JP2000505798A - コルチコトロピン放出因子の内因性レベルを上昇させる方法 - Google Patents

コルチコトロピン放出因子の内因性レベルを上昇させる方法

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イー.エフ. リビエル,ジェーン
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ダブリュー.,ジュニア ベール,ワイリー
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ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 遊離コルチコトロピン放出因子(CRF)またはCRF関連ペプチドのレベルは、CRF/CRF結合タンパク質複合体またはCRF関連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターの患者への投与により上昇する。リガンドインヒビターは、CRF結合タンパク質に結合し、それによってCRFの放出を引き起こすかまたはCRF関連ペプチドのレベルを上昇する。リガンドインヒビターはCRFまたは関連タンパク質由来のペプチド、あるいは非ペプチドであり得る。リガンドインヒビターの投与は学習および記憶の改善を提供し得、食物摂取の減少を生じ、あるいは脳内の低レベルのCRFに関連する病気、特にアルツハイマー病の処置を提供し得る。哺乳動物へのインビボ投与に特に有効なCRFアンタゴニストを選択するための化合物のスクリーニング方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 コルチコトロピン放出因子の内因性レベルを上昇させる方法 本発明のいくつかの局面は、米国国立衛生研究所により付与された認可番号DK -26741およびHD-13527の下で政府の支援を受けた。政府は、本発明に一定の権利 を有する。the University of Readingおよびthe Medical Research Council of Great Britainが本出願に対して一定の権利を有する。技術分野 本発明は、一般に、神経ペプチドの内因性レベルを上昇させる方法に関し、そ して詳細には、脳内のコルチコトロピン放出因子レベルを上昇させる方法に関す る。発明の背景 最近の臨床データは、CRFが神経精神疾患、およびアルツハイマー病のような 神経変性疾患に関連していることを示している。アルツハイマー病は、進行性の 記憶喪失および痴呆をもたらす神経変性脳疾患である。最近の見積りによると、 合衆国において200万人を超える個体がこの病気にかかっている。特に、いくつ かの系列の証拠は、CRFがアルツハイマー病(AD)に関連していることを示して いる。第1に、CRFが劇的に(50%以上)減少し、(Bissetteら、JAMA 254:3067 、1985;DeSouzaら、Brain Research 397:401,1986;Whitehouseら、Neurology 37:905、1987;DeSouza、Hospital Practice 23:59、1988;Nemeroffら、Regul .Peptldes 25:123、1989)、そしてADで影響を受ける大脳皮質領域のCRFレセプ ターが逆に増加する(DeSouzaら、1986;DeSouza、1988)が、CRFもCRFレセプタ ーもいずれも皮質の影響を受けない領域では量は変化しない(DeSouzaら、1986 )。第2に、化学的親和性架橋研究は、ADにおいて大脳皮質で増加したCRFレセ プター集団は正常な生化学的特性を有することを示す(Grigoriadisら、Neuroph armacology 28:76L1989)。さらに、脳脊髄液におけるCRF濃度の低下が観察され る こと(Mouradianら、Neural Peptides 8:393、1986;Mayら、Neurology 37:535、 1987)は、神経精神学的損傷の等級全体に有意な相関関係があり、これは、より 大きな認識損傷が脳脊髄液中のより低いCRF濃度に関連することを示唆する(Pom araら、Biological Psychiatry 26:500、1989)。 痴呆の処置のために利用可能な治療は非常に限定されている。最近承認された 薬物であるTacrineTMは、アルツハイマー患者においてかろうじて記憶の改善を 生じるにすぎず、そして肝酵素を上昇させる望ましくない副作用を有する。 脳CRF含量の変化はまた、パーキンソン病および進行性核上麻痺においても見 出されており、これらはADとともに一定の臨床的および病理学的特徴を共有する 神経学的疾患である。パーキンソン病の場合は、CRF含量は減少し、そしてADの 症例に類似の染色パターンを示す(Whitehouseら、1987;DeSouza、1988)。進 行性核上麻痺の場合は、CRFは、前頭葉、側頭葉、および後頭葉においてコント ロール値の約50%に減少する(Whitehouseら、1987;DeSouza、1988)。 いくつかの鬱疾患もまたCRFのレベルの減少と関連する。季節性鬱病の鬱状態 の患者および慢性疲労症候群の疲労期間の患者は、脳脊髄液においてCRFのより 低いレベルを示す(Vanderpoolら、J.Clin.Endocrinol.Metab.73:1224、199 1)。 場合によって鬱病は高い改善率を有し、そして多くの場合は結果的に自己限定 性であるが、患者の回復速度に主要な差異がある。治療の主要な目標は、徴候の 強度を低減させてこのタイプの鬱病の回復速度を促進すること、ならびに再発お よび回帰を防止することである。代表的には抗鬱剤が投与されるが、重篤な副作 用(例えば、フルオキセチンによる自殺行動、ブプロピオンによる痙攣)が生じ 得る。(Klermanら、Clinical Evaluation of Psychotropic Drugs:Principles and Guide lines、R.F.PrienおよびD.S.Robinson(編)、Raven Press,Ltd.N. Y.、1994、281頁を参照のこと)。 低いCRFレベルにより示されるようなストレス系の機能低下は、他の疾患にお いても同様に役割を果たし得る。例えば、肥満症のいくつかの形態は、機能低下 した視床下部-下垂体-副腎軸によって特徴づけられ(Kopelmanら、Clin.Endocr inol(Oxford)28:15、1988;Berniniら、Horm.Res.31:133、1989)、外傷後 ストレス症候群の患者は低いコルチゾル排泄を有し(Masonら、J.Neu.Men.Di s.174:145、1986)、そして禁煙中のいくらかの患者はアドレナリンおよびノル アドレナリンの排泄の減少、ならびに血中のコルチゾル量の減少を有する(West ら、Psychopharmacology 84:141、1984;Puddyら、Clin.Exp.Pharmacol.Phys iol.11:423、1984)。CRFが視床下部-下垂体-副腎軸の主要なレギュレーターで あるので、これらの発現は全てこれらの疾患におけるCRFの中心的役割を示す。 これらの疾患の処置はあまり有効性がない。例えば、肥満症を処置するために 最も有効なアプローチは、行動変更プログラムである。しかし、目標体重に到達 する参加者はほとんどなく、そして再発率が高い(Halmiら、Clinical Evaluati on of Psychotropic Drugs:Principles and Guidelines、R.F.PrienおよびD.S. Robinson(編)、Raven Press,Ltd.N.Y.、1994、547頁を参照のこと)。 このような疾患および病気の処置における欠点を考慮すると、より有効な処置 が必要とされる。本発明は、低減したCRFレベルと種々の神経生理学に基づく疾 患および病気との相関関係を利用して、遊離CRFのレベルを上昇させることによ りこのような病気を効果的に処置し、そしてさらに他の関連の利点を提供する。発明の要旨 本発明は、有効量のCRF/CRF結合タンパク質(CRF/CRF-BP)複合体のリガンド インヒビターを患者に投与することにより、脳内の遊離CRFレベルを上昇させる 方法を提供する。リガンドインヒビターの投与はCRF結合タンパク質からのCRFの 放出を引き起こす。リガンドインヒビターは、CRFの「放出」を引き起こし得る ものであれば、CRF由来のペプチド、CRFに相同なペプチド、またはCRFに関連の ないペプチドであり得る。リガンドインヒビターはまた、天然または合成化学物 質ライブラリーから単離される非ペプチド化合物であり得る。本発明の1つの実 施態様の範囲内では、リガンドインヒビターはh/rCRF(アミノ酸6〜33)、h/rC RF(アミノ酸9〜33)、およびh/rCRFからなる群より選択されるペプチドである 。関連する局面の範囲内で、治療組成物が提供され、これはリガンドインヒビタ ーを、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて含有する。 本発明の他の局面の範囲内では、学習および/または記憶を改善する方法、食 物摂取を減少させる方法(神経ペプチドYにより誘導される食物摂取)、CRF神経 回路系(neurocircuitry)を活性化する方法、脳内の低レベルのCRFに関連する病 気を処置する方法、アルツハイマー病に関連する徴候を処置する方法、肥満症を 処置する方法、異型鬱病を処置する方法、分娩後鬱病を処置する方法、加齢性記 憶喪失を処置する方法、痴呆に関連する徴候を処置する方法、体重増加を減少さ せる方法、ならびに物質乱用の禁断症状を処置する方法が提供される。このよう な方法の範囲内では、治療有効量のCRF/CRF結合タンパク質のリガンドインヒビ ターが、これらの症状の処置のために患者に投与される。治療用の候補物質を選 択するための基準、ならび処置の有効性を評価する方法を示す。 本発明の別の局面の範囲内では、有効量のCRF関連ペプチド/CRF-BP複合体の リガンドインヒビターを患者に投与することにより遊離CRF関連ペプチドのレベ ルを上昇させる方法が提供される。一つの実施態様において、CRF関連ペプチド は、ウロコルチン(urocortin)である。 特定の治療目的を達成する目的で、ヒトCRF-BPに対して高い親和性を有する特 定の薬剤が投与され得ることが見出されている。この薬剤は、CRF-BPとの複合体 形成においてヒトCRFと効果的に競合し、そしてこのようにして、内因性hCRFの 哺乳動物での有効インビボ濃度、および/またはこのような薬剤とともに任意に 投与されるCRFアゴニストまたはCRFアンタゴニストの有効濃度を上昇させる。す なわち、これらの薬剤は、CRF-BPの効果をブロックし、このためCRF-BPが存在す る身体の領域における内因性CRFの濃度を上昇させるために用いられる。より詳 細には、約19〜28残基の間の長さのペプチドは、hCRF-BPに対する高い親和性を 有するが、それ自体がCRFレセプターに結合する傾向が比較的少ないことを示す ことが発見されている。結果として、このようなペプチドは、特定の領域からの 内因性CRFのクリアランスを抑制するために投与され得、それによってインビボ でのCRFの生物学的効果を刺激し、そしてある場合には、CRFまたはCRFアゴニス トとともにこのようなペプチドを投与することが有利であり得る。これらの薬剤 の真の性質は、潜在的な望ましくない副作用が最小化されるかあるいは全体的に 除去されることである。特にCRFアンタゴニストがhCRF-BPに対してかなり高い結 合親和性を有する場合、これらの薬剤はまた標的領域からのいくつかのCRFアン タゴニストのクリアランスを抑制するためにCRFアンタゴニストとともに投与さ れ得る。しかし、その効果は、その他の点でCRF-BPに結合される内因性CRFの放 出によってある程度まで妨げられる。これらの薬剤は、妊娠において分娩を促進 するための、呼吸系を刺激するための、肥満症に対処するための、ならびにアル ツハイマー病および慢性疲労症候群の影響を妨げるための治療処置に有用である ;しかし、これらの適応のいくつかは、薬剤が、脳内に送達されるような方法で 投与されなければならない。 さらに、CRFが天然のCRFレセプターに結合する能力をブロックする能力を決定 するために、そしてこのような候補CRFアンタゴニストとhCRF-BPとの間の結合親 和性を決定するためにも、このような可能性のあるアンタゴニストの二重スクリ ーニングアッセイを行うことにより、特に有効なCRFアンタゴニストをスクリー ニングする方法が提供される。 神経ペプチド結合タンパク質をスクリーニングするための方法もまた提供され る。関連する局面では、神経ペプチド/神経ペプチド結合タンパク質複合体のリ ガンドインヒビター、特にCRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターをスクリー ニングする方法が提供される。1つの実施態様の範囲内では、この方法は、水溶 液中でリガンドインヒビターの存在下でCRFをCRF-BPと接触させる工程、さらに 非イオン性界面活性剤中で混合する工程、非イオン性界面活性剤と水溶液とを分 離する工程、および水溶液中のCRF量を検出し、それによってリガンドインヒビ ターがCRF/CRF-結合タンパク質複合体を破壊するか否かを決定する工程を包含す る。ある実施態様では、混合は非イオン性界面活性剤の曇点より高い温度で行わ れ、そしてオクチルフェノキシポリエトキシエタノールが好適な非イオン性界面 活性剤である。 これらおよび他の局面は以下の詳細な説明および添付の図面を参照にして明ら かになる。図面の簡単な説明 図1は、ヒト由来CRF(hCRF)(配列番号1)、ヒツジ由来CRF(oCRF)(配列 番号4)、コバンザメウロテンシンI(sf UROT I)(配列番号)、ソーバギ ン(sauvagine)(配列番号)、およびラットウロコルチン(r UROCORTIN)(配列 番号)のアミノ酸配列を示す。 図2は、CRF-BPに結合したCRFおよび遊離CRFのレベルを示すグラフである。CR Fレベルは、アルツハイマー病患者および正常な年齢に適したコントロールから の脳組織において測定した。CRF-BPリガンドインヒビターであるα-ヘリックス ヒツジCRF(9-41)を添加して、または添加しないで、レベルを確立させた。 図3は、正常コントロールまたはアルツハイマー病患者から採取した脳組織の 4つの領域におけるCRF(パネルA)およびCRF-BP(パネルB)のレベルを示す グラフである。 図4は、ビヒクルまたはCRF(6-33)またはCRF(1-41)の脳室内(ICV)注射後のMor ris水迷路(water maze)および高架式プラス迷路(elevated plus-maze)の試験結 果を示す。ラットに対し、7〜10匹のグループで、テストを行う15分前にICV注 射を行った。Morris水迷路試験では、プラットフォームに達する時間を記録した 。高架式プラス迷路試験では、オープンアームにおいて費やされたパーセント時 間を記録した。星印は、統計学的に有意差があることを示す。 図5は、Y迷路試験におけるラットの試験結果を示す図である。7〜10匹のラ ットのグループに、試験を行う15分前に、ICV注射で0、1、5、または25μg のいずれかのCRF(6-33)を与えた。正確な応答のパーセントを測定した。星印は 、統計学的に有意差があることを示す。 図6は、ビヒクル、oCRF、またはh/rCRF(6-33)のいずれかの7日注入後の痩せ 型ラットおよび肥満型ラットによる食物摂取の量を示すグラフである。 図7は、ビヒクル、oCRF、またはh/rCRF(6-33)のいずれかの7日注入後の痩せ 型ラットおよび肥満型ラットにおける体重変化を示すグラフである。 図8は、一方向能動性回避学習試験(one-way active avoidance learning tes t)における若年ラットおよび老齢ラットの行動におけるCRF(6-33)リガンドイン ヒビターの投与の効果を示すグラフである。回避応答の平均±SEM数を、獲得訓 練前にh/rCRF(6-33)の25μgICVで処置した3ヶ月齢および24ヶ月齢の雄(Brown- Norway/F344)F1ラットで測定した。24時間後、グループ(n=6〜7匹/グルー プ)を保持について試験した(8塊試行)。スチューデントt検定により、は、 p <0.5を示し、そして+はp<0.5を示す。 図9は、老齢ラットにおけるコントロールビヒクルまたは25μg r/hCRF(6-33) ICVの投与の効果を示すグラフである。獲得訓練後、保持を1日間隔および7日 間隔で試験した。★★、p<0.05;+、p<0.05。 図10は、受動性回避試験におけるCRF(6-33)リガンドインヒビターの投与の 効果を示す。ラットに、訓練15分前にビヒクル単独または25μgリガンドインヒ ビターICVのいずれかを与えた。 図11は、ニコチン禁断症状の間の体重変化に対するCRF(6-33)の投与の効果 を示すグラフである。発明の詳細な説明 本発明を記載する前に、本明細書中で以後に用いられる用語の定義を記載する ことは、本発明を理解するために有用であり得る。 「CRF」は、下垂体からのアドレノコルチコトロピン(ACTH)、β-エンドルフィ ン、および他のプロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチドの放出を調節する ペプチドのことである。ヒト、ラット、および他の種において、CRFのアミノ酸 配列は決定されており、これを図1に示す(配列番号1)。ラットCRFおよびヒ トCRFのアミノ酸配列は同一であり、そしてこのタンパク質を「h/rCRF」と称す る。「遊離CRF」は、CRF結合タンパク質またはCRFレセプターに複合体化または 結合していないCRFのことである。 「CRF結合タンパク質」(CRF-BP)は、ヒト血漿中の可溶性因子として存在する か、または細胞膜と結合して存在する1つまたは複数のタンパク質のことである 。これは、以下の2つの方法のうち一方で測定されるように、CRFの機能を阻害 する能力を有する:(l)下垂体培養細胞または灌流ラット下垂体前葉系からのCRF 誘導ACTH放出、または(2)CRFレセプターを有する細胞またはクローン化CRFレセ プターでトランスフェクトした細胞からのCRF誘導cAMP形成。CRF-BPをコードす るcDNAクローンの例は、ヒト肝臓およびラット脳から単離されている(Potter ら、Nature 349:423,1991)。 「CRF/CRF-BP」は、CRFとCRF-BPとの複合体のことである。CRFとCRF-BPとの結 合は、疎水性相互作用、イオン性相互作用、または共有結合相互作用により行わ れ得る。 「ヒトCRF結合タンパク質」(hCRF-BP)は、インビトロおよびインビボにおいて 、hCRFを特異的に結合することにより、ACTH分泌促進物質としてのhCRFを不活性 化する37kDa血清タンパク質のことである。ヒトCRF-BPは、hCRFに対して高い親 和性を有し、そしてoCRFに対して低い親和性を有する。これにより、hCRF-BPが 、末梢血漿hCRFの除去を促進させることが示唆される。hCRFは、hCRF-BPに結合 されたとき、インビトロおよびインビボにおいて、ACTHを刺激する能力を喪失す る。C末端が主にレセプター親和性の原因となるが、CRFの最初の8アミノ酸が レセプター活性化に関与していると考えられる。hCRF-BPは、中央部のドメイン に結合することにより、hCRFが副腎皮質刺激ホルモン産生細胞を刺激することを 防ぐようであり、このためリガンドがレセプターと相互作用できず、ACTH放出が 起こらない。 「CRF関連ペプチド」は、CRFに対して30%以上の同一性を有し、かつ/または hCRF-BP(本明細書中に記載のアッセイ)またはCRFレセプターR1およびR2(αおよ びβ)の1つまたは組み合わせへの結合において、またはCRF R1およびCRF R2( αまたはβ)を発現する細胞からのcAMPの蓄積の活性化において活性であるペプ チドのことである。簡単に述べれば、CRFレセプターへの結合は、米国特許出願 第08/485,984号(本明細書中に参考として援用される)に記載のように、非標識 CRF関連ペプチドと共にまたはこれを伴わずに、CRFレセプター遺伝子でトランス フェクトした接着細胞をインキュベートすることによりアッセイされる。標識r/ hCRF(例えば、125I-CRF)を添加し、そして反応を室温で2時間インキュベート する。液を吸引し、そして細胞をPBSで3回洗浄する。非接着細胞を用いる場合 、細胞は遠心分離により洗浄される。4Mグアニジンチオシアネート溶液または 他の可溶化剤を細胞に添加して、組織を可溶化させる。可溶化サンプルのアリコ ートを計数する。1μM以下で50%以上の阻害を示すペプチドが、CRF関連ペプ チドであると見なされる。cAMPの蓄積は、代替アッセイである。簡単に述べれば 、このアッセイでは、ペプチドをCRFレセプターを発現する細胞に添加する。イ ソブチルメチルキサンチンの1mM溶液もまた添加し、ホスホジエステラーゼに よるcAMPの分解を阻害する。細胞を37℃で1時間インキュベートし、次いで洗浄 する。95%エタノールおよび20mM HClの溶液を−20℃で約12〜18時間添加し、cA MPを抽出する。EtOH/HClをチューブに移し、真空中で遠心分離により乾燥させる 。cAMPをNaOAc緩衝液(pH7.5)で再構成し、放射免疫アッセイキット(Biomedic al Technologies,Inc.,Stoughton,MA)または等価物を用いてcAMPについてア ッセイする。1μM以下で50%最大cAMP刺激を示す(h/rCRFでの刺激により決定 される)ペプチドが、CRF関連ペプチドであると見なされる。CRF/CRF 結合タンパク質のリガンドインヒビター 上述したように、本発明は、CRFがCRF-BPから放出されるように、有効量のCRF /CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを投与することにより、脳内の遊離CRFレ ベルを増加させる方法を示す。 「CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビター」は、可逆性または不可逆性のい ずれかの様式でCRFを置換する。置換は、結合CRF分子が遊離CRFになるようにす ることにより、起こり得る。さらに、リガンドインヒビターの結合は、ヒトCRF- BPへの高い親和性のために遊離CRFのCRF-BPへの結合を阻害し得、hCRF-BPへの結 合に関して内因性CRFと競合する。CRFの可逆性または不可逆性の置換は、CRF結 合部位に直接結合するリガンドインヒビターによるか、またはCRF結合部位では ない部位に結合し、結合CRFのアロステリック置換を引き起こすリガンドインヒ ビターにより、媒介され得る。リガンドインヒビターは、CRFまたはCRF関連配列 に由来するペプチド、または結合CRFの置換を引き起こすように設計されたラン ダムペプチドであり得る。さらに、リガンドインヒビターは、小分子の天然ライ ブラリーに由来する非ペプチド分子、天然分子の合成アナログ、CRF/CRF-BP結合 複合体の物理的特性に基づいて特異的に設計された小分子、または他のリガンド インヒビターであり得る。リガンドインヒビターはまた、投与化合物の代謝産物 であり得る。リガンドインヒビターは、CNSにより投与されるか、または全身投 与されて、脳に到達できるものでなければならない。好ましくは、リガンドイン ヒビターの特性は、そのインヒビターがCRFレセプターで低い親和性のアンタゴ ニストである(Ki≧1μM)か、またはCRF結合タンパク質に対する100倍の選 択性を有する(Ki≦10nM)ような特性である。CRF-BPリガンドインヒビター はまた、CRFレセプターで幾分かの中程度のアゴニスト活性を示し得る(Ki≧50 nM)。 CRF-BPに結合し、かつ内因性CRFを置換するペプチド配列は、CRFペプチド配列 、CRF関連ペプチド配列、または非関連ペプチド配列に由来し得る。長さ約19お よび28残基の間の比較的短いペプチドが、hCRF-BPに競合的に結合するのに有効 であり、同時にCRFレセプターに対して非常に低い親和性を示すことが分かって いる。結果として、この特定のペプチド群は、hCRF-BPに結合するが、CRFレセプ ターには実質的に結合せず、かつ/またはこのレセプターと相互作用しない。単 独で与えられる場合、これらのペプチドは、内因性遊離CRFの量を増加させる効 果を有する。このことは、CRFレセプターと相互作用し得る状態を維持する。従 って、これらのペプチドが用いられて、特定の領域または身体器官における内因 性CRFの効果を確実にするかまたは増大させ得る。これらのペプチドは、カクテ ルにおいてCRFレセプターのアゴニストまたはアンタゴニストと共に与えられる 場合、同様に、これらの物質の効率を増大させるために用いられ得る。しかし、 CRFアンタゴニストとの投与は、内因性CRFの放出により幾分か中和される。CRF 関連タンパク質の例は、ウロテンシンおよびソーバギンを含む。好ましいペプチ ドは、h/rCRFに由来するペプチドである。この点において、多くの異なるペプチ ドが、内因性結合CRFを置換するために、本発明の情況内で用いられ得る。この ようなペプチドは、αヘリックスoCRF(ヒツジCRF)(9-41)(括弧内の数はアミノ酸 を指す)、h/rCRF(6-33)、h/rCRF(9-33)、ウロテンシンI、ソーバギン、およびh /rCRFを含む。好ましいペプチドは、h/rCRF(6-33)、h/rCRF(9-33)、およびh/rCR F(1-41)OHである。これらのペプチドは、適当な親和性でCRF-BPに結合するがCRF レセプターには結合しないからである。C末端の遊離酸(OH)は、天然CRFにおい て見出されるアミド化よりも、特に好ましい。h/rCRFのC末端アミノ酸の脱アミ ド化は、CRF-BPに対する結合親和性に影響を与えないが、CRFレセプターに対す るh/rCRFの親和性を大きく減少させる。これらの因子のN末端は、アシル化によ る分解(例えば、アセチル(Ac)による)に対して保護され得、このような修飾ペ プチドは等価物であるとみなされる。CRFレセプターと有意に相互作用するこ となくCRF-BPに結合することが見出されたCRFの最小配列は、アミノ酸9〜33で ある。特に、アミノ酸残基22〜25は、CRF-BPへの結合において重大な役割を果た しているようである。 他のペプチドは、上記ペプチドシリーズに対する相同性に基づいて設計され得 る。上述したように、ペプチドを設計する場合には、C末端アミノ酸は遊離酸基 を含有することが好ましい。図1は、既知のCRFおよびCRF関連分子のアミノ酸配 列の比較を示す。上述したように、残基9〜33は、CRF-BPへの結合に必要とされ る最小配列を含み、そして残基22、23、および25は、結合において重大な役割を 果たしていると考えられる。ペプチドの設計において好ましい指針は、残基22に 相当するアミノ酸残基がアラニンであり、残基23に相当するアミノ酸残基が塩基 性アミノ酸(アルギニンまたはリジン)であり、そして残基25に相当するアミノ 酸残基がグルタミン酸である。 適切なペプチドの例は、以下の配列を有するヒトCRFのフラグメント、すなわ ちhCRF(1-41)を含む: Ser-Glu-Glu-Pro-Pro-Ile-Ser-Leu-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg- Glu-Val-Leu-Glu-Met-Ala-Arg-Ala-Glu-Gln-Leu-Ala-Gln-Gln-Ala-His-Ser-Asn- Arg-Lys-Leu-Met-Glu-Ile−Ile(配列番号1)。 用いられる1つの好ましいフラグメントは、以下の配列を有するhCRF(6-33)で ある:Ile-Ser-Leu-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg-Glu-Val-Leu-Glu-Met-Al a-Arg-Ala-Glu-Gln-Leu-Ala-Gln-Gln-Ala-His-Ser(配列番号1)。このフラグ メントは、配列において残基を除去することにより、N末端で4残基まで、かつ /またはC末端で5残基まで短縮され得る。このフラグメントは、例えば、hCRF (9-33)、hCRF(6-30)、およびhCRF(8-29)である。代わりに用いられ得る他のペプ チドの例は、例えば、以下のようなhCRF(6-33)アナログを含む:[Nle21]-hCRF(6 -33)、[Nle21]-hCRF(9-33)、[Ile24]-hCRF(6-33)、[Asn26]-hCRF(6-33)、[Nle18 ,21 ]-hCRF(6-33)、[Ile27]-hCRF(6-33)、[Val28]-hCRF(6-33)、[Asn29,30]-hCRF (6-33)、[Lys16]-hCRF(6-33)、[Asp17]-hCRF(6-33)、[Leu12]-hCRF(6-33)、[Arg13 ]-hCRF(6-33)、[Glu9]-hCRF(6-33)、[Val31]-hCRF(6-33)、[Thr33]-hCRF(6-33 )、[Arg32]-hCRF(6-33)、[Ile10]-hCRF(6-33)、および[Ile14]-CRF(6-33)。 この目的において用いられ得る他のペプチドは、以下の配列(配列番号2)に より定義される:Xaa4-Xaa5,-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xa a14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Ala-Xaa23-Xaa24-Glu-Xaa26- Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33または生物学的に活性なそれらの フラグメント。このフラグメントは、配列中でN末端から1〜8残基、または配 列中でC末端から1〜5残基、またはその両方の欠失により形成される。ここで 、Xaa23は、ArgまたはLysであり、Xaa24は、Ala、Ile、Asn、Met.Nle、またはL euであり、そして残りの各Xaaは、ヒトCRF(1-41)においてそれぞれの位置に存在 する残基、または別の天然に存在するアミノ酸、好ましくは天然に存在する残基 の保存的置換を表す。 別の好ましいペプチド群は、以下の配列(配列番号2)により定義される:Xa a4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xa a17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Ala-Xaa23-Xaa24-Glu-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29- Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33、および生物学的に活性なそれらのフラグメント。こ のフラグメントは、配列中でN末端から1〜8残基、または配列中でC末端から 1〜5残基、またはその両方の欠失により形成される。ここで、Xaa6はIle、Met 、Leu、またはNleであり;Xaa8は、LeuまたはIleであり;Xaa14は、Leu、Met、ま たはNleであり;Xaa17は、GluまたはAsnであり;Xaa18は、Val、Met、Leu、また はNleであり;Xaa19は、LeuまたはIleであり;Xaa20は、GluまたはHisであり;X aa21は、Met、Leu、Nle、またはArgであり;Xaa23は、ArgまたはLysであり;Xaa24 は、Ala、Ile、Asn、Met、Nle、またはLeuであり;Xaa26は、Gln、Asn、また はGlyであり;Xaa27は、Leu、Glu、またはGlnであり;Xaa28は、AlaまたはArgで あり;Xaa29は、GlnまたはGluであり;Xaa32は、His、Glu、またはLeuであり;X aa33は、Ser、Leu、またはIleであり;そして残りの各Xaaは、ヒトCRF(1-41)に おいてそれぞれの位置に存在する残基、または別の天然アミノ酸(好ましくはそ の保存的置換である)を表す。好ましくは、2〜5残基までがN末端から欠失さ れる。最も好ましくは、Xaa7は、Serであり、Xaa9は、Aspであり、Xaa10は、Leu であり、Xaa11は、Thrであり、Xaa12は、Pheであり、Xaa13は、Hisであり、Xaa1 5 は、Leuであり、Xaa16はArgであり、Xaa30はGlnであり、そしてXaa31は、Alaで ある。 別の好ましいペプチド群は、以下の配列(配列番号3)により定義される:Pr o-Pro-Ile-Ser-Xaa8-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Glu -Xaa21-Ala-Arg-Xaa24-GIU-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Gln-Ala-Xaa32-Xaa33、ま たは生物学的に活性なそれらのフラグメント。このフラグメントは、配列中でN 末端から1〜8残基、または配列中でC末端から1〜5残基、またはその両方の 欠失により形成される。ここで、Xaa8は、LeuまたはIleであり;Xaa17は、Gluま たはAsnであり;Xaa18は、Val,Met、Leu、またはNleであり;Xaa19は、Leuまた はIleであり;Xaa21は、Met,Leu、またはNleであり;Xaa24は、Ala,Ile、また はAsnであり;Xaa26は、GlnまたはAsnであり;Xaa27は、Leu,Glu、またはGlnで あり;Xaa28は、AlaまたはArgであり;Xaa29は、GlnまたはGluであり;Xaa32は 、HisまたはGluであり;そしてXaa33は、SerまたはLeuである。 後者の群のうち、hCRFの上述のフラグメント以外に特に好ましいペプチドは、 以下のアナログを含む: [Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27,29、Arg28、Gly32、Leu33]-hCRF(6-33) [Asn17,26、Nle18、Ile19,24、Glu27,29、Arg28、GIy32、Leu33]-hCRF(9-33) [Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27、Arg28]-hCRF(4-28) [Ile19,24、Asn17,26、Nle18、Glu27、Arg28]-hCRF(7-31) [Ile8,19、Asn17,24,26、Met18、GLN27、Arg28、Glu29、Gly32、Leu33]-hCRF(6- 33) [Asn17,24,26、Met18、Ile19、Gln27、Arg28、Glu29、Gly32、Leu33]-hCRF(9-33 ) [Ile8,19、Asn17,24,26、Met18、Gln27、Arg28]-hCRF(8-28) [Ile8,19、Asn17,24,26、Nle18、Gln27、Arg28、Glu29、Gly32]-hCRF(8-32) [Ile8,19、Asn17,24,26、Nle18、Gln27、Arg28、Glu29、Gly32]-HCRF(8-32) [Met6,14,18,24、Ile8,19,33、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27, 29 、Leu32]-hCRF(6-33) [Ile8,19,33、Met14,18,24、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27,29 、Leu32]-hCRF(9-33)。 [Nle6,14,18,24、Ile8,19,33、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27, 29 、Leu32]-hCRF(6-33)。 [Ile8,19、Nle14,18,24、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27,29]-h CRF(8-30)。 ペプチド命名法は、SchroderおよびLubke,「The Peptides」、Academic Pres s(1965)に見出され得、ここでは、従来の表示に従って、アミノ基を左側に、そ してカルボキシル基を右側に記載する。標準的な3文字表記を用いてαアミノ酸 残基を同定し、そしてこのアミノ酸が異性体を有する場合、他に何も示されてい ない限り、表示アミノ酸はL型である。例えば、Ser=L-セリン、Orn=L-オルニ チン、Nle=L-ノルロイシン、Nva=L-ノルバリン、Har=L-ホモアルギニン、お よびCML=L-CαMeLeu。 ペプチドは、適切な方法により合成される。この方法としては、もっぱら固相 法によるか、部分的固相法によるか、フラグメント縮合によるか、または古典的 な溶液付加(solution addition)による。ペプチドの化学合成は、適切な保護基 での種々のアミノ酸部分の不安定側鎖基の保護を用い、その部位で起こる化学反 応を防ぎ、最後にこの基を除く。ほとんどの方法はアミノ酸またはフラグメント 上のαアミノ基を保護し、一方その保護したものはカルボキシル基で反応し、次 いでこのαアミノ保護基を選択的に除去することにより、次の反応をその位置で 生じさせる。このような代表的なペプチド合成の例は、米国特許第5,235,036号( 1993年8月10日発行、この開示内容は本明細書中に参考として援用される)にお いて提供される。 hCRF(6-33)およびhCRF(9-33)のようなペプチドならびに上記に特に述べた他の アナログは、米国特許第4,489,163号(この開示内容は、本明細書中に参考とし て援用される)に記載のように、固相法を用いて手動で合成されるか、またはBe ckman Model 990ペプチド合成機で自動合成される。簡単に述べれば、第3級ブ トキシカルボニル(Boc)をαアミノ保護のために用い、そしてTFA-CH2Cl2(3:2)を 脱保護のために用いる。標準的カップリングは、1,3-ジイソプロピルカルボジイ ミド(DIC)により媒介され、一方困難なカップリングは、2-(1H-ベンゾトリアゾ ール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HBTU)を 用いて達成される。保護化ペプチド樹脂は、3%硫化メチルの存在下で無水フッ 化水素酸(HF)を用いて開裂され、HFは、真空下で続けて除去される。粗ペプチド は、多段階逆相HPLCを用いて精製される。 ポリペプチドアナログは、本明細書中に特に示される配列と実質的に同一のア ミノ酸残基配列を有する任意のポリペプチドを含む。このポリペプチドでは、1 つまたはそれ以上の残基が、上述した位置において、別のアミノ酸残基と置換さ れている。保存的置換は、そのポリペプチドが遊離CFRの増加を引き起こす能力 を(例えば、CRF-BPに強く結合することにより)示すのであれば、機能的に類似 する側鎖を有する残基を用いて行われ得る。保存的置換の一般的な例は、ある非 極性(疎水性)残基(例えば、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、ロ イシン、またはメチオニン)と別の残基を置換すること;ある極性(親水性)残 基と別の残基を置換すること(例えば、リジンのアルギニンへの置換、アスパラ ギンのグルタミンへの置換、セリンのトレオニンへの置換);ある塩基性残基( 例えば、リジン、アルギニン、またはヒスチジン)と別の残基を置換すること; およびある酸性残基(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)と別の残基 を置換することを含む。表現「保存的置換」はまた、そのようなポリペプチドが 所望の結合活性を示すのであれば、非誘導化残基の代わりに化学的誘導化残基を 用いることも含む。上述したように、このような保存的置換は、残基Xaa6〜Xaa2 1 およびXaa26〜Xaa33の1つまたはそれ以上の残基について行われ得る;好まし い保存的置換の例を以下の表1に示す。 「化学的誘導体」とは、官能性側鎖基の反応により化学的に誘導体化される1 つ以上の残基を有する対象ポリペプチドをいう。このような誘導体化分子として は、例えば、遊離アミノ基が誘導体化され、アミン塩酸塩、p-トルエンスルホニ ル基、カルボベンゾキシ基、t-ブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基ま たはホルミル基を形成する分子が挙げられる。遊離カルボキシル基は誘導体化さ れ、塩、メチルエステルおよびエチルエステルあるいは他のタイプのエステルま たはヒドラジドを形成し得る。遊離ヒドロキシル基は誘導体化され、0-アシル誘 導体または0-アルキル誘導体を形成し得る。ヒスチジンのイミダゾール窒素は誘 導体化され、N-im-ベンジルヒスチジンを形成し得る。化学的誘導体はまた、標 準のアミノ酸の天然に存在するアミノ酸誘導体の1つ以上を含有するペプチドを 包含する。例えば、プロリンは、4-ヒドロキシプロリンで置換され得、リジンは 、5-ヒドロキシリジンで置換され得、ヒスチジンは、3-メチルヒスチジンで置換 され得、セリンは、ホモセリンで置換され得、そしてリジンは、オルニチンで置 換され得る。 さらに、ランダムペプチドが合成され、続いてスクリーニングされ、以下によ り詳細に議論するように、CRF/CRF-BP複合体からのCRFの置換の機能的基準を満 足するペプチドを同定し得る。ランダムペプチドは、生物学的方法によるか、ま たはコンビナトリアル化学技術により生成され得る(Gallopら、J.Med.Chem.37 :1234、1994を参照のこと)。 ランダムペプチドを生成する生物学的方法としては、少なくとも4つの異なる 方法が挙げられる。第1に、ランダムヌクレオチドは、微生物の表面上にペプチ ドを提示するために宿主遺伝子に挿入され得る(Charbitら、Embo.Journal 5:30 29、1986;Agterbergら、Gene88:37、1990;Fuchsら、Bio/Tech9:1369、1991;T heryら、Appl.Environ.Microbiol.55:984、1989)。このような方法では、細菌 の種々の細胞表面タンパク質は、オリゴヌクレオチドが挿入される融合パートナ ーとして使用され、タンパク質の細胞外ループの1つに融合されたペプチドを産 生する。LamB、OmpA、PhoE、PAL、およびピリンタンパク質は全て、細菌上のペ プチド提示のためのビヒクルとして機能する。バクテリオファージの表面上にペ プチドを提供する別の系が、好ましい方法である。使用されるベクターは、 線維状ファージ(例えば、M13、fl.およびfd)由来である。代表的には、コート タンパク質(例えば、pIIIまたはpVIII)は、ペプチド発現ビヒクルとして機能 する。(Smith、Science 228:1315、1985;ParmleyおよびSmith.Gene73:305、1 988;Cwirlaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378、1990;Marklandら、Gen e 109:13、1991,米国特許第5,223,409号)。ファージ提示および細菌提示方法 の両方を用いると、ペプチドとペプチドをコードするDNAとの間の物理的連結が 存在し、これによりDNA配列の容易な単離および増殖が可能となる。第3に、ペ プチドをそのC末端でDNA結合タンパク質LacIに融合することにより、ペプチド はプラスミドに結合され得る(Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865、 1992)。次いで融合タンパク質を、ペプチドがそれをコードするDNA配列と特異 的かつ安定に結合するようにプラスミド上のLacオペレーターに結合する。第4 に、ペプチドは失速翻訳(stalling translation)後にポリソーム上で提示され 得る。それらをコードするRNAになお連結されている発生期のペプチドを含むRNA およびポリソームの蓄積を引き起こすことにより(Gallopら、J.Medicinal Che m.37:1233、1994)、ペプチドをコードする遺伝物質を回収し得る。これらの全 ての方法において、先導ペプチドとしてCRFに基づく変異体のライブラリーは、 挿入されている「不正確な」塩基の比例するレベルを制御することにより合成さ れ得る。 生物学的方法に加えて、コンビナトリアル化学技術に基づくアプローチが、ラ ンダムペプチドを生成するために使用され得る。種々の方法が、アッセイに利用 可能な複数の均質ペプチドを合成するために開発されている。これらの方法とし ては、マルチピン(multi-pin)合成(Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998、1984;Valerio、Anal.Biochem.197:168、1991;Brayら、Tetrahedro n Lett.32:6163、1991)および「ティーバッグ(teabag)」法(Houghtenら、Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131、1985;Houghtenら、Int.J.Pept.Protei n Res.27:673、1986)が挙げられる。複数の縮重ペプチドがまた、使用のため に合成され得る。アミノ酸混合物の単一の樹脂支持体への同時結合は、複数のペ プチドを合成するための一般的方策である。近年、可溶性ペプチド(Houghtenら 、Nature 354:84、1991;Houghtenら、Biotechniques 13:412、1992)および 固体支持体に結合したペプチド(Lamら、Nature 354:82、1991)のコンビナトリ アルライブラリーが、「分割合成(split synthesis)」法により合成されてい る。ペプチド構造に対する識別子を含むビーズ上でのペプチド合成(PCT WO 93/ 06121)を包含する、これらの合成に対する多数の改変法が開発されている(概 説のため、Gallopら、前出を参照のこと)。このような識別子の1つは、オリゴ ヌクレオチド配列である(Needelsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10700、 1993)。ランダムペプチドの他の合成は周知であり、当業者により容易に実施さ れ得る。 天然または合成の非ペプチド小分子もまた、リガンドインヒビターとして使用 され得る。CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターについてスクリーニングさ れる小分子のライブラリーは、土壌サンプル、植物抽出物、海洋微生物、発酵ブ ロス、真菌ブロス、薬学的化学ライブラリー、コンビナトリアルライブラリー( 化学的および生物学的の両方)などから得られる。このようなライブラリーは、 種々の供給源(市販および私有の両方)から得られ得る。 候補化合物と類似であるが、同一ではない構造を有する分子は、下記のように 合成され、そしてリガンド阻害について試験され得る。小ペプチド配列は、CRF の溶液NMR構造に関して設計され得る。上記のように、CRF-BPへの結合のためのC RFにおける鍵となる接触残基は、残基22、23、および25である。従って、残基20 〜27由来のペプチド配列は、ヒトCRFの参照溶液構造から設計され得、この構造 は1H NMRおよび制限された分子動力学(restrained molecular dynamics)をと もなう隔りの幾何学形状(distance geometry)により決定される(Protein Eng ineering 6:149、1993)。インタクトのCRF分子が、設計の基礎として使用され る。なぜなら、欠失が大きくなると、CRFのαらせん構造が失われる可能性があ るからである。次いで、重要な接触残基にまたがる小ペプチドの3-D構造は、ペ プチド構造を模倣する非ペプチド分子についてのコンピューターバンクを検索す るために使用され得る。出発分子よりも低いIC-50値を有する分子が選択される 。さらなる分子は、開始化合物およびそれらの分子の物理的および生化学的特性 に基づいて合成される。特に好ましい候補は、10nM以下のIC-50値を有する。 上記の任意のインヒビターが必要な特性を有するかどうかの決定は、インヒビ ターのCRF/CRF-BP結合複合体からCRFを置換する能力をアッセイし、次いでイン ヒビターのCRFレセプターを結合する能力を評価することによりなされ得る。 候補リガンドインヒビターは、生物学的アッセイまたはインビトロアッセイに より、CRF/CRF-BP複合体からCRFを置換するそれらの能力についてスクリーニン グされ得る。1つの適切な生物学的アッセイは、培養した下垂体細胞からのACTH 放出の測定である。このアッセイは、以下の方法で実施される。ラット由来の下 垂体前葉は、無菌HEPES緩衝液で6回洗浄され、そしてコラゲナーゼを含有する 溶液に移される。続いて25mlのBellco分散フラスコに移した後、下垂体を37℃で 30分間撹拌し、すりつぶし、さらに30分間インキュベートし、そして再度すりつ ぶす。次いで部分的に分散した細胞を、遠心分離により採集する。細胞ペレット は、10mlのノイラミニダーゼに再懸濁され、そして再度遠心分離により採集され る。このペレットを25mlのBBM-P(BBM(Irvine Scientific)+100μg/Lコルチ ゾル、1μg/Lインスリン、0.1μg/L EGF2、0.4μg/L T3、0.7μg/L PTH、10μ g/Lグルカゴン、および2%ウシ胎児血清)中で再構築し、再度遠心分離し、そ して得られるペレットを最終的にBBM-P中で再構築する。次いで細胞は、50,000 〜100,000/ウェルの密度で48ウェルプレートにプレートされ、そして2日間イン キュベートされる。アッセイ当日に、細胞は、ペプチド候補またはCRFでの刺激 の準備に、BBM-Tで1回洗浄される。細胞はh/rCRF(1nM)の最大刺激用量で刺 激され、ACTH放出はRIAまたは免疫放射性分析アッセイにより測定される。阻止 濃度のCRF-BPが添加される場合、放出されるACTHの量は減少し、そして最大放出 の画分として表される。リガンドインヒビターは、種々の用量で添加される。CR F-BPからCRFを置換するペプチドの能力は、単独で与えられたCRFにより引き起こ された最大放出の画分として表されるACTH放出の量により測定される。 候補リガンドインヒビターをスクリーニングする好ましい様式は、インビトロ リガンド免疫放射性分析アッセイ(LIRMA)による。LIRMAについて、CRF-BPは、 脳組織、血清または組換え形態を発現する細胞から単離され得る。組換えhCRF-B Pは、pSG5-hA3およびRSV-neoプラスミドを有するチャイニーズハムスター卵巣( CHO)細胞において産生され得る。安定なCHOトランスフェクタントは、G418(Si gma Chemical、St.Louis、MO)選択下で希釈することによりクローン化さ れ、そして2mM L-グルタミンおよび3%ウシ胎児血清を補充したDulbeccoの改 変イーグル培地中に維持される。hCRF-BPの産生をスケールアップするために、 トランスフェクトされたCHO細胞は、10,000MWCOバイオリアクター(Cell Pharm Micro Mouse、Unisyn Technologies、Tustin、CA)に接種される。富化培地は 、バイオリアクターから毎日採取され、そして精製まで-20℃で保存される。あ るいは、組換え細胞および組織培養培地を含む閉鎖ローラーボトル(closed rol ler bottle)(37℃の環境でゆっくり回転させる)が使用され得る。 hCRF-BPは、各工程由来の画分が下記のアッセイを用いて評価される3つの工 程のプロセスにより精製され得る。第1に、富化培地は、Bio Pilotクロマトグ ラフィー装置(Pharmacia LKB Biotechnology、Uppsala、Sweden)を用いてアフ ィニティー精製される。ヒトCRFは、N-ヒドロキシスクシンイミドを用いて、1 級アミノ基を介してAffi-Prep 10(Bio Rad Laboratories、Richmond、CA)に結 合される。結合後、アフィニティーゲルは、XK16または等価なカラム(Pharmaci a LKB Biotechnology、Uppsala,Sweden)に充填される。アフィニティー精製は 、富化培地を2ml/分でカラムに通して濾過する工程、5ml/分で10ベッド容量の 100mM HEPES HCl(pH7.5)で洗浄する工程、および5ml/分で20%アセトニトリ ルを含有する80mMトリエチルアンモニウムホルメート(pH3.0)を用いて1ベッ ド容量の画分を溶出する工程からなる。あるいは、穏和な塩基性条件(例えば、 pH約10.5)下での溶出が使用され得る。 二次精製はゲルクロマトグラフィーを利用する。アフィニティー的に純粋なhC RF-BPは、凍結乾燥され、そして0.1M酢酸アンモニウム(pH4.75)で緩衝化され た6Mグアニジン-HCl中で再構築される。FPLC装置は、この精製工程のために直 列に連結された2つのSuperose 12 HR 10/30カラム(Pharmacia LKB Biotechnol ogy、Uppsala、Sweden)と共に使用される。アフィニティー的に純粋なhCRF-BP は、1ml中で充填され、続いて0.4ml/分で6MグアニジンHCl/0.1M酢酸アンモニ ウム(pH4.75)で溶出され、毎分画分が採集される。 次いで、二次精製からの活性画分は、逆相HPLCに供される。HPLC装置は、2つ のmodel 100Aポンプ(Beckman、Palo Alto、CA)、Axxiom HPLCコントローラー (Cole Scientific、Calabasas、CA)、Spectroflow773吸光度検出器セット(2 14nmに対する)(Kratos Analytical、Ramsey、NJ)、およびPharmacia.model4 82チャートレコーダー(Pharmacia LKB Biotechnology、Uppsala、Sweden)から なる。緩衝液Aは、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/5%アセトニトリルであり 、緩衝液Bは、0.1%TFA/80%アセトニトリルである。続いて、アフィニティー 的に純粋な、同サイズのhCRF-BPの1ml注入液を、25%B緩衝液中2.5ml/分の流 速で、イソクラチックな条件下で半分取C4 HPLCカラム(Vydac、Hesperia、CA) に付与する。最終塩ピークの通過後、単一勾配の溶出を、25%B緩衝液から始め て30分かけて95%B緩衝液まで増加させて実施する。次いで、優勢な吸光度ピー クを、hCRF-BP IRMAおよびアミノ酸分析により定量する。 LIRMAにおいて、脳組織、血清、または組換え形態を発現する細胞から単離さ れたCRF-BPは、結合緩衝液(50mMリン酸緩衝化生理食塩水中の0.02%NP-40)中 で、96ウェルプレートのウェル、小さなポリプロピレン微小遠心管、またはホウ ケイ酸ガラスチューブに添加される。125I-h/rCRF(New England Nuclear)およ び10μMの候補リガンドインヒビターが添加され、そして反応物は室温で1時間 インキュベートされる。適切に希釈された抗CRF-BP抗体(例えば、ウサギ抗hCRF -BP(Potterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4192-4196、1992)を、各チュ ーブに添加し、そしてさらなるインキュベーション後、結合複合体は、ヤギ抗ウ サギ抗体をさらに添加することにより沈澱する。125I-CRFを含む沈殿物を、遠心 分離により採集し、そしてペレット中の放射活性の量を、ガンマ線カウンターに より測定する。候補リガンドインヒビターがCRF-BPからCRFを置換する場合、ペ レットは、候補ペプチドが添加されないコントロールと比較して、含まれる放射 活性が少ない。125I-h/rCRFのCRF-BPへの結合の最大阻害(すなわち、100%)は 、10μMのCRF-BPペプチドリガンドh/rCRF(6-33)とのインキュベーション後に ペレットに残存する放射活性の量により定義される。従って、候補リガンドイン ヒビターの結合能力は、標準h/rCRF(6-33)の能力に対して測定される。好まし くは、リガンドインヒビターが存在する場合、少なくとも50%の阻害が存在する 。 阻害の結合アフィニティー定数(Ki)は重要である;このアッセイから、0.17 +0.01ナノモーラー(nM)であると見出されるヒトCRFについてのKiに対するその 値に従って適切な予想で調査される。従って、hCRFのKiよりも低いKiを有するリ ガンドは、hCRF自体よりもhCRF-BPに強力に結合し、そしてより高い値を有する リガンドは、相対的により低い結合アフィニティーを有する。それゆえ、hCRF-B Pとの結合に対してhCRFと合理的かつ効果的に競合することが望まれるので、試 薬またはペプチドがより低いKi値を有するほど、この目的に対してより有益であ る。好ましくは、試薬は、約20nM以下のKi値、より好ましくは約10nM以下のKi値 、最も好ましくは約5nM未満のKi値を有する。hCRF(6-33)はアッセイされ、3. 5+0.44nMのKi値を有することが見出された。この試薬はまた、ヒトCRFレセプタ ーに対して低い結合アフィニティー(すなわち、1000nMを超える阻害の結合定数 )を有し、そしてoCRFの約0.1%未満のCRFアゴニズム(agonism)を示すので、 本発明の方法における使用に対して優れた選択であると考えられる。ヒトCRF(9 -33)は11+0.36nMのKi値を有し、そしてそれはまた1000nMを超えるレセプターKi を有し、かつより弱いCRFアゴニストでもあるので、これもまた本発明の方法に 非常に有用である。他の類似の試薬およびペプチド(特に、19と28との間の残基 を有するようなhCRFのアナログ)が合成され、そしてこの簡単な方法で試験され て、インビボでの内因性hCRFの有効濃度を増加するためのこれらの有益な方法に おけるそれらの有効性を決定し得る。本明細書中に特に列挙されるペプチドは、 特に有益であるように思われる。例えば、(Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27 、Arg28]-hCRF(4-28)は、1.7+1.2のKiおよびhCRFレセプターに対して比較的低 い結合アフィニティーを有する。 従って、記載されるようなLIRMAアッセイまたはACTH放出および2-部位ELISAを 包含する他の方法を用いる高処理量スクリーニングが使用され、CRF/CRF-BP複合 体からCRFを置換する小分子を同定し得る。スクリーニングの第1ラウンドにお いて、全ての潜在的候補は、10μMの単一用量でアッセイされる。次いで、10μM で50%を超える阻害を与える任意の化合物は、さらなるスクリーニングのために 選択される。この基準を満足する全ての候補の活性は、6ポイントの用量応答曲 線を用いるスクリーニングの第2ラウンドにより確認される。IC-50値が計算さ れ、そして10μM−100μMの範囲の値を有する候補がさらに試験されて、候補化 合物がCRF/CRF-BP複合体からCRFを置換し、そしてCRF-BPへの抗体結合を妨害し ないことを確実にする。CRFの特異的置換は、非標識CRF-BPの代わりに0.2nM 125 I -hCRF-BPを添加したこと以外は、LIRMAについて記載されるように実施したアッ セイにおいて証明される。 リガンドインヒビターはまた、結合CRFおよび遊離CRFが界面活性剤相分離によ り分離されるインビトロアッセイによりスクリーニングされ得る。簡潔に述べれ ば、1つの実施態様において、上記のように単離されたCRF-BPは、結合緩衝液( 50mMリン酸緩衝化生理食塩水中の0.02%NP-40)中、125I-h/rCRFおよび10μMの 候補リガンドインヒビターとインキュベートされる。室温で1時間〜2時間のイ ンキュベーション後、界面活性剤(例えば、オクチルフェノキシポリエトキシエ タノール、Triton X-114TMとして市販されている)が添加され、そしてボルテッ クスにより混合される。Triton X-114TMおよび他の非イオン性界面活性剤は、そ れらの曇点を超える温度では水に不溶である。この温度で、微視的相分離が起こ る。この温度未満では、界面活性剤は透明なミセル溶液を形成し、この温度を超 えると、透明な2相(1つの相は界面活性剤が枯渇し、もう一方の相は界面活性 剤が濃縮されている)が形成される。Triton X-114TMの曇点温度は20℃である。 このように、Triton X-114TMが好ましい。両親媒性αらせんを有するCRFは、Tri ton X-114TM中により可溶であり、従って界面活性剤相に分配される。対照的に 、CRF-BPに結合したCRFは、水溶液中により可溶である。従って、Triton X-114T M と水溶液との相分離は、結合CRFおよび遊離CRFを分離する。相分離は、遠心分 離により都合良く達成される。水相(上部)が取り出され、125I-h/rCRFの量が 測定され得る。リガンドインヒビター非存在下で得られた放射活性に対する放射 活性の減少は、リガンドインヒビターがCRF-BPからCRFを置換したことを意味す る。125I-h/rCRFのCRF-BPへの結合の最大阻害(すなわち、100%)は、10μMのC RF-BPペプチドリガンドh/rCRF(6-33)とのインキュベーション後の水相中の放 射活性の量により定義される。従って、候補リガンドインヒビターの結合能力は 、標準h/rCRF(6-33)の能力に対して測定される。好ましくは、リガンドインヒ ビターが存在する場合、少なくとも50%の阻害が存在する。 さらに、このアッセイは、神経ペプチド結合タンパク質一般のスクリーニング において広範な用途を有する。いくつかの神経ペプチド(例えば、NPY)は、CRF と類似の物理特性を有する。なぜならそれらは両方とも非常に疎水性であり、そ してαらせんを有する点において。このように、NPYは、水溶液中よりも非イオ ン性界面活性剤(例えば、TritonX-114TM)中により可溶であるべきである。目的 のNPYまたは他の神経ペプチドが、一般に、Triton X-114TM界面活性剤相に分配 されると仮定すると、上記の方法は、神経ペプチド結合タンパク質をスクリーニ ングするために一般的に使用され得る。簡潔に述べれば、例示により、種々の器 官由来の組織は、1%NP-40/PBS可溶化緩衝液中で均質化される。粒子状物質は 、3000 x gで10分間遠心分離することにより取り除かれる。上清からの50μlの アリコートは、500pMの125I-標識神経ペプチドとインキュベートされ、そしてア ッセイは上記のように実施される。血清または血漿もまた、神経ペプチド結合タ ンパク質の潜在的供給源として使用され得る。濃度範囲(0.1nM〜1000nM)の非 標識神経ペプチドは、放射標識神経ペプチドと同時インキュベートされ、推定の 結合タンパク質が放射標識神経ペプチドを特異的に結合するかどうかを評価する 。結合が特異的である場合、Triton X-114TM分離後の水相中に残存する放射活性 は減少する。この方法を用いて、IC-50値は、神経ペプチドおよび組織抽出物の 各々に対して確立され得る。 さらに、この方法は、その神経ペプチド結合タンパク質に対する神経ペプチド のリガンドインヒビターについてスクリーニングするために使用され得る。簡潔 に述べれば、放射標識神経ペプチドを、神経ペプチド結合タンパク質または可溶 性レセプターとインキュベートし、そして反応を上記のように実施する。これら のアッセイには、組換え神経ペプチド結合タンパク質またはレセプター、あるい は組織サンプルから単離された粗製神経ペプチド結合タンパク質のいずれかが使 用され得る。 好ましいリガンドインヒビターは、CRFレセプターに対して低親和性アンタゴ ニスト効果を有するか、またはCRF結合タンパク質に対して100倍の選択性を有す るかのいずれかである。従って、10μM〜100μMの範囲のIC-50値およびCRF/CRF- BP複合体の特異的阻害を有する化合物は、CRFレセプターに対する結合について さらに試験される。リガンドインヒビターのCRFレセプターについて拮抗する能 力は、cAMP産生アッセイにおいて評価される。このアッセイは、CRFレセプター に結合する遊離CRFのレベルを増加し、そしてcAMP産生を刺激するリガンドイン ヒビターの効力を比較する。試験細胞株は、安定なトランスフェクタントとして CRFレセプターを発現する。このアッセイは、わずかな改変を有するBattagliaら (Synapse 1:572、1987)に従って実施される。試験細胞を、種々の濃度CRFおよ びリガンドインヒビターで1時間インキュベートする。細胞を洗浄し、そして細 胞内cAMPは、16時間〜18時間の細胞のインキュベーションの際に放出され、続い て20mM HCl、95%エタノール中に抽出される。溶解物は凍結乾燥され、続いて酢 酸ナトリウム緩衝液中に可溶化される。cAMPのレベルは、単一の抗体キット(例 えば、Biomedical Technologies(Stoughton、MA)製のキットから)を用いて測 定される。 前記の競合インビトロ評価アッセイを実施することの代替として、リガンドイ ンヒビターは、ヒトCRFレセプターを用いる結合アッセイにおいて評価され得る 。ヒトCRFレセプターならびにこのようなレセプターおよびヒトCRFのための結合 アッセイは、Chenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8967-8971、1993(この 開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。試薬は、放射 標識された[Nle21、Tyr32]oCRFを用いて評価され、阻害結合親和性定数(Ki)を 計算し得る。好ましくは、試薬は、少なくとも約100nM、より好ましくは1000nM を超えるレセプターKiを有する。あるいは、ラットCRFレセプターの使用は満足 のいくものである。なぜなら、ヒトCRFとラットCRFとは、同一のアミノ酸配列を 有するからである。 ACTH分泌を測定するための、ラット下垂体前葉細胞を用いるさらなるアッセイ が実施され、リガンドインヒビターがhCRFレセプターのCRFアゴニストとして機 能するかどうかを決定し得る。使用される手順は、リガンドインヒビターのみが 細胞に添加されること以外は、一般に上記に示す通りである。アンタゴニスト作 用は、チャレンジ用量のCRF存在下でアッセイを実施することにより決定され得 る。リガンドインヒビターの性能は、この目的のための標準のアンタゴニストと なる物(例えば、CD-Phe12、Nle21,38]-rCRF(l2-41)またはαらせんCRF(AHC)の フラグメント(例えば、AHC(9-41))の性能と比較される。 ACTH分泌の刺激の見地からCRFアゴニスト活性およびアンタゴニスト活性を測 定するための上記で同定したインビトロアッセイは、hCRF(6-33)およびhCRF(9-3 3)を用いて実施され得る。このようなアッセイの結果として、hCRF(6-33)は、仮 に1.0であると考慮される標準のoCRFよりもかなり低いCRFアゴニストの生物活性 を有することが示される。このペプチドは、実質的なCRFアンタゴニスト活性を 示さない。このペプチドは、標準のペプチドの約0.1%未満のCRFアゴニスト活性 しか有さないので、この見地から受容可能である。ペプチドhCRF(9-33)は、oCRF の活性の0.01%未満しか実質的に有さない弱いCRFアゴニストでもある。使用さ れる試薬は、CRFレセプターに強力に結合しないことが望まれる。試薬は、oCRF のCRFアゴニスト活性の約25%未満しか有さないべきであり、そして実質的なCRF 競合アンタゴニスト活性を示すべきでないと、一般に考えられる。好ましくは、 試薬は、本発明の標準ペプチド[DPhe12、Nle21,38]-hCRF(12-41)のアンタゴニス ト活性の5%未満しか有さないべきである。しかし、CRFレセプターへの結合の 結果として、潜在的阻止効果が最小になるので、このようなアッセイにおいてそ の値が低下すれば、この方法において試薬がより良好に機能することが理解され るべきである。 治療的処置の方法を提供することに加えて、本発明はまた、哺乳動物へのイン ビボ投与のためのより効果的なCRFアンタゴニストを選択するためのペプチドま たは他の薬剤をスクリーニングする方法を提供する。このスクリーニング手順を 行うために、候補ペプチドをまず、前記の周知のアッセイで評価する。このアッ セイは、試験用量のCRFによるラットinterior下垂体細胞の培養物からのACTH分 泌の刺激を阻害する、候補ペプチドの生物学的効果を測定することによって行わ れる。次いで、候補ペプチドは、そのKiを決定するために、前記のhCRF-BP競合 結合アッセイで評価される。Kiは前記のようにhCRF-BPへの結合親和性の指標で あり、これは注入したペプチドが指向する標的細胞の部位からの注入ペプチドの 除去の傾向を示す。これらの2つのアッセイの結果の評価に基づいて、特に有効 なCRFアンタゴニストが選択され得る。このアンタゴニストは、CRF拮抗作用アッ セイで高い値を有し、さらに、高い(CRF-BP)Kiもまた有する。これは相対的に低 いhCRF-BPへの結合親和性を表すことを示す。現在の実験標準品であるCRFアンタ ゴニスト[D-Phe12,Nle21,38]-hCRF(12-41)は、培養された下垂体細胞からのACT H分泌によって測定したときに、非常に良好なアンタゴニスト特性を有してお り、Ki値は、約60±10nMである。その(CRF-BP)Kiは、300±20nMである。別の良 好なCRFアンタゴニスト、すなわちAHC(9-41)、これは現在の標準品ほど有効では ないが、非常に低い0.10±0.036nMというKi値を有する。[D-Phe12,Nle21,38,CM L37]-hCRF(12-41)は、下垂体細胞培養でACTH分泌アッセイを行ったときに、1000 nMより大きい(CRF-BP)Kiを有し、そして45±11nMのIC50を有していた。従って、 現在の実験標準品よりもいっそう高く位置づけられる。従って、これらのスクリ ーニングアッセイに基づけば、後者のペプチドまたはこの実験標準品は、AHC(9- 41)と比較してえり抜きのペプチドであり、インビボでhCRF-BPにより複合体化さ れそして除去されるより大きな傾向を有する。このように、このスクリーニング アッセイは、新規に合成されたペプチドをスクリーニングして、インビボ処置の ための潜在的なCRFアンタゴニストとしての、これらのペプチドの相対的な価値 を全体的に評価するための貴重な道具を提供する。CRF のレベルの上昇 本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの投与を介して、脳中の 遊離CRFのレベルを上昇させる方法を提供する。遊離CRFのレベルの上昇は、イン ビトロアッセイ(例えば、ELISA、ACTH放出の刺激、あるいはcAMP生成の刺激) により測定され得る。任意のこれらのアッセイにおいて、リガンドインヒビター の投与による遊離CRFの増加は、参照リガンドインヒビター(この場合はh/rCRF( 6-33))と比較して測定される。最少の許容される増加値は、h/rCRF(6-33)につ いての値の10%である。中程度の値は50%であり、好ましい値は80%であり、そ して特に好ましい値は、100%である。 本明細書に記載された方法において、遊離CRFのレベルが、脳サンプル、脳脊 髄液あるいは他の身体の組織および体液のホモジネートに対する2-部位ELISAで 測定され得る。総CRFはまず、以下のように定量される。ELISAプレートのウェル を抗-CRF抗体(例えば、プロテインG精製-ヒツジ抗-CRF)でコートする。プレ ートを洗浄し、そして無関係なタンパク質(例えば、カゼイン、ウシ血清アルブ ミン等)でプレート上の非結合部位をブロックする。調製した組織サンプルおよ び既知の量のCRFを含む標準品をウェルに加え、そして室温で結合させる。結合 後、プレートを再度洗浄し、そして異なる抗-CRF抗体(例えば、RC-70、ウサギ の抗-ヒトCRF抗体)を加える。RC-70は、異なる種から得られるだけではなく、 プレートをコートするのに用いたヒツジ抗CRF以外の異なるエピトープを検出す る。洗浄後、RC-70を検出する酵素接合抗体あるいはその等価物を加える。ある いは、RC-70抗体が酵素と接合され得る。好適な接合物は、西洋ワサビペルオキ シダーゼおよびアルカリホスファターゼであるが、しかし当業者には、多くの異 なる、許容し得る代替物(酵素の代わりに放射ラベルを含む)が利用できること が認識される。酵素基質が添加され、そして発色させる。反応終了後、吸光度測 定を用いて、組織サンプル中に存在する総CRF量を定量する。当業者にはモノク ローナル抗体または抗体フラグメントが、このアッセイにおいてポリクローナル 抗体の代わりに使用され得ることが認識される。 同様な方法で、プレートを抗CRF-BP抗体でコートし、次いで、結合したCRFを 抗CRF抗体で検出するELISAにより、結合したCRFが定量され得る。結合したCRFは 、CRF-BPリガンドαらせんoCRF(9-41)によって特異的に置換され、検出されるシ グナルが減少する。αらせんoCRF(9-41)は、RC-70(抗CRF抗体)と交差反応しない ので、置換に用いられる。さらに、次いで、上清中の置換されたCRFは、上記の2 -部位ELISAでアッセイされ得る。次いで、遊離CRFは、次に総CRFと結合CRFの間 の差異を計算することによって、あるいは直接的アッセイにより測定され得る。 直接的アッセイにおいては、結合複合体を抗CRF-BPモノクローナル抗体によって 捕獲した後に、上清を取り、そして遊離CRFを上記の2-部位ELISAにおいて測定す る。 リガンドインヒビターであるαらせんヒツジCRF、が正常個体およびアルツハ イマー病患者の両方の脳組織中の遊離CRFレベルを上昇させることが、本明細書 に示されている。2-部位ELISAを用いて、総CRFおよび結合CRFの量を測定した。 αらせんヒツジCRFの添加により、すべての結合CRFが放出された(図2および実 施例5を参照のこと)。 組織あるいは脳脊髄液中の総CRF、結合CRFおよび遊離CRFの量を測定する記載 したインビトロアッセイに加えて、他の手順がインビボで行われ得る。これらに は、MRI、PETSCAN、分光走査(spectscanning)あるいはその他の類似の画像化技 術が含まれ、これらのうちのいくつかは、CRF-BPまたはCRFレセプターに対する 放射標識リガンドを用いる。好ましい方法は、PET陽電子射出(position-emittin g)リガンド(例えば、11C、18F)または単光子放出リガンド(例えば、CRF-BPあ るいはCRFレセプターに対する123I標識されたリガンド)を用いる画像解析であ る。遊離CRFレベルは、放射標識リガンドの結合量と相関する。遊離CRFレベルの 上昇は、CRF-BPおよびCRFレセプターに対する放射標識リガンドの結合の減少に より明らかになる。この画像化技術の範囲内では、約10〜30%またはそれ以上の 遊離CRFレベルの上昇が、本発明の関係においては、十分である。 本発明の状況において、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの有効量を 投与によって、CRFレベルが減少している疾患または症候群の処置が行われ得る 。CRFレベルは、脳脊髄液においてまたは脳内で、画像化法によって直接、ある いは他の方法(例えば、cAMP産生、ACTH放出または2-部位ELISA)によって、測定 され得る。このような疾患または症候群は以下を包含する:痴呆または学習およ び記憶喪失の症状、肥満症、慢性疲労症候群、異型鬱病、分娩後鬱病、季節性鬱 病(seasonal depression)、甲状腺機能低下、外傷後ストレス症候群、ニコチン 禁断症状、炎症性疾患に対する感受性(vulnerability to inflammatory disease )。これらの症候群(肥満症、慢性疲労症候群、および炎症性疾患に対する感受 性を除く)の定義は、Diagnosis and Statistical Manual of Mental Disorders (第4版)、American Psychiatric Association,Washington,D.C.,1994(以 下、DSM−IV)に提供されている。CRF 関連ペプチド CRFとは異なる他のペプチド分子は、CRF-BPを結合する。例えば、ヒト神経ペ プチドウロコルチン(Vaughanら、Nature 378:287,1995)は、ヒトCRF-BPに対し て高い親和性を有する。いくつかの非哺乳動物ペプチド(例えば、ソーバギンお よびウロテンシン)もまた、高い親和性でCRF-BPに結合する。従って、CRF-BPは 、CRF関連ペプチドのファミリーのモジュレーターであり得る。例えば、インビ トロ実験は、ラットウロコルチンが、ヒト脳組織において通常に見出されるCRF/ CRF-BP複合体を破壊し得ることを示す。このような破壊は遊離CRFレベルを増 加させる効果を有し、従って、これはより多くのCRFをそのレセプターへの結合 に対して利用可能にする。本発明のリガンドインヒビターはまた、哺乳動物にお けるウロコルチンおよびCRFファミリーの他のメンバーの遊離レベルを上昇させ るために使用され得る。ウロコルチン(ならびに他のCRF関連ペプチド)の増大 を測定するためのアッセイは、適切な検出分子(例えば、ウロコルチンに対する 抗体)が用いられることを除いて、本質的に的にCRFについて本明細書に記載さ れたように実施される。さらに、ウロコルチン、ソーバギン、ウロテンシンなど およびそれらのアナログは、CRF/CRF-BP複合体を阻害し、そして遊離CRFレベル を上昇させるか、またはウロコルチン/CRF-BP複合体を阻害し、そして遊離ウロ コルチンレベルを上昇させるために使用され得る。ウロコルチンの血圧を低下さ せる効果を考えると、このようなリガンドインヒビターは、高血圧を処置するに 有用であり得る。さらに、ウロコルチンは、動物において摂食行動を有意に抑制 するようであり、従って、このようなリガンドインヒビターは、食物摂取を調節 するに有用であり得る。学習と記憶の改善 上記のように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの治療的 有効量を患者に投与して学習および記憶を改善する方法を提供する。このような 患者は、痴呆、または学習および記憶喪失の症状に基づく臨床診断を通して同定 され得る。健忘的障害を有する個体は、新情報を学習する能力が損なわれている か、または以前に学習した情報または過去の事象を思い出せない。記憶欠損は、 自発的想起を必要とする課題において最も明らかであり、そしてまた試験者が個 人に後の時点で想起するように刺激を提供した場合に明らかである。記憶障害は 、社会的あるいは職業的機能の著しい欠陥を引き起こす程十分に重篤でなければ ならず、そして以前の機能レベルからの有意な変化を示さなければならない。 痴呆は、以前の機能レベルからの有意な変化を表す多数の臨床的に重要な認識 欠損により特徴付けられる。新しい題材を学習できないこと、または以前に学習 した題材を忘れることを含む記憶欠陥は、痴呆の診断をするのに必要とされる。 記憶は、正式には、個人に情報の記録、保持、想起および認識を質問することに より試験され得る。痴呆の診断はまた、以下の少なくとも一つの認識障害が必要 である:失語症、失行症、失認、あるいは実行機能の障害。それぞれ、言語、運 動動作、対象認識、および抽象的思考におけるこれらの欠損は、記憶欠損と関連 して職業的機能または社会的機能の欠陥を引き起こすために十分に重篤であるに 相違なく、そして以前のより高い機能レベルからの低下を示すに相違ない。 さらに、CRFのレベルと損なわれた学習および記憶との相関関係を示す多数の 生化学的試験が利用され得る。例えば、脳脊髄液中の遊離CRFのレベルが、ELISA あるいはRIAにより測定され得る。さらに、またはこのアッセイの代わりに、上 記のCRF-BPまたはCRFレセプターに特異的な標識リガンドを用いる脳の画像化を 用いて、遊離のレセプターあるいはCRF-BPを定量し得る。従って、遊離CRFが減 少したことを知ることができる。最後に、結合していないCRFに特異的なリガン ドを用いる脳の画像化は、脳中の遊離CRFの量を直接アッセイするために用いら れ得る。 患者のミニメンタル(minimental)状態が、学習および記憶のミニメンタル試験 で記録される。この試験は、患者が損なわれた学習および記憶を有するか否かを 決定するために臨床医により用いられる標準的な試験である(Folsteinら、J.Psy chiatric Res.12:185,1975)。この試験は、多数の簡単な課題と書面の質問を 含んでいる。例えば、「対連合子」の学習能力は、頭部の外傷、コルサコフ病, または卒中を患う患者を含むいくつかのタイプの健忘症患者において損われる(S quire,1987)。10組の無関係な言葉(例えば、軍隊知能検査表(army−table))を 被験体に読ませる。次いで、被験体はそれぞれの組の第一の言葉を与えられたと きに第二言葉を思い出すために質問される。記憶欠陥の尺度は、対応コントロー ル群に対応する、思い出した対連合子の言葉の減少数である。これは、痴呆傾向 の障害または健忘障害の初期段階で急速に衰退する種類の短期作動記憶の指標と して供される。 学習と記憶の改善は、(a)プラセボ群のメンバーの作業と比較してリガンド-イ ンヒビター処置患者の作業との間の統計的に有意な差;または、(b)疾患モデル に適切な尺度における正常性の方向への作業の統計的に有意な変化、のいずれか を構成する。このストラテジーは、記憶の改善に治療的に有用なコリン作動性物 質の同定にうまく適用されている。疾患の動物モデルまたは臨床例は、定義によ って正常のコントロールから区別できる症状を示す。従って、効果的な薬物療法 の尺度は、有意であるが、しかし必ずしも完全でない、症状の逆転である。記憶 作業の遂行を改善するように作用する臨床的に有効な「認識強化」薬剤によって 、記憶病理学の動物モデルおよびヒトモデルの両方において改善が促進され得る 。例えば、アルツハイマー型の痴呆および記憶喪失を患う患者における置換療法 でコリン作動性物質として作用する認識エンハンサーは、対連合子課題のような 範例において、短期作動記憶を著しく改善する(DavidsonおよびStern,1991)。 記憶欠陥に対する治療的介入への他の潜在的な適用は、加齢マウスにおける最近 の記憶の長期的研究によって、効果的にモデル化される作業における加齢性欠損 により示唆されている(ForsterおよびLal,1992)。 動物において、学習および記憶のいくつかの樹立されたモデルを利用して、CR F-感受性ニューロンの活性化の有益な認識強化効果および潜在的な不安関連副作 用効果を検討する。認識強化効果は、モリス迷路(StewartおよびMorris.Behavi oral Neuroscience,R.Saghal編(IRLPress,1993)107頁)およびY迷路(Britsら 、Brain Res.Bull.6,71(1981))試験により測定される;不安関連効果は高架 式プラス迷路(elevated plus-maze)試験により評価される(Pellowら、J.Neuros ci.Meth.14:149,1985)。 モリス水迷路は、学習および記憶の最も有効なモデルの一つであり、そして種 々の薬理学的薬剤の認識強化効果に対して感度がよい(McNamaraおよびSkelton,B rainRes.Rev.18:33,1993)。迷路の中で行われる課題は、脳の海馬の操作に対 して、特に感度がよい。海馬は、動物における空間的学習およびヒトにおける記 憶強化にとって重要な脳の領域である。さらに、モリス水迷路行動における改善 は、化合物の認識エンハンサーとしての臨床的効力を予測させる。例えば、コリ ンエステラーゼインヒビターまたは選択的ムスカリン様コリン作用性アゴニスト を用いる処置は、学習および記憶についてのモリス迷路動物モデル、ならびに痴 呆を有する臨床個体群における学習欠損を逆転する(MacNamaraおよびSkelton,19 93;DavidsonおよびStern,1991;McEnteeおよびCrook,1992;Dawsonら、1992)。 さらに、この動物範例は、加齢に伴う欠陥の増加程度(Levyら、1994)、お よび、予備試験の遅延または干渉に対する記憶痕跡の増加した感受性(vulnerabi lity)(StewartおよびMorris,1993)(これは健忘症患者の特徴である)を正確に モデル化する。 この試験は、単純な空間的学習課題であり、ここでは、動物が粉ミルクの添加 により不透明であるぬるま湯の中に置かれる。動物は、迷路および試験部屋の中 に位置する視覚的な合図に関連するプラットホームの位置を学習する;この学習 を、場所学習という。 以下により詳細に述べる(実施例6参照)ように、1〜3日目のそれぞれの訓練 の15分前に、動物群に、コントロール溶液か、あるいは0.1、1、5、または25μg のリガンドインヒビターペプチドh/rCRF(6-33)またはh/rCRF(これは、そのうえ に、CRFレセプターにおけるアゴニストである)のICV注入を与える。非ペプチド インヒビターを用いる場合、注入量はそれに応じて調整される。コントロール動 物は典型的には、3日間の訓練後、5から10秒以内にプラットホームに到着する 。リガンドインヒビターの記憶調整効果の尺度は、この時間のシフトである。リ ガンドインヒビターの投与により、シナプスCRFの有効性における用量依存性増 加ならびに習得および記憶保持における行動の用量依存性増加となる。毎日の試 験前のh/rCRFおよびh/rCRF(6-33)の投与により、モリス水迷路試験で学習を有意 に強化した(図4、上のパネル)。学習と記憶の増加を生むためにはもう少し高 いCRF(6-33)の用量が必要であった。 視覚的弁別に基づくY迷路試験は、動物における学習および記憶の別のアッセ イである。この迷路では、迷路の2つのアームの末端が半透明のプラスチックパ ネルになっており、このパネルの後ろには40ワットの電球がある。スタートボッ クスは、第3のアームから手動のギロチンドアで分離されている。最初の試行で は、すべての動物に5分間迷路を探査させ、そして各アームでは食餌ペレットが 入手可能である。2日目には、それぞれの動物をドアを閉めたスタートボックス におく。ドアをあけると、動物はアームに沿って移動して、両方のアームに置い てある食餌ペレットを摂食することができる。第3日目には、3匹づつのグルー プで6回の試行を受ける。このとき、1つのアームは、選択ポイントで閉じられ ており、識別し得る刺激はなく、そして2つの食餌ペレットが、開いたゴールボ ックスで入手可能である。第4〜10日目には、食餌ペレットのあるアーム末端の ライトが照らされており、そして再び3匹づつのグループで10回の試行を行う。 動物が食餌ペレットに到達するために要する時間を記録する。 Y迷路における学習および記憶を改善するリガンドインヒビターの効果を以下 のように試験する。それぞれのブロックの第4〜10日目の訓練試行の15分前に、 動物群にコントロールか、あるいは1、5、または25μgのペプチドリガンドイン ヒビターのICV注入を行う。さらに、非ペプチドリガンドインヒビターを用いる 場合、用量はそれに応じて調整される。コントロール動物は、50%の正しい選択 をすると期待される。記憶に対する処置の効力の尺度は、正しい応答の増加であ る。毎日の試験前のCRF(6-33)リガンドインヒビターの投与により、正しい応答 の有意な増加が示された(図5)。 一方向能動性回避試験は、動物における学習および記憶の別のアッセイである 。それは、年齢関連記憶欠損における改善を評価するために使用され得る。この 試験において、動物は、フットショック室に置かれる;安全室へのドアを開くこ とが、回避のシグナルとされる。簡略には、この試験において動物は、ステンレ ス鋼の棒から成る格子状の床(grid floor)を備えるSkinnerボックスの囲いの 中に置かれる。このボックスのそれぞれの突き当たりの7ワットの光および音発 生装置は、条件刺激として役立つ。ラットまたはマウスは、ドアから向きが逸れ ているフットショック室に置かれることによって最初に訓練される。ドアが安全 室に開くと同時にショックが与えられる。間をおいて、ドアが開かれた後に10秒 間ショックを後らせてのみこの試験が繰り返される。動物がフットショック室か ら離れるのにかかる時間を記録する。 一方向回避における記憶および学習を改善するリガンドインヒビターまたはコ ントロール溶液の効果を、以下のように試験した。動物に、訓練15分前にリガン ドインヒビターをICVに与える。24時間後、リガンドインヒビターを投与せずに 、保持について試験した。効率の尺度は、フットショック室から離れるまでの短 縮された待ち時間である。試験前のCRF(6-33)リガンドインヒターの投与は、若 齢コントロールと比較して老齢ラットの成績を有意に改善した。 受動性回避試験は、学習および記憶の別のアッセイである。この試験において 、 動物は、Skinnerボックスの安全室に置かれ、そしてその動物がフットショック 室に入った時、ドアが閉じられ、そして軽いショックが与えられる。第2の室に 入るための待ち時間を記録する。記憶を1〜7日後に試験する。この時点ではシ ョックは与えられない。 学習および記憶を改善するリガンドインヒビターの効果を以下のように試験し た。訓練の直前に、動物群に、ICVにコントロール溶液または数用量のリガンド インヒビターを与える。投与量を、ペプチドおよび非ペプチドリガントインヒビ ターに応じて調節する。フットショック室に入るための待ち時間は、リガンドイ ンヒター、CRF(6-33)を与える動物において有意に増加する。 高架式プラス迷路試験は、接近回避状況における不安により生ずる応答(anxio genic response)を測定するが、この状況は、暗い閉鎖空間に対する開放された 光を照射する空間を含んでいる。両方の空間とも高所にあり、そしてプラスの記 号の形態で交差している2つの走路として組み立てられる。このタイプの接近回 避状況は、「情緒性」の古典的な試験であり、そして脱抑制およびストレスを生 み出す処置に非常に感度が高い。動物は迷路の中心に置かれ、そして5分間の試 験期間に全ての4つのアームに自由に出入りできる。それぞれのアームで過ごし た時間を記録する。 学習及び記憶を増加させる、ICV注入によるh/rCRFの用量の毎日の試験前の投 与はまた、これは高架式プラス迷路試験の結果により示されるように不安を生じ た(図4、下のパネル)。用量依存性の探査の抑制が観察された。このように、 記憶および学習の欠損(これは、CRFのレベルが減少することによる)の処置に 対するCRFレセプターアゴニスト(即ち、Ki≦1nM)の有用性は、これに伴う副作 用のために、あいまいな価値がある。著しく対照的に、リガンドインヒビターで あるCRF(6-33)(これは、CRFレセプターに対して低い親和性を有する)は、高架 式プラス迷路試験における不安の行動を変えなかった(図4、下のパネル)。さ らに、h/rCRFの投与で示されたような明白な行動の変化はなかった。これらのデ ータは、認識強化および不安効果が別々に制御され得ることを示す。これらのデ ータはまた、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを投与する治療的価値を 示す。 ヒトにおいて、学習および記憶を改善する方法は、ウェックスラー記憶スケー ルまたは対連合子記憶課題のような試験によって測定され得る。ウェックスラー 記憶スケールは、認識機能および記憶容量の、広く用いられている鉛筆と紙の試 験である。正常な個体群では、標準検査は平均100および標準偏差15を得る。そ のため、軽度の健忘症では、この点数が10〜15点減少することで検出され得、よ り重度の健忘症では、20〜30点減少する、等である(Squire,1987)。臨床面接の 間に、ミニメンタル試験、ウェックスラー記憶スケール、あるいは、対連合子学 習を含むが、これらに限定されない一連の試験が症候性記憶喪失の診断に適用さ れる。これらの試験は、一般的な認識欠陥および学習/記憶容量の特定の損失の 両方に一般的な感度を提供する(Squire,1987)。痴呆症あるいは健忘障害の特定 の診断とは別に、これらの臨床器具はまた、加齢性関連の認識低下を同定する。 この認識低下は、その人の年齢に与えられる正常な制限内にある加齢プロセスの 結果として起こる精神機能における他覚的な低下を反映する(DSMIV,1994)。上記 のように、学習および記憶における「改善」は、例えば、リガンドインヒビター 処置患者とプラセボ群のメンバーとの行動間で、または同じ患者に与えられる連 続する試験間で、統計学的有意差が対連合子試験において正常性の方向に存在す れば、本発明の範囲内にある。食物摂取の減少 上記のように、本発明は、患者への治療有効量のCRF/CRF-BP複合体のリガンド インヒビターの投与を介する、食物摂取を減少させる、または体重獲得を低下さ せるための方法を提供する。CRFは、食物摂取および体重獲得の重要なモジュレ ーターであることが示されている。例えば、CRFアゴニストの投与または内因性C RFレベルを上昇させる状態(例えば、ストレス)は、食物摂取を減少させる(App elら、Endoc.128:3237,1991:KrahnおよびGosnell,Psychiat.Med.7:235,19 89;McCarthyら、Am.J.Physiol.264:E638,1993)。従って、CRFの投与は、夜 間の食物摂取の有意な減少(Gosnellら、Peptides4:807,1983)、ラットにおける 体重の低下(Hottaら、LifeSci.48:1483,1991)、および褐色脂肪組織におけ る温度応答の増加(LeFeuvreら、Neuropharmacol.26:1217,1987)を引 き起こす。さらに、ニューロペプチドY(NPY)(これは、食物摂取の最強の既知 の刺激物である)は、CRFレセプターのペプチドアンタゴニストの同時投与に際 して、その効果が強化され得る。 患者は、肥満であることにより同定され得る。肥満個体は、その人の年齢、性 別、および身長について正常と考えられる目標体重より重く、そして同じ参照個 体群の百分位数の85番目またはそれ以上の体重指数(BMI-体重(Kg)/身長(m)2とし て計算される)により客観的に同定され得る(National Center for Health Stat istics,“Obese and Overweight Adults in the United States.”第11集,第B O号,U.S.Government Printing Office,Washington D.C.,1983)。さらに、特 定の個人にCRFが関与する証拠は、脳脊髄液中のCRFレベルの減少を示すことによ って、または上記の脳画像化によって、得られ得る。視床下部は、食物摂取およ び内分泌パラメターに対するCRFの効果を媒介する共通の脳領域であるので、下 垂体ホルモン濃度の変化もまた、視床下部CRFのレベルの変化を反映し得る。 食物摂取の減少は、食事開始の遅延および食物消費の継続時間または量の全体 の減少の両方により測定され得る。Smith、「Satiety and the Problem of Moti vation,」、D.W.Pfaff(編)、The Physiological Mechanisms of Motivation,Sp ringer-Verlag,New York,133-143頁,1982。さらに、食物選択状況下の特定栄 養の選択は、特定の空腹の補足的な尺度として役に立つ(Rozin,Adv.Study Beh av.6:21,1976)。 食欲調節の2つの確立された動物モデルがある。第1は、単純な食物摂取の測 定であり、そして第2は、カフェテリア環境下での食物の自己選択の測定である 。第1の方法では、食物摂取は24時間制限され、次いで、動物のホームケージ内 の予め重量を測定した部分の実験食物に2時間接近させる。食物摂取は、60分と 120分に、残りのペレットを計量することにより測定される。これらの試験はま た、遺伝的変異に起因して肥満である動物にも行われ得、そしてこれは、過食お よび 1989;Wildingら、Endocrinol.132:1939,1993)。 カフェテリア環境において、食物を、多量養素(例えば、炭水化物、タンパク 質、および脂肪)の異なる割合で特別に処方し、感覚的誘因性または食物摂取後 の利益に基づく特定の栄養素に対する嗜好を測定できるようにした。食物の選択 は、広い種類の神経化学的システムによって、部分的に変化される。これらの試 験は、食物摂取調節の微妙な変化の検出に有用である。食物摂取調節は、熱望( craving)あるいは空騒ぎ(binging)のような現象に強く影響し、そして摂取障 害(例えば、神経性食欲不振および肥満症)の診断に関連している。動物のベース ラインを確立した後、それぞれの動物は、試験の15分前に、コントロール溶液か 、あるいは1、5、または25μgの用量のペプチドリガンドインヒビター、ある いは適切な用量の非ペプチドリガンドインヒビターのICV注入を受ける。食物の 摂取は、摂取試験でまたはカフェテリア環境下での食物の自己選択で記載したよ うに測定され、そして試験結果はベースラインと比較される。 さらに、ニコチン禁断症状の動物モデルおよび遺伝的肥満ラット(Zucker系統 )における過食は、食欲調節に対するリガンドインヒビターの効果を試験するた めの他のモデルを提供する。従って、14日間、ニコチンまたは生理食塩水(コン トロール)で処置した別々の群を、ニコチン停止後4日間(14〜17日目)または 7日間(14〜21日目)にわたって、CRF(6-33)または生理食塩水の同時投与をと もなって、そしてすべての処置の中断後の回復の間に(22〜24日目;22〜28日目 )検討した。ニコチン禁断症状モデルにおいて、動物にニコチンを慢性様式で投 与する。これらの動物は、正常体重獲得の阻害ならびに食物および水摂取の低下 を示す。ニコチン処置の停止に際して、動物は、体重ならびに食物および水摂取 の両方を有意に増加する。ニコチン停止間の食欲に対するリガンドインヒビター の効果は、ニコチン停止の3日後にリガンドインヒビターを投与することにより 評価される。25μg用量のCRF(6-33)ICVは、未処置コントロールにおける食餌の 抑制なしに、ニコチン停止被験体における食物摂取を減少させた。 過食についての遺伝的基礎は、マウス(例えば、ob/ob)およびラット(Zucke r系統;fa/fa)の両方において発見されている。これらの動物は、リガンドイ ンヒビターの効力を評価するための、他の過食のモデルを提供する。特に、Zuck erラットは、被験体として使用される。ラットの群は、毎日、設定された期間( 例えば、1週間)にわたって、ビヒクルまたはリガンドインヒビターで処置され る。続く体重獲得または食物摂取が測定される。正常Zuckerラット(遺伝的に肥 満で ない)はコントロールとして作用する。 ヒトにおいては、肥満症は過食に関連するだけではなく、甘味食物あるいは脂 肪性食物の不釣り合いな大量摂取などの栄養的に不均衡な食物の消費にも関連し 得る。(Drewnowskiら、Am.J.Clin.Nutr.46:442,1987)。このように、食欲 調節の臨床的発現は、制御された実験食物、または量、食事時間および選択の見 地から摂取パターンを記録するカフェテリア自己選択プロトコールを用いること により、容易に検出される。(Kissileff,Neurosci.Biobehav.Rev.8:129,19 84)。これらの試験では、個体それぞれのベースラインの決定後、食物摂取また はカフェテリア環境下の自己選択の測定が測定される。肥満症処置に関連する改 善は、プラセボ群のメンバーと比較しての処置患者により表される、体重の減少 または食物摂取の減少を構成する。さらに、このストラテジーは、肥満症に対す るセロトニン作動性のアゴニストの同定に成功している。低レベルのCRFに関連する疾患 上述したように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを治 療有効量で患者に投与することによって低レベルCRFに関わる疾患を治療するた めの方法を提供する。このような患者は、摂取障害、神経内分泌障害およびアル ツハイマー病などの認知障害の診断により同定することができる。さらに、異型 鬱病、季節性鬱病、慢性疲労症候群、肥満症、炎症疾患に対する脆弱性、心的外 傷後ストレス障害、精神刺激剤禁断症状などのCRFレベルの減少に伴うその他の 病態により、甲状腺機能低下症のプロフィールおよびストレス系活性の低下が現 れることが多い。これらは、尿遊離コルチゾールおよび血漿ACTHの減少によって 特徴的に同定される。このため、これらの疾患および病態は、脳内CRFレベルの 修復または強化によって部分的には解決されるようである(ChrousosおよびGold, JAMA 267:1244,1992)。 このようなヒトにおける様々な一組の疾患状態の特質は、脳内CRFの推定の乱 れ(derangement)を伴う下垂体-副腎軸の調節異常(dysregulation)である。した がって、CRF/下垂体-副腎系を実験動物において実験的に変化させることにより 、上述した症候群、すなわち行動上の自暴自棄(despair)(Pepinら、1992)、運動 に 対する倦怠感(RivestおよびRichard,1990)、肥満症(Rothwell,1989)および精 神刺激剤禁断症状に関連する過喚起症(hyperarousal)(Koobら、1993;Swerdlow ら、1991)の主な特徴が再現されるという事実は、内因性CRFレベルを正常化する よう設計された薬物治療薬の広範な実用性を示唆する。 季節性鬱病(季節パターンを有する重症鬱病性障害)の主な特徴は、1年のう ちの特徴的な時期での重症鬱病エピソードの発症および寛解である。ほとんどの 症例において、エピソードは秋または冬に始まり、春には寛解する。季節パター ンで起こる重症鬱病エピソードは、顕著なアネルギー、睡眠過剰、過食、体重増 加および炭水化物に対する熱望によって特徴付けられることが多く、少なくとも 2週間持続する。この間は、殆ど全ての活動において憂鬱な気分になるかまたは 興味や歓びが失われる。 心的外傷後ストレス障害の主な特徴は、実際の死または瀕死の状態あるいは個 体自身または他人の肉体的な完全性に対する重篤な傷害を包含する事象に対する 直接的な個人経験を包含する極端な心的外傷ストレッサーに曝された後に、特徴 的な症状が発症することである。この事象に対する個人応答には、強烈な怖れ、 無力感、または恐怖が含まれている。払っても消えない記憶または悪夢として心 的外傷性事象を再び経験し、これがきっかけとなって強烈な心理学的窮迫または 生理学的反応が引き起こされる。1ヶ月を超える期間にわたって完全な症状状態 が存在し、臨床的に顕著な窮迫あるいは社会的機能または職業上の機能に欠陥が 引き起こされる。 ニコチン禁断症状(ニコチン誘導性障害)の主な特徴は、長期間(少なくとも数 週間)ニコチンを含有している製品を毎日使用し、その使用を急に中止または使 用回数を少なくした後に発症する特徴的な禁断症状症候群が存在することである 。ニコチン禁断症状と診断されるには、精神不安または憂鬱な気分、不眠症、癇 癪または怒り、不安、集中不可、落ち着きがなくなるまたは短気になる、心拍数 の減少および食欲増進または体重増加のうち4つ以上が当てはまることが必要で ある。これらの症状は、臨床的に顕著な窮迫あるいは社会的機能または職業上の 機能の欠陥を引き起こす。 改善は、(a)疾患モデルに関連する尺度に基づいてベースラインまたは治療前 の状態と比較した、治療した個体の症状の統計的に有意な変化または、(b)リガ ンドインヒビターで治療した患者とプラセボ群のメンバーとの統計的に有意な症 状の差異のいずれかからなる。疾患の臨床例には、定義により、正常なコントロ ールとは区別される症状が見られる。鬱病については、いくつかの鬱病評価スケ ールが使用される。(Klermanら、Clinical Evaluation of Psychotropic Drugs: Principles and Guidelines,PrienおよびRobinson(編),Raven Press,Ltd.,Ne w York,1994を参照のこと)。鬱病の評価には、Hamilton Rating Scale for Dep ressionという1つのテストが広く用いられている。このテストは、処置応答に おける症状の変化を評価するのにも使用されている。その他のテストや評価につ いては、DSM-IVマニュアルに記載されている。ニコチン禁断症状およびその他の 障害については、障害の重篤度の評価用のテストがDSM-IVマニュアルに記載され ている。アルツハイマー病 上述したように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを治 療有効量で患者に投与することによってアルツハイマー病を処置するための方法 を提供する。他の原因には起因しない痴呆または学習能喪失および記憶喪失の症 状に基づいて、臨床的に診断することによりこのような患者は同定され得る。さ らに、磁気共鳴画像法による脳萎縮の診断により患者であると同定することもで きる。 CRFレベル減少はアルツハイマー病に関与することが分かっている。ADに羅患 した10の個体および神経学的に正常な10のコントロールから死後に得た脳を研究 用に選択した。前頭極、頭頂極、側頭極および後頭極の標準的な領域を新鮮な脳 から切除し、ドライアイス中で凍結し、-70℃で保存した後、CRPラジオイムノア ッセイおよびCRF-BPアッセイのために処理した。大脳皮質および海馬のホルマリ ン固定試料をパラフィン中に包埋し、続いて切片にしてヘマトキシリン/エオシ ンおよび銀浸漬によって染色した。AD患者の脳から得た染色切片を試験したとこ ろ、ADに典型的な大量の神経炎性局面および神経細線維のもつれが示されたが、 コントロール患者では何も示されなかった。 アルツハイマー患者およびコントロールの大脳皮質におけるCRFおよびCRF-BP のレベルを測定した。ラットの脳、ヒツジの脳およびヒトの血漿においてCRF-BP は以前に同定され、特徴付けされている。ここで研究した脳の大脳皮質では、CR F-BPの大部分(>85%)が膜と結合していた。コントロールまたはAD患者のヒト脳 膜のいずれかからの可溶化させたCRF-BPの薬理学的な特徴は、可溶性血漿CRF-BP の組換え形態と比較して、CRFおよびリガンドインヒビターに対する結合特性に 何ら差異はないことが分かった。アルツハイマー患者の脳において、前頭、頭頂 および側頭の大脳皮質におけるCRFレベルは正常な脳と比較すると大幅に減少し たが、後頭皮質におけるレベルは僅かに減少したのみであった(図3A)。これと は対照的に、CRF-BPレベルは、AD患者の脳と正常なコントロールの脳とで類似し ていた(図3B)。これらのデータは、正常な脳組織およびAD脳組織にCRF-BPが存 在しているという直接的な証拠となり、そしてADにおいて認められたCRFレベル の低下はニューロンの喪失によるものではなく、CRFの合成量の減少または分解 量の増加に起因し得ることを示唆する。ADにおいてニューロンが喪失されると、 CRF-BPは非CRFニューロンに対して優先的に局在化され得る。 CRF-BPに複合体化したCRFおよびフリープール(free pool)中のCRFの比率を脳 組織で測定することによって、ヒトの脳組織におけるCRFとCRF-BPとの相互作用 の性質を決定した。総CRFおよび結合CRFに特異的なアッセイを使用したところ、 正常大脳皮質抽出物では総CRFの約40%、アルツハイマー大脳皮質抽出物では総C RFの約60%がそれぞれCRF-BPと複合体化されて見出された。さらに、CRFはCRF-B Pに可逆的様式で結合していた。なぜならヒトCRF(6-33)またはαヘリックスoCRF (9-41)で組織を処理すると、CRF/CRF-BP複合体からCRFが置換されたからである( 図2)。これらのデータから、CRF-BPリガンドインヒビターはCRFの遊離濃度を増 加させるということが直接的に示される。さらに、CRF-BPリガンドインヒビター で処理することによって、正常な脳における遊離CRFレベルに対してAD脳におけ る遊離CRFレベルは上昇した。 コリン作動性低下に的を絞って確立された何例かのアルツハイマー病動物モデ ルが利用可能である。コリン作動性低下のADにおける主な役割は十分に確立され ている。ADでは、前頭葉、後頭葉および側頭葉におけるコリンアセチルトランス フェラーゼ活性の減少とCRFレベルの減少との間に有意な正相関が認められる(De Souzaら、1986)。同様に、これら3カ所の皮質においてコリンアセチルトランス フェラーゼ活性の減少とCRFレセプター数の増加との間には負相関が認められる (同上)。その他2つの神経変性疾患では、パーキンソン病でCRFとコリンアセチ ルトランスフェラーゼ活性との間に極めて有意な相関が認められるが、進行性核 上性麻痺における相関はわずかしかない(Whitehouseら、1987)。 ラットにおける解剖学的研究および行動上の研究から、CRFとコリン作動系と の間の相互作用が証明される。第1に、いくつかの脳幹核において、CRFとアセ チルコリンエステラーゼは共局在化され、そしてコリン作動性ニューロンの中に はCRFを含有しているものもある。第2に、CRFはカルバコール誘導性挙動(カルバ コールはムスカリン性コリン作動性レセプターのアンタゴニストである)を阻害 し、このことからCRFはコリン作動系に影響を及ぼすことが示唆される(Crawley ら、Peptides6:891,1985)。もう1つのムスカリン性コリン作動性レセプターの アンタゴニストであるアトロピンでの処置は、CRFレセプターの増加をもたらす( DeSouzaおよびBattaglia,BrainRes.397-401,1986)。総合すると、これらのデ ータからCRFとコリン作動系とはヒトおよび動物において同様に相互作用すると いうことがわかる。 スコポラミンは、アセチルコリンによるシナプス後部レセプターの刺激をブロ ックする非選択性シナプス後部ムスカリン性レセプターのアンタゴニストである 。スコポラミンを投与することによって、コリン作動性低下に的を絞ったアルツ ハイマー病の動物モデルを得る。これらの動物において、受動性回避または遅延 適合対位置(delayed-matching-to-position)テストによる測定により記憶喪失が 容易に明らかになる。これらのテストによって、実験処置の運動性低下または知 覚低下と健忘症または認識増強効果とは区別される。このように、スコポラミン 誘導性健忘症後にMorris迷路テストおよびY迷路テストを使用して、リガンドイ ンヒビター投与後の記憶力低下およびその後の記憶力増強度をテストする。Morr is迷路では、本質的に上述したように実験を設計するが、1〜3日目は毎日トレ ーニング30分前にスコポラミン臭化水素酸をip注射して処置する(0.3mg/kg)よう に修正する。スコポラミンが健忘症用量になると、ラットにおける空間学習パラ ダイムおよび回避学習パラダイムの獲得および保持に障害を及ぼす。ペプチドリ ガンドインヒビター1μg、5μgまたは25μgあるいは適切な用量の非ペプチド リガンドインヒビターの抗健忘症効果は、スコポラミンを与えられたまたは与え られていない同時並行コントロール群に比較して測定される。Y迷路を使用する スコポラミン誘導性健忘症の可逆性に対するリガンドインヒビターの効果は、上 述したY迷路テストと同様に行われる。5〜10日目は、トレーニングの30分前に スコポラミン臭化水素酸をip注射して処置する(0.3mg/kg)ようにテストを修正す る。1μg、5μgまたは25μgのICV投与されたペプチドリガンドインヒビターあ るいは中枢神経投与または全身投与された等用量の非ペプチドリガンドインヒビ ターの抗健忘症効果は、同時並行コントロールおよびスコポラミン処置コントロ ール群と比較して測定される。 ADにおける認知挙動を測定するいくつかのテスト設計がされている。(Gershon ら、Clinical Evaluation of Psychotropic Drugs:Principles and Guidelines, PrienおよびRobinson(編),Raven Press,Ltd.,New York,1994,p.467を参照 のこと。)これらのテストのうちの1つであるBCRSでは、集中力、最近の記憶、 過去の記憶、順応性、機能性およびセルフケアを測定する。BCRSは認知機能のみ を測定するよう設計されている。このテストおよびWeschler Memory Scaleおよ びAlzheimer'sDisease-Associated-Scaleを使用して、リガンド阻害による治療 処置後の改善を測定し得る。上述したように、Weschler Memory Scaleテストに おいて、例えばリガンドインヒビター処置患者の行動とプラセボ群のメンバーの 行動とを比較した場合、または同一の患者に対してなされるその後のテスト間で 、正常性に統計的に有意な差異が認められる場合、アルツハイマー病における「 改善」は本発明に関して存在する。さらに、ヒトにおけるスコポラミン誘導性健 忘症をモデル系として使用してリガンドインヒビターの有効性をテストし得る。リガンドインヒビターの投与 本明細書中で使用される用語「薬学的に受容可能な」、「生理学的に許容可能 な」およびこれらの文法上の変形は、組成物、キャリア、希釈液および試薬を指 す場合には、互換的に用いられるものとする。好ましくは、これらの物質は、吐 気、目眩感、胃の不調などの望ましくない生理学的効果を生じることなく哺乳動 物に投与し得る。 CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを治療有効量で患者に投与する。治 療有効量とは、脳の遊離CRFレベルを増加させる、学習および記憶力を改善する 、食物摂取を減少させる、脳のCRF神経回路系を活性化する、脳の低CRFレベルに 関わる疾患を治療する、アルツハイマー病に関する症状を治療する、肥満症を治 療する、異型鬱病を治療する、物質乱用禁断症状を治療する、分娩後鬱病または 加齢性記憶喪失を治療する、のいずれかの所望の効果を達成するために算出され た量である。特定の治療により、そしてペプチドリガンドインヒビターまたは非 ペプチドリガンドインヒビターのいずれを投与するかにより、投与経路が変わり 得ることは当業者には明らかである。投与経路は非侵襲的であっても侵襲的であ ってもよい。非侵襲的な投与経路としては、経口、頬/舌下、直腸、鼻、局所( 経皮および眼を含む)、膣、膀胱内および肺などが挙げられる。侵襲的な投与経 路としては、ICV、動脈内、静脈内、皮内、筋肉内、皮下、腹腔内、クモ膜下腔 内および眼内が挙げられる。 動物において以下のように脳室内(ICV)注射を実施する。ハロタンで動物を麻 酔し、KOPF定位器に固定する。ステンレス鋼製の2つのねじと歯科用セメントに よって、側脳室上に的をあてたガイドカニューレを頭蓋に移植して固定する。注 射のために、60cmのPE 10チューブに取り付けた30ゲージのステンレス鋼製カニ ューレを、先端から1mm出るところまでガイドを介して挿入する。流れが生じる まで単にチューブを動物の頭より高く上げることで、重力流によって1分間かけ て2マイクロリットのリガンドインヒビタールを注射する。その他の投与経路に ついての手順は当該分野において周知である。 特定の処置および投与経路によって必要な用量は変化し得る。一般に、ペプチ ドリガンドインヒビターの用量は、脳組織1.5gあたり約50〜125μgすなわち組 織1.5gあたり15〜38nmolの最終濃度が得られるような量とする。しかしながら、 タンパク質またはポリペプチドの大きさに応じて、比較的大用量または少用量に する。これらの処置を1週間に2、3回実施する。治療効果を維持するために処 置を連続的なものとすることが必要になる場合もある。上述したように画像化す ること によって大脳脊髄液または脳におけるCRFレベルを評価することによって患者を モニタリングする。さらに、各処置について説明したように様々なテスト下での 行動を評価することによって患者をモニタリングする。 治療投与は医師の指導下で行い、そして薬学的組成物は薬学的に受容可能なキ ャリア中にリガンドインヒビターを含有する。これらのキャリアは当該分野にお いて周知であり、代表的には非毒性塩および緩衝液を含有する。このようなキャ リアは、生理学的に緩衝化された食塩水、リン酸緩衝化食塩水などの緩衝液、グ ルコース、マンノース、スクロース、マンニトールまたはデキストランのような 炭水化物、グリシンなどのアミノ酸、酸化防止剤、EDTAまたはグルタチオンなど のキレート剤、アジュバントおよび保存剤を含み得る。受容可能な非毒性塩とし ては、酸添加塩、または例えば亜鉛、鉄、カルシウム、バリウム、マグネシウム 、アルミニウムなどとの金属錯体(本発明の目的では添加塩として考えられる)が 挙げられる。このような酸添加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩 、リン酸塩、タンニン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、アルギン 酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸 塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩などが挙げられる。活性成分を錠剤形態で投与 する場合、錠剤は、トラガカント、コーンスターチまたはゼラチンのような結合 剤;アルギン酸などの崩壊剤;およびステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を 含有し得る。液体形態での投与が望ましい場合には、甘味料および/または香料 を使用し得、そして等張生理食塩水、リン酸緩衝液中での静脈内投与も有効であ り得る。 医師の指導下で投与されるペプチドは、通常はリガンドインヒビターおよび従 来の薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物の形態である。通常、 投薬量は1日あたり宿主動物の体重1kgあたりペプチド約1〜約1000マイクログラ ムであり、多くの場合には約100μgと約1mgとの間であるが、最大約10mgまで変 化させ得る。これらのペプチドでの被験体の処置を実施して、症状を軽減したり 、アルツハイマー病患者および慢性疲労症候群患者に起こる比較的低い周囲CRF レベルの特徴である有害な症状の発現を矯正することが可能である。前者の場合 、処置によって短期記憶および中期記憶が改善される。しかしながら、食欲抑制 を 包含するこれらの徴候の多くについては、脳にペプチドを送達する必要があり、 好ましくはこのペプチドと血液-脳関門を透過することのできる薬剤とを結合さ せる。静脈内、筋肉内または皮下注射による投与によってコルチゾールレベルが 高まり、そして疲労を軽減し得る。これらのリガンドインヒビターでの被験体の 処置を実施して、脳に達する投与によって遊離CRFの生物学的有効濃度を急激に 上昇させ、ヒトの呼吸系を刺激することも可能である。物質または病理学的な薬 剤による心臓血管停止およびショックなどの医療上の救急時における状態の処置 のために、静脈内、筋肉内または皮下注射で投与することによってコルチゾール レベルを上昇させ得る。妊娠時に分娩を促進するために、必要に応じてhCRF(ま たはそのアナログ)をさらに含むリガンドインヒビターを投与して血漿中の遊離 hCRF濃度を少なくとも約250pmol/l、または好ましくは少なくとも約0.1ng/mlま で高める。また、コルチゾールレベルが低いことの多いAIDS羅患患者に同様に投 与し得、その結果、このようなCRF-BPブロッカーによってACTHおよびコルチゾー ルを上昇させ得る。 CRFまたはCRFのアゴニストと共に薬剤を投与する場合、このようなCRFペプチ ドは、宿主動物の体重1kgあたりCRFペプチド約1〜約200マイクログラムの日用量 で投与し得る。適切なCRFのアゴニストの例として、米国特許第4,415,558号、第 4,489,163号、第4,594,329号、第5,112,809号、第5,235,036号および第5,278,14 6号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用する)に記載されているよ うなアゴニストが挙げられる。CRFのアンタゴニストと共に薬剤を投与する場合 、このCRFのアンタゴニストは、宿主動物の体重1kgあたりペプチドが約0.01〜約 10mgとなる量で投与し得る。適切なCRFのアンタゴニストとして、米国特許第4,6 05,642号、5,109,111号および5,245,009号(これらの開示は、本明細書中に参考 として援用する)に開示されているようなアンタゴニストが挙げられる。好まし いCRFのアンタゴニストとしては、[D-Phe12,N21,38]-hCRF(12-41)および[D-Phe12 ,Nle21,38,CML37]-hCRF(12-41)が挙げられる。好ましいCRFのアゴニストとし ては、[His20,Nle21,Leu38]-hCRF、[D-Phe12,Nle21,38,Leu36]-hCRF、[D-Pr o4,D-Phe12,Asp25,Nle21,38]-hCRFおよび[D-Pro4,D-Phe12,Nle21,38,CML3 7 ]-hCRFが挙げられる。 以下の実施例は例示のためのものであり、限定されるものではない。実施例1 CRF-BR からCRFを置換するリガンドインヒビターの能力について アッセイするためのリガンド-免疫放射線アッセイ(LIRMA) 600μlのポリプロピレンマイクロ遠心分離チューブまたは96ウェルプレートに おいてこのアッセイを実施する。まず、50μlの精製組換えCRF-BP(250ng/ml)を1 50μlのPBS結合緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、0.15M NaClおよび0.02%NP-40) に添加する。次に、125I-h/r CRFを最終濃度200pMになるように添加し、そして1 0〜100μM濃度のリガンドインヒビター50μlを添加して室温にて1時間インキュ ベートする。反応液に、アッセイ緩衝液で1:1000に希釈した50μlの抗CRF-BP 抗体5144を各チューブに添加し、さらに1時間室温にて結合させる。アッセイ緩 衝液で全てのチューブの総容量を300μlに調節する。1%正常ウサギ血清、4% PEG、50mMリン酸ナトリウム、0.1%アジ化ナトリウム中1:20の事前沈澱したヤ ギ抗ウサギ(GAR)二次抗体を添加することによって結合複合体を沈澱させた後、 室温にて1時間インキュベートする。次に、Beckman GS-15R遠心分離機にて4℃ で20分間遠心分離(3000×g)することによって抗体結合125I-CRF沈澱物を回収す る。Beckman Biomer 1000ロボットワークステーションを使用することによって 、チューブを吸引し、そしてPBS+0.02%NP-40600μlで1回洗浄する。次に、ペ レットを含むチューブを12×74mmの計数チューブに移し、ガンマカウンタで計数 する。 Munsonら、Anal.Biochem.107:220,1980のLIGANDコンピュータプログラムお よびVax/VMSコンピュータシステムで算出されたパラメータを使用して、阻害結 合親和定数(Ki)値を測定する。誤差は、3連の結合アッセイの平均標準誤差を表 す。 実施例2 CRF のCRF-BRからリガンドインヒビターを置換する能力について アッセイするための界面活性剤相分離 200ng/mlの組換えヒトCRF-BPを放射線標識125I-h/r CRF(80pM)とともに結合緩 衝液(リン酸緩衝化生理食塩水、pH7.4/0.02%NP-40)中にて室温で2時間インキ ュベートする。インキュベート後、アッセイ緩衝液オクチルフェノキシポリエト キシエタノール(SIGMA)中のTriton X-114TMの1:10希釈液を添加することによ って結合CRFおよび遊離CRFを分離する。Triton X-114TMは室温では水に不溶であ り、そして水溶液中では界面活性剤相に分離され得る。Triton X-114TMを添加し た後、チューブをボルテックスで撹拌し、そして速やかに12,000×gで5分間室 温にて遠心分離を行う。界面活性剤相はチューブの底に認められ、水相は上に残 ったままである。CRFは両親媒性αヘリックスとして界面活性剤相に分離する。 しかし、CRFがCRF-BPと結合している場合には、CRF/CRF-BP複合体は水相に残る 。したがって、水性相のアリコート50μlを12×74mmのプラスチックチューブに 移して計数する。上清に残った放射線活性の量を測定する。 実施例3 遊離CRFのACTH放出アッセイ 4匹のラットを断頭して屠殺し、下垂体前葉を取り出す。この下垂体前葉を滅 菌HEPES緩衝液で6回洗浄し、20mlのコラゲナーゼ溶液(4mg/ml)に移す。次に、コ ラゲナーゼ中の下垂体を25mlのBellco分散フラスコに移し、37℃で30分間攪拌す る。30分後、10mlのピペットで下垂体を吸い出すことによって下垂体細胞懸濁物 を粉砕し、さらに30分間インキュベートした後にさらに粉砕する。細胞懸濁物を さらに45分間インキュベートし、部分的に分散した細胞を50mlの滅菌チューブに 移し、4000rpmで4分間遠心分離する。細胞ペレットを10mlのノイラミニダーゼ(8 μg/ml)中にて再構成し、ボルテックスする。懸濁物を、9分間水浴中におき、再 度4分間ボルテックスにして再度遠心分離する。上清を注ぎ出し、BBM-P(BBM-T 2 50mlプラス2%ウシ胎仔血清5ml)25ml中でボルテックスにすることによって細胞ペ レットを再構成する。遠心分離によって細胞を収集し、最後に懸濁物をBBM-P 22 ml中で再構成する。次に、48ウェルプレート中に50〜100,000/ウェルの密度で 細胞をプレートし、加湿CO2チャンバ内にて2日間インキュベートする。アッセイ 当日、細胞を、種々の関連類似物での刺激のためにBBM-Tで1回洗浄する。 ブロッキング濃度のCRF-BP(5nM)の存在下および非存在下で最大刺激用量のh/r CRF(1nM)で細胞を刺激する。この濃度のCRF-BPは、h/rCRFに結合することにより 下垂体細胞から放出されるACTHの量を減らす。この減少量は、CRF-BPの非存在下 で1nM CRFによって放出されるACTHの量の分数として表される。h/rCRF(1nM)と結 合しているCRF-BP(5nM)を、ある濃度範囲のリガンドインヒビター(例えばCRF-BP リガンドh/rCRF(6〜33)の一般的な濃度は、0.1〜1000nMである)とともにインキ ュベートする。リガンドインヒビターはCRF-BPと結合し、そして複合体からCRF を置き換える。これによって、CRF-BPによるh/rCRF誘導されたACTH分泌の阻害の 可逆性は用量依存になる。CRF-BPリガンドの効力は、1nM CRF単独での刺激によ って得られるACTH放出の分数として表される。 実施例4 遊離CRFを測定するためのcAMP産生アッセイ CRF刺激アデニル酸シクラーゼ活性を検出するためのアッセイを、わずかな修 正を加えた以外は上述した(Battagliaら、1987)ように実施する。標準アッセイ 混合物は、DMEM緩衝液中に2mM L-グルタミン、20mM HEPES、1mM IBMX(イソブチ ルメチルキサンチン(isobutylmethyl xanthine))を含有する。刺激研究において 、CRFレセプターをコード化するクローンでトランスフェクトされた細胞を、24 ウェルプレートにプレートし、種々の濃度のCRF関連ペプチドおよびCRF非関連ペ プチドとともに37℃で1時間インキュベートする。インキュベーションの後、培 地を吸引し、新鮮な培地でウェルを穏やかに1回洗浄し、吸引する。95%エタノー ルおよび20mM HClの溶液300μl中で20℃にて16〜18時間細胞を溶解した後に細胞 内cAMPの量を測定する。ライゼートを1.5mlのEppendorfチューブに移し、ウェ ルをさらに200μlのEtOH/HClでウェルを洗浄し、そして洗浄物をライゼートと一 緒にプールする。ライゼートを凍結乾燥させ、pH6.2の酢酸ナトリウム緩衝液500 μlに再懸濁し、cAMPを、Biomedical Technologies Inc.(Stoughton,MA)由来 の単一抗体キットで測定する。CRFレセプターアンタゴニストの機能を評価する ために、 cAMP生成を80%刺激する単一濃度のCRFまたは関連のペプチドを、種々の濃度(10- 12 〜10-6M)の競合化合物とともにインキュベートする。cAMPに関するインキュベ ーション条件および測定条件を上述したように実行する。 実施例5 CRF レベルを測定するための2部位ELISA A. 脳組織試料の調製 剖検試料を秤量し、10%スクロース5ml中で均質化した。各試料1mlを室温にて1 0分間10,000×gで遠心分離し、これによって得られた膜ペレットをSPEA(0.25%ウ シ血清アルブミン(BSA)および1%NP-40を含有する50mMリン酸ナトリウム、pH7.4 、0.1M NaCl、25mM EDTA、0.1%アジ化ナトリウム)で再構成した。TTBS(0.5%Twe en-20、1%NP-40、1%BSAを有するTris緩衝化生理食塩水)200μlを添加することに よって大脳皮質ホモジネート(10%スクロース中)800μlをさらに抽出し、1分間 ボルテックスした。試料を室温にて10分間10,000×gで遠心分離した。上記のよ うにして得られた上清を、2部位CRF ELISAを用いる「全CRF」「結合CRF」(す なわち、CRF-BPに結合したCRF)および「遊離CRF」の分析のために保存した。 B. 全CRFの測定 簡単に説明すると、ELISAプレートを、37℃で2時間、pH9.5の50mM炭酸水素ナ トリウム緩衝液中に希釈したタンパク質G精製ヒツジ抗CRF抗体(20μg/ml)で被覆 した。プレートをTTBSで1回洗浄し、TBS中の1%カゼインで室温にて1時間ブロッ クした。100μlの試料またはスタンダードを各ウェルに添加し、室温で結合させ た。TTBSでプレートを5回洗浄した。RC-70ウサギ抗ヒトCRF抗体(TTBS/1%BSA中に 1:1000に希釈)を添加した。室温にて1時間インキュベーションの後、プレート をTTBS緩衝液で5回洗浄し、次にプレートを西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤ ギ抗ウサギ(GAR)二次抗体に室温にて1時間曝露した。プレートを、最後にTTBSで 5回洗浄し、TMBマイクロウェルペルオキシダーゼ基質溶液(Kikegaard and Perry Laboratories,Inc.)100μlの添加により発色させた。450nMでの吸光度を測定し た。 C. 結合CRFの測定 抗ヒトCRF-BPモノクローナル抗体(pH9.5の50mM炭酸水素ナトリウム緩衝液中の 抗体5μg/ml)で予め被覆したウェルにおけるCRF/CRF-BP複合体の捕捉によって結 合CRFを測定した後、本質的に全CRF ELISAについて上述したようにしてRC-70抗 ヒトCRF抗体で結合CRFを検出した。 D. 遊離CRFの測定 抗CRF-BPモノクローナル抗体によって結合複合体を捕捉した後、上清において 遊離CRFを測定する。試料物質の結合の後、上清をプロテインG精製ヒツジ抗CRF 抗体で被覆した新たなELISAプレートに移す。次に上述したようにしてアッセイ を実施して全CRFレベルを測定する。実施例6 リガンドインヒビターのスクリーニング 候補リガンドインヒビターを、CRF/CRF-BP複合体からCRFを置き換える能力に ついて、スクリーニングし得る。培養下垂体細胞からのACTH放出(実施例2参照) または2部位LIMRA(実施例1参照)などの適切なアッセイを使用して、それぞれ遊 離CRF濃度およびCRF-BP濃度を測定する。 LIRMAアッセイでは、実施例1の手順にほぼ従う。濃度10μMのリガンドインヒ ビターを125h/rCRFと一緒に反応に添加する。候補リガンドインヒビターがCRF-B PをCRFに置き換える場合、ペレットは、候補ペプチドを添加していないコントロ ールと比較すると低い放射線活性を含有する。6点用量曲線を使用して候補ペプ チドを再スクリーニングする。IC-50値を算出する。 リガンドインヒビターヒトCRF、α-らせんヒツジCRF(9−41)、ヒトCRF(6−33) およびヒツジCRFをCRF/CRF-BP複合体に対してこの方法でスクリーニングした。 クローン化ヒト下垂体CRFレセプターに対するこれらのペプチドの親和性を、予 め特徴付けされた放射リガンド結合アッセイを使用して、LtK-マウスの線維芽細 胞におけるレセプターの安定したトランスフェクタントの膜調製物において測定 した(DeSouza,J.Neurosci.7:88,1987)。 これらのアッセイの結果を以下の表に示す。さらに、これらのリガンドインヒ ビターを、アルツハイマー病に羅患した個体およびコントロール個体の大脳皮質 のCRF-BPについてテストした。 これらの結果は、ヒトCRF、α-らせんヒツジCRF(9-41)、およびヒトCRF(6〜33 )は、CRF/CRF-BP複合体からCRFを置き換えることにおいてほぼ等しく効果的であ ったことを示す。対照的に、ヒツジCRFはCRFの置き換えには有効ではなかった。 羅患個体または正常な個体由来の大脳皮質におけるCRF-BPは、組換え形態と等価 であった。これら3種類の最も優れたリガンドインヒビターのうち、ヒトCRFお よびα−らせんヒツジCRF(9-41)は、ほぼ同じようにヒトCRF-Rと結合した。これ とは極めて対照的に、ヒトCRF(6〜33)は、2〜3log低効率で結合する。 実施例7 リガンドインヒビターによる処理 アルツハイマー患者から得た5つの大脳皮質試料および同一年齢の正常なコン トロールから得た5つの大脳皮質試料を、実施例4のようにして調製してプール した。全CRF、結合CRF、および遊離CRFの濃度を実施例4に記載のようにして測 定した。図2に示されるように、正常な個体から得た脳抽出物では全CRFの40%が CRF-BPと複合体化し、そしてアルツハイマー病患者から得た脳抽出物では総CRF の60%がCRF-BPと複合体化していた。 高親和性CRF-BPリガンドの結合CRFを置き換える効果を、50nMのα−らせんヒ ツジCRF(9-41)の存在下におけるCRF/CRF-BP複合体のモノクローナル捕捉の後に 評価した。置き換えられた遊離CRFを、CRF ELISAによってCRF-BPモノクローナル 抗体捕捉した後に残った上清において測定した。図2に示されるように、脳組織 をリガンドインヒビターで処理することによって、アルツハイマー病の組織とコ ントロール組織のいずれにおいても全ての結合CRFが放出された。さらに、アル ツハイマー病の大脳皮質をリガンドインヒビターで処理することによって、遊離 CRF濃度は、同一年齢のコントロールに見られるレベルにまで戻った。 組織をまた、50nMのリガンドインヒビターα-らせんヒツジCRF(9-41)とともに インキュベートした。次に、上清を、実施例4に記載した2部位ELISAアッセイに より、置き換えられたCRFについてアッセイした。 実施例8 Morris 水迷路試験 Morris水迷路試験は、最小限のストレスおよび経験しか必要ない簡単な空間学 習課題である。ショックや食物摂取量の減少などの動機付けの強制は必要ない。 動物を、粉乳の添加により不透明になっている生ぬるい水の中に入れる。隠れた プラットホームを見つけるまでの潜在時間をモニタリングする。動物は、迷路お よび試験室内にある目に見える手がかりに対するプラットホームの位置を学習す る;この学習を位置学習と呼ぶ。この試験は、動物における空間学習およびヒト における記憶固定に関与する重要な脳領域である海馬の操作に対して特に敏感な ものである。 この試験で使用した装置は、不透明な水(22℃〜25℃)を23cmの深さまで満たし たプール(直径46.4cm、高さ45.7cm)である。加重した標的プラットホームの一番 上の直径10cmの部分を、水面から1〜2cm下に位置させる。プールの4つの四分円 を内面のデザインによって区別する。動物を、タンクの決められた四分円に入れ 、隠れたプラットホームに近づいて登るまでの時間を測定する;被検体を置く位 置およびプラットホームの位置は実験中を通して一定にする。プラットホームの 一番上に登った後、動物を20秒間休ませる。60秒以内にプラットホームを見つけ なかった被検体をプラットホームの上に置き、20秒間休ませる。 ラットを、試験の15分前にリガンドインヒビターh/rCRF(6〜33)またはCRFレセ プターアゴニストh/rCRFのいずれかのICV注射により処理した。h/rCRF(6〜33)の 用量は、0、1、15、25、50または125μgであった。h/rCRFの用量は、0、0、1、1 または2.5μgであった。1グループあたり7〜10匹のラットを処理した。統計的な 分析によって、h/rCRF(6〜33)(p<0.05)またはCRF(p<0.05)で処理した後の行動 には顕著な改善が見られることが確認された(図4)。時間が経過した後にも同様 に行動に有意な改善が見られた(p<0.0001)。 実施例9 Y 迷路可視区別試験 Y迷路可視区別試験は、動物に最小限のストレスを与えて学習に対する正の強 化を利用する学習試験である。被検体に食餌を与えず、訓練セッションの終了後 にのみ食餌を与える。動物は応答しないという選択肢を選ぶこともあるが、ほと んどの場合には、通常の餌よりもラットが好む食餌ペレットの正な強化特性のた めに応答する。 Y迷路は、同じ長さ(長さ61cm、幅14cm、高さ30cm)のアームを含有する。1本の アームはスタートボックスとして使用され、手動式のギロチンドアによって他の 2本のゴールアームと分離されている。2本の遠位のアームの端の垂直面には、8 ワットの電球が備えられている。訓練の1日目に、各ゴールアームの端に2個の 食餌ペレット(45mg Noyes)を置き、体重の80%まで食餌を与えられていないラッ トを5分間迷路に放した。2日目に、各ラットをペレットをおいた各ゴールアー ムの下を1トリップさせた。3日目に、選択した点で1本のゴールアームを閉じ 、開いたゴールボックスで45mgのペレット2個を得られるようにしてはあるが、 区別するための可視的な刺激は与えずに(ライトをオフにしておく)3匹の動物か らなるグループでラットに6つの空間試験をした。オープンアームを6回の試験を 通して左から右に往復させ、被検体から被検体へと往復させた。4日目から10日 目では、両方のゴールアームを開いてゴールアームの端のライトに灯りをつけた 。試験と試験との間の時間が約90秒になるように3例の動物からなるグループで1 日10回の試験を行った。訓練の最後に毎日かごの中で被検体に実験室食餌15gを 与えた。 4〜10日目に、試験直前にリガンドインヒビターのICV注射を与えた。7〜9匹の ラットからなるグループに0、1、5、または25μgのいずれかりガンドインヒビタ ーh/rCRF(6〜33)を与えた。パーセント補正応答を記録した。5μgおよび25μgの CRF(6〜33)を与えられたラットは、0または1μgのリガンドインヒビターを与え られたラットよりも統計的に顕著に良好な行動をした。 実施例10 高架プラス迷路試験 高架プラス迷路試験によって、露出されて照明のあてられた空間に対して暗い 閉じられた領域に関する近接回避状況に動物がどのように応答するかを予測する ことができる。迷路において、両空間を地面から持ち上げ、プラスの符号の形に 交差している2つの通路を構成する。この種の近接回避状況は、「情緒性」につ いての古典的な試験であり、脱抑制(鎮静剤または催眠剤)およびストレスを生じ させる処理に対して極めて敏感である。動機付けの強制は必要なく、動物は暗闇 の中に居続けるか、またはオープンアームから外に出ることができる。 高架プラス迷路装置は、互いに直交して床から持ち上げられて(50cm)いる4本 のアーム(長さ50cm、幅10cm)を有する。これらのアームのうちの2本は壁(高さ4 0 cm)で囲まれ、そして2本のアームは壁を有しない(オープンアーム)。被検体をそ れぞれ迷路の中央におき、5分間の試験期間中は4本のアーム全てに自由に接近し 得るようにした。光電池の光線およびコンピュータインタフエースによって各ア ームに滞在した時間を自動的に記録した。 7〜10匹のラットからなるグループにリガンドインヒビターh/rCRF(6〜33)また はh/rCRF(1〜41)のICV注射を与えた。ラットにh/rCRF(1〜41)を0、0.1、1または 25μg与えた。h/rCRF(1〜41)の1および25μgの用量では、オープンアームにおい て統計的に顕著により多い時間滞在し、不安度が増したことを示した(第5図) 。これとは極めて対照的に、CRF(6〜33)の記憶改善用量ならびに2〜5倍多い用量 (50〜125μg)では、行動に変化はなく、h/rCRF(1〜41)に匹敵する明白な挙動変 化は産生されなかった。h/rCRF(1〜41)はCRFレセプターアゴニストであることが 知られている。したがって、これらのデータは、リガンドインヒビターについて の効率的な認知改善および不安誘発性(anxiogenic)副作用の明瞭な機能的解離 を示す。 実施例11 自動的一方向回避学習 ラットおよびマウスの両方のための装置は、受動性回避試験に使用された装置 と同じである。これは、囲い長さ48cm、高さ16cm、奥行き19cmのSkinner箱から なり、ステンレス鋼棒から構成される格子床(ラットの場合、直径6.3mmの鋼棒2 8本、間隔11.7mm;マウスの場合、直径3.2mmの鋼棒62本、間隔5.2mm)を備える。 箱の各端に7ワットの照明および音発生装置を取り付け、条件刺激として供する 。動物の位置を、格子床のすぐ上の3.3cmの間隔で配置された16フォトビームの アレイの遮断により検出する。 訓練セッションを開始させるために、ラットまたはマウスを、ドアに背を向け てフットショック室の末端部に放す。1回目の試験のみ、ドアを10秒間閉じ、次 いで開け、そしてフットショックを同時に与える。これは、第1回目の試験を、 逃避のみの試験にし、これによって、動物が自発的に探索して安全な室に進入す ることによってショックを回避しないことを保証する。フットショックは、動物 が逃げるまで続けるか、または20秒(マウスの場合)または30秒(ラットの場合)が 過ぎるまで続ける。一旦動物が四肢全て安全な室に進入すると、ドアを閉じ、そ して試験間の間隔を開始させる。ショックを止める前に動物がショックを逃げな い場合、ドアを通して動物を安全室に誘導し(coax)、次いで、ドアを閉じ、そし て試験間の間隔を開始させる。 20秒(マウスの場合)または30秒(ラットの場合)の試験間の間隔は、1つの試験 の終了と次の試験の開始とを区別する。試験間の間隔の間に、第1回目の試験後 の全ての試験で行われた被験体の応答(逃避または回避)の待ち時間および回避の 回数を記録する。10秒未満の待ち時間を有する全ての応答は回避として考える。 試験間の間隔の終点において、ドアに背を向けて、被験体をフットショック室に 戻す。 第1回目の試験後の全ての試験において、被験体をフットショック室に放した 後にドアを直ちに開け、動物に10秒間のフットショック回避を許す。回避が起こ る場合、ドアを閉じ、そして試験間の間隔を直ちに開始させる。被験体が10秒内 で安全室に進入しない場合、動物はフットショックを受け、これは、動物がショ ックを逃げるまで、または最大30秒が過ぎるまで続ける。一旦動物が四肢全て安 全な室に進入すると、ドアを閉じ、そして試験間の間隔を開始させる。ショック を止める前に動物がショックを逃げない場合、それは誘導した試験間の間隔であ る(ステップ3に戻る)。これは、最初の2回または3回の試験後にめったに起こ らない。この順のステップは、所望の試験数のために繰り返される。代表的に、 ラットの場合は、訓練日に8〜10回の試験を行い、そして試験日にも同じ数の試 験を行う。マウスの場合は、訓練日に2〜4回の試験を行い、試験日には10〜14 回の試験を行う。 このストラテジーを利用する場合、第1日目に起こった回避の数が考えられな ければならない。従って、訓練中に起こった回避の数を、試験中に起こった回避 の数から引くことにより、保持スコアが得られる;より高いスコアの差がより良 い保持を反映すると考えられる。 若い成体(3月齢)および老齢成体(24月齢)のBrown-Norweyラットの一方向能動 性回避応答を獲得および保持する相対的な能力を評価した。老齢ラットは、最初 の獲得訓練中には若いラットに比べてより少ない回避応答を示す。さらに、図1 1に示されるように、回避学習の不足は、リガンドインヒビターh/rCRF(6-33)を 用いる処置に対して敏感である。実行能力は、老齢ラットにおいて若いラットに 比べて顕著に改善された。さらに、保持は、獲得訓練後の1日目および7日目の 両方において顕著であった(図12)。 実施例12 自動的受動性回避学習 ラットおよびマウスの両方のための装置は、能動性回避試験に使用された装置 と同じである(実施例11を参照のこと)。 訓練試験のために、動物を別々に学習装置の1室に入れ、これは、ギロチンド アによって第2の室から分けられている。3分間の習慣期の後、ドアを開け、そ して第2の室に進入する待ち時間を記録する。動物が四肢全て入る時に、ドアを 閉じ、0.5秒のACフットショック(Coulburn precision shocker)を与える。5秒 後、被験体を取り出し、そのホームケージに入れる。試験時(通常1〜7日後)は 、動物を学習試験のために最初に入れられていた室に戻し、ドアを開け、そして 第2の室に進入する待ち時間を記録するが、動物にショックを与えない。従って 、実験期間に、被験体に0.5秒の1回のショックを与える。装置の制御および応 答の記録は、コンピュータで自動的に行われる(San Diego Instruments,Gemini Avoidance System)。ショック刺激装置は、研究グレードで精度の調節された装 置であり、これは、操作者および被験体の安全のために電気的に隔離されており 、かつオーバーシュートが制限されている。 150グラムと350グラムとの間の体重を有するほとんどの種のラットについて、 有効なフットショックの強度は、0.2〜1.0mAの範囲である。24グラムと35グラム との間の体重を有するほとんどの種のマウスについて、有効なフットショックの 強度は、0.15〜0.6mAの範囲である。ラットが暗室に進入する潜伏時間を測定し た。図13に見られるように、中位値の待ち時間は、訓練15分前に脳室内(ICV)にh /rCRF(6-33)を受けたラットにおいて劇的に増加した。 実施例13 ニコチン禁断症状誘発過食 過食におけるリガンドインヒビターの効果を、ニコチン禁断症状による過剰食 欲のモデルにおいて評価した。ニコチンを、皮下植入の、生理食塩水に溶解した ニコチン酒石酸塩の溶液(9mg/kg/日;3.15mg/kg/日のニコチン遊離塩基)または 生理食塩水ビヒクル単独を注入する浸透圧ミニポンプにより慢性的に投与する。 ニコチン禁断症状は、14日後にポンプの外科的除去により達成される。 ニコチンポンプの除去またはコントロールにおける偽処置の生理食塩水注入ポ ンプの除去と同時に、被験体に、ビヒクル(O)またはh/rCRF(6-33)のいずれかで 充填した新しい浸透圧ミニポンプを植入し、これは、次の7日間にわたって連続 的にICV注入した(すなわち、1〜7日間のニコチン禁断症状)。7日間のビヒク ル/CRF(6-33)の慢性的注入の後、ポンプを撤去し、それによって、ニコチン禁 断症状(8〜14日の禁断症状)およびニコチン未処置のコントロールの両方の被験 体は、未処置下でモニターされ得た(7日間の回復期にわたる)。体重を、14日 間のニコチン依存期および14日間のニコチン禁断症状期にわたって毎日に記録 した。体重の増加は、測定期間の直前の日の絶対体重に対する増加を構成する。 実施例14 Zucker ラットのリガンド阻害の効果 Zucker痩せ型ラット(fa/?)および肥満(fa/fa)ラットを、ベヒクルで、oCRFま たはh/rCRF(6〜33)処置し、そして食物摂取または体重の変化を測定する。 7日間にわたって、ベースライン測定を、痩せ型および肥満ラットの毎日の食 物摂取および体重について行う。これらの測定の後、ビヒクル、oCRF、またはh/ rCRF(6-33)を送達する浸透圧ポンプを植入する。oCRFを5μg/日で送達し、そ してh/rCRF(6-33)を125μg/日で送達する。ポンプを外科手術によって除去し、 そして次の7日間にわたって、毎日の食物摂取および体重測定を記録する。図7 および8に見られるように、ビヒクル単独を受けたラットに比べて、oCRFまたは h/rCRF(6-33)を受けたラットは、体重増加が低下するか、または体重の損失を示 し、そして食物の摂取が減少した。 以上から、本発明の特定の実施態様について例示の目的で説明したが、本発明 の趣旨および範囲を逸脱することなく様々な改変を施し得ることが理解される。 したがって、本発明は添付の請求の範囲以外には限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 45/00 45/00 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/53 D 33/53 33/566 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (71)出願人 ユニバーシティ オブ レディング イギリス国 アールジー6 2エイジェイ レディング,ピー.オー.ボックス 228,ホワイトナイツ(番地なし) (72)発明者 ベハン,ドミニク ピー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92131, サンディエゴ,ロックスボロ コート 11472 (72)発明者 ハインリクス,スティーブン シー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037, ラホヤ,ビア マロルカ ナンバーシー 8611 (72)発明者 サトン,スティーブン ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92014, デルマー,ピー.オー.ボックス 2964 (番地なし) (72)発明者 ロウリー,フィリップ ジェイ. イギリス国 アールジー6 7エイチピー ベルクス,レディング,メイデン エル レイ ドライブ 19 (72)発明者 リビエル,ジェーン イー.エフ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037, ラホヤ,ブラックゴールド ロード 9674 (72)発明者 デソウザ,エロル ビー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92075, デルマー,サウス レーン 4507 (72)発明者 ベール,ワイリー ダブリュー.,ジュニ ア アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037, ラホヤ,バルデス 1643

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脳内の遊離CRF関連ペプチドレベルを上昇させる医薬品の製造に使用する ための、CRF関連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターで あって、CRF結合タンパク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、ま たは遊離CRF関連ペプチドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンド インヒビター。 2.前記CRF関連ペプチドがウロコルチンである、請求項1に記載のリガンド インヒビター。 3.前記リガンドインヒビターがペプチドである、請求項1に記載のリガンド インヒビター。 4.前記リガンドインヒビターが非ペプチドである、請求項1に記載のリガン ドインヒビター。 5.学習および記憶を改善する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプ チド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タン パク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプ チドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 6.食物摂取を調節する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプチド/CR F結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質か らCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチドのCR F結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 7.脳内の低レベルのCRF関連ペプチドに関連する病気を処置する医薬品の製 造に使用するための、CRF関連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドイ ンヒビターであって、CRF結合タンパク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こ し得るか、または遊離CRF関連ペプチドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得 る、リガンドインヒビター。 8.前記病気がアルツハイマー病である、請求項7に記載のリガンドインヒビ ター。 9.前記病気が、慢性疲労症候群、異型鬱病、肥満症、分娩後鬱病、および加 齢性記憶喪失からなる群より選択される、請求項7に記載のリガンドインヒビタ ー。 10.前記リガンドインヒビターがペプチドである、請求項5〜9のいずれか に記載のリガンドインヒビター。 11.前記リガンドインヒビターが非ペプチドである、請求項5〜9のいずれ かに記載のリガンドインヒビター。 12.前記リガンドインヒビターが薬学的に受容可能なキャリア中で投与され る、請求項5〜9のいずれかに記載のリガンドインヒビター。 13.アルツハイマー病に関連する徴候を処置する医薬品の製造に使用するた めの、CRF関連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであ って、CRF結合タンパク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、また は遊離CRF関連ペプチドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドイ ンヒビター。 14.肥満症を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプチド/CR F結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質か らCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチドのCR F結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 15.異型鬱病を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプチド/ CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質 からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチドの CRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 16.物質乱用の禁断症状を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF関 連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結 合タンパク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関 連ペプチドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター 。 17.分娩後鬱病を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプチ ド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパ ク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチ ドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 18.前記リガンドインヒビターがペプチドである、請求項13〜17のいず れかに記載のリガンドインヒビター。 19.前記リガンドインヒビターが非ペプチドである、請求項13〜17のい ずれかに記載のリガンドインヒビター。 20.活性治療物質としての使用のために、CRF結合タンパク質からCRF関連ペ プチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチドのCRF結合タンパ ク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 21.リガンドインヒビターをスクリーニングするための方法であって、 候補リガンドインヒビターをCRF関連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体とと もにインキュベートする工程;および アッセイにより遊離CRF関連ペプチドを測定する工程、 を包含する方法。 22.遊離CRF関連ペプチドがインビトロリガンド免疫放射アッセイにより測 定される、請求項21に記載の方法。 23.遊離CRF関連ペプチドが生物学的アッセイにより測定される、請求項2 1に記載の方法。 24.高血圧を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプチド/CR F結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質か らCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチドのCR F結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 25.食物摂取を調節する医薬品の製造に使用するための、CRF関連ペプチド/ CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質 からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、または遊離CRF関連ペプチドの CRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 26.ニコチン禁断症状に関連した体重増加を阻害する医薬品の製造に使用す るための、CRF関連ペプチド/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビター であって、CRF結合タンパク質からCRF関連ペプチドの放出を引き起こし得るか、 または遊離CRF関連ペプチドのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る、リガン ドインヒビター。 27.脳内の遊離CRFのレベルを上昇させる医薬品の製造に使用するための、 ウロコルチンを含む組成物。
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