JP2000506362A - 新規プロコラーゲン - Google Patents

新規プロコラーゲン

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Abstract

(57)【要約】 少なくとも第1残基がプロコラーゲンC−プロペプチドの活性を有し、第2残基が外在性コラーゲンα−鎖および非−コラーゲン物質の群のいずれか1つから選択され、第1残基が第2残基に結合していることを含む分子を開示する。また、コラーゲンα−鎖の天然に不在の組合せを含むコラーゲン分子、原繊維および繊維、該物質をコードするDNA、同物にて形質転換されるかまたはトランスフェクションされる発現宿主、トランスジェニック動物および天然に不在のコラーゲンを産生する方法をも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規プロコラーゲン 本発明は、特に、コラーゲン分子とともにコラーゲンα−鎖の天然に不在の組 み合わせを含む新規のプロコラーゲン分子、原繊維および繊維、同物をコードす るDNA、同物で形質転換またはトランスフェクションした発現宿主、トランス ジェニック動物および天然に不在のコラーゲンを産生する方法に関する。 コラーゲン(プロセシングされたプロコラーゲン分子または三重螺旋のプロセ シングしたプロコラーゲン単量体分子としても知られる)(概説には、カドラー (Kad1er,K.)、1995、Protein Profi1e、”Extracellular Matrix 1: fibril-forming collagens”、2:491−619;アヤド(Ayad,S.)ら1 994、ザ・エクストラセルラー・マトリックス・ファクツ・ブック(The Extr acellurar Matrix Facts Book)、アカデミック・プレス(Academic Press)、 ロンドン、ISBN 0−12−068910−3および参考文献として本明細 書に引用するものを参照)は殆ど原繊維の形態で結合組織の細胞外マトリクス( ECM)に存在する動物中の主要構造タンパク質である。該コラーゲン原繊維( 多量体コラーゲン)は結合組織の機械的な強度の主要起源であり、細胞接着のた めの土台および動的分子相互作用の足場を提供する。コラーゲンファミリーは三 重螺旋に巻き込んだ3本のコラーゲンα−鎖を含む複雑なマルチドメインタンパ ク質を含む。少なくとも20の遺伝的に特徴的であるコラーゲンのタイプが明ら かにされるべく記載され、該コラーゲンは、コードされるタンパク質の遺伝子ホ モロジーおよび機能に基づいてサブグループに分類されることができる。原繊維 形成コラーゲン(I、II、III、VおよびXI型:表1参照)を可溶性プロコラ ーゲン(プロα鎖、プロコラーゲンα−鎖および単量体鎖としても知られる)と して合成され、C−プロペプチド、Gly−X−Y繰り返し含有領域(原繊維形成 コラーゲン単量体鎖の場合には阻止されていない(uninterrupted)コラーゲン α−鎖を含む)およびN−プロペプチドを含む。該プロα鎖は非プロセ シングプロコラーゲン分子(単量体プロコラーゲン分子および三量体化したプロ α鎖としても知られる)を三量体化して形成し、にN−およびC−末端プロペプ チドドメイン(N−およびC−プロペプチド)の酵素的切断により原繊維構造へ 凝集する(図1参照)。 該プロα鎖をコードする遺伝子は非常に似通っているが、該プロα鎖の折り畳 みおよび三量体化をコントロールするプロセスについては比較的殆ど知られてお らず(ディオン(Dion,A.S.)およびマイヤーズ(Myers,J.C.)、198 7、J.Molec.Biol.、193:127−143)およびコラーゲンの僅かに限 られた範囲が形成される。例えば、皮膚繊維芽細胞は同時に6つの非常に類似の プロα鎖を合成する(プロα1(I)、プロα1(III)、プロα1(V)、プ ロα2(I)、プロα2(V)およびプロα3(V))。該6つのプロα鎖の組 合せの可能性が非常に多数であるにもかかわらず、コラーゲン鎖の特別な組合せ のみが存在する−これらはI、IIIおよびV型コラーゲンを産み出すものである 。I型コラーゲンはヘテロダイマーとして存在し、2つのプロα1(I)鎖およ び1つのプロα2(I)鎖の化学量論([プロα1(I)]2プロα2(I)) と共に集める。プロα2(I)のホモトリマーは検出されず、従って、三量体に おけるこの鎖の含有はプロα1(I)鎖との関連に依存する。III型コラーゲン はホモトリマー([プロα1(III)]3)を含み、組成の鎖はI型コラーゲンプ ロα鎖のいずれかを集めない。V型コラーゲンは鎖の組成に関する不均一性 (heterogeneity)を示し、ホモ−([プロα3(V)]3)およびヘテロトリマ ー([プロα1(V)]2プロα2(V)および[プロα1(V)プロα2(V )プロα3(V)])の両方を形成する。 C−プロペプチドはN−およびC−プロペプチドの切断および原繊維形成プロ α鎖におけるコラーゲンの形成の前に三量体化したプロα鎖(プロセシングして いないプロコラーゲン)中のモノマー鎖の集合に関係すると知られている。三量 体)化したプロα鎖になる3つのモノマー鎖の集合は、C−プロペプチドの連合 によって開始する。この連合は2段階に分けられる:最初に鎖の選択を決定する プロα鎖間の認識事象が起こり、ついで正しい三重螺旋のアラインメントおよび 折り畳みへと導く登録(registration)事象が起こる。プロα1(I)、プロα 2(I)およびプロα1(III)プロα鎖(集合してコラーゲンI型およびIII型 を形成する)のC−プロペプチドのアミノ酸配列の比較(図2)は、そのホモロ ジーにもかかわらず、コラーゲンの型特異的様式においていつも集合し折り畳ま れ、これらのプロα鎖の間の配列の類似性の顕著なレベルを証明する。 C−プロペプチド、および特にそれらのある配列は必要であるだけでなく、結 合する残基の型特異的集合を決定するのに十分であることが現在わかっている。 これらのある配列の存在のため、該C−プロペプチドは結合残基(特に外在性の コラーゲンα−鎖であるかもしれない)の集合を自動的に指示することができる 。本発明者らは、鎖の選択事象を定義するが、後の折り畳みに影響を及ぼさない C−プロペプチドの単離し特徴付けた領域を有する。これにより新規トリマー化 した新規三量体プロα鎖およびコラーゲンを形成する新規のプロα鎖の合成がで きる。鎖の選択はプロα鎖の間で相互作用はコントロールされているので、新規 のトリマー分子の多大な範囲、特にコラーゲンは現存および新規プロα鎖および C−プロペプチドを用いて合成される。これらの新規の分子は選択された生物学 的および物理的特性を所有することができ、広範囲の使用を有する。例えば、新 規のコラーゲンはコラーゲンが製造物または製造工程の一部として使用される産 業において使用できる。そのようなコラーゲンおよび使用は例えば:食物におい ての使用のための新規ゼラチン、食物プロセシングおよび写真術;醸造工程の間 の酵母を浄化するための新規発見;食物梱包産業のための新規ゼラチン;織物の 製造物のための新規ポリマー;建造物、ビル建設および製造において使用する新 規の接着剤;錠剤のための新規のコーティング;ヒトまたは動物の体に使用する 新規接着剤;身体移植として使用するための新規コラーゲン;アジュバントとし ての新規コラーゲンおよびプロコラーゲンおよび試薬および製薬剤のための分子 担体としてのプロコラーゲン;および例えば傷の治癒および線維症における使用 のためのコラーゲン原線維形成のモジューレーターとしての例が含まれる。 本発明により、少なくとも第1残基がプロコラーゲンC−プロペプチドの活性 を有し、第2残基が外在性コラーゲンα−鎖および非コラーゲン物質の群の任意 の1つから選択され、第1残基が第2残基に結合しするものを含む分子を提供す る。 該分子は他の類似の分子に結合することができる。該分子は、他の類似の分子 と三量体化するかもしれない。 第1残基は間に遮るアミノ酸残基が存在するが、一般的に第2残基のC−末端 に結合する。 第1残基はプロα鎖C−プロペプチドまたはその部分的に修飾した形態または その類似体(analogue)を含み、プロα鎖のC−末端領域を形成する際には該分 子が類似の他の分子に結合できる。プロα鎖のC−プロペプチド領域は、プロα 鎖のC−プロテイナーゼ切断から生み出されるC−末端断片であるかもしれない 。C−プロテイナーゼは残基GおよびDまたはAおよびDまたは配列FAPYYGD( 配列番号2の残基376−382)、YYRAD(配列番号:14の残基1−5)ま たはFYRAD(配列番号:1の284−288残基)(図2)またはその類似体の 間で切断することができる。 分子に対する修飾には残基の付加、欠失、置換を含む。置換は保存的置換であ ってよい。修飾された分子は実質的に、該分子が由来する分子と同様の特性およ び特徴を有することができる。それらは例えば、少なくとも40%のホモロジー を、例えば50%、60%、70%、80%、90%または95%のホモロジー を有することができる。 本発明者らは結合する残基の型特異的集合を決定するのに必要でありかつ十分 である配列を含むプロコラーゲンC−プロペプチド中の単離および同定した(実 験セクション参照)部位−認識部位−を有する。認識部位は、他のC−プロペプ チドに対するC−プロペプチドのアラインメントプロット(alignment plot)中 で、接続点BおよびG(図2)間の領域中の配列に対応する配列(認識配列)を 含むC−プロペプチドの一部であると定義されている。アラインメントプロット は英国、ダレスベリー・ラボラトリーズ(Daresbury Laboratories)にてSEQ NET上のPILE−UPプログラムを用いて行う。認識配列で置換されている 存在するプロα鎖およびその結果は異なる特性または特徴を有し、C特性が新 規であるので外在性コラーゲンα−鎖およびC−プロペプチドおよびが新規であ るので、またはさらに全ての事象において外在性新規であって、すべてのコラー ゲンα−鎖はそれゆえ、それに外在性である。 図2に見られるように、認識配列は類似のアミノ酸の領域を含む。保存された 残基に対する置換は(「実験」セクション、以下、参照)鎖の選択を崩壊させな いし、また正確に並んだ螺旋の形成を妨げるものではないし、かつ鎖の選択に保 存された残基が関係ないことを明らかにする。従って、該認識配列は約23アミ ノ酸の連続した配列を含むが、断続的な可変配列内に含まれる鎖の選択特性を有 すると考えられることができる。例えば、α1(III)(配列番号:6)の認識 配列において、断続的な可変配列は1−12および21−23の残基を含むと考 えられる。 C−プロペプチドおよび/または認識配列は原繊維プロα鎖の配列であってよ い。より一般的には、C−プロペプチドは現存するC−プロペプチド、例えば、 天然に見いだされるC−プロペプチドまたは、現存するプロα鎖C−プロペプチ ド類似体(すなわち実質的に同一の特性および特徴を持つが、しかし異なる配列 を持つ)の部分的に修飾した形態であってよいか、または新規のC−プロペプチ ド(すなわち、他のC−プロペプチドに対して優位に異なる特性または特徴を有 するC−プロペプチド)を含んでよい。 現存するC−プロペプチドはプロα1(I)、プロα2(I)、プロ1(II) 、プロα1(I)、プロα2(I)、プロ1(II)、プロα1(III)、プロα1 (V)、プロα2(V)、プロα3(V)、プロα1(XI)、プロα2(XII )およびプロα3(XI)プロα鎖C−プロペプチド、またはその部分的に修飾 した形態またはその類似体の群のいずれか1つから選択されることができる。プ ロコラーゲンC−プロペプチドの部分的に修飾した形態にはC−プロペプチドの 認識配列、例えばそれらが由来するC−プロペプチドに関連する付随の図面の図 面3に同定されるものが含まれる。 該C−プロペプチドは現存するC−プロペプチドまたはその部分的に修飾した 形態または認識部位で置換したその類似体を含むかもしれない。該C−プロペプ チドは例えば異なるC−プロペプチドの認識配列などの現存するC−プロペプチ ドの認識配列で認識部位を置換することができる。例えば、プロα1(III)、 プロα1(I)、プロα2(I)、プロα1(II)、プロα1(V)、プロα2 (V)、プロα1(XI)、プロα2(XI)およびプロα3(XI)プロα鎖の 群のいずれか1つのC−プロペプチドの認識配列で認識部位を置換することがで きる。配列番号:6−13の群のいずれか1つの配列を有する認識配列で認識部 位を置換する。アミノ酸残基の付加、欠失または置換による例を修飾したC−プ ロペプチドの認識配列は実質的に同一の特性および/または特徴を有するもので あるが、現存するC−プロペプチドのものと本質的にみなされる。一般に認識配 列は該配列が由来する配列に少なくとも40%類似であり、または少なくとも5 0、60、70、80、90または95%類似であり得る。 そのような該認識部位での置換は該C−プロペプチドの特性または特徴に有意 に影響を及ぼす。 代わりに、該認識配列は新規であってよい。そのような新規の認識配列は、例 えば第1残基に新規の動力学または第1残基に対する特異性、または第1残基の 新規の組合せを与えることができる。 第2残基は第1残基に結合した任意の分子要素である。例えばこれには外在性 コラーゲンα−鎖分子または他のタンパク質またはタンパク質の断片、抗体また はその抗原結合断片またはその組合せなどを含む。第2残基を構成するまたは貢 献するタンパク質はグリコシル化されてよく、またさもなければ翻訳後に修飾す る。「外在性コラーゲンα−鎖」とは天然のC−プロペプチドを有するプロα鎖 の一部を形成しないコラーゲンα鎖を意味する;コラーゲンα鎖は三重螺旋形成 ドメインを含み、N−プロペプチド配列また存在することができる。同種由来の 他のコラーゲンα−鎖ならびに他の種からのそれが使用されるかもしれない。天 然に存在するC−プロペプチドを有するプロα鎖の一部を形成しないコラーゲン α鎖として含まれるので部分的に修飾した形態であり、天然に存在するC−プロ ペプチドを有するプロα鎖の一部を形成する現存するコラーゲンα−鎖の類似体 および結合特異性などのプロコラーゲン分子の適切な特性または特徴またはコラ ーゲンα−鎖に有意には影響を及ぼさないものである。コラーゲンα鎖の部分的 に修飾した形態および類似体は、C−プロペプチドまたはコラーゲンα鎖の適切 な特性または特徴に有意には影響を及ぼさない例えば、付加、欠失または置換を 有することができる。 従って、本発明により、新規コラーゲンが製造されることができる。そのよう な新規コラーゲンは天然のC−プロペプチドの集合指示効果 (assembly-directing effect)のために天然には見られないα−鎖の組合せを 有する。本発明はタンパク質技術によって天然に存在しないα−鎖の組合せを有 する新規のコラーゲンを構築することができる。従って、本発明は天然に存在し ないα−鎖の組合せを含むプロコラーゲン分子に拡張する。天然に不在のプロコ ラーゲンホモトリマーおよびヘテロトリマーには表1には記載されていないすべ ての可能性のあるトリマーを含み、これらは本発明の範囲に含まれる。 第2残基は少なくともコラーゲンα−鎖を含むことができる。コラーゲンα鎖 はプロα1(I)鎖、プロα2(I)鎖、プロα1(II)鎖、プロα1(III) 鎖、プロα1(V)鎖、プロα2(V)鎖、プロα3(V)鎖、プロα1(XI )鎖、プロα2(XI)鎖およびプロα3(XI)鎖コラーゲンα鎖のうちのいず れか1つから選択することができる。 第2残基はまたプロα鎖N−プロペプチドをも含むことができる。N−プロペ プチドはプロα1(I)、プロα2(I)、プロα1(II)、プロα1(III) 、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα3(V)、プロα1(XI)、プロ α2(XI)およびプロα3(XI)プロα鎖N−プロペプチドの群のいずれか1 つから選択することができる。 第2残基は天然に結合する(例えばプロα2(I)鎖の)コラーゲンα−鎖お よびN−プロペプチドを含むことができるかまたはコラーゲンα鎖およびN−プ ロペプチドの天然に不在の組合せを含むことができるかもしれない。本発明の分 子を発現させたい宿主の器官に依存して、該N−末端プロペプチドは発現系にお いて分泌を促進するかまたは他の操作またはプロセシングに置換または適応させ ることができる。 該分子はコラーゲンα−鎖およびプロα2(I)鎖のN−プロペプチドの活性 を含む第2残基に結合するプロα1(III)C−プロペプチドを有する第1残基 を含むことができる。該分子は配列番号:4の配列を有することができる。 イン・ビボでのコラーゲン分子の天然の形成において、N−およびC−プロペ プチドはポリマーコラーゲンの形成の間にコラーゲン分子を産生するためプロコ ラーゲン分子で切断される。結果的に、本発明はその範囲内にα−鎖の天然に不 在の組合せを含むコレーゲン分子を含む。天然に不在のコラーゲンホモトリマー およびヘテロトリマー(表1に挙げていない可能性のあるすべてのコラーゲント リマーを含む)は、本発明の範囲内である。(何らかの理由のため、C−プロペ プチドを持っがN−プロペプチドを持たない天然に不在のコラーゲン分子または その逆を所望する場合、選択した発現系においてプロセシングを担う酵素は、操 作されるかまたは適宜に選択されるか、または適当に酵素的なプロセシングを受 け易くするよう修飾された分子の配列であってよい。) コラーゲン分子は本来、自己凝集(self-assemble)してコラーゲン原繊維と なり、次々と集合してコラーゲン繊維を形成する。コラーゲン原繊維およびコラ ーゲン繊維は上記のコラーゲン分子を含み、ゆえに本発明によりまた、考慮され る。 本発明の第1の側面の分子はペプチドライゲーションおよび完全な合成を含む 任意の便利な方法によって調製されることができる。しかしながら、該分子は組 換えDNA系からの発現によって調製されるのが好ましい。この目的および本発 明の第2側面により、上記の分子およびコードする組換えまたは単離された形態 であるDNA分子を提供する(特に天然に不在のプロコラーゲンα−鎖)。 本発明の組換えDNAはベクターの形態であってよい。該ベクターは、例えば 、プラスミド、コスミドまたはファージであってよい。ベクターはしばしば1ま たはそれ以上の選択可能なマーカーを含み、それらでトランスフェクション(ま たは形質転換:該語は本明細書中では交換可能に使用される)した細胞を選択可 能にし、好ましくは異種DNAを含むベクターを有する細胞の選択を可能にする 。適当な開始および終結シグナルが存在するであろう。該ベクターは発現させる 調 節配列を有する発現ベクターであってよい。調節配列を含まないベクターは、ク ローニングベクターとして有用である;および勿論、発現ベクターもまた、クロ ーニングベクターとしても有用である。 クローニングベクターは、その操作を容易にする大腸菌または適切な宿主に導 入することができる。本発明の他の態様により、従って上記のDNAでトランス フェクションまたは形質転換する宿主細胞を提供する。そのような宿主細胞は原 核生物または真核生物細胞であってよい。真核宿主細胞には、酵母、昆虫および 哺乳動物細胞株を含む。発現宿主は安定して形質転換することができる。不安定 および無細胞発現系は適当な環境において使用することができるが、それらは現 在の技術状態では大きな産物には都合よくないようである。 本発明のDNAはトランスジェニック植物または好ましくは動物における発現 のために設計されたトランスジーン構築物の形態、または好ましくは動物であっ てもよい。原則として、本発明は家禽などの鳥類、爬虫類種および魚類など含む すべての動物に適応可能である。該タンパク質は体液または他の身体産物(適当 なところでは卵)から回収することができる。実際には哺乳動物(非ヒト動物)、 特に胎性哺乳動物には、多大な市販されていて有用な適用性は現在予見されてお り、乳腺における発現として、ミルクからの発現産物の連続した、ときおりの回 収が証明され、好ましい技術である。本発明が最も有用なのは、有蹄類、特に経 済的に重要であるウシ、ヒツジ、ヤギ、水牛、ラクダおよびブタなどの有蹄類で あう。そのような哺乳動物トランスジェニック乳発現系の産生および有用性が両 者とも一般的に、ある例においては特異的にWO−A−8800239およびW O−9005188に開示されている。β−ラクトグロブリンプロモーターは特 に、トランスジェニック乳発現系における使用に好ましい。WO−A−9416 570はトランスジェニック動物の乳におけるヒト組換えコラーゲンの産物を開 示すると主張しているが、そのように行われた産物の実験的詳細発現は含まれて いない。 発現宿主、特にトランスジェニック動物は本発明の分子の生合成の発現、集合 、分泌および他の側面を容易にする外在性DNAを含むかもしれない。例えば、 発 現宿主はプロリル4−ヒドロキシラーゼ、WO−9307889号に開示される ようにプロコラーゲンの天然での生合成において重要である翻訳後酵素 (post-translational enzyme)である、共発現するかもしれない。 天然のプロコラーゲン鎖をコードするDNA、特にcDNAは公知であり、か つ当該技術分野においては使用可能である。例えば、WO−A−9307889 、WO−A−9416570および両方に引用される参考文献は詳細を与える。 そのようなDNAは、本発明のDNAの便利な開始点を形成し、それから組換え 技術によって調製することができる。C−プロペプチド(またはそれからの最小 必須領域)をコードするDNAの一般的観点が外在性コラーゲン三重螺旋ドメイ ン(通常N−プロペプチドに一致するものをコードするDNAに結合する)をコ ードするDNAに単にライゲーションするかもしれないが、実際、正確なライゲ ーションに影響を及ぼすためのPCRに基づいた技術を利用するのは有用である 。例えば、C−プロペプチドと三重螺旋ドメインの間の接合領域をフランキング するPCR産物を調製することができ、ついで組み合わせることができる;つい で重複拡張反応(overlap extension reaction)が行われ、1つのプロコラーゲ ン鎖のC−プロペプチドをコードするDNAと他のプロコラーゲン鎖の三重螺旋 ドメインをコードするDNA(およびN−プロペプチド、通常)間のハイブリッ ドであるPCR産物を産生する。 原則として、本発明は合成DNA配列、cDNAs、全長ゲノム配列および「 微小遺伝子(minigenes)」(全長遺伝子に存在する介在配列の全てではないに せよいくつかを含む部分的なゲノム配列をいう)の使用を適応させることができ る。一般的に、コラーゲン遺伝子中に介在配列が多数存在するので、しかし実験 的な実用性は通常cDNAまたは幾つかの状況においては微小遺伝子の使用が都 合よい。 本発明のDNAは原則として、引き続きのヌクレオチドとともに結合する任意 の便利な方法、および/またはイン・ビトロ行程を含み、オリゴーおよび/また はポリヌクレオチドをライゲーションすることに関するが、選択の方法を形成す る組換えDNA技術が形成する。 本発明の分子はヒトまたは動物体の治療または診断の方法において有用である かもしれない。該分子は接着剤または移植物としての使用であってよい。本発明 は、それゆえ、恐怖が低減した傷または繊維障害の治癒を促進するのに使用でき る。慢性傷の治癒を促進することにおいての使用であってよい。「傷または線維 障害」なる語は、瘢(scar)組織の形成が可能な任意の状態を意味する。特に、 これは皮膚の傷の治癒、腱の傷害の修復、圧潰(crush)傷の治癒、中枢神経系 (CNS)傷害の治癒、CNS中の瘢組織の形成を起こす状態、発作由来の瘢組 織形成および組織接着、例えば、傷または外科手術などの結果であるが、これら を含む(これは例えば、腱の治癒および腹部構造および接着に応用できる)。繊 維の障害の例には肺線維症、糸球体腎炎、肝硬変および増殖性硝子体網膜症を含 む。 例えば、線維症の抑制において、新規のコラーゲン分子またはプロα鎖は傷ま たは線維症、コラーゲン原繊維形成を抑制する新規のコラーゲン(またはプロα 鎖)およびよって線維症の部位に応用することができる。新規のコラーゲン、ま たはプロα鎖は例えば短くしたα−鎖を有することができる。 本発明のDNAは適当な構築物において、遺伝子療法において有用であり得る 。骨形成不全(OI)、エーレルス・ダンロー症候群(EDS)、スティックラ ー症候群(Stickler Syndrome)、脊椎骨形成異常、低軟骨形成または大動脈瘤 の治療における使用のためであってよい。コラーゲン遺伝子内の変異はOIのた いていの形態の、EDSおよびいくつかの軟骨形成不全の形態の原因である。た いていの場合、該疾患の破壊的効果は一層大きな側鎖を有するアミノ酸のGly− X−Y繰り返し含有領域−の三重螺旋内のグリシンの置換による。これは、トリ マー化したプロα鎖の分泌において劇的な減少がみられる結果で三重螺旋の折り 畳みが妨害または遅延される。誤って折り畳まれたタンパク質は、使い切られた 後、分解され、細胞内に、恐らくER(小胞体)内に保有されるであろう。C− プロペプチドの折り畳みが、三重螺旋ドメイン内の変異によって影響されず、野 生型ならびに変異鎖由来のC−プロペプチドは結合し、かつ細胞内に保有される ことができる。野生型鎖の保有および分解は変異の効果を増幅する変異鎖との相 互作用により、「プロコラーゲン自殺」と称す。この現象によるタンパク質の多 量の損失は、そのような変異の最も有力な致死的効果を説明することができる。 変化した鎖の選択性を有するプロα鎖を操作することによって、プロα鎖はおそ らく変異鎖と結合させないで処理し、従って、折り畳まれ、通常で選択するであ ろう。そのように操作されたプロα鎖は野生型のコラーゲンα鎖を含むことがで き、それによって変異コラーゲンα−鎖によって引き起こされる欠点を埋め合わ せる。発現したタンパク質は、いくつかの状況において、疾患の治療および遺伝 子療法による一層基本的なレベルで明確にする状態においても有用である。 本発明はまた、写真術、醸造、食料品、織物または接着剤においても有用であ る。 本発明により、本発明の分子の使用を含むヒトまたは動物体の治療または診断 の方法をもまた提供する。 本発明はさらに以下の図面および実験の記載を含む実施例から明らかである: 図1は、プロラーゲンの細胞内折り畳み、凝集(assembly)の修飾の最初の段 階を示す。段階1で同時翻訳転座(co-translational translocation)およびシ グナルペプチド切断が起こることが見られる。ついで、分子内ジスルフィド結合 形成外在ならびにN−結合グリコシル化、プロリン異性化およびプロリンヒドロ キシル化が第2段階で起こる。ついでトリマー化および分子内ジスルフィド結合 形成によるプロα鎖の3型特異的な集合が続く。最終的に第4段階にて、三重螺 旋の形成がカルボキシからアミノ酸方向へと続いてトリマー化したプロα鎖を得 る; 図2は、デフォルト設定を用いて、英国、ダレスベリー・ラボラトリーズにて SEQNET上のPILE−UPプログラムを用いて行ったI型およびIII型プ ロコラーゲンのプロα鎖のC−プロペプチドのアラインメントプロットを示す。 α1(I)は配列番号:14;α2(I)は配列番号:1の残基番号284−5 34である;およびα1(III)は配列番号:2の残基番号379−626であ る。C−プロテイナーゼ切断部位(CPと記す)はAとD(α1(I))、Aと D(α2(I))およびGとD(α1(III))間である。結合点A、F、B、 CおよびGは以下に示す。数字は保存されたシステイン残基をも示す。#は同一 のアミノ酸を示し、および〜は保存された側鎖を有するアミノ酸を示す; 図3は、それぞれ配列番号:7、8、9、6、10、11、12および13を 有するプロα1(I)、プロα2(I)、プロα1(II)、プロα1(III)、 プロα1(V)、プロα2(V)、プロα1(XI)およびプロα2(XI)プロ α鎖の認識配列を示し、図2の結合点BとGの間の配列に対応するような他のC −プロペプチド(特に図2のC−ペプチド)に対するC−プロペプチドのアライ ンメントプロットによって同定される。 図4は、翻訳されたプロコラーゲン構築物のSDS−PAGEゲルを示す。レ ーンは以下の通りである:1−分子量マ一カー;2および6−プロα1(III) Δ1;3および7−プロα2(I)Δ1;4および8−プロα2(I):(III )CP;5および9−プロα1(III):(I)CP; 図5は、翻訳されたプロコラーゲン構築物のSDS−PAGEゲルを示す。レ ーンは以下の通りである:1−分子量マーカー;2および7−A−結合;3およ び8−F−結合;4および9−B−結合;5および10−C−結合;6および1 1−recip−C−結合; 図6は、α,α'−ジピリジルの存在下(レーン3、5および7)および不在下 (レーン2、4および6)の翻訳されたプロコラーゲンを示す。レーンは以下の 通りである:2および3−プロα2(I):(III)CP;4および5−BGR ;6および7−プロα1(III):(I)CP; 図7は、還元条件(レーン1−3)および非還元条件(レーン4−6)下での 翻訳されたプロコラーゲン構築物のSDS−PAGEゲルを示す。レーンは以下 の通りである:1および4−BGRS-C;2および5−BGR;3および6−B GRL-M;および 図8は、翻訳されたプロコラーゲン構築物のSDS−PAGEゲルを示す。レ ーンは以下の通りである:1−分子量マーカー;2−BGRS-C;3−BGR; 4−BGRL-M実験 切断された形態の(truncated)プロα2(I)鎖(プロα2(I)Δ1;配 列番号:1;拡散コード配列−配列番号:19)をコードするcDNAクローン は、pBluescriptSK+のEcoRI部位にサブクローニングした2つの部分的なc DNAクローンpHf1131およびpHp2010(クイバニエミ (Kuivaniemi,H.)ら、1988、Biochem.J.、252:633−640)か ら構築された。ベクターと該遺伝子の5'−末端の0.5kbを含む3.4kbのP stI断片を、pHp2010から単離し、3'末端をコードするpHf1131 由来の1.4kbPstI断片にライゲーションする。得られた組換えプロα2(I )Δ1はコーディング配列において2.2kbの欠失を有する(リーズ(Lees)お よびブレイド(Bulleid)、1994、J.Biol.Chem.、269:24354− 24360)。 この構築物はウィルソン(Wilson)らによって記載されたような(1995、 Biochem J.307:679−687)半透過化された(semi-permeabilised) (SP)HT1080細胞系を用いて分析した。半透過化細胞をHT1080細 胞調製した。75cm2フラスコからの一定の密度に達したHT1080細胞を 1回PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で濯ぎ、ついで室温で3分間2.5mg/ml のトリプシンを含むPBS、2mlでインキュベートした。そのフラスコを氷に移 し、そこに氷冷したKHM(110mMKOAc、20mM Hepes、pH7.2、 2mM MgOAc)8ml(100μg/mlダイズトリプシンインヒビターを含 む)を加え、ついで細胞をプレートに撒く。細胞を12,000rpmで3分間ペレ ット化し、再度40μg/mlのジギトニン(DMSO(ジメチルスルホキシド )中の40mg/mlストックから希釈)を含む6mlのKHMに再懸濁し、つ いで氷上で5分間インキュベートする。透過を終結させるため、8mlのKHM を加え、細胞をペレット化して再度50mMHepes、pH7.2、90mM KO Acに再懸濁する。10分後、細胞をペレット化し、100μlのKHM(約2 ×106細胞)に再懸濁する。CaCl2を1mM加え、スタフィロコッカススクレア ーゼを10μg/mlに加えることによって内在性mRNAを除去し、室温で1 2分間インキュベートする。その反応を4mMまでEGTAを加えて終結させ、 つ いで細胞をペレッティングする。半透過化細胞を100μlのKHM再懸濁した 。RNAを30℃で1時間ウサギ網膜細胞溶解物(フレキシリゼイト(FlexiLys ate)、プロメガ(Promega)、サザンプトン、英国)を用いて翻訳する。その翻 訳反応液(25μl)は16μlの網膜細胞溶解物、1μlの1mMアミノ酸( メチオニンは除く)、15μCiL−[35S]メチオニン、1μl転写RNAおよ び半透過化した細胞(約1×105)を含む。翻訳後、N−エチルマレイミドを 最終濃度20mMにまで加える。ジスルフィド結合の形成を還元条件および非還 元条件下で翻訳産物を7.5%ポリアクリルアミドゲル上で相対的にゲル電気泳 動することによって確認する。この無細胞系を用いて分析する場合、プロα2( I)Δ1mRNAからの翻訳産物はホモトリマーを形成するように自己結合しな いことは最初の認識事象に必要な情報を含まないことを示す(図4、レーン3お よび7)。 切断された形態のプロα1(III)鎖(プロα1(III)Δ1;配列番号:2; 核酸コーディング配列−配列番号:20と称す)cDNAクローンは2つの部分 的なcDNAであるpS413およびpS31(アラ−コッコ(Ala-Kokko)ら 、1989、Biochem.J.260:509−516)から構築された全長型III プロコラーゲンcDNAから構築する。各cDNAをpBluescript SK-のEco RI部位にサブクローニングする。ベクターおよび5'末端1.8kbを含む4.7 kbのSalI(制限酵素)断片をpS413から単離し、ついでpS31からの 3.6kbのSalI断片にライゲーションしてプロα1(III)を製造する。内部の 2.5kbXhoI断片をプロα1(III)から切り出し、ついで親のプラスミドを 再度ライゲーションしてプロα1(III)Δ1(リーおよびブレイド、1994 、J.Biol.Chem.、269:24354−24360)。 プロα1(III)Δ1mRNAは、凝集して、半透過化した無細胞翻訳系にお いて翻訳した分子内のジスルフィド結合したダイマーおよびトリマーを形成する ことができる能力によって判断されたホモトリマーを形成することができる。こ のことはそれが自己凝集に必要な情報を含むことを示していた(図4、レーン2 および6)。 ハイブリッドcDNAクーンは、プロα1(III)Δ1およびプロα2(I) Δ1由来の配列を含み、調製される。プロα1(III)Δ1のC−プロテイナー ゼ開裂部位はこれらの実験のため、配列番号:2のAla377とPro378の間で 図2に示すように配列番号:2のGly381とAsp382の間のかわりにとられる 。これらの構築物の最初に、プロα1(III)Δ1鎖からのC−プロペプチドの ためのコーディング配列をプロα2(I)鎖からのC−プロペプチドの配列で置換 し、その結果得たキメラをプロα1(III):(I)CP(配列番号:3)と称す。こ の構築物は、無細胞系で翻訳されると自己結合に失敗する(図4、レーン5およ び9)。相互構築物をプロα2(I)Δ1からのC−プロペプチドをプロα2( I):(III)CP(配列番号:4)と称されたキメラのプロα1(III)からの C−プロペプチドと置換した。 この構築物は自己結合することができ、ダイマーおよびホモトリマー(図4、 レーン4および8)を形成し、そのことは、C−プロペプチド内の選択結合残基 に必要であるすべての情報を初めて証明した。プロα1(III):(I)CP構 築物は以下に記載するように調製した。他の構築物は同様の方法および公開され た配列を用いて製造した。 ハイブリッドcDNAクローンをPCRに基づいた方法を用いて調製した。プ ロα1(III):(I)CPの構築のため、PCR産物はプライマーを有してプ ロα1(III)Δ1から調製され、そのプライマーの1つ(配列番号:15;J L−35)は三重螺旋ドメイン内でハイブリダイズし、もう一方はC−プロペプ チドで結合点から21ヌクレオチド上流のものとハイブリダイズする。このプラ イマーはまたプロα2(I)Δ1のC−プロペプチドの最初の21ヌクレオチド に相補的な21ヌクレオチドの重複を含む。これにより0.25kbのPCR産物 を得た。 第2PCR産物をプライマー(そのうちの1つは(配列番号:17;JL−3 1Kpn)3'−未翻訳領域内の翻訳停止コドンの下流ではハイブリダイズした)を 用いてプロα2(I)Δ1から調製した。このプライマーはまた、KpnI部位を 含む。他のプライマー(配列番号:18;JL−36)はプロα2(I)Δ1 のC−プロペプチドの最初の18ヌクレオチドとハイブリダイズする。 2つのPCR産物を組み合わせて第3のPCR(重複拡張(overlap extension))をプライマー−JL35(配列番号:15)およびJL−31Kpn (配列番号:17)を用いて行い、1.1kbの産物を産生する。これをXhoIおよ びKpnIで切断し、ついでXhoIおよびKpnI切断したプロα1(III)Δ1にサブ クローニングしてプロα1(III):(I)CPを産生する。 プロα2(I)ΔIC−プロペプチド配列の一部がプロα1(III)C−プロ ペプチドの対応領域で置換されたもので、多様なハイブリッド構築物を調製した 。多様な領域をA、F、B、CおよびGと称された結合点で図2において略述し た。例えば、A結合分子はプロ1α(III)鎖のC−プロペプチドからの対応領 域由来であるもの部分(すなわちEI…)のカルボキシ側のすべての配列を有し て、A部分まで、A部分は含まないプロ2α(I)Δ1配列のすべてを含む。プ ロα1(III)およびプロα2(I)C−プロペプチドはシステイン残基の相補 物(およびゆえにジスルフィド結合することができる能力)において、Cys2残 基(図2)を欠如するプロα2(I)の代わりにセリン残基を有する点で異なっ ている。非還元条件下(以下参照)での分析を容易にするために、該F、Bおよ びC構築物はプロα2(I)鎖のCys2部位にてシステイン変異の代わりにセリ ンを含む。この変異が鎖の選択に全く役割を果たさないことを確認するために、 同様の変異構築物(プロα2(I):(III)BGRS-C−はBGRS-Cという; 以下参照)を逆突然変異(back-mutated)した。逆突然変異した構築物(すなわ ちプロα2(I):(III)BGR−はまたBGRという)はその親分子(プロ α2(I):(III)BGRS-C)として同様の鎖の選択性を有する(以下参照) 。 A結合、F結合およびB結合キメラは、無細胞系(図5、レーン7、8および 9)において翻訳する場合、すべて凝集してホモトリマーを形成する。しかしな がら、C結合分子は凝集せず(図5レーン10)、そのことは凝集のための認識 部位はB部位のカルボキシ末端およびC部位のアミノ末端配列内にて含まれるこ とを示唆している。C結合分子の凝集の欠如は凝集のための認識配列内にあるた めであるという可能性は排除されなかった。認識部位が分裂させられた証拠は相 互構築物が作成された場合に得られる。本構築物は、プロα2(I)C−プロペ プチド由来であるC−プロペプチドの残りを有するC−部位までのプロα1(II I)Δ1鎖を含む。この構築物(recip−C−結合)から全く凝集が見られなかっ たことは認識部位が分解された(図5、レーン11)ことを示す。 次の構築物はプロα1(III)のC−プロペプチドからの対応領域で置換され たB部位およびG部位(配列番号:6)間の短い23アミノ酸は別として、すべ てのプロα2(I)Δ1配列を含む。この構築物は(BGR;配列番号:5と称 す)該分子(すなわちシステインが配列番号:5の335番目の残基のセリンで 置換されている)のプロα2(I)のCys2部位でのセリンの代わりのシステイ ンを構築物の変異発生を指示した部位によって変化させられた。その結果得られ た分子(プロα2(I):(III)BGRS-Gと称す)無細胞系(図7、レーン4 )において翻訳される場合には凝集して分子内ジスルフィド結合したホモトリマ ーを形成し、そのことは短い一連の23アミノ酸はホモトリマーを形成させるこ とを示している。 セリンからシステインへの変異が鎖の選択に影響を及ぼさないことを確認する ため、逆突然変異が行われ(すなわちプロα2(I):(III)BGRを得る) 、予期されたように、分子内ジスルフィド結合トリマーは、本分子が分子内ジス ルフィド結合形成に必要であるシステイン残基を含まないので検出されなかった 。 キメラプロコラーゲンの翻訳後、安定した三重螺旋が形成されるか否かを決定 するため、簡単なプロテアーゼ保護アッセイを行った。これにはタンパク質加水 分解酵素(トリプシン、キモトリプシンおよびペプシン)の組合せで翻訳産物を 処理することを含む。翻訳後に単離されたSP−細胞を1%(v/v)Triton X− 100中の0.5M酢酸に再懸濁し、20℃で2時間ペプシン(100mg/ml) とインキュベートする。1M Tris塩基で中和することによって消化を停止し、 タンパク質を最終濃度27%(v/v)でエタノール沈澱する。ペプシン消化物か ら沈澱したタンパク質を0.15M NaCl、10mM EDTA(エチルジアミン テトラ酢酸および1%Triton X−100を含む50mMTris−HCl(pH7. 4)に再懸濁した。キモトリプシンおよびトリプシンをそれぞれ最終濃度250 μg/mlおよび100μg/mlにて添加し、ついでサンプルを室温で2分間インキ ュベートした。その消化を最終濃度500μg/mlの濃度のダイズトリプシンイ ンヒビターを、5倍量のSDS−PAGE(ナトリウムドデシルサルフェートポ リアクリルアミドゲル電気泳動)の沸騰したサンプルバッファーに添加し、該サ ンプルを3分間煮沸することによって停止する。その結果を図6および8に示す 。安定な三重螺旋の形成は、消化後のプロテアーゼ耐性断片(三重螺旋ドメイン に対応する)の出現によって特徴付けられる。プロα2(I):(III)CP( 図6、レーン2)の翻訳産物およびBGR構築物(図6、レーン4;図8、レー ン2および3)のみが翻訳の間(図6)、α,α'−ジピリジル(プロリル4−ヒ ドロキシラーゼ)のインヒビター)が存在しない場合にのみ形成されるプロテア ーゼ耐性断片を製造する。プロリンヒドロキシル化は熱に安定である三重螺旋の 形成に必要であるので、このことは正確に折り畳まれた三重螺旋がこれらの構築 物で形成されることを示す。 このことはまた、BGRは分子内ジスルフィド結合によって安定化されたトリ マーを形成することができなかったが、正確に並んだ三重螺旋を形成するためト リマライズすることができることを示している。 プロα1(III)およびプロα2(I)鎖(図3)からのB−Gモチーフの分 析は、認識配列(図3;それぞれ配列番号:6および8)における残基のモチー フ、残基13−20はプロα1(III)中の残基17−Leu(L)およびプロα2 (I)中のMet(M)と同一であることを示した。鎖選択プロセスにおけるこれ らの残基によって演じられた役割を決定するため、変異発生を指示した部位をプ ロα2(I):(III)BGRS-G構築物(プロα2(I):(III)BGRL-Mと 称するかまたはBGRL-Mともいう)中のプロα1(III)認識配列中の、Leuの かわりにMetで置換して使用する、すなわち、配列番号:5のLeu425残基でMe tを置換し、Ser 335でCysを置換するために使用する。 プロα2(I):(III)BGRL-Mの鎖の凝集は上記のように行われ、鎖の電 気泳動移動度を分析した。非還元条件下、この構築物は分子内ジスルフィド結合 (図7、レーン6)を形成し、ついでプロテアーゼ耐性三重螺旋ドメイン(図8 、 レーン4)を形成した。MetのかわりのLeuは見られず、それゆえ、鎖の選択を崩 壊するか、または正確に並んだ螺旋の形成を妨害するわけではない。
【手続補正書】 【提出日】1998年3月17日(1998.3.17) 【補正内容】 請求の範囲 1._第1残基がプロコラーゲンC−プロペプチドの活性を有するおよびプロ α鎖の第1型のC−プロペプチドかまたは由来するものであり、 第2残基が三重 螺旋形成ドメインを有し、該 第1残基が第2残基に結合し、C−プロペプチド活 性および三重螺旋形成ドメインを有する分子とキメラ分子の同時凝集が可能であ る認識配列を含むキメラ分子。 2.該キメラ分子の第1残基が既存のC−プロペプチドまたは部分的に修飾を 受けた分子またはその類似体である請求項1に記載のキメラ分子。 3.該既存のC−プロペプチドがプロα1(I)、プロα2(I)、プロα1 (II)、プロα1(III)、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα3(V) 、プロα1(XI)、プロα2(XI)およびプロα3(XI)プロα鎖C−プロ ペプチドの群のいずれか1つから選択される請求項2に記載のキメラ分子。 4.該キメラ分子の第1残基が新規C−プロペプチドを含む請求項1に記載のキメラ 分子。 5.該C−プロペプチドが認識部位で置換されたC−プロペプチドを含む請求 項4に記載のキメラ分子。 6.該C−プロペプチドが既存のC−プロペプチドの認識配列またはその部分 的に修飾した形態またはその類似体で置換された請求項5に記載のキメラ分子。 7.該C−プロペプチドがプロα1(III)、プロα1(I)、プロα2(I) 、プロα1(II)、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα1(XI)および プロα2(XI)プロα鎖の群のいずれか1つのC−プロペプチド認識配列で認 識部位にて置換されている請求項6に記載のキメラ分子。 8.該C−プロペプチドが配列番号:6−13の群のいずれか1つの配列を有 する認識配列で認識部位で置換されている請求項7に記載のキメラ分子。 9.該C−プロペプチドが新規の認識配列で認識部位にて置換されている請求 項5に記載のキメラ分子。 10.該C−プロペプチドおよび/または認識配列が原繊維プロα鎖の配列で ある請求項2−9のいずれか1つに記載のキメラ分子。 11.第2残基の三重螺旋形成ドメインが第1型と異なるプロα鎖の第2型由 来である請求項1から10のいずれかに記載のキメラ分子。 12.第2残基が少なくともコラーゲンα−鎖を含む上記の請求項のいずれか 1つに記載のキメラ分子。 13.該コラーゲンα鎖がプロα1(I)鎖、プロα2(I)鎖、プロα1( II)鎖、プロα1(III)鎖、プロα1(V)鎖、プロα2(V)鎖、プロα3 (V)鎖、プロα1(XI)鎖、プロα2(XI)およびプロα3(XI)鎖コラ ーゲンα−鎖の群のいずれか1つから選択される請求項12に記載のキメラ分子 。 14.第2残基がプロα鎖N−プロペプチドをも含む上記の請求項のいずれか 1つに記載のキメラ分子。 15.該N−プロペプチドがプロα1(I)、プロα2(I)、プロα1(II )、プロα1(III)、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα3(V)、プ ロα1(XI)、プロα2(XI)およびプロα3(XI)プロα鎖N−プロペプ チドの群のいずれか1つか選択される請求項14に記載の分子。 16.第1残基がコラーゲンα鎖およびプロα2(I)鎖のN−プロペプチド を含む第2残基に結合したプロα1(III)の活性を有する請求項15に記載の キメラ分子。 17.配列番号:4の配列を有する請求項14に記載の分子。 18.アミノ酸残基が介在することによって第1残基および第2残基が分離さ れている上記の請求項のいずれか1つに記載する方法。 19.各分子がプロコラーゲンC−プロペプチド活性および三重螺旋形成ドメ インを有するさらに2つの分子によって三重螺旋ドメインを有する分子を製造す る請求項1〜18までのいずれか1つに請求する、同時凝集しているキメラ分子 を含むプロコラーゲン分子を形成する方法。 20.請求項19に記載の方法によってプロコラーゲンを調製シ、ついで該プ ロコラーゲンをコラーゲン分子に変えることを含むコラーゲン分子の製造法。 21.請求項20に記載の方法により製造されたコラーゲン分子。 22.コラーゲンα鎖の天然に不在の組合せを含むコラーゲン分子。 23.請求項21または22に記載のコラーゲン分子を含むコラーゲン原繊維 。 24.請求項23に記載のコラーゲン原繊維を含むコラーゲン繊維。 25.ヒトまたは動物体の治療または診断における使用に関する上記請求項に 記載のうちのいずれか1つの分子。 26.プロコラーゲン自殺の治療において使用するための請求項25に記載の 分子。 27.接着または移植として使用する請求項25に記載の分子。 28.傷の治癒または減少した瘢廠を有する繊維障害の治癒を促進させるため に使用する請求項25に記載の分子。 29.慢性傷害の治癒を促進するために使用する請求項25に記載の分子。 30.写真、醸造、食糧、織物または接着剤に使用するための請求項1〜24 に記載のいずれか1つの分子。 31.請求項1〜25のいずれか1つに記載の分子の使用を含むヒトまたは動 物体の治療または診断の方法。 32.請求項1−20のいずれか1つに記載の分子をコードするDNA。 33.発現を指令するのに十分である調節配列に作動可能に結合した請求項 に記載のDNAで形質転換またはトランスフェクションした発現宿主。 34.発現を指令するのに十分である調節配列に作動可能に結合した請求項 に記載のDNAをゲノムが含むトランスジェニックマウス。 35.動物が非ヒト胎性哺乳動物であって、成熟雌性動物の乳汁における発現 を調節配列が指令する請求項34に記載のトランスジェニックマウス。 36.天然に不在のコラーゲンを産生する方法であって、該方法が、請求項2 9に記載の発現宿主または請求項34または35に記載のトランスンジェニック マウスからのコラーゲンを回収すること、および時に天然に不在のコラーゲンを 引き続き精製することを含む方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 19/00 C12C 5/02 C12C 5/02 D06M 15/15 C12N 5/10 G03C 1/04 D06M 15/15 C12N 5/00 B G03C 1/04 A61K 37/12 (31)優先権主張番号 9612476.3 (32)優先日 平成8年6月14日(1996.6.14) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも第1残基がプロコラーゲンC−プロペプチドの活性を有し、第 2残基が外在性コラーゲンα−鎖および非コラーゲン物質の群のいずれか1つか ら選択され、第1残基が第2残基に結合している分子。 2.第1残基が既存のC−プロペプチドまたは部分的に修飾を受けた分子また はその類似体である請求項1に記載の分子。 3.該既存のC−プロペプチドがプロα1(I)、プロα2(I)、プロα1 (II)、プロα1(III)、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα3(V)、プ ロα1(XI)、プロα2(XI)およびプロα3(XI)プロα鎖C−プロペプ チドの群のいずれか1つから選択される請求項2に記載の分子。 4.第1残基が新規C−プロペプチドを含む請求項1に記載の分子。 5.該C−プロペプチドが認識部位で置換されたC−プロペプチドを含む請求 項4に記載の分子。 6.該C−プロペプチドが既存のC−プロペプチドの認識配列またはその部分 的に修飾した形態またはその類似体で置換された請求項5に記載の分子。 7.該C−プロペプチドがプロα1(III)、プロα1(I)、プロα2(I) 、プロα1(II)、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα1(XI)およびプ ロα2(XI)プロα鎖の群のいずれか1つのC−プロペプチド認識配列で認識 部位にて置換されている請求項6に記載の分子。 8.該C−プロペプチドが配列番号:6−13の群のいずれか1つの配列を有 する認識配列で認識部位で置換されている請求項7に記載の分子。 9.該C−プロペプチドが新規の認識配列で認識部位にて置換されている請求 項5に記載の分子。 10.該C−プロペプチドおよび/または認識配列が原繊維プロα鎖の配列で ある請求項2−9のいずれか1つに記載の分子。 11.第2残基が少なくともコラーゲンα−鎖を含む上記の請求項のいずれか 1つに記載の分子。 12.該コラーゲンα鎖がプロα1(I)鎖、プロα2(I)鎖、プロα1 (II)鎖、プロα1(III)鎖、プロα1(V)鎖、プロα2(V)鎖、プロα3( V)鎖、プロα1(XI)鎖、プロα2(XI)およびプロα3(XI)鎖コラー ゲンα−鎖の群のいずれか1つから選択される請求項11に記載の分子。 13.第2残基がプロα鎖N−プロペプチドをも含む上記の請求項のいずれか 1つに記載の分子。 14.該N−プロペプチドがプロα1(I)、プロα2(I)、プロα1(II) 、プロα1(III)、プロα1(V)、プロα2(V)、プロα3(V)、プロ α1(XI)、プロα2(XI)およびプロα3(XI)プロα鎖N−プロペプチ ドの群のいずれか1つか選択される請求項13に記載の分子。 15.第1残基がコラーゲンα鎖およびプロα2(I)鎖のN−プロペプチド を含む第2残基に結合したプロα1(III)の活性を有する請求項14に記載の 分子。 16.配列番号:4の配列を有する請求項13に記載の分子。 17.アミノ酸残基が介在することによって第1残基および第2残基が分離さ れている上記の請求項のいずれか1つに記載する方法。 18.コラーゲンα鎖の天然に不在の組合せを含むコラーゲン分子。 19.請求項18に記載のコラーゲン分子を含むコラーゲン原繊維。 20.請求項19に記載のコラーゲン原繊維を含むコラーゲン繊維。 21.ヒトまたは動物体の治療または診断における使用に関する上記請求項に 記載のうちのいずれか1つの分子。 22.プロコラーゲン自殺の治療において使用するための請求項21に記載の 分子。 23.接着または移植として使用する請求項21に記載の分子。 24.傷の治癒または減少した瘢を有する繊維障害の治癒を促進させるために 使用する請求項21に記載の分子。 25.慢性傷害の治癒を促進するために使用する請求項21に記載の分子。 26.写真、醸造、食糧、織物または接着剤に使用するための請求項1〜20 に記載のいずれか1つの分子。 27.請求項1〜25のいずれか1つに記載の分子の使用を含むヒトまたは動 物体の治療または診断の方法。 28.請求項1−20のいずれか1つに記載の分子をコードするDNA。 29.発現を指令するのに十分である調節配列に作動可能に結合した請求項2 8に記載のDNAで形質転換またはトランスフェクションした発現宿主。 30.発現を指令するのに十分である調節配列に作動可能に結合した請求項2 9に記載のDNAをゲノムが含むトランスジェニックマウス。 31.動物が非ヒト胎性哺乳動物であって、成熟雌性動物の乳汁における発現 を調節配列が指令する請求項30に記載のトランスジェニックマウス。 32.天然に不在のコラーゲンを産生する方法であって、該方法が、請求項2 9に記載の発現宿主または請求項30または31に記載のトランスンジェニック マウスからのコラーゲンを回収すること、および時に天然に不在のコラーゲンを 引き続き精製することを含む方法。
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