JP2000345320A - 薄膜構造体及びその製造方法 - Google Patents
薄膜構造体及びその製造方法Info
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 低温の熱処理で光触媒性薄膜を得ることがで
きる薄膜構造体を得る。 【解決手段】 チェンバ本体1内の基板ホルダ2に基材
3を装着し、水タンク13から水蒸気をチェンバ本体1
内に導入する。この状態で、チタン酸化物を基材3の表
面にスパッタ蒸着することで、基材3の上に水酸基を含
むチタニアを主成分とする薄膜構造体を得る。そして、
これを熱処理することで光触媒性薄膜を得る。この場合
の熱処理は200℃以上という低温でよい。
きる薄膜構造体を得る。 【解決手段】 チェンバ本体1内の基板ホルダ2に基材
3を装着し、水タンク13から水蒸気をチェンバ本体1
内に導入する。この状態で、チタン酸化物を基材3の表
面にスパッタ蒸着することで、基材3の上に水酸基を含
むチタニアを主成分とする薄膜構造体を得る。そして、
これを熱処理することで光触媒性薄膜を得る。この場合
の熱処理は200℃以上という低温でよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン酸化物を主
成分とし、基板上に形成した薄膜構造体に関する。
成分とし、基板上に形成した薄膜構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光触媒機能を有する薄膜(光
触媒性薄膜)のコーティングが知られている。このよう
な光触媒性薄膜コーティングにより、基板の表面を親水
性とすることができ、レンズなどの親水性コーティング
に利用できる。例えば、国際公開WO96−29375
号公報には、無定形(アモルファス)チタニア(TiO
2:酸化チタン)を基板上に形成し、これを焼成して結
晶性チタニアを得ることが示されている。この方法で
は、まず有機チタン化合物を用いたゾルゲル法や、無機
チタンを用いたスプレー、ディップ、スパッタなどによ
って、無定形のチタニアを基板上に形成する。その後、
400℃以上、特に500℃±24℃の温度での熱処理
によって、光触媒性薄膜であるアナターゼ構造の結晶性
チタニア薄膜を形成している。
触媒性薄膜)のコーティングが知られている。このよう
な光触媒性薄膜コーティングにより、基板の表面を親水
性とすることができ、レンズなどの親水性コーティング
に利用できる。例えば、国際公開WO96−29375
号公報には、無定形(アモルファス)チタニア(TiO
2:酸化チタン)を基板上に形成し、これを焼成して結
晶性チタニアを得ることが示されている。この方法で
は、まず有機チタン化合物を用いたゾルゲル法や、無機
チタンを用いたスプレー、ディップ、スパッタなどによ
って、無定形のチタニアを基板上に形成する。その後、
400℃以上、特に500℃±24℃の温度での熱処理
によって、光触媒性薄膜であるアナターゼ構造の結晶性
チタニア薄膜を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述の従来技
術においては、基板上に作製した無定形チタニアにおい
て、チタニア分子同士が互いに結合して網目構造が発達
している。このため、無定形チタニア薄膜におけるチタ
ンおよび酸素原子の移動度が低く、その後に行う結晶化
のためには、少なくとも400℃以上の熱処理を行う必
要があった。
術においては、基板上に作製した無定形チタニアにおい
て、チタニア分子同士が互いに結合して網目構造が発達
している。このため、無定形チタニア薄膜におけるチタ
ンおよび酸素原子の移動度が低く、その後に行う結晶化
のためには、少なくとも400℃以上の熱処理を行う必
要があった。
【0004】従って、ソーダ石灰ガラスに光触媒性薄膜
のコーティングを行う場合には、熱処理の際に基板中の
アルカリ成分が光触媒性薄膜に拡散し、光触媒機能が劣
化しないように工夫する必要があった。例えば、基板表
面上にSiO2などの薄膜を予め形成しておき、その後
チタニアの薄膜を形成していた。さらに、プラスチック
基板など低融点の基板の上には、このような光触媒性薄
膜を形成することはできなかった。
のコーティングを行う場合には、熱処理の際に基板中の
アルカリ成分が光触媒性薄膜に拡散し、光触媒機能が劣
化しないように工夫する必要があった。例えば、基板表
面上にSiO2などの薄膜を予め形成しておき、その後
チタニアの薄膜を形成していた。さらに、プラスチック
基板など低融点の基板の上には、このような光触媒性薄
膜を形成することはできなかった。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、低温の熱処理により光触媒薄膜を形成できる薄膜
構造体を提供することを目的とする。
あり、低温の熱処理により光触媒薄膜を形成できる薄膜
構造体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜構造体
は、チタン酸化物を主成分とし、基板上に形成した薄膜
であって、その薄膜中に水を水酸基として含有させたこ
とを特徴とする。このように、水酸基を含有すること
で、チタン酸化物の網目構造が分断される。これによっ
て、チタン酸化物中の原子の移動度が上昇する。そこ
で、その後の熱処理において、低温の熱処理でアナター
ゼ構造に結晶化することができ、低温の熱処理で光触媒
性薄膜を得ることができる。これによって、プラスチッ
ク基板の上への光触媒性薄膜の形成も可能になる。
は、チタン酸化物を主成分とし、基板上に形成した薄膜
であって、その薄膜中に水を水酸基として含有させたこ
とを特徴とする。このように、水酸基を含有すること
で、チタン酸化物の網目構造が分断される。これによっ
て、チタン酸化物中の原子の移動度が上昇する。そこ
で、その後の熱処理において、低温の熱処理でアナター
ゼ構造に結晶化することができ、低温の熱処理で光触媒
性薄膜を得ることができる。これによって、プラスチッ
ク基板の上への光触媒性薄膜の形成も可能になる。
【0007】また、前記薄膜には、チタン酸化物の他に
金属酸化物を添加し、その添加量は、50%以下である
ことが好適である。このような金属酸化物の添加によ
り、耐摩耗性を向上するなど薄膜の性状を任意に調整す
ることができる。
金属酸化物を添加し、その添加量は、50%以下である
ことが好適である。このような金属酸化物の添加によ
り、耐摩耗性を向上するなど薄膜の性状を任意に調整す
ることができる。
【0008】また、含有させた水酸基の量は、0.1〜
5%であることが好適である。これによって、低温の熱
処理により光触媒性薄膜を得ることができ、かつスパッ
タを効果的に行うことができる。
5%であることが好適である。これによって、低温の熱
処理により光触媒性薄膜を得ることができ、かつスパッ
タを効果的に行うことができる。
【0009】また、本発明は、チタン酸化物を主成分と
する薄膜を基板上に形成する薄膜構造体の製造方法であ
って、前記薄膜をスパッタリング、真空蒸着などの物理
的成膜手法により、基板上に生成する際に、水蒸気を導
入することを特徴とする。この方法により、上述のよう
な水酸基を導入したチタン酸化物を主成分とする薄膜構
造体を得ることができる。
する薄膜を基板上に形成する薄膜構造体の製造方法であ
って、前記薄膜をスパッタリング、真空蒸着などの物理
的成膜手法により、基板上に生成する際に、水蒸気を導
入することを特徴とする。この方法により、上述のよう
な水酸基を導入したチタン酸化物を主成分とする薄膜構
造体を得ることができる。
【0010】また、前記物理的成膜手法により基板上に
薄膜を形成した後、熱処理を行い多結晶薄膜を形成する
ことが好適である。低温の熱処理により光触媒性薄膜を
得ることができる。
薄膜を形成した後、熱処理を行い多結晶薄膜を形成する
ことが好適である。低温の熱処理により光触媒性薄膜を
得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0012】本実施形態の薄膜構造体は、チタニア(酸
化チタン:TiO2)を主成分とし、その薄膜中に水を
水酸基として含有している。図1に、この薄膜構造体の
構造についての模式図を示す。このように、水酸基が含
有されることで、チタニアについての網目構造が分断さ
れている。従って、熱処理を行った場合に、チタンおよ
び酸素原子についての移動度が高く、結晶化を容易に行
うことができる。なお、従来技術の無定形チタニア薄膜
では、図2に示すように網目構造が発達しており、チタ
ニア中の原子の移動度が低い。
化チタン:TiO2)を主成分とし、その薄膜中に水を
水酸基として含有している。図1に、この薄膜構造体の
構造についての模式図を示す。このように、水酸基が含
有されることで、チタニアについての網目構造が分断さ
れている。従って、熱処理を行った場合に、チタンおよ
び酸素原子についての移動度が高く、結晶化を容易に行
うことができる。なお、従来技術の無定形チタニア薄膜
では、図2に示すように網目構造が発達しており、チタ
ニア中の原子の移動度が低い。
【0013】また、この薄膜構造体には、チタニア以外
の金属酸化物を添加混合することも好適である。これに
よって、薄膜に十分な強度を得て耐摩耗性を確保した
り、保水性を確保するなど、薄膜の性状を適切なものに
調整することが容易になる。この金属酸化物としては、
SiO2、Al2O3などが好適である。特に、可視光に
対して透明な金属酸化物が好適であり、これらを利用す
ることによってレンズやミラーなどのコーティングに好
適に利用できる。また、着色性の金属酸化物でも、添加
量が少ない場合には薄膜構造体や、熱処理後の薄膜にお
いて着色させずに使用することが可能である。
の金属酸化物を添加混合することも好適である。これに
よって、薄膜に十分な強度を得て耐摩耗性を確保した
り、保水性を確保するなど、薄膜の性状を適切なものに
調整することが容易になる。この金属酸化物としては、
SiO2、Al2O3などが好適である。特に、可視光に
対して透明な金属酸化物が好適であり、これらを利用す
ることによってレンズやミラーなどのコーティングに好
適に利用できる。また、着色性の金属酸化物でも、添加
量が少ない場合には薄膜構造体や、熱処理後の薄膜にお
いて着色させずに使用することが可能である。
【0014】次に、このような薄膜構造体の製造方法に
ついて説明する。まず、物理的成膜手法の1つであるス
パッタ法による製造方法を説明する。図3に、スパッタ
装置の概略図を示す。密閉容器を構成するチェンバ本体
1の内部には、基板ホルダ2が設けられ、ここに基材3
が装着される。また、チェンバ本体1内には、TiO2
(チタニア)のターゲット4、チタニアと複合される金
属酸化物(例えばSiO2,Al2O3)のターゲット5
が配置される。ターゲットシャッタ6,7は、各ターゲ
ット4,5によるスパッタ時間を制御するためのもので
ある。
ついて説明する。まず、物理的成膜手法の1つであるス
パッタ法による製造方法を説明する。図3に、スパッタ
装置の概略図を示す。密閉容器を構成するチェンバ本体
1の内部には、基板ホルダ2が設けられ、ここに基材3
が装着される。また、チェンバ本体1内には、TiO2
(チタニア)のターゲット4、チタニアと複合される金
属酸化物(例えばSiO2,Al2O3)のターゲット5
が配置される。ターゲットシャッタ6,7は、各ターゲ
ット4,5によるスパッタ時間を制御するためのもので
ある。
【0015】チェンバ本体1には、不活性ガス及び水の
バリアブルリークバルブ8,9をそれぞれ介し、不活性
ガスボンベ12、水タンク13が接続されている。な
お、不活性ガスとしては、Ar(アルゴン)ガスなどが
利用される。このチェンバ本体1内は、真空排気口14
を介し、真空ポンプなどの排気手段(図示せず)に接続
される。さらに、各ターゲット4,5には、マッチング
ボックス10を介しRF電源11が接続されており、タ
ーゲット4,5に所定の高周波電力を投入できるように
なっている。
バリアブルリークバルブ8,9をそれぞれ介し、不活性
ガスボンベ12、水タンク13が接続されている。な
お、不活性ガスとしては、Ar(アルゴン)ガスなどが
利用される。このチェンバ本体1内は、真空排気口14
を介し、真空ポンプなどの排気手段(図示せず)に接続
される。さらに、各ターゲット4,5には、マッチング
ボックス10を介しRF電源11が接続されており、タ
ーゲット4,5に所定の高周波電力を投入できるように
なっている。
【0016】このような装置において、薄膜構造体を製
造する場合には、まず基板ホルダ2に基材3をセット
し、真空排気口14を介し10-6Torr程度までチェ
ンバ本体1内を真空排気する。次に、水タンク13から
の水を真空度が1.5×10-3Torr程度になるま
で、バリアブルリークバルブ9を介しチェンバ本体1内
に導入する。さらに、トータルとして3×10-3Tor
rになるまでアルゴンガスをバリアブルリークバルブ8
を介してチェンバ本体1内に導入する。
造する場合には、まず基板ホルダ2に基材3をセット
し、真空排気口14を介し10-6Torr程度までチェ
ンバ本体1内を真空排気する。次に、水タンク13から
の水を真空度が1.5×10-3Torr程度になるま
で、バリアブルリークバルブ9を介しチェンバ本体1内
に導入する。さらに、トータルとして3×10-3Tor
rになるまでアルゴンガスをバリアブルリークバルブ8
を介してチェンバ本体1内に導入する。
【0017】成膜時の基材3の温度は100℃以下、例
えば室温(RT)に設定する。その後、RF電源11か
らマッチングボックス10を通して、TiO2ターゲッ
ト4及び金属酸化物ターゲット5に高周波電力を投入す
る。所定時間だけシャッタ6,7を閉じたままプレスパ
ッタし、その後シャッタ6,7を所定時間開き、その時
間だけ成膜する。薄膜構造体の組成は、チタニアのター
ゲット4への電力とその他の金属酸化物ターゲット5へ
の電力を制御し、両ターゲット4,5からの成膜速度の
比率を調整することで、任意に調整することができる。
さらに、導入する水酸基の量は、チェンバ本体1内に導
入する水分圧によって調整することができる。
えば室温(RT)に設定する。その後、RF電源11か
らマッチングボックス10を通して、TiO2ターゲッ
ト4及び金属酸化物ターゲット5に高周波電力を投入す
る。所定時間だけシャッタ6,7を閉じたままプレスパ
ッタし、その後シャッタ6,7を所定時間開き、その時
間だけ成膜する。薄膜構造体の組成は、チタニアのター
ゲット4への電力とその他の金属酸化物ターゲット5へ
の電力を制御し、両ターゲット4,5からの成膜速度の
比率を調整することで、任意に調整することができる。
さらに、導入する水酸基の量は、チェンバ本体1内に導
入する水分圧によって調整することができる。
【0018】図4に、本実施形態の水酸基を含有する薄
膜構造体(実施例)について、フーリエ変換赤外分光法
(FT−IR)によって調べた結果を示す。水酸基(O
H)は、波数3250付近に吸収を有し、本実施形態の
薄膜構造体において、水酸基が含有されていることがわ
かる。ここで、図4に比較例として記載したものは、水
導入の代わりに通常行われている酸素ガスを導入して作
製した薄膜構造体についてのものである。
膜構造体(実施例)について、フーリエ変換赤外分光法
(FT−IR)によって調べた結果を示す。水酸基(O
H)は、波数3250付近に吸収を有し、本実施形態の
薄膜構造体において、水酸基が含有されていることがわ
かる。ここで、図4に比較例として記載したものは、水
導入の代わりに通常行われている酸素ガスを導入して作
製した薄膜構造体についてのものである。
【0019】ここで、実施例の薄膜構造体は、RF電
力:250W、温度:室温、チャンバ本体内Ar+50
%H2O、圧力:3×10-3Torrという条件でスパッタ
を行い形成したものであり、その時の成膜速度:11〜
13Å/minであった。また、比較例は、チャンバ本
体内Ar+20%O2とした点が異なるだけであり、他
はすべて本実施形態と同一である。
力:250W、温度:室温、チャンバ本体内Ar+50
%H2O、圧力:3×10-3Torrという条件でスパッタ
を行い形成したものであり、その時の成膜速度:11〜
13Å/minであった。また、比較例は、チャンバ本
体内Ar+20%O2とした点が異なるだけであり、他
はすべて本実施形態と同一である。
【0020】このようにして、水酸基を導入したチタニ
アの薄膜を基材3の表面上に形成できる。ここで、水酸
基の量は、0.1〜5%の範囲内が好ましい。水酸基の
量が0.1%以下であると、水酸基の効果が十分でな
く、また5%以上にするとスパッタ装置のチェンバ本体
1内の真空度が低くなりすぎ十分なスパッタリングが行
えなくなってしまう。
アの薄膜を基材3の表面上に形成できる。ここで、水酸
基の量は、0.1〜5%の範囲内が好ましい。水酸基の
量が0.1%以下であると、水酸基の効果が十分でな
く、また5%以上にするとスパッタ装置のチェンバ本体
1内の真空度が低くなりすぎ十分なスパッタリングが行
えなくなってしまう。
【0021】次に、本発明の薄膜構造体を熱処理(アニ
ール)することによって、無定形チタニアを結晶化す
る。本発明の薄膜構造体は、上述のように、水酸基が含
まれており、これによって無定形チタニアの網目構造が
分断されている。従って、チタニア中の原子の移動度が
高い。そこで、比較的低温の熱処理によって、チタニア
をアナターゼ構造に結晶化し、光触媒機能を有する薄膜
を得ることができる。
ール)することによって、無定形チタニアを結晶化す
る。本発明の薄膜構造体は、上述のように、水酸基が含
まれており、これによって無定形チタニアの網目構造が
分断されている。従って、チタニア中の原子の移動度が
高い。そこで、比較的低温の熱処理によって、チタニア
をアナターゼ構造に結晶化し、光触媒機能を有する薄膜
を得ることができる。
【0022】ここで、図5に、チタニアのアナターゼの
ユニットセルの原子配列を示す。図中●はTi4+、○は
O2-である。また、アナターゼは、低温安定型正方晶系
の結晶系であり、ユニットセルの体積は136.1
Å3、酸化チタン1モル当たりの体積は34.0Å3、格
子定数はa=3.785、c=9.514、酸化チタン
平均原子間距離は1.9946Åである。
ユニットセルの原子配列を示す。図中●はTi4+、○は
O2-である。また、アナターゼは、低温安定型正方晶系
の結晶系であり、ユニットセルの体積は136.1
Å3、酸化チタン1モル当たりの体積は34.0Å3、格
子定数はa=3.785、c=9.514、酸化チタン
平均原子間距離は1.9946Åである。
【0023】図6に、本実施形態による薄膜構造体を熱
処理した試料(実施例)のX線回折スペクトルを、図7
に上記比較例の薄膜構造体を熱処理した試料(比較例)
のX線回折スペクトルをそれぞれ示す。このように、実
施例の試料では、200℃以上の熱処理によってアナタ
ーゼ構造に対応する回折ピークが観測されている。従っ
て、200℃以上の熱処理で、アナターゼ構造の結晶化
を行えることがわかる。一方、比較例では、400℃の
熱処理では、アナターゼ構造の結晶化は得られず、50
0℃以上の熱処理が必要であることがわかる。
処理した試料(実施例)のX線回折スペクトルを、図7
に上記比較例の薄膜構造体を熱処理した試料(比較例)
のX線回折スペクトルをそれぞれ示す。このように、実
施例の試料では、200℃以上の熱処理によってアナタ
ーゼ構造に対応する回折ピークが観測されている。従っ
て、200℃以上の熱処理で、アナターゼ構造の結晶化
を行えることがわかる。一方、比較例では、400℃の
熱処理では、アナターゼ構造の結晶化は得られず、50
0℃以上の熱処理が必要であることがわかる。
【0024】図8には、実施例及び比較例の薄膜におけ
る2日間放置後の親水性が、水の接触角として示されて
いる。このように、実施例においては、200℃の熱処
理において、接触角が20°以下となり、300℃の熱
処理では、接触角8°程度になり、それ以上の熱処理を
行っても接触角は変わらない。これより、200℃以上
の熱処理、特に好ましくは300℃以上の熱処理によ
り、十分な光触媒機能を有する薄膜を得ることができる
ことがわかる。一方、比較例では、400℃の熱処理に
おいても得られた薄膜の接触角は20°以上であり、5
00℃において、やっと実施例と同程度の接触角(10
°以下)になる。これより、本実施例において、結晶化
のための熱処理が低温でよくなることが理解される。
る2日間放置後の親水性が、水の接触角として示されて
いる。このように、実施例においては、200℃の熱処
理において、接触角が20°以下となり、300℃の熱
処理では、接触角8°程度になり、それ以上の熱処理を
行っても接触角は変わらない。これより、200℃以上
の熱処理、特に好ましくは300℃以上の熱処理によ
り、十分な光触媒機能を有する薄膜を得ることができる
ことがわかる。一方、比較例では、400℃の熱処理に
おいても得られた薄膜の接触角は20°以上であり、5
00℃において、やっと実施例と同程度の接触角(10
°以下)になる。これより、本実施例において、結晶化
のための熱処理が低温でよくなることが理解される。
【0025】図9に、本実施例における熱処理後の薄膜
のFT−IRの分析結果を示す。これより、実施例の薄
膜では、水酸基がある程度残留していることがわかる。
一般的に、水を導入しないで形成した無定形チタニアの
薄膜を熱処理して得たアナターゼ構造のチタニアの薄膜
においては、水酸基はほとんどない。従って、本実施例
の薄膜は、このピークの存在から特定することができ
る。
のFT−IRの分析結果を示す。これより、実施例の薄
膜では、水酸基がある程度残留していることがわかる。
一般的に、水を導入しないで形成した無定形チタニアの
薄膜を熱処理して得たアナターゼ構造のチタニアの薄膜
においては、水酸基はほとんどない。従って、本実施例
の薄膜は、このピークの存在から特定することができ
る。
【0026】次に、図10に、他の金属酸化膜を添加し
た場合のアナターゼ構造の結晶化を得るための温度につ
いて示す。このように、SiO2を50at%含ませた
ものまでは、結晶化温度は250℃であり、SiO2を
80%添加すると結晶化温度は500℃と、水を添加し
ない場合と同等になってしまう。一方、酸素導入による
比較例においても、SiO2の添加量が増加するに従
い、結晶化温度は高くなる。これより、SiO2の添加
量は50%程度以下にすることが好ましいことがわか
る。
た場合のアナターゼ構造の結晶化を得るための温度につ
いて示す。このように、SiO2を50at%含ませた
ものまでは、結晶化温度は250℃であり、SiO2を
80%添加すると結晶化温度は500℃と、水を添加し
ない場合と同等になってしまう。一方、酸素導入による
比較例においても、SiO2の添加量が増加するに従
い、結晶化温度は高くなる。これより、SiO2の添加
量は50%程度以下にすることが好ましいことがわか
る。
【図1】 実施形態の薄膜構造体の構成を示す模式図で
ある。
ある。
【図2】 水酸基を導入しない薄膜構造体の構成を示す
模式図である。
模式図である。
【図3】 本実施形態の薄膜構造体を製造するためのス
パッタ装置の構成を示す図である。
パッタ装置の構成を示す図である。
【図4】 薄膜構造体のFT−IR分析結果を示す図で
ある。
ある。
【図5】 アナターゼ構造のユニットセルの原子配列を
示す図である。
示す図である。
【図6】 熱処理後の試料(実施例)のX線回折スペク
トルを示す図である。
トルを示す図である。
【図7】 熱処理後の試料(比較例)のX線回折スペク
トルを示す図である。
トルを示す図である。
【図8】 熱処理後の試料の親水性を示す図である。
【図9】 熱処理後の試料のFT−IR分析結果を示す
図である。
図である。
【図10】 金属酸化物を添加したときの結晶化に必要
な温度を示す図である。
な温度を示す図である。
1 チェンバ本体、2 基板ホルダ、3 基材、4,5
ターゲット、6,7ターゲットシャッタ、8,9 バ
リアブルリークバルブ、10 マッチングボックス、1
1 RF電源、12 不活性ガスボンベ、13 水タン
ク。
ターゲット、6,7ターゲットシャッタ、8,9 バ
リアブルリークバルブ、10 マッチングボックス、1
1 RF電源、12 不活性ガスボンベ、13 水タン
ク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 BA48 BA50 BB08 BC07 BD00 CA01 CA05 DC05 DC16 DC35 EA00 JA01
Claims (5)
- 【請求項1】 チタン酸化物を主成分とし、基板上に形
成した薄膜であって、 その薄膜中に水を水酸基として含有させたことを特徴と
する薄膜構造体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜構造体において、 前記薄膜には、チタン酸化物の他に金属酸化物を添加
し、その添加量は、50%以下であることを特徴とする
薄膜構造体。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の薄膜構造体に
おいて、 含有させた水酸基の量は、0.1〜5%であることを特
徴とする薄膜構造体。 - 【請求項4】 チタン酸化物を主成分とする薄膜を基板
上に形成する薄膜構造体の製造方法であって、 前記薄膜をスパッタリング、真空蒸着などの物理成膜手
法により、基板上に生成する際に、水蒸気を導入するこ
とを特徴とする薄膜構造体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の方法において、 前記物理的成膜手法により基板上に薄膜を形成した後、
熱処理を行い多結晶薄膜を形成することを特徴とする薄
膜構造体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11154889A JP2000345320A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | 薄膜構造体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11154889A JP2000345320A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | 薄膜構造体及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000345320A true JP2000345320A (ja) | 2000-12-12 |
Family
ID=15594179
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11154889A Pending JP2000345320A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | 薄膜構造体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000345320A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001046488A1 (en) * | 1999-12-21 | 2001-06-28 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Article coated with photocatalyst film, method for preparing the article and sputtering target for use in coating with the film |
| WO2004101146A1 (ja) * | 2003-05-16 | 2004-11-25 | Murakami Corporation | 微弱紫外光下で高度な光触媒活性を示す酸化チタン薄膜 |
| WO2009051271A1 (ja) | 2007-10-16 | 2009-04-23 | Ube Nitto Kasei Co., Ltd. | 光触媒膜、光触媒膜の製造方法、物品および親水化方法 |
| JP2010115609A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | 光触媒膜およびそれを有する物品 |
| KR101372284B1 (ko) * | 2006-12-22 | 2014-03-10 | 엘지디스플레이 주식회사 | 수증기 주입장치와 이를 포함한 스퍼터링 장비 |
| JP2016527078A (ja) * | 2013-07-05 | 2016-09-08 | 日東電工株式会社 | 透明光触媒コーティングおよびそれを製造する方法 |
| WO2023190230A1 (ja) | 2022-03-30 | 2023-10-05 | デクセリアルズ株式会社 | 光触媒部材 |
| WO2025047938A1 (ja) | 2023-09-01 | 2025-03-06 | デクセリアルズ株式会社 | 光触媒部材及び光触媒部材の製造方法 |
-
1999
- 1999-06-02 JP JP11154889A patent/JP2000345320A/ja active Pending
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US6761984B2 (en) | 1999-12-21 | 2004-07-13 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Article coated with photocatalyst film, method for preparing the article and sputtering target for use in coating with the film |
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| US10391482B2 (en) | 2013-07-05 | 2019-08-27 | Nitto Denko Corporation | Transparent photocatalyst coating and methods of manufacturing the same |
| US10710063B2 (en) | 2013-07-05 | 2020-07-14 | Nitto Denko Corporation | Transparent photocatalyst coating and methods of manufacturing the same |
| WO2023190230A1 (ja) | 2022-03-30 | 2023-10-05 | デクセリアルズ株式会社 | 光触媒部材 |
| KR20240148432A (ko) | 2022-03-30 | 2024-10-11 | 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 | 광촉매 부재 |
| WO2025047938A1 (ja) | 2023-09-01 | 2025-03-06 | デクセリアルズ株式会社 | 光触媒部材及び光触媒部材の製造方法 |
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