【発明の詳細な説明】
平滑筋細胞由来の移動因子
発明の分野
本発明は、単離ヒト平滑筋細胞由来の移動因子(SDMF)遺伝子、本質的に純
粋なヒトSDMF蛋白、および組成物、およびヒトSDMF配列および蛋白の製
造および使用方法に関する。
発明の背景
動脈平滑筋細胞(SMC)の血管壁内層中への移動は、アテローム性動脈硬化
傷害および環状血管バルーン血管形成後の再狭窄の発症における重要な出来事で
ある。血管細胞により分泌され、あるいは他の血液成分に由来する多くのSMC
移動因子が同定されている。これらの移動因子は、血小板由来増殖因子、インタ
ーロイキン−1、形質転換増殖因子−β、フィブロネクチン、ビトロネクチン、
フィブリン−ゲンおよび酸化された低密度リポ蛋白を包含する。
ラットおよびウサギの平滑筋細胞由来の移動因子(SDMF)はKoyama et al
.,Atherosclerosis 86,219-226(1991)に記載されている。ラットの動脈SMC
由来のSDMF蛋白に関するさらなる精製ならびに生物学的および薬理学的研究
は同じグループによりKoyama et al.,J.Biol.Chem.268,13301-13308(1993)に
おいて報告されている。
ラットSDMFは有効なSMC移動因子であり、SMCの増殖を促進しないこ
とが、研究により示されている。SMCにより分泌される58kDaの蛋白は他
の既知SMC移動因子から分化したものであり、オートクリン機構により移動を
誘導することが報告されている。ラットSDMFの配列決定および/またはクロ
ーニングは報告されなかった。
SMC移動は多くの血管の病理に関与している。SMCオートクリン移動因子
として、SDMFは血管の病理において、例えばアテローム性動脈硬化傷害の初
期の厚膜形成において重要な役割を果たしていると考えられる。SMC移動の調
節におけるSDMFの関与については、SDMFおよびそのcDNAの全体的な
同定を要する。またSDMF活性を転調させる化合物、かかるモジュレーターを
同定する方法、ならびにかかる方法において有用な試薬に対する必要性が存在す
る。
発明の概要
したがって、本発明の1の態様は、
(a)配列番号:1に示すヌクレオチド94から1440までのヌクレオチド
配列を有するヒトSDMFをコードしているポリヌクレオチド、
(b)中程度の厳密さのハイブリダイゼーション条件下で(a)に記載のポリ
ヌクレオチドの相補物にハイブリダイゼーションでき、機能的なヒトSDMFを
コードしているポリヌクレオチド、および
(c)(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの縮重ポリヌクレオチド
からなる群から選択される単離ポリヌクレオチドである。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリヌクレオチドによりコードされる機能
的ポリペプチドである。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリヌクレオチドを含むベクターを含んで
いる組み換え宿主細胞を蛋白の発現を促進する条件下で培養し、次いで、蛋白の
回収を行うことを特徴とする、本質的に純粋なヒトSDMF蛋白の製造方法であ
る。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリヌクレオチドに結合しうる配列を含む
アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリペプチドのモジュレーターである。
本発明のもう1つの態様は、SDMF活性を転調させる物質の存在について培
地をアッセイする方法であって、下記工程:
(a)SDMFのアミノ酸配列(配列番号:2)を有するSDMF蛋白または
その機能的誘導体ならびにSMCをチャンバー内に入れること、
(b)SDMF活性を転調させる可能性のある試験物質をSDMFまたはSM
Cのいずれかに添加すること、
(c)SMCの移動を可能にする条件下でチャンバーをインキュベーションす
ること、
(d)移動したSMCおよび移動しなかったSMCの数を数えること、次いで
(e)対照との比較を行って試験物質の効果を決定すること
を含む方法である。
本発明のもう1つの態様は、SDMF活性を転調させる物質の存在について培
地をアッセイする方法であって、下記工程:
(a)SDMFのアミノ酸配列(配列番号:2)を有するSDMF蛋白または
その機能的誘導体および細胞性結合パートナーを用意すること、
(b)SDMF蛋白/細胞性結合パートナー複合体の形成を可能にする条件下
で、SDMF活性を転調させる可能性のある試験物質とともにインキュベーショ
ンすること、
(c)複合体、遊離SDMF蛋白または遊離細胞性結合パートナーの存在につ
いてアッセイすること、次いで
(d)対照との比較を行って試験物質の効果を決定すること
を含む方法である。
本発明のもう1つの態様は、本発明方法により同定されるSDMF蛋白転調化
合物である。
本発明のもう1つの態様は、治療上有効量の本発明転調化合物を患者に投与す
ることを特徴とする、SDMF活性の転調を必要とする患者の治療方法である。
本発明のもう1つの態様は、治療上有効量の本発明ポリペプチドを患者に投与
することを特徴とする、SDMFを必要とする患者の治療方法である。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリペプチドおよび医薬上許容される担体
を含んでなる医薬組成物である。
本発明のもう1つの態様は、SDMF蛋白欠乏に関連した症状の診断方法であ
って、
(a)個体からポリヌクレオチド試料を単離すること、
(b)ポリヌクレオチド試料および配列番号:1に示すヌクレオチド94から
1440までに示すヌクレオチド配列を有するSDMFをコードしているポリヌ
クレオチドをアッセイすること、次いで
(c)ポリヌクレオチド試料とSDMFポリヌクレオチドとの間の相違を比較
すること
を特徴とし、相違がSDMF遺伝子における変異を示すものである方法である。
本発明のもう1つの態様は、不十分なSDMF蛋白機能に関連した症状の治療
方法であって、SDMF蛋白機能を欠乏している患者に請求項1のポリヌクレオ
チドを投与することを特徴とし、SDMF蛋白が発現され症状が改善される方法
である。
本発明のさらにもう1つの態様は、いずれかの細胞中に本発明ポリヌクレオチ
ドを発現するトランスジェニック非ヒト動物である。
図面の簡単な説明
図1はヒトSDMF蛋白のアミノ酸配列をネズミp14蛋白と並置したもので
ある。
図2はヒトSDMF蛋白のアミノ酸配列をヒトPCOLCE蛋白と並置したも
のである。
図3は精製ヒトSDMFの生物学的活性を示す実験結果である。
発明の詳細な説明
本明細書の用語「SDMF遺伝子」は、平滑筋細胞由来の移動因子をコードし
ているヌクレオチド配列を含むDNA分子をいう。ヒトSDMF遺伝子配列を配
列番号:1に示す。SDMF遺伝子のコーディング領域は配列番号:1のヌクレ
オチド94〜1440からなる。推定されるSDMF遺伝子産物の449個のア
ミノ酸配列を配列番号:2に示す。
本明細書の用語「機能的フラグメント」は、特定の遺伝子または遺伝子産物に
ついていう場合、全長の遺伝子または関連する遺伝子産物に関する生物学的機能
の実質的にすべてを保持している、全長に満たない遺伝子または遺伝子産物を意
味する。特定遺伝子または遺伝子産物のフラグメントが機能的フラグメントであ
るかどうかを決定するために、よく知られたヌクレオチド分解または蛋白分解法
によりフラグメントを得て、フラグメントを生物学的機能について試験する。
本明細書の用語「抗原」は、宿主の免疫系を剌激して体液性および/または細
胞性抗原特異的応答を引き起こす1種またはそれ以上のエピトープを含む分子を
いう。また本明細書において該用語を「免疫原」と混用する。
本明細書の用語「エピトープ」は、特異的抗体分子が結合する抗原またはハプ
テン上の部位をいう。また本明細書において該用語を「抗原決定基」または「抗
原決定部位」と混用する。
本明細書の用語「モノクローナル抗体」は、1の種(例えば、ネズミ、ウサギ
、ヤギ、ラット、ヒト等)由来の抗体ならびに2種またはおそらくそれ以上の種
由来の抗体(例えば、キメラ抗体およびヒト化抗体)を包含するものと理解され
る。
RNAポリメラーゼが2つのコーディング配列を1つのmRNA中に転写し、
次いで、両方の配列に由来するアミノ酸を有する単一のポリペプチドに翻訳され
る場合、本明細書では、コーディング配列は別のコーディング配列に「作動可能
に結合」しているという。発現配列が最終的にプロセッシングされて所望蛋白を
生じるかぎり、コーディング配列は互いに隣接している必要はない。
本明細書の用語「組み換えポリペプチド」は、組み換えDNA法により製造さ
れるポリペプチド、すなわち所望ポリペプチドをコードしている外来性DNA構
築物により形質転換された細胞から生産されるポリペプチドをいう。「合成」ポ
リペプチドは化学合成により製造されるポリペプチドである。
本明細書の用語「レプリコン」は、インビボにおいてDNA複製の自律的ユニ
ツトとして機能する、すなわちそれ自身の制御下で複製しうる遺伝学的エレメン
ト(例えばプラスミド、染色体、ウイルス)である。
本明細書の用語「ベクター」は、別のDNAセグメントを結合することができ
、結合セグメントの複製を引き起こすプラスミド、ファージ、またはコスミドの
ご
ときレプリコンである。
本明細書の用語「リファレンス」遺伝子は、本発明ヒトSDMF遺伝子配列を
いい、存在する種々の配列多型性を包含するものと理解され、遺伝子中にヌクレ
オチド置換が存在しても、遺伝子産物の本質的機能に影響しないものをいう。
本明細書の用語「変異」遺伝子は、リファレンス遺伝子とは異なるヒトSDM
F配列をいい、ヌクレオチド置換および/または欠失および/または挿入により
本質的機能が損なわれていないものをいう。
本明細書において、特定蛋白のDNA「コーディング配列」または特定蛋白を
「コードしているヌクレオチド配列」とは、適当な調節配列の制御下に置いた場
合、転写されポリペプチドに翻訳されるDNA配列である。
本明細書の用語「プロモーター配列」は、細胞中でRNAポリメラーゼに結合
し、下流(3’方向)コーディング配列の転写を開始しうるDNA調節領域であ
る。本発明を定義する目的で、プロモーター配列は、コーディング配列の翻訳開
始コドン(例えば、ATG)により3’末端に結合しており、上流(5’方向)
に伸長していて、バックグラウンド以上の検出可能なレベルでの転写開始に必要
な最小数の塩基またはエレメントを包むものである。転写開始部位(便利には、
ヌクレアーゼS1を用いるマッピングにより決定される)ならびにRNAポリメ
ラーゼの結合に応答可能な蛋白結合ドメイン(コンセンサス配列)がプロモータ
ー配列中に見いだされるであろう。真核プロモーターは、しばしば(常にではな
い)「TATA」ボックスおよび「CAT」ボックスを含む。原核プロモーター
はコンサス配列の−10ないし−35の位置にシャイン−ダルガノ配列を含む。
本明細書の用語、DNA「制御配列」は、宿主細胞において、まとまってコー
ディング配列の発現(すなわち転写および翻訳)を生じさせるプロモーター配列
、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列、上流の調節ド
メイン、エンハンサー等を総称する。
本明細書において、RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、コーデ
ィング配列をmRNAに転写し、次いで、mRNAがコーディング配列によりコ
ードされるポリペプチドに翻訳される場合、制御配列は細胞中でコーディング配
列
の「発現を指令する」という。
本明細書の用語「宿主細胞」は、形質転換またはトランスフェクションされた
細胞、あるいは外来性DNA配列により形質転換またはトランスフェクションさ
れうる細胞をいう。
本明細書において、外来性DNAが細胞膜の内部に導入された場合、細胞が外
来性DNAにより「形質転換された」という。外来性DNAは、細胞のゲノムを
形成している染色体DNAに組み込まれ(共有結合して)てもよく、あるいは組
み込まれなくてもよい。原核細胞および酵母において、例えば、外来性DNAは
プラスミドのごときエピソームエレメント上で維持されてもよい。真核細胞につ
いては、安定に形質転換またはトランスフェクションされた細胞は、外来性DN
Aが染色体中に組み込まれて、染色体複製により娘細胞に遺伝されるようになっ
ている細胞である。この安定性は、外来DNAを含む娘細胞の集団からなる細胞
系またはクローンを確立する真核細胞の能力により示される。
本明細書の用語「トランスフェクション」または「トランスフェクションされ
た」は、細胞が外来性DNAを取り込み、外来性DNAをその染色体中に組み込
むプロセスをいう。例えば、細胞にDNAを取り込ませる種々の方法(例えば、
リン酸カルシウム沈降、エレクトロポレーション、リポソームの同化等)によっ
て、あるいはウイルスを用いてDNAを細胞中に移行させる感染によって、トラ
ンスフェクションを行うことができる。
本明細書の用語「標的細胞」は、他のタイプの細胞(または細胞系)よりも選
択的にトランスフェクションされる細胞である。
本明細書の用語「クローン」は、有糸分裂により単一細胞または共通の祖先か
ら生じる細胞集団である。「細胞系」は、インビトロにおいて何世代にもわたっ
て安定に増殖しうる初代細胞のクローンである。
本明細書において、DNA構築物の「異種」領域とは、天然においては他の分
子と結合して見いだされない別のDNA分子中の、あるいはこれに結合した、同
定可能なDNAセグメントである。よって、異種領域が遺伝子をコードしている
場合、通常には、その遺伝子は起源となった動物のゲノムにおいては隣接してい
ないDNAに隣接することとなる。異種コーディング配列のもう1つの例は、コ
ーディング配列自体が天然において見いだされないものである構築物である(例
えば、元の遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。対立遺伝子変種または
天然に生じる変異は、本明細書にいうDNAの異種領域を生じさせるものではな
い。
本明細書において、ポリペプチドの「モジュレーター」とは、ポリペプチド機
能に影響しうる物質である。
本発明の1の態様は、ヒトSDMF蛋白および実質的に類似の配列をコードし
ている単離ポリヌクレオチドである。単離ポリヌクレオチド配列は、中程度の厳
密さの条件下で配列番号:1にハイブリダイゼーションしうる場合、あるいは配
列番号:1に縮重するDNA配列をコードしている場合、または中程度の厳密さ
の条件下で配列番号:1にハイブリダイゼーションしうるそれらの配列に縮重す
るDNA配列をコードしている場合には、実質的に類似したものである。
「中程度の厳密さの条件」は当業者により理解されている用語であり、例えば
、Sambrook et al Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd edition,Vol.
1,pp.101-104,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載されている
。中程度の厳密さの条件を用いる典型的なハイブリダイゼーションのプロトコー
ル以下のごとし。6X SSPE、5Xデンハーツ溶液(1リットルの溶液につ
き10gフィコール、10gBSAおよび10gポリビニルピロリドン)、0.
05%SDSおよび100μg/ml tRNAを含有する溶液中、65℃にお
いて、ニトロセルロースフィルターをプレハイブリダイゼーションさせる。ハイ
ブリダイゼーションプローブを標識、好ましくは放射性標識する(例えば、BI0ST
AG-ITRキットを用いる)。次いで、65℃で約18時間ハイブリダイゼーション
を行う。次いで、2X SSCおよび0.5%SDSの溶液中で室温で15分フィ
ルターを2回洗浄する。次いで、フィルターを58℃で洗浄し、風乾し、次いで
、−70℃において増強スクリーンを用いてX線フィルムに一晩曝露する。
縮重したDNA配列は配列番号:2と同じアミノ酸配列あるいは中程度の厳密
さの条件下で配列番号:1にハイブリダイゼーションしうる配列によりコードさ
れる蛋白をコードしているが、遺伝学的コードの縮重によりヌクレオチドコーデ
ィ
ング配列中に変化を有するものである。例えば、縮重コドンUUUおよびUUC
は両方ともアミノ酸フェニルアラニンをコードするが、4種のコドンGGXはす
べてグリシンをコードする。
あるいは、実質的に類似の配列は、約66%、好ましくは約75%、最も好ま
しくは約90%のヌクレオチドまたはアミノ酸が、分子の決められた長さにおい
てマッチするものである。本明細書に用いる、実質的に類似とは、本発明配列に
対して同様の同一性を有する配列をいう。よって、ハイブリダイゼーションまた
は配列の比較によって、実質的に同じであるヌクレオチド配列を同定することが
できる。蛋白分解、ゲル電気泳動および/または精密配列決定のごとき方法によ
つて、実質的に同じである蛋白配列を同定することができる。Lecain et al.J.N
eurochem.56,2133-2138(1991)により報告されたネズミp14配列ならびにTaka
hara et al.J.Biol.Chem.269,26280-26285(1994)により報告されたヒトプロコラ
ーゲンC−プロテイナーゼエンハンサー前駆体配列(PCOLCE)は実質的に
類似した配列という定義から除外される。
本発明単離ポリヌクレオチドの具体例は、好ましくはヒト起源のDNA、ゲノ
ムDNAおよびRNAを包含する。SDMF蛋白をコードしている核酸分子の単
離方法は、当該分野において認識されている手順を用いて、ゲノムまたはcDN
Aライブラリーを天然または人工プローブで検索することである。例えば、”Cu
rrent Protocoles in Molecular Biology”,Ausbel et al.(eds.)GreenePublis
hing Association and John Wiley Interscience,New York,1989,1992参照。
当業者は、配列番号:1または少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む
そのフラグメントが特に有用なプローブであることを理解するであろう。また、
好ましくは、かかるプローブを分析的に検出可能な試薬で標識してプローブの同
定を容易にすることができる。有用な試薬は、放射性同位元素、蛍光色素または
検出可能な生成物の生成を触媒する酵素を包含するが、これらに限らない。プロ
ーブは、過度の実験を行うことなく当業者がヒト、哺乳動物または他の動物起源
のSDMF蛋白をコードしているゲノムDNA、cDNAまたはRNAポリヌク
レオチドを単離すること、あるいは関連配列を求めてかかる起源をスクリー
ニングすることを可能にするであろう。該関連配列としては、例えばさらなるフ
ァミリー、タイプおよび/またはサブタイプのメンバーが挙げられ、本明細書開
示のコーディング配列に対する5’および/または3’領域由来の転写調節およ
び制御エレメントならびに他の安定性、プロセッシング、翻訳および組織特異性
決定領域等が含まれる。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリヌクレオチドによりコードされる機能
的ポリペプチドである。本発明の機能的ポリペプチドの1の具体例は、配列番号
:2に示すアミノ酸配列を有するヒトSDMF蛋白である。
本発明のもう1つの態様は、本質的に純粋なヒトSDMF蛋白の製造方法であ
る。さらにもう1つの態様は、本発明方法により製造されるヒトSDMF蛋白で
ある。この蛋白は配列番号:2に示すアミノ酸配列を有し、実質的に類似のアミ
ノ酸配列を有し、同じ機能を有する変種を包含する。好ましくは、本発明蛋白は
、本発明ポリヌクレオチドをコードしているベクターを含む組み換え宿主細胞を
、蛋白の発現を促進する条件下で培養し、次いでそれを回収することによって、
組み換え遺伝子工学的手法により製造される。
必要な発現制御領域、例えば遺伝子発現に必要な調節配列にDNAを作動する
ように連結することにより、単離ポリヌクレオチド、詳細にはDNAを発現ベク
ター中に導入することができる。当該分野でよく知られた方法により、原核細胞
(例えば、細菌細胞)、あるいは真核細胞(例えば、酵母または哺乳動物細胞)
のごとき適当な宿主細胞中にベクターを導入することができる。上記Ausbelらの
文献参照。調製または単離された、所望蛋白のコーディング配列を適当なベクタ
ーまたはレプリコン中にクローン化することができる。多くのクローニングベク
ターが当業者に知られており、適当なクローニングベクターを選択することがで
きる。クローニング用の組み換えDNAベクターおよび形質転換可能な宿主細胞
の例は、バクテリオファージλ(E.coli)、pBR322(E.coli)、pACYC1
77(E.coli)、pKT230(グラム陰性細菌)、pGV1106(グラム陰性
細菌)、pLAFR1(グラム陰性細菌)、pME290(非E.coliグラム陰性
細菌)、pHV14(E.coliおよびBacillus subtilis)、pBD9(Bacillus
)、
pIJ61(Streptomyces)、pUC6(Streptomyces)、YIp5(Saccharomyces
)、バキュロウイルス昆虫細胞系、Drosophila昆虫系、YCp19(Saccharomyc
es)およびpSV2neo(哺乳動物細胞)を包含するが、これらに限らない。
一般的には、”DNA Cloning”:Vols.I & II,Glover et al.ed.IRL Press Oxfo
rd(1985)(1987);および T,Maniatis et al.(”Molecular Cloning”Cold Spri
ngHarbor Laboratory(1982))参照。
プロモーター、リボソーム結合部位(細菌での発現のため)および所望により
オペレーターのごとき制御エレメントの制御下に遺伝子を置いて、発現構築物を
含むベクターにより形質転換された宿主細胞中において所望蛋白をコードしてい
るDNA配列をRNAに転写させることができる。コーディング配列はシグナル
ペプチドまたはリーダー配列を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例え
ば、E.coli tacプロモーターまたはプロテインA遺伝子(spa)プロモーターお
よびシグナル配列を用いて本発明蛋白を発現することができる。細菌宿主中にお
ける翻訳後プロセッシングによりリーダー配列が除去されうる。例えば、米国特
許第4431739号、第4425437号および第4338397号参照。
制御配列のほかに、宿主細胞の増殖に相関して蛋白配列の発現を調節すること
を可能にする調節配列を加えることが望ましいかもしれない。調節配列は当業者
に知られている。典型例は、調節化合物の存在をはじめとする化学的または物理
的剌激に応答して遺伝子発現をオンまたはオフにする調節配列である。他のタイ
プの調節エレメント、例えばエンハンサー配列がベクター中に存在してもよい。
適当な調節配列を伴ったベクター中に特定のコーディング配列が存在し、制御
配列に対するコーディング配列の位置および方向も適当であり、その結果制御配
列の「制御」下で転写されるように、すなわち制御配列においてDNA分子に結
合するRNAポリメラーゼがコーディング配列を転写するように発現ベクターを
構築する。この目的を達成するためには、目的とする特定の抗原をコードしてい
る配列の修飾が望ましいかもしれない。例えば、いくつかの場合、配列が適当な
方向で制御配列に結合できるように、すなわち読み枠を維持するように配列を修
飾することが必要であるかもしれない。上記クローニングベクター中に導入する
前に制御配列および他の調節配列をコーディング配列に連結してもよい。別法と
して、すでに制御配列および適当な制限部位を有している発現ベクター中にコー
ディング配列をクローン化することもできる。
いくつかの場合、ヒトSDMF蛋白の変異体またはアナログを製造することが
望ましいかもしれない。蛋白をコードしている配列の一部分を欠失することによ
り、配列を挿入することにより、および/または配列中の1またはそれ以上のヌ
クレオチドを置換することにより、変異体またはアナログを製造してもよい。部
位特異的突然変異法のごときヌクレオチド配列の修飾方法は当業者によく知られ
ている。例えば、上記T.Maniatisらの”DNA Cloning”:Vols.I & II;および上
記”Nucleic Acid Hybridization”参照。
選択された発現系および宿主に応じて、目的蛋白が発現される条件下で上記発
現ベクターにより形質転換された宿主細胞を増殖させることにより本発明蛋白を
製造する。好ましい哺乳動物細胞は、ヒト胚の腎細胞(293)、サル腎細胞、
繊維芽(COS)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、Drosophi
laまたはネズミのL−細胞を包含する。発現系が蛋白を増殖培地中に分泌する場
合、蛋白を培地から直接精製することができる。蛋白が分泌されない場合、細胞
溶解物から蛋白を単離するかまたは細胞膜フラクションから蛋白を回収する。適
当な増殖条件および回収方法の選択は当業者の範囲内である。
本発明のもう1つの態様は、種々の温度または代謝条件に異なった応答をする
調節エレメントに本発明ポリヌクレオチドを作動するように連結し、そのことに
よりそれらの条件に応答して表現型の発現を効果的にオンまたはオフにすること
である。
本発明蛋白を同定するための別法は、遺伝子ライブラリーを構築し、得られた
クローンを用いてE.coliを形質転換し、個々のコロニーをプールし、ヒトSDM
Fに対するポリクローナル血清またはモノクローナル抗体を用いて個々のコロニ
ーをスクリーニングすることによる。
既知アミノ酸配列または目的遺伝子のDNA配列由来のアミノ酸配列を用いて
、自動ペプチド合成装置による固相ペプチド合成のごとき化学合成により本発明
蛋
白を製造してもよい。かかる方法は当業者に知られている。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリペプチドのモジュレーターである。物
質によるSDMFの機能の転調は、機能の部分的ないし完全な阻害、同一の機能
、ならびに機能促進を包含する。本発明モジュレーターの具体例は、抗体、ペプ
チド、オリゴヌクレオチドならびにペプチド模倣物を含む小型有機分子を包含す
る。
少なくとも1つのエピトープを含む本発明蛋白またはそれらのフラグメントを
用いて、本明細書開示のアミノ酸配列に対応するエピトープに指向されたポリク
ローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方の抗体を製造することができる。
ポリクローナル抗体が所望の場合、マウス、ウサギ、ヤギまたはウマのごとき選
択された哺乳動物を本発明蛋白またはそのフラグメント、あるいは変異蛋白で免
疫する。既知方法に従って、免疫された動物からの血清を集め、処理する。免疫
アフィニティークロマトグラフィーまたは他の既知方法により血清のポリクロー
ナル抗体を精製することができる。
当業者は、本発明蛋白およびそのフラグメントに対するモノクローナル抗体を
用意に製造することもできる。ハイブリドーマ法を用いるモノクローナル抗体の
製造のための一般的方法論はよく知られている。細胞融合および腫瘍原性DNA
でのBリンパ球の直接トランスフェクションまたはエプステインーバーウイルス
でのトランスフェクションのごとき他の方法によっても不死化抗体産生細胞系を
作り出すことができる。例えば、M.Schreier et al.,”Hybridoma Techniques”
(1980);Hammerling et al.,”Monoclonal Antibodies and T-cell Hybridomas”
(1981);Kennettetal.,”MonoklonalAntibodies”(1980);および米国特許第43
41761号、第4399121号、第4427783号、第4444887号
、第4452570号、第4466917号、第4472500号、第4491
632号、および第4493890号参照。
目的抗原またはそのフラグメントに対して生成したモノクローナル抗体の集団
を、種々の特性、すなわち例えば、イソタイプ、エピトープのアフィニティー等
についてスクリーニングすることができる。モノクローナル抗体は、指向されて
いる個々の抗原の、免疫アフィニティー法を用いる精製において有用である。別
法として、目的モノクローナル抗体をコードしている遺伝子を、当該分野におい
て知られたPCR法によりハイブリドーマから単離し、適当なベクター中にクロ
ーン化し、発現させてもよい。本発明抗体は、ポリクローナル抗体であれ、モノ
クローナル抗体であれ、それらが免疫アッセイ、RIA、ELISA等における
試薬として使用できるという点で、さらに有用である。放射性同位元素、蛍光分
子または酵素のごとき分析的に検出可能な試薬で本発明抗体を標識することがで
きる。
モノクローナル抗体のさらなる用途は、SDMFの過剰産生または不適切な産
生から生じる種々の病気の治療である。かかる病気は再狭窄およびアテローム性
動脈硬化を包含する。治療上有効量のSDMF−転調モノクローナル抗体をSD
MF活性の転調が必要な患者に投与する。
非ヒト可変領域がヒト不変領域に結合または融合しているキメラ抗体(例えば
、Liu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,3439(1987)参照)をアッセイに使用し
てもよく、また治療的に使用してもよい。好ましくは、治療的なモノクローナル
抗体は、Jones et al.,Nature,321,522(1986); Verhoeyen et al.,Science,23
9,1534(1988);Kabat et al.,J.Immunol.,147,1709(1991);Queen et al.,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,86,10029(1989);Gorman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,3
4181(1991);およびHodgson et al.,Bio/Teclmology,9,421(1991)に記載されたよ
うな「ヒト化」されたものであろう。
本発明のもう1つの態様は、本発明ポリヌクレオチドに結合しうる配列を含む
アンチセンスオリゴヌクレオチドである。SDMF蛋白をコードしている標的核
酸に特異的に結合し、その転写を妨害するように、合成オリゴヌクレオチドまた
は関連アンチセンス化学構造アナログを設計することができる。一般的には、Co
hen,J.S.,Trends in Pharm.Sci.,10,435(1989)およびWeintraub,H.M.,Scientifi
c American,1月号(1990年)の40頁参照。
本発明のもう1つの態様は、SDMF蛋白の結合パートナーへの結合を妨害す
ることによりSDMF蛋白の機能を阻害あるいはさもなくば転調させる物質の存
在に関して培地をアッセイする方法である。例は、細胞表面受容体、可溶性受容
体、結合蛋白、抗体およびそれらのフラグメントならびにSDMF蛋白のフラグ
メントを包含するが、これらに限らない。他の典型的なSDMF蛋白機能のモジ
ュレーターは、上記ペプチドあるいは蛋白のいすれかのペプチド模倣物または他
の小型有機分子を包含する。
ヒトSDMFのアミノ酸配列(配列番号:2)を有するSDMF蛋白またはそ
の機能的誘導体およびSMCは、下記実施例3に記載の化学走性チャンバーに入
れられ、あるいは上記Koyama et al.J.Biol.Chem.に記載のごとき当業者に知ら
れている他の移動アッセイに供せられる。SDMF活性を転調させる可能性のあ
る試験物質をSDMFまたはSMCのいずれかに添加し、SMCの移動を可能に
する条件下でチャンバーをインキュベーションし、次いで、移動したSMCおよ
び移動しなかったSMCの数を数える。結果を対照と比較して、試験物質の効果
を決定する。
結合パートナーと一緒になった、ヒトSDMF(配列番号:2)のアミノ酸配
列を有するSDMF蛋白またはその機能的誘導体が提供される。SDMF遺伝子
産物/結合パートナー複合体の生成を可能にする条件下で、SDMF活性を転調
させる可能性のある試験物質とともに混合物をインキュベーションする。複合体
、遊離SDMF蛋白または遊離結合パートナーの存在に関してアッセイを行い、
結果を対照と比較して試験物質の効果を決定する。
SDMF機能の転調はSMC移動に影響を及ぼすと考えられる。そのように同
定されるモジュレーターは、アテローム性動脈硬化、再狭窄またはSMC移動が
関与している他の血管の病気の治療および予防のための処置薬として有用である
と考えられる。
さらに、すべてではないが大部分のSMC移動因子は特異的受容体蛋白と相互
作用する。SDMFを用いて、それと相互作用する蛋白を単離することができ、
この相互作用を妨害の標的とすることができる。SDMFと他の因子との間の蛋
白−蛋白相互作用の阻害剤は、SDMF活性を転調させる医薬の開発を可能にす
る。
SDMF遺伝子産物/結合パートナー複合体の蛋白−蛋白相互作用のごとき蛋
白−蛋白相互作用についてのアッセイ方法、ならびにSDMFと相互作用する蛋
白の単離方法は、当業者に知られている。以下に述べる方法の使用は、当業者が
過度の実験を行うことなくこれらの目的を達成することを可能にする。
酵母の2−ハイブリッド系は、転写アクチベーター活性の再構築を用いてイン
ビボにおいて第1の蛋白と第2の蛋白との間の相互作用を調べる方法を提供する
。該方法は、例えば米国特許第5283173号に開示されており、試薬はClon
techおよびStratageneから入手できる。簡単に説明すると、SDMF cDNA
をGal14転写因子DNA結合ドメインに融合し、酵母細胞において発現させ
る。目的細胞から得たcDNAライブラリーのメンバーをGal14のトランス
活性化ドメインに融合させる。SDNFと相互作用しうる蛋白を発現するcDN
Aクローンは、Gal14活性の再構築およびGal1−lacZのごときリポ
ーター遺伝子の発現のトランス活性化を誘導するであろう。
別法は、組み換えSDMFを用いるλgt11、λZAP(Stratagene)また
は同等cDNA発現ライブラリーのスクリーニングである。組み換えSDMF蛋
白またはそのフラグメントをFLAG、HSVまたはGSTのごとき小型ペプチ
ドタグに融合させる。ペプチドタグは、心筋クレアチンキナーゼのごときキナー
ゼに対する便利なリン酸化部位を有していてもよく、あるいはビオチン化されて
いてもよい。組み換えSDMFを[32P]でリン酸化してもよく、あるいは未標
識で使用してストレプトアビジンまたはタグに対する抗体を用いて検出してもよ
い。λgt11cDNA発現ライブラリーを目的細胞から作成し、組み換えSD
MFとともにインキュベーションし、洗浄し、次いで、SDMFと相互作用する
cDNAクローンを単離する。例えば、上記T.Maniatisらの文献参照。
もう1つの方法は、ベクターの哺乳動物プロモーターとポリアデニル化部位と
の間にcDNAがが組み込まれている哺乳動物発現ライブラリーをスクリーニン
グし、COSまたは293細胞を一時的にトランスフェクションし、次いで、固
定され洗浄された細胞を標識SDMF(好ましくはヨウ素化されている)ととも
にインキュベーションすることにより48時間後に結合蛋白を検出し、結合SD
MFの検出はオートラジオグラフィーによるものである(例えば、Sims et al.,
Science241,585-589(1988)およびMcMahan et al.,EMB0 J.10,2821-2832(1991)参
照)。このようにして、目的結合蛋白をコードしているcDNAを含むcDNA
のプールを選択し、さらに各プールを分割し、次いで、一時的トランスフェクシ
ョン、結合、オートラジオグラフィーのサイクルを行うことにより目的cDNA
を単離することができる。別法として、cDNAライブラリー全体を哺乳動物細
胞中にトランスフェクションし、次いで、プレートに結合したSDMFを含むデ
ィッシュ上で細胞をパンニングすることにより目的cDNAを単離することがで
きる。洗浄後に結合している細胞を融解し、プラスミドDNAを単離し、細菌中
で増幅し、次いで、単一cDNAクローンが得られるまでトランスフェクション
およびパンニングのサイクルを繰り返す(例えば、Seed et al,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 84,3365(1987)参照)。結合蛋白をスクリーニングする場合、一時的に
トランスフェクションされた細胞から得た上清をアッセイするための結合または
中和アッセイが確立されたならば、同様のプーリング法によりそのcDNAを得
ることができる。上清をスクリーニングするための一般的方法はWonget al.,Sc
ience228,810-815(1985)に開示されている。
もう1つの方法は、SDMFと直接相互作用する蛋白の細胞からの単離である
。GSTまたは小型ペプチドタグとSDMFとの融合蛋白を作成し、ビーズ上に
固定化する。生合成的に標識された、あるいは末標識の蛋白抽出物を目的細胞か
ら調製する。SDMFと相互作用する蛋白を特異的にビーズから溶離し、SDS
−PAGEにより分析する。精密配列決定により結合パートナーの1次アミノ酸
配列データを得る。
もう1つの別法は免疫アフィニティー精製である。組み換えSDMFを標識ま
たは未標識細胞抽出物とインキュベーションし、抗−SDMF抗体と免疫沈降さ
せる。免疫沈降物をプロテインA−セファロースを用いて回収し、SDS−PA
GEにより分析する。末標識蛋白をビオチン化により標識し、ストレプトアビジ
ンを用いてSDSゲル上で検出する。精密配列決定により結合パートナー蛋白を
分析する。さらに、精密配列決定の前に当業者に知られた標準的な生化学的精製
工程を用いてもよい。
さらにもう1つの別法は、結合パートナーを求めてペプチドライブラリーをス
クリーニングすることである。組み換えタグ付きまたは標識SDMFを用いて、
ペプチドライブラリーからSDMFと相互作用するペプチドを選択する。ペプチ
ドの配列決定は、相互作用する蛋白中に見いだされるかもしれないコンセンサス
ペプチド配列の同定を導く。
これらの方法または当業者に知られた他の方法のいずれかにより同定されたS
DMF結合パートナーならびに上記の推定結合パートナーを本発明アッセイ方法
に用いることができる。SDMF/結合パートナー複合体の存在についてのアッ
セイを、例えば、酵母の2−ハイブリッド系、複合体に特異的な抗体を用いるE
LISAまたは免疫アッセイにより行う。SDMF/結合パートナーの相互作用
の形成を妨害または阻害する試験物質の存在下で、試験物質を欠く対照と比較す
ると複合体量が減少していることがわかるであろう。
例えば、特異的抗体を用いるELISAまたは免疫アッセイにより、あるいは
放射性標識したSDMFを細胞または細胞膜とともにインキュベーションし、次
いで、遠心分離またはフィルターで分離する工程により、遊離SDMFまたは結
合パートナーについてのアッセイを行う。SDMF/結合パートナー相互作用の
形成を妨害または阻害する試験物質の存在下で、試験物質を欠く対照と比較する
と遊離SDMFまたは遊離結合パートナーの量が増加していることがわかるであ
ろう。
本発明のもう1つの態様は、有効量の本発明SDMF蛋白および医薬上許容さ
れる担体を含んでなる医薬組成物である。本発明蛋白性薬剤の医薬組成物は、特
に非経口投与、すなわち、皮下、筋肉内または静脈投与に有用である。リポソー
ムのごとき膜結合小胞によりSDMF蛋白を取り囲んでもよい。
一般的には、非経口的投与用組成物は、適当な担体、好ましくは水性担体に溶
解された本発明蛋白の溶液またはそのカクテルを含んでなる。種々の水性担体、
例えば水、緩衝化された水、0.4%セイライン、0.3%グリシン等を用いてよ
い。これらの溶液を滅菌し、一般的には粒子状物質を不含とする。慣用的なよく
知られた滅菌法によりこれらの溶液を滅菌してもよい。組成物は、pH調節剤お
よび緩衝化剤等のごとき生理学的条件を適切化するのに必要な医薬上許容される
補助物質を含有していてもよい。かかる医薬処方中の本発明蛋白の濃度を広範囲
に変化させることができ、すなわち、約0.5%末満から約1%ないし15もし
くは20%程度、通常には約1%または少なくとも約1%であり、主として液体
の体積、粘度等に基づいて、さらに選択された投与モードに応じて選択されるで
あろう。
よって、1mlの滅菌緩衝化水および50mgの本発明蛋白を含有するように
、筋肉内注射用の本発明医薬組成物を製造することができる。同様に、250m
lの滅菌リンゲル溶液および150mgの本発明蛋白を含有するように、静脈輸
液用の本発明医薬組成物を製造することができる。非経口投与可能な組成物の実
際的な製造方法は当業者によく知られているか、あるいは明らかであろうし、例
えば、Remington's Pharmaceutical Science,15th ed.,Mack Publishing Compan
y,Easton,Pennsylvaniaにおいて詳細に記載されている。
本明細書記載の蛋白を保存のために凍結乾燥し、使用前に適当な担体で復元す
ることができる。この方法は慣用的な蛋白について有効であることが示されてお
り、当該分野で知られている凍結乾燥および復元方法を用いることができる。
医師は、最適な本発明治療薬の用量を決定し、用量は投与形態および選択した
個々の化合物に応じて変更されるであろうし、さらにそのうえ、用量は治療中の
個々の患者に応じて変更されるであろう。一般的には、医師は、化合物の最適用
量よりも実質的に少ない用量で治療を開始し、その状況下で最適効果が達成され
るまで用量を少しずつ増加させることを望むであろう。一般的には、組成物を経
口投与する場合、非経口的に少量を与えた場合と同じ効果を得るには活性薬剤量
を多く必要とすることがわかっている。一般的には、治療的用量は1日1ないし
10ミリグラムおよびそれより多く、別々の1回分として数回に分けて投与して
もよい。
患者の状態に応じて、本発明医薬組成物を予防的および/または治療的処置の
ために投与することができる。治療的適用においては、すでに罹病している患者
に、少なくとも部分的に疾病およびその合併症の進行を停止させるに十分な量の
組成物を投与する。予防的適用においては、まだ疾病状態にない患者に本発明化
合物またはそのカクテルを含有する組成物を投与して、疾病に対する患者の抵抗
力を増大させる。
担当医師により選択された用量レベルおよびパターンで、医薬組成物の1回ま
たは複数回の投与を行うことができる。いずれの場合にも、本発明医薬組成物は
有効に患者を処置するに十分な量の本発明化合物を提供すべきである。
さらに、いくつかの疾病は遺伝的に欠損した遺伝子から生じる。欠損遺伝子の
配列を正常なものと比較することによりこれらの遺伝子を検出することができる
。SDMF遺伝子中に変異を有する個体を種々の方法によりDNAレベルで検出
してもよい。診断に用いる核酸(ゲノムDNA、mRNA等)を、血液、尿、唾
液または組織生検、例えば絨毛膜サンプリングまたは羊水細胞採取および剖検材
料のごとき患者の細胞から得てもよい。ゲノムDNAを検出に直接使用してもよ
く、あるいは分析前にPCR、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SD
A)等により酵素的に増幅してもよい。例えば、Saiki et al.,Nature,324,163-
166(1986)、Bej,et al.,Crit.Rev.Biochem.Molec.Biol.,26,301-334(1991)、Van
Brunt,J.,Bio/Technology,8,291-294(1990)参照。RNAまたはcDNAを同じ
目的に使用してもよい。一例として、本発明核酸に対して相捕的なPCRプライ
マーを用いてSDMFの変異を同定し分析することができる。例えば、正常SD
MF遺伝子型と比較した場合の増幅生成物のサイズの変化により欠失および挿入
を検出することができる。増幅したDNAを本発明の放射性標識SDMF RN
Aあるいは本発明の放射性標識SDMFアンチセンスDNA配列とハイブリダイ
ゼーションさせることにより、点突然変異を同定することができる。RNase
A消化により、あるいは融解温度(Tm)の差により、完全にマッチした配列
をミスマッチ2重鎖から識別することができる。かかる診断は、出産前および新
生児の試験に特に有用であろう。
さらに、リファレンス遺伝子および「変異」遺伝子間の点突然変異および他の
配列の相違を、他のよく知られた方法、例えば直接DNA配列決定、1本鎖コン
ホーメーション多型性により同定することができる。0rita et al.,Genomics,5,
874-879(1989)参照。例えば、配列決定プライマーを、2本鎖PCR生成物また
は修飾PCRにより得られた1本鎖鋳型分子と一緒に用いる。放射性標識したヌ
クレオチドを用いる慣用的方法により、あるいは蛍光タグを用いる自動配列決定
法により、配列決定を行う。クローン化したDNAセグメントをプローブとして
用いて特定のDNAセグメントを検出してもよい。この方法の感度は、PCRと
組み合わせた場合に大幅に上昇する。ヌクレオチドリピートの存在はSDMF活
性における病因となる変化に関連して要る可能性があり、あるいは種々の多型性
のマーカーとして役立つ可能性がある。
変性剤の存在下または不存在下におけるゲル中のDNAフラグメントの電気泳
動度の変化を検出することによりDNA配列の相違に基づく遺伝学的試験を行っ
てもよい。高分解能ゲル電気泳動により、小さな配列の欠失および挿入を可視化
することができる。変性ホルムアミドグラジエントゲルにより異なる配列のDN
Aフラグメントを識別してもよく、ゲル中では個々のDNAフラグメントの融解
温度または部分融解温度に応じてDNAフラグメントの移動度が異なり、ゲル中
の別々の位置で停留する。例えば、Myers et al.,Science,230,1242(1985)参照
。さらに、配列の変化、詳細には小さな欠失を、ヘテロ2重鎖電気泳動のごとき
非変性ゲル電気泳動におけるDNAヘテロ2重鎖の泳動パターンの変化として検
出してもよい。例えば、Nagamine et al.,Am.J.Hum.Genet.,45,337-339(1989)参
照。RNaseおよびS1保護またはCotton et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85
,4397-4401(1985)により開示されたような化学的開裂法ヌクレアーゼ保護アッセ
イにより、特定の位置における配列の変化を明らかにしてもよい。
よって、ハイブリダイゼーション(例えば、ヘテロ2重鎖電気泳動、WFhite et
al.,Genomics,12,301-306(1992))、RNAse保護(例えば、Myers et al.,Sci
ence,230,1242(1985))、化学的開裂(例えば、Cotton et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,85,4397-4401(1985))、直接的DNA配列決定、あるいは制限酵素の使
用(例えば、制限フラグメント長多型性(RFLP)、RFLPにおいて制限フ
ラグメントの数およびサイズは、挿入、欠失、ヌクレオチドリピートの存在、な
らびにエンドヌクレアーゼ制限配列を生成または破壊する他の変異を示しうる。
)
のごとき方法により特定のDNA配列の検出を行ってもよい。ゲノムDNAのサ
ザンブロツテイングを用いて大きな欠失および挿入、すなわち100塩基対より
も大きいものを同定してもよい。
慣用的なゲル電気泳動およびDNA配列決定に加えて、微小欠失、異数体度、
トランスロケーションおよび逆位のごとき突然変異をインシトゥ(in situ)分
析により検出することもできる。例えば、Keller et al.,DNA Probes,2nd Ed.,S
tockton Press,New York,N.Y.USA(1983)参照。すなわち、単離および/または膜
上への固定化をすることなく細胞中のDNAまたはRNA配列を分析することが
できる。蛍光インシトゥハイブリダイゼーション(FISH)は現在最も普通に
適用されている方法であり、FISHに関する多くの解説がある。例えば、Trac
huck et al.,Science,250,559-562(1990)、およびTrask et al.,Trends,Genet.
,7,149-154(1991)参照。それゆえ、SDMF 遺伝子の構造に基づいた核酸を用い
ることにより、遺伝学的変異の診断試験を開発することができる。
さらに、いくつかの疾病は、mRNAにおける変化により検出されうる遺伝子
発現の変化の結果によるものであるか、あるいはかかる変化により特徴づけられ
るものである。別法として、SDMF遺伝子をリファレンスとして用いて、例え
ばノーザンブロッティングまたはインシトゥハイブリダイゼーションによって、
上昇または低下したレベルのSDMF蛋白を発現する個体を同定することもでき
る。
適当なハイブリダイゼーション条件を決定することは当業者の範囲内のことで
ある。例えば、”Current Protocols in Mol.Biol.”Vol.I & II,Wiley Intersc
ience.Ausbel et al.(eds.)(1992)参照。プローブ法は当業者によく知られてお
り、プローブのサイズを広範囲に変化させることができるが、プローブが少なく
とも15ヌクレオチドの長さであるのが好ましいということが理解されている。
また、好ましくは、かかるプローブを分析的に検出可能な試薬で標識してプロー
ブの同定を容易にし、あるいは容易にすることができることが理解されている。
有用な試薬は、放射性同位元素、蛍光色素または検出可能な生成物の形成を触媒
できる酵素を包含するが、これらに限らない。一般則として、ハイブリダイゼー
ション
条件が厳密であるほど、より密接に関連した遺伝子が回収されるであろう。
SMC移動の調節におけるヒトSDMFの役割は、本発明のさらにもう1つの
態様を確立し、それは遺伝子治療である。「遺伝子治療」とは、目的遺伝子のさ
らなるリファレンスコピーを患者の細胞中に挿入する遺伝子補足を意味する。結
果として、リファレンス遺伝子は欠陥を修正し、細胞が正常に機能することを可
能にし、かくして、疾病の徴候が改善される。リファレンスコピーは野生型のS
DMF遺伝子または内在SDMFの活性を転調させる蛋白もしくはペプチドをコ
ードしている遺伝子であろう。
本発明遺伝子治療はインビボまたはエクスビボ(exvivo)で行える。エクスビ
ボ遺伝子治療には、患者細胞の単離および精製、治療遺伝子の導入、および遺伝
学的に変化した細胞を患者体内に戻すことを必要とする。修飾レトロウイルスの
ごとき複製欠陥ウイルスを用いて治療SDMF遺伝子をかかる細胞中に導入する
ことができる。例えば、マウスMolony白血病ウイルス(MMLV)は、臨床的な
遺伝子試行においてよく知られたベクターである。例えば、Boris-Lauerie et a
l.,Curr.0pin.Genet.Dev.,3,102-109(1993)参照。
対照的に、インビボ遺伝子治療は患者細胞の単離および精製を必要としない。
典型的には、患者への投与のために、例えばリポソーム中あるいはBerkner,K.L.
,Curr.Top.Microbiol.Immunol.,158,39-66(1992)により記載されたアデノウイ
ルスまたはMuzyczka,N.,Curr.Top.Microbiol.Immunol.,158,97-129(1992)および
米国特許第5252479号に記載のアデノ関連性連ウイルスのごとき複製欠陥
ウイルス中に治療遺伝子を「パッケージ」する。もう1つのアプローチは、「裸
のDNA」の投与であり、DNAで被覆された金粒子を用いる微粒子爆弾により
治療遺伝子が標的組織中に導入される。
本発明遺伝子治療に有用な細胞タイプは、リンパ球、肝細胞、筋芽細胞、繊維芽
細胞、網膜細胞のごとき目の細胞、上皮細胞および内皮細胞を包含する。リポソ
ーム中のDNAベクター、DNA−蛋白複合体または複製欠陥アデノウイルスの
霧化調合品の吸入により、上皮細胞のトランスフェクションを行うことができる
。例えば、米国特許第5240846号参照。
本発明のも1つの態様は、いずれかの細胞中で本発明ポリヌクレオチドを発現
しうるトランスジェニックな非ヒト動物である。宿主の適当な受精卵または胚を
本発明ポリヌクレオチドまたはヒトの疾病において見いだされる変異形態ポリヌ
クレオチドでトランスフェクションすることにより、トランスジェニックな非ヒ
ト動物を得てもよい。例えば、米国特許第4736866号、第5175385
号、第5175384号および第5175386号参照。得られたトランスジェ
ニック動物をSDMF遺伝子機能の研究モデルとして使用してもよい。特に有用
なトランスジェニック動物は、SDMF蛋白の発現に関連した検出可能な表現型
を示す動物である。次いで、薬剤開発の候補物質を、その関連表現型を逆転また
は悪化させる能力についてスクリーニングしてもよい。
以下の特定の非限定的な実施例を参照して本発明を説明する。
実施例1 ヒトSDMF全長cDNAのクローニングおよび配列分析
上記Koyama et al.J.Biol.Chem.の方法によりラットSDMF蛋白を精製した
。精製された60kDaの蛋白を自動エドマン分解配列決定に供したところ、ブ
ロックされたN末端を含むことがわかった。さらにSDS−PAGE精製された
SDS−PAGE精製された物質をインシトゥでのトリプシン消化に供し、溶離
したペプチドを微小孔性C18逆相クロマトグラフィーにより精製した。
MALDI質量スペクトル法により決定された1655.5 Daの実験質量を有
するトリプシン消化ペプチドのエドマン配列決定により、配列YDALEVFA
GSGTSGQR(配列番号:3)を含むことがわかった。ラットSDMFアミ
ノ酸配列をPIRデータベースと比較することにより、Genbank アソシエーショ
ン番号JH0403を有する機能不明の402個のアミノ酸のネズミ配列との正
確なマッチが示された。この配列はp4と同定され、DNAおよびアミノ酸配列
がLecain らの上記文献に報告されている(配列番号:4および5)。これらの
結果に基づいて、これまで不明であったネズミp14の機能は、平滑筋細胞由来
の移動因子としての機能であることがわかった。
ネズミp14配列を伴う発現配列タグ(EST)として知られる短い部分配列
からなるランダムcDNA配列データベースを検索したところ、p14またはS
DMFに対する推定上のヒト相同体の部分をコードする多くのESTが示された
。ネズミp14 cDNA配列の5’末端とマッチし、開始コドンを含んでいる
ESTを含有するcDNAを選択し、さらに配列決定を行った(配列番号:1)
。このcDNAは、もともと、λZAP中のヒト胎児心臓cDNAライブラリー
から単離されたものであった。
SDMF cDNAの配列分析により、位置94のATGから開始し、位置1
441のTGAで終結する、推定分子量49.4kDaの449個のアミノ酸(
配列番号:2)をコードしている1347個のヌクレオチドの読み枠(配列番号
:1)が明らかとなった。
Lecainらにより報告されたネズミp14DNA配列(配列番号:4)は、上記
Takaharaらにより決定されたが、2個のグアノシン残基が省略されていた。Leca
inらにより公表された配列のヌクレオチド1213および1214間に1のさら
なる残基が存在し、ヌクレオチド1375および1376間にもう1つの残基が
存在した。訂正されたネズミp14DNAおよびアミノ酸配列を、それぞれ配列
番号:6および7に示す。
GCGプログラムBestfitを用いてヒトSDMFの推定アミノ酸配列を訂正さ
れたネズミp14配列と並置比較した。正味のアミノ酸同一性は85%であり、
5つのギャップを伴っており、これを図1に示す(上はヒトSDMF;下はネズ
ミp14)。両方の蛋白配列は、相捕的蛋白C1rおよびC1sならびに分泌蛋
白であるヒト骨形態形成蛋白−1、アフリカツメガエル由来のAS抗原、ウシ酸
性精液前駆体蛋白およびブタ精子付着蛋白AWN、AQN−1および−3におい
て見いだされるドメインに対する相同領域の2個のリピート(ネズミ配列の36
〜145および158〜269)をコードしている。
ネズミp14アミノ酸配列(配列番号:5)を用いてGenEMBLデータベースを
検索すると、449個ののヒトプロコラーゲンC−プロテイナーゼエンハンサー
蛋白(PCOLCE)(受託番号L33799)(配列番号:8および9)が示
され、91.1%の同一性であった。PCOLCEは上記Takaharaらにより報告
されている。GCGプログラムBestfitを用いて、ヒトSDMFの推定アミノ酸
配列(配列番号:2)をヒトPCOLCE配列(配列番号:9)と並置比較した
。正味のアミノ酸同一性は99%であり、ギャップはなく、これを図2に示す(
上はヒトSDMF;下はヒトPCOLCE)。
実施例2 ヒトSDMFの発現
推定上のヒトSDMFcDNAを、EcoRI(5’末端)およびKpnI(
3’末端)での消化によりそのクローニングベクター(pBluescript)から単離し
、哺乳動物発現ベクターpCDN(Aiyar et al.,Molecular and CellularBioc
hemistry131,75-86(1994))中に挿入した。上記ManiatisらのDEAEデキスト
ラン/クロロキン法、次いで、10%DMSOショック(例えばManiatisらの)
を用いて、前日に150mmフラスコに撒いておいた8x106個のCOS細胞
中にこのベクター60μgをトランスフェクションした。感染後24時間、10
%FBS/DMEM中に細胞を置き、次いで、血清含有培地を除去し、細胞をP
BSで2回洗浄し、ヌクレオチドを含有する無血清培地15mlを添加した。4
8時間後および120時間後に培地を集め、遠心分離して細胞残渣を除去し、7
.5%重炭酸ナトリウムを用いてpHを約8.0に調節した。
トランスフェクション1日前に20000個/cm2の細胞密度で撒いた1リ
ットルの細胞培養および、DEAE/デキストラン中1.8mg/mlのDNA
を用い、4時間後、10%DMSOを添加し、次いで、無血清培地で3日間培養
して、本質的に同様にして大規模COSトランスフェクションを行った。
実施例3 ヒトSDMFの生物活性
COS細胞においてで発現されたヒトSDMFの生物活性を、インビトロにお
けるラット大動脈平滑筋細胞移動モデルにおいて示した。このモデルはHidaka e
t
al.Atherosclerosis 95,87-94(1992)により報告された。ラツト大動脈平滑筋細
胞(RASMC)を0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)を補足したDulbecco
改変Eagle培地(DMEM)中に2.5x106個/mlの濃度で懸濁した。アッ
セイにおいて、0.2mlのRASMCをアッセイチャンバーの上部コンパート
メントに入れた。チャンバーの下部コンパートメントには0.6mlの0.2%B
SA補足DMEMを入れた。COS細胞培養上清からほぼ均一にまで精製された
ヒトSDMFをフィルターの下側の表面にコーティングするか、あるいは下部コ
ンパートメントに添加した。RASMCを、最大の平滑筋細胞移動(対照)を誘
導する濃度の血小板由来増殖因子(RDGF)または種々の濃度の精製SDMF
に供した。95%空気および5%CO2の雰囲気下、37℃で20時間インキュ
ベーションした。インキュベーション後、上側の表面の移動しなかった細胞をゆ
やかに掻き取り、PBSで3回洗浄した。濾紙を固定し、ギムザ染色した。フィ
ルターの下側の表面に移動したSMCの数を顕微鏡により決定し、1のランダム
に選択されたハイパワーフィールド(high-power field,HPF)をフィルター1枚
当たりにつき計数した。実験を3系で行った。図3の結果は、精製SDMFは用
量依存的にラット平滑筋細胞の移動を促進し、その最大活性はPDGFの少なく
とも4〜5倍であることを示し、上記Koyama et al.,J.Biol.Chem.により公表さ
れた観察結果と矛盾しない。
本発明の精神または本質的属性から逸脱することなく、本発明を他の特定の形
態に具体化してもよく、したがって、上記説明ではなく、本発明の範囲を示すも
のとして添付した請求の範囲について参照が行われるべきである。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 45/00 A61K 48/00
48/00 C07K 14/47
C07K 14/47 16/18
16/18 C12P 21/02 C
C12N 5/10 C12N 5/00 B
C12P 21/02 A61K 37/02
//(C12P 21/02
C12R 1:91)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
N,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,
MD,MG,MN,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SG,SI,SK,TJ,TM,TT
,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ハール,マーク・ロバート
アメリカ合衆国19405ペンシルベニア州ブ
リッジポート、コロンブス・ストリート
641番
(72)発明者 マクドネル,ピーター・コロン
アメリカ合衆国19027ペンシルベニア州エ
ルキンズ・パーク、トゥルプホッケン・ア
ベニュー8311番
(72)発明者 マクナルティ,ディーン・エドワード
アメリカ合衆国19147ペンシルベニア州フ
ィラデルフィア、フルトン・ストリート
229シー番
(72)発明者 ローゼン,クレイグ・アラン
アメリカ合衆国20882メリーランド州レイ
トンズビル、ローリング・ヒル・レイン
22400番
(72)発明者 シーメンス,アイボ・ログリア
アメリカ合衆国19335ペンシルベニア州ダ
ウニングタウン、カーペンターズ・コー
ブ・レイン411番
(72)発明者 ヤング,ピーター・ロナルド
アメリカ合衆国08648ニュージャージー州
ローレンスビル、ヘンドリクソン・ロード
32番
(72)発明者 ユー,ティアン―リ
アメリカ合衆国19083ペンシルベニア州ヘ
イバータウン、アーリントン・ロード308
番