JP2000505201A - 群航跡トラッキング - Google Patents

群航跡トラッキング

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Abstract

(57)【要約】 自動的群航跡トラッキング方法(100)は、複数の目標から成る編隊を検出し、各編隊に対応する複数の航跡をまとめて1つの航跡群とする(102)。また、各航跡群ごとに、検出し損なった観測データの代わりとなる疑似観測データを生成する(116)。また、生成した疑似観測データを用いて、検出し損なった目標の航跡状態を更新する(118、126)。更に、何度も疑似観測データに依存したために発生した偽航跡を、航跡有効値の評価値に基づいて排除する(120、122)。また、1つの群に含まれる個々の航跡に対して群平均速度を適用することにより(104、106)、速度の安定性を維持するようにしている。オペレータは、各航跡群の航跡のうち、その群のリーダーの航跡以外の全ての航跡を表示させない表示方法を選択することができ、これによって各航跡群の内部の航跡交差による見難さを回避することができる。この方法は、1つ目標に対して1つの航跡を維持する方式を採用したトラッカにも適用でき、また、MHT等のように、1つの目標に対して複数の枝航跡を維持する方式を採用したトラッカにも適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 群航跡トラッキング 発明の分野 本発明は、群(グループ)すなわち編隊を成して飛行している複数の航空機目 標のトラッキング(追尾)に関するものである。 発明の背景 複数の航空機が密集して編隊を成して飛行しているときには、レーダによって それらを個々の航空機に分解できないことがある。そしてそのような場合には、 観測データによって示される航空機の数が、実際より少なくなってしまう。これ に対処するための従来の方式のうちには、複数の航空機が群を成して飛行してい ることを検出し、その群平均速度を算出し、疑似観測データを生成し、そして、 多重仮定(推測)トラッカ(multiple hypothesis tracker)に群航跡トラッキ ングを適用するという方法を用いたものはなかった。 従って、複数の航空機が群を成して飛行していることを検出する能力を備えた 群トラッキング方法を提供することにより、多大の効果が得られるであろう。 更に、群平均速度を算出する能力、疑似観測データを生成する能力、それに、 多重仮定トラッカに群航跡トラッキングを適用することのできる能力なども、必 要な能力であるといえる。 また、航跡速度の安定性及び航跡の連続性を改善することのできる群トラッキ ングを提供すること、ないしは、航跡群に含まれている個々の航跡を表示させる か、それともその航跡群の全体を代表する1つの航跡だけを表示させるかの表示 方法を選択できる群航跡トラッキングを提供することによって、多大の効果が得 られるであろう。発明の概要 以下に説明する方法は、群を成して移動している複数の目標のトラッキング方 法において、 ある時間にわたってトラッキングすべき複数の目標についての、複数の観測デ ータを受取るステップと、 複数の現在観測データを該現在観測データに対応する夫々の目標の航跡(トラ ック)に関連付けるステップであって、それら複数の航跡の各々が、対応する目 標の位置の評価値と速度の評価値とを有する航跡状態を含んでいる、関連付けス テップと、 互いに近接して位置しかつほぼ同一の速度を有する複数の航跡を1つの航跡群 とするステップと、 当該航跡群の平均速度を算出するステップと、 当該航跡群に含まれている個々の航跡の速度を算出した平均速度に変更するこ とにより、該平均速度を該航跡群に含まれている個々の航跡に適用し、個々の航 跡の速度を安定させるステップと を含んでいることを特徴としている。 更にこの方法は、航跡の属性をディスプレイ上に表示するステップと、ディス プレイ上に表示すべき航跡の属性をオペレータが選択するステップとを含むよう にして、オペレータによる選択に応じて、第1表示モードでは航跡群のリーダー の属性だけが表示され、第2表示モードでは航跡群に含まれる全ての航跡の属性 が表示されるようにしてもよい。 本発明の更に別の特徴は、以上の方法が、観測データに処理を施して航跡群の 中に観測データを検出し損なった航跡があるか否かを判定し、その検出し損なっ た観測データの代わりとなる疑似観測データを生成するステップと、その疑似観 測データを対応する航跡に関連付けるステップとを含んでいることである。また 、航跡に関連付けられた疑似観測データの数に応じて変化する航跡有効性評価値 を算出し、その航跡有効性評価値が所定のスレショルド値以下になったならば、 当 該航跡を抹消するようにしている。 本発明のさらに別の特徴として、編隊を成して飛行している複数の目標から成 る目標群の航跡をトラッキングするためのトラッキング・システムについても説 明する。このトラッキング・システムは、ある時間にわたって継続的にその航跡 を表示すべき複数の目標についての、複数の観測データを発生するセンサ・シス テムと、前記複数の観測データに応答しそれら複数の観測データを処理して複数 の目標の航跡を生成すると共に航跡表示信号を発生するトラッカと、前記複数の 航跡の属性を表示するディスプレイ装置とを備えている。また更に、トラッカは 、複数の現在観測データを該データに対応する夫々の目標の航跡に関連付ける手 段であって、それら複数の航跡の各々が、対応する目標の位置の評価値と速度の 評価値とからなる航跡状態を含んでいる、関連付け手段と、互いに近接して位置 しかつほぼ同一の速度を有する複数の航跡を1つの航跡群とする手段と、該航跡 群の平均速度を算出する手段と、該航跡群に含まれている個々の航跡の速度を、 その算出した平均速度に変更することにより、該平均速度を当該航跡群に含まれ ている個々の航跡に適用して、個々の航跡の速度を安定させる手段とを備えてい る。 トラッカは更に、観測データに処理を施して航跡群の中に観測データを検出し 損なった航跡があるか否かを判定し、検出し損なった観測データの代わりとなる 疑似観測データを生成する手段と、疑似観測データを対応する航跡に関連付ける 手段とを備えている。 図面の簡単な説明 本発明の以上の特徴及び利点、並びにその他の特徴及び利点は、添付図面に示 した本発明の具体的な実施例についての以下の詳細な説明を参照することによっ て明瞭に理解することができる。添付図面については以下の通りである。 図1Aは、1本の航跡(トラック)を形成している一連の複数のセンサ観測の 位置を示した図であり、図1Bは、図1Aに使用した記号の説明である。 図2Aは、多重仮定(multiple hypothesis)トラッキング(MHT)に用い ら れる、枝航跡ファミリを形成する枝分かれした複数の枝航跡を示した図であり、 図2Bは、図2Aに使用した記号の説明である。 図3Aは、編隊を成している複数の目標をトラッキングするときの問題点を示 した図であり、図3Bは、図3Aに使用した記号の説明である。 図4は、本発明の実施例にかかるトラッキング・システムのブロック図である 。 図5は、本発明の実施例にかかる方法のプロセスの流れを示した簡単なフロー チャートである。 図6は、図5の方法における疑似観測データ生成プロセスの流れを更に詳細に 示したフローチャートである。 図7Aは、図6のフローチャートに示した疑似観測データ生成プロセスのため の観測データ選択規則を説明した図であり、図7Bは、図7Aに使用した記号の 説明である。 図8Aは、疑似観測データを生成して航跡にリンクさせるためのプロセスを説 明した図であり、図8Bは、図8Aに使用した記号の説明である。 好適な実施例の詳細な説明 一般的に目標トラッカ(目標追尾)の目的は、センサから供給される観測デー タに処理を施して目標の状態を表す種々の評価値を生成し、それら評価値をディ スプレイ上に表示することによって、オペレータがそれら評価値を利用できるよ うにすることにある。尚、本明細書において使用する「目標(ターゲット)」と いう用語は、航空機やミサイルをはじめとするあらゆる種類の観測対象となる移 動物体を意味するものである。また、ここで使用する「センサ」という用語は、 レーダをはじめとする、目標の検出並びにその目標の位置の測定が可能なあらゆ る種類の装置を意味するものである。センサがトラッカに供給する観測データに は、その目標の位置の測定値や、その目標のその他の属性の測定値が含まれてい る。目標が複数存在する場合には、それら目標の各々に対応した一連の観測デー タがある長さの時間にわたってセンサからトラッカへ供給されるが、その場合に 、 トラッカの側では、供給された複数の観測データのどの部分が同一の目標に対応 した観測データであるのかを判別できないことがある。更に、センサが供給する 観測データには、クラッタ・オブジェクトによって発生した観測データが混入し ていることもある。クラッタ・オブジェクトとは、観測対象物体以外の、例えば 、鳥、山岳、自動車等の物体のことである。 トラッカは、各目標について、その目標に対応した複数のセンサ観測データを 互いに関連付けることにより、該目標の航跡(トラック)を生成する。この関連 付けプロセスを図1に示している。同図においては、一連の観測データ10A〜 10Dがトラッカによって互いに関連付けられて1本の航跡10を形成している 。観測データ10Aは最も古い観測データを表しており、観測データ10Dは現 在観測データを表している。トラッカは更に、目標とクラッタとを弁別する。ト ラッカは続いて、各々の目標ごとに、その目標の航跡に対応した複数の観測デー タに含まれている位置の測定値に(場合によっては、更にその他の属性の測定値 にも)フィルタ処理を施して、その目標の目標状態に関する様々な評価値を算出 する。目標状態には、目標位置の評価値と目標速度の評価値とが含まれ、場合に よっては更に目標加速度の評価値等のその他の情報も含まれる。トラッカは一般 に、以上の関連付けプロセス及びフィルタ処理プロセスの両方を極めて短い周期 で反復して実行し、その際に、新たに受取った複数の観測データを既存の複数の 航跡の夫々に関連付けると共に、各々の航跡ごとに、その航跡に新たに関連付け られた観測データの位置の測定値を用いて、その軌跡に対応した目標の目標状態 の評価値を更新する。 多くの場合、目標の航跡の位置、速度、及びその他の属性を、ディスプレイ上 に表示してオペレータに提供できるようにしてあり、それにより、オペレータは 、表示された情報を様々な目的に利用することができる。例えば、オペレータが 航空管制官である場合には、航空機間の安全距離を確保するためにその情報を利 用することができ、また防空管制官であれば、その目標に対して迎撃戦闘機を発 進させたりミサイルを発射したりするためにその情報を利用することができる。 従前のトラッカは、データ処理量並びに記憶容量に関する制約があるため、観 測データを1つ受取ったならば、その観測データをどの航跡に関連付けるべきか を即座に判断する方式を採用していた。しかしながら、この方式では、曖昧性の 存在する状況下、例えば、複数の目標が密集している状況、複数の目標が夫々に 操縦されている状況、それに、真正の目標の近くにクラッタ・オブジェクトが存 在している状況等においては、誤った関連付けをしてしまうことがあった。 このような状況下において誤った関連付けが行われるのを防止するための方式 として、多重仮定トラッキング(multiple hypothesis tracking:MHT)があ り、このMHTにおいては、各々の観測データを、その観測データの発生元であ る可能性があると合理的に考えられる全ての目標の夫々の航跡に、仮に関連付け る。これによって、先に存在していた航跡の各々が枝分かれして、複数の枝航跡 を持つことになる。それら複数の枝航跡は、観測データを航跡に関連付ける複数 通りの関連付けの態様を表しており、それらのうちのいずれか1つが正しい関連 付けである。(この関連付けプロセスにおいては更に、枝航跡の複数通りの組合 せ方を表す複数の仮定航跡が生成される)。1つの航跡から枝分かれした複数の 枝航跡の集合体を枝航跡ファミリといい、これを図2Aに示した。曖昧性が存続 している間は、新たなレーダ観測データを受取るたびに、各々の枝航跡が更に枝 分かれを繰り返して行く。そのため、枝航跡の数が急激に増大するおそれがある 。 このように枝航跡の組合せ数が爆発的に増大することに対処するので、真正の 航跡である可能性が低い枝航跡は、種々の適宜な方法を用いて随時抹消する。こ の抹消プロセスを実行することによって、最終的に、関連付けに関する曖昧性の 殆どが払拭され、真正の航跡を形成している可能性が高い僅かな数の枝航跡から 成る枝航跡集合が残ることになる。ただし、ある1本の航跡を表すための枝航跡 集合が、実際に1本の航跡に収れんする可能性は、通常は低い。そして、そのよ うな場合には、真正の航跡を形成している可能性が最も高い枝航跡を選択してデ ィスプレイ上に表示するようにしている。MHTは、1つの目標に対応した複数 の仮定航跡を維持しているため、従来例のトラッキングが利用しているデータの 量と比べて、より多くのデータに基づいて関連付けの判定を行うことができ、そ の結果、判定をより正確に行えるものとなっている。MHTも、従来例のトラッ キング装置も、1つの目標を表す航跡を1本だけ選択してディスプレイ上に表示 するという点では同じであるが、MHTでは、誤った選択を行った場合には新た に得られる観測データを参照することにより選択結果を訂正できるのに対して、 従来例のトラッキング装置は、そのような訂正に必要な情報を保持していない。 複数の目標が存在している場合には、それら目標の間隔が小さいほど、センサ がそれら目標を個別に分解することが困難になる。複数の目標を個別に分解でき ないと、センサによって検出される目標の個数が実際に存在している個数より少 なくなり、全ての目標についての観測データが得られなくなる。目標と目標との 間隔が小さいという状況が起こり得るのは、例えば、複数の目標が編隊を成して 移動している場合である。そのような状況では、複数の目標が、ある長さの時間 にわたって密集した状態を維持したまま相互にほぼ同一速度で移動し、そのため 、それら目標間の相対位置が一定に保たれている。かかる状況を図示したのが図 3であり、同図の状況では、以前の観測データ20A〜20Hと、現在の観測デ ータ20I、20Jとが、処理すべき観測データであり、また、目標の航跡とし て4本の航跡22A〜22Dが既に生成されている。更に、受取った観測データ は、編隊に含まれる全ての目標に対応していないため、それら目標を表している 4本の航跡のうちには、観測データが関連付けられていないものがある。この航 跡群に含まれるそれら航跡は密集しているため、各々の観測データがどの航跡に 対応しているのかが必ずしも明かではなく、誤った関連付けをしてしまうおそれ がある。また、そのために発生する問題として、例えば、ある航跡が1つの目標 から別の目標へ乗り換えてしまったり、航跡の速度が不安定になったり、それら 目標が群を成したまま旋回したときに航跡がそれら目標に追随できなくなったり するおそれがある。 本発明の群航跡自動トラッキング方法においては、目標編隊を検出し、各編隊 に対応する航跡群を検出する。また、この方法では、各航跡群ごとに、検出し損 なった観測データの代わりとなる疑似観測データを生成する。また、生成した疑 似観測データを用いて、検出し損なった目標の航跡状態(トラック・ステート) を更新する。また、何度も疑似観測データに依存したために発生した偽航跡を、 航跡有効性評価値に基づいて排除する。更に、1つの群に含まれている個々の航 跡に群平均速度を適用することにより、速度の安定性を維持するようにしている 。オペレータは、各航跡群の航跡のうち、その群のリーダーの航跡以外の全ての 航跡を表示させない表示方法を選択することができ、これによって各航跡群に航 跡交差が生じて見難くなってしまう点を回避することができる。 この方法は、1つ目標に対して1つの航跡を維持する方式を採用したトラッカ にも適用でき、また、MHT等のように、複数枝航跡維持方式(1つの目標に対 して複数の枝航跡を維持する方式)のトラッカにも適用することができる。 図4は、本発明の実施例にかかるトラッキング・システム50のブロック図で ある。1個または複数個のセンサ60がトラッカ70へ観測データを供給してお り、供給される観測データには、目標の位置の測定値と、目標のその他の属性の 測定値とが含まれている。トラッカ70は、各々の目標ごとに、その目標に対応 した複数のセンサ観測データを互いに関連付けることによって、その目標の航跡 を生成する。トラッカ70は更に、幾つかの航跡をまとめて航跡群とする航跡群 形成を実行し、形成した航跡群に対して操作を加えて航跡状態の種々の評価値の 精度を向上させる。また、目標航跡の位置、速度、及びその他の属性をディスプ レイ80上に表示して、オペレータに提示する。オペレータは、ディスプレイ8 0のコンソールに備えられた群リーダー表示スイッチ90を操作することにより 、航跡群を表示するための2通りの表示方式の一方を選択することができる。 図5は、トラッカ70により実行される本発明にかかる群航跡トラッキング方 法100を説明するための簡単なフローチャートである。一般的に、目標トラッ キングは、周期的プロセスであり、航跡の始点をどこにするかはある程度任意に 定めることができる。以下の説明においては、1つの具体例として、航跡群の発 生及び解散をもって始点とすることにする。また、単一目標トラッキングと群航 跡トラッキングとは同一のシステムで実行することができ、また多くの技法を共 用することができる。単一目標トラッキングに利用される様々な技法や、単一目 標トラッキングと群航跡トラッキングとに共用される様々な技法は、いずれも当 業界において公知のものであるため、それら技法については、群航跡トラッキン グを説明するために必要な場合を除いて、本明細書では説明しないことにする。 群航跡トラッキング・プロセス100の最初のステップは、群形成ステップ1 02である。このステップでは、複数の航跡すなわち目標が、センサがそれらを 個々の航跡即ち目標に分解できないおそれがあるほど互いに近接しており、しか も略々同一の速度で移動している場合に、それら航跡すなわち目標をまとめて1 つの群とする。位置が近接しかつほぼ同一の速度を有する航跡が他に存在しない 航跡は、どの群にも入れずに単独航跡のままにしておく。 ステップ104では平均速度算出を実行する。各々の群ごとに、その群に含ま れる全ての航跡の移動速さ及び移動方向の平均値を算出して、その群の平均移動 速さ及び平均移動方向とする。また別法として、その群に含まれる全ての航跡の 間の平均値ではなく、その群の中の幾つかの航跡から成る航跡部分集合における 平均値を算出するようにしてもよく、その場合、その航跡部分集合を成す航跡は 、最新に一度にまとめて受取った複数の観測データに含まれる各観測データによ ってフィルタ処理された航跡としてもよく、或いは、疑似観測データによって更 新されなかった航跡としてもよく、或いは、以上の2つの条件を共に満足する航 跡としてもよい。 平均速度適用ステップ106では、各々の群ごとに、その群に含まれている個 々の航跡の移動速さ及び移動方向の値を、その群の平均移動速度及び平均移動方 向の値に変更する。ただし、複数枝航跡トラッカを使用している場合には、各々 の枝航跡ファミリの中の最良枝航跡にだけ平均速度を適用するようにしてもよく 、また、各々の枝航跡ファミリに含まれる全ての枝航跡に平均速度を適用するよ うにしてもよい。 群リーダー選択ステップ108では、各々の群の中の1つの航跡(ただし、複 数枝航跡トラッカを使用している場合には、1つの枝航跡ファミリ)を、所定の ルール集合に従って選択してその群の群リーダーとする。群リーダーを選定する ためのルール集合の具体的な一例は次の通りである。第1に、「敵味方識別(id entification friend or foe:IFF)」用トランスポンダないしはそれに類似 した手段によって、みずからの識別符号(アイデンティティ)を告知してきた目 標 の航跡(または枝航跡ファミリ)を優先させる。その群の中に、この条件に該当 する航跡(または枝航跡ファミリ)が2つ以上あったならば、以前に群リーダー だったことのある航跡(または枝航跡ファミリ)を優先させる。その群の中に、 以前に群リーダーだったことのある航跡(または枝航跡ファミリ)が2つ以上あ ったならば、それらのうちで、率いていた群の規模が最大のものを群リーダーに 選択する。以前に率いていた群の規模が同じであったならば、それらの間に任意 に序列を設定する。第2に、その群に含まれる航跡(または枝航跡ファミリ)の うちに、みずからの識別符号を告知してきた目標に対応したものが1つもなかっ たならば、かつて群リーダーだったことのある航跡(または枝航跡ファミリ)を 優先させる。その群の中に、以前に群リーダーだったことのある航跡(または枝 航跡ファミリ)が2つ以上あったならば、それらのうちで、率いていた群の規模 が最大のものを群リーダーに選択する。以前に率いていた群の規模が同じであっ たならば、それらの間に任意に序列を設定する。ある航跡(または枝航跡ファミ リ)を群リーダーに選択したならば、その航跡(または枝航跡ファミリ)がその 群から離脱するか、或いは、その群が他の群と合同するまで、その航跡(または 枝航跡ファミリ)を群リーダーのままにしておく。 表示方法選択ステップ110では、ディスプレイ上に全ての目標の航跡を表示 させるか、或いは、群リーダーの航跡だけを表示させるかの、いずれか一方をオ ペレータが選択する。この選択は、ディスプレイ80のコンソールに備えたスイ ッチ90を操作することによって行われる。 航跡表示ステップ112では、航跡の様々な属性をディスプレイ上に表示して オペレータに提示する。この表示は、図1に示すようなグラフィックス表示とし てもよく、或いはその他の表示手段によってもよい。オペレータが選択した表示 方法が、群リーダーの航跡だけを表示させるものである場合、各々の航跡群の、 群リーダーの航跡(または、枝航跡ファミリ中の最良枝航跡)だけを表示する。 また、他方の表示方法であったならば、全ての航跡(または、全ての枝航跡ファ ミリの中の夫々の最良枝航跡)を表示する。更に、オペレータが選択した表示方 法が後者であった場合には、各々の航跡群の群リーダー以外の航跡をディスプレ イ上に特別の記号ないし色で表示することで、群リーダーの航跡と区別できるよ うにしてもよい。単独目標(いかなる群にも所属しない目標)の表示は、オペレ ータがそれら2通りの表示方法のどちらを選択したかによって影響を受けること はない。航跡をディスプレイ上に表示してから次回の航跡状態の評価値が生成さ れるまでの間は、既に得られている航跡速度及びその他の属性の評価値に基づい て外挿処理を実行することによって、ディスプレイ上に表示した航跡を延伸させ るようにしてもよい。 最良枝航跡の選択は次のようにして行う。先ず、各々の枝航跡ファミリから1 つずつの枝航跡を選択することによって1本の仮定航跡を形成する。ただしその 際には、過去において他の枝軌跡との間で同じ観測データないし疑似観測データ を共用したことのない枝航跡だけを選択する。枝航跡の選択の仕方を様々なもの とすることで、互いに異なった幾本もの仮定航跡が形成される。次に、それら仮 定航跡の各々の得点を算出する。各々の仮定航跡の得点を算出するには、その仮 定航跡を形成している個々の枝航跡の得点を合算するようにし、個々の枝航跡の 得点は公知の技法に従って決定する。該公知の技法としては、例えば「Multiple -Target Tracking with Radar Applications」(Samuel S.Blackman著、Artech House,Inc.発行、1986年刊)の第258〜第259頁に記載されている技 法がある。最高得点の仮定航跡をもって、最良の仮定航跡であると判定する。そ して、この最良の仮定航跡を構成している個々の枝航跡が、各々の枝航跡ファミ リにおける「最良」枝航跡である。 ステップ114は、新たな観測データを受取ることを表しており、このステッ プにおいては、トラッキング・プロセスが、新たな観測データが供給されるのを 待つ待機状態に入っている。新たな観測データを受取ったならば、トラッキング ・プロセスが続行される。 プロセス・ブロック116では、疑似観測データ生成プロセスを実行する。こ のプロセスの詳細が図6に示されている。疑似観測データ生成プロセスの中では 複数のステップが実行される。それらのうちの最初のステップは、航跡選択ステ ップ116Aであり、このステップにおいては、所定の最大回数を超える回数の 連続した疑似観測データ生成が行われる間、一度も更新されなかった航跡を選択 して航跡集合Aとする。(ただし、多重枝航跡生成方式のトラッカを使用してい る場合には、所定の最大回数を超える回数の連続した疑似観測データ生成が行わ れる間、その最良枝航跡が一度も更新されなかった枝航跡ファミリを選択して枝 航跡ファミリ集合Aとする)。次の観測データ選択ステップ116Bでは、その 集合Aに含まれる航跡(または枝航跡ファミリ)のうちの少なくとも1つからの 距離がx以下である位置を有する観測データを拾い出し、それらを観測データ集 合Bとする。(この場合の距離xは、ユークリッド距離として算出したものでも よく、統計的距離であってもよく、或いは、更にその他の適当に利用することの できる任意の定義に従った距離であってもよい)。次の観測データ排除ステップ 116Cでは、集合Bに組み入れた観測データのうち、その観測データの位置と 集合Aに含まれているある1つだけの航跡(または枝航跡ファミリ)との間の距 離がy以下である観測データを、集合Bから排除する(ここで距離yは距離xよ り小さく、以下の説明においても同様)。更に、集合Aに含まれる対応する航跡 (集合Bから排除した観測データの位置との間の距離がy以下であった、集合A に含まれる航跡)も、集合Aから排除する。 以上のステップ116A〜116Cについて、図7A及び図7Bに示した具体 例に即して、詳細に説明する。この具体例では、航跡T1、T2、及びT3はい ずれも、集合Aに含まれる航跡である。観測データO1の位置は、航跡T1から も、また航跡T2からも距離x以内にあり、この観測データO1は集合Bに組込 まれる。一方、観測データO2の位置は、距離x以内という条件に該当しないた め、集合Bに組込まれない。更に、観測データO1の位置は航跡T1からは距離 y以内にあるが、その他のどの航跡からも距離y以内にはない。従って、この航 跡T1は集合Aから排除され、観測データO1も集合Bから排除される。 航跡/観測データ・マッチング・ステップ116Dでは、最適関連付けアルゴ リズムを使用して、集合Aに含まれている航跡(または枝航跡ファミリ)のでき るだけ多くのものに、集合Bに含まれている観測データを関連付けるようにする 。またその際に、互いに関連付けた観測データと航跡とから成るペアの各々につ い て、観測データの位置と航跡との間の距離の二乗の値を求め、全てのペアについ て求めた値を合計した合算値が最小になるように、関連付けを行う。この種の関 連付けアルゴリズムは、当業界において公知のものであり、その具体例としては 、例えば「Multiple-Target Tracking with Radar Applications」(Samuel S. Blackman著、Artech House,Inc.発行、1986年刊)の第397〜第400頁 に記載されているものがある。 ステップ116Eは疑似観測データ生成ステップである。このステップでは、 集合Aに含まれている航跡(または枝航跡ファミリ)のうち、ステップ116D においてどの観測データも関連付けられなかった航跡(または枝航跡ファミリ) の各々について、その航跡(または枝航跡ファミリ)に最も近接した位置を有す る観測データを判別する。そして、その観測データに対応した疑似観測データの 生成がまだ行われていなかったならば、その観測データの位置測定値で表された 位置の疑似観測データを生成する。更に、こうして生成した疑似観測データの位 置とその航跡とを(多重枝航跡トラッカの場合には、その疑似観測データとその 枝航跡ファミリに含まれる各々の枝航跡とを)をリンクさせる。ここで、リンク させるのは、その疑似観測データの位置から距離z以内にあるものに限る。この ステップ116Eの具体例を示したのが、図8A及び図8Bである。これらの図 では、枝航跡ファミリAの1つの枝航跡と枝航跡ファミリBの1つの枝航跡とが 、疑似観測データの位置から距離z以内に存在している。そのため、これら2つ の枝航跡のいずれもが、その疑似観測データにリンクされている。 観測データ/航跡関連付けステップ118は、観測データないし疑似観測デー タを航跡に関連付けるステップであり、この関連付けは、当業界において公知の 方法で行う。この目的に適した関連付け方法の一例としては、例えば「Multiple -Target Tracking with Radar Applications」(Samuel S.Blackman著、発行人 及び刊行年は前述の通り)の第9〜第10頁及び第397〜第400頁に記載さ れている方法がある。このステップ118のプロセスに関しては、疑似観測デー タと実際の観測データとは、以下の2つの点を除いて同等に扱われる。即ち第1 の点は、疑似観測データを関連付ける航跡は、その疑似観測データがリンクされ て いる航跡に限られるというものである。また、第2の点は、ある航跡に疑似観測 データと実際の観測データとのいずれを関連付けることも可能な場合には、実際 の観測データの方を優先させるというものであり、これによって、実際の観測デ ータが航跡に関連付けられる確率を大きくしている。MHTトラッカの場合には 、例えば、観測データを航跡に関連付けたときに加算すべきその航跡の得点の増 分を「Multiple-Target Tracking with Radar Applications」(Samuel S.Blac kman著、発行人及び刊行年は前述の通り)の第258〜第259頁に記載されて いる方法の変形方法に従って算出すればよい。その変形方法は、観測データの位 置と航跡との間の偏差を表す共分散マトリックスに増分を加算して、検出の確率 を低下させるというものである。このステップ118の観測データ/航跡関連付 けプロセスでは、それまで存在していなかった新たな航跡を発生させる処理も実 行する。それには、当業界において公知の適宜な方法を用いればよく、その方法 の一例としては、例えば「Multiple-Target Tracking with Radar Applications 」(Samuel S.Blackman著、発行人及び刊行年は前述の通り)の第10〜第11 頁に記載されているものがある。 航跡有効性算出ステップ120では、航跡有効性の評価値である航跡有効値を 次の方法で更新維持する。先ず、各々の航跡に対応する航跡有効値の初期値を設 定し、疑似観測データの関与の有無に応じてその航跡有効値を更新して行く。即 ち、ある航跡に実際の観測データが関連付けられるたびに、その航跡の航跡有効 値を増大させ、一方、その航跡に疑似観測データが関連付けられたとき、または 、センサがその航跡に対応した目標を検出するはずの時刻にその航跡に観測デー タを関連付けることができなかったときには、その値を減少させるようにする。 ステップ122では、航跡有効値が所定のスレショルド値以下になっている航 跡があったならば、その航跡を抹消する。 ステップ124では、各々の枝航跡ファミリーのうちから、夫々の最良枝航跡 を選択する。こうして選択した枝航跡が、群形成ステップ(ステップ102)及 び平均速度算出ステップ(ステップ104)において使用される。ただし、この ステップ124を必要とするのは、多重枝航跡トラッカの場合だけである。 ステップ126では、各々の航跡の位置及び速度(即ち航跡状態)を、観測デ ータに示されている目標の位置の測定値に従って更新する。この更新は当業界に おいて公知の方法を用いて行えばよく、その方法については、例えば「Multiple -Target Tracking with Radar Applications」(Samuel S.Blackman著、発行人 及び刊行年は前述の通り)の第25〜第28頁の記載を参照されたい。図5の全 体プロセスは、ここからステップ102へ戻り、以後、以上に説明したプロセス が周期的に反復して実行される。 以上に説明した実施の形態は、本発明の原理を明らかにするために、具体的な 実施の形態として可能な例を提示することを目的としたものである。当業者であ れば、本発明の範囲及び概念から逸脱することなく、以上に説明した原理に従っ たその他の実施の形態にも容易に想到し得ることはいうまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニコルス,トーマス・エス アメリカ合衆国カリフォルニア州90631, ラ・ハブラ,オーガスタ・コート 2020 【要約の続き】 ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.群を成して移動している複数の目標の航跡をトラッキングするためのとト ラッキング方法において、 所定の時間にわたって航跡を表示すべき複数の目標についての複数の観測デー タを受取るステップ(114)と、 複数の現在観測データをそれら現在観測データに対応する夫々の目標の航跡に 関連付けるステップであって、それら複数の航跡の各々が、対応する目標の位置 の評価値と速度の評価値とを含んでいる航跡状態をゆうしている、関連付けステ ップ(118)と、 互いに近接して位置してほぼ同一の速度を有する複数の航跡を1つの航跡群と するステップ(102)と を含んでいることを特徴とする方法。 2.請求項1記載の方法において、該方法はさらに、航跡群のリーダーを選択 するステップ(108)を含んでいることを特徴とする方法。 3.請求項1記載の方法において、該方法はさらに、航跡の属性をディスプレ イ上に表示するステップ(112)と、ディスプレイ上に表示すべき航跡の属性 をオペレータが選択するステップ(110)とを含んでおり、オペレータによる 選択に応じて、第1表示モードでは航跡群のリーダーの属性だけが表示され、第 2表示モードでは該航跡群に含まれる全ての航跡の属性が表示されるようにした ことを特徴とする方法。 4.請求項1〜3いずれかに記載の方法において、該方法はさらに、観測デー タに処理を施すことで、航跡群の中に観測データを検出し損なった航跡があるか 否かを判定し、検出し損なった観測データの代わりとなる疑似観測データを生成 するステップ(116)と、その疑似観測データを対応する航跡に関連付けるス テップ(118)とを含んでいることを特徴とする方法。 5.請求項4記載の方法において、該方法はさらに、航跡に関連付けられた疑 似観測データの個数に応じて変化する航跡有効値を算出するステップ(120) と、該航跡有効値が所定のスレショルド値以下になったならば該航跡を抹消する ステップ(122)とを含んでいることを特徴とする方法。 6.請求項1〜5いずれかに記載の方法において、該方法はさらに、航跡群の 平均速度を算出するステップ(104)と、該航跡群に含まれている個々の航跡 の速度を、その算出した平均速度に変更することにより、その算出した平均速度 を当該航跡群に含まれている個々の航跡に適用して、個々の航跡の速度を安定さ せるステップ(106)とを含んでいることを特徴とする方法。 7.編隊を成して飛行している複数の目標から成る目標群の航跡をトラッキン グするためのトラッキング・システム(50)において、 所定の時間にわたって、航跡を表示すべき複数の目標についての複数の観測デ ータを発生するセンサ・システム(60)と、 複数の観測データに応答し、該観測データを処理して複数の目標の航跡を生成 すると共に航跡表示信号を発生するトラッカ(70)と、 複数の航跡の属性を表示するディスプレイ装置(80)と を備え、 トラッカが、 複数の現在観測データをそれら現在観測データに対応する夫々の目標の航跡 に関連付ける手段であって、それら複数の航跡の各々が航跡状態を有し、その航 跡状態には、対応する目標の位置の評価値と速度の評価値とが含まれている、関 連付け手段(118)と、 互いに近接して位置しかつほぼ同一の速度を有する複数の航跡を1つの航跡 群とする手段(102)と を備えていることを特徴とするトラッキング・システム。 8.請求項7記載のトラッキング・システムにおいて、該システムは更に、航 跡群の平均速度を算出する手段(104)と、当該航跡群に含まれている個々の 航跡の速度を、その算出した平均速度に変更することにより、その算出した平均 速度を当該航跡群に含まれている個々の航跡に適用して、個々の航跡の速度を安 定させる手段(106)とを備えていることを特徴とするトラッキング・システ ム。 9.請求項7又は8記載のトラッキング・システムにおいて、トラッカ(70 )がさらに、航跡群のリーダーを選択する手段(108)を備えていることを特 徴とするトラッキング・システム。 10.請求項9記載のトラッキング・システムにおいて、該システムはさらに 、オペレータが表示モードを選択できるようにする選択手段(90)を備えてお り、オペレータの選択に応じてディスプレイ上に表示すべき航跡の属性が決定さ れ、第1表示モードでは航跡群のリーダーの属性だけが表示され、第2表示モー ドでは該航跡群に含まれる全ての航跡の属性が表示されるようにしたことを特徴 とする航跡表示システム。 11.請求項7〜10いずれかに記載のトラッキング・システムにおいて、ト ラッカ(70)が、観測データに処理を施して、航跡群の中に観測データを検出 し損なった航跡があるか否かを判定し、検出し損なった観測データの代わりとな る疑似観測データを生成する手段(116)と、その疑似観測データを対応する 航跡に関連付ける手段(118)とを備えていることを特徴とするトラッキング ・システム。 12.請求項11記載のトラッキング・システムにおいて、トラッカ(70) がさらに、航跡に関連付けられた疑似観測データの個数に応じて変化する航跡有 効値を算出する手段(120)と、該航跡有効値が所定のスレショルド値以下に なったならば該航跡を抹消する手段(122)とを備えているいることを特徴と するトラッキング・システム。 13.請求項7〜12いずれかに記載のトラッキング・システムにおいて、ト ラッカ(70)が、1つの目標に対して複数の枝航跡を維持する多重枝航跡トラ ッカであることを特徴とするトラッキング・システム。
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