実施例
2,実施例3,実施例4を説明する。
【0015】
【実施例1】本実施例は4輪の自動車のディスクブレー
キ用ロータ(以下、ロータ)の製造に本発明を適用した
ものである。
【0016】まず、砂型鋳造により作成したJIS F
C250製素材に必要な加工を加えてロータとして所定
の形状、寸法及び表面粗さに仕上げた。続いて、炭化水
素系溶剤を使用した真空洗浄機にて洗浄を行い、ロータ
表面に付着した研削油剤を除去した後、このロータを図
1に示す熱処理サイクルに従って処理する。
【0017】(1)ガス軟窒化処理 まず、ロータを窒化処理を行う炉に挿入し、窒化処理温
度まで昇温する。このとき、ロータが熱の影響によって
酸化等を起こさないように、炉内の雰囲気を不活性ガス
である窒素にしておく。その後、炉内をアンモニア(N
H3):窒素(N2):二酸化炭素(CO2)=60:3
7:3の雰囲気に設定し、処理温度:T1=590℃、
処理時間:t1=4.0hの条件でガス軟窒化する。こ
れによりロータは、表面に形成された窒素化合物層(主
にFe3N)、該窒素化合物層の下に形成された窒素拡
散層、さらに該窒素拡散層の下の母材という構成とな
る。このときの窒素化合物層の窒素含有量は8〜10w
t%、窒素拡散層中の窒素含有量は1〜5wt%であ
る。
【0018】(2)窒素拡散層及び母材のオーステナイ
ト組織化 ガス軟窒化処理を施したロータを処理温度:T2=85
0℃、処理時間t2=20minで加熱保持すると、図
2の鉄−窒素系状態図からわかるように、表面に形成さ
れている窒素化合物層(窒素含有量:8〜10wt%)
は温度が850℃に変化してもFe3N(ε)組織のま
ま変化しないが、窒素拡散層の素地組織の全体もしくは
一部がオーステナイト化する。
【0019】さらに、窒素拡散層の下の母材の基地組織
は、普通鋳鉄の炭素含有量が3〜4wt%前後であるた
め、図3の鉄−炭素系状態図から明らかなように、オー
ステナイト(γ)組織に変態する。
【0020】なお、鋳鉄は実際には鉄と炭素の合金に、
珪素,マンガン,リン,硫黄,その他の元素が含まれた
複雑な合金であるが、基本的には最大固溶限炭素量以上
の炭素を含む鉄−炭素系を構成していると考えられるた
め、ここでは、便宜上図3に示す鉄−炭素系状態図を用
いて説明を行っている。
【0021】(3)オーステンパ処理 次に、窒素拡散層及び母材の基地組織がオーステナイト
化したロータを、浴温:T3=300℃のNaNO3−
KNO3溶融塩の浴中で処理時間:t3=30minの
条件で熱浴焼入れすると、表面に形成されている窒素化
合物層(窒素含有量:8〜10wt%)はFe3N
(ε)組織のまま変化せずに、窒素拡散層及び母材の基
地組織であるオーステナイト組織は図4の等温変態線図
に示されるようにベイナイトに変態する。本実施例で
は、ベイナイト変態を起こす温度のうち比較的低い温度
に属する300℃で等温変態させているため、針状の下
部ベイナイトが形成される。
【0022】(4)空冷及び研削 窒素拡散層及び母材の基地組織がベイナイト組織化した
ロータを空冷し、その後研削することで所定の表面粗さ
となるように仕上げる。
【0023】上記(1)〜(4)の工程によって出来上
がった実施例1のロータと、下記の比較例1、比較例2
とを後述の(A)顕微鏡観察試験、(B)断面硬さ試
験、(C)耐食性試験、(D)摩耗試験に供した。
【0024】比較例1は、JIS FC250製の素材
を所定の形状・寸法に加工後、研削により表面仕上げを
行った従来のディスクブレーキ用ロータである。
【0025】比較例2は、JIS FC250製の素材
を所定の形状・寸法に加工後、実施例の(1)ガス軟窒
化処理を施し、その後油中冷却を行ってから研削により
表面仕上げを行ったロータであり、前記の特開昭51−
27828号にも見られるように一般的に鉄素材の表面
硬度を向上させるために行われる窒化処理を行っただけ
のものである。
【0026】(A)顕微鏡観察試験 被検鏡面を鏡面仕上げした後、腐食液(5%ナイタル
液)で腐食した。その結果、比較例1は全てがパーライ
ト素地中に片状黒鉛が晶出した通常の組織であるが、実
施例及び比較例2のものの最表層には約15μm厚さの
化合物層及び窒素拡散層が形成されていた。また、実施
例については窒素拡散層及びその下部の母材にベイナイ
ト組織が生じており、ベイナイト組織中に片状黒鉛が分
布した組織となっていた。
【0027】(B)断面硬さ試験 ビッカース硬度計を用いて荷重100gfの条件で行
い、表面から深部への硬さの分布を求め、図6に示し
た。比較例1は、全体が均一なJIS FC250製で
あるため、表面からの距離に関らず硬度は一定である。
比較例2は窒素化合物層では高硬度であり、窒素拡散層
でも窒素化合物層に近い部分では高度を保っているが、
母材に近づくに従って比較例1とほぼ変わらない硬度に
まで低下する。実施例1では、比較例2と同様に窒素化
合物層、窒素拡散層、母材を表面からの距離が大きくな
るに従って硬度は小さくなっているが、比較例2と比べ
て特に窒素拡散層及び母材での硬度が高くなっているこ
とがわかる。
【0028】(C)耐食性試験 JIS Z2371 塩水噴霧試験に基づいて耐食性試
験を行い、供試材としてのロータそれぞれについて、腐
食面積率からレイティングナンバ(JIS H850
2)を求め、表1にその結果を示した。比較例1に比べ
て比較例2及び実施例のロータが耐食性に優れ、また、
実施例が、比較例2と等しいレイティングナンバを示し
たことから、(2)オーステナイト組織化、(3)オー
ステンパを行っても耐食性を低下させないことが分か
る。
【0029】
【表1】
【0030】(D)ダイナモ試験 JASO(自動車規格)C406 乗用車ブレーキ装置
ダイナモメータ試験方法に基づいてロータの摩耗を確認
する。今回の試験には、銅系焼結合金の摩擦材(焼結金
属性摩擦材)の摩擦パッドを用いて行い、この結果を表
2に示した。比較例1に比べて比較例2及び実施例のロ
ータが耐摩耗性に優れていることが分かる。ただし、今
回の試験では、比較例2及び実施例のロータの摩耗がほ
ぼ窒素化合物層で留まっているため、耐摩耗性の差が見
られなかったが、比較例2では窒素拡散層が、鉄に窒素
が固溶した状態となっているため鋳鉄(比較例1のロー
タの素材)より耐摩耗性に優れるものの硬質のベイナイ
ト組織化した実施例の窒素拡散層に比べると耐摩耗性に
劣り、また、比較例2では母材部分が比較例1と同様の
鋳鉄であるため比較例1のロータと等しい耐摩耗性しか
有していないのに比べて実施例では母材部分が硬質のベ
イナイト組織化しているため、耐摩耗性に優れている。
【0031】
【表2】
【0032】つまり、比較例2ではこの後摩耗が窒素拡
散層及び母材部分に達すると急激に耐摩耗性が低下する
のに対して窒素拡散層及び母材がベイナイト組織化して
いる実施例では摩耗が窒素拡散層さらに母材と進行して
も耐摩耗性が急激に低下することはない。
【0033】上記(A)〜(D)の試験の結果、実施例
のロータは、比較例1に見られる普通鋳鉄からなる従来
のロータに対して耐食性及び耐摩耗性に優れ、また、比
較例2に見られる普通鋳鉄をガス軟窒化処理しただけの
ロータに対しても耐食性を低下させることなくさらに耐
摩耗性が向上していることがわかる。
【0034】なお、上記実施例では、(1)ガス軟窒化
処理の処理温度:T1を590℃としているが、処理温
度はこれに限られるものではない。しかし、図7に示す
該軟窒化処理時の処理温度と、窒化された鋳鉄を腐食さ
せたときのレイティングナンバのグラフから、T1が5
90℃を超えると耐食性が低下してしまうことが明らか
である。また、T1が低くなると処理時間が長くなって
しまう(例えば、T1=570℃のときにはT1=59
0℃のときの1.5〜2倍の処理時間が必要となる)た
め、耐食性の向上と処理時間の短縮を図るために、
(1)ガス軟窒化処理の処理温度:T1は580〜59
0℃程度が望ましい。
【0035】また、上記実施例では、(2)オーステナ
イト組織化の処理温度:T2を850℃としているが、
窒素拡散層及び母材の基地組織が共にオーステナイト組
織となる温度であれば、これに限られるものではない。
図2の鉄−窒素系状態図から窒素拡散層の基地組織がオ
ーステナイト組織に変態するには、T2が590℃以上
でなければならない。また、母材がオーステナイト組織
に変態するには、T2が図3の鉄−炭素系状態図のオー
ステナイト(γ)+黒鉛の領域でなければならない。こ
こで、母材となる鋳鉄にも色々な種類があるが、どの鋳
鉄でも炭素含有料はほぼ2.0%以上であるため、鋳鉄
(母材)がオーステナイト組織に変態するには、T2が
A1変態点以上でかつ共晶温度以下でなければならな
い。従って、(2)オーステナイト組織化の処理温度:
T2は、A1変態点≦T2≦共晶温度でなければならな
い。
【0036】また、上記実施例では、(3)オーステン
パの際の浴温:T3を300℃、処理時間:t3を30
minとしているが、これらに限られるものではない。
ただし、図4の等温変態線図に示されるように、T3
は、ベイナイト組織に変態するMs点(マルテンサイト
変態開始点)以上でかつ等温変態線のnoseの温度以
下でなければならず、また、t3はT3のときの変態開
始から変態終了までの時間以上でなければならない。こ
のとき、T3が比較的高いと羽毛状で硬度はやや劣るが
靭性に優れた上部ベイナイトが形成され、T3が比較的
低いと針状で靭性はやや劣るが硬度に優れた下部ベイナ
イトが形成される。
【0037】また、上記実施例では、熱浴にNaNO3
−KNO3を用いているが、他の組織の溶融塩を使用し
ても良く、浴温を変化させることによってベイナイト組
織の硬度や靭性を変えることができる。従って、オース
テンパの際の熱浴の組成や、浴温及び処理時間を適宜選
択することによって、窒素拡散層及び母材の硬度や靭性
を変化させることができる。
【0038】さらに、上記実施例では、炉内の温度及び
雰囲気と熱浴の温度との管理のみを連続して行う簡単で
エネルギー効率のよい処理を行うことができる。
【0039】なお、本実施例では自動車のディスクブレ
ーキ用ロータとして説明しているが、量販品であるため
に低コストであることが望まれる自動車のディスクブレ
ーキに用いることはもちろん、高速鉄道用のディスクブ
レーキ等に用いても、低コストで耐摩耗性が高いディス
クブレーキを提供することができるものである。
【0040】
【実施例2】実施例2のロータを図1に示す熱処理サイ
クルに従って処理する。ただし、(1)ガス軟窒化処理
及については実施例1と同一なため、説明を省略する。
【0041】(5)窒素拡散層のオーステナイト組織化 (1)のガス軟窒化処理を施したロータを、同一炉内に
おいて雰囲気を窒素に置換しながら昇温し、処理温度:
T4=650℃、処理時間t4=20minで加熱保持
すると、図2の鉄−窒素系状態図からわかるように、表
面に形成されている窒素化合物層(窒素含有量:8〜1
0wt%)は温度が650℃に変化してもFe3N
(ε)組織のまま変化しないが、窒素拡散層の素地組織
の全体もしくは一部がオーステナイト化する。
【0042】さらに、窒素拡散層の下の母材の基地組織
は、図3の鉄−炭素系状態図から明らかなように、65
0℃では組織変化を起こすことはない。
【0043】(6)焼入れ処理 次に、窒素拡散層の基地組織がオーステナイト化したロ
ータを、浴温:T3=300℃のNaNO3−KNO3溶
融塩浴中で処理時間:t3=30minの条件で熱浴焼
入れすると、表面に形成されている窒素化合物層(窒素
含有量:8〜10wt%)はFe3N(ε)組織のまま
変化せずに、窒素拡散層の基地組織であるオーステナイ
ト組織は図4の等温変態線図に示されるようにベイナイ
トに変態する。
【0044】(7)空冷及び研削 窒素拡散層の基地組織がベイナイト組織化したロータを
空冷し、その後研削することで所定の表面粗さとなるよ
うに仕上げる。
【0045】上記(1),(5)〜(7)の工程によっ
て出来上がった実施例2のロータは、母材がベイナイト
組織化していないのみで、窒素化合物層及び窒素拡散層
は実施例1と同様であるため、母材の耐摩耗性は実施例
1のロータに比べて劣っているが、それ以外は実施例1
のロータを同様の効果を奏する。
【0046】また、実施例2では、(5)オーステナイ
ト組織化の処理温度:T5を650℃としているが、窒
素拡散層の基地組織がオーステナイト組織となる温度で
あれば、これに限られるものではない。図2の鉄−窒素
系状態図から窒素拡散層の基地組織がオーステナイト組
織に変態するには、T4が590℃以上(窒素拡散層の
A1変態点)でなければならない。また、母材がオース
テナイト組織に変態しないようにするには、T4が母材
(鋳鉄)のA1変態点未満でなければならない。従っ
て、(2)オーステナイト組織化の処理温度:T4は、
窒素拡散層のA1変態点≦T4<母材のA1変態点でな
ければならない。
【0047】
【実施例3】実施例3のロータを図5に示す熱処理サイ
クルに従って処理する。ただし、(1)ガス軟窒化処理
は実施例1と同様、また、(5)窒素拡散層のオーステ
ナイト組織化については実施例2と同様なため、説明を
省略する。
【0048】(8)焼入れ処理 (1)のガス軟窒化処理の後(5)の窒素拡散層のオー
ステナイト組織化を行い、窒素拡散層の基地組織がオー
ステナイト化したロータを、浴温:T5=180℃のシ
リコンオイル浴中で処理時間:t5=10minの条件
で熱浴焼入れすることにより、ロータの温度を均一化さ
せる。これはその後の空冷時に、マルテンサイト変態開
始点からマルテンサイト変態終了点までの温度変化を緩
やかにし、急激な温度変化による割れ等を防止するため
である。
【0049】なお、このときの浴温及び処理時間T5
は、マルテンサイト変態点以上の温度でベイナイト変態
が開始しない時間内とする必要がある。
【0050】(9)空冷及び研削 熱浴中で温度が均一となるまで保持したロータを、熱浴
から引き上げ空冷することにより、ロータはマルテンサ
イト変態開始点以下の温度となってオーステナイト組織
となっている窒素拡散層のマルテンサイト変態が開始
し、さらに温度が下がりマルテンサイト変態終了点まで
下がることにより窒素拡散層は完全にマルテンサイト組
織となる。
【0051】窒素拡散層の基地組織がマルテンサイト組
織化したロータを研削することで所定の表面粗さとなる
ように仕上げる。
【0052】上記(1),(5),(8),(9)の工
程によって出来上がった実施例3のロータは、従来の普
通鋳鉄素材からなるロータに比べて、窒素化合物層によ
る耐食性及び耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0053】また、従来の普通鋳鉄素材のロータに、硬
度を高くして耐摩耗性を向上させるために窒化処理を行
っただけの場合に比べても、実施例3のロータは、窒素
拡散層をマルテンサイト組織化することで硬度を高めて
いるため、表面の窒素化合物層以上に摩耗が進行した場
合に急激に耐摩耗性が低下するといったことがない。さ
らに、実施例3の用ロータは、母材の基地組織を変化さ
せずに窒素拡散層のみをマルテンサイト組織化している
ため、母材まで靭性に劣るマルテンサイト組織化させて
ロータ全体が脆くなってしまうことを防止している。
【0054】また、実施例3のロータは、鋳鉄を用いて
いるために鋳造によって複雑なロータ形状への成形が簡
単にでき、普通鋼または窒化鋼を成形する特開昭51−
27828号のロータに比べても処理コストを低くする
ことができる。
【0055】さらに、実施例3では、炉内の温度及び雰
囲気と熱浴の温度との管理のみを連続して行う簡単でエ
ネルギー効率のよい処理を行うことができる。
【0056】なお、実施例3では自動車のディスクブレ
ーキ用ロータとして説明しているが、量販品であるため
に低コストであることが望まれる自動車のディスクブレ
ーキに用いることはもちろん、高速鉄道用のディスクブ
レーキ等に用いても、低コストで耐摩耗性が高いディス
クブレーキを提供することができるものである。
【0057】
【実施例4】実施例4のロータを図8に示す熱処理サイ
クルに従って処理する。ただし、(1)ガス軟窒化処理
と(2)窒素拡散層及び母材のオーステナイト組織化に
ついては実施例1と同様、また、(8)焼入れ処理につ
いては実施例3と同様なため説明を省略する。
【0058】(10)空冷 熱浴中で温度が均一となるまで保持したロータを、熱浴
から引き上げ空冷することにより、ロータはマルテンサ
イト変態開始点以下の温度となってオーステナイト組織
となっている窒素拡散層及び母材のマルテンサイト変態
が開始し、さらに温度が下がりマルテンサイト変態終了
点まで下がることにより窒素拡散層及び母材は完全にマ
ルテンサイト組織となる。
【0059】(11)酸化・焼戻し処理 窒素拡散層及び母材がマルテンサイト組織化したロータ
は真空洗浄を行って油分や汚れを除去した後、水蒸気中
で処理温度:T6=480℃、処理時間:t6=40m
inで酸化・焼戻しを行う。これにより、窒素化合物層
の表面には厚さ3〜4μmの酸化物(Fe3O4)層が形
成されるとともに、マルテンサイト組織化した窒素拡散
層及び母材が焼戻され、トルースタイト組織化となる。
【0060】水蒸気中で酸化処理を行うときには、処理
温度が450℃以下では酸化反応の進行が遅くなってし
まい、550℃以上では酸化反応が急速になり酸化物層
が不均一となって酸化物層のムラや剥離が生じたり、赤
錆と言われるFe2O3が生じ組織的に不均一となる。し
たがって、処理温度が450〜500℃が望ましい。
【0061】また、処理温度が400〜500℃ではト
ルースタイト、500〜600℃ではソルバイトとなる
が、いずれもマルテンサイトよりやや硬度が低下するも
のの靭性に優れているため、いずれの組織としてもよ
い。しかし、ここでは焼戻しと酸化処理を同時に行う様
に設定しているため、酸化処理の温度に合わせたため、
トルースタイト組織となっている。
【0062】(12)空冷及び研削 酸化・焼戻し処理したロータを空冷し、その後研削する
ことで所定の表面粗さとなるように仕上げる。
【0063】上記(1),(2),(10)〜(12)
の工程によって出来上がった実施例4のロータと、前記
の比較例1、比較例2とを前述の(C)耐食性試験、
(D)摩耗試験に供した。
【0064】(C)耐食性試験 JIS Z2371 塩水噴霧試験に基づいて耐食性試
験を行い、供試材としてのロータそれぞれについて、腐
食面積率からレイティングナンバ(JIS H850
2)を求め、表3にその結果を示した。比較例1及び比
較例2に比べて実施例のロータが耐食性に優れているこ
とが分かる。
【0065】
【表3】
【0066】上記(1),(2),(10)〜(12)
の工程によって出来上がった実施例4のロータは、従来
の普通鋳鉄素材からなるロータや窒化処理を行っただけ
のロータに比べて、酸化物層によって耐食性及び耐磨耗
性が向上する。
【0067】また、実施例4のロータは、窒素拡散層及
び母材をトルースタイト組織化することで硬度を高めて
いるため、表面の酸化物層及び窒素化合物層以上に摩耗
が進行した場合に急激に耐摩耗性が低下するといったこ
とがなく、さらに耐食性にも優れている。
【0068】さらに、実施例4の用ロータは、実施例3
のロータと異なり、靭性に劣るマルテンサイト組織を焼
き戻して靭性にも優れたトルースタイト組織化させてい
るためロータ全体が脆くなってしまうことがない。
【0069】また、実施例4のロータは、鋳鉄を用いて
いるために鋳造によって複雑なロータ形状への成形が簡
単にでき、普通鋼または窒化鋼を成形する特開昭51−
27828号のロータに比べても処理コストを低くする
ことができる。
【0070】さらに、実施例4では、炉内の温度及び雰
囲気と熱浴の温度との管理のみを連続して行う簡単でエ
ネルギー効率のよい処理を行うことができ、また、酸化
処理と焼戻し処理とを同時に行うことができる。
【0071】なお、実施例4では、オーステナイト組織
化を処理温度:T2=850℃(鋳鉄のA1変態点以上
共晶温度以下)で行っているため、窒素拡散層及び母材
がオーステナイト化し最終的にトルースタイト組織化し
ているが、処理温度を窒素拡散層のA1変態点以上鋳鉄
のA1変態点未満で行うことで窒素拡散層のみをオース
テナイト化し最終的にトルースタイト組織やソルバイト
組織に焼戻ししても良い。この場合は、母材の硬度は向
上しないが、窒素拡散層の硬度及び靭性が向上する。
【0072】また、実施例4では、酸化・焼戻し処理を
水蒸気中で行っているため、均一な酸化層を形成するこ
とができるが、空気中や炭酸ガス中でも酸化層を形成す
ることができる。
【0073】また、実施例4では、自動車のディスクブ
レーキ用ロータとして説明しているが、量販品であるた
めに低コストであることが望まれる自動車のディスクブ
レーキに用いることはもちろん、高速鉄道用のディスク
ブレーキ等に用いても、低コストで耐摩耗性が高いディ
スクブレーキを提供することができるものである。
【0074】
【発明の効果】本発明のディスクブレーキ用ロータは、
鋳鉄からなる成形体を窒化処理した後、鋳鉄のA1変態
点以上共晶温度以下の温度に加熱保持してから所定の温
度の熱浴中に焼入れ保持することによって表面に窒素化
合物層、該窒素化合物層の下の基地組織がベイナイト組
織化した窒素拡散層及び母材から構成されるものである
ため、従来の普通鋳鉄素材からなるロータに比べて耐食
性及び耐摩耗性を向上できる。
【0075】また、従来の普通鋳鉄素材のロータに、硬
度を高くして耐摩耗性を向上させるために窒化処理を行
っただけの場合に比べても、本発明のロータは、窒素拡
散層及び母材部分をベイナイト組織化することで硬度を
高めているため、表面の窒素化合物層以上に摩耗が進行
した場合に急激に耐摩耗性が低下するといったことがな
い。
【0076】また、本発明のディスクブレーキ用ロータ
は、鋳鉄を用いているために鋳造によって複雑なロータ
形状への成形が簡単にでき、普通鋼または窒化鋼を成形
する特開昭51−27828号のロータに比べても処理
コストを低くすることができる。
【0077】また、請求項2の発明のディスクブレーキ
用ロータは、鋳鉄からなる成形体を窒化処理した後、窒
素拡散層のA1変態点以上鋳鉄のA1変態点未満に加熱
保持し、その後所定の温度の熱浴中に焼入れ保持して、
窒化により生じた窒素拡散層を等温変態させることによ
って表面に窒素化合物層、該窒素化合物層の下の基地組
織がベイナイト組織化した窒素拡散層、鋳鉄素材の母材
から構成されるものであるため、従来の普通鋳鉄素材か
らなるロータに比べて、窒素化合物層による耐食性及び
耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0078】また、従来の普通鋳鉄素材のロータに、硬
度を高くして耐摩耗性を向上させるために窒化処理を行
っただけの場合に比べても、本発明のロータは、窒素拡
散層をベイナイト組織化することで硬度を高めているた
め、表面の窒素化合物層以上に摩耗が進行した場合に急
激に耐摩耗性が低下するといったことがない。
【0079】また、本発明のディスクブレーキ用ロータ
は、鋳鉄を用いているために鋳造によって複雑なロータ
形状への成形が簡単にでき、普通鋼または窒化鋼を成形
する特開昭51−27828号のロータに比べても処理
コストを低くすることができる。
【0080】また、請求項3の発明のディスクブレーキ
用ロータは、鋳鉄からなる成形体を窒化処理した後、窒
素拡散層のA1変態点以上鋳鉄のA1変態点未満に加熱
保持し、その後マルテンサイト変態開始点以上の温度の
熱浴中に焼入れ保持してから冷却し、窒化により生じた
窒素拡散層をマルテンサイト変態させることによって表
面に窒素化合物層、該窒素化合物層の下の基地組織がマ
ルテンサイト組織化した窒素拡散層、鋳鉄素材の母材か
ら構成されるものであるため、従来の普通鋳鉄素材から
なるロータに比べて、窒素化合物層による耐食性及び耐
摩耗性の向上を図ることができる。
【0081】また、従来の普通鋳鉄素材のロータに、硬
度を高くして耐摩耗性を向上させるために窒化処理を行
っただけの場合に比べても、本発明のロータは、窒素拡
散層をマルテンサイト組織化することで硬度を高めてい
るため、表面の窒素化合物層以上に摩耗が進行した場合
に急激に耐摩耗性が低下するといったことがない。
【0082】また、マルテンサイト組織はベイナイト組
織よりも耐摩耗性に優れるため、請求項1,2の発明の
ディスクブレーキ用ロータよりも窒素拡散層における耐
摩耗性に優れている。
【0083】さらに、本発明のディスクブレーキ用ロー
タは、母材の基地組織を変化させずに窒素拡散層のみを
マルテンサイト組織化しているため、母材まで靭性に劣
るマルテンサイト組織化させてロータ全体が脆くなって
しまうことを防止している。また、本発明のディスクブ
レーキ用ロータは、鋳鉄を用いているために鋳造によっ
て複雑なロータ形状への成形が簡単にでき、普通鋼また
は窒化鋼を成形する特開昭51−27828号のロータ
に比べても処理コストを低くすることができる。
【0084】また、請求項4の発明のディスクブレーキ
用ロータは、鋳鉄からなる成形体を窒化処理した後、窒
素拡散層のA1変態点以上共晶温度未満に加熱保持し、
その後マルテンサイト変態開始点以上の温度の熱浴中に
焼入れ保持してから冷却し、窒化により生じた窒素拡散
層のみをまたは窒素拡散層及び母材をマルテンサイト変
態させ、所定温度に過熱・保持することによって酸化物
層、該酸化物層の下に窒素化合物層、該窒素化合物層の
下の基地組織がマルテンサイトを焼戻した窒素拡散層、
鋳鉄素材の母材またはマルテンサイトを焼戻した母材か
ら構成されるものであるため、従来の普通鋳鉄素材から
なるロータや窒化処理を行っただけのロータに比べて、
酸化物層によって耐食性及び耐磨耗性が向上する。
【0085】また、従来の普通鋳鉄素材のロータに、硬
度を高くして耐摩耗性を向上させるために窒化処理を行
っただけの場合に比べても、本発明のロータは、窒素拡
散層をマルテンサイトを焼戻しすることで硬度を高めて
いるため、表面の窒素化合物層以上に摩耗が進行した場
合に急激に耐摩耗性が低下するといったことがなく、さ
らに耐食性にも優れている。
【0086】また、マルテンサイトを焼き戻した組織は
マルテンサイト組織よりも靭性に優れるため、請求項3
の発明のディスクブレーキ用ロータの脆いといった欠点
を克服することができる。したがって、母材部分もマル
テンサイト組織化し焼戻しをして硬度を上げることが可
能となった。
【0087】また、本発明のディスクブレーキ用ロータ
は、鋳鉄を用いているために鋳造によって複雑なロータ
形状への成形が簡単にでき、普通鋼または窒化鋼を成形
する特開昭51−27828号のロータに比べても処理
コストを低くすることができる。
【0088】さらに、本発明のディスクブレーキ用ロー
タは、炉内の温度及び雰囲気と熱浴の温度との管理のみ
を連続して行う簡単でエネルギー効率のよい処理を行う
ことができ、また、酸化処理と焼戻し処理とを同時に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、実施例2のロータの処理温
度の経時変化を示すグラフである。
【図2】鉄−窒素系状態図である。
【図3】鉄−炭素系状態図である。
【図4】炭素鋼の等温変態線図である。
【図5】本発明の実施例3のロータの処理温度の経時変
化を示すグラフである。
【図6】実施例1のロータと比較例1及び比較例2のロ
ータとの断面硬さ試験の結果を示すグラフである。
【図7】ガス軟窒化処理の処理温度を異ならせたときの
耐食性の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例4のロータの処理温度の経時変
化を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳鉄からなる成形体を窒化処理した
    後、鋳鉄のA1変態点以上共晶温度以下に加熱保持し、
    その後所定の温度の熱浴中に焼入れ保持して、窒化によ
    り生じた窒素拡散層及び母材を等温変態させたことを特
    徴とするディスクブレーキ用ロータ。
  2. 【請求項2】 鋳鉄からなる成形体を窒化処理した
    後、窒素拡散層のA1変態点以上鋳鉄のA1変態点未満
    に加熱保持し、その後所定の温度の熱浴中に焼入れ保持
    して、窒化により生じた窒素拡散層を等温変態させたこ
    とを特徴とするディスクブレーキ用ロータ。
  3. 【請求項3】 鋳鉄からなる成形体を窒化処理した
    後、窒素拡散層のA1変態点以上鋳鉄のA1変態点未満
    に加熱保持し、その後マルテンサイト変態開始点以上の
    温度の熱浴中に焼入れ保持してから冷却し、窒化により
    生じた窒素拡散層をマルテンサイト変態させたことを特
    徴とするディスクブレーキ用ロータ。
  4. 【請求項4】 鋳鉄からなる成形体を窒化処理した
    後、窒素拡散層のA1変態点以上共晶温度以下に加熱保
    持し、その後マルテンサイト変態開始点以上の温度の熱
    浴中に焼入れ保持してから冷却し、窒化により生じた窒
    素拡散層をマルテンサイト変態させ、所定温度に加熱・
    保持することによって酸化・焼き戻したことを特徴とす
    るディスクブレーキ用ロータ。
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