【発明の詳細な説明】
名称:回転可能な椅子及びそのような回転可能な椅子を備えた階段用エレベータ
本発明は請求の範囲第1項の従来技術に関する部分に記載された回転可能な椅
子、特に階段用エレベータ等に使用するのに好適な回転可能な椅子に関する。そ
の様な回転可能な椅子は実用されているものから公知である。
公知の回転可能な椅子は着座部を有し、この着座部はシャフト廻りに自由に回
転しうるようにシャフトによって脚部に取り付けられている。これにより、着座
部の位置を脚部に対して変えることができる。その目的のためには、その椅子の
利用者は固定側につながっている床またはその他のものを自分の足で押して始動
させ、所望の位置に到達した際には、自分の足で自らを停止させなければならな
い。実際には、始動及び/又は停止するために手を使用することも可能である。
但し、その場合にはその目的に適うグリップが備えられていることが条件である
。その様な回転可能な椅子は構造が簡単であり、しかも椅子によっては操作が容
易である。しかしながら、この公知の回転可能な椅子は始動のために何らかの固
定されているものがいつもなければならないという欠点を持ち合わせている。始
動させるために足を使用する場合は足を床に着けなければならないので、回転中
、例えば、一緒に回転している足のせ台に足を載せたままにしておくことは出来
ない。さらに、床またはそれに類するものがなければならないが、いつもそうと
は限らない。例えば、回転可能な椅子が階段用エレベータに使用されている場合
である。また、使用者は少なくとも一方の足を自由に使えるようにしておかなく
てはならず、その上、その足は必要な力を出せなければならない。特に身体に障
害を持つ利用者や高齢の利用者にとって、この条件は多くの場合当てはまらない
か、あるいは少なくとも誰もが満たせる条件ではない。始動及び/又は停止する
ために手を使用する場合にも同様の欠点がある。
また、実際に使用されているものから、純粋に機械式のものではなく、電気式
またはそれに類する作動力によって始動及び/又は停止させる回転可能な椅子も
公知である。その様な回転可能な椅子は製造、使用及び保守が複雑であり、コス
トが高く、さらに、かなり大型である。
本発明の目的は、請求の範囲第1項の従来技術に関する部分に記載されたタイ
プの回転可能な椅子であって、公知の回転可能な椅子の利点を維持しながら、そ
れらの欠点を解消した回転可能な椅子を提供することである。そのために、本発
明による回転可能な椅子は請求の範囲第1項の特徴部の構成を特徴としている。
前記の機械式作動手段は、操作された場合に、着座部の回転運動を少なくとも
開始させるための始動力を与えることを可能にしている。このことは支持部に対
して回転する関係で着座部が機械的に始動することを意味しているので、利用者
が周囲のものを押して始動させる必要性はもはや存在しない。前記機械式作動手
段は単純な構成にすることが可能で、利用者にとってはかなり小さい操作エネル
ギー以外の力を出すことが不要になる。
第1の利点のある実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範
囲第2項の構成を特徴としている。
この実施態様において、回転アームは第1の回転軸廻りに着座部と共に回転す
る。連結ロッドの第1の端部は支持部に連結され、第2の端部は第2の回転軸か
ら離れた位置において回転アームに連結されているので、前記連結ロッドの第1
の端部と前記第2の回転軸との間の距離は、前記着座部が前記第1の回転軸廻り
に回転する時変わることになる。前記第2の端部が前記第1の端部の結合位置に
対してずれることにより、前記第2の回転軸と前記第1の端部との間を前記第2
の回転軸に垂直な線に沿って延びる仮想連結線上の前記連結ロッドの突出部分の
長さは変わる。この仮想連結線の第2の端部がそれると突出部分の長さが短くな
って、前記第2の回転軸が前記第1の端部に近づけられる。しかしながら、これ
は、前記回転アームを備えた前記着座部が前記第2の回転軸廻りに回転する場合
のみ可能である。同様に、即ち前記第2の端部を前記仮想連結線に近づけること
によって前記着座部を逆方向に回転させることができる。
従って、本実施態様による回転可能な椅子によって、複雑な作動機構や動力源
を使用せずに、また、周囲のものを押して始動することも必要とせずに、支持部
に対して着座部を回転させることが可能になる。
第1の更なる実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲第
3項の構成を特徴とする。
前記連結ロッドの前記第1の端部に対する連結位置は前記第1の回転軸から離
れているので、前記回転可能な椅子の着座部の始動にはまず所望の方向を選択す
ることが常に必要になる。なぜならば、前記連結ロッドを通る力線は前記第1の
回転軸と交わるが、交叉しないからである。これは、どんな場合においても、別
途何等かの手段を必要とすることなく所望の回転方向が得られることを意味して
いる。
第2の更なる実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲第
4項の構成を特徴とする。
第1の位置において前記連結ロッドの第1及び第2端部がいずれも中心面内に
あるとき、前記第2の回転軸と前記第1の端部との間に最大距離が設定される。
この位置から前記2つの方向の内の何れか一方の方向に回転が行われると、少な
くとも最初はこの距離が減少ことになるだけである。従って、前記連結ロッドの
第1の位置にはエンドストッパが設けられており、そこで前記着座部の回転が実
質的に阻止される。前記作動手段によるかまたは移動部の質量慣性及び/または
重力を利用して前記連結ロッドをこの位置から意図的に脱離させたときだけ、こ
のいわゆる止まりセンタを通過できる。前記連結ロッドまたは回転アームが第1
の位置を越えては少なくとも実質的に移動できないように前記連結ロッドまたは
回転アームの一方の側にストッパを設けることによって、前記着座部の終端位置
が定められ、それによって係止も可能になる。
更に別の利点のある実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の
範囲第5項の構成を特徴とする。
この実施態様においては、例えば前記着座部の着座面の真下で、前記回転アー
ムはほぼ水平に延びているので、この回転アームを操作するためにはほぼ垂直面
内で移動させる必要がある。前記椅子に座っている利用者にとって、これは通常
簡単な操作方法である。さらに、操作中、例えば着座部を上記の方法で係止位置
に固定するために重力をうまく利用することも可能である。実際上、前記第2の
回転軸も例えばほぼ垂直方向に延びていても良い。その様な実施態様においては
、前記回転アームをほぼ水平な面内で動かすことが特に適している。その様に動
き
は、例えば手及び/または前腕で力を極く僅かしかまたは全く出すことのできな
い利用者に特に適している。事実、回転アームを別の上肢もしくは下肢部分でま
たは別の方向に操作するにも勿論適している。レバーとして作用する様々な部品
の長さを適切にすることによって操作力を特に低く設定することが可能である。
更に別の態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲第7項の構
成を特徴とする。
前記連結ロッドの長さが調節可能なことにより、両回転限界位置の間の角度で
あって、その間を前記着座部が回転運動によって移動しうる角度を設定できると
いう利点がもたらされる。いずれにしても、前記連結ロッドが長くなるに従って
、前記角度も大きくなる。
更に別の実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲第8項
の構成を特徴とする。
この実施態様においては、前記回転アームの回転によって、複数のカム部の内
の一方のカム部を介して、前記延長経路の固定部分に対して着座部を回転方向に
始動させることになる。すると、前記回転アームが回転開始位置に戻れるまで前
記カム部は前記延長経路の一部を通過する。なぜならば、前記または各カム部は
前記延長経路の次の開口に受け入れ可能になっているからである。その位置にお
いて、次に前記着座部は偏心カム、特に前記着座部の反対側に隣接しているカム
部によって、前述の移動方向とは逆の方向に再度始動可能になる。但し、例えば
前記偏心カムが両側で作用するようにして両方向に移動可能になるように前記回
転アームを構成することも可能である。そのようにして、前記支持部と前記着座
部との間が固定連結されていなくても、偏心カムによる単純な方法で始動させる
ことによって前記着座部を両回転限界位置の間を往復動させることが可能である
。
特に利点のある実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲
第10項の構成を特徴とする。
前記着座部と一緒に回転する足のせ台は、例えば階段の上で床までの距離が比
較的大きい位置に前記回転可能な椅子があっても、その様な椅子の利用者が常に
適切に足を支持しつづけられという利点がもたらす。これは使用時における利用
者の座り心地と安全を格段に改善することになる。特に例えば脚及び/または足
が完全にまたは部分的にしか使用できなくなってしまった障害を持った利用者に
とって、その様な回転可能な椅子は、特に階段用エレベータ及びそれに類する移
動装置用として特に好適である。
本発明による回転可能な椅子の更に別の利点のある実施態様は請求の範囲の前
記以外の従属項や明細書に記載されている。
本発明は更に本発明の回転可能な椅子を有する階段用エレベータに関する。そ
の様な階段用エレベータは、公知の回転可能な椅子を備えが階段用エレベータに
比べて、価値のある経済的、技術的かつ人間工学的利点を有する。
本発明を説明するために、回転可能な椅子及び椅子エレベータの例示的な実施
態様を添付の図面を参照して以下に記載する。これらの図面において、
図1は本発明による回転可能な椅子の側面図である。
図2は図1のII−II線に沿う、第1の位置における回転可能な椅子の底面図で
ある。
図3は図1のII−II線に沿う、第2の位置における回転可能な椅子の底面図で
ある。
図4は図1のII−II線に沿う、前記第1の位置と前記第2の位置との間の位置
における回転可能な椅子の底面図である。
図5は別の実施態様における回転可能な椅子の底面図である。
図1は、側面図において、参照番号1で示した回転可能な椅子を示している。
その様な回転可能な椅子は例えば階段用エレベータに用いられ、特にその椅子を
十分離れた位置まで続けて移動させてその階段用エレベータの利用者にその利用
者が入る建物の床に立った姿勢を取らせたり、必要にならば、車椅子などに乗り
換えることを可能にする十分なスペースが階段用エレベータのレールの上端また
は下端に隣接してない場合に有用である。従来、上方または下方への移動中に利
用者が体の中心面を移動方向に対してほぼ横方向にして座るように階段用エレベ
ータの椅子が設けられていることがポイントである。その様な場合に階段用エレ
ベータのレールが一番上の階段のすぐ上で終っているならば、利用者を椅子に対
して容易に乗り降りできる様にするためには、椅子を階段から離れる方向に、例
えば約90°転させるようにしなければならない。実際上、別の場合であって
も、椅子が回転可能であれば通常便利である。
回転可能な椅子1は、この実施態様では一体型バケットシート状構造で示され
ている、着座部2と背もたれ部3とからなっている。以下、この着座部2と背も
たれ部3とをバケットシート21と言う。バケットシート21は、図示していな
いレール係合部または別のタイプの基部に固着されている支持部5にシャフト4
によって連結されている。使用中ほぼ垂直方向に延びる第1の回転軸6廻りにバ
ケットシート21を支持部5に対して回転可能にするために、シャフト4は支持
部5またはバケットシート21に軸受けを介して取り付けられている。支持部5
はフランジ状であって、連結ロッド8の第1の端部7に対する第1の結合位置1
3を少なくとも有する。
バケットシート21の下には、使用中ほぼ水平方向に延びる第2の回転軸10
廻りに操作アーム9が回転しうるように操作アーム9が設けられている。バケッ
トシート21の両側においてこの操作アーム9にはハンドル11が設けられてお
り、操作アーム9の両ハンドル11に挟まれた部分と各ハンドル11との間には
角度が付けてある。中央部において、操作アーム9は、それに固定連結され、第
2の回転軸10に対してほぼ直角方向、一般的にはほぼ第1の回転軸6の方向に
延びるピン12を備えている。第2の回転軸10から離れた位置に、ピン12は
連結ロッド8の第2の端部15に対する連結位置14を有する。それによって、
操作アーム9を回動させると、連結位置14が上下に移動する。
第1の結合位置13と連結位置14との間には、連結ロッド8が設けられ、そ
の両端部は自在継手16または同様の連結手段によって第1の結合位置13と連
結位置14にそれぞれ連結されている。自在継手16は、連結ロッド8の移動中
、一方においてピン12との間の角度、また他方においてシャフト4との間の角
度が変わり得るようにしている。図示の実施例において、めねじを有する凹部が
対向面に設けられている連結ロッドは2つの端部17を連結ロッドは有している
。これらの端部17は、おねじを有しかつ前記凹部に螺着されている結合ピン1
8によって結合されている。結合ピンにはナット19が2個設けられ、それらに
よって結合ピン18の両端部17は固定可能になっている。両端部17がそれぞ
れに対してかつ結合ピン18に対して回転することによって、連結ロッド8の長
さ
が変わり得るようになっており、その後で両ナット19によって再度固定できる
。その目的を以下においてさらに説明する。
ピン12が水平位置を僅かに越えた位置より更に下方に回動できないように操
作アーム9の動きの自由度は少なくとも下方向には制限されている。
椅子の前面において足のせ台20がバケットシート21に取付られているので
、バケットシート21の回転中、足のせ台20も第1の回転軸6廻りに回転する
。
図1乃至図3に示されている実施例の回転可能な椅子は以下のように使用する
ことができる。
利用者は前記椅子のバケットシート21に座って、一方または両方の手で最も
下の位置にある操作アーム9のハンドル11を握る。これは回転可能な椅子1が
第1の回転限界位置にあることを意味している(図2)。次に、利用者はハンド
ル11を上方へ引いて、バケットシート21を足のせ台20と共に第1の回転軸
6廻りに回転させる。それによって、操作アーム9も一緒に回転する。この回動
の開始後、利用者は操作アーム9を離してハンドル11を下方向に第1の位置ま
で戻し、バケットシート21を第2の回転限界位置に静止させる(図3)。
操作アーム9の回動に基づくバケットシート21の移動は以下のように理解す
ることができる。バケットシート2の前記第1及び第2の回転限界位置において
(図2及び図3)、ピン12はほぼ水平である。その際、側面図においてピン1
2と連結ロッド8はほぼ直線的になっている。この位置で、第2の回転軸10と
第1の結合位置13によって規定された面V内の前記ピン12と前記連結ロッド
8の投影長さL1は最大になる。前記ハンドルが上方に動かされると、連結位置
14は上方に移動する。その結果、面V内の前記ピン12と前記連結ロッド8の
投影長さL1は短くなる。これは、前記第1の結合位置13及び連結位置14な
らびに前記第1の回転軸が1つの垂直面P内にほぼ位置しているか、少なくとも
その面と平行になって、図4に示された位置にバケットシート2が回動すること
によってのみ可能になる。その位置で、第2の回転軸10と第1の結合位置13
との間の距離L2は最小になる。この位置は所謂「止まりセンタ」位置であって
、バケットシートがこの位置に静止してる場合には実際上操作アーム9によって
作動させることができないことを意味している。バケットシートが一方の回転限
界
位置(図2及び図3)から中央位置(図4)に移動するときにおこるバケットシ
ート12の移動及びバケットシートと、恐らくそこに座っている人の質量慣性に
よって、バケットシート2はこの中央位置に沿って案内される(図4)。従って
、バケットシート2を更に駆動する必要はない。
バケットシートが前記「止まりセンタ」中心位置を通過した後で、ハンドル1
1及びピン12は下方向に開始位置へ戻り、それによりバケットシートは前記第
2の回転限界位置に到達する(図3)。前記両回転限界位置において、連結位置
14は前記面V内またはそれより僅か下方に位置するのが好ましい。従ってバケ
ットシート2はこの回転限界位置に係止される。それにもかかわらず、更に回転
すると、操作アーム9の動きの自由度は、例えばエンドストッパによってバケッ
トシートの回転が停止されるように制限される。但し、ハンドル11はピン12
を継続して下方に押圧しつづけるので、ハンドルが意図的に上方に移動されるま
でバケットシートの回転は妨げられる。この事は、バケットシートが誰かまたは
何等かのものによって中心位置方向に押されても、ハンドルは更に下方向に前記
エンドストッパに対して押圧されるので回動が防止されるという安全性及び座り
心地強化効果を利点として備えている。ハンドルを上方へ動かすことによっての
み前記椅子の係止を解除して再度移動させることが可能になる。
図示した例示的な実施態様において、前記椅子の第1の位置(図2)と第2の
位置(図3)の間の角度αは約70°であるが、この角度は連結ロッド8によっ
て調節可能である。2つの端部17を結合ピン18に沿って更に離して設定する
と、形成される角度は大きくなり、これら両端部17を互いに近づけて配設する
と、この角度は小さくなる。いずれにしても、ピン12の長さと結合ピンの長さ
とを合計したものが第2の回転軸と第1の結合位置13との間の直角方向の距離
に対応する場合、バケットシート21はもはや回転できないことになるが、その
長さが僅かでも大きくなると、小さい回転角度αが可能になる。
図5は本発明による回転可能な椅子の別の実施態様を示し、第1の回転軸10
6と第2の回転軸110は互いにほぼ平行になっている。この実施態様において
、回転アーム109が第2の回転軸110廻りに回転可能になるように、回転ア
ーム109はバケットシート121の下側に位置する回転位置122に設けられ
て
いるが、バケットシート121はやはり第1の回転軸106廻りに回転可能であ
る。着座部102の下に位置する端部において、回転アーム109はその長手方
向に対してほぼ直角に延びている横向きピン112を有し、この回転アーム10
9の反対側の端部は着座部102から突出して、バケットシートの側方で握る事
の可能なハンドル111を備えている。横向きピン112の遊端114に取り付
けられているのは連結ロッド108の第1の端部であり、一方、連結ロッド10
8の反対側の端部は固定して配設されている支持部105上の結合位置に連結さ
れている。
図2及び図3に示した位置と同様な2つの回転限界位置において、前記横向き
ピン112と前記連結ロッド108はほぼ直線状または少なくとも互いに平行に
延びている。ここで、第1の回転軸106と第2の回転軸110との間の直角方
向に距離Lは最大である。これら2つの位置において、回転アーム109は、回
転アーム109が少なくとも1方向に回転するのを防止するストッパ130に対
して当接している。この位置で回転アームがストッパ130から離れると、第1
の回転軸106と第2の回転軸110との間の距離Lは短くなり、バケットシー
ト121を上記のように動かすことになる。この実施態様に対しても、反対側の
限界位置に到達するまで質量慣性によりバケットシートは移動しつづけ、その際
に回転アームは再度始めの位置に押し戻されるということが当てはまる。この別
の実施態様においては「止まりセンタ」位置はないが、前記バケットシートを前
記両限界位置に固定するための手段を設ける必要がある。
本発明は図面及び明細書に示した前記実施態様に決して限定されるものではな
く、様々な改変が可能である。例えば、図1乃至図4に示した実施態様に類似す
る回転可能な椅子の構成において、バケットシートを動かすためのピン12を上
側でなく、下側に移動するようにし、回転アームを別のデザイン、例えば、別の
形状にしたまたは別の位置に設けたハンドルを1つだけまたは2つ備えたデザイ
ンにすることも可能である。第1の回転軸から離れた側の結合ピンを上下または
前後に動かすことによってバケットシートを実際に始動させることは、別の方法
、例えばほぼ垂直もしくは傾斜した面内を傾動しうる回転アームによって、ピス
トン−シリンダ装置によって、または多分モータ駆動式動力発生装置によって行
う
ことも可能である。そのために必要な力は極く小さいので、バケットシート自体
の回転がモータによってなされる公知の回転可能な椅子の欠点が解消され、その
様な回転可能な椅子は極く僅かの力しか出せない利用者によっても使用可能であ
る。また、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間の角度を原則として任意
の角度に設定可能である。バケットシートは別のデザインのものであっても良く
、例えば、目の開いた着座部及び/または背もたれ部を備えたデザインにするこ
とも可能であり、例えば肘掛けやヘッドレストを設けることも可能である。足の
せ台は取り外し可能なデザインや折り畳めるデザインにすることもでき、また省
略することも可能である。これらの数多くある類似した改変は本発明の範囲に入
ることを理解すべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年11月12日(1997.11.12)
【補正内容】
<新第1頁及び新第1a頁>
明細書
名称:回転可能な椅子及びそのような回転可能な椅子を備えた階段用エレベータ
本発明は請求の範囲第1項の従来技術に関する部分に記載された回転可能な椅
子、特に階段用エレベータ等に使用するのに好適な回転可能な椅子に関する。そ
の様な回転可能な椅子はアメリカ特許明細書第4、544、202号から公知であ
る。
実用されているものから、着座部を有し、この着座部がシャフト廻りに自由に
回転しうるようにシャフトによって脚部に取り付けられている回転可能な椅子は
知られている。これにより、着座部の位置を脚部に対して変えることができる。
その目的のためには、その椅子の利用者は固定側につながっている床またはその
他のものを自分の足で押して始動させ、所望の位置に到達した際には、自分の足
で自らを停止させなければならない。実際には、始動及び/又は停止するために
手を使用することも可能である。但し、その場合にはその目的に適うグリップが
備えられていることが条件である。その様な回転可能な椅子は構造が簡単であり
、しかも椅子によっては操作が容易である。しかしながら、この公知の回転可能
な椅子は始動のために何らかの固定されているものがいつもなければならないと
いう欠点を持ち合わせている。始動させるために足を使用する場合は足を床に着
けなければならないので、回転中、例えば、一緒に回転している足のせ台に足を
載せたままにしておくことは出来ない。さらに、床またはそれに類するものがな
ければならないが、いつもそうとは限らない。例えば、回転可能な椅子が階段用
エレベータに使用されている場合である。また、使用者は少なくとも一方の足を
自由に使えるようにしておかなくてはならず、その上、その足は必要な力を出せ
なければならない。特に身体に障害を持つ利用者や高齢の利用者にとって、この
条件は多くの場合当てはまらないか、あるいは少なくとも誰もが満たせる条件で
はない。始動及び/又は停止するために手を使用する場合にも同様の欠点がある
。
また、実際に使用されているものから、純粋に機械式のものではなく、電気式
またはそれに類する作動力によって始動及び/又は停止させる回転可能な椅子も
公知である。その様な回転可能な椅子は製造、使用及び保守が複雑であり、コス
トが高く、さらに、かなり大型である。
アメリカ特許明細書第4、544、202号から公知の、特許請求の範囲第1項
の従来技術に関する部分による回転可能な椅子は着座部と支持部とを備えている
。着座部は使用中にほぼ垂直方向に延びる第1の回転軸を介して支持部に枢動可
能に連結されている。着座部を第1の回転軸廻りに回転させるために機械式作動
手段が設けられている。使用中、この作動手段は着座部と支持部に接触するので
、着座部の回動を開始するために作動手段を操作することによって作動力を支持
部に与えられる。
この公知の回転可能な椅子においては、縁部の近くに等間隔で形成された一連
の開口を有するボウル状の基部が前記着座部の回転中心軸に対して偏心して支持
手段に備えられている。前記着座部の下には大歯車が設けられ、その歯は前記基
部の開口と協働可能であり、前記大歯車は前記着座部の側方に突出しているハン
ドルによって回転可能になっている。従ってこの大歯車を回転させることによっ
て、前記着座部を前記回転軸廻りに所望の位置まで回転させることになる。この
公知の回転可能な椅子において、前記着座部の動きは前記ハンドルによって連続
的に案内かつ制御され、前記着座部は360°またはそれ以上回転可能である。
この公知の回転可能な椅子は、その着座部に座っている人が着座部を自らの力
だけで動かさなくてはならずしかもその動きを絶えず制御しなければならないと
いう短所を有する。また、その様な公知の回転可能な椅子には特定の回動終端位
置は設けられていない。
本発明の目的は、請求の範囲第1項の従来技術に関する部分に記載されたタイ
プの回転可能な椅子であって、公知の回転可能な椅子の利点を維持しながら、そ
れらの欠点を解消した回転可能な椅子を提供することである。
<新第2頁及び新第2a頁>
そのために、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲第1項の特徴部の構成を
特徴としている。
前記の機械式作動手段は、操作された場合に、着座部の回転運動を少なくとも
開始させるための始動力を与えることを可能にしている。このことは支持部に対
して回転する関係で着座部が機械的に始動することを意味しているので、利用者
が周囲のものを押して始動させる必要性はもはや存在しない。前記機械式作動手
段は単純な構成にすることが可能で、利用者にとってはかなり小さい操作エネル
ギー以外の力を出すことが不要になる。
前記着座部の回動開始位置と回動終了位置との間の動きは主としてその着座部
と、そこに人が座っている場合には、その人の慣性によってもたらされるので、
始動力だけが必要で、回動中にずっとその動きを制御必要はない。特に力を少し
しか出すことのできない高齢の人や身体に障害を持った人にとって、このことは
利点である。
第1の利点のある実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範
囲第2項の構成を特徴としている。
この実施態様において、回転アームは第1の回転軸廻りに着座部と共に回転す
る。連結ロッドの第1の端部は支持部に連結され、第2の端部は第2の回転軸か
ら離れた位置において回転アームに連結されているので、前記連結ロッドの第1
の端部と前記第2の回転軸との間の距離は、前記着座部が前記第1の回転軸廻り
に回転する時変わることになる。前記第2の端部が前記第1の端部の結合位置に
対してずれることにより、前記第2の回転軸と前記第1の端部との間を前記第2
の回転軸に垂直な線に沿って延びる仮想連結線上の前記連結ロッドの突出部分の
長さは変わる。この仮想連結線の第2の端部がそれると突出部分の長さが短くな
って、前記第2の回転軸が前記第1の端部に近づけられる。しかしながら、これ
は、前記回転アームを備えた前記着座部が前記第2の回転軸廻りに回転する場合
のみ可能である。同様に、即ち前記第2の端部を前記仮想連結線に近づけること
によって前記着座部を逆方向に回転させることができる。
<新第5頁>
前述の移動方向とは逆の方向に再度始動可能になる。但し、例えば前記偏心カム
が両側で作用するようにして両方向に移動可能になるように前記回転アームを構
成することも可能である。そのようにして、前記支持部と前記着座部との間が固
定連結されていなくても、偏心カムによる単純な方法で始動させることによって
前記着座部を両回転限界位置の間を往復動させることが可能である。
特に利点のある実施態様において、本発明による回転可能な椅子は請求の範囲
第10項の構成を特徴とする。
前記着座部と一緒に回転する足のせ台は、例えば階段の上で床までの距離が比
較的大きい位置に前記回転可能な椅子があっても、その様な椅子の利用者が常に
適切に足を支持しつづけられという利点がもたらす。これは使用時における利用
者の座り心地と安全を格段に改善することになる。特に例えば脚及び/または足
が完全にまたは部分的にしか使用できなくなってしまった障害を持った利用者に
とって、その様な回転可能な椅子は、特に階段用エレベータ及びそれに類する移
動装置用として特に好適である。
本発明による回転可能な椅子の更に別の利点のある実施態様は請求の範囲の前
記以外の従属項や明細書に記載されている。
本発明は更に本発明の回転可能な椅子を有する階段用エレベータに関する。そ
の様な階段用エレベータは、公知の回転可能な椅子を備えが階段用エレベータに
比べて、価値のある経済的、技術的かつ人間工学的利点を有する。
本発明を説明するために、回転可能な椅子及び椅子エレベータの例示的な実施
態様を添付の図面を参照して以下に記載する。これらの図面において、
図1は本発明による回転可能な椅子の側面図である。
図2は図1の回転可能な椅子の第1の位置における底面図である。
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図3は図1の回転可能な椅子の第2の位置における底面図である。
図4は図1の回転可能な椅子の前記第1の位置と前記第2の位置との間の位置
における底面図である。
図5は別の実施態様における回転可能な椅子の底面図である。
図1は、側面図において、参照番号1で示した回転可能な椅子を示している。
その様な回転可能な椅子は例えば階段用エレベータに用いられ、特にその椅子を
十分離れた位置まで続けて移動させてその階段用エレベータの利用者にその利用
者が入る建物の床に立った姿勢を取らせたり、必要にならば、車椅子などに乗り
換えることを可能にする十分なスペースが階段用エレベータのレールの上端また
は下端に隣接してない場合に有用である。従来、上方または下方への移動中に利
用者が体の中心面を移動方向に対してほぼ横方向にして座るように階段用エレベ
ータの椅子が設けられていることがポイントである。その様な場合に階段用エレ
ベータのレールが一番上の階段のすぐ上で終っているならば、利用者を椅子に対
して容易に乗り降りできる様にするためには、椅子を階段から離れる方向に、例
えば約90°回転させるようにしなければならない。実際上、別の場合であって
も、椅子が回転可能であれば通常便利である。
回転可能な椅子1は、この実施態様では一体型バケットシート状構造で示されて
いる、着座部2と背もたれ部3とからなっている。以下、この着座部2と背もた
れ部3とをバケットシート21と言う。バケットシート21は、図示していない
レール係合部または別のタイプの基部に固着されている支持部5にシャフト4に
よって連結されている。使用中ほぼ垂直方向に延びる第1の回転軸6廻りにバケ
ットシート21を支持部5に対して回転可能にするために、シャフト4は支持部
5またはバケットシート21に軸受けを介して取り付けられている。支持部5は
フランジ状であって、連結ロッド8の第1の端部7に対する第1の結合位置13
を少なくとも有する。
特許請求の範囲
1.着座部(2、102)またはそれに類する支持手段と支持部(5、105)
とを備え、使用中にほぼ垂直方向に延びる第1の回転軸(6、106)を介して
前記着座部(2、102)が前記支持部(5、105)に枢動可能に連結され、前
記着座部(2、102)を前記第1の回転軸(6、106)廻りに回転させるため
に機械式作動手段(8、9、12;108、109、112)が設けられ、前記作動
手段は使用中に一方において前記着座部(2、102)にまた他方において前記
支持部(5、105)に少なくとも一時的に接触し、前記作動手段(8、9、12;
108、109、112)を操作することによって前記着座部(2、102)の回
転動作を開始するために作動力が前記支持部(5、105)に付与されるように
構成されている回転可能な椅子において、前記作動手段(8、9、12;108、1
09、112)が前記着座部(2、102)の少なくとも2つの回転限界位置にお
いて、前記着座部(2、102)の回動を開始させるために前記支持部(5、10
5)に対して操作可能であり、前記着座部(2、102)が前記支持部(5、10
5)に対して動いている間、前記作動手段が前記限界位置の一方まで止まりセン
タ位置を通過し、前記通過は前記着座部(2、102)と、そこに利用者が座っ
ている場合には、その利用者の質量慣性の影響の下に少なくとも実質的に起こさ
れることを特徴とする回転可能な椅子。
2.前記作動手段が少なくとも回転アーム(9、109)と連結ロッド(8、1
08)とを備え、前記回転アームは第2の回転軸(10、110)廻りに回転可
能であって、前記着座部(2、102)が回転するときに前記回転アーム(9、1
09)も前記着座部と一緒に前記第1の回転軸(6、106)廻りに回転するよ
うに前記着座部(2、102)に連結され、前記連結ロッド(8、108)はその
第1の端部(7)に隣接して前記支持部(5、105)に連結され、かつ前記第
2の回転軸(10、110)から離れた位置におけるその第2の端部(15)に
隣接して前記回転アーム(9、109)に連結され、前記回転アーム(9、109
)の回転動作によって前記連結ロッド(8)の前記第2の端部(15)が前記第
1の端部(7)に対して移動可能であって、それによって前記第2の回転軸
(10、110)と前記第1の端部(7)の間の直角方向の距離が変わることを
特徴とする請求の範囲第1項に記載の回転可能な椅子。
3.前記連結ロッド(8、108)の前記第1の端部(7)に対する連結位置
が前記第1の回転軸(6、106)から離間していることを特徴とする請求の範
囲第2項に記載の回転可能な椅子。
4.前記第2の回転軸(10、110)と前記連結ロッド(8、108)の前記
第1の端部(7)とによって中心面(V)が規定され、前記回転アーム(9、1
09)の回転動作によって、前記連結ロッドの前記第1の端部(7)と前記第2
の端部(15)とが前記中心面内(V)に位置しかつ前記第1の回転軸と前記第
2の回転軸との間の距離がほぼ最大になる第1の位置と、前記連結ロッド(8)
の前記第2の端部(15)が前記中心面(V)から脱離しかつ前記第1の端部(
7)と前記第2の回転軸(10、110)との間の距離がより小さくなる第2の
位置とに前記連結ロッド(8、108)がもたらされることを特徴とする請求の
範囲第2項または第3項に記載の回転可能な椅子。
5.使用中に前記第2の回転軸(10)がほぼ水平になることを特徴とする請
求の範囲第2−4項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅子。
6.前記連結ロッド(8、108)の両端部(7、15)のうちの少なくとも一
方の端部がカルダン継手または自在継手(16)によって連結されていることを
特徴とする請求の範囲第2−5項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅子。
7.前記連結ロッド(8、108)がその長さを設定する手段を備えているこ
とを特徴とする請求の範囲第2−6項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅
子。
8.前記作動手段が、第2の回転軸廻りに回転可能であってかつ偏心カム部を
有する回転アームを少なくとも備え、前記支持部には延長経路が設けられ、前記
延長経路は前記第1の回転軸回りの環状経路の少なくとも一部に沿って延び、前
記着座部の少なくとも2つの位置において前記カム部は凹部において前記延長経
路に当接して、前記カム部の回転によって、前記着座部を回転させながら前記カ
ム部が前記延長経路に対してかつ前記延長経路にほぼ沿って移動することを特徴
とする請求の範囲第1項に記載の回転可能な椅子。
9.前記作動手段(9)が前記着座部(2)のいずれかの側においてそれを操
作するための握り手段(11)を備えていることを特徴とする請求の範囲第1−
8項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅子。
10.前記着座部(2、102)が、前記着座部に連結されかつ前記着座部と
一緒に回転可能な足のせ台(20)を備えていることを特徴とする前記請求の範
囲の各項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅子。
11.前記2つの回転限界位置において前記着座部が前記第1の回転軸廻りに
回転するのを阻止するためにロック手段が設けられていることを特徴とする前記
請求の範囲の各項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅子。
12.前記請求の範囲の各項のうちの何れか1項に記載の回転可能な椅子を備
えた階段用エレベータ。
【図5】
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