JP2000355545A - 睡眠補充および/または導入用精油組成物および睡眠補充および/または導入剤 - Google Patents

睡眠補充および/または導入用精油組成物および睡眠補充および/または導入剤

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JP2000355545A JP11163890A JP16389099A JP2000355545A JP 2000355545 A JP2000355545 A JP 2000355545A JP 11163890 A JP11163890 A JP 11163890A JP 16389099 A JP16389099 A JP 16389099A JP 2000355545 A JP2000355545 A JP 2000355545A
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毅 刈田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速やかに睡眠準備状態のレベルを高めること
ができ、しかも副作用がない睡眠補充および/または導
入用精油組成物および睡眠補充および/または導入剤の
提供を目的とする。 【解決手段】 植物由来の精油を有効成分とする気体製
剤である睡眠補充および/または導入用精油組成物およ
び睡眠補充および/または導入剤は、経皮吸収ルートに
より投与されるため速やかに効果を発現し、投薬の中止
も速やかに行うことができる。有効成分が精油組成物で
あるため、副作用もなく安全性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物精油からなる
睡眠補充および/または導入用精油組成物およびそれを
有効成分とする睡眠補充および/または導入剤に関す
る。より詳細には、シソ科植物から得られる1種以上の
精油と、ミカン科植物から得られる1種以上の精油と、
アオイ科植物、フトモモ科植物、クワ科植物、ツバキ科
植物およびモクセイ科植物から得られる1種以上の精油
からなる睡眠補充および/または導入用精油組成物およ
びその組成物を有効成分とする気体製剤である睡眠補充
および/または導入剤に関する。
【0002】
【従来の技術】睡眠は休息相であり、脳波が徐波を示す
徐波睡眠(ノンレム(非急速眼球運動、以下、NREMとい
う)睡眠)と、脳波が低振幅速波パターンで急速眼球運
動を伴うレム(急速眼球運動、以下、REMという)睡眠
とに大別される(図1)。睡眠は、脳波パターンの特徴
によって次の5段階、すなわち、徐波睡眠の区分けであ
る第1〜第4段階と、REM睡眠期である第5段階とに分
けられる。第1段階は、α波が減少し、低振幅のθ波が
増加する入眠期である。第2段階は、紡錘波とκ複合波
が出現する軽睡眠期である。第3段階は、3Hz以下、75
μV以上の徐波が全体の20〜50%時を占める中等度睡眠
期である。第4段階は、高振幅のδ波が50%時以上を占
める深睡眠期である。
【0003】睡眠は、ヒトが入眠し眠り続ける状態(睡
眠閾値)に達することによって起こり、睡眠閾値に達す
るまでの状態を睡眠準備状態という。睡眠準備状態は、
概日変化するが、早朝に低く、徐々に午後早期まで上昇
し(午睡)、その後再び低下する。そして、夜半にかけ
て最大に達し、その後再び早朝の値に低下する(図
2)。
【0004】睡眠補充および/または導入剤は、ヒトが
入眠し睡眠閾値に達するように睡眠準備状態を促進する
薬剤であり、睡眠障害の治療に睡眠薬とともに、または
単独で使用される。睡眠障害は、睡眠閾値が病的に上昇
した結果生じると考えられるものであるが、入眠までの
潜時(入眠)、または一夜当たりの覚醒回数と総睡眠時
間(熟眠)が障害される。存在する障害によって、1時
間程度、睡眠準備状態のレベルを上昇させればよい場合
もあり、6〜8時間このレベルを上昇させることが必要
となる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした睡眠準備状態
のレベルを上昇させる睡眠補充および/または導入剤、
睡眠薬としては、従来、トリアゾラム、テマゼパム、ク
ロチアゼパム、ニトラゼパムなどのベンゾジアゼピン
類、ヘキソバルビタール、ペントバルビタールなどのバ
ルビツール酸類、抱水クロラールおよび鎮静性H1−抗ヒ
スタミン剤などが用いられてきた。
【0006】これらの薬物はすべてREM睡眠相を短縮す
るが、数日間続けて1錠ずつ服用すると、睡眠相の比率
は再び元に戻る。そして、薬物の服用を中断すると過剰
な逆調節をきたし、REM相の割合が増加する。REM相の割
合の増加が正常に戻るにはかなりの日数を要する(図
3)。REM相は明瞭な夢を伴って現れるため、REM相の割
合が長い睡眠は休息感が少ないことから、休養となる睡
眠をとるためには上記のような薬物の使用が必要である
という印象を服用者に与え、薬物の依存症を助長するこ
とにもつながるという問題があった。
【0007】個別に検討すると、上記のバルビツール酸
類は麻酔作用があり、全般的脳活動の抑制による呼吸麻
痺や、血圧、心拍数または体温調節などの自律機能の障
害が生じることがあり、さらに薬効量と中毒量との間隔
が10未満であるため治療域が狭く、依存を形成し易いと
いう問題がある。一方、ベンゾジアゼピン類は、経口で
投与すると、バルビツール酸類で見られるような麻酔作
用の発現、全般的脳活動の抑制や自律機能の障害も出
ず、薬効量と中毒量との間隔は100以上であり治療域が
広い。しかし、ベンゾジアゼピン類の作用下では、外界
からの刺激に対して迅速かつ適切に応答することができ
なくなるという問題がある。また、急性投与では刺激に
対して無関心となる人格変化の可能性もあり、長期間服
用すると依存症をきたすことがある。これら以外の薬物
でも、半減期が長い場合には体内からの排出が遅れ、集
中力の低下や反応速度の障害が生じたり、依存症となっ
たり、または速やかに耐性が発現するなどといった問題
がある(図4)。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、上
述した問題を解決するために、鋭意研究をすすめた結
果、特定の植物から得られる精油を組合せてなる組成物
には睡眠補充および/または導入作用があり、しかも従
来使用されてきた薬物が有する上記のような副作用がな
いことを見出し、本発明を完成したものである。
【0009】すなわち、本発明は、ラベンダー油または
ラバンジン油と、ネロリ油、オレンジ油、レモン油およ
びマンダリン油からなる群から選ばれる少なくとも2種
以上の精油と、ホップ油、ユーカリ油、アンブレット・
シード油、緑茶油およびジャスミン油からなる群から選
ばれる少なくとも1種以上の精油とからなる睡眠補充お
よび/または導入用精油組成物である。
【0010】ここで、各精油の含有量は、組成物の総重
量に対して、ラベンダー油またはラバンジン油が35〜45
重量%、ネロリ油、オレンジ油、レモン油およびマンダ
リン油からなる群から選ばれる少なくとも2種以上の精
油が16〜55重量%、ホップ油、ユーカリ油、アンブレッ
ト・シード油、緑茶油、およびジャスミン油からなる群
から選ばれる1種以上の精油が10〜39重量%であること
が好ましい。
【0011】また、本発明は、組成物の総重量に対し
て、34〜45重量%のラベンダー油またはラバンジン油
と、45〜65重量%のネロリ油、オレンジ油、レモン油お
よびマンダリン油からなる群から選ばれる少なくとも1
種以上の精油と、1〜10重量%のcis-3-ヘキセノールと
からなる睡眠補充および/または導入用組成物である。
本発明はまた、上記のいずれかの睡眠補充および/また
は導入用精油組成物を有効成分とする睡眠補充および/
または導入剤である。
【0012】本発明の睡眠補充および/または導入剤
は、通常、上記の睡眠補充および/または導入用精油組
成物と、精油組成物吸着剤と、遊離水分除去剤と、精油
組成物脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収
促進剤と、シート形成用基剤とを含む。ここで、上記精
油組成物吸着剤はケン化価98.0〜98.5のポリビニルアル
コール系高分子吸水性樹脂であり、前記シート形成用基
剤はケン化価88.0±2.0のポリビニルアルコール系高分
子吸水性樹脂であり、前記遊離水分除去剤はアクリル系
高分子吸水性樹脂であることが好ましい。また、上記精
油組成物脱着調節剤は活性炭であり、前記発熱剤はゼオ
ライトであり、前記熱伝導防止剤は多糖類化合物であ
り、前記吸収促進剤はモノテルペンであることを特徴と
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明においては、精油とは、植物の葉、花、
種子、樹皮、果肉、果皮などから水蒸気蒸留などによっ
て得られる揮発性成分の総称をいう。また、精油の成分
とは、上記の精油に含まれる個々の成分をいう。精油
は、炭化水素類、アルコール類、酸類、カルボニル類、
フェノール類、ラクトン類、エステル類等から構成さ
れ、一般に有機溶媒に可溶で、水に不溶である。また、
アシルグリセロールではないので、油脂ではなく、特有
の芳香を有するものが多い。
【0014】一般に、ミカン科植物から得られる精油
は、ミカン科に属するアシッドライム(Citrus auranti
folia Swing)、スイートオレンジ(Citrus sinensis O
sbeckvar. brasiliensis Tanaka)、グレープフルーツ
(Citrus paradisi Mac fayden)、ダイダイ(Citrus a
urantium L. var. subsp. amara Engel)、ベルガモッ
ト(Citrus aurantium L. subsp.bergamia(Risso et Po
it) Wright et Am.)、マンダリン(Citrus reticulata
Blanco var. "Mandarin")、レモン(Citrus limone
(L.) Burum f.)、サンショウ(Xanthoxylum piperitum
DC.)といった植物から得られる精油の総称である。具
体的には、ライム油、オレンジ油、グレープフルーツ
油、ネロリ油、橙花油、ベルガモット油、マンダリン
油、レモン油及びサンショウ油が挙げられる。
【0015】本発明の組成物においては、ミカン科に属
する下記の植物、スイートオレンジ(Citrus sinensis
Osbeck var. brasiliensis Tanaka)、ダイダイ(Citru
s aurantium L. var. subsp. amara Engel)、マンダリ
ン(Citrus reticulata Blanco var. "Mandarin")、レ
モン(Citrus limone (L.) Burum f.)から得られる精
油、具体的には、オレンジ油、ネロリ油、橙花油、マン
ダリン油およびレモン油を使用することが、冷えた手足
を温める作用を有すること、および睡眠物質を含むとい
う点から好ましい。
【0016】ここで、オレンジ油は、カリフォルニア、
フロリダ、スペイン、ブラジル、イタリア、および日本
など世界各地で広く栽培されているスイートオレンジ(C
itrus sinensis Osbeck var. brasiliensis Tanaka)の
果実をそのまま圧搾して果汁と精油とを分離して得るこ
とができる。成分としては、d-リモネン、シトラール、
n-デシルアルデヒド、d-リナロール、d-テルピネオー
ル、n-ノニルアルコールなどを含有し、d-リモネンが90
%以上を占める。末梢血管の血行を良くするリモネン
と、睡眠物質であるn-ノニルアルデヒドを含むことか
ら、フロリダ産のスィートオレンジから得られるオレン
ジ油を使用することが好ましい。
【0017】ネロリ油は、フランス、イタリア、スペイ
ン、モロッコ、およびアルジェリアなどを主産地とする
ダイダイ(Citrus aurantiam L. subsp. amara Engel)
の花を水蒸気蒸留して得ることができる。また、溶剤抽
出により、橙花コンクリートを得ることができ、これを
アルコール処理すると約50%のアブソリュートが得られ
る。成分としては、1−リナロールと酢酸リナリルを合
わせて約35〜40%、α−テルピネオール、ゲラニオー
ル、酢酸ゲラニル、ネロリドール(数%)、その他α−
ピネン、ジペンテン、カンフェン、オシメンなどのテル
ペン類、および含窒素化合物としてN-メチルアンスラニ
ル酸メチル、およびインドールなどを含む。また、コン
クリートには、精油、ジャスモン、ベンツアルデヒドな
どが存在する。微量のN-メチルアンスラニル酸メチルと
ジャスモンとを含むことから、モロッコ、アルジェリア
産のダイダイから得られるネロリ油を使用することが好
ましい。
【0018】マンダリン油は、イタリア南部、シシリ
ー、スペイン、アフリカの地中海沿岸ならびにブラジル
などを主産地とするマンダリン(Citrus reticulata Bl
anco var. "Mandarin")の果皮から、海綿法または圧搾
法で得られる。また、葉の水蒸気蒸留により、マンダリ
ンプチグレン油が得られる。d-リモネンを主成分とし、
N-メチルアンスラニル酸メチル、シトラール、C8〜C11
−直鎖脂肪族アルデヒド、その他テルペン類を含有す
る。葉油は特有の成分として、N-メチルアンスラニル酸
メチル(50〜60%)を含む。N-メチルアンスラニル酸メ
チルを大量に含むことから、マンダリン油を使用するこ
とが好ましいが、マンダリンの産地は特に限定されな
い。
【0019】レモン油は、カリフォルニア、シシリー、
カラブリア、スペイン、およびブラジルを主産地とし、
その他日本でも栽培されているレモン(Citrus limone
(L.))の果皮の圧搾により得られる。d-リモネン、シト
ラール、オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、リ
ナロール、ゲラニオール、その他各種のテルペノイドを
含む。n-ノニルアルデヒドとリモネンとを含むことか
ら、カリフォルニア産のレモンから得られるレモン油を
使用することが好ましい。
【0020】一般に、フトモモ科植物から得られる精油
とは、フトモモ科に属するチョウジ(Eugenia caryophl
lata Thunb)、ピメンタ(Pimenta officinalis Lind
l.)、ベイ(Pimenta racemosa (Mill.) J.W.Moore)ユ
ーカリ属(Eucalyptus)に属するユーカリ樹(Eucalypt
us globulus Labill.(Blue gum)、 Eucalyptus dives Sc
hauer Type、Eucalyptus macarthuri H. Deane et J. H.
Maiden、Eucalyptus citriodora Hook)から得られる精
油の総称であり、具体的には、クローブ油(Clove oi
l)、ピメンタ油(Pimenta)、オールスパイス油(Alls
pice)、ベイ油(Bay oil)、及びシユーカリ油などを
いう。
【0021】本発明の組成物では、フトモモ科ユーカリ
属(Eucalyptus)に属するユーカリ樹(Eucalyptus glo
bulus Labill.(Blue gum)、 Eucalyptus dives Schauer
Type、Eucalyptus macarthuri H. Deane et J. H. Maide
n、Eucalyptus citriodora Hook)から得られる精油、具
体的には、ユーカリ油を使用することが好ましい。
【0022】ユーカリ油は、タスマニア原産で、北米、
メキシコ、アフリカ、および南部スペインなどを主産地
とするユーカリから得られるシネオール系ユーカリ油、
オーストラリアのニューサウスウェールズ、ビクトリア
地方を主産地とするユーカリから得られるピペリトン、
フェランドレン系ユーカリ油、オーストラリアのニュー
サウスウェールズ南部を主産地とするユーカリから得ら
れる酢酸ゲラニル系ユーカリ油、およびオーストラリア
のクインズランド、南アフリカ、ブラジル、ジャバ、イ
ンドなどを主産地とするユーカリから得られるシトロネ
ラール系ユーカリ油とに大別される。
【0023】本発明の精油組成物においては、上記のユ
ーカリから得られるユーカリ油のうち、Eucalyptus div
es Schuer Typeの葉および小枝の水蒸気蒸留によって得
ることができ、成分として、ピペリトン(40〜50%)、
α−フェランドレン(20〜30%)、p-シメン、カンフェ
ン、ジペンテン、α−ツエンなどを含有する、ピペリト
ン、フェランドレン系ユーカリ油を使用することが好ま
しい。ピペリトン、フェランドレン系ユーカリ油は、睡
眠物質であるα―フェランドレンを含むからである。
【0024】一般には、シソ科精油とは、シソ科に属す
るアオジソ(Perilla frutescens var. cripsa Decne.
forma viridis Makino)、カワミドリ(Agastache rugo
sa O. Kuntze)、クラリーセージ(Salvia sclarea
L.)、セージ(Salvia offecinalis L.)、タチジャコ
ウソウ(Thymus vulgaris L.)、チクマハッカ、イヌハ
ッカ(Nepeta cataria L.)、和種ハッカ(Menta arven
sis)、セイヨウハッカ(Menta piperita var. vulgari
s L.)、スペアミント油(Menta spicata Huds, var. t
enuis (Michx) Briq.)、ペニーロイヤル(Menta puleg
ium L. var. eriantha)、パッチュリ(Pogostemon cab
lin Benth.)、マンネンロウ(Rosmarinus offinalis
L.)、メボウキ(Ocimum basilicum L.)、ラバンジン
(Lavandula hybrida Reverch)及びラベンダー(Laven
dula officinalis Chaix.)から得られる精油の総称で
あり、具体的には、ペリラ油、カワミドリ油、クラリー
セージ油、セージ油、タイム油、チクマハッカ油、イヌ
ハッカ油、和種ハッカ油、ペパーミント油、スペアミン
ト油、ペニーロイヤル油、パッチュリ油、ローズマリー
油、バジル油、ラバンジン油、及びラベンダー油が挙げ
られる。
【0025】ラバンジン油は、南フランスを産地とする
ラバンジン(Lavandula hybrida Reverch)の花の水蒸気
蒸留で得られる。成分としては、リナロール(43〜45
%)、酢酸リナリル(20〜22%)、リナロールオキシド
(約3%)、シネオール(3〜3.5%)、d-カンファー
(約11%)、l-ラバンジュロール(0.1%以下)などを
含有する。
【0026】ラベンダー油は、フランス、イタリア、ハ
ンガリー、旧ソ連南部、イギリス、北アメリカ、オース
トラリアおよび北海道を主産地とするラベンダー(Laven
dulaofficinalis Chaix.)の花を水蒸気蒸留して得られ
る。成分としては、リナロール(10〜20%)、酢酸リナ
リル(30〜60%)、ラバンジュロール、酢酸ラバンジュ
リル、3-オクタノール、α−ピネン、β−ピネン、リモ
ネン、シネオール、シトロネラールなどの成分を含有す
る。
【0027】ツバキ科植物から得られる精油とは、ツバ
キ科に属する茶(Thea sinensis L.)、アラビア原産ア
ラビアチャ(Camellia sinensis var.)などから得られ
る精油の総称である。茶から製造される緑茶を水蒸気蒸
留して得られる精油を緑茶油という。緑茶油には約300
種の成分があることが同定されているが、cis-3-ヘキセ
ノール及びヘキサン酸エステル、トランス-2-ヘキセン
酸エステル、そしてリナロール、ゲラニオール、フェニ
ルエチルアルコール、cis-ジャスモン、ジャスモン酸メ
チル、インドールなどが香りの成分として重要である。
本発明の組成物においては、cis-3-ヘキセノール(青葉
アルコール)にNREMへの導入効果があること、及び緑茶
油にcis-3-ヘキセノールに加えてREMへの導入効果を有
するジャスモンが含まれることから、cis-3-ヘキセノー
ルまたは緑茶油を使用することが好ましい。
【0028】モクセイ科植物から得られる精油とは、モ
クセイ科に属するソケイ(Jasminumofficinale L.)お
よびタイワンソケイ(J. officinale L. var. grandifl
orum)、キンモクセイ(Osmanthus fragrans Lour. va
r. aurautiacus Makino)から得られる精油の総称であ
る。インド、ヒマラヤを原産地とし、南フランス、イタ
リア、エジプト、モロッコ等で栽培されているソケイお
よびタイワンソケイの花を溶剤抽出することによりジャ
スミンコンクリートが得られ、これをアルコールで処理
するとジャスミンアブソリュートが得られる。成分とし
ては、酢酸ベンジル(65%)、d-リナロール(15.5
%)、酢酸リナリル(7.5%)、ジャスモン(約3%、
特徴成分)、ジャスモン酸メチル、ベンジルアルコー
ル、N-メチルアンスラニル酸メチル、インドール、ネロ
ール、ゲラニオール等が含まれる。
【0029】キンモクセイ油は、中国原産で日本の各地
に移植されたキンモクセイの花を溶剤抽出してコンクリ
ートを得、これを無水アルコールで処理してアブソリュ
ートとして得られる。成分としては、cis-3-ヘキセノー
ル、リナロール、リナロールオキサイド、α−ヨノン、
β−ヨノン、γ−デカラクトンのほか、特有の香気成分
としてジヒドロ−β−ヨノンが含まれる。本発明の組成
物においては、ジャスミン油を使用することが、上述し
た作用を有するジャスモン、N-メチルアンスラニル酸メ
チル、cis-3-ヘキセノールとともに含むことから好まし
い。
【0030】アオイ科植物から得られる精油とは、アオ
イ科のアンブレット(Hibiscus abelmoschus L.)の種
子を水蒸気蒸留して得られるアンブレット・シード油を
いう。アンブレットは、インドが原産で、中国、マダガ
スカル等を主産地とする。成分としては、ファルネソー
ル(主成分)、アンブレットリド(特有成分、大環状ラ
クトン)、酢酸デシル、酢酸ドデシル、デシルアルコー
ル等を含む。アンブレットリドは、アンブレット・シー
ド油の特有なムスク香成分として知られている。本発明
の組成物においては、睡眠物質としてファルネソールを
含むことから、アンブレット・シード油を好適に使用す
ることができる。
【0031】クワ科植物から得られる精油は、クワ科に
属するホップ(Humulus lupulus L.)から得られる精油
をいう。ホップには、日本各地に自生し、薬用とするカ
ナムグラ(Humulus japonicus Sieb. et Zucc.)と、米
国で栽培されており同様に使用されるHumulus american
us Nutt.とがある。
【0032】原産地はヨーロッパ大陸から西アジアにか
けてであり、ヨーロッパ各国、オーストラリア、ニュー
ジーランド、北米、北海道、長野県、山梨県等で栽培さ
れている。受精前の雌花穂を収穫し、乾燥したものをホ
ップというが、エーテルやベンゼン等の有機溶剤で溶剤
抽出をすると、ワックス状の固体であるホップコンクリ
ートが得られる。コンクリートをアルコールで抽出し、
アルコールを減圧蒸留により回収して得られる残部をホ
ップアブソリュートという。
【0033】また、ホップを水蒸気蒸留することによっ
てホップ油が得られる。成分としては、α酸(フムロン
類)、β酸(ルプロン酸)となるソフトレジンがホップ
の有効成分である。香気成分としては、ミルセン(50
%)、フムレン(15〜25%)、カリオフィレン、ファル
ネセン、リナロール、ゲラニオール、ミルセノールおよ
びそのエステル類、メチルノニルケトン、ルパロール、
ルパレノール等が含まれる。本発明の組成物において
は、香りに穏やかな鎮静作用があり、速やかに睡眠に導
入する作用を有することからホップ油を使用することが
好ましい。
【0034】本発明の睡眠補充および/または導入用組
成物は、ラベンダー油またはラバンジン油と、ネロリ
油、オレンジ油、レモン油およびマンダリン油からなる
群から選ばれる少なくとも2種以上の精油と、ホップ
油、ユーカリ油、アンブレット・シード油、緑茶油、ジ
ャスミン油およびれらの成分からなる群から選ばれる少
なくとも1種以上の精油とからなることが好ましい。そ
して、これらの精油の組成物中における含有量は、組成
物の総重量に対して、上記ラベンダー油またはラバンジ
ン油の含有量を35〜45重量%、ネロリ油、オレンジ油、
レモン油およびマンダリン油からなる群から選ばれる少
なくとも2種以上の精油の含有量を16〜55重量%、ホッ
プ油、ユーカリ油、アンブレット・シード油、緑茶油、
およびジャスミン油からなる群から選ばれる1種以上の
精油の含有量を10〜39重量%とすることがことが好まし
い。
【0035】ここで、ラベンダー油またはラバンジン油
の含有量を組成物の重量に対して35〜45重量%としたの
は、35重量%未満では睡眠後の眠りのリズムが崩れるか
らであり、45重量%を超えると睡眠導入効果が弱まるこ
とによる。ラベンダー油またはラバンジン油の含有量を
約37〜41重量%とすると睡眠導入効果が一層高い組成物
が得られる。
【0036】また、ネロリ油、オレンジ油、レモン油お
よびマンダリン油からなる群から選ばれる少なくとも2
種以上の精油の含有量を組成物の重量に対して16〜55重
量%としたのは、16重量%未満では手足の冷えが解消せ
ず、睡眠導入効果が現れにくいからであり、55重量%を
超えると睡眠導入効果が弱まることによる。5〜15重量
%のネロリ油と11〜40重量%のオレンジ油またはレモン
油とを組合せると、手足が温まり、睡眠導入効果が高く
なる。最も好ましくは、約10重量%のネロリ油と約31重
量%のオレンジ油またはレモン油との組み合わせであ
る。
【0037】ホップ油、ユーカリ油、アンブレット・シ
ード油、緑茶油、およびジャスミン油からなる群から選
ばれる1種以上の精油の含有量を組成物の重量に対して
10〜39重量%としたのは、10重量%未満ではNREMへの導
入を行う睡眠導入物質を含むこれらによる睡眠導入が遅
れるからであり、39重量%を超えると睡眠導入は速くな
るが睡眠後の眠りのリズムが崩れることによる。
【0038】組成物の総重量に対して、35〜45重量%の
ラベンダー油と、5〜15重量%のネロリ油と11〜40重量
%のオレンジ油またはレモン油と、10〜39重量%のホッ
プ油、ユーカリ油、アンブレット・シード油、緑茶油、
およびジャスミン油からなる群から選ばれる1種以上の
精油とを組合せることにより、睡眠導入効果が高く、副
作用のない睡眠補充および/または導入用精油組成物を
得ることができる。
【0039】また、本発明の別の睡眠補充および/また
は導入用精油組成物では、組成物の総重量に対して、上
記ラベンダー油またはラバンジン油の含有量を34〜45重
量%、ネロリ油、オレンジ油、レモン油およびマンダリ
ン油からなる群から選ばれる少なくとも2種以上の精油
の含有量を45〜65重量%、cis-3-ヘキセノールの含有量
を1〜10重量%とすることが好ましい。
【0040】ここで、上記ラベンダー油またはラバンジ
ン油の含有量を組成物の重量に対して34〜45重量%とし
たのは、34重量%未満では睡眠導入効果が弱まり、45重
量%を超えると睡眠後の眠りのリズムを崩すことになる
ことによる。また、ネロリ油、オレンジ油、レモン油お
よびマンダリン油からなる群から選ばれる少なくとも2
種以上の精油の含有量を組成物の含有量に対して45〜65
重量%としたのは、45重量%未満では手足の冷えが改善
せず、睡眠導入が遅くなるからであり、65重量%を超え
ると睡眠導入効果がなくなることによる。
【0041】cis-3-ヘキセノールの含有量を1〜10重量
%としたのは、1重量%未満では睡眠導入効果がなくな
るからであり、10重量%を超えると睡眠導入は速いが、
睡眠後の眠りのリズムが崩れることによる。34〜45重量
%のラベンダー油と、5〜15重量%のネロリ油と30〜60
重量%のオレンジ油またはレモン油と、1〜10重量%の
cis-3-ヘキセノールとを組合せることにより、睡眠導入
効果が高く、副作用のない睡眠補充および/または導入
用精油組成物を得ることができる。
【0042】本発明はまた、上述した睡眠補充および/
または導入用精油組成物を有効成分とする睡眠補充およ
び/または導入剤である。本発明の睡眠補充および/ま
たは導入剤は、上記の睡眠補充および/または導入用精
油組成物と、精油組成物吸着剤と、遊離水分除去剤と、
精油組成物脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、
吸収促進剤と、シート形成用基剤とを含む。
【0043】ここで、精油組成物吸着剤とは、上記の睡
眠補充および/または導入用精油組成物の吸着担体とな
るものをいい、ケン化価が98.0〜98.5のポリビニルアル
コール(PVA)系吸水性樹脂であることが好ましい。ケ
ン化価が98.0未満では担体表面がゲル化し、吸着担体と
しての機能を失うが、ケン化価が98.0〜98.5であればゲ
ル化せずに安定した吸着担体としての機能を維持できる
ことによる。具体的には、信越ポバールC-17GPやポバー
ル(A)(信越化学工業(株)製)などを挙げることが
でき、信越ポバールC-17GPまたはポバール(A)を使用
することが好ましい。
【0044】シート形成用基剤とは、上記の睡眠補充お
よび/または導入用組成物をシート状にする基剤となる
ものをいい、ケン化価が約88.0であるゴーセランL-0301
(日本合成化学)などを使用することが低温(約180
℃)における接着性が良いことから好ましい。高温(約
230℃以上)で接着すると、溶解して樹脂同士の間の隙
間が塞がれてしまうため、上述の精油組成物の脱着の面
で問題がある。遊離水分除去剤とは、本発明の睡眠補充
および/または導入剤を適用した部位の皮膚表面に存在
する水分を除去するものをいい、アクリル系吸水性樹脂
であることが好ましい。こうしたアクリル系吸水樹脂の
吸水容量は乾燥樹脂体積の400〜800倍にあるものが好ま
しく、サンフレッシュ(三洋化成(株))やアクアキー
プ(住友精化(株)製)などを挙げることができる。球
状粒子であるアクアキープよりも、破砕状のサンフレッ
シュの方が接着性が良いことからサンフレッシュを使用
することが好ましい。
【0045】精油組成物脱着調節剤とは、上述した睡眠
補充および/または導入用精油組成物を吸着して表面に
膜が形成された精油組成物吸着剤の表面を覆い、吸着さ
れた精油組成物の脱着を調節する多孔性物質をいう。具
体的には、種々の分子を吸着する各種の活性炭を挙げる
ことができる。活性炭は、表面積が200〜800m2/gのもの
を使用すると、活性炭に吸着される精油量が少なくなり
脱着がされやすいことから好ましく、400〜800m2/gのも
のを使用することがさらに好ましい。この範囲の表面積
を有する活性炭であれば、各種の市販品を使用すること
ができ、具体的には、カヤマックス(日本化薬(株))
などを挙げることができる。吸着面積が小さい(例え
ば、カヤマックスでは400m 2/g)こと、およびコストの
面から、カヤマックスを使用することが好ましい。
【0046】発熱剤とは、空気中の水分を吸着して吸着
熱を出す物質をいう。このときに発生する熱エネルギー
を利用して、吸着担体に吸着された精油組成物の脱着が
行われる。具体的には、ゼオライトを挙げることができ
る。発熱剤であるゼオライトは、孔径が1〜8Åのもの
を用いることが精油の脱着能のためのエネルギーを供給
する上で好ましく、3〜4Åのものを用いることがさら
に好ましい。このような孔径のゼオライトであれば市販
品を使用することができ、具体的には、ゼオラム(東ソ
ー)等を挙げることができる。
【0047】熱伝導防止剤とは、上記の遊離水分吸着剤
に吸着された遊離水分によって急激に発生する熱の伝導
を防止することができる化合物をいう。具体的には、キ
トサン、セルロースその他の多糖類化合物を挙げること
ができる。キトサンを使用すると、製剤中に色素を含有
する場合には、キトサンをこれら色素の担体とすること
ができるという利点がある。キトサンに代えて、上述の
ような熱の伝導を防止するセルロース等を使用すること
もできる。
【0048】吸収促進剤とは、皮膚から上記睡眠補充お
よび/または導入剤中の精油または精油成分の吸収を促
進するように作用するモノテルペン化合物をいう。具体
的には、L−メントール等を挙げることができ、市販品
を使用してもよい。これらのうち、L−メントールを使
用すると、皮膚表面に存在する残存遊離水分を気化させ
て除き、皮膚を乾燥させて精油が吸収されやすい環境が
つくられるという利点がある。
【0049】本発明の睡眠補充および/または導入剤
は、上記の精油または精油成分を上述した組合せに従
い、所定の量で、常法に従って混合して得た組成物と、
上記の精油組成物吸着剤と、遊離水分除去剤と、精油組
成物脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収促
進剤と、シート形成用基剤とを以下のように混合して製
造することができる。ここでは、ラベンダー油と、ネロ
リ油と、レモン油と、ホップ油とを使用する場合を例に
とって説明する。
【0050】まず、各精油を所定量ずつ秤量し、これら
を混合して精油組成物を調製する。ついでPVAと混合
し、PVAの表面に精油によって表面膜を形成させた後
に、活性炭を加えて精油膜の表面を覆い、炭素被覆粒子
を形成する。上記の精油は、これらのうちの1種類をPV
Aと混合し、次に別の精油をここに添加して混合すると
いう操作を繰り返しながらPVA表面上で混合してもよ
い。この場合には、すべての精油を1種類ずつ順番にPV
Aと混合し、PVAの表面で混合して精油による表面膜を形
成させた後に、活性炭を加えてこの膜の表面を覆い、炭
素被覆粒子を形成する。一方、秤量したメントールを別
のPVAと混合し、上記精油の場合と同様にPVAの表面を覆
った後に活性炭を加え、炭素被覆粒子を形成する。
【0051】これら2種類の炭素被覆粒子を混合し、さ
らに上記の熱伝導防止剤、シート形成用基剤等と混合し
て圧着用シートの上にのせ、熱をかけてシートの両面を
被覆する。このシートを、例えば、適当な大きさに裁断
した不織布等の2枚のシート状素材ではさみ、これらシ
ート状素材の4辺をヒートシールし、本発明の睡眠補充
および/または導入剤1ピースを調製する。
【0052】圧着用シートとしては、化繊紙(坪量18〜
20g)を使用することが好ましく、化繊紙を使用すると
上述した炭素被覆粒子の圧着率がよいという利点があ
る。また、上記のシート状素材は、紙、織布または不織
布からなる群から選ばれるものであることが好ましく、
上記の睡眠補充および/または導入用組成物に含まれる
精油成分が揮発して気体分子となったときに、これらが
透過しやすいものである点で、不織布であることがさら
に好ましい。
【0053】本発明の睡眠補充および/または導入剤
は、脂溶性の高い低分子化合物を成分として含むことか
ら、非経口投与ルートで使用する剤形とすることが好ま
しく、経皮吸収剤とすることにより、速やかに有効成分
を体内に移行させることが可能となる。経皮ルートから
有効成分が吸収されると、吸収の程度は薬物の構造や物
理化学的性質に依存するものの、経口ルートまたは経皮
以外の非経口ルートからの吸収と比較して、薬物のリン
パ移行性が高いからである。経皮吸収された薬物は、表
皮の角質層を通り、表皮下結合組織の乳頭層内にある毛
細血管、毛細リンパ管に至る経路と、付属器官の皮脂腺
を通り、血管やリンパ管に至る経路とにより、毛細血
管、毛細リンパ管から全身循環系に運ばれ薬理作用を発
現する。また、本発明の睡眠補充および/または導入剤
は、2ピースを掌に握らせて投与する。ピースは2〜3
日に1回程度交換すればよく、また、体重や症状の重篤
度によって使用枚数を適宜調節するとよい。
【0054】さらに、本発明の睡眠補充および/または
導入剤は、上述のような剤形(気体製剤)とすることに
より、有効成分が速やかに脳に送達される。また、本発
明の睡眠補充および/または導入剤の投与は掌に握った
本発明の睡眠補充および/または導入剤に含まれる各精
油成分が皮膚を通って吸収されることによって行われて
いるため、本発明の睡眠補充および/または導入剤を掌
からはずすことにより、簡易かつ即座に投与を中止する
ことができる。さらにまた、本発明の睡眠補充および/
または導入剤の有効成分は、毒性の極めて低い天然物の
みからなっており、使用量もわずかであることから副作
用が出る危険性はほとんどないという利点がある。
【0055】
【実施例】以下に、実施例に従って本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0056】(実施例1) (1)試薬 本発明の睡眠補充および/または導入用精油組成物およ
び睡眠補充および/または導入剤の製造には、以下の試
薬を使用した。 (1−1)精油 ラベンダー油(フランス、イタリア、イギリス産のも
の)、ネロリ油(アルジェリア、モロッコ産のもの)、
レモン油(カリフォルニア、フロリダ産のもの)、ピペ
リトン、フェランドレン系ユーカリ油(オーストラリア
産のもの)、アンブレット・シード油(インド産のも
の)、緑茶油(国産のもの)、ジャスミン油(南フラン
ス産のもの)は小川香料(株)より購入した。cis-3-ヘ
キセノールは信越化学(株)より購入した。
【0057】(1−2)その他 PVAは、信越ポバールC-17GPを信越化学(株)より、ま
た、ゴーセランL-0301を日本合成化学(株)より購入し
た。アクリル系吸水性樹脂(サンフレッシュ)は、三洋
化成工業(株)より購入した。活性炭(カヤマックス)
は日本化薬(株)より、また、ゼオライト(ゼオラム)
は東ソー(株)から購入した。キトサン(コーヨーキト
サン)は甲陽ケミカル(株)よりそれぞれ購入した。
【0058】(実施例2)睡眠補充および/または導入
用精油組成物および睡眠補充および/または導入剤の製
造 本発明の睡眠補充および/または導入用精油組成物は、
下記表1に示す処方に従って各精油および精油成分を混
合して調製した。なお、表1に示した使用量は、これら
の各組成物を製剤(アロマテープNS02〜07)としたとき
の1ピース当たりの量である。
【0059】 表 1 睡眠補充および/または導入用精油組成物の処方 精油 1 2 3 4 5 6 7 8ラヘ゛ンタ゛ー 油 0.44 0.410.38 0.360.44 0.40 0.44 0.40 ネロリ油 0.22 0 0.13 0 0.22 0 0 0 オレンジ油 0.17 0.15 0 0.23 0.1 5 0 0.15 0.20 マンダリン油 00.15 0 00 0 0.1 0 0.20 レモン油 0 0 0.19 0 0 0. 27 0 0 ユーカリ油*1 0 0 0 0.20 0 0 0 0 ホップ油 0.28 0.20 0 0.21 0 0.23 00アンフ゛レット・シート゛ 油0 0 0 0 0 0 0.22 0 緑茶油 0 0 0 0.10 0.29 0 0 0.20 cis-3-ヘキセノール 0 0.09 0.10 0 00.10 0.09 0 ジャスミン油 00 0.20 0 0 0 0 0 PVA(信越ホ゜ハ゛ール)70 70 7070 70 7070 70 活性炭 8 8 8 8 8 8 8 8 79.1 79.079.0 79.179.1 79.0 79.0 79.0 *1:ピペリトン、フェランドレン系ユーカリ油
【0060】処方1の場合を例に挙げると、ラベンダー
油をPVA(信越ポバールC-17GP)と混合し、ついでネロ
リ油をここに混合し、オレンジ油またはレモン油、ホッ
プ油の順に1種類ずつ加えて室温で混合した。他の処方
の場合も同様に混合した。調製した睡眠補充および/ま
たは導入用精油組成物の炭素被覆粒子は、気密性の高い
容器、例えば、ふたのついたすり付きガラス容器に入れ
て室温で保存した。
【0061】(実施例3)睡眠補充および/または導入
剤の製造 上記実施例2で調製した各睡眠補充および/または導入
用精油組成物の炭素被覆粒子(79.1mg)を、表2に示す
量の基剤と混合して睡眠補充および/または導入剤を製
造した。
【0062】 表 2 基 剤 量(mg) ゴーセラン L-0301 70 サンフレッシュ 92 ゼオラム 20 甲陽キトサン 6 L−メントール 14 合 計 202
【0063】これらの基剤成分は以下のようにして混合
した。まず、サンフレッシュ(三洋化成工業(株)製)
とゴーセランL-0301(日本合成化学(株)製)とを混
合、攪拌し、ついでゼオラム(ゼオライト、東ソー
(株)製)、L-メントール(小川香料(株)製)、甲陽
キトサン(甲陽ケミカル(株)製)をこの順番で1種類
ずつ混合して攪拌し、基剤を調製した。ついで、上記実
施例2で調製した各睡眠補充および/または導入用精油
組成物と混合した。
【0064】ここで、上記の基剤と主剤とを圧着用シー
トの上に均一の厚さになるように広げ、その上にさらに
別の圧着用シートのせて基剤と上記組成物との混合物を
挟んで熱圧着し、睡眠補充および/または導入剤をシー
ト状とした。このシートを、例えば、適当な大きさに裁
断し、同様に適当な大きさに裁断した不織布等のシート
状素材によってはさみ、4辺をヒートシールし、本発明
の睡眠補充および/または導入剤を調製した。各処方
を、番号順に、アロマテープNS02〜NS09と命名した。
【0065】(実施例4) (1)被験者および被験者へのアロマテープの装着:21
歳から37歳の健常人17名の労宮および大椎に、実施例1
で製造したアロマテープを、後述する(3)の手順に従
って装着した。労宮および大椎は、いずれも鍼灸の主な
経穴であり、労宮は掌の中指とくすり指付け根から約2
cm位の所にあり、大椎は首の付け根にある。大椎に対し
ては、アロマテープを衣類の衿の部分の内側に両面テー
プで留め付けた。労宮に対しては、アロマテープ2枚を
手に握らせた。
【0066】(2)脳波測定:測定用機器:アロマテ
ープを上記のように装着した17名の脳波を、13チャネル
万能型脳波計(日本光電社製)、データレコーダPC208A
X(SONY社製)、パーソナルコンピューターPC-9801VXお
よびPC-9821V200(NEC社製)、12ビットのA/Dコンバー
タ(ネオローグ社製)およびバントパスフィルタ(NF-
回路ブロック)とを用いて測定した。 脳波測定:測定は、国際10/20法により、Fp1、Fp2、F
1、F2、C3、C4、T3、T4、01、02にペースト(日本光電
社製)を介して、電極を装着した。脳波は、両耳朶との
単極導出にて記録するとともに、F1、F2を除き、すべて
データレコーダーに磁気記録した。
【0067】(3)試験手順:脳波を記録する前に、KS
S眠気尺度表および日本語版POMS(Profile of Mood Sta
tes)に被験者の覚醒度と気分状態を記入させた。電極
を装着し、シールドルーム内の椅子に座らせ、安静閉眼
状態の脳波を30分間記録した。次にアロマテープを労宮
と大椎に装着し、安静閉眼状態の脳波測定と同様にし
て、30分間脳波を記録した。実験が終了した後には、内
省報告を求めるとともに、再度KSSおよびPOMSを用い
て、覚醒度並びに気分状態をチェックし、効果判定の参
考にした。
【0068】(4)脳波の分析:紙に記録した脳波を視
察により分析し、アーティファクトや眠気の有無をチェ
ックした。ついで、磁気記録した脳波をオシロスコープ
でモニターしながら再生して、まずコントロールの脳波
を1チャネルごとに2分間分析した。ついで、アロマテ
ープを装着した直後、5分後、10分後、15分後および20
分後の時点からそれぞれ2分間の脳波を、各々1チャネ
ルごとに分析した。脳波による眠気のチェックは、Rech
tschaffen & Kalesの基準に従って行い、安静閉眼状態
ですでに眠気のある者については分析から除外した。ア
ロマテープを被験者に装着した後の意識状態の判定は、
sleep spindleを目安にした。再生した脳波をA/D変換
し、山梨大学教育学部椙村教授の開発したパーソナルコ
ンピュータを用いた波形認識法により、平均振幅、%タ
イム、振幅幅、エネルギー(面積)等の分析を行った。
【0069】(5)結果:結果を表3および図5〜8に
示す。 (5−1)視察による脳波の検討 アロマテープNS02を労宮に装着すると、すべての被験者
でα波の減少が見られ、ついでθ波およびδ波が増加し
た(図5)。さらに、軽睡眠状態の特徴であるhumpおよ
び睡眠紡錘波(sleep spindle)の出現が認められるよ
うになった。このため、NS02の睡眠作用を検討すべく、
各被験者の労宮にアロマテープNS02を装着した後に、睡
眠紡錘波が出現した時間を視察により測定した。結果を
表1に示す。
【0070】 表3 最初の睡眠紡錘波(sleep spindle)の出現時間および覚 醒時間 被験者 年齢 性別出現時間 覚醒時間 K.K. 23歳07月 男性 13分40秒 25分10秒 T.T. 23歳09月 男性 19分10秒 27分40秒 C.F. 24歳10月 女性 08分45秒 27分50秒 E.I. 21歳09月 女性 06分20秒 11分30秒 K.C. 37歳08月 男性 10分40秒 15分20秒 Y.S. 22歳04月 女性 13分30秒 24分20秒 HI. 23歳02月 女性 05分50秒 36分30秒 女性平均 23歳01月 06分58秒 25分02 秒 男性平均 28歳04月 14分30秒 22分43 秒 平均 25歳03月 11分09秒 24分02 秒
【0071】表3に示すように、男女別の平均値で見る
と、女性群で睡眠紡錘波の出現時間が平均より短かかっ
たが、覚醒時間は平均より長くなっていた。男性群では
逆の傾向を示した。被験者によっては、κ-complexesの
出現が見られ、Rechtschaffen & Kales(1968)によれ
ば、睡眠段階の第1段階から第2段階への移行期、または
第3段階の脳波に相当すると思われた。すべての被験者
に睡眠紡錘波の出現が見られ、少なくとも20分間は意識
が眠りに傾いていたことが示唆された。
【0072】(5−2)波形認識法による脳波の分析に
ついて 5人の被験者の左中心部(C3)について、コントロール
における2分間の波の個数と振幅和の平均値、および睡
眠紡錘波が出現した時点における各被験者の波の個数、
振幅和を平均した値を得た。コントロールの脳波は、図
6および7に示したように、波の個数、振幅和ともα2
帯域にピークがあり、視察的にも明らかなように、すべ
ての被験者で眠気のないリラックスした状態であった。
また、アロマテープを労宮に装着した後の平均は、δ2
からθ1の徐波帯域の脳波が個数、振幅ともに増加し、
α1からβ2にかけて波の個数と振幅和が減少していた
(図6および7)。特に、δ2の増加とα2の減少が著し
く、これらの傾向は振幅において顕著であった(図
8)。
【0073】(5−3)δ2帯域の脳波の時間変動につ
いて 次に、δ2帯域の脳波について、各被験者の左中心部(C
3)における波の個数の変化、および振幅和の変化を検
討した。図6および7に示すように、アロマテープNS02
装着後5分の時点で、すでに1人の被験者E.I.ではδ2
帯域での脳波における波の個数および振幅和の増加が見
られた。δ2帯域における波の個数は、個人差はあるも
のの時間の経過につれて増加しており、アロマテープNS
02装着後20分までにはすべての被験者で増加が認められ
た。また、デルタ2帯域の振幅和についても、同様の傾
向が認められた。
【0074】これらの結果は、表3に示した睡眠紡錘波
の出現とほぼ一致しており、アロマテープNS02装着後20
分までには、すべての被験者が眠りに傾いた。以上よ
り、本発明の睡眠補充および/または導入剤は、被験者
の睡眠準備状態のレベルを速やかに上げることが明らか
になった。また、覚醒後のふらつきや、めまいなども見
られず、従来の睡眠補充および/または導入剤使用時に
見られたような副作用は観察されなかった。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、速やかに睡眠準備状態
のレベルを高めることができ、しかも従来使用されてき
た薬物が有するような副作用がない睡眠補充および/ま
たは導入用精油組成物および睡眠補充および/または導
入剤が提供される。本発明の睡眠補充および/または導
入用精油組成物および睡眠補充および/または導入剤
は、植物由来の精油を有効成分とする気体製剤であり、
体内には精油成分だけが吸収されるため安全性が高い。
また、経皮吸収ルートによる投与であり、投薬を速やか
に中止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 睡眠状態を現す図である。
【図2】 睡眠閾値と睡眠準備状態との関係を表す図で
ある。
【図3】 睡眠薬によるREMとNREMとの比率の変化を示
す図である。
【図4】 薬物の投与と体内残留との関係を示す図であ
る。
【図5】 本発明の睡眠補充および/または導入剤を使
用したときの脳波の帯域周波数の経時的変化を示す図で
ある。
【図6】 脳波の帯域周波数と振幅和の変化を示す図で
ある。
【図7】 脳波の波の個数の経時的な変化を示す図であ
る。
【図8】 脳波の振幅の経時的変化を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月17日(1999.6.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】 表 2 基 剤 量(mg) ゴーセラン L−0301 70 サンフレッシュ 92 ゼオラム 20 甲陽キトサン 6 L−メントール 14 合 計 202
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】 表3 最初の睡眠紡錘波(sleep spindle)の出現時間および覚醒時間 被験者 年齢 性別 出現時間 覚醒時間 K.K. 23歳07月 男性 13分40秒 25分10秒 T.T. 23歳09月 男性 19分10秒 27分40秒 C.F. 24歳10月 女性 08分45秒 27分50秒 E.I. 21歳09月 女性 06分20秒 11分30秒 K.C. 37歳08月 男性 10分40秒 15分20秒 Y.S. 22歳04月 女性 13分30秒 24分20秒 H.I. 23歳02月 女性 05分50秒 36分30秒 女性平均 23歳01月 06分58秒 25分02秒 男性平均 28歳04月 14分30秒 22分43秒 平均 25歳03月 11分09秒 24分02秒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/04 A61K 47/04 47/10 47/10 47/32 47/32 47/36 47/36 47/38 47/38 A61P 25/20 A61P 25/20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラベンダー油またはラバンジン油と、ネ
    ロリ油、オレンジ油、レモン油およびマンダリン油から
    なる群から選ばれる少なくとも2種以上の精油と、ホッ
    プ油、ユーカリ油、アンブレット・シード油、緑茶油、
    およびジャスミン油からなる群から選ばれる少なくとも
    1種以上の精油とからなる睡眠補充および/または導入
    用精油組成物。
  2. 【請求項2】 組成物の総重量に対して、35〜45重量%
    の前記ラベンダー油またはラバンジン油と、16〜55重量
    %の前記ネロリ油、オレンジ油、レモン油およびマンダ
    リン油からなる群から選ばれる少なくとも2種以上の精
    油と、10〜39重量%の前記ホップ油、ユーカリ油、アン
    ブレット・シード油、緑茶油、およびジャスミン油から
    なる群から選ばれる1種以上の精油とからなる請求項1
    に記載の睡眠補充および/または導入用精油組成物。
  3. 【請求項3】 組成物の総重量に対して、34〜45重量%
    のラベンダー油またはラバンジン油と、45〜65重量%の
    ネロリ油、オレンジ油、レモン油およびマンダリン油か
    らなる群から選ばれる少なくとも2種以上の精油と、1
    〜10重量%のcis-3-ヘキセノールからなる睡眠補充およ
    び/または導入用精油組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の睡眠補
    充および/または導入用精油組成物を有効成分とする睡
    眠補充および/または導入剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の睡眠補
    充および/または導入用精油組成物と、精油組成物吸着
    剤と、遊離水分除去剤と、精油組成物脱着調節剤と、発
    熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収促進剤と、シート形成用
    基剤とを含む睡眠補充および/または導入剤。
  6. 【請求項6】 前記精油組成物吸着剤はケン化価98.0〜
    98.5のポリビニルアルコール系高分子吸水性樹脂であ
    り、前記シート形成用基剤はケン化価88.0±2.0のポリ
    ビニルアルコール系高分子吸水性樹脂であり、前記遊離
    水分除去剤はアクリル系高分子吸水性樹脂である請求項
    5に記載の睡眠補充および/または導入剤。
  7. 【請求項7】 前記精油組成物脱着調節剤は活性炭であ
    り、前記発熱剤はゼオライトであり、前記熱伝導防止剤
    は多糖類化合物であり、前記吸収促進剤はモノテルペン
    である請求項5または6に記載の睡眠補充および/また
    は導入剤。
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