JP2000356295A - 免震配管システムおよび脚部付きベローズ形伸縮管継手 - Google Patents

免震配管システムおよび脚部付きベローズ形伸縮管継手

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも小さい占有面積で、かつ簡単な構
造で、変位可能に支持された免震配管システムを提供す
ると共に、該システムに用いるためのベローズ型伸縮継
手を提供すること。 【解決手段】 地盤側の配管20と免震ビル側の配管3
0とを接続する、L字状管路を呈する免震配管システム
Sである。該L字状管路の両端部には、各々、ヒンジ式
またはジンバル式ベローズ形伸縮管継手1、2が設けら
れ、該L字状管路のL字状屈曲部の近傍には、本発明に
よる脚部付きベローズ形伸縮管継手3が設けられる。脚
部付きベローズ形伸縮管継手3は、ヒンジ式またはジン
バル式ベローズ形伸縮管継手の構造部4を有し、かつ支
持面7と接するための脚部5を有する。その脚部5は、
支持面側の端部に、該支持面上をころがり摩擦またはす
べり摩擦をもって変位するための接触手段6を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤に敷設された
配管と、免震ビル(地盤上に免震装置を介して建築され
たビルディング)内の配管との接続に用いられる免震配
管の技術分野に属し、特に、ベローズ形伸縮管継手を用
いた配管構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免震ビルは、地盤とビルとの間に免震装
置(積層ゴム式、機械式等)を介在させ、地震による地
盤の揺れがビル側に伝わり難くしたビルである。例えば
ゴムの基礎を地盤上に設けその上にビルを建てたような
状態のものであり、これによって地盤が地震で揺れても
ゴムの基礎によって揺れが吸収され、ビル側には揺れが
伝わり難くなっている。ここでいう地盤は、建築の基礎
として土地の表層に施された補強層を含むものであり、
大地の振動系に属する基盤全体を意味する。
【0003】免震ビルでは、上記のような免震装置によ
ってビル自体は地盤の振動を受け難くなっているが、そ
のために、ビル内に外部から入り込んでいる水道管や都
市ガス管などの配管については、地盤側の配管系と免震
ビル側の配管系との間(特に地盤とビルとの境目におけ
る配管の接続部分)に相対変位が生じて問題となる。こ
の問題は、地盤に設置されたタンクや冷凍機等の機器と
免震ビル側の配管とを接続する場合でも同様である。以
下、地盤と免震ビルとの間に生じる相対変位を単に「相
対変位」ともいう。
【0004】上記問題に対処するため、地盤と免震ビル
との境目における配管の接続部分に、相対変位を吸収す
る構造を設ける必要がある。この相対変位を吸収するた
めの配管構造物として、免震(または耐震)配管が知ら
れている。
【0005】従来の免震配管としては、特開平9−30
3616号公報に記載の「耐震配管」やこれに類するも
のがある。この免震配管は、90°エルボを挟んで金属
製フレキシブルチューブを接続してL字状とし、これを
地盤側の配管と免震ビル側の配管との接続部分に用いる
ものである。この免震配管は、90°エルボを挟んだ2
つの金属製フレキシブルチューブで相対変位を吸収する
ものであるが、より大きな変位を吸収するには、より長
いフレキシブルチューブが必要となる。従って、変位量
に応じて異なる長さのフレキシブルチューブが必要とな
る。また、地震による相対変位を吸収する際の挙動が特
定できないために、周囲に広い挙動用のスペースが必要
である上に、地震がおさまって相対変位が無くなって
も、免震配管の変形は元の中立位置には完全に復帰せ
ず、屈曲状態や伸縮状態として変形したままとなる。
【0006】また、金属製フレキシブルチューブに代え
て、ボール管継手や、ヒンジ式・ジンバル式のベローズ
形伸縮管継手を複数用いてL字状に配管し、各管継手で
3次元方向の各自由度を分担させ、3次元の相対変位を
L字状部分で全て吸収させる免震配管もある。このよう
な免震配管には、地盤とビルとの相対変位が無くなる
と、元の中立位置に復帰することが可能なものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記免震配管
は、いずれも基本的には配管をL字状にすることで複数
方向の相対変位を吸収しようとするものである。そのた
めに、該免震配管のL字状の屈曲部分は、地盤または免
震ビルに対して変位可能な状態で支持されねばならな
い。従来、そのための構造として、正方形状のステー
ジ台(基板)を地盤に設け、ステージ台上にローラー付
き架台を乗せて架台を変位可能とし、該架台上に90°
エルボを固定するという構造、90°エルボをスプリ
ング等で免震ビル側から吊り下げて変位可能とする構
造、エルボ部分で1点、エルボ部分を挟む両アーム部
分の各々の中点付近で2点の、計3点を架台で支える構
造、などが用いられている。
【0008】しかし、上記のようなローラー付き架台
を用いて可動とする構造は、L字状の配管の屈曲部分全
体を受ける大がかりな装置となり、大きなスペースを占
める上に高価となる。また、上記のようなエルボ部分
を吊り下げて可動とする構造は、変位量が大きくなるほ
ど配管を上方向へ引き上げる力と引き上げ量が大きくな
るので、配管の挙動を複雑にするだけでなく、配管に無
用の負荷を与えるので、大きな変位量の場合は適用でき
なかった。また、上記のような支持構造は、鉛直方向
の変位に対応できず、また配管が3点の架台上を擦れな
がら変位することも設備の耐久性や自由度の面では好ま
しくない。
【0009】本発明の目的は、従来よりも小さい占有面
積で、かつ簡単な構造で、変位可能に支持された免震配
管システムを提供すると共に、該システムに用いるため
のベローズ形伸縮管継手を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の特徴を有
するものである。 (1)地盤側の配管と免震ビル側の配管とを接続するL
字状管路を有し、該L字状管路の両端部には、各々、下
記(A)のベローズ形伸縮管継手が設けられ、該L字状
管路の屈曲部の近傍には、脚部付きベローズ形伸縮管継
手が設けられ、該脚部付きベローズ形伸縮管継手は、下
記(A)のベローズ形伸縮管継手の構造を有し、かつ地
盤側または免震ビル側のいずれかの振動系に属する下記
(B)の支持面と接するための脚部を有し、該脚部は、
該(B)の支持面側の端部に、該(B)の支持面ところ
がり摩擦またはすべり摩擦をもって接するための接触手
段を有するものであることを特徴とする免震配管システ
ム。
【0011】(A)ベローズ形伸縮管継手の両端部同士
がヒンジ部を介して互いに連結された構造を有し、該ヒ
ンジ部を介した連結によって、内圧推力による伸縮を抑
制されかつ1平面以上での屈曲動作を可能とされたベロ
ーズ形伸縮管継手。 (B)脚部付きベローズ形伸縮管継手がころがり摩擦ま
たはすべり摩擦をもって接触する相手の支持面。
【0012】(2)上記(A)のベローズ形伸縮管継手
が、ヒンジ式ベローズ形伸縮管継手、またはジンバル式
ベローズ形伸縮管継手である上記(1)記載の免震配管
システム。
【0013】(3)上記L字状管路が、地盤側から免震
ビル側へ順に、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、
直管、屈曲部、上記脚部付きベローズ形伸縮管継
手、直管、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、を
該管路中に少なくとも含むものであって、上記(B)の
支持面が地盤側の振動系に属する面である上記(1)記
載の免震配管システム。
【0014】(4)上記L字状管路が、免震ビル側から
地盤側へ順に、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、
直管、屈曲部、上記脚部付きベローズ形伸縮管継
手、直管、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、を
該管路中に少なくとも含むものであって、上記(B)の
支持面が免震ビル側の振動系に属する面である上記
(1)記載の免震配管システム。
【0015】(5)上記およびに用いられる(A)
のベローズ形伸縮管継手がヒンジ式ベローズ形伸縮管継
手であり、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手がヒンジ
式ベローズ形伸縮管継手の構造を有するものである上記
(3)または(4)記載の免震配管システム。
【0016】(6)上記に用いられる(A)のベロー
ズ形伸縮管継手がヒンジ式ベローズ形伸縮管継手であ
り、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手がジンバル式ベ
ローズ形伸縮管継手の構造を有するものであり、上記
に用いられる(A)のベローズ形伸縮管継手がジンバル
式ベローズ形伸縮管継手である上記(3)または(4)
記載の免震配管システム。
【0017】(7)上記およびに用いられる(A)
のベローズ形伸縮管継手がジンバル式ベローズ形伸縮管
継手であり、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手がジン
バル式ベローズ形伸縮管継手の構造を有するものである
上記(3)または(4)記載の免震配管システム。
【0018】(8)上記(B)の支持面が、地盤側の振
動系に属する面であって、さらにベース板が地盤上に設
けられ、該ベース板の上面を上記(B)の支持面とし
て、これに上記脚部付きベローズ形伸縮管継手の接触手
段が接しながら変位する構成とされている上記(1)記
載の免震配管システム。
【0019】(9)上記(B)の支持面が、免震ビル側
の振動系に属する面であって、さらにベース板が免震ビ
ルから吊られた状態として設けられ、該ベース板の上面
を上記(B)の支持面として、これに上記脚部付きベロ
ーズ形伸縮管継手の接触手段が接しながら変位する構成
とされている上記(1)記載の免震配管システム。
【0020】(10)上記(A)のベローズ形伸縮管継
手の構造を有し、かつ上記(B)の支持面と接するため
の脚部を有し、該脚部は、該(B)の支持面側の端部
に、該(B)の支持面ところがり摩擦またはすべり摩擦
をもって接するための接触手段を有することを特徴とす
る脚部付きベローズ形伸縮管継手。
【0021】(11)上記(A)のベローズ形伸縮管継
手が、ヒンジ式ベローズ形伸縮管継手、またはジンバル
式ベローズ形伸縮管継手である上記(10)記載の脚部
付きベローズ形伸縮管継手。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の免震配管システムSは、
図1(a)に一例を示すように、地盤側の配管20と、
免震ビル側の配管30とを接続する配管構造物である。
同図に示すように、当該システムSは、全体としてL字
状を呈する配管構造物であって、このL字状管路の両端
部に、上記(A)のベローズ形伸縮管継手1、2が設け
られている(以下、上記(A)のベローズ形伸縮管継手
を、「(A)の管継手」と呼ぶ。この(A)の管継手に
ついては後に詳述する)。これら(A)の管継手1、2
によって、当該システムSは、地盤側の配管20、免震
ビル側の配管30と各々接続されている。同図の例は、
L字状管路を水平面内に配置する場合の例であって、
(A)の管継手1、2は、少なくとも水平面での屈曲動
作をし得るように、即ち、図1(a)において矢印m
1、m2の方向に屈曲動作をし得るように用いられてい
るが、使用状況はこれに限定されるものではない。矢印
m1、m2、および後述の矢印m3は、各管継手の片側
の屈曲動作だけを示しているが、実際の動きは一端が他
端に対して行う相対的な屈曲動作である。
【0023】L字状管路中の屈曲部の近傍には、脚部付
きベローズ形伸縮管継手3が、少なくとも水平面の屈曲
を吸収し得るように(即ち、少なくとも矢印m3の方向
に屈曲動作をし得るように)挿入されている。この脚部
付きベローズ形伸縮管継手は、本発明による管継手であ
って、図1(b)に一例を示すように、(A)の管継手
の構造をなす部分4を有し、かつ上記(B)の支持面7
に対して自らと当該システムとを支持する脚部5をさら
に有するものである。以下、この脚部付きベローズ形伸
縮管継手を単に「脚部付き管継手」とも呼び、また上記
(B)の支持面を単に「(B)面」とも呼ぶ。(B)面
については後述する。脚部付き管継手の脚部5は、該
(B)面7側の端部に、該(B)面ところがり摩擦また
はすべり摩擦をもって接しながら該(B)面上を移動す
るための接触手段6を有する。これによって、脚部付き
管継手3は、L字状管路全体を支持しながら、(B)面
上をスムーズに変位できる構成となっている。
【0024】上記構成によって、相対変位を効果的に吸
収することができる。特に、脚部付き管継手は、本発明
に独自の構造となる重要な部分であって、その脚部は、
システムを中央で可動に支えるものでありながら、脚部
付き管継手のベローズ形伸縮管継手部の占有面積内に納
まっている。従って、簡単な構造で空間を占有しないコ
ンパクトな支持構造でありながらも、L字状管路の屈曲
部を地盤または免震ビルに対して変位可能に支持し、シ
ステム全体が相対変位を効果的に吸収することを可能と
している。
【0025】また、3つのベローズ形伸縮管継手1〜3
を用いた構成によって、各管継手1〜3の間隔の長短で
変位の大きさを決めることができ、例えば金属製フレキ
シブルチューブを用いた従来のシステムに比べて、変位
荷重が極端に小さいものとなっている。これは、システ
ムが変位を吸収するする場合、変位と逆方向に変位前の
状態に戻ろうとする力が生じるが、金属製フレキシブル
チューブの場合と異なり、(A)の管継手が、ベローズ
の外周に変位時に抵抗になる網組みブレードを持たない
からであり、また、各管継手をつなぐ直管部が、てこの
原理の「うで」に相当し、小さな力で角変位させるから
である。
【0026】(A)の管継手は、ヒンジ部を介して互い
に連結された構造を有するものであり、これによって、
単なるベローズ形伸縮管継手とは異なり、内圧推力によ
るベローズの伸縮が抑制されながらも、1平面以上での
屈曲動作が可能になったものである。(A)の管継手に
は、ヒンジ式ベローズ形伸縮管継手、ジンバル式ベロー
ズ形伸縮管継手と呼ばれる管継手が代表的なものとして
含まれる。特に、JIS B 0151に、番号420
8として規定されたヒンジ式ベローズ形伸縮管継手、番
号4207として規定されたジンバル式ベローズ形伸縮
管継手が規格品として好ましい。ヒンジ式ベローズ形伸
縮管継手は、1平面での屈曲動作が可能であり、ジンバ
ル式ベローズ形伸縮管継手は、任意平面での屈曲動作が
可能である。また、(A)の管継手は、前記のような規
格品だけでなく、各部の寸法、材料などが規格外であっ
ても、また、ヒンジ部やジンバルの各部品に改良が加え
られたものであってもよく、基本的に(A)の管継手と
等価な構造を有するものであればよい。
【0027】L字状管路は水平面内に配置する態様のみ
ならず、免震ビルの配管の現状に応じて、鉛直面内な
ど、種々の平面内に配置する態様があり得る。上記例の
ように、L字状管路を水平面内に配置する場合には、
(A)の管継手および脚部付き管継手を、少なくとも水
平面での屈曲動作をし得る様に接続する。これは、
(A)の管継手の構造が特にヒンジ式の場合には1平面
内での屈曲動作に限定されるので、L字状管路を水平面
内に配置する場合には、水平面での屈曲動作をし得る様
に設置の向きを選択して用いるという意味である。以
下、L字状管路を水平面内に配置する場合の態様に沿っ
て、当該システムを説明する。
【0028】脚部付き管継手は、当該システムや一般の
配管の支持に用いるための本発明による独自の管継手部
材であって、図1(b)、図2に示すように、(A)の
管継手の構造をなす部分4と、脚部5を有するものであ
る。脚部5の先端部には、接触手段6が設けられてい
る。部分4の構造は、上記における(A)の管継手の説
明のとおりである。
【0029】脚部は、(B)面に対してシステムを支え
得る長さと強度を有するものであればよく、外形、構
造、材料、数などは自由に選択してよい。脚部付き管継
手に対して(B)面は、必ずしも下方にあるとは限らな
い。従って、脚部は、部分4から必要な方向に向かって
延びるように必要な数だけ設けられてよい。例えば、上
方の(B)面に対して懸垂状態としてシステムを支える
態様であってもよく、脚部付き管継手を挟むように向か
い合って対向する2つの垂直面の各々に向かって延びる
態様でもよい。
【0030】脚部の外形は、図1(b)、図2に示すよ
うに、(A)の管継手の構造をなす部分4から直線的に
(B)面へ向かって延びる形状が単純で好ましいが、取
付け現場の事情に応じて自由に設計してよい。脚部の構
造は、単純に中実や中空の柱状物を用いた構造や、平鋼
や形鋼などを組み合わせた構造などが好ましいが、それ
らに限定されず、現場の設置条件に応じてさらに脚部の
全長を調整可能とした構造やサスペンションを含んだ構
造としてもよい。脚部の材料は、一般的な構造に用いら
れる鋼材や、ステンレス、高強度の樹脂材料などが挙げ
られる。図1(b)、図2に示す例では、溶接によって
平鋼をT字状断面となるよう組み合わせることで、安価
で、軽く、強度を持たせた構造としている。
【0031】接触手段は、(B)面に対して、ころがり
摩擦、または、すべり摩擦をもって接することができる
ものであればよい。ころがり摩擦のためには、例えば、
車輪、ローラー、球体などのころがり用部材が脚部本体
に取付けられている構造が挙げられる。また、特別な態
様として、ローラーコンベアのようなころがり用部材が
(B)面側に敷設された構造であっても、そのころがり
用部材は、脚部に属する接触手段であるとみなす。
【0032】すべり摩擦のためには、脚部先端部が、例
えば、半球状などの曲面を呈するなめらかな接触面とな
っている構造が挙げられ、そのような構造を有する滑り
用部材が脚部本体に取付けられている構造が挙げられ
る。滑り用部材の材料と、後述のベース板の材料の組合
せは、滑りやすさを考慮して適宜選択してよい。
【0033】脚部の数、および1つの脚部が有するころ
がり部材や滑り用部材の数は限定されないが、相対変位
を吸収すべく自在に挙動する点から、1本の脚が1つの
ころがり部材を有する構造が好ましい。
【0034】(A)の管継手の構造をなす部分と脚部と
の結合、脚部の本体部分と接触手段との結合は、ボルト
やねじ込みなどによる着脱自在の結合構造であっても、
溶接などによる一体的な結合構造であってもよい。輸送
時のコンパクト化の面では、現地組み立てが可能である
ボルト締めによる結合方法が好ましく、部品点数を減ら
してより単純な構造とする点では、溶接などによる一体
的な結合構造が好ましい。
【0035】図1(b)に示すように、脚部5は、部分
4の両端部4a、4bのうちの一方の側(同図では端部
4a)に固定され、部分4の他方の端部(同図では端部
4b)は脚部5に対して自在に屈曲動作が可能となる。
この脚部付き管継手を当該システム中に用いる場合、特
に(A)の管継手の構造がジンバル式の場合には、図1
(b)に示すように、脚部5が固定された方の端部4a
が、屈曲部の側となるように接続することを推奨する。
この接続によって、当該システムが免震ビル側や地盤側
から(B)面に垂直な相対変位を受けても、脚部が
(B)面に立脚していることが挙動の障害になることは
なく、端部4b側は(B)面に垂直な方向にも自由に軸
変位でき、相対変位を好ましく吸収できるものとなる。
【0036】脚部付き管継手は屈曲部の近傍に設けられ
るが、(イ)脚部付き管継手が屈曲部に対して免震ビル
側に設けられる配置パターン(図1の例)と、(ロ)脚
部付き管継手が屈曲部に対して地盤側に設けられる配置
パターンとがある。脚部付き管継手と、直管を挟んで相
手方となる(A)の管継手との一対によって、これらの
軸方向以外の相対変位を吸収させるという点では、脚部
付き管継手が立脚する(B)面は、相手方の(A)の管
継手が接続される振動系(免震ビル側または地盤側)と
は反対側の振動系に属する面とすべきである。例えば、
上記(イ)の配置パターンでは、図1に示すように、相
手方の(A)の管継手2は免震ビル側に接続されるの
で、脚部付き管継手3が立脚する(B)面は、地盤側の
振動系に属する面となる。逆に、上記(ロ)の配置パタ
ーンでは、(B)面は免震ビルの振動系に属する面とな
る。
【0037】(B)面が地盤側の振動系に属するとは、
具体的には、該(B)面を、地盤自体の表面、地盤と一
体的に振動するシステム専用の地盤表層部材(下記ベー
ス板等)や架台の上面等とすることを意味する。一方、
(B)面が免震ビル側の振動系に属するとは、該(B)
面を、免震ビルから張り出した部材の表面、免震ビルの
壁面、免震ビルから吊り下げられた部材(ベース板等)
の表面などとする態様が挙げられる。(B)面は、平
面、曲面、凹面、凸面のいずれの態様であってもよい。
また、施工性と占有面積の点からは、(B)面は地盤側
の振動系に属する場合、即ち、上記(イ)の配置パター
ンの方が好ましいことになる。
【0038】上記(イ)の配置パターンの場合、図1
(b)に示すように、接触手段がスムーズに移動し得る
よう、地盤上にシステム専用の板状部材としてベース板
7aを設け、その上面を(B)面7とする態様が好まし
い。ベース板は、表面が平坦で、接触手段から荷重を受
けても変形や破壊が生じず、接触手段が移動する領域を
カバーする形状であればよい。また、ベース板は、地盤
の表層を固く仕上げたものであってもよいが、鋼板、高
強度の樹脂板などを地盤上に固定する態様が好ましい。
【0039】上記(イ)の配置パターンとする場合の、
当該システムの基本的な構成は、図1に示すように、地
盤側の配管20から免震ビル側の配管30へ順に、
(A)の管継手1、直管P1、屈曲部P2、脚部
付き管継手3、直管P3、(A)の管継手2、が接
続されたものとなる。(A)の管継手にはヒンジ式、ジ
ンバル式のいずれをどのように組み合わせて用いてもよ
い。また(B)面は、上記説明のとおり、地盤側の振動
系に属する面である。〜の配管要素の接続には、適
宜、管フランジ、ねじ込み、溶接継手などを用いる。こ
れら〜の配管要素の間には、必要に応じて他の配管
要素を挿入してもよい。
【0040】一方、上記(ロ)の配置パターンとする場
合の基本的な構成は、図1とは逆に、免震ビル側の配管
から地盤側の配管へむかって前記〜の順に、配管要
素が接続されたものとなる。(B)面は、上記説明のと
おり、免震ビル側の振動系に属する面である。以下に、
上記(イ)の配置パターンとする場合を例として、当該
システムの基本的な構成について説明する。
【0041】(A)の管継手には、上記したようにヒン
ジ式とジンバル式とが含まれる。当該システムの基本的
な構成では、目的の挙動に応じて、、、に含まれ
る(A)の管継手の構造に、ヒンジ式、ジンバル式を自
由に選択してよい。その組み合わせのなかでも上記
(5)〜(7)に記載の組み合わせは、水平に配置され
るシステムの構成例として代表的であり、好ましいもの
として挙げられる。
【0042】上記(5)に記載の組み合わせは、、
、に含まれる(A)の管継手の構造を全てヒンジ式
とする組み合わせである。この構成では、当該システム
は、一平面内での相対変位のみを吸収し得るものとな
り、例えば、水平面内での相対変位だけが生じるような
免震ビルの免震配管に好ましいシステムとなる。
【0043】上記(6)に記載の組み合わせは、に含
まれる(A)の管継手の構造をヒンジ式とし、、に
含まれる(A)の管継手の構造をジンバル式としたもの
である。図1(a)は、その組み合わせを示したもので
ある。この構成では、上記(4)の挙動に加えて、、
のジンバル式の管継手の構造が、鉛直方向(紙面に垂
直)にも屈曲動作を行い、一対で鉛直方向の相対変位を
も吸収するので、当該システム全体としては、3次元の
相対変位を吸収し得るものとなる。
【0044】上記(7)に記載の組み合わせは、、
、に含まれる(A)の管継手の構造を全てジンバル
式とする組み合わせ(図1において(A)の管継手1を
ジンバル式に置き替えた組み合せ)である。この構成で
は、例えば、図1の例では、地盤側の配管20の高さ
が、当該システムの直管P3の高さと異なる場合に、
(A)の管継手1が鉛直面内で屈曲し、両者の高さの差
によって生じる角度を吸収させることができる。即ち、
両者の高さの差によって、直管P1は傾斜するので、屈
曲部P2のフランジf1は、脚部付き管継手のフランジ
4aに対して、回転方向にずれることになるが、該フラ
ンジf1にルーズフランジを用いることによって、容易
に回転方向のずれを修正でき、両者のボルト穴を一致さ
せることができる。
【0045】本発明の免震配管システムは、各部の挙動
を計算することが可能であり、周囲にどの程度の挙動用
のスペースが必要かは設計の段階で算出できる。図1
(a)の例における脚部付き管継手の挙動は、厳密には
管継手1を中心とする円弧状の軌跡を描くものである
が、直管P1の長さに対して管継手1の軸曲げ角度が小
さいために、図1(a)に示すy方向に沿った直線運動
に近いものとみなしてもよい。従って、ベース板7aの
形状も、y方向に沿って長くx方向には短い、幅の狭い
帯状でよいことになり、この点からもコンパクトな支持
構造であることがわかる。
【0046】屈曲部は、L字状に屈曲した管路を有する
ものであればよく、例えば、エルボやベンドなどの規格
品の他、専用に製作したものでもよい。本発明でいうL
字状とは、屈曲の内角が90度のものだけでなく、所謂
45度ベンドのように鈍角の内角のものや、その逆の鋭
角の内角のものをも含む。実使用上における好ましい屈
曲の内角は、60度〜120度程度であり、任意の変位
方向に対して無理なく変位吸収できる点で90度が最も
好ましい屈曲の内角である。
【0047】本発明の免震配管システムの対象となる配
管の規模、用途は限定されず、ガス、エアー、水、冷媒
など、種々の流体を流通させるための配管や、電線等を
挿通させるための配管であってもよい。実使用上、主と
して対象となる配管の管内径は50mm〜300mm程
度である。また、通常の免震ビルの免震装置で発生する
相対変位は、平面方向では一方向につき原位置から±3
00mm〜±1000mm程度、鉛直方向では原位置か
ら片側への変位として10mm〜50mm程度である場
合が多い。これらを吸収するように直管の長さを調整す
ればよい。
【0048】
【実施例】本実施例では、図1に示す免震配管システム
を実際に製作し、免震ビルを部分的に再現したモデルに
配管し、擬似的に相対変位を与えて挙動を観察した。各
部の仕様は次のとおりである。
【0049】管継手1:ヒンジ式ベローズ形伸縮管継
手、JIS B 0151、番号4208、呼称径15
0A。 直管P1:鋼管、呼称径150A、長さ2378m
m。 屈曲部P2:90度エルボ、呼称径150A。 脚部付き管継手3の管継手部分の構造:(ジンバル式
ベローズ形伸縮管継手、JIS B 0151、番号4
207、呼称径150A)に準拠した構造。ベース板面
から管継手部分の中心軸までの高さ416mm。接触手
段:外径65mmの車輪。 直管P3:鋼管、呼称径150A、長さ2000m
m。 管継手2:ジンバル式ベローズ形伸縮管継手、JIS
B 0151、番号4207、呼称径150A。
【0050】吸収し得るy方向の相対変位量(≒脚部付
き管継手3のy方向のストローク)500mm。吸収し
得るx方向の相対変位量500mm。吸収し得る鉛直方
向の相対変位量100mm以上。 ベース板:材料SS400、厚さ6mm、y方向185
7mm×x方向673mm。
【0051】上記仕様の免震配管システムに対して、地
盤側を静止させビル側を変位させるテストと、ビル側を
静止させ地盤側を変位させるテストとを行ったところ、
いずれも当該免震配管システムで変位は吸収された。各
部の挙動は、計算された通りであり、脚部付き管継手
は、細長いベース板から逸脱することなく、スムーズに
移動した。また、与えた変位を0にすると、免震配管シ
ステムは元の形状に復帰した。
【0052】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の免震配管
システムは、本発明による独自の脚部付き管継手を用い
て、地盤側や免震ビル側の振動系に対する可動支持を達
成している。この構成によって、屈曲部を可動に支持す
る構造は従来よりも簡単でコンパクトとなっている。ま
た、脚部付き管継手の接触手段が描く軌跡は、軸方向
(図1におけるy方向)については従来公知の免震配管
と同様のストローク量であるが、軸方向と直角方向(図
1におけるx方向)については、極めて狭い幅の変動と
なっている。即ち、極めて幅の狭い帯状の領域内に収ま
ったままで長いストロークを行うものとなっており、脚
部付き管継手が可動のために占有する面積も小さいもの
となっている。
【0053】また、本発明の免震配管システムは、直管
部分の長さを変更することで、種々の相対変位量に対応
できるから、少ない種類で多くの仕様に対応できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震配管システムの一例を示す図であ
る。図1(a)は、上方から見たときの全体図である。
同図では、紙面を水平面としており、3次元方向の相対
変位のうち、水平面内の相対変位をビル側の変位として
矢印x、yで表している。回転中心、管路の中心などを
示すために、一点鎖線により中心線を加えている。ま
た、当該システムをわかりやすく表すため、ベース板7
a、地盤側の配管20、免震ビル側の配管30は、二点
鎖線で描いている。図1(b)は、脚部付き管継手の部
分だけを側方から見た図である。
【図2】本発明の脚部付き管継手の一例を示す斜視図で
ある。同図では、管フランジによって他の管に接続され
た状態を表している。
【符号の説明】
S 免震配管システム 1 (A)の管継手 2 (A)の管継手 3 脚部付き管継手 4 (A)の管継手の構造をなす部分 5 脚部 6 接触手段 7 (B)面 7a ベース板 20 地盤側の配管 30 免震ビル側の配管

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤側の配管と免震ビル側の配管とを接
    続するL字状管路を有し、該L字状管路の両端部には、
    各々、下記(A)のベローズ形伸縮管継手が設けられ、
    該L字状管路の屈曲部の近傍には、脚部付きベローズ形
    伸縮管継手が設けられ、 該脚部付きベローズ形伸縮管継手は、下記(A)のベロ
    ーズ形伸縮管継手の構造を有し、かつ地盤側または免震
    ビル側のいずれかの振動系に属する下記(B)の支持面
    と接するための脚部を有し、該脚部は、該(B)の支持
    面側の端部に、該(B)の支持面ところがり摩擦または
    すべり摩擦をもって接するための接触手段を有するもの
    であることを特徴とする免震配管システム。 (A)ベローズ形伸縮管継手の両端部同士がヒンジ部を
    介して互いに連結された構造を有し、該ヒンジ部を介し
    た連結によって、内圧推力による伸縮を抑制されかつ1
    平面以上での屈曲動作を可能とされたベローズ形伸縮管
    継手。 (B)脚部付きベローズ形伸縮管継手がころがり摩擦ま
    たはすべり摩擦をもって接触する相手の支持面。
  2. 【請求項2】 上記(A)のベローズ形伸縮管継手が、
    ヒンジ式ベローズ形伸縮管継手、またはジンバル式ベロ
    ーズ形伸縮管継手である請求項1記載の免震配管システ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記L字状管路が、地盤側から免震ビル
    側へ順に、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、直
    管、屈曲部、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手、
    直管、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、を該管
    路中に少なくとも含むものであって、上記(B)の支持
    面が地盤側の振動系に属する面である請求項1記載の免
    震配管システム。
  4. 【請求項4】 上記L字状管路が、免震ビル側から地盤
    側へ順に、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、直
    管、屈曲部、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手、
    直管、上記(A)のベローズ形伸縮管継手、を該管
    路中に少なくとも含むものであって、上記(B)の支持
    面が免震ビル側の振動系に属する面である請求項1記載
    の免震配管システム。
  5. 【請求項5】 上記およびに用いられる(A)のベ
    ローズ形伸縮管継手がヒンジ式ベローズ形伸縮管継手で
    あり、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手がヒンジ式ベ
    ローズ形伸縮管継手の構造を有するものである請求項3
    または4記載の免震配管システム。
  6. 【請求項6】 上記に用いられる(A)のベローズ形
    伸縮管継手がヒンジ式ベローズ形伸縮管継手であり、上
    記脚部付きベローズ形伸縮管継手がジンバル式ベローズ
    形伸縮管継手の構造を有するものであり、上記に用い
    られる(A)のベローズ形伸縮管継手がジンバル式ベロ
    ーズ形伸縮管継手である請求項3または4記載の免震配
    管システム。
  7. 【請求項7】 上記およびに用いられる(A)のベ
    ローズ形伸縮管継手がジンバル式ベローズ形伸縮管継手
    であり、上記脚部付きベローズ形伸縮管継手がジンバル
    式ベローズ形伸縮管継手の構造を有するものである請求
    項3または4記載の免震配管システム。
  8. 【請求項8】 上記(B)の支持面が、地盤側の振動系
    に属する面であって、さらにベース板が地盤上に設けら
    れ、該ベース板の上面を上記(B)の支持面として、こ
    れに上記脚部付きベローズ形伸縮管継手の接触手段が接
    しながら変位する構成とされている請求項1記載の免震
    配管システム。
  9. 【請求項9】 上記(B)の支持面が、免震ビル側の振
    動系に属する面であって、さらにベース板が免震ビルか
    ら吊られた状態として設けられ、該ベース板の上面を上
    記(B)の支持面として、これに上記脚部付きベローズ
    形伸縮管継手の接触手段が接しながら変位する構成とさ
    れている請求項1記載の免震配管システム。
  10. 【請求項10】 下記(A)のベローズ形伸縮管継手の
    構造を有し、かつ下記(B)の支持面と接するための脚
    部を有し、該脚部は、該(B)の支持面側の端部に、該
    (B)の支持面ところがり摩擦またはすべり摩擦をもっ
    て接するための接触手段を有することを特徴とする脚部
    付きベローズ形伸縮管継手。 (A)ベローズ形伸縮管継手の両端部同士がヒンジ部を
    介して互いに連結された構造を有し、該ヒンジ部を介し
    た連結によって、内圧推力による伸縮を抑制されかつ1
    平面以上での屈曲動作を可能とされたベローズ形伸縮管
    継手。 (B)脚部付きベローズ形伸縮管継手がころがり摩擦ま
    たはすべり摩擦をもって接触する相手の支持面。
  11. 【請求項11】 上記(A)のベローズ形伸縮管継手
    が、ヒンジ式ベローズ形伸縮管継手、またはジンバル式
    ベローズ形伸縮管継手である請求項10記載の脚部付き
    ベローズ形伸縮管継手。
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