JP2000504585A - 10a1レトロウィルスパッケージング細胞及びその使用 - Google Patents

10a1レトロウィルスパッケージング細胞及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 レトロウィルスパッケージング細胞は、標的細胞上のGlvr−1又は Ram−1レトロウィルス受容体に結合することができる複製−欠損レトロウィルスベクター粒子を生成し、そして遺伝子療法のために有用である。前記パッケージング細胞は、10A1レトロウィルスenv タンパク質をコードするベクターを使用し、そして前記レトロウィルス粒子を高い力価で生成する。

Description

【発明の詳細な説明】 10A1レトロウィルスパッケージング細胞及びその使用 発明の背景 レトロウィルスベクターは、多くの動物種からの種々の細胞型への遺伝子の移 行を促進する。レトロウィルスベクターは、他の方法によりトランスフェクショ ンすることが困難である細胞中に遺伝子を効果的に移行させるそれらの能力のた めに、ヒト体細胞中への遺伝子の移行のために使用される主要ビークルの1つで ある。 レトロウィルス介在遺伝子移行を実施するための成分の生成における決定的な 要素は、移行されるべき遺伝子を担持するレトロウィルス粒子を生成する細胞で ある。それらの細胞は、それらが供給ビークル、すなわちレトロウィルス粒子中 に注目の遺伝子を担持するレトロウィルスベクターを“パッケージ”するので、 “パッケージング細胞”と呼ばれる。パッケージング細胞系は、高い力価の感染 性ウィルスのアセンブリーのために必要とされるすべてのレトロウィルスタンパ ク質を合成するよう企画されているが、しかしいかなる複製−コンピテントウィ ルスをも生成すべきではない。従って、レトロウィルスベクターは、そのレトロ ウィルスゲノムの末端で存在するシグナルを両端に有する移行のために意図され たDNA 配列を含んで成り、そしてパッケージング細胞はレトロウィルスタンパク 質のすべてを生成し、そしてビリオン中へのレトロウィルスRNA の“パッケージ ング”を促進するよう企画されている。従って、パッケージング細胞を用いるこ とによって生成されるレトロウィルスベクターは、細胞を感染することができる が、しかしさらに複製をすることはできない。 レトロウィルスパッケージング細胞は、種々の遺伝子移行用途のための有用な 手段を提供する。しかしながら、利用できるパッケージング細胞系を用いること によって、すべての細胞型が効果的に感染され得るわけではない。レトロウィル ス粒子により感染できる細胞の範囲は、ウィルスのエンベロープタンパク質、及 び標的細胞の表面上でのこのタンパク質のための適切な受容体の存在により主に 決定される。たとえば、ヒト細胞を感染するウィルスは、細胞侵入のためへの異 なった受容体の使用に基づいて8つのグループに分けられ得る。 最近の改良点は、拡大された宿主範囲のための水疱性口内炎ウィルスGタンパ ク質のコートを有するベクター(Burnsなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 90 :8033-8037(1993);Lin など.,Science 265:666-669(1994));ヒト血清 に対して耐性であるベクター(Cossetなど.,(1995));及び新しい細胞表面 タンパク質を標的とするベクター(Kasaharaなど.,Science 1373-1376(1994) ;Somia など.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 92:7570-7574(1995))を生成 するためのパッケージング細胞の企画を包含する。しかしながら、存在するレト ロウィルスベクターを用いてトランスダクションされ得る細胞型の効率及び範囲 を高めるための改良のための余地がまだ存在する。たとえば、ヒトにおける遺伝 的及び後天性疾病の処置は、造血幹細胞中に遺伝子を移行する能力により非常に 促進されるが、しかし、大きな動物におけるそれらの細胞のトランスダクション は不良のままである。 両向性(amphotropic) レトロウィルス(多くの種からの細胞を感染することが できるレトロウィルスを生成するパッケージング細胞が、過去10年間にわたって 開発されており、そしてそれらのベクターがトランスダクションすることができ る、ヒトを包含する異なっ た種からの広範囲の細胞型のためにまだ一般的に使用されている(Coneなど.,P roc .Natl.Acad.Sci.USA 81:6349-6353(1984);Millerなど.,Mol .Cell .Biol .6:2895-2902(1986);Millerなど.,Mol .Cell.Biol.5:431-437 (1985);及びSorgeなど.,Mol .Cell.Biol.4:1730-1737(1984))。より最 近には、細胞侵入のために異なった受容体を使用し、そして両向性ベクターが行 なう (Bauerなど.,Blood 86:2379-2387(1995);Bayleなど.,Hum .Gene.Th er .4:161-170;Bunnellなど.,Proc .Natl. Acad.Sci.USA 92:7739-7743 (1995);von Kalleなど.,Blood 84:2890-2897)よりも早い速度で骨髄性、リ ンパ系、及び気道上皮細胞をトランスダクションすることができるベクターを生 成するテナガザル白血病ウィルス(GALV)(Millerなど.,J .Virol 65:2220-2 224(1991))に基づいて、パッケージング細胞が開発されて来た。 GALV及び両向性レトロウィルス受容体は、広範囲ではあるが、しかし異なった パターンの組織特異的発現を示す関連するり酸輸送タンパク質である(Kavanaug h など.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 91:7071-7075(1994))。GALV受容体G lvr−1(Pit−1)は骨髄において最も高く発現され、そして両向性受容体 Ram −1(Pit−2)は心臓において最も高く発現される。10A1ネズミ白血病ウィル スは、細胞侵入のためにネズミもしくはヒトGlvr−1又はラットもしくはヒト R am-1のいづれかを使用することができる(Millerなど.,J .Virol. 68:8270-8 276(1994))。 当業界において必要とされるものは、現在入手できるウィルスパッケージング システムよりも利点を提供し、そして広範囲の種類の遺伝子移行用途において有 用であるレトロウィルスパッケージングシステムである。非常に驚くべきことに は、本発明は、この及び他 の関連する必要性を満たす。 発明の要約 1つの観点において、本発明は、複製一欠損レトロウィルスベクター粒子を生 成するための培養されたパッケージング細胞を提供する。前記パッケージング細 胞は、レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセンブルすることができる 脊椎動物細胞であり、そして標的細胞上のGlvr−1又は Ram−1レトロウィルス 受容体へのレトロウィルス粒子の結合を指図する、10A1のアミノ酸残基を有する レトロウィルスenv タンパク質をコードするベクターを含んで成る。パッケージ ング細胞はさらに、腫瘍ウィルスgag 及びpol 遺伝子をコードするベクターを含 んで成り、その結果、注目の異種遺伝子をコードすることができる配列を有する ベクターの存在下での前記腫瘍ウィルス遺伝子をコードするベクターの発現に基 づいて、標的細胞のGlvr−1及び Ram−1レトロウィルス受容体に結合する複製 −欠損レトロウィルスベクター粒子が生成される。レトロウィルスenv タンパク 質をコードするベクターは、10A1env 遺伝子のBsrGI− XhoIフラグメント内 にコードされる10A1env アミノ酸残基、たとえば10A1env 遺伝子のBsrGI− Xho Iフラグメントのヌクレオチド配列を含むベクターをコードすることができる。 もう1つの観点においては、レトロウィルスenv タンパク質は、異なった両向性 レトロウィルスからの非−10A1env アミノ酸残基を有するキメラタンパク質であ り得る。腫瘍ウィルスgag 及びpol 遺伝子は、レトロウィルス、たとえば両向性 (amphotropic) レトロウィルスからであり得る。培養されたパッケージング細胞 は、レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセンブルすることができる鳥 類又は哺乳類細胞であり得る。レトロウィルスenv タンパク質をコードするベク タ ー、腫瘍ウィルスgag 及びpol タンパク質、並びに興味ある異種遺伝子をコー ドすることができる配列は、パッケージング細胞の染色体に組込まれ得る。 もう1つの態様においては、本発明は、注目の異種遺伝子をコードする複製− 欠損レトロウィルスベクター粒子を生成するための方法を提供する。本発明の方 法は、(a)ウィルス性の長い末端反復体配列(LTRs)、レトロウィルスパッケ ージング配列、及び異種遺伝子を含んで成る組換えDNA プロウィルスから転写さ れるウィルスRNA を含んで成る複製欠損ウィルス粒子、又は(b)前記プロウィ ルスを含んで成るベクターによりレトロウィルスパッケージング細胞をトランス ダクションし、又はトランスフェクションすることを含んで成る。パッケージン グ細胞は、レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセンブルすることがで き、そして(i)標的細胞上のGlvr−1又は Ram−1レトロウィルス受容体への レトロウィルス粒子の結合を指図する、10A1のアミノ酸残基を有するレトロウィ ルスenv タンパク質をコードする組込まれたベクター、及び(ii)腫瘍ウィルス gag 及びpol 遺伝子をコードする組込まれたベクターを有する脊椎動物細胞であ り得る。レトロウィルスenv タンパク質をコードする配列、腫瘍ウィルスgag 及 びpol 遺伝子、並びに注目の異種遺伝子をコードする配列が、発現され、標的細 胞のGlvr−1及び Ram−1レトロウィルス受容体に結合する複製−欠損レトロウ ィルスベクター粒子を生成する。興味ある異種遺伝子を含む、複製−欠損レトロ ウィルスベクター粒子は、少なくとも105FFU/ml培地〜少なくとも約107 FFU/m l培地の力価で生成され得る。もうlつの観点において、本発明は、この方法に より生成される注目の異種遺伝子を含む複製−欠損レトロウィルスベクター粒子 を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、env 発現構造体及びそれらの特徴付けを示す。 図2は、10A1及び4070A pol−env 領域の配列を示す。10A1ウィルスは、pol 遺伝子中の Sph 1 部位からenv 遺伝子中のEcoR 1 部位までの配列を有する。40 70A両向性ウィルスは、pol 遺伝子中のSph 1 部位からenv 開始コドンの12塩基 上流のPf1M1 部位までの配列を有する。4070A(Ottなど.,J .Virol 64:757-7 65(1990))の残り、及び示されるMoMLV 配列(Shinnickなど.,Nature 293:5 43-548 (1981))は、GenBank から得られ、そして最初の出版物に対して調べら れた。4070Aの配列が示され、そして他の配列に関しては、点線が、4070Aにお ける塩基と同一である塩基を示し、そして文字は塩基差異を示す。4070A及びMo MLV における空白の空間は、10A1ウィルスにおける3塩基挿入の位置を示す。塩 基737の後のMoMLV 塩基は、続く配列が4070A及び10A1の配列とは非常に異なっ ており、そして有意義に整列され得ないので、示されない。円で囲まれた塩基は 、4070A及び10A1の現データ(示されている)とこれまでの配列分析との間の配 列差異を示す(Ott など.,J .Virol.64:757-765 (1990))。ボックスは、10A 1及び4070Aウィルスにおける異なったアミノ酸をコードし、そして前記2種の ウィルスの異なった受容体利用パターンを決定する、gp70内のコドンを示す。En v開始コドン、及びリーダー配列の切断に続いて生成される成熟gp70 Env タン パク質の開始点が、矢印により示される。 特定の態様の記載 本発明は、10A1クラスのレトロウィルスに基づくレトロウィルスパッケージン グ細胞系を供給する。10A1パッケージング細胞は、最良の両向性パッケージング 細胞の利点を有し、そしてまた、細胞侵 入のために他の受容体(Glvr−1)を用いることができるベクターを生成する。 マウス細胞におけるGlvr−1の使用は効果的であり、そしてたとえば、他のレト ロウィルスは、GALV自体を包含する、侵入のためのGlvr−1のマウス相同体を用 いることが知られていないマウスにおける遺伝子移行研究のために有用である。 10A1擬似型(pseudotype)ベクター侵入のための受容体としてのGlvr−1の使用は 、いくつかのヒト細胞型においてはほとんど効果的ではないが、但し、Glvr−1 は、他の細胞型における高レベルのGlvr−1発現又は翻訳後修飾における差異の ために、他のヒト細胞型への10A1ベクター侵入のために効果的に使用され得る。 従って、10A1擬似型パッケージング細胞は、哺乳類及び特にヒト遺伝子移行の方 法において有用である。 10A1擬似型パッケージング細胞は、高力価レトロウィルス粒子の安定し且つ再 生可能な源である。10A1擬似パッケージング細胞系は、ベクター−トランスダク ションされたパッケージング細胞の集団から高い力価(105〜107 FFU/ml又はそ れ以上) でレトロウィルスベクターを生成する。クローンは、さらに高い力価を 生成するそれらの集団から単離され得る。本発明のパッケージング細胞系は、他 の所望する性質、たとえばインビボ増殖の安定性、ヘルパーウィルスの生成の欠 失、細胞においてパッケージングされるウィルス粒子による再感染の欠失、遺伝 子再配列及び再組合せの現象からの安定性、補体溶解に対する耐性、及び高等哺 乳類からの細胞を感染する改良された能力について選択され、そしてクローン化 され得る。本発明の10A1パッケージング細胞系により生成される複製欠損ウィル スベクターは、広範囲の種類の異種核酸セグメントの移行を可能にする。 前記パッケージング細胞系は、複製欠損ウィルスベクター、又は 注目の異種遺伝子を含む、複製欠損ウィルスベクターに対応するか又はそのベク ターに対して相補的な鎖を有するDNA 構造体によりトランスダクションされ、又 はトランスフェクションされる。本発明において有用な代表的遺伝子は、中でも 、たとえば血液血餅因子、アデノシンデアミナーゼ(及び特に、ヒトアデノシン デアミナーゼ)、インターロイキン、インターフェロン、GM−CSF 、G−CSF 、 エリトロポイエチン及び他のサイトカイン、受容体、CFTR、腫瘍抑制遺伝子、ア ンチセンスRNA 、及びワクチン抗原をコードする遺伝子を包含する。ベクターは 、レトロウィルスの長い末端反復体(LTRs)を提供することができる配列、逆転 写のために必要とされる配列、レトロウィルスパッケージング配列、及び興味あ る遺伝子配列を含んで成る。DNA 構造体は、宿主細胞ゲノム組込み及び発現のた めに必要なLTR を含む。合成に続いて、ウィルスDNA は細胞DNA 中に組込まれ、 その結果、LTR の末端は、安定し構造体(たとえば、プロウィルス)を形成する ために細胞配列に直接的に結合される。逆転写のために必要なベクター成分は、 逆転写酵素をコードする配列を必ずしも含まないが、しかしむしろ、複製開始部 位を含む。好ましくは、注目のレトロウィルスベクターに対して特異的なパッケ ージングシグナルは、ベクターに含まれる。ドナー及び受容体スプライス部位は また、複製欠損ウィルスベクターにも存在することができる。そのスプライス部 位は、追加の異種の挿入された核酸配列の発現を可能にする。 感染性ウィルス粒子を生成する機会を最少にするために、レトロウィルスベク ターDNA が宿主細胞DNA 中に組込まれると、複製欠損ウィルスベクターは、ウィ ルスコアタンパク質をコードするウィルス遺伝子gag、ウィルス RNA-依存DNA ポ リメラーゼ(逆転写酵素)をコードするpol、又はウィルスエンベロープタンパ ク質をコー ドするenv に対応する1又は複数の配列を含む必要はない。前記配列は、突然変 異誘発により除去され、又は欠損性にされ得る。 本発明の10A1細胞系によりパッケージングされる複製欠損ウィルスベクターか らの遺伝子転写のためには、注目の遺伝子は異種プロモーターに連結され得る。 適切なプロモーターの選択は、当業者のレベルの範囲内である。広範囲の種類の プロモーター、たとえばウィルス及び細胞プロモーターが文献に記載されている 。ウィルスプロモーターは、即時初期サイトメガロウィルスプロモーター(Bosh art など.,Cell 41:521-530,1985)、MLV LTRプロモーター(Weiss など., RNA Tumor Viruses,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Ha rbor,NY,p766,(1985)),sv40プロモーター(Subramaniなど.,Mol .Cell.B iol .1:854-864,1981)及び同様のものを包含する。細胞性プロモーターは、 マウスメタロチオネイン−1プロモーター(Palmiterなど.,アメリカ特許第 4,5 79,821号)を包含するが、但しこれだけには限定されない。交互のスプライシン グがまた、べクターにおけるポリシストロニック (polycistoronic)遺伝子の発 現を促進するために開発され得る。この方策においては、前記ベクターによりコ ードされるタンパク質の1つが十分な長さのベクターRNA から翻訳され、そして 下流遺伝子のすぐ上流のスプライス受容体側の5’LTR 近くのスプライスドナー 部位からの部分的スプライシングが前記下流遺伝子生成物をコードする転写体を 生成する。ベクター複製はRNA 中間体を含むので、挿入された遺伝子を含むベク ターの構成はベクターゲノムの十分な長さの転写を可能にすべきである。 本発明に従って10A1細胞系によりパッケージングされる複製欠損レトロウィル スベクター粒子はしばしば、少なくとも1つの外来性(異種)遺伝子を含むであ ろう。異種遺伝子は、注目のタンパク質 又はペプチドをコードするDNA(又はそのDNA に対応するRNA)、及びRNA分子、た とえばアンチセンスRNA を包含する。注目のタンパク質をコードするDNA 配列は 、遺伝子、cDNA、及びミニ遺伝子を包含する。遺伝子療法への使用のためには、 レトロウィルスベクターは、意図された受容体の細胞に移行されることが所望さ れる異種遺伝子又は他のDNA を含むであろう。異種遺伝子は、患者における欠損 もしくは欠失酵素又は他のタンパク質、RNA 分子、又はリボザイム(ribozyme) の交換又は置換をコードすることができ、あるいは患者に通常存在しない治療タ ンパク質又はRNA 分子をコードすることができる。前記酵素又は他のタンパク質 は、細胞内で機能することができ、又はホルモン及び血液因子として身体におい て分泌され、そして循環することができる。そのレベルが正確に制御されていな いタンパク質をコードする遺伝子、及び/又は単一の欠損により疾病を引き起こ す遺伝子は、本発明の10A1パッケージング細胞系によりパッケージングされるレ トロウィルスベクターにおける挿入のために特に適切である。 選択マーカーがまた、調査又は実験目的のために、又は複製欠損レトロウィル スベクターを含む細胞を選択する手段を提供するために、本発明に従ってパッケ ージングされた複製欠損レトロウィルスベクターに含まれ得る。それらのマーカ ーは、それぞれ、G418 及びヒグロマイシンに対する耐性を付与するネオマイシ ン及びヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を包含する。他のマーカ ーは、メトトレキセートに対する耐性を付与する変異マウスジヒドロ葉酸レダク ターゼ遺伝子(dhfr* )、ミコフェノール酸、キサンチン、及びアミノプテリン を含む培地における細胞の増殖を可能にする細菌gpt 遺伝子、ヒスチジンを含ま ないが、しかしヒスチジノールを含む培地における細胞の増殖を可能にする細菌hisD 遺伝子、 及び種々の薬物に対する耐性を付与する複数薬物耐性遺伝子(mdr)を包含する。 それらのマーカーは、優性選択マーカーであり、そしてそれらの遺伝子を発現す るほとんど細胞の化学的選択を可能にする。 自殺遺伝子がまた、本発明の10A1細胞系によりパッケージングされるベクター 内に含まれ得る。そのような遺伝子は、レトロウィルスRNA を含む細胞を選択的 に殺害する手段を提供する。たとえばtk遺伝子(Culverなど.,Science 256:15 50-1552(1992))は、トランスダクションされた細胞を選択的に殺害するため にガンシクロビルと組合わせて使用され得る。 ベクター中の挿入用外来性遺伝子は、注目の遺伝子生成物をコードするmRNAの イントロンを欠くcDNAコピーであり得る。大きな挿入体は複製欠損レトロウィル スベクターに配置され得るが、しかし、一般的には、注目の遺伝子及びいづれか の付随する調節配列は、わずか約8〜11Kbまでのサイズであるべきである。cDNA の5’及び3’非コード領域は、挿入体のサイズを減じ、そしてcDNAの3’末端 において存在する潜在的なポリアデニル化シグナルを除去するためにトリマーさ れ得る。ウィルスLTR と同じ転写配向でcDNAを挿入することが好ましい。アンチ センスRNA は、プロモーターに関してcDNAの配向を逆にすることによって発現さ れ得る。他の挿入体は、イントロンが除去されている通常の遺伝子である、イン トロンを欠く“ミニ遺伝子”を包含する。イントロンを含む完全な遺伝子がまた 、挿入され得、そして典型的には、ベクター複製の間、イントロンの除去を防ぐ ために逆の配向で挿入されるであろう。 10A1パッケージング細胞系は、比較的高い力価でレトロウィルスベクターを生 成するけれども、そのようにして生成されるベクターはまた、より高い力価のベ クターがしばしば所望されるが、たとえ ば広い範囲の細胞が感染される場合、たとえば約105cfu/ml以下の低い力価でも 使用され得る。高い力価は、106〜107又はそれ以上の範囲であり得る。 本発明のパッケージング細胞系は、種々の方策を用いて構成され、そして最適 化され得る。一般的には、そのような方策は、ヘルパー構造体(すなわち、複製 欠損レトロウィルスベクター粒子の生成のために必要とされるトランスー作用タ ンパク質を付与する1又は複数の構造体)とヘルパーウィルスの生成をもたらす ことができるベクターとの間での組換えの機会を減じるよう企画されている。こ れに関して、“ヘルパーウィルス”とは、欠損レトロウィルスベクタープロウィ ルスゲノムの遺伝子組換え及び修復により、いくつかのパッケージング細胞にお いて組込まれたプロウィルスゲノムから生成される不所望の感染性レトロウィル スを意味する。方策は、パッケージングシグナルが欠失されているヘルパー構造 体、gag ,pol及びenv 遺伝子が、たとえば gag −pol 及びenv を含む複数の別々 の転写単位に分離されているヘルパー構造体、又は gag −pol 及びenv 遺伝子が 2つの別々の転写単位に分離させ、そして突然変異(たとえば、リンカーの挿入 による)、及び gag −pol 及びenv 転写単位における欠失を含むヘルパー構造体 を包含するが、但しこれらだけには限定されない。さらに、別々の転写単位にお ける3’LTRが、SV40からのポリアデニル化シグナルにより置換され得、それに より、ヘルパーウィルスを生成するための追加の組換え現象を必要とする。10A1 パッケージング細胞におけるベクターとヘルパーウィルス配列との間の相同オー バーラップの回避は、ヘルパーウィルス生成の機会を低める。これは、ベクター からできるだけ多くのヘルパーウィルス配列を除去することによって達成され得 る。適切なヘルパー構造体は、本発明のベクターにより同時トランスフェクショ ンされ、従って、必要とされるトランス−作用タンパク質を供給し、そしてウィ ルス粒子の生成を可能にする。トランス−作用性タンパク質はまた、すべてのウ ィルスタンパク質を供給するよう企画されているが、但し、それらの機能をコー ドするRNA をパッケージし、又は伝達するよう企画されていないパッケージング 細胞によっても提供されうる。それらのパッケージング細胞系は、興味ある複製 欠損レトロウィルスベクターゲノムを含み、そしてトランス−作用性タンパク質 の発現は、パッケージングされたレトロウィルスベクターの生成を可能にする。 本発明での使用のために適切なパッケージング細胞系の構成のためには、トラン ス−作用性タンパク質が過渡的又は誘導可能態様で供給され得る。トランス−作 用性ウィルス遺伝子は、誘導可能プロモーター、たとえばテトラサイクリン−応 答性プロモーターの制御下に配置され得る(Gossen and Bujard,Proc .Natl.A cad.Sci.USA 89:5547-5551,1992及びPescini など.,Biochem .Biophys.Re s.Comm .202:1664-1667,1994)。調節されるプロモーターの制御下でのトラン ス−作用性遺伝子を含むパッケージング細胞系のためには、パッケージングは、 前記プロモーターを誘導することによって、誘導され得る。 本発明のパッケージング細胞系の調製に使用するための適切な細胞は脊椎動物 に由来し、そしてたとえば鳥類、霊長類、ブタ、ヒト、ネズミ、イヌ等を包含す る。パッケージング細胞を調製するための特に好ましい細胞は、NIH 3T3 である が、しかしながら、他の適切な細胞も容易に利用できる。 10A1パッケージング細胞は、複製欠損レトロウィルス粒子をパッケージングす るために必要とされる、トランス−作用性gag,pol及び10A1エンベロープタンパ ク質の発現を指図するDNA 構造体を導入することによって生成される。そのよう な構造体を導入するための 方法は、リン酸カルシウム沈殿法(Wiglerなど.,Cell 14:725,1978;Corsaro and Pearson,Somatic Cell Genetics 7:603,1981;Graham and Van der Eb ,Virology 52:456,1973);リポフェクション(Felgner など.,Proc .Natl .Acad.Sci.USA 84:7413-7417,1987);マイクロインジェクション及びエレ クトロポレーション(Neumann など.,EMBO J.1:841-845,1982)を包含する 。細胞はまた、ウィルス、たとえばSV40,CMV 及び同様のものによりトランスダ クションされ得る。ウィルスベクターの場合、クローン化されたDNA 分子は、ウ ィルス粒子による敏感な細胞の感染により導入され得る。gag 及びpol 遺伝子は 、広範囲の種類の腫瘍ウィルス、たとえばレトロウィルスに由来し、そして好ま しい態様の範囲内では、gag 及びpol 遺伝子は両向性ネズミ白血病ウィルス(Mu LV)に由来する。適切なenv 遺伝子は、10A1env 遺伝子(完全な10A1env 遺伝子 を含む発現プラスミドpL10A1EはEnv 機能についての過渡的なアッセイにおいて 低い活性を有するけれども)、及び好ましくは、10A1受容体使用パターンを付与 する、10A1env 遺伝子の 376個の塩基対のBsrGI− XhoIフラグメント内にコー ドされる残基をコードする配列から少なくとも構成されるキメラ性env 遺伝子を 包含する。キメラ又はハイブリッドenv 遺伝子の非−10A1部分は、10A1env 遺伝 子の類似フラグメントにより置換される、10A1受容体使用を付与する、10A1env 遺伝子の 376個の塩基対のBsrGI−XhoIフラグメント内にコードされる残基を コードする配列に類似する生来の配列を少なくとも有する両向性env遺伝子を含 んで成る。1つの態様においては、キメラenv 遺伝子は、翻訳開始から XhoI部 位までの5’コード配列が、10A1env 遺伝子の類似フラグメントにより置換され ている両向性env 遺伝子である。 本発明の10A1パッケージング細胞系を用いれば、複製欠損レトロ ウィルスベクターが、コア粒子を形成するためにgag 及びpol タンパク質により 組換えウィルスRNA を取り囲み、そしてenv コードタンパク質を含む膜に前記コ ア粒子を封入することによって、対応するレトロウィルス粒子にアセンブルされ る。従って、本発明のパッケージング細胞は、本明細書に記載されるようなベク ターを含む細胞(すなわち、10A1エンベロープタンパク質を含む膜により取り囲 まれるリボ核タンパク質コア粒子を有する感染性ウィルス)をトランスダクショ ンすることができる複製欠損レトロウィルス粒子を供給する。 不所望のヘルパーウィルスの生成は、種々の手段、たとえばベクター救援アッ セイにおいて検出され得、ここで選択できる複製欠損ウィルスベクターを含むが 、しかしそれを生成しない細胞が試験ウィルスによりトランスダクションされ、 そしてべクターの生成についてアッセイされる。ベクターの救援は、ウィルスの 広がりを可能にするために細胞を継代培養し、そして標準のコロニーアッセイに より選択可能ウィルスベクターのためのそれらの細胞に暴露される培地をアッセ イすることによって検出され得る。ヘルパーウィルスを検出するためのもう1つ の方法は、FAB 細胞を利用する(Yu and Linial,J .Virol.67:6618-6624 (19 93))。この方法においては、ならし培地がFAB 細胞に暴露され、そしてヘルパ ーウィルスの存在が、belIを発現するウィルスによりトランスダクションされ た細胞における青色の誘発により検出される。代表的なアッセイは、Bassinなど .(Nature 229:5646,(1971)、引用により本明細書に組込まれる)により記載 されるS+-アッセイ、及びMillerなど.(Meth .Enzymol.217:581-599(1993 )、引用により本明細書に組込まれる)により記載されるマーカー救援を包含す る。 本発明の10A1パッケージング細胞系によりパッケージングされる 複製欠損レトロウィルスベクターは、たとえば実験用及び家畜動物、鳥類、等を 包含する広範囲の動物種における遺伝子移行のための手段を提供する。10A1レト ロウィルスは、1504A両向性ウィルスとSwiss マウスに見出される内因性プロウ ィルスとの間の組換えの結果である(Rasheed など.,Int .J.Cancer 29:345- 350(1982)、引用により本明細書に組込まれる)。10A1ウィルスは、親両向性レ トロウィルスの宿主範囲の特徴を示すが、しかしまた、両向性ウィルス耐性CHO 細胞をも感染し、そして異なった細胞型において、他の受容体、すなわち Ram- 1又はGlvr−1のいづれかを使用することができる。従って、本発明の方法に従 って生成される組換えウィルスは、同じ宿主範囲を有する。本発明のパッケージ ング細胞により生成される複製欠損ベクターは、たとえば、鳥類(たとえば、鶏 )、羊、牛、馬、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、イヌ、モンキー、及び霊 長類(たとえば、チンパンジー、マカークザル及びモンキー、並びにヒト)にお ける遺伝子移行において有用である。たとえば、家畜使用のためには、本発明に 従って生成される粒子は、予備移植胚における細胞の感染のために有用であり、 前記胚は、動物に移植される場合、トランスジェニック動物、又は動物が通常生 成しない遺伝子生成物を発現する動物を創造する。 本発明の10A1パッケージング細胞系にパッケージングされる複製欠損レトロウ ィルス粒子は、標的細胞、たとえば注目の遺伝子の発現が欠損しており、又は所 望するタンパク質を分泌するよう作用することができる細胞を感染するために( トランスダクションするために)使用され得る。トランスダクションとは、非ウ ィルス遺伝子がウィルスベクターにより宿主細胞中に移行され、そして発現され る過程を意味する。感染(トランスダクション)は、エクスビボ又はインビボで 生じることができる。感染がエクスビボで存在する場 合、典型的には、標的化された細胞、たとえばリンパ球、骨髄及び造血幹細胞、 線維芽細胞、肝細胞、内皮細胞、良性又は悪性腫瘍細胞、等は、それらが注目の 遺伝子生成物の必要により個人から除去されることにおいて自己由来のものであ るが、しかし同種又はさらに異種細胞もまた使用され得る。細胞は、注目の遺伝 子を含む複製欠損ウィルス粒子により感染され、そして細胞は宿主に戻される( 又は移植される)。宿主細胞のトランスダクションがエクスビボで存在する場合 、典型的には、組換え複製欠損ウィルス粒子を含む培地が、標的細胞と共にイン キュベートされる。標的細胞は、一次細胞培養においてそれらの数を拡張するた めにインビトロで培養され得る。トランスダクションは典型的には、宿主細胞培 養の初期において存在し、そして複製欠損ウィルスベクターを生成する細胞系と 共に標的細胞を同時培養することによって達成され得る。標的細胞は、宿主患者 においてのトランスダクション及び置換の前に必ずしも培養される必要はない。 インビボトランスダクションに関しては、複製欠損ウィルス粒子が、広範囲の 種類の手段で宿主に投与され得る。投与の特定の態様は、いくつかの要因、中で も、意図される特定の使用、処理される宿主、トランスダクションのために標的 化された組織、興味ある遺伝子生成物、患者の一般的な健康、等に依存するが、 しかし一般的には、経皮内、皮下、筋肉内、局部(たとえばエアロゾール、たと えば噴霧器による)、静脈内、腹腔内、又は同様にして投与されるであろう。従 って、ベクターは、組織及び器官(たとえば、カテーテルを通して)、たとえば 肺、膀胱、尿道、子宮、肝臓、心臓及び循環系、腎臓、骨髄、脳、リンパ組織、 骨、小腸、大腸、結腸及び前立腺に投与され得る。 本発明に従って生成される複製欠損ウィルスベクターの投与量は 、経験的な実験、たとえば用量段階拡大研究及び同様のものにより決定されるで あろう。本発明の材料は、重度の疾病状態、すなわち生命をおびやかすか又は潜 在的に生命をおびやかす情況において使用されることを思いおこすべきである。 そのような場合、広範囲の種類の脊椎動物細胞を感染する、本発明により生成さ れた複製欠損ウィルス粒子の能力の観点から、実質的に過剰のそれらのウィルス 粒子を投与することが可能であり、そして医師により所望されると思われる。 次の例は、例示的であって、本発明を制限するものではない。 例Iキメラ10A1エンベロープ発現ベクターの構成及び機能 10A1擬似型によるベクターの生成のためのレトロウィルスパッケージング細胞 を製造するために、10A1Env 発現プラスミドを構成した。10A1Env 及びハイブリ ッドEnv 発現プラスミドを、レトロウィルスベクターを含むLGPS細胞中に前記プ ラスミドを導入し、そして生成されるベクターの力価を測定することによって試 験された。 細胞培養 NIH 3T3 チミジンキナーゼ欠損(TK-)細胞(Millerなど.,Mol .Cell.Biol .6:2895-2902 (1986)), 208Fラット胚線維芽細胞(Quade,Virol.98:46 1-465(1979)),293 アデノウィルス−形質転換ヒト腎細胞(Grahamなど.,J .Gen.Virol .36:59-72(1977)),PA317 両向性レトロウィルスパッケージ ング細胞(Miller,前記)、及びPE501 エトトロピックレトロウィルスパッケー ジング細胞(Millerなど.,Bio Techniques 7;980-990(1989);エコトロピ ックウィルスは、ゲッ歯動物細胞のみを感染することができるウィルスである) を、10%ウシ胎児血清を含むダルベック変 性イーグル培地において増殖した。PG−4Moloney ネズミ肉腫ウィルス−感染G 355 ネコ細胞(Dunnなど.,J .Virol.67:4704−4711 (1993))を、15%ウシ 胎児血清を有するMcCoy's培地において増殖した。 複製−コンピテントレトロウィルス pB6プラスミドは、10A1レトロウィルスの環状に変更されたクローンを含む( Ottなど.,J .Virol. 64:757-765 (1990)、引用により本明細書に組込まれる) (Dr.A.Rein,NCI−Frederick Cancer Research and Development Center,Fr ederick,Marylandから得られた)。pB6プラスミドをSalIにより切断し、10A1 セグメントを放し、10A1ウィルスを再環状化するために低いDNA 濃度で再連結し 、そしてCa2PO4 - 介在されたトランスフェクションによりNIH3T3(TK-)細胞中に 導入した。細胞を2週間、継代培養し、完全なウィルス拡張を可能にし、そして 次に、干渉アッセイに、及び他の細胞の感染のための10A1ヘルパーウィルスを製 造するために使用した。プラスミド pAM(Millerなど.,Mol .Cell.Biol.5: 431-437(1985))は、4070A両向性ウィルス(Chattopadhyayなど.,J.Virol.3 9:777-791 (1981))の遺伝子によりMoMLV(Shinnick など.,Nature 293:543- 548 (1981)のenv 遺伝子を置換することによって構成されたハイブリッド両向性 レトロウィルスを含む。NIH3T3(TK-)細胞を、pAM によりトランスフェクション し、2週間、継代培養し、完全なウィルス拡張を可能にし、そして次に、干渉ア ッセイに、及び他の細胞の感染のための両向性ヘルパーウィルスを生成するため に使用した。テナガザル白血病ウィルス(GALV)SEATO株を生成するMv1 Lu ミ ンク細胞(ATCC CCL64)を、Dr.M.Eiden,National Institutes of Health,B ethesda,Maryland、から得、そして他の細胞の感染のためのGALVを生成するた めに使用した 。 図1に示されるように、個々のEnv 発現プラスミドは次のものを含んだ:LTR における転写エンハンサーのすく上流のSau 3AI 部位側の5’末端で切断された MoMLV LTR プロモーター(矢印により示される転写開始部位)、Env コード領域 、Env 停止コドンのすぐ後に挿入されるSV40からの初期ポリアデニル化シグナル (pA)、及び毒素−マイナスプラスミド pML−1(Lusky など.,Nature 293:7 9-81 (1981))に由来するプラスミド配列(示されていない)。LTR/env 連結部 は、pL10A1E 及びpL10AME のための Sma1/BsrB1,pSX2のための Sma1/Pf1M 1(ブラント末端化されている) であった。 キメラエンベロープ発現構造体、すなわちpL10A1E 及びpL10AMEの官能活性を 、PA317 細胞により製造されたヘルパーウィルスフリーのベクターを用いること によって、レトロウィルスマーカーベクタ−LNL6(Benderなど.,J .Virol.61 :1639-1646(1987))又はLAPSN(Millerなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 91 :78-82 (1994))(LGPS/LNL6及びLGPS/LAPSN を生成する)により前もって感 染されているLGPSクローン91−22(アメリカ特許第 5,470,726号;引用により本 明細書に組込まれる)中にトランスフェクションした。LNL6及びLAPSN ベクター は、レトロウィルスLTR を両端に有する、それぞれネオマイシン耐性遺伝子又は アルカリホスファターゼ遺伝子を含んだ。細胞LGPS/LNL6及びLGPS/LAPSN は、gag 及びpol 遺伝子を発現するが、しかし官能ベクターを生成するために必要と されるenv 遺伝子を含まない。ウィルスベクター生成のための対照として、無関 係なプラスミドを個々の細胞系中にトランスフェクションした。後トランスフェ クションの1日後、培養培地を交換した。個々のトランスフェクションからの培 養培地を、後トランスフ ェクションの2日後に収穫した。追加の対照として、トランスフェクションされ ていないLGPS/LNL6及びLGPS/LAPSN を同じ条件下で培養し、そして個々の培養 からの培地を2日目で収穫した。 収穫された培地を、過渡的救援アッセイに使用し、官能ベクターがトランスフ ェクションされた細胞から生成されたかどうかを決定した。標的NIH 3T3 細胞を 、1日目、6cmの皿当たり105 個で、又は6ウェルプレートの35mm(直径)ウェ ル当たり5×104 個で接種し、細胞に1ml当たり4μgのポリブレン(Sigma) を 含む新鮮な培地を供給し、そしてLGPS/LAPSN −トランスフェクションされた又 はLGPS/LAPSN −トランスフェクションされていない細胞からの培地を、2日目 に添加した。細胞をグルタルアルデヒドにより固定し、そして4日目、Fields-B erryなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:693-697 (1992)に記載される ようにして、アルカリホスファターゼ発現のために染色した。ネオ発現ベクター LNL6についてのアッセイは同一であったが、但し、APについての染色の代わりに 、培地が3日目、0.75mg/mlのG418(活性)を含む培地に変えられ、そしてG4l8 −耐性コロニーが8日目、クーマシーブリリアントブルーG(Sigma;40%メタ ノール−10%酢酸において1g/l)により染色された。ベクター力価は、示さ れる反復アッセイの数により平均化される。独立した力価決定法は、平均からわ ずか3倍、異なった。平均力価は、LGPS/LASN及びLGPS/LNL6がDNA によりトラ ンスフェクションされなかった場合、又は無関係なプラスミドがトランスフェク ションのために使用された場合、1ml当たり1以下の単位であった。 LGPS/LAPSN +pL10A1E 及びLGPS/LAPSN −pLAE1 細胞から生成されたベクタ ーを、干渉分析にゆだねた。干渉グループ分けを、NIH 3T3,NIH 3T3/AM-MLV 及び NIH 3T3/10A1細胞に基づいてベク ターを滴定することによって決定した。プラスミドpLAE1 は、両向性ベクターの 生成のための陽性対照として使用され、そしてレトロウィルスLTRsを両端に有す る両向性env 遺伝子を含む(図1)。pL10A1E によりトランスフェクションされ たLGPS/LAPSN 細胞から生成されるベクターは、10A1干渉グループに存在するこ とが示され、そしてNIH 3T3 及び NIH 3T3/AM−MLV 細胞に対して同等の力価( 2倍以内)を付与した。両向性干渉グループにおけるベクター(pLAE1)は、 NIH 3T3/AM-MLV 細胞に基づいて測定される力価よりも104 倍以上高い、NIH 3T3 細胞に基づく力価を有した。NIH 3T3/1OA1細胞に基づいて測定されたベクター 力価は、干渉グループについて試験されたすべてのベクターのために2単位以下 /mlであった。 10A1 Env発現プラスミドpL10A1E をまず、レトロウィルスベクター又は Gag− Pol 発現ベクターに存在する配列と構造体における配列とのオーバーラップを最 少にし又は排除するよう企画した。Env発現プラスミドpL10A1E(図1) は、標準 のレトロウィルスベクターとその3’末端での相同オーバーラップを有さず(Mi llerなど.,BioTechniques 7:980-990 (1989))、そして Gag−Pol 発現プラ スミドに存在するMoMLV pol 遺伝子の3’末端とその5’末端での最少のオーバ ーラップを有した。驚くべきことには、この構造体は、両向性Env タンパク質を コードする類似するプラスミドpLAE2(図1) に比較して、Env 官能についての過 渡的アッセイにおいて良好でない活性を有した。複数の制限酵素によるpL10A1E プラスミドの分析は、プラスミドが正しい構造体を有することを示すバンドパタ ーンを示したが、しかし完全なEnv コード領域は可能なわずかな欠損について調 べるために配列決定されていない。類似する結果を有する2種の独立したプラス ミドクローンを試験した。すべてのEnv 構造体のカルボキシ末端(CalI部位の3’側、図1) は、MoMLV env 配列から構 成されたが、しかしこれは、この領域におけるアミノ酸配列が MoMLV,10A1及び 両向性4070Aウィルスに関して同一であるので、その結果の解釈に影響を及ぼさ なかったことを注目すること。 共通するEcoRI部位で4070A両向性Env のカルボキシ末端に融合される10A1 E nvタンパク質のアミノ末端から成るハイブリッドEnv発現プラスミド(Ott など. ,J .Virol.66:4632-4638 (1992))、すなわちpL10AME は、過渡的ベクター救 援アッセイにおいて少なくとも両向性Env 構造体として機能した(図1)。予備 作業は、pL10AME プラスミドにより製造されたベクターが10A1の受容体利用性質 を有することを示した。それらの結果は、10A1 env遺伝子の3’末端にいくらか の欠損が存在したことを示した。しかしながら、元の10A1ヘルパーウィルスプラ スミドを用いることによって高い力価のウィルスを製造することが可能であり、 その結果、前記欠損は重度ではなく、又はそれは、ヘルパーウィルス複製の間、 修復され得る。 レトロウィルスにおけるenv 遺伝子の上流に通常存在する領域を組込んでいる 両向性Env 発現プラスミド、pLAE1(図1) は、過渡的ベクター救援アッセイにお いて高いベクター力価を生成した。両向性Env のアミノ末端における決定的な領 域が10A1配列により置換されている2種の類似する構造体(pBX及びpSX)はまた、 その両向性構造体pLAE1(図l) ほど高くはないが、高い力価を付与した。両向性 env 遺伝子のBsrGI〜Xho1領域のみが10A1配列により置換されている、pBX 構 造体により製造されたベクター、又はpSX 構造体により製造されたベクターは、 10A1干渉性質を有した(図1)。 1つの他の構造体(pSX2;図1)は、スプライシングされたenv mRNAを生成るためにネズミ白血病ウィルスにおけるenv のすぐ上流のスプライス 受容体と共に、通常使用されるレトロウィルスLTR の後に存在するスプライスド ナーを包含した。この構造体は、過渡的ベクター救援アッセイにおいて試験され たすべての構造体のうち最とも高いベクター力価を生成した。 要約すると、高い力価のベクターは野生型の10A1 env配列を用いることによっ て達成されなかったが、そのようなベクターはハイブリッド10A1/両向性構造体 を用いることによって製造された。最とも高いベクター力価は、スプライシング されたレトロウィルスenv mRNAを製造するために通常、使用される、レトロウィ ルススプライスドナー及び受容体配列を包含することによって得られた。 例II10A1 −擬似型レトロウィルスパッケージング系の生成 ハイブリッド10A1 Envタンパク質を発現する安定したレトロウィルスパッケー ジング細胞を生成するために、プラスミドを、MoMLV Gag−Pol タンパク質を発 現するLGPSクローン91−22の細胞中に導入した。LGPS細胞、NIH 3T3 TK- 細胞中 への、ヘルペス単純ウィルスTK遺伝子によるMoMLV Gag−Pol 発現ベクターの同 時トランスフェクション、続く、ヒポキサンチン、アメトプテリン及びチミジン を含む培地(HAT培地) における細胞の選択により製造した。最良のEnv 発現構造 体(pSX2)を、プラスミドpFR400(Simonsenなど.,Proc .Natl.Acad.Sci.US A 80:2495-2499(1983))に含まれる変異体メトトキセート−耐性ジヒドロ葉 酸レダクターゼ遺伝子(dhfr*)又はプラスミドpSV2Δ130hyg(Paul Berg,Stan ford Universityから得られた)に含まれるヒグロマイシンホスホトラスフェラ ーゼ(hpt) 遺伝子のいづれかによる同時トランスフェクション(Millerなど.,B ioTechniques 7:980-990 (1989))により、LGPS細 胞中に導入した。選択マーカープラスミド:Env 発現プラスミドの比は、1:20 又はl:100 であった。前記遺伝子を含む細胞コロニーを、それぞれ、透析され たウシ胎児血清又は0.4mg/mlのヒグロマイシンを有する100nMのメトトレキセー トにおいて選択し、そしてクローニング環を用いて単離した。いづれかのマーカ ーを有する細胞系を生成し、その結果、10A1パッケージング細胞系がいづれかの 優性マーカーによる使用のために利用できた。クローンの命名は、PT(“10 (Te n)”A1擬似型を有するパッケージング細胞)により始まり、続いて、dhfr*によ り同時トランスフェクションされたクローンについては1〜74の数、又はhpt に より同時トランスフェクションされたクローンについては 100〜125 の数で始ま った。 2種の方法が、レトロウィルスベクターを生成するそれらの能力についてパッ ケージング細胞クローンをスクリーンするために使用された。第1の方法は、リ ン酸カルシウム−介在トランスフェクションによるLAPSN ベクターの細胞中への 導入、続く、トランスフェクション(過渡的ベクター救援)の2日後、ウィルス 生成のアッセイを包含した。後者のアッセイは、トランスフェクション段階を排 除し、そしてPE501 細胞(M0I−1) により製造されたLAPSN ベクターに前記細胞 を暴露することによってLAPSN べクター中に導入することによって単純化された (PE501細胞から生成されたエコトロピック擬似型ベクターによるトランスダクシ ョンは、10A1 Env又はMoMLV Gag−Pol タンパク質の発現により影響されない) 。ベクター力価を、LAPSN トランスダクションの2日後に測定した。いづれかの 技法により生成されたLAPSN ベクターの力価は類似した。 56のdhfr*及び17のhpt 同時トランスフェクションされた細胞クローンを、ベ クター生成のために分析した。いづれかのマーカーを用いることによって、又は いづれかの比 (1:20又は1:100)の選 択マーカープラスミド:pSX2 Envプラスミドを用いることによって製造されたパ ッケージング細胞クローンから生成されたベクターの力価は類似した。1ml当た り106 までのLAPSN 力価が、この過渡的ウィルス生成アッセイにおいて、いくつ かのパッケージング細胞クローンから製造された。 最良のdhfr*−同時トランスフェクションされたパッケージング細胞クローン のうち7個のクローンを、さらなる分析のために選択した。細胞を、LAPSN(PE5 01)ベクターによりトランスダクションし、そしてあらゆる細胞におけるLAPSN ベクターの存在を確かめるために5日間、G418において選択した。それらのパッ ケージング細胞クローンから生成されたLAPSN ベクター力価は、2×106 〜107 FFU/mlの範囲であった。 3種のそれらの細胞系 (PT28/LAPSN ,PT42/LAPSN 及びPT67/LAPSN)からの LAPSNベクター調製物を、NIH 3T3細胞における受容体使用について分析した。す べての3種のクローンからのLAPSN ベクターは、細胞侵入のために両向性受容体 以外の受容体を使用することができ、そしてそれらのパッケージング細胞により 生成されるLAPSN ベクターの干渉性質は、ベクターを擬似分類するために10A1ヘ ルパーウィルスを用いることによって生成されたLAPSN ベクターの干渉性質と密 接に調和した(表1)。10A1に基づくレトロウィルスパッケージング細胞系PT67 は、ATCC CRL−12284 として、American Typo Culture Collection,12301 Park lawn Drive,Rockville, Maryland 20852 USAに、1987年2月5日に寄託された 。 表1:10A1−擬似型パッケージング細胞により生成されたLAPSNベクターは、N IH 3T3 マウス細胞中への侵入のために両向性受容体以外の受容体を使用するこ とができる(a)。 a:値は、平均からわずか21%異なる単一実験においての二重反 復アッセイからの平均の結果である(但し、プレート当たり のコロニーの数が低く、そして平均から47%異なる20値は除 く)。実験は、1度実施された。 それらの3種のパッケージング細胞系からのLAPSN ベクター調製物をまた、PG −4+- L−アッセイ及びマーカー救援アッセイを用いることによって、複製 −コンピテントレトロウィルスの存在について分析した。 PG−4 S+- ヘルパーウィルスアッセイを行なうために、PG−4細胞を1 日目、6cm(直径)の皿当たり105 個で接種し、細胞に、1m当たり4μgのポ リブレンと共に新鮮な培地を供給し、そして試験ウィルスを2日目に添加し、そ して焦点を7日目に計数した。ヘルパーウィルスについてのマーカー救援アッセ イを行なうために、NIH 3T3 細胞を、1日目、6cmの皿当たり105 個でプレート し、細胞に、1m当たり4μgのポリプレンと共に新鮮な培地を供給し、そして 2日目、LAPSN ベクターを含む試験ウィルス 0.5mlを 添加し、細胞をトリプシン処理し、そして潜在的なウィルス拡張を促進するため に前記細胞を高密度で維持しながら、2週間、2〜3日ごとに1:10に分け、細 胞の集密的皿を15日目に供給し、そして培地を細胞から収穫した。培地を用いて 、16日目、新鮮なNIH 3T3細胞を感染せしめ、そして細胞を、感染の2日後、AP+ 焦点について染色した。継代培養された細胞をまたAPについて染色し、細胞がLA PSN ベクターによりトランダクションされ、そして従って、ヘルパーウィルスが 存在する場合、ベクターを生成することができたことを確かめ、そして細胞はそ れらのアッセイにおいて20〜100%AP+であった。 PG−4 S+- アッセイの使用は、パッケージング細胞からの50μlよりも 多くの培地への細胞の暴露に続いての有意なPG−4細胞融合により複雑化され、 それは、細胞融合により細胞の死の領域からのヘルパーウィルス−誘発された焦 点の区別を困難にする。しかしながら、LAPSN ベクター調製物のサンプル50及び 10μlは、PG−4 S+- アッセイにおいて焦点を誘発せず、これは20以下のF FU/mlのヘルパーウィルス力価を示し、そしてNIH 3T3 細胞により生成された10 A1ウィルスは同じアッセイにおいて、4×106FFU/mlの力価を付与した。 LAPSN ベクター調製物はまた、マーカー救援アッセイを用いて、ヘルパーウィ ルスの存在についても分析された。この場合、多量のLAPSN ベクターにより誘発 された細胞融合は、そのアッセイを複雑化しなかった。PT28/LAPSN ,PT42/LA PSN 、及びPT67/LAPSN 細胞からのベクターの二重反復サンプル 0.5mlは、この アッセイにおいて、ヘルパーウィルスについて陰性を付与し、これは、試験され た3種のクローンからのLAPSN 調製物におけるヘルパーウィルスの不在(1ml当 たり1以下)を示した。 例III pol 遺伝子の3’末端における通常の SphI部位〜env 遺伝子(10A1)におけ るEcoRI部位又はEnv 開始コドン(4070A)のすぐ上流のPf/MI部位までの10A1 及び4070AウィルスのPol/Env 領域を、配列決定した。配列の分析を実施し、 複数の受容体を使用するその能力を担当する10A1におけるアミノ酸配列を確認し 、そしてEnv発現プラスミドに存在する10A1及び4070Aのpol 遺伝子のこれまで 配列決定されていない領域を明確にした。 配列決定されるべきDNA フラグメントを、BluescriptII(Stratagene,La Jol la,CA)中にクローン化し、そして二本鎖プラスミドDNA を調製した。配列決定 を、Ml3色素プライマー及び反応を循環するためのSequenase DNA ポリメラーゼ を用いてのジデオキシ配列決定方法(PRISMキット、Applied Biosystems,Foster City,CA)、及びApplied Biosystems 373A DNA 配列決定機及び配列分析ソフト ウェアにより、挿入体の両鎖に対して実施した。配列は、テキスト編集機を用い て編集され、そして一次螢光色素プロフィールデータに対しての精度について調 べられた。それらの配列を、MoMLV の配列と比較した(図2)。 10A1 env 領域の配列は、7個の塩基(図2において丸で囲まれている)で、 公開された配列(Ottなど.,J .Virol.64:757-765 (1990))とは異なり、それ らのいづれも、9p70タンパク質のこれまでに予測されたアミノ酸配列への変更を もたらさなかった(但し、塩基719-721(図2) での3個の変更がEnv リーダーペ プチドにおける予測されるアミノ酸を変更した)。EnvのBsrGI〜XhoI領域にお いて10A1と4070Aウィルスとの間にわずか6個のアミノ酸の差異が存在する(図 2において、ボックスで囲まれたコドン)。pBX Env発現構造体は10A1受容体使 用パターンを有するので(図1)、それ らの変更は、Ott など.,J .Virol.66:4632-4638(1992)により示されるように 、10A1と4070Aウィルスとの間での受容体使用における差異を担当する。 10A1及び4070Aウィルス配列は、散乱された塩基差異、及び塩基615-617 での 10A1における3個のb.p.挿入を伴って、env の上流で類似する。env の上流 での、10A1とMoMLV との間の同一性の比較的長い領域は、10A1擬似型パッケージ ング細胞に存在する gag−pol 及びenv 配列を連結するためにこの領域における 組換えの可能性を高め、これはヘルパーウィルスの生成を促進するが、しかし追 加の組換現象がウィルスLTR を再生するためにまだ必要とされる。 例IV10A1 擬似型ベクターによるGALV受容体の利用 本発明の1つの観点は、ヒト及び他の細胞型中への侵入のためにRam−1又はG lvr−1受容体のいづれかを用いることができるレトロウィルスベクターの生成 に関する。Env 発現プラスミドトランスフェクション研究において生成されるベ クターに関する初期研究は、10A1擬似型ベクターが208Fラット細胞においてGlvr −1受容体を効果的に使用できないことを示した。208Fラット細胞における干渉 研究が次に、実施された。野生型10A1ウィルスが、10A1パッケージング細胞に存 在するMoMLV 及び4070Aウィルスのいづれかの効果を妨げるために、10A1パッケ ージング細胞の代わりに使用された。 表2に示されるように、LAPSN(10A1)ベクターは、208F細胞、及びGALVにより 前もって感染された208F細胞を効果的にトランスダクションしたが、しかしAM− MLV 両向性ウィルスにより前もって感染された208F細胞に関しては、不完全にト ランスダクションした。同一のパターンが、両向性LAPSN(PA317)ベクターに関 して観察された。対照的に、GALV擬似型LAPSN (PG13)ベクターは、208F細胞、及 びAMMLV 両向性ウィルスにより前もって感染された208F細胞を効果的にトランス ダクションしたが、しかしGALVにより前もって感染された208F細胞に関しては、 不完全にトランスダクションした。それらの結果は、10A1擬似型ベクターが、20 8Fラット細胞中への侵入のためにGALV受容体を利用できないこと示す。 表2:10A1ウィルス擬似型を有するLAPSN ベクターは、ラット20 8F中への侵入のために、両向性受容体を用いるが、しかし GALV受容体を用いることができない(a)。 a:他は、平均からわずか14%異なる単一の実験においての二重 反復アッセイからの平均の結果である。実験は、類似する結 果を伴って、さらに2回くり返えされた。 干渉分析が、一次ヒト線維芽細胞(HFF) においてGALV受容体を使用する10A1擬 似型LAPSN ベクターの能力を決定するために使用された(表3)。LAPSN(PA317 )ベクターは、HFF、及びGALVにより感染されたHFF を効果的にトランスダクシ ョンし、これは、GALVが細胞侵入のために両向性ウィルスにより使用される受容 体とは異なった受容体に結合することを確かにする。同様に、LAPSN(PG13) は、 HFF 、両向性ウィルスにより感染されたHFF を効果的にトランスダクションし、 そしてLAPSN(PG13) は、受容体妨害のために予測されるように、GALVにより感染 されたHFF を不完全にトランスダクショ ンした。 表3:10A1ウィルス擬似型を有するLAPSN ベクターによるヒト線 維芽細胞中への侵入のためへの両向性及びGALV受容体の使 用(a)。 a:値は、平均からわずか10%異なる単一の実験においての二重 反復アッセイからの平均の結果である(但し、プレート当り のコロニーの数が低く、そして平均から 100%まで異なる10 以下の値は除く)。実験は、類似する結果を伴って、2回く り返された。 それらの結果は、GALV及び両向性ウィルスがヒト細胞中への侵入のために異な った受容体を使用し、そして従って、干渉を示さないことを確証する。LAPSN(10 A1)ベクターは、両向性擬似型LAPSN(PA317)ベクターよりも有意に高い割合で 、両向性ウィルスにより前もって感染されたHFF 細胞をトランスダクションした が、しかしLAPSN(10A1) よりも低い効率で、それはHFF、又はGALVにより前もっ て感染されたHFF 細胞をトランスダクションした。また、HFF 細胞の、GALV擬似 型LAPSN(PG13) ベクタートランスダクションは、10A1ウィルスによる前もっての 感染により有意に阻害された。それらの結果は、10A1擬似型ベクターが、それら が両向性受容体を使用するほどたぶん効果的ではないが、ヒト細胞中への侵入の ためにGALV受 容体を使用することができることを示す。 10A1擬似型ベクターの性質は異なった個人又は組織源からの細胞に関しては異 なるので、干渉分析が、異なった個人及び組織からの追加のヒト細胞系、すなわ ち、293 胚腎細胞(表4)及びIB3 気道上皮細胞(データは示されていない)に 対して実施された。両名の場合、結果はHFF 細胞による実験に類似し、そして10 A1擬似型ベクターが細胞侵入のために Ram−1及びGlvr−1の両者を使用するこ とができるが、しかしGALV受容体を低い効率で使用できることを示す。 表4:10A1ウィルス擬似型を有するLAPSN ベクターによるヒト2 93線維芽細胞中への侵入のためへの両向性及びGALV受容体 の使用(a)。 a:値は、平均からわずか20%異なる単一の実験においての二重 反復アッセイからの平均の結果である(但し、プレート当た りのコロニー数が低く、そして平均から33%異なる10以下の 値は除く)。実験は、類似する結果を伴って、2回くり返え された。 別の実験において、干渉分析が、NIH 3T3 細胞において同じ擬似型LAPSN ベク ターを用いて実施された(表5)。GALVはマウス細胞を感染せず、そして従って 、試験され得なかったことを注目するこ と。10A1ウィルスは、両向性擬似型LAPSN(PA3l7)ベクターによるトランスダク ションを阻止し、これは、10A1が細胞に結合し、そしてたぶん、両向性受容体を 用いることによって細胞に侵入することができることを示す。LAPSN(10A1) ベク ターは、NIH 3T3 細胞、又はAM−MLV により前もって感染されたNIH 3T3 細胞に 対して同じ力価を有し、これは、10A1擬似型ベクターが両向性受容体以外の受容 体を用いることによって細胞中に侵入することができることを示す。対照実験は 、エコトロピック擬似型(LAPSN(PE501))ベクターによるトランスダクションが MoMLV により阻止されたが、しかしAM−MLV 又はGALVの存在により影響されず、 そしてMoMLV の存在が10A1又は両向性擬似型LAPSN ベクターによるトランスダク ションに影響を及ぼさなかったことを示した。細胞侵入のためにエコトロピック ウィルスにより使用される受容体は、10A1及び両向性レトロウィルスにより使用 される受容体とは異なる。それらの結果は、10A1又は両向性擬似型ベクターによ る NIH 3T3+10A1細胞の良好でない感染は、エコトロピックベクターがそれらの 細胞を効果的にトランスダクションするので、細胞に関する一般的な問題による ものではなく、そして両向性擬似型ベクターのトランスダクションは、両向性LA PSN ベクターがMoMLV 感染された細胞を効果的にトランスダクションすることが できるので、すべてのレトロウィルス感染去れたNIH3T3 細胞において阻止され ないことを示す。 表5:10A1ウィルス擬似型を有するLAPSN ベクターによるNIH 3T 3マウス細胞中への侵入のための両向性受容体以外の受容 体の使用(a)。 a:値は、平均からわずか14%異なる単一の実験においての二重 反復アッセイからの平均の結果である(但し、プレート当た りのコロニー数が低く、そして平均から33%異なる10以下の 値は除く)。実験は、類似する結果を伴って2回くり返えさ れた。 それらの結果及び前の結果は、ヒトGALV受容体のマウス相同体がCHO 細胞(Mi llerなど.,J .Virol 68:8270−8276(1994))におおけるGALV擬似型ベクターの ための受容体として機能することができることを示し、これは、10A1擬似型ベク ターがGlvr−1を用いることによってNIH 3T3 マウス細胞を効果的にトランスダ クションすることができることを示した。10A1ウィルスは両向性ベクターにより 感染を阻止することができるので、10A1は Ram−1を結合することができ、そし て従って、マウス細胞に侵入するために Ram−1を使用することができる。 前述の発明は明確な理解のために、例示的且つ例的にいくつか詳細に記載され て来たが、一定の変更及び修飾が本発明の範囲内で行なわれ得ることは明白であ ろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセンブリングすることがで きる脊椎動物細胞である、複製−欠損レトロウィルスベクター粒子を生成するた めの培養されたパッケージング細胞であって: 標的細胞上のGlvr−1又は Ram−1レトロウィルス受容体への前記レトロウィ ルス粒子の結合を指図する、10A1のアミノ酸残基を有するレトロウィルスenv タ ンパク質をコードするベクター;及び 腫瘍ウィルスgag 及びpol 遺伝子をコードするベクターを含んで成り、ここで 注目異種遺伝子をコードすることができる配列を有するベクターの存在下で前記 パッケージング細胞における前記ベクターの発現に基づいて、標的細胞のGlvr− 1及び Ram−1レトロウィルス受容体に結合する複製−欠損レトロウィルスベク ターが生成されることを特徴とする培養されたパッケージング細胞。 2.前記レトロウィルスenv タンパク質をコードするベクターが、10A1 env遺 伝子のBsrGI− XhoIフラグメント内にコードされる10A1 envアミノ酸残基をコ ードする請求の範囲第1項記載の培養されたパッケージング細胞。 3.前記レトロウィルスenv タンパク質をコードするベクターが、10A1 env遺 伝子のBsrGI− XhoIフラグメントのヌクレオチド配列を含む請求の範囲第2項 記載の培養されたパッケージング細胞。 4.前記レトロウィルスenv タンパク質が、異なった両向性レトロウィルスか らの非−10A1 envアミノ酸残基を有するキメラタンパク質である請求の範囲第2 項記載の培養されたパッケージング細胞。 5.前記腫瘍ウィルスgag 及びpol 遺伝子がレトロウィルスから である請求の範囲第1項記載の培養されたパッケージング細胞。 6.前記レトロウィルスgag 及びpol 遺伝子が両向性レトロウィルスからであ る請求の範囲第4項記載の培養されたパッケージング細胞。 7.前記脊椎動物細胞が、レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセン ブリングすることができる鳥類又は哺乳類細胞である請求の範囲第1項記載の培 養されたパッケージング細胞。 8.前記レトロウィルスenv タンパク質及び腫瘍ウィルスgag 及びpol タンパ ク質をコードするベクターが、前記パッケージング細胞の染色体に組込まれる請 求の範囲第1項記載の培養されたパッケージング細胞。 9.レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセンブリングすることがで きる脊椎動物細胞である、複製−欠損レトロウィルスベクター粒子を生成するた めの培養されたパッケージング細胞であって: 標的細胞上のGlvr−1又は Ram−1レトロウィルス受容体への前記レトロウィ ルス粒子の結合を指図する、10A1のアミノ酸残基を有するレトロウィルスenv タ ンパク質をコードするベクター; 腫瘍ウィルスgag 及びpol 遺伝子をコードするベクター;及び 注目の異種遺伝子をコードすることができる配列を有するベクターを含んで成 り、ここで前記パッケージング細胞における前記ベクターの発現に基づいて、標 的細胞のGlvr−1及び Ram-1レトロウィルス受容体に結合する複製−欠損レト ロウィルスベクター粒子が生成されることを特徴とする培養されたパッケージン グ細胞。 10.興味ある異種遺伝子をコードする複製−欠損レトロウィルスベクター粒子 を生成するための方法であって: (a)ウィルス性の長い末端反復体配列(LTRs)、レトロウィル スパッケージング配列、及び異種遺伝子を含んで成る組換えDNA プロウィルスか ら転写されるウィルスRNA を含んで成る複製欠損ウィルス粒子、又は(b)前記 プロウィルスを含んで成るベクターによりレトロウィルスパッケージング細胞を トランスダクションし、又はトランスフェクションし、ここで前記パッケージン グ細胞が、レトロウィルスタンパク質を発現し、そしてアセンブリングすること ができ、そして(i)標的細胞上のGlvr−1又は Ram−1レトロウィルス受容体 へのレトロウィルス粒子の結合を指図する、10A1のアミノ酸残基を有するレトロ ウィルスenv タンパク質をコードする組込まれたベクター、及び(ii)腫瘍ウィ ルスgag 及びpol 遺伝子をコードする組込まれたベクターを有することができる 脊椎動物細胞であり; 前記レトロウィルスenv タンパク質、前記腫瘍ウィルスgag 及びpol 遺伝子、 及び興味ある異種遺伝子をコードする前記配列をコードする配列を、前記パッケ ージング細胞において発現し;そして 標的細胞のGlvr−1及び Ram−1レトロウィルス受容体に結合する複製−欠損 レトロウィルスベクター粒子を生成することを含んで成る成る方法。 11.興味ある異種遺伝子を含む前記複製−欠損レトロウィルスベクター粒子が 、少なくとも105FFU/ml培地の力価で生成される請求の範囲第10項記載の方法。 12.興味ある異種遺伝子を含む前記複製−欠損レトロウィルスベクター粒子が 、少なくとも107FFU/ml培地の力価で生成される請求の範囲第11項記載の方法。 13.請求の範囲第10項記載の方法により生成される、興味ある異種遺伝子を含 む複製−欠損レトロウィルスベクター粒子。
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