JP2000501569A - 窒化クロムを含む電極を含む電子的デバイス及びこのデバイスの製造方法 - Google Patents

窒化クロムを含む電極を含む電子的デバイス及びこのデバイスの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 トップゲートTFTのような薄膜回路素子は、窒化クロムの電極(151,152,155)と回路素子の薄膜膜(50)との間及び/又は例えばアルミニウムの接続トラック(37,39,40)のような別の導電性膜との間に形成される良好な品質の電気的コンタクトを有する。窒化クロムは電極材料として用いる場合、例えば半導体膜、絶縁膜及び/又は金属膜の堆積中の酸化物の成長に対する低い親和性、半導体とのオーミックコンタクトを増強するドーピング電位、電位不純物、良好な薄膜処理の相溶性、及び下側のアルミニウム導体中でのヒロックの形成に対する障壁機能のような特にに有益な性能を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 窒化クロムを含む電極を含む電子的デバイス及びこのデバイスの製造方法 本発明は、例えば薄膜回路素子を有するフラットパネルデイスプレイ及び他の 型式の大面積電子的デバイスに関するものである。また、本発明はこのような電 子的デバイスの製造方法にも関するものである。 大面積電子装置の用途にガラス又は他の安価な絶縁性基板上に薄膜トランジス タ(以下、「TFT」と称する)及び他の半導体回路素子を有する薄膜回路の開 発が強く注目されている。このアモルファス又は多結晶半導体膜を用いて製造さ れるTFTは、例えば米国特許明細書第5130829号に記載されているフラ ットパネルディスプレイのセルマトリックス及び/又はこのセルマトリックス用 の集積化された駆動回路のスイッチング素子を構成することができる。非線形ス イッチング素子の形態の薄膜ダイオード(以下、「TFD」と称する)は、例え ば公開された欧州特許出願EP−A−0649048号に記載されているような 表示デバイスのセルマトリックス用のTFTの代りに用いることができる。米国 特許第5272370号明細書には、薄膜回路素子のアレイを有する別の型式の 大面積電子デバイスの例が記載されており、この例では薄膜ROMデバイスはR OMアレイの情報内容を決定する異なる導通特性を有する異なる型式のTFDを 具えている。米国特許第5130829号、欧州特許第0649048号及び米 国特許第5272370号の全内容は、本願において参考として記載する。 大面積「電子デバイス」の開発及び製造において、デバイスの性能は薄膜回路 素子の電極と導電性膜との間の電気的な接触の品質に強く依存すると認識されて いる。優れた再現性を以てつまり均一に良好な品質のコンタクトを形成できる必 要性が生じている。例えば、米国特許第5130829号、欧州特許06490 48号及び米国特許5272370号に記載されているように、電極及び導電性 膜の材料として種々の材料が知られている。多くの場合、薄膜回路素子のアクテ ィブ領域は、半導体の導電膜、最も一般的には、アモルファス或いは微結晶又は 多結晶の形態のシリコン又はシリコンリッチなシリコン化合物とされている。こ れらのシリコンベース領域は、例えばクロミウム、タングステン、亜鉛、チタニ ウム、ニッケル、モリブデン、アルミニウム、及びインジウム スズ酸化物(I TO)の電極と接触することができる。これらの電極は、回路素子間の相互接続 トラックのパターンを構成する導電性の膜(例えば、アルミニウム、タングステ ン、モリブデン又はITOから成る)と接触する。多くの状況において、電極が 半導体材料及び接続トラックと低抵抗のオーミックコンタクトを形成することが 望ましく、ある場合においてこれらの要件は良好な品質のショットキーバリャを 形成することである。 Yukawa等著、Proceedings of the 9th Intemational Display Research Confe rence,Ocnference October 16-18,1989,京都、日本、ジャパンディスプレイ' 89の第506〜509頁に記載されているコンファレンスの文献「An Ohmic Con tact Formafion Method for Fabricating α−Si TFTs on Large Size Substrat es」には、前述したトップゲートTFTのシリコン膜と下側のドレイン及びソー ス電極との均一な低抵抗コンタクトを形成する際の困難性について記載されてい る。トップゲートTFTの多くの利点にも拘わらず、これらの困難性は、ボトム ゲートTFTを用いて形成される多くのフラットパネルディスプレイに生じてい る。このコンファレンスの文献には、ソース及びドレイン電極としてITOを用 いること及びITOのソース及びドレイン電極パターンからシリコン膜にリンを 添加することによりこれらの困難性を解消することが述べられている。従って、 このコンファレンスの文献に記載された方法においては、デバイス基板上に堆積 したITO膜をエッチングして画素電極の所望のパターン、ソース及びドレイン 電極及びTFT用のトラックを形成し、次にこのITOパターンをPH3 (ホス フィン)のRFグロー放電にさらしている。このホスフィンのプラズマ照射の結 果として、リンの不純物がITOパターンの表面に付着するが、ITOパターン 間に露出した基板のSiO2表面層には十分に付着してない。選択的なエッチン グ工程の後、アンドープドアモルファスシリコン膜が、堆積してTFTのチャネ ル領域が形成されている。この堆積中、ITOの表面からのリン拡散によりIT Oパターンと隣接するアモルファスシリコン膜にn+の領域が形成される。この ITOのソース及びドレイン電極からの半導体膜への不純物添加の結果とし て、TFTのソース及びドレイン電極のための良好な品質の低抵抗オーミックコ ンタクトが形成される。しかしながら、ITO上にシリコン材料を堆積する必要 性により堆積パラメータに制約が課せられ、例えば堆積温度を250℃以下にす る制約が課せられる。さらに、ITOとの不所望な相互作用(例えば、ITOの 水素還元)を防止するため、この処理においては、ある原料ガス組成物はシリコ ン堆積用に一般的に用いられている水素ガス(例えば、SiH4はH2と共に用い られる)と共に用いられない。 これらの制約が満たされない場合、ITOに表面変成が発生し、シリコン膜の 品質がITOからの不純物拡散により劣化するおそれがある。 ITOのソース及びドレイン電極を有し、不純物添加領域がITOに含まれる リンの拡散と同様な方法により上側の半導電層に形成されているトップゲートT FTが欧州特許EP−B−0221361号に記載されている。このTFTにお いて、ITOのソース及びドレイン電極はテーパ形成されたサイドウォールを用 いて形成されている。 本発明の目的は、大面積電子デバイスの薄膜処理に用いられる半導体膜及び/ 又は他の導電膜と良好な電気的接触を形成すると共に薄膜プロセスパラメータに 課せられる制約を緩和するのに適当な電極材料を提供することにある。 本発明の一概念によれば、導電性の膜(例えば、シリコンベース材料又は他の 半導体ベース材料の)と電気的に接触する電極を具える薄膜回路素子を含む電子 デバイスにおいて、前記電極が窒化クロム膜を含むことを特徴とする電子デバイ スを提供する。 本発明は、窒化クロムは薄膜回路素子の電極材料として用いた場合特に有益な 種々の性能の組合せを有しているという本発明者の知見に基づいている。低い引 っ張り応力、広い範囲にわたる窒素含有量及び良好な膜強度を有する結晶性又は アモルファスの窒化クロムの膜は、容易に及び制御可能に低温で堆積することが でき、例えば安価なリアクティブスパッタリングにより室温で堆積することがで きる。窒化クロム処理は現在の薄膜回路素子の技術に適合する。窒化クロム膜は 、クロミウムをエッチングする薄膜技術で用いられているエッチャントを用いて パターン化することができ、例えば硝酸セリウムアンモニウムを硝酸及び/又は 塩 酸と共用する安価なウェットエッチングによりパターン化することができる。窒 化クロム膜は、クロミウム自身、ITO及び他の多くの電極材料よりも低い化学 的な反応性を有する。窒化クロム膜は、酸化物の成長に対して低い親和性を有す るが、比較的高い導電率を有し、この結果半導体領域及び/又は金属の導体トラ ックに対する高い抵抗性の障壁界面の形成を回避することができる。窒化クロム 膜は下側の膜を水素還元から保護できると共に不純物拡散に対して有効な障壁と して作用することができ、従って半導体領域をインジウム及び他の不純物から保 護する。従って、窒化クロム膜は、堆積中に、例えばITO、アルミニウム、モ リブデン又は別の導電性材料から成る下側の膜パターンによる汚染から上側の半 導体膜を保護することができる。さらに、窒化クロム膜を用いて隣接する半導体 領域に不純物を添加することができ、例えば前述したプラズマドーピイング処理 で用いられる不純物を決定するする導電型の不純物を添加することができる。適 切な条件下において、窒化クロム膜が極めて高い窒素含有量を有する場合、隣接 する半導体領域に窒化クロム膜自身から拡散した窒素を添加することができる。 これは、窒素がドナー不純物となるシリコン半導体膜を用いる場合特に有用であ る。 特開平6−275827号公報には、窒素、カーボン及びフッ素のグループか ら選択した少なくとも1個の元素を含むクロミウム膜から電極を構成し、この元 素の含有量を膜厚方向に変化させ、この膜の上側部分を下側部分よりも速いエッ チング速度とすることが開示されている。この膜の組成は傾斜した側部を有する 電極がエッチングにより形成されるように構成されているので、デバイス基板上 にTFTの底部ゲート電極を形成するのに好適である。この傾斜した形状は、T FTのゲート誘電体を構成する絶縁膜によりゲート電極を覆うのを改善する。T FTのアクティブなチャネル領域は、この絶縁膜上に堆積されゲート電極と接触 しない半導体膜により構成される。窒素を含む場合、この膜の窒素を含む上側部 分は、次の材料(絶縁膜)が堆積される前に除去されている。特開平6−275 827号公報には、本発明が関連する状況において電極の一部として窒化クロム を用いることは開示されておらず、本発明による利点もなんら開示されていない 。 本発明による電子デバイスにおいて、電極はその全厚さにわたって又は少なく とも導電性膜の電気的コンタクトを形成する領域と隣接部分にわたって窒化クロ ムとすることができる。この導電性膜の隣接する領域は、一般的に例えばアモル ファスシリコン、又は微結晶シリコン又は多結晶シリコン或いはアモルファスの シリコンリッチシリコン化合物材料のような半導体材料で構成することができる 。窒化クロム膜は、半導体膜を劣化させることなくその後の半導体導電膜の堆積 及びその後の処理工程に耐えることができる底部電極を形成するのに好適である 。250°C以上の堆積温度(例えば、300°C又はこれ以上の温度)を用い ることができる。従って、窒化クロムにより構成される電極はデバイス基板上の 基板と上側の半導体導電膜との間に支持することができる。 電極は、前記半導体導電膜の隣接する領域と不純物の潜在源との間、例えば基 板表面に存在することができる。電極の窒化クロム膜は、前記半導体導電膜の隣 接する領域を保護する不純物拡散バリァを構成することができる。潜在的な不純 物はITO膜からのインジウムとすることができる。従って、窒化クロムは、前 記半導体膜の隣接する領域へのインジウム拡散に対するバリァを構成することが できる。この概念は、ITOパターン(例えば、透明画素電極としての)を薄膜 トランジスタ又は他の回路素子に接続することが望まれているフラットパネルデ イスプレイ及び他の大面積電子デバイスに特に有用である。さらに、窒化クロム 膜は、半導体のCVD(化学気相堆積)中に水素を含むガス源からの水素の浸透 に対する有効な拡散バリァとして作用するので、ITO上に窒化クロムのバリァ を形成することによりITOの水素還元を防止することができる。 前述したように、半導体導電膜の隣接する領域は、窒化クロムを含む電極から 不純物濃度を決定する導電型の不純物を添加することができる。この半導体導電 膜の隣接する領域には、例えば電極からのボロン、又はリン又は別の不純物を添 加することができる。これは、前述したプラズマドーピング処理を用いて電極表 面に不純物を吸着させることにより行うことができる。従って、例えばホスフィ ンのプラズマにさらされたデバイス基板上に窒化クロム膜のパターンにリンが十 分に付着することが判明しており、本願人は、このプラズマにクロミウムのパタ ーンをさらした場合クロミウムへのリン吸着は以後の拡散源として作用するには 不十分であることを見出している。 半導体の導電性膜と電気的に接触する部分に窒化クロムを有する電極は種々の 薄膜回路素子に用いることができる。従って、例えば回路素子を薄膜トランジス タとすることができ、電極はトランジスタのソース又はドレイン電極或いはゲー ト電極を構成することができる。別の形態において、回路素子は、PIN領域構 造を構成するように反対導電型の不純物が添加された薄膜導電性膜の領域を有す る薄膜ダイオードとすることができ、このダイオードのアノード及び/又はカソ ード電極は窒化クロム膜で構成することができる。別の形態において、回路素子 は、薄膜導電性膜がシリコンリッチな非化学量論性のシリコン化合物とした薄膜 ダイオードとし、このダイオードのアノード及び/又はカソード電極を本発明に よる窒化クロムにより構成することができる。 本発明の第2の概念によれば、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を具 える薄膜トランジスタにおいて、前記電極の少なくとも1個の電極を窒化クロム の膜で構成したことを特徴とする電子デバイスを提供する。本発明は、いわゆる トップゲートTFTにおける課題を解消し及び低減するのに特に有益である。ト ップゲートTFTにおいて、ゲート電極はTFTのチャネル領域を構成する半導 体膜の上側面上のゲート誘電体膜上に存在する。 トップゲートTFTのゲート電極に特有の接触の課題を解決するために本発明 を有益に用いることができる。このゲート電極は少なくともその上側面を窒化ク ロムとすることができ、ゲート接続トラックはゲート電極上に形成した絶縁膜に 形成した窓を介してゲート電極の上側面と電気的に接触することができる。本願 人は、特に約25゜Cの温度を超える温度で絶縁膜を堆積した場合例えばクロミ ウムのゲート電極を有する従来の形態において硬く非可溶性の高抵抗の表面被膜 がゲート電極表面に形成されることを見出した。一方、ゲート電極を少なくとも その上側面を窒化クロムとした場合、明かな窒化クロムの化学的な低い反応性及 びその酸化別の成長に対する低い親和性により、このような硬く非可溶性の表面 被膜は形成されない。従って、トップゲートTFTのゲート電極に本発明を利用 することにより、ゲート電極上の絶縁膜をシリコン酸化物で構成することができ ると共に極めて良好な絶縁性能を有するように高温度で堆積することができる。 これらの絶縁性能は、絶縁膜が2個の交差する導体トラック間に存在するデバイ スの別の領域について重要である。 トップゲートTFTのソース及びドレインは上側電極又は下側電極として形成 することができる。窒化クロムの化学的に低い反応性により、電極はその後の半 導体膜の堆積及び処理工程に対して耐久性を有することができる。従って、ソー ス及びドレイン電極は窒化クロムで構成することができると共にソース及びドレ イン電極と電気的に接触する半導体の上側領域と基板との間に存在することがで きる。酸化物の成長に対する低い親和性に起因して、窒化クロムの下側電極は半 導体膜と良好な電気的接触を形成することができる。従って、ソース及びドレイ ン電極について、少なくとも半導体膜の重なり合う領域と接触する部分を窒化ク ロムとすることが有益である。さらに、これらの半導体膜の重なり合う領域には ソース及びドレイン電極から不純物濃度を決定する導電型の不純物を添加するこ とができる。 窒化クロムの化学的な反応性及び酸化物に対する親和性は、窒化クロムの窒素 含有量が増大するにしたがって低下する。有益なものとして、窒化クロムの膜は 少なくともその厚さ方向の一部にわたって15原子%以上の窒素を含むことがで きる。多くの場合、窒素含有量についてより高い原子%が望ましく、例えば膜の 厚さ方向の少なくとも一部において30原子%と50原子%との間にすることが 望ましい。本発明者は、電気的に接触する領域において高い窒素含有量を有する ことが好適であることを見出した。不活性ガスと窒素との混合ガスを用いてスパ ッタリングにより窒化クロムを堆積する場合、窒化クロム膜の窒素含有量はガス 混合体中の窒素含有量の関数となりガス混合体の圧力に依存する。窒化クロム表 面に形成される酸化物の量は窒化クロム膜の窒素のパーセントの関数となる。従 って、接触面における酸化物の量を低減するため、この面における窒化クロム膜 の窒素の割合を高くすることが有益である。この窒素の割合は膜の全厚さにわた って同一に維持することができ、或いは例えば隣接する表面において最高の割合 となるように窒素の割合を変化させることができる。窒素含有量は、電極膜の厚 さにわたって連続的に又は階段上に変化することができる。 窒化クロム膜の窒素の含有量が45%と50%との間にある場合、その導電率 はクロミウム膜に比べて2桁低下する。従って、窒化クロムは導体トラックの短 い距離だけに延在するが、窒化クロム電極を接触領域だけに限定することが有益 である。一方、例えばアルミニウム又はモリブデン又はITOのようなより高い 導電率の材料の長い導体トラックを形成するも望ましい。アルミニウムは低抵抗 トラックととして優れた材料であるが、表面酸化、ヒロックの形成及び上側半導 体膜の潜在的な汚染に関する潜在的な問題を有している。本発明の実施例により 、本発明による窒化クロムの膜を用いてアルミニウムに関するこれらの問題を解 消し又は低減することができる。 従って、TFTのソース又はドレイン電極への低抵抗接続を行う構成として、 ソース及びドレイン電極の一方の電極用の接続トラック上に窒化クロム膜を堆積 し、接続トラックを電気的に接触する窒化クロムよりも高い導電率を有する例え ばアルミニウムのような材料とする。接続トラック上の窒化クロムは、例えばア ルミニウムの場合に発生するヒロックの問題を低減し、アルミニウム又は他の不 純物の接続トラックからTFT(又は、TFD)本体への拡散に対する障壁をと して作用することができる。ステップカバレッジの問題を解消しTFT本体との 不所望な相互作用を最小にするため、基板領域においてトランジスタが形成され る予定の領域に対して接続トラックをオフセットするように形成し、窒化クロム の膜が接続トラックからトランジスタの領域まで横方向に延在させることができ る。TFDの薄膜ダイオードヘ低抵抗接続するため同様な構成を利用することが できる。 回路素子としてトップゲートTFTの場合、(上述したように)ゲート電極を 少なくともその上側面において窒化クロムとする場合、例えば酸化シリコンの絶 縁膜をゲート電極上に堆積し、この絶縁膜に窓を形成し、ゲート電極の上側面を 露出して例えばアルミニウムの低抵抗接続トラックと接触させることができる。 本発明の第3の概念によれば、導電性の膜と電気的に接触する電極を有する薄 膜回路素子を具える電子デバイスの製造方法であって、導電性の膜を前記電極の 上側面に堆積する工程を含む電子デバイスの製造方法において、 前記電極が、少なくとも前記上側面と隣接する領域において窒化クロムの膜を 有することを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。 窒化クロムを含む電極が薄膜ダイオード又は薄膜トランジスタの下側電極とし て半導体膜と接触するデバイスを製造するため、この方法を有益に用いることが できる。これは、トップゲートTFTの製造に特にに有益である。 従って、本発明による第4の概念によれば、薄膜トランジスタを具える電子デ バイスを製造する方法であって、基板上にソース及びドレイン電極を形成し、薄 膜トランジスタのチャネル領域を構成する半導体膜を前記ソース電極とドレイン 電極との間に堆積し、前記半導体膜の上側面上にゲート誘電体を堆積し、前記ゲ ート誘電体上にゲート電極を形成する工程を含む電子デバイスの製造方法におい て、前記薄膜膜を堆積する前に、少なくともソース電極及びドレイン電極の上側 部分を構成する窒化クロムの膜を堆積することを特徴とする電子デバイスの製造 方法を提供する。 この場合、半導体膜を堆積する前に、ソース及びドレイン電極の少なくとも上 側部分を形成するために窒化クロム膜を堆積することができる。この窒化クロム 膜はその上側面と隣接する領域により高い窒素含有量を有するように堆積し、そ の後ソース及びドレイン電極をウエットエッチング処理を用いて膜をエッチング することによりテーパ形成されたサイドウォールを有するように形成する。さら に、(前述したように)ソース及びドレイン電極の窒化クロムに半導体膜中の導 電型を決定するする不純物を添加し、半導体膜の堆積中に半導体膜の重なり合う 領域にソース及びドレイン電極から導電型を決定する不純物を添加することがで きる。これら窒化クロムのソース及びドレイン電極は、半導体膜を堆積する前に 不純物を決定する導電型のプラズマ不純物源にさらすことができる。 窒化クロムの窒素含有量にその厚さ方向に沿って勾配を持たせることにより、 ウエットエッチング処理を用いて膜をエッチングする際テーパ形成されたすなわ ち傾斜したサイドウォールを容易に形成することができる。このテーパ形成は、 特にその後堆積される層のステップカバレッジの問題を解消することに関して、 例えばトップゲートTFTのソース及びドレイン電極或いはTFDの下側電極に 対して有益である。 これらの構成及び他の構成並びに効果について一例として添付図面に基づき本 発明の実施例において説明する。 図1は本発明による電子的デバイスの一部のTFTの断面図であり、 図2は本発明による方法の製造工程における図1のTFTの一部を示す断面図 であり、 図3は本発明による別の電子的デバイスの一部の別のTFTの断面図であり、 図4A〜4Cは本発明による方法の順次の製造工程における図3のデバイス部 分の断面図であり、 図5は本発明による電子的デバイスの一部の別のTFTの断面図であり、 図6は本発明による別の電子的デバイスの一部のTFDの断面図であり、 図7は窒化クロム(CrNx)の堆積膜の窒素の原子パーセント(原子%N) をスパッタガス混合物(N2+Ar)中の窒素のパーセント(%N2)の関数とし て示すグラフであり、 図8は窒化クロム膜(CrNx)の窒素の原子パーセント(原子%N)の関数 として1015酸素原子cm-2における酸素(O)の濃度を示すグラフであり、 図9は同一形態の3個の異なる試験構造体における印加電圧(V)に対する電 流(I)mAの変化を示すグラフであり、窒化クロム電極と接触するアルミニウ ム接続トラックの特性を曲線Aで示し、クロミニウム電極と接触するアルミニウ ムの接続トラックの特性を曲線Bで示し、一体化した窒化クロムの形態の計算し た比較抵抗を曲線Cで示し、 図10は同一形態の3個の異なるトップゲートTFTにおけるゲートバイアス (Vg)ボルトに対するソース電流(Is)アンペアの変化を示すグラフであり 、窒化クロムの下側ソース及びドレイン電極を有する試料を曲線Aで示し、IT Oの場合曲線Bで示し、モリブデンの場合を曲線Cで示し、 図11はソース及びドレイン電極がテーパ形成されたサイドウォール面を有す る図5のTFTの変形例の断面図であり、 図12はソース電極が接続トラック上に延在する図5のTFTの別の変形例を 示す断面図である。 図面の図1〜6並びに図11及び12は線図的でありスケール通りのものでは ない。これら断面図の部材の相対的な寸法及び比率は図面を明瞭にすると共に便 宜上拡大され縮小されている。種々の実施例において対応する部材又は同様な部 材には同一符号を用いる。 一部が図1に図示されている大面積電子デバイスは、例えば米国特許第513 0829号に図示されている型式のフラットパネルデイスプレイとすることがで きる。従って、このデイスプレイの背面プレートは、図1のTFTが設けられて いる第1の主表面上の基板30を構成することができる。このデバイス基板30 は、少なくともこの第1の主表面と隣接する部分において電気的絶縁性とする。 基板はガラス又は安価な絶縁性材料で構成することができる。不透明な光シール ドを基板の上側面の絶縁層間に埋設することができる。特有の実施例において、 基板30は、二酸化シリコン、窒化シリコン、又はオキシ窒化シリコンの上側層 を有するガラスのベースで構成することができる。多数の個別のTFTは、ごの 上側表面上に並んで形成され金属トラック37、39及び40のような薄膜導体 パターンにより相互接続する。図1のTFTは、米国特許第5230829号の 図6のTFT11として図示されているものと同様なトップゲート形態とする。 比較のために、図1のTFTには米国特許第5130829号の符号と同一又は 類似の参照符号を付与する。一方、図1のTFTの少なくとも1個の電極は本発 明による窒化クロムの膜で構成する。 図1のTFTは、基板30上の例えば多結晶の半導体薄膜50により形成され るチャネル領域を具える。ゲート電極155は、半導体薄膜50の上側面上の例 えば酸化シリコンのゲート誘電体38上に存在する。半導体薄膜の不純物が添加 されたソース及びドレイン領域51及び52は、ゲート電極155を用いて例え ばイオン注入により自己整列により形成することができる。例えばアルミニウム のゲート接続トラック37は、例えばゲート電極155上の酸化シリコンの絶縁 膜54の窓において電極155の上側面と電気的に接触する。 この本発明の実施例において、ゲート電極155は、少なくとも接続トラック 37と接触する上側面において窒化クロムとする。これに対して、米国特許第5 130829号の図6のトップゲートTFTは不純物が添加された多結晶シリコ ンのゲート電極55を有している。図1のTFTのゲート電極155は、接続ト ラック37が電極155とTFTの区域において接触する図1に示す小型な接続 形態のものとしてその全厚さにわたって窒化クロムとすることができる。一方、 本発明によるTFTの電極155は、例えばクロム或いはアルミニウム又はアル ミニウム合金のような別の電極材料上に窒化クロムを含む複合体とすることがで きる。この電極155の複合形態は、電極155がゲート接続トラック37と接 触する前にTFTからある距離にわたって延在する場合、ゲート直列抵抗を小さ くするのに有益である。 アルミニウムのトラック/電極上に窒化クロムを形成することによる利点は、 窒化クロムがアルミニウムを覆ってアルミニウム表面の酸化及びアルミニウム中 でのヒロックの形成を防止することである。この窒化クロムの被覆がない場合、 例えばシリコン酸化膜54の堆積中に基板30が約250°Cに加熱されると、 このような表面酸化及びヒロックの形成がアルミニウムのトラック/電極中に発 生してしまう。アルミニウム電極に窒化クロムを形成することによる別の利点は 、窒化クロムが、絶縁膜54にコンタクト窓を形成するために用いるエッチャン ト(例えば、HF)による浸食に対してアルミニウムの上側面を保護することで ある。電極155の上側面についてクロムの代わりに窒化クロムを用いる利点は 、シリコン酸化膜54の堆積中に電極155の上側表面に不可溶性の高抵抗酸化 層が形成されるのが防止されることである。 図2はこのTFTの製造工程を示し、シリコン酸化膜54にコンタクト窓を形 成して電極155(本例では、ゲート電極とする)の上側表面160を露出させ た工程を示す。コンタクト窓はフォトリソグラフィ及び例えばエッチャントとし て緩衝したHFを用いるエッチング処理を用いて規定する。本発明者は、電極1 55の上側表面160クロミウムで窒化クロムでない場合、このエッチング処理 ではクロミウム電極155の上側表面160の高抵抗酸化層が除去されないこと を見出した。この酸化層は十分に固く、本発明者は、この酸化層はスパッタエッ チングによってだけ除去でき又はTFTを製造した後電極接続部37をに高電圧 を印加することにより電気的にブレークダウンするを見出した。クロミウム電極 155を用いることによりこれらの付加的な工程が必要となることにより、製造 の歩留りが低下し製造コストが高価になってしまう。一方、本発明に基づき電極 155の上側表面を窒化クロムとする場合これらの付加的な工程は不要になる。 窒化クロムが高抵抗の酸化層の形成を阻止するメカニズムは以下の通りである 。典型的には、シリコン酸化膜54を約250°C又はそれ以上の温度で堆積す る。 シリコン酸化膜54は、約400°CのAP(大気圧)CVD、或いは例えば3 00°Cのような低温でのTEOS(テトラ エチル オキシ シラン)又はP E(プラズマエンハンスド)CVDにより堆積することができる。基板30はこ れらの堆積温度に近づくにしたがって、酸化物の単一層が電極155の外側表面 に形成される。より多くの酸素が膜の表面に到達すると、酸素原子の過剰な負の 電荷に起因して酸化層に強い電界が形成される。クロミウム電極の場合、この電 界により電子がクロミウム層へドリフトし、Cr3+イオンが表面にドリフトし、 吸着した酸素と反応する。この反応によりクロミウム電極155上に酸化クロム (主として、Cr2O3)が形成され、形成される酸化層の厚さは電界が電子又は Cr3+イオンのドリフトに対して極めて弱くなる厚さとなる。この酸化物の電気 的な形成は極めて急速に(ナノ秒の範囲)発生し、その後その成長速度は拡散に より制限される。ここで、重要なことは、これらの両方の工程において、この制 限する作用は酸化層を通るクロミウムイオンのマイグレーションであることに注 意されたい。これに対して、電極155が本発明による窒化クロムとされる場合 、窒素は初期表面酸化層をマイグレートしない。クロミウムが表面にマイグレー トすると、直ちに表面酸化層の下側に窒素リッチな領域が形成される。この窒素 がリッチな領域は、クロミウムの酸化層へのマイグレーションに対する障壁とし て作用し、これにより酸化層の成長が制限される。従って、電極155の上側面 160における表面酸化層の成長は、上側面160と隣接する窒化クロム電極1 55の窒素含有量を調整することにより制御することができる。特有の効果が生 ずる特有の実施例については、図7,8及び9を参照して後述する。 図1のトップゲートTFTは、例えば米国特許第5130829号の図6のよ うな既知の方法により形成したソース及びドレインを有する。この場合、ソース 及びドレインは半導体膜50のn+のドープド領域51及び52でそれぞれ構成さ れ、ソース及びドレイン接続部39及び40はゲート接続部37と同一のアルミ ニウム膜のパターンから形成することができる。図1に一例として示す構成にお いて、不純物が添加されたドレイン電極52は導体トラック40によりITOの 画素電極20に接続されているように示す。一方、ソース及びドレイン電極の別 の構成も本発明に基づき可能である。 一例として、図3は、窒化クロム膜の各ソース及びドレイン電極151及び1 52から成る本発明によるソース及びドレイン形態を示す。これらの窒化クロム のソース及びドレイン電極151及び152は基板30と半導体膜50の上側領 域との間に存在する。窒化クロムのソース及びドレイン電極151、152は、 窒化クロムの酸化物の成長に対する低い親和性並びにソース及びドレイン領域か らの上側領域51、52に対する不純物の添加に起因して、膜50の上側領域と 良好なオーミック接触を形成する。n+の不純物が添加されたソース及びドレイ ン領域51、52は、例えば図4A〜4Cに示す処理工程から成る既知のプラズ マ不純物添加処理を用いて形成することができる。特有の結果が得られる特有の 実施例は図7、8及び9を参照して後述する。 図3は、ドレイン電極152がITO画素電極20に直接接続されている別の 相違点を示す。さらに、この場合ソース接続トラック39の一部は、画素電極2 0を構成する同一のITO膜の一部121により形成することができる。この低 い化学的な反応性により、窒化クロムのソース及びドレイン電極151及び15 2はITOの部分121及び20と良好な電気的接触を構成する。窒化クロムの ソース及びドレイン電極151、152は、ITOの部分121及び20を半導 体膜50から完全に分離する。この構成は、窒化クロムのソース及びドレイン電 極151、152がITOの一部121及び20の水素還元並びにインジウム及 び他の不純物のITOの部分121及び20から半導体膜50への拡散に対して 障壁となる製造処理中に特に重要である。 図4A〜4Cは図3のトップゲートTFTの製造中の順次の工程を示す。デバ イス基板30上に堆積したITO膜は、既知のフォトリソグラフィ及びエッチン グ処理を用いて図4Aの区域121、120にパターニングする。次に、窒化ク ロム膜を堆積し既存のフォトリソグラフィ及びエッチング処理を用いてソースと ドレインとの間のチャネル分離を規定する個別の区域153、154にパターニ ングする。得られた構造体を図4Bに示す。窒化クロム膜の区域153及び15 4はITOの部分121及び20の全体を覆う。 次に、図4Bの構造体をホスフィンのRFグロー放電に曝し、窒化クロムの区 域153及び154の表面にリンを吸着させる。窒化クロムの区域153と15 4との間の露出した絶縁性の基板表面には顕著な量のリンを吸着させない。一方 、ドライエッチングを行って絶縁性の基板層から不純物を完全に除去することも できる。 次に、例えば既知のプラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD)処理に よりシリコン材料を堆積してアモルファスシリコンの膜150を形成する。この アモルファスシリコンの堆積は例えば270〜300°Cの温度範囲で行うこと ができ、この温度はジャパン デイスプレイ コンファレンスの予行集に記載さ れた処理によるITO上へのアモルファスシリコンの堆積に用いられる温度より もはるかに高い。さらに、この堆積はシランと水素の混合ガスから行うことがで きる。より高い温度で処理すること及び水素を用いることの両方により、堆積し た膜150の品質が改善され、例えば電界効果の移動度及びキャリァのライフタ イムが増大する共に表示デバイスの寿命を増大させる安定性が改善されること明 かである。水素は堆積したシリコンに弱い領域を除去するマイルドなエッチャン トとして作用するので、シリコンの良好な区域だけが成長する。この堆積温度に おいて、吸着したリンは窒化クロム部分153、154から堆積される隣接する シリコンの区域150に拡散し、膜150の堆積中の不純物拡散によりこれらの 隣接するシリコン領域にn+の部分が形成される。その後のフォトリソグラフィ 及びエッチング工程中にシリコン膜150の上側面を保護するため、薄い厚さの ゲート誘電体膜を同一のCVD反応容器中で堆積する。 このフォトリソグラフィ及びエッチング工程において、シリコン膜150のT FTの区域A上にフォトレジストマスクを形成し、エッチング処理を行って個別 のTFT用の個別のアイランド部50を規定する。同一のマスクを用い、窒化ク ロム153、154をパターニングしてTFTのソース及びドレイン電極151 、152を形成する。このフォトリソグラフィ及びエッチング工程の前に、例え ばエキシマレーザのエネルギービームを用いてアモルファスシリコン膜150を 多結晶シリコンに変換する。一方、このアモルファスシリコン材料はアイランド 部50については残存させることができる。 フォトリソグラフィ及びエッチング工程の後に、ゲート誘電体膜38(又は、 その残存する厚さ)を堆積する。この膜38は、例えばアモルファスシリコン膜 50の場合窒化シリコンとすることができる。次に、ゲート電極をゲート誘電体 膜38上に形成する。図3に一例として示す形態において、このゲート電極は、 例えばアルミニウムのゲート接続トラック37の領域により形成する。 本発明の範囲内において、種々の変形や変更が可能である。一例として、図5 は、ソース及びドレイン電極151、152が第1の窒化クロムパターンの区域 により構成されゲート電極155が第2の窒化クロム膜のパターンの区域により 構成される僅かに変形した例を示す。図5の構造体において、ソース及びドレイ ン電極151、152はTFTのシリコンアイランド部50を僅かに越えて延在 してアルミニウムの接続トラック39及び40と接触する。ゲート電極は、その 全上側面において接触する窒化クロムのゲート膜155を有するアルミニウム( 又はアルミニウム合金)の接続トラック37を具える。アルミニウム(又はアル ミニウム合金)のトラック40は窒化クロムのドレイン電極152をITOの画 素電極20に接続する。図2に説明した方法と同一の方法で、絶縁性膜54のコ ンタクト窓において電極部分151、152及び155の窒化クロムの上側面と 良好な電気的な接触を形成することができる。さらに、窒化クロムの電極部分1 51及び152は、図3について説明したように、TFTのソース及びドレイン となるシリコン膜50の不純物が添加された区域51及び52と良好なコンタク トを構成する。 図1〜5はTFTについて本発明を用いる場合を図示した。一方、本発明は、 例えば図6に図示したTFDのような別の薄膜回路素子についても用いることが できる。図6は縦型のTFDを示し、その本体は下側電極152と上側電極37 との間にはさまれたアクティブな半導電極の膜50とする。半導体膜50は、ア モルファスの形態、又は微結晶の形態或は多結晶の形態のシリコンベース材料で 構成することができる。例えば、酸化シリコンの絶縁膜54を半導体の導電膜5 0の側壁5に存在させることができる。上側電極37は絶縁膜54の窓において アクティブな膜の上側面と接触する。本発明においては、これらの電極のうち少 なくとも1個の電極(好ましくは下側電極152)を窒化クロムの膜で構成する 。ダイオードの向きに応じて、電極37及び152はそれぞれアノード及びカソ ードと、又はそれぞれカソード及びアノードとする。下側電極152は基板30 上 の導体トラック120と接触する。ダイオードの用途に応じて、導体トラック1 20は、ITO又はアルミニウム及び/又は例えばクロム、タングステン、亜鉛 、チタニウム、モリブデン又はニッケルのような別の材料で構成することができ る。 図6のTFDは米国特許第5272370号に記載されているような大面積の 薄膜ROMに用いることができる。このようなダイオードは、例えばアクティブ な半導電極の膜50の上側面及び下側面に互いに反対導電型の不純物を添加して PIN領域構造を有するPINダイオードとすることができる。或は、TFDは 、双方向性であって、アクティブな半導体層50が不純物の添加されていない( 真正、つまり半絶縁性)シリコンリッチな非化学量論的なシリコン化合物材料と されているいわゆる「MIM」ダイオードとすることができる。このMIMダイ オードも、米国特許第5272370号に記載されているROMデバイスに用い ることができる。しかしながら、このMIMダイオードは、欧州特許EP−A− 0649048号に記載されている表示デバイスの非線形スイッチング素子とし て用いることもできる。図6のように構成したPINダイオードは、スイッチン グダイオード及び/又は大面積撮像装置の光感知ダイオードとしても用いること ができる。このPINのN形領域は、PH3プラズマドーピング処理を用いて窒 化クロム電極152の表面からのリン拡散により形成することができる。リンの 代りにジィボラン(B2H6)を用いて、p形領域用のボロン添加するための同様 なプラズマ処理を行なうこともできる。 PINダイオード及びMIMのための所望の電気的接触性能において差異があ ることに注意されたい。PINダイオードの場合、電極37,152と膜50の p形及びn形領域との間に良好な低抵抗のオーミックコンタクトが望まれる。窒 化クロムはこのようなオーミックコンタクトを形成することができる。この理由 は、窒化クロムがその酸化成長に対して低い親和性を有すること及び膜50に不 純物を添加するための不純物吸着電位を有するからである。MIMダイオードの 場合、シリコン化合物膜50はより広いバンドギャップを有し、所望の電極接触 性能はオーミックコンタクトではなくショットキー障壁のようになる。一方MI M用に窒化クロムを用いることにより、ショットキー電極の窒素の割合を変える ことによりショットキー障壁の挙動を制御してショットキー電極とシリコン化合 物膜50との間において不規則な酸化界面を低減することができる。 図1〜図6の種々の電極構成について使用した窒化クロム膜は典型的には25 nm〜100nmの範囲の厚さを有することができる。図7〜図7に基いて説明する 特有の実験結果の場合、窒化クロム膜の厚さは35nmとした。20nm以下の厚さ でピンホールの無い良好な表面カバレッジを得ることは困難である。約100nm 以上の膜厚を用いることは、その後堆積される膜によるステップカバレッジの観 点において望ましくないものである。窒化クロム膜のパターンのサイドウォール にテーパが形成される場合、より厚い窒化クロム膜を用いることができる。 本発明に用いられる窒化クロム膜は、約50原子%の窒素を用いて多結晶又は アモルファスのCrNとして、及び/又は約30原子%又はこれ以上の窒素を用 いてCr2Nとして堆積することができる。実際には、窒化クロム膜中の窒素の 原子%は、スパッタガス混合体中の窒素の割合を変えることにより15%と50 %との間の有用な範囲にわたって変化させることができる。これを図7に示す。 スパッタのターゲット源としてクロミウムを用いる。スパッタリングはアルゴン と窒素との混合ガスを用いて行なった。図7の実験結果は2個のガス圧、すなわ ち1.5mTorrと5mTorrのガス圧で得た。基板温度は堆積の前に350℃まで 上昇させ、堆積の開始時に300℃まで降下させた。用いた堆積バラメータを以 下の表に示す。 窒化クロムを35nmの厚さに堆積した。オージェ電子分光測定を用いて、窒化 クロム膜中の窒素含有量及び窒化クロム膜151,152とのシリコン界面にお ける酸素含有量を測定した。図7は堆積したCrNx膜中の窒素含有量を用いた 2個の圧力におけるガス混合体の窒素含有量の関数としてプロットとした。5m Torrの曲線は、窒素が約50原子%以上になると平坦になっている。 図8はCrNx膜151,152のシリコン界面における酸素の表面濃度をC rNx膜中の窒素の原子%の関数としてのプロットを示す。周囲の酸素はこの酸 素界面の源を構成し、その間に基板30は堆積の開始前及び膜150の堆積中に も加熱される。 図8の2個の変数間に良好な反転相関が存在し、この界面における酸素の量は CrNxの堆積パラメータを調整することにより制御できることを示している。 従って、スパッタ堆積した窒化クロム膜の窒素含有量は、窒素含有量及びスパ ッタのガス混合体の圧力の関数となる。下側窒化クロム電極151,152及び 上側の導電性半導体膜50の界面に存在する酸素の量は窒化クロム膜の窒素含有 量の関数となる。従って、コンタクト界面の酸素の量は窒化クロムの堆積パラメ ータを調整することにより制御することができる。 図9は、アルミニウムの接続トラック37,39又は40と窒化クロム電極1 55,151又は152との間の接触の良好な品質を示す。2個の膜間の電気的 な接触は6μm×6μmの面積であった。曲線A及びCは、図2に示す絶縁膜5 4中のコンタクト窓のコンタクト領域に対応する。これらの測定は、コンタクト 領域から短い距離だけ離れた2個の膜について作成した2個の電気的接続部間に 電圧差を印加することにより行った。コンタクト領域と接続部までの距離の結果 として、各膜に沿う長手方向の電流通路にある抵抗が存在する。2個の接続部間 の一体化した窒化クロムトラックについてのこの抵抗の効果は図9の曲線Bによ り与えられる。従って、曲線Bは2個の膜間の接触の品質を比較できる基準を与 えることになる。曲線Bは理想的な接触特性を示す。曲線Aは窒化クロム電極と 接触するアルミニウム接続トラックについてのものであり、その曲線Bに類似し ていることはこれら2個の膜間で極めて良好に接触していることを表す。曲線C は窒化クロム電極と接触するアルミニウム接続トラックについてのものである。 図9から明かなように、曲線Cについての特性は理想から大幅に離れており、ア ルミニウムとクロミウムとの間で約1ボルトの電位障壁を有する非オーム性接触 を示す。この電位障壁は、クロム電極上の固く非可溶性の酸素含有高抵抗の表面 被膜に起因するものと考えられる。 図10は、下側の窒化クロムのソース及びドレイン電極151及び152とア モルファスシリコンのTFTチャネル膜50との間の電気的な接触の品質を示す 。図10にプロットしたソース−ゲート特性はTFTの抵抗についての目安であ り、 つまりソース及びドレインコンタクトの抵抗の目安となる。同一形態であるが、 異なる材料の下側ソース及びドレイン電極を有する3個の異なるトップゲート構 造体を作成した。曲線Aは下側のソース及びドレイン電極を窒化クロムとした場 合の特性であり、曲線BはITOとした場合であり、曲線CHモリブデンとした 場合の特性を示す。3個の全ての電極材料は、シリコン膜150上に堆積する前 に同一のPH3プラズマドーピング処理を行った。図10のソース−ゲート特性 は0.25ボルトのドレインバイアスを用いて測定した。図10から明かなよう に、窒化クロムの下側ソース及びドレイン電極151及び152についてのソー ス−ゲート特性は、ITOの下側ソース及びドレイン電極についての特性に匹敵 しており、モリブデンの下側ソース及びドレイン電極についての特性よりも2乗 良好である。 89年の日本デイスプレイコンファレンスの文献に記載されているプラズマド ーピング処理は、例えばPH3の不純物源プラズマに曝すことによる電極パター ンへの不純物を吸着を含んでいる。不純物源プラズマに半導体材料の源(例えば 、SiH4)を加えることも可能であり、これにより電極パターン間に露出した 絶縁性基板の表面上に膜を堆積することなく、電極パターンの表面上にシリコン が添加された薄い被膜を選択的に堆積することができる。この選択的なシリコン 添加堆積は、ITOの電極パターン上だけでなく本発明による窒化クロムの電極 パターン上にも行うことができる。一方、シリコン添加被膜の選択堆積は、窒化 クロム電極上に吸着した不純物から添加することにより得られる特性を超える電 気的接触特性をさらに改良できないように思われる。このようなシリコン添加選 択性堆積のパラメータを制御することは困難であるので、シリコン堆積を有しな いプラズマ添加処理は現在望ましいものである。 前述したように、窒化クロム膜のパターンにテーパを形成する場合、図1〜図 6の種々の電極構成についてより厚い窒化クロムを用いることができる。この目 的のために、ドライエッチング処理を用いることができる。一方、この処理は製 造コストが高価になる傾向にある。種々の窒素含有量の窒化クロム膜について種 々のエッチング速度を利用することにより、このテーパ形成はウエットエッチン グ処理を用いることにより容易に行うことができる。従って、堆積した窒化クロ ム膜はその厚さ方向に沿って適切な窒素含有量の勾配を有することができ、膜中 の窒素濃度はこの膜の上側表面と隣接部分の高い値から低下し、すなわち基板表 面から離れるにしたがって増大するように構成することができる。この場合、高 速になるにしたがって窒素含有エッチングが一層増大する窒化クロムの差動エッ チング効果に起因して、例えば硝酸セリウムアンモニウムを硝酸及び/又は塩酸 と併用することによりウエットエッチング処理により膜をパターン化する際、表 面が基板が向かって下向きにテーパが形成されすなわち傾斜したサイドウォール が形成される。図11は、図5のTFTに対応するが、ソース及びドレイン電極 151及び152がこの方法により形成された傾斜したサイドウォールを有する TFTの断面を一例として示す。このテーパ形成は、例えば図3及び図5のトッ プゲートTFT構造体のソース及びドレイン電極151及び152に適用するこ とができる。このようにして、テーパ形成されたトップゲートTFT構造体に関 して欧州特許公告0221361号で検討された効果と同様な付加的な利点が達 成できる。特に、半導体膜50の厚さを薄くすることができる。前述したように 、テーパ形成されたソース及びドレイン電極151及び152に不純物を添加し て、その後堆積される半導体膜50に不純物が添加されたソース及びドレイン領 域51及び52を形成することができる。 勿論、窒素の濃度勾配を有する窒化クロム膜にウエットエッチング処理を併用 することによるテーパ形成は、例えばTFDの下側電極のような別の電極構成に 適用することができる。例えば、MIM型のTFDの窒化シリコン材料のような シリコンリッチな非化学量論的なシリコン化合物材料から成り、TFDの下側電 極のいずれかの側に完全に延在するアクティブな半導体導電膜50の場合、電極 にテーパを形成することは、比較的厚い窒化クロム膜を用いる場合のステップカ バレッジの課題を解消するための助けとなる。 図12は本発明による窒化クロムの下側電極用の有益な低抵抗接続構成を示す 。図12に示す特有の実施例において、薄膜回路素子は抵抗体とし、窒化クロム の膜151はTFTのソース及びドレイン電極の一方の電極を構成する。図12 に示すように、窒化クロムの電極膜151は接続トラック39からTFTの区域 まで横方向に延在し接続トラック39はTFTが形成される区域に対してずれた 基 板30の領域に存在する。図12のTFTは、例えばデバイスマトリックスのス イッチィング素子とすることができ、トラック39は例えば、デバイスマトリッ クスの行導体とすることができる。トラック39は窒化クロムよりも高い導電性 材料とし膜151よりも一層厚くする。トラック39は、例えば、モリブデン又 はモリブデン合金、或いは特に高い導電率のより望ましいアルミニウム又はアル ミニウム合金とすることができる。この図12に示すらした構成は図5の接続ト ラック39及びデバイスのTFT本体50の構成と同様である。同様なオフセッ トした構成は、図3のTFT(領域121と20との間の間隔に対して図4Cの 領域Aを小さくすることにより)に並びに図6のTFD(膜120及び152の 横方向の延長部を変更することにより)に適用することができる。 図12に示す変形例として、窒化クロム電極膜151をトラック39上に堆積 する。この接続トラック39上に窒化クロム膜を形成することはトラック39を 物理的に覆うことであり、これにより以後の処理工程において加熱された場合ア ルミニウムトラック39に表面酸化及びヒロックが形成されるのを低減すること ができる。窒化クロム膜151は、トラック39からTFT本体50へのアルミ ニウム及び他の不純物の拡散に対するバリァとしても作用することができる。ト ラック39のオフセットした構成によりTFT本体50との不所望な相互作用も 最小になり、このオフセット構成厚いトラック39の側部に生ずるステップカバ レッジも解消する。 この開示内容から明かなように、当業者にとって種々の変形や変更が可能であ る。これらの変形や変更は、TFT、TFD及び他の薄膜回路素子及びその構成 部材を含む電子デバイスの設計、製造及び使用において等価な構成及び既知の構 成並びに本例明細書の開示内容の代わりに又は加えて用いることができる構成を 含むものである。請求の範囲は本願において定型化されているが、同一の発明に 関するものであるか否かを問わず、本願の開示の範囲は本例明細書において開示 された新規な構成及びこれらの組合せを含むものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9710514.2 (32)優先日 平成9年5月23日(1997.5.23) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),JP,KR (72)発明者 フレンチ イアン ダグラス オランダ国 5656 アーアー アインドー フェン プロフ ホルストラーン 6 (72)発明者 トレイノル マイケル ヨセフ オランダ国 5656 アーアー アインドー フェン プロフ ホルストラーン 6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.導電性の膜と電気的に接触する電極を具える薄膜回路素子を含む電子デバイ スにおいて、前記電極が窒化クロム膜を含むことを特徴とする電子デバイス。 2.請求項1に記載の電子デバイスにおいて、前記電極を、前記導電性の膜の隣 接する領域が例えばシリコンベース材料のような半導体材料で構成される領域と 少なくとも隣接する部分について窒化クロムとしたことを特徴とする電子デバイ ス。 3.請求項2に記載の電子デバイスにおいて、前記窒化クロムの電極が、前記半 導体の導電性膜の隣接する領域と不純物源領域との間に存在し、窒化クロム膜が 、前記半導体の導電性膜の隣接する領域を保護する不純物拡散障壁を構成するこ とを特徴とする電子デバイス。 4.請求項3に記載の電子デバイスにおいて、前記不純物源領域が、前記電極と 電気的に接触すると共に例えばインジウムリン酸化物又はアルミニウムのような 窒化クロムよりも高い導電性の材料の膜パターンにより構成されることを特徴と する電子デバイス。 5.請求項2から4までのいずれか1項に記載の電子デバイスにおいて、前記導 電性膜の隣接する領域には、前記電極から続く不純物濃度を決定する導電型の不 純物が添加されていることを特徴とする電子デバイス。 6.請求項2から5までのいずれか1項に記載の電子デバイスにおいて、前記回 路素子を、窒化クロムの膜を有するソース又はドレイン電極を具える薄膜トラン ジスタとしたことを特徴とする電子デバイス。 7.請求項6に記載の電子デバイスにおいて、前記窒化クロムの膜を有するソー ス又はドレイン電極がテーパ形成されたサイドウォールを有し、このサイドウォ ール上に半導体の導電性膜がトランジスタのチャネル領域を構成するように延在 することを特徴とする電子デバイス。 8.請求項2から5までのいずれか1項に記載の電子デバイスにおいて、前記回 路素子を、PIN領域構造を構成するように反対導電型の不純物が添加された半 導体の導電性膜の領域を有する薄膜ダイオードとし、このダイオードのアノ ード又はカソードが窒化クロムの膜を有することを特徴とする電子デバイス。 9.請求項2から5までのいずれか1項に記載の電子デバイスにおいて、前記回 路素子を薄膜ダイオードとし、前記半導体の導電性膜をシリコンリッチな非化学 量論的なシリコン化合物材料とし、前記ダイオードの電極が窒化クロムの膜を有 することを特徴とする電子デバイス。 10.請求項1又は2に記載の電子デバイスにおいて、前記回路素子を、少なくと も上側面に窒化クロムのゲート電極を有するトップゲート薄膜トランジスタとし 、例えばアルミニウムのゲート接続トラックが、前記ゲート電極上の例えばシリ コン酸化物の絶縁膜に形成した窓を介して前記ゲート電極の上側面と電気的に接 触することを特徴とする電子デバイス。 11.導電性の膜と電気的に接触する電極を有する薄膜ダイオード又は薄膜トラン ジスタ又は薄膜回路素子を具える電子デバイスの製造方法であって、例えば半導 体ベース材料の導電性の膜を前記電極の上側面に堆積する工程を含む電子デバイ スの製造方法において、 前記電極が、少なくとも前記上側面と隣接する領域において窒化クロムの膜 を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。 12.薄膜トランジスタを具える電子デバイスを製造する方法であって、基板上に ソース及びドレイン電極を形成し、薄膜トランジスタのチャネル領域を構成する 半導体膜を前記ソース電極とドレイン電極との間に堆積し、前記半導体膜の上側 面上にゲート誘電体を堆積し、前記ゲート誘電体上にゲート電極を形成する工程 を含む電子デバイスの製造方法において、前記薄膜膜を堆積する前に、少なくと もソース電極及びドレイン電極の上側部分を構成する窒化クロムの膜を堆積する ことを特徴とする電子デバイスの製造方法。 13.請求項12に記載の方法において、前記窒化クロム膜がソース電極及びドレ イン電極の一方の電極の接続トラック上側に堆積され、この接続トラックを、例 えばアルミニウムのような電気的に接触する窒化クロムよりも高い導電性の材料 としたことを特徴とする方法。 14.請求項13に記載の方法において、前記接続トラックが、基板のトランジス タが形成される予定の領域からオフセットした領域に形成され、窒化クロムの 膜が接続トランジスタからトランジスタの領域へ横方向に延在することを特徴と する方法。
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