【発明の詳細な説明】
集積回路に応用される高誘電率バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化物
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、概略的に言えば、集積回路に使用される高誘電率物質に関し、より
詳細に言えば、バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化物の薄膜を組み込んだ集
積回路に関する。
2.課題の説明
集積回路に使用するのに適した高誘電率物質が必要とされていることは周知で
ある。集積回路に最も一般的に使用される誘電体材料は、二酸化シリコンであっ
て、二酸化シリコンは、約4の誘電率を有している。そのような材料を用いたキ
ャパシタは、最新式の集積回路に必要とされる容量値を与えるために、大きな面
積を有する必要がある。これらの大きな面積は、集積回路の容量構成要素の密度
を高くすることを困難にする。しかしながら、他の物質を用いて集積回路の誘電
体を形成することはできなかった。その理由は、高誘電率を有する物質は、通常
、集積回路の環境における誘電体の漏洩、製造時の応力及び長期間の使用により
生ずる物質の劣化及びブレイクダウン(破壊)、並びに、他の一般的な集積回路
材料との不適合性の如き多くの問題を有しているからである。例えば、通常PZ
Tと呼ばれていて強誘電体集積回路に使用される周知の物質であるジルコン酸チ
タン酸鉛は、約800の誘電率を有しているが、鉛も含んでおり、鉛は、時間経
過と共に、集積回路のシリコンの半導体部分に移動して、その半導体特性を変え
る傾向を有している。従って、通常の集積回路材料と共に鉛が存在すると、集積
回路の長期間の信頼性を大幅に低下させる。チタン酸バリウムストロンチウムも
集積回路に上手く使用されてきたが、その誘電率はPZT程には高くない。チタ
ンは、また、特定の状態において結晶構造に欠陥を生じさせる多数の酸化状態を
有しており、従って、物質の電気的なパフォーマンスを低下させることがある。
集積回路が小さくなるに従って、500又はそれ以上の誘電率を有し且つ問題と
なる元素を含まない誘電物質を見い出すことが益々重要になる。そのような物質
又は材料が存在しないことが、より高密度の集積回路記憶装置への大きな障害の
一つであると考えられる。
3.課題の解決策
本発明は、バリウム、ストロンチウム及びニオブの酸化物(バリウム・ストロ
ンチウム・ニオブ酸化物)を組み込んだ集積回路を提供することにより、上述の
課題を解決する。バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化物は、Ba2Sr3Nb10
O30であるのが好ましい。バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化物は、誘電
率が非常に高いばかりではなく、漏洩電流が非常に少なく、これは、集積回路記
憶装置(ICメモリ)の如き電荷蓄積デバイスとして、また、集積回路の導電素
子の間の絶縁体として良好に機能することを示している。Ba1.3Sr3.7Nb10
O30の如き他のBSN(バリウム・ストロンチウム・ニオブ)の組成物も、高い
誘電率及び良好な電子特性を有することが発見されている。このように、高い誘
電率及び良好な電子特性をもたらすバリウム及びストロンチウムの割合の範囲が
存在する。本明細書においては、上述の物質、並びに、金属が主としてバリウム
、ストロンチウム及びニオブである任意の金属酸化物をBSNと称することにす
る。BSNは、少量の他の元素でドープされた物質を含む(すなわち、ドーパン
ト元素のモル量が、BSNのバリウム、ストロンチウム又はニオブのいずれかの
モル量よりも少ない物質を含む)。
本発明の好ましいBSN物質は、総ての周波数に関して500以上の誘電率を
有しており、低い周波数においては、約1,300の誘電率を有している。また
、本発明の好ましいBSN物質は、約1,600オングストロームの膜厚及び5
ボルトまでの電圧に関して、10-5アンペア/平方センチメートル未満の漏洩電
流を有している。通常の集積回路材料に適合しないことが分かっている物質、あ
るいは、通常の集積回路材料のパフォーマンスを低下させる性質を有している物
質は、BSN物質に含まれない。BSN物質の優れた特性、及び、そのような特
性を保持するBSN物質の極めて薄い膜を形成する機能が、本発明を集積回路に
とって特に重要なものにする。しかしながら、BSN物質は、任意のタイプの電
荷蓄積デバイスにとっても特に重要である。本発明の他の多くの特徴、目的及び
利点は、添付図面を参照して以下の記載を読むことにより、理解されよう。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のBSN絶縁体を含むキャパシタを形成するプロセスの好まし
い実施例を示す流れ図であり、
図2は、本発明の集積回路用BSNキャパシタの断面図であり、
図3は、図2の集積回路用キャパシタに組み込むことのできるDRAMセルの
断面図であり、
図4は、例1のプロセスによって形成された本発明のBa2Sr3Nb10O30の
キャパシタに関する測定キャパシタンス対バイアス電圧のグラフであり、
図5は、図4のキャパシタに関する測定漏洩電流対バイアス電圧のグラフであ
り、
図6は、例2のプロセスによって形成された本発明のBa2Sr3Nb10O30の
キャパシタに関する測定キャパシタンス対バイアス電圧のグラフであり、
図7は、図6のキャパシタに関する測定漏洩電流対バイアス電圧のグラフであ
り、
図8は、本発明の一連のBSNキャパシタに関する誘電率及びキャパシタンス
対バリウム濃度のグラフであり、
図9は、本発明のBa2Sr3Nb10O30のキャパシタに関する誘電率及びキャ
パシタンス密度のグラフであり、
図10は、本発明のBa2Sr3Nb10O30のキャパシタに関する誘電率及び損
失係数のグラフである。
好ましい実施例の説明
図2を参照すると、本発明の集積回路用キャパシタの断面図が示されている。
集積回路装置を示す図2及び図3は、実際の集積回路装置の特定の部分の実際の
平面図又は断面図を意味していないことを理解する必要がある。実際の装置にお
いては、各層は規則的ではなく、各層の厚さは種々の割合を有することができる
。代わりに、図2及び図3は、実際の装置をそのまま描くよりも、本発明の構造
及びプロセスをより明瞭且つ十分に描くために採用された、理想化した概念図を
表している。集積回路用キャパシタ50は、シリコン、砒化ガリウム又は他の半
導体、あるいは、ガラス又は酸化マグネシウム(MgO)の如き絶縁体とするこ
とのできる、ウエーハ51上に形成されるのが好ましい。本明細書に記載する好
ましい実施例においては、上記ウエーハは、約100cmの直径を有するp形の
シリコンウエーハである。このシリコンウエーハは、単結晶であるのが好ましい
。約5,000Åの二酸化シリコンの層52が、通常の方法によって、シリコン
ウエーハ51上に成長される。次に、最初に200Åのチタン54をスパッタリ
ングし、その後、2,000Åの白金55をスパッタリングすることによって、
第1の電極53を形成する。当業界で周知のように、チタンは、白金55を酸化
物52に接合する補助をする。次に、この不完全なデバイスを酸素炉の中で、好
ましくは650℃で30分間にわたって、アニーリング処理する。次に、後に詳
細に説明するように、BSN絶縁体56を基板64の上に形成する。次に、第2
の電極63を形成するが、この第2の電極は、2,000Åの厚さの別の白金の
層をスパッタリングすることにより形成されるのが好ましい。キャパシタ形成プ
ロセスのこれ以上の詳細は、後に説明する。
本発明を使用することのできるDRAM(ダイナミック・ランダムアクセスメ
モリ)の電荷蓄積セル80が、図3に示されている。セル80は、シリコン基板
81上に形成されていて、フィールド酸化物領域82と、電気的に相互に接続さ
れた2つの電気デバイス(すなわち、トランジスタ83及びキャパシタ84)と
を備えている。トランジスタ83は、ソース85と、ドレイン86と、ゲート8
7とを備えている。キャパシタ84は、第1の電極88と、誘電層89と、第2
の電極90とを備えている。第1の電極は、図面のスケールの都合上、単一の要
素として図示されているが、図3の電極53に関して上に説明したように、通常
は2又はそれ以上の別個の層から構成されることを理解する必要がある。参照符
号92で示す如き絶縁体は、トランジスタ83のドレイン86がキャパシタ84
の第1の電極88に接続されている箇所を除いて、デバイス83、84を分離し
ている。絶縁体92は、本発明のBSN物質から形成することもできる。参照符
号94、95で示す如き電気接点が、デバイス83、84並びに集積回路91の
他の部品に対する電気的な接続を行っている。
図1を参照すると、集積回路用キャパシタ50、84(図2及び図3)を形成
するための本発明の一般化されたプロセス10の流れ図が示されている。本プロ
セスは、前駆物質溶液の生成工程(ステップ12乃至ステップ18)、及び、上
記前駆物質溶液が塗布されることになる基板64の準備工程(ステップ20及び
ステップ22)から始まる。「基板」及び「前駆物質」と言う用語は共に、当該
技術では曖昧に使用されている。「基板」と言う用語は、集積回路がその上に形
成される基礎のウエーハ51、81、並びに、薄膜層がその上に堆積される任意
の物体を意味することがある。本明細書においては、「基板」と言う用語は、問
題とする層が塗布される物体を意味することとし、例えば、参照符号56で示す
如きBSN絶縁層について説明している場合には、基板64は、BSN層がその
上に形成される層51、52、54、55を含む。当業界においては、「前駆物
質」と言う用語は、別の「前駆物質」と混合されて、基板に塗布されるべき溶液
、すなわち、基板に塗布される溶液を形成する一つの金属を含む溶液を意味する
ことがある。本明細書においては、文脈からその意味が明らかである場合を除き
、混合されて「最初の前駆物質」として基板に塗布される溶液を形成する個々の
前駆物質、及び、「最終的な前駆物質」又は正に「前駆物質」として基板に塗布
される前駆物質を一般的に指称するものとする。
「薄膜」と言う用語は、本明細書においては、集積回路技術で使用されている
意味で用いられる。一般的に、薄膜は、1ミクロン未満の厚さを有する膜を意味
する。本明細書に開示される薄膜は、総ての場合において、0.5ミクロン未満
の厚さを有している。集積回路技術のそのような薄膜を、集積回路技術には適合
しない完全に異なるプロセスによって形成される巨視的なキャパシタ技術の層状
キャパシタと混同してはならない。
ステップP12において、最初の前駆物質が形成される。これら最初の前駆物
質は、各々の金属(すなわち、バリウム、ストロンチウム及びニオブ)、又は、
該金属のアルコキシドを、カルボン酸と、あるいは、カルボン酸及びアルコール
と相互作用させ、その反応生成物を溶媒の中に溶解させることによって、形成す
ることができる。使用することのできるカルボン酸としては、2−エチルヘキサ
ン酸、オクタン酸及びネオデカン酸を挙げることができるが、2−エチルヘキサ
ン酸が好ましい。使用することのできるアルコールとしては、2−メトキシエタ
ノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノ
ール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−エチル−1−ブタノール、2
−エトキシエタノール及び2−メチル−1−ペンタノールを挙げることができる
が、2−メトキシエタノールが好ましい。使用することのできる溶媒としては、
キシレン、n−オクタン、2−メトキシエタノール、n−酢酸ブチル、n−ジメ
チルホルムアミド、2−メトキシエチル・アセテート、メチル・イソブチル・ケ
トン、メチル・イソアミル・ケトン、イソアミル・アルコール、シクロヘキサノ
ン、2−エトキシエタノール、2−メトキシエチルエーテル、メチル・ブチル・
ケトン、ヘキシルアルコール、2−ペンタノール、酪酸エチル、ニトロエタン、
ピリミジン、1,3,5トリオキサン、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸イソ
ブチル、プロピオン酸プロピル、乳酸エチル、n−ブタノール、n−ペンタノー
ル、3−ペンタノール、トルエン、エチルベンゼン、1−ブタノール、1−ペン
タノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−キサノール、3−ヘキサ
ノール、2エチル−1−ブタノール、2−エトキシエタノール及び2−メチル−
1−ペンタノール、並びに、他の多くの物質を挙げることができる。金属、金属
アルコキシド、酸及びアルコールが反応して、金属/アルコキソカルボン酸塩、
金属/カルボン酸塩及び/又は金属/アルコキシドから成る混合物を形成する。
そのような混合物を必要なだけ加熱・攪拌して、金属−酸素−金属の結合を形成
し、上記反応によって生じる低沸点有機物を総て沸騰させて除去する。
好ましい実施例においては、ニオブ・ブトキシドをキシレン溶媒中の2−エチ
ルヘキサン酸と反応させ、その後、バリウム及びストロンチウムを反応させる。
別の実施例においては、バリウム、ストロンチウム及びニオブのそれぞれの最初
の前駆物質をステップ14で低温混合する。ステップ14で混合されて準備され
た前駆物質は、最終的な前駆物質であるのが好ましい。しかしながら、選択に応
じて上記混合物を更に加熱して蒸留させるか、あるいは、ステップ18において
、上記前駆物質の塗布を行う直前に、単数又は複数の追加の溶媒を加えて、特定
の薄膜を形成するのに最適な濃度に調節することができる。例えば、酢酸n−ブ
チルを加えて粘度及び沸点を調節するか、あるいは、濃度調節と同時に又は濃度
調節の後に、溶媒交換行程を行うことができる。この溶媒交換工程は、ある溶媒
を第2の溶媒で置き換える。ステップ20、21において、基板64を準備する
。基板は一般的に、不完全な集積回路あるいは他の電気デバイスである。好まし
い実施例においては、基板64は、p形のシリコンウエーハ51と、酸化シリコ
ンの層52と、下部電極53とを備えている。この下部電極は、上述のように、
チタンの接着層54と、白金の層55とを含んでいる。また、上記基板は、例え
ばTiN又はTiO2の障壁層すなわちバリヤ層を含むことができる。このバリ
ヤ層は、従来技術においては、通常、シリコン層52と、白金層55と絶縁体層
56との間のイオン移動を防止するために追加される。BSNを用いた場合には
単数又は複数の上記バリヤ層は必要がないと考えられるが、予防手段としてその
ようなバリヤ層を追加しても良い。上述の接着層、バリヤ層及び電極から成る構
造は、当業界では周知であり、本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。
ステップ24において、最終的な前駆物質を基板64に塗布する。この塗布作
業は、米国特許第5,406,945号に記載されているようなミスト状堆積プ
ロセス(misted deposition process)によって行う
ことができるが、液体を基板に塗布する他の方法を用いることもできる。スピン
・オンプロセス(spin−on process)を用いるのが好ましい。ウ
エーハを750RPMと6,000RPMとの間の回転速度で5秒間から1分間
の時間にわたって回転させるのが好ましい。これらのパラメータは、塗布される
溶液の濃度及び粘度、並びに、その結果生ずる層の所望厚さに依存する。その後
、ステップ26−32において、基板上の前駆物質を処理して多結晶固体金属酸
化物の薄膜を形成する。この処理工程は、その物質のアニール温度よりも低い温
度で加熱する作業、すなわち、焼成作業、アニーリング処理作業又はRTP(急
速熱処理)を含むことができる。RTPは、RTP焼成又はRTPアニーリング
処理とすることができる。一般的に、上記処理は、加熱作業によって行われるが
、米国特許第5,456,945号に記載されるように、上記加熱作業の代わり
に、あるいは、該加熱作業に加えて、基板及び前駆物質を真空に暴露することに
よって処理することもできる。好ましい実施例においては、上記前駆物質は、ス
テップ26の乾燥作業、ステップ28の焼成作業、及び、ステップ32のアニー
リング処理作業によって処理される。乾燥工程26は、100℃と350℃
との間の温度で30秒間と10分間との間の時間にわたって、好ましくはホット
プレートの上で行われる。好ましくは、上記乾燥作業は、複数の乾燥工程で実行
され、各々の乾燥工程は、その前の乾燥工程よりも高い温度で行われる。後に示
すサンプルにおいては、乾燥作業は2つの工程で行い、一方の工程は160℃で
1分間にわたって行われ、また、他方の工程は、260℃で4分間にわたって行
われるのが好ましい。焼成工程28は、急速熱「アニーリング」(RTA)焼成
、あるいは、炉焼成も含むことができるが、好ましい実施例においては、ホット
プレート焼成である。RTA工程28を用いる場合には、ハロゲン光源を用いて
、500℃から850℃までの範囲の高い温度までウエーハを急速に加熱し、1
5秒間と3分間との間の時間焼成する。アニーリング処理を行うステップすなわ
ち工程32は、500℃から850℃の温度で30分間から3時間にわたって実
行される。後に示す例においては、アニーリング処理は、800℃で60分間に
わたって行った。デバイスの品質は、プッシュ/プル及び安定化の時間に依存す
るように思われ、従って、この点に関しては、下の各々の例において更に詳細に
説明することにする。前駆物質の単一の塗膜が塗布される場合には、乾燥工程2
6、焼成工程28及びアニーリング処理工程32は、連続的に実行される。しか
しながら、通常は2又はそれ以上のBSNの塗膜が形成される。マルチコートプ
ロセス(複数の塗膜を付与するプロセス)30においては、乾燥工程26及び焼
成工程28は、前駆物質を塗布する度毎にその後実行され、その後、前駆物質の
次の塗膜が塗布される。アニーリング処理工程32は、BSNの塗膜を総て塗布
した後に実行されるのが好ましいが、各々の乾燥作業の後に行うこともできる。
所望数の前駆物質の塗膜の塗布作業、乾燥作業、焼成作業及びアニーリング処
理作業を行った後に、ステップ36において上部電極63を堆積させる。この堆
積作業は、白金層をスパッタリングすることによって行うのが好ましい。次に、
ステップ36において、イオン・ミリング、化学的エッチング等の如き通常のプ
ロセスでキャパシタをパターン化する。後に示す例においては、ネガ型マスクを
用いるフォトリソグラフ法(光露光法)によるイオン・ミリングプロセスを用い
て、キャパシタを画定した。ミリング時間は、そのサンプルに応じて、24分間
と29分間との間であった。350ワットのRF電源(高周波電源)を有する標
準的なIPCを用いて40分間にわたってレジスト剥離を行った。使用したマス
クは、総てのキャパシタに関して7854平方マイクロメートルの面積を生じさ
せた。次に、ステップ38において、第2のアニーリング処理を行う。この第2
のアニーリング処理は、500℃から850℃の温度で15分間から1時間にわ
たって行われる。後に示す例においては、アニーリング処理は、800℃で30
分間にわたって行い、その際に、炉への押し込み(プッシュ)を10分間とし、
また、炉からの引出し(プル)を10分間とした。最後に、ステップ40におい
て、通常のプロセスを用いて集積回路を完成させる。
ここで、本発明の特定の実施例を説明する。本発明に従って前駆物質を準備す
るプロセスの例、及び、本発明に従って前駆物質を用いてキャパシタデバイスを
形成する例を以下に示す。総てのプロセスは、特に注記する場合を除いて、コロ
ラド州コロラド・スプリングスの大気圧で実行した。図1を参照すると、ステッ
プ12において、下の表1に示す化合物を測定した。
表 1
化 合 物 FW g mmol Equiv. ベンダー
バ リ ウ ム 187.33 0.4121 3.0008 2.0005 Strem
ストロンチウム 87.62 0.3941 4.4978 2.9985 Strem
ニオブ・ブトキシド 458.48 6.8773 15.000 10.000 Soliton
2-エチルヘキサン酸 144.21 13.633 94.535 63.024 Aldrich
上の表1及び下の表2において、「FW」は、式量を示し、「g」は、グラム
を示し、「mmol」は、ミリモルを示し、「Equiv.」は、溶液中のモル
の当量数を表し、「ベンダー」は、その薬品を購入した会社を示している。ニオ
ブ・ブトキシド及びヘキサン酸2−エチルをフラスコに入れ、20ミリリットル
(ml)のキシレンと混合した。本明細書において、「キシレン」は、3つの異
なる異性体を含む市販のキシレン溶液を示している。上記混合物をホットプレー
トの上で攪拌しながら165℃で18.5時間にわたって加熱した。熱を取り除
き、その後、バリウム及びストロンチウムを加えて完全に反応させた。次に、2
0mlの追加のキシレンを加えて温度を126℃の最大温度まで上昇させ、約2
6mlの体積に達するまで、総てのブタノールを溶液から蒸留させた。その溶液
を30mlのキシレンを追加して希釈した。これにより、0.050ミリモル/
gのBa2Sr3Nb10O30の前駆物質溶液が生じた。
200Åの厚さのチタン層54がスパッタリングされ、その後、2,000Å
の厚さの白金層54がスパッタリングされた、図2に示す基板64を準備した。
この基板を、酸素中で650℃において30分間にわたって予備アニーリング処
理した。
上述の前駆物質4ミリリットルを1mlの酢酸n−ブチルと混合して、Ba2
Sr3Nb10O30の最終的な前駆物質を生成させた。少量の上記最終的な前駆物
質を基板64上で1,500rpmの回転数で30秒間にわたってスピンさせた
。前駆物質をホットプレート上で160℃で1分間にわたって乾燥させ、その後
、260℃で4分間にわたって乾燥させた。スピニング及び乾燥させることによ
り、別の層を形成した。次に、ウエーハを酸素中で800℃においてアニーリン
グ処理した。その際に、炉の中への押し込み(プッシュ)を20分間とし、また
、炉からの引出し(プル)を20分間とした。最終的な膜は、1,615オング
ストローム(Å)の厚さのBa2Sr3Nb10O30であった。2,000Åの白金
の上部電極63を追加し、また、キャパシタをHDLネガ型マスクでパターン化
し、TE−FEエッチングを行い、350ワットで40分間にわたってIPCレ
ジスト剥離を行った。次に、第2のアニーリング処理工程38を酸素中で800
℃で30分間にわたって実行し、その際に、10分間のプッシュ/プルを行った
。
上述のように形成されたキャパシタ50のキャパシタンスを電圧の関数として
測定した。その結果を図4に示す。この測定、並びに、後に述べる他の総ての測
定は、室温(すなわち、295゜K)で行った。高い方の曲線は、正の電圧から
負の電圧へのスイープであり、一方、低い方の曲線は、負の電圧から正の電圧へ
のスイープである。キャパシタンスの最大値は、約42−44フェムトファラッ
ド/平方マイクロメートルである。これに比較して、同様の厚さを有する従来技
術の最善のBSTキャパシタは、約25フェムトファラッド/平方マイクロメー
トルのキャパシタンスを有している。漏洩電流を測定した。その結果を図5に示
す。漏洩電流は、5ボルトまでの電圧に関しては、1×10-5アンペア/平方セ
ンチメートルよりも低い値に留まっている。より高い電圧に関しては、漏洩電流
は、従来技術の最善のBST電極ほどには良好ではないが、これは、BSNにつ
いての最初の実験であり、約2−3ボルトよりも高い電圧における漏洩電流は、
表面効果に関係するものであって、この物質に関する経験を積むことにより解消
されるように思われる。しかしながら、この最初の実験で測定された上記漏洩電
流でも、良好に作動可能なDRAMにとって十分である。
例 2
アニーリング処理工程32を若干変更した点を除いて、例1で説明したように
キャパシタを形成した。第2の塗膜を乾燥させた後に、ウエーハをエレファント
(elephant)に入れ、乾燥窒素の中で5分間にわたって温度を安定化さ
せた。次に、チューブを酸素で更に5分間にわたってパージした。その後、ウエ
ーハを入れたボートを炉管に押し込み、1.5インチ/分の特殊な勾配の30分
間のプッシュサイクルで800℃で60分間にわたってアニーリング処理を行い
、また、30分間のプルサイクルで炉から引き出した。その後、酸素を遮断する
前に、エレファントの中で5分間にわたって冷却した。キャパシタ50は、組成
式がBa2Sr3Nb10O30であり厚さが約1,600ÅのBSN誘電膜を有して
いた。キャパシタンス及び漏洩電流を電圧の関数として再び測定した。その結果
を図6及び図7にそれぞれ示す。キャパシタンスは、最大49フェムトファラッ
ド/平方マイクロメートルに達した。正の電圧から負の電圧へのスイープ、及び
、負の電圧から正の電圧へのスイープの両方に関する曲線の頂点はほぼ互いに接
近しており、その測定の再現性が極めて良好であることを示しており、漏洩電流
は、若干低かった。
例 3
下の表2に示した化合物を測定した。
表 2
化 合 物 Fw g mmol Equiv. ベンダー
バ リ ウ ム 137.33 0.2676 1.9486 1.2992 Strem
ストロンチウム 87.62 0.4863 5.5501 3.7003 Strem
ニオブ・ブトキシド 458.48 6.8769 14.999 10.000 Unipin
2-エチルヘキサン酸 144.21 13.630 94.515 63.014 Aldrich
例1で説明したプロセスに従ってキャパシタ50を形成した。このキャパシタ
において、誘電体56は、組成式Ba1.3Sr3.7Nb10O30を有し1,663Å
の厚さを有しているBSNであった。キャパシタンスは、約35フェムトファラ
ッド/平方マイクロメートルまで低下し、漏洩電流は若干高かった。この最初の
結果も、このBSN物質はBSTよりも良好なキャパシタをもたらすことを示唆
しているが、その結果は組成式Ba2Sr3Nb10O30を有するBSNに関する結
果よりもかなり劣っていた。
例 4
バリウムをキシレン中で2−エチルヘキサン酸と反応させることにより酸化バ
リウムの前駆物質を形成して0.68Mのバリウムモル濃度を有する最初の前駆
物質を形成し、この最初の酸化バリウムの前駆物質0.10ミリリットルを例3
の前駆物質に加えて最終的な前駆物質を形成した点を除いて、例3で説明したよ
うに別の前駆物質を形成した。本プロセスの残りの部分は、例1に説明した通り
である。最終的な薄膜は、約5%の過剰バリウムを有しており、また、1,52
0Åの厚さを有していた。測定したキャパシタンスは、約36フェムトファラッ
ド/平方マイクロメートルであり、また、漏洩電流は、例3のデバイスとほぼ同
じであった。従って、上述の過剰のバリウムは、何等かの正の効果を有している
。
組成式Ba2.5Sr2.5Nb10O30、Ba3Sr2Nb10O30及びBa3.5Sr1.5
Nb10O30を有するBSN誘電体を用いて別のキャパシタを形成した。このプロ
セスは、例1と実質的に同じである。5つの別個のBSN組成物(過剰のバリウ
ムを有する組成物を含まない)に関するキャパシタンス及びキャパシタンス密度
をバリウム濃度の関数としてプロットしたものが図8に示されている。各点を通
って引かれている曲線において、そのピークすなわち最大値は予測されたもので
ある。その理由は、ピークの正確な点は、1.5のBa(バリウム)の点と2.
5のBaの点との間でより多くのデータ点を取らなければ、知ることができない
からである。しかしながら、上記2つの点の間にピークが存在しなければならな
いことは明らかであり、そのピークは、BSN物質の相転移を表すものと考えら
れる。高い誘電率はこの相転移が関係しているものと考えられる。
図9は、Ba2Sr3Nb10O30の組成式を有するBSNの誘電率及びキャパシ
タンス密度を周波数の関数として示しており、一方、図10は、誘電率及び損失
係数を周波数の関数として示している。誘電率は、周波数に伴って減少している
が、BSTの如き従来技術の物質(10メガヘルツにおいて約400の誘電率を
有している)よりも十分に高い値に留まっている。損失係数は、周波数に伴って
増大しているが、その大部分は表面効果であると考えられる。
上述の事柄から、BaxSryNbzO30の組成式(xは、1.3から3.5の
範囲であり、yは、1.5から3.7の範囲であり、zは、10である)を有す
る高い誘電率を有するキャパシタが形成されたことが分かる。好ましい範囲(す
なわち、その範囲の中に相転移が存在する)は、x=1.5−2.5で、y=2
.5−3.5である。
新規なBSN前駆物質、これら前駆物質を使用する新規な薄膜形成方法、並び
に、BSN物質を使用する新規な集積回路用電子デバイスを上に説明した。図面
に示しまた本明細書に記載した上述の特定の実施例は、例として示したものであ
って、後の請求の範囲に記載される本発明を限定するものと考えてはならないと
いうことを理解する必要がある。また、当業者が、本発明の概念から逸脱するこ
となく、上述の特定の実施例の種々の使用方法及び変更例を考えることができる
ことは明らかである。例えば、集積回路におけるBSNの効果的な使用方法を開
示したので、この物質を上述の用途以外の集積回路の用途において絶縁体として
効果的に使用することができる。上に例示したプロセス以外の他のプロセスを用
いて、BSN及びBSNデバイスを形成することができる。上述の事柄から、別
の組成物を使用することができること、及び、他のドーパント物質を添加するこ
とができることは明らかである。また、上述の前駆物質、プロセス及び構造を通
常のプロセスと組み合わせて、上述のプロセス及びデバイスを変形することがで
きる。更に、上述のプロセス工程を、場合によっては別の順序で実行することが
できることも明らかである。あるいは、等価の構造及びプロセスを上述の種々の
構造及びプロセスと置き換えることができる。従って、本発明は、上述の前駆物
質、前駆物質形成プロセス、電子デバイス及び電子デバイス製造方法に存在する
及び/又はそのような前駆物質等が備える各々の新規な特徴及びそのような特徴
の組み合わせを包含するものと理解すべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年1月26日(1998.1.26)
【補正内容】
(翻訳文第1頁第4行〜第3頁第5行差し替え)
『1.発明の分野
本発明は、概略的に言えば、集積回路に使用される高誘電率物質に関し、より
詳細に言えば、バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化物の薄膜を組み込んだ集
積回路に関する。
2.課題の説明
集積回路に使用するのに適した高誘電率物質が必要とされていることは周知で
ある。集積回路に最も一般的に使用される誘電体材料は、二酸化シリコンであっ
て、二酸化シリコンは、約4の誘電率を有している。そのような材料を用いたキ
ャパシタは、最新式の集積回路に必要とされる容量値を与えるために、大きな面
積を有する必要がある。これらの大きな面積は、集積回路の容量構成要素の密度
を高くすることを困難にする。しかしながら、他の物質を用いて集積回路の誘電
体を形成することはできなかった。その理由は、高誘電率を有する物質は、通常
、集積回路の環境における誘電体の漏洩、製造時の応力及び長期間の使用により
生ずる物質の劣化及びブレイクダウン(破壊)、並びに、他の一般的な集積回路
材料との不適合性の如き多くの問題を有しているからである。例えば、通常PZ
Tと呼ばれていて強誘電体集積回路に使用される周知の物質であるジルコン酸チ
タン酸鉛は、約800の誘電率を有しているが、鉛も含んでおり、鉛は、時間経
過と共に、集積回路のシリコンの半導体部分に移動して、その半導体特性を変え
る傾向を有している。従って、通常の集積回路材料と共に鉛が存在すると、集積
回路の長期間の信頼性を大幅に低下させる。また、上記物質は強誘電体であるの
で、この物質を用いたDRAMは適正に機能しない。チタン酸バリウムストロン
チウムも集積回路に上手く使用されてきたが、その誘電率はPZT程には高くな
い。チタンは、また、特定の状態において結晶構造に欠陥を生じさせる多数の酸
化状態を有しており、従って、物質の電気的なパフォーマンスを低下させること
がある。集積回路が小さくなるに従って、500又はそれ以上の誘電率を有し、
強誘電体ではなく、且つ問題となる元素を含まない誘電物質を見い出すことが益
々重要になる。そのような物質又は材料が存在しないことが、より高密度の集積
回路
記憶装置への大きな障害の一つであると考えられる。
3.課題の解決策
本発明は、バリウム、ストロンチウム及びニオブの非強誘電体酸化物(バリウ
ム・ストロンチウム・ニオブ酸化物)を組み込んだ集積回路を提供することによ
り、上述の課題を解決する。バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化物は、Ba2
Sr3Nb10O30であるのが好ましい。バリウム・ストロンチウム・ニオブ酸化
物は、誘電率が非常に高いばかりではなく、漏洩電流が非常に少なく、これは、
集積回路記憶装置(ICメモリ)の如き電荷蓄積デバイスとして、また、集積回
路の導電素子の間の絶縁体として良好に機能することを示している。Ba1.3S
r3.7Nb10O30の如き他のBSN(バリウム・ストロンチウム・ニオブ)の非
強誘電体組成物も、高い誘電率及び良好な電子特性を有することが発見されてい
る。このように、高い誘電率及び良好な電子特性をもたらすバリウム及びストロ
ンチウムの割合の範囲が存在する。本明細書においては、上述の物質、並びに、
金属が主としてバリウム、ストロンチウム及びニオブである任意の金属酸化物を
BSNと称することにする。BSNは、少量の他の元素でドープされた物質を含
む(すなわち、ドーパント元素のモル量が、BSNのバリウム、ストロンチウム
又はニオブのいずれかのモル量よりも少ない物質を含む)。
本発明の好ましいBSN物質は、総ての周波数に関して500以上の誘電率を
有しており、低い周波数においては、約1,300の誘電率を有している。また
、本発明の好ましいBSN物質は、約1,600オングストロームの膜厚及び5
ボルトまでの電圧に関して、10-5アンペア/平方センチメートル未満の漏洩電
流を有している。通常の集積回路材料に適合しないことが分かっている物質、あ
るいは、通常の集積回路材料のパフォーマンスを低下させる性質を有している物
質は、BSN物質に含まれない。BSN物質の優れた特性、及び、そのような特
性を保持するBSN物質の極めて薄い膜を形成する機能が、本発明を集積回路に
とって特に重要なものにする。しかしながら、BSN物質は、任意のタイプの電
荷蓄積デバイスにとっても特に重要である。本発明の他の多くの特徴、目的及び
利点は、添付図面を参照して以下の記載を読むことにより、理解されよう。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のBSN絶縁体を含むキャパシタを形成するプロセスの好まし
い実施例を示す流れ図であり、
図2は、本発明の集積回路用BSNキャパシタの断面図であり、』
(翻訳文第12頁下から7行〜第14頁の差し替え)
『本プロセスの残りの部分は、例1に説明した通りである。最終的な薄膜は、約
5%の過剰バリウムを有しており、また、1,520Åの厚さを有していた。測
定したキャパシタンスは、約36フェムトファラッド/平方マイクロメートルで
あり、また、漏洩電流は、例3のデバイスとほぼ同じであった。従って、上述の
過剰のバリウムは、何等かの正の効果を有している。
組成式Ba2.5Sr2.5Nb10O30、Ba3Sr2Nb10O30及びBa3.5Sr1.5
Nb10O30を有するBSN誘電体を用いて別のキャパシタを形成した。このプロ
セスは、例1と実質的に同じである。5つの別個のBSN組成物(過剰のバリウ
ムを有する組成物を含まない)に関するキャパシタンス及びキャパシタンス密度
をバリウム濃度の関数としてプロットしたものが図8に示されている。各点を通
って引かれている曲線において、そのピークすなわち最大値は予測されたもので
ある。その理由は、ピークの正確な点は、1.5のBa(バリウム)の点と2.
5のBaの点との間でより多くのデータ点を取らなければ、知ることができない
からである。しかしながら、上記2つの点の間にピークが存在しなければならな
いことは明らかであり、そのピークは、BSN物質の相転移を表すものと考えら
れる。高い誘電率はこの相転移が関係しているものと考えられる。
図9は、Ba2Sr3Nb10O30の組成式を有するBSNの誘電率及びキャパシ
タンス密度を周波数の関数として示しており、一方、図10は、誘電率及び損失
係数を周波数の関数として示している。誘電率は、周波数に伴って減少している
が、BSTの如き従来技術の物質(10メガヘルツにおいて約400の誘電率を
有している)よりも十分に高い値に留まっている。損失係数は、周波数に伴って
増大しているが、その大部分は表面効果であると考えられる。
上述の事柄から、BaxSryNbzO30の組成式(xは、1.3から3.5の
範囲であり、yは、1.5から3.7の範囲であり、zは、10である)を有す
る高い誘電率を有するキャパシタが形成されたことが分かる。好ましい範囲(す
なわち、その範囲の中に相転移が存在する)は、x=1.5−2.5で、y=2
.5−3.5である。キャパシタンス対電圧の曲線(すなわち、図4及び図6)
は、
強誘電体のスイッチ動作を全く示さず、従って、上記物質は強誘電体ではない。
新規なBSN前駆物質、これら前駆物質を使用する新規な薄膜形成方法、並び
に、BSN物質を使用する新規な集積回路用電子デバイスを上に説明した。図面
に示しまた本明細書に記載した上述の特定の実施例は、例として示したものであ
って、後の請求の範囲に記載される本発明を限定するものと考えてはならないと
いうことを理解する必要がある。また、当業者が、本発明の概念から逸脱するこ
となく、上述の特定の実施例の種々の使用方法及び変更例を考えることができる
ことは明らかである。例えば、集積回路におけるBSNの効果的な使用方法を開
示したので、この物質を上述の用途以外の集積回路の用途において絶縁体として
効果的に使用することができる。上に例示したプロセス以外の他のプロセスを用
いて、BSN及びBSNデバイスを形成することができる。上述の事柄から、別
の組成物を使用することができること、及び、他のドーパント物質を添加するこ
とができることは明らかである。また、上述の前駆物質、プロセス及び構造を通
常のプロセスと組み合わせて、上述のプロセス及びデバイスを変形することがで
きる。更に、上述のプロセス工程を、場合によっては別の順序で実行することが
できることも明らかである。あるいは、等価の構造及びプロセスを上述の種々の
構造及びプロセスと置き換えることができる。従って、本発明は、上述の前駆物
質、前駆物質形成プロセス、電子デバイス及び電子デバイス製造方法に存在する
及び/又はそのような前駆物質等が備える各々の新規な特徴及びそのような特徴
の組み合わせを包含するものと理解すべきである。』請求の範囲
1. 複数の薄膜層(88、89、90等)を備え、これら薄膜層の中の一つ
(89)が、非強誘電体の高誘電率絶縁体を含んでいる集積回路(91)であっ
て、前記絶縁体は、金属のバリウム、ストロンチウム及びニオブを含有する非強
誘電体の金属酸化物を含んでおり、該金属酸化物は、BaxSryNbzO30の組
成式を有しており、x=1.3−3.5、y=1.5−3.7であること、を特
徴とする集積回路。
2. 非強誘電体の金属酸化物の化合物(56、89)を備えている電荷蓄積
デバイス(50、80)であって、前記非強誘電体の金属酸化物の化合物は、金
属のバリウム、ストロンチウム及びニオブを含んでおり、前記金属酸化物は、B
axSryNbzO30の組成式を有しており、x=1.3−3.5、y=1.5−
3.7であること、を特徴とする電荷蓄積デバイス。
3. 液体の前駆物質を準備する準備工程(12、14)と、前記液体の前駆
物質を基板(64、88)に塗布する塗布工程と、前記基板上の前記液体の前駆
物質を処理して固体の薄膜を形成する処理工程(26、28、32)とを備える
集積回路(50、91)の製造方法であって、前記液体の前駆物質は、金属のバ
リウム、ストロンチウム及びニオブを含んでおり、前記処理工程は、前記液体の
前駆物質を処理してバリウム・ストロンチウム・ニオブの非強誘電体の酸化物(
56)を形成する工程を備えており、前記酸化物は、BaxSryNbzO30の組
成式を有しており、x=1.3−3.5、y=1.5−3.7であること、を特
徴とする集積回路の製造方法。
4. z=10であること、を特徴とする請求項1に記載の集積回路、請求項
2に記載の電荷蓄積デバイス、又は、請求項3に記載の製造方法。
5. x=1.5−2.5、及び、y=2.5−3.5であること、を特徴と
する請求項4に記載の集積回路、電荷蓄積デバイス又は製造方法。
6. 前記金属酸化物は、Ba2Sr3Nb10O30を含んでいること、を特徴と
する請求項5に記載の集積回路、電荷蓄積デバイス又は製造方法。
7. 前記金属酸化物の前記層(56、89)の厚さが、500オングストロ
ームから5,000オングストロームの範囲であること、を特徴とする請求項4
に記載の集積回路、電荷蓄積デバイス又は製造方法。
8. 前記集積回路は、第1の電極(53、88)、第2の電極(63、90
)、及び、前記第1及び第2の電極の間の誘電体(56、89)を有するキャパ
シタ(50、84)を備えており、前記誘電体は、前記金属酸化物を含んでいる
こと、を特徴とする請求項4に記載の集積回路又は電荷蓄積デバイス。
9. 請求項4に記載の集積回路において、前記絶縁体(89)が、記憶セル
(80)の一部であること、を特徴とする集積回路。
10. 請求項4に記載の製造方法において、前記処理工程は、焼成工程(28
)、アニーリング処理工程(32)、及び、真空への暴露工程(26)から成る
群から選択される工程を含むこと、を特徴とする製造方法。
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フロントページの続き
(72)発明者 ダクラツ,クラウディア・ピー
アメリカ合衆国コロラド州80907,コロラ
ド・スプリングス,ルシーナ・ロード
4740,ナンバー 303
(72)発明者 マクネリス,ジョン・エム
アメリカ合衆国コロラド州80919,コロラ
ド・スプリングス,ダンシング・ホース・
ドライブ 1104
(72)発明者 パズ・デ・アロージョ,カルロス・エイ
アメリカ合衆国コロラド州80919,コロラ
ド・スプリングス,ウエスト・サンバー
ド・クリフス・レーン 317