【発明の詳細な説明】
溶媒耐性無ホルムアルデヒド熱硬化性蛍光顔料
発明の背景
現在、いくつかの異なるタイプの蛍光顔料が、可撓性ビニルを着色するために
使用される。1つのタイプは、顔料自体が溶融し、次いで溶解してビニルに染料
を放出する、熱可塑性顔料である。不運にも、このような可溶性蛍光顔料で着色
されたプラスチックは、ひどい色移動などを示し、そして、しばしば、加工中の
設備にくっつく。
可撓性ビニルを着色するための熱硬化性蛍光顔料には、トルエン−スルホンア
ミド−メラミン顔料およびベンゾグアナミン顔料が挙げられる。TSAメラミン顔
料は、溶融しないが、ビニルに加工される場合に色を移動する。ベンゾグアナミ
ン顔料は、代表的には、分散で製造される。分散技法は、バルクで顔料を効率的
に生成することを困難にする;収量は、代表的には、約30%固体である。さらに
、この顔料は、濾過し、乾燥し、そして粉状にすることが必要である。多数の工
程は、時間がかかりそして高価である。さらに、ベンゾグアナミンは、比較的高
価な原料である。
さらに、トルエン/スルホンアミド/メラミンおよびベンソグアナミン顔料の
両方とも、ホルムアルデヒドを含み、これは環境的に好ましくなく、そしてプラ
スチックが加熱される場合に放出される。
他の従来の蛍光顔料は、このような顔料がプラスチック中に溶融しそしてその
後染料がにじむ傾向のため、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒドベースの顔料
についての適切な代替物ではない。また、従来の顔料がアセトンのような溶媒に
曝露される場合、顔料は、溶解しそしてプラスチックに染料をにじませる傾向が
ある。
可撓性ビニルに染料をにじませず、ホルムアルデヒドを含まず、そして溶媒、
特にアセトンに耐性である蛍光顔料を有することが望ましい。さらに、バルク加
工において30%以上の収率を有するこのような顔料を調製し得ることが望ましい
。発明の要旨
本発明は、着色プラスチック、特に可撓性ビニルに有用であり、特にアセトン
に対して溶媒耐性である、新規の無ホルムアルデヒド熱硬化性蛍光顔料を提供す
る。さらに、この顔料はプラスチックでにじまない。この顔料は、ポリマーマト
リクスおよび蛍光染料を含む。ポリマーマトリクスは、約330より大きい、好ま
しくは約1000より大きい分子量を有する。水不溶性樹脂を含まない実施態様は、
約330より大きい、好ましくは約500より大きい分子量を有する。ポリマーマトリ
クスは、約15〜50モルパーセント、好ましくは30〜40モルパーセントのカルボキ
シレート官能オリゴマー(本明細書では「オリゴマー」ともいう);30〜80モル
パーセント、好ましくは50〜60モルパーセントの金属イオン;および0〜40モル
パーセント、好ましくは約1〜40モルパーセント、より好ましくは1〜30モルパ
ーセント、最も好ましくは約3〜10モルパーセントの水不溶性樹脂を含む。水不
溶性樹脂を使用しない実施態様では、金属が少なくとも51モルパーセント存在す
る。
オリゴマーは、約10〜約60モルパーセント、好ましくは20〜35モルパーセント
の第1のモノマー、40〜90モルパーセント、好ましくは65〜80モルパーセントの
第2のモノマーを含む。オリゴマーの重量平均分子量は、330〜2000、好ましく
は約560〜600である。
本発明はまた、蛍光顔料を製造するための新規方法に関し、この方法は本明細
書中では「バルク2工程方法」という。
発明の詳細な説明
本発明は、例えば、インクのような有機溶媒ベースのシステムに加えて、着色
プラスチック、特に可撓性プラスチックに有用である、無ホルムアルデヒド蛍光
顔料を提供する。蛍光顔料は、水ベースのシステムにあまり好ましくない。蛍光
顔料は溶媒耐性であり、すなわち、顔料は、溶解または膨張せず、そして染料は
種々の溶媒に著しくにじまず、これらの溶媒には、エステル(例えば、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)も
また、および非常に極性の溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)が挙げられる
。
したがって、顔料は、種々のコーティングおよびペイント、特にこのような溶媒
を含むものに有用である。さらに、顔料は、プラスチックで、特に可撓性プラス
チック、すなわち、可塑剤を含むプラスチックでにじまない。
好ましい実施態様では、顔料は、任意の水不溶性樹脂の存在のため、上昇した
水耐性を有する。蛍光顔料は、可撓性プラスチック、有機溶媒システム、および
インク、特にビニルインクに、特に有用である。
蛍光顔料は、インクのような製品中で安定であり、粘度の増加も色シフトもな
く、すなわち、色が同じままである。実際、蛍光顔料は、上昇した温度でさえ、
例えば、260℃以上でさえ良好な色安定性を有する。プラスチックで使用される
場合、蛍光顔料は、ほとんどまたは全くプレートアウトがないことを示し、そし
て蛍光顔料がホルムアルデヒドを含まないため、ホルムアルデヒドガスの放出が
ない。したがって、蛍光顔料は、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、およびスチレンのようなプラスチックに有用である。蛍光顔料は、250℃
未満の分解点を有する。
本発明はまた、蛍光顔料を製造する新規方法に関し、この方法は本明細書では
「バルク2工程方法」という。約2〜3倍の固体パーセント、すなわち、約60〜
80固体パーセントまでが、従来の分散技法と比較して、新規のバルク2工程方法
で達成可能である。さらに、従来の分散方法で必要な濾過工程は、バルク2工程
方法では必要ではない。
ポリマーマトリクス
ポリマーマトリクスは、以下の一般式を有する:
R-(COOH)a(COO-)bMmXo
ここで、Rは、18〜100炭素原子、好ましくは25〜50炭素原子を有し;そしてエス
テル結合またはアミド結合、または両方を含み;
aは、0〜6、好ましくは0〜2の数字であり;
bは、2〜8、好ましくは2〜4の数字であり、ここでa+bは2〜8の数字で
あり;
mは、0.5〜6、好ましくは1〜2の数字であり;
oは、0〜3、好ましくは0.5〜1の数字であり;
Mは、金属であり、
Xは、水不溶性樹脂である。
R-(COOH)a(COO-)b基は、約330〜2000、好ましくは約330〜1000、より好ましく
は約600の重量平均分子量;および約80〜1000、好ましくは約120〜400のカルボ
ン酸当量重量を有するオリゴマーである。水不溶性樹脂を含むポリマーマトリク
ス実施態様は、約330より大きい、好ましくは約1000より大きい分子量を有する
。水不溶性樹脂を含まないポリマーマトリクス実施態様は、約330より大きい、
好ましくは約500より大きい分予量を有する。
ポリマーマトリクスは、約15〜50モルパーセント、好ましくは約30〜40モルパ
ーセントのオリゴマー、約50〜80モルパーセント、好ましくは50〜60モルパーセ
ントの金属、および約0〜40モルパーセント、好ましくは約1〜40モルパーセン
ト、より好ましくは1〜30モルパーセント、最も好ましくは約3〜10モルパーセ
ントの水不溶性樹脂を含む。
オリゴマーは、約25〜約66モルパーセントの第1のモノマー、約10〜40モルパ
ーセントの第2のモノマーの重合化ユニットを含む。オリゴマーの重量平均分予
量は、約330〜2000、好ましくは約330〜1000、より好ましくは約600である。
蛍光顔料、より詳細には、オリゴマーは、アミド結合またはエステル結合、ま
たは両方を含む。アミド結合は、1つのモノマー分子のカルボン酸基と隣接する
モノマー分子のアミン基との間の縮合反応から形成される。エステル結合は、1
つのモノマー分子のカルボン酸基と隣接するモノマー分子のアルコール基との間
の縮合反応によって形成される。ある実施態様では、アミド結合は存在するがエ
ステル結合はなく;このような顔料は、「アミド」顔料である。ある実施態様で
は、エステル結合は存在するがアミド結合はなく;このような顔料は「エステル
」顔料である。顔料がエステル結合およびアミド結合の両方を含む場合、「ポリ
アミド−エステル」顔料という。モノマー
アミド結合およびエステル結合を生成するために使用されるカルボキシル基を
含むモノマーには、ジカルボン酸、多官能性カルボン酸、カルボキシル−アルコ
ール、およびカルボキシアミンが挙げられる。エステル結合を生成するために使
用されるアルコール基のソースとして使用されるモノマーには、アルカノールア
ミン、カルボキシル−アルコール、二官能性アルコール、および多官能性アルコ
ールが挙げられる。アミド結合を生成するためのアミン基のソースとして使用さ
れるモノマーには、ジアミン、多官能性アミン、カルボキシル−アミン、および
アルカノールアミンが挙げられる。本発明の顔料は、第1のモノマーである芳香
族カルボン酸、および少なくとも1つのアミン基または1つのアルコールを含む
第2のモノマーを含む。アルコールおよびアミン基に対して、モル過剰のカルボ
ン酸基またはその無水物、エステルもしくは酸クロリドは、金属イオンが複合体
化し得る残りのカルボン酸基を提供することが必要である。アルコールおよびア
ミン基に対するカルボン酸基のモル比は、1.1:1.0〜5:1、好ましくは1.2:1
.0〜4:1.0である。第1のモノマー:芳香族カルボン酸モノマー
芳香族カルボン酸モノマーは、カルボン酸またはそのエステル、無水物もしく
は酸クロリドである。本明細書で使用される場合、用語「芳香族カルボン酸モノ
マー」は、他に指示がない限り、カルボン酸だけでなく、そのエステル、無水物
、および酸クロリド誘導体を含む。芳香族カルボン酸モノマーは、少なくとも2
つのカルボン酸基を有し、そして以下の式を有する:
HOOC--R'--COOH
ここで、R'は、C1−C5アルキル基からなる群より選択される、同じまたは異なり
得る6つまでの環置換を必要に応じて有する、6〜10炭素原子の単環式または二
環式アリーレン基である。好ましくは、芳香族カルボン酸基モノマーは、8〜24
、好ましくは8〜17炭素原子を有する。芳香族カルボン酸無水物が好ましい。
代表的芳香族カルボン酸モノマーには、例えば、フタル酸、2,6-ナフタレンジ
カルボン酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ベンゾフェノン四カルボン酸二
無水物、ピロメリト酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸が挙
げられる。上記のカルボン酸のアルキルエステルも適切であり、例えば、フタル
酸ジメチルおよびテレフタル酸ジメチルが挙げられる。芳香族カルボン酸モノマ
ーの混合物もまた適切である。
第2のモノマージアミンモノマー
ジアミンモノマーは、アミン基のソースに好ましいモノマーである。ジアミン
モノマーは、以下の一般式を有する:
H2N-R"-NH2
ここで、R"は、2〜20炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキレン基、あるいは同じ
または異なり得る3つまでの環置換を必要に応じて有する5〜6炭素原子のシク
ロアルキレン基であり、このような置換基はC1−C5アルキル基からなる群より選
択される。
代表的なジアミンモノマーには、例えば、エチレンジアミン、1−アミノ-3-
アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(本明細書ではイソホロンジア
ミンともいう)、ヘキサメチレンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、2-メチル
ペンタメチレンジアミン、2-エチルテトラメチレンジアミン、1,2-ジアミノシク
ロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、シス1,4−ジアミノシクロヘキサン
、ピペラジン、およびトランス1,4−ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。イ
ソホロンジアミンおよび2-メチルペンタメチレンジアミンが好ましい。ジアミン
モノマーの混合物も適切である。ポリアミンモノマー
ポリアミンモノマーは、代表的には、ジアミンモノマーと同じ一般構造を有す
るが、少なくとも1つの追加のアミン基を含む。代表的なポリアミンモノマーに
は、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミンが挙げられ
る。ポリアミンの混合物も適切である。カルボキシル−アミンモノマー
カルボキシアミンモノマーは、少なくとも1つのアミン基および少なくとも1
つのカルボン酸基を含む。カルボキシアミンモノマーには、例えば、p-アミノ安
息香酸、およびラクタム(例えば、カプロラクタム)が挙げられる。カルボキシ
アミンモノマーの混合物も適切である。アルカノールアミンモノマー
アルカノールアミンモノマーは、以下の一般式を有する:
OH-R"'-NH2
ここで、R"'は、2〜8炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基である
。代表的なアルカノールアミンモノマーには、エタノールアミン、ブタノールア
ミン、n-プロパノールアミン、およびイソプロパノールアミンが挙げられる。二
級アミノアルコールもまた適切である;代表的な二級アルコールには、例えば、
ジエタノールアミン、およびジイソプロパノールアミンが挙げられる。モノエタ
ノールアミンおよびモノイソプロパノールアミンが好ましい。アルカノールアミ
ンモノマーの混合物もまた適切である。多官能性アルカノールアミンモノマー
多官能性アルカノールアミンモノマーは、アルカノールアミンモノマーと同じ
一般構造を有するが、アミン基またはアルコール基またはカルボン酸基のような
少なくとも1つの追加の官能基を含む。アルカノールアミンモノマーの混合物も
また適切である。二官能性アルコールモノマー
二官能性アルコールモノマーは、以下の一般式を有する:
HO-R""'-OH
ここで、R""'は、2〜20炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基;5
〜6炭素原子を有しそして同じまたは異なり得る3つまでの環置換を必要に応じ
て有するシクロアルキレン基であり、この環置換基は、1〜5炭素原子を有する
アルキル基を含む。
代表的な二官能性アルコールモノマーには、例えば、シクロヘキサンジメタノ
ール、エチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。二官能
性アルコールモノマーの混合物もまた適切である。多官能性アルコールモノマー
多官能性アルコールモノマーは、二官能性アルコールモノマーと同じ一般構造
を有するが、少なくとも1つの追加のアルコール基を含む。多官能性アルコール
モノマーの混合物もまた適切である。例示的な多価アルコールモノマーには、例
えば、グリセロール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリメチロ
ールプロパン、Celaneseから入手可能なペンタエリトリトール、およびジペンタ
エリトリトールが挙げられる。カルボキシル−アルコールモノマー
カルボキシルアルコールモノマーは、以下の一般式を有する:
HO-R"""-COOH
ここで、R"""2〜20炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基;5〜6
炭素原子を有しそして同じまたは異なり得る3つまでの環置換を必要に応じて有
するシクロアルキレン基であり、この環置換基は、1〜5炭素原子を有するアル
キル基を含む。
カルボキシル−アルコールモノマーは、少なくとも1つのカルボキシル基およ
び少なくとも1つのアルコールを含む。カルボキシル−アルコールモノマーには
、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸、2-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸、およびサ
リチル酸、およびカプロラクトンが挙げられる。任意のモノマー
必要に応じて、オリゴマーは、ジカルボン酸モノマーの重合化ユニットを含み
、このジカルボン酸モノマーは、ジカルボン酸またはそのエステルもしくは無水
物もしくは酸クロリド誘導体;または多官能性カルボン酸またはそのエステルも
しくは無水物もしくは酸クロリド誘導体である。ジカルボン酸モノマーは、以下
の一般式を有する:
HOOC--R""--COOH
ここで、R""は、0〜20炭素原子を有する非芳香族直鎖または分枝鎖アルキレン
基;5〜6炭素原子を有しそして同じまたは異なり得る3つまでの環置換を必要
に応じて有するシクロアルキレン基であり、この環置換基は、C1〜C5アルキル基
からなる群より選択される。
代表的なジカルボン酸モノマーまたはエステルもしくは無水物誘導体には、例
えば、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸
、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マレイン酸、無水マレイン酸、シ
ュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチルが挙げられる。ジカルボン酸モノマーの混合
物もまた適切である。
多官能性カルボン酸モノマーは、ジカルボン酸モノマーと同じ一般構造を有す
るが、少なくとも1つの追加のカルボン酸基を含む。カルボン酸モノマーの混合
物もまた適切である。
オリゴマーは、特にオリゴマーがバルク2工程方法によって製造される場合、
必要に応じて、脂肪族または芳香族イソシアナートモノマーまたはその混合物の
重合化ユニットを含む。イソシアナートモノマーは、アルコール基と反応する場
合にはウレタン結合を形成し、そしてオリゴマー上のアミン基と反応する場合に
は尿素結合を形成する。適切なイソシアナートには、例えば、トルエン2,4-ジイ
ソシアナート、トルエン2,6-ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、
およびメチレンビス(フェニルイソシアナート)が挙げられる。
オリゴマーは、必要に応じて、脂肪族単官能性カルボン酸または芳香族単官能
性カルボン酸モノマー、あるいはそれらの酸クロリド、エステル、または無水物
(例えば、安息香酸、およびステアリン酸)の重合化ユニットを含む。金属
ポリマーマトリクスはまた、ポリマーマトリクスを形成するためにオリゴマー
上の残りのカルボン酸の少なくともいくつかに複合体化する金属イオンを含む。
二価金属が最も好ましいが、三価金属も適切である。一価金属イオンもまた適
切である;しかし、一価金属イオンは、低下した水耐性を有する蛍光顔料を生成
しそして最も好ましくない。マグネシウムおよび亜鉛イオンが最も好ましい。
金属イオンをオリゴマーに複合体化するために、マトリクスの調製中に、金属
塩が添加される。不安定なカウンターイオンを含む金属塩(例えば、酸化物、水
酸化物、ギ酸塩、酢酸塩、またはプロピオン酸塩)が好ましい;酸化物および水
酸化物は好ましいカウンターイオンである。
適切な金属塩には、例えば、I族水酸化物、I族酢酸塩、I族プロピオン酸塩
、II族酸化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、遷移金属酸化物、水酸化物、酢酸塩、
お
よびプロピオン酸塩、III族水酸化物が挙げられる。好ましい酸化物は、II族酸
化物である。好ましい金属塩は、亜鉛およびマグネシウム塩であり、最も好まし
くは酸化亜鉛および酸化マグネシウムである。
他の適切な塩には、例えば、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酢酸マグネシウム
、プロピオン酸マグネシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸
カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウム、酢酸
ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムが挙げられる。用いられる金属の量は、オ
リゴマー上の遊離カルボン酸基の量に依存する。金属イオンが2つの原子価を有
しそして3つのカルボキシレート基の平均がオリゴマーに存在する場合、1オリ
ゴマー当たり1.5金属イオンが蛍光顔料に用いられることが好ましい。オリゴマ
ーを形成するためにオリゴマーに添加される金属塩のモル数は、以下の式に由来
する数の50〜200%、好ましくは75〜100%である:
NM=(Ec−Ea−Eo+Ei)/nm
ここで、NMは、金属塩のモル数であり;
Ecは、カルボン酸の当量数であり;
Eaは、アミンの当量数であり;
Eoは、アルコールの当量数であり;
Eiは、イソシアナートの当量数であり;
nmは、金属イオンの酸化状態である。水不溶性樹脂
任意の水不溶性樹脂は、約200〜10,000、好ましくは約5000、より好ましくは
約350〜1200の重量平均分子量を有する無極性樹脂である。水不溶性樹脂は、好
ましくはハロゲン化され、好ましくは塩素化または臭素化され、そして好ましく
は少なくとも2つの官能基、エポキシ基またはカルボキシル基のいずれかあるい
はそれらの混合物を有する。水不溶性樹脂上の官能基は、オリゴマーの官能基の
いずれかおよび/またはポリマーマトリクスの金属イオンと反応する。水不溶性
樹脂は、好ましくは、2つより多くの官能基を有し、100℃未満の融点を有する
。水不溶性樹脂は、ポリマーマトリクスの金属イオンとイオン結合を形成する。
水
不溶性樹脂はまた、水不溶性樹脂上の官能基の、オリゴマー上のカルボン酸基ま
たはその無水物への縮合によって、オリゴマーと反応すると考えられる。水不溶
性樹脂は、顔料の水耐性を増大する。水不溶性樹脂が蛍光顔料のポリマーマトリ
クスに存在しない場合、顔料はビニルを着色するためになお適切であるが、顔料
は水を吸収する傾向がある。好ましい水不溶性樹脂には、カルボン酸樹脂および
エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールAベースのエポキシおよびエポキシノボ
ラック)が挙げられる。
カルボン酸水不溶性樹脂は、約600〜10,000、好ましくは約1,000〜4,000の分
子量、および約100〜300の酸価を有する。適切なカルボン酸水不溶性樹脂には、
例えば、約100〜300、好ましくは約200〜300の酸価を有する、アクリル樹脂、ス
チレン化アクリル樹脂、およびスチレン−マレイン酸樹脂が挙げられる。好まし
くは、約800〜1,500の分子量および約150〜300、好ましくは220〜300の酸価を有
するポリエステル樹脂もまた適切である。
好ましくは、エポキシ官能基を含む水不溶性樹脂は、約200〜約8000、より好
ましくは約400〜約1000の数平均分子量、および約75〜約1000、より好ましくは
約190〜約450のエポキシ当量、および約1〜約6、より好ましくは約2〜約4の
平均エポキシ官能性を有する。
好ましくは、エポキシ官能基を含む水不溶性樹脂は、約200〜約8000、より好
ましくは約400〜約1000の数平均分子量、および約75〜約1000、より好ましくは
約190〜約450のエポキシ当量、および約1〜約6、より好ましくは約2〜約4の
平均エポキシ官能性を有する。
好ましい水不溶性樹脂は、約640の数平均分子量、176〜181のエポキシ当量、3
.6の平均エポキシ官能性を有するエポキシノボラック樹脂である。他の好ましい
水不溶性樹脂は、約1270の数平均分子量、235のエポキシ当量、4.4の平均エポキ
シ官能性を有するエポキシノボラック樹脂である。
水不溶性樹脂が用いられる場合、好ましくは、従来のエポキシ硬化促進剤(例
えば、N,N-ジメチルオクチルアミン)が、ポリマーマトリクスを調製するために
使用される。
蛍光顔料がバルク2工程方法によって調製される場合、オリゴマー水溶液中に
分散可能である水不溶性樹脂が選択される。水不溶性樹脂は、懸濁方法に従って
製造された顔料についてあまり好ましくない。蛍光染料
本発明の組成物に使用される蛍光染料は、従来の染料であり、そして、例えば
、溶液中にある場合に鮮明な蛍光である蛍光有機染料が含まれる。これらの昼光
蛍光タイプ染料は、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、ナフタルイミド、
ベンゾキサンテン、アクリジン、およびアゾとして公知の染料ファミリーに属す
る。適切な蛍光染料には、例えば、Basic Yellow 40、Basic Red l,Basic Viol
et ll,Basic Violet 10、Basic Violet 16、Acid Yellow 73、Acid Yeloow 184
、Acid Red 50、Acid Red 52、Solvent Yellow 44、Solvent Yellow 131が挙げ
られる。蛍光染料は、顔料の総重量の約0.05〜約15%、好ましくは約0.5〜10%
を含む。1つ以上の蛍光染料が、蛍光顔料に存在する。
顔料の調製 懸濁方法
第1のモノマーおよび第2のモノマーのプレポリマー分散液が、水性分散物中
でモノマーを反応させる工程、過剰のアミンまたは水酸化物を含む2相システム
を形成する工程によって形成される;代表的には、これは、水中に分散されたポ
リウレタンまたはポリ尿素を形成するためにジイソシアナートを使用して達成さ
れる。次いで、分散液は、無水物および金属酸化物で硬化される。得られた顔料
分散物は水不溶性である。顔料は、水から濾過され、オーブン乾燥し、そして所
望の粒子サイズの粉にして、凝塊反応を粉砕する。ビニルでの使用に好ましい顔
料粒子サイズは、20ミクロン未満、好ましくは1〜5ミクロンの平均サイズであ
る。この方法の有利点は、粒子が分散中に形成され、そして機械的粉砕方法によ
るよりも、より高い架橋密度を有するより小さな中央粒子サイズが達成され得る
ことである。新規バルク2工程方法
バルク方法は、好ましくは70〜130℃で、より好ましくは90〜110℃の温度で、
好ましくは約30〜90%固体で、第1のモノマーおよび第2のモノマーを水と合わ
せることによって、水性溶液中でオリゴマーを最初に形成する工程を包含する新
規方法である。モノマーは、発熱が静まるのに十分な時間、好ましくは約10分未
満反応させる。あるいは、予め製造したオリゴマーが、水に添加され、そして全
体にわたり混合する。次いで、アミンモノマーを使用しない場合、第1および第
2のモノマーは、エステル化を行うのに十分な時間、好ましくは約15〜90分、好
ましくは約110〜200℃で反応させる。
次に、金属塩が添加され、そして必要に応じて、水不溶性樹脂が添加されそし
て水溶液に分散される。蛍光染料は、いつでも添加され得、モノマーがアミンを
含む場合以外は、オリゴマーが形成された後に染料が添加されることが好ましい
。好ましくは、水不溶性樹脂は、100℃未満の融点を有する。水不溶性樹脂の水
溶解性は、必要に応じて、pHの調節または共溶媒の添加によって増大される。染
色されたプレポリマー溶液−分散物混合物は、固体よりも液体であるという有利
点を有しそして容易に取り扱われる;従来の技法は、固体化されそして容器から
の除去が困難である顔料を生じる。次いで、染色されたプレポリマー溶液−分散
物混合物は、好ましくは、表面領域を空気に曝露するために、硬化される前にフ
ィルムにキャストされる。次いで、染色されたプレポリマー溶液−分散物混合物
は、水を追出すのに十分な温度および時間で、好ましくは外側の容器中で硬化す
る。好ましくは、硬化は、好ましくは約100〜約250℃、より好ましくは100〜約1
50℃の温度で、および約3〜約150分、より好ましくは約3〜約10分で完了され
る。
硬化は、反応から水を除去し、そして使用される場合、水不溶性樹脂をオリゴ
マーに結合させる。好ましくは、硬化は、水が押し出されて好ましくは1%未満
が残るまで、従来の硬化技法(例えば、強制空気オーブン加熱、マイクロ波加熱
、高周波乾燥、または赤外加熱)によって完了される。好ましくは、硬化は、16
0℃での従来のオーブンで;「1OO%」パワーでの100ワット量のマイクロ波オー
ブンで;または8MHzでの高周波乾燥ユニットで、完了される。得られた顔料は
、所望の粒子サイズに粉砕される。バルク2工程方法は、本発明の蛍光顔料の製
造の好ましい方法であり、そして他の顔料を製造するためにも有用である。
実施例
以下の実施例は例示的であり、そして、本発明の範囲を限定することを意図し
ない。バルク2工程方法によって製造される顔料 実施例1
撹拌機および熱源を装着した反応容器に、202gの無水トリメリト酸および100g
の水を充填した。次に、51gの酸化亜鉛を、別の容器の89gのイソホロンジアミン
中に分散し、そして無水トリメリト酸/水混合物にゆっくり添加した。バッチの
温度を、100℃までゆっくり上昇させ、そしてバッチは還流し始めた。次いで、
9gのBasic Yellow 40、0.45gのBasic Violet 11、および1.5gのBasic Red 1を、
撹拌の持続下でバッチに添加した。5分後、バッチをからにし、そして対流オー
ブン中で180℃にて硬化し、次いでHegmanゲージで5grindに粉砕した。得られた
顔料は橙色であり、290℃以上の融点を有した。実施例2
実施例1におけるように装着した反応容器に、192gの無水トリメリト酸および
100gの水に、68gのピペラジンを添加した。反応が静まった後、40gの酸化マグネ
シウムを容器にゆっくり添加した。添加中に、強い還流を観察した。4gのBasic
Yellow 40をバッチに添加した。バッチをからにし、そして170℃にて1時間オー
ブンで硬化した。得られた顔料は黄色であった。実施例3
材料を140℃以上の温度で480gのジイソオクチルフタレートに熱プレ樹脂を熱
撹拌しながら注ぐことによってゆっくり硬化した以外は、樹脂を実施例1のよう
に調製した。次いで、得られた分散物を、湿製粉して、約5ミクロンの平均粒子
サイズを有する約40%顔料固体を含む分散物を得た。実施例4
80gの水、69.1gのトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、69.1gのイ
ソホロンジアミン、12.6gの酸化マグネシウム、および25.2gの酸化亜鉛を、実施
例1におけるように装着した反応器に充填した。156gの無水フタル酸を、10分間
にわたって反応物に添加した。反応温度を100℃まで上昇させた。次いで、11.9g
のAcid Yellow 184、0.66gのBasic Red 1、および0.26gのBasic Violet 10を
、溶液に添加した。次いで、この溶液を、170℃にて1時間硬化した。得られた
顔料は橙色であった。実施例5
撹拌機を装着した反応容器に、58.4gのイソホロンジアミンおよび50gの水を添
加した。撹拌下、20.6gのイソホロンジイソシアナートを、35℃にて10分かけて
添加した。発熱が静まった後、10gの酸化マグネシウムを反応物に添加した。74g
の無水フタル酸を添加し、そして反応を、還流するまで発熱させた。1.OgのBasi
c Violet 10を、最終的に反応物に添加した。この溶液を、185℃にて1時間オ
ーブン硬化して、桃色顔料を生じた。懸濁方法によって製造した顔料 実施例6
撹拌機および熱源を装着した反応容器に、180gの水および22gの2-メチル-1,5-
ジアミノペンタン(Dytek Aから)を充填した。別の容器に、27.5gのイソホロン-
ジイソシアナートおよび0.75gのBasic Violet 10を混合した。イソホロン−ジイ
ソシアナートBasic Violet 10混合物を、30℃にて10分間かけてアミン水溶液に
添加した。次いで、1.Ogのトリエチルアミンを反応物に添加した。5.Ogの酸化マ
グネシウムおよび18.5gの無水フタル酸を容器に添加した。反応は、47℃まで発
熱し、顔料分散物を形成した。次いで、容器を煮沸するまで加熱し、反応を完了
させた。顔料を濾過し、そして水およびアセトンで洗浄して、桃色顔料を生じた
。バルク2工程方法によって製造した顔料 実施例7
42.5gのイソホロンジアミン、17gのペンタエリトリトール、37.4gの酸化亜鉛
、10.4gの酸化マグネシウム、および60gの水を、熱源および撹拌機を装着した反
応容器に充填した。次いで、74gの無水フタル酸および96gの無水トリメリト酸を
添加し、そして反応を還流するまで発熱させた。次いで、4.75gのBasic Yellow
40、1.0gのBasic Red 1、および0.53gのBasic Violet 11を添加し、そして反応
物を600ワット量の回転マイクロ波で8分間硬化して、290℃未満で溶融しない橙
色顔
料を得た。実施例8
実施例7でのように顔料を調製したが、ペンタエリトリトールを使用せず、そ
して85gのイソホロンジアミンを使用した。実施例9
実施例7でのように顔料を調製したが、ペンタエリトリトールを省いて、43.5
gのトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸を使用した。実施例10
実施例9でのように顔料を調製したが、32gの水不溶性樹脂、すなわち約1270
の数平均分子量、235のエポキシ当量、4.4の平均エポキシ官能性を有するエポキ
シノボラック樹脂を、最初の充填中に添加した。実施例11
実施例10でのように顔料を調製したが、エポキシノボラック樹脂を省き、そし
て32gの水不溶性樹脂、すなわち約640の数平均分子量、176〜181のエポキシ当量
、3.6の平均エポキシ官能性を有するエポキシノボラック樹脂、および0.6gのエ
ポキシ硬化促進剤を添加した。得られた顔料は橙色であった。実施例11A
4.25gのBasic Yellow 40染料を添加し、そしてBasic Red 1、およびBasic Vio
let 11を省いたこと以外は、実施例11でのように顔料を調製し、黄色顔料を得た
。実施例12
2.5gのBasic Red 1および3.OgのBasic Violet 11を使用し、そしてBasic Yelo
ow 40を省いたこと以外は、実施例11でのように顔料を調製した。実施例13
200gのメタノールおよび192gの無水トリメリト酸を、熱源および撹拌機を装着
した反応器に添加した。無水トリメリト酸が溶解するまで、混合物を、15分間50
℃まで加熱した。85gのイソホロンジアミンを反応物にゆっくり添加し、そして5
5gの酢酸亜鉛を反応物に添加した。5.24gのBasic Yellow 40.l.90gのBasic Vio
let 11および2.5gのBasic Red 1を、反応物に添加した。次いで、溶液を160℃で
2時間オーブン中で加熱した。得られた顔料は橙色であった。実施例14
40gのシクロヘキサンジメタノールを、43.5gの無水フタル酸および78.6gの無
水トリメリト酸と反応させた。反応物を140℃まで加熱し、そして30分間その温
度で保持した。次いで、この混合物を、60gの水および38.4gのイソホロンジアミ
ンを含む溶液の添加によって90℃まで冷却した。反応器に、28gの酸化亜鉛、6.0
gの酸化マグネシウム、3.Ogのbasic red 1、2.Ogのbasic violet 11,および80
gの水を添加した。次いで、0.2モル当量のハロゲン化エポキシ樹脂および1.Ogの
三級アミン硬化促進剤を添加した。得られた溶液をマイクロ波オーブンで硬化し
た。得られた乾燥した顔料は桃色であった。実施例15
40gのシクロヘキサンジメタノールを、74gの無水フタル酸および96gの無水ト
リメリト酸と、140℃にて30分間反応させた。反応物を80gの水および42.5gのイ
ソホロンジアミンを含む溶液の添加によって90℃まで冷却した。次いで、37.4g
の酸化亜鉛、10.4gの酸化マグネシウム、3.5gのbasic red 1、および2.5gのbasi
c violet 11を、80gの水を含む反応器に添加した。次いで、0.2モル当量のハロ
ゲン化エポキシ樹脂および1.Ogの三級アミン硬化促進剤を添加した。得られた溶
液をマイクロ波オーブンで硬化した。得られた乾燥した顔料は桃色であった。実施例16
34gのペンタエリトリトールを、148gの無水フタル酸と120℃にて30分間反応さ
せた。80gの水中に10gの酸化マグネシウムおよび20gの酸化亜鉛を含む溶液を、
反応器に添加した。4.Ogのbasic yellow 40、1.Ogのbasic red 1、および0.4gの
basic violet 11を使用して、樹脂を染色した。次いで、0.15モル当量のハロゲ
ン化エポキシ樹脂および1.Ogの三級アミン硬化促進剤を添加した。得られた溶液
を、マイクロ波オーブンで硬化した。得られた乾燥した顔料は橙色であった。
顔料の評価
実施例1〜13の顔料を、アセトンに対する耐性について評価した。顔料の10%
アセトン分散液を作成し、室温にて10分間放置し、次いで1滴のテスト試料を1
枚の濾紙に置き、そして分離した液体を、蛍光染料の存在についてブラックライ
ト下で検査した。結果を表Iに示す。
実施例比11、11A、および12の顔料は、キシレン、イソプロピルアルコール、
メチルエチルケトン、ミネラルスピリット、酢酸エチル、ジアセトンアルコール
、および50%キシレンと50%メチルエチルケトンとの混合物においても評価した
。1gの顔料を10mlの溶媒に添加し、そして1OO°Fにて30分間または25℃にて7
日間のいずれかで放置した。結果を表Iに示す。
実施例11および13の顔料を、ジメチルホルムアミドに対する耐性について評価
した。顔料を、室温にてジメチルホルムアミドと合わせ、そして10分後に視覚に
よって検査した。結果を表Iに示す。
実施例1〜14の顔料を使用してポリ塩化ビニルフィルムを着色した。2.8gの蛍
光顔料を、100gのポリ塩化ビニルと合わせ、そして340°Fの前ロール温度および
270°Fの後ロール温度にて2ロールミルで約5分間加工し、プラスチックフィル
ムを形成した。約15gの最初の試料をミルから剪断したが、残りのプラスチック
はミルに残ったままであった。次いで、試料を、400°Fにて10秒間、7800psiで
2枚のステンレススチールプレート間で圧縮して、平らな均一のフィルムを得た
。次いで、フィルムをプレスから取り出し、そして冷却した。実施例1、4〜12
、および14〜15の顔料で着色したポリ塩化ビニルフィルムを、にじみについて検
査した;顔料ポリ塩化ビニルの見本を、白色ポリ塩化ビニルフィルム間にはさみ
、次いで3枚のフィルム層をガラスプレート間にはさみ、709.3g重量サンドイッ
チで50℃オーブンにて48時間放置した。試料を北向きの昼光下で見て、色移動に
ついて検査した。結果を表Iに要約する。
表I
実施例1〜14の樹脂の特性の要約
NT- テストせず
a- 水またはアセトンでのにじみに対する耐性
1- 染料にじみなし
2- 染料のにじみ
3- 粒子集合
4- 粒子溶解
表Iからわかり得るように、実施例1〜16の顔料はアセトンに対して耐性であ
る。アセトン耐性は、顔料が別々の粒子を維持するがアセトン中に染料が浸出し
ない能力である。実施例1〜16の顔料は、染料をにじませず、集合または溶解も
しない。実施例1〜16の顔料はまた、従来の顔料よりも性能が優れている。例え
ば、GT-14顔料は、従来のホルムアルデヒドベースの顔料であるが、アセトンに
おいて2の評点を有する。水でのにじみに対する耐性は、実施例1〜15の顔料の
中で変化した。したがって、顔料は、水をほとんどまたは全く有さない有機溶媒
系における使用、およびプラスチックにおける使用に好ましい。30分の期間の後
、キシレン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、ミネラルスピリッ
ト、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、および50%キシレンと50%メチルエチ
ルケトンとの混合物ではにじみは観察されなかった。7日後でさえ、白色スピリ
ット、キシレン、または酢酸エチルではにじみがなかった。7日後、他の溶媒で
は非常にわずかなにじみがあったが、従来のホルムアルデヒド顔料より少なかっ
た。
実施例11、11a、12の顔料もまた、高い顔料濃度でポリ塩化ビニルに添加した
;20部の顔料を、52部のポリ塩化ビニル、3部の可塑剤であるジオクチルフタレ
ート、および2部の安定化剤と合わせた。乾燥ブレンドを、175℃にて60分間2
ロールミルで加工して、着色したポリ塩化ビニルフィルムまたはホイルを形成し
た。プラスチックは、加工中にロールにくっつかなかった。顔料は、60分サイク
ルの間、色を変化せずまたは分解しなかった。次いで、上で得られた「ホイル」
を、白色ポリ塩化ビニルホイルで覆い、200°Fの開始温度で10,000psiにてプレ
スで圧縮した。プレスを、25℃まで一晩冷却した。最少のにじみがあった;従来
のホルムアルデヒド顔料で生じるよりも顕著に少なかった。
実施例12の顔料を、射出成形中のプレートアウトについて評価した。顔料を、
1%の顔料濃度まで高密度ポリエチレンと合わせた。次に、3000gの着色したHDP
E試料を、450°Fで実行する射出成形にかけた。鋳型の内部で明らかなプレート
アウトはなかった。
実施例1および13の顔料の3gを、97gのビニルプラスチゾル処方物と合わせ、
Chromecoatをコートしたストック紙上で約6ミルの厚さまで引き下ろし、次いで
180℃にて硬化してビニルフィルムを得た。顔料を、chromocoat表面上の染料の
にじみについて検査した。どの試料もにじみを示さなかった。
実施例1および4〜12の顔料もまた、ポリ塩化ビニルでの着色および熱安定性
について評価した。実施例1および4〜12の顔料で着色したポリ塩化ビニルフィ
ルムの試料を、透明な可塑化ビニルである粉末化Pantasote Kohinor 2478と合わ
せ、175〜180℃にてミルで加工して、着色したフィルムを形成し、そして種々の
時間で集めた。試料を、ミルから出てきたフィルム、およびその15分、30分、お
よび45分後のフィルムとして集めた。これらの試料は、180°Fの温度でミルに残
ったままであった。試料を、最初に集めた試料と比較し、そして昼光の北向きの
照明下で見た。15および30分に集めた試料では色消失はなく、そして45分に集め
た試料では5%未満の色消失があった。これは、顔料が熱への長期の曝露に対し
て安定であったことを示す。
顔料11Aおよび12で着色したフィルムのポリ塩化ビニルフィルム試料もまた、
退色試験器に入れ、そして16時間で検査した。顔料で着色したフィルムは、約60
%の着色を保持した。
ブローピンプレートアウトテストを、実施例11からの顔料で行った。最初に、
着色濃縮物を、25%顔料と75%MN-718 LDPE(Quantum Chemicalから)との乾燥
混合物を375°FにてKi11lon Lab押出機を通して押し出すことによって製造した
。押し出した濃縮物を、ペレットに切り取った。次いで、着色濃縮物を、8%の
濃度でQuantum ChemicalからのLC-73202 HDPEと合わせた。樹脂および濃縮物の
合 計20 lbs.を、450°Fで成形した。従来の顔料のプレートアウト値を、比較の
ために提示する。結果を表11に示す。
表II
ブローピンプレートアウト結果
実施例11の顔料は、ホルムアルデヒドを含まない比較の従来の顔料と比較して
ブロー成形適用で低いプレートアウトを示す。実際に、実施例11の顔料について
のプレートアウト値は、顔料になっていないプラスチックについてのプレートア
ウト値に類似している。従来のホルムアルデヒドベースの熱硬化性顔料は、従来
の非ホルムアルデヒド顔料よりも低いプレートアウトを示すが、特に40F以上の
温度でホルムアルデヒドをガス放出する傾向がある。したがって、本発明の顔料
は、ホルムアルデヒド顔料に代表的であるがホルムアルデヒドのガス放出のない
低いプレートアウト値を示す。
蛍光ビニルスクリーンインクを、40.30部の実施例11の顔料と、酢酸グリコー
ルエーテルに可溶化されたポリ塩化ビニルの54部の透明なインクベースとを合わ
せることによって調製した。次いで、インクを、50℃にて1週間オーブン中に置
いた。実施例11の顔料を含むインクのコントロール試料を、周囲温度で放置した
。比較のために、従来の熱硬化性蛍光顔料もまた、1週間オーブン中に置いた。
実施例11のインクは、従来の顔料と比較して強い明確な着色を有した。粘度を、
最初および1週間の期間の最後に測定した。実施例11の顔料を含むインクの試料
および従来のインクもまた、122°Fにて1週間オーブン中に置いた。
最初に、実施例11の顔料を含むインクおよび従来の熱硬化性インクの両方とも
、3500cpsの粘度を有した。しかし、50℃オーブンでの1週間の最後に、実施例1
1の顔料を含むインクは、3000cpsの粘度を有した。反対に、従来のインクは、粘
度の407%増加である14250cpsの粘度を有し、これはインクを使用できなくした
。施例11の顔料を含むインクは、炭素アークランプへの5時間の曝露後、従来の
顔料よりも実質的に低い耐光性であった。50℃オーブンでの1週間後、実施例11
の顔料を含むインクは、周囲温度で残されたままのインクと比較して、黄色の方
への色のほんのわずかな移動を示した。反対に、1週間50℃まで加熱された従来
のインクは、周囲温度で残されたままの従来のインクと比較した場合、黄色への
実質的な移動を示した。122°Fにて1週間加熱した実施例11の顔料を含むインク
は安定であり、そしてほんのわずかな柔軟な沈降を示した。反対に、従来のイン
クは、バッチ全体を通して小さな塊を有し、これは顔料粒子の膨潤を示した。
一方、本明細書に開示された顔料は、硬質ビニル、可撓性ビニル、A型および
C型グラビアインク、他のプラスチック、特に射出およびブロー成形されるプラ
スチック(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリエチレンテレフタレート、およびポリカーボネートを含む);溶媒ベースの
塗料およびコーティングを、着色およびコートするために有用である。
本発明の1つの実施態様が示されそして記載されているが、種々の適用および
改変は、添付の請求の範囲に定義されるような本発明の範囲から逸脱することな
く行われ得る。
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フロントページの続き
(72)発明者 ディピエトロ,トーマス シー.
アメリカ合衆国 オハイオ 44256,メデ
ィナ,ウォター サイド ドライブ 26