JP2000506968A - 液体混合物の製造法 - Google Patents

液体混合物の製造法

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Abstract

(57)【要約】 (i)1個またはそれ以上の緩衝種、(ii)二者択一的に酸または塩、(iii)所望により塩;そして(iv)溶媒を含み、ここで混合物中の異なる成分((i)から(iv))は、液体混合物のpHとイオン強度の相互関係を考慮に入れて、同時に変化するものである、コントロールされたpHの液体混合物の製造法。本方法は修飾Deby の使用を基本とする。本発明はまたこのような方法で使用する液体流および装置にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 液体混合物の製造法 技術的分野 本発明は、コントロールされたpHを有する液体混合物の製造法およびこのよ うな方法に使用できる装置に関する。 より具体的に、本発明は、上記のような液体混合物を使用した液体クロマトグ ラフィーおよびこのようなクロマトグラフィー法に使用できる装置に関する。 本発明は、イオン交換クロマトグラフィー勾配溶出、より具体的にタンパク質 のような生体分子の分離よび精製のためのものを行うことに特に関する。 背景および先行技術 精密に分かった組成の液体媒体を得ることは、多くの場合、例えば、液体クロ マトグラフィーの分野で、重要である。しかしながら、多くのクロマトグラフィ ー分離において、液体媒体の組成は各々の時点で厳密に分かり、コントロールさ れていなければならないだけでなく、勾配溶出の間に、精密かつコントロールさ れた態様で経時的に変化しなければならない。 異なる液体クロマトグラフィーモードが、分離しようとする分子とそれらが保 持される固定相および移動相、即ち溶出液との異なる相互作用を基にして存在す る。特に、イオン交換クロマトグラフィーモードでは、固定相がイオン交換樹脂 からなり、勾配溶出法が広く使用される;溶出液は、不活性塩を含み、勾配はこ の塩の濃度の変化により行う。これはタンパク質のような生体分子の分離および 精製のために非常に重要な方法である。例えば、Warren W.et al.,“A new st rategy for rapid optimization of protein separations”,American Biotech nology aboratory,0749-3223,34-40(1989)参照。 イオン交換樹脂でタンパク質を分離する可能性は、タンパク質分子が、一般に 異なる部位で荷電しているという事実による。イオン交換樹脂カラムでの保持に よりタンパク質の分離を可能にするのはこれらの電荷の存在である。 タンパク質のこれらの電荷は、そのアミノ酸残基の酸性/塩基性性質、プロト ン化または脱プロトン化の傾向に由来する。分子の異なる部位での電荷、および 従って、それの正味の荷電は囲まれている液体媒体のpHに影響され、従って、 イオンクロマトグラフィーによるタンパク質分離を、液体媒体、即ち溶出液のp Hに非常に感受性とすることは明白である。例えば、Diamond P.F.,Carberry R.“Systematic Methods of Development for Chromatography of Biomolecule s:pH Mapping”,BioConcepts,Technical Newsletter of PerSeptive Biosyste ms,Sept.-Oct.,1-3,(1990)参照。 上記に従って、溶出液のpHおよびイオン強度がイオン交換樹脂でのタンパク 質分離の選択性をコントロールする二つの最も重要なパラメーターであることは 詳述されている。 勾配形成の伝統的方法は、一定pHでイオン強度勾配を行うための不活性塩お よび予め決定されたpHの緩衝液を含む溶出液の注意深い製造を含む。 タンパク質の分離の最適化は、不活性塩勾配の傾斜の変化および/または異な るpHのものへの緩衝システムの置き換えにより達成される。 先行技術において、最適化は、このように予め決定されたpHおよび塩濃度の 多くの緩衝液の製造を含み、再現可能な分離のための細心の測定をしなければな らない。 以下“伝統的”方法と呼ぶ上記の方法は、非常に時間がかかり、やっかいであ り、Warren et al.(同書)は、ウォーターズ・オート−ブレンド(登録商標)法と 呼ぶ新規方法を提案し、これではpH、イオン強度および勾配プロフィールは1 セットの貯蔵溶液を使用して自動的に製造される。これらの貯蔵溶液は:酸性緩 衝液、塩基性緩衝液、塩溶液および脱イオン水(ミリ−Q水)である。これらの4 つの溶液の精密な混合により、Warren et al.はイオン強度およびpHの異なる 勾配を製造する。実際、Warren et al.は2つの緩衝溶液、即ち酸性および塩基 性のものを別々に混合し、ある予め選択したpHを得、次いでこの混合を塩溶液 および脱イオン水の同様の混合と、同様に予め決定されたイオン強度で混合する 。塩濃度の水に対する割合、または酸性緩衝液の塩基性のものに対する割合を変 えることにより、彼らがpHまたはイオン強度のそれぞれの独立勾配と呼んでい るものを製造し、あるいは、完全に新しい緩衝液システムを選択することなく、 pHを流れているものから別のものに代える。 (この方法のオートメーション化変法はBioCAD(登録商標)法と呼ばれ、まった く同じ原則でやはり働き、また同じ会社、PerSeptive Biosystems Inc.,Massac husetts,USに属している。) Warren et al.は、従って、pHに関してあるタンパク質分離を最適化するた めに伝統的方法で製造しなければならない多くの複雑な緩衝液を、わずか二つの 異なる緩衝溶液および塩溶液に減少させ、後者は製造がより単純である。 Warren et al.の方法の主な欠点は、精密にコントロールされたpHおよびイ オン強度の溶出液を提供していないという事実である。これは、イオン強度とp Hの相互作用を考慮に入れていなかったという事実のためである。しかしながら 、本明細書に引用して包含させるP.W.Atkins“Physical Chemistry”(Oxford university press ISBN 019 855148 7)およびD.D.Perrin,Boyd Dempsey“Buf fers for pH and Metal Ion Control”(Chapman and Hall laboratory manuals ISBN 0 412 11700 2)のような物理化学または無機化学の多くの参考書から既 化するため、pHもまた変化することを認識する。前記のタンパク質の結合行動 のためのpHの重要性の観点から、溶出液のpHをコントロールできないことは 、非常に正確な方法において、タンパク質分離の最適化に明らかな欠点であるよ うに見える:pHの小さな変化が予期されない方法でのタンパク質分子の保持行 動の重要な変化を導く。 タンパク質分離の最適化は、容易で簡便な方法での非常に精密な分かったpH の溶出液を提供できないことより非常に損なわれる。一方で、伝統的方法は非常 に扱いにくく、ある場合、時間および/または資金の不足によりタンパク質分離 の注意深い最適化が不可能である。他方、最適化が単純であると言えるWaters e t al.の方法は、実際、塩勾配中、システムの溶出液の実際のpHに関して本質 的に不正確である。 本発明の要約 本発明の目的は、pHが精密で再現可能な方法でコントロールできる、変化す るイオン強度の液体混合物の製造法の提供である。 この目的は以下の成分を含む混合物の製造により達成される: (i)1個またはそれ以上の緩衝種; (ii)二者択一的に酸または塩; (iii)所望により塩;そして (iv)溶媒 ここで、成分(i)から(iv)の比率は、各時点で混合物の予め選択されたpHを得 るために、液体混合物のpHとイオン強度の相互関係を考慮に入れて、同時に変 化する。 り、一定の塩濃度を有する上記で定義の混合物の異なるプロトン性成分の比率を 計算し、ここで、該混合物のイオン強度は、該塩の存在によってのみ考慮される ; (b)前記段階で計算された比率を基にして、混合物の得られるイオン強度を計算 する; に入れて、混合物の予め選択されたpHでの混合物のプロトン性成分の新セット の比率を計算する;そして (d)最後のセットで見られたプロトン性成分の比率の値と、直前の段階で見られ た値の偏差が予め定義した最大レベルを超えなくなるまで段階(b)および(c)を 繰り返し、この比率の最後のセットを次いで一定塩濃度での選択されたpHの混 合物を製造するものとして維持する 段階を含む。 本発明の他の目的は、コントロールされたpHの液体流の製造法の提供であり 、液体流は、上記定義の反復方法により操作される計量デバイスの手段により、 該成分(i)から(iv)を供給することにより得られる。この液体流は、イオン交換 クロマトグラフィーの溶出液として特によく適している。 本発明はまた、上記計量デバイスが本発明の液体溶出混合物を得るために使用 される、液体クロマトグラフィーのための装置を提供する。 図面の簡単な説明 本発明は、以下の図面を参照しつつ説明される: 図1は、本発明のフローシステムの模式図である。 図2は、本発明の方法で得た液体溶出混合物を使用して、異なる予め選択した pH値での塩勾配によるアニオン交換クロマトグラフィーを行った、3つの異な るタンパク質の混合物で得られるクロマトグラムを示す。 図3は、本発明の方法で得たアニオン交換クロマトグラフィーのための液体溶 出混合物における塩勾配中のpHの変化を示す。 図4は、それぞれ、本発明の方法および記載の文献の伝統的方法で得た液体溶 出混合物で、一定pHでの塩勾配によるアニオン交換クロマトグラフィー分離を 行った、3つの異なるタンパク質の混合物で得られるクロマトグラムを示す。 図5は、本発明の方法で得た液体溶出混合物を使用して、異なる予め選択した pH値での塩勾配によるカチオン交換クロマトグラフィーを行った、3つの異な るタンパク質の混合物で得られるクロマトグラムを示す。 図6は、図5に示すタンパク質分離の塩勾配中のクロマトグラフィーカラムの 排出側で測定した、液体溶出混合物のpHの変化を示す。 図7は、それぞれ、本発明の方法および記載の文献の伝統的方法で得た液体溶 出混合物で、一定pHでの塩勾配によるカチオン交換クロマトグラフィー分離を 行った、3つの異なるタンパク質の混合物で得られるクロマトグラムを示す。 図8は、先行技術のBioCAD(登録商標)法で得たアニオン交換クロマトグラフィ ーの液体溶出混合物における、塩勾配中のpHの変化を示す。 図9は、本発明の方法で得たアニオン交換クロマトグラフィーの液体溶出混合 物における、塩勾配中の溶出pHの変化を示す。 本発明の好ましい態様の記載成分(i)から(iv) 本発明において、成分(i)は、例えば、5個の種までの数個の異なる緩衝種の 混合物であり得、それぞれ、3つのまでの異なるpKaを有し、広いpH範囲の カバーが可能になる。 下記の表1および2において、好ましい緩衝液のいくつかの例を、それぞれの 緩衝液のデータと共に記載する。それぞれAIEX(アニオン交換クロマトグラ フィー)およびCIEX(カチオン交換クロマトグラフィー)と呼ばれる緩衝液 は: AIEX:0.05 1−メチルピペラジン、0.05M Bis-Tris、0.025 M トリス; CIEX:0.03M Na2HPO4、0.03M ギ酸Na、0.06M 酢酸 Naを含む。 表1AIEX緩衝液データ 勾配0.0−1.0M NaCl 表2CIEX緩衝液データ 勾配0.0−1.0M NaCl注: 1.Zwitterjonic 2.pKaおよびpKa/dT、引用文献“Dissociation constants of organic bases in aqueous solution 2,supplement 1972”出版Butterworths scientif ic publication ISBN 0 408 70408 X参照 3.pKaおよびpKa/dT経験的に測定 4.pH範囲は塩勾配によるpKaドリフトのために、最小pKaに拡大できな い 表から見られるように、5.0から9.5のpH範囲はAIEXと呼ばれる緩衝 液によりカバーされ、一方3.0から7.5のpH範囲は、CIEXと呼ばれる緩 衝液によりカバーされる。他の緩衝液組成を、どのpH範囲をカバーしたいかに 依存して、同様に使用し得る。 上記表において、補正係数“0%B”および“100%B”が記載されている 。これらの補正係数は、下記の反復法の記載において説明する。 反復法の記載において、プロトン性反応の平衡定数により管理されるプロトン 性システム、即ち酸−塩基システムを更に言及する。緩衝種は、従って、プロト ン性システムを構成するが、一方、例えば、上記で定義のAIEXおよびCIE X緩衝液は、それぞれ3つのプロトン性システム、即ち3つの緩衝種を含むこと を特記する。 酸成分(ii)は、理論的には任意の酸であり得るが、好ましくは塩酸(HCl)の ような強酸であり、溶液中で完全に解離する。同様に、塩基はNaOHのような 強塩基が好ましいが、他の塩基も同様に可能である。表に示すように、酸または 塩基貯蔵溶液の適当な濃度は0.1Mであるが、他の濃度も同様に可能である。 成分(iii)の塩は、好ましくは液体システムで不活性な、即ち、イオン解離以 外にはシステムと反応しない塩である。好ましい例はNaClまたはKClであ る。しかしながら、本発明はpH活性塩、例えば、硫酸アンモニウムの使用にも 拡張でき、システムの対応する修飾をなすのは、当業者の知識内と考えられる。 カラム等のような他のクロマトグラフィー条件に依存して、適当な塩勾配を選 択するのは当業者の知識内と考えられる。好ましい例はしかしながら、0から 0.1Mの不活性塩である。 成分(iv)の溶媒は、液体混合物の他の成分が溶解する溶媒または溶媒の混合物 であるが、好ましくは蒸留および/または脱イオン水である。水以外の溶媒を使 用する場合、しかしながら、水との混合物が好ましく、水性溶媒のpHは水相の ものであり得る。反復法 〔式中、fiは、絶対値ziの陽性または陰性電荷を担持するイオンiの活性ファ クター;Iはnの異なるイオン種を含むイオン溶液の強度であり、Iは合計式 (式中、各タイプのイオンiのciはその濃度と等しい)により得られる〕 である。 式中の定数Aは、ほぼ、dA/dT=0.01℃の関係に従って、温度により 変化する。25℃の温度の場合、約A=0.512である。必要であれば、Aの 温度依存性に関する補正を考慮することは当業者の知識の範囲内であるとみなさ れる。 本発明の方法において、混合物中の異なる成分(前掲の(i)から(iv))の割合を 決定するために、上記に概略のように、反復法を適合させる。この反復法をさら に詳述する。 本反復法の第1段階において、成分(i)から(iv)の液体混合物のイオン強度は 、混合物中の塩の存在によってのみ調節され、この仮説的イオン強度により、シ ス 択pHの関数として計算される。この第1段階から、緩衝システムの異なる種の 濃度が由来する。 第2段階において、緩衝システムのイオン種のイオン強度の寄与をまた考慮に 入れ、前期段階で計算した濃度を使用して、成分(i)から(iv)の液体混合物のイ オン強度のより正確な値が計算される。 第3段階において、第2段階で得られたイオン強度と組み合わせた液体混合物 種について濃度の新セットを計算する。 2および3段階を次いで多数回、1つの段階で得られた緩衝種の濃度と、その 直後の値の差異が、一定の先に選択した限界を超えなくなるまで繰り返す;これ らの濃度は、次いで、コントロールされたpHおよびイオン強度の最終混合物に おける緩衝成分の必要な比率に対応する。予め選択された限界は、例えば、緩衝 液の出発濃度の関数、例えば、緩衝液の最初の濃度の0.1%であり得る。しか しながら、限界値は、好ましくは、計量システム、即ちポンプおよびバルブシス テムの正確さに到達するようなものである。 混合物中の塩濃度およびpHの各値に関して、この反復工程を繰り返す。 好ましい態様において、補正係数を計算に包含させる(上記表1および2で0 %Bおよび100%Bと呼ばれる係数)。この補正係数は、最低塩濃度、例えば 0%塩および、混合物の得られた成分(iii)および(iv)のみが塩溶液を構成する 場合、最大濃度、即ち100%(iii)で、選択されたものと液体混合物の実際に 測定されたpHとの偏差の測定により、経験を基にして、決定される。ある偏差 が0%塩で見られる場合、セットポイントpHはこの偏差を最初のセットポイン トのpHの値から引くことにより、補正される。対応する補正は、100%塩で なされ、最大および最小の間の各塩濃度の値での緩衝液比率の補正は、これらの 両極の間の単純な関係により得られる。 例えば、液体クロマトグラフィーシステムで適用可能な好ましい態様において 、計算を下記に記載の式を満たす、直接ポンプおよびバルブシステムのような計 量装置を統制するデータプログラムにより、または成分の供給の他の同等な手段 により行う。このプログラムはまた温度に関するpKaの変化の補正係数も含む 。 上記反復法を、下記の式を基本にして実行するのは当分野の技術者の範囲内で あるとみなされることを特記する。 実行されるデータプログラムにおいて、計算されるパラメーターが緩衝溶液の 比率である。行った計算の詳述を行う。システムの理解は、図1により容易にな るであろう。その中で、フローシステムを統計学的に繰り返し、その記載を以下 に言及する。 図面の表示は: Fbuff=緩衝溶液の供給流 Facid=酸溶液の供給流(代表例の場合、酸性pHが要求される;塩基性pHが 好ましい場合、酸を塩基に代える); Fsalt=塩溶液の供給流 Faq=水の供給流。 緩衝液および酸溶液を共にバルブおよびポンプシステムにより供給し、非常に 厳密にデータプログラム、即ち: FpH=Fbuff+Facid により計算された比率で計量する。 他のポンプおよびバルブシステムは、塩溶液および水を複合流: Fgrad=Fsalt+Faq に従って計量する。 そして最終溶出液は: F=FpH+Fgrad であり、この流を定数として採る。 更に、FpHおよびFgradは、両方 FpH/F=α=定数 となるように採る。 この態様において、塩勾配を直線に選択し、これは S(t)=S(O)+k・t 〔式中、S(t)は、勾配の開始後の時間経過tにおける塩濃度; S(O)は勾配の開始時の塩濃度; kは勾配曲線の傾斜、即ち、溶出時間に関連した塩濃度の増加〕 により示すことができる。 プロトンシステムに関して、平行定数βをプロトンの反応を基本にして定義で きる: このプロトンシステムの段階iに対応するβiは: により得られる。 上記平行定数は、 β=1/Ka=10pKa のように解離定数Kaと相反していることは注目すべきである。 βiを得る上記式において、プロトン活性は: {H+}=h=10-pH により示し得る。 各溶質に関して、活性を活性定数および溶質の濃度の生産物として示し得る。 段階iに対応する平行定数は、従って、 である。 βとpKaの上記関係を介して、前記は例えば、表2の脚注2に記載のような 本を見ることにより、得られるpKaの対応する値から、緩衝システムに関して 計算できる。 条件的定数βi'を挿入する: これはまた: とも書ける。 緩衝溶液はnプロトンシステムを含み、緩衝液中のj:thプロトンシステムの濃 度をCo,jと記載する場合、最終溶液の対応する濃度は と記載できる。 Cjは、緩衝システムの全部の異なるプロトン種の濃度の合計である: Cj=[Aj]+[HAj]+[H2j]+・・・・ これは、 〔式中、Njはシステムjのプロトン種の数〕 と書くこともできる。βo=β'o=1の定義による挿入により: と書くことが可能となる。 j:thプロトンシステムの力価測定可能プロトンの濃度は: Cj(H+)=[HA]+2[H2A]+・・・・・ であり、また: とも書ける。平衡でのj:thプロトンシステムにおける力価測定可能プロトンの全 濃度は: である。この濃度は、混合力価測定可能プロトン、即ち強酸由来: 〔式中、Cs=強酸の最初の濃度〕 およびj:thプロトンシステム由来: 〔式中、qはプロトンシステムに関する係数、即ち、最初に添加した緩衝化合物 の力価測定可能プロトンの数に対応する〕 のものと濃度と同じである。 システムはnプロトンシステムを含み、混合力価測定可能プロトンの全濃度は : である。システムのプロトンバランスは: と書くことができる。fl=1価イオンの活性係数および: の挿入により: としてプロトンバランスを書くことが可能となり、ここから得ようとしているパ ラメーターは: と導き出せる。 パラメーターψは、β'i,jおよびflがイオン強度の変化によりψに依存的な た の目的のために使用する: 本発明の好ましい態様において、補正係数をまたセットポイントからの液体混 合物の実際のpHの逸脱を相殺するために使用する。相殺補正は、塩溶液成分(i ii)および水成分(iv)の複合流Fgradが、一方で塩溶液成分Fsalt(補正係数10 0%B)のみからなっており、他方で水成分Faq(補正係数0%B)のみからなっ ている場合、液体混合流Fにおいて測定したpHのセットポイントpHからの偏 差を基本にする。両方の場合、補正係数は単純に測定値とセットポイント値の間 の差である。例として、セットポイントpHがpH=7であり、0%の塩溶液成 分(即ち、Fgrad=Faq)で液体混合物流FのpH=6.9が測定された場合、0. 1の補正係数(0%B)を、セットポイントpHがpH=7.1を選択するように 、使用する。この補正値を、次いで計算したψの塩濃度(as h=10-pH)で使用 する。 100%の塩濃度成分(Fgrad=Fsalt)で測定pHとセットポイントpHの差 異から得た補正係数(100%B)を、わずかに異なる方法で使用する。第1に、 ψを、補正係数0%B(ψ0%)の使用により補正した、ならびに補正係数100% B(ψ100%)の使用により補正したpHの100%の塩溶液成分で計算する。次い で、これらの二つの値の差異を計算する: Δψ100%=ψ0%−ψ100% この差異を最後に任意の塩濃度でのψに関する補正係数として使用する。これは 、 例えば、式: ψkorr=ψ−Δψ100%・FSalt/Fgrad に従った直線関係として行い得る。上記直線式以外の他の関係は、またその計算 を基本にψの補正値を、非補正値および増加Δψ100%を確立するのに使用できる 。例として、非直線関係は、式: 〔式中、gおよびrはそれぞれ経験的に決定される値、例えば、g=2およびr =1を意味する〕 のように、経験的に確立し得る。 好ましい態様において、0%から100%のFsalt/Fgradの範囲を数個の間 隔で分け、各間隔の出発および停止点に関して、上記非直線式を適合してψkorr の対応する値を計算する。次いで、直線内挿法をこれらの値の間で行う。 本発明の方法により、溶出液のpHを、種種のイオン強度で±0.3、より好 ましくは±0.1の精度でセットできる。 上記のように、本発明の液体流を得るための方法の好ましい態様において、成 分(i)および(ii)、即ち、緩衝液および酸/塩基溶液を、ポンプに接続されたバ ルブの手段によりともに供給し、他の二つの成分、即ち(iii)および(iv)は他の バルブおよびポンプシステムを使用して同様の方法で供給される。本発明の測定 装置は、従って、2セットのバルブおよびポンプから成り、本発明のクロマトグ ラフィーシステムにおいて、好ましくは分離装置(例えば、クロマトグラフィー カラム)とオンラインである。 本発明のクロマトグラフィー装置に含まれる他の部品は、例えば、本明細書に 引用して包含させるPoole C.F.およびPoole S.K.,“Chromatography today” ,第1版、Elsevier Science B.V.,Amsterdam,Netherlands,(1991)に記載の ように、当分野の範囲内で慣用的に使用されているものである。 本発明の方法は、タンパク質のような生体分子の分離および生成の最適化のた め、およびこれらの分離/精製の確固とした実験に有利に適応できる。 例として、タンパク質分離を最適化するために、第1に、かなり広い間隔の数 個の異なるpH、例えば、pH4、pH5、pH6・・・・・、pH10で塩勾 配溶を行い得る;この最適化を“pHスクリーニング”と呼ぶ。次いで、この第 1のpHスクリーニングで選択された最適値付近でのより小さいpH間隔での溶 出を行うことにより、pHのより細かい最適化をし得る。 pH変化に対する分離の確固たる実験をまた、溶出のために選択した付近で小 さく増加させてpHを変化させることにより、行うことができる。 本発明を更に実施例により説明する。 実施例 実施例1および2において、本発明によるタンパク質分離の最適化を記載する 。変化するパラメーターはpHであり、最適化を“pH−スクリーニング”と呼 ぶ。最終的に選択された最適pHにおいて、得られた分離を、選択pHでのイオ ン強度勾配、即ち、選択されたpHであるが、イオン強度においては異なる二つ の緩衝液の混合による伝統的方法で得られた分離と比較する。同等な分離が得ら れることが見られる。 更に、本発明の方法により得られた液体溶出液のpHを、上記タイプの塩勾配 中測定する。実験 分離するタンパク質はトランスフェリン(シグマT-4515)、卵白アルブミン(シ グマA-55o3)、β−ラクトグロブリン(シグマL-6879)、キモトリプシノーゲン(フ ァルマシア17-0042Bロット2100442011)、チトクロームC(ウマ心臓)(シグマC-25 06)およびリソザイム(シグマL-6876)であった。 使用した装置は、2mmセルのUV検出器および1.6ml攪拌器を備えるクロマ トグラフィー装置であった。データソフトウエアは、上記機能装置を備えたユニ コーン2.00.09であり、溶出液成分の正確な比率を計算した。このシステムは カラムはMono QおよびMono S HR 10/10であった。 本発明の方法に使用した緩衝液は: AIEXI:0.05M 1−メチル−ピペラジン+0.05M Bis-Tris+0.02M トリエタノールアミン; AIEX2:0.05M 1−メチル−ピペラジン+0.05M Bis-Tris+0.025 M Tris; CIEX:0.03M Na2HPO4+0.03Mギ酸Na+0.06M酢酸Na “伝統的方法”に使用した緩衝溶液は: AIEX:20mMピペラジン pH6.0、0-0.5 NaCl CIEX:50mM MES pH6.6、0−0.1M NaCl 本発明の溶出液のpHを変化させるのに使用した酸は水性HCl 0.1Mで あった。 塩勾配を得るために使用した塩は水性NaClであり、AIEX緩衝液では1.0 M、CIEX緩衝液では2.0Mであった。アニオン交換法において、溶出液の塩濃 度は、塩勾配中に0Mから0.5Mの間で変化した;カチオン交換法において、 それは0Mから1.0Mの間で変化した。実施例1 pHスクリーニング、アニオン交換法 トランスフェリン2mg/ml、卵白アルブミン4mg/mlおよびβ−ラクトグロブ リン4mg/mlを含む500マイクロリットルのサンプルを、Mono Q HR 10/10カ ラムに注入した。次いで、クロマトグラフィーを、本発明の方法で得た緩衝液AI EX2を含む、pH5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0および9. 0で流した。各pHで得たクロマトグラムを図2に示す。 次に、本発明の液体溶出液の塩勾配中のpHを上記の異なるpHで調べた。p H電極を固定リファレンス緩衝液で目盛り決めした。図3において、pH対塩勾 配を示す。 更に、クロマトグラフィーを−上記pHスクリーニングで最適として使用し続 ける−pH6で、本発明の二つの異なるAIEX緩衝液を使用して、および伝統的AI EXを使用してそれぞれ得られた液体溶出液混合物で流した。得られたクロマトグ ラムを図4に示す。実施例2 pHスクリーニング、カチオン交換法 キモトリプシノーゲンA 1.25mg/ml、チトクロームC 1.3mg/mlおよ びリソザイム1.9mg/mlを含む500マイクロリットルのサンプルをMono S HR 10/10カラムに注入した。次いで、クロマトグラフィーをpH3.0、3.5、4 .0、4.5、5.0、6.0、 7.0および7.5で、CIEXを含む本発明の方法で 得た液体溶出液を使用して流した。各pHで得られたクロマトグラムを図5に示 す。 上記カチオン交換クロマトグラフィーを流してる間、溶出液pHをクロマトグ ラフィーカラムの排出部で測定した。pH電極をフローシステムのリファレンス 緩衝液で目盛り決めした。結果を図6に示す。 更に、クロマトグラフィーを、上記pHスクリーニングで最適として使用し続 けるpH6で、本発明のCIEX緩衝液を使用して本発明の方法で、および上記で定 義の“伝統的”CIEX緩衝液を使用して伝統的方法で、それぞれ得た液体溶出液を 使用して、流した。得れたクロマトグラムを図7に示す。結果 最初に、実施例1に記載し、図2に示すアニオン交換クロマトグラフィーのp Hスクリーニングで得たクロマトグラムに関して、増加したpHで、タンパク質 に対応するピークは勾配の後のほうで溶出することが見られる。溶出の順番はト ランスフェリン、続いて卵白アルブミンおよび最後の溶出成分としてβ−ラクト グロブリンであり、この溶出順序はスクリーニングした全pH値で保持される。 最良の分離はpH6.0−6.5で見られる。 図4から、この最適pHで、分離は“伝統的方法”で得られたものと同等であ ることが見られる。 “伝統的方法”と比較した本発明の非常な利点は、従って、本質的に最適化が 容易なことである:一の緩衝液のみで、広範囲のpHがカバーできる。 図3から、溶出液pHは全勾配中に全く安定である。pHの最大ドリフトはp H8で得られ、そこでは0.1pH単位であった。 更に、溶出液のセットpHと測定pHの実際の差異は、実際に図3から見られ るよりも小さかった:外部pH−メーター(pH5、7および8で)の使用により 、セットpHと得られたpHの間の実際の際は、−0.1pH単位よりも小さか った。pHの見かけの差異は、溶出pH測定中に流れの代わりに固定液体を使用 したpH−メーターの目盛決めり方法のためである。 カチオン交換クロマトグラフィーのpHスクリーニングにおいて、図5に示し たクロマトグラムによると、増加したpH(pH4.5と5.0の間)でチトクロー ムCおよびリゾザイムの溶出の順序の逆転がある。最良の分離はpH6.0で、 見られる。 先の場合のように、これもまた本発明の方法で得られた分離が、“伝統的”方 法で得られたものと同等であることが、図7から見られる。 また、図6のpH曲線は、pHが全塩勾配中、非常に安定であることを示す。 グラフの最初のピークおよびpH3での“落ち込み”は、カラムおよび電極を通 過するサンプル溶液媒体そのもののpHのためである。実施例3 この実施例において、塩勾配中の溶出液pHのドリフトが、本発明に従ったシ ステムで得られたものおよび先行技術、即ちBioCAD(登録商標)の方法で得られた ものについて、同等であった。実験 BioCAD(登録商標)法において、二つの異なる緩衝液を使用して、各ランでpH を変化させた。これらの二つの緩衝液は、0.05M Bis-Tris-プロパンおよび 0.05M Trisを含むAIEX緩衝液から得られ、これらはそれぞれpH6および pH9の力価を有した。同時に、緩衝液中の二つの緩衝液の混合率を変えること により、そのpHを6と9の間で変化させた。これは、BioCAD(登録商標)プログ ラムにより自動的に行った。 各ランで、塩勾配を水性NaCl溶液の使用により得、0.05M/分の速度 で0から1.0Mまで変化させた。 pHはカラムの排出側で測定した。結果 図9において、BioCAD(登録商標)法で得られるpH曲線を示す。セットポイン トpHと測定pHの間に大きさ差が存在し、勾配中に非常に大きなpHドリフト がある:例えば、7.0のセットポイントpHで、ドリフトは0.5pH単位を超 えている(pH6.5を超え、pH6.0より下)。 これと比較して、図9から、本発明の方法の使用により、得られるpHは全塩 勾配中、非常に安定であるように見える。 結論 本発明の方法の使用により、コントロールされたpHおよびイオン強度の液体 混合物がこのように得られ、更にpHを新規緩衝液を製造することなく広範囲で 変化できる。 タンパク質のような生体分子の分離および精製への本発明の適用は、関心事の 溶出パラメーターにおいて非常な正確さが可能となり、同時に従来非常に厄介で あった分離/精製の最適化を非常に単純化する。 本発明は、変化したイオン強度で液体混合物のpHを一定に保つ方法の手段と して記載している。それにもかかわらず、例えば、塩勾配を伴うまたは伴わない クロマトグラフィー分離中、pHを他の変動パラメーターとして使用する変法も また本発明の範囲内と考慮され、方法に関する必要な変化は当業者の知識の範囲 内とみなされる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)1個またはそれ以上の緩衝種; (ii)二者択一的に酸または塩; (iii)所望により塩;そして (iv)溶媒 ここで、成分(i)から(iv)の比率は、各時点で混合物の予め選択されたpHを得 るために、液体混合物のpHとイオン強度の相互関係を考慮に入れて、同時に変 化するものである、液体混合物の製造法。 基本にした反復法を使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。 3.反復法が り、一定の塩濃度を有する請求項1で定義の混合物の異なるプロトン性成分の比 率を計算し、ここで、該混合物のイオン強度は、該塩の存在によってのみ考慮さ れる; (b)前記段階で計算された比率を基にして、混合物の得られるイオン強度を計算 する; に入れて、混合物の予め選択されたpHでの混合物のプロトン性成分の新セット の比率を計算する;そして (d)最後のセットで見られたプロトン性成分の比率の値と、直前の段階で見られ た値の偏差が予め定義した最大レベルを超えなくなるまで段階(b)および(c)を 繰り返し、この比率の最後のセットが次いで一定塩濃度での選択されたpHの混 合物を製造するものとして維持する 段階を含むことを特徴とする、請求項2記載の方法。 4.液体混合物の成分(i)から(iv)を別々の液体として提供することを特徴と する、請求項3記載の方法。 5.溶媒が蒸留および/または脱イオン水であることを特徴とする、請求項1 から4のいずれかに記載の方法。 6.塩が不活性塩であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載 の方法。 7.請求項1から6のいずれかの方法で得られることを特徴とする、液体混合 物。 8.液体流を、好ましくは請求項3記載の方法により操作される計量デバイス の手段により、(i)から(iv)の該溶液を供給することにより得ることを特徴とす る、一定pHおよび可変イオン強度の液体流の製造法。 9.溶出液流として、請求項8で製造された液体流を使用する、液体クロマト グラフィー法。 10.イオン交換クロマトグラフィーであることを特徴とする、請求項9記載 の方法。 11.計量デバイスが請求項3の方法により操作されていることを特徴とする 、請求項1から10のいずれかに記載の成分(i)から(iv)をクロマトグラフィー 分離デバイスに供給できる、オンライン計量デバイスを含む、液体クロマトグラ フィー装置。 12.2つのポンプを含み、1つが緩衝種溶液および酸(または塩基)溶液を供 給するために配置され、他方が溶媒および随意の塩溶液を供給するために配置さ れていることを特徴とする、請求項11記載の装置。
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