【発明の詳細な説明】
ポリエステル/ポリエステルアミドブレンド技術分野
本発明は、気体遮断性(ガスバリヤー性)に優れ且つ風味保持性及び色が改良
されたポリエステル/ポリエステルアミドブレンドに関する。本発明の或るポリ
エチレンテレフタレート/ポリエステルアミドのブレンドはまた、アセトアルデ
ヒド濃度の低下を示し、このため、風味及び芳香保持性が非常に改良され、許容
され得ない曇(haze)または色を生じない。発明の背景
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、優れた機械的性質、例えば、二次成形
適性、耐クリープ性及び二軸分子配向性を有するため、軽量プラスチック製品の
製造に広く使われている。しかし、成形または押出プロセスの過程で、ポリエス
テルの熱分解によってアセトアルデヒドが形成され、ポリエステルを製品の形に
する時に製品壁体中のアセトアルデヒドが製品の内容物に移行する。アセトアル
デヒドは、少量でも、食品及び飲料の風味保持性ならびに食品、飲料、化粧品及
び他の容器内容物の芳香保持性に悪影響を及ぼす。これらの理由から、アセトア
ルデヒドの容器内容物への移行を最小にすることが望ましい。
これまでも気体遮断性に優れた熱可塑性ポリエステルが提案されてきた。例え
ば、米国特許第4,398,017号は、酸成分としてのテレフタル酸及びイソフタル酸
とジオール成分としてのエチレングリコール及びビス(2−ヒドロキシエトキシ
)ベンゼンから製造された
コポリエステルを開示している。しかし、このような気体遮断ポリエステルを容
器の構成材料として使用する場合には、酸素及び二酸化炭素のような気体の透過
は制御されるが、食品または飲料へのアセトアルデヒドの移行は制御されないた
め、内容物の風味及び芳香が影響を受ける。
気体遮断性を増すためにポリエチレンテレフタレート樹脂中にポリアミドを使
用することが、米国特許第4,837,115号;同第4,052,481号;及び同第4,501,781
号に開示されている。
米国特許第4,837,115号は、ポリエチレンテレフタレートと、ポリエステル中
に含まれる残留アセトアルデヒドを減少させるように作用する高分子量ポリアミ
ドとを含む熱可塑性組成物を開示している。米国特許第4,837,115号は、ポリア
ミドが有効なアセトアルデヒド掃去剤であるためには末端アミノ基が必要な成分
であることを教示している。米国特許第4,837,115号は、ポリアミドがフィルム
形成性能を有するならば、ポリアミドの分子量は重要でないと述ベている。従っ
て、このようなポリアミドは、フィルムを形成するのに充分に高い分子量を有す
る必要がある。少なくとも12,000の分子量を有するポリアミドがフィルムの形成
に必要であることは当業界でよく知られている。
米国特許第4,052,481号は、芳香族コポリエステル、ポリアミド及びポリアル
キレンフェニレンエステルまたはポリアルキレンフェニレンエステルエーテルを
含む樹脂組成物を開示している。芳香族コポリエステルは、テレフタル酸、イソ
フタル酸及びビスフェノールを含む。
米国特許第4,501,781号は、ポリエチレンテレフタレート樹脂70〜95重量%及
びキシリレン基含有ポリアミド樹脂5〜30重量%を含む混合物を開示している。
米国特許第4,501,781号はアセトアルデ
ヒドには触れていないが、気体遮断性の高い容器を成形するためには樹脂混合物
材料がPETに対してできる限り30重量%に近いキシリレン基含有ポリアミド樹脂
を含むべきであると述べている。さらに、この特許は、PETに対して5〜10重量
%のキシリレン基含有ポリアミド樹脂を使用すると、得られる容器は気体遮断性
が高くないことを述べている。
特開昭64-24849号公報は、溶融加工後にアセトアルデヒドを低下させるポリエ
チレンテレフタレート中脂肪族ポリアミドのブレンドを開示している。このよう
なブレンドは、それから製造される容器の望ましい透明度を低下させるであろう
。
高分子量ポリアミドは残留アセトアルデヒドを充分には低下させず且つポリエ
ステルに曇りを与えるため、前記特許は不充分である。このような特許において
少量の高分子量ポリアミドを使用する場合には、許容され得るレベルの曇りは達
成できるが、残留アセトアルデヒドは非常に多い。他方、比較的多量の高分子量
ポリアミドを使用する場合には、残留アセトアルデヒドは低下するが曇りが犠牲
になる。
米国特許第5,258,233号は、不所望なレベルの曇りを生じずにPET基材ポリエス
テル中のアセトアルデヒドレベルを低下させるために低分子量ポリアミドを使用
することを開示している。しかし、これらの低分子量ポリアミドを使用すると不
所望な黄色が生じ得ることが観察されている。
本発明者らは意外にも、末端アミノ官能基を有さないポリエステルアミドが非
常に有効なアセトアルデヒド低下剤として作用し、しかも色の生成がはるかに少
ないという利点があることを発見した。食品包装中では高レベルの色は許容され
得ないので、この利点は特に望ましい。さらに、ポリアミドとは異なり、本発明
者らは高分子
量ポリエステルアミドがアセトアルデヒドの低下に有効であることを観察した。発明の要約
本発明は、
I.ジカルボン酸100モル%及びジオール100モル%に基づき、(1)テレフタ
ル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはテレフタル酸とナフタレン−2
,6−ジカルボン酸との混合物の反復単位から成るジカルボン酸成分、(2)少
なくとも85モル%のエチレングリコールからの反復単位から成るジオール成分
を含むポリエステル95.0〜99.99重量%;ならびに
II.式
A(N)x(D)y
(式中、Aは、炭素数8〜14の芳香族または脂環式ジカルボン酸または炭素数3
〜24の脂肪族ジカルボン酸から選ばれた少なくとも1種のジカルボン酸であり、
Nは炭素数2〜24の少なくとも1種のジアミンであり、Dは炭素数2〜14の少な
くとも1種のジオールであり、Xは0.01−0.99の整数であり、Yは0.99〜0.01の
整数である)のポリエステルアミド5〜0.01重量%
を含んで成る、改良された風味保持性を有する半結晶質ポリエステル組成物を提
供する。
ブレンド中のポリエステルとブレンド中のポリエステルアミドの合計重量は10
0%である。ポリエステルは好ましくは98.0〜99.95重量%であり、ポリエステル
アミドは好ましくは2.0〜0.05重量%である。発明の説明
本発明の成分(I)であるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET
)またはポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂である。コポリエステル及びPETとP
ENとのブレンドも使用できる。ポリエチレンテレフタレート樹脂は少なくとも85
モル%のテレフタル酸及び少なくとも85モル%のエチレングリコールからの反復
単位を含むのに対し、PEN樹脂は少なくとも85モル%の2,6−ナフタレン−ジ
カルボン酸と少なくとも85%のエチレングリコールからの反復単位を含む(ジカ
ルボン酸100モル%及びジオール100モル%に基づく)。
ポリエステルのジカルボン酸成分は任意に、15モル%以下の1種またはそれ以
上のテレフタル酸以外の種々のジカルボン酸またはテレフタル酸ジメチルのよう
な適当な合成相当物によって改質されることができる。このような追加のジカル
ボン酸としては、炭素数が好ましくは8〜14の芳香族ジカルボン酸、炭素数が好
ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸、または炭素数が好ましくは8〜12の脂環
式ジカルボン酸が挙げられる。テレフタル酸と共に含ませることができるジカル
ボン酸の例としては以下のものが挙げられる;フタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二
酢酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸など。ナフタレン−2,6−ジカルボン酸と共に
含ませることができるジカルボン酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサ
ン二酢酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などがあげられる。ポリエステルは2種また
はそれ以上の前記ジカルボン酸から製造することもできる。
これらの酸の対応する酸無水物、エステル及び酸塩化物の使用も用語「ジカル
ボン酸」に含まれることを理解されたい。
さらに、成分(I)のポリエステルは任意に、15モル%以下の1種またはそれ
以上の、エチレングリコール以外の種々のジオールで改質することもできる。こ
のような追加のジオールとしては、炭素数が好ましくは6〜20の脂環式ジオール
または炭素数が好ましくは3〜20の脂肪族ジオールが挙げられる。エチレングリ
コールと共に含ませることができるこのようなジオールの例は以下の通りである
:ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ペンタ
ン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタンジオ
ール−(2,4)、2−メチルペンタンジオール−(1,4)、2,2,4−ト
リメチルペンタン−ジオール−(1,3)、2−エチルヘキサンジオール−(1
,3)、2,2−ジエチルプロパン−ジオール−(1,3)、ヘキサンジオール
−(1,3)、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,
1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエト
キシフェニル)−プロパン、及び2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフ
ェニル)−プロパン。ポリエステルは、2種またはそれ以上の前記ジオールから
製造することもできる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂はまた、少量の三官能性または四官能性コモ
ノマー、例えば、トリメリット酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリッ
ト酸二無水物、ペンタエリトリトール及び当業界で一般に知られた他のポリエス
テル形成性多酸またはポリオールを含むことができる。
本発明のブレンドを熱成形結晶化PET製品の製造に使用する場合には、実質的
にテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチル及びエチレングリコール残基のみか
ら成るポリエステルが好ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレート基材ポリエステルは公知の常用の重縮合
法によって製造できる。このような方法としては、ジカルボン酸とジオールとの
直接縮合またはジカルボン酸ジアルキルを用いたエステル交換が挙げられる。例
えば、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸ジアルキルは高温において触
媒の存在下にジオールとエステル交換させる。ポリエステルはまた、固相重合法
を行うこともできる。
本発明の第2の成分は、一般式:
A(N)x(D)y
(式中、Aは炭素数8〜14の芳香族または脂環式ジカルボン酸または炭素数3〜
24の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸であり、N
は炭素数2〜24の少なくとも1種のジアミンであり、Dは炭素数2〜14の少なく
とも1種のジオールであり、Xは0.01〜0.99の整数であり、Yは0.99〜0.01の整
数である)のポリエステルアミドである。最も好ましい範囲は、Xが0.25〜0.74
で且つYが0.74〜0.25である。XとYの合計は1.0に等しい。
この式中のAは、ポリエステル及びポリアミド製造に常用される任意のジカル
ボン酸を表す。これらの酸の酸無水物、エステル及び酸塩化物がこれらのポリエ
ステルアミドの製造に使用できること及びそれが用語「ジカルボン酸」に含まれ
ることは当業者ならばすぐにわかる。
適当なジカルボン酸は、炭素数8〜16の芳香族ジカルボン酸、炭素数3〜12の
脂肪族ジカルボン酸及び炭素数8〜12の脂環式ジカルボン酸からなる群から選ば
れる。
ポリエステルアミドのジカルボン酸成分(A)は、1種またはそれ以上の種々
のジカルボン酸から成ることができる。好ましくは、ジカルボン酸はテレフタル
酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸などである。
ポリエステルアミドのジオール成分(D)は、1種またはそれ以上の種々のジ
オールから成ることができる。Dはエチレングリコール、ジエチレングリコール
、トリエチレングリコール、プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキサン
)−プロパン、1,3−(2,2−ジメチル)ブロパンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ヒド
ロキノン、ビスフェノールAまたはこれらのジオールの任意の組み合わせによっ
て代表することができるがこれらに限定されない。
ポリエステルアミドのジアミン成分(N)は、1種またはそれ以上の種々のジ
アミンから成ることができる。Nはエチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタ
ンジアミン、ヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シ
クロヘキサンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、メチレンジアニリン、1
,3−キシリレンジアミン、1,3−(2,2−ジメチル)プロパンジアミン、
1,4−及び1,3−シクロヘキサンビスメチルアミン、1,4−キシリレンジ
アミン、ビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタンまたはこれらのジアミンの
任意の組み合わせで代表することができるがこれらに限定されない。
化学量論を正しく均衡させることによって、アミノアルコールを
用いてポリエステルアミドを製造することもできる。これらは、他のジアミンま
たはジオールなしで使用することもできるし、前記ジアミン及びジオールと組み
合わせて使用することもできる。これらのアミノアルコールは、エタノールアミ
ン、4−アミノメチルシクロヘキサンメタノール、及び1−アミノ−3−ヒドロ
キシ−2,2−ジメチルプロパンによって代表することができるが、これらに限
定されない。
前に示した一般構造のジアミン部分はまた、「モノマー」ジアミンを予め形成
することによって製造した反応性中間体を介して組み込むことができる。例えば
、N,N′−p−カルボメトキシベンゾイルヘキサメチレンジアミンは、G.Manz
iniら、Eur.Polym J.9,941(1973)に記載されたようにしてポリエステルア
ミドを製造するのに使用できる。
ポリエステルアミドの構造は線状ポリマーに限定する必要はない。多官能価枝
分かれアミン、カルボン酸またはポリオールの使用によって、得られる枝分かれ
したポリマーがポリエステル中に効果的に分散され得るならば、有効なアセトア
ルデヒド低下用組成物が得られるであろう。従って、トリス(2−アミノエチル
)アミンのような多官能価アミン及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸のよ
うな多官能価カルボン酸と同様に、1,1,1−トリメチロールプロパン及びペ
ンタエリトリトールのようなポリオールが有用である。3,5−ジアミノ安息香
酸のような過剰枝分かれ単位も、有効なアセトアルデヒド低下構造を作るのに使
用できる。
本発明のポリエステルアミドは、ポリエステル中のアセトアルデヒドを低下さ
せる効果において有意な分子量差を示さない。これは米国特許第5,258,233号及
び同第5,340,884号に記載されたポリアミドの性能とは著しく異なる。例えば、
分子量(数平均)が500〜
1,000,000の範囲のポリエステルアミドは、優れたアセトアルデヒド低下特性を
示す。ポリマーブレンド技術の熟練者ならば、数平均分子量が1,000〜100,000の
範囲の固体ポリエステルアミドがブレンド加工しやすいために好ましいことはす
ぐにわかる。
ポリエステルアミドは、公知のポリエステルアミド合成技術のいずれかによっ
て製造できる。酸塩化物は、ジアミンとジオールとの混合物と反応させることが
でき、低分子量ジカルボン酸を末端基とするポリエステルはジイソシアネートと
反応させることができ、二酸、ジアミン及びジオールまたはジエステル、ジオー
ル及びジアミンの従来の溶融相段階成長縮合を使用できる。米国特許第4,606,44
9号に記載されるような、ジアミンによるポリエステルのアミノリシスを用いて
ポリエステルアミドを製造することができる。ジカルボン酸、ジアミン及びジオ
ールの直接溶融縮合が好ましい合成経路である。
ポリエステルアミドの組成は、ジアミン、ジオール及びジカルボン酸のモル比
によって制御する。これを調節することによって、分子量の制御または末端基官
能価の制御が可能である。反応体の添加順序を変えることによって、ポリエステ
ルアミドの構造を変化させることもできる。例えば、エステル及びアルコールを
最初に装入し、次いで、プレポリマーにジアミンを添加することによって、「ブ
ロックの多い(blocky)」構造を生成させることができる。
本発明のポリマーは重縮合触媒の存在または不存在下に製造できる。触媒を使
用する場合には、酢酸コバルト、チタンイソプロポキシド、酢酸マンガン、酸化
アンチモン、ジブチル錫ジアセテートを含む(しかし、これらに限定されない)
従来のポリエステル触媒を使用できる。
本発明のポリエステル/ポリエステルアミドブレンドの製造方法
は、ポリエステル及びポリエステルアミドを各々前述の方法によって製造するこ
とを含む。ポリエステル及びポリエステルアミドは、乾燥空気または乾燥窒素雰
囲気下、または減圧下で乾燥させる。ポリエステルとポリエステルアミドを混合
してから、例えば、一軸または二軸スクリュー押出機中で溶融配合する。溶融温
度は少なくともポリエステルの融点の温度でなければならず、代表的には260〜3
10℃の範囲である。好ましくは、溶融配合温度は、前記範囲内で可能な限り低く
保持する。溶融配合の完了後、溶融液をストランドの形態で押出してから、切断
のような常法に従って回収することもできるし、それを直接有用な製品の形態に
するのに適当な機械に移すこともできる。溶融配合の代わりに、ポリエステル及
びポリエステルアミドをドライブレンドしてから、プラスチック製品の形態に加
熱成形するかまたは圧伸成形することもできる。
ポリエステル製造の遅い段階でポリエステルアミドを添加することもできる。
例えば、ポリエステルアミドを、重縮合反応器から取り出した溶融ポリエステル
とブレンドしてから、ペレット化することもできる。しかし、長時間高温にさら
されると不所望な色及び/または曇りが生じ得るので、ポリエステル/ポリエス
テルアミドブレンドを固相重合に供するならば、この方法は望ましくない。結晶
化加熱成形品の場合のように透明度が重要でない場合には、ポリエステルアミド
もまた、ポリオレフィン基材成核剤濃縮物の一部として添加することができる。
本発明のブレンドは、押出または射出成形による全ての種類の成形品の製造の
ために優れた出発原料として役立つ。具体的な用途としては、種々の包装用途、
例えば、熱成形または射出成形トレイ、蓋及びカップ;射出延伸吹込成形ボトル
及び多層製品が挙げられる。容器内容物の例としては、食品、飲料及び化粧品が
挙げられるが
、これらに限定されない。
ブレンドの性能特性を向上させるために、他の多くの成分を本発明の組成物に
添加することができる。例えば、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤、離型剤、嵌め外
し剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属奪活剤、着色剤、例えば、二酸
化チタン及びカーボンブラック、成核剤、例えば、ポリエチレン及びポリプロピ
レン、ホスフェート安定剤、充填剤などを本発明の組成物に含ませることができ
る。これらの添加剤の全て及びそれらの用途は公知であり、これ以上の説明は不
要である。従って、少しだけ触れることとし、本発明がその目的を達成するのを
防ぎさえしなければ、これらの化合物は全て使用できると理解されたい。
無色透明の樹脂が望ましい用途においては、加工の間に発生するわずかな黄色
は、青色染料の添加によってマスクすることができる。着色剤は、重合の過程で
ブレンドのいずれかの成分に添加してもよいし、配合の間にブレンドに直接添加
してもよい。ブレンドの間に添加する場合には、着色剤は純粋な形態でも濃縮物
としても添加できる。着色剤の量は、その吸光係数または特定の用途に望ましい
色によって決まる。好ましい着色剤は、1−シアノ−6−(4−(2−ヒドロキ
シエチル)アニリノ)−3−メチル−3H−ジベンゾ(F,I,J)−イソキノ
リン−2,7−ジオンであり、2〜15ppmの量で使用する。
望ましい添加剤としてはまた、耐衝撃性改良剤及び酸化防止剤が挙げられる。
当業界で公知であり、本発明において有用な、代表的な市販の耐衝撃性改良剤の
例としては、エチレン/プロピレンターポリマー、スチレン基材ブロックコポリ
マー及び種々のアクリル系コア/シェル型耐衝撃性改良剤が挙げられる。耐衝撃
性改良剤は、組成物全体の0.1〜25重量%の常用量で、好ましくは組成物の0.1
〜10重量%の量で使用できる。本発明において有用な代表的な市販酸化防止剤の
例としては、ヒンダードフェノール、ホスフィット、ジホスフィット、ポリホス
フィット、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。芳香族
ホスフィット化合物と脂肪族ホスフィット化合物との組み合わせも含めることが
できる。
本明細書中に示した結果を得るのに使用した材料及び試験方法は次の通りであ
る:
ポリエステルAは、テレフタル酸100モル%、エチレングリコール98〜99モル
%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール1〜2モル%から成る、I.V.O.76の
コポリエステルである。
曇りはASTM D1003によって測定した。3.0%より大きい曇り値は肉眼で見える
曇りを示す。
インヘレント粘度(I.V.)は、フェノール60重量%及びテトラクロロエタン40
重量%から成る溶剤100mL当たりポリマーを0.50g用いて25℃において測定した
。
ポリエステルの数平均分子量は、サイズ排除(size exclusion)クロマトグラ
フィーによって測定した。
以下の実施例は本発明をさらに説明するために記載する。実施例中の全ての部
及び百分率は、特に断らない限り重量に基づく。実施例 例1
重合反応器にTPA(83g,0.5モル)、CHDM(108g,0.75モル)及びTi触媒をチタン
イソプロポキシドとして100ppm装入することによって、テレフタル酸(TPA)、シ
クロヘキサンジメタノール(CHDM)、及び50モル%のシクロヘキサンジメタノー
ルアミン(CHBMA)を基材とするポリエステルアミドを製造した。混合物を300℃の
金属
浴に入れ、0.25モルに相当する35.5gの全装入材料が添加されるまで、CHBMAを30
分間隔で同じ量ずつ添加した。重合温度を305℃まで上昇させ、40分間保持し、
次いで、80分間、真空(0.10トール)にした。淡黄色の半結晶質ポリエステルア
ミドを得た。サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量の測定から、Mn=11,0
60;Mw=44,040;及びMWD=3.98であることがわかった。元素分析及びNMR分析か
ら、モノマー供給材料に基づく予想組成が確認された。例2
重合反応器にTPA(58.1g,0.35モル)、CHDM(108g,0.75モル)及びTi触媒をチ
タンイソプロポキシドとして100ppm装入することによって、TPA,CHDM及び30モ
ル%のm−キシリレンジアミン(MX)を基材とするポリエステルアミドを製造し
た。混合物を300℃の金属浴に入れ、TPA及びMXのスラリー(TPA0.15モル、24.9
g;MX0.15モル、20.4g)を30分間隔で3回に分けて添加した。重合温度を305℃
に上昇させ、40分間保持し、20分間、真空(0.10トール)にした。黄色っぽい半
結晶質固体を得た。サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定から、Mn=
10,700;Mw=29,100及びMWD=2.72であることがわかった。元素分析及びNMR分析
から、モノマー供給材料に基づく予想組成が確認された。例3
例2の方法に従ってMXを30モル%ではなく50モル%を用いて、TPA,CHDM及び5
0モル%のMXを基材とするポリエステルアミドを製造した。黄色っぽい非晶質ポ
リエステルアミドを得た。サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定から
、Mn=10,100;Mw=66,030及びMWD=6.52であることがわかった。元素分析及びN
MR分析から、モノマー供給材料に基づく予想組成が確認された。例4
例2の方法に従って、MXの代わりにBACを30モル%用いて、TPA,CHDM及び30モ
ル%の1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC)を基材とするポリエ
ステルアミドを製造した。黄色っぽい非晶質ポリエステルアミドを得た。サイズ
排除クロマトグラフィーによる分子量測定からMn=17,000;Mw=95,800及びMWD
=5.63であることがわかった。元素分析及びNMR分析から、モノマー供給材料に
基づく予想組成が確認された。例5
重合反応器にTPA(83g,0.5モル)、CHDM(108g,0.75モル)、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン(PACM−20,31.5g,0.15モル)及びTi触媒をチタン
テトライソプロポキシドとして100ppm装入することによって、TPA,CHDM及び30
モル%のPACM−20を基材とするポリエステルアミドを製造した。混合物を乾燥窒
素でパージし、300℃の金属浴に入れた。305℃で90分間の縮合工程の後に、305
℃に30分間保持した。溶融重合をO.21トールの真空下に30分間保持した。冷却す
ると、淡黄色非晶質ポリマーが得られた。IVが0.661、Mn=17,030;Mw=40,800
;及びMWD=2.39であった。元素分析及びNMR分析から、モノマー供給材料に基づ
く予想組成が確認された。例6
例5の方法に従って、例5の30モル%の代わりに50モル%のジアミンを使用し
て、TPA,CHDM及び50モル%のPACM−20を基材とするポリエステルアミドを製造
した。得られた非晶質淡黄色着色ポリエステルアミドはIVが0.855、Mn=14,900
;Mw=62,960;及びMWD=3.79であった。元素分析及びNMR分析はモノマー供給材
料の組成と一致していた。例7
PACM−20の代わりに30モル%のヘキサンジアミン(HD)を用いる以外は例5の
方法に従って、TPA,CHDM及び30モル%のHDを基材とするポリエステルアミドを
製造した。黄色っぽい透明な溶融液を0.28トールの真空下に28分間保持した。得
られた半結晶質ポリエステルアミドの分子量を、サイズ排除クロマトグラフィー
によって測定した。Mn=13,800;Mw=82,970;及びMWD=5.99であった。元素分
析及びNMR分析はモノマー供給材料の組成と一致していた。例8
50モル%のHDを用いる以外は例5の方法に従って、TPA,CHDM及び50モル%のH
Dを基材とするポリエステルアミドを製造した。わずかに黄色っぽい透明な溶融
液を0.18トールの真空下に8分間保持した。得られた半結晶質ポリエステルアミ
ドの分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。Mn=9,600;M
w=38,230;及びMWD=3.98であった。元素分析及びNMR分析はモノマー供給材料
の組成と一致していた。例9
N,N’−p−カルボメトキシベンゾイルヘキサメチレンジアミン(33.0g,
0.075モル)(Manziniら、Eur.Polym J.9,941(1973)に従って製造)、テレフ
タル酸ジメチル(33.98g,0.325モル)及びCHDM(39.66g,0.275モル)からポリエ
ステルアミドを製造した。重合はチタンテトライソプロポキシドで触媒した。重
合は最初は290℃で90分間行い、次いで、305℃において0.10トールの真空下に80
分間保持した。極めて薄い黄色の半結晶質ポリマーはインヘレント粘度が0.725
、Mn=14,500;Mw=34,200;及びMWD=2.35であった。元素分析はモノマー供給
材料の組成と一致していた。例10
例5の方法に従って、50モル%のTPA、50モル%のIPA(イソフタ
ル酸)、CHDM及び50モル%のHDを基材とするポリエステルアミドを製造した。得
られたポリエステルアミドの分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーによって
測定した。Mn=20,300;Mw=50,700;及びMWD=2.50であった。元素分析及びNMR
分析はモノマー供給材料の組成と一致していた。例11
例5の方法に従って、CHDA(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、CHDM及
び50モル%のHDを基材とするポリエステルアミドを製造した。得られたポリエス
テルアミドの分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。Mn=
19,990;Mw=51,100;及びMWD=2.56であった。元素分析及びNMR分析はモノマー
供給材料の組成と一致していた。例12
例5の方法に従って、TPA,CHDM及び50モル%の2−メチルペンタンジアミン(
MPD)を基材とするポリエステルアミドを製造した。得られたポリエステルアミド
の分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。Mn=20,200;Mw
=51,400;及びMWD=2.54であった。元素分析及びNMR分析はモノマー供給材料の
組成と一致していた。例13
例5の方法に従って、50モル%のTPA、50モル%のCHDA,CHDM及び50モル%のH
Dを基材とするポリエステルアミドを製造した。得られたポリエステルアミドの
分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。Mn=19,600;Mw=
51,300;及びMWD=2.62であった。元素分析及びNMR分析はモノマー供給材料の組
成と一致していた。例14〜27
PETとポリエステルアミドとの配合
ポリ(エチレンテレフタレート)/CHDMコポリエステル(Eastapak(商標)PET
コポリエステル9921W-600g)を空気中で150℃において乾燥させ、例1からのポ
リエステルアミドのサンプル(6.0g)を真空オーブン中で100℃において乾燥させ
た。サンプルを物理的に混合して、ポリエステルA中ポリエステルアミドの1重
量%のサンプルを生成した。混合物を275℃においてブラベンダー上で配合した
。配合後、アセトアルデヒド含量を測定できるまで、拡散によるアセトアルデヒ
ドの減量を最少にするためにサンプルを冷凍庫に入れた。例16〜27のPET/PEA化
合物を同様にして配合した。
配合したポリマーについての色(b*)及びアセトアルデヒド濃度を以下のよ
うにして測定した。
アセトアルデヒド発生(AA Gen)は以下の方法で測定した。180℃で30分間結
晶化後、ペレット化したポリエステルを真空オーブン中で120℃において一晩乾
燥させた。Tinius-Olsenメルトインデックス測定装置にポリエステル5gを装填
し、試験温度に5分間保持した。溶融ポリエステルを水中に押出し、粉砕するま
で−40℃の温度で貯蔵した。サンプルを20メッシュまたはそれより細かく粉砕し
、0.5gをサンプル管に入れ、それを直ちにシールした。Hewlett-Packard 5890
Gas Chromatographと注入システムとしてのPerkin Elmer Automaic Thermal Des
orption ATD-50を用いて、動的ヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析によ
ってサンプルを分析した。サンプルを150℃で10分間加熱することによって、ア
セトアルデヒドを脱着した。ガスクロマトグラフィーカラムは30m×0.53mm(内
径)であった。
色は、ASTMD 2244に従ってHunter Color Lab計測器を用いて測定した。
表Iは、種々のポリエステルアミドに関するアセトアルデヒド低
下及び色の発生の効果を、公知の有効なアセトアルデヒド低下剤であるm−キシ
リレンジアミン及びアジピン酸のポリアミドの同様な効果と比較している。
表I.PET配合ポリエステルアミドに関する アセトアルデヒドの結果 (1)m−キシリレンジアミン及びアジピン酸を基材とするポリアミド
(2)PEA=ポリエステルアミド
例14はAA低下掃去剤を含まない対照ポリエステルから発生したAA(5.73ppm及
び16.68ppm)を示す。例15は、公知AA掃去剤を含むPETであり、AAの低下(1.99pp
m及び8.46ppm)を示した。本発明のポリエステル/ポリエステルアミド(例16〜2
7)は全て、AAが著しく低下しており、これは一般に先行技術のAA掃去剤を含む
ポリエステルと少なくとも同レベルかそれより優れている。さらに、本発明のポ
リエステル/ポリエステルアミドは例15に比較して改良された色を示す。例28〜30
ポリエステルアミドとの配合(PEN)
ポリ(エチレンテレフタレート)(PEN-600g)を空気中で150℃において乾燥
させ、例10に従って製造したポリエステルアミド(6.0g)を真空オーブン中で1
00℃において乾燥させた。サンプルを物
理的に混合して、PEN中ポリエステルアミドの1重量%のサンプルを生成した。
混合物を、主加熱ゾーンが305℃であるブラベンダー押出機上で配合した。配合
後、アセトアルデヒドを測定できるまで拡散によるアセトアルデヒドの減量を最
少にするために、回収したサンプルを冷凍庫に入れた。アセトアルデヒドは以下
の方法に従って測定した。
ペレットまたはシートを20メッシュまたはそれより細かく粉砕し、そしてアセ
トアルデヒドの発生に関して記載したのと同様なガスクロマトグラフ法によって
アセトアルデヒド濃度を測定することによって、押出後のアセトアルデヒド濃度
(Extrusion AA)を測定した。色は前述と同様にして測定した。結果を以下の表
IIに示す。
表II.PET配合ポリエステルアミドに関する アセトアルデヒドの結果 PETと同様に、本発明のPEN/ポリエステルアミド組成物はAAの著しい低下を示
し(PEN対照の1/4未満)、b*色は非常にわずかしか増加していない。