JPH10186130A - 光干渉フィルターの製造方法 - Google Patents
光干渉フィルターの製造方法Info
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- JPH10186130A JPH10186130A JP34503896A JP34503896A JPH10186130A JP H10186130 A JPH10186130 A JP H10186130A JP 34503896 A JP34503896 A JP 34503896A JP 34503896 A JP34503896 A JP 34503896A JP H10186130 A JPH10186130 A JP H10186130A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐熱性の低い透明基板を用い、イオンアシスト
蒸着法により光干渉フィルターを製造しても、光学特
性、密着性に優れ、かつ、経時変化の小さい耐久性に優
れた光干渉フィルターを得ることのできる光干渉フィル
ターの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】TiO2 およびSiO2 を蒸着材料とし、
イオンアシスト蒸着法を用い光干渉フィルターを製造す
る方法において、TiO2 の蒸着成膜の際、基板に蒸着
するTiO2 粒子数に対する、イオンアシストガス中の
イオン数の割合を6〜8%とすることで、基板の温度を
130℃以下としたことを特徴とする光干渉フィルターの
製造方法。
蒸着法により光干渉フィルターを製造しても、光学特
性、密着性に優れ、かつ、経時変化の小さい耐久性に優
れた光干渉フィルターを得ることのできる光干渉フィル
ターの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】TiO2 およびSiO2 を蒸着材料とし、
イオンアシスト蒸着法を用い光干渉フィルターを製造す
る方法において、TiO2 の蒸着成膜の際、基板に蒸着
するTiO2 粒子数に対する、イオンアシストガス中の
イオン数の割合を6〜8%とすることで、基板の温度を
130℃以下としたことを特徴とする光干渉フィルターの
製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TiO2 (二酸化
チタン)およびSiO2 (二酸化ケイ素)の透明薄膜
を、透明基板上に交互に所定回数、蒸着成膜する光干渉
フィルターの製造方法に係わり、特に、イオンアシスト
蒸着法を用い、TiO2 の蒸着成膜を行う光干渉フィル
ターの製造方法に関する。
チタン)およびSiO2 (二酸化ケイ素)の透明薄膜
を、透明基板上に交互に所定回数、蒸着成膜する光干渉
フィルターの製造方法に係わり、特に、イオンアシスト
蒸着法を用い、TiO2 の蒸着成膜を行う光干渉フィル
ターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置または、固体撮像素
子装置等に用いる光学フィルター(例えばカラーフィル
ター等)として、ガラス等の透明基板上に高屈折率の材
料(例えば、TiO2 、ZrO2 、ZnS等)よりなる
透明薄膜および、低屈折率の材料(例えば、SiO2 、
MgF2 等)よりなる透明薄膜を交互に複数積層した、
いわゆる光干渉フィルターが知られている。光干渉フィ
ルターは、屈折率の異なる透明薄膜を交互に積層し、透
明薄膜による光の干渉を利用することで、所望する波長
域の光を反射もしくは透過させるものである。光干渉フ
ィルターを、透過型の光学フィルターとして用いる場
合、光吸収率が低く、高い光透過率を有するものであ
る。そのため、光干渉フィルターを液晶表示装置また
は、固体撮像素子装置等に用いた場合、コントラスト等
の良好な画像表示が得られるものである。
子装置等に用いる光学フィルター(例えばカラーフィル
ター等)として、ガラス等の透明基板上に高屈折率の材
料(例えば、TiO2 、ZrO2 、ZnS等)よりなる
透明薄膜および、低屈折率の材料(例えば、SiO2 、
MgF2 等)よりなる透明薄膜を交互に複数積層した、
いわゆる光干渉フィルターが知られている。光干渉フィ
ルターは、屈折率の異なる透明薄膜を交互に積層し、透
明薄膜による光の干渉を利用することで、所望する波長
域の光を反射もしくは透過させるものである。光干渉フ
ィルターを、透過型の光学フィルターとして用いる場
合、光吸収率が低く、高い光透過率を有するものであ
る。そのため、光干渉フィルターを液晶表示装置また
は、固体撮像素子装置等に用いた場合、コントラスト等
の良好な画像表示が得られるものである。
【0003】光干渉フィルターの、各光波長における光
透過率は、交互に積層する各透明薄膜の光学的膜厚(薄
膜の屈折率と薄膜の膜厚との積)で決まるものであり、
所望する波長域の光が透過するよう、適宜、積層する透
明薄膜の屈折率、膜厚、および積層数を設定するもので
ある。なお、一般的に光学的膜厚は、透過光の波長
(λ)の1/4となるよう設定するものである。
透過率は、交互に積層する各透明薄膜の光学的膜厚(薄
膜の屈折率と薄膜の膜厚との積)で決まるものであり、
所望する波長域の光が透過するよう、適宜、積層する透
明薄膜の屈折率、膜厚、および積層数を設定するもので
ある。なお、一般的に光学的膜厚は、透過光の波長
(λ)の1/4となるよう設定するものである。
【0004】光干渉フィルターを製造するにあたり、透
明基板上に形成する透明薄膜の膜厚が薄いため、真空蒸
着法やスパッタ蒸着法等のいわゆる物理的蒸着法(PV
D法)を用いることが一般的となっている。また、高屈
折率の材料としてTiO2 (二酸化チタン)が、また、
低屈折率の材料としてSiO2 (二酸化ケイ素)が通常
用いられるものである。
明基板上に形成する透明薄膜の膜厚が薄いため、真空蒸
着法やスパッタ蒸着法等のいわゆる物理的蒸着法(PV
D法)を用いることが一般的となっている。また、高屈
折率の材料としてTiO2 (二酸化チタン)が、また、
低屈折率の材料としてSiO2 (二酸化ケイ素)が通常
用いられるものである。
【0005】さらに、物理的蒸着法(PVD法)の変形
として、イオン化したガスを供給しつつ透明基板上に蒸
着を行う、いわゆるイオンアシスト蒸着法が知られてい
る。イオンアシスト蒸着法を用い、イオン化したガスの
雰囲気のもとで、蒸気化された蒸着材料を基板上に凝集
蒸着させると、蒸着された材料の結晶化がイオンにより
促進され、密着性、耐湿性などの膜特性が向上するもの
である。また、蒸着された材料の屈折率が上がるため、
特に高屈折率材料の蒸着の際にイオンアシスト蒸着法を
用いることが有効といえる。なお、必要により、材料の
蒸着を終えた後、基板を所定の時間加熱することで、蒸
着された材料の結晶化を促進し、材料の膜特性を向上さ
せる方法(いわゆる、アニーリング処理)を行う場合も
ある。
として、イオン化したガスを供給しつつ透明基板上に蒸
着を行う、いわゆるイオンアシスト蒸着法が知られてい
る。イオンアシスト蒸着法を用い、イオン化したガスの
雰囲気のもとで、蒸気化された蒸着材料を基板上に凝集
蒸着させると、蒸着された材料の結晶化がイオンにより
促進され、密着性、耐湿性などの膜特性が向上するもの
である。また、蒸着された材料の屈折率が上がるため、
特に高屈折率材料の蒸着の際にイオンアシスト蒸着法を
用いることが有効といえる。なお、必要により、材料の
蒸着を終えた後、基板を所定の時間加熱することで、蒸
着された材料の結晶化を促進し、材料の膜特性を向上さ
せる方法(いわゆる、アニーリング処理)を行う場合も
ある。
【0006】図1は、イオン銃7を備えたイオンアシス
ト蒸着装置1の構造例を、模式的に示す図である。蒸着
装置1内に置かれたペレット状または粒状等のTiO2
およびSiO2 は、各々、電子ビーム照射装置により電
子ビーム6を照射され、加熱蒸気化される。また、シャ
ッター5は、適宜相互に開閉可能となっており、TiO
2 の透明基板2への蒸着時には、シャッター5aを開、シ
ャッター5bを閉とするものである。逆に、SiO2 の透
明基板2への蒸着時には、シャッター5aを閉、シャッタ
ー5bを開とするものである。これにより、TiO2 およ
びSiO2 の薄膜が、透明基板2上に交互に積層蒸着さ
れるものである。なお、図1では、傘状のレンズドーム
に載置された透明基板2を一枚としているが、実際は複
数の透明基板2をレンズドームに載置しているものであ
る。
ト蒸着装置1の構造例を、模式的に示す図である。蒸着
装置1内に置かれたペレット状または粒状等のTiO2
およびSiO2 は、各々、電子ビーム照射装置により電
子ビーム6を照射され、加熱蒸気化される。また、シャ
ッター5は、適宜相互に開閉可能となっており、TiO
2 の透明基板2への蒸着時には、シャッター5aを開、シ
ャッター5bを閉とするものである。逆に、SiO2 の透
明基板2への蒸着時には、シャッター5aを閉、シャッタ
ー5bを開とするものである。これにより、TiO2 およ
びSiO2 の薄膜が、透明基板2上に交互に積層蒸着さ
れるものである。なお、図1では、傘状のレンズドーム
に載置された透明基板2を一枚としているが、実際は複
数の透明基板2をレンズドームに載置しているものであ
る。
【0007】次いで、酸素(O2 )およびアルゴン(A
r)よりなる混合ガスが、イオン銃7(例えば、カウフ
マン型イオン銃)によりイオン化されて蒸着装置1内に
供給される。また、酸化雰囲気にて酸化物の蒸着を行え
ば、透明基板2への蒸着が促進されるため、別途、Ti
O2 の蒸着成膜時には、ガス導入口より酸素ガス
(O 2 )を蒸着装置1内に供給するものである。なお、
排気口より逐次蒸着装置1内の排気を行っているもので
ある。
r)よりなる混合ガスが、イオン銃7(例えば、カウフ
マン型イオン銃)によりイオン化されて蒸着装置1内に
供給される。また、酸化雰囲気にて酸化物の蒸着を行え
ば、透明基板2への蒸着が促進されるため、別途、Ti
O2 の蒸着成膜時には、ガス導入口より酸素ガス
(O 2 )を蒸着装置1内に供給するものである。なお、
排気口より逐次蒸着装置1内の排気を行っているもので
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述した例に示
したような蒸着装置を用い、光干渉フィルターを製造す
る場合、蒸着装置1内に置かれた透明基板2には加熱を
行っていたものである。特に、高屈折率材料であるTi
O2 の蒸着時には、透明基板2の温度を例えば200〜 30
0℃程度の高温としていたものである。すなわち、透明
基板2の温度が低温であると、TiO2 が基板2上に蒸
着する際に、蒸着したTiO2 が非晶質(アモルファ
ス)状態となり、所望する高屈折率が得られず、また、
光吸収膜となる。基板温度が高温度であった場合、蒸着
したTiO2 の結晶化が進み、所望する高屈折率が得ら
れるという理由によるものである。TiO2 が低屈折率
であった場合、所望する分光特性が得られず、光吸収膜
であった場合、光透過率が低下するといえる。
したような蒸着装置を用い、光干渉フィルターを製造す
る場合、蒸着装置1内に置かれた透明基板2には加熱を
行っていたものである。特に、高屈折率材料であるTi
O2 の蒸着時には、透明基板2の温度を例えば200〜 30
0℃程度の高温としていたものである。すなわち、透明
基板2の温度が低温であると、TiO2 が基板2上に蒸
着する際に、蒸着したTiO2 が非晶質(アモルファ
ス)状態となり、所望する高屈折率が得られず、また、
光吸収膜となる。基板温度が高温度であった場合、蒸着
したTiO2 の結晶化が進み、所望する高屈折率が得ら
れるという理由によるものである。TiO2 が低屈折率
であった場合、所望する分光特性が得られず、光吸収膜
であった場合、光透過率が低下するといえる。
【0009】ちなみに、図6は、蒸気化したTiO2 が
蒸着する際の基板温度(℃)と、蒸着したTiO2 の波
長 600nmにおける屈折率(n)の関係を示したものであ
る。図6に示すように、基板温度が例えば 130℃より低
い温度であると、TiO2がアモルファス状態となり屈
折率が低く、 200〜 300℃と高い温度であると結晶状態
となり、屈折率が高くなるといえる。
蒸着する際の基板温度(℃)と、蒸着したTiO2 の波
長 600nmにおける屈折率(n)の関係を示したものであ
る。図6に示すように、基板温度が例えば 130℃より低
い温度であると、TiO2がアモルファス状態となり屈
折率が低く、 200〜 300℃と高い温度であると結晶状態
となり、屈折率が高くなるといえる。
【0010】また、上述したイオンアシスト蒸着法を用
いることで、低い基板温度にて、所望する屈折率のTi
O2 薄膜を得ることは可能といえる。しかしその場合に
は、基板2へのTiO2 薄膜の密着性が低下しているも
のである。さらに、蒸着されたTiO2 薄膜の耐湿性が
悪くなり、経時的にTiO2 薄膜が周囲の湿気を吸い、
屈折率および膜厚が変化し、結果として光干渉フィルタ
ーの光透過率や分光特性等の光学特性が経時的に変化す
るという問題が生じるものである。なお、低屈折材料で
あるSiO2 の薄膜は、基板2への蒸着時における基板
温度依存性が低く、たとえ低い基板温度であっても、S
iO2 薄膜の経時変化の割合は、実用上無視できる程度
に小さいといえる。
いることで、低い基板温度にて、所望する屈折率のTi
O2 薄膜を得ることは可能といえる。しかしその場合に
は、基板2へのTiO2 薄膜の密着性が低下しているも
のである。さらに、蒸着されたTiO2 薄膜の耐湿性が
悪くなり、経時的にTiO2 薄膜が周囲の湿気を吸い、
屈折率および膜厚が変化し、結果として光干渉フィルタ
ーの光透過率や分光特性等の光学特性が経時的に変化す
るという問題が生じるものである。なお、低屈折材料で
あるSiO2 の薄膜は、基板2への蒸着時における基板
温度依存性が低く、たとえ低い基板温度であっても、S
iO2 薄膜の経時変化の割合は、実用上無視できる程度
に小さいといえる。
【0011】上記の理由等により、TiO2 の蒸着時に
は、透明基板2の温度を 200〜 300℃程度の高温にして
いたものであり、このため、透明基板2にはガラス等の
耐熱性を有する材質を用いざるをえないといえる。
は、透明基板2の温度を 200〜 300℃程度の高温にして
いたものであり、このため、透明基板2にはガラス等の
耐熱性を有する材質を用いざるをえないといえる。
【0012】近年、光干渉フィルターが組み込まれる、
液晶表示装置または固体撮像素子装置等の軽量化の要求
があり、透明基板2の軽量化が必要といる。それには、
透明基板2の材質として、例えばPET(ポリエチレン
テレフタレート)等の軽量なプラスチック材が適してい
るといえる。
液晶表示装置または固体撮像素子装置等の軽量化の要求
があり、透明基板2の軽量化が必要といる。それには、
透明基板2の材質として、例えばPET(ポリエチレン
テレフタレート)等の軽量なプラスチック材が適してい
るといえる。
【0013】しかし、透明基板2の材質として例えばプ
ラスチック材を用いた場合、プラスチック材は耐熱性が
悪く、蒸着法を用いTiO2 を蒸着する際、基板への加
熱により基板2が変形してしまうといえる。
ラスチック材を用いた場合、プラスチック材は耐熱性が
悪く、蒸着法を用いTiO2 を蒸着する際、基板への加
熱により基板2が変形してしまうといえる。
【0014】また、耐熱性を有しない基板の変形を防ぐ
ため、基板2への加熱温度を低くすると、上述したよう
に、光干渉フィルターとしての光特性が悪く、また、密
着性、耐湿性等の耐久性が低いものとならざるをえなか
った。
ため、基板2への加熱温度を低くすると、上述したよう
に、光干渉フィルターとしての光特性が悪く、また、密
着性、耐湿性等の耐久性が低いものとならざるをえなか
った。
【0015】本発明は、以上の事情に鑑みなされたもの
であり、耐熱性の低い透明基板を用い、イオンアシスト
蒸着法により光干渉フィルターを製造しても、光学特
性、密着性に優れ、かつ、経時変化の小さい耐久性に優
れた光干渉フィルターを得ることのできる光干渉フィル
ターの製造方法を提供することを目的とする。
であり、耐熱性の低い透明基板を用い、イオンアシスト
蒸着法により光干渉フィルターを製造しても、光学特
性、密着性に優れ、かつ、経時変化の小さい耐久性に優
れた光干渉フィルターを得ることのできる光干渉フィル
ターの製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成すべ
く、本発明者らは鋭意検討を行ったものであり、その結
果、透明基板へTiO2 を蒸着する際の、イオン化雰囲
気に着目したものである。
く、本発明者らは鋭意検討を行ったものであり、その結
果、透明基板へTiO2 を蒸着する際の、イオン化雰囲
気に着目したものである。
【0017】前述した(従来の技術)の項で記したよう
に、TiO2 の蒸着の際に、イオン化したガス(以下、
イオン化ガスと記す)の雰囲気のもとで、蒸着材料を基
板2上に凝集蒸着させると、蒸着した材料の結晶化がイ
オンにより促進されるものである。このため、本発明者
らは、透明基板2に蒸着するTiO2 粒子数と、イオン
化ガス中のイオン数、すなわち、透明基板2に到達する
イオン化ガス中のイオン数との好適な割合を見いだせ
ば、TiO2 の蒸着時の結晶化がより進み、蒸着時の基
板温度が低温であっても、密着性、耐久性、光学特性等
の膜特性に優れたTiO2 薄膜が得られると考え、本発
明にいたったものである。
に、TiO2 の蒸着の際に、イオン化したガス(以下、
イオン化ガスと記す)の雰囲気のもとで、蒸着材料を基
板2上に凝集蒸着させると、蒸着した材料の結晶化がイ
オンにより促進されるものである。このため、本発明者
らは、透明基板2に蒸着するTiO2 粒子数と、イオン
化ガス中のイオン数、すなわち、透明基板2に到達する
イオン化ガス中のイオン数との好適な割合を見いだせ
ば、TiO2 の蒸着時の結晶化がより進み、蒸着時の基
板温度が低温であっても、密着性、耐久性、光学特性等
の膜特性に優れたTiO2 薄膜が得られると考え、本発
明にいたったものである。
【0018】ここで、本発明者らは、透明基板2に蒸着
するTiO2 粒子数と、透明基板2に到達するイオン化
ガス中のイオン数との割合として、以下の(数1)の式
に示す、イオン比率(%)を設定したものである。
するTiO2 粒子数と、透明基板2に到達するイオン化
ガス中のイオン数との割合として、以下の(数1)の式
に示す、イオン比率(%)を設定したものである。
【0019】
【数1】
【0020】上記(数1)中の(蒸着粒子数)とは、透
明基板上に蒸着したTiO2 粒子の数を示し、以下の
(数2)の式で算出される。なお、(数2)中の(蒸着
速度)とは、基板に蒸着したTiO2 薄膜の1秒間当た
りの膜厚の増加率(Å/秒)を示すものである。また、
(数2)中の(蒸着粒子の密度)は、透明基板に蒸着し
たTiO2 薄膜の密度(g/cm3 )を、さらに、(蒸着
粒子の分子量)は、透明基板に蒸着したTiO2 の分子
量を示すものであり、これは、各々3.84g/cm3、 79.8
8と一定となる数値である。
明基板上に蒸着したTiO2 粒子の数を示し、以下の
(数2)の式で算出される。なお、(数2)中の(蒸着
速度)とは、基板に蒸着したTiO2 薄膜の1秒間当た
りの膜厚の増加率(Å/秒)を示すものである。また、
(数2)中の(蒸着粒子の密度)は、透明基板に蒸着し
たTiO2 薄膜の密度(g/cm3 )を、さらに、(蒸着
粒子の分子量)は、透明基板に蒸着したTiO2 の分子
量を示すものであり、これは、各々3.84g/cm3、 79.8
8と一定となる数値である。
【0021】
【数2】
【0022】(数2)の式より、蒸着したTiO2 薄膜
の1秒間当たりの膜厚の増加率(Å/秒)を実測すれ
ば、透明基板に蒸着したTiO2 粒子の数が分かるとい
える。
の1秒間当たりの膜厚の増加率(Å/秒)を実測すれ
ば、透明基板に蒸着したTiO2 粒子の数が分かるとい
える。
【0023】次いで、(数1)中の(イオン数)は、透
明基板に到達するイオンの数を示すものであり、以下の
(数3)の式で算出される。
明基板に到達するイオンの数を示すものであり、以下の
(数3)の式で算出される。
【0024】
【数3】
【0025】上記(数3)中の、(イオン電流密度)と
は、単位面積( cm2)当たりに流れるイオン電流(μ
A)を示すものである。
は、単位面積( cm2)当たりに流れるイオン電流(μ
A)を示すものである。
【0026】すなわち、(イオン比率)は、イオンアシ
スト蒸着時の(蒸着速度)と(イオン電流密度)とを、
制御することで、変更することが可能といえる。
スト蒸着時の(蒸着速度)と(イオン電流密度)とを、
制御することで、変更することが可能といえる。
【0027】本発明者らは、透明基板に蒸着するTiO
2 粒子数に対する、透明基板に到達するイオン化ガス中
のイオン数の割合、すなわち、イオン比率を変え、実際
に基板にTiO2 の蒸着を行ったものである。また、イ
オン化ガスの酸素とアルゴンの割合、酸素とアルゴンの
イオン化に用いるイオン銃の出力、別途供給する酸素ガ
スのガス分圧、さらに、TiO2 の透明基板への蒸着速
度においても、種々の値にて、実際に基板にTiO2 の
蒸着を行ったものである。その結果、経験的、および以
下に記す実施例等より本発明にいたったものである。
2 粒子数に対する、透明基板に到達するイオン化ガス中
のイオン数の割合、すなわち、イオン比率を変え、実際
に基板にTiO2 の蒸着を行ったものである。また、イ
オン化ガスの酸素とアルゴンの割合、酸素とアルゴンの
イオン化に用いるイオン銃の出力、別途供給する酸素ガ
スのガス分圧、さらに、TiO2 の透明基板への蒸着速
度においても、種々の値にて、実際に基板にTiO2 の
蒸着を行ったものである。その結果、経験的、および以
下に記す実施例等より本発明にいたったものである。
【0028】すなわち、本発明に於いて上記課題を達成
するために、まず請求項1においては、電子ビーム加熱
方式により加熱蒸気化したTiO2 およびSiO2 を透
明基板上に交互に所定の回数、蒸着成膜し、少なくとも
TiO2 の蒸着成膜は、酸素とアルゴンよりなるイオン
化ガスと、前記イオン化ガスとは別途供給される酸素ガ
スとの雰囲気下にて、加熱した透明基板に行う、イオン
アシスト蒸着法を用いた光干渉フィルターの製造方法に
おいて、TiO2 の蒸着成膜の際、透明基板に蒸着する
TiO2 粒子数に対する、イオン化ガス中のイオン数の
割合を6〜8%とすることで、透明基板の温度を 130℃
以下としたことを特徴とする光干渉フィルターの製造方
法としたものである。
するために、まず請求項1においては、電子ビーム加熱
方式により加熱蒸気化したTiO2 およびSiO2 を透
明基板上に交互に所定の回数、蒸着成膜し、少なくとも
TiO2 の蒸着成膜は、酸素とアルゴンよりなるイオン
化ガスと、前記イオン化ガスとは別途供給される酸素ガ
スとの雰囲気下にて、加熱した透明基板に行う、イオン
アシスト蒸着法を用いた光干渉フィルターの製造方法に
おいて、TiO2 の蒸着成膜の際、透明基板に蒸着する
TiO2 粒子数に対する、イオン化ガス中のイオン数の
割合を6〜8%とすることで、透明基板の温度を 130℃
以下としたことを特徴とする光干渉フィルターの製造方
法としたものである。
【0029】また、請求項2においては、前記イオン化
ガス中の酸素とアルゴンの割合を1対9としたことを特
徴とする請求項1に記載の光干渉フィルターの製造方法
としたものであり、さらにまた、請求項3においては、
酸素とアルゴンのイオン化に用いるイオン銃の出力を 5
00±50eV、別途供給する酸素ガスのガス分圧を3×10
-2Paとし、さらに、TiO2 の透明基板への蒸着速度
を 2.0Å/秒以上 2.5Å/秒以下としたことを特徴とす
る請求項1または2に記載の光干渉フィルターの製造方
法としたものである。
ガス中の酸素とアルゴンの割合を1対9としたことを特
徴とする請求項1に記載の光干渉フィルターの製造方法
としたものであり、さらにまた、請求項3においては、
酸素とアルゴンのイオン化に用いるイオン銃の出力を 5
00±50eV、別途供給する酸素ガスのガス分圧を3×10
-2Paとし、さらに、TiO2 の透明基板への蒸着速度
を 2.0Å/秒以上 2.5Å/秒以下としたことを特徴とす
る請求項1または2に記載の光干渉フィルターの製造方
法としたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の光干渉フィルターの製造
方法の実施形態を、以下に記す(実施例)をもとに記
し、さらに説明を続ける。
方法の実施形態を、以下に記す(実施例)をもとに記
し、さらに説明を続ける。
【0031】(実施例1)前述した図1に示すイオンア
シスト蒸着装置1を用い、図7に示すようにTiO2 薄
膜3およびSiO2 薄膜4を交互に、 0.5mm厚のPET
基板2上に9層積層したシアン9層の光干渉フィルター
8の製造を行った。すなわち、高屈折率材料としてペレ
ット型のTiO2 を、また低屈折率材料として粒状のS
iO2 を用い、電子ビーム照射により各材料を加熱蒸気
化し、基板2上に交互に透明薄膜を蒸着したものであ
る。なお、この光干渉フィルター8は、各層の光学的膜
厚を透過光波長(λ)の1/4になるようにした、いわ
ゆるλ/4交互多層膜としたものである。
シスト蒸着装置1を用い、図7に示すようにTiO2 薄
膜3およびSiO2 薄膜4を交互に、 0.5mm厚のPET
基板2上に9層積層したシアン9層の光干渉フィルター
8の製造を行った。すなわち、高屈折率材料としてペレ
ット型のTiO2 を、また低屈折率材料として粒状のS
iO2 を用い、電子ビーム照射により各材料を加熱蒸気
化し、基板2上に交互に透明薄膜を蒸着したものであ
る。なお、この光干渉フィルター8は、各層の光学的膜
厚を透過光波長(λ)の1/4になるようにした、いわ
ゆるλ/4交互多層膜としたものである。
【0032】また、TiO2 およびSiO2 の蒸着時に
は、イオンアシスト蒸着を行ったものである。酸素とア
ルゴンの割合を1対9としたイオン化ガスを用い、カウ
フマン型イオン銃7(型式名「KIS−80D」)によ
り酸素とアルゴンのイオン化を行った。さらに、TiO
2 の蒸着時には、イオン化ガスとは別途に、ガス導入口
より酸素ガスを蒸着装置1内に供給したものである。
は、イオンアシスト蒸着を行ったものである。酸素とア
ルゴンの割合を1対9としたイオン化ガスを用い、カウ
フマン型イオン銃7(型式名「KIS−80D」)によ
り酸素とアルゴンのイオン化を行った。さらに、TiO
2 の蒸着時には、イオン化ガスとは別途に、ガス導入口
より酸素ガスを蒸着装置1内に供給したものである。
【0033】以下の(表1)に、この時の製造条件を記
す。
す。
【0034】
【表1】
【0035】なお、(表1)中の(バックフィルガス)
とは、TiO2 の蒸着時にガス導入口より供給する酸素
ガスの分圧を示しており、酸素ガスのガス流量を90SCCM
としている。また、この時の(イオン電流密度)は、実
測の結果、 8μA/cm2 であった。
とは、TiO2 の蒸着時にガス導入口より供給する酸素
ガスの分圧を示しており、酸素ガスのガス流量を90SCCM
としている。また、この時の(イオン電流密度)は、実
測の結果、 8μA/cm2 であった。
【0036】上述した(表1)の条件において、前述し
た(数1)より求まる(イオン比率)は、7.5%であ
った。これにより、TiO2 薄膜は、屈折率(n)=2.
3052、膜厚(d)= 84.42Å、光学的膜厚(n×d)=
194.60となった。また、得られた光干渉フィルターの分
光特性、すなわち分光透過率を図5に示すものであり、
実用上すぐれた分光特性といえる。
た(数1)より求まる(イオン比率)は、7.5%であ
った。これにより、TiO2 薄膜は、屈折率(n)=2.
3052、膜厚(d)= 84.42Å、光学的膜厚(n×d)=
194.60となった。また、得られた光干渉フィルターの分
光特性、すなわち分光透過率を図5に示すものであり、
実用上すぐれた分光特性といえる。
【0037】次いで、(実施例1)で得られた光干渉フ
ィルター8の耐湿性を調べるため、湿度98%、温度60℃
の雰囲気中に光干渉フィルター8を放置後、50%の透過
率となる光波長の変化を測定する耐湿試験を行った。そ
の結果、製造直後における光波長は 560.5nmであり、上
記雰囲気中に15日間放置後の光波長は 565.0nm、また、
上記雰囲気中に30日間放置後の光波長は 564.5nmという
結果を得たものである。この経時変化は実用上問題のな
い程度のものといえる。
ィルター8の耐湿性を調べるため、湿度98%、温度60℃
の雰囲気中に光干渉フィルター8を放置後、50%の透過
率となる光波長の変化を測定する耐湿試験を行った。そ
の結果、製造直後における光波長は 560.5nmであり、上
記雰囲気中に15日間放置後の光波長は 565.0nm、また、
上記雰囲気中に30日間放置後の光波長は 564.5nmという
結果を得たものである。この経時変化は実用上問題のな
い程度のものといえる。
【0038】(実施例2)TiO2 の(蒸着速度)を
2.5Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、光学的膜厚が透過光波長(λ)の1/4になるよう
にTiO2 薄膜を蒸着した。すなわち、(実施例2)に
おいては、(イオン比率)を、6.9%としたものであ
る。その結果、屈折率(n)=2.3167、膜厚(d)= 8
6.06Å、光学的膜厚(n×d)=199.37のTiO2 薄膜
を得た。
2.5Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、光学的膜厚が透過光波長(λ)の1/4になるよう
にTiO2 薄膜を蒸着した。すなわち、(実施例2)に
おいては、(イオン比率)を、6.9%としたものであ
る。その結果、屈折率(n)=2.3167、膜厚(d)= 8
6.06Å、光学的膜厚(n×d)=199.37のTiO2 薄膜
を得た。
【0039】(比較例1)TiO2 の(蒸着速度)を
0.9Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、光学的膜厚が透過光波長λの1/4になるようにT
iO2 薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例1)におい
ては、(イオン比率)を、19.2%としたものであ
る。その結果、屈折率(n)=2.2528、膜厚(d)= 6
3.11Å、光学的膜厚(n×d)=142.17の、TiO2 薄
膜を得た。
0.9Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、光学的膜厚が透過光波長λの1/4になるようにT
iO2 薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例1)におい
ては、(イオン比率)を、19.2%としたものであ
る。その結果、屈折率(n)=2.2528、膜厚(d)= 6
3.11Å、光学的膜厚(n×d)=142.17の、TiO2 薄
膜を得た。
【0040】(比較例2)TiO2 の(蒸着速度)を
1.5Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、膜厚が透過光波長λの1/4になるようにTiO2
薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例2)においては、
(イオン比率)を、11.5%としたものである。その
結果、屈折率(n)=2.2650、膜厚(d)= 90.08Å、
光学的膜厚(n×d)=204.03の、TiO2 薄膜を得
た。
1.5Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、膜厚が透過光波長λの1/4になるようにTiO2
薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例2)においては、
(イオン比率)を、11.5%としたものである。その
結果、屈折率(n)=2.2650、膜厚(d)= 90.08Å、
光学的膜厚(n×d)=204.03の、TiO2 薄膜を得
た。
【0041】(比較例3)TiO2 の(蒸着速度)を
1.8Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、膜厚が透過光波長λの1/4になるようにTiO2
薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例3)においては、
(イオン比率)を、9.6%としたものである。その結
果、屈折率(n)=2.2770、膜厚(d)= 87.18Å、光
学的膜厚(n×d)=198.50の、TiO 2 薄膜を得た。
1.8Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、膜厚が透過光波長λの1/4になるようにTiO2
薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例3)においては、
(イオン比率)を、9.6%としたものである。その結
果、屈折率(n)=2.2770、膜厚(d)= 87.18Å、光
学的膜厚(n×d)=198.50の、TiO 2 薄膜を得た。
【0042】(比較例4)TiO2 の(蒸着速度)を
2.0Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、膜厚が透過光波長λの1/4になるようにTiO2
薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例4)においては、
(イオン比率)を、8.8%としたものである。その結
果、屈折率(n)=2.2914、膜厚(d)= 85.13Å、光
学的膜厚(n×d)=195.07の、TiO 2 薄膜を得た。
2.0Å/秒とした以外は上述した(実施例1)と同一
の条件にて、基板温度23℃、 0.5mm厚のPET基板上
に、膜厚が透過光波長λの1/4になるようにTiO2
薄膜を蒸着した。すなわち、(比較例4)においては、
(イオン比率)を、8.8%としたものである。その結
果、屈折率(n)=2.2914、膜厚(d)= 85.13Å、光
学的膜厚(n×d)=195.07の、TiO 2 薄膜を得た。
【0043】上記(実施例1)、(実施例2)および、
(比較例1)〜(比較例4)により得られたTiO2 薄
膜、すなわち(イオン比率)を変えて得たTiO2 薄膜
の屈折率の変化を示すグラフ図が図2である。なお、図
2中、横軸はTiO2 薄膜を蒸着時の(イオン比率)
を、また、縦軸はTiO2 薄膜の屈折率(n)を示して
いる。
(比較例1)〜(比較例4)により得られたTiO2 薄
膜、すなわち(イオン比率)を変えて得たTiO2 薄膜
の屈折率の変化を示すグラフ図が図2である。なお、図
2中、横軸はTiO2 薄膜を蒸着時の(イオン比率)
を、また、縦軸はTiO2 薄膜の屈折率(n)を示して
いる。
【0044】図2に示されるように、酸素とアルゴンを
イオン化させるための電子銃7の出力(以下、イオンア
シスト出力と記す)を500eVとし、(イオン比率)
が6〜8%であった場合、TiO2 薄膜の屈折率(n)
は 2.3以上が得られ、光干渉フィルターを得るにあたり
好ましい高屈折率が得られるといえる。
イオン化させるための電子銃7の出力(以下、イオンア
シスト出力と記す)を500eVとし、(イオン比率)
が6〜8%であった場合、TiO2 薄膜の屈折率(n)
は 2.3以上が得られ、光干渉フィルターを得るにあたり
好ましい高屈折率が得られるといえる。
【0045】なお参考のために、イオンアシスト出力を
300eV、および750eVとし、イオン比率を変え
て得られたTiO2 薄膜の、イオン比率と屈折率の関係
を示すグラフを図2中に合わせて記している。図2で分
かるように、イオンアシスト出力750eVでは、屈折
率が 2.3未満と低く、好ましい高屈折率が得られていな
い。なお、屈折率が低い場合、所望する分光特性を得る
ためには透明薄膜の積層数を増やさねばならず、コス
ト、製造時間が余分に掛かるため、望ましいとはいえな
い。
300eV、および750eVとし、イオン比率を変え
て得られたTiO2 薄膜の、イオン比率と屈折率の関係
を示すグラフを図2中に合わせて記している。図2で分
かるように、イオンアシスト出力750eVでは、屈折
率が 2.3未満と低く、好ましい高屈折率が得られていな
い。なお、屈折率が低い場合、所望する分光特性を得る
ためには透明薄膜の積層数を増やさねばならず、コス
ト、製造時間が余分に掛かるため、望ましいとはいえな
い。
【0046】また、イオンアシスト出力300eVで
は、イオン比率を高めた場合に高屈折率が得られている
が、イオンアシスト出力300eVだと、蒸着速度の許
容範囲が小さく、蒸着速度の制御が困難といえ、光干渉
フィルターの製造上好ましい出力値とはいえない。
は、イオン比率を高めた場合に高屈折率が得られている
が、イオンアシスト出力300eVだと、蒸着速度の許
容範囲が小さく、蒸着速度の制御が困難といえ、光干渉
フィルターの製造上好ましい出力値とはいえない。
【0047】次いで、TiO2 薄膜の耐湿性試験とし
て、(実施例1)、(実施例2)および、(比較例1)
〜(比較例4)で得られたTiO2 薄膜を、湿度98%、
温度60℃の雰囲気中に30日間放置した。しかる後、各T
iO2 薄膜の屈折率(n’)、膜厚(d’)を測定し、
光学的膜厚(n’×d’)を得た。
て、(実施例1)、(実施例2)および、(比較例1)
〜(比較例4)で得られたTiO2 薄膜を、湿度98%、
温度60℃の雰囲気中に30日間放置した。しかる後、各T
iO2 薄膜の屈折率(n’)、膜厚(d’)を測定し、
光学的膜厚(n’×d’)を得た。
【0048】耐湿性試験の前後における光学的膜厚の変
化量(%)を図3に記す。なお、図3中、横軸はTiO
2 を蒸着時の(イオン比率)を、また、縦軸は、光学的
膜厚の変化量(%)を示しておいる。なお、光学的膜厚
の変化量(%)とは、以下の(数4)の式で求めたもの
である。
化量(%)を図3に記す。なお、図3中、横軸はTiO
2 を蒸着時の(イオン比率)を、また、縦軸は、光学的
膜厚の変化量(%)を示しておいる。なお、光学的膜厚
の変化量(%)とは、以下の(数4)の式で求めたもの
である。
【0049】
【数4】
【0050】また、上述した耐湿性試験の前後における
屈折率、膜厚、および光学的膜厚の変化量と蒸着速度と
の関係を示した図が図4であり、横軸を蒸着速度(Å/
秒)、縦軸を変化量(%)としている。なお、屈折率と
膜厚の変化量は、上述した(数4)と同様に、以下の
(数5)および(数6)にて求めたものである。
屈折率、膜厚、および光学的膜厚の変化量と蒸着速度と
の関係を示した図が図4であり、横軸を蒸着速度(Å/
秒)、縦軸を変化量(%)としている。なお、屈折率と
膜厚の変化量は、上述した(数4)と同様に、以下の
(数5)および(数6)にて求めたものである。
【0051】
【数5】
【0052】
【数6】
【0053】図3、および図4に示すように、(イオン
比率)が6〜8%、(蒸着速度)が2.0Å/秒〜 2.5Å
/秒であった場合、光学的膜厚の変化量は、± 0.8%内
に納まっており、実用上この程度の変化量は問題のない
範囲といえる。
比率)が6〜8%、(蒸着速度)が2.0Å/秒〜 2.5Å
/秒であった場合、光学的膜厚の変化量は、± 0.8%内
に納まっており、実用上この程度の変化量は問題のない
範囲といえる。
【0054】なお参考のために、イオンアシスト出力を
300eV、および750eVとし、イオン比率を変え
て得られたTiO2 薄膜に、同様の耐湿性試験を行った
後の光学的膜厚の変化量を図3中に合わせて記してい
る。図3で分かるように、イオンアシスト出力750e
Vでは、変化量が小さく比較的安定しているといえる
が、前述した図2で記したように、イオンアシスト出力
750eVは屈折率が低くくなり、望ましいイオンアシ
スト出力とはいえない。
300eV、および750eVとし、イオン比率を変え
て得られたTiO2 薄膜に、同様の耐湿性試験を行った
後の光学的膜厚の変化量を図3中に合わせて記してい
る。図3で分かるように、イオンアシスト出力750e
Vでは、変化量が小さく比較的安定しているといえる
が、前述した図2で記したように、イオンアシスト出力
750eVは屈折率が低くくなり、望ましいイオンアシ
スト出力とはいえない。
【0055】また、イオンアシスト出力300eVで
は、光学的膜厚の変化量が± 0.8%内に納まる範囲があ
るが、上述したように、イオンアシスト出力300eV
だと、蒸着速度の制御が困難といえ、好ましい出力値と
はいえない。
は、光学的膜厚の変化量が± 0.8%内に納まる範囲があ
るが、上述したように、イオンアシスト出力300eV
だと、蒸着速度の制御が困難といえ、好ましい出力値と
はいえない。
【0056】なお、本発明の実施の形態は、上述した説
明および図面に限定されるものではなく、本発明の趣旨
に基づき、種々の変形が可能なことはいうまでもない。
明および図面に限定されるものではなく、本発明の趣旨
に基づき、種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0057】例えば、上述した実施例では、基板2をP
ET基板としているが、他の耐熱性に劣る素材であって
も、また従来通りガラス基板であってもよいといえる。
さらに、基板に耐熱性があれば、蒸着後にアニール処理
を行っても構わない。
ET基板としているが、他の耐熱性に劣る素材であって
も、また従来通りガラス基板であってもよいといえる。
さらに、基板に耐熱性があれば、蒸着後にアニール処理
を行っても構わない。
【0058】
【発明の効果】本発明の光干渉フィルターの製造方法に
よれば、基板を高温度とすることなく、蒸着材料の基板
への蒸着成膜が可能となるものである。しかも、得られ
た光干渉フィルターは、光特性に優れ、また、密着性、
耐湿性等の耐久性の良好なものが得られる。
よれば、基板を高温度とすることなく、蒸着材料の基板
への蒸着成膜が可能となるものである。しかも、得られ
た光干渉フィルターは、光特性に優れ、また、密着性、
耐湿性等の耐久性の良好なものが得られる。
【0059】これにより、基板素材の選択範囲が広ま
り、例えばプラスチック材等の耐熱性の無いものであっ
ても光干渉フィルターとすることが出来といえる。
り、例えばプラスチック材等の耐熱性の無いものであっ
ても光干渉フィルターとすることが出来といえる。
【0060】すなわち、例えばプラスチック材を基板素
材とすれば、軽量かつ、加工性に優れた光干渉フィルタ
ーを得ることが出来といえ、本発明は実用上優れている
といえる。
材とすれば、軽量かつ、加工性に優れた光干渉フィルタ
ーを得ることが出来といえ、本発明は実用上優れている
といえる。
【0061】
【図1】イオンアシスト蒸着装置の一例を示す説明図。
【図2】イオン比率を変化させた場合における、TiO
2 薄膜の屈折率の変化例を示すグラフ図。
2 薄膜の屈折率の変化例を示すグラフ図。
【図3】イオン比率を変化させて得たTiO2 薄膜の、
耐湿性試験前後の光学的膜厚の変化例を示すグラフ図。
耐湿性試験前後の光学的膜厚の変化例を示すグラフ図。
【図4】蒸着速度を変化させた場合における、耐湿性試
験前後のTiO2 薄膜の屈折率、膜厚および光学的膜厚
の変化例を示すグラフ図。
験前後のTiO2 薄膜の屈折率、膜厚および光学的膜厚
の変化例を示すグラフ図。
【図5】本発明で得られた光干渉フィルターの分光特性
の一例を示すグラフ図。
の一例を示すグラフ図。
【図6】TiO2 が蒸着する際の基板温度と、蒸着した
TiO2 の屈折率との関係の一例を示すグラフ図。
TiO2 の屈折率との関係の一例を示すグラフ図。
【図7】本発明で得られた光干渉フィルターの一例を示
す説明図。
す説明図。
1 蒸着装置 2 基板 3 TiO2 薄膜 4 SiO2 薄膜 5 シャッター 6 電子ビーム 7 イオン銃 8 光干渉フィルター
Claims (3)
- 【請求項1】電子ビーム加熱方式により加熱蒸気化した
TiO2 およびSiO2 を透明基板上に交互に所定の回
数、蒸着成膜し、少なくともTiO2 の蒸着成膜は、酸
素とアルゴンよりなるイオン化ガスと、前記イオン化ガ
スとは別途供給される酸素ガスとの雰囲気下にて、加熱
した透明基板に行う、イオンアシスト蒸着法を用いた光
干渉フィルターの製造方法において、TiO2 の蒸着成
膜の際、透明基板に蒸着するTiO2 粒子数に対する、
イオン化ガス中のイオン数の割合を6〜8%とすること
で、透明基板の温度を 130℃以下としたことを特徴とす
る光干渉フィルターの製造方法。 - 【請求項2】前記イオン化ガス中の酸素とアルゴンの割
合を1対9としたことを特徴とする請求項1に記載の光
干渉フィルターの製造方法。 - 【請求項3】酸素とアルゴンのイオン化に用いるイオン
銃の出力を 500±50eV、別途供給する酸素ガスのガス
分圧を3×10-2Paとし、さらに、TiO2 の透明基板
への蒸着速度を 2.0Å/秒以上 2.5Å/秒以下としたこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の光干渉フィル
ターの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34503896A JPH10186130A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 光干渉フィルターの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34503896A JPH10186130A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 光干渉フィルターの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10186130A true JPH10186130A (ja) | 1998-07-14 |
Family
ID=18373873
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34503896A Pending JPH10186130A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 光干渉フィルターの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10186130A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001061065A1 (en) * | 2000-02-15 | 2001-08-23 | Korea Institute Of Science And Technology | Method of depositing an io or ito thin film on polymer substrate |
| JP2007063574A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Showa Shinku:Kk | 多層膜の成膜方法および成膜装置 |
| JP2012170313A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-09-06 | Mitsubishi Electric Corp | Pwmインバータ駆動永久磁石式同期モータおよび換気送風機の制御方法 |
| CN102899632A (zh) * | 2012-03-05 | 2013-01-30 | 光驰科技(上海)有限公司 | 镀膜方法及其镀膜装置 |
| JP2018036325A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 東海光学株式会社 | Ndフィルタ及びその製造方法 |
| CN116479397A (zh) * | 2023-04-17 | 2023-07-25 | 信利光电股份有限公司 | 一种镀膜缺陷去除工艺及红外截止滤光片 |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP34503896A patent/JPH10186130A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001061065A1 (en) * | 2000-02-15 | 2001-08-23 | Korea Institute Of Science And Technology | Method of depositing an io or ito thin film on polymer substrate |
| US6787441B1 (en) | 2000-02-15 | 2004-09-07 | Korea Institute Of Science And Technology | Method for pretreating a polymer substrate using an ion beam for subsequent deposition of indium oxide or indium tin oxide |
| JP2007063574A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Showa Shinku:Kk | 多層膜の成膜方法および成膜装置 |
| JP2012170313A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-09-06 | Mitsubishi Electric Corp | Pwmインバータ駆動永久磁石式同期モータおよび換気送風機の制御方法 |
| CN102899632A (zh) * | 2012-03-05 | 2013-01-30 | 光驰科技(上海)有限公司 | 镀膜方法及其镀膜装置 |
| JP2018036325A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 東海光学株式会社 | Ndフィルタ及びその製造方法 |
| CN116479397A (zh) * | 2023-04-17 | 2023-07-25 | 信利光电股份有限公司 | 一种镀膜缺陷去除工艺及红外截止滤光片 |
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