【発明の詳細な説明】
ピロニン抗菌剤、方法及びその新規中間体発明の分野
本発明は、ピロニン抗生物質の分野に属する。特に、本発明は、抗菌治療に有
用な化合物である粘性ピロニン(mixopyronins)及びコーラロピロニン(corallopy
ronins)の調製方法に関する。本発明はまた、該ピロニン抗菌剤を調製するため
の中間体として有用な、新規な化合物を提供する。
本願において、様々な刊行物が引用されるが、それらは、本発明に関係する技
術水準をより完全に説明するために、参照によりその全体が本願に組み込まれる
。発明の背景
粘性ピロニン及びコーラロピロニンは、抗菌治療においてk顕著な機会を提示
する2−ピロン含有抗生物質である。これらは、合成的に得ることができ、開発
されていない一連の低分子細菌RNAポリメラーゼ(RNAP)阻害剤を構成する。こ
れらは、以下のような好ましい特性を有している:ヒトRNAPに比べての選択性、
細胞透過性(in vitro細菌RNAPのIC50と比べての濃度における最小阻害濃度(MIC)
)、及びリファンピシン感受性株と同等なリファンピシン耐性S.アウレウスに対
する効力。
コーラロピロニンA/B及び粘性ピロニンA/Bは、滑走細菌(Corallococcus cora
lloides;Myxococcus fulvus)から単
離された天然物であり、RNAP阻害剤として発見された。(Reichenbach,H.,Hofle
,G.,Irschik,H.,Kohl,W.,Liebigs Ann.Cnem.,1983,1656;Reichenbach,H.,H
ofle,G.,Irschik,H.,Kohl,W.,Liebigs Ann.Chem.,1984,1088;Reichenbach
,H.,Hofle,G.,Irschik,H.,Jansen,R.,Liebigs Ann.Chem.,1985,822)。こ
れらの化合物の構造は、共通に、ビニルカルバメート官能性を持つアルキル基を
6位に有する3−アシル−4−ヒドロキシ−2−ピロンを有し、密接に関連して
おり、この特徴は天然物としては典型的ではないものである。これらは、ピロン
3位についたアルキル鎖上の置換のみによって相違している。コーラロピロニン
はより複雑である(図1(a))。このピロニンは、大腸菌(E.coli)及びS.アウレウ
スRNAポリメラーゼの両方に対する抗菌アッセイにおいて良好な固有活性を示
す。この活性は、ヒト又はSP6ポリメラーゼと比べて特異的である。MICデ
ータ(表1参照)は、これらの化合物が、リファンピシンと同様、大腸菌によっ
て良好に吸収されていないがグラム陽性及びグラム陰性細菌の両方に固有活性を
有していることを示している。
これらの一連の化合物の魅力的な特徴は、それらのリファンピシン耐性株に対
する活性である。リファンピシンの感受性株に対するMICはおよそ10nMで
あるが、耐性株に対しては効力が落ちる(MIC>10μM)。リファンピシンの
使用は、細菌の耐性の発達により限定される。粘性及びコーラロピロニンの両方
は、リファンピシン感受性及びリファンピシン耐性のS.アウレウスに対して同
等に効果的である。
従来技術において、ピロンは、わずかの例において生物学的効果を引き出すた
めに用いられてきたが、それらは、いずれの例においても抗菌剤としては使用さ
れていない。2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン誘導体は、経静脈及び経口
の両方の経路で投与した場合で、妥当な(reasonable)用量(dose)においてラット
の受身皮膚アナフィラキシーモデルにおいて活性であることが報告されている。
Snader,K.M.et al.,J.Med.Chem.,1979,22,706;Chahrin,L.W.,Snader
,K.M.,Williams,C.R.,2H-Pyran-2,6(3H)-dionederivate、ドイツ特許第25 33
843号。第2の例において、単純な3‐(1‐オキソアルキル)−4−ヒドロキ
シ−6−アルキル−2−ピロンはin vitroにおいて、ヒト痰エラスターゼの阻害
に有効であることが見出された。Cook,L.,Ternai,B.,Ghosh,P.,J.Med.Chem.
,1987,30,1017。最後に、一連のピロン誘導体は、酵素アッセイと細胞培養の
両方において、HIVプロテアーゼの有効な阻害剤であることが見出された(図
1(b))。Skulnick,H.I.,et al.,J.Med.Chem.,1995,38,4968。
文献には、ピロニン抗菌剤の合成的な調査又は医学的使用は何も報告されていな
い。
本発明は、粘性ピロニンA及びその誘導体の合成に有用な新規な中間体を提供
する。さらに、本発明は、粘性ピロニンA及びその誘導体並びにコーラロピロニ
ンを合成するための方法を提供する。発明の要約
本発明の目的の1つは、抗菌治療剤として有用な化合物である粘性ピロニン及
びコーラロピロニンの調製方法を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、該抗生剤粘性ピロニンを調製するための中間体と
して有用な、様々な化合物を提供することにある。
本発明の更なる目的は、そのような中間体を調製するための方法を提供するこ
とにある。図面の簡単な説明
図1(a)は、コーラロピロニンA/B及び粘性ピロニンA/Bの構造を示す
。
図1(b)は、酵素アッセイと細胞培養においてHIVプロテアーゼを阻害す
るクマリン誘導体を示す。Skulnick,H.I.,et al.,J.Med.Chem.,1995,38,49
68。
図2は、粘性ピロニンAの調製のための逆行合成分析(retrosynthetic analys
is)を示す。
図3は、本発明による化合物1の合成を示す。
図4は、化合物10の調製のための、化合物3の7位アル
キル化を示す。
図5は、本発明による化合物6の合成を示す。
図6は、本発明による化合物10の合成を示す。
図7は、本発明による化合物10の他の合成を示す。
図8は、本発明による化合物18の合成を示す。
図9は、アシルクロライド19を用いて試みられたピロン10のアシル化を示
す。
図10は、粘性ピロニンAの調製のための他の逆行合成分析を示す。
図11は、本発明による化合物18の合成を示す。
図12は、粘性ピロニンAの逆行合成分析を示す。
図12(a)は、アリルアルデヒド14の調製を示す。
図12(b)は、アシル化ピロン5の調製を示す。
図12(c)は、ヨウ化物8bの調製を示す。
図13(a)は、アシルピロン中間体15の合成経路を提供する。
図13(b)は、中間体14及び15の縮合反応並びにその後の粘性ピロニン
Aへの加工を示す。
図14(a)は、アリルアルデヒド14の調製を示す。
図14(b)は、ピロン10のプロピオニルクロライドでのアシル化及びその
後の粘性ピロニンAへの加工を示す。
図15は、中間体ピロン10の合成経路を提供する。発明の詳細な説明
本発明は粘性ピロニン化合物の調製に収束する合成経路を提供する。本発明は
、ピロンの3位に側鎖を導入するための
選択的アプローチに基づく2つの異なる経路を提供する。経路A
2−ペンタノンから始めて、THF中NaH存在下においてトリエチル ホスホノア
セテートを用いたWadsworth-Emmons反応が行われる。エステル16(図3参照)
が続いて、DIBALで還元され、DDQで酸化され、アルデヒド14を産生する。Wads
worth-Emmons反応はアルデヒド14とトリエチル2‐ホスホノプロピオネートと
をTHF中NaHの存在下縮合するのに用いられる。得られる産生物は、続いて、DIBA
Lで還元され、DDQで酸化され、アルデヒド1を産生する。これは、3−位側鎖前
駆体を構成する。
ピロン部分は、以下のように構成される。エチル プロピオニルアセテートを
、水性NaOHで加水分解する。得られる酸の2当量を1当量のカルボニルジイミダ
ゾールを用いて縮合させ、ピロン5を産生する(図5参照)。3−プロピオニル基
は、濃H2SO4を用いて昇温下で加水分解され、ピロン6を得る。これは続いて、
n−BuLi及び溶媒としてTHF/HMPTを用い、3−ブロモプロピオンアルデヒド ジ
メチルアセタールでアルキル化され、7を与える。4位のヒドロキシルはCH2Cl2
中でSEM−Cl及びジイソプロピルアミンを用いてSEMエーテルに変換される。ジメ
チルアセタールは酸性条件下で除かれ、得られるアルデヒドはTHF中NaHの存在下
Wadsworth-Emmonsの条件下でトリエチルホスホノアセテートでアルキル化され、
不飽和エステル9を産生する。SEMエーテルは、TBAF及びDMPUを用いて切断され
、鍵となる中間体10を与える。
中間体10は、他の経路により合成することができる。ピロン6を、n−BuLi
で脱プロトン化し、続いてTHF/HMPT中臭化アリルでアルキル化する。4位のヒド
ロキシルはCH2Cl2中SEM-Cl及びジイソプロピルアミンを用いた処理によりSEMエ
ーテル11に変換される。アリル基はボラン試薬を用いてハイドロボレーション
され、続いてホウ酸塩は酸化的に除かれ、アルコールを与える。得られたアルコ
ールは標準的なSwernの条件下で酸化され、アルデヒド12を与える。アルデヒ
ド12は、THF中NaHの存在下で、トリエチルホスホノアセテートでアルキル化さ
れ、不飽和エステル9を与えた。SEMエーテルを酸性条件下で、例えばTHF/EtOH
中H2SO4を用いて除き、鍵となる中間体10を与える。CH2Cl2中TFAにより触媒さ
れた化合物1及び10のアルドール反応は、中間体13を提供する。合成は、酸
化して中間体17を産生し、続いてCurtiusシーケンスにより粘性ピロニンA1
8を産生することにより終了することができる。経路B
第2の経路は、以下に開示する方法により、中間体10及び14の便利な利用
可能性を利用する。ピロン10は、昇温下でTHF中プロピオニルクロライドでア
シル化され、中間体15を産生する(図11)。THF中LDAを用いた、塩基に触媒さ
れた化合物14及び15のアルドールは、中間体を形成し、これは続いてCH2Cl2
中メシルクロライド及びトリエチルアミン、続いてDBUで処理され、経路Aの中
間体でもある化合物17を産生する。粘性ピロニンAは、Curtiusシーケンスの
後
に得られる。
本発明は、構造:
を有する粘性ピロニンを調製する方法であって、
(a)構造:
を有するアルデヒドを、構造:
を有するピロンと、適切な条件下で縮合し、構造:
を有する付加物を形成する工程、
(b)工程(a)で形成された付加物を適切な条件下で酸化し、構造:
を有するピロンケトンを形成する工程、並びに
(c)(i)工程(b)で形成されたピロンケトンを適切な条件下でケン化してピ
ロン酸を形成する工程;
(ii)工程(c)(i)で形成されたピロン酸を適切な条件下でアシル化してピロン
無水物を形成する工程;及び
(iii)工程(c)(ii)で形成されたピロン無水物をアジド塩で処理してピロンアシル
アジドを形成する工程;及び
(iv)工程(c)(iii)で形成されたピロンアシルアジドをメタノール中適切な条件下
で加熱して粘性ピロニンAを形成する工程
を含む方法を提供する。
本発明において行われている通り、上記1,2−付加の工程(a)は、酸触媒、
例えばトリフルオロ酢酸(TFA)、塩酸、硫酸、又はp‐トルエンスルホン酸を用
いて、好ましくは、脱水剤の存在下で、例えば分子ふるい、より好ましくは4Å
の分子ふるいを用いて、不活性の有機溶媒例えばジクロロメタン又はp‐ジオキ
サン中で行われる。アルコール酸化工程(b)は、様々な酸化剤例えば2,3‐ジ
クロロ−5,6‐ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、二酸化マンガン又は
塩化クロム酸クロム(chromium chlorochromate)を用いて行われる。ケン化工程(
c)(i)は、水酸塩基、例えばLiOH、NaOH、KOH又はCsOHを用いて、水及び少なくと
も1つの有機助溶媒例えばメタノール、エタノール、又はテトラヒドロフラン(T
HF)を含む溶媒混合物中で行われる。好ましい溶媒組成物は、メタノール/THF/水
の、2:2:1の比率のものである。Curtiusシーケンスにおいて、工程(c)(ii)
はアルキル又はアリールクロロホルメートを用いて、DIPEA等の塩基の存在下、
不活性有機溶媒、好ましくは水混和性のもの、好ましくはアセトン中で達成され
る。前記クロロホルメートは、これらに限定されないが、メチル クロロホルメ
ート、エチル クロロホルメート、イソプロピル及びフェニル クロロホルメー
トを含む。得られた産生物は、精製することもでき、次の工程に直接用いること
もできる。工程(c)(iii)は、リチウムアジド、ナトリウムアジド、又はテトラア
ルキルアンモニウムアジド等のアジド塩を用いて、好ましくは水の存在下で行わ
れる。再構成(rearrangement)工程(c)(iv)は、エタノール、メタノール又
はフェノール、好ましくはメタノール等のアルコール、及びベンゼン又はトルエ
ン等の不活性溶媒を含む溶媒混合物中における、工程(c)(iii)で形成された前記
酸アジドの、昇温下、好ましくは溶媒混合物の還流温度下での加熱を伴う。
本発明はまた、構造:
を有する粘性ピロニンの調製方法であって、
(a)構造:
を有するピロンをプロピオニルクロライドで、適切な条件下で処理し、構造:
を有するケトン付加物を形成する工程、
(b)(i)工程(a)で形成されたケトン付加物を、構造:
を有するアルデヒドと適切な条件下で縮合してピロンアルドールを形成する工程
;(ii)工程(b)(i)で形成されたピロンアルドールを適切な条件下でメシル化して
ピロン アルドール メシレートを形成する工程;及び(iii)ピロン アルドー
ル メシレートを適切な塩基性条件下で反応させて構造:
を有するピロンケトンを形成する工程、並びに(c)工程
(b)(iii)で形成されたピロンケトンを適切な条件下でケン化してピロン酸を形成
する工程;(ii)工程(c)(i)で形成されたピロン酸を適切な条件下でアシル化して
ピロン無水物を形成する工程;及び(iii)工程(c)(ii)で形成されたピロン無水物
をアジド塩で処理してピロンアシルアジドを形成する工程、及び(iv)工程(c)(ii
i)で形成されたピロンアシルアジドを適切な条件下で加熱して粘性ピロニンを形
成する工程
を含む方法を提供する。
アシル化の工程(a)は、TFA、塩酸又はp‐トルエンスルホン酸等の酸触媒を用
いて、好ましくは脱水剤の存在下で、分子ふるい等、好ましくは4Åの分子ふる
いを用いて、ジクロロメタン等の不活性有機溶媒中において達成することができ
る。縮合工程(b)(i)は、強い、非求核的な塩基、例えばLDA、カリウムt‐ブト
キシド又は水素化ナトリウム、好ましくはLDAを用いて、THF等の不活性有機溶媒
中で行う。メシル化工程(b)(ii)は、メシルクロライド、p−トシルクロライド
、無水酢酸、好ましくはメシルクロライド等のアシル化剤を用いて、DIPEA又は
トリエチルアミン等の非求核有機塩基の存在下で行われる。脱離工程(b)(iii)は
、脱離を起こすのに有効な様々な試薬を用いて行うことができるが、DBU等の強
く非求核的な塩基が好ましい。Curtius再構成は、上述の通り達成することがで
きる。
本発明はまた、構造:
を有する不飽和アルデヒドを調製する方法であって、
(a)トリエチルホスホノアセテートを適切な条件下で2−ペンタノンと縮合させ
て、構造:
を有する不飽和エステルを形成する工程、
(b)(i)工程(a)で形成された不飽和エステルを適切な条件下で還元して不飽和ア
ルコールを形成する工程;及び(ii)前記不飽和アルコールを適切な条件下で酸化
して、構造:
を有するモノ不飽和アルデヒドを形成する工程、並びに
(c)(i)トリエチル ホスホノプロピオネートを、工程(b)(ii)で形成したモノ不
飽和アルデヒドと、適切な条件下で縮合させ、ジエンエステルを形成する工程;
(ii)工程(c)(i)で形成されたジエンエステルを適切な条件下で還元してジエンア
ルコールを形成する工程;及び
(iii)前記不飽和アルコールを適切な条件下で酸化させて前記不飽和アルデヒド
を形成させる工程
を含む方法を提供する。
本発明において行われている通り、好ましくはWadsworth-Emmons型である縮合
の工程は、LDA又は水素化
ナトリウム等の非求核的塩基の存在下で、THF等の不活性の極性非プロトン有
機溶媒中で好都合に行われる。エステルの還元工程(b)(i)は、THF等の不活性
非プロトン有機溶媒中で、ジイソブチルアルミニウム ハイドライド(DIBA
L)等の様々な還元剤のいずれを用いても行うことができる。酸化工程(b)(ii)
は、ジクロロメタン等の不活性有機溶媒中で、各種の緩和な酸化剤(好ましくは
DDQ)のいずれを用いても達成することができる。続いての縮合工程(c)(i)は
、不活性有機溶媒好ましくはTHF中で、水素化ナトリウム等の非求核性塩基の
存在下で行うことができる。還元工程(c)(ii)は、THF等の非プロトン溶媒中
で、様々な還元剤、好ましくはジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL)
を用いて行うことができる。最後に、酸化工程(c)(iii)は、様々な酸化剤例えば
DDQ等を用いてジクロロメタン中で達成することができる。
一つの態様において、本発明は、構造:
を有する不飽和エステルの調製方法であって、(a)適切な条件下でエチル ブチ
リル アセテートを、ジエチル ホスホロクロリデートと縮合してエノール ホ
スホネートを形成する工程;及び(b)工程(a)で形成されたエノール ホスホネー
トを、適切な条件下有機金属試薬でアルキル化して不飽和エステル
を形成する工程を含む方法を提供する。
本発明において行われる通り、縮合工程(a)は、THF又はジエチルエーテル
等の不活性非プロトン有機溶媒中において、カリウムt−ブトキシド、水素化ナ
トリウム、LDA、及びリチウム ジエチルアミド、好ましくは水素化ナトリウ
ムを含むがこれらに限定されない非求核塩基を用いて行われる。アルキル化工程
(b)は、リチウムジメチル第二銅(lithium dimethyl cuprate)、メチルリチウム
、メチルマグネシウムブロマイド又はクロライド、好ましくはリチウムジメチル
第二銅等の有機金属試薬を用いて、不活性非プロトン溶媒好ましくはジエチルエ
ーテル中、約−100℃〜約0℃、より好ましくは約−90℃〜約−50℃の範
囲、最も好ましくは−78℃の温度において達成される。
さらに、本発明は、構造:
を有するピロンエステルの調製方法であって、(a)構造:
を有するジカルボニル化合物を、適切な条件下で酸性化(acidify)及び二量体化
して処理し、構造:
を有するアシルピロンを形成する工程、
(b)工程(a)で形成されたアシルピロンを適切な条件下で加水分解し、構造:を有するピロンを形成する工程:
(c)工程(b)で形成されたピロンを適切な条件下でアルキル化して、構造:
を有するピロンアセタールを形成する工程、
(d)工程(c)で得られたピロンアセタールを適切な条件下でエーテル化し、構造:
を有するエーテル ピロン アセタールを形成する工程、
(e)(i)適切な条件下で前記ピロンアセタールを酸分解的に(acidolytically)切断
する工程;及び(ii)トリエチル ホスホノアセテートと適切な条件下で反応させ
て構造:
を有する保護ピロンエステルを形成する工程、並びに
(f)保護ピロンエステルを適切な条件下で脱保護してピロンエステルを形成する
工程
を含む方法を提供する。
上記の工程(a)における加水分解は、水酸塩基、例えばLiOH、NaOH、又はKOH、
好ましくはNaOHを用いて行われ、続いて塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、及びTFA、
好ましくは塩酸を含むがこれらに限定されない様々な酸を用いて酸性化される。
工程
(a)の二量化は、カルボニル ジイミダゾール、又は当該分野で知られる他の同
等な試薬等の縮合剤を用いて達成される。加水分解工程(b)は、強酸、例えば塩
酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、又は硫酸、好ましくは90%硫酸を用いて
、昇温下、約65℃〜約160℃の範囲、好ましくは約100℃〜約140℃の
間、さらに好ましくは130℃で行われる。フルオロ−、クロロ−又はブロモプ
ロピオンアルデヒド ジメチル アセタールでのアルキル化工程(c)は、n-ブチ
ルリチウム、t‐ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム又はフェニルリチウム等
の強塩基を用いて、THF等の不活性極性非プロトン溶媒中で、HMPT等の助溶媒の
存在下又は非存在下で行われる。エーテル化工程(d)は、DIPEA又はトリエチルア
ミン等の強い非求核塩基を用いて、ジクロロメタン等の不活性有機溶媒中で達成
される。アセタール切断工程(e)(i)は、硫酸又はp‐トシル酸(p-tosic acid)等
の強酸を用いて、好ましくはTHF及び水を10:1の割合で含む溶媒混合物中で
行われる。縮合工程(e)(ii)は、水素化ナトリウム等の強い非求核塩基を採用し
、好ましくはトルエン及びDMFを含む溶媒混合物中で行う。脱保護工程(f)は、有
機フッ化物塩、好ましくはテトラブチルアンモニウムフルオリドを利用する。
本発明は、さらに、構造:
を有するピロンエステルの調製方法であって、
(a)(i)構造:
を有するピロンをアルキル化する工程、
(ii)工程(i)で形成されたピロンを適切な条件下でエーテル化して、構造:
を有する保護ピロンを形成する工程、
(b)(i)工程(a)(ii)で形成された保護ピロンを適切な塩基性条件下でハイドロボ
レーションし;(ii)適切な条件下で酸化して構造:
を有するピロンアルデヒドを形成する工程、
(c)工程(b)(ii)で形成されたピロンアルデヒドを、適切な条件下でトリエチル
ホスホノアセテートと縮合して、構造:を有する保護ピロンエステルを形成する工程、及び(d)前記保護ピロンエステル
を適切な条件下で切断し、前記ピロンエステルを得る工程
を含む方法を提供する。
本発明で行われている通り、アリル化工程(a)(i)は、ハロゲン化物としてアリ
ルクロライド、ブロマイド又はフルオライド、及び水素化ナトリウム又はn-ブチ
ルリチウム等の強塩基を用いて、好ましくはTHF及びHMPTからつくられた極性非
プロトン溶媒混合物中で達成される。保護工程(a)(ii)は、DIPEA又はトリエチル
アミン等の強い非求核塩基を用いて、ジクロロメタン等の不活性有機溶媒中で行
われる。ハイドロボレーション(b)(i)は、ボラン複合体、例えばBH3-SMe2で行わ
れ、続いて過酸化水素及びNaOH等の無機塩基で処理される。酸化(b)(ii)は好ま
しくは、標準的なSwernの条件を利用する。縮合工程(c)は、水素化ナトリウム等
の強い非求核塩基を用いて行われる。脱保護工程(d)は、硫酸等の強酸を用いて
、エタノール等のプロトン溶媒及びTHF等の混和しうる非プロトン溶媒の存在下
で達成される。
一般的に、Wadsworth-Emmons反応は、1及び9へ導かれる経路の両方において
適用され、非プロトン非水溶媒の使用を許容する。トルエン及びTHFの両方が有
効に使用される一方、THFでより高い収率が得られる。好ましい塩基はNaHである
が、他の非水塩基も有効である。他の炭素−炭素二重結合を生じる反応も同様に
使用することができる。中間体エステル16はまた、リチウムジメチル第二銅、
又は他の同等の有機金属試薬の関与する付加反応によって調製することもできる
。1への経路における2つのエステルの還元は、多くの水素化物試薬を使用する
こともできるが、いずれもDIBALで行う。融点が−78℃以下である限りにおい
て、いずれの非プロトン非水溶媒をも許容しうる。反応は、−78℃で速やかに
進行するが、任意に、−40℃までの温度で不都合を起こさずに行うことができ
る。1への経路における酸化は、Swernの条件及びDDQを伴っての両方で、又は酸
化マンガン、クロロクロム酸ピリジン(pyridinium chlorochromate)、及び二ク
ロム酸ピリジンを含むがこれらに限定されないアリルアルコール又は第一級アル
コールの酸化に有用ないずれかの試薬で、効率的に行なわれている。DDQを用い
る経路は不飽和アルコールを
伴うとより有効である。酸化反応は、好ましくは、様々な非プロトン非水溶媒を
用いて行われる。
ピロンの製造に対して、エチル プロピオニルアセテートは、水性NaOHで加水
分解される。反応は、いずれかの水酸塩基を用いて行なうことができる。酸を二
量体化してのピロン5の製造は、好ましくは非プロトン非水溶媒中で達成される
。他の、カルボニルジイミダゾール同等物(例えばホスフェン)を同様に使用す
ることができる。6を得るためのプロピオニル基の加水分解は、塩酸、リン酸、
硝酸を含むがこれらに限定されない強酸中で起こる。6の、3−ブロモプロピオ
ンアルデヒド ジメチル アセタール又はアリルブロマイドのいずれかでのアル
キル化は、好ましくは、アニオンの可溶化を補助するためのヘキサメチルホスホ
リック トリアミド(HMPT)の存在下で行われる。
SEMエーテルは、好ましい保護基である。導入工程において、ジイソプロピル
エチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン、DBU(1,8-ジアズビシクロ[5.4.0]ウン
デク−7−エン)、及びピリジンを含むがこれらに限定されない様々なアミン塩
基を使用することができる。反応は、クロロホルム、四塩化炭素及びジメチルホ
ルムアミド(DMF)を含むがこれらに限定されない様々な極性非プロトン溶媒中で
行うことができる。THF/H2O中で希H2SO4を用いたジメチルアセタールの除去は、
SEM基を切断しない緩和な酸で行うことができる。一般的に、アルコールではな
くH2Oが助溶媒として使用される場合、SEM基は影響されない。化合物10を製造
するための中間体9の
SEM基の除去は、THF/EtOH中TBAF/DMPU又は希H2SO4のいずれかを用いて達成され
、酸性条件がより有効である。
中間体11のハイドロボレーションは、例えばBH1・THF又はボラン−ジメチル
スルフィド複合物等の様々なボラン試薬で行われる(図7)。収量は、これらの条
件下におけるピロンの反応性に限定される。化合物1と10とのアルドール反応
は、最適には、CH2Cl2中でTFAを用いて行われる。3位側鎖をつけるのに用いら
れる他の経路において、プロピオニルクロライドで化合物10をアシル化しての
中間体15の製造は、昇温下でTFAの存在下で効率的に進行する。リチウム ジ
イソプロピルアミド(LDA)は、化合物14と15とをアルドール反応させ中間体
17を得るのに効率的な塩基である。水酸塩基、リチウム含有塩基及びアルコキ
シドを含むがこれらに限定されない様々な他の塩基もまたこの目的に使用するこ
とができる。
本発明は、構造:
を有する粘性ピロニンの調製方法であって、
(a)構造:
を有するアシルピロンを、構造:を有する不飽和アルデヒドで、適切な条件下で処理して、構造:
を有するピロンアルドールを形成する工程、
(b)(i)工程(a)で形成されたピロンアルドールを適切な条件下でメシル化してピ
ロンアルドールメシレートを形成し;
(ii)工程(b)(i)で形成されたピロンアルドールメシレートを適切な塩基性の条件
下で反応させて構造:
を有するピロンジエンを形成する工程、及び(c)工程(b)(ii)で形成されたピロン
ジエンを、適切な条件下でケン化してピロン酸を形成する工程;(d)工程(c)で形
成されたピロン酸を適切な条件下で変換してピロンアシルアジドとする工程;並
びに(e)工程(d)で形成されたピロンアシルアジドを適切な条件下でメタノールで
加溶媒分解して前記粘性ピロニンを形成する工程
を含む方法を提供する。
一つの態様において、本発明は、上記の方法であって、工程(a)においてアシ
ルピロンが、ルイス酸触媒の存在下において不飽和アルデヒドで処理される方法
を提供する。この特定の態様において、本発明は、酸触媒が四塩化チタン/トリ
エチルアミン複合体である方法を提供する。他の態様において、本発明は上記の
方法であって、工程(b)(i)におけるピロンアルドールが、トリエチルアミンの存
在下、メタンスルホニル(メシル)クロライドでメシル化される方法を提供する
。他の態様において、本発明は、上記の方法であって、工程(b)(ii)におけるピ
ロン アルドール メシレートがDBUと反応される方法を提供する。他の態様に
おいて、本発明は、上記の方法であって、工程(c)におけるピロンジエンが、水
酸化リチウム
でケン化される方法を提供する。さらに他の態様において、本発明は、上記の方
法であって、工程(d)におけるピロン酸が、ジフェニルホスホリル アジドを用
いて、トリエチルアミンの存在下で変換される方法を提供する。
工程(a)のアルドール縮合は、周囲温度より低い温度、好ましくは−78℃で
達成することができる。メシル化工程(b)(i)は、好ましくはメシルクロライドを
用いて行なわれるが、p−トシルクロライド、無水酢酸等の他のアシル化剤を用
いた同等の反応シーケンスも行える。工程(b)(i)は、DIPEA又はトリエチルアミ
ン等の非求核有機塩基の存在下で効率的に行われる。脱離工程(b)(ii)は、脱離
を起こすのに有効な試薬、好ましくはDBU等の強い非求核塩基を用いて行うこと
ができる。ケン化工程(c)は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カ
リウム等の塩基を用いて、水性の又は水性/双極性(dipolar)混合の溶媒の条件下
で達成される。変換工程(d)は、ピロン酸をジフェニルホスホリルアジド、又は
同等の試薬とともに、トリエチルアミン又はジエチルイソプロピルアミン等の強
い非求核性塩基の存在下で、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の非作用的な有
機溶媒中で室温より高い温度、好ましくは溶媒の還流温度で加熱することにより
行われる。加溶媒分解工程(e)は、ピロンアシルアジドをメタノール中で室温よ
り高い温度、好ましくはメタノールの還流温度で加熱することにより達成される
。
本発明は、構造:を有するアシルピロンを調製する方法であって、
(a)構造:
を有するピロンジオールを適切な酸化条件下で酸化して、構造:
を有するピロンアルデヒドを形成する工程、及び(b)工程(a)で形成されたピロン
アルデヒドを適切な塩基性条件下でトリエチルホスホノアセテートと縮合させ、
ピロンエステルを形成する工程を含む方法を提供する。一つの態様において、本
発明は、上記の方法であって工程(a)におけるピロンジオールがDess-Martin過ヨ
ウ素酸塩(periodinate)で酸化される方法
を提供する。他の態様において、本発明は、上記の方法であって、縮合工程が水
素化ナトリウムで達成される方法を提供する。
酸化工程(a)は、当該技術において知られる、酸化クロム、クロロクロム酸ピ
リジン、ジシクロヘキシルカルボジイミド/ジメチルスルホキシドアルミニウム
オキサイド/アセトン、四酢酸鉛等を含む、目的に適したいずれかの酸化剤を
用いて行われる。好ましい酸化剤は、Dess-Martin過ヨウ素酸塩である。縮合工
程(b)は、水素化ナトリウム又はカリウムt−ブトキシド等の強い非求核性塩基
の存在下で、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の不活性有機溶媒中、典型的に
は周囲温度において達成される。
本発明は、構造:
を有するピロンジオールの調製方法であって、(a)(i)構造:
を有するアシルピロンを適切な塩基性の条件下で脱プロトン
化してアニオンを形成する工程;及び(ii)工程(a)(i)で形成されたアニオンを、
適切な条件下で、構造:
を有するシロキシアルキルハライドでアルキル化して、構造:
を有するアルキル化ピロンを形成する工程、並びに(b)工程(a)(ii)で形成された
アルキル化ピロンを適切な条件下で脱保護して前記ピロンジオールを形成する工
程を含む方法を提供する。一つの態様において、本発明は、開示された方法であ
って、工程(a)(i)におけるアシルピロンがリチウム ジイソプロピルアミド又は
リチウム ジエチルアミドを用いて脱プロトン化される方法を提供する。他の態
様において、本発明は上記の方法であって、工程(b)におけるアルキル化ピロン
が、弱酸で脱保護される方法を提供する。ある態様において、本発明は、前記弱
酸が酢酸である方法を提供する。
脱プロトン化工程(a)(i)は、LDA、リチウム ジエチルアミド、カリウムt−
ブトキシド、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム等の強い非求核性塩基を用い
て、テトラヒドロフラン(THF)及び/又はヘキサメチルホスホールアミド(HMPA)等
の非作用的有機双極性溶媒又は溶媒混合物中で、周囲温度より低い温度、好まし
くは−78℃にて行われる。脱プロトン化ジアニオンは、直接アルキル化工程(a
)(ii)に使用される。この工程は周囲温度より低い温度、好ましくは−78℃で
行われる。
本発明はさらに、下記に示す構造を有する、以下の化合物を提供する。これら
の化合物は、本発明による粘性ピロニン及びコーラロピロニンの合成において、
中間体として有用である:
本発明の範囲は、前記化合物であって、その中のピロン環の6位のCα炭素が
、R又はSの絶対配置のいずれかを有するもの又はこれらの混合物を含む。本発明
の方法は、当該技術において知られる様々な代わりの保護基の使用を包含する。
例えば、不飽和アルデヒド1の調製において、エチルエーテル16は、メチル、
ブロピル、イソブチル、フェニル、又はベンジルエステルに同等に置きかえられ
てもよく、前記トリエチルホスホノアセテート又はトリエチルホスホノプロピオ
ネートは、対応する代替のエステルで置きかえられてもよい。同様に、中間体ピ
ロンエステル10及び粘性ピロニン18の調製において、前記エチルエステルは
例えば、メチル、プロピル、イソブチル、フェニル又はベンジルエステルで、同
等に置き換えられても良く、8から9への変換に用いられる前記トリエチルホス
ホノアセテートは、対応する代替のエステ
ルで置き換えられても良い。さらに、化合物6から7への変換において、前記ブ
ロモプロピオンアルデヒド ジメチルアセタールは、例えば、エチル、プロピル
、ブチル、エチレン、又はプロピレン アセタール等で同等に置き換えられても
良く、また7から8への変換においてSEM−Clは、例えばメトキシメチル、
メチルチオメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、又はテトラ
ヒドロピラニル等の他の保護基で同等に置き換えられても良い。
本発明は、以下の詳細な実験例により、より良く理解されるであろう。しかし
ながら、述べられる特定の方法及び結果は、単に、さらに続く請求項に記載され
る本発明の説明のみのためのものであることを、当業者は容易に認識するであろ
う。実施例1 6−エチルピロンの合成 エチルプロピオニルアセテート4の加水分解
火炎乾燥し、アルゴンを流し、25gr (175mmol)のエチル プロピオ
ニルアヤテート4を入れたフラスコに、300mlの1.5M NaOHを添加
した。溶液を室温で18時間攪拌した。Tlcは、出発物質が消失したことを示
した。溶液は、氷/H2O浴中に置かれ、濃HClを、溶液のpHが1になるまで
添加した。反応混合物を、放置して室温まで暖めた。溶液をKClで飽和させ、
EtOAc(3×100ml)及びCHCl3(3×100ml)で抽出した。合わ
せた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過しロータリーエバポレーターで蒸発さ
せた。収量15.5gr(76%)の白色固体が得られた。産生物はそれ以上の
精製を必要とせず、直接次の工程に使用された。
酸の二量化によるピロン5の製造
火炎乾燥し、アルゴンを流し、250mlの新たに蒸留したTHFに溶解した
10.55gr(91mmol、1eq)の前記酸を入れたフラスコに、16.22
gr(100mmol、1.1eq)のカルボニルジイミダゾールを添加した。反応
混合物を12時間攪拌して放置した。反応混合物をロータリーエバポレーターで
濃縮した。残留物を100mlのCHCl3及び100mlの10%HCl間に
分離した。水性層をCHCl3で抽出した(2×50ml)。合わせた有機層をN
a2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。産生物は
、真空ポンプにより十分長時間処理し、残っていた出発物質の酸を十分除けば、
それ以上の精製を必要としなかった。 プロピオニル基を除去して産生物6を製造
丸底フラスコに、11.4gr(58.2mmol、1eq)のピロン5を入
れ、それを50lの濃縮H2SO4溶解した。溶液を油浴中で130℃で15分間
加熱した。反応混合物を室温まで冷却した。およそ50grの氷を攪拌しながら
入れた。溶液をEt2O(3×50ml)で抽出した。合
わせた有機層を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで
蒸発させた。収量7.7gr(94%)の6が褐色の固体として得られた。産生
物は、さらなる精製を必要としなかった。
実施例2 6位側鎖の構成 3−ブロモプロピオンアルデヒド ジメチル アセタールのアプローチ: ピロンの、3−ブロモプロピオンアルーヒド ジメチル アセタールでのアルキ ル化による7の製造
火炎乾燥し、アルゴンを流し、40mlの新たに蒸留したTHFに溶解した2.
5gr(18mmol,1eq)のエチルピロン6を入れたフラスコに、8mlのHMPTを
添加した。溶液をゆっくりドライアイス/アセトン浴中で−78℃まで冷却し、
エチルピロンが確実に溶液中にとどまるようにした。温度をいったん平衡化させ
て、24.6ml(39mmol,2.2eq)の1.6Mのn-BuLiをシリンジで添加した。溶
液は、直ちに栗色になった。ドライアイス/アセトン浴を氷/H2O浴に取り替え、
溶液を30分間攪拌した。この時点で、3−ブロモプロピオンアルデヒド ジメ
チル アセタールをシリンジで添加した。一晩溶液を攪拌して放置し、室温まで
暖めた。反応混合物を、25mlのH2Oでクエンチした。溶液が酸性になるまで
1%HClの添加を行った。溶液をEt2O(3×50ml)で抽出した。合わせた有
機層を、飽和ブライン溶液で抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバ
ポレーターで蒸発させた。産生されたのは、褐色の油7(1.75g)であり、
このとき精製はされなかった。これは、直接SEMエーテルの製造に用いた。7の4−ヒドロキシル基の、SEMエーテル8への変換
火炎乾燥し、アルゴンを流し、40mlの無水CH2Cl2に溶解した1.75g(1
2mmol,1eq)の粗アルキル化生成物7を入れたフラスコに、2.42ml(12mmol
,1eq)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)をシリンジで入れた。溶液は
直ちにオレンジ色になった。溶液を氷/H2O浴で冷却し、2.46ml(12mmol,1eq
)の2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド(SEM-Cl)をシリンジで
添加した。白い蒸気が形成された。反応混合物を、2時間攪拌し、その時点で、
tlcは、出発物質が全く残っていないことを示した(5:2ベンゼン/酢酸エチ
ル)。反応混合物を、150mlのEt2Oで希釈し、得られた溶液を飽和NaHCO3で抽
出した(2×50ml)。有機層を、ブライン溶液で抽出した(1×50ml)。有
機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。残留
物をSiO2カラムに置き、5:2ベンゼン/酢酸エチルで溶出した。収量0.46
gr(2つの工程を合わせて7%)で、淡黄色の油8が得られた。
アルデヒドの脱保護
丸底フラスコに、0.45gr(1.2mmol,1eq)のピロン8を入れ、それを22
mlのTHF/H2Oの10:1混合物に溶解した。この溶液に、10滴の濃H2SO4を添
加し、反応混合物を攪拌しながら放置した。3時間後、もう3滴のH2SO4を添加
した。さらに3時間後、tlcが、もはや出発物質が存在していないことを示し
た(5:2ベンゼン/酢酸エチル)。反応混合物を20mlのEt20で希釈し、この
溶液を飽和NaHCO3(1×10ml)及びブライン(1×10ml)で抽出した。
有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。収
量0.39gr(>98%)で淡黄色の油12を得た。この産生物は、さらなる
精製を必要としなかった。
脱保護アルデヒドのHorner-Emmons-Wadsworth反応による9の製造
火炎乾燥し、アルゴンを流し、15mlの新たに蒸留したトルエンに溶解した
0.236ml(1.2mmol,1eq)のトリエチル ホスホノアセテートを入れたフラ
スコに、50mg(1.24mmol,1.05eq)のNaHを60%鉱油分散物として添加した
。水素の発生が見られた。これが静まってから、トルエン(3ml)に溶解した
0.40gr(1.2mmol,1eq)のアルデヒドをシリンジで添加した。シリンジを追
加の2mlのトルエンで洗い、その溶液を反応に加えた。殆ど同時に、オレンジ
色の油が溶液から出てきた。反応混合物を一晩攪拌しなが
ら放置した。20mlのH2Oを添加することにより反応を停止させ、1%HClで溶
液を酸性にした。溶液をEt2O(3×10ml)で抽出した。合わせた有機物を飽
和NaHCO3(1×10ml)及びブライン(1×10ml)で抽出した。有機層を
Na2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。残留物をSi
O2カラムに置き、2:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出した。収量0.347gr
(74%)で透明な油9が得られた。
実施例3 アリルブロマイドのアプローチ エチルピロン6のアリル化
火炎乾燥し、アルゴンを流し、新たに蒸留したTHF20mlに溶解した0.1
08g(0.77mmol,1eq)のエチルピロン6を入れたフラスコに、2mlのHMP
Tを添加した。ドライアイス/アセトン浴中で溶液を徐々に冷却して−78℃とし、
エチルピロンが溶液中に確実にとどまるようにした。温度が平衡化したら、1.
06ml(1.7mmol,2.2eq)の1.6Mのn-BuLiをシリンジで添加した。溶液は、
速やかに栗色になった。ドライアイス/アセトン浴を氷/H2O浴に取り替え、溶液
を2時間攪拌した。この時点で、アリルブロマイドをシリンジで添加した。添加
が終了すると、溶液の色は殆ど黄色になった。
反混合物を、1時間攪拌した。反応の内容物を、Et2Oと1NHClとの間に(それぞ
れ25ml)分離した。層が分離し、水性層をEt2Oで抽出した(2×25ml)。
有機物を合わせて、25mlの飽和KClで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ
、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。収量0.110gr(76
%)で、明るい黄色の油を得た。この産生物は、更なる精製を要しなかった。
4−ヒドロキシル基を変換してSEMエーテル11へ
火炎乾燥し、アルゴンを流し、3mlの無水CH2Cl2に溶解した0.110gr
(0.61mmol,1eq)の粗アルキル化生成物を入れたフラスコに、0.106ml(0
.61mmol,1eq)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)をシリンジで添加
した。溶液は直ちにオレンジ色になった。溶液を氷/H2O浴で冷却し、0.108
ml(0.61mmol,1eq)の2−(トリメチルシリル)エトキシメチル クロライド(S
EM-C1)をシリンジで添加した。白色の蒸気が形成された。反応混合物を2時間
攪拌し、その時点で、tlcが、出発物質が残っていないことを示した(3:1
ヘキサン/酢酸エチル)。反応混合物を15mlのEt2Oで希釈し、得られた溶液を
飽和NaHCO3で抽出した(2×5ml)。有機層をブライン溶液で抽出した(1×5
ml)。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発
させた。残留物を、SiO2カラムに置き、3:1ヘ
キサン/酢酸エチルで溶出した。収量0.83gr(45%)の透明な油11を
得た。
アリル基のハイドロボレーション
火炎乾燥し、アルゴンを流し、20mlの新たに蒸留したTHFに溶解した0.
74gr(2.4mmol,1eq)のアリル化産生物11を入れ、氷/H2O浴中でO℃に冷却
したフラスコに、1.25ml(2.5mmol,1.05eq)のBH3・THFをシリンジで添加
した。反応混合物を2時間攪拌し、その時点でtlcが、反応が終わったことを
示した。8mlのメタノール、3mlの5M NaOH及び3mlの30%H2O2を順次
添加することにより反応を終了させた。1%HClで溶液のpHを4に酸性化させ
、Et2O(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥させ、濾
過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。残留物を、SiO2カラムに置き、
2:1酢酸エチル/トルエンで溶出させた。収量0.30gr(38%)で、透明な
油を得た。
アルコールのSwern酸化で産生物12へ
火炎乾燥し、アルゴンを流し、5mlの無水CH2Cl2に溶解
した0.105ml(1.5mmol,2.55eq)のDMSOを入れたフラスコを、ドライアイ
ス/アセトン浴中で−78℃に冷却した。この溶液に、0.058ml(0.64mmol,
1.14eq)のオキサリルクロライドをシリンジで添加した。溶液を5分間攪拌した
。5mlの無水CH2Cl2に溶解した0.19gr(0.58mmol,1eq)のアルコールを
、溶液に約5分間かけて徐々に添加した。溶液を30分間攪拌した。0.209m
l(1.5mmol,2.6eq)のトリエチルアミンを添加し、5分間攪拌することにより反
応を終了させ、その後溶液を室温まで温めた。溶液を10mlのH2Oに溶解し、
水性及び有機性の層に分離した。水性層を、CH2Cl2(2×10ml)で抽出した
。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発
させた。残留物をSiO2カラムに置き、2:1トルエン/酢酸エチルで溶出した。
収量0.15gr(80%)で透明な油12が得られた。1H NMRは、この化合物が、
3−ブロモプロピオンアルデヒドジメチル アセタールの経路を用いて調製され
たアルデヒドと同一であることを示した。アルデヒドのHorner-Emmons-Wadsworth反応
火炎乾燥し、アルゴンを流し、15mlの新たに蒸留したTHF中に溶解した0
.223gr(1.1mmol,1.05eq)のトリエチル ホスホノアセテートを入れた、
氷/H2O浴中のフラスコに、45mg(1.lmmol,1.05eq)のNaHを60%鉱油分散物と
して添加した。水素の生成が終わってから、THFに溶解した前記アルデヒド(3
ml)をシリンジで添加した。シリンジを、追加の2mlのTHFで洗浄し、この
溶液を反応混合物に添加し
た。殆ど直ちに、オレンジ色の油が溶液から現れた。反応混合物を攪拌しながら
一晩放置した。反応混合物を、20mlのH2Oを添加することによりクエンチし
、溶液を、1%HClで酸性化した。溶液を、Et2Oで抽出した(3×10ml)。合
わせた有機物を飽和NaHCO3(1×10ml)及びブライン(1×10ml)で抽
出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発
させた。残留物をSiO2カラムに置き、2:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出した。
収量0.39gr(92%)で、透明な油を得た。1H NMRは、この化合物が3−
ブロモプロピオンアルデヒド ジメチルアセタール経路を用いて調製されたHEW
付加物と同一であることを示した。SEM 保護基を除去して10を製造
丸底フラスコに0.55gr(1.4mmol,1eq)の前記ピロンを入れ、それを33
mlのTHF/EtOH10:1混合物に溶解した。この溶液に、30滴の濃H2SO4を添加
し、反応混合物を攪拌した。6時間後、tlcは、出発物質が消失したことを示
した。反応混合物を30mlの酢酸エチルで希釈した。溶液を、飽和NaHCO3(3
×20ml)で抽出した。水性層を、10%HClで<pH4に酸性化した。溶液
を酢酸エチルで抽出した(3×30ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、
濾過して、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。収量0.37gr(>98
%)で、透明な油10を得た。産生物は、さらなる精製を必要としなかった。
実施例4 3位側鎖の合成: 2−ペンタノンとトリエチル ホスホノアセテートのHorner-Emmons-Wadsworth 反応
火炎乾燥し、アルゴンを流し、100mlの新たに蒸留したトルエンに溶解し
た7.48ml(37.7mmol,1eq)のトリエチル ホスホノアセテートを入れた氷/
H2O浴中のフラスコに、0.95gr(40mmol,1.05eq)のNaHを60%鉱油分散物
として添加した。水素の生成が終わってから、2−ペンタノンを添加した。殆ど
直ちに、オレンジ色の油が溶液から現れた。反応混合物を一晩攪拌しながら放置
した。反応混合物を50mlのH2Oでクエンチし、溶液を1%HClで酸性にした。
溶液をEt2O(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3(1×1
0ml)及びブライン(1×10ml)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、
濾過して、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。残留物をSiO2カラムに置き
、15:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出した。収量4.9gr(83%)で、透
明な油が得られた。 不飽和エステル16の他の合成
240mlのジエチルエーテルに懸濁した45.7gr(240mmol,1eq)のCuI
を入れ、氷/H2O浴で0℃に冷却したフ
ラスコに、343ml(480mmol,2eq)の、MeLiの1.4M溶液をおよそ1時間か
けて添加した。溶液を0℃で5分間攪拌しそれからドライアイス/アセトン浴で
−78℃に冷却した。MeLiを添加したらまず黄色の沈殿物が形成されたが、それ
は時間の経過とともに溶解した。
第2のフラスコ中で、160mlのジエチルエーテル中の18.98gr(120
mmol,1eq)のエチルブチリル アセテートを、0℃に冷却したジエチルエーテル
80ml中NaH5.28gr(132mmol,1.1eq)の懸濁液に、およそ1時間かけて
添加した。形成されたスラリーを0℃で20分間攪拌した。19.1ml(132mm
ol,1.1eq)のジエチルホスホロクロリデートをおよそ10分間かけて添加した。
溶液を室温で2時間攪拌し、続いて200mlの氷/飽和NH4Clに注いだ。水性及
び有機性の層を分離した。有機層を300mlの飽和NaHCO3で洗浄した。有機層
をNa2SO4で乾燥させ、濾過して、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。収量
35.4grのエノールホスホネートを得、これは更なる精製を行わなずに使用
した。エノールホスホネートを120mlのジエチルエーテルに溶解し、LiMe2C
uを含む第1のフラスコにおよそ20分間かけて、溶液を−78℃に冷却しながら添
加した。溶液を−78℃に冷却しながら2.5時間攪拌した。溶液を300mlの飽
和NH4Clに注いだ。水性及び有機性の層を分離した。有機層を2X200mlの飽
和NaHCO3及び300mlのブライン溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ
、濾過して、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。17grの薄緑色の液体
を
得、これを蒸留し、収量10.4gr(55%)の無色の油を与えた。NMRは1
6のそれと同一であったが、E/Z異性体を10:1の比で含んでいた。エチルエステルのDIBAL還元
火炎乾燥し、アルゴンを流し、100mlの新たに蒸留したTHFに溶解した4
.9gr(31.4mmol,1eq)の前記エチル エステルを入れたフラスコを、ドライ
アイス/アセトン浴で−78℃に冷却した。溶液に、78.5ml(78.5mmol,2.5e
q)の1.0M DIBAL溶液を、シリンジでおよそ10分間かけて滴下した。溶液を、
1時間攪拌しながら放置した。50ミリリットルのメタノールを、溶液に注ぎ、
過剰のDIBALをクエンチした。溶液を、200mlのH2Oで希釈した。溶液に20
0mlのEt2Oを添加し、続いて100mlの5%HClを添加した。溶液全体を、
分液漏斗に注ぎ、水性及び有機性層を分離した。水性層を、Et2Oで抽出した(2
×50ml)。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過して、ロータリーエバ
ポレーターで蒸発させた。残留物をSiO2カラムに置き、3:1ヘキサン/酢酸エ
チルで溶出した。収量1.2gr(34%)の透明な油を得た。
アルコールのSwern酸化による14の製造
火炎乾燥し、アルゴンを流し、30mlの無水CH2Cl2に溶解した1.9ml(2
6.8mmol,2.55eq)のDMSOを入れたフラス
コを、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却した。この溶液に、1.05
ml(12mmol,1.14eq)のオキサリルクロライドをシリンジで添加した。溶液を5
分間攪拌した。溶液に、10mlの無水CH2Cl2に溶解した1.2gr(10.5mmol
,1eq)のアルコールをゆっくりとおよそ5分間かけて添加した。シリンジを10
mlのCH2Cl2で洗浄し、この溶液を反応に加えた。溶液を30分間攪拌した。反応
を、3.81ml(27.3mmol,2.6eq)のトリエチルアミンを添加し5分間攪拌す
ることによって停止させ、その後溶液を室温まで温めた。溶液を20mlのH2O
で希釈し、水性及び有機性の層を分離した。水性層をCH2Cl2(2×10ml)で
抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濾過
して、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。残留物をSiO2カラムに置き、2
:1トルエン/酢酸エチルで溶出した。収量0.45gr(38%)の透明な油
14を得た。
トリエチル2−ホスホノプロピオネートを用いた、14のHorner-Emmons-Wadswo rth反応
火炎乾燥し、アルゴンを流し、100mlの新たに蒸留したトルエンに溶解し
た0.86ml(4.Ommol,1eq)のトリエチル2−ホスホノプロピオネートを入れ
た氷/H2O浴中のフラスコに、0.10gr(4.2mmol,1.05eq)のNaHを60%鉱油
分散物として添加した。水素の生成が終わってから、アルデヒド14を添加した
。殆ど直ちに、オレンジ色の油が溶液か
ら現れた。反応混合物を、攪拌しながら一晩放置した。反応を、20mlのH2O
を添加することにより停止させ、溶液を10%をHClで酸性にした。溶液を、Et2
O(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3(1×10ml)及
びブライン(1×10ml)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過して
、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。残留物をSiO2カラムに置き、11:
1ヘキサン/酢酸エチルで溶出した。収量0.385gr(50%)で透明な油
が得られた。
エチルエステルのDIBAL還元
火炎乾燥し、アルゴンを流し、新たに蒸留した40mlのTHFに溶解した1.
86gr(9.5mmol,1eq)の前記エチルエステルを入れたフラスコを、ドライアイ
ス/アセトン浴中で−78℃に冷却した。23.7mlの、1.0M DIBAL溶液(23.
7mmol,2.5eq)を、溶液にシリンジでおよそ5分間かけて滴下した。溶液を攪拌
しながら2時間放置した。追加の5mlのDIBALを加えた。1時間後、20ml
のメタノールを溶液に注ぎ、過剰のDIBALをクエンチした。溶液を50mlのH2O
で希釈した。50ミリリットルのEt2Oを溶液に添加し、続いて25mlの5%HCl
を添加した。溶液全体を分液漏斗に注ぎ、水性及び有機性の層を分離した。水性
の層を、Et2Oで抽出した(2×20ml)。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥させ
、濾過して、ロ
ータリーエバポレーターで蒸発させた。残留物をSiO2カラムに置き、3:1ヘキ
サン/酢酸エチルで溶出させた。収量1.32gr(91%)で透明な油を得た
。
アルコールのDDO酸化でアルデヒド1へ
火炎乾燥し、アルゴンを流し、25mlの新たに蒸留したTHFに溶解した0.
7576gr(4.9mmol,1eq)の前記アルコールを入れたフラスコに、2.26g
r(25mmol,2eq)のDDQを添加した。反応混合物を2時間攪拌した。この時点で、
5grのSiO2を添加し、揮発物をロータリーエバポレーターで蒸発させた。得ら
れた固体をSiO2カラムの上部に置き、産生物を7:1ヘキサン/酢酸エチルで溶
出した。収量0.39gr(52%)の透明な油1を得た。
実施例5 3位側鎖の付加 ピロン10とアルデヒドとの酸触媒アルドール反応
火炎乾燥し、アルゴンを流し、20mlの無水CH2Cl2に溶解した0.172g
r(650μmol,leq)のピロン10を入れたフラスコに、34μl(325μmol,0.5e
q)のTFAを、1grの4Åふるいとともに添加した。反応混合物を、5分間攪拌
した。
この時点で、100μl(650μl、1eq)のアルデヒド1を添加した。反
応混合物にふたをして、45℃で24時間加熱した。追加の1当量のTFAを2ml
のCH2Cl2とともに添加した。反応混合物をさらに12時間加熱した。反応混合物
を濾過した。1グラムのSiO2を溶液に添加し、溶媒を蒸発させた。産生物は
SiO2に吸収された。得られた固体はSiO2カラムの上部に置き、7:1ヘキ
サン/酢酸エチル、2:1ヘキサン/酢酸エチル、10:1酢酸エチル/クロロホ
ルムを用い、溶出液6mlごとに2滴の酢酸を加えながら、つづけて溶出した。
収量45mgの前記アルデヒド、1.5mgの産生物(1%)13、及び75m
gの前記ピロンが得られた。
ピロン10の、プロピオニルクロライドでのアシル化
火炎乾燥し、アルゴンを流し、1mlの無水TFAに溶解した35mg(130μ
mol,1eq)のピロン10を含むフラスコに、23μl(260μmol,2eq)のプロピオ
ニルクロライドを加えた。反応混合物を50℃で1時間加熱した。追加の4当量の
プロピオニルクロライドを添加し、反応混合物を12時間加熱した。追加の4当
量のプロピオニルクロライドを添加し反応混合物を3時間加熱した。反応混合物
をH2Oと酢酸エチル間に分け
た。水性層をもう一度酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせた。合わせた有機層
をNa2SO4で乾燥させ、濾過して、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。
残留物をSiO2カラムに置き、2:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出した。収量2
1mg(50%)で、明るいオレンジ色の油15を得た。
ピロンとアルデヒドとの塩基触媒アルドール反応による17の製造
火炎乾燥し、−78℃のドライアイス/アセトン浴中に入れ、アルゴンを流し、
3mlの新たに蒸留したTHF中に溶解した21mg(65μmol,1eq)のピロン1
5を入れたフラスコに、2.9ml(230μmol,3.6eq)の0.08M LDAを
、シリンジにより添加した。反応は、明るいオレンジ色から暗いオレンジへと進
行した。反応混合物は30分間攪拌した。前記アルデヒドをシリンジで添加した
。溶液の色は、ほんの少し明るくなった。90分間攪拌した後、反応を、飽和NH4
Cl溶液を添加することによりクエンチした。10ミリリットルの酢酸エチル
を添加し、溶液を希釈した。1%HCl溶液を、溶液を酸性とするのに用いた。
水性及び有機性層を分離した。水性層を、酢酸エチルで抽出した(2×5ml)。
合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥し、濾過して、ロータリーエバポレーター
で蒸発させた。残留物をSiO2カラムに置き、4:4:1ヘキサン/酢酸エチル
/メタノールで溶出させた。収量
2mg(8%)で薄黄色の油17を得た。
エステル17を加水分解して酸へ
5mlの2:2:1メタノール/THF/H2Oに溶解した4.0mg(10μmol
,1eq)のピロンエステル17を入れた丸底フラスコに、4mg(100μmol,10eq)
のLiOH H2Oを添加する。溶液を室温で6時間攪拌する。揮発物を、ロータ
リーエバポレーターで蒸発させる。残った塩基を、1%HClを添加してクエン
チさせる。水性溶液を酢酸エチルで抽出する(3×10ml)。合わせた有機層を
Na2SO4で乾燥させ、濾過して、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。2
mgの油状の残留物が単離され、残留物を更なる精製を行わずに次の工程に使用
する。
Curtius シーケンス
火炎乾燥し、アルゴンを流し、1mlのアセトンに溶解した2mg(5.4μmol
,1eq)の前記加水分解残留物を入れたフラスコに、1.8μl(13μmol,2.4eq)
のDIPEAを入れる。溶液を、氷/H2O浴を用いて0℃に冷却する。アセトンに
溶
解した0.83μl(11μmol,2eq)のメチル クロロホルメート溶液を30分か
けて滴下する。反応混合物を30分間攪拌した後、1.4mg(2.2mmol,4.0eq)
のNaN3をH2Oに溶解した溶液を添加する。溶液を15分間攪拌し、続いて3
0mlの氷H2Oに注ぐ。6−2ml部のトルエンでアシルアジドを抽出する。
合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥させ、濾過して、ロータリーエバポレータ
ーで2mlまで濃縮する。この溶液を、活発に還流している1ml乾燥トルエン
中の250μlメタノール溶液におよそ15分間かけてゆっくり添加する。還流
を30分間維持し、揮発物をロータリーエバポレーターで蒸発させる。残留物を
SiO2調製プレート(prep plate)に置き、95:5 CH2Cl2/メタノールで溶出
する。収量0.5mgの淡黄色の油18を得る。 実施例6 改変(modified)Curtius再構成
化合物17a(35mg,0.09mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(124mg,0.45mm
ol)及びEt3N(63μL,0.45mmol)をC6H6(8.0mL)に溶解し9.0時間還流した。反応混
合物を室温まで冷却し、無水MeOH(2.0ml)を添加した。反応混合物を暖め
て6.0時間還流し、続いて反応混合物を直接真空で濃縮した。残った有機残留
物をフラッシュクロマトグラフィー
にかけ(ヘキサン溶出液中30%EtOAc)、(±)粘性ピロニン ピロンエステル17のケン化
5mLの2:2:1メタノール/THF/H2Oに溶解した25.8mg(62μmo
l,1当量)のピロンエステル17を入れた丸底フラスコに、26mg(620
μmol,10当量)のLiOH H2Oを添加した。溶液を室温で24時間攪拌した。
反応混合物を、1%HCl溶液を添加することによりクエンチした。水性溶液を、
酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、
濾過して、真空中で乾燥させ、
25mgの油性の黄色い残留物を得た。この単離された残留物(化合物17a)
は、さらなる精製なしに次の工程に使用された。粗生成物であるので、化合物1
7aは、十分には特 アリルアルコール14の調製
CH2Cl2(15mL)中の、新たに蒸留したCOCl2(480μL、5.5m
mol)に、DMSO(850μL、12mmol)を−78℃で添加した。反応
混合物を−78℃で30分間攪拌し、出発物質のアルコール13a(570mg、
5.0mmol、3.0mL CH2Cl2に溶解、加えて2.0mL洗いこみ)
を添加した。反応混合物全体を−78℃でさらに30分間攪拌して、続いてEt3
N(3.5mL、25mmol)を添加した。反応混合物を1.0時間−78℃に
て攪拌し、続いて室温で1.0時間暖め、つづいてH2Oでクエンチした。反応
混合物をCH2Cl2(2×80mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し
、真空で濃縮して、粗アルデヒドを得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラ
フィ(ヘキサ
ン溶出液中10%EtOAc)で精製し、粘性のアルデヒド
ピロン5の調製
火炎乾燥し、アルゴンを流した雰囲気で、カルボン酸4a(10.55gm、
91mmol、1当量、250mLの新たに蒸留したTHFに溶解)を入れたフ
ラスコに、カルボニルジイミダゾール(16.22gm、100mmol、1.
1当量)を添加した。反応混合物を12時間攪拌しながら放置し、その後ロータ
リーエバポレーターで濃縮した。残留物を100mLのCHCl3及び100m
Lの10%HCllの間に分離した。水性層を、CHCl3(2×50mL)で抽
出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレー
ターで蒸発させた。産生物は、残っていた出発物質の酸を十分除くために十分な
期間真空ポンプで処理すれば、さらなる精製を必要としなかった。化合物5(8
.
ヨウ化物8bの調製
0℃において、イミダゾール(10.2gm、150mmol)及びトリフェ
ニルホスフィン(14.4gm、55mmol)のCH2Cl2(200mL)溶
液にI2(14.0gm、55mmol)を添加した。10分後、CH2Cl2(
100mL)中のアルコール8a(9.5gm、50mmol)を5分間かけて
添加した。混合物を室温まであたため、アルミニウムホイルで覆い、さらに15時
間暗闇で攪拌した。反応混合物を2.0mLの飽和Na2S2O4の水性溶液で希
釈し、それから水でさらに希釈した(150mL)。有機層を分離し、水性層をC
H2Cl2で再抽出した(2×80mL)。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)
、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキ
サン溶出液中2%EtOAc)にて精製し、ヨウ化物8b(14.4g
アリルアルコール13aの調製
100mLの(CH2)2Cl2中のジルコノセン ジクロライド(11.7g
m、40mmol)の白いスラリー溶液に、AlMe3(40mL、ヘキサン中
2.0M、80mmol)を、0℃にて添加し、45分間攪拌し、続いて室温で1
.5時間暖めた。このレモン黄色の溶液に、1−ペンチン(2.72g
m、40mmol、20mLの(CH2)2Cl2に溶解)を室温で添加した。反
応混合物を3.0時間攪拌した。続いて溶媒と未反応のトリエチルアランを減圧
下で蒸発させた(最大50℃、0.3mmHg、2〜3時間)。残ったオレンジ黄
色の有機残留物を乾燥ヘキサン(4×30mL)で抽出し、黄色の残留物をカニ
ューレで、500mLの丸底フラスコに移した。これに、n-BuLi(16mL、ヘ
キサン中2.5M)40mmol)を0℃にて添加した。このオレンジ黄色のス
ラリー溶液を、0℃から室温に1.5時間攪拌し、続いてTHF(70mL)を
添加し、沈殿物を溶解した。得られた溶液(均質な、茶黄色)をN2雰囲気下で
THF中のパラホルムアミド懸濁溶液中にカニューレで加えた。オレンジ黄色の
懸濁溶液を室温で20分間攪拌した。
反応混合物を0℃(氷水浴)に冷却し、氷を加えて反応混合物をクエンチし、
続いて飽和NH4Cl(100mL)を添加した。氷浴を取り、反応混合物にさ
らに3M HClを添加して、反応混合物が透明な黄色(均質)の溶液になるま
で酸性化させた。この時点で、反応混合物のpHは2〜3であった。有機層を分
離し、水性層をエーテルで抽出した(2×150mL)。有機抽出物を合わせて飽
和NaHCO3溶液(200mL)で洗浄し、続いてNa2SO4で乾燥し、濾過
し、減圧下で濃縮し、粗アリルアルコール13aを得た。粗精製物をフラッシュ
クロマトグラフィー(ヘキサン溶出液中20%EtOAc)で精製し、アルコー
ル13aを無色の油として得た
酸4aの調製
エチル プロピオネート(25gm、175mmol)を、30mLの1.5
M NaOH溶液に溶解し、室温で38時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却
し、3M HClを、反応系がpH〜1に達するまでゆっくり添加し、続いて固
体KClを添加して、反応混合物を飽和させ、さらにEtOAc(3×100m
L)及びCHCl3(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4
で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。このプロトコルは
、カルボン酸4a(15.5gm,収率76%)を白色固体として与えた。この
産生物は、さらなる精製を必要とせず、次の工程に
アルコール8aの調製
室温にて、THF(100mL)中のNaHの懸濁液(4.0gm、100m
mol、鉱油中60%分散)に、1,3−プロパン ジオール(7.6gm、1
00mmol、THF50mLに溶解)を、カニューレで添加した。得られた混
合物
を、室温で45分間攪拌し、続いてTBSCl(15.0gm、100mmol
)の50mL THF溶液を反応混合物にカニューレで添加した。この得られた
反応混合物を室温で1.0時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3水溶
液(200mL)でクエンチし、エーテル(2×200mL)で抽出した。合わ
せた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、フ
ラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル溶出液中20%EtOAc)で精製
し、純粋なモノ−保護アルコール8a(18.1gm、収率98%)
ピロン5aの調製
アルゴン雰囲気中−78℃で攪拌される、ジイソプロピルアミン(3.34mL
、24mmol)の25mL THF溶液に、n−ブチルリチウム(9,45m
L、ヘキサン中2.5M溶液、23.6mmol)を添加した。混合物を、30分
間、0℃へ暖め、再び−78℃に冷却した。得られた溶液を、10mL THF中
のピロン5(1.47gm、7.5mmol)の溶液で処理し、−78℃で1.0
時間攪拌した。誘導されたジアニオンを、10mL THF中のヨウ化物8b(
2.5gm、8.25mmol)で処理し、続いてHMPA(4.0mL、23
.2mmol)を添加した。反応混合物を、−78℃で30分間攪拌し、その後飽
和NH4Cl水溶液(50mL)で希
釈した。有機層を分離し、水性層をエーテルで抽出した(2×50mL)。全ての
有機層を合わせて乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗
油をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン溶出液中20%EtOAc)で精
製し、純粋なアルキル化産物5a(2.4gm、収率87%) ジオール5bの調製
TBSエーテル5a(1.66gm、4.5mmol)の、50mL AcO
H、THF及び水(3:3:1)溶液を、室温で15時間攪拌した。反応混合物
を、50mLの水で希釈し、CHCl3(2×100mL)で抽出した。合わせ
た有機層をNaHCO3飽和溶液(1×200mL)で洗浄した。有機層を分離
し、水性層を、再びCHCl3(1×100mL)で抽出した。全ての合わせた
有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗産生物をフラッシ
ュクロマトグラフィー(ヘキサン溶出液中40%EtOAc)で精製し、ジオー
ル5b(1.04gm、収率91%)を、黄色い油と
アルデヒド5cの調製
アルコール5b(483mg、1.9mmol)のCH2Cl2(20mL)溶
液に、ピリジン(845μL)10.45mmol)を添加し、続いてDess-Mar
itin過ヨウ化物試薬(2.8mg、6.65mmol)を1部添加した。得られ
た反応混合物を室温で2.0時間攪拌し、その後飽和NaHCO3水溶液でクエ
ンチした。反応混合物を、CH2Cl2(2×60mL)で抽出し、乾燥し(Mg
SO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー
(ヘキサン溶出液中15%EtOAc)にかけ、アルデヒド5c(4
アシルピロンエステル15の調製
トリエチルホスホノアセテート(1.4gm、6.24mmol)のC6H6(
20mL)溶液に、室温において、NaH(210mg、5.2mmol、鉱油
中60%分散)を添加した。得られた反応混合物を室温にて15分間攪拌し、そ
の後C6H615ml中のアルデヒド5c(525mg、2.
08mmol)をカニューレで添加した。反応混合物を室温で1.0時間攪拌し
、その後NH4Cl水溶液(50mL)で希釈した。混合物をEtOAc(2×
100mL)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生
成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン溶出液中15%EtOAc)に
かけ、化合物15(596mg、収率89%) ピロンジオール14aの調製
化合物15(55mg、0.17mmol)を3.5mLのCH2Cl2に溶解
し、−78℃にて、アルゴン雰囲気下で攪拌した。この黄色の均質な溶液に、新た
に蒸留したTiCl4(75μl、0.68mmol)を添加した。反応混合物は
、即座にオレンジ黄色のスラリー混合物となった。−78℃で30分間攪拌した後
、Et3N(104μL、0.75mmol)を添加した。反応は暗赤色の反応
混合物となった。反応混合物を−78℃で3.0時間攪拌し、続いてアルデヒド1
4(5
7mg、0.51mmol)を2.0mLのCH2Cl2に溶解したものをカニュ
ーレを用いて添加した。暗赤色の反応混合物を−78℃にて17時間攪拌し、そ
の後蒸留水でクエンチした。反応混合物をCHCl3(3×30mL)で抽出し
、乾燥し(Na2SO4)、真空下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラ
フィー(ヘキサン溶出液中25%EtOAc)にかけ、ジオール14a(53m
g、収率71%)を、 ピロンエステル17の調製
攪拌したジオール14a(52mg、0.12mmol)の4mL CH2Cl2溶
液を、−15℃に冷却した。この溶液に、Et3N(67μL、0.48mmo
l)を添加し、続いてMsCl(28μL、0.36mmol)を添加した。黄
色の溶液を−15℃で30分間攪拌し、続いて0℃に15時間暖めた。これにD
BU(108μL、0.72mmol)を添加し、得られた反応混合物を0℃か
ら室温へ12時間攪拌し、その後2%HCl水溶液(10mL)で希釈した。混
合物を5分間攪拌し、続いてEtOAc(2×15mL)で抽出し、乾燥し(N
a2SO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフ
ィー(ヘキサン溶出液中20%
EtOAc)にかけ、化合物17(36mg、収率72%を 考察
粘性ピロニンAの完全合成は、いくつかの方法で達成された。第1のものは、
図2おいて提供される逆行合成に示される。
3位側鎖をつけることは、アルドール縮合により達成された。エステル1は、
Wadsworth-Emmons化学反応により、2−ペンタノンから得られ(Wadsworth,W.,E
mmons,W.,Org.Synth.,1965,45,44)、また商業的に入手可能なトリエチルホ
スホネートからも得られる(図3)。トリエチル ホスホノアセテートのアニオン
は、THF中でNaHと攪拌することにより得られ、2−ペンタノンと縮合して
不飽和エステ
ル16となる。エステル16はDIBALで還元されアルコールとなり、続いて
DDQで酸化されてアルデヒドとなる。化合物1はWadsworth-Emmons化学反応、
DIBAL還元及びDDQ酸化の別のサイクルを通ることによって産生される。
中間体13を、リチウムジメチル第二銅の化学反応(Sum and Weiler,Can.J.C
hem.,1979,57,1431)を用いて作ることもでき、この手法では産生物13を、よ
り高いE/Z比で得られる。
6−置換ピロンを含む分子の他の半分は、以下の態様で分ける。このスキーム
は、6位で官能化されたピロン(Douglas,J.,Money,T.,Can.J.Chem.,1968,46
,695)、及び図2に示す商業的に入手可能な試薬を必要とする。3つの必要な部
分を、追加のWadsworth-Emmonsオレフィン化及び単純なアルキル化により合わせ
ることができる。次に、末端のメチルカルバメートを、改変Curtius再構成を用
いることにより導入することができる。Overman,L.,Taylor,G.,Petty,C.,Jes
sup,P.,J.Org.Chem.,1978,43,2164。
化合物10の合成のための二つの異なる経路が提供される。第1の経路は、商
業的に入手可能な化合物3の7位における、n−BuLi及びアルキルハライド
を用いた、知られたアルキル化に基づく。Groutas,W.,Stanga,M.,Brubaker,M.
,Huang,T.,Moi,M.,Carroll,R.,J.Med.Chem.,1985,28,1106。(図4参照
)エチル基を含む一つのモデルのピロンが、同様の態様で、好ましいメチル基(
C−8)をC−7に既に置いた後に6位側鎖を構成することにより、7位におい
てアルキ
ル化された。(6−エチルピロンを合成するのに使用されたこの合成アプローチ
は、Cookとその共同研究者らにより開発された。Cook,L.,Ternai,b.,Ghosh,P.
,J.Med.Chem.,1987,30,1017。)本発明は、様々なエチルマロネートの二量体
化とそれに続く3位の脱アシル化により、様々なサイズのアルキル鎖を6位に導
入する手段を提供する(図5及び15)。それにより、Rがエチルであるピロン6
が調製される。
ピロン6は、続いて3−ブロモプロピオンアルデヒド ジメチル アセタール
でアルキル化され、4−ヒドロキシル基が保護されSEMエーテルとなる(図6)
。ジメチルアセタールが希H2SO4で除去される。Wadsworth-Emmons反応(Wadsw
orth,W.,Emmons,W.,Org.Synth.,1965,45,44)により、不飽和エステルが誘
導され、SEM基がTBAFで除去され鍵となる中間体10が製造される。3位
側鎖がアルドール反応の使用により導入される。6位側鎖のエステルが加水分解
され、Curtius再構成により、ビニルカルバメート部分が導入され、粘性ピロニ
ンAの合成が完結する。
好ましい態様において、本発明は、中間体10への改善された経路を提供する
。アリルブロマイドが、ピロン6を、より高い収率でアルキル化する(図7)。S
EM基除去のための、TBAFの代わりの希H2SO4の使用と組み合わされたこ
の改変は、10の全体的収率を実質的に増加させる。
図8は、概略的に、鍵となる中間体10からの、粘性ピロニンAの合成の完結
を示している。1とのアルドール縮合による13の産生に続いて、アリル基又は
ベンジル基部分のア
ルコールの酸化に有効ないずれかの試薬(DDQ、MnO2、K2CrO7等を含
む)を用いた酸化により、ケトン17を与える。エチルエステルから酸への変換は
、LiOHでのケン化により達成される。最後に、ビニルカルバメートの導入に
より、改変Curtius反応条件が達成される。
さらに、本発明は、粘性ピロニンAの完全合成の他の経路を提供する。C−3
とC−15との間の結合の形成は、困難な合成工程であることが示されている。
3位側鎖をつける他の方法の研究は、3位アルキル鎖の部分をつけるのはピロン
のアシル化により効果的に行われることを示している。この方法は、6−アルキ
ル−4−ヒドロキシ−2−ピロンのアシルクロライドによるアシル化に基づいて
いる。Cook,L.,Ternai,B.,Ghosh,P.,J.Med.Chem.,1987,30,1017。しかしな
がら、Cook記載の条件を用いたアシルクロライド19でのピロン10のアシル化
(図9)は、期待される産生物を提供しなかった:NMRでは、二重結合の証拠
は何も観察されず、化合物10が回収されるのみであった。
ピロンのアシル化は、飽和アルキル鎖を有する酸クロライドを用いた場合にう
まくいく。この反応の利点を利用した粘性ピロニンAの調製の逆行合成的分析が
、図10に示される。ピロン10は、図5−7に示されるように合成された。こ
の時点で、ピロンはプロピオニルクロライドでアシル化される。続いて6位側鎖
の残りが、塩基に触媒された、1の合成の中間体(図3)であるアルデヒド14
及び3−プロピオニルピロン15のアルドール反応を用いて付けられる。合成は
、図
8に示されるCurtius再構成により完結する。
前記他の経路は、ここに開示されるとおり有効に働く。ピロン中間体10は、
TFA中プロピオニルクロライドでアシル化されて化合物15を与える。THF
I:PLDAを用いたアルドール反応は、アルデヒド14及び15を縮合する。続
いての、MsCl及びDBUでの処理は、側鎖に所望のジエンを与え、中間体1
7が得られる。粘性ピロニンの類似物
当業者には明らかな通り、様々なピロニンの異性体(立体異性体を含む)、類似
物及び誘導体を、適切な改変により、本発明により作ることが可能となる。例え
ば、粘性ピロニンBの完全合成を、合成の始めにおいて、単に2−ペンタノンを
2−ヘキサノンに置換することにより(図3)、容易に行うことができる。ここに
開示される通り、合成経路は、エナンチオマーの混合物を提供するが、これを、
当該分野においてよく知られた様々な方法のいずれを用いてでも、精製された形
態に調製することができる。この方法は、これらに限定されないが、キラルHP
LC、ここに記載される中間体のうちの一つの分離、又はジアステレオマー誘導
体の分離を含む。粘性ピロニンAの収束合成(convergent svnthesis)
いくつかの例において、生物学的効果を引き出すためにピロンが使用されてき
たが、それらのいずれもが抗菌剤としては使用されていない。2H−ピラン−2
,6(3H)−ジオン誘導体は、経静脈及び経口の両方の経路で投与した場合で
、妥当な用量においてラットの受身皮膚アナフィラキシーモデ
ルにおいて活性があることが報告されている。Snader,K.M.et al.,J.Med.Ch
em.,1979,22,706;Chahrin,L.W.,Snader,K.M.,Williams,C.R.,2H-Pyran
-2,6(3H)-dionederivate、ドイツ特許第25 33 843号。第2の例において、単純
な3-(1‐オキソアルキル)−4−ヒドロキシ−6−アルキル−2−ピロンはi
n vitroにおいて、ヒト痰エラスターゼの阻害に有効であることが見出された。C
ook,L.,Ternai,B.,Ghosh,P.,J.Med.Chem.,1987,30,1017。最後に、一連の
クマリン誘導体は、酵素アッセイと細胞培養の両方において、HIVプロテアー
ゼの有効な阻害剤であることが見出された(図1(b))。Skulnick,H.I.,et al.
,J.Med.Chem.,1995,38,4968。文献には、ピロニン抗菌剤の合成的な調査
は何も報告されていない。粘性ピロニンAの完全合成は、非常に収束的な態様で
アプローチされた。粘性ピロニンAの逆行合成は、図11に示される。
化合物14(図12(a))の調製は、商業的に入手可能な1−ペンチンから始
められた。2.0当量のAlMe3及び1.0当量のCp2ZrCl2(Cp=n
−C5H5)の存在下における1−ペンチンの位置選択的及び立体選択的カルボア
ルミネーションは、有機アラン(organoalane)種を与え、これを1.0当量のn
−BuLiで処理し、パラホルムアルデヒドでクエンチし、幾何的に純粋な(E
)アリルアルコール13aを74%の収率で与えた。アルコール13aのSwern
酸化は、多目的のアルデヒド14をクリーンに生成した。これはあまり安定では
なく、フラッシュクロマトグラフィーの直後に用
いられる。
ピロン5(R=Et)の合成的アプローチ(図12(b))は、Cookとその共同
研究者らにより報告された、知られた手順に基づいた(上記)。商業的に入手可能
なエチル プロピオニルアセテートを塩基性の条件下(1.5Mの水性NaOH
)で加水分解し、酸4aを提供し(収率76%)、それをカルボニルジイミダゾー
ルの存在下で二量体化し、ピロン5(R=Et)を収率98%で得た。この反応
のシーケンスは定量的な量のピロン5(R=Et)を容易に提供し、これは粘性
ピロニンA構造において核の構造となる。
化合物8b(図12(c))の調製は、直線的である。1,3−プロパンジオー
ルのモノ保護は、1.0当量のNaH及び1.0当量のTBSClを用いること
により達成され、それは、アルコール8aを98%の単離収率でクリーンに生成
した。I2/PPh3/イミダゾールの条件下でのアルコール8aのヨウ化は、ヨウ
化物8bを、収率96%で、単一産物として提供した。
続いての研究は、中間体15への改善された合成アプローチをもたらした(図
13(a))。ピロン5(R=Et)を−78℃でリチウム化し(lithated)(3.2
当量のLDA)、誘導されたアニオンをヨウ化物8bで処理し、化合物5aを単
一アルキル化生成物として、80−87%単離収率で得た。化合物5aは室温に
て脱プロトン化され(AcOH/THF/H2O、2:2:1混合溶液)、アルコー
ル5bを与え(収率91%)、これをDess-Maritin過ヨウ素酸塩試薬の存在下で
酸化してアルデヒド5cを得た。アルデヒド5cのWadsworth-Emmonsホモロゲー
ション(トリエチル ホスホノアセテート、NaH、C6H6)は、α,β−不飽
和エステル15を、単一の異性体として、89%の収率でクリーンに生成した。
図13(b)は、鍵となる中間体15からの粘性ピロニンA合成の完結を概略的
に示す。
TiCl4存在下におけるエチルケトン15の、アルデヒド14とのアルドー
ル縮合が実験された。−78℃においてエチルケトン15を4.0当量のTiC
l4及び4.4当量のEt3Nで処理することにより、チタンエノレートが生成さ
れた。誘導された(Z)−エノレートは、新たに調製された過剰のアルデヒド1
4と縮合することによりジオール14aを71.3%の単離収率で産生した。ジ
オール14aのメタンスルホニルクロライドでの処理と、続いてのDBUで媒介
される脱離は、トリ置換ジエン17を、収率72%で与えた。17のα,β−不
飽和酸17aへの変換は、LiOHを用いて達成された。最後に、ビニルカルバ
メート官能基の導入は、改変Curtius反応条件により行われた。酸17aはジフ
ェニルホスホリルアジド(PhO2P(O)N3)及びEt3Nと組み合わされ、
C6H6中で9.0時間還流された。誘導されたアジド中間体は、無水MeOHで
処理され、さらに6.0時間還流され、(±)粘性ピロニンA、即ち化合物18
を産生した。アシルピロンの、粘性ピロニンA合成アルドール化
3位におけるピロンのアシル化は、短い飽和アルキル鎖の酸クロライドが使用
されるとうまくいく。Douglas,J.,
Money,T.,Can.J.Chem.,1968,46,695。プロピオニルクロライドでの10のア
シル化と、それに続く、適切なアルデヒドとの、塩基触媒されたアルドールで、
残りの本来の側鎖をつけることができる。必要なアルデヒド14(図14(a))
は、エステル16の経路で生成する。(Sum,F.W.,Weiler,L.,Can.J.Chem.,19
79,57,431)エチルブチリルアセテートの、ジエチル クロロホスファイト及び
LiMe2Cuとの反応は、蒸留後に、優先的に16のE異性体を与えた。前記
アルコールのDIBAL還元と続いてのSwern酸化は、アルデヒド14を与えた
。
アルデヒド14を得て、図14(b)に示された経路は、粘性ピロニンAの合
成を完結するのに用いられた。ピロン中間体10はTFA中でプロピオニルクロ
ライドでアシル化され、化合物15を与える。不飽和出発物質はクロマトグラフ
ィーで回収されうるので、全体の変換が効率的である。15及び14の純粋な位
置異性体のアルドール反応が、THF中LDAを用いて行われた。粗アルコール
がメシレートに変換され、続いてDBUを用いて脱離された。これにより、所望
のジエン17を得た。
合成を完結させるため、17は、LiOHを用いて、酸にケン化された。改変
Curtiusシーケンス(Overman,L.,Taylor,G.,Petty,C.,Jessup,P.,J.Org.Chem
.,1978,43,2164)を続いて用いて、異例のビニルカルバメート部分を導入し、
それにより、所望の粘性ピロニンAを得た。産生物の同一性は、合成産生物の分
光データを、天然産物の真正のサン
プルと比較することにより確認された。C−7におけるエナンチオマーの分割は
、キラルHPLCの手段により達成することができる。
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フロントページの続き
(72)発明者 ウォノラ,マーク,エー
アメリカ合衆国マサチューセッツ州02154,
ウォールサム,ベイコン・ストリート・
291
(72)発明者 ガスタフソン,ゲイリー,アール
アメリカ合衆国マサチューセッツ州01730,
ベッドフォード,ベイコン・ロード・23
(72)発明者 パネック,ジェームズ,エス
アメリカ合衆国マサチューセッツ州,ラン
ドルフ(無番地)
(72)発明者 フー,タオ
アメリカ合衆国マサチューセッツ州02215,
ボストン,バブコック・ストリート・270,
アパートメント・15エフ
(72)発明者 シャウス,ジェニファー,ヴィー
アメリカ合衆国マサチューセッツ州02215,
ボストン,パーク・ドライブ・117,アパ
ートメント・6