JP2000355265A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2000355265A
JP2000355265A JP11167438A JP16743899A JP2000355265A JP 2000355265 A JP2000355265 A JP 2000355265A JP 11167438 A JP11167438 A JP 11167438A JP 16743899 A JP16743899 A JP 16743899A JP 2000355265 A JP2000355265 A JP 2000355265A
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webbing
occupant
plate
clamp
buckle
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JP11167438A
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Hiroshi Yamada
浩 山田
Tatsuo Tada
辰雄 多田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェビング巻取装置の巻締りによる乗員拘束
(保護)の遅れを解消したシートベルト装置を提供す
る。 【解決手段】 シートベルト装置をクランプ機構付きウ
ェビング巻取装置(巻取装置)(100)と、座席側部に配
置されたバックルプリテンショナ(600)とにより構成す
る。車両が衝突すると、バックルプリテンショナ(600)
によってウェビング(70)の引き込みを乗員の腰部近傍で
行う。バックルプリテンショナ(600)の作動によってス
ルー(508)を介して巻取装置(100)内のウェビング(70)が
引出されそうになると、クランプ機構が作動し、巻締り
分の繰出しを抑制する。それにより、ウェビング(70)の
弛みを素早く除去して乗員を座席(501)に拘束(保護)
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートベルト装置に関
し、特に、衝突の際にウェビング(ベルト)の弛みを除
いて乗員を座席に拘束し、乗員の安全を図るプリテンシ
ョナ付きシートベルト装置の改良に関する。
【0002】
【従来技術】車両衝突の際の乗員移動を抑制することに
より、乗員への傷害を軽減し、車室内構造物(ハンド
ル、車室内パネル等)との二次衝突を防止するべく、シ
ートベルト装置が使用される。シートベルト装置には、
衝突時にウェビングが引き出されるのを防止するために
ウェビングをロックする機能を備えるウェビング巻取装
置(ELR)、更に、衝突の際にウェビングの弛みを巻
き取って積極的に乗員を座席に拘束するプリテンショナ
(ベルト緊張装置)付き巻取装置等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両の衝突に対する乗
員の安全確保は、車両の正面衝突のみならず、オフセッ
ト(片寄り)衝突についても求められるようになってい
る。オフセット衝突に対する安全対策は、車体の構造設
計から行われる。まず、衝突エネルギーをクラッシャブ
ルゾーンによって吸収することを図る。しかし、オフセ
ット衝突では、衝撃吸収ゾーンが正面衝突の場合よりも
狭いので、衝撃吸収の十分を図り難い。そこで、車体剛
性を高めて車室(キャビン)の変型を極力小さくし、乗
員の生存空間を確保せんとする。
【0004】この結果、オフセット衝突に対しても所要
の生存空間が確保されるようにした車体では、衝撃吸収
に適した柔構造の車体から、より固い構造の車体となる
傾向がある。このため、衝突時に乗員に加わる減速度の
伝達が正面衝突を重視した柔構造の車体の場合よりも早
くなり、柔構造車体の場合よりも早く乗員の前方移動
(前のめり、腰部移動)が始まる。また、乗員に加わる
減速度も増大する。
【0005】この場合、シートベルト装置の作動が相対
的に遅れ、また、衝突時の乗員への傷害度(ダメージ)
も大きくなることが考えられる。
【0006】しかしながら、従来の、ELR付きシート
ベルト装置では、衝突時にウェビングを巻回したボビン
側をロックするため、ウェビングの巻締り分だけウェビ
ングが外に繰り出され、その分乗員を前方に移動させる
可能性がある。ここで、「巻締まり」は、ボビンに緩く
巻回されたウェビングが、ウェビングとボビンとの相対
移動によってウェビングの巻回が締め上げられる(きつ
くなる)ことである。
【0007】また、クランプ機構付きのELR付きシー
トベルト装置では、衝突時にウェビングを挟持する機構
を備えるので、ウェビングの繰り出しを防止可能である
が、装着されているウェビングに存在する弛みにより乗
員を前方に移動させる可能性がある。
【0008】また、プリテンショナ付き巻取装置では、
衝突の際にプリテンショナが作動し、ボビンを巻き取り
方向に回転させてウェビングを巻取装置内に強制的に引
き込み、乗員を拘束するが、ボビンに巻回されたウェビ
ングの巻締りのため、ウェビングの引き込みの始まるの
が巻締り分だけ遅れる。衝突衝撃の伝搬の速い車体では
この遅れの許容範囲がきわめて狭い。
【0009】よって、本発明は、車両衝突を判断する
と、より早くウェビングの引き込みを開始して乗員の拘
束(保護)を行うシートベルト装置を提供することを目
的とする。
【0010】また、本発明は、ウェビング巻取装置の巻
締りによる乗員拘束(保護)の遅れを解消し得るシート
ベルト装置を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、オフセット衝突を考慮し
た剛構造車両等の減速度伝搬の速い車両に好適なシート
ベルト装置を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、車両衝突時に乗員の腰部
の拘束をより十分に行えるシートベルト装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【解決を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のシートベルト装置は、車両の座席に乗員をウェ
ビングによって拘束し、衝突等の際に乗員の安全を図る
シートベルト装置において、上記乗員の腰部近傍に配置
されて、上記ウェビングを挿通したタングプレートと係
合するバックル部と、上記バックル部を引き込むバック
ル緊急引込装置(バックルプリテンショナ)と、上記車
両の衝突を検出して上記バックル緊急引込装置を作動さ
せる制御部と、上記ウェビングを巻き取ると共に上記車
両の急減速又は急なウェビングの引き出し時に上記ウェ
ビングを挟持して引き出しを阻止するクランプ機構を有
する巻取装置(リトラクタ)と、を備える。
【0014】かかる構成によって、車両が衝突し、バッ
クル緊急引込装置が作動すると、バックルプリテンショ
ナにはウェビングを巻回している部分(ボビン)がない
ので、直ちにウェビングの引き込みを行う。また、同時
に、クランプ付き巻取装置のクランプ機構が作動して直
接ウェビングを挟持し、巻取装置からのウェビングの引
き出しを防止する。この結果、乗員は腰部から素早く座
席に拘束され、衝撃の大きいオフセット衝突における傷
害度(ダメージ)を軽減可能となる。
【0015】好ましくは、上記クランプ機構はELR付
き巻取装置のロック機構に連動して作動し、このロック
機構はウェビングの急な引出しあるいは大なる減速度
(あるいは加速度)の検出に対応して作動する。
【0016】好ましくは、上記バックル緊急引込装置
は、ガス発生式(例えば、火薬式)のプリテンショナで
ある。それにより、素早い反応と大きい引き込み力とを
得る。
【0017】好ましくは、上記制御部は、加速度(減速
度)センサと、この出力から衝突を判別する電気回路
(ECU)と、によって構成される衝突判定回路を備
え、機械的衝突検出機構よりもよりエラーの少ない衝突
判断を行う。
【0018】好ましくは、上記巻取装置は、ウェビング
の引き出し阻止状態(クランプ機構作動、ELR作動)
においてウェビングに所定値以上の引き出し荷重が印加
されたときに、ウェビングの引き出しを許容し、乗員の
胸部への衝撃を緩和する。
【0019】好ましくは、上記巻取装置は、ウェビング
への荷重が基準値を超える部分で、ウェビングの引き出
しを許容するエネルギ吸収機構を備える。
【0020】好ましくは、上記制御部は、上記バックル
緊急引込装置とクランプ機構を有する巻取装置のクラン
プ機構とを同時に作動させる。
【0021】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明
する。まず、本発明のシートベルト装置は、バックルプ
リテンショナとクランプ機構付き巻取装置とを含む。衝
突の際、バックルプリテンショナは、作動後直ちに乗員
の腰部のウェビングの引き込みを開始する。また、クラ
ンプ機構付き巻取装置は、ウェビングを巻取装置の出口
部分で挟持し、ウェビングが巻取装置から引き出される
のを防止する。これにより、巻取装置とバックル間のウ
ェビング、バックルと後述のアンカーボルト間のウェビ
ングの弛みが同時に除去され、乗員の腰部、上半身が座
席に拘束される。ウェビングの弛みを腰部で除去するの
で、腰部の拘束が早い。大きい減速度が乗員を前方に移
動するように作用し、ウェビングへの荷重が所定値を越
えると、巻取装置の捩れ軸等のエネルギ吸収機構(Energ
y Absorption)によってウェビングは前方に引き出さ
れ、乗員へのダメージを軽減する。
【0022】図1は、本発明のシートベルト装置の実施
例を示している。図1(a)は、シートベルト装置の正
面図、同(b)は、その側面図である。
【0023】図において、座席501は、車両の車体5
02に車両の前後方向にスライド可能に取り付けられ
る。この座席501の左側方下部にはバックルプリテン
ショナ600が配置され、座席501の右側方下部(車
両のBピラー下部)には、ウェビング巻取装置100が
配置される。座席501の下部には、バックルプリテン
ショナ600を起動させる電気的衝突診断回路(EC
U)510が配置される。電気的衝突診断回路510
は、減速度センサ(あるいは加速度センサ)とこの出力
を弁別する電気回路(コンピュータシステム)とからな
る。電気的診断回路は、例えば、減速度センサの減速度
出力からノイズフィルタによってノイズを除去し、第1
の積分回路によって速度信号に変換する。この速度信号
を第2の積分回路によって変位信号に変換し、変位信号
のレベルと比較基準値をレベル比較器で比較する。減速
度出力が規定の減速度を越えると、駆動回路によって点
火信号を発生し、これをバックルプリテンショナ600
に与える。なお、後述のように、巻取装置の電気的に作
動するクランプ機構を作動させるために点火信号に相当
する駆動信号を発生することとしても良い。バックルプ
リテンショナ600は、車両衝突などの緊急時に、乗員
503を座席501に拘束するウェビング(シートベル
ト)70を瞬間的に引き込んでウェビング70の弛みを
とり、乗員503を座席501に拘束する。ウェビング
巻取装置100は、余分なウェビング70を巻き取って
収納する。このウェビング巻取装置100は、後述する
クランプ機構を備え、急な減速の際にウェビング70を
直接挟持することによってウェビング70の引き出しを
抑制し、バックルプリテンショナ600による弛み除去
効果を高める。
【0024】ウェビング70の一端側は、ウェビング巻
取装置(巻取装置)100の図示しないボビンに取り付
けられて巻回される。ウェビング70の他端側は、乗員
503の肩上方に位置する、車両のBピラー上部に取り
付けられたスルー部(上部スリップガイド)508を経
てBピラー下部に配置されたアンカープレート(下部取
り付け部)509に取り付けられている。スルー部50
8とアンカープレート509との間のウェビング70に
は、ウェビング70を挿通し、移動自在なタングプレー
ト505が設けられている。
【0025】乗員503は、座席501に着座した後、
ウェビング70を引出してタングプレート505をバッ
クル506に挿入してシートベルトを装着する。これに
より、ウェビング70は、乗員503の右肩口から左腰
部を経て右腰部に至り、乗員503を座席501に拘束
する。
【0026】図2は、バックルプリテンショナ600の
構成例を示している。プリテンショナ600は、ケース
601、シリンダ602、ベース603、ガス発生器6
04、キャップ605、プーリ608、ワイヤ609、
ピストン612、等によって構成される。
【0027】ケース601は、ガス発生器604を収納
する収納部601aと筒状のガス燃焼室601bとを有
する。ガス発生器604は、例えば、点火信号に応じて
火薬を燃焼させて膨張ガスを発生する。このガス発生器
604をケース601の収納部601aに挿入した後、
キャップ605を収納部601aの開口部601eの外
周に形成されたねじ山601fに螺着してケース601
に取り付ける。ケース601に、横方向筒状に形成され
た燃焼室601bの左端は開口しており、この開口部6
01cの内周には、ねじ溝が形成される。また、燃焼室
601bの右側壁(筒の底部)中央部には、後述のケー
ブル609を通す貫通口601dが開口している。この
貫通口601dには、同心円に形成された段差が設けら
れており、段差部分にガス漏れを防止するOリング等の
シール部材607が配設される。
【0028】筒状のシリンダ602の右端部の外周には
ねじ山が形成される。このねじ山を燃焼室601bの開
口部601cのねじ溝に螺合させて、シリンダ602を
ケース601の燃焼室601bに連結させて取り付け
る。シリンダ602の内側には、ピストン612が配置
される。ピストン612は、右側より、シリンダに接触
する円筒部612a、円錐台状の傾斜面部612b、円
筒状のストッパ部612cによって構成される。円筒部
612aの外周には環状に溝が形成され、この溝にシリ
ンダ内壁に密着してガス漏れを防止するOリング(シー
ル部材)612dが設けられる。シリンダ内壁と傾斜面
部612b間の空間には、鋼球のボール612eが複数
個配置される。このボール612eは後述するようにピ
ストンを図の左方向にのみ移動可能とするクラッチとし
て機能する。
【0029】燃焼室601bの右側壁には、ベース60
3がボルトによって螺着される。ベース603には、回
転自在なプーリ608が設けられている。ワイヤ(ワイ
ヤロープ)609は、シリンダ602、ピストン61
2、燃焼室601b、ベース603、プーリ608を経
て略J字状に配置され、プーリ608によって移動方向
を変える。ワイヤ609の上端にはバックル用かしめ玉
611が取り付けられる。このかしめ玉611は、ワイ
ヤ609の一端をバックル506に連結する。ワイヤ6
09の他端は、ピストン612を貫通してシリンダ内に
露出する。この露出部分にかしめ部材610が取り付け
られる。かしめ部材610の端部はピストン612の左
側面の円錐台状の傾斜面に当接する。これにより、ピス
トンが左に移動するとワイヤ609も左に移動し、バッ
クル506を引き込む。
【0030】このように構成された、バックルプリテン
ショナの動作について説明する。
【0031】まず、車両が衝突して急激な減速度が生じ
ると、これを減速度(あるいは加速度)センサが検出す
る。この減速度が車載コンピュータに与えられると、衝
突を判別し、ガス発生器604に点火信号が供給され
る。ガス発生器604は火薬に点火し、燃焼ガスが瞬時
に発生する。なお、ガスの発生は火薬に限定されるもの
ではなく、種々の方法を適用可能である。燃焼室601
bで膨張したガスは圧力を増し、図の左方向にピストン
612を押し出す。ピストン612には、かしめ部材6
10が係止しているので、ワイヤ609も左に移動す
る。ワイヤ609はプーリ608を介してバックル50
6に連結されているので、バックル506、従って、ウ
ェビング70に係合するタングプレート505を下方に
引き込み、ウェビングの弛みをとって乗員を座席に拘束
する。
【0032】ピストン612に設けられたクラッチ機構
は、ピストン612が左方に移動するとき、ボール61
2eがピストンの傾斜面を下るように右側に移動するの
で、ボールは傾斜面とシリンダ内壁との間で自由に回転
し、ピストン612の移動を妨げない。一方、ピストン
612が右方に移動すると、ボール612eは傾斜面6
12bを上って傾斜面612bとシリンダ内壁間に噛み
込まれる。くさび効果によってピストンはロックされ、
ピストン612の戻り、すなわち、図の右方向への移動
は防止される。その結果、乗員の座席への拘束が維持さ
れるように作用する。
【0033】次に、クランプ機構付きウェビング巻取装
置100について説明する。クランプ機構付きウェビン
グ巻取装置は、例えば、特開平10−6922号公報
や、特開平7−285416号等に開示されている。
【0034】これ等の装置では、車両緊急時に、ウェビ
ングが巻回された巻き取り軸のウェビング引き出し方向
の回転をロック手段によってロックする緊急ロック機構
と、この緊急ロック機構に連動して移動可能なクランプ
部材が、巻取装置の巻き取り軸に巻装されたウェビング
の引き出し部を挟持することによって巻取装置からのウ
ェビングの伸び出しを阻止すると共に、ウェビングに所
定値以上の荷重が作用したときには、ウェビング挟持を
解除するように構成されたクランプ機構と、巻き取り軸
とロック手段との間に介在され、ウェビングに作用する
荷重が所定値以上となった際には、軸周りに捩れて巻き
取り軸をウェビング伸び出し方向へ回転させる捩り棒
(トーションバー)とを備える。クランプ機構及びトー
ションバーは、エネルギー吸収機構を構成する。
【0035】図3乃至図14は、クランプ機構付きウェ
ビング巻取装置の例を説明する説明図である。
【0036】図3及び図4は本発明に係るクランプ付巻
取装置100の分解斜視図であり、図5は図4に示した
ラッチプレート25の拡大斜視図であり、図6及び図7
は図3及び図4に示したクランプ付巻取装置100の正
面縦断面図及び一部破断側面図である。
【0037】クランプ付巻取装置100は、対向する一
対のベース側板1a,1bとこれらベース側板1a,1
b同士を連結するベース背板1cとを備えた金属板製の
巻取装置ベース1と、該巻取装置ベース1に回転可能に
取付けられると共に少なくとも一端にラッチプレート2
5が取付けられた捩じり棒であるトーションバー28
と、車両緊急時にラッチプレート25のウェビング引出
し方向の回転を阻止する緊急ロック機構300と、ウェ
ビング70が巻装されると共にトーションバー28の他
端側に一体回転するように取付けられる円筒状の巻取軸
であるボビン2と、ラッチプレート25とボビン2の対
向部分に配設されてボビン2の所定角度以上のウェビン
グ伸び出し方向の回転を阻止する回転規制手段30と、
トーションバー28の他端に連結されてボビン2をウェ
ビング巻取り方向に常時付勢する公知の巻取りバネ装置
5とを備える(図6参照)。
【0038】ボビン2は、トーションバー28と共にエ
ネルギー吸収機構を構成しており、アルミニウム合金あ
るいは鋼と樹脂とを組み合わせた略円筒形とされ、ウェ
ビング70が巻回される胴部には、ウェビング70の端
部を挿通させて保持するために、径方向に貫通するスリ
ット開口2aが設けられている。ボビン2の軸方向両端
部には、嵌合穴34及び遊嵌穴35が各々貫通形成され
ている。又、嵌合穴34が形成された巻取りバネ装置5
側のボビン2の端部には、ベース側板1aのシャフト貫
通穴に嵌挿されるスリーブ3が冠着されている。
【0039】更に、遊嵌穴35が形成された緊急ロック
機構300側のボビン2の端部に形成された凹部には、
剪断ピン32と枢軸ピン33とが突設されており、スト
ッパー31及び円環状のカムリング20と共に回転規制
手段30を構成している。ストッパー31は、貫通孔3
1bを挿通する枢軸ピン33により揺動自在に軸支され
ている。そして、その揺動端側の係止部31aが、ラッ
チプレート25の内側面に突設されたボス部29のスト
ッパー係合部29a(図5参照)に係合することによ
り、該ストッパー31はラッチプレート25に対するボ
ビン2のウェビング伸び出し方向への所定角度以上の回
転を阻止することができる。
【0040】また、ストッパー31の揺動端側に突設さ
れた係合突起31cが、後述するカムリング20のカム
溝22に係合しており、ストッパー31は該カム溝22
によりストッパー係合部29aと係合する方向に揺動さ
せられる。カムリング20の内側面には、その内周縁に
沿った有底溝とされたカム溝22が刻設されており、外
側面には周方向に沿ってC字形状の有底溝とされたガイ
ド溝21が刻設されている。そして、該カムリング20
は、上記ボス部29の回りを回転可能に配置される。
【0041】ガイド溝21は、ガイド溝21の初期端部
21Aから終端部21Bに至る距離がカムリング20の
外周距離の略2分の1となるように設定されているが、
該ガイド溝21の設定距離は、適宜選択することができ
る(図12参照)。又、ガイド溝21が刻設されたカム
リング20に対向するラッチプレート25の内側面に
は、図5に示すように、該ガイド溝21の内壁面に沿っ
て摺動可能な係止突起26が突設されている。
【0042】そこで、係止突起26は、ガイド溝21の
全域でカムリング20に対して相対移動自在である。即
ち、カムリング20はラッチプレート25に対して略1
80度相対回転可能である。剪断ピン32は、ラッチプ
レート25のボス部29に穿設された係止孔27に嵌合
しており、該ラッチプレート25のボビン2に対する相
対回転を規制している。そして、これらボビン2とラッ
チプレート25との間に所定以上の捩じり力が作用する
と、該剪断ピン32が剪断されてボビン2をラッチプレ
ート25に対して相対回転可能とする。
【0043】トーションバー28の軸方向両端部には、
ラッチプレート25の角穴25bに圧入嵌合できる大き
さに設定された角柱状部28aと、ボビン2の嵌合穴3
4及びスリーブ3の角穴3aに圧入嵌合できる大きさに
設定された角柱状部28bとが形成される。そして、ト
ーションバー28の両端部は、各々、後述するセンサー
カバー61の軸支部61aとべース側板1aのシャフト
貫通穴に嵌挿されたスリーブ3とによって回転自在に軸
支される。なお、スリーブ3は、ベース側板1aとの間
に嵌挿されたリング状の軸受けブッシュ55を介して軸
支され、トーションバー28のベース側板1b側の端部
は、軸支ピン36を介して軸支される。尚、本実施形態
においては、角柱状部28a,28bと角穴25b,3
a,34とは六角形状とされているが、これに限定され
るものではない。
【0044】ラッチプレート25の外側には、緊急ロッ
ク機構300を車両緊急時に作動させるロック作動手段
としてのラッチカップ40が、該ラッチプレート25に
対して相対回転可能に配設されている。即ち、ボビン2
とラッチプレート25の間には、トーションバー28を
主体とするエネルギー吸収機構200が構成されてお
り、緊急ロック機構300によりウェビングの引出しが
阻止された状態で、ボビン2とラッチプレート25との
間に所定以上の荷重(ボビン2を回転させる方向)が負
荷されたときには、剪断ピン32が剪断された後、トー
ションバー28が自身の軸回りに捩じれて所定のトルク
のもとでボビン2を回転させることができるので、緊急
ロック機構300によってラッチプレート25のウェビ
ング引出し方向の回転が阻止されているにも係わらず、
所定のウェビング張力下で所定量のウェビングの引出し
が可能となり、乗員の身体に作用する衝突エネルギーを
変形仕事として吸収することができる。
【0045】図6から理解されるように、トーションバ
ー28、ラッチプレート25、ボビン2、カムリング2
0及びスリーブ3が、巻取装置ベース1に組付けられた
状態では、トーションバー28の軸方向両端部における
角柱状部28aと角柱状部28bは、上記角穴25b,
3a,34にそれぞれ圧入嵌合されているので、通常使
用状態においては、ボビン2はラッチプレート25と一
体的に回動する。尚、ラッチプレート25は、予めトー
ションバー28と一体に構成されても良い。
【0046】緊急ロック機構300は、ラッチプレート
25と、係合歯25aに係合することによりラッチプレ
ート25のウェビング引き出し方向(図5矢印X1 方
向)の回転を抑止するポール11とから成るロック手段
を有する。そして、トーションバー28の一端側には、
車両緊急時にロック手段を作動させる公知のロック作動
手段が配設されており、車両緊急時にポール11の係止
部11aをラッチプレート25の係合歯25aに係合さ
せる。
【0047】ラッチプレート25の外方に突出されたト
ーションバー28の一部には、貫通孔9cを挿通された
テンションプレート9と、内歯40aを有するラッチカ
ップ40とが遊嵌されている。なお、ラッチカップ40
に形成されたスプリングハンガ40bとテンションプレ
ート9に形成されたスプリングハンガ9aとにはリター
ンスプリング41が装着され、ラッチカップ40は矢印
X2 方向に回動する付勢力が作用されている(図7参
照)。
【0048】そして、ラッチカップ40の外側に位置す
るトーションバー28には、上記ロック作動手段を構成
するロック部材51及び慣性部材52が配置されてお
り、衝突等の緊急時にウェビング70にテンションがか
かり、ボビン2に所定以上の衝撃的なウェビング引き出
し方向(矢印X1 方向)の回動力が作用されると、ラッ
チカップ40をリターンスプリング41の付勢力に抗し
て矢印X1 方向へ回動する。
【0049】ポール11は、ポールピン10を介してラ
ッチプレート25から係脱可能にベース側板1b外方に
軸支されている。該ポールピン10は、対向する各ベー
ス側板1a,1bに穿設された貫通孔45及び長穴46
を挿通して橋架されており、貫通孔45との係合部を中
心として外方端側軸部10aが揺動可能となっている。
【0050】また、上記ポールピンの外方端側軸部10
aには、テンションプレート9の揺動端部に形成された
貫通孔9bが嵌挿される。そこで、ポール11は、長穴
46に沿って揺動回転中心を変位することができる。そ
して、ポール11にはポールガイド突起11bが突設さ
れ、ポールガイド突起11bはラッチカップ40の外周
部に突出形成されているポールガイド孔40cに挿入さ
れる。
【0051】更に、これらロック手段及びロック作動手
段から成る緊急ロック機構300を覆うベース側板1b
の外側に配設されたセンサーカバー61には、その中心
部に軸支ピン36を介してトーションバー2を回転自在
に軸支する軸支部34bが設けられ、該軸支部34bの
底面はトーションバー2の軸線方向の位置決め面とされ
ている。ベース側板1bの下部には車体加速度感知手段
60が配設されている。
【0052】巻取装置ベース1の内側上方には、ウェビ
ング70を直接挾持することによってウェビングの引き
出しを阻止するクランプ機構400が設けられている。
クランプ機構400は、巻取装置ベース1のベース背板
1c上の定位置に固定して設けられたロアープレート4
と、ウェビング70に押し当てる多数の係止突起6cを
備えたクランプ部材6と、クランプ部材6を保持して緊
急時にクランプ部材6を移動動作させるクランプレバー
7と、クランプレバー7がクランプ部材6を移動させる
ときにクランプ部材6がウェビング70を適正に挾持す
るようにクランプ部材6の移動位置を規制するクランプ
規制部材であるアッパープレート12及びガイドプレー
ト14と、該アッパープレート12を巻取装置ベース1
のベース側板1a,1bに固定している保持手段である
アッパーステー13などから構成されている。
【0053】クランプ部材6は、ウェビング70に押し
つけられる押え面には、係止突起6cが配列され、ま
た、後端部側には、クランプレバー7によって支持され
る軸部6aと、ガイドプレート14のガイド部14aに
案内される係合部6eとが設けられている。クランプレ
バー7は、巻取装置ベース1の一対のベース側板1a,
1b間に架設された軸17を中心に揺動自在に支持され
ており、その先端部7aにおいてクランプ部材6の軸部
6aを保持している。そして、クランプレバー7は、前
述した緊急ロック機構300と連動動作するもので、緊
急ロック機構300がボビン2のウェビング引き出し方
向の回転を阻止する緊急時には、テンションプレート9
及びレバー部材8を介して図7中矢印Y方向に揺動する
ことにより、クランプ部材6をウェビング70に押し付
けて、ウェビング70の伸び出しを阻止する。また、ク
ランプレバー7は、通常は、ウェビング70にクランプ
部材6が接触しないように、アッパープレート12の背
面12d側に配設されたリターンスプリング15によっ
て、矢印Yとは逆向きに付勢されている。
【0054】アッパープレート12は、巻取装置ベース
1のベース側板1a,1bに形成した案内溝71によっ
てウェビング70の引き出し方向に沿って移動自在に支
持されている。一方、アッパーステー13は、金属板の
折り曲げ加工により所定形状に成形されたもので、ベー
ス側板1a,1bにねじ止めにより固定される側壁部1
3aと、側壁部13aに連続するとともに縦断面がU字
状に湾曲した形状を成した塑性変形用板部13bと、こ
の塑性変形用板部13bの一端側に位置してアッパープ
レート12にねじ止めされるプレート支持部13cとを
備えた構成とされている。
【0055】塑性変形用板部13bは、ウェビング70
に作用する張力が増加して、クランプ部材6およびアッ
パープレート12を介してプレート支持部13cに作用
する荷重が所定値に達したとき、その時のウェビング引
き出し方向の荷重で塑性変形が生じるように、U字状の
湾曲部の曲率半径等の形状や寸法、材質が選定されたも
のである。
【0056】次に、上記クランプ付巻取装置100の作
動について説明する。先ず、通常使用時においては、緊
急ロック機構300が非作動状態であり、該巻取装置1
00はウェビング70を巻取りバネ装置5の付勢力で巻
取り可能であると共に、バネ力に抗してウェビング70
を引出し自在となっている。また、図7及び図8に示す
ように、リターンスプリング15のばね力等によりクラ
ンプ部材6は、ウェビング70から離間した状態に保た
れている。
【0057】しかし、車両衝突等による急激な減速が作
用する緊急時には、加速度センサの出力によってECU
510から点火信号がバックルプリテンショナ600に
与えられ、バックルプリテンショナ600が作動する。
バックル506及びバックル506と係合しているタン
グプレート505が引込まれ、タングプレート505に
挿通するウェビング70の弛みが除去されると共にウェ
ビング70が巻取装置100から急速に引出されるよう
に作用する。これによって、ボビン2の回転を拘束する
緊急ロック機構300が作動し、ポール11の係止部1
1aをラッチプレート25の係合歯25aに係合させて
該ラッチプレート25のウェビング引出し方向の回転を
阻止する。この状態で、更に、ウェビング70に引出し
方向の張力が作用すると、ポール11を支持しているポ
ールピン10が貫通しているテンションプレート9は、
図7中X1方向に回動し始める。この回動により当該テ
ンションプレート9と係合しているレバー部材8はY方
向に、同じくレバー部材8の突起8aと穴7cで係合し
ているクランプレバー7も軸17のまわりを矢印Y方向
に回動して、クランプ部材6をアッパープレート12の
摺接面12aに沿って押し出して、図9に示すように、
クランプ部材6の係止突起6cをウェビング70に押し
付けてウェビング70を挟持し、巻締りによるウェビン
グ70の伸び出しを阻止するクランプ機構400が作動
する。
【0058】この結果、ウェビングの巻締り分の引出し
が阻止され、かつ、バックル506がバックルプリテン
ショナ600の作動によって引込まれるので、ウェビン
グ70の弛みが除去され、乗員が座席に拘束される。
【0059】次に、乗員の前方への移動が始り、移動荷
重がウェビング70を引出すように作用する。上記ウェ
ビングのクランプによるウェビング引出し(伸び出し)
の阻止によって、ウェビング70に作用する張力が徐々
に増加し、それによってアッパーステー13に作用する
荷重が前述の所定値に達したときには、その時のウェビ
ング引き出し方向の力で、塑性変形用板部13bのU字
状の湾曲部の近辺に曲げ(塑性変形)が生じることによ
って、プレート支持部13cのウェビング伸び出し方向
への移動が可能になる。
【0060】上記塑性変形用板部13bの湾曲部近辺の
変形位置は、プレート支持部13cの移動に応じて塑性
変形用板部13b上を変位し、結局、図10に示すよう
に、U字状の湾曲部が徐々に移動した如き形態で、プレ
ート支持部13bのウェビング伸び出し方向への移動を
許容する。このプレート支持部13bのウェビング伸び
出し方向への移動は、アッパープレート12およびクラ
ンプ部材6のウェビング伸び出し方向への移動となり、
これによって、ウェビング70の伸び出しが実現され、
ウェビング70に作用する運動エネルギーが伸び出した
分量に応じて塑性変形用板部13bに吸収されて、ウェ
ビングから乗員の身体に作用する衝撃等が軽減される。
【0061】そして、図10に示すように、アッパース
テー13の塑性変形が完了した状態では、クランプ部材
6の係止突起6cは、ロアープレート4に装備されたベ
ルト逃がし凹部4aによって、ウェビング70との係合
が外れた状態になる。そして、クランプ部材6によるウ
ェビング挾持の解除後は、巻取装置からのウェビング7
0の伸び出しが始まり、ボビン2にはウェビング引出し
方向の張力が作用する。そこで、ウェビング70の一端
が係止されたボビン2が回転し始め、ラッチプレート2
5との間に所定以上の荷重が負荷されたときには、剪断
ピン32が剪断された後、回転をロックされたラッチプ
レート25に一端部を連結されたトーションバー28が
自身の軸回りに捩じれて所定のトルクのもとでボビン2
を回転させるので、該トーションバー2は自身の軸回り
に捩じれることで運動エネルギーをさらに吸収できる。
さらに望ましくは、例えば捩じれ変形時のウェビング張
力がほぼ一定に保たれるよう強度設定することにより、
その捩じれ変形過程においてより効果的な運動エネルギ
ー消費ができる。
【0062】従って、上記クランプ付巻取装置100に
おいてウェビング70に作用する張力は、滑らかな変動
特性を示すことになる。すなわち、アッパープレート1
3の塑性変形とトーションバー2の塑性変形とで段階的
にそしてより長時間に渡って運動エネルギーの効果的吸
収を繰り返すことによって、乗員の身体に与えるダメー
ジを大きくすることなく、より多量の運動エネルギーを
速やかにシートベルト巻取装置に吸収させることが可能
になり、ウェビング挾持後にウェビング70に作用する
張力の増減を緩やかに抑えるとともに、その張力の変動
幅を小さくすることができて、車両衝突時等にウェビン
グ70から乗員に作用する衝撃を効果的にかつ大幅に低
減することが可能になる。
【0063】更に、クランプ部材6によるウェビング挾
持解除後のエネルギー吸収がトーションバー2自身の軸
回りの捩じれによって行われるので、該トーションバー
2の捩じり変形が始まるまでのクランプ部材6の移動量
(塑性変形用板部13bを塑性変形させながらのウェビ
ング伸び出し方向への移動量)を少なくでき、その分巻
取装置ベース1を小型化できる。又、トーションバー2
は、剪断ピン32を介してボビン2と連結されているの
で、該トーションバー2の捩じり変形が始まるタイミン
グを早くすることができる。
【0064】そして更に、回転規制手段30により、ボ
ビン2の所定角度以上のウェビング伸び出し方向の回転
が阻止されているので、車両緊急時等にトーションバー
2が必要以上に捩じれる荷重が負荷された場合にも、ウ
ェビング70の伸び出し量が適正な量に規制される結
果、巻取装置の安全性が向上される。
【0065】ここで、図12乃至図14に基づき、上記
回転規制手段30の作動について説明する。
【0066】図12に示したように、ウェビング挾持解
除後の初期位置においては、ボビン2に突設された剪断
ピン32がラッチプレート25のボス部29に穿設され
た係止孔27に嵌合しており、ボビン2は該ラッチプレ
ート25に対する相対回転を規制されている。又、ラッ
チプレート25の係止突起26は、ガイド溝21の初期
端部21Aに位置している。
【0067】そして、ボビン2とラッチプレート25と
の間に所定以上の荷重が負荷されて剪断ピン32が剪断
されると、トーションバー2が捩じり変形し、ガイド溝
21の長さ(1/2回転)に相当する角度、ボビン2が
ラッチプレート25に対して図中の矢印X1 方向へ回転
されると共に係止突起26がガイド溝21内を摺動して
相対的に矢印X2 方向へ移動する。そこで、図13に示
したように、係止突起26がガイド溝21の終端部21
Bに達する。
【0068】そして、ボビン2が図中の矢印X1 方向へ
更に回転されると、係止突起26により終端部21Bを
押圧付勢されたカムリング20は、係止突起26と共に
矢印X2 方向へ回転する。カムリング20がボビン2に
対して相対的に矢印X2 方向へ回転することにより、カ
ムリング20のカム溝22に係合突起31cが係合して
いるストッパー31は、図14に示すように、係止部3
1aがボス部29のストッパー係合部29aと係合する
方向に揺動させられる。
【0069】ボビン2に突設された枢軸ピン33に軸支
されたストッパー31がストッパー係合部29aと係合
することにより、ボビン2はラッチプレート25に対す
るウェビング伸び出し方向への所定角度以上の回転を阻
止される。即ち、上記回転規制手段30は、ガイド溝2
1の長さに対応して、ボビン2のウェビング伸び出し方
向への回転規制角度が設定されるので、例えば、普通乗
用車や大型車両等、車両の種類や走行性能等に対応させ
て、最も適正な回転規制角度の設定が容易であり、より
的確な車両の安全性を確保することができる。
【0070】なお、上記実施例における巻取軸及び捩じ
り棒の構成は、実施形態のものに限定されるものではな
く、種々の変更が可能である。
【0071】また、クランプ機構は、上記実施形態のク
ランプ付巻取装置の構成に限定されるものではなく、ア
ッパープレート12やアッパーステー13等の構成部材
の形状や数などは種々の変更が可能であることは勿論で
あり、例えば、上記の如くクランプ機構が解除される際
のウェビングの引張り荷重及び解除後の引張り荷重は、
アッパーステー13の塑性変形用板部13bの形状を変
化させたり、塑性変形部分の剛性を変化させることによ
り適宜設定することができる。また、楔状のクランプ部
材に代えて回動挾持部材を用いたクランプ機構にも有効
であり、クランプ解除機構も、ロアープレート4に装備
されたベルト逃がし凹部4aに限らず、公知のクランプ
解除機構を利用することができる。
【0072】また、ソレノイドによる付勢力でクランプ
部材が移動するクランプ機構とし、これを減速度センサ
の出力によって衝突を判別する電気制御回路(ECU)
510にて制御する構成としても良い。この場合には、
バックルプリテンショナ600及びウェビング巻取装置
100のクランプ機構400の両装置を略同時に強制的
に動作させることが可能となり、即応動作が期待でき
る。両装置の応答特性を考慮して作動信号の供給タイミ
ングを設定することによって両装置の作動の同期の正確
を図ることも可能となる。
【0073】更に、本発明は上記実施形態の如き緊急ロ
ック機構300の構成に限らず、他のロック手段やロッ
ク作動手段を備えた緊急ロック機構を有するクランプ付
巻取装置に応用することも可能である。
【0074】以上説明したように、本発明の実施の形態
によれば、車両が衝突すると、急激な減速度が生じ、バ
ックルプリテンショナ600が作動する。これにより、
バックル506及び該バックル506と係合しているタ
ングプレート505が引込まれる。従って、タングプレ
ート505に挿通されたウェビング70が引込まれ、ウ
ェビング70の弛みが除去される。更に、加速度感知装
置60の作動あるいはバックルプリテンショナ600の
作動によるウェビング70の急な引き締め、即ち、ウェ
ビング巻取り装置100からのウェビング70の急な引
出しによって緊急ロック機構300も作動する。緊急ロ
ック機構300が作動すると、クランプ部材6が移動
し、ウェビング70を噛み込む。これにより、ウェビン
グ70が直接挟持されて、ウェビング70の巻締り分の
引き出しが阻止される。このように、ウェビング巻取装
置100からのウェビングの引出しが阻止され、かつ、
バックル506が引込まれることにより、ウェビングの
弛みが除去され、乗員が座席501に拘束(保護)され
る(図9)。
【0075】次に、乗員に急激な減速度が加わることに
よって乗員を前方に移動させる力がウェビング70に作
用する。クランプ部材6がウェビング70に噛み込んだ
状態で、乗員を前方に移動させる力によりウェビング7
0に大きな張力が加わると、塑性変型用板部13bが変
型し、クランプ部材6がウェビング70と共に矢印方向
に移動する(図10)。
【0076】クランプ部材6の歯がロアプレート4の切
り欠き部に移動すると、ウェビング70の張力によって
クランプ部材6の歯が折られる。すると、ボビン2側に
ウェビング70の張力が伝わる。シャフト28が所定荷
重でねじれることによってウェビング70が伸び出す
(図11)。
【0077】このようなクランプ動作によって乗員の初
期拘束性を向上し、また、所定の設定荷重を維持しなが
ら、ウェビング70の伸び出しを許容する。ウェビング
70の引き出しを許容することによってベルト荷重が一
定レベル以上に上昇しないのでウェビング70が拘束す
る乗員の胸部傷害値を低減可能である。
【0078】クランプ付き巻取装置100では、巻取装
置出口付近にてウェビング70を直接クランプし、ウェ
ビング70の伸び出し量を限りなくゼロに近づける方法
を採用しているので、バックルプリテンショナと組合わ
せた場合では、リトラクタ側に設置されたときのプリテ
ンショナ特有の「巻締まり時間」に関しては無視するこ
とができる。クランプ機構400が作動し、ウェビング
70を完全に挟持するまでの必要ストロークは僅かなが
ら存在するが、クランプ機構400は低荷重(100N
以下)で作動しロックするため、バックルプリテンショ
ナ600の作動開始直後にロックを完了出来る。
【0079】上述した実施例によれば、他の考えられ得
る構成と比較して以下に述べるような利点がある。
【0080】(1) プリテンショナ付き巻取装置とバック
ルプリテンショナの組み合わせとの対比 一座席当たり、巻取装置用とバックル用の2個のガ
ス発生器を必要とする。これに対して、本発明のシステ
ムは、バックル用の1個で済むので、現行ECUシステ
ムの流用が可能である。高価格のガス発生器の使用数が
増えない。クランプ機構付き巻取装置は、プリテンショ
ナ機構付き巻取装置よりも安いので装置の低コスト化が
可能である。
【0081】 上記のように2個のガス発生器が1個
で済むので、事故発生時のガス発生器からの噴出ガスに
よる車室内雰囲気の汚染が軽減される。
【0082】 シートベルト装置全体の重量が軽減さ
れるので軽量化が可能である。
【0083】(2) 緊急ロック式巻取装置(ELR)と
バックルプリテンショナとの組み合わせとの対比 一般の巻取装置の場合、前述の巻締り分が大きく影響
し、バックルの引き込みに対してベルト巻取り軸(ボビ
ン)から巻締り分が引き出されてしまう。クランプがウ
ェビングを挟持開始する荷重(ベルト張力)が100N
以下であるのに対して、一般巻取装置の場合では、巻締
り分を除去するまでには、おおよそ2000Nのベルト
張力を要してしまう。
【0084】従って、バックルプリテンショナによって
2000N相当の張力を発生させて巻締り分を全て取り
除くことは困難と考えられる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシートベ
ルト装置はウェビングの引き込み応答が早く、乗員の素
早い拘束が可能である。衝突時に減速度伝搬の早い車体
の車両に用いた場合の、シートベルト装置作動の相対的
な遅れを回避可能となる。オフセット衝突を考慮した車
体、エアバッグ等と組み合わせて、総合的に乗員安全を
確保することが容易となり、好ましい。
【0086】また、乗員腰部のウェビングの弛みを素早
く除去するので、減速度の大きい場合に生ずる腰部移動
の防止にも効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシートベルト装置の構成を説
明する説明図であり、同図(a)は正面図、同図(b)
は側面図である。
【図2】図2は、バックルプリテンショナの構成を一部
断面で説明する説明図である。
【図3】図3は、本発明に係るクランプ付巻取装置の分
解斜視図の一部である。
【図4】図4は、図3に示したクランプ付巻取装置の残
り部分の分解斜視図である。
【図5】図5は、図4に示したラッチプレート25の拡
大斜視図である。
【図6】図6は、図3及び図4に示したクランプ付巻取
装置の正面縦断面図である。
【図7】図7は、図3及び図4に示したクランプ付巻取
装置の一部破断側面図である。
【図8】図8は、図3に示したクランプ機構の作動説明
用の要部拡大図である。
【図9】図9は、図3に示したクランプ機構の作動説明
用の要部拡大図である。
【図10】図10は、図3に示したクランプ機構の作動
説明用の要部拡大図である。
【図11】図11は、図3に示したクランプ機構の作動
説明用の要部拡大図である。
【図12】図12は、図4に示した回転規制手段の作動
説明用の要部断面図である。
【図13】図13は、図4に示した回転規制手段の作動
説明用の要部断面図である。
【図14】図14は、図4に示した回転規制手段の作動
説明用の要部断面図である。
【符合の説明】 60 機械式加速度検出装置 70 ウェビング 100 クランプ機構付きウェビング巻取装置(リトラ
クタ) 501 座席 502 車体 510 衝突診断回路(ECU) 600 バックルプリテンショナ 400 クランプ機構 300 緊急ロック機構(ELR)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の座席に乗員をウェビングによって拘
    束し、衝突等の際に乗員の安全を図るシートベルト装置
    であって、 前記乗員の腰部近傍に配置されて、前記ウェビングを挿
    通したタングプレートと係合するバックル部と、 前記バックル部を引き込むバックル緊急引込装置と、 前記車両の衝突を検出して前記バックル緊急引込装置を
    作動させる制御部と、 前記ウェビングを巻き取ると共に前記車両の急減速又は
    急なウェビングの引き出し時に前記ウェビングを挟持し
    て引き出しを阻止するクランプ機構を有する巻取装置
    と、 を備えるシートベルト装置。
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