【発明の詳細な説明】
組換えウイルス偽粒子ならびに
そのワクチンおよび抗腫瘍性用途
本発明は、細胞障害性CD8+Tリンパ球(CTL)およびCD4+ ヘルパーTリンパ球の
インビボで高レベルの応答を誘発するのに特に有用な、パルボウイルス科のウイ
ルスまたは関連ウイルスの組換えウイルス偽粒子(pseudo-particle)に関する。
他の目的は、抗腫瘍ワクチンまたは薬剤の産生のための、これらの偽粒子の使
用である。
それは、該偽粒子を生理学的に許容される賦形剤および/または希釈剤の中に
含む組成物も包含する。
1995,11,975-983)によると、腫瘍の場合に本質的である細胞性介在への応答は
、2つの部分に分けることができる:
− 一方で、CD4+ Tリンパ球および抗原提示細胞(CPA)の関与を引き起こす応
答の開始、および
− 他方で、CD8+ Tリンパ球が関与する細胞障害性エフェクター応答。
活性化されたCD4+ Tリンパ球は増殖し、サイトカイン
を分泌し、一方、活性化されたCD8+ Tリンパ球は増殖し、細胞障害性Tリンパ球(
CTL)に分化する。
リンパ球のこれらの2つのファミリーは、従って、異なる機能を有し、異なる
メカニズムで活性化される。CD4+ リンパ球の刺激は、抗原の分解から生じるペ
プチドの主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)のクラスII分子への結合(associatio
n)を必要とし、他方、CD8+ 細胞のものは、MHCのクラスI分子へのペプチドの結
合を必要とする。
多くの予防的または治療的戦略が既に、ウイルス、細菌、寄生虫、あるいは癌
または腫瘍性疾患により生じる様々なヒトおよび動物の疾患をコントロールする
試みにおいて提案されてきた。
例えば、インビボで「生きた」ベクターによるCTL応答の誘発が公知である。
しかしながら、これらのベクターの安全性は、特に免疫抑制された個体に対して
は保証されない。さらに、これらの「生きた」ベクターの複製を使用するシステ
ムは、免疫欠乏個体内でそれらの活性を維持しない。
マルチネス(Martinez)らは、Vaccine(vol.10,pp.684-690,1992)において、
ブタのワクチン接種でのブタパルボウイルス(PPV)の中空カプシドの使用を教示
している。パルボウイルス科は、ブタ、ウシ、ネコ、ウサギ、ラッ
トおよびヒトのような哺乳動物に非常に広く分布するウイルスを含む。しかしな
がら、パルボウイルスは、それらの宿主哺乳動物に比較的に特異的である。ブタ
のパルボウイルス(PPV)は、特に、産業的なブタ繁殖において多くの感染症の原
因となっている。ブタパルボウイルス(PPV)は、一本鎖DNA分子を含み、対称正二
十面体を有する20 nm径の被覆されない等大粒子からなる。それは、2つのカプ
シドタンパク、VP1(83 kDa)およびVP2(64 kDa)、並びにVP2のタンパク加水分解
から生じる第3のタンパクVP3からなる。
VP2タンパクは、組換えバキュロウイルスシステムを用いて昆虫細胞により産
生され、産生されたVP2タンパクは、自己組立して、天然ビリオンと同じサイズ
を有するウイルス偽粒子を形成することが可能である。PPVに対するブタのワク
チン接種は、アジュバントであるアルヒドロゲル(Alhydrogel)(50%)+クィルA
(Quil A)500μg(スーパーフォス(Superfos))と組合せた前記カプシドの混合物
で、それらを免疫することによって為される。この文献の教示に匹敵するものは
、EP-551.449およびEP-554.414出願に見られ、それら出願はまた、他のウイルス
タンパク質に対応する抗原決定基がカプシド中に組込まれるかもしれないことを
開示しているが、これらの抗原決定基
の性質については特定していない。
EP-647.655出願は、VP2の抗原性部位に対応する合成ペプチドに関する。それ
は、従って、完全なタンパク質を記載していない。
セドリック(SEDLIK)らは、Journal of General Virology(76:2361-2368,1995
)において、Bリンパ球およびTCD4+リンパ球によってそれぞれ認識されるポリオ
ウイルスの2つのエピトープC3:BおよびC3:TのためのベクターとしてPPVハイブ
リッド粒子の使用を記載している。C3:T CD4+エピトープを含む粒子は、T,CD4+
細胞の増殖性応答を刺激可能であるが、T CD8+細胞については可能ではない。刺
激のこの特異性に加えて、応答は、低いレベルで維持し、これは効果的な免疫化
に不十分である。いずれにしても、これらの強制的な応答の誘発は、アジュバン
ト(ミョウバンまたは完全フロイントアジュバント)の使用を必要とする。
さらに、異種抗原決定基を組込む意図をもって偽粒子を修飾する試みは、偽粒
子の形成阻害のような困難に遭遇する。後者が形成されるときでも、異種抗原決
定基は必ずしも免疫原性ではなく、抗原決定基は例えば、その天然のコンホメー
ションをとり得ない、または抗原提示細胞によって産生され得ない部位に恐らく
位置する。
他の点では、「生きた」ベクターを用いたワクチンと同じ方法では、アジュバ
ントと結合したこれらのハイブリッド粒子の安全性は、完全には保証されない。
それは、生物に有害な二次的効果を誘発し得るアジュバントの幾つかの特性から
、毒性が生じるかもしれないからである。
従って、現在の技術水準からは、処置された個体の健康に対するリスクがなく
、免疫刺激性アジュバントを使用せずに、細胞障害性T-リンパ球およびT-ヘルパ
ーの応答を刺激する信頼し得る効果的なシステムは知られていない。
さらに、C3:Tエピトープを含むハイブリッド粒子は、アジュバントなしに効果
的なT CD4+応答を引き出すことはできない。
出願人は、MHCのクラスIまたはクラスII分子の少なくとも1つとそれぞれ結合
し得る抗原決定基を含む偽粒子を用いて、CD8+リンパ球応答、換言すれば細胞障
害性応答、および/またはCD4+ T細胞によるサイトカイン分泌を特異的に誘発す
ることが可能であることを示した。
本発明の目的は、20と60nmの間のサイズを有し、略二十面体構造を形成
する少なくとも1種のウイルス構造蛋白質の自動アセンブリーにより構成される
組換えウイルス偽粒子であって、前記蛋白質は8〜25個のアミ
ノ酸の配列を含む少なくとも1種の抗原決定基の存在により修飾され、主要組織
適合遺伝子複合体(MHC)のクラスIまたはII分子の少なくとも1種と結合す
ることができ、C3:Tエピトープを除き、またはこれら抗原決定基のいくつか
の組み合わせである。
本発明によるCD8+Tリンパ球は、少なくとも1種のクラスI MHC分子
と結合することができる8〜9個のアミノ酸の配列を含む少なくとも1種の抗原
決定基を認識することができる。
本発明によるCD4+Tリンパ球は、少なくとも1種のクラスII MHC分子と
結合することができる8〜25個のアミノ酸の配列を含む少なくとも1種の抗原
決定基を認識することができる。
有利には、該構造蛋白質は、パルボウイルス科またはその関連ウイルスの少な
くとも1種のパルボウイルス蛋白質、好ましくは少なくとも1種のVP2蛋白質
を含む。
本発明による粒子は、B型肝炎ウイルスの表面あるいはコア蛋白質からなる粒
子、ポリオウイルス、ウサギ出血性ウイルス、ノーウォーク・ウイルス(Norwalk
virus)、ロタウイルス、レトロウイルスgag蛋白質(HIV、FIV、Fe
LV)の粒子、または一般に1以上のウイルス蛋白質の発現によりインビトロで
自動アセンブリー
可能な任意の被覆されていないウイルス粒子であってもよい。
本発明による粒子は、各種タイプの蛋白質を含み得、ハイブリッド粒子を形成
し得る。それらは例えばVP1及びVP2蛋白質からなってもよい。
抗原決定基を含む配列とクラスIおよび/またはII分子の間で形成される結合
は、CD8+またはCD4+Tリンパ球レセプターにより認識され、これらリンパ
球の分化及び増殖を誘導する。
有利には、該配列はその分解を調節することができる、換言すると、抗原の分
解中のその産生を促進するか、クラスIまたはII MHC分子への結合を促進す
る、フランキング領域として知られる領域により結合される。
フランキング領域は、その自然環境下でCD8+またはCD4+T抗原決定基に
隣接するアミノ酸に相当し得る。一般に、それらはいくつかのアミノ酸、特にア
ラニンまたはリシンからなっていてもよい。
本発明による偽粒子は、免疫化のこの方法の安全性から生じる第1の利益を有
し、使用されるベクターは非複製性であり、1つのタイプのウイルス蛋白質から
なり、免疫抑制された個体にさえ投与できる。
本発明による偽粒子の第2の利益は、ヒトパルボウイ
ルスとの交叉反応がないことにあり、従って、このタイプの組換えワクチンの弱
い免疫原性を導く可能性のある個体のプレ−免疫化に関連する問題がない。
さらに、本発明による偽粒子はベクターの複製を要求せず、免疫欠乏個体にお
けるその有効性を保持する。
さらに、本発明による偽粒子は優れた免疫原性を有し、1回の免疫化のみが必
要とされ、従って免疫刺激性アジュバントの非存在下で使用することができる。
パルボウイルスは、有利にはPPV、CPV(イヌパルボウイルス)または他
の関連ウイルス、例えばFPLV(ネコ汎白血球減少症ウイルス)またはMEV
(ミンク腸炎ウイルス)である。
抗原決定基は、クラスI MHC分子に結合し、Tリンパ球細胞障害性を誘導
することができる任意の配列から構成されてもよい。特に、ウイルスのCD8+
T抗原決定基、例えばHIV−1またはHIV−2、またはインフルエンザウイ
ルス、または腫瘍抗原決定基またはガン細胞により発現されるものであってもよ
い。
有利な実施態様によれば、本発明による偽粒子は、選択された抗原決定基がリ
ンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)の核蛋白質の118−132領域に含
まれるCD8+ CTL抗原決定基であることを特徴とする。
しかしながら、該抗原決定基は、例えば以下の抗原決定基の1種のようなCT
L応答を誘導できる任意の他の抗原決定基であってもよい:
− HIVウイルスのEnvgp120、Env gp41、Gag p17
、Gag p24、Gag p15、Pol及びNef蛋白質の抗原決定基、及
びSIVウイルスのGag及びnef蛋白質及びHIV−2ウイルスのGag蛋
白質の抗原決定基、ベネット(Venet)及びウォーカー(Walker)(AIDS 199
3、Vol.7、suppl.1、119−120)により定義される。
− MAGE−1、MAGE−3、BAGE、GAGE−1,2、HER−2
/neu遺伝子により発現される蛋白質のような、ヒトにおいて発生する腫瘍に
より発現される蛋白質の抗原決定基、及びチロシナーゼ、Pmel17gp10
0、Melan−AMART−1、及びgp75TRP1のようなメラノサイト
分化抗原、ファン デン エインデ(Van Den Eynde)及びブリチャード(Brichard
)(Current 0pinion in Immunology,1995,7,674-681)により定義される。
T CD4+ヘルパー応答またはリンホカインを産生する結果となる応答を引
き出すために、エピトープはB型肝炎ウイルス(HBV)のPreS2領域(1
20−1
基であることができる。
偽粒子は、抗原決定基の組み合わせを含んでもよく、特に:
− 少なくとも1種のCD4+ T抗原決定基及び少なくとも1種のCD8+ T
抗原決定基
− CD4+ またはCD8+ T抗原決定基のマルチコピーの組み合わせ
− ルイス・カルチノーマ(Lewis carcinoma)のMutCD8+ T抗原決定基
の4つのコピーの組み合わせ
抗原決定基の組み合わせにより、例えばルイス・カルチノーマのMut1抗原
決定基のマルチコピーのような同一蛋白質または異なる蛋白質の少なくとも2種
の抗原決定基及び好ましくは2と10の間の抗原決定基を含む組み合わせが理解
されるであろう。従って、CD8+ T抗原決定基のマルチコピーの組み合わせは
、異なる蛋白質、例えばリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスの核蛋白質のCD8+ T
抗原決定基とHIVのEnv gp 41 CD8+ T抗原決定基の組み合わせ
のような少なくとも2種の抗原決定基、好ましくは2と10の間の抗原決定基を
含む。
前記組換えウイルス偽粒子は、有利には、VP2蛋白
質及び前記抗原決定基からなるキメラ蛋白質のバキュロウイルスでの発現工程を
含むプロセスにより得ることができる。
本発明による偽粒子は、より好ましくは、LCMV核蛋白質の少なくとも1種
の抗原決定基、またはHBVの少なくとも1種の抗原決定基、または抗原決定基
のマルチコピーの組み合わせの、N末端における存在により修飾されたパルボウ
イルスVP2蛋白質の自動アセンブリーにより得ることができる。
例えば自動アセンブリーや抗原決定基により修飾できるようなVP2と類似の
性質を有する任意の他の分子、特に任意の他の蛋白質が、VP2の代わりに本発
明の範囲内で使用できることに注目すべきである。
本発明の他の目的は、インビボでの高いレベルのCTL及び/又はCD4+ ヘ
ルパーT応答を誘導するための免疫化のための有効量の偽粒子の使用である。
投与経路及び個体の体重の関数として選択される本発明による偽粒子の量は、
「免疫化のための有効量」の表現により理解されるべきである。
、投与量は、有利には個体あたり10及び500μgの間の偽粒子である。
本発明の更なる目的は、免疫学的観点から許容される
賦形剤および/または希釈剤に偽粒子を含む組成物である。希釈剤として、約p
H7(生理学的溶液)に緩衝化された水溶液を使用できる。
有利には、本発明の組成物は、免疫刺激性アジュバントを含まない。にもかか
わらず、必要であればミョウバン(alum)であってもよいアジュバントを含んでも
よい。
本発明による偽粒子は、被験者のリンパ球を偽粒子に接触させることを含む、
ウイルスまたは腫瘍感染にかかった被験者に由来するリンパ球の細胞障害性T応
答のインビトロ刺激プロセスで使用することもできる。この場合、該細胞は処置
後例えば注射により再度患者に投与される。
本発明の他の目的は、本発明の偽粒子をワクチン、好ましくは単回投与ワクチ
ンの製造、特に抗腫瘍または抗ウイルスに使用することである。それは、ワクチ
ンの通常の投与経路、すなわち筋肉内、皮内、皮下または経口経路、またはCT
Lおよび/またはCD4+ T応答に導く他の任意の経路で投与することができる
。
本発明は、添付の図面を参照する下記の記載によって、いかなる意味でも限定
されることなしに例示される:
図1は、pPPV 29プラスミドを得るためのプロセスを示す。
図2は、3種の図2(a)、2(b)および2(c)を含み、アジュバント無
しで、マウスを2段階で、d0およびd21に、それぞれ10および50μgの本発明に従
う偽粒子を用いての免疫を示している。d28に、脾細胞を、合成ペプチド118-132
でプレインキュベートされた同系脾細胞によりインビトロで5日間刺激した。細
胞障害性Tリンパ球の活性を、培地または合成ぺプチド118-132でプレインキュベ
ートされたP815標的について測定した。結果を、E:T比を横軸として溶解%で示
し、この式E/Tはエフェクターリンパ球/標的リンパ球の比を意味する。図2(
a)は、粒子PPV-29 LCMVで得られた結果を示し、図2(b)は、粒子PPV-30 LC
MVで得られた結果を示し、および図2(c)は、修飾しない偽粒子との比較を示
す。
図3は、7種の図3(a)、3(b)、3(c)、3(d)、3(e)、3(
f)および3(g)を含み、アジュバント無しで、マウスを2段階で、d0および
d21に、本発明に従う偽粒子をそれぞれの用量で、図3(a)では50μg、図3(
b)では10μg、図3(c)では2μg、図3(d)では0.4μg、図3(e)では0
.08μgを用いる免疫を示している。d28に、脾細胞を、合成ペプチド118-132でプ
レインキュベートされた同系脾細胞によりインビトロで5日間刺激した。細胞障
害性Tリンパ球の活性を、
培地または合成ペプチド118-132でプレインキュベートされたP815標的について
測定した。コントロールマウスは、d21に、不完全フロイントアジュバント(IFA)
中の100μgの合成ペプチド118-126(図3g)またはコントロールの偽粒子(図
3f)の注射を受けた。結果を、図2と同じように溶解%で示す。
図4は、図2と同様に3種の図4(a)、4(b)および4(c)を含み、ア
ジュバント無しで、マウスを本発明に従う偽粒子の10μgまたは50μgの一回の注
射による免疫を示している。d14に、脾細胞を、合成ペプチド118-132でプレイン
キュベートされた同系脾細胞によりインビトロで5日間刺激した。細胞障害性T
リンパ球の活性を、培地または合成ペプチド118-132でプレインキュベートされ
たP815標的について測定した。結果を、図2と同じように溶解%で示す。
図5は、2つの図5(a)及び5(b)を含み、0日及び21日にPBSで、
または中空偽粒子(PPV)または配列118−132を発現するLCMV核蛋
白質(PPV−LCMV)、またはアームストロング−株ウイルス(LCMV−
Arms)で腹腔内(i.p.)注射し、各々28日及び70日でのLCMVに
よる感染に対するBALB/cマウスの保護を示す。マウスの死亡
数は毎日追跡し、結果を各バッチの動物中の生存%として表した。
図6A〜6Dは、HBVのCD4+ T PreS:T 抗原決定基、51E12(6Aおよび6C
)または52A12(6Bおよび6D)の特異的Tハイブリドーマの、ペプチドPreS:T
、PPV-PreS:T組換え偽粒子またはPPV偽粒子(VP2)の存在下に置かれている、Bリ
ンパ腫細胞による刺激(6Aおよび6B)あるいは放射線照射された牌細胞(6
Cおよび6D)による刺激を示す。
図7Aおよび7Bは、インビトロでペプチドPreS:T(図7A)またはPPV(VP2)
偽粒子(図7B)で刺激された神経節細胞の増殖性応答を示し、該細胞は、0.01
μgのPPV-PreS:Tまたは10μgのPPV(VP2)でアジュバントの不存在下に免疫された
DBA/1マウスからのものである。
図8Aおよび8Bは、PBS培地中の又は完全フロイントアジュバントの存在下
にPPV-PreS:Tで又はPPV(VP2)で免疫され、ペプチドPPV-PreS:T(図8A)又はPP
V(VP2)(図8B)で再刺激されたDBA/1マウスからの神経節細胞の増殖を示す。実施例 実施例1:LCMV核蛋白質抗原決定基を含む本発明の偽粒子による、Tリンパ 球細胞毒性の誘導
LCMV核タンパク質の118−132領域に含まれる異種のCD8+ CTL抗原決
定基を、偽粒子の後のフォーメーションを変えることなく、PPV VP2遺伝
子に導入した。開始コドンのみが異なる2つの粒子、PPV−29 LCMV及
びPPV−30 LCMVが得られた。これらのキメラタンパク質を、ジャーナ
ル・オブ・ジェネラル・ビロロジー(Journal of General Virology)76:第2
361−2368頁、(1995年)に記載の方法に従って、バキュロウイルス系で生産し
、硫酸アンモニウムを用いて昆虫細胞の溶解生成物から沈殿させて精製した。
細胞毒性Tリンパ球の応答を誘導するこれらの組換え粒子の能力を、BALB
/cマウスを用いてin vivoで分析した。材料及び方法 * LCMV CD8+抗原決定基の、VP2のN末端のXhoI部位への挿 入
図1に示すように、ベクターpPPV29を、マルチネズ等によって記載され
たベクタ−pPPV17(1992,Vaccine,10,684-690)に由来するベクターp
PPV17RのXhoI−NcoIフラグメントを消化し、2つのPCR増幅生
成物で置換することによって取得した。pPPV17Rのポリクローニング部位
とVP2の開始コドンにあたる領域を除去するためである。pPPV17は、ポ
リリンカーにたとえられるVP2クローン遺伝子の方向のみが、pPPV17R
と異なっていた。PCR増幅は全て、1ユニットのDNAポリメラーゼ・ベント
(DNA polymerase Vent:New England Biolabs)マトリックスとして10ngの
pPPV17R、100mmのdNTPs及び800ngの各プライマーを含む
総量100μl中で実施した。増幅は、93℃で1分間の変性、50℃で1分間
行われるプライマーのアニーリング、及び72℃で3分間の伸長の25サイクル
で行った。PCR生成物を、Xho−I及びNcoIで消化され脱リン酸化され
たpPPV17Rに、クローニングした。該ライゲーション混合物を使用してE
. coliDH5細菌を形質転換した。この方法により2つのプラスミドが得
られた:VP2の元のATGコドンに隣接する一つのXho−Iクローニング部
位を含むpPPV29、及び
一つのXho−Iクローニング部位をもつが、ATG開始コドンをもたないpP
PV30である。
pPPV29modベクターは次のようにして取得した:pPPV29をPs
tIで消化することによってVP2遺伝子を得、次いでバキュロウイルス転移ベ
クター(transfer vector)にサブクローニングするBamHI部位を作るため
に、それをpMTL24プラスミドのPstIクローニング部位に連結した。
CD8+抗原決定基と開始コドンをコードし、また2つのXhoI部位を含む
2つのオリゴヌクレオチドを合成した。それらは、下記に示す配列SEQ ID
No.1及びNo.2を有していた:
SEQ ID No.1
SEQ ID No.2
これらの2つの相補的なオリゴヌクレオチドはメドプローブ(Medprobe:ノル
ウェー)により供給された。それらをポリヌクレオチド・キナーゼT4を用いて
リン酸化し、70℃で15分間アニーリングし、次いでXho
Iで消化された、PPV−VP2をコードする遺伝子を含むpPPV29mod
プラスミドのXhoI部位に連結した。
大腸菌DH5細胞を該ライゲーション混合物で形質転換し、100μg/ml
のアンピシリンを含むLB培地の上に播いた(Hanahan,1983,J.Mol.Biol.,
166,557-580)。LCMV挿入物を含む組換体を選択し、挿入された配列の方向
及び完全性を測定するために、デオキシ法によりシークエンスを行った。正しい
方向でLCMV配列を含む組換えクローンを、pPPV29mod/LCMVと
名付けた。
* バキュロウイルスでの転移ベクターの調製及び組換えバキュロウイルスの 選択
pPPV29mod/LCMVベクターをBamHIで消化し、バキュロウイ
ルスPAcYM1転移ベクターの単一BamHI制限酵素部位にサブクローニン
グして、キメラVP2配列を取得した。
組換えクローンを上述のようにして調製し、プラスミドDNAミニプレパレー
ション法及び制限酵素マッピングによって分析した。挿入された抗原決定基の完
全性及びフランキング配列を再確認するために、ポジティブク
ローンの挿入配列をシークエンスした。最後に、フェノールで精製したDNAを
2倍量のエタノールで沈殿させた。こうして得られた組換えクローンをpAcY
M1/LCMV/ppv29modと名付けた。
組換えバキュロウイルスを得るために、2μgの精製転移ベクターDNA及び
500ngのAcRP231acz+親DNAの混合物を、DOTAPトランス
フェクション試薬(ベーリンガー、マンハイム)の存在下で、製造業者の使用説
明書に従って、Sf9昆虫細胞に添加した。トランスフェクションは細胞変性効
果が完了するまで続けられた。9日後、培養物を回収し、清澄化した上清を使用
して、当業界で既に公知の方法及びセドリック(Sedlik)等により記載された方
法(J.Gen.Virol.,1995,76,2361-2368)に従って、組換えバキュロウイルス
プラークを単離した。組換えクローンを、白色表現型を用いて選別した(白色プ
ラーク:組換体;青色プラーク:野生表現型)。
組換えバキュロウイルスを、それ以上青色プラークが検出されなくなるまで精
製した。組換えバキュロウイルスAcNPV.PPV−LCMVについて、高い
力価(>108)を有するストックウイルスが調製された。
AcPP29−LCMVと名付けられたクローンを、
1995年12月20日、ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル
・カルチャー(ECACC)にNo.V 95122022として寄託した。
* 組換えタンパク質の分析
組換えバキュロウイルスにより、細胞あたり1pfuの感染レベル(細胞あた
り1つのプラークを形成する単位)で、Sf9細胞を感染させ、感染後72時間
めに該細胞抽出物を収集した。
各細胞抽出物にタンパク質解離緩衝液を加え、該混合物を100℃で5分間加
熱して、SDS−9% PAGE上で分離した。
該ゲルをクマーシーブルーで染色するか、またはセミードライ装置を用いて、
20ボルトで30分間かけて、ニトロセルロース膜に移した。
該膜を、LCMV CD8+抗原決定基に結合するように意図されたマウス血
清(希釈1/1200)とともに、環境温度で2時間インキュベーションした。
洗浄後、固定された抗体を、基質として4−クロロナフトールを用いて、ペル
オキシダーゼに結合したプロテインA(希釈1/2000)で、発色するまで検
出した。次いで、膜を蒸留水で洗浄して反応を停止させた。クマ
シーブルーを用いたSDSゲルの染色後、組換えバキュロウイルスで感染させた
Sf9細胞の抽出物に、67KDの可視バンドが検出された。観察されたサイズ
は、キメラVP2−LCMVタンパク質について予想されたサイズと一致した。
特定のマウス抗血清は、感染細胞の抽出物から得られた67KDタンパク質と非
常に明白に陽性反応を示した。組換えタンパク質の細胞内の局在性を、異なる細
胞画分の免疫転移(immunotransfer)によって分析した。これから、キメラLC
MV−VP2タンパク質が可溶性の細胞質タンパク質であることが示された。
* 粒子の精製
Sf9細胞を組換えバキュロウイルスで、細胞あたり1pfuの感染レベルに
、感染させた。感染後72時間めに細胞を収集し、PBSで洗浄し、次いで25
mM重炭酸塩溶液中で4℃で浸透圧ショックにより溶解した。細胞破壊物(残骸
)を低速遠心分離によって除去した。次いで、抽出物中に含まれる粒子を20%
硫酸アンモニウムの飽和溶液中で沈殿させることにより精製した。沈殿物を15
000rpmで15分間遠心分離し、PBS中に再懸濁し、次いで同緩衝液に対
して終夜透析を行った。該粒子の実体及び性質をSDS−PAGE、免疫転
移及び電子顕微鏡により確認した。
これらの精製粒子は、免疫感作及びリンパ球の細胞毒性(CTL)の誘導に使
用した。
* マウスの免疫感作
本発明の組換えウイルス偽粒子(PPV−LCMV)を含む組成物、または空
のもの(PPV)を、アジュバント非存在下で、マウスに腹膜内投与した。21
日目に、不完全フロインドアジュバント(IFA)中の合成ペプチド118-126〔
ネオシステム(Neosystem)により供給、ストラスブルグ、フランス〕を皮下注
射したマウスを陽性コントロールとした。陰性コントロールには、LCMV抗原
決定基を発現しない偽粒子を投与した。
* 細胞毒性細胞の誘導
最後の免疫感作後7〜14日目に、免疫マウスから脾臓を採取した。25×1
06の免疫細胞を、純性同系マウスの放射線照射脾細胞25×106の存在下、栄
養培地(RPMI1640、10%ウシ胎児血清、グルタミン及び抗生物質)を
含むフラスコ中で、37℃、5%CO2にて5日間培養した。
刺激された細胞を、0.05μMの合成ペプチド118-
126又は0.5μMの合成ペプチド118-132〔いずれもネオシステム(Neosystem
)により供給、ストラスブルグ、フランス〕を用いてin vitroで感作した。
* 細胞毒性試験
エフェクターリンパ球の細胞毒性活性を5日後に測定した。P815ターゲッ
ト細胞を、栄養培地(陰性コントロール)又は合成抗原性ペプチドのいずれか用
いて、37℃で1時間プレ−インキュベーションし、同時に51Crで標識した。
次いでエフェクターリンパ球を、該標識化細胞とともに、異なるエフェクター/
ターゲット比(E/T比)で、96の丸底ウェル付プレートの栄養培地中で、3
7℃にて4〜5時間インキュベーションした。ターゲット細胞を同じ条件で、培
地と共にインキュベーションして51Crの自発的な遊離を測定し、また1N塩酸
と共にインキュベーションして51Crの最大遊離を測定した。細胞毒性リンパ球
の活性を、溶解したターゲット細胞による51Crの放出に対応する培養上清中に
存在する放射能をカウントすることによって測定した。 この計算を、図2〜5のグラフに示すように、栄養培地(P815)中でイン
キュベーションしたターゲット細胞、及び合成ペプチド(P815+p118-132
)と共にインキュベーションした細胞について行った。
結果
図2〜5の検討から分かるように、LCMVのCD8+T抗原決定基を有する
組換え偽粒子10μgを1回投与すると、殆ど100%が、言い換えれば、陽性
コントロール合成ペプチド118-126+IFAと同じほど大量に溶解した。このこ
とは、本発明の偽粒子がアジュバントの添加なしで高レベルでin vivoでCTL
応答を誘導できることを確認するものである。
この誘導は、挿入された抗原決定基に特異的であった。マウスをLCMV抗原
決定基を発現しない偽粒子を等量用いて免疫化した際に、細胞毒性T応答が得ら
れなかったからである。こうして誘導された細胞毒性T細胞は、挿入された抗原
決定基に相当するペプチドと共にインキュベーションされたP815ターゲット
細胞を特異的に溶解した。
図5は、偽粒子が注射されたマウスが28日目におけるウイルス感染に対して
保護され、また4/5のマウス
が7日目も保護されたことを示すものである。実施例2:パルボウイルス偽粒子による、B型肝炎抗原決定基に対する特異的C D4+T応答の誘導
1)材料及び方法
PPV VP2タンパクのN末端へのHBVのPreS:T抗原決定基の挿入
HBVの PreS:T抗原決定基をコードし、次の配列を有する、2つのオリゴ
ヌクレオチドを合成した:
SEQ ID No.3:SEQ ID No.4:
これらの2つのオリゴヌクレオチドは相補的であり、またpPPV30ベクタ
ーに直接クローニングできるように、末端にXhoI部位のフランキング配列を
2つ含んでいる。該オリゴヌクレオチドはアイソゲン(IS0GEN:オランダ)によ
り供給された。それらをポリヌクレオチ
ドキナーゼT4を用いてリン酸化し、70℃で15分間アニーリングし、次いで
pPPV30の存在下でXhoIで消化し、14℃で終夜ホスファターゼで処理
した。該混合物を用いて、大腸菌(株DH5)細胞を形質転換した。
コロニーをEcoRI制限酵素及びHindIII制限酵素を用いて分析し、挿
入配列の存在を確認した。抗原決定基の配列を含む組換体をシークエンシングし
て、これらの処理の間に何ら変更又は変異が起こらなかったことを確認した。
* バキュロウイルスでのPreS:T−PPV調製物を有する転移ベクターの 調製、及び組換バキュロウイルスの産生
PreS:T抗原決定基を正しい方向で含む組換えプラスミドをBamHIを用
いて消化し、修飾VP2をpAcYM1転移ベクターにサブクローニングした(
マツウラ等.,1987,J.Gen.Virol.68,1233-1250)。当該組換えクローンを前
述したようにして分析し、また挿入物の配列をシークエンシングにより確認した
。該組換えクローンをpAcYM1/PreS:T−pPPV30と名付けた。
組換えバキュロウイルスを、実施例1に記載したようにして、SF9昆虫細胞
のトランスフェクションにより取得し、高力価を有するウイルスのストックを調
製した(>108pfu/ml)。該組換えウイルスをAcPPV30−PreS:Tと
名付けた。
それを、1996年8月15日に、ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニ
マル・セル・カルチャー(ECACC)にNo.V 96081412として寄
託した。
* 組換えタンパク質の分析及び精製
Sf9細胞を組換えバキュロウイルスAcPPV30−PreS:Tに、1pf
u/cellの感染レベルで、感染させた(Smith等,1983,Mol.Cell.Biol.
,3,2156-2165)。
感染後72時間目に感染細胞を収集し、次いで、SDS存在下9%ポリアクリ
ルアミドゲル上での電気泳動及び免疫転移によって分析した。結果から、修飾さ
れた組換えVP2タンパク質の存在が示された。
キメラVP2粒子を精製するために、感染細胞を25mM重炭酸ナトリウムを
用いて溶解し、細胞破壊物(残骸)を遠心分離によって除去し、次いで粒子を含
む上清を20%硫酸アンモニウムを用いて、4℃で20分間沈
殿処理した。VP2粒子に非常に富んだペレットを遠心分離によって集め、終夜
PBSに対して透析した。精製された粒子は、使用するまで4℃で保存した。
* HBVのPreS:Tペプチドを発現する偽粒子による、該ペプチドの特異 的Tハイブリドーマの刺激
Bリンパ腫、M12C10(H-2d/q)の105細胞(図6A及びB)又はD
BA/1(H-2q)マウスの5.105放射線照射脾細胞(図6C及びD)を、
37℃で、PPV−PreS:T組換え偽粒子若しくはPPV(VP2)偽粒子の
配列120−132に相当する種々濃度のペプチドPreS:T存在下で、インキ
ュベーションした。次いで、それを用いて、PreS:Tペプチドの105特異的T
ハイブリドーマ、51E12(6A及び6C)又は52A12(6B及び6D)
を刺激した。更にそれをI−Aq分子により限定(restrict)した。24時間後
、培養上清を除いて、IL−2のCTLL依存株を与えた。3日後、CTLL細
胞の増殖をトリチウム化チミジンの取り込みによって測定した。
* HBVのPreS:Tペプチドを発現するパルボウイ ルスのウイルス偽粒子でマウスを免疫感作した後の、アジュバント非存在下での 当該ペプチドの特異的増殖応答
PPV−PreS:T組換えウイルス偽粒子10μg、1μg、0.1μg若し
くは0.01μgを皮下注射するか、またはPPV(VP2)偽粒子10μgを
皮下注射することにより、DBA/1(H−2q)マウスを免疫した。10日後
、排液処理(draining)したガングリオン細胞を、in vitroにて、種々濃度のPr
eS:Tペプチド(図7A)、又は0.5μg/mlのPPV(VP2)(図7
B)で、再刺激した。4日後、ガングリオン細胞の増殖をトリチウム化チミジン
の取り込みによって測定した。
* アジュバントの存在又は非存在下での、PPV−PreS:T組換えウイル ス偽粒子の、PreS:Tペプチドの特異的増殖応答を誘導する能力
生理食塩溶液(PBS)中若しくは完全フロインドアジュバント(CFA)を
含むエマルジョン中のPPV−PreS:T組換えウイルス偽粒子10μgを皮下
注射するか、またはCFA中のPPV(VP2)偽粒子10μgを皮下注射する
ことによって、DBA/1(H−2q)マ
ウスを免疫した。10日後、排液処理したガングリオン細胞を、in vitroにて、
種々濃度のPreS:Tペプチド(図8A)、又はPPV(VP2)(図8B)で
、再刺激した。4日後、ガングリオン細胞の増殖をトリチウム化チミジンの取り
込みによって測定した。
2)結果
HBVウイルスのPreS2領域(配列120-132に相当)に位置するCD4+TPre
S:T抗原決定基をパルボウイルスVP2タンパクに導入した。コントロールP
PV(VP2)又はPPV−PreS:T組換え偽粒子を精製した。
最初に、これらの粒子の抗原性を、in vitroで、PreS:T抗原決定基の特異
的Tハイブリドーマに対して分析した。図6から分かるように、PreS:T抗原
決定基を含むウイルス偽粒子は、これらの特異的TハイブリドーマによるIL−
2の産生を非常に強く刺激し、しかもコントロール偽粒子と較べて特有の様式で
あった。一分子あたりのPPV−PreS:Tの有効性を、ペプチドp120−1
32と比較すると、偽粒子は該ペプチドよりも100〜1000倍抗原性が高い
。
次いで、これらの粒子の免疫原性をin vivoで試験した。
これは、粒子単独を種々の用量(0.01〜10μg)用いるか(図7)、又は
粒子10μgを完全フロインドのアジュバントの存在又は非存在下で用いるか(
図8)のいずれかの方法で行った。これらの実験から、PPV−PreS:T偽粒
子の非常に強い免疫原性が示され、該偽粒子は、アジュバント非存在下で又低用
量(1μg単回注射)で、挿入された抗原決定基に対して非常に高い増殖応答を
誘導した(図7)。これらの応答は、偽粒子がそれ単独で注射された場合も、そ
れらが完全フロインドアジュバントの存在下で投与された場合と同様に強力であ
った(図8)。実施例3 数個の抗原決定基を含む偽粒子の調製
相補的配列を有する2つのオリゴヌクレオチド、SEQ ID No.5及び
SEQ ID No.6を調製した:
SEQ ID No.5(Mut1+):
SEQ ID No.6(Mut1):
各オリゴヌクレオチドの5’末端は、抗原決定基の数個のコピーを生成するよ
うに、互いに結合できる。オリゴヌクレオチドをリン酸化し、次いで混合して7
0℃で15分間加熱した。その後ウシ腸のアルカリホスファターゼで処理したp
PPV29modプラスミドに連結して、次いでXhoIで消化した。
当該ライゲーション混合物を用いて、E.coliDH5α細菌を形質転換した。組
換えクローンを制限酵素を用いて特徴づけた。1又はそれ以上のコピーが取り込
まれていること、又はMut1抗原決定基の取り込みがなかったことが、Bam
HI/HindIIIフラグメントのサイズ測定によって検出された。抗原決定基
の配列の完全性及びそれらの方向をシークエンシングによって確認した。Mut
1抗原決定基の挿入物を含む修飾VP2遺伝子をBamHIにより消化し、バキ
ュロウイルスpAcYM1転移ベクターにサブクローニングした。
組換えバキュロウイルスは、Bsu361によって線状化されたAcRP23
−lacZウイルスDNA500ng及び個々の転移ベクター2μgの、フェル
グナー等によって記載されたリポフェクチン処理(1987,Proceedings of the N
ational Academy of Sciences,USA,84,7413-7417)を用いた、コトランスフェ
クションから
取得された。
組換えウイルスを、それらのLacZ−陰性表現型によって選別し、プレート
上で精製した。次いで、各々の組換えウイルスについて、高力価を有するウイル
スストックを調製した。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 35/76 A61K 35/76
39/12 39/12
39/23 39/23
39/29 39/29
39/295 39/295
C07K 14/015 C07K 14/015
C12N 5/10 C12P 21/02 C
C12P 21/02 C12N 5/00 B
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BB
,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,GE,
HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L
K,LR,LS,LT,LV,MD,MG,MK,MN
,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,
SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,U
G,US,UZ,VN
(72)発明者 セドリック クリスティーヌ
フランス国 エフ―95100 アルジャント
ゥーイユ リュ ドュ ドクトール―ルー
ク 13
(72)発明者 サラセカ ハビエル
スペイン国 イー―28041 マドリード
サハラ 46
(72)発明者 ルクレルク クロード
フランス国 エフ―75015 パリ リュ
デュラントン 20
(72)発明者 ロ マン リシャール
フランス国 エフ―75015 パリ リュ
デ ファボリト 2
(72)発明者 ルエダ パロマ
スペイン国 イー―28011 マドリード
カレ アントニオ ウロア 1