JP2000506528A - 不眠症の処置方法 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は有効量のオランザピンを不眠症の処置を必要としている患者に投与することを特徴とする不眠症の処置方法を提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
不眠症の処置方法
本発明は、不眠症の処置に2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル
)−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン、(以後「オラ
ンザピン」と称する)を用いる方法を提供する。
不眠症は通常の医療実施における最も一般的な病気の1つである。40%もの
高い年間有病率を示す。DSM-IV,p.553(American Psychiatric
Association,Washington,D.C.1994)。種々の医薬物質が不眠症の処置に用い
られる;しかし「完全な」薬物とは薬理学的に変更された睡眠パターンではなく
通常の睡眠構成をもった睡眠を生じさせるものである。この「完全な」薬物は翌
日作用である反動不安作用も継続鎮静作用もいずれも引き起こすことはない。こ
の「完全な」薬物について記載した少なくともいくつかの性質を有する、より望
ましい薬物が要望され続けている。
過去にベンゾジアゼピン睡眠薬が処方されている;しかしベンゾジアゼピン類
の副作用、およびベンゾジアゼピンで年配の患者を処置することに伴う困難のせ
いで、通常ベンゾジアゼピンは不眠症の治療用に選択される薬物ではない。不眠
症を処置しないことおよび不適切な処置をすることは事故の4倍増加の原因とな
る。GoodmanおよびGillman、The Pharmacological Basis of Therapeutics,
385(McGrew Hill,New York 9th ed.)1996。
これにより、不眠症を患う患者に対する別の薬理学的処置が必要である。上記
薬理学的処置は必要あるいは所望であれば長期間の使用を許容し得る安全性を提
供することが最も好ましい。
オランザピンは抗精神病活性を提供し得ることが知られており、現在この目的
について試験されている。オランザピンは既知の化合物であり、精神分裂病、精
神分裂型疾患、急性繰病、軽不安状態および精神病の処置に有用であるとして米
国特許番号第5,229,382号に記載されている。米国特許番号第5,22
9,382号はその内容すべてが引用によって本明細書に包含される。しかし、
オランザピンが不眠症の処置に有用であることは知られていない。発明者らはオ
ランザピンが不眠症の処置に有用であり得ることを発見した。オランザピンは好
ましい安全性を提供し、不眠症を患う患者を苦痛から効率的に解放する処置に対
する長年にわたる切実な要望に対処することができる。
特許請求している発明は有効量のオランザピンまたは製薬的に許容されるその
塩を不眠症の処置を必要としている患者に投与することを特徴とする不眠症の処
置方法を提供する。
本発明の好ましい態様は年配の患者、長期間不眠症を患っている患者からなる
群から選択される患者、および3週間以上続けて睡眠薬を服用している患者にお
ける不眠症の処置である。
さらに好ましい態様は睡眠構成の臨床的に重大な変更を伴わない不眠症の処置
方法であって、有効量のオランザピンまたは製薬的に許容されるその塩を不眠症
の処置を必要としている患者に投与することを特徴とする方法である。
オランザピンは式:
またはその酸付加塩である。
本明細書中に用いる用語「睡眠構成の臨床的に重大な変更」は不眠症を患う患
者が睡眠パターンの臨床的に重大な薬物的な変更を伴わずに眠ることができるこ
とを意味する。さらに患者が処置による「反動作用」を被らないのが、最も好ま
しい。用語「反動作用」は例えば目覚めている際の不安のような現象を意味する
。
オランザピンは、以下の面間隔によって表される典型的X線粉末回折パターン
を有するII型オランザピン多形体であるのが特に好ましい:II型のx線回折パターンの典型例は以下のようである:[ここに、dは面間隔を表し、I/I1は典型的な相対強度を表す]。
本明細書中に記載のX線回折パターンは波長λ=1.541Åの銅Kα放射線
源を備えたSiemensD5000x線粉末回折装置を用いて得られた。
II型オランザピン多形体を実質的に純粋なII型オランザピン多形体として投与
することがさらに好ましい。
本明細書中に用いる「実質的に純粋な」は約5%以下、好ましくは約2%以下
、より好ましくは約1%以下のI型しか伴わないII型を意味する。さらに「実質
的に純粋な」II型は約0.5%以下の関連物質を含むであろう(ここに「関連物
質」とは望ましくない化学的不純物または残留溶媒もしくは水を意味する)。特
に「実質的に純粋な」II型は0.05%以下含有量のアセトニトリル、より好ま
しくは0.005%以下含有量のアセトニトリルしか含まないものとすべきであ
る。さらにII型多形体はO.5%以下の付随する水しか含まないものが好ましい
。
’382特許に教示の方法によって得ることのできる多形体はI型と称され、
Siemens D5000 x線粉末回折装置を用いて得られた以下のような
典型的X線粉末回折パターンを有する:
[ここに、dは面間隔を表す]。
I型のx線回折パターンの典型例は以下のようである:
[ここに、dは面間隔を表し、I/I1は典型的な相対強度を表す]。
本明細書中のX線粉末回折パターンは波長λ=1.541Åの銅Kαを用いて
得られた。「d」と記した欄中の面間隔はÅ単位である。典型的な相対強度は「
I/I1」と記した欄中に表す。
本明細書中に用いる用語「哺乳類」は高等脊椎動物の哺乳類を意味する。用語
「哺乳類」はヒトを含むが、これに限定されない。本明細書中に用いる用語「処
置」は指定される状態の予防または一度確立した状態の改善もしくは除去を含む
。
本明細書中に用いる用語「不眠症」は個体が眠りに落ちることができないこと
、または覚醒した際に、休息した機敏な感情を与えるのに必要な所望時間の眠り
を維持することができないことによって特性化される状態を意味する。さらに明
確には、用語「不眠症」はDSM−IV,p,553(American Psychiatric
Association,Washington,D.C.1994)においてカテゴリー(Catagory)番号3
07.42.として分類される状態を意味する。診断基準には睡眠を開始または
維持する困難性、または回復に役立たない睡眠に対する少なくとも1月間の優勢
な不平がある;この睡眠障害は臨床的に重大な疲労、または社会、職業もしくは
他の重要な領分の機能性の損失を引き起こし;この睡眠障害は睡眠発作病、呼吸
関連睡眠障害、概日リズム睡眠障害または錯睡眠(parasomuna)の進行中にもっ
ぱら生じるわけではなく;この障害は精神障害の進行中にもっぱら生じるわけで
はなく;この障害は物質または全体的医療状態の生理作用に起因しない。
薬理試験の結果はオランザピンがムスカリンコリン作働性レセプター活性を有
することを示す。3H-SCH233390(Billardら、Life Science 35:
1885(1984))および3Hスピペロン(Seemanら、Nature 216:717(1976))結合
アッセイそれぞれにおける1uM以下のIC50によって示されるように、この化
合物はドーパミンD−1およびD−2レセプターにおいて活性がある。さらにオ
ランザピンは5−HT−2レセプターおよび5−HT1Cレセプターにおいて活
性がある。本化合物の複雑な薬理学的プロファイルは不眠症の処置に有用であり
得る薬剤を与える。
不眠症の処置に対する本化合物の有用性は以下に記載の試験によつて確認でき
る。臨床観察
複数の医療機関にまたがる二重盲検臨床試験を設計し、オランザピンの安全性
および有効性を評価した。患者をオランザピンまたはプラセボに無作為化した。
この試験の結果よりオランザピンが不眠症の処置に有用であることが示される。
オランザピンは広い投与量領域にわたって有効であり、実際の投与量は処置さ
れる状態に依存する。例えば、ヒト成人の処置においては、1日5から25mg
の投与量を用いることができる。通常、1日一度の投与で充分である。不眠症の
処置には、5から100mgの投与量が適切であり、1日5から25mgの投与
量が好ましい。放射性ラベルしたオランザピンは唾液中で検出できるため、この
化合物を患者中で潜在下にモニターし、コンプライアンスを評価できる。
本発明の好ましい製剤は約5から約25mgのオランザピンを有効量の活性成
分として含む固形経口製剤である。
上記固形経口製剤は湿気および光から製剤を保護するパッケージング物質に入
れておくのが最も好ましい。例えば適当なパッケージング物質には琥珀色高密度
ポリエチレンボトル、琥珀色ガラスボトルおよび光を通さない物質から作られた
他の容器などがある。パッケージングは乾燥剤パックを含むのが最も好ましい。
この容器はアルミニウム箔ブリスターで密封し、所望の保護を与え、製品の安定
性を維持できる。
普通、オランザピンは経口投与され、通常は医薬組成物の形態で用いられる。
すなわち、オランザピンを活性成分として製薬的に許容される担体とともに含
む医薬組成物を調製することができる。本発明の組成物の製造には、医薬組成物
調製の通常技術を用いることができる。例えば、通常は活性成分を担体と混合し
、あるいは担体で希釈し、あるいはカプセル剤、サシエ剤、ペーパー剤または他
の容器の剤型とすることができる担体中に封入する。担体が希釈剤として働くと
きは、この担体はビヒクルとして働く固形物、半固形物もしくは液状物、賦形剤
または活性成分用媒体である。活性成分は顆粒状の固形容器、例えばサシエ剤に
封入できる。適当な担体をいくつか挙げれば、ラクトース、デキストロース、ス
クロース、ソルビトール、マンニトール、スターチ、アカシアゴム、リン酸カル
シウム、アルギナート、トラガカントゴム、ゼラチン、シロップ、メチルセルロ
ース、メチル−およびプロピル−ヒドロキシ−ベンゾエート、タルク、ステアリ
ン酸マグネシウムまたは鉱油である。本発明の組成物は所望ならば、患者に投与
後、敏速な、持続する、あるいは遅延した活性成分の放出を提供するように製剤
化することができる。
投与方法に依存して、中枢神経系症状の処置用組成物は錠剤、カプセル剤、非
経口用の注射用溶液、経皮投与用のゲル剤もしくは懸濁剤、経口用の懸濁剤もし
くはエリキシル剤または座薬として製剤化することができる。好ましくは、この
組成物は、各々の投与量が通常活性成分を5から25mg含む、単位投与剤型と
して製剤化する。
本発明の材料は購入でき、あるいは通常の当業者に周知の種々の手法によって
調製できる。オランザピンは、引用によってすべて本明細書中に包含される
Chakrabarti、米国特許番号5,229,382号(’382)に記載のとおり
に調製できる。さらに、以下に製造例を挙げ、特に好ましいII型オランザビン多
形体の製造方法を例示する。
化合物特性化方法は、例えばx線粉末パターン分析、熱重量分析(TGA)、
示差走査熱量計(DSC)、水滴定分析および溶媒含量のH1−NMR分析を含
む。
以下の実施例は例示を目的に提供するものであり、特許請求している発明の範
囲を限定するものと考えるべきではない。
製造例1
技術用等級オランザピン
適当な3つ首フラスコ中に以下のものを加えた:
ジメチルスルホキシド(分析用):6容量
中間体1 :75g
N−メチルピペラジン(試薬) :6当量
当業者に既知の方法を用いて中間体1を調製できる。例えば、中間体1の調製は
’382特許中に教示されている。表面下窒素スパージラインを加え、反応中に
生じたアンモニアを取り除いた。反応物を120℃にまで加熱し、反応の間を通
じてこの温度で維持した。次いで反応せずに残った中間体1が≦5%になるまで
反応をHPLCで追跡した。反応完了後、混合物を20℃にまでゆっくりと冷却
した(約2時間)。次いで反応混合物を適当な3つ首丸底フラスコおよび水浴に
移した。試薬等級のメタノール10容量を撹拌しながらこの溶液に加え、この反
応物を20℃で30分間攪拌した。水3容量をゆっくりと約30分かけて加え
た。反応スラリーを0から5℃にまで冷却し、30分間攪拌した。生成物をろ過
し、湿ケーキを冷却したメタノールで洗浄した。この湿ケーキを減圧下、45℃
で一晩乾燥した。得られた生成物は技術用オランザピンと同定された。
収率:76.7%;有効性:98.1%
製造例2
II型オランザピン多形体
技術用等級2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チ
エノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン270gを無水酢酸エチル(2
.7L)中に懸濁した。この混合物を76℃にまで加熱し、76℃に30分間維
持した。この混合物を25℃にまで冷却した。得られた生成物を減圧ろ過を用い
て単離した。X線粉末分析を用いてこの生成物はII型と同定された。
収量:197g
II型の上記製造方法は有効性≧97%、総関連物質<0.5%および単離収率
>73%の製薬的に洗練された生成物を提供する。
実施例1
一部のヒドロキシプロピルセルロースを精製水中に溶解し、顆粒形成用溶液を
作成した。高剪断顆粒形成装置中にて残りの極細級ヒドロキシプロピルセルロー
ス(総計4.0%w/w最終錠剤重量)をオランザピン(1.18%w/w)、
ラクトース(79.32%w/w)および一部のクロスポビドン(5%w/w)
と混合した。添加前にすべての成分を安全ふるいにかけ、顆粒形成装置中で乾燥
混合した。次いで高剪断顆粒形成装置中にてこの混合物をヒドロキシプロピルセ
ルロース溶液とともに顆粒形成した。標準的方法を用い、顆粒を湿性サイズ分類
した。次いでこの湿性顆粒を流動床乾燥機中にて乾燥し、サイズを合わせた。次
いでこの物質を転倒容器ミキサーに加えた。
微結晶セルロース(顆粒)(10%w/w)、ステアリン酸マグネシウム(0
.5%w/w)および残りのクロスポビドンからなる流動粉末を得られた均等サ
イズの顆粒に加えた。この混合物を混合し、錠剤圧縮装置の適当な型で圧縮した
。サブコーティング
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(10%w/w)を精製水と混合し、溶
液を作成した。核錠剤をほぼ等量のセクションに分け、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース溶液でスプレーコーティングした。この操作は穴のあいたコーテイ
ングパン中にて行った。核錠剤のコーティング
白色着色料混合物(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリ
コール、ポリソルベート80および二酸化チタン)を精製水と混合し、コーティ
ング懸濁液を作成した。サブコーティングした錠剤をほぼ等量のセクションに分
け、上記のコーティング懸濁液でスプレーコーティングした。この操作は穴のあ
いたコーティングパン中にて行った。
コーテイング錠剤に軽くカルナウバろうを振りかけ、適切な刻印を付した。
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フロントページの続き
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UZ,YU
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.不眠症の処置を必要としている哺乳類に有効量のオランザピンまたは製薬的 に許容されるその塩を投与することを特徴とする不眠症の処置方法。 2.オランザピンが以下の典型的X線回折パターン: [ここにdは面間隔を表す] を有するII型オランザピンである請求項1に記載の方法。 3.処置を必要としている患者が年配である請求項1に記載の方法。 4.患者が3週間以上続けて生じている長期不眠症を患っている請求項1に記載 の方法。 5.患者が以前に睡眠薬で処置されたことがある請求項1に記載の方法。 6.有効量が一日当たり約1mgから約25mgである請求項1に記載の方法。 7.有効量が一日当たり約5mgから約20mgである請求項6に記載の方法。 8.有効量のオランザピンまたは製薬的に許容されるその塩を不眠症の処置を必 要としている患者に投与することを特徴とする、睡眠構成の臨床的に重大な変更 を与えない不眠症の処置方法。 9.有効量が一日当たり約5mgから約25mgの量である請求項8に記載の方 法。 10.患者が年配である請求項9に記載の方法。 11.オランザピンが以下の典型的X線回折パターン: [ここにdは面間隔を表す] を有するII型オランザピンである請求項9に記載の方法。 12.不眠症の処置を必要としている哺乳類における、睡眠構成の臨床的に重大 な変更を与えない不眠症の処置に用いるオランザピンまたは製薬的に許容される その塩。 13.不眠症の処置に用いるオランザピンまたは製薬的に許容されるその塩。
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