JP2000345376A - 石油精製装置用洗浄剤組成物 - Google Patents

石油精製装置用洗浄剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石油系溶剤とともに用いることにより十分な
洗浄効果を発現することができ、洗浄効率を格段に向上
して石油精製装置内の洗浄時間を大幅に短縮することを
可能にする洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の石油精製装置用洗浄剤組成物
は、石油精製装置の内部を石油系溶剤により非水系で洗
浄する際に、石油系溶剤に混合して用いられるものであ
って、軽油に対する温度25℃における溶解度が10以
上である界面活性剤を含有しており、更にテルペン系化
合物を含有すると好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油精製装置用洗
浄剤組成物に関し、詳しくは、石油精製装置の内部を石
油系溶剤により非水系で洗浄する際に、該石油系溶剤に
混合して用いられる石油精製装置用洗浄剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】石油精製装置の運転に伴い、該装置を構
成する熱交換器、配管、加熱炉、脱塩装置等(以下、ま
とめて「石油精製装置」という)の内部には、石油の一
部が熱によって高分子化して生じる重質油分や、装置内
壁の金属の劣化によって生じるスラッジ等の汚れ成分
(以下、まとめて「汚れ成分」という)が付着する。こ
のような汚れ成分が石油精製装置内に蓄積すると、石油
精製効率が低下するおそれがあり、これを防止するため
に、石油精製装置の内部は定期的に洗浄される。このと
きの洗浄方法としては、一般に、ジェット水による水洗
浄が広く用いられてきたが、洗浄時間を短縮するための
方法として、近年、界面活性剤水溶液や石油系溶剤を石
油精製装置内に循環させて洗浄する方法が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の界面活
性剤水溶液を用いる方法では、洗浄によって大量に発生
する廃水の処理に膨大な手間とコストが掛かる割に、そ
の洗浄効果は十分なものではなかった。一方、上記の石
油系溶剤を用いる方法では、沈着して塊状になった汚れ
成分に対して、該石油系溶剤が十分に浸透しないことか
ら、必ずしも十分な洗浄効果が得られなかった。よっ
て、いずれの方法によっても、十分満足できる洗浄効率
の向上及び洗浄時間の短縮を達成することができなかっ
た。
【0004】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
てなされたものであり、石油系溶剤とともに用いること
により十分な洗浄効果を発現することができ、洗浄効率
を格段に向上して石油精製装置内の洗浄時間を大幅に短
縮することを可能にする石油精製装置用洗浄剤組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、洗浄に用い
る石油系溶剤中に特定の界面活性剤を混合することによ
り、石油系溶剤への重質油分やスラッジの溶解性が向上
されることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本
発明の石油精製装置用洗浄剤組成物は、石油精製装置の
内部を石油系溶剤により非水系で洗浄する際に、該石油
系溶剤に混合して用いられるものであって、軽油に対す
る温度25℃における溶解度が10以上である界面活性
剤を含有することを特徴とする。
【0006】このような本発明の石油精製装置用洗浄剤
組成物(以下、「洗浄剤組成物」という)においては、
界面活性剤の界面活性能により、この界面活性剤が含ま
れる石油系溶剤が汚れ成分に対して速やかに浸透し、汚
れ成分中の重質油分の石油系溶剤への溶解が助長され、
かつ、汚れ成分中の固化したスラッジが石油系溶剤へ良
好に分散される。したがって、石油系溶剤の十分な洗浄
効果が奏され、洗浄効率を向上することができる。ま
た、上記界面活性剤は、石油系溶剤への溶解性に極めて
優れているので、石油系溶剤と非常によく混合されて良
好な界面活性作用が奏される。したがって、洗浄効率を
一段と高めることが可能となる。
【0007】また、本発明の洗浄剤組成物は、テルペン
系化合物を更に含有して成ると好適である。テルペン系
化合物は、汚れ成分中の重質油分の溶解性に極めて優れ
た化合物であるとともに、上記界面活性剤との相溶性に
も優れている。よって、洗浄剤組成物自体に汚れ成分が
十分に溶解されるとともに、界面活性剤の界面活性能が
十分に発揮されるので、洗浄効率が更に向上される。ま
た、テルペン系化合物が界面活性剤との相溶性に優れる
ので、界面活性剤の粘性が大きいときには、テルペン系
化合物と混合することにより、洗浄剤組成物の粘性を小
さくすることができる。その結果、石油精製装置内への
洗浄剤組成物の注入が極めて容易となる。
【0008】さらに、洗浄剤組成物中の界面活性剤の含
有割合が5〜80重量%であり、該洗浄剤組成物中のテ
ルペン系化合物の含有割合が20〜95重量%である
と、すなわち、界面活性剤とテルペン系化合物との混合
比が重量比で5:95〜80:20であるとより好適で
ある。界面活性剤とテルペン系化合物との混合比がこの
ような範囲内にあると、石油系溶剤を一層速やかに汚れ
成分へ浸透させることができ、また、テルペン系化合物
の含有量が相対的に減少して洗浄剤組成物自体の溶媒能
が低下してしまうことを防止できる。
【0009】またさらに、石油系溶剤に上述の洗浄剤組
成物を0.5〜20重量%溶解せしめて成るものである
と一層好ましい。洗浄剤組成物の含有量(使用量)をこ
のような範囲に維持すると、汚れ成分中の重質油分の石
油系溶剤への溶解を確実に助長することができ、かつ、
汚れ成分中のスラッジの石油系溶剤への分散を確実に促
進することが可能となる。また、洗浄効率の飽和を防止
でき、コストに見合う以上の洗浄効果を得ることができ
る。
【0010】なお、本発明において、界面活性剤の溶解
度を規定するための溶媒としての「軽油」とは、JIS
K 2204で規定される「1号軽油」である。ま
た、本発明における界面活性剤の軽油に対する「溶解
度」とは、界面活性剤が軽油100gに対して透明に溶
解する限度をグラム数で表した数値である。さらに、本
発明における「軽質油」とは、石油留分のうち、いわゆ
る重質留分(A〜C重油、残油)以外の軽質留分及び中
質留分、例えば、灯油、軽油、LCO( Light Cycle O
il)等であり、沸点が100〜330℃の石油留分を表
すものである。またさらに、「非水系」とは、洗浄の際
に、意図的に水を加えないことを意味し、石油精製装置
内に蓄積した汚れ成分中に水分が存在するか否かは問わ
ない。また、洗浄剤組成物中に若干の水分が含まれるこ
とにより、石油系溶剤に若干の水分が混入されても、も
ちろん構わない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。本発明の洗浄剤組成物は、軽油に対す
る温度25℃における溶解度が10以上である界面活性
剤を含有しており、石油精製装置の内部を石油系溶剤に
より非水系で洗浄する際に、該石油系溶剤に混合して用
いられる。この石油系溶剤としては、汚れ成分を溶解又
は分散しうる石油系の溶媒であればよく、例えば、軽質
油を好ましく用いることができる。また、界面活性剤の
上記の溶解度が10未満であると、上記石油系溶剤、特
に、軽質油と十分に相溶し難くなる傾向にある。この場
合には、汚れ成分の軽質油への溶解、又は汚れ成分中の
固化したスラッジ等の軽質油への分散が良好に行われな
い傾向にある。
【0012】上記界面活性剤としては、例えば、石油ス
ルホネート、レシチン、ソルビタンエステル類、脂肪酸
エステル類、アルキルエーテル系非イオン、アルキルア
リールエーテル系非イオン等が挙げられ、これらに属す
る化合物又は成分を、単独で又は2種以上混合して用い
ることができる。石油スルホネートは、石油留分の硫酸
精製の際に副生する炭化水素のスルホン酸混合物等であ
り、例えば、スルホール400、同430、同465、
同500(松村石油(株)製;登録商標)が市販されて
いる。また、レシチンとしては、例えば、大豆レシチ
ン、卵レシチン等が挙げられ、市場での供給安定性及び
経済性の観点からは、大豆レシチンが好ましい。しか
も、大豆レシチンは、固着した汚れ成分への浸透性とス
ラッジの分散性に優れており、洗浄性能向上の観点から
特に有利である。
【0013】さらに、ソルビタンエステル類としては、
例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオ
レート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリ
ラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタントリ
ステアレート等が挙げられる。これらのなかでは、ソル
ビタンモノオレート及びソルビタントリオレートが好ま
しく用いられる。これらは、その取扱が平易であるとと
もに、固着した汚れ成分への浸透性とスラッジの分散性
に優れているので、洗浄性能向上の観点から好ましい。
【0014】また、上記のソルビタンエステルに炭素数
2〜4を有するアルキレンオキサイドを付加した化合物
もソルビタンエステル類として挙げられ、アルキレンオ
キサイドの付加量としては、1〜3モルであることが好
ましい。この付加量が3モルを超えると、石油系溶剤へ
の溶解性が低下する傾向にある。これらのソルビタンエ
ステル類の中では、特に、エチレンオキサイドを1〜2
モル付加したソルビタンエステルが、金属劣化で生じた
スラッジ分の分散性向上に極めて有効であることから、
特に好ましく用いられる。これは、エチレンオキサイド
の適量が付加されることにより、ソルビタンエステル類
が有する若干の親水性が僅かに程よく高められ、スラッ
ジ中の金属イオン又は金属化合物と石油系溶剤の相溶性
が向上されることによると考えられる。
【0015】また、脂肪酸エステル類としては、グリセ
リンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グ
リセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、
グリセリンジラウレート、グリセリンジオレート、グリ
セリントリオレート等、又は、ヒマシ油、ヤシ油、大豆
油、菜種油等の植物油等が挙げられる。これらのなかで
は、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、
グリセリントリオレート、ヒマシ油が好ましく用いられ
る。これらは、その取扱が平易であるとともに、固着し
た汚れ成分への浸透性とスラッジの分散性に優れてお
り、洗浄性能向上の観点から好ましい。
【0016】さらに、ソルビタンエステル類と同様に、
上記の脂肪酸エステルに炭素数2〜4を有するアルキレ
ンオキサイドを付加した化合物も脂肪酸ンエステル類と
して挙げられ、アルキレンオキサイドの付加量として
は、1〜3モルであることが好ましい。この付加量が3
モルを超えると、石油系溶剤への溶解性が低下する傾向
にある。これらの脂肪酸エステル類の中では、特に、エ
チレンオキサイドを1〜2モル付加した脂肪酸エステル
が、金属劣化で生じたスラッジ分の分散性向上に極めて
有効であることから、特に好ましく用いられる。これ
は、上述したソルビタンエステル類の場合と同様に、脂
肪酸エステル類が有する若干の親水性が僅かに程よく高
められ、スラッジ中の金属イオン又は金属化合物と石油
系溶剤の相溶性が向上されることによると考えられる。
【0017】また、アルキルエーテル系非イオンとして
は、炭素数10〜18のアルコールに、炭素数2〜4の
アルキレンオキサイドを1〜5モル付加した化合物が挙
げられ、アルキルアリールエーテル系非イオンとして
は、オクチルフェノールやノニルフェノールに炭素数2
〜4のアルキレンオキサイドを1〜5モル付加した化合
物が挙げられる。
【0018】そして、上記の界面活性剤のうち、ソルビ
タンエステル類、脂肪酸エステル類、アルキルエーテル
系非イオン、アルキルアリールエーテル系非イオンとし
ては、親水性油性バランス値(以下、「HLB値」とい
う)が、好ましくは1〜10であるものが好適である。
界面活性剤のHLB値が上記の下限値未満の場合には、
汚れ成分中の親水性成分(スラッジ中の金属、金属化合
物等)との親和性が十分ではなくなる傾向にあり、この
HLB値が上記の上限値を超えると、石油系溶剤及び後
述するテルペン系化合物への溶解が不十分となる傾向に
ある。なお、ここにいうHLB値とは、グリフィンのH
LBの値をいう(以下同様)。
【0019】また、本発明の洗浄剤組成物は、上記界面
活性剤に加えて、重質油分を溶解することが可能な化合
物を更に含有していると好ましく、このような化合物と
しては、界面活性剤との相溶性の観点から、テルペン系
化合物が特に好ましい。このテルペン系化合物として
は、例えば、モノテルペン化合物、セスキテルペン化合
物、ジテルペン化合物、トリテルペン化合物等が挙げら
れ、これらの内では、モノテルペン化合物が好ましい。
モノテルペン化合物としては、例えば、d−リモネン、
水添リモネン、β−ピネン、ミルセン、テレピネン、カ
ンフェン、トリシクレン、ターピノーレン等のテルペン
炭化水素、リナロール、ミルセノール、メントール、ゲ
ラニオール、ターピネオール、ボルネオール、水添ター
ピネオール等のテルペンアルコールが挙げられ、これら
のテルペン系化合物のうち1種を単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これ
らのなかでは、石油系溶剤の溶解力を向上するのに極め
て優れているd−リモネンが好ましい。また、石油系溶
剤として高沸点のものを使用して高温洗浄を行うと、汚
れ成分の粘性が低下し、固着した汚れ成分が剥離されや
すくなるとともに、石油系溶剤への汚れ成分の溶解や分
散が促進される。このときに用いられる界面活性剤及び
テルペン系化合物は、沸点が150℃以上であるものが
望ましい。
【0020】さらに、洗浄剤組成物中の上記界面活性剤
の含有割合は5〜80重量%であり、同テルペン系化合
物の含有割合は20〜95重量%であると一層好まし
い。すなわち、界面活性剤とテルペン系化合物との混合
比は、重量比で5:95〜80:20であると一層好ま
しい。この混合比が5:95未満となると、界面活性剤
の不足によって石油系溶剤が汚れ成分に速やかに浸透し
難くなる傾向にあり、一方、この混合比が80:20を
超えると、界面活性は高められるものの、テルペン系化
合物量が相対的に減少し洗浄剤組成物自体の溶媒能が低
下し、結果として洗浄効果が飽和する傾向にある。また
さらに、本発明の洗浄剤組成物は、軽質油に上述の洗浄
剤組成物を0.5〜20重量%溶解せしめて成るもので
あると更に一層好ましい。この洗浄剤組成物の使用量が
0.5重量%未満であると、石油系溶剤を汚れ成分へ十
分に浸透させ難くなり、かつ、汚れ成分の石油系溶剤へ
の溶解性及び分散性が十分に高められない傾向にある。
一方、この使用量が20重量%を超えると、洗浄効率は
多少高められるものの、ほぼ飽和する傾向となり、コス
トに見合う以上の洗浄効果が得られない。
【0021】また、本発明の洗浄剤組成物を用いて石油
精製装置を洗浄する手順としては、例えば、次のような
手順が挙げられる。まず、石油系溶剤を混合槽に収容
し、この混合槽に本発明の洗浄剤組成物を所定の濃度範
囲となるように添加する。そして、これらをよく混合
し、石油系溶剤に洗浄剤組成物を溶解させ、更に加熱し
た後、この石油系溶剤を洗浄対象の石油精製装置内に注
入し、ポンプ等によって石油系溶剤を石油精製装置内で
循環させる。また、他の手順としては、加熱した石油系
溶剤を先に石油精製装置内に所定量注入して循環させた
状態で、所定の濃度範囲となる量の本発明の洗浄剤組成
物を、石油精製装置内に追加注入してもよい。
【0022】このような本発明の洗浄剤組成物によれ
ば、界面活性剤の界面活性能により、石油系溶剤が汚れ
成分に対して速やかに浸透し、汚れ成分中の重質油分の
石油系溶剤への溶解が助長され、かつ、汚れ成分中のス
ラッジが石油系溶剤へ良好に分散されるので、石油系溶
剤の十分な洗浄効果が奏され、洗浄効率を向上すること
ができる。その結果、洗浄時間を従来に比して短縮する
ことができる。また、上記界面活性剤が灯油等の軽質油
に対する溶解性に極めて優れており、石油系溶剤と非常
によく混合されて良好な界面活性作用が奏されるので、
洗浄効率を一段と高めることが可能となる。したがっ
て、洗浄時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0023】また、洗浄剤組成物がテルペン系化合物を
更に含有する場合には、テルペン系化合物が汚れ成分中
の重質油分等の溶解性に極めて優れており、かつ、界面
活性剤との相溶性にも優れることから、洗浄剤組成物自
体に汚れ成分が十分に溶解されるとともに、界面活性剤
の界面活性能を十分に発揮させることができる。したが
って、洗浄効率を一層向上させることができ、洗浄時間
を飛躍的に短縮することが可能となる。さらに、テルペ
ン系化合物が界面活性剤との相溶性に優れるので、界面
活性剤の粘性が大きいときには、テルペン系化合物と混
合することにより、洗浄剤組成物の粘性を小さくするこ
とができる。その結果、石油精製装置内への洗浄剤組成
物の注入が極めて容易となり、洗浄時の作業性を向上さ
せることができる。またさらに、界面活性剤及びテルペ
ン系化合物として沸点150℃以上のものを用いると、
石油系溶剤として高沸点のものを使用して高温洗浄を行
うことが可能となる。このようにすれば、汚れ成分の粘
性を低下させることができ、固着した汚れ成分が剥離さ
れやすくなるとともに、石油系溶剤への汚れ成分の溶解
や分散が促進される。したがって、洗浄効率を更に一層
向上させることが可能となる。
【0024】またさらに、当該洗浄剤組成物中の界面活
性剤とテルペン系化合物との混合比が重量比で5:95
〜80:20となっており、石油系溶剤を一層速やかに
汚れ成分へ浸透させることができ、また、テルペン系化
合物量が相対的に減少して洗浄剤組成物自体の溶媒能が
低下してしまうことを防止できる。その結果、洗浄剤組
成物の汚れ成分に対する溶解能と界面活性剤の界面活性
能とを十分に発現させることができるので、洗浄効率を
更に一層向上させることができる。さらにまた、石油系
溶剤中に洗浄剤組成物を0.5〜20重量%溶解せしめ
て成る場合には、汚れ成分中の重質油分の石油系溶剤へ
の溶解を確実に助長することができ、かつ、汚れ成分中
のスラッジの石油系溶剤への分散を確実に促進すること
が可能となるので、十分な洗浄効率を確実に達成するこ
とができる。また、洗浄効率の飽和を防止できるので、
コストに見合う以上の洗浄効果を得ることが可能とな
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0026】〈テストピースの作製〉実際に洗浄対象と
なる石油精製装置内に付着した汚れ成分が多様であるこ
とを想定し、以下のようにして、アスファルト(汚れ成
分)の付着量が異なるテストピースを作製した。まず、
冷間圧延鋼板(50mm×25mm×厚さ1.6mm)にアス
ファルトを0.1g塗布したものを複数用意した。これ
らを350℃のホットプレート上に置き、1分間、5分
間及び10分間焼き付けを行い、3種のテストピースを
得た(焼き付け時間が長くなるほどアスファルト分が固
化して洗浄が困難になると考えられる。)。以下、焼き
付け時間が1分、5分及び10分のものを、それぞれ、
テストピース、及びとする。また、アスファルト
を塗布する前、及び、アスファルトを塗布して焼き付け
た後のテストピースの乾燥重量を測定し、両者の差をと
ることにより、テストピースに付着したアスファルトの
重量W1を測定した。
【0027】〈洗浄試験〉金属製ポット(容量120c
c)に、洗浄剤組成物を添加した軽油若しくは同灯油、
又は軽油のみ(それぞれ100cc)と、テストピース1
枚を入れて密閉した後、この金属製ポットを130℃の
恒温槽に入れた。次いで、この金属製ポットを横回転さ
せて金属製ポット内に液流を発生させた状態で、恒温槽
内に1〜3時間保持した後、金属製ポットを恒温槽から
外してテストピースを取り出した。テストピースに付着
した余分な油分を拭き取った後、180℃の乾燥機で1
時間乾燥させ、冷却した後、このテストピースの重量を
測定した。この重量と、上記〈テストピースの作製〉で
測定したアスファルトを塗布する前のテストピースの乾
燥重量との差から、洗浄後にテストピースに残留したア
スファルトの重量W2を算出した。そして、以下の関係
式(1)により洗浄率を算出した。
【0028】 洗浄率(%)=100−(W2/W1)×100 (1)
【0029】〈実施例1〜10〉下記表1に示す界面活
性剤(詳細を表2に示す)とテルペン系化合物とを、表
1中の配合比によって混合し、実施例1〜10の洗浄剤
組成物を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】〈洗浄試験結果〉上記実施例1〜10で得
た洗浄剤組成物を、石油系溶剤としての軽油又は灯油に
対して、表3に示す濃度となるように添加して溶解し、
得られた洗浄剤組成物溶液を用いて上記テストピースを
洗浄した。得られた結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3において、洗浄例1〜15は、実施例
1〜10の洗浄剤組成物を使用してテストピースを洗浄
した結果であり、比較洗浄例1及び2は石油系溶剤を単
独で使用してテストピースを洗浄した結果である。
【0035】まず、テストピースを使用した比較洗浄
例1と洗浄例9及び10とを対比すると、比較洗浄例1
における洗浄率が47%であったのに対し、洗浄例9及
び10における洗浄率はそれぞれ60%及び62%であ
り、洗浄率の有意な向上が認められた。この結果より、
大豆レシチン(界面活性剤)のみから成る洗浄剤組成物
が混合された軽油(石油系溶剤)を用いると、従来の軽
油のみで洗浄した場合に比して、洗浄性能が明らかに向
上されることが確認された。また、テルペン系化合物を
含む洗浄例1〜8おける洗浄率は、64%〜73%と更
に高い数値を示した。この結果より、界面活性剤及びテ
ルペン系化合物を含有する洗浄剤組成物が混合された軽
油(石油系溶剤)を用いると、従来の軽油のみを用いた
場合に比して、洗浄効果が一段と向上されることが確認
された。
【0036】次に、テストピースを使用した洗浄例1
1及び12と同比較洗浄例2とを対比すると、比較洗浄
例2における洗浄率が34%であったのに対して、洗浄
例11及び12における洗浄率はそれぞれ52%及び5
0%であった。この結果より、本発明の洗浄剤組成物が
混合された軽油(石油系溶剤)は、極めて固着の度合い
が強いアスファルト(汚れ成分)に対しても、良好な洗
浄効果を奏することが確認された。また、テストピース
を使用した洗浄例13〜15における洗浄率は99%
〜100%であった。この結果より、本発明の洗浄剤組
成物が混合された灯油(石油系溶剤)は、固着の程度が
弱いアスファルト(汚れ成分)をほぼ完全に除去できる
ことが確認された。
【0037】これらの試験結果より、本発明の洗浄剤組
成物を石油系溶剤とともに用いると、汚れ成分の固着の
程度に左右されることなく、すなわち、多様な付着形態
の汚れ成分に対して、十分な洗浄効果が得られることが
理解される。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の石油精製
装置用洗浄剤組成物によれば、石油系溶剤とともに用い
ることにより十分な洗浄効果を発現でき、洗浄効率を格
段に向上して石油精製装置内の洗浄時間を大幅に短縮す
ることが可能になる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H003 AB13 AB25 AC03 DA12 DC03 EB43 ED03 ED04 FA04 FA48 4K053 PA02 PA18 QA04 RA08 RA31 RA40 RA41 RA48 RA55 RA64 SA03 TA03 TA13 TA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油精製装置の内部を石油系溶剤により
    非水系で洗浄する際に、該石油系溶剤に混合して用いら
    れる洗浄剤組成物であって、 軽油に対する温度25℃における溶解度が10以上であ
    る界面活性剤を含有することを特徴とする石油精製装置
    用洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 テルペン系化合物を更に含有して成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の石油精製装置用洗浄剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 当該石油精製装置用洗浄剤組成物中の前
    記界面活性剤の含有割合が5〜80重量%であり、 当該石油精製装置用洗浄剤組成物中の前記テルペン系化
    合物の含有割合が20〜95重量%である、ことを特徴
    とする請求項2記載の石油精製装置用洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記石油系溶剤が軽質油であり、該軽質
    油に前記石油精製装置用洗浄剤組成物を0.5〜20重
    量%溶解せしめて成ることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の石油精製装置用洗浄剤組成物。
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