【発明の詳細な説明】
バラノール類似体
発明の分野
本発明は、特に発展したコンビナトリアル・ライブラリー計画を使用し
、バラノール(balanol)類似体を合成する新規な方法に関する。その計画は、
またバラノール類似体のライブラリー合成にも特に適している。本発明は、興味
ある意外な構造と官能基的特徴を有する新規化合物群を入手する手段を提供し、
ゆえに本発明はスクリーニング目的のライブラリーの使用と様々な疾病の治療薬
としての新規化合物の使用にも関する。
発明の背景
伝統的な医薬品化学においては、適当な薬理学的および毒物学的性質を
有する一つの活性な成分(薬物)を見出す過程において、平均して10,000の異な
る化合物を合成して試験する。一連の分析的、結晶学的、有機合成的および計算
化学的技術からの組み合わせた経験を収集し、全体を「論理的ドラッグデザイン
」としばしば呼ばれる新しい分野として設立した。これらの方法は、新しいリー
ド化合物や薬物の探索をスピードアップし、かつ容易にすると期待されてきたが
、これまでにはとても有効であるとは示されていなかった。今日、新薬一つにか
かる平均的な費用は依然として約250-350,000,000 US ドルであり、一つの新薬
が市場にでまわるまでには平均12年かかっている。さらに、最近20年間の明
白な科学的進歩にもかかわらず、多くの疾病がその治療法がなかったりまたは治
療法が不十分だったりするために依然として人類を脅かして
いる。これらには明らかにAIDS、心臓血管の疾病およヒトの癌、また神経変性障
害(例えばアルツハイマー病)、代謝性の障害(2型糖尿病)に関連した疾病お
よび生命の長さのみならず質にも影響を与える他の疾病が含まれている。
新規な生物学的活性化合物の探索を促進するために、新しい化学的/分
析的技術が開発された。この研究分野はしばしば、コンビナトリアルケミストリ
ーと呼ばれ、現代の有機化学においてもっとも早く発達した研究分野の一つであ
る。小さい分子の、巨大で多様なライブラリーの合成とスクリーニングにより、
新規な薬物に到達するのみならず、新規な合成レセプター、新規な物質または新
規な触媒を発見するのにとても重要でもありうる。この分野で報告されている文
献の大部分は、小型のペプチドやオリゴヌクレオチドからなるライブラリーに関
するものである、というのはこれらの分子の固相合成の合成的計画が何十年の間
に最適化されているからである。しかし、小型の分子は有機合成化学者にとって
より大きな難問であり、その上薬物発見過程において可能性のある先導物を見出
す可能性を有している。
コンビナトリアルケミストリーを利用して化学的多様性をつくることは
、現代有機化学の中でもっとも活発な分野の一つである。当初は、その研究はペ
プチドやヌクレオチドのライブラリー合成に集中していたが、より最近では、−
麻酔剤、[鎮静睡眠薬、抗痙攣薬、神経弛緩薬および抗不安薬のような]中枢神
経系抑制剤、[抗パーキンソン薬のような]神経筋異常を治療する薬または骨格
筋弛緩薬、鎮痛剤、中枢神経系興奮剤、局所麻酔剤、コリン作動薬、アセチルコ
リンエステラーゼ阻害剤またはコリン作動性拮抗薬、アドレナリン作動性薬物、
[強心配糖体、抗狭心症薬、抗不整脈薬のような]心臓病剤、抗凝血薬、凝血薬
および血漿増量薬、利尿薬、抗アレルギーおよび抗潰瘍薬、抗脂血症薬、
非ステロイド系抗炎症薬、糖代謝に影響を与える薬、抗マイコバクテリア剤、抗
生物質または抗菌剤、抗真菌薬;殺虫剤、防腐剤または消毒剤;ホルモン拮抗薬
、癌化学療法または光化学療法のための抗腫瘍剤、抗ウイルス剤;またはHIV-感
染やAIDSに対する可能性のある薬のような他の分野での活性を有する分子を見出
すのに薬物である可能性があいまいなため−非ペプチドの小型分子のライブラリ
ー合成がこの分野で主として注意および資源を引き付けている。
プロテインキナーゼC(PKC)は、シグナル形質導入、細胞増殖および細
胞分化を含む様々な過程において関係しているセリン/トレオニン特異性キナー
ゼの系統群に属している。活性化された PKC は多数の疾病過程に関連している
ため、PKC を阻害する薬は広範囲の治療的能力を有する。これらは、癌、炎症、
心血管機能障害、糖尿病合併症、喘息、中枢神経系障害および HIV 感染のよう
な広範囲におよぶ過酷な疾病を含んでいる。
バラノールは菌類の代謝産物で、高いPKC阻害活性を有するため、著し
い注意を引いている。さらに、バラノールは、他の公知 PKC 阻害剤であるスタ
ウロスポリン(staurosporin)と比べて比較的良好な治療指数を有している。文
献には幾つかのバラノールの溶液中での全合成例[ Lampe,J.W.; Hughes,P.F.;
Bigger,C.K.; Smith,S.H; Hu,H.J.Org.Chem.1994, 59, 5147-5148; Lamp
e,J.W.; Hughes,P.F.; Bigger,C.K.; Smith,S.H.;Hu,H. J.Org.Chem. 1996,
61, 4572-4581; Niclolaou,K.C.; Bunnage,M.E.; Koide,K.J. J.Am.Chem.S
oc., 1994,116,8402-8403; Adams,C.P.;Fairway,S.M.;Hardy,C.J.;Hibbs,D.
E.; Hursthouse,M.B.; Morley,A.D.; Sharp.B.W.; Vicker,N; Warner,I.J.Che
m.Soc.Perkjn Trans.I, 1995, 2355-2362]および向上した選択性を有する類似
体[Lai,Y.-S.;Stamper,M. Bioorg. Med. Chem. Lett. 1995,
5, 2147-2150; Lai,Y.-S.;Menaldino,D.S.;Nichols, J.B.; Jagdmann,G.E.J.
;Mylott, F.;Gillespie,J; Hall,S.E. Bioorg. Med. Chem. Lett.1995, 5, 21
51-2154; Nicolaou,K.C.;Koide,K; Bunnage,M.E. Chem. Eur.J. 1995, 1, 454-
466]が報告されている。しかし、これらの合成すべては、多数の合成工程なら
びに固相有機合成やコンビナトリアルケミストリーと適合性でない、応用化学に
おけるある水準の複雑さを含んでいる。
発明の要旨
本発明の目的は、固相合成方法論を使用したバラノール類似体合成のた
めの単純化した合成計画を提供することにある。バラノール類似体合成のための
新規な固相法により公知類似体の入手がより容易になり、また今まで知られてい
ないバラノール類似体を提供することができると思われる。その合成計画はまた
、バラノール類似体のコンビナトリアルライブラリーを容易に合成することを可
能とするであろう。
ゆえに、本発明は、以下の一般式I:
K-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-D I
[式中、K-C(=O)-はカルボキシ基またはその誘導体を意味する;A およびB のそ
れぞれは有機二端遊離基を意味する;L1およびL2のそれぞれは独立して-NR5-ま
たは-O-[式中、各R5は水素、任意に置換された C1-20−アルキル、任意に置換
された C1-20−アルケニル、任意に置換された C1-20−アルカジエニル、任意に
置換された C1-20−アルカトリエニル、任意に置換されたアリール、および任意
に置換されたヘテロアリールから独立して選ばれるかまたは、R3はB への付加的
結合を意味する(それにより、B は三端遊離基となる)]を意味する;およびD
は任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールを意味する
]
のバラノール誘導体の製造方法を提供し、
その方法は以下の工程:
(A)固体支持物質に固定された、任意に官能基が保護された分子 -C(=O)-A-C(=
O)-M1 [式中、-C(=O)-M1はカルボキシ基またはその誘導体を意味する]を提供
し、
(B)任意に官能基が保護された二官能基部分L'1-B-L'2を、固定された分子 -C(
=O)-A-C(=O)-M1の末端 -C(=O)-M1へ結合させ、任意に官能基が保護された固定さ
れた断片 -C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2を形成し、
(C)任意に官能基が保護された部分 D-C(=O)-M2[式中、C(=O)-M2はカルボキシ
基またはその誘導体を示す]を固定された断片 -C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2のL'2
末端へ結合させ、任意に官能基が保護され固定された化合物-C(=O)-A-C(=O)-L1-
B-L2-C(=O)-Dを形成し[この工程はL'2に含まれるいずれの保護基の脱保護を任
意に含む]、および
(D)化合物 K-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-Dを固体支持物質から切断するこ
と[その工程は A、B および/またはD に結合した一以上の官能基の脱保護を任
意に含む]
からなる。
本発明はまた、上述の一般式Iをそれぞれ有する、少なくとも4つの化
合物からなり、好ましくは 6-200 の化合物の範囲の、より好ましくは 6-100 の
化合物の範囲の、とりわけ 8-64 の化合物の範囲の、化合物{A}-{B}-{D}の多次
元のアレイ(array)を合成する方法も提供する。その方法は、以下の工程:
(A)固体支持物質に固定され、任意に官能基が保護されたm個の分子-C(=O)-A-
C(=O)-M1[式中、-C(=O)-M1はカルボキシ基またはその誘導体を示す]のアレイ{
A}を提供し、
(B)任意に官能基が保護されたn 個の二官能基部分 L'1-B-L'2のアレイ{B}を、
固定された分子 -C(=O)-A-C(=O)-M1の末端 -C(=O)-M1へ結合させ、
任意に官能基が保護され固定された m*n 個の断片-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2のア
レイ{A}-{B}を形成し、
(C)任意に官能基が保護されたo個の部分 D-C(=O)-M2のアレイ{D}[式中、C(=
O)-M2はカルボキシ基またはその誘導体を示す]を固定された断片 -C(=O)-A-C(=
O)-L1-B-L'2のL'2末端へ結合させ、任意に官能基が保護されたm*n*o個の固定さ
れた化合物 -C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-Dのアレイ{A}-{B}-{D}を形成し[そ
の工程は L'2に含まれるいずれの保護基の脱保護を任意に含む]、および
(D)化合物 K-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-D のアレイ{A}-{B}-{D}を固体支
持物質から切断すること[その工程は個々の A、B および/またはD に結合した
一以上の官能基の脱保護を任意に含む]
からなる。
新規類似体の幾つかは、最初のバラノール分子と構造的に全く似ていな
いため、生物学的効果は一目で全く期待されいないが、しかしそのような化合物
は、バラノール自身よりも高い特異性を有すると期待される薬剤として有用であ
ると考えられる。
ゆえに、本発明はスクリーニング目的のライブラリーの使用と薬剤とし
ての個々の化合物の使用をも提供する。
発明の詳細な説明
定義
本文で、用語「C1-20アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、iso-
プロピル、シクロプロピル、ブチル、tert-ブチル、iso-ブチル、シクロブチル
、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘキサデシル、ヘプ
タデシル、オクタデシル、ノナデシルのような、1
〜20の炭素原子を有する線状、環状または分岐状炭化水素基を意味する。同様
に、用語「C1-6-アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、ペ
ンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルのような、1〜6の炭素原
子を有する線状、環状または分岐状炭化水素基を意味し、用語「C1-4-アルキル
」は、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、シクロプロピル、ブチル、is
o-ブチル、tert-ブチル、シクロブチルのような、1〜4の炭素原子を有する線
状、環状または分岐状炭化水素基を意味する。
「C1-6-アルキル」の好ましい例としては、メチル、エチル、プロピル
、iso-プロピル、ブチル、tert-ブチル、iso-ブチル、ペンチル、シクロペンチ
ル、ヘキシル、シクロヘキシルであり、特にメチル、エチル、プロピル、iso-プ
ロピル、tert-ブチル、iso-ブチルおよびシクロヘキシルである。「C1-4-アルキ
ル」の好ましい例は、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、ブチル、tert
-ブチルおよびiso-ブチルである。
同じく用語「C2-20 アルケニル」、「C4-20 アルカジエニル」および「
C6-20 アルカトリエニル」は、それぞれ2〜20、4〜20および6〜20の炭素原子
を有し、かつそれぞれ1、2および3の不飽和結合を含む線状、環状または分岐
状の炭化水素基を意味する。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブテニル、
ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ヘプタデカエニルである。
アルカジエニル基の例は、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘ
プタジエニル、ヘプタデカジエニルである。アルカトリエニル基の例は、ヘキサ
トリエニル、ヘプタトリエニル、オクタトリエニルおよびヘプタデカトリエニル
である。アルケニルの好ましい例は、ビニル、アリル、ブテニル、特にアリルで
ある。
同じく用語「C2-20 アルキニル」は、2〜20 の炭素原子を有し、
かつ三重結合を1つ含む線状または分岐状の炭化水素基を意味するものである。
この例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、オクチニルおよびドデカイニルで
ある。
本文中で、すなわち用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルカジエ
ニル」、「アルカトリエニル」および「アルキニル」に関して用語「任意に置換
された」は、対象となる基が、1または数回、好ましくは1〜3回、ヒドロキシ
(不飽和炭素原子に結合したとき、互変異性ケト形で表わされてもよい)、C1-6
-アルコキシ(すなわちアルキルオキシ)、C2-6-アルケニルオキシ、カルボキシ
、オキソ(ケトまたはアルデヒド官能性を形成)、C1-6-アルコキシカルボニル
、C1-6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシカルボニル
、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキ
シカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モ
ノ-およびジ(C1-6 -アルキル )アミノ;カルバモイル、モノおよびジ(C1-6 -ア
ルキル) アミノカルボニル、アミノ-C1-6 -アルキル- アミノカルボニル、モノ-
およびジ(C1-6 −アルキル) アミノ-C1-6 -アルキル-アミノカルボニル、C1-6-
アルキルカルボニルアミノ、グアニジノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキ
シ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、スルファニル、C1-6-
アルキルチオ、トリハロゲン-C1-4-アルキル、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素
のようなハロゲン[アリールとヘテロアリールは「任意に置換されたアリールお
よびヘテロアリール」で特に上述するように置換され得る]から選択される基で
置換され得ることを意味する。
置換基は、ヒドロキシ、C1-6-アルコキシ、カルボキシ、C1-6-アルコキ
シカルボニル、C1-6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキ
シカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリール、アミノ、モノ-およびジ(
C1-6 -アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-および
ジ(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル
、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1- 6
-アルキルカルボニルアミノ、カルバミド、トリハロゲン-C1-6-アルキル、フッ
素、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン[アリールとヘテロアリールは 1
-5 箇所、好ましくは 1-3 箇所、C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ、ニトロ、ア
ミノまたはハロゲンで置換され得る]から選択することが好ましい。特に好まし
い例は、ヒドロキシ、C1-6-アルコキシ、カルボキシ、アリール、ヘテロアリー
ル、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノおよびフッ素、塩素、臭素ま
たはヨウ素のようなハロゲン[アリールとヘテロアリールは 1-3 箇所、C1-4-ア
ルキル、C1-4-アルコキシ、ニトロ、アミノまたはハロゲンで置換され得る]で
ある。
本文中で、用語「アリール」は、完全にまたは部分的に芳香族の炭素環
式環または環系を意味し、例えばフェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナ
フチル、アントラシル、フェナントラシル、ピレニル、ベンゾピレニル、フルオ
レニルおよびキサンテニルがあり、このうちフェニルが好ましい例である。
用語「ヘテロアリール」は、1以上の炭素原子が、ヘテロ原子、例えば
窒素(=N-または-NR5-[式中R5は水素およびC1-4-アルキルから選ばれる])、
硫黄および/または酸素原子で置換された、完全にまたは部分的に芳香族の炭素
環式環または環系を意味する。このようなヘテロアリール基の例は、オキサゾリ
ル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、
ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、クマリル
、フリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジアゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、フタラジニル、フタラニル、トリアゾリル、テトラゾ
リル、イソキノリル、アクリジニル、カルバゾリル、ジベンズアゼピニル、イ
ンドリル、ベンゾピラゾリル、フェノキサゾニルである。好ましいへテロアリー
ル基は、ピリジニル、ベンゾピラゾリルおよびイミダゾリルである。
本文中で、用語「非−芳香族炭素環式およびヘテロ環式基」は、それぞ
れ炭素原子のみからなる(炭素環式)またはヘテロ原子と共に炭素原子からなる
(ヘテロ環式)環を意味する。ヘテロ原子は、典型的には窒素、酸素および硫黄
から選ばれる。そのような基は、不飽和結合を含まないかまたは一または数個の
不飽和結合を含んでおり、もし存在する際には、しかし、芳香族π-電子系が生
じないような方法で位置する。遊離基の位置はそのような基から生じる二端遊離
基の場合、環上に直接位置していると考えられるべきである。
非−芳香族炭素環式およびヘテロ環式基の特定な例としては、オキサゼ
タン(oxazetane)、ジアゼタン、チアゼタン、オキサゾラン、イミダゾリジン、
チアゾラン、オキサジラン、ヘキサヒドロピリダジン、チアジラン、オキサゼパ
ン、ジアゼパン、チアゼパン、オキサゾケイン(oxazocane)、ジアゾケイン、チ
アゾケイン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、ピロリジン、テトラヒドロ
チオフェン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、テトラヒドロチオピラン、オキ
セパン(oxepane)、アゼパン、チエパン、オキソケイン、アゾケイン、チオケイ
ン、シクロプロパン、オキシラン、アジリジン、シクロプロパン、アジリン、シ
クロブタン、オキセタン、アゼチジン、チエタン、2-アゼチジノン、1,3-ラクト
ン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、シクロペンテン、シクロペンタジエン、
ピロリジオン、ピロリドン、シクロヘキシル、オキシラン、ジオキシラン、モル
フォリン、ピペリジン、1,5-ラクトン、1,5-ラクタム、シクロヘキセン、シクロ
ヘキサジエン、ピペリジオン、トロパン、1,6-ラクロン(トロポロン)、1,6-ラ
クタム、アゼピン、ジヒドロアゼ
ピン、テトラヒドロアゼピンおよびヘキサヒドロアゼピンがある。特に好ましい
例としては、オキシラン、アジリジン、アジリン、オキセタン、2-アゼチジノン
、1,3-ラクトン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピロリドン、ピロリジオン
、オキシラン、ジオキシラン、モルホリン、ピペリジン、δ−バレロラクタム(2
-ピペリドン)、1,5-ラクトン、ピペリジオン、トロポロン、1,6-ラクタム、アゼ
ピン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピンおよびヘキサヒドロアゼピンで
ある。特に好ましい例としては、2-アゼチジノン、1,3-ラクトン、ピロリドン、
1,5-ラクタム、1,5-ラクトン、トロポロン、1,6-ラクタム、アゼピン、ジヒドロ
アゼピン、テトラヒドロアゼピンおよびヘキサヒドロアゼピンである。
本文中で、つまり用語「アリール」、「ヘテロアリール」および「非-
芳香族炭素環式およびヘテロ環式基」に関して用語「任意に置換された」は、対
象となる基が、1または数箇所、好ましくは1-5箇所、とりわけ 1-3 箇所、ヒ
ドロキシ(エノール系に存在する際には、互変異性のケト形で示されてもよい)
、C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、オキソ(互変異性のエノール形で示されて
もよい)、カルボキシ、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボニル
、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、アリール
カルボニル、ヘテロアリール、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ;
カルバモイル、モノ-およびジ(C1-6 -アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1-6
-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アル
キル-アミノカルボニル、C1-6-アルキルカルボニルアミノ、グアニジノ、カルバ
ミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、
ニトロ、スルファニル、ジハロゲン-C1-4-アルキル、トリハロゲン-C1-4-アルキ
ル、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲンから選択される基[置換
基を示すアリールおよびヘテロアリールでもよい]
で置換され得ることを意味する。好ましい例は、ヒドロキシ、C1-6-アルキル、C1-6
-アルコキシ、カルボキシ、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカル
ボニル、アリール、アミノ、モノ-およびジ(C1-6-アルキル)アミノおよびフッ素
、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン[アリールおよびヘテロアリールは
上述のように置換されていてもよい]である。
本文中で、同義語「有機二端遊離基」と「二端遊離基」は、それから一
般に連想される意味を有する。ゆえに、そのような二端遊離基は、どのような有
機分予からも、そこから二つの水素原子(一つの原予に結合せず理論的に)を除
去することにより実際に誘導することができる。本文中では、興味深い二端遊離
基は線状または環状のいずれでもよく、線状または環状半二端遊離基(sub-bira
dical)からえらばれる二以上のドメインからなる。線状および環状の性質を両
方有するドメインからなり、結合した二端遊離基の実例としては、フェニレン−
カルボニル−フエニレン、メチレン−フェニレン−メチレンオキシおよびメチレ
ン−フェニレンがある。
線状の二端遊離基または結合した二端遊離基のドメインの例としては、
任意にO、SおよびNR5から選ばれた一つ以上のヘテロ原子により割り込まれか
つ/または終結しており、一または数箇所、好ましくは 1-5 箇所、とりわけ 1-
5 箇所、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置換された C2-6-アルケニル
、任意に置換された C4-8-アルカジエニル、任意に置換された C6-8-アルカトリ
エニル、ヒドロキシ、オキソ(それによりケトまたはアルデヒド官能性を形成す
る)、-O-R6、ホルミル、-C(=O)-R6、-O-C(=O)-R6、カルボキシ、-C(=O)-O-R6、
任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリールオキシ、任
意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、フッ素、塩素、臭
素およびヨウ
素のようなハロゲン、ニトロ、シアノ、-N(R5)2、-N(R7)-CO-R6、カルバモイル
、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、スルファニル、任意に置換
された C1-6-アルキルチオ、任意に置換された C1-6-アルキルチオ-C1-6-アルキ
ル、(任意に置換されたアリール)チオ、グアニジノ、スルホノ(-SO3H)、ス
ルフィノ(-SO2H)、ハロスルホニル、-OS(O)m-R6[m は2または3]、-N(R7)S
(O)m-R6[mは2または3]、-S(O)m-N(R7)2[m は2または3]、-S(O)m-NH(R7
)[m は2または3]、-S(O)m-NH2[m は2または3]、イソシアノ、イソチオ
シアノ、チオシアノ、-OP(O)p(R6)q[p は1、2または3、q は1または2、お
よびp+qは3、4または5] および-N(R7)P(O)p(R6)q[pは1、2または3、qは1
または2、およびp+qは3、4または5]から選ばれた置換基[各R5および各R6は
、水素、任意に置換された C1-20-アルキル、任意に置換された C2-20-アルケニ
ル、任意に置換された C4-20-アルカジエニル、任意に置換された C6-20-アルカ
トリエニル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリー
ルから独立して選ばれ;各R7は水素および C1-4-アルキルから選ばれる]で任意
に置換されていてもよい 1-20 の炭素原子のアルキレン鎖がある。
線状の二端遊離基または結合した二端遊離基のドメインの特に好ましい
例としては、任意にO、SおよびNR5から選ばれた一または二つのヘテロ原子に
より割り込まれかつ/または終結しており、任意に置換された C1-6-アルキル、
任意に置換された C2-6-アルケニル、ヒドロキシ、オキソ(それによりケトまた
はアルデヒド官能性を形成する)、-O-R6、ホルミル、-C(=O)-R6、-O-C(=O)-R6
、カルボキシ、-C(=O)-O-R6、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリールオキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリ
ールオキシ、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン、シアノ、-N(R5
)2、-N(R7)-CO-R6、カルバモイル、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノカル
ボニル、C1-6-ア
ルキルチオから選ばれた置換基[各R5および各R7は独立して水素およびC1-4-ア
ルキルから選ばれ、各R6は、水素、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置
換された C2-6-アルケニル、任意に置換されたアリール、および任意に置換され
たヘテロアリールから独立して選ばれる]で 1-3 箇所、任意に置換されていて
もよい 1-6 の炭素原子のアルキレン鎖がある。
二端遊離基はまた、一以上の環式成分、特に 5-または 6-または7-員環
式成分からなるか、または含んでもよい。各そのような環状成分は各々独立して
飽和、不飽和または完全にまたは部分的に芳香族でもよく;それは炭素環式でも
よく;または1、2、3または4つの、典型的には窒素(=N-または-NR5-[式中
、R5は線状二端遊離基の際定義したとおり])、酸素または硫黄から選ばれるヘ
テロ原子を含有するヘテロ環式でもよい。幾つかの環式成分が存在する場合、こ
れらは一重または二重結合を経て結合していてもよく、また縮合していてもよく
、またその組み合わせでもよい。
環式二端遊離基の例は、任意に置換された非−芳香族炭素環式およびヘ
テロ環式基の二端遊離基に加えて、任意に置換されたアリール基および任意に置
換されたヘテロアリール基の二端遊離基である。
一般式1およびそれに関連した定義とから明らかなように、二端遊離基
および可能性のある置換基の性質により、化合物Iには一つまたは幾つかの不斉
炭素が存在しうる。以下、参照。本発明の方法に従い合成された化合物は、本質
的に化合物Iと同様であるが、それらの混合物も同様に、ラセミ混合物も含み、
個々の分子の全部およびあらゆる異性体の存在から生じる全ての立体異性体を含
むものである。
さらに、一般式Iの化合物は、可能性のあるその塩も含み、薬物的に許
容される塩が特に適切であると考えられる。塩は、酸付加塩および塩基塩を含む
。この例としては、塩酸塩、ナトリウム塩、カルシウム
塩、カリウム塩等がある。薬物的に許容される塩は、例えばRemington's Pharma
ceutical Sciences[17.Ed. Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mack Publishing Comp
any, Easton, PA, U.S.A.,1985]に記載のものがある。さらに、最終生成物は水
和物の形でも存在できる。
一般式Iの化合物の構築
本発明の方法の原理を方法図1に示す。バラノールのレトロシンテシス
分析により、それぞれ、モノ−保護された芳香族ジアシッド、アミノアルコール
および安息香酸誘導体である三つの主なビルディング・ブロックまたはシントン
が同定される。
[方法図1]
ゆえに、方法図1を参考にして、数多くの変更が可能であり、また本発
明の範囲内で実現可能である。例えば、バラノール分子は、それぞれ-L2-C(=O)-
および-C(=O)-L1-に対応する一つのアミド結合と一つのエステル結合を含んでい
る。しかし、本発明の範囲内でありうる類似体は二つのアミド結合または二つの
エステル結合を含んでいてもよく、ま
たはそれらの結合が相互に入れ替わっていてもよく、その結果、エステル結合は
-L2-C(=O)-に、アミド結合は-C(=O)-L1-に対応する。さらに、安息香酸ビルディ
ング・ブロックは、どんな芳香族およびヘテロ芳香族カルボン酸で示されてもよ
く、ジアシッドはどのような他の線状、環式、非−芳香族または芳香族由来のジ
カルボン酸でもよい。
一般式Iの分子K-C(=O)-は、カルボン酸(K=OH)またはその誘導体を意味
する。当該分野で公知のどのようなカルボン酸誘導体も本発明の定義内に入りう
ると考えられる。しかし、分子-C(=O)-K が(化合物Iを本発明に従い合成する
と)化合物Iを固相樹脂から切断したときに生じるため、その部分は典型的には
遊離酸形(-COOH;K=OH)またはカルボキシレート形(-COO-;K=O-)[その対イ
オンはナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属、カルシウムのようなアルカ
リ土類金属およびアンモニウムイオン(N(R)2R2)から選択される]、またはア
ミド(-CONH2、-CONHR、-C0NRR';それぞれ K=NH2、NHR、NRR')、ヒドロキシル
アミド(-CON(OH)H;K=N(OH)H)、ヒドラジド(-CONHNH2、CONHNHR''';それぞれ
K=NHNH2、NHNHR''')またはエステル(-COOR";K=R")[式中、R、R'、R"およびR''
'の各々は、任意に置換された C1-20-アルキル、任意に置換された C2-20-アル
ケニル、任意に置換された C4-20-アルカジエニル、任意に置換された C6-20-ア
ルカトリエニル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロア
リールを独立して意味する]として誘導されている。さらに、C-末端のカルボン
酸は、切断工程で還元され対応する対応するアルデヒド(K=H)になっていてもよ
い。好ましくは、K はOH、O-、OR"、NH2、NHR、またはNRR'を、とりわけOH、メ
トキシ、またはNH2[R とR'は C1-6-アルキルおよびベンジルから選ばれ、R"は
C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、フェニルおよびベンジルから選ばれる]を意
味する。
二端遊離基Aに関して、これが式
−(CR3R4)n−
(つまり、割り込んだり終結するヘテロ原子を有さないアルキレン鎖)[式中、
n は 1-20、好ましくは 1-12、とりわけ 2-8、ならびに
各R3とR4が、水素、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置換されたC2-6-
アルケニル、任意に置換された C4-8-アルカジエニル、任意に置換された C6-8-
アルカトリエニル、ヒドロキシ、オキソ(それによりケトまたはアルデヒド官能
性を形成する)、-O-R6、ホルミル、-C(=O)-R6、-O-C(=O)-R6、カルボキシ、-C(
=O)-O-R6、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリール
オキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、フッ素
、塩素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン、ニトロ、シアノ、-N(R5)2、-N(R7
)-CO-R6、カルバモイル、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、ス
ルファニル、任意に置換された C1-6-アルキルチオ、任意に置換された C1-6-ア
ルキルチオ-C1-6-アルキル、(任意に置換されたアリール)チオ、グアニジノ、
スルホノ(-SO3H)、スルフィノ(-SO2H)、ハロスルホニル、-OS(O)m-R6[m は
2または3]、-N(R7)S(O)m-R6[m は2または3]、-S(O)m-N(R7)2[m は2ま
たは3]、-S(O)m-NH(R7)[m は2または3]、-S(O)m-NH2[m は2または3]
、イソシアノ、イソチオシアノ、チオシアノ、-OP(O)p(R6)q[p は1、2または
3、q は1または2、およびp+q は3、4または5]および-N(R7)P(O)p(R6)q[
p は1、2または3、q は1または2、およびp+q は3、4または5]から独立
して選ばれ[各R5および各R6は、水素、任意に置換された C1-20-アルキル、任
意に置換された C2-20-アルケニル、任意に置換された C4-20-アルカジエニル、
任意に置換された C6-20-アルカトリエニル、任意に置換されたアリール、およ
び任意に置換されたヘテロアリールから独立して選ばれ;各R7は水素および C1 -4
-アルキルから選ばれる]、最大で5つ、好ましくは最大で3つの置換基R3とR4
が水素と異なる]
の脂肪族二端遊離基であってもよい。
置換基R3とR4は、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置換された
C2-6-アルケニル、ヒドロキシ、オキソ(それによりケトまたはアルデヒド官能
性を形成する)、-O-R6、ホルミル、-C(=O)-R6、-O-C(=O)-R6、カルボキシ、-C(
=O)-O-R6、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリール
オキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、フッ素
、塩素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン、シアノ、-N(R5)2、-N(R7)-CO-R6
、カルバモイル、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、C1-6-アル
キルチオ[各R5および各R7は、水素およびC1-4-アルキルから独立して選ばれ、
各R6は水素、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置換された C2-6-アルケ
ニル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロアリールから
独立して選ばれる]から独立して選ばれるのが好ましい。
代わりとして、二端遊離基Aは断片−C(=O)-A-C(=O)−と示され、例え
ば図1や2に示したような脂肪族または芳香族ジカルボニル官能基化された分子
[式中、X は>NR5、>NH、-O-、-S-、-Se-、-Te-、-CR1R2-、>C=O、>C=Sからなる
群から選ばれ、Y1、Y2、R1およびR2はそれぞれ独立して、アリールおよびヘテロ
アリール(前述)の任意の置換基として定義された置換基を意味する;またはY1
はY2と共に、これらの置換基の間に存在する原子と共に、4-、5-、6-、7-または
8-員環(任意に置換された非−芳香族炭素環式またはヘテロ芳香族環または任意
に置換された芳香族またはヘテロ芳香族環であってもよい)を形成し、二端遊離
基を形成してもよい;各Z1とZ2は独立して=N-、=N+R5-を意味する]から誘導さ
れうる。
二端遊離基Aの好ましい例としては、以下の遊離基:
フェニル、ナフチル、アントラシル、ピレニル、ベンゾピレニル、フェ
ノキサゾニル、N8-フェノキサゾニル、キノリル、ベンゾフェナジニル、エチジ
ウムおよびフルオレニル:の環式二端遊離基を含むかまたはそれからなる二端遊
離基である。特に、好ましい例としては、ナフチル、ベンゾピレニル、フェノキ
サゾニル、N8-フェノキサゾニル、キノリル、ベンゾフェナジニル、エチジウム
およびフルオレニルである;および/または式−(CR3R4)n−[式中、各R3とR4は
、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置換された C2-6-アルケニル、ヒド
ロキシ、オキソ(それによりケトまたはアルデヒド官能性を形成する)、-O-R6
、ホルミル、-C(=O)-R6、-O-C(=O)-R6、カルボキシ、-C(=O)-O-R6、任意に置換
されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロアリールオキシ、任意に置換さ
れたアリール、任意に置換されたアリールオキシ、フッ素、塩素、臭素およびヨ
ウ素のようなハロゲン、シアノ、-N(R5)2、-N(R7)-CO-R6、カルバモイル、モノ-
またはジ(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、C1-6-アルキルチオ、スルフォノ(-
SO3H)、スルフィノ(-SO2H)から独立して選択される[各R5および各R7は水素およ
びC1-4-アルキルから独立して選ばれ、各R6は水素、任意に置換された C1-6-ア
ルキル、任意に置換された C2-6-アルケニル、任意に置換されたアリール、およ
び任意に置換されたヘテロアリールから独立して選択される]]の線状二端遊離
基を含むかまたはそれからなる。
これらの芳香族とヘテロ芳香族二端遊離基、Aは、アリールやヘテロア
リール基の置換基として先に定義したのと同じ基から選ばれた一以上の基で置換
されていてもよい。
式IのAに隣接するカルボニル基に関しては、これらのカルボニル基は
化合物Iまたは化合物Iのライブラリーを製造するための出発原料の必須部分で
あると考えられる。ゆえに、大部分の場合、原料として二つのカルボン酸基[一
つは任意に保護された形で、他方は遊離酸の形か活性化された形で]または代わ
りに分子内酸無水物の形の二つのカル
ボキシ基を有する環式の部分を使用するのが有利である。この方法で、Aは簡単
に固相材料に結合することができる。
化合物Iへの挿入後に断片 -C(=O)-A-C(=O)-を示すジカルボン酸官能性
化合物の例は、以下のとおりである:
芳香族およびヘテロ芳香族:
2,2'- ビキノリン-4,4'-ジカルボン酸、5-ニトロ- イソフタル酸、2-アミノ- テ
レフタル酸、2-ブロモ- テレフタル酸、2-ニトロ- テレフタル酸、3,6-ジクロロ
- フタル酸無水物、4,5-ジクロロ- フタル酸無水物、3-ニトロ- フタル酸無水物
、4-ニトロ- フタル酸無水物、ホモフタル酸、4,4'- ビフェニル- ジカルボン酸
、2,2'-ビフェニル- ジカルボン酸、2,3-ナフタレン- ジカルボン酸、2,6-ナフ
タレン- ジカルボン酸、1,8-ナフタレン- ジカルボン酸無水物、3-ニトロ-1,8-
ナフタレン- ジカルボン酸無水物、1,2-フェニレン- ジオキシ- 二酢酸(diaceti
c acid) 、エンボ酸(embonic acid) 、5,5'- ジチオビス- (2-ニトロ安息香酸)(
3,3'-6) 、2,2'- ジチオ安息香酸、グルタミン酸-5-(3-カルボキシ-4- ニトロ-
アニリド) 、アリザリン-3-メチルイミノ二酢酸、1,4-フェニレン- 二酢酸、2,4
'- ベンゾフェノン- ジカルボン酸、2,4'- ベンゾフェニル- ジカルボン酸、ヘ
リダミン酸(chelidamic acid) 、2,3-ピリジン- ジカルボン酸、2,4-ピリジン-
ジカルボン酸、2,5-ピリジン- ジカルボン酸、2,6-ピリジン- ジカルボン酸、3,
4-ピリジン- ジカルボン酸、3,5-ピリジン- ジカルボン酸、4,5-ピリジン- ジカ
ルボン酸、イミダゾール-4,5- ジカルボン酸、3,4,5,6-テトラクロロ- フタル酸
、2-アミノ-4,6- ピリミジン- ジカルボン酸、9,10- アントラセン- ジカルボン
酸、1,4-ジドロキシ- ナフタレン-2,3- ジカルボン酸、ベンズイミダゾール-5,6
- ジカルボン酸、ベンゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸、4-メトキシ- フタル酸、
ナフチジン-3,3'-ジカルボン酸、ナフタレン-1,2-ジ
カルボン酸、ナフタレン-1,3- ジカルボン酸、ナフタレン-1,4- ジカルボン酸、
ナフタレン-1,5- ジカルボン酸、ナフタレン-1,6- ジカルボン酸、ナフタレン-1
,7- ジカルボン酸、ナフタレン-1,8- ジカルボン酸、ナフタレン-2,3- ジカルボ
ン酸、ナフタレン-2,4- ジカルボン酸、ナフタレン-2,5- ジカルボン酸、ナフタ
レン-2,7- ジカルボン酸、ナフタレン-2,8- ジカルボン酸、ピリミジン-4,6- ジ
カルボン酸、ピラゾール- 3,6- ジカルボン酸および 1,10- フェナントロリン-5
,6- ジカルボン酸;特に好ましい例は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
、5-ニトロ- イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,2-ナフタレンジカ
ルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル-4,4'-ジカルボン酸、ビフ
ェニル-2,4'-ジカルボン酸、4-メトキシ- ビフェニル-2,4'-ジカルボン酸、2,2'
-ベンゾフェノンジカルボン酸、3,3'-ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'-ベン
ゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノン-2,4'-ジカルボン酸、2-メトキシ-ベ
ンゾフェノン-2'-5-ジカルボン酸、2-メトキシ- ベンゾフェノン-4'-5-ジカルボ
ン酸 6,2',6'-トリヒドロキシ-2,4'-ジカルボキシ-ビスフェニルメタン、1,1-(
6',2",6"-トリヒドロキシ-2',4"-ジカルボキシ-ジフェニル)-エテン、6,2',6'-
トリヒドロキシベンゾフェノン-2,4'-ジカルボン酸、6,2',6'-トリメトキシ-ベ
ンゾフェノン-2,4'-ジカルボン酸、2-カルボキサミド-6,2',6'-トリヒドロキシ
ベンゾフェノン-4'-カルボン酸、2-カルボキシエチル-6,2',6'-トリヒドロキシ
ベンゾフェノン-4'-カルボン酸、2-カルボキシメチル-6,2',6'-トリヒドロキシ
ベンゾフェノン-4'-カルボン酸、6,2',6'-トリフルオロベンゾフェノン-2,4'-ジ
カルボン酸、2',6'-ジメトキシ-6-ヒドロキシベンゾフェノン-2,4'-ジカルボン
酸である;および
線状および非芳香族:
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸(undecanedioicacid)
、ドデカンニ酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸 ドコサン二酸、トラン
ス,トランス- ムコン酸、メチルマレイン酸、メチルマレイン酸無水物、(+)お
よび(-)-樟脳酸、1,3-アセトンジカルボン酸、N- (アセトアミド)-イミノ二酢酸
、L-アスパラギン酸、S-カルボキシメチル-L-システイン、2,2'-(エチレンジチ
オ)-二酢酸、りんご酸(+および-)、D-ペニシラミン、フェニルコハク酸、N- (ホ
スホノメチル)-イミノ二酢酸、テトラヒドロ葉酸、(+または-)0,0'-ジベンジル-
2- 酒石酸、(3- チエニル)-マロン酸、N-フタロイル-1- グルタミン酸、ジフェ
ニルマレイン酸無水物、シス-1,2,3, 6-テトラヒドロフタル酸、3,4,5,6-テトラ
ヒドロフタル酸、ピラジン-2,3- ジカルボン酸、チカルシリン(ticaricillin)、
ヘリドン酸、グリシンクレゾール赤、シクロプロパン-1,1'-ジカルボン酸、シク
ロブタン-1,1'-ジカルボン酸、1-シクロペンテン-1,2- ジカルボン酸無水物、1,
1'- アゾビス-(シクロヘキサン- カルボン酸)、シクロプロパン-1,2- ジカルボ
ン酸、(シス+ トランス)-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ピラジン-2,5-
ジカルボン酸、ピペリジン-2,6- ジカルボン酸、ピペリジン-3,3- ジカルボン酸
、ピロリン-N- オキシド-5,5- ジカルボン酸、γ-ピロン-2,6- ジカルボン酸お
よびピペラジン-2,6- ジカルボン酸。
二端遊離基Bに関しては、これが式
−(CR3R4)n−
[式中、R3、R4およびnはAで定義したとおり]の脂肪族二端遊離基であっても
よいと思われる。
代わりに、B は例えば図3に示したような脂肪族または芳香族アミノア
ルコール[式中、Xは>NR6、>NH、-O-、-S-、-Se-、-Te-、-CR1R2-、>C=O、>C=S
からなる群から選ばれ、Y1、Y2、R1およびR2はそれぞれ、ア
リールおよびヘテロアリール(前述)の任意の置換基として定義された置換基を
独立して意味する;またはY1はY2と共に、これらの置換基の間に存在する原子と
共に、4-、5-、6-、7-または8-員環(任意に置換された非−芳香族炭素環式また
はヘテロ芳香族環または任意に置換された芳香族またはヘテロ芳香族環であって
もよい)を形成し、二端遊離基を形成してもよい;各Z1とZ2は独立して=N-、=N+
R5-を意味する]から誘導されうる。
二端遊離基B の好ましい例としては、例えば以下の非−芳香族炭素環式
化合物の遊離基:シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペン
テン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオク
タン;以下の芳香族または非−芳香族ヘテロ環式化合物:エポキシド、アジリジ
ン、チオエポキシド、オキサゼタン、ジアゼタン、チアゼタン、オキサゾラン、
イミダゾリジン、チアゾラン、オキサジラン、ヘキサヒドロピリダジン、チアジ
ラン、オキサゼパン、ジアゼパン、チアゼパン、オキサゾケイン、ジアゾケイン
、チアゾケイン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、ピロリジン、テトラヒ
ドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、テトラヒドロチオピラン、
オキセパン、アゼパン、チエパン、オキソケイン、アゾケイン、チオケイン、シ
クロプロパン、オキシラン、アジリジン、シクロプロペン、アジリン、シクロブ
タン、オキセタン、アゼチジン、チエタン、2-アゼチジノン、1,3-ラクトン、ピ
ロリジン、ピロリン、ピロール、ピロリジオン、ピロリドン、オキシラン、ジオ
キシラン、モルフォリン、ピペリジン、1,5-ラクトン、1,5-ラクタム、シクロヘ
キセン、シクロヘキサジエン、ピペリジオン、トロパン、1,6-ラクロン(トロポ
ロン)、1,6-ラクタム、アゼピン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピンお
よびヘキサヒドロアゼピンがある。
上述から明らかなように、各L1およびL2は、-NR5-または-O-[式中、各
R5は、水素、任意に置換された C1-20-アルキル、任意に置換された C2-20-アル
ケニル、任意に置換された C4-20-アルカジエニル、任意に置換された C6-20-ア
ルカトリエニル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたヘテロア
リールから独立して選ばれるかまたは、R5はBへの付加的結合を意味する(それ
によりBは三端遊離基となる)]を独立して意味する。R5は水素、C1-4-アルキ
ルまたはBへの付加的結合を意味するのが好ましい。とりわけ、L1およびL2の一
つは-O-で、他方は-NR5-[式中、R5は水素、C1-4-アルキルまたはBへの付加的
結合を意味する]である。
ゆえに、興味深くかつ化合物Iを合成するのに非常に適切な出発原料は
、1-アミノ-ω-ヒドロキシ-(任意に置換された)-C1-6-アルキレン[式中、C1- 6
-アルキレンは C1-6-アルキルで定義された遊離基の二端遊離基であり、任意な
置換基は「アルキル」で定義されたとおりである]である。
アミノアルコールが非−芳香族炭素環式化合物またはヘテロ環式化合物
の群から選ばれる際、ヒドロキシ−およびアミノ−官能基は、適用可能な所に、
互いに1,2-、1,3-、1,4-または1,5-に位置することができ、同様にアミノ基とア
ルコール基の立体化学的環境がシス-配置[二つの置換基が環の同じ側にある]
またはトランス配置[二つの置換基が環の異なる側にある]のいずれもとること
ができる。さらに、異なるエナンチオマー(鏡像)およびジアステレオマーが、
そのように置換された非−芳香族炭素環式化合物またはヘテロ環式化合物に存在
するキラリティーの自然な結果、存在する。ゆえに、特に好ましい例としては、
ヒドロキシとアミノ官能基が互いに相対的に 1,2 または 1,3、特に互いに1,2
に位置する非−芳香族炭素環式およびヘテロ環式化合物から誘導されたアミノア
ルコールがある。
非−芳香族炭素環式化合物から誘導されたアミノアルコールの特定な例
としては、2-アミノエタノール、1-アミノ-2-プロパノール、3-アミノ-1-プロパ
ノール、2-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、1-ア
ミノ-2-メチル-2-プロパノール、3-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ
-1-ブタノール、1-アミノ-2-ブタノール、3-アミノ-3-ブタノール、3-アミノ-1-
ブタノール、4-アミノ-2-ブタノール、cis-2-アミノ-1-シクロブタノール、tran
s-2-アミノ-1-シクロブタノール、5-アミノ-1-ペンタノール、2-アミノ-1-ペン
タノール、3-アミノ-2-ペンタノール、2-アミノ-3-ぺンタノール、1-アミノ-
2-ペンタノール、cis-2-アミノ-1-シクロペンタノール、trans-2-アミノ-1-シ
クロペンタノール、6-アミノ-1-ヘキサノール、trans-4-アミノ-1-シクロヘキサ
ノール、cis-4-アミノ-1-シクロヘキサノール、trans-2-アミノ-1-シクロヘキサ
ノール、cis-2-アミノ-1-シクロヘキサノール、cis-2-アミノ-1-シクロヘキサノ
ール、cis-2-アミノ-4-メチル-1-シクロヘキサノール、cis-2-アミノ-5-メチル-
1-シクロヘキサノール、trans-2-アミノ-1-シクロヘプタノール、cis-2-アミノ-
1-シクロヘプタノール、trans-2-アミノ-1-シクロオクタノール、cis-2-アミノ-
1-シクロオクタノールがある。
ヘテロ環式化合物から誘導されたアミノアルコールの特定な例としては
、cis-4-アミノ-3-ヒドロキシピロリジン、trans-4-アミノ-3-ヒドロキシピロリ
ジン、cis-4-アミノ-3-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン、trans-4-アミノ-3-ヒ
ドロキシ-テトラヒドロフラン、cis-4-アミノ-3-ヒドロキシ-テトラヒドロチオ
フェン、trans-4-アミノ-3-ヒドロキシ-テトラヒドロチオフェン、cis-3-アミノ
-4-ヒドロキシ-ピペリジン、trans-3-アミノ-4-ヒドロキシ-ピペリジン、cis-4-
アミノ-3-ヒドロキシ-ピペリジン、trans-4-アミノ-3-ヒドロキシ-ピペリジン、
cis-5-アミノ
-3-ヒドロキシ-ピペリジン、trans-5-アミノ-3-ヒドロキシ-ピペリジン、cis-4-
アミノ-3-ヒドロキシ-テトラヒドロ-2H-ピラン、trans-4-アミノ-3-ヒドロキシ-
テトラヒドロ-2H-ピラン、cis-4-アミノ-3-ヒドロキシ-テトラヒドロ-2H-チオピ
ラン、trans-4-アミノ-3-ヒドロキシ-テトラヒドロ-2H-チオピラン、cis-5-アミ
ノ-4-ヒドロキシ-2-ピペリドン、trans-5-アミノ-4-ヒドロキシ-2-ピペリドン、
trans-3-アミノ-4-ヒドロキシ-アゼパン、cis-3-アミノ-4-ヒドロキシ-アゼパン
、trans-4-アミノ-3-ヒドロキシ-アゼパン、cis-4-アミノ-3-ヒドロキシ-アゼパ
ン、trans-5-アミノ-4-ヒドロキシ-アゼパン、cis-5-アミノ-4-ヒドロキシ-アゼ
パン、trans-3-アミノ-4-ヒドロキシ-オキセパン、cis-3-アミノ-4-ヒドロキシ-
オキセパン、trans-3-アミノ-4-ヒドロキシ-アゾケイン、cis-3-アミノ-4-ヒド
ロキシ-アゾケインがある。
式Iの断片 D-C(=O)は明らかに、芳香族カルボン酸から誘導されるかま
たはその誘導体である。ゆえに、化合物Iを製造するための多数の(かつ市販で
)入手可能な出発原料が利用できると考えられる。さらに、芳香族化合物の化学
は、非常に発達しており、入手可能な化合物の群はさらに増加する。
一般式Iの化合物の製造
化合物Iの合成は、以下の方法図2に例示される。一般式Iを参照とし
て、二端遊離基Aはそれぞれ方法図中に 2,6-ナフタレンおよび1,2-フェニレン
として示される。二端遊離基Bは、脂肪族もしくは非−芳香族炭素環式もしくは
ヘテロ環式基または芳香族もしくはヘテロ芳香族基であってもよい。末端基Kは
OH、L1は-O-、L2は-NR5-、およびD はフェニルである。さらに、固相材料は箱
の記号で表わしてあるが、ウオ
[方法図2]
方法図2に示された例は、本発明の方法の二つの具体例である。ゆえに
、工程(A)-(D)の各々において、変形が可能である。以下に本発明の方法の各工
程の一般的な指標を挙げる:
工程(A):固体支持物質に結合した、任意に保護された官能基分子-C(=O
)-A-C(=O)-M1[式中、-C(=O)-M1はカルボキシ基またはその誘導体を意味する]
を提供する。
方法図2に示したように、本発明の範囲内で、固定化の様々な可能性が
ある。活性化された固相材料とジアシッドの間の反応において、モノ選択性が欠
落しており、ジカルボン酸を使用すると副産物の生成を引き起こすので、一般に
、モノエステル形のジアシッドを使用するのが
好ましい。ゆえに、遊離酸の形のジカルボン酸を使用すると、製造する際に使用
される原料、つまりモノエステルの埋め合わせになるほどの低収率となると考え
られまた示されている。
別の例としてはジカルボン酸の分子内無水物の場合がある。ジカルボン
酸がモノ−保護された場合、保護基は、C(=O)-M1の形のカルボキシ官能性を提供
するために、工程(B)でカップリングの用意ができた形で脱保護するのが好まし
い。ゆえに、基M1はOHまたはO-を意味するのが好ましい。ジカルボン酸を固相材
料にカップリングする条件は、固相材料やリンカーの選択と密接に関連しており
、以下さらに記載する。
工程(B):任意に保護された二官能基部分 L'1-B-L'2 を固定された分子
-C(=O)-A-C(=O)-M1の末端の-C(=O)-M1に結合させて、固定され、任意に保護され
た官能基断片-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2を形成する。
まず、基-C(=O)-M1はL'1-B-L'2部分と反応可能な形で存在し、ゆえに上
述のように、-C(=O)-M1はカルボキシ基またはカルボキシレート基、またはその
代わりに反応性な形で、例えば活性エステル形で存在するのが好ましい。M1はOH
またはO-が好ましい。L'1-B-L'2部分のL'1基が化合物IのL1として終結するのは
明らかである。ゆえに、L'1は、L1が-O-を意味する場合、ヒドロキシル基または
その誘導体、好ましくはヒドロキシル基を意味する。L1が-NR5-を意味する場合
、基L'1は遊離アミノ基または反応条件下で遊離のアミノ基を遊離させる誘導体
が好ましい。L'1は、一級アミン[つまり、R5は水素]または二級アミン[つま
り、R5は例えば C1-4-アルキル基]のいずれかの遊離アミノ基であるか、または
Bへの付加的結合を意味するが好ましい。
基L'2は反応条件により影響をうけないままでいるはずのため、保護さ
れたヒドロキシ基または保護された一級もしくは二級アミンを意味するのが好ま
しい。基L'2の例は、-O-P(L2は-O-)[式中、P はジメト
キシトリチル(DMT)、モノメトキシトリチル(MMT)、トリチル、9-(9-フェニル)キ
サンテニル(ピキシル)、テトラヒドロピラニル(thp)、メトキシテトラヒド
ロピラニル(mthp)、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)
、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリエチルシリル、フェニルジメチルシ
リル、ベンジルオキシカルボニル、2-ブロモベンジルオキシカルボニルのような
置換されたベンジルオキシカルボニルエーテル、tert-ブチルエーテル、メチル
エーテル、アセチル、クロロアセチルやフルオロアセチルのようなハロゲン置換
されたアセチル、イソブテリル、ピバロイル、ベンゾイル、置換されたベンゾイ
ル、メトキシメチル(MOM)、ベンジルエーテル、および 2,6-ジクロロベンジル(2
,6-Cl2Bzl)のような置換されたベンジルエーテルから選ばれるヒドロキシ保護基
を意味する]および-NR5-P(L1は-NR5-)[式中、P はFmoc(フルオレニルメト
キシカルボニル)、BOC(tert-ブチルオキシカルボニル)、トリフルオロアセチ
ル、アリルオキシカルボニル(alloc、AOC)、ベンジルオキシカルボニル(Z、C
bz)、2-クロロベンジルオキシカルボニル(2-ClZのような)のような置換され
たベンジルオキシカルボニル、DDE(Bloomberg,G.B.,et.al., Tetrahedron Lett
. 1993, 34, 4709-4712)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(
DMT)および9-(9-フェニル)キサンテニル(ピキシル)から選ばれるアミノ保護
基を意味する]である。
工程(B)のカップリング反応は、カップリング試薬、例えば基-C(=O)-M1
を活性な誘導体、例えば活性エステルまたは酸ハロゲン化物に転換する試薬をし
ばしば含む。多数の非常に効果的なカップリング試薬とカルボン酸の活性形は、
アミド結合形成(ペプチド化学)の当業者に知られている。具体例としては、Py
BrOP(Coste, J; Frerot, E.; Jouin,P.およびCastro, B. Tetrahedron Lett. 1
991, 32, 1967-1970)、アミ
ノ酸フルオライド(Carpino, L. A.; Sadat-Aalaee, D.; Chao, H. G. およびDe
Selms, R. H. J. Am. Chem. Soc.)とHATU(Carpino, L. A. J. Am. Chem. Soc.
, 1993, 115, 4397-4398; Angell, Y. M.; Gracia-Echeverria,C. およびRich,
D. H. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 5981-5984およびAngell, Y. M.; Thomas,
T. L.; Flenkte, G. R. およびRich, D. R. J.
Tetrahedron, 1991, 47(2)、pp 259-270)、およびCF3-NO2-PyBOP(Wijkmans, J.
C. H. M., et.al., Tetrahedron Lett., 1995, 36(26)、pp 4643-4646)が含まれ
る。カップリング試薬はエステル結合の形成と同様にアミド結合の形成にも等し
く適用可能である。
工程(c):任意に官能基が保護された部分 D-C(=O)-M2[式中、C(=O)-M2
はカルボキシ基またはその誘導体]を固定された断片-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2
のL'2末端に結合させて、固定され、任意に保護された化合物-C(=O)-A-C(=O)-L1
-B-L2-C(=O)-D を形成する。その工程は任意にL'2中に含まれるいずれの保護基
の脱保護を含む。
工程(B)で記載したように、基L'2は典型的には保護基を含み、ゆえにそ
の場合、そのような基は部分 D-C(=O)-M2を固定された断片へカップリングする
前に除去するのが好ましい。基-C(=O)-M2に関しては、カルボキシ基またはその
誘導体でもよい。一つの変形として、基-C(=O)-M2はカルボン酸の反応性誘導体
、例えば活性エステルまたは酸ハロゲン化物、例えば酸クロライドまたはフルオ
ライドである。他の変形としては、基-C(=O)-M2は遊離酸またはそのカルボキシ
レートである。後者の場合、反応は典型的にはカップリング試薬の使用を含んで
いる。ゆえに、M2はOH、O-、フッ素または塩素のようなハロゲン、または活性エ
ステルの余りを意味してもよい。
工程(D):化合物K-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-D を固体支持材
料から切断する。その工程は A、B および/またはD に結合した一以上の官能基
の脱保護を任意に含む。
固相材料から化合物を切断する条件は、固相材料の例と共に以下に記載
する。切断工程は、適用可能なら一以上の保護された官能基の脱保護を含んでも
よい。脱保護は切断の前または固相材料から化合物を切断した後に行なってもよ
いと考えられる。さらに、興味深い例として、脱保護を固相材料から化合物を切
断すると同時に行なうものがある。ウオン樹脂を使用した際には後者が適用可能
である。この例では、トリフルオロ酢酸(TFA)は、化合物の切断およびBoc アミ
ノ保護基の脱保護に使用される。
本文では、用語「任意に保護された官能基」および同様の用語は、問題
の基のいずれも、つまり A、B およびD のいずれも、または全てが問題の反応条
件下での反応、交替または分解に影響を受けやすい化学的官能性を一つ(または
幾つかの化学的官能性)含む場合、または試薬の位置選択性が欠落しているため
、そのような化学的官能性は保護されてもよいことを意味する。出発原料は保護
されてもよく、また保護は独立した反応工程での有害な可能性がある反応の前に
行なってもよく、また保護は反応工程に含まれてもよい。問題の化合物を未保護
で変形するのが困難または事実上精製が不可能な場合、化学的官能性の保護が適
切になるときもある。そのような場合、保護−精製−脱保護計画が利用されるて
もよい。保護基は、Greene, T. W.およびWuts, P. G. M. (Protecting Groups
in Organic Synthesis)に記載の手法のような最新式の手法に従い使用された。
好ましい保護基は固相合成、ペプチド合成(例えばSteward,J. M & Young, J. D.
, Solid Phase Peptide Synthesis, Pierce Chemical Company(1984)または Rob
ert C. Sheppard E. Atherton, Solid-Phase Peptide Synthesis, IRL Press、1
989 を参照) 、オリゴヌクレオチド合
成(例えばM. J. Gait, Oligonucleotide Synthesis、IRL Press、1984を参照)
、オリゴ糖合成、有機合成および天然物合成の間でひんぱんに使用される保護基
である。保護基は、工程(B)や(C)で行なわれる反応を直接妨げうるので、特にア
ミノ基、ヒドロキシおよびメルカプト基ならびにカルボキシ基にとって適切であ
る。ゆえに、当業者に公知の多数の中で保護基は、副産物生成を抑制するために
好ましいだけでなく必須である。
可能な保護基は、以下には限定されないが、Fmoc(フルオレニルメトキ
シカルボニル)、BOC(tert-ブチルオキシカルボニル)、トリフルオロアセチル
、アリルオキシカルボニル(alloc、AOC)、ベンジルオキシカルボニル(Z、Cbz
)または2-クロロベンジルオキシカルボニル(2-ClZのような)のような置換さ
れたベンジルオキシカルボニル、DDE(Bloomberg, G. B., et.al., Tetrahedron
Lett.1993, 34, 4709-4712)、モノメトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチ
ル(DMT)および9-(9-フェニル)キサンテニル(ピキシル)のようなアミノ保護
基;ジメトキシトリチル(DMT)、モノメトキシトリチル(MMT)、トリチル、9-(9-
フェニル)キサンテニル(ピキシル)、テトラヒドロピラニル(thp)、メトキシ
テトラヒドロピラニル(mthp)、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシ
リル(TIPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリエチルシリル、フエニル
ジメチルシリル、ベンジルオキシカルボニルまたは2-ブロモベンジルオキシカル
ボニルのような置換されたベンジルオキシカルボニルエーテル、tert-ブチルエ
ーテル、メチルエーテル、アセチルまたはクロロアセチルやフルオロアセチルの
ようなハロゲン置換されたアセチル、イソブチリル、ピバロイル、ベンゾイルお
よび置換されたベンゾイル、メトキシメチル(MOM)、ベンジルエーテルまたは2,6
-ジクロロベンジル(2,6-Cl2Bzl)のような置換されたベンジルエーテルのよう
なヒドロキ
シ保護基;アリルエステル、メチルエステル、エチルエステル、2-シアノエチル
エステル、トリメチルシリルエチルエステル、ベンジルエステル(Obzl)、2-アダ
マンチルエステル(O-2-Ada)、シクロヘキシルエステル(OcHex)、1,3-オキサ
ゾリン、オキサゾラー(oxazoler)、1,3-オキサゾリジン、アミドまたはヒドラジ
ド、またはN-ヒドロキシサクシミドのような活性化されたエステルまたは対称も
しくは非対称無水物の形のようなカルボキシ保護基;およびトリチル(Trt)、ア
セタミドメチル(acm)、トリメチルアセタミドメチル(Tacm)、2,4,6-トリメトキ
シベンジル(Tmob)、tert-ブチルスルフェニル(StBu)、9-フルオレニルメチル(Fm
)、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル(Npys)および 4-メチルベンジル(Meb)のよ
うなメルカプト保護基が含まれる。
「任意に保護された官能基」の脱保護は、Greene, T. W.およびWuts, P
. G. M. (Protecting Groups in Organic Synthesis)に記載の手法のような当
業者に公知の手法に従い行なわれる。
発明の化合物は、公知の方法またはアミドやエステル結合製造のための
カップリング反応により製造されてもよい。エステル結合と同様、固相材料に結
合した断片化合物と第二の化学種の間にアミド結合を確立するためのそのような
カップリング反応は、固相合成の当業者に知られている。一例が、確立されたMe
rrifield固相合成手法(例えば、Barany,G.,およびMerrifield, R. B., The Pep
tides, Vol.2, Academic Press, New York, 1979, pp. 1-284)である。
本文中で、用語「固相材料」は、当該分野での固相材料を含む。特に、
適切な固相材料(ポリマー)は、0.2-2%ジビニルベンゼンで架橋されかつ、いわ
ゆる「ウオン型」樹脂(Wang, S.-S.,J. Am. Chem. Soc.,1973, 94, 1328-1333
)[トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1:1, v/v)で30分間室温で処理および
切断したとき、遊離酸を生じるpara-アルコ
キシベンジルアルコール樹脂]または「リンク型」樹脂(Rink, H. Tetrahedron
Lett., 1987. 28, 3787-3790)[トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(3:7, v/
v)で60分間室温で処理および切断したとき、酸アミドを生じるトリアルコキシ
−ジフェニル−メチルエステル樹脂]を生じるために文献記載のように官能基化
されたポリスチレンを基にしている。同様に、ポリスチレン樹脂よりも極性溶媒
により多くかつより均一に膨張する性質を有する「テンタジェル(TentaGel)樹
脂」を生じるために、樹脂はポリエチレングリコール(PEG)でグラフト化され
、0.2-2%ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンを基にすることができる(Ba
yer, E. Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1991, 30, 113-129)。PEG-修飾したの
から得られる同様な性質の樹脂は、多様な官能性を有して市販で入手可能であり
、ArgoGel、PEGA樹脂または PEG-PS のような商品名で様々な業者(例えば、Arg
onaut Inc.、Peptide Laboratories、Novabiochem等)から売られている。
本発明の方法のさらなる具体例では、一般式Iの他の化合物の生成のた
めに、化合物Iにさらなる工程(E)を、固相材料から切断した後に行なってもよ
い。この反応工程は、基K-C(=O)-の修飾が、基K-C(=O)-の多様性が樹脂から化合
物を切断するのに適用可能な方法に決定されるという事実により望ましいとき、
特に適切である。
ジカルボン酸のモノエステルの合成
分子-C(=O)-A-(=O)-を含む化合物Iの製造の最初の工程として、固定さ
れた分子-C(=O)-A-C(=O)-M1を提供する際、例えば遊離酸、モノエステル、また
は分子内無水物の形のジアシッドHOOC-A-CO0H を使用してもよいことは明らかで
ある。
化合物Iの製造において広範囲の二官能性芳香族およびヘテロ
芳香族分子を利用することを可能にするために、例えば芳香族ジカルボン酸モノ
エステルへの合成ルートを利用しやすくすることは、好都合である。三つの異な
る合成がTong,G.およびNielsen, J. Bioorg. Med. Chem. 1996, 4, 693-698 に
記載されている。第一の方法は、ジカルボン酸のモノセシウム塩のエステル化、
特にアリル化をベースにしており、ここにナフタレン-2,6-ジカルボン酸のアリ
ルブロマイドによるエステル化として例示している(実施例3)。第二の方法は
、他方がエステル化される間にカルボン酸基の一つを遮断するためにアニオン交
換樹脂を使用することをベースにしている(Blankemeyer-Menge, B.;Nimtz, M.
およびFrank, R. Tetrahedron Lett. 1990, 31, 1701-1704)。第三の方法は、
ジカルボン酸ジエステルの選択的脱エステル化である。さらなる可能性としては
、相間移動化学(Friedrich-Bochnitschek S., J. Org. Chem. 54, 1989, 751-7
56)を使用することが挙げられる。ジエステルの収率が最小でモノエステルを製
造するのに有利な条件は、16 時間のような長期間に渡って少量ずつ添加された
1当量のCs2O3と2当量のアリルブロマイドであった。精製したモノエステルの
得られた収率は、少なくとも30%である。ナフタレンジアシッドをアニオン交換
樹脂上に吸着させ、次いでメシチレンスルフォニルニトロトリアゾリド(MSNT)、
N-メチルイミダゾールおよびアリルアルコールを反応させる別の方法により、所
望のモノエステルが生成する。第三の方法は、ある芳香族ジメチルエステルをモ
ノ脱エステル化する可能性をベースにしている。混合メチル−アリル−ジエステ
ルの合成と次いで選択的脱メチル化(NaCN/HMPA(ヘキサメチルホスホラミド)
)により対応するモノアリルエステルが得られる。
一般式Iの化合物のライブラリーの製造
バラノール類似体の化合物ライブラリーの製造は、単一類似体の
製造で記載したのと同じ原理に従う。適切な量の理論的に入手可能な各化合物を
適切な量で生じるよう確実にするため、分割−混合(split-mix)
Peptide Protein Res. 1991, 37, 487-493)を使用した。他の方法も本発明の状
況内で適用可能である。
ゆえに、本発明は上述のように一般式I
K-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-D I
をそれぞれ有する少なくとも4つの化合物からなる化合物の多次元アレイ{A}-{B
}-{D}、すなわちコンビナトリアルライブラリーの製造法をさらに提供する。そ
のようなアレイは二端遊離基 C(=O)-A-C(=O)-に対応する化合物からなるアレイ{
A}を、二端遊離基L1-B-L2-に対応する化合物からなるアレイ{B}と遊離基 C(=O)-
D に対応するアレイ{C}とで組み合わせることにより構築される。化合物の合計
数は、断片の数、つまり m、n およびoに左右される。これらの数 m、n およびo
はすべて正の整数で、少なくとも4つの化合物からなる多次元アレイのために、m
*n*o の積は少なくとも4でなければならない。m、n およびoのいずれか一つが
4であり他の二つがそれぞれ1である組み合わせは本発明の方法内で可能である
が、高度に多様なコンビナトリアルライブラリーを得るためには、少なくとも二
つが、好ましくは三つ全てが少なくとも2であることが好ましい。ゆえに、コン
ビナトリアルライブラリーが、好ましくは 6-200 の範囲の異なる化合物、より
好ましくは 6-100 の範囲の異なる化合物、とりわけ8-64 の範囲の異なる化合物
を含むのが好ましい。
上述のように、化合物の多次元アレイ/ライブラリーの製造は、単一化
合物の製造と同じ原理に従い行い、ゆえに合成計画は以下の工程からなる(分割
−混合合成を使用する場合のために記載した):
工程(A):固体支持材料に固定された、任意に保護されたm個の
官能基分子-C(=O)-A-C(=O)-M1[式中、-C(=O)-M1はカルボキシ基またはその誘導
体を意味する]のアレイ{A}が得られる。分割−混合合成に従い、各種の固定さ
れた部分の各々は、個々に合成され、ゆえに各固相粒子または部分は一種類の部
分からのみなる。この工程の後、固相材料はプールされ、工程(B)の準備のためn
個(以下参照)の部分に分割される。大量の固定された部分は製造しておいて、
後の実験のために材料を残しておくことができると考えられる。
工程(B):任意に保護されたn個の二官能性部分L'1-B-L'2のアレイ{B}を
、固定された分子-C(=O)-A-C(=O)-M1の末端-C(=O)-M1へ結合させ、任意に官能基
が保護された固定化された m*n 個の断片-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2のアレイ{A}-
{B}を形成する。また、この工程で、カップリングは、反応した材料がプールさ
れ次のカップリング工程、つまり工程(C)のため分割されたn個の異なるバッチ内
で行なうのが好ましい。
工程(C):任意に保護されたo個の官能基部分D-C(=O)-M2[式中、-C(=O)
-M2はカルボキシ基またはその誘導体を意味する]のアレイ{D}を、固定された断
片-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L'2の末端L'2へ結合させ、任意に官能基が保護され、固
定された m*n*o 個の化合物-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-Dのアレイ{A}-{B}-{
D}を形成する。その工程は、L'2に含まれるいずれの保護基の脱保護を任意に含
んでもよい。また、この工程でカップリングはo個の異なるバッチ内で行なわれ
るのが好ましい。反応した材料は工程(D)で切断する前にプールする必要はない
。
工程(D):固体支持材料から化合物 K-C(=O)-A-C(=O)-L1-B-L2-C(=O)-D
のアレイ{A}-{B}-{D}を切断する。この工程は個々の A、B および/またはD に
結合した一以上の官能基の脱保護を任意に含む。工程(C)からのo個の異なるバッ
チは個々に切断されても、または、切断の前にプールされてもよい。切断の前に
プールすることは、経済的および取り扱
い面からみて好都合である。しかし、製造したライブラリーの分析が行なわれる
場合、比較的小さい個数の化合物で行なうことが(もちろん)有利である。ゆえ
に、m*n*o 個の化合物のアレイは、実際に m*n 個の化合物をそれぞれ含むo個の
バッチ中に存在する。これらの化合物はついで、例えば実際のスクリーニングを
行なう前にプールされてもよい。代わりとしては、各バッチを個々にスクリーニ
ングしてもよい。第三のおよび最も興味深い代案としては、m*n*o 個(に達する
まで)の化合物を含む、集めたバッチ(または多数のこれら)からなるライブラ
リーをスクリーニングし、生物学的活性が認められた場合、o個のバッチを個々
にスクリーニングし、それにより生物学的に興味があるとして一つの特定な部分
D に戻る。スクリーニングの原理は、以下に説明する。
スクリーニングの方法
コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングは当該分野の科学者お
よび技術者により一般に使用されている方法のいずれにより行なってもよい。こ
れらは、限定するものではなく、混合物を含むライブラリーをデコンボリューシ
ョン(deconvolution)することによるか、混合物のライブラリーを位置的にス
キャンすることによるかまたは索引ライブラリー方式で副ライブラリーをスクリ
ーニングすることにより、個々の化合物をスクリーニングすることを含む。故に
、ライブラリーの大きさは、単一の化合物、つまり一つのバイアルが一つの化合
物を含み、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何的な、または位置的異性体
の形で立体異性体が含まれる異性体化合物の小さい混合物として、活性な物質を
速くデコンボリューションできるように典型的にはバイアル毎に10-100 の化合
物の混合物として、または巨大なコンビナトリアルライブラリーを迅速にスクリ
ーニングすることができるようにバイアル毎に
100 より大なる化合物の大きい混合物として、存在しうる。スクリーニングは、
中性の拮抗薬や負の拮抗薬(逆の作動薬)と同様、酵素阻害剤、レセプターの作
動薬、部分的な作動薬の探索に自動化で使用可能な、ハイ・スループット方式で
よく使用される、典型的には96穴形式、384 穴形式または他のマイクロプレート
形式を使用するアッセイ形式で行なう。
そのようなスクリーニング方法によれば、本発明による方法で製造され
た化合物Iの生物学的活性は明らかとなると予想される。ゆえに、以下の分野の
一つの生物学的活性が示されうる:
(a) ヒトのような哺乳類の治療で興味ある生物学的効果:麻酔剤、[鎮静睡眠薬
、抗痙攣薬、神経弛緩薬および抗不安薬のような]中枢神経系抑制剤、[抗パー
キンソン薬のような]神経筋異常を治療する薬または骨格筋弛緩薬、鎮痛剤、中
枢神経系興奮剤、局所麻酔剤、コリン作動薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害
剤またはコリン作動性拮抗薬、アドレナリン作動性薬物、[強心配糖体類似体、
抗狭心症薬、抗不整脈薬のような]心臓病剤、抗凝血薬、凝血薬および血漿増量
薬、利尿薬、抗アレルギーおよび抗潰瘍薬、抗脂血症薬、非ステロイド系抗炎症
薬、糖代謝に影響を与える薬、抗マイコバクテリア剤、抗生物質または抗菌剤、
抗真菌薬、防腐剤または消毒剤、ホルモン拮抗薬のような、癌化学療法または光
化学療法のための抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、またはHIV-感染やAIDSに対する可能
性のある薬のような。
(b) 農作物保護の分野で興味ある生物学的効果:糖代謝に影響を与える化合物、
抗生物質または抗菌剤、殺虫剤、消毒剤およびホルモン拮抗薬のような抗真菌剤
。
故に、本発明のさらなる面としては、薬剤として使用する新規化合物を
提供し、上述の一以上の薬剤の製造のための新規化合物の使用を提供することで
ある。本発明のさらなる面としては、農作物保護におい
て使用できる新規化合物を提供することである。
図の説明
図1および2は二端遊離基Aのさまざまな例を図示している。記号の意
味は先に定義されている。
図3は二端遊離基B のさまざまな例を図示している。記号の意味は先に
定義されている。
実施例
実施例1
N-Fmoc-アミノアルコールの合成法
N-Fmoc-1-アミノ-2-プロパノール。合成法は1-アミノ-2-プロパ N-Fmoc-2-アミノ-1-ブタノール。合成法は2-アミノ-1-ブタノー
N-Fmoc-3-アミノ-1-プロパノール。合成法は3-アミノ-1-プロパ
trans-N-Fmoc-4-アミノ-シクロヘキサノール。合成法はtrans-4-アミノ
-シクロヘキサノールから出発し、上述のとおり。白色固体(37%)。
実施例2
芳香族ジカルボン酸の合成法
(a) フェノール性アルコールのメチル化
2-ニトロ-5-メチル-アニソール。4.6g(30mmol)の2-ニトロ-5-メチル-
フェノールと 20.7g(150mmol)の乾燥K2CO3 の150ml アセトンの懸濁液に、42.
6g(300mmol)のMeI を添加した。反応混合物を還流して16時間攪拌し、つい
で冷却し、ろ過して真空で濃縮した。残渣はEtOAcに再び溶解させ、ろ過し、真
空で濃縮すると淡黄色の固体4.9g(98%)が 2-メチル-3-ニトロ-アニソール。合成法は2-メチル-3-ニトロフェノー
ルから出発し、上述のとおり。黄色固体(91%)。
2-ニトロ-3-メチル-アニソール。合成法は 2-ニトロ-3-メチル-フェノ
ールから出発し、上述のとおり。黄色固体(98%)。
(b) ニトロ基の水素添加
2-メトキシ-4-メチル-アニリン。4.9g(29.3mmol)の2-ニトロ-5-メチ
ル-アニソールの100ml の EtOHおよび 5ml の濃HCl 溶液に、N2雰囲気下に250mg
のチャコール上5% Pdを添加した。溶液は室温かつ200psiで水素添加された。16
時間後、反応混合物をセライトを使ってろ過し、真空で濃縮した。残渣をヘキサ
ン/EtOAc 1:1でクロマトグラフィー精製し、赤色油2.8g(70%)を得た。
2-メチル-3-メトキシ−アニリン。合成法は3-ニトロ-2-メチル-アニソ
ールから出発し、上述のとおり。赤色油(60%)。
(c) アミノ基をニトリル基へジアゾ化する(サンドマイヤー)
2-メチル-3-メトキシ-ベンゾニトリル。2.5g(18mmol)の2-メチル-3-
メトキシ-アニリンの 55ml の 2N HCl 溶液を氷/塩浴中で-5℃に冷却し、30分
攪拌した。1.37g(19.8mmol)のNaNO2の 28ml の H2O 溶液を-5℃で滴下した。
反応混合物を30分攪拌し、約3.7gのNa2CO3で注意深く中和し、ついで1.8g(19.8
mmol)のCuCNおよび1.9g(39.6mmol)のNaCNの28ml の H2O 溶液を一度に添加し
た。18時間後に、反応混合物は3*100mlのCHCl3で抽出された。集めた有機層はH2
O で抽出され、Na2SO4で乾燥さ
(d) ベンゾフェノンの合成
3,3'-ジメチル-ベンゾフェノン。10ml の THF 内の3.6g(110mmol)のM
g-削り屑に結晶ヨウ素と17.1g(100mmol)の3-ブロモトルエンの1/4を添加した
。混合物は40℃に加熱し、しばらく後にグリニャール反応が始まった。THF 中の
3-ブロモトルエンの残り(3/4) を還流が維持できるような速度で添加した。添加
の後、反応混合物は1時間還流し、室温まで冷却し、7.3g(63mmol)の3-メチル
-ベンゾニトリルの 40ml のトルエン溶液に室温で滴下し、ついで70℃で16時間
保持した。反応混合物は水浴上で冷却し、33ml の濃HCl を、次いで170ml の Me
OHを滴下し、7時間還流した。反応混合物は冷却し、100ml の H2O を添加しEtOA
c で抽出した。集めた有機層はMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。残渣
はクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 19:1)で精製して無色油10.5g(80%)
を得た。
2,4'-ジメチル-ベンゾフェノン。合成法は2-ブロモトルエンと4-メチル
ベンゾニトリルから出発し、上述のとおり。無色油(77%)。
2-メトキシ-2',5-ジメチル-ベンゾフェノン。合成法は2-ブロモ-4-メチ
ル-アニソールと2-メチルベンゾニトリルから出発し、上述のとおり。トルエン
の代わりにTHF を使用した。無色油(36%)。
2-メトキシ-4',5-ジメチル-ベンゾフェノン。合成法は2-ブロモ
-4-メチル-アニソールと4-メチルベンゾニトリルから出発し、上述のとおり。(
ヘキサン/EtOAc 9:1)でクロマトグラフィーを行なった。無色油(56%)。
(e) ベンズヒドロールを経るベンゾフェノンの合成
4,4'-ジメチルベンズヒドロール。10ml の THF 内の3.6g(150mmol)のMg
-削り屑に結晶ヨウ素と17.1g(100mmol)の4-ブロモトルエンの1/4を添加した。
混合物は40℃に加熱し、しばらく後にグリニャール反応が始まった。THF 中の4-
ブロモトルエンの残り(3/4) を還流が維持できるような速度で添加した。添加の
後、反応混合物は1時間還流し、0℃まで冷却し、残留しているMg-削り屑を除去
した。12.3g(103mmol)の4-メチル-ベンズアルデヒド の 20ml の THF溶液を0
℃で滴下した。2時間後、反応混合物を 200ml の氷で冷却し、温度を室温まで上
昇させ、25%のH2S04を溶液が透明になるまで添加した。反応混合物は DCM で抽
出した。集めた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。残渣をヘプ
タンから再結晶し、白色固体10.6g(50%)を得た。
4,4'-ジメチル−ベンゾフェノン。12.96g(60mmol)のピリジニウムクロ
ロクロメートの60mlのDCM懸濁液に、6.36g(30mmol)の4,4'-ジメチルベンズヒ
ドロールを添加した。混合物は 24 時間攪拌し、240mlのジエチルエーテルを加
えた。反応混合物は 3X シリカゲルを通してろ過し、真空で濃縮して、白色固体
3.7g(59%)を得た。
(f) メチル-メチルフェニル-ベンゼンの合成法
2-メチル-(4-メチルフェニル)-ベンゼン。5.2g(24mmol)の 2-ヨード
トルエンの12mlのジエチルエーテル溶液にN2雰囲気下-78℃で、32mlの1.5M(48m
mol)tert-BuLi のヘキサン溶液を滴下した。反応混合物は-78℃で1時間および
室温で1時間攪拌し、次いで真空で濃縮した。残渣に16ml の THF を0℃で加え
、反応混合物を 3.3g(24mmol)の乾燥ZnCl2の 12ml の THF 溶液にN2雰囲気下0
℃で滴下した。反応混合物は室温で1時間攪拌し、ついで3.4g(20mmol)の 4-
ブロモ-トルエン、0.23g(0.2mmol)のPd(PPh3)4の20ml THF溶液へN2雰囲気下水
浴中で冷却され添加された。反応混合物は50℃で16時間攪拌し、冷却し、20mlの
ジエチルエーテルと 60ml の4N HCl溶液に注入した。混合物は2*40mlのエーテル
で抽出した。集めた有機層はNaHCO3(sat.)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空で
濃縮して無色油2.0g(47%)を得た。
(g) メチル基の芳香族側鎖酸化
ビフェニル-2,4'-ジカルボン酸。5.2g(33mmol)のKMnO4の 48mmlの50%
ピリジン溶液(aq.)に100℃で0.6mlの濃NaOHおよび2.0g(11mmol)の2-メチル-(4-
メチルフェニル)-ベンゼンの 15ml ピリジン溶液を、次いで 15ml の H2O を加
えた。反応混合物は1時間攪拌し、5.2g(33mmol)のKMnO4を添加した。この処
理を合計41.6g(264mmol)のKMnO4が添加されるまで続けた。熱い反応混合物を
ろ過し、ろ過ケーキを 4*30ml の H2O と10ml のピリジンで洗浄した。ろ液は氷
浴中で冷却され、濃 HCl でpH=1
にまで酸性にされた。ブラインを添加し、反応混合物を 4*150ml の EtOAcで抽
出した。集めた有機層は真空で濃縮し、白色固体0.9g(33%)が得ら
ベンゾフェノン-2,2'-ジカルボン酸。合成法は2,2'-ジメチルベンゾフェ
ノンから出発し、上述のとおり。白色固体(69%)。
ベンゾフェノン-3,3'-ジカルボン酸。合成法は3,3'-ジメチルベンゾフェ
ノンから出発し、上述のとおり。白色固体(56%)。
ベンゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸。合成法は4,4'-ジメチルベンゾフェ
ノンから出発し、上述のとおり。白色固体(66%)。
ベンゾフェノン-2,4'-ジカルボン酸。合成法は2,4'-ジメチルベン
2-メトキシ-ベンゾフェノン-2',5-ジカルボン酸。合成法は2-メトキシ-2'
,5-ジメチル-ベンゾフェノンから出発し、上述のとおり。白色実施例3
モノ−アルキル化された芳香族ジアシッドの合成法
ベンゾフェノン-2,2'-ジカルボン酸モノアリルエステル。1.08g(4mmol
)のベンゾフェノン-2,2'-ジカルボン酸の 90ml DMF 溶液に0.16g(0.5mmol)の
Cs2CO3を添加した。30分後、0.34ml(0.484g,4mmol)のアリルブロマイドを。
反応混合物を 24 時間攪拌し、0.16g(0.5mmol)のCs2CO3を添加した。この処理
を合計 0.64g(2mmol)のCs2CO3が添加されるまで続けた。さらなる24時間後、
反応混合物はろ過し、クロマトグラフィー(CHCl3/AcOH 99:1) で精製して0.52g
(42%)を得た。Mp 205-207 ℃。未反応のベンゾフェノン-2,2'-ジカルボン酸0.
312g(29%)は再
ベンゾフェノン-3,3'-ジカルボン酸モノアリルエステル。合成法はベン
ゾフェノン-3,3'-ジカルボン酸から出発し、上述のとおり。白色固
ベンゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸モノアリルエステル。合成法はベン
ゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸から出発し、上述のとおり。白色固
ベンゾフェノン-2,4'-ジカルボン酸モノアリルエステル。合成法はベン
ゾフェノン-2,4'-ジカルボン酸から出発し、上述のとおり。7:1の比の2つの異
性体(2-アリルエステル/4'-アリルエステル)の白色固体(64%)。クロマトグラ
フィー(CHCl3/MeOH/トリエチルアミン 8:1:1) で精製し、純白色固体の2-アリル
エステル(39%)(Mp 125-127℃)と純白色固体の4'-アリルエステル(6%)(mp 119-12
0℃)を得た。2-アリルエステ
ビフェニル-2,2'-ジカルボン酸モノアリルエステル。合成法はビフェニ
ル-2,2'-ジカルボン酸から出発し、上述のとおり。無色油(35%)。ビフェニル-2,
2'-ジカルボン酸(40%)は再利用のため単離した。
ナフトイック-2,6-ジカルボン酸モノアリルエステル。Cs2CO3(1.60g、
5.00mmol)をナフトイック-2,6-ジカルボン酸(2.16g、10mmol)の無水DMF(97m
L)溶液に0.5時間にわたって、等量ずつ2回添加した。アリルブロマイド(17.3
mL、200mmol)を次いで添加し、反応混合物を激しく24時間攪拌した。同量のCs2
CO3を次いで8時間にわたって、等量ずつ2回添加し、反応を更に17時間進行させ
た。沈殿物をろ過し、DMF で洗浄した(3x20mL)。集めたろ液を次いで真空で濃
縮し、熱い50% MeOH/アセトンで抽出した(2x100mL)。溶液の蒸発の後、残存す
る出発原料をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン/HOAc、50/48/
2)で除去した。モノエステルとジエステルの混合物を含んでいるその結果のフ
ラクションを濃縮し、10% MeOH/ジクロロメタンに再び溶解させ、アンバーリス
トA-26(水酸化物形)樹脂(24.0g、96meq)で17時間処理した。樹脂はその後ろ
過し、ジエステルが溶出液中にTLC(CHCl3/MeOH、HOAc、94/4/2)で検出されな
くなるまで新鮮な溶媒(約3L)で洗浄した。モノアリルエステルは次いでMeOH/
ジクロロメタン/酢酸(10:80:10)で溶出した。溶媒を除去した後、アセトンか
ら再結晶して3を細かい無色の固体(0.77g、30%) として得た。
実施例4
バラノール類似体の固相合成
バラノール・ライブラリーはスプリット合成(split-synthesis)法を
用いて合成した。各工程の後、樹脂は、1,2-ジクロロエタンと DMFの等密度混合
物(2:1)中で混合し膨張させ、次いで樹脂は合成の次の工程のため分割された
。樹脂に結合している内容物を分析するため、ジクロロメタン中のTFA 50% 溶液
を使用して樹脂から切断した。
二つのジカルボン酸を工程(A)(m=2)で使用し、4つのアミノアルコ
ールを工程(B)(n=4)で使用し、4つの芳香族カルボン酸を工程(C)(o=4)
で使用した。故に、2*4*4=32個の化合物を有するライブラリーを製造した。
(A)芳香族酸のウオン樹脂へのカップリング(一般的方法図中の工程(A)に対応)
分子内無水物とモノアリルエステルとしてフタル酸とナフタレン-2,6-
ジカルボン酸を、2つの異なる方法を使用してウオン樹脂と結合させた。
ウオン樹脂へのフタル酸のカップリング。1.6g(0.87meq/g)のウオン
樹脂(1%のジビニルベンゼンで架橋したポリスチレン、NovaBiochemより)を10m
lの乾燥DMF中で膨張させ、2.83g(1.6mmol)の無水フタル酸、1.95ml(1.425g(
14.1mmol)の Et3N および 0.2346g(1.92mmol)の DMAP を添加した。反応混合
物を4日間振とうし、次いで2*10mlのジクロロメタン中30% MeOHと4*10mlジクロ
ロメタンで洗浄した。樹脂は乾燥し、HPLCで分析した。ローディングL=0.66meq/
g。
ウオン樹脂へのナフタレン-2,6-ジカルボン酸モノアリルエステルのカ
ップリング。0.8g(0.87meq/g)のウオン樹脂を8ml の乾燥DMF 中
で膨張させ、0.321g(1.25mmol)のナフタレン-2,6-ジカルボン酸モノアリルエ
ステル、0.412g(1.39mmol)のMSNTおよび0.443ml(5.7mmol)の1-メチルイミダ
ゾール(NMI)を添加した。反応混合物は4日間振とうし、2*10mlのジクロロメ
タン中30% MeOHおよび4*10mlのジクロロメタンで洗浄した。樹脂を乾燥し、HPLC
で分析した。ローディングL=0.87meq/g。
固定されたナフタレン-2,6-ジカルボン酸アリルエステルの脱アリル化
。5% HOAcおよび2.5% NMMの15ml CHCl3溶液に2.4g(2.09mmol)のPd(PPh3)4をア
ルゴン下添加した。混合物は10分間振とうし、0.8g(0.87meq/g、0.696mmol)の
モノ−アリル化された樹脂をアルゴン下に添加した。反応混合物を18時間振とう
し、6*15mlの0.5% DIPEA、0.5ナトリウム−ジエチル-ジチオーカルバメートのDM
F 溶液で各 10 分間、および3*15mlジクロロメタンで洗浄した。樹脂を乾燥し、
HPLCで分析した。ローディングL=0.83・eq/g。
-COOH官能化された樹脂にN-Fmocアミノアルコールをカップリングする(工程(B)
に対応)
4つの異なるN-Fmoc-アミノアルコールを使用した。
trans-N-Fmoc-4-アミノ-1-シクロヘキサノール。0.4g(0.87-0.66meq/g
)の-COOH官能化された樹脂を5ml の乾燥ジクロロメタン中で膨張させ、0.27g(
0.8mmol)のtrans-N-Fmoc-4-アミノ-1-シクロヘキサノールの5ml 乾燥ジクロロ
メタン溶液を添加した。反応混合物は2分間振とうし、0.237g(0.8mmol)のMSNT
と0.254ml(3.2mmol)のNMI を添加した。4日後、反応混合物を 10ml のジクロ
ロメタン、10mlの DCM 中30% MeOH、10mlのDMF および2*10ml のDCM で洗浄した
。樹脂は乾燥し、
HPLCで分析し二つの生成物を同定した。
N-Fmoc-1-アミノ-2-プロパノール。合成法は0.238g(0.8mmol)のN-Fmoc-
1-アミノ-2-プロパノールを使用し、上述のとおり。HPLCで二つの生成物を同定
した。
N-Fmoc-2-アミノ-1-プロパノール。合成法は0.249g(0.8mmol)のN-Fmoc-
2-アミノ-1-プロパノールを使用し、上述のとおり。HPLCで二つの生成物を同定
した。
N-Fmoc-3-アミノ-1-プロパノール。合成法は0.238g(0.8mmol)のN-Fmoc-
3-アミノ-1-プロパノールを使用し、上述のとおり。HPLCで二つの生成物を同定
した。
-NH2官能化された樹脂に安息香酸誘導体をカップリングする(工程(C)に対応)
4つの異なる安息香酸を使用した。
4,4'-ジメトキシトリチル-オキシメチル-安息香酸のジイソプロピルエ
チルアンモニウム塩。0.4g(約0.6meq/g)の-NH-Fmoc 官能化された樹脂を2*10m
l の DMF中 20% ピペリジンで2*40分間、および3*10ml DMF で洗浄した。樹脂は
7ml の乾燥DMF中で膨張させ、0.584g(1.0mmol)の4,4'-ジメトキシトリチル-オ
キシメチル-安息香酸のジイソプロピルエチルアンモニウム塩を添加し、次いで0
.520g(1.0mmol)のPyBOP、0.135g(1.0mmol)のHOBTおよび0.33ml(2.0mmol)
のDIPEAを添加した。4日後、樹脂を2*10mlのDMF 、2*10mlのDCM中30% MeOHおよ
び2*10ml
DCMでおのおの 10 分間洗浄した。
4-ニトロ-安息香酸。0.4g(約 0.6meq/g)の-NH-Fmoc 官能化された樹
脂を2*10ml のDMF 中20% ピペリジンで2*40 分間、および3*10mlのDMFで洗浄し
た。樹脂は7mlの乾燥DMF中で膨張させ、0.167g(1.0mmol)の4-ニトロ-安息香酸
を添加し、次いで0.520g(1.0mmol)のPyBOP、0.135g(1.0mmol)のHOBTおよび0.3
3ml(2.0mmol)のDIPEAを添加した。4日後、樹脂を2*10ml のDMF 、2*10ml のD
CM中30% MeOHおよび2*10ml DCMでおのおの 10分間洗浄した。
4-メトキシ-安息香酸。合成法は 0.152g(1.0mmol)の4-メトキシ-安息
香酸を使用し、上述のとおり。
3-フルオロ-安息香酸。合成法は 0.140g(1.0mmol)の3-フルオロ-安息香
酸を使用し、上述のとおり。
ウオン樹脂からコンビナトリアルライブラリーを切断する(工程(D)に対応)
この合成を固相上で実行するために、重要なカップリング反応の結果と
最適化を切断-&分析(cleave-&-analyse)手法に従い、行なった。この切断-&
分析手法に従い、約5mgの樹脂を分析用天秤で量り、トリフルオロ酢酸(TFA)/
ジクロロメタン(DCM)(1:1,v/v)で切断し、蒸発させ(スピードバック、Spe
ed-VacTM)、再び溶解させ、最低三つの標準濃度を使用して予め較正された逆相
HPLCで量を量った。生成物はウオン型の樹脂をコンビナトリアルライブラリー合
成に使用したとき TFA/ DCM(1:1、v/v)で切断し、ダイオード−アレイの HPLC
-UV(日立)および
HPLC-MS(パーキン一エルマ−、Sciex)で分析し、各4つの副ライブラリーの成
分を同定した。
4,4'-ジメトキシトリチル-オキソメチル-安息香酸のバッチ。DMT保護基
を4*10mlのDCM中3%ジクロロ酢酸で洗浄することにより除去し、次いで4*10ml の
DCMで洗浄した。樹脂を乾燥し、HPLC(LC-MS)で分析し、理論的に得られるバラノ
ール類似体の8つのうち6つが同定された。
4-ニトロ-安息香酸のバッチ。樹脂を乾燥し、HPLC(LC-MS)で分析し、理
論的に得られるバラノール類似体の8つのうち7つが同定された。
4-メトキシ-安息香酸のバッチ。樹脂を乾燥し、HPLC(LC-MS) で分析し
、理論的に得られるバラノール類似体の8つのうち7つが同定された。
3-フルオロ-安息香酸のバッチ。樹脂を乾燥し、HPLC(LC-MS)で分析し、
理論的に得られるバラノール類似体の8つのうち7つが同定された。
上述の副ライブラリー、つまり4,4'-ジメトキシトリチル-オキソメチル
-安息香酸のバッチ、4-ニトロ-安息香酸のバッチ、4-メトキシ-安息香酸のバッ
チおよび3-フルオロ-安息香酸のバッチ中で、それぞれ6、7、7および7のバ
ラノール構造が、LC-UV/MS 分析で明確なピークとして同定された。ビルディン
グブロックの1-アミノ-プロパン-2-オールまたは3-アミノ-プロパン-1-オールの
いずれか一つを含む残りの5つのバ
ラノール類似体は、ライブラリーの分析で観察されなかった。この観察に対する
説明が幾つか挙げられ、個々のライブラリーの一部が沈殿するかHPLCでの共溶出
が非常に可能性が高い。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,E
E,EE,ES,FI,FI,GB,GE,HU,IL
,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,
LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M
K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SK,TJ,
TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y
U