JP2000509256A - ガン細胞において増幅される遺伝子 - Google Patents

ガン細胞において増幅される遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 ガン関連遺伝子を検出するため、および対応するcDNA配列を得るための新規方法が開示される。この方法は、コントロール細胞由来、および染色体の同じ領域内に重複または欠失した遺伝子を共有する多数の異なるガン細胞由来のRNA調製物の供給を含む。増幅されたcDNAコピーは提示され、次に調製物間のRNA量の相違に基づいて選択される。任意のさらなるスクリーニング工程は、ガン細胞のパネルを、遺伝子の重複を有するかまたは有さないRNA過多のcDNAを用いて調べる工程を含む。同定された遺伝子は、次に潜在的なガンの診断および処置のための材料および技術を開発するために使用され得る。4つの新規なガン関連遺伝子が同定されている。試験した乳ガン細胞株の少なくとも約60%において、cDNAとハイブリダイズするRNAは、正常細胞よりも実質的に多量であった。細胞株のほとんどはまた、対応する遺伝子の重複を示し、そのことはおそらく細胞内でのRNAレベルの増加に寄与していた。しかし、4つの各遺伝子については、遺伝子重複を有さずにRNA過多を有するいくつかの細胞株が存在した。このことは、この遺伝子産物は、細胞が発現の増加を達成するためにいくつかの代替機構を用いるガンの進行に十分に重要であることを示唆する。

Description

【発明の詳細な説明】 ガン細胞において増幅される遺伝子 優先権の主張 本出願は、以下の米国特許出願:1996年4月9日に出願された第60/015,167号 ;1996年6月6日に出願された第60/019,202号;1996年7月10日に出願された第 08/678,280号の優先権の利益を主張する。米国内での手続の遂行の目的のために 、上述の出願は、これによってその全体が、本明細書中に参考として援用される 。 技術分野 本発明は、一般にヒト遺伝学の分野に関する。より詳細には、本発明は乳ガン のようなヒトガンにおけるRNAの過多に関連する新規な遺伝子の同定に関する。 本発明は特に、診断および処置に重要であり得るこれらの遺伝子およびその産物 に関する。 発明の背景 ガンは不均一な(heterogenous)疾患である。ガンは、それ自身、広範な種々の 組織部位に、様々な程度の脱分化、侵襲性、病原力を伴って現れる。ガンのいく つかの形態は、治療の伝統的な態様に応答性であるが、多くはそうではない。ほ とんどの一般的なガンについて、より侵襲性でない様式で、より正確でかつより 効果的な処置を提供するために利用可能な治療の兵器(arsenal)を改善すること が緊急に必要である。 例えば、乳ガンは、現在医学的介入が利用可能な形態にもかかわらず、満足し 得ない罹患率および死亡率を有する。伝統的な臨床的イニシアチブは、早期診断 、その後の手術および化学療法に集中している。このような介入は、腫瘍が転移 してしまった患者では特に、成功は限定される。 ガンの不均一な性質は、異なるガン細胞が、異なる表現型の変化によりその増 殖および病理学的特性を達成するために生じる。遺伝子発現の変化は、ガンの顕 著な特徴である制御されない増殖および脱分化と密接に関連している。次いで、 特定の類似した表現型の変化は、異なる腫瘍において異なる遺伝的基礎を有し得 る。しかし、悪性のプロセスの中心となる遺伝子の数は、有限のものであるにち がいない。したがって、個々の腫瘍における特定の遺伝子変化に対して調整され た新たな医薬品は、より効果的であり得る。 異なるガン細胞において、同時にまたは独立して起こる、変化した遺伝子発現 の2つの型が存在する(Bishopにより概説される)。第1の型は、悪性増殖を妨 害するように明白に作用する腫瘍抑制遺伝子として知られる劣性遺伝子の発現の 減少である。第2の型は、悪性増殖の促進、または悪性度に重要ないくつかの他 の表現型を提供するように作用する優性遺伝子(例えば、ガン遺伝子)の発現の 増加である。したがって、いずれかの型の遺伝子の発現における変化は、潜在的 な診断指標である。さらに、処置ストラテジーは、抑制遺伝子の発現を回復する こと、または優性遺伝子の発現を減少させることを探求するかもしれない。本発 明は、いずれかの型の遺伝子(特に第2の型の遺伝子)の同定に関する。 ガン細胞における遺伝子の過剰発現の最も頻繁に研究された機構は、しばしば 増幅と呼ばれる。これは、それによって遺伝子が、祖先の細胞の染色体内で多コ ピーに重複されるプロセスである。このプロセスは、遺伝子を含む染色体の領域 の予定外の(unscheduled)重複、続いて重複されたセグメントを染色体へ戻す組 換えを含む(Alitaloら)。結果として、50以上の遺伝子コピーが産生され得る。 重複された領域は、ときどき「アンプリコン」と呼ばれる。遺伝子発現のレベル (すなわち、産生されたメッセンジャーRNA量である)は、形質転換された細胞 内で、作製された遺伝子コピー数と同じ比率で増大する(Alitaloら)。 いくつかのヒトガン遺伝子が記載されており、それらのいくつかは、例えば有 意な割合の乳ガンにおいて重複している。原型は、erbB2遺伝子(HER-2/neuとし ても知られる)であり、これは、上皮増殖因子レセプターと相同な185kDaの膜増 殖因子レセプターをコードする。erbB2は、最近の調査で、テストされた283個の 腫瘍のうちの61個(22%)で重複している(Adnaneら)。乳ガン内で重複している他 のガン遺伝子は、bek遺伝子(286個のうち34個(12%)で重複している);flg 遺伝子(297個のうち37個(12%)で重複している);myc遺伝子(275個のうち43 個(16%)で重複している)である(Adnaneら)。 他のガン遺伝子についての研究(特に、神経芽細胞種で記載された研究)は、 ガン原遺伝子の遺伝子重複は、より悪性の形態のガンに関与する事象であり、そ して臨床結果の予言者(predictor)として働き得る(SchwabらおよびAlitaloらに よって概説される)ことを示唆した。乳ガンでは、erbB2遺伝子の重複は、疾患 の再発および生存時間の減少の両方に相関するとして報告されている(Slamonら )。erbB2が、シクロホスファミド、ドキソルビシン、およびフルオロウラシル によるアジュバント化学療法に応答する腫瘍の同定を助けるといういくつかの証 拠が存在する(Mussら)。 ガンの中で遺伝子重複を行い得る遺伝子の一部のみが同定されていることは明 らかである。第一に、ガン細胞内ではダブルマイニュート(DM)染色体および均一 に染色される領域(HSR)のような染色体異常が頻繁である。HSRは、核型分析で、 暗バンドおよび明バンドが交互に現れる正常なパターンではなく、それらの長さ の全体にわたってギムザ染色の中間濃度を有して出現する染色体領域である。そ れらは、多遺伝子繰り返しに対応する。HSRは、乳ガンにおいて特に豊富であり 、調査された腫瘍の60〜65%に見られる(Dutrillauxら、Zafraniら)。そのよう な領域が、16の公知のヒトガン遺伝子(erbB2およびmycを含む)のいずれかのプ ローブを用いてインサイチュハイブリダイゼーションにより調べられた場合、一 部の腫瘍のみが、HSR領域への何らかのハイブリダイゼーションを示す。さらに 、それぞれの核型内のHSRの一部のみが、包含される。 第2に、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、HSRの外の染色体領域で さえ、腫瘍内でのコピー数増加の存在を明らかにした。CGHは、染色体展開物(sp reads)全体が、2つの異なる蛍光色素を用いて、正常細胞由来およびガン細胞由 来のDNAフラグメントと、同時に染色される新しい方法である。像は、蛍光比に ついてコンピューターで処理され、ガン細胞において増幅または欠失の生じてい る染色体領域を明らかにする(Kallioniemiら1992)。この方法は、最近15の乳ガ ン細胞株に適用された(Kallioniemlら1994)。DNA配列コピー数の増加は、23の染 色体対の全てにおいて検出された。 ガンで重複が生じる遺伝子のクローン化は、恐るべき挑戦である。一つのアプ ローチにおいて、ヒトガン遺伝子は、他の公知の増殖促進遺伝子(特に他の種に おいて公知のガン遺伝子)に対するプローブとハイブリダイズすることによって 同定されている。例えば、erbB2遺伝子は、化学的に誘導されたラット神経グリ ア芽細胞腫由来のプローブを用いて同定された(Slamonら)。新規の配列および機 能を有する遺伝子は、このタイプの探索をくぐり抜ける。別のアプローチにおい て、遺伝子は、CGH法によって重複領域を含んでいるとして同定される領域から クローン化され得る。CGHは、重複された遺伝子のおよその染色体領域のみを示 し得るので、領域全体にわたって歩き、そして関与する特定の遺伝子を同定する のには多量の実験が必要である。 遺伝子はまた、重複されることなくガン中で過剰発現され得る。遺伝子の異常 からの同定に頼る方法は、そのような遺伝子を必然的に迂回する。発現の増加は 、(例えば、プロモーターのアップレギュレーションまたは代替プロモーターと の置換によって)遺伝子のより高レベルの転写を介して起こり得る。転写産物が 細胞内でより長く持続し得る場合には;(例えば細胞質のRNaseに対する耐性の 増加、またはそのような細胞質の酵素レベルの減少によって)、それもまた起こ り得る。2つの例は、乳ガン腫瘍の45%で過剰発現される上皮細胞増殖因子レセ プター(Klijnら)、および乳ガン腫瘍の50〜93%で過剰発現されるIGF-1レセプタ ー(Bernsら)である。ほとんど全ての場合において、これらのレセプターの各々 の過剰発現は、遺伝子重複以外の機構による。 メッセンジャーRNAレベルでの過剰発現の一つの試験方法は、サブトラクティ ブハイブリダイゼーションである。それは2つのRNA調製物由来のポジティブお よびネガティブcDNA鎖の産生、ならびに対立する調製物によって完全にはハイブ リダイズされないcDNAの探索を含む。これは、ガン研究においてはっきりとした 制限を有する骨の折れる手順である。特に、各サブトラクションは、同時にわず か2つの細胞集団由来のcDNAを含むので、ガンの存在によるだけでなく、天然の 代謝変化によっても個々の表現型の相違に感受性である。 メッセンジャーRNAレベルでの過剰発現の別の試験方法は、ディファレンシャ ルディスプレイによる(Liangら,1992a)。この技術では、cDNAは、各RNA調製物 の亜集団のみから調製され、そして特定の特異性を有するプライマーを用いてポ リメラーゼ連鎖反応を介して拡大される。同様の亜集団は、いくつかのRNA調製 物にわたって、ゲルオートラジオグラフィーによって発現の相違が比較される。 RNA調製物を全て調査するために、アッセイはPCRプライマーの包括的なセットで 繰り返される。スクリーニングストラテジーは、より効率的に多数のポジティブ およびネガティブコントロールサンプルを含む(Sundayら)。この方法は、最近乳 ガン細胞株に適用され、そして多数の発現の相違を強調する(Liangら,1992b;Che nら,Mckenzieら,Watsonら,1994および1996,Kocherら)。分離ゲルの対応する 領域を切り出すことによって、cDNAを回収および配列決定し得る。 ディファレンシャルディスプレイにより提供される進歩にもかかわらず、新た なガン遺伝子の探索にそれを適用する点で問題が残る。第一に、これはRNAレベ ルについてのテストなので、細胞株間での任意の表現型の相違は、回収したセッ トの一部を構成し、多量の割合の「偽ポジティブ」の同定を導く。ミトコンドリ ア遺伝子のcDNAは、大きい割合のディファレンシャルに発現されたバンドを構成 し、そしてそれはそれらを除去するために、サンプルを回収し、部分配列を得る ための実質的な資源を消費することが見出されている。第2に、偽ポジティブの 同定は、複数のcDNA種、および異なる量(abundance)のRNA種によるPCRプライマ ーについての競合に起因する理由によってなされる(Debouck)。第3に、ディフ ァレンシャルディスプレイは、高コピー数のmRNAおよびより短いmRNAを強調し(B ertioliら、Yeatmanら)、そしてそれゆえ調査技術として使用した場合、重要な ガン関連転写産物を落とし得る。第4に、細胞が悪性の形質転換を受けるか、ま たはインビトロで培養される場合に、多くの調整が、遺伝子発現レベルに対して なされる。これらの調整のほとんどは2次的であり、そして形質転換プロセスの 一部ではない。それゆえ、新規配列がディファレンシャルディスプレイから得ら れた場合でさえ、対応する遺伝子が、疾患プロセスの根元にあることは、確定的 とはいえない。 遺伝子特異的な治療的アプローチの開発における初期の段階は、悪性の形質転 換または悪性表現型の持続に対してより中心的である遺伝子の同定である。発明の開示 本発明の目的は、ガン細胞における重複または過多RNAと関連した遺伝子およ び遺伝子産物を同定および特徴づけるための方法を提供することである。この方 法は、任意のガンの型に使用され得、適切なコントロール細胞集団と共に、その 型の細胞集団または細胞株の多数を提供する。この方法は、ガン細胞の悪性の形 質転換または悪性の特徴の維持と密接に関連する遺伝子および遺伝子産物の同定 に高度に効率的である。 この方法を適用することの重要な派生物(derivatlve)は、ガン関連遺伝子に対 応するcDNAおよびcDNAフラグメントの選択および検索である。これらのフラグメ ントは、とりわけ,遺伝子およびmRNAのヌクレオチド配列、任意のコードされた タンパク質のアミノ酸配列を決定するために、またはcDNAもしくはゲノムのライ ブラリーから、遺伝子またはその転写産物に関連したさらなるポリヌクレオチド を検索するために使用され得る。その遺伝子は典型的に細胞の悪性の過程に関連 するので、本方法を用いて誘導したポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗 体は、次に重要な診断試薬および治療用化合物を設計またはスクリーニングする ために使用され得る。 本発明の別の目的は、乳ガンを含むいくつかの異なる型のガンと関連する4つ の新規遺伝子由来の単離されたポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗体を 提供することである。これらの遺伝子は、CH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a12- 1、およびCH14-2a16-1と命名される。これらの名称は、cDNAおよびそのフラグメ ントの両鎖、およびそれぞれに対応するメッセンジャーRNA(スプライス変異体 、対立遺伝子変異体、およびこれらいずれかの形態のフラグメントを含む)をい う。これらの遺伝子は、試験したガン細胞株の大部分でRNA過多を示す。RNA過多 を示している細胞の大部分はまた、対応する遺伝子の重複を有する。本発明の別 の目的は、ガン(特に乳ガン)の診断および処置における使用のための、これら のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗体に基づく材料および方法を提供 することである。 したがって、本発明の1つの実施態様は、CH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a1 2-1、およびCH14-2a16-1からなる群より選択されるポリヌクレオチドに含まれる 直鎖状配列を含む単離されたポリヌクレオチドである。直鎖状配列は、ガン性細 胞内の重複した遺伝子または過多なRNAに含まれる。RNAは、ある割合の乳ガン細 胞中では、遺伝子重複、RNA転写またはプロセシングの増加、RNA持続性の増加、 そのいずれかの組合せにより、または他の何らかの機構により、過多であり得る 。好ましくは、RNAは、乳ガン細胞株の代表的なパネル(例えば、本明細書中に 列挙されたパネル)の少なくとも約20%で過多であり;より好ましくは、これは パネルの少なくとも約40%で過多であり;いっそうより好ましくは、これはパネ ルの約60%以上で過多である。好ましくは、RNAは、自然発症の乳ガン腫瘍の少 なくとも約5%で過多であり;より好ましくは、それはそのような腫瘍の少なく とも約10%で過多であり;より好ましくは、これはそのような腫瘍の少なくとも 約20%で過多であり;より好ましくは、それはそのような腫瘍の少なくとも約30 %で過多であり;いっそうより好ましくは、それはそのような腫瘍の少なくとも 約50%で過多である。 好ましくは、少なくとも10ヌクレオチドの配列が、本発明の単離されたポリヌ クレオチドとCH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a12-1、およびCH14-2a16-1由来の cDNAとの間で本質的に同一であり;より好ましくは、少なくとも約15ヌクレオチ ドの配列が本質的に同一であり;より好ましくは、少なくとも約20ヌクレオチド の配列が本質的に同一であり;より好ましくは、少なくとも約30ヌクレオチドの 配列が本質的に同一であり;より好ましくは、少なくとも約40ヌクレオチドの配 列が本質的に同一であり;いっそうより好ましくは、少なくとも約70ヌクレオチ ドの配列が本質的に同一であり;さらにより好ましくは、約100ヌクレオチド以 上の配列が本質的に同一である。本発明のさらなる実施態様は、配列番号15、配 列番号18、配列番号21、配列番号23、配列番号26、配列番号29、配列番号31、配 列番号33、および配列番号35からなる群より選択される配列と本質的に同一な直 鎖状配列を含む単離されたポリヌクレオチドである。これらの実施態様は、DNA ポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドプローブ、または ポリヌクレオチドプライマーである、単離されたポリヌクレオチドを含む。 本発明はまた、CH1-9a11-2、CH8-2a13-1,CH13-2a12-1、およびCH14-2a16-1か らなる群より選択されるポリヌクレオチドにコードされるかまたは翻訳されるポ リペプチドと本質的に同一なアミノ酸の配列を含む、単離されたポリペプチドを 提供する。好ましくは、少なくとも約5アミノ酸の配列が、本発明のポリペプチ ドと、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドとの間で本質的に同 一であり;より好ましくは、少なくとも約10アミノ酸の配列が本質的に同一であ り;より好ましくは、少なくとも15アミノ酸の配列が本質的に同一であり;いっ そうより好ましくは、少なくとも20アミノ酸の配列が本質的に同一であり;さら により好ましくは、約30アミノ酸以上の配列が本質的に同一である。好ましくは 、ポリペプチドは、上記ポリヌクレオチドによってコードされる配列と本質的に 同一な、少なくとも約15アミノ酸の直鎖状配列を含む。本発明の別の実施態様は 、配列番号17、配列番号20、配列番号25、配列番号28、配列番号30、配列番号32 、配列番号34、および配列番号37からなる群より選択される配列と本質的に同一 な直鎖状配列を含むポリペプチドである。 本発明のさらなる実施態様は、本発明で具体化されるポリペプチドに特異的な 抗体である。これは、モノクローナル抗体および単離されたポリクローナル抗体 の両方を含む。 本発明のさらなる実施態様は、本発明のポリヌクレオチドを、ガン性細胞(特 に乳ガン細胞だがこれに限定されない)内での遺伝子重複を検出または測定する ために使用する方法である。この方法は、臨床サンプル内に含まれるDNAを、ポ リヌクレオチドを含む試薬と反応させる工程であって、上記臨床サンプルは、ガ ン性細胞を有すると疑われる個体から得られている工程;および試薬と臨床サン プル内のDNAとの間で形成される複合体の量を、試薬とコントロールサンプル内 のDNAとの間で形成される複合体の量と比較する工程を含む。 本発明のさらなる実施態様は、本発明のポリヌクレオチドを、ガン性細胞(特 に乳ガン細胞だがこれに限定されない)内でのRNAの過多を検出または測定する ために使用する方法である。この方法は、臨床サンプル内に含まれるRNAを、ポ リヌクレオチドを含む試薬と反応させる工程であって、上記臨床サンプルは、ガ ン性細胞を有すると疑われる個体から得られている工程;および試薬と臨床サン プル内のRNAとの間で形成される複合体の量を、試薬とコントロールサンプル中 のRNAとの間で形成される複合体の量と比較する工程を含む。 本発明の別の実施態様は、臨床サンプル内にで示される、個体中に含まれる細 胞内の遺伝子重複またはRNA過多を検出または測定するための診断キットである 。このキットは、適切な包装内に試薬および緩衝液を含み、ここで、この試薬は 、本発明のポリヌクレオチドを含む。 本発明の別の実施態様は、本発明のポリペプチドを、臨床サンプル内での特異 的抗体を検出または測定するために使用する方法である。この方法は、臨床サン プル内に含まれる抗体を、ポリペプチドを含む試薬と反応させる工程であって、 上記臨床サンプルは、ガン性細胞(特に乳ガン細胞だがこれに限定されない)を 有すると疑われる個体から得られている工程;および試薬と臨床サンプル内の抗 体との間で形成される複合体の量を、試薬とコントロールサンプル内の抗体との 間で形成される複合体の量と比較する工程を含む。 本発明の別の実施態様は、本発明の抗体を、臨床サンプル内のタンパク質発現 の変化を検出または測定するために使用する方法である。この方法は、臨床サン プル内に含まれるポリペプチドを、抗体を含む試薬と反応させる工程であって、 上記臨床サンプルは、ガン性細胞(特に乳ガン細胞だがこれに限定されない)を 有すると疑われる個体から得られている工程;および試薬と臨床サンプル内のポ リペプチドとの間で形成される複合体の量を、試薬とコントロールサンプル内の ポリペプチドとの間で形成される複合体の量と比較する工程を含む。本発明のさ らなる実施態様は、臨床サンプル内に存在するポリペプチドまたは抗体を検出ま たは測定するための診断キットである。このキットは、適切な包装内に試薬およ び緩衝液を含み、ここでこの試薬は、本発明の抗体およびポリペプチドのいずれ かそれぞれを含む。 本発明のなお別の実施態様は、本発明のポリヌクレオチドによってトランスフ ェクトされた宿主細胞である。本発明のさらなる実施態様は、薬学的候補物をス クリーニングするためにポリヌクレオチドを用いる方法である。この方法は、ト ランスフェクトされた宿主細胞の子孫を第1群および第2群に分離する工程;第 1群の細胞を薬学的候補物で処理する工程;第2群の細胞を薬学的候補物で処理 しない工程;および処理した細胞の表現型と処理していない細胞の表現型とを比 較する工程を含む。 本発明はまた、ガン治療に使用するための薬学的調製物を含む。この調製物は 、本発明に含まれるポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含み、上記調製物は 、ガン性細胞(特に乳ガン細胞だがこれに限定されない)の病状を減少させ得る 。本発明のさらなる実施態様は、乳ガン細胞のようなガン性細胞を有する個体を 処置するための方法である。この方法は、上記の薬学的調製物のいずれかを投与 する工程を含む。 本発明のさらに別の実施態様は、免疫原性の形態の本発明によって含まれるポ リペプチドまたは薬学的に適合性の賦形剤を含む、薬学的調製物または活性ワク チンである。さらなる実施態様は、予防的な、または処置される個体にガン性細 胞が存在する後のいずれかでの、ガン(特に乳ガン細胞だがこれに限定されない )の処置の方法である。この方法は、上記の薬学的調製物を投与する工程を含む 。 本発明の別の一連の実施態様は、ガンに関連する遺伝子に対応するcDNAを得る ための方法に関する。この方法は、a)培養していないコントロール細胞由来のRN A調製物を供給する工程;b)少なくとも2種の異なるガン細胞由来のRNAの調製物 を供給する工程;c)それぞれの調製物内で異なるRNAに対応する異なるcDNAが別 々に提示されるように、工程a)および工程b)のRNA調製物に対応するcDNAを提示 する工程;d)工程a)のコントロール細胞に関して、工程b)のガン細胞内で多量に 存在するRNAに対応するcDNAを選択する工程;e)コントロール細胞由来の消化し たDNA調製物を供給する工程;f)少なくとも2種の異なるガン細胞由来の消化し たDNA調製物を供給する工程;g)工程d)のcDNAを、工程e)および工程f)の消化し たDNA調製物とハイブリダイズさせる工程;およびh)工程e)のコントロール細胞 に関して、工程f)のガン細胞内で重複した遺伝子に対応する工程d)のcDNAからさ らにcDNAを選択する工程を含む。 以下を含む1つ以上の増強が、必要に応じて本発明の方法に含まれ得る: 1.染色体の同じ領域内の重複した遺伝子を共有するガン細胞は、好ましくは 工程b)で使用される。所望であれば、当業者は、事前にガン細胞を試験して、染 色体領域の重複または欠失を検出し得るか;またはこの点に関してすでに特徴づ けられているガン細胞株が使用され得る。 2.工程b)、工程f)、または好ましくは、工程b)および工程f)の両方のために DNAを供給するために、より多数のガン細胞が、好ましくは使用される。2種よ りは3種のガン細胞の使用が好ましく;4種のガン細胞の使用がより好ましく、 約5種のガン細胞がなおより好ましく、約8種のガン細胞がいっそうより好まし い。各ガン細胞集団のcDNAは、本方法に従って別々に提示またはハイブリダイズ される。 3.工程a)、工程e)、または好ましくは工程a)および工程e)両方のためにDNA を供給するために、より多数のコントロール細胞が好ましくは使用される。2種 のコントロール細胞集団の使用が好ましく;約3種以上の使用がいっそうより好 ましい。入手可能であれば、増殖している集団および増殖していない集団の両方 が、好ましくは使用される。 4.コントロール細胞は、好ましくは組織供給源より新鮮に供給され、そして これは培養されていないかまたは細胞株に形質転換されていない。これは、工程 a)で使用されるコントロール細胞集団が、1種または2種だけの数であるとき、 ますます重要である。新鮮に得られたガン細胞はまた、ガン細胞株の代替物とし て使用され得るが、これはあまり重要ではない。 5.さらなるスクリーニング工程が、好ましくは行われ、ここで、推定のガン 関連遺伝子に対応するcDNAは、消化したミトコンドリアDNA調製物とさらにハイ ブリダイズしてミトコンドリア遺伝子を除去する。このスクリーニング工程は、 本方法の他のスクリーニング工程の前、最中、次いで、または同時に行われ得る 。 6.さらなるスクリーニング工程が、好ましくは行われ、ここで、RNAは多数 のガン細胞、および一つまたは好ましくはそれより多いコントロール細胞集団か ら供給され;RNAは、安定な2重鎖の形成が可能な条件下で、推定のガン関連遺 伝子に対応するcDNAと接触し、そしてcDNAは、コントロール細胞に関して、ある 割合のガン細胞に多量に存在するRNAに対応するものが選択される。好ましくは 、多数のガン細胞は、少なくとも5種のパネルであり、好ましくは少なくとも1 0種の細胞である。好ましくは少なくとも3種、より好ましくは少なくとも5種 のガン細胞は、より多量のRNAを示す。好ましくは、少なくとも1種、そして好 ましくはそれより多くのガン細胞は、コントロールと比較してより多量のRNAを 示 すが、本方法の工程h)で、対応する遺伝子の重複は示さない。 本発明の他の実施態様は、ガン内で欠失または過少発現されている遺伝子に対 応するcDNAを得るための方法である。この方法は、a)コントロール細胞由来のRN A調製物を供給する工程;b)染色体の同じ領域内で欠失した遺伝子を共有する少 なくとも2種の異なるガン細胞由来のRNA調製物を供給する工程;c)工程a)およ び工程b)のRNA調製物に対応するcDNAを、それぞれの調製物内の異なるRNAに対応 する異なるcDNAが別々に提示されるように提示する工程;およびd)工程a)のコン トロール細胞に関して、工程b)のガン細胞内でより少量で存在するRNAに対応す るcDNAを選択する工程を含む。このような方法は代表的には、以下のさらなる工 程を含む:e)コントロール細胞由来の消化したDNA調製物を供給する工程;f)少 なくとも2種の異なるガン細胞由来の消化したDNA調製物を供給する工程;g)工 程d)のcDNAを、工程e)および工程f)の消化したDNA調製物とハイブリダイズさせ る工程;およびh)工程d)のcDNAから、工程e)のコントロール細胞に関して、工程 f)のガン細胞内で欠失している遺伝子に対応するcDNAをさらに選択する工程。欠 失または過少発現された遺伝子を同定するためのこのような方法はまた、上記の ような増強を含み得る。 本発明のさらなる実施態様は、ガン遺伝子を特徴づけるための方法である。こ の方法は、(特に上記で強調した)本発明の方法に従って、ガン関連遺伝子に対 応するcDNAを得る工程、そして次にcDNAを配列決定する工程を含む。あるいはま たはさらに、cDNAは、mRNA調製物、またはcDNAもしくはゲノムDNAライブラリー からのガン関連遺伝子に対応するさらなるポリヌクレオチドをレスキューするた めに使用され得る。 本発明のさらなる実施態様は、ガンの処置のための候補薬物をスクリーニング するための方法である。この方法は、ガン内で重複、過剰発現、欠失、または過 少発現している遺伝子に対応するcDNAを得る工程、そしてcDNAまたはそのフラグ メントが遺伝的に変化した細胞に対する候補薬物の影響と、遺伝的に変化してい ない細胞に対する影響とを比較する工程を含む。 本発明の種々の実施態様は、適切な組織供給源が入手可能である任意の形態の ガンの研究に使用され得る。特に目的のガンは、肺ガン、グリア芽細胞腫、膵臓 ガン、結腸ガン、前立腺ガン、肝細胞腫、骨髄腫、および乳ガンを含む。 図面の簡単な説明 図1はディファレンシャルディスプレイ実験のオートラジオグラムの網板複写 である。ここでは、異なった細胞における全メッセンジャーRNAのサブセットに 対応する放射性標識cDNAを比較している。これは、乳ガンにおいて過多である特 定のRNAに対応するcDNAを選択するために使用される。 図2は、CH8-2a13-1挿入物(パネルA)またはローディングコントロール(パ ネルB)を用いて探索した乳ガン細胞株のパネルからの電気泳動したDNA消化物の オートラジオグラムの網板複写である。 図3は、CH8-2a13-1挿入物(パネルA)またはローディングコントロール(パ ネルB)を用いて探索した乳ガン細胞株のパネルからの電気泳動した全RNAのオー トラジオグラムの網板複写である。 図4は、CH13-2a12-1挿入物を用いて探索した乳ガン細胞株のパネルからの電 気泳動したDNA消化物のオートラジオグラムの網板複写である。 図5は、CH13-2a12-1挿入物を用いて探索した乳ガン細胞株のパネルからの電 気泳動した全RNAのオートラジオグラムの網板複写である。 図6は、乳ガン関連遺伝子CH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a12-1、およびCH1 4-2a16-1について得られたcDNAフラグメントのマップである。本出願中で一覧さ れた配列データの推定に使用されるフラグメントの領域を、斜線で示す。ヌクレ オチドの位置は、二本鎖配列のデータが得られている最も左の残基(必ずしも対 応するメッセージの5'末端である必要はない)から数える。 図7は、CH1-9a11-2のcDNA配列データを得るために使用されたプライマーの表 である。 図8は、CH1-9a11-2について得られたcDNA配列の表である。 図9は、図8に示されるCH1-9a11-2のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。1文字表記アミノ酸コードを使 用する。終止コドンを点(・)で示す。上のパネルは完全なアミノ酸翻訳を示し 、下のパネルは推定遺伝子産物タンパク質配列を示す。膜貫通が可能な領域を下 線 で示す。 図10は、CH8-2a13-1のcDNA配列データを得るために使用されたプライマーの表 である。 図11は、CH8-2a13-1について得られたcDNA配列の表である。 図12は、図11に示されるCH8-2a13-1のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。上のパネルは完全なアミノ酸翻 訳を示す;下のパネルは推定遺伝子産物タンパク質配列を示す。 図13は、全長CH8-2a13-1 cDNAについて推定されるヌクレオチド配列の表であ る。 図14は、図13に示されるCH8-2a13-1のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。 図15は、CH13-2a12-1のcDNA配列データを得るために使用されるプライマーの 表である。 図16は、CH13-2a12-1について得られたcDNA配列の表である。 図17は、図16に示されるCH13-2a12-1のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。上のパネルは完全なアミノ酸翻 訳を示し;下のパネルは推定遺伝子産物タンパク質配列を示す。 図18は、CH13-2a12-1のcDNA配列データを得るために使用されたプライマーの 表である。 図19は、CH14-2a16-1の二方向配列決定により得られたcDNA配列データの表で ある。 図20は、図19に示されるCH14-2a16-1のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。上のパネルは完全なアミノ酸翻 訳を示し;下のパネルは推定遺伝子産物タンパク質配列を示す。3つのジンクフ ィンガーモチーフに対応する残基を下線で示す。これはこのタンパク質がDNAま たはRNA結合活性を有し得ることを示す。 図21は、フラグメントpCH14-1.3の1方向配列決定により得られたCH14-2a16-1 の5'末端に向かうさらなるDNA配列データの表である。最初の2つのパネルは、 フラグメントの5'末端からのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示し;次の 2つのパネルはフラグメントの3'末端からのヌクレオチド配列およびアミノ酸配 列を示す。pCH14-800との重複領域を下線で示す。 図22は、それらのアミノ酸翻訳と共に、4つの乳ガン関連遺伝子に対応して得 られた最初のフラグメントのヌクレオチド配列の表である。 図23は、図8の配列から5'のおよそ1934塩基対を含む、CH1-9a11-2について得 られたさらなるcDNA配列の表である。 図24は、図23に示されるCH1-9a11-2のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。1文字表記アミノ酸コードを使 用する。終止コドンを点(・)で示す。 図25は、図19の配列から5'のおよそ1934塩基対を含む、CH14-2a16-1について 得られたさらなるcDNA配列の表である。 図26は、図25に示されるCH1-9a11-2のDNA配列の最も長いオープンリーディン グフレームに対応するアミノ酸配列の表である。1文字表記アミノ酸コードを使 用する。終止コドンを点(・)で示す。上のパネルは完全なアミノ酸翻訳を示し ;下のパネルは推定遺伝子産物タンパク質配列を示す。 発明を実施するための最良の形態 本発明は、乳ガンに関連する4つの新規な遺伝子の発見および特徴付けに関す る。これらの遺伝子のcDNA、および下記に開示されるようなそれらの配列は、診 断および治療に使用され得る一連の試薬の基盤を提供する。 約15個のガン細胞株のパネルを使用して、4つの遺伝子の各々は、試験された 細胞の40〜60%において複製されることが見出された。驚くべきことに、4つの 遺伝子の各々は、比較のゲノムハイブリダイゼーションを用いた実験が、対応す る染色体領域のいかなる増幅も示さなかった場合に、少なくとも1つの細胞株で 複製された。 mRNAレベルでの発現レベルを、これらの4つの遺伝子の2つについて、類似の パネルで試験した。遺伝子重複を示すこれらの細胞株に加え、17〜37%の株が遺 伝子重複なしにRNA過多を示した。これは、悪性細胞が、これらの遺伝子に対応 する大量のRNAを促進するために、遺伝子重複以外のある機構を使用したことを 示唆した。4つの乳ガン遺伝子の全てが、オープンリーディングフレームを有し 、そして異なった細胞タイプ内で種々のレベルで転写されるようである。ガン性 細胞内の対応するRNAの過多が、タンパク質遺伝子産物の過剰発現と関連するよ うである。同じ組織タイプの非ガン性細胞における代表的なレベルと比較して、 このような過剰発現は、細胞から血液もしくは周りの環境へのタンパク質の分泌 の増加、細胞表面におけるタンパク質濃度の増加、または細胞内のタンパク質の 蓄積の増大として表れ得る。 異なった腫瘍は、同じ組織由来の場合でさえ、異なった遺伝子型および表現型 をもたらす。ガンにおける遺伝子治療は、それがガンの悪性の支持に関与する遺 伝子を目標とした場合、より効果的であるようである。本発明は、いくつかのメ カニズムによりRNA過多を達成する遺伝子を開示する。なぜなら、それらはより 直接的に病原性プロセスに関与し、従って、薬理学的操作のための適切な標的で あるようであるからである。 4つの新規な遺伝子、各々のmRNA、およびそれらを見出すために使用されたcD NAの特徴を、表1に示す。 4つの遺伝子配列は全て、乳ガンで過剰発現されるとして知られる他の遺伝子 (erbB2遺伝子(Adnaneら)、組織因子(Chenら)、ガンマグロブリン(mammagl obulin; Watsonら)、およびDD96(Kocherら)を含む)と無関係である。 4つのmRNA配列はそれぞれオープンリーディングフレームを含有する。CH1-9a 11-2遺伝子は、膵臓および精巣で比較的高いレベルのmRNAレベルで発現される。 CH8-2a13-1遺伝子は、成体の心臓、脾臓、胸腺、小腸、大腸、および生殖系の組 織において比較的高いレベルで;および胎児の特定の組織においてより高いレベ ルで、発現される。CH13-2a12-1遺伝子は、心臓、骨格筋、および精巣において 比較的高いレベルで発現される。CH14-2a16-1遺伝子は、精巣において比較的高 いレベルで発現される。4つの遺伝子全ての発現レベルは、乳ガン細胞株のかな りの部分で特に高い。 CH1-9a11-2遺伝子は、推定の膜貫通領域を有するタンパク質をコードし、そし てガン細胞上の表面タンパク質として発現され得る。CH13-2a12-1遺伝子は、細 胞周期調節に関与する線虫遺伝子にわずかに関連しており、そして細胞増殖の調 節において役割を果たし得る。CH13-2a12-1によりコードされるタンパク質は、 バソプレッシン活性化カルシウム結合レセプターとわずかに関連し、そしてCa++ 結合活性を有し得る。CH14-2a16-1はジンクフィンガー結合モチーフの少なくと も5つのドメインを含み、そして酵母RNA結合タンパク質とわずかに関連する。C H14-2a16-1遺伝子産物は、DNA結合活性またはRNA結合活性を有すると考えられ、 これはガン病原性における役割に関連し得る。 本明細書に記載される4つの遺伝子は、本発明の遺伝子スクリーニング方法を 用いて同定可能なガンにおいて改変した発現を起こす遺伝子の例である。この方 法は、同じ遺伝子に関連するDNA重複および改変RNAの量の両方についての分析を 含む。異常な遺伝子調節が、悪性プロセスの中枢であるので、同定方法はいかな るタイプのガンにおいても使用され得る。 スクリーニング方法は、いくつかの点において、以前の有効ないずれのアプロ ーチにも勝る。特に重要なのは、スクリーニングが、悪性プロセスの中枢である 遺伝子に対して迅速に集中し、そして正常な代謝プロセスの一部として変動し得 るレベルの発現を有する遺伝子から離れることである。さらに、最終生成物が、 この遺伝子に対応するcDNAであるので、このプロセスは迅速に、遺伝子、および それがコードし得る任意のエフェクター分子の詳細な特徴付けに導く。これは順 に、新しい診断および治療用の物質および技術の開発を導く。 定義 本願で使用される用語は以下を含む: 用語「ポリヌクレオチド」は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオ チド、あるいはそれらのアナログのいずれかにおいて、任意の長さのヌクレオチ ドの重合形態をいう。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有し得、そして 既知または未知の任意の機能を遂行し得る。以下は、ポリヌクレオチドの非限定 例である:遺伝子または遺伝子フラグメント、エキソン、イントロン、メッセン ジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、 組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意 の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプ ライマー。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド(例えば、メチル化ヌクレオ チドおよびヌクレオチドアナログ)を含み得る。もしあれば、ヌクレオチド構造 に対する修飾は、重合体の組立前後で与えられ得る。ヌクレオチドの配列は、非 ヌクレオチド成分により中断され得る。ポリヌクレオチドは、例えば標識成分と の結合により、重合化の後にさらに修飾され得る。 本明細書中で使用される用語ポリヌクレオチドは、可換に、二本鎖分子および 一本鎖分子をいう。別に特定または要求されなければ、ポリヌクレオチドである 本明細書中に記載される本発明のいかなる実施態様も、二本鎖形態および2つの 相補的な一本鎖形態の各々(二本鎖形態を形成することが知られている、または 考えられる)の両方を含む。 ポリヌクレオチドの背景では、「直鎖状配列」または「配列」は、5'から3'方 向のポリヌクレオチド中のヌクレオチドの順序であり、ここで、配列中で互いに 隣接する残基はポリヌクレオチドの一次構造において連続している。「部分配列 」は、一方向または両方向にさらなる残基を含むことが知られているポリヌクレ オチドの部分の直鎖状配列である。 「ハイブリダイゼーション」は、1つ以上のポリヌクレオチドが反応し、ヌク レオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化される複合体を形成する反応を いう。水素結合は配列特異的であり、そして代表的にはワトソン−クリック塩基 対形成により起こる。ハイブリダイゼーション反応は、より広範なプロセス(例 えばPCRの開始、またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的切断)にお ける一工程を構成し得る。 ハイブリダイゼーション反応は、異なった「ストリンジェンシー」の条件下で 行われ得る。関連する条件は、温度、イオン強度、インキュベーションの時間、 反応混合物中の添加溶質の存在(例えばホルムアミド)、および洗浄手順を含む 。より高度なストリンジェンシー条件は、例えば、より高い温度およびより低い ナトリウムイオン濃度という条件であり、これは、安定なハイブリダイゼーショ ン複合体が形成するために、ハイブリダイズするエレメント間に、より高度な最 小限の相補性を必要とする。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシー を増大する条件は、当該分野で広く知られており、そして刊行されている:例え ば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」第2版(Sambrook,Fritsch &Maniatis,1989)。 2つの一本鎖ポリヌクレオチド間で逆平行立体配置でハイブリダイゼーション が起こる場合、これらのポリヌクレオチドは、「相補的」として記載される。二 本鎖ポリヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションが第1のポリヌクレオチドの 一方の鎖と第2のポリヌクレオチドの一方の鎖との間で起こり得る場合、もう一 方のポリヌクレオチドに対して「相補的」であり得る。相補性(1つのポリヌク レオチドが別のポリヌクレオチドと相補的である程度)は、一般に受け入れられ ている塩基対合規則に従って、互いに水素結合を形成すると考えられる対立する 鎖の塩基の割合によって、数量化可能である。 ヌクレオチドの直鎖状配列は、別の直鎖状配列に対し、各々の配列におけるヌ クレオチドの順序が同じであり、そして置換、欠失、または成分置換を起こさな い場合、「同一」である。類似構造を伴ったプリンおよびピリミジン窒素性塩基 は、ワトソン-クリック塩基対形成の点で、機能的に等価であり得;そして、例 えば窒素性塩基(特にウラシルおよびチミン)の相互置換、または窒素性塩基の 修飾(例えばメチル化による)は成分置換を構成しないことが理解される。RNA ポリヌクレオチドおよびDNAポリヌクレオチドは、RNAの配列がポリリボヌクレオ チドにおける窒素性塩基の順序を反映し、DNAの配列がポリデオキシリボヌクレ オチドにおける窒素性塩基の順序を反映し、かつ2つの配列がこの定義の他の要 求を満足する場合、同一の配列を有する。比較されるポリヌクレオチドの一方ま たは両方が二本鎖である場合、第1のポリヌクレオチドの1つの鎖が第2のポリ ヌクレオチドの1つの鎖と同一であれば、配列は同一である。 ヌクレオチドの直鎖状配列は、別の直鎖状配列に対し、両配列がハイブリダイ ズして、同じ相補的ポリヌクレオチドと二重鎖を形成し得る場合、「基本的に同 一」である。より大きなストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズする配列 がより好ましい。ハイブリダイゼーション反応は、ヌクレオチド配列中で挿入、 欠失、および置換に適応し得ることが理解される。従って、ヌクレオチド残基の いくつかが正確に一致または整列しない場合でさえ、ヌクレオチドの直鎖状配列 は基本的に同一であり得る。一般に、約40ヌクレオチドの長さの基本的に同一な 配列は、10×SSC(0.15M NaCl,15mMクエン酸緩衝液)中で約30℃でハイブリダ イズし;好ましくはこれらは6×SSC中で約40℃でハイブリダイズし;より好まし くはそれらは6×SSC中で約50℃でハイブリダイズし;さらにより好ましくは、そ れらは6×SSC中で約60℃、または0.5×SSC中で約40℃、または50%ホルムアミド 含有6×SSC中で約30℃でハイブリダイズし;なおより好ましくは、それらは50% 以上のホルムアミドの存在下の2×SSCまたはそれより低いSSCにおいて40℃以上 でハイブリダイズする。試験の厳密さは部分的にはポリヌクレオチドの長さの関 数であり;従って、同じ相同性を有するより短いヌクレオチドはより低いストリ ンジェンシーのもとで試験され、そしてより長いポリヌクレオチドはより高いス トリンジェンシーのもとで試験され、条件は適宜調整されることが理解される。 ハイブリダイゼーションストリンジェンシー、配列同一性の程度、およびポリヌ クレオチドの長さの間の関係は、当該分野で公知であり、そして標準式(例えば Meinkothらを参照のこと)により計算され得る。本明細書中に開示される発明と 対応する、またはより近くに整列する配列が、比較的より好ましい。一般に、基 本的に同一な配列は、相同領域のアラインメント後、互いに少なくとも約50%同 一である。好ましくは、配列は少なくとも約60%同一であり;より好ましくは、 それらは少なくとも約70%の同一であり;より好ましくは、それらは少なくとも 約80%の同一であり;より好ましくは、配列は少なくとも約90%同一であり;な おより好ましくは、それらは少なくとも95%同一であり;なおより好ましくは、 配列は100%同一である。同一パーセントは、参照配列(別に記載されてなけれ ば、通常、本願において列挙される、または記載される配列の1つ)中の残基と 同一である、比較される配列中の残基のパーセントとして計算される。アライン メントの目的で参照配列または比較配列中にギャップを導入することについて、 不利益は全く課されないが、得られるフラグメントは合理的に誘導されなければ ならない-同一スコアを少しだけ改良するためには小さなギャップは導入されな くてもよい。 ポリヌクレオチド配列が基本的に同一であるかどうかの決定において、それが 比較されるポリヌクレオチドの機能性を保存する配列が特に好ましい。機能性は 、例えば、標的ポリヌクレオチドとハイブリダイズする能力、およびポリヌクレ オチドが同一のまたは基本的に同一のポリペプチドをコードするか否かといった 、異なった基準により確立され得る。従って、コードされたポリペプチド中に非 保存的置換を起こすヌクレオチド置換が、終止コドンを生じるヌクレオチド置換 に比べて好ましく;コードされたポリペプチド中に保存的置換を起こすヌクレオ チド置換がより好ましく、そして同一のヌクレオチド配列がよりさらに好ましい 。ポリペプチド中に挿入または欠失を生じるポリヌクレオチド中の挿入または欠 失は、フェーズを外れる下流コード領域を生じる挿入または欠失よりも好ましい 。ハイブリダイゼーション性質の相対的な重要性、およびポリヌクレオチドによ りコードされるポリペプチドは、本発明の適用に依存する。 「試薬」ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または抗体は、反応のために提供 された物質であり、この物質は反応のためにいくつかの既知であり、かつ望まし いパラメーターを有する。反応混合物はまた、試薬が反応可能な「標的」(例え ばポリヌクレオチド、抗体、またはポリペプチド)を含み得る。例えば、いくつ かの診断試験のタイプでは、サンプル中の標的の量は、試薬を添加し、試薬およ び標的を反応させ、そして反応生成物の量を測定することにより決定される。臨 床管理の背景では、「標的」はまた、投与される物質(例えば薬学的化合物)の 対象である細胞、細胞集団、組織、または器官であり得る。 「cDNA」または「相補的DNA」は、一本の鎖がメッセンジャーRNAに相補的であ る、一本鎖または二本鎖DNAポリヌクレオチドである。「全長cDNA」は、メッセ ンジャーRNA分子全体に相補的である鎖で構成されるcDNAである。本明細書中で 使用される「cDNAフラグメント」は、一般に全長形態のサブ領域を表すが、完全 な全長cDNAもまた含まれ得る。明確に特定しなければ、用語cDNAは、全長形態お よびフラグメント形態の両方を含む。 異なったポリヌクレオチドは、一方が最終的に他方から導かれる場合、互いに 「対応する」といわれる。例えば、メッセンジャーRNAは、それが転写される遺 伝子に対応する。cDNAは、例えば逆転写反応により、またはRNA配列の知識に基 づくDNAの化学合成により生成されたRNAに対応する。cDNAはまた、RNAをコード する遺伝子に対応する。ポリヌクレオチドは、対のうち一方が他方の一部のみか ら導かれる場合でさえ、対応するといわれ得る。 「プローブ」は、ポリヌクレオチド操作の背景で使用する場合、標的とハイブ リダイズさせることにより目的のサンプル中に潜在的に存在する標的を検出する ための試薬として提供されるポリヌクレオチドをいう。通常、プローブは、標識 、または標識がハイブリダイゼーション反応の前または後のいずれかで結合し得 る手段を含む。適切な標識は、放射性同位体、蛍光色素、化学発光化合物、色素 、および酵素を含むが、これらに限定されない。 「プライマー」は、標的とハイブリダイズさせ、そしてその後標的と相補的な ポリヌクレオチドの重合を促進することにより、目的のサンプル中に潜在的に存 在する標的に結合する、一般的に遊離3'-OH基を有する短いポリヌクレオチドで ある。「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、複製コピーが、1つ以上のプ ライマーならびに重合の触媒(例えば逆転写酵素、またはDNAポリメラーゼ、特 に熱安定性ポリメラーゼ酵素)を使用して、標的ポリヌクレオチドから作製され る反応である。PCRの方法は、米国特許第4,683,195号(Mullis)および第4,683, 202(Mullesら)に教示されている。同じポリヌクレオチドの複製コピーを生成 する全てのプロセス(例えばPCRまたは遺伝子クローン化)はまとめて、本明細 書中では「複製」という。 「オペロン」は、タンパク質をコードする遺伝子および機能的に関連した5'お よび3'フランキング領域を含む遺伝子領域である。オペロン内のエレメントは、 プロモーター領域、エンハンサー領域、リプレッサー結合領域、転写開始部位、 リボソーム結合部位、翻訳開始部位、タンパク質コード領域、イントロン、およ びエキソン、ならびに転写および翻訳の終結部位を含むが、これらに限定されな い。「プロモーター」は、特定の条件下でRNAポリメラーゼを結合し、そしてプ ロモーターから下流(3'方向)に位置するコード領域の転写を開始させることが 可能なDNA領域である。「作動可能に連結した」は、エレメントが予想される様 式で作動し得る関係にある、遺伝子エレメントの近位をいう。例えば、プロモー ターは、プロモーターがコード配列の転写開始を助ける場合、コード領域に作動 可能に連結される。プロモーターおよびコード領域間には、この機能的関連が維 持される限り、介在残基が存在し得る。 「遺伝子重複」は、それにより特定の遺伝子またはそれらのフラグメントの増 加した数のコピーが、特定の細胞または細胞株に存在するプロセスを記載するた めに、本明細書中で使用される用語である。一般に、「遺伝子増幅」は、遺伝子 重複と同義である。 「発現」は、RNAポリヌクレオチドへの遺伝子の転写、または転写および続く ポリペプチドへの翻訳のいずれかとして、科学文献において互換的に定義されて いる。本明細書中で使用される「発現」または「遺伝子発現」は、一般に、別に 特定または要求されなければ、RNAの生成をいう。従って、「RNA過剰発現」は、 比較される細胞(例えば非ガン性細胞)のRNAに対して記載される細胞(例えば ガン性細胞)における特定の遺伝子からのRNAが、より多く(全RNAの割合として )存在することを反映する。遺伝子のタンパク質産物は、正常量または異常量で 産生されるか、またはされないとされ得る。「タンパク質過剰発現」は同様に、 例えば、ガン性細胞内に存在する、またはガン性細胞により産生された、比較的 より多いタンパク質の存在を反映する。 RNAの「量」とは、特定の細胞タイプ中に存在する特定のRNAの量をいう。従っ て、「RNA過多」または「RNAの過多」は、コントロール細胞中の全RNAにおける 割合と同一のRNAと比較して、記載される細胞タイプ中の全RNAにおいてより多い 割合で存在するRNAを記載する。多数の機構が、特定の細胞タイプにおけるRNA過 多に寄与し得る:例えば、遺伝子重複、遺伝子の転写のレベルの増加、RNAの産 生された後の細胞内での持続性の増加、またはこれらの任意の組み合わせ。同様 に、「低量」または「過小」は、コントロール細胞と比較して、記載される細胞 中でより低い割合で存在するRNAをいう。 用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、任意の長さの アミノ酸のポリマーをいうために本明細書中で互換的に使用される。ポリマーは 直鎖状であるかまたは分枝であり得、修飾されたアミノ酸を含み得、そして非ア ミノ酸により中断され得る。この用語はまた、修飾(例えば、ジスルフィド結合 形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識成分との結合 のような任意の他の操作)されたアミノ酸ポリマーも包含する。 ポリペプチドの文脈において、「直鎖状配列」または「配列」は、N末端からC 末端方向でのポリペプチド中のアミノ酸の順序である。ここで、配列中で互いに 隣接する残基は、ポリペプチドの一次構造において連続する。「部分的配列」は 、一方向または両方向においてさらなる残基を含むことが知られているポリペプ チドの部分の直鎖状配列である。 アミノ酸の直鎖状配列は、2つの配列が実質的な程度の配列同一性を有する場 合に、他方の配列と「本質的に同一」である。機能的なタンパク質がアミノ酸配 列において挿入、欠失、および置換を受け入れ得ることが理解される。従って、 アミノ酸の直鎖状配列は、いくつかの残基が正確に対応しないかまたは整列しな い場合でさえも本質的に同一であり得る。本明細書中に開示される発明に、より 密接に対応するかまたは整列する配列が、より好ましい。いくつかのアミノ酸置 換は、より容易に許容されることもまた理解される。例えば、疎水性側鎖、芳香 族側鎖、極性側鎖、正もしくは負の電荷を有する側鎖、または2つ以下の炭素原 子を含む側鎖を有するアミノ酸の、同様の特性の側鎖を有する別のアミノ酸での 置換は、2つの配列の本質的同一性を妨害することなく生じ得る。相同領域を決 定しそして相同性の程度を記録するための方法は、当該分野で周知である;例え ば、Altschulら、およびHenikoffらを参照のこと。十分に許容された配列の差異 は、「保存的置換」といわれる。従って、保存的置換を有する配列は、同じ位置 における他の置換を有する配列よりも好ましい;同じ位置に同一の残基を有する 配列は、さらにより好ましい。一般的に、本質的に同一であるアミノ酸配列は、 相同領域の整列化の後に、少なくとも約15%同一であり、そして同一であるか保 存的置換かのいずれかであるさらなる少なくとも約15%を含む。より好ましくは 、本質的に同一である配列は、少なくとも約50%の同一残基または保存的置換を 含み;より好ましくは、これらは少なくとも約70%の同一残基または保存的置換 を含み;より好ましくは、これらは少なくとも約80%の同一残基または保存的置 換を含み;より好ましくは、これらは少なくとも約90%の同一残基または保存的 置換を含み;より好ましくは、これらは少なくとも約95%の同一残基または保存 的置換を含み;さらにより好ましくは、これらは約100%の同一残基を含む。 ポリペプチド配列が本質的に同一であるかの決定においては、比較されるポリ ペプチドの機能性を保存する配列が特に好ましい。機能性は、種々のパラメータ (例えば、酵素活性、レセプター-リガンド相互作用における結合速度または親 和性、抗体との結合親和性、およびX線結晶学的構造)により確証され得る。 「抗体」(複数形で互換的に使用される)は、免疫グロブリン分子の可変領域 に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して標的(例えば、ポリペプチド )に特異的に結合し得る免疫グロブリン分子である。本明細書中で使用される用 語は、インタクトな抗体だけでなくそのフラグメント、その変異体、融合タンパ ク質、ヒト化抗体、および必要とされる特異性の抗原認識部位を含む任意の他の 修飾された形態の免疫グロブリン分子も包含する。 用語「抗原」は、その抗原認識部位を介して抗体により特異的に結合される標 的分子をいう。抗原は、抗体の産生を刺激する免疫原と化学的に関連するかもし れないが、その必要はない。抗原は多価であり得るか、または一価のハプテンで あり得る。抗体により認識され得る抗原の種類の例としては、ポリペプチド、ポ リヌクレオチド、他の抗体分子、オリゴ糖、複合脂質、薬物、および化学物質が 挙げられる。「免疫原」は、適切な宿主(通常は、哺乳動物)に注入された場合 に、抗体の産生を刺激し得る抗原である。化合物は、当該分野で公知の多くの技 術(結合価を増加させるためのキャリアとの架橋または結合、免疫応答を増加さ せるためのマイトジェンとの混合、および提示を増強するためのアジュバントと の組み合わせを含む)により免疫原性を与えられ得る。 「活性ワクチン」は、特異的免疫応答を惹起する意図をもって使用される、ヒ トまたは動物使用のための薬学的調製物である。免疫応答は、体液性または細胞 性(全身性または分泌性)のいずれかであり得る。実験的目的、特定の症状の処 置、特定の物質の除去、または特定の症状もしくは物質に対する予防のための免 疫応答が所望され得る。 「単離された」ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、または 他の物質は、少なくともいくつかの他の成分(これらはまた、この物質または類 似の物質が天然に存在するかまたは最初に得られた場所に存在し得る)を欠く、 物質の調製物をいう。従って、例えば、単離された物質は、供給源混合物からそ れを富化するための精製技術を使用することによって調製され得る。富化は、絶 対的基準(例えば、溶液の容量あたりの重量)により測定され得るか、または供 給源混合物中に存在する二次的で潜在的な妨害物質に関連して測定され得る。本 発明の実施態様の富化を増加させることは、ますますより好ましい。従って、例 えば、2倍の富化が好ましく、10倍の富化がより好ましく、100倍の富化がより 好ましく、1000倍の富化がさらにより好ましい。物質はまた、人工的なアセンブ リのプロセスにより(例えば、化学合成または組換え発現により)、単離された 状態で提供され得る。 反応において使用されるポリヌクレオチド(例えば、ハイブリダイゼーション 反応において使用されるプローブ、PCRにおいて使用されるプライマー、または 薬学的調製物において存在するポリヌクレオチド)は、それが代替の物質よりも より頻繁に、より迅速に、またはより大きな持続時間で、意図された標的とハイ ブリダイズしするかまたは反応する場合、「特異的」または「選択的」といわれ る。同様に、抗体は、それが代替の物質よりもより頻繁に、より迅速に、または より大きな持続時間で、意図された標的と少なくとも1つの抗原認識部位を介し て結合する場合、「特異的」または「選択的」といわれる。ポリヌクレオチドま たは抗体は、それが代替の基質間での反応よりもより高い程度でまたはより大き な持続時間で特定の基質間での反応を阻害するかまたは妨害する場合、反応を「 選択的に阻害する」または「選択的に妨害する」といわれる。抗体は、それが他 の細胞タイプと比較してより頻繁にまたはより大きな持続時間で特定の細胞タイ プ付近に物質を運搬するかまたは保持する場合、物質を「特異的に送達」し得 る。 薬学的調製物の「エフェクター成分」は、細胞を保有する被験体に投与された 場合に、望ましい方法で機能を改変することにより標的細胞を修飾する成分であ る。いくつかの進歩した薬学的調製物はまた、標的部位へのエフェクター成分の より効果的な送達を促進する「標的化成分」(例えば、抗体)を有する。所望の 作用に依存して、エフェクター成分は、多数の作用様式のいずれか1つを有し得 る。例えば、これは、細胞の正常機能を回復するかもしくは増強し得、細胞の異 常機能を排除するかもしくは抑制し得、または細胞の表現型を改変し得る。ある いは、これは病理学的な特徴を有する細胞(例えば、ガン細胞)を殺傷するかま たは休止状態にし得る。エフェクター成分の例は、後の部分で提供される。 「薬学的候補物」または「薬物候補物」は、治療的可能性を有すると考えられ る化合物であり、これは効力について試験される。薬学的候補物の「スクリーニ ング」とは、候補物の効力および/または特異性を評価し得るアッセイを実施す ることをいう。この文脈において、「効力」は、候補物の、それが有利な方法で 投与された細胞または生物に影響を与える(effect)能力をいう:例えば、ガン性 細胞の病理の制限。 「細胞株」または「細胞培養物」は、インビトロでより高度に増殖されたかま たは維持された真核生物細胞を示す。細胞の子孫は、親細胞と完全に同一(形態 学的、遺伝子型的、または表現型的のいずれかで)でないかもしれないことが理 解される。「非培養」と記載される細胞は、生存生物から直接的に得られ、そし て生物とは別に所定の時間(細胞が実質的な重複を起こすのに十分に長くないか 、またはその条件下ではない)維持されている。 「遺伝的改変」とは、遺伝的エレメントが有糸分裂または減数分裂以外によっ て細胞に導入されるプロセスをいう。エレメントは、細胞に対して異種であり得 るか、または細胞中に既に存在するエレメントのさらなるコピーもしくは改良さ れたバージョンであり得る。遺伝的改変は、例えば、当該分野で公知の任意のプ ロセス(例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、またはポリ ヌクレオチド-リポソーム複合体との接触)を介して組換えプラスミドまたは他 のポリヌクレオチドを用いて細胞をトランスフェクトすることにより、あるいは DNAウイルスもしくはRNAウイルスまたはウイルスベクターを用いる形質導入また は感染により、もたらされ得る。改変は、改変された細胞の子孫により遺伝され ることが好ましいが、必ずしもそのように限られない。 「宿主細胞」は、異種ポリヌクレオチドの投与により、遺伝的に改変されてい るか、または遺伝的に改変され得る細胞である。 単数形または複数形のいずれかで使用される用語「ガン性細胞」または「ガン 細胞」とは、悪性転換(宿主生物体に対して病的(pathologlcal)となる)を起こ した細胞をいう。悪性転換は、細胞の遺伝的構成および/または発現プロフィー ルにおける改変を部分的に含む、単一または複数のプロセスである。悪性転換は 、自然発生的に、または事象もしくは事象の組み合わせ(例えば、薬物もしくは 化学的処置、放射線、他の細胞との融合、ウイルス感染、または特定の遺伝子の 活性化もしくは不活性化)のいずれかで生じ得る。悪性転換は、インビボまたは インビトロで生じ得、そして必要であれば実験的に誘導され得る。 ガン細胞の頻出の特徴は、宿主により制御不可能である様式において増殖する 傾向であるが、特定のガン細胞に関連する病理は、後で概要を述べるような別の 形態をとり得る。原発性ガン細胞(すなわち、悪性転換の部位の近辺から得られ た細胞)は、十分に確立された技術(特に、組織学的試験)により非ガン性細胞 から容易に区別され得る。本明細書中で使用するガン細胞の定義は、原発性ガン 細胞だけでなくガン細胞祖先に由来する任意の細胞も含む。これは、転移したガ ン細胞、ならびにガン細胞に由来するインビトロ培養物および細胞株を含む。 宿主内においてガン細胞により引き起こされる「病理」は、宿主の健康なまた は正常な生理状態を損なう任意のものである。これは、細胞の異常なもしくは制 御不可能な増殖、転移、不適切なレベルでのサイトカインもしくは他の分泌産物 の放出、その生理学的環境に不適切な機能の徴候、隣接細胞の正常機能への干渉 、炎症もしくは免疫応答の悪化もしくは抑制、または所望でない化学物質もしく は侵襲性生物の保有(harboring)を含み得るが、これらに限定されない。 個体または細胞の「処置」は、個体または細胞の正常な過程を改変しようとす る、任意の型の介入である。例えば、個体の処置は、個体中に保有されるガン細 胞により引き起こされる病理を減少させるかまたは制限するために行われ得る。 処置は、組成物(例えば、薬学的組成物)の投与を含むがこれに限定されず、そ して予防的に、または病理的事象の開始後もしくは病因物質との接触後の、いず れかで実施され得る。処置における有効量は、所望の効果を生成するに十分な量 であり、そして単一または分割用量で与えられ得る。 「コントロール細胞」は、比較目的のための実験において使用される、細胞の 代替的供給源または代替的細胞株である。実験の目的が遺伝子コピー数または発 現レベルについてのベースラインを確立することである場合、ガン細胞ではない コントロール細胞を使用することが一般的に好ましい。 本明細書中で使用する用語「ガン遺伝子」とは、非ガン性細胞と比較して、ガ ン性細胞において実質的に改変されたレベルまたは実質的に改変された形態の転 写産物または翻訳産物を生じ、そして細胞の悪性を支持する役割を果たし得る任 意の遺伝子をいう。これは、活性化された通常は静止状態の遺伝子(例えば、優 性のプロトオンコジーン)であり得、異常に高いレベルで発現される遺伝子(例 えば、増殖因子レセプター)であり得、改変体表現型を生成するように変異され た遺伝子であり得、または異常に低いレベルで発現される遺伝子(例えば、腫瘍 サプレッサー遺伝子)であり得る。本発明は、これらの全てのカテゴリーにおけ る遺伝子の発見を指向する。 「臨床的サンプル」は被験体から得られ、そしてインビトロでの手順(例えば 、診断的試験)において有用である種々のサンプル型を包含することが理解され る。この定義は、外科的切除、病理検体、または生検検体として得られた固形組 織サンプル、それらおよびその子孫に由来する組織培養物または細胞、ならびに 任意のこれらの供給源から調製された切片または塗抹標本を包含する。非限定的 な例は、乳房組織、リンパ節、および腫瘍から得られたサンプルである。この定 義はまた、血液、髄液、および生物学的起源の他の液体サンプルを包含し、そし てこれらの中に懸濁された細胞もしくは細胞フラグメントのいずれか、または液 体培地およびその溶質をいい得る。 用語「相対量」は、試験測定とコントロール測定との間での比較がなされる場 合に使用される。従って、反応における複合体を形成する試薬の相対量は、コン トロール検体と反応する量と比較しての、試験検体と反応する量である。コント ロール検体は、同一のアッセイにおいて別々に使用される(run)か、またはこれ は同一サンプルの一部(例えば、組織切片中の悪性領域を取り囲む正常組織)で あり得る。 「ディファレンシャル」な結果は、一般に、2つの異なるアッセイサンプル( 例えば、ガン性細胞株とコントロール細胞株)の所見の間での比較がなされるア ッセイから得られる。従って、例えば、「ディファレンシャルな発現」は、特定 の遺伝子の発現レベルが一方の細胞において別の細胞よりも高い場合に観察され る。「ディファレンシャルディスプレイ」とは、異なる細胞間での成分のレベル において差異が存在するかを決定するための、異なる細胞由来の成分(特に、RN A)の提示(display)をいう。RNAのディファレンシャルディスプレイは、例え ば、選択的産生およびそれに対応するcDNAの提示により実施される。ディファレ ンシャルディスプレイを実施するための方法は、後の部分で提供される。 CH1-9a11-2、CH8-2a13-1,CH13-2a12-1,またはCH14-2a16-1に由来するかまた はこれらに対応するポリヌクレオチドは、以下のいずれかである:それぞれのcD NAフラグメント、対応するメッセンジャーRNA(スプライス改変体およびそれら のフラグメントを含む)、対応する全長cDNAおよびそれらのフラグメントの両方 の鎖、ならびに対応する遺伝子。任意のこれらの形態の、単離された対立遺伝子 改変体が含まれる。本発明は、単離された形態においてCH1-9a11-2、CH8-2a13-1 、CH13-2a12-1、またはCH14-2a16-1に対応する任意のポリヌクレオチドを包含す る。これはまた、細胞株にクローニングまたはトランスフェクトされた任意のこ のようなポリヌクレオチドを包含する。 本発明の遺伝子スクリーニング方法(例えば、最後の段落において概説される 方法)に関連して使用される場合、「ディスプレイcDNA」は、RNA(mRNAに限定 されない)のDNAコピーを定量的なまたは相対的に定量的な様式において検出可 能にする(第2のサンプルと比較して第1のサンプル中で相対的に大きな量で存 在するDNAコピーは、コピー数の差異に起因して、第2のサンプルと比較して相 対的により強いかまたはより弱いシグナルを生成するので)任意の技術である。 調製物(特に、限定はされないが異なるサイズのcDNA)における異なるcDNAの別 々の提示は、異なるサンプルの間での特定のcDNAのレベルの比較を可能にする。 提示の好ましい方法は、ディファレンシャルディスプレイ法であり、そして本明 細書の開示および他で記載されるそれらの増強である。 用語「消化された」DNAは、任意の適切な化学的または酵素的手段によって、 標準的な技術(特に、ゲル電気泳動)により都合良く分離可能なフラグメントに フラグメント化されるDNA(特に、染色体DNA)を包含する。特定のヌクレオチド 配列に特異的である制限エンドヌクレアーゼを用いる消化が好ましい。 本明細書中の文脈における「ハイブリダイズする」とは、第1のポリヌクレオ チドの1つの鎖が第2のポリヌクレオチド状の配列に対して十分な配列の相補性 を有する場合に、複数鎖化した(multi-stranded)ポリヌクレオチド二重鎖の形成 を常に可能にする条件下で、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチド とを接触させる工程をいう。例えば、1つのDNA分子が別のDNA分子を検出するた めの標識プローブとして使用された場合、二重鎖は長命であり得、それは必要に 応じてニトロセルロースフィルターに結合され得るかまたは分離ゲル中に存在し 得る。例えば、1つのDNA分子が他のDNA分子の増幅反応をプライムするために使 用され、そして増幅された産物がその後検出される場合、二重鎖はまた短命であ り得る。当業者は、配列特異性が反応において決定要因を維持する限り、必要な 相補性の程度を改変するように反応の条件を改変し得る。 明白に示されるかさもなくば使用される技術によって必要とされない限り、本 発明の方法の工程は、任意の順番において実施され得るか、または所望されかつ 適切な場合には組み合わせられ得る。1つの実施例である、上記されるa)からh) までの工程を含む方法において、最終的に選択されたcDNAが工程d)および工程h) 両方の基準を満たす限り、方法の工程a)からc)を、方法の工程e)からg)の前後い ずれかにおいて実施することは全く適切である。別の実施態様において、たとえ 別々に概説されたとしても、消化された異なるDNA調製物に対するスクリーニン グは必要に応じて同時に行われ得る。この種の全ての順列は、本発明の範囲内で ある。 一般的方法 本発明の実施は、他で示されない限り、当該分野の技術内である分子生物学、 微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来の技術を利用する。このような技術 は、文献中に十分に説明される。例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第2版(Sambrook,FritschおよびManiatis,1989)、「Oligonucleo tide Synthesis」(M.J.Gait編,1984)、「Animal Cell Culture」(R.I.Fres hney編,1987);シリーズ「Methods in Enzymology」(Academic Press,Inc. );「Handbook of Experimental Immunology」(D.M.Weir & C.C.Blackwell 編)、「Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells」(J.M.Miller & M.P. Calos編,1987)、「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausube lら編,1987);および「Current Protocols in Immunology」(J.E.Coliganら 編,1991)を参照のこと。本明細書中で述べられる(前述および後述の両方)全 ての特許、特許出願、論文、および刊行物は、本明細書中で参考として援用され る。 ガン遺伝子スクリーニング方法の特徴 本発明のガン遺伝子スクリーニング方法は、ガンに関連する新規な遺伝子を発 見することに指向され得る。本発明の方法により同定されたガン関連遺伝子の標 本を、以下に記載する。標本は乳ガン細胞株および組織を使用して同定されたが 、ストラテジーは目的の任意の細胞タイプに適用され得る。 本発明のガン遺伝子スクリーニング方法の中心的な特徴は、同一遺伝子に関連 するDNA重複およびRNA過多の両方を探索することである。この特徴は、新規であ りそして潜在的に重要であるガン遺伝子の発見において特に強力である。アンプ リコンはしばしばガン内に発生するが、現在利用可能な技術は、関連する特定の 遺伝子ではなく重複事象に関連する広範な染色体領域を示すのみである。本発明 は、アンプリコン内に存在し得る遺伝子を機能的な基準から検出する方法を提供 する。本方法の初期の部分はRNAを検出する工程を含むので、本方法は、アンプ リコン内で重複され得るがガン細胞内で静止状態であり得る(従って、見当違い な)遺伝子を回避する。さらに、これは、アンプリコンを記載するために使用さ れる技術により検出可能となるには小さすぎる染色体の重複された領域から活性 遺伝子を補充する。 本アプローチの核心付近には、いくつかの概念がある。1つは、悪性プロセス にポジティブに関連する産物をコードする遺伝子が、悪性転換の一部として増強 された遺伝子発現を達成することである。本明細書中の文脈において、「遺伝子 発現」とは、RNA転写レベルでの発現をいう。最も代表的には、RNAは、悪性転換 後に上昇する特定の酵素的、結合、または調節作用を有するタンパク質に、順番 に翻訳される。あまり一般的でない例において、RNAは、リボザイム、アンチセ ンスポリヌクレオチド、または悪性腫瘍の間に機能的な他の核酸分子をコードす るかまたはこれらに関連する。第3の例において、RNA発現は、形質転換におい て付随して起こるものであるが、重要な事象の徴候ではない。 別の概念は、過多発現(悪性転換の中心である場合)が異なる機構により異な る腫瘍において達成され得ること、および少なくとも1つのこのような起こり得 る機構が遺伝子重複であることである。従って、形質転換された細胞の相当な割 合が、過多発現された遺伝子をその範囲内に含むアンプリコンまたは染色体の重 複された領域を有する。他の形質転換された細胞は、例えば、遺伝子の転写速度 を上昇させることにより(例えば、プロモーター領域のアップレギュレーション により)、転写物の促進もしくは輸送を増強させることにより、またはmRNAの生 存を上昇させることにより、遺伝子重複を伴うことなくRNA過多を達成し得る。 従って、本方法は、RNAレベル、いくつかのガン細胞株または腫瘍、およびい くつかの正常細胞株または組織サンプルを同時にスクリーニングする工程を伴う 。正常細胞と比較して、ガン細胞の間で一貫した上昇を示すRNAが選択される。 さらなるストラテジーは、本方法の成功率を改善するために、RNAスクリーニン グと組み合わせて使用され得る。1つのこのようなストラテジーは、特定の染色 体の同一の領域において重複された遺伝子を有することが全てについて周知であ るいくつかのガン細胞株を使用することである。従って、スクリーニングにより 出現するRNAは計画的な過多発現事象をより表すようであり、そして過多発現さ れた遺伝子は重複された領域内にあるようである。補足的なストラテジーは、ベ ースライン発現のためのコントロールとして、細胞株よりもむしろ新鮮に調製さ れた組織サンプルを使用することである。これは、まさに組織培養の結果として それらの発現レベルを改変し得る遺伝子の選択を回避する。別の補足的なストラ テ ジーは、共有され過多発現されたRNAの同定に続いて、さらなるレベルのスクリ ーニングを実施することである。選択されたRNAは、適切なガン細胞および正常 細胞からDNAをスクリーニングするため、細胞の少なくとも一定の割合が遺伝子 重複により過多発現を達成することを確証するために使用される。 このような遺伝子を検出するためのストラテジーは、以前の研究において使用 されてきたものを超える多くの革新を含む。 本方法の第一の部分は、ガン細胞内で過多である特定のRNAについての探索に 基づく。本方法の第一の革新は、コントロール細胞と所望のタイプのいくつかの 異なるガン細胞またはガン細胞株との間のRNA量を比較することである。いくつ かの異なるガン株においてより大量に出現するがコントロール細胞においては出 現しないcDNAフラグメントは、2次的かまたは同時発生的な活性化を起こす遺伝 子よりもむしろ疾患の進行において重要である遺伝子をより反映するようである 。共通の重複された染色体領域を共有することが公知であるガン細胞を使用する ことがより好ましい。 本方法の第二の革新は、細胞株または培養物由来ではなく非悪性起源の新鮮な 組織サンプル由来のRNAをコントロールとして供給することである。このことに ついて2つの理由が存在する。第一に、組織は、培養物においてより顕著になり 得る個体の差異よりむしろ、正常細胞表現型に典型的である発現のスペクトルを 提供する。これは、正常発現レベルのためのより信頼できるベースラインを確立 する。より重要なことには、組織は、インビトロ培養が特定の表現型を改変する かまたは選択し得るという影響を有さない。例えば、プロトオンコジーンまたは 増殖因子は、培養物においてアップレギュレートされ得る。培養された細胞がデ ィファレンシャルディスプレイのためにコントロールとして使用される場合、こ れらのアップレギュレートされた遺伝子は見逃される。 本方法の第三の革新は、遺伝子重複によって相当な割合のガン細胞においてRN A過多を達成する遺伝子に対応するcDNAの二次選択(subselection)を行うことで ある。このことを達成するために、前述の工程において同定された過多RNAに対 応する適切なcDNAが、異なるガン細胞のパネル由来および正常ゲノムDNA由来の 細胞DNAの消化物をプローブするために使用される。パネルの一定の割合におい てより高いコピー数の証拠を示すcDNAが、さらなる特徴付けのために選択される 。この工程のさらなる利点は、ミトコンドリア遺伝子に対応するcDNAが、プロー ブを試験するためのさらなるサンプルとしてミトコンドリアDNA消化物を含める ことにより、迅速にスクリーニング除去され得る(screen away)ことである。こ れは、大部分の偽ポジティブcDNAを排除し、そうでなければこれらは同定された cDNAの大部分を構成する。 従って、異常なレベルで存在する産物を生じる遺伝子の同定は、以下の工程か ら構成される方法により達成される。 ガン細胞において過多である特定のRNAを同定するために、RNAは、標準的な技 術によってガン細胞およびコントロール細胞の両方から調製される。ガン関連遺 伝子は、多数の機構のいずれか1つによって細胞代謝に影響し得る。例えば、そ れらは、リボザイム、アンチセンスポリヌクレオチド、DNA結合ポリヌクレオチ ド、改変リボソームRNAなどをコードし得る。本発明の遺伝子スクリーニング法 は、mRNAに厳密に限定しない全RNAレベルでのRNA豊富レベルの比較を使用し得る 。しかし、ガン関連遺伝子のほとんど大多数は、そのアップレギュレーションが 代謝プロセスに密接にリンクされているタンパク質遺伝子をコードすることが予 期される。例えば、本出願の他の場所に記載される4つの例示的な乳ガン遺伝子 は全て、オープンリーディングフレームを含む。従って、mRNAにおけるフォーカ スは、候補ガン関連遺伝子に関する選択可能なプールを富化する。mRNAに向かう フォーカスは、本方法の任意の工程で行われ得る。mRNAからのみコピーされたcD NAを表示する提示法を使用することが特に好都合である。この場合、全てのRNA が、mRNAを分離することなくガンおよびコントロール細胞集団から調製され、そ して分析され得る。 RNA供給源として用いられるガン細胞という点から、染色体の同一領域中に重 複された遺伝子または染色体セグメントを含有することが知られている多数のガ ン細胞を使用することが特に有利である。スクリーニングにおいて用いられる全 てのガン細胞の間で共有される重複されたセグメントの少なくともいくつかの部 分が存在する限りは、重複されたセグメントは、全ての細胞において同一サイズ である必要はなく、重複物の数が同じである必要もない。従って、共有される重 複された領域を同定するのに十分に特徴づけられている、最小の2つ、そして好 ましくは3つのガン細胞が用いられ、そしてスクリーニング試験のために用いら れ得る。対照的に、コントロール細胞集団は、染色体の重複を含まない。 ガン細胞の悪性度に関連する重複を仮定すると、その重複された領域から転写 されたRNAは、コントロール細胞のそれと比較して過多であることが予測される 。従って、非常に効果的であるストラテジーは、ガン細胞集団の全て(または少 なくともいくつか)に存在するが、コントロール集団に存在しない過多なRNAを 同定することである。重複された染色体の領域を共有するガン細胞を用いること によって、RNA比較は、共有される重複された領域から転写されるRNAの過多に有 利に強固に偏る。共有される領域は、至適には、単一の染色体の小さなセグメン トのみであるので、1つのガン細胞または別のもののゲノムの他の場所から生じ る発現差異は選択されない。本発明者らは、このことが:a)細胞間の正常な代 謝の変化から生じるRNA豊富さの差異;および/またはb)ガン細胞悪性度に関す るが、悪性トランスフォーメーションに二次的に生じるRNA豊富さの差異を排除 するのに非常に効果的であることを見出した。このことは重要である。なぜなら 、それは、潜在的なガン遺伝子(すなわち、このような技術が産生する厄介な数 の偽陽性)のスクリーニングのためのRNA比較法(特に、ディファレンシャルデ ィスプレイ)の使用における主要な欠乏をかなり最小化するからである。 ガン細胞における共有される重複された領域は、関連する分析技術によって、 または既に行われ、そして刊行されているこのような分析に関する参考文献によ って同定され得る。重複されたセグメントのおおよそのサブ染色体位置をマッピ ングすることにおいて非常に効果的である1つのアプローチは、比較ゲノムハイ ブリダイゼーション(CGH)である。この技術は、被検体細胞由来のDNAを抽出し 、増幅し、そして標識する工程;反復の配列を除去するために処理した参考の中 期染色体にハイブリダイズさせる工程;および染色体上のハイブリダイズしたDN Aの位置を観察する工程を含む(WO 93/1118186; Grayら)。所定の位置のシグナ ル強度が増大するにつれ、被検体細胞の配列のコピー数が増大する。従って、増 大した染色を示す領域は、ガン細胞において重複された遺伝子に対応し、一方、 減少した染色を示す領域は、ガン細胞において欠失された遺伝子に対応する。当 業者が十分に気づいている関連した技術は、反復配列染色体特異的核酸プローブ を調製し、そして使用するための方法(米国特許第5,427,932号;Weierら)、反 復DNAセグメントに相補的であるブロッキングフラグメントと組み合わせて、標 識された核酸フラグメントを用いて標的染色体DNAを染色するための方法(米国 特許第5,447,841号;Grayら)、および標識されたポリヌクレオチドプローブの マッピングされたライブラリーを用いて、増幅または欠失された染色体の領域を 検出するための方法(米国特許第5,472,842号;Stokkeら)である。所望であれば 、複数の蛍光色素が、CGHおよび関連する技術とともに標識薬剤として用いられ 得、欠失された、正常の、および重複された染色体異常の3色可視化を提供する (Lucasら)。 特定の染色体のマッピングアプローチの選択は、特に、重複された領域の知識 が一旦知られれば無関係である。本発明の過程の間にRNA比較において用いられ るべき細胞株について、染色体重複の位置が既に確立されている場合、新規のマ ッピング技術を行う必要はない。例えば、マッピングデータが公のドメインにお いて既に利用可能である確立されたガン細胞株が存在する。本出願の参考文献セ クションに提供されるものは、特定のガン細胞における重複された領域の位置が 記載されている40以上の文献のリストである。本発明の状況において、多数のガ ン細胞が、このようなデータに基づくスクリーニングパネルについて選択される 。その結果、それらは重複された染色体の領域を共有する。疑わしい重複の染色 体位置は、所望である場合には、位置に特異的なプローブを用いるハイブリダイ ゼーション分析によって確認され得る。 RNA比較に用いられるガン細胞はまた、一般に(必ずではないが)、同じタイ プのガンまたは同一組織に由来する。同じタイプのガン由来の細胞を用いること は、最終的に同定された遺伝子が、ガンのそのタイプに共通であり、そしてタイ プ特異的診断マーカーとして適切である可能性を増大させる。異なるタイプのガ ン由来の細胞を用いることは、事実上、あまり組織特異的ではなく、かつ一般に 悪性プロセスにより関連するガン関連遺伝子の検索に効果がある。両方の型の遺 伝子は、診断および治療の両方の目的を有する。実施例1で強調される1つの例 示において、RNAは、3つの乳ガン細胞株BT474,SKBR3、およびMCF7からスクリ ーニングされ、これらは、第1、8、14、17、および20染色体において重複され た遺伝子領域を共有することが、CGHまたはサザン分析によって決定された。こ れらの細胞由来のRNAが表示される場合、多数のRNAが、コントロールではなく、 ガン細胞において過多であることが見出された(図1)。3つのガン細胞株全て における3つのRNAの過多は、表1に列挙される第1、8、および14染色体に位 置されるガン関連遺伝子に対応する。第13染色体の遺伝子(CH13-2a12-1)は、 3つの細胞株の内の2つ(すなわち、BT474およびSKBR3)において過剰発現され た。サザン分析は、引き続いて、第13染色体の遺伝子が同一の2つの細胞株にお いて重複されたことを確立した(実施例6、表5)。 コントロール細胞のRNAの供給源(単数または複数)の選択はまた、いくつか の工夫の事項である。コントロールRNAは、非悪性細胞のインビトロ培養物、ま たは非悪性供給源に由来する確立された細胞株に由来し得る。しかし、コントロ ールRNAについては、ガン細胞と同一のタイプの正常なヒト組織から直接入手す ることが好ましい。このことは、ほとんどの正常な細胞は無限には増殖しないか らである;従って、細胞から細胞株への適応は、トランスフォーメーションの程 度を含む。次いで、トランスフォーメーション事象は、少なくともRNAの豊富さ のレベルで、特定のガン細胞のそれと共有され得る。従って、ガン細胞といわゆ るコントロール細胞株とのRNAレベルの比較は、当業者に、悪性度に関連する遺 伝子を見失わせることを導き得る。便宜のために、コントロール細胞は、実験の 前の短い期間の間の培養において維持され得、そしてさらに刺激され得る;しか し、細胞分裂の複数の回は、可能であれば避けられるべきである。コントロール としての刺激および非刺激細胞の両方の使用は、細胞周期の種々の代謝事象内で の正常な範囲の豊富さに対応するRNAパターンを提供することを補助し得る。実 施例1で強調される1つの例示において、RNAは、増殖および非増殖細胞の両方 を用いてスクリーニングされた。記載されるように、乳ガンRNAのスクリーニン グは、コントロールRNAの供給源として非培養正常哺乳動物上皮細胞(「オルガ ノイド」と呼ばれる)を用いて好適に行われる。これらの細胞は、健康な乳房組 織から切除された外科的サンプルから入手し得る。 RNAは、断片化を最小化するような方法で、比較実験において使用されるまで 保存される。確認実験を容易にするために、再現性特徴を有するRNAを使用する ことが有用である。この理由のために、安定なガン細胞および/または容易な組 織供給源から得られるRNAを使用することが好都合であるが、再現性はまた、十 分なRNAを調製することによって提供され得、その結果アリコート中で保存され 得る。 ガン細胞におけるRNAの相対的な過多を、コントロール細胞と比較して表示す るために、多くの標準的な技術が適切である。これらは、任意の形態のサブトラ クティブハイブリダイゼーションまたは比較分析を含む。2つよりも多いRNA供 給源が一度に比較される技術(例えば、種々のタイプの随意にプライムされるPC Rフィンガープリント技術(Welshら、Yoshikawaら))が好ましい。ディファレン シャルmRNAディスプレイ法およびそれの改変法が特に好ましく、ここでサンプル は、個々のゲルの隣接するレーンにおいて実行される。これらの技術は、mRNAの ポリAテール特徴に特異的であるプライマーを用いることによってmRNAに焦点を 合わせられる(Liangら、1992a;米国特許第5,262,311号)。 数千の遺伝子が、任意のある時点に高等生物の細胞において発現されるので、 一度にRNAのサブセットのみを調査することによって提示の読み易さを改善する ことが好ましい。これを達成する方法は当該分野で公知である。好ましい方法は 、RNAのサブセットについてPCR重複を開始する選択的なプライマーを用いること による。従って、RNAは、最初に標準的な技術によって逆転写される。短いプラ イマーが、選択のために用いられ、一連の同様のアッセイに用いられる別のプラ イマーがmRNAの包括的な調査を完了し得るように選択される。 好ましい実施例において、プライマーは、オリゴ-dT配列およびそれに続く2 つの他のヌクレオチドを有するmRNAの3'領域に用いられ得る(TiNM、ここでi≒1 1、N∈{A,C,G}、およびM∈{A,C,G,T})。従って、12の可能なプライマーが、調 査を完了するために必要とされる。次いで、最小の長さのランダムまたは任意の プライマーが、mRNAの5'領域の配列に対応する方への重複に用いられ得る。ラン ダムプライマーに関する至適な長さは、約10ヌクレオチドである。PCR反応の産 物は、35Sのような放射性同位体で標識される。次いで、標識されたcDNAは、ポ リアクリルアミド配列決定用ゲル上におけるように、分子量によって分離される 。 所望であれば、ディファレンシャルディスプレイ技術における改変が使用され 得る。例えば、1塩基オリゴ-dTプライマーが用いられ得るが(Liangら、1993お よび1994)、これは一般にあまり好ましくない。なぜなら、提示パターンは対応 してより複雑になるからである。プライマーの選択は、目的の組織中のRNA種の 数に依存して数学的に至適化され得る(Bauerら)。この方法は、未変性ゲルお よび自動化DNAシーケンサーをともなう使用に適合され得る(Bauerら)。代替の 放射性同位体(Trentmannら)または蛍光色素(Sunら)は、ディファレンシャル 提示物を標識するために用いられ得る。ディファレンシャルディスプレイは、必 要に応じて、リボヌクレアーゼ保護アッセイと組み合わせられ得る(Yeatmanら )。PCRプライマーは、必要に応じて、クローニングを容易にするために、制限 部位を取り込み得る(Linskensら、Ayalaら)。複数の製造業者からのTaqポリメ ラーゼを用いることは、その他は同一の条件下での改変の量を増大させ得る(Ha agら)。ネスティッドPCRプライマーは、オリゴ-dTプライマーによって作製され るバックグラウンドを減少させるために、ディファレンシャルディスプレイにお いて用いられ得る(WO 95/33760)。ディファレンシャルディスプレイ技術の他 の改変は、当該分野で公知であり、そしてとりわけ、本開示に引用される参考文 献に記載される。このような改変の使用は、本発明の範囲内にあり、必要ではな いが、以下に記載される実施例によって証明される。 RNAの相対的な豊富さの比較に基づいて、コントロール細胞と比較して、ガン 細胞中により高度な比率のRNAとして存在する特定のRNAが選択される。ディファ レンシャルディスプレイ法を用いる場合、過多なRNAに対応するcDNAは、コント ロールレーンにおける比率の強度と比較して、近隣のcDNAバンド間でより大きな 比率の強度を有するバンドを産生する。所望のcDNAは、バンドに対応するゲル中 のスポットを切り取り、そしてそこからDNAを回収することによって、ほとんど 直接的に回収され得る。回収されたcDNAは、当該分野で公知の任意の技術または 技術の組み合わせ(PCRおよび適切なキャリアへのクローニングを含む)によっ てさらなる使用のために再び重複され得る。 随意ではあるが、非常に有利である、さらなるスクリーニング工程(代表的に は、上記のようなRNA比較に続いて行われる)は、かなりの比率のガンにおいて 重複される遺伝子を同定することを目標とする。これは、ガン細胞株のような2 以上のガン細胞から得られる染色体DNAの消化物をプローブするためにディファ レンシャルディスプレイから選択されるようなcDNAを用いることによって行われ る。遺伝子コピー数の面から生殖系列を本質的に反映する非ガン細胞由来の染色 体DNAは、コントロールとして用いられる。ヒトガン遺伝子に関する実験におけ るコントロールDNAの好ましい供給源は、胎盤のDNAであり、これは容易に入手可 能である。DNAサンプルは、染色体に沿った配列特異的部位で切断され、ほとん ど通常は、適切な制限酵素で適切なサイズのフラグメントに切断される。DNAは 、適切な培地に直接ブロットされ得るか、またはブロッティングの前のアガロー スゲル上で分離され得る。後者の方法が好ましい。なぜなら、それが、そのプロ ーブが全てのサンプルにおいて同一のフラグメントに結合するかどうかを決定す るためのハイブリダイズする染色体の制限フラグメントの比較を可能にするから である。各々のガン細胞由来のDNA消化物に結合するプローブの量は、コントロ ールDNAに結合する量と比較される。 比較は量的であるので、測定を内部的に標準化することが好ましい。1つの方 法は、同一のブロットに第2のプローブを投与し、ガン細胞において重複されな いようである第2の染色体の遺伝子についてプローブすることである。この方法 は好ましい。なぜなら、提供されるDNAの量における差異についてだけではなく 、ブロッティングの間にトランスファーされた量における差異についても標準化 するからである。これは、2つのプローブに対する別の標識を用いて、または第 2のプローブを投与する前に適切な溶出液(eluant)で第1のプローブを剥ぎ取 ることによって達成され得る。 ミトコンドリアの遺伝子に関するcDNAを除去するために、同一の制限酵素で消 化したミトコンドリアのDNA調製物を平行分析に含ませることが好ましい。適切 なミトコンドリアの制限フラグメントにハイブリダイズする任意のcDNAプローブ は、ミトコンドリアの遺伝子に対応することが推測され得る。 RNAの最初の重複において、ランダムプライマーが、RNA配列に沿った任意の位 置に結合し得る。従って、コピーおよび重複されたセグメントは、全長RNAのフ ラグメントであり得る。より大きな部分の配列に対応するより長いcDNAは、所望 である場合、当業者に公知のいくつかの技術によって入手され得る。これらは、 対応するRNAを単離するため、または同一種のcDNAライブラリー由来の相補的なD NAを単離するために、cDNAフラグメントを用いることを含む。好ましくは、ライ ブラリーは、同一の組織供給源、より好ましくは、同一タイプのガン細胞株に由 来する。例えば、ヒト乳ガン遺伝子に対応するcDNAに関して、好ましいライブラ リーは、λGT10において構築された、乳ガン細胞株BT474に由来する。 cDNAの配列は、標準的な技術、またはサンプルを商業的な配列決定サービスに 委託することによって決定され得る。遺伝子の染色体の位置は、当該分野で公知 のいくつかの方法(例えば、染色体のなすりつけ標本を用いた染色体のインサイ チュハイブリダイゼーション、または既知の染色体位置の体細胞ハイブリッドの パネル)のいずれか1つによって決定される。 次いで、概説される選択プロセスを通して得られるcDNAは、細胞のどの部分が 遺伝子を重複しているか決定するために、ガン細胞株および/または新鮮な腫瘍 細胞のより大きなパネルに対して試験され得る。これは、以前に記載されたよう に、染色体のDNA消化物に対するプローブとしてcDNAを用いることによって達成 され得る。実施例セクションにおいて説明されるように、この決定を行うための 好ましい方法は、サザン分析である。 cDNAはまた、細胞のどの部分がRNAの過多を有するかを決定するために用いら れ得る。これは、パネル中の各々の細胞からの全てのRNAまたはメッセンジャーR NAを用いて、スロットブロットまたはアガロースゲルのブロットのような標準的 な技術によって達成され得る。次いで、ブロットは、標準的な技術を使用して、 cDNAを用いてプローブされる。この分析のために内部ローディングコントロール および内部ブロッティングコントロールを提供することが好ましい。好ましい方 法は、細胞骨格タンパク質に関する遺伝子のような、同一タイプの全ての細胞に おいておおよそ同じレベルで存在しているようである遺伝子の転写産物について 同じブロットを再プローブすることである。従って、好ましい第2のプローブは 、β-アクチンに関するcDNAである。 この選択手順によって見出される新規なcDNAを用いて、遺伝子重複を示す本質 的に全てのガン細胞がまたRNA過多を示すが、そのいくつかは遺伝子重複を伴わ ないでRNA過多を示すことが予期される。 当業者は、重複され、かつ/またはRNA過多に関連する遺伝子を同定するための ストラテジーが、欠失され、かつ/またはRNA過小に関連する遺伝子に関するスク リーニングに適切に逆転され得ることを容易に理解する。原理は本質的に同じで ある。ガンにおいて頻繁にダウンレギュレートされる遺伝子(例えば、腫瘍抑制 遺伝子)は、異なる細胞において異なる機構によってダウンレギュレートされ得 、そしてこの挙動を伴う遺伝子は、悪性形質転換または悪性状態の持続に対して 中心的であるようである。 本発明に従って、このようなダウンレギュレートされた遺伝子に関してスクリ ーニングするために、RNAは、多数の腫瘍またはガン細胞株から調製され、そし て豊富さがコントロール細胞由来のRNA調製物と比較される。さらに、ガン細胞 における特定の変化に向かい、かつ正常な改変または同時の変化から離れるRNA レベルの任意の変化に焦点を合わせるために、同じ染色体の領域において欠失さ れた遺伝子を共有するガン細胞を用いることが非常に好ましい。CGH技術は、以 前には特徴づけられていなかったガン細胞における欠失を同定するために用いら れ得る。上記のように、ガン細胞は、欠失された領域の以前の知識を基礎として 選択され得る;以前に特徴づけられた株においてCGHのような方法を行う必要は ない。ガン細胞のRNA由来のcDNAは、(好ましくは非培養の)コントロール細胞 からコピーされたcDNAと並んで(好ましくはディファレンシャルディスプレイに よって)表示され、そしてコントロール細胞と比較して少なくとも2つ(好まし くはより多く)のガン細胞において過小表示されるようであるcDNAが選択される 。このようにして選択されたcDNAは、ガン細胞集団において観察されるRNA過小 が少なくとも細胞の比率において実際の遺伝子欠失に起因することを確認するた めに、必要に応じて、消化されたDNA調製物に対してさらにスクリーニングされ 得る。 上記のように、cDNAは、さらなるポリヌクレオチド(この場合には、ガン細胞 由来ではなく、正常なレベルで遺伝子を含有するか、または発現する細胞由来で ある)を配列決定するか、またはレスキューするために用いられ得る。欠失され た遺伝子または過小発現されるRNAに関連する遺伝子に基づく医薬は、代表的に は、その遺伝子を回復するか、またはアップレギュレートすることに方向付けら れるか、あるいはコードされる遺伝子産物の機能的等価物である。 4つの例示的なガンに関連する遺伝子の同定 ガン細胞において過多である特定のRNAを同定するために、RNAは、乳ガン細胞 とコントロール細胞との間で比較されている。全細胞RNAの量は、改変されたデ ィファレンシャルディスプレイ法を用いて比較された。前のセクションに記載さ れた、オリゴ-dT配列およびそれに続く2つの他のヌクレオチドを有するプライ マーが、mRNAの3'領域に対して用いられた。約10ヌクレオチドのランダムまたは 任意のプライマーは、配列においてmRNAの5'領域に対応するものへ向かう重複の ために用いられた。次いで、標識された増幅産物は、ポリアクリルアミド配列決 定用ゲル上で分子量によって分離された。 近隣のcDNAバンド間の比例的な強度に従って、コントロール細胞と比較して、 ガン細胞においてRNAのより大きな比率に存在する特定のmRNAを選択した。そのc DNAをゲルから直接回収し、そして増幅してスクリーニングのためのプローブを 提供した。候補ポリヌクレオチドが、多数の判定基準によってスクリーニングさ れ、これには、対応する遺伝子が、乳ガン細胞において、重複されているか、ま たはRNA過多を担うかを決定するためのノーザンおよびサザン分析の両方が含ま れる。ポリヌクレオチドの配列データを入手し、そしてGenBankの配列と比較し た。所望の発現パターンを有する新規のポリヌクレオチドを用いて、乳ガン細胞 株BT474から構築されたλgt10ライブラリー中のより長いcDNA挿入物をプローブ し、次いでこれを配列決定した。 4つの例示的な遺伝子の同定の間に生じた実際の実験事象のさらなる記載、お よびCH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a12-1、およびCH14-2a16-1に関する配列デ ータは、実施例セクションに提供される。 ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体の調節 CH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a12-1、CH14-2a16-1のcDNAに基づくポリヌク レオチドは、本発明の一部として提供されるクローン化プラスミドおよびファー ジからレスキューされ得る。それらはまた、本明細書中に提供される配列データ に基づくプライマーまたはプローブの思慮深い使用によって、乳ガン細胞ライブ ラリーもしくはmRNA調製物から、または胎盤のような正常なヒト組織から得られ 得る。あるいは、本明細書中に提供される配列データは、化学合成に使用されて 、同一の配列を有するか、または時折起こる変動を取り込むポリヌクレオチドを 産生する。 対応するmRNAによってコードされるポリペプチドは、いくつかの異なる方法に よって調製され得、その方法の全てが当業者に公知である。例えば、全長cDNAの 適切な鎖は、適切なプロモーターに作動可能に連結され得、そして適切な宿主細 胞にトランスフェクトされる。次いで、宿主細胞は、転写および翻訳が生じ得る 条件下で培養され、そして引き続いてポリヌクレオチドが回収される。別の好都 合な方法は、cDNAのポリヌクレオチド配列を決定すること、および遺伝コードに 従ってポリペプチド配列を予測することである。次いで、予測された配列と同じ であるか、またはときどき変動を取り込んでいるかのいずれかのポリペプチドは 、例えば、化学合成によって、直接調製され得る。 本発明のポリペプチドに対する抗体は、当該分野で公知の任意の方法によって 調製され得る。動物における抗体産生を刺激するために、しばしば、グルタルア ルデヒドを用いた、またはアジュバント(例えば、フロイントのアジュバント) と組み合わせた重合化のような技術によってポリペプチドの免疫原性を増強する ことが好ましい。免疫原は、適切な実験動物に注射される;好ましくは、モノク ローナル抗体の調製のためには齧歯類;好ましくは、ポリクローナル抗体の調製 のためにはウサギまたはヒツジのようなより大きな動物。約4週後に、第2また は追加免疫の注射を提供し、そして少なくとも約1週後に抗体供給源の収集を開 始する。 免疫化動物から収集した血清は、ポリクローナル抗体の供給源を提供する。供 給源物質から特異的な抗体活性を精製するための詳細な手順は、当該分野で公知 である。他の抗原と交差反応する不必要の活性は、存在する場合、例えば、固相 に付着した抗原からなる吸着剤上での調製を実行すること、および非結合画分を 回収することによって除去され得る。所望である場合、特定の抗体活性は、プロ テインAクロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈殿、イオン交換クロマトグラ フィー、高速液体クロマトグラフィーおよび固相支持体に結合した免疫化ポリペ プチドのカラム上でのイムノアフィニティークロマトグラフィーのような技術に よってさらに精製され得る。 あるいは、脾細胞のような免疫細胞は、免疫化動物から回収され、そしてモノ クローナル抗体産生細胞株を調製するために使用され得る。例えば、Harrowおよ びLane(1988)、米国特許第4,491,632号(J.R.Wandsら)、同第4,472,500号( C.Milsteinら)および同第4,444,887号(M.K.Hoffmanら)を参照のこと。 手短には、抗体産生株は、とりわけ、細胞融合によって、またはエプスタイン バーウイルスで抗体産生細胞をトランスフェクトすることによって、または発ガ ン性DNAで形質転換することによって、産生され得る。処理された細胞は、クロ ーン化および培養され、そして所望の特異性の抗体を産生するクローンが選択さ れる。特異性試験は、標準的なイムノアッセイにおいて検出試薬として免疫化ポ リペプチドを使用するような、または免疫組織化学においてポリペプチドを発現 する細胞を使用するような、多数の技術によって培養上清において行われ得る。 選択されたクローンからのモノクローナル抗体の供給は、大容量の組織培養上清 から、またはクローンを注射された適切に調製された宿主動物の腹水から精製さ れ得る。 この方法の効果的な変動は、ポリペプチドでの免疫化が単離された細胞におい て行われることを含む。抗体フラグメントおよび他の誘導体は、標準的なタンパ ク質化学の方法(例えば、タンパク質分解酵素での切断に抗体を供する)によっ て調製され得る。抗体の遺伝子操作された改変体が、抗体をコードするポリヌク レオチドを入手し、そして分子生物学の一般的な方法を適用して、変異を導入し 、そして改変体を翻訳することによって産生され得る。 診断における使用 ガンに関連する遺伝子に対応する新規なcDNA配列は、診断の援助として非常に 有用である。同様に、このような遺伝子によってコードされるポリペプチド、お よびこれらのポリペプチドに特異的な抗体はまた、診断の援助として非常に有用 である。 より詳細には、特定の細胞におけるRNAの遺伝子重複またはRNAの過多は、ガン 性である細胞を同定することを援助し、そしてそれによって初期の診断において 役割を果たし得る。CH1-9a11-2、CH8-2a13-12、CH13-2a12-1、およびCH14-2a16- 1に対応するRNAの増大したレベルは、乳ガン細胞株および原発性乳房腫瘍のかな りの比率に存在する。さらに、CH8-2a13-12、CH13-2a12-1、およびCH14-2a16-1 に対するプローブを用いるノーザン分析は、これらの遺伝子が、乳ガン以外のガ ン(大腸ガン、肺ガン、前立腺ガン、神経膠腫、および卵巣ガンを含む)に由来 する特定の細胞株において、重複されているか、またはRNA過多と関連し得るこ とを示す。 既にガンと診断された患者について、遺伝子重複またはRNAの過多は、臨床的 な治療技術および予後を補助し得る。例えば、RNAの過多は、疾患の存続、転移 、標準的な化学療法の種々のレジメに対する感受性、ガンの段階、またはその攻 撃性の有用な予知因子であり得る。一般に、Blast、米国特許第4,968,603号(Sl amonら)およびPCT出願第WO 94/00601号(Levineら)の論文を参照。これらの全 ての決定は、有用な処置のオプション間の臨床医の選択の補助に重要である。 本発明において意図される特に重要な診断適用は、以下の節で概説されるよう な遺伝子特異的治療に適切な患者の同定である。例えば、特定の遺伝子または遺 伝子産物に対する処置は、遺伝子が重複されるかまたはRNA過多であるガンに適 切である。特定の遺伝子で指向される特定の医薬を仮定すると、同じ遺伝子に特 異的な診断試験が、医薬品から利益を得るでありそうな患者の選択に重要である 。別の遺伝子に特異的なそのような医薬品の選択を仮定すると、各遺伝子につい ての診断試験が、医薬品が特定の患者に有用でありそうな医薬品を選択すること において重要である。 本発明に含まれるポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗体は、標準的な 診断手順において使用され得る特定の試薬を提供する。診断試験を行う実際の手 順は当該分野で広く公知であり、そして当業者にとっては日常的なものである。 例えば、米国特許第4,968,603号(Slamonら)およびPCT出願第WO 94/00601号(L evineら)および同第WO 94/17414号(K.Keyomarsiら)を参照。以下は、適用さ れ得るいくつかの公知の手順の簡潔な非限定的な検分である。 一般に、本発明の診断方法を行うために、本発明の組成物の1つが、反応する 臨床的サンプル中の標的を検出するための試薬として提供される。従って、本発 明のポリヌクレオチドは、対応する遺伝子の重複またはRNA過多を有する細胞中 に存在し得るような、DNAまたはRNA標的を検出するための試薬として使用され得 る。標的に対して特異的結合部位を有する抗体分子または(ポリペプチドがレセ プターである場合は)対応するリガンドのようなポリペプチドが、標的を検出す るための試薬として使用され得る。抗体は、標的を検出するための試薬として使 用され得、これは、例えば、それを惹起するための免疫原として使用されるポリ ペプチドを特異的に認識する。 標的は、診断パラメーターが測定されるべき個体から適切な組織サンプルを得 ることによって供給される。適切な試験サンプルは、ガン性細胞(特に、乳ガン 細胞)を含むことが予想される個体から得られるサンプルである。多くの型のサ ンプルが、この目的のために適切であり、これらは、予想される腫瘍部位の付近 の生検または外科的切開により得られたサンプル、それらに由来する細胞のイン ビトロ培養物、血液、および血液成分を含む。所望される場合は、標的は、サン プルから部分的に精製されるか、またはアッセイが行われる前に増幅され得る。 反応は、試薬と標的との間での複合体の形成を可能にする条件下で、試薬をサン プルと接触させることによって行われる。反応は、溶液中または固体の組織サン プル上で(例えば、組織学的切片を使用して)行われ得る。複合体の形成は、当 該分野で公知の多くの技術を使用して検出される。例えば、試薬は、標識を有し て供給され得、そして未反応の試薬は複合体から除去され得る;それにより、残 存している標識の量は、形成された複合体の量を示す。複合体の検出についての さらなる詳細およびその他は、以下の記載に提供される。 形成された複合体の量がガン性または非ガン性細胞の代表であるかどうかを決 定するために、アッセイ結果は、コントロールサンプルについて行った同様のア ッセイと比較される。非ガン性供給源由来のコントロールサンプル、およびその 他の試験されるべき臨床サンプルに類似の組成物を使用することが一般に好まし い。しかし、コントロール中の標的の相対量を適切に提供し得る任意のコントロ ールサンプルが公知であり、比較目的のために使用され得る。アッセイが組織切 片上で行われる場合、正常な組織病理学を有する適切なコントロール細胞が、試 験されるガン性細胞を取り囲み得る。試験サンプルおよびコントロールサンプル について同時にアッセイを行うことが、しばしば好ましい。しかし、形成される 複合体の量が定量可能であり、そして十分に一致する場合、別の日または別の研 究室で、試験サンプルおよびコントロールサンプルをアッセイすることも可能で ある。 本発明に含まれるポリヌクレオチドは、臨床的なサンプル中に存在し得る遺伝 子重複またはRNA過多を決定するための試薬として使用され得る。臨床的サンプ ル中の標的に対する試薬ポリヌクレオチドの結合は、一般に、ポリヌクレオチド 試薬の領域と、試験されるサンプル中のDNAまたはRNAとの間のハイブリダイゼー ション反応に一部帰因する。 所望される場合は、核酸は、サンプルから抽出され得、そしてまた部分的に精 製され得る。遺伝子重複を測定するためには、調製物は好ましくは染色体DNAに ついて富化され、RNA過多を測定するためには、調製物は好ましくはRNAについて 富化される。標的ポリヌクレオチドは、必要に応じて任意のさらなる処置の組合 せに供され、これらの処置は、制限エンドヌクレアーゼでの消化、サイズ分離( 例えば、アガロースまたはポリアクリルアミド中での電気泳動)、およびブロッ ティング物質のような反応マトリックスへの固定が含まれる。 ハイブリダイゼーションは、適切な反応条件下での、試薬ポリヌクレオチドと 標的ポリヌクレオチドを含むことが予想されるサンプルとの混合によって生じる ことが可能である。これには、未反応の試薬を除去するために洗浄または分離が 続き得る。一般に、標的ポリヌクレオチドおよび試薬の両方が、相補配列を効率 的にハイブリダイズさせるために、少なくとも部分的に一本鎖の形態に平衡化さ れなければならない。従って、当該分野で公知の標準的な変性技術によってサン プルを調製することが有用であり得る(特に、DNAについて試験するために)。 複合体を形成するための試薬配列と標的配列との間の最少相補性は、その下で 複合体形成反応が生じることが可能である条件に依存する。このような条件は、 温度、イオン強度、反応時間、反応混合物中へのホルムアミドのようなさらなる 溶質の存在、および洗浄手順を含む。より高いストリンジェンシー条件は、安定 なハイブリダイゼーションが生じるためにより高い最少相補性が必要とされる条 件である。一般に、診断適用において、反応の特異性を増大させること、サンプ ル中の他の所望されないハイブリダイゼーション部位との試薬ポリヌクレオチド の交差反応性を最少にすることが好ましい。従って、高ストリンジェンシーな条 件下(例えば、高温、低塩、ホルムアミド、これらの組合せの存在下、または続 く低塩洗浄)で反応を行うことが好ましい。 試薬と標的との間で形成された複合体を検出するために、試薬は、一般に標識 を有して提供される。このタイプのアッセイにしばしば使用されるいくつかの標 識として、32Pおよび33Pのような放射性同位元素、フルオレセインのような化学 発光試薬または蛍光試薬、および発色する溶質または沈澱を産生し得るアルカリ ホスファターゼのような酵素が挙げられる。標識は、試薬に対して内在性であり 得、これは直接的な化学結合によって結合され得るか、またはビオチン-アビジ ン複合体のような一連の媒介反応分子または一連の相互反応ポリペプチドを通じ て連結され得る。その後、標識は、標的ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼー ション前に試薬に添加され得る。 アッセイの感受性を改善するために、ハイブリダイゼーションによるシグナル を増大することがしばしば所望される。これは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応 によって標的ポリヌクレオチドまたは試薬ポリヌクレオチドのいずれかを複製さ せることによって達成され得る。あるいは、ポリヌクレオチドまたは分岐ポリヌ クレオチドの連続的なハイブリダイゼーションの組合わせが、複数の標識成分が 各複合体中に取り込まれるような方法において使用され得る。例えば、米国特許 第5,124,246号(Urdeaら)を参照。 本発明に含まれる抗体はまた、ガンの診断における試薬として、または臨床的 なサンプル中に存在し得る遺伝子の重複またはRNA過多を検出するために使用さ れ得る。これは、罹患した細胞におけるRNAの過多が、しばしば対応するペプチ ドの増大された産生に関連するという事実による。ガン細胞中でアップレギュレ ートされたいくつかの遺伝子が、例えば、erbB-2、c-myc、および上皮細胞成長 維持されるタンパク質をコードし得るか、または細胞によって周辺環境に分泌さ れるタンパク質をコードし得る。 任意のこのようなタンパク質産物は、当業者に明らかである免疫組織学的技術 によって、固体組織サンプルおよび培養された細胞中に検出され得る。一般に、 組織は、冷却、別の溶媒への交換、パラホルムアルデヒドのような試薬での固定 、またはパラフィンもしくはOCTのような市販の媒体中への包埋を含み得る技術 の組合せによって保存される。サンプルの切片は適切に調製され、そしてタンパ ク質に対する一次抗体で覆われる。 一次抗体は、適切な標識とともに直接提供され得る。さらに頻繁に、一次抗体 は、容易に産生されるかまたは市販の多くの発色剤の1つを用いて検出され得る 。代表的には、これらの発色剤は、抗-免疫グロブリンまたはプロテインAであ り、そしてこれらは、代表的には以下を含むがそれらに限定されない標識を有す る:フルオレセインのような蛍光マーカー、適切な化学的化合物を沈澱させ得る ペルオキシダーゼのような酵素、コロイド状金のような電気的密度マーカー、ま たは125Iのような放射性同位元素。次いで、切片は、適切な顕微鏡技術を使用し て可視化され、そして標識のレベルが、予想されるガン細胞と、腫瘍領域の周辺 の細胞または別の部位から採取された細胞のようなコントロール細胞との間で比 較される。 ガン関連遺伝子に対応するタンパク質の量は、標準的な定量的イムノアッセイ において検出され得る。タンパク質が細胞から任意の適切な量で分泌または放出 される場合、それは、血漿または血清サンプル中で検出可能であり得る。あるい は、標的タンパク質は、固体の組織サンプルから可溶化されるかまたは抽出され 得る。定量の前に、タンパク質は、必要に応じて、例えば、ブロッティング技術 によるかまたは捕捉抗体を用いて固相に固定され得る。 多数のイムノアッセイ法が、定量の実施のために当該分野で確立されている。 例えば、タンパク質は、予め決定された無制限の量の、タンパク質に特異的な抗 体と混合され得る。試薬抗体は、例えば、酵素もしくは放射性同位元素のような 直接結合された標識を含み得るか、または抗-免疫グロブリンもしくはプロテイ ンAのような二次標識試薬が添加され得る。固相アッセイについては、未反応の 試薬が、洗浄によって除去される。液相アッセイについては、未反応の試薬が、 濾過もしくはクロマトグラフィーのようないくつかの他の分離技術洗浄によって 除去され得る。複合体に捕捉された標識の量は、試験サンプル中に存在する標的 タンパク質の量とポジティブに関連する。この技術のバリエーションは、標的タ ンパク質特定の抗体上の結合部位について標識したアナログと競合する、競合ア ッセイである。この場合、捕捉された標識の量は、試験サンプル中に存在する標 的タンパク質の量とネガティブに関連する。任意のこのようなアッセイを使用し て得られた、ガンを有する供給源であることが疑わしいサンプルについての結果 は、非ガン性供給源に由来するサンプルと比較される。 本発明に含まれるポリペプチドはまた、ガンの診断における試薬として、また は臨床的サンプル中に存在し得る遺伝子の重複もしくはRNA過多を決定するため 使用され得る。罹患細胞におけるRNAの過多は、異常な量で細胞によって産生さ れる対応するポリペプチドを生じ得る。この場合、RNAの過多は、異常な形態の ポリペプチドの発現を同時に伴って生じ得る。次いで、これは、ポリペプチドに 特異的なその自身の抗体分子を産生する宿主の免疫応答の刺激を生じ得る。従っ て、多数のヒトハイブリドーマが、それら自身の腫瘍抗原に対する抗体を産生す るガン患者から生成されている。 ガンを有することが疑わしい被験体中でのこのような抗体の検出におけるポリ ペプチドの使用のために、イムノアッセイが行われる。適切な方法は、一般に、 ポリペプチドが試薬として提供され、そして抗体が、定量されるべき臨床的サン プル中の標的であることを除いて、先の段落に概説したイムノアッセイと同様で ある。例えば、血清サンプル中に存在するヒトIgG抗体分子は、固相プロテイン Aで捕捉され、次いで、標識ポリペプチド試薬で覆われる。次いで、抗体の量は 、固相ぶ結合された標識に比例する。あるいは、ポリペプチドを発現する細胞ま たは組織切片は、最初に抗体を含有する試験サンプルで覆われ、次いで、標識し た抗-免疫グロブリンのような検出試薬で覆われる。次いで、抗体の量は、細胞 に付着した標識に比例する。疑わしいガン性供給源に由来するサンプル中で検出 された抗体の量は、コントロールサンプル中で検出された量と比較される。 これらの診断手順は、診断室、実験室、開業医、または個人によって行われ得 る。本発明は、これらのセッティングに使用され得る診断キットを提供する。個 体中のガン細胞の存在は、個体から得られた臨床的サンプル中に、サンプル中に 含まれるDNA、RNA、タンパク質、もしくは抗体における変化として現れる。ガン の存在によって生じるこれらの成分の1つにおける変化は、健康な個体由来のサ ンプルにおけるものと比較した、その成分の増加もしくは減少の形態を取り得る か、またはその成分の形態の変化であり得る。臨床的サンプルは、必要に応じて 、試験される標的の富化のために前処理される。次いで、診断成分におけるレベ ルの変化または変異を検出するために、キットに含まれる試薬を適用する。 各キットは、必要に応じて、手順を特異的にする試薬を含む:標的DNAもしく はRNAの検出のために使用される、ポリヌクレオチド試薬;標的タンパク質の検 出のために使用される、試薬抗体;または分析されるべきサンプル中に存在し得 る標的抗体を検出するために使用される試薬ポリペプチド。試薬は、発明品の貯 蔵に適切な固体形態または液体緩衝液中で供給され、そしてその後、試験が行わ れる時に、反応媒体に交換または反応媒体に添加される。適切なパッケージが提 供される。キットは、必要に応じて、この手順において有用なさらなる化合物を 提供し得る。これらの選択可能な成分として、緩衝液、捕捉試薬、発色試薬、標 識、反応表面、検出のための手段、コントロールサンプル、使用説明書、および 説明的な情報を含む。 薬学的開発における使用 記載される特定のRNA過多を有するガン細胞を有する被験体を処置する様式が 、本発明に含まれる。本発明において提供されるcDNAを得るために使用されるス トラテジーは、いくつかの細胞における遺伝子の重複により、そして他の細胞に おけるメカニズムを変化させることによりRNAの過多を達成する遺伝子に、慎重 に焦点が合わされた。これらの別のメカニズムとして、例えば、遺伝子のコード 領域付近の転写増強エレメントの転座もしくは増強、リプレッサー結合部位の欠 失、または遺伝子レギュレーターの変化された産生が挙げられ得る。このような 機能は、同じ遺伝子から転写されるさらなるRNAを生じる。あるいは、同じ量のR NAが転写されるが、細胞内でより長く維持され得、さらに多い量を生じる。これ は、 例えば、リボザイムもしくはRNAを分解するタンパク質酵素のレベルの減少によ って、またはそのような酵素または自発的分解に対してRNAをさらに耐性にする ためのRNAの変異において生じ得た。 従って、異なる細胞が、特定のRNAの過多のみの結果を達成するための少なく とも2つの異なるメカニズムを使用する。これは、これらの遺伝子のRNA過多が 罹患した細胞におけるガンプロセスに対して中心的であることを示唆する。特定 の遺伝子または遺伝子産物との干渉は、結果としてガンのプロセスを改変する。 この種の治療を可能にする薬学的組成物を提供することが、本発明の目的である 。 この目的を達成する本発明の1つの方法は、候補薬物のスクリーニングを介す る。一般的なスクリーニングストラテジーは、ガンに関連する遺伝子の出現に対 して候補を適用することであり、次いで、効果が有益および特異的であるかどう かを決定する。例えば、本明細書中に記載される任意の新規のガン関連遺伝子に 対応するポリヌクレオチドまたはポリペプチドと干渉する組成物は、適切な表現 型の腫瘍に投与された場合、関連する病状をブロックする能力を有する。干渉は 、ガン細胞(またはガン部位の付近の細胞)に優先的であって他の細胞にはそう ではないということさえあれば、干渉のメカニズムが公知であることは必要では ない。 スクリーニングの好ましい方法は、ガン遺伝子に関連するポリヌクレオチドが トランスフェクトされた細胞を提供することである。例えば、PCT出願第WO 93/0 8701号を参照。当業者は、真核生物細胞をトランスフェクトするための以下を含 む技術を十分に取得する:ウイルスベクターのような適切なベクターの調製;エ レクトロポレーションによるような、細胞へのベクターの運搬;およびレポータ ーまたは薬物感受性エレメントを使用するような、形質転換された細胞の選択。 試験において所望の表現型を有する細胞株が選択され、そしてこれは、培養物 中で十分に維持され得る。細胞株は、本明細書中で同定されたガン関連遺伝子の 1つに対応するポリヌクレオチドでトランスフェクトされる。トランスフェクシ ョンは、ポリヌクレオチドが、細胞において、ポリヌクレオチドの正しい鎖を転 写させ得る遺伝子制御エレメントに作動可能に連結されるように行われる。良好 なトランスフェクションは、トランスフェクトしていない細胞と比較して、RNA の増大した豊富さによって決定され得る。トランスフェクションが観察されたレ ベルにおいて実質的な増大を生じさえすれば、予めRNAが欠損していることは必 要ではない。細胞中のRNAの豊富さは、以前に概説したハイブリダイゼーション アッセイに従って、同じポリヌクレオチドを使用して測定される。 薬物スクリーニングは、トランスフェクトされた細胞のサンプルに各候補を添 加し、そして効果をモニターすることによって行われる。実験は、候補薬物を受 容していない対比(parallel)サンプルを含む。次いで、処置した細胞および未 処置の細胞は、適切な表現型の基準(顕微鏡分析、生存性試験、複製する能力、 組織学的試験、細胞に関連する特定のRNAまたはポリペプチドのレベル、細胞ま たは細胞溶解物によって発現される酵素活性のレベル、および他の細胞または化 合物と相互作用する細胞の能力を含むがこれらに限定されない)によって比較さ れる。処置した細胞と未処置の細胞との間の差異は、候補に帰する効果を示す。 好ましい方法において、ポリヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞におけ る薬物の効果がまた、コントロール細胞における効果と比較される。適切なコン トロール細胞として、類似の先祖のトランスフェクトされていない細胞、別のポ リヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞、または作動不能な様式で同じポ リヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞が挙げられる。必要に応じて、薬 物は、コントロール細胞よりも作動可能にトランスフェクトされた細胞において より大きい効果を有する。 候補薬物の所望の効果として、ガン関連遺伝子由来のポリヌクレオチドで細胞 株をトランスフェクトすることによって付与された任意の表現型に対する効果、 またはガン性細胞中の遺伝子の病理学的特徴を制限し得る効果が挙げられる。最 初のタイプの例は、トランスフェクトされた細胞中でRNAの過多を制限するか、 コードタンパク質の産生を制限するか、またはタンパク質の機能的効果を制限す る薬物である。薬物の効果は、処置細胞および未処置の細胞との間の結果を比較 する場合に明らかである。第2のタイプの例は、トランスフェクトされた遺伝子 または遺伝子産物を、細胞を特異的に殺すために使用する薬物である。薬物の効 果は、作動可能にトランスフェクトした細胞とコントロール細胞との間の結果を 比較する場合に明らかである。 処置における使用 本発明はまた、遺伝子特異的医薬品を提供し、ここで、本明細書中に含まれる ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗体の各々が、特異的活性成分として 薬学的組成物中に含まれる。そのような組成物は、それら自体でガン細胞の病原 性を減少し得るか、または伝統的な化学療法または照射のような非特異的薬剤に よる処置にさらに感受性にし得る。 本発明に含まれるポリヌクレオチドがどのように処置に効果的に使用され得る かの例が、遺伝子治療である。例えば、Morganら、Culverら、および米国特許第 5,399,346号(Frenchら)を参照。一般的な原理は、患者のガン細胞にポリヌク レオチドを導入することであり、そしてそれと対応する遺伝子の発現との干渉を 、例えば、それ自体と遺伝子から転写されたRNAとの複合体化によって可能にす ることである。細胞への侵入は、ポリヌクレオチドを適切なベクターの形態で提 供すること、またはポリヌクレオチドのリポソームへのカプセル化によって提供 されるような、当該分野で公知の技術によって容易にされる。ポリヌクレオチド は、抗原特異的回帰メカニズムまたは直接的な注入によってガン部位に提供され 得る。 遺伝子治療の好ましい様式は、細胞内で複製し、干渉効果を増強および延長す るような方法で、ポリヌクレオチドを提供することである。従って、ポリヌクレ オチドは、以下のような適切なプロモーターに作動可能に連結される:対応する 遺伝子の天然のプロモーター、ガン細胞中で内生的に活性な異種プロモーター、 または適切な試薬によって誘導され得る異種プロモーター。好ましくは、構築物 は、プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列が対応する遺伝 子の配列に相補的であるように設計される。従って、一旦細胞ゲノムに組み込ま れると、投与されたポリヌクレオチドの転写物は、遺伝子の転写物に相補的であ り、そして互いにハイブリダイズし得る。このアプローチは、アンチセンス治療 として公知である。例えば、CulverらおよびRothを参照。 ガンの処置における本発明に含まれる抗体の使用は、ガンにおけるRNA過多を 示す遺伝子がしばしば細胞表面タンパク質をコードするという事実に部分的に依 存する。これらのタンパク質の細胞表面の位置は、ガン細胞の重要な生物学的機 能(例えば、他の細胞とのそれらの相互作用)、他の細胞表面タンパク質の調節 、または入ってくるサイトカインによる誘発に対応し得る。 これらのメカニズムは、特異的な抗体がガン細胞の病原性を減少することにお いて効果的であり得る種々の方法を示唆する。例えば、遺伝子が増殖レセプター をコードする場合、次いで、リガンド結合部位をブロックするかまたはレセプタ ーのエンドサイトーシスを引き起こす抗体が、細胞に対してそのシグナルを提供 するレセプターの能力を減少させる。事前にメカニズムの知識を有する必要はな い。特定の抗体の効果は、対応するタンパク質を発現する培養したガン細胞で試 験することによって経験的に予想され得る。同じガン関連遺伝子産物の異なる決 定基を指向するいくつかの異なるクローンが組み合わせて使用される場合、ガン 治療のこの形態においてモノクローナル抗体がより効果的であり得る:PCT出願 第WO 94/00136号(Kasprzykら)を参照。このような抗体処置は、ガン細胞の病 原性を直接減少させ得るか、またはそれらを白金のような非特異的細胞傷害因子 に対してより感受性にし得る(Lippman)。 どのような抗体がガン治療に使用され得るかの別の例は、エフェクター成分の 特異的標的中に存在する。ガン関連遺伝子のタンパク質産物は、対応するRNAの 過多に帰因して、罹患していない細胞と比較してガン細胞に高頻度で現れること が予想される。従って、タンパク質は、特異的抗体が結合し得るガン細胞に対す るマーカーを提供する。従って、抗体に接着されたエフェクター成分は、ガン細 胞付近に濃縮され、それらの細胞に対する効果を改善し、そして非ガン細胞に対 する効果を減少する。この濃縮は、一般に、初代腫瘍の付近に生じるだけでなく 、他の組織に転移した周辺のガン細胞にもまた生じる。さらに、抗体がエンドサ イトーシスを誘導し得る場合、これは、細胞内へのエフェクターの侵入を増強す る。 標的化の目的のために、ガン関連遺伝子のタンパク質に特異的な抗体は、適切 なエフェクター成分と、好ましくは共有結合または高親和性結合によって結合さ れる。そのような組成物における適切なエフェクター成分として、131Iのよう な放射性核種、ビンクリスチンのような傷害性化学薬品、およびジフテリア毒素 のような傷害性ペプチドが挙げられる。他の適切なエフェクター成分として、所 望の様式で細胞の表現型を変化させ得る以下のようなペプチドまたはポリヌクレ オ チドが挙げられる:例えば、腫瘍サプレッサー遺伝子を取り付けるか、または免 疫攻撃に対してそれらを感受性にする。 ヒトの治療における抗体分子の最適な適用において、ヒトモノクローナル抗体 、または当該分野で公知の技術によってヒト化されている抗体を使用することが 好ましい。これは、宿主免疫系の標的となることから抗体分子それ自体を防ぐ補 助となる。 本発明に含まれるポリペプチドがどのように効率的に処置において使用され得 るかの一例は、ワクチンによる。ガン細胞の増殖は、免疫サーベイランスによっ て一部天然に制限される。これは、免疫認識ユニット(詳細には、抗体、および T細胞)および腫瘍の進行を制限する、続く免疫エフェクター機能の誘発による ガン細胞の認識をいう。特定の腫瘍特異的抗原を用いる免疫系の刺激は、抗原を 発現する腫瘍に対する効果を増強する。従って、本発明のcDNAによってコードさ れるポリペプチドを含む活性なワクチンは、対応するRNAの過多を有する被験体 に適切に投与される。同じRNAの過多を伴う進行したガン細胞に対して素因の集 団における、ワクチンの予防的役割もまた存在する。 ガンワクチンの有効性を増大させる方法が、当該分野で公知である(Beardsle y,MacLeanら)。例えば、合成抗原は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH )のようなキャリアに結合され、次いで、DETOXTM、微生物細胞壁および脂質A のようなアジュバントと組み合わされる。本発明において記載される4つの新規 の遺伝子によってコードされる任意のポリペプチドが、類似の組成物において使 用され得る。 ポリペプチドワクチンを調製および投与する方法が当該分野で公知である。ペ プチドは、それ自体に対する免疫応答を誘発し得るか、またはそれらはKLHのよ うなタンパク質キャリアに対する交差連結もしくは付着のような化学的操作によ ってより免疫原性にされ得る。好ましくは、ワクチンはまた、ミョウバン、ムラ ミルジペプチド、リポソーム、またはDETOXTMのようなアジュバントを含む。ワ クチンは、必要に応じて、湿潤剤、乳化剤、および有機または無機塩または酸の ような補助物質を含み得る。これはまた、有効成分および適切な投与経路に適合 可能な薬学的に受容可能な賦形剤を含む。ペプチドワクチンの所望の用量は、一 般 に10μg〜1mgであり、広範に有効な許容範囲を有する。ワクチンは、好ましく は、最初に初回用量として投与され、そして次いで、通常は少なくとも4週間後 に再度追加免疫として投与される。さらなる追加用量は、効果を増強するために 与えられ得る。用量およびそのタイミングは、通常、処置を担当する人によって 決定される。 配列データおよび寄託 上記の詳細な説明は、なかでも、ガンに関連する遺伝子がいかにして同定され 得、そしてそれらのcDNAが得られ得るかの詳細な説明を提供する。CH1-9a11-2、 CH8-2a13-1、CH13-2a12-1、およびCH14-2a16-1についてのポリヌクレオチド配 列が提供される。 本出願において列挙される配列データは、そうでないと示した場合以外は、2 方向配列決定により得られた。データは正確であると考えられる−それでも、本 明細書中で使用される当該分野の技術が時折のそして希な配列エラーを導入する 潜在性を有することが、容易に理解される。PCRを介して得られたクローンおよ び挿入物はまた、増幅の間に導入された時折のエラーを含み得る。データベース 編纂から予測されたヌクレオチド配列、および1方向配列決定により得られた配 列データはまた、基礎をなす技術の制限に従って、時折のエラーを含み得る。さ らに、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列の両方に対する対立遺伝子変形は、 天然に生じ得るか、または故意に誘導され得る。本明細書中に提供される配列お よび実施される発明の間の任意のこれらのタイプの差異が、本発明の精神から逸 脱することなしに存在し得る。 CH8-2a13-1およびCH13-2a12-1 cDNAについての配列データは、全体の翻訳され るコード配列、ならびに代表的なmRNA転写物において見出されるものに対応する 5'および3'非翻訳領域を含むと考えられる。種々の目的の細胞型における転写物 プロセッシングのパターンに依存して、複数のmRNA転写物が見出され得る。CH1- 9a11-2およびCH14-2a16-1 cDNAの配列データは、コード配列の一部および3'非翻 訳領域を含む。さらなる配列が代表的には対応するmRNA転写物中に存在し、これ はタンパク質のN末端方向のさらなるコード領域、およびおそらく5'非翻訳領域 を含む。 本発明に特定の実施態様は、本明細書中に提供されるデータに従うポリヌクレ オチド合成により、以下に列挙する寄託物の1つから目的の遺伝子に対応する適 切な挿入物をレスキューすることにより、または適切な組織供給源から対応する ポリヌクレオチドを単離することにより、実施され得る。ポリヌクレオチド単離 における使用のための種々の有用なプローブおよびプライマーは、本明細書中に 提供されるか、または配列データから設計され得る。 3つの寄託が、1996年5月31日に、アメリカンタイプカルチャーコレクション (ATCC)、12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852に、ブダペスト 条約のもとになされた。寄託物を表2に概説する。 配列データベースは、本発明の特定の実施態様と種々の程度の同一性および重 複を有するポリヌクレオチドおよびポリペプチドフラグメントの配列を含む。以 下の受託番号のリストは、読者の関心のために提供される;本発明の包括または 限定は意図されない。データベースの開示は、代表的には、ガンの診断、薬物開 発、または疾患処置における使用を示さない。 以下のGenBank登録番号を、CH1-9a11-2に関して列挙する:dbEST N32686;N45 113;N36176;N22982;AA278830;H88670;AA235936;AA236951;H26301;N2802 6;H88063;H88064;D61948;H88718;H26460;AA137920;AA145308;W12952;A A200687;N44164;T27279;dbSTS G22044;G04961。 以下のGenBank登録番号を、CH8-2a13-1に関して列挙する:dbNR D83780。 以下のGenBank登録番号を、CH13-2a12-1に関して列挙する:dbNR U58090;dbE ST AA182441;AA253924;AA179755;AA112715;AA112640;W67977;AA150317;W 68080;AA150243;AA100446;W69636;H46574;AA245889;AA100651;H77368;A A192778;T85671;N32682;T86257;T78239;T77874;AA187866;Z33557;R4081 6;N99802;R19302;AA100650;N55904;AA257151;H77369;T79014。 以下のGenBank登録番号を、CH14-2a16-1に関して列挙する:dbEST N64802;W5 6903;N31400;W95674;AA233551;AA233636;N24105;W03447;W25821;AA2336 66;AA233647;N67843;D55778;T66839;N55370;N75650;AA280736;H97110; Z19643;H91250;AA230765;R93089;T84665;W94857;R92873。 以下に示す実施例は、当業者に対するさらなる手引きとして提供され、いかに しても限定することを意味しない。 実施例 実施例;乳ガン細胞において過多であるメッセンジャーRNAのcDNAの選択 全RNAを、各乳ガン細胞株またはコントロール細胞から、グアニジンイソチオ シアネート/CsClの勾配を通しての遠心分離により単離した。RNAをRNaseフリー DNase(Promega,Madison,WI)で処理した。フェノール−クロロホルムでの抽 出後、RNA調製物を-70℃で貯蔵した。メッセンジャーRNAの3'末端においてプラ イムするための、配列T11NM(ここでN∈{A、C、G}およびM∈{A、C、G 、 T})を有するオリゴdTポリヌクレオチドを、標準的なプロトコルに従って合成 した。5'末端に向かってプライムするためのアービトラリー(arbitrary)10マ ーポリヌクレオチド(OPA01〜OPA20)をOperon Biotechnology,Inc.,Alameda ,CAから購入した。 RNAを、AMV逆転写酵素(BRLから入手した)およびアンカーオリゴdTプライマ ーを使用して、20μLの容量中で、製造業者の指図に従って、逆転写した。反応 物を37℃で60分間インキュベートし、そして95℃で5分間インキュベートするこ とにより停止した。得られたcDNAを即座に使用するか、または-70℃で貯蔵する かした。 ディファレンシャルディスプレイを以下の手順に従って実施した:1μLのcD NAを、適切なT11NM配列、0.5TMの10マープライマー、200 TM dNTP、5TCi[35S]- dATP(Amersham)、2.5mM MgCl2を含むTaqポリメラーゼ緩衝液、および0.3ユニ ットのTaqポリメラーゼ(Promega)を含有する総容量10μLのPCR混合物中で複 製した。40サイクルを以下の順序で実施した:94℃で30秒間、40℃で2分間、72 ℃で30秒間;次いでサンプルを72℃で5分間インキュベートした。複製したcDNA を6%ポリアクリルアミド配列決定ゲル上で分離した。電気泳動後、ゲルを乾燥 し、そしてX線フィルムに曝した。 オートラジオグラムを、コントロール細胞に対応するレーンの全てに比較して 、乳ガン細胞に対応する全てのレーンにおいてより多い相対量で存在する標識cD NAについて分析した。図1は、そのような実験からのオートラジオグラムの例を 提供する。レーン1は非増殖正常乳細胞に由来する;レーン2は増殖正常乳細胞 に由来する;レーン3〜5は乳ガン細胞株BT474、SKBR3、およびMCF7に由来する 。左側および右側は、同一のT11NM配列(T11AC)を使用するが、2つの異なる10 マープライマーを使用する実験から得たパターンを示す。矢印は、コントロール に比較して、3つ全ての腫瘍株においてより豊富であったcDNAフラグメントを示 す。 図1に例証するアッセイを、オリゴdTプライマーおよび10マープライマーの異 なる組み合わせを使用して実施した。異なるプライマーの組み合わせを使用した 場合に、多数のディファレンシャルに発現されるバンドが検出された。しかし、 最初に見られた全ての差異が、再スクリーニング後に再現されたわけではない。 それゆえ、本発明者らは、各ディファレンシャルディスプレイを各々のプライマ ーの組み合わせについて、慣例的に反復した。少なくとも2回の実験においてRN A過多を示すバンドのみを、さらなる分析のために選択した。 ディファレンシャルディスプレイ実験に、非培養正常乳上皮細胞(「類器官」 と名付ける)由来のRNAを含めることが好ましい。これらの細胞を健常乳組織か ら切除される外科手術サンプルから得、次いで、これを鈍切除(blunt dessecti on)技術および穏やかな酵素処理により引き離した。ネガティブコントロールと して類器官を使用して、33のcDNAフラグメントを15の提示から単離した。 実施例2:乳ガン細胞中で重複している遺伝子に対応するcDNAのサブ選択(sub- selecting) 実施例1において記載した様式でディファレンシャルに発現されるcDNAフラグ メントを乾燥ゲルから切り出し、そして95℃で10分間煮沸することにより抽出し た。溶出したcDNAをエタノール沈澱により回収し、そしてPCRにより複製した。 産物を、TAクローニングシステム(Invitrogen)を使用して、pCRIIベクター中 にクローン化した。 EcoRI消化した胎盤DNA、および乳ガン細胞株BT474、SKBR3、およびZR-75-30由 来のEcoRI消化したDNAを使用して、サザンブロットを調製し、クローン化cDNAフ ラグメントをスクリーニングした。クローン化cDNAフラグメントを[32P]-dCTPで 標識し、そしてブロットをプローブするために個々に使用した。ガン細胞DNAに 対応するレーンへの相対的に多量のプローブの結合は、対応する遺伝子がガン細 胞中で重複していたことを示した。標識cDNAプローブをまたノーザンブロットに おいて使用して、対応するRNAが適切な細胞株中で過多であることを確認した。 この選択手順によって得たcDNAフラグメントが新規な遺伝子に対応するかどう かを決定するために、部分ヌクレオチド配列をM13プライマーを使用して得た。 各配列を、GenBank中の公知の配列と比較した。最初の実験において、最初の配 列決定された7つの遺伝子配列のうち5つは、ミトコンドリア遺伝子であった。 ミトコンドリア遺伝子の単離を繰り返すことを回避するために、EcoRI消化およ びHindIII消化したミトコンドリアDNAについてのDNAブロット分析におけるさら なるレーンを用いて、その後のスクリーニング実験を行った。適切なミトコンド リア制限フラグメントにハイブリダイズする任意のcDNAフラグメントをミトコン ドリア遺伝子に対応すると考え、さらに分析しなかった。 類器官mRNAを使用するディファレンシャルディスプレイから検出した33のcDNA フラグメントから、12をサブクローン化した。これらの12のうち、6つに適切な 細胞株において適切な遺伝子重複を検出した。3つのcDNAは遺伝子の重複が検出 されず、そして3つはミトコンドリア遺伝子に対応するようであった。6つの適 切なcDNAフラグメントの配列分析は、いかなる公知の遺伝子に対する同一性も示 さなかった。 新規の配列を有するcDNAフラグメントに対応するより長いcDNAを得るために、 フラグメントを、λGT10中で構築した乳ガン細胞株BT474由来のcDNAライブラリ ーをスクリーニングするためのプローブとして使用した。λGT10から得たより長 いcDNAを、λGT10プライマーを使用して配列決定した。cDNAの染色体の位置を、 体細胞ハイブリッドのパネルを使用して決定した。 これまでに、同定した6つの新規なcDNAのうち4つをこの様式で処理した。4 つの新たな乳ガン遺伝子を得るために使用したプローブを表3に示す。 実施例3:乳ガン細胞のパネルを試験するためのcDNAの使用 推定の乳ガン遺伝子が重複している、または遺伝子重複なしにRNA過多を示す 乳ガンの割合を決定するために、記載の選択手順に従って得た4つのcDNAを使用 して、乳ガン細胞株および初代腫瘍のパネルをプローブした。 遺伝子重複を、サザン分析またはスロットブロット分析のいずれかにより検出 した。サザン分析については、10μgの、EcoRI消化した、異なる細胞株由来の ゲノムDNAを0.8%アガロースで電気泳動し、そしてHYB0NDTMN+メンブレン(Amer sham)に移した。フィルターを、32P標識した推定の乳ガン遺伝子のcDNAとハイ ブリダイズさせた。オートラジオグラムを得た後、プローブを剥がし、そしてサ ンプルローディングの差異を調整するために、参照プローブを使用してブロット を再プローブした。第2染色体プローブD2S5または第21染色体プローブD21S6の いずれかを参照として使用した。オートラジオグラム上のシグナルの濃度を、デ ンシトメーター(Molecular Dynamics)を使用して得た。乳ガン遺伝子と参照遺 伝子との間の濃度比率を各サンプルについて算出した。胎盤DNA消化物の2つの サンプルを、各サザン分析においてコントロールとして流した。 スロットブロット分析については、1μgのゲノムDNAを変性し、そしてHYBON DTMメンブレン上にスロットした。D21S5またはヒト反復配列をスロットブロット のための参照プローブとして使用した。乳ガン遺伝子と参照遺伝子との間の濃度 比率を各サンプルについて算出した。胎盤DNA消化物の10〜15のサンプルをコン トロールとして使用した。コントロールサンプルの中で、最高の濃度比率を1.0 に設定した。腫瘍細胞株の濃度比率をそれに従って標準化した。標準化した比率 の恣意的カットオフ(代表的には1.3)を、推定の遺伝子が重複していたサンプ ルを同定するために規定した。乳ガンパネルにおける各々の細胞株を、試験した 遺伝子の重複について陽性または陰性に記録した。 パネルにおける細胞株のいくつかは、比較ゲノムハイブリダイゼーション分析 から、重複した染色体領域を有することが知られていた。プローブとして使用し たcDNAが既知の増幅領域にマップされた場合は、cDNAは、対応する遺伝子もまた 重複していたことを示した。しかし、比較ゲノムハイブリダイゼーションがいか なる増幅も明らかにしなかった場合は、重複した遺伝子をまた、4つのcDNAの各 々を使用して検出した。 技術の性質のために、記載のように算出した標準化比率は遺伝子コピー数を過 小評価するが、同じ桁に位置付けられることが予想される。例えば、SKBR3乳ガ ン細胞中のc-myc遺伝子について得た標準化比率は5.0であった。しかし、SKBR3 は約50コピーのc-myc遺伝子を有することが知られている。 RNAの過多について試験するために、乳ガン細胞株または初代乳ガン腫瘍由来 の全RNA 10μgを、変性剤ホルムアミドの存在下で、0.8%アガロースゲルで電 気泳動し、次いでナイロンメンブレンに移した。メンブレンをまず32P標識した 、推定乳ガン遺伝子に対応するcDNAを用いてプローブし、次いで剥がし、そして サンプルローディングの差異を調整するために、32P標識した、βアクチン遺伝 子のcDNAを用いて再プローブした。候補遺伝子とβアクチン遺伝子との間の濃度 の比率を算出した。3つの異なる培養正常上皮細胞由来のRNAを、遺伝子発現の 正常レベルのためのコントロールとして、分析に含めた。正常細胞サンプルから 得た最高の比率を1.0に設定し、そして種々の腫瘍細胞における比率をそれに従 って標準化した。 実施例4:第1染色体遺伝子CH1-9a11-2 実施例1および2の選択手順を通して得たcDNAの1つは、第1染色体にマップ される遺伝子に対応した。 表4は、遺伝子重複およびRNA過多についての分析の結果を要約する。定量的 および定性的の両方の評価を示す。示す数字を、各サンプルにおけるハイブリダ イズするバンドのオートラジオグラフ強度をコントロールのそれと比較すること により得た。いくつかのコントロールサンプルを遺伝子重複実験のために使用し 、これは胎盤DNAの異なる調製物からなった。最高レベルの強度を有するコント ロールサンプルを、他の値を標準化するために使用した。この分析のために使用 した他の供給源は、示す名称を有する乳ガン細胞株であった。実施例3において 記載した理由から、定量数値は遺伝子コピー数の直接的な指標ではないが、同じ 桁に位置付けられることが予想される。同様に、6までのコントロールサンプル を、RNA過多実験のために使用し、これは実験を実施するまで組織培養中に短期 間維持した乳ガン類器官の異なる調製物からなった。最高レベルの強度を有する コントロールサンプルを、他の値を標準化するために使用した。各細胞株を、恣 意的カットオフ値に従って+または−に記録した。遺伝子重複またはRNA過多;−重複または過多なし;nd=実施せず* 遺伝子重複の程度を胎盤DNA調製物に比較して報告する。** RNA過多の程度を正常上皮細胞のいくつかの培養物について観察した最高レベ ルに比較して報告する。RNAの2つのハイブリダイズする種を算出し、そして別 々に報告する。 CH1-9a11-2 cDNAに対応する遺伝子は、胎盤DNA消化物(P3およびP12)に比較 して、試験した乳ガン細胞株の15中9(60%)において重複していた。cDNAフラ グメントの5'末端から115塩基の配列(配列番号1)を図22に示す。GenBank中の いかなる公知の遺伝子に対しても実質的な相同性は存在しなかった。3つの可能 なリーディングフレームの1つがオープンであることが見出され、これは図22に 示す予想のアミノ酸を有する(配列番号2)。 さらなる配列情報を得ることにより、CH1-9a11-2遺伝子をさらに特徴付けた。 乳ガン細胞株BT474由来のλ-GT10 cDNAライブラリー(実施例2)を、最初のcDN A挿入物を使用してスクリーニングし、そして2.5キロベースの挿入物を有するク ローンを同定した。同定したクローンをプラスミドベクターpCRII中にサブクロ ーン化した。cDNA挿入物に隣接する領域のためのT7プライマーおよびSp6プライ マーを最初の配列決定プライマーとして使用した: 配列決定を、既に得たデータに基づいた配列決定プライマーを使用して、標準的 な技術により、挿入物の領域に沿ってウォーキングすることにより継続した。配 列決定に使用したプライマーを図7において1〜16と命名した。 5'末端において重複する第2のクローン(pCH1-1.1と命名した)を、CLONTECH MarathonTM cDNA Amplification Kitを使用して得た。重複領域を示すマップを 図6に提供する。簡潔に記載すると、CH1aおよびCH1bと命名した2つのDNAプラ イマー(図7)を合成した。乳ガン細胞株600PE由来のポリアデニル化RNAを、CH 1bプライマーを使用して逆転写した。第2鎖合成後、キット中に提供されるアダ プターDNAを、二本鎖cDNAに連結した。次いで、CH1-9a11-2の5'末端cDNAを、プ ライマーCH1aおよびAP1(キット中に提供される)を使用するPCRによって増幅し た。PCR産物の特異性を増加させるために、第1のPCR産物を、ネスティッドプラ イマーCH1aおよびAP2(キット中に提供される)を使用するPCRで再び増幅した。 PCR産物をpCRIIベクター(Invitrogen)中にクローン化し、そしてCH1-9a11-2プ ローブを用いてスクリーニングした。 pCH1-1.1の5'末端とCH1-9a11-2のポリAテールとの間の3452塩基対の配列を、 標準的配列決定技術により決定した。DNA配列を図8(配列番号15)に示す。最 長のオープンリーディングフレームはフレーム1中に存在し(塩基1〜1875)、 そして終止コドンの前に624アミノ酸をコードする。このフレームの対応するア ミノ酸配列を図9の上部パネルにおいて示す(配列番号16)。翻訳されるタンパ ク質について予想される部分配列を、図9の下部パネルに列挙する(配列番号17 )。配列の末端までの1876塩基は、3'非翻訳領域であると考えられる。疎水性分 析は、およそアミノ酸382〜400における推定の膜挿入または膜貫通領域(図9に 下線で示す)を同定した。 図23は、CH1-9a11-2について得たさらなるcDNA配列のリストであり、これは図 8の配列から5'側の約1934塩基対を含む。さらなる配列データを、CH1-9a11-2cD NAの2つのさらなるフラグメントをレスキューしそして増幅することにより得た 。ネスティッドプライマーを、既知の配列の5'末端から約100塩基対下流に設計 した。プライマーを、AP1およびAP2を使用し、上記のCLONTECH MarathonTM cDNA Amplification Kitを使用するネスティッド増幅アッセイにおいて使用した。第 1の上流フラグメントについてのテンプレートは、以前に記載のように、乳ガン 細胞株600PE由来の逆転写したポリアデニル化RNAであった。このフラグメントを 配列決定し、そして別の組のネスティッドプライマーを設計した。次の上流フラ グメントについてのテンプレートは、これもまたCLONTECHにより供給される、ヒ ト精巣由来のMarathonTM既製cDNA調製物であった。 図23に示すヌクレオチド配列は、5'末端までのオープンリーディングフレーム を含む。図24は、対応するタンパク質翻訳を示す。別のおよそ500〜1000塩基の 間が、CH1-9a11-2の方向で存在することが予想され、タンパク質コード配列はさ らなる配列内のどこかで開始する。コード領域の配列決定は、この方向のさらな るCH1-9a11-2フラグメントを得ることにより完了される。 ヌクレオチドおよびぺプチド配列データベースのGENINF08BLASTサーチを、N ational Center for Biotechnology Informationを通じて、1996年2月23日に実 施した。他の報告されたヒト配列と相同の短いセグメントが、ヌクレオチドレベ ルで見出されたが(<500塩基対)、いずれもそれぞれの同定者においてみなさ れるいかなる機能も有しなかった。アミノ酸レベルでは、いかなる報告された真 核生物配列とも、30%より高い同一性は見出されなかった。 CH1-9a11-2のクローン化挿入物を使用して、組織供給源のパネル由来のポリア デニル化RNAにおける相対的発現のレベルをプローブした。RNAを、ノーザンブロ ット分析のために既に調製されて、得た(CLONTECHカタログ# 7759-1、7760-1、 および7756-1)。製造業者は、1レーン当たり約2μgのポリARNAからブロッ トを作製し、変性ホルムアルデヒド1〜2%アガロースゲルで流し、ナイロンメ ンブレンに移し、そしてUV照射により固定した。RNAレベルで観察された相対的C H1-9a11-2発現を表5に示す:比較的高レベルの発現は、心臓、胎盤、膵臓、前立腺、精巣、および卵巣におい て、観察された。乳ガン細胞株における発現レベルはまた、比較的高い(スケー ル上の約++++)。なぜなら、これらの株(上記)において実施されたノーザ ン分析は、ポリアデニル化RNAがそのわずか約5%を構成する総細胞RNAにおいて 実施したからである。CH1-9a11-2遺伝子は、中〜高レベルの発現(これは組織の 増殖または代謝の増大に関し得る)を示す組織型に代表的である生物学的なプロ セスに関与しているようである。 得られた配列が、ノーザン分析(表1)において観察されるmRNAの見かけ上の 大きさより短いので、さらなるポリヌクレオチドセグメントが、配列番号15に示 される配列の5'末端に存在すると考えられる。5'末端でのさらなる配列データは 、標準的な技術を使用してさらなるクローン化されたcDNAを得ることにより推定 される。手短に言うと、一つのアプローチにおいて、乳ガン細胞株MDA-453およ び/または600PE由来のmRNAをクローン化し、そして配列番号15由来の配列データ に基づくプライマーを使用してスクリーニングする。約20ヌクレオチドの2つの ネスティッドプライマーを調製する。このプライマーは、最も内側で5'末端から 150塩基対以内、そして最も外側で5'末端から約170塩基対以内である。最も外側 のプライマーは、上流方向のmRNAに相補的な第一のcDNA鎖を合成するために使用 する。第2鎖の合成は、製造者の指針に従ってCLONTECH MarathonTM cDNA増幅キ ットの試薬を使用して実施する。次いで、二本鎖DNAを、キットで提供される二 本鎖アダプターフラグメントを有するコード配列の5'末端において連結する。最 初のPCR増幅(約30サイクル)を、キットの第一のアダプタープライマーおよび 最も外側のRNA特異的プライマーを使用して実施する。そして、第2の増幅(約3 0のサイクル)を、第2のアダプタープライマーおよび最も内側のRNA特異的プラ イマーを使用して実施する。代替アプローチにおいて、ヒト胎盤由来のCLONTECH RACE-READY一本鎖cDNAを、最も内側のおよび最も外側のRNA特異的なプライマー を組み合わせたネスティッド5'アンカープライマーを使用してPCR増幅する。い ずれかのアプローチを使用して得られる増幅DNAを、ゲル電気泳動により分析し て、そしてプラスミドベクターpCRIIにクローン化する。必要に応じて、2.5キロ ベースのCH1-9a11-2挿入物を使用して、クローンをスクリーニングする。全長mR NAに対応するクローン(4.5kbまたは5.5kb;表1)、または5'末端でオーバーラ ップするcDNAフラグメントを、配列決定のために選択する。4.5kb形態と比較す ると、さらなるポリヌクレオチドセグメントが、5.5kb形態においてコード領域 、 または5'もしくは3'非翻訳領域内で存在し得る。 実施例5:第8染色体遺伝子CH8-2a13-1 得られたcDNAの1つは、第8染色体にマッピングされた遺伝子に対応した。図 2は、種々のDNA消化物において対応する遺伝子についてのサザンブロット分析 を示す。レーン1(P12)は、胎盤DNAのコントロール調製物である;残りは、ヒ ト乳ガン細胞株から得られたDNAを示す。パネルAは、32P標識CH8-2a13-1 cDNA プローブを使用して得られるパターンを示す。パネルBは、ローディングコント ロールとして32P標識D2S6プローブを使用して同じブロットで得られるパターン を示す。制限フラグメントの大きさを、右に示す。 図3は、RNA過多についてのノーザンブロット分析を示す。レーン1〜3は、 培養正常上皮細胞における発現レベルを示す。レーン4〜19は、ヒト乳ガン細胞 株における発現レベルを示す。パネルAは、CH8-2a13-1プローブを使用して得ら れるパターンを示す;パネルBは、βアクチンcDNA(ローディングコントロール )で得られるパターンを示す。 結果を、表6で要約する。評価方法は、実施例4と同じ方法である。+ 遺伝子重複またはRNA過多;− 重複なしまたは過多なし;nd=実施せず 。 遺伝子重複の程度を胎盤DNA調製物に関して報告する。★★ RNA過多の程度を正常上皮細胞のいくつかの培養物について観察される最高 レベルに関して報告する。 CH8-2a13-1に対応する遺伝子は、試験した17細胞中12細胞(71%)において、 明らかに重複の証拠を示した。RNA過多は、17細胞中14細胞(82%)において観 察された。従って、11%の細胞は、遺伝子重複以外の機構によって、RNA過多を 達成していた。 公知のガン遺伝子c-mycが第8染色体に配置されるので、サザン分析はまた、c -mycについてのプローブを使用して、実施された。CH8-2a13-1遺伝子に対応する 遺伝子の重複を示す乳ガン細胞のうちの少なくとも2つは、c-mycの重複を示さ なかった。このことは、CH8-2a13-1に対応する遺伝子がmycアンプリコンの部分 でないことを示す。 cDNAフラグメントの5'末端由来の150塩基の配列を、図22(配列番号3)に示 す。GenBankにおけるいかなる公知の遺伝子に対しても、実質的には相同性は存 在しなかった。3つの可能なリーディングフレームのうちの1つが、図22(配列 番号4)に示されるアミノ酸配列を有し、オープンであることが見い出された。 CH8-2a13-1遺伝子を、さらなる配列情報を得ることによって、さらに特徴づけ た。乳ガン細胞株BT474(実施例2)由来のλ-GT10 cDNAライブラリーを、最初 のcDNA挿入物を使用してスクリーニングし、そして3.0kb挿入物および4.0kb挿入 物を有するクローンを同定した。同定した2つのクローンを、プラスミドベクタ ーpCRIIにサブクローン化した。cDNA挿入物に隣接する領域のために、T7およびS p6プライマーを、最初の配列決定プライマーとして使用した。すでに得られてい るデータに基づいた配列決定プライマーを使用して、標準的な技術により、目的 の領域に沿って歩くことにより配列決定を継続した。2つの挿入物がオーバーラ ップしていることが見い出された(図6)。使用されるプライマーは、図10にお いて1〜25と命名されたプライマーである。 5'末端においてオーバーラップする約600bpの第3のクローン(pCH8-600と命 名する)(図6)を、CLONTECH MarathonTM cDNA Amplification Kitを使用して 得た。手短には、2つのDNAプライマーCH8aおよびCH8b(図10)を、合成した。 乳ガン細胞株BT474由来のポリアデニル化RNAを、CH8bプライマーを使用して逆転 写した。第2鎖の合成の後、キットにおいて提供されるアダプターDNAを、二本 鎖cDNAに連結した。次いで、CH8-2a13-1の5'末端cDNAを、プライマーCH8aおよび AP1(キットで提供される)を使用してPCRにより増幅した。PCR産物の特異性を 増大するために、最初のPCR産物を、ネスティッドプライマーCH8aおよびAP2(キ ットで提供される)を使用して再PCR増幅した。PCR産物を、pCRIIベクター(Inv itrogen)にクローン化して、CH8-2a13-1プローブでスクリーニングした。 3つのクローンの関連部分の配列決定によって、CH8-2a13-1の5'末端とポリA テールとの間の3982塩基対の核酸配列を決定した。DNA配列を、図11に示す(配 列番号18)。塩基1〜152は、5'非翻訳領域であると考えられる。最も長いオー プンリーディングフレームは、フレーム3における塩基153〜3911であり、そし て終止コドンの前の1252のアミノ酸をコードする。このフレームの対応するアミ ノ酸配列を、図12の上のパネルに示す(配列番号19)。翻訳されるタンパク質の 推定配列を、図12(配列番号20)の下のパネルに示す。 96年3月26日に、National Center for Biotechnology Informationを介して実 施した。この配列は、KIAA0196タンパク質(N.Nomuraら、印刷中;配列を1996 年3月4日に、DDBJ/EMBL/GenBankデータベースに提出した)の塩基343〜4103と 、ヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで約99%同一であることが見い出された。 KIAA0196は、未成熟男子ヒト骨髄芽球細胞株からランダムにクローン化した200 の異なるcDNAの一つであった。KIAA0196は、公知の生物学的機能を有さず、そし てNomuraらにより普遍的に発現すると記載される。 5'末端でpCH8-600とオーバーラップする約600bpの第4のクローンもまた得た 。手短には、推定cDNA配列の5'側の最初の約20ヌクレオチドに対応するDNAプラ イマーを合成し、そしてpCH8-600配列に基づくプライマーとともに使用して、乳 ガン細胞株BT474からRNAを逆転写する。産物を、pCRIIベクター(Invitrogen) にクローン化して、CH8-2a13-1プローブでスクリーニングした。新しいクローン を、両方の鎖に沿って配列決定し、cDNAについてさらなる5'非翻訳配列データを 得る。 CH8-2a13-1 cDNAの推定の編集されたcDNAヌクレオチド配列を、図13に示す(配 列番号21)。このフレームの対応するアミノ酸配列を、図14に示す(配列番号22 )。編集された配列を含むポリヌクレオチドを、共通領域内でpCH88-4kにこの第 4のクローンの挿入物をつなげることにより、アセンブルする。手短には、CH8- 4kをXbaIおよびNotIで切断する。第4のクローンを、BamHIおよびXbaIで切断す る。次いで、連結ポリヌクレオチドを、BamHIおよびNotIで切断したpCRIIに挿入 する。 CH8-2a13-1クローン化挿入物を使用して、実施例4におけるように、CLONTECH から得た組織供給源のパネル由来のポリアデニル化RNAにおける相対的な発現の レベルをプローブした。mRNAレベルで観察される相対的なCH8-2a13-12の発現を 、表7に示す:観察された発現の相対レベルは、以下のようであった:低レベルの発現は、成体 末梢血白血球(PBL)、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、および膵臓におい て、観察された。中レベルの発現は、成体心臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵 巣、小腸、および結腸において、観察された。高レベルの発現は、試験した4つ の仔ウシ組織:脳、肺、肝臓、および腎臓において観察された。乳ガン細胞株に おける発現レベルは、比較的高い(スケール上で約++++)。なぜなら、これ らの株において実施したノーザン分析を、総細胞RNAにおいて実施したからであ る。CH8-2a13-1遺伝子は、中〜高レベルの発現(これは、組織の増殖または代謝 の増大に関し得る)を示す組織型に代表的な生物学的なプロセスに関与している ようである。 実施例6:第13R染色体遭伝子CH13-2a12-1 得られたcDNAの1つは、第13染色体にマッピングされる遺伝子に対応した。図 4は、多様なDNA分解産物において対応する遺伝子についてのサザンブロット分 析を示す。レーン1および2は、胎盤DNAのコントロール調製物である:残りは 、ヒト乳ガン細胞株から得たDNAを示す。パネルAは、CH13-2a12-1 cDNAプロー ブを使用して得られるパターンを示す;パネルBは、ローディングコントロール としてD2S6プローブを使用するパターンを示す。制限フラグメントの大きさを、 右に示す。 図5は、CH13-2a12-1遺伝子のRNA過多についてのノーザンブロット分析を示す 。レーン1〜3は、培養正常上皮細胞における発現レベルを示す。レーン4〜19 は、ヒト乳ガン細胞株における発現レベルを示す。パネルAは、CH13-2a12-1プ ローブを使用して得られるパターンを示す;パネルBは、β-アクチンcDNA(ロ ーディングコントロール)で得られるパターンを示す。mRNAの見かけの大きさは 、電気泳動の条件によって変化した。全長mRNAは、約3.2および3.5kbの大きさで 生じると考えられる。 RNA量(abundance)の比較の結果を、表8において要約する。評価方法は、実 施例4と同じものである。+ 遺伝子重複またはRNA過多;− 重複なしまたは過多なし;nd=実施せず 。 遺伝子重複の程度を胎盤DNA調製物に関して報告する。★★ RNA過多の程度を正常上皮細胞のいくつかの培養物について観察される最高 レベルに関して報告する。 CH13-2a12-1に対応する遺伝子は、試験した16細胞中7細胞(44%)において 、重複していた。ポジティブ細胞株のうちの3つ(600PE、BT474、およびMDA435 )は、比較ゲノムハイブリダイゼーションにより以前に研究されたが、CH13-2A1 2-1がこれらの研究においてマッピングされた領域において、クロマチンの増幅 を示さなかった。 試験した16細胞株中13細胞(81%)において、RNA過多が観察された。従って 、細胞の37%は、遺伝子重複以外の機構によって、RNA過多を達成していた。 原発性乳腫瘍由来細胞もまた、第13染色体遺伝子の重複についてそれらを分析 した。分析した82個の腫瘍のうちの10個(12%)はポジティブであり、この遺伝 子の重複がインビトロ培養のアーチファクトではないことを確認した。 1.5kb cDNAフラグメントの5'末端由来の107塩基の配列を、図22(配列番号5 )に示す。GenBankにおけるいかなる公知の遺伝子に対しても、実質的には相同 性は存在しなかった。3つの可能なリーディングフレームのうちの1つが、図22 に示される推定アミノ酸配列(配列番号6)を有し、オープンであることが見い 出された。 CH13-2a12-1遺伝子を、さらなる配列情報を得ることによって、さらに特徴づ けた。乳ガン細胞株BT474(実施例2)からのλ-GTIO cDNAライブラリーを、最 初のcDNA挿入物を使用してスクリーニングし、そして3.5キロベース挿入物およ びl.6キロベース挿入物を有するクローンを同定した。2つの同定されたクロー ンを、プラスミドベクターpCRIIにサブクローン化した。cDNA挿入物に隣接する 領域について、T7およびSp6プライマーを、最初の配列決定プライマーとして使 用した。すでに得られたデータに基づく配列決定プライマーを使用して、標準的 な技術により、目的の領域に沿って歩くことによって、配列決定を継続した。2 つの挿入物が、オーバーラップしていることが見い出された(図6)。配列決定 の間使用されるプライマーを、図15に示す。 3.5kbおよび1.6kbクローンの関連部分の配列決定によって、CH13-2a12-1の5' 末端とポリAテールとの間の3339の塩基対の核酸配列を決定した。DNA配列を、 図16に示す(配列番号23)。塩基1〜520は、5'非翻訳領域であると考えられる 。最も長いオープンリーディングフレームは、フレーム2において、塩基521〜1 838であり、そして停止コドンの前の611アミノ酸をコードする。このフレームの 対応するアミノ酸配列を、図17の上のパネルにおいて示す(配列番号24)。翻訳 されるタンパク質についての推定配列を、図17の下のパネルに示す(配列番号25 )。ヌクレオチド配列の塩基1838〜3339は、3'非翻訳領域であると考えられる。 これは、3.5kb挿入物に存在する。3.5kb挿入物は、スプライシング改変体のよう である(図6)。ここで、3'非翻訳領域は、配列において塩基1838〜2797からな る。 996年3月26日に、National Center for Biotechnology Informationを介して、 実施した。報告された他のヒト配列と相同性を有する短いセグメントを、ヌクレ オチドレベル(<500塩基対)で見出したが、それぞれの識別子において割り当 てられた機能を有する配列は見い出されなかった。アミノ酸レベルでは、配列は 、Caenorhabditis elegansのlin 19タンパク質の228残基と、33%の同一性およ び54%のポジティブを共有することが見い出された。このタンパク質は、C.ele gansの細胞周期を調節することと関連づけられている(ET Kiprecs、W Heおよび EM Hedgecock)。CH13-2a12-1遺伝子は、細胞増殖を制御する際での役割が推測 される。この文脈での「細胞増殖を制御する」は、RNAレベルまたはタンパク質 レベルでの異常に高いか、または異常に低レベルの遺伝子発現が、そのほかは同 様な表現型を有する細胞と比較して、細胞増殖の、より高いか、またはより低い 速度を生じる(その逆もまた同じ)ことを意味する。CH13-2a12-1とVACM-1(ウ サギ腎臓髄質由来のバソプレッシン活性化カルシウム動員レセプターである)( Burnatowska-Hledinら))との間の低レベルの相同性もまた存在する。VACM-1は 、膜貫通配列を有する一方で、CH13-2a12-1においては何も検出されていない。 それにもかかわらず、CH13-2a12-1タンパク質産物が、Ca++結合機能またはCa++ 動員機能を有することはあり得る。 CH13-2a12-1クローン化挿入物を使用して、実施例4におけるように、CLONTE CHから得た組織供給源のパネル由来のポリアデニル化RNAにおける相対的な発現 のレベルをプローブした。mRNAレベルで観察された相対的なCH13-2a12-1の発現 を、表9に示す: 比較的高レベルの発現は、心臓、骨格筋、および精巣において観察された。乳 ガン細胞株における発現レベルが比較的高い(スケール上で約++++)。なぜ なら、これらの株において実施したノーザン分析を、総細胞RNAにおいて実施し たためである。CH13-2a12-1遺伝子は、中〜高レベルの発現(これは、組織の増 殖または代謝の増大に関し得る)を示している組織型に代表的な生物学的なプロ セスに関与しているようである。 CH13-2a12-1遺伝子に対応するフラグメントもまた使用して、他の型のガン由 来の細胞株をスクリーニングした。サザン分析は、試験した4つの乳ガン細胞株 中約1株がCH13-2a12-1の遺伝子重複を有することを示した。ノーザン分析は、 試験した6株中約3株が対応するRNA転写産物の過剰発現を有することを示した 。 実施例7:第14染色体遭伝子CH14-2a16-1 得られたcDNAの1つは、第14染色体にマッピングされた遺伝子に対応した。分 析の結果を表10にまとめる。評価方法は、実施例4についてと同様である。 +遺伝子重複または過多:−重複または過多がない;nd=行なわず 遺伝子重複の程度は、胎盤のDNA調製物に対して報告される。 ★★RNA過多の程度は、正常な上皮細胞のいくつかの培養物について観察され た最高レベルに対して報告される。 CH14-2a16-1に対応する遺伝子は、試験した細胞15個のうち8個(53%)にお いて重複していた。cDNAフラグメントの5'末端由来の114塩基の配列を図22に示 す(配列番号7)。GenBankにおける任意の遺伝子に対する実質的な相同性は存 在しなかった。3つの可能なリーディングフレームの1つは、オープンであり、 図22に示す推定アミノ酸配列(配列番号8)を有することが見出された。 CH14-2a16-1遺伝子は、さらなる配列情報を得ることによりさらに特徴付けら れた。乳ガン細胞株BT474(実施例2)由来のλ-GT10 cDNAライブラリーを、最 初のcDNA挿入物を用いてスクリーニングし、そして2つのクローンが同定された :一方は1.6kbの挿入物を有し、そして他方は2.5kbの挿入物を有する。同定され たクローンを、プラスミドpCRII中にサブクローン化した。1.6kbの挿入物を、cD NA挿入物に隣接する領域についてのT7プライマーおよびSp6プライマーを最初の 配列決定プライマーとして用いて配列決定した。配列決定を、既に得られたデー タに基づく配列決定プライマーを用いて、標準的な技術により目的の領域にそっ て歩くことにより続けた。用いたプライマーは、図18において1〜11と称される ものである。 5'末端にオーバーラップする第3のクローン(pCH14-800と称する)(図6) を、CLONTECH MarathonTM cDNA Amplification Kitを用いて得た。簡単に述べれ ば、DNAプライマーCH14a、CH14b、CH14c、およびCH14d(図18)を調製した。乳 ガン細胞株MDA453由来のポリアデニル化RNAを、14bプライマーを用いて逆転写し た。第2鎖合成の後、キット中で提供されるアダプターDNAを、二本鎖cDNAに連 結した。次いで、CH14-2a16-1の5'末端cDNAを、プライマーCH14b(またはCH14c )およびAP1(キット中に提供される)を用いて、PCRにより増幅した。PCR産物 の特異性を増加させるために、最初のPCR産物を、ネスティッドプライマーCH14a (またはCH14d)およびAP2(キット中に提供される)を用いてPCRで再増幅した 。PCR産物を、pCRIIベクター(Invitrogen)中にクローン化し、そしてCH14-2a1 6-1プローブを用いてスクリーニングした。 pCH14-1.6およびpCH14-800を配列決定することにより、CH14-2a16-1の5'末端 とポリAテールとの間の2021塩基対の核酸配列が決定されている。DNA配列を図1 9(配列番号26)に示す。最長のオープンリーディングフレームは、フレーム1 において塩基1〜792であり、そして停止コドンの前で263アミノ酸をコードする 。このフレームの対応するアミノ酸配列を、図20の上のパネル(配列番号27)に 示す。翻訳されるタンパク質についての推定の部分配列を、図20の下のパネル( 配列番号28)に示す。2.1kbクローンは配列決定されていないが、pCH14-1.6およ びpCH14-800を組み合わせたものとほぼ同じCH14-2a16-1 cDNAの領域からなると 考えられる。 tional Center for Bitechnology Informationを通して1996年3月26日に行った 。他の報告されたヒト配列との相同性を有する短いセグメントがヌクレオチドレ ベルで(<500塩基対)見出されたが、それぞれの識別子に割り当てられた何ら かの機能を有するものはなかった。アミノ酸レベルでは、配列は、最初の106残 基内で、Saccharomyces cerevisiae由来のRNA結合タンパク質(NAB2と称される )と相同性を共有することが見出された。NAB2は、UV光誘導性架橋および免疫蛍 光により検出されたように、酵母細胞において核ポリアデニル化RNAに会合する 主要なタンパク質の1つである。NAB2は、核のポリ(A)+RNAとインビボで強力に そして特異的に会合する。遺伝子ノックアウト実験は、このタンパク質が、酵母 細胞の生存に必須であることを示している(Andersonら)。従って、CH14-2a16- 1によりコードされるタンパク質は、DNA結合活性またはRNA結合活性を有すると 推定される。 5'末端でpCH14-800クローンとオーバーラップする第4のクローン(pCH14-1.3 )が得られている(図6)。単離方法は、pCH14-800配列に基づくプライマーを 用いて、pCH14-800についてと同様であった。pCH14-1.3についての部分的配列デ ータは、pCH14-1.3クローンの5'および3'末端からの一方向配列決定により得ら れている。図21は、5’末端の配列のヌクレオチド配列(配列番号29)および可 能性が高いオープンリーディングフレームのアミノ酸翻訳物(配列番号30);3' 末端のヌクレオチド配列(配列番号31)および可能性が高いオープンリーディン グフレーム(配列番号32)を示す。このデータが確認され、そして配列番号29と 31との間のさらなる配列はpCH14-1.3の両鎖を完全に配列決定することにより得 られる。一旦集計されたら、pCH14-1.3、pCH14-800、およびpCH14-1.6からの配 列 データは、ノーザン分析において観察された見かけのmRNAのサイズよりも短くあ り得る(表1)。必要であれば、5'末端でのさらなる配列データは、本実施例ま たは実施例4に記載のアプローチに従ってさらなるクローン化cDNAを得ることに より推定される。 図25は、CH14-2a16-1について得られたさらなるcDNA配列のリストである。こ れらは、図19の配列の5'側に約1934塩基対を含む。対応するアミノ酸翻訳物を、 図26の上のパネルに示す。さらなる配列データを、CH14-2a16-1 cDNAのさらなる フラグメントをレスキューおよび増幅することにより得た。ネスティッドプライ マーを、公知配列の5'末端から約100塩基対下流に設計した。プライマーを、AP1 およびAP2を用い、CLONTECH MarathonTM cDNA Amplification Kitを上記のよう に用いるネスティッド増幅アッセイにおいて用いた。テンプレートは、MarathonTM の用意されたヒトの精巣由来のcDNA調製物(これもまたCLONTECHにより供給さ れる)であった。 図25に示すヌクレオチド配列は、5'末端に近接する。図26の下のパネルは、最 初のメチオニン残基で始まる、遺伝子産物の配列であると推定されたものを示す 。示されるヌクレオチド配列は、図25において下線を付すことにより示した位置 に点差異を含む。以前に得られたポリヌクレオチドフラグメントからAと決定さ れた塩基は、本実験のこの部分で用いたものではGであった。これは、タンパク 質配列における、図26で下線を付した位置でのE(グルタミン酸)からG(グリ シン)への変化に対応する。これは天然の対立遺伝子変異を示し得る。 CH14-2a16-1クローン化挿入物は、実施例4においてのように、CLONTECHから 得た組織供給源のパネルからのポリアデニル化RNAの相対的な発現レベルをプロ ーブするために用いられている。mRNAレベルで観察された相対的なCH14-2a16-1 発現を、表11に示す: CH14-2a16-1 mRNAは、精巣において特に高かった。乳ガン細胞株における発現 レベルもまた特に高い。なぜなら、これらの株について行なったノーザン分析は 、総細胞RNAで行われたからである。CH14-2a16-1遺伝子は、中程度から高いレベ ル の発現を示す組織型に典型的である生物学的プロセスに関与するようである。こ れは、組織の成長または代謝の増加に関連し得る。 ジンクフィンガータンパク質に対応する5つのモチーフは、CH14-2a16-1ヌク レオチド配列において見出されている。さらなるジンクフィンガーモチーフは、 CH14-2a16-1において上流方向に存在し得る。ジンクフィンガーモチーフは、例 えば、S.cerevisiae由来のRNAポリメラーゼI、II、およびIIIに存在し、そし てHIVヌクレオキャプシドタンパク質に見出されるRNA/ssDNA結合タンパク質の ジンクナックルファミリー(zinc knuckle family)に関連する。CH14-2a16-1の 5つのジンクフィンガーモチーフの各々において観察される実際の配列は、以下 の通りである: Cys-(Xaa)5Cys-(Xaa)4-Cys-(Xaa)3His または(配列番号38) Cys-(Xaa)5Cys-(Xaa)5-Cys-(Xaa)3His (配列番号39)。 これは、図20において下線を付すことにより示される。これは、NAB2の7個のジ ンクフィンガーモチーフ(これは、RNA/ssDNA結合領域をなす)(Andersonら) と同一である。従って、CH14-2a16-1遺伝予産物は、DNA結合活性またはRNA結合 活性を有すると推定され、そしてポリアデニル化RNAに特異的であり得る。これ は、遺伝子の複製、転写、hnRNAの成熟mRNAへのプロセシング、核から細胞質へ のmRNAの輸送、またはタンパク質への翻訳の調節において非常に十分に役割を果 たし得る。次に、この役割は、特に腫瘍細胞において明白なように、細胞の成長 または増殖の調節に密接に関与し得る。 実施例8:他のガン関連遺伝子の同定 さらなるガン関連遺伝子に対応するcDNAフラグメントを、実施例1および2の 技術を適切に改変して適用することより得る。以前のように、ガン細胞を、RNA のディファレンシャルディスプレイにおける使用のために、これらが表12による 重複した染色体領域を共有するか否かに基づいて選択する: コントロールRNAを、実験におけるガン細胞のRNAと適合させるために、正常組 織から調製する。正常組織を、剖検、生検、または外科的切除から得る。コント ロール組織において新生物形成性細胞が存在しないことが、必要であれば、標準 的な組織学的技術により確認される。ガン細胞において過多であり、そして同じ 細胞集団において重複しているRNAに対応するcDNAは、実施例3〜7のようにさ らに特徴付けられる。タンパク質産物コード領域全体を含むさらなるcDNAは、本 開示の他の部分に記載されるように、標準的な分子生物学的技術に従ってレスキ ューまたは選択される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 Z C12P 21/08 G01N 33/50 P C12Q 1/68 C12N 5/00 B G01N 33/50 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/019,202 (32)優先日 平成8年6月6日(1996.6.6) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/678,280 (32)優先日 平成8年7月11日(1996.7.11) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN,YU 【要約の続き】 胞が発現の増加を達成するためにいくつかの代替機構を 用いるガンの進行に十分に重要であることを示唆する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたポリヌクレオチドであって、CH8-2a13-1、CH13-2a12-1,CH14-2a 16-1,およびCH1-9a11-2からなる群より選択されるポリヌクレオチドに含まれる 直鎖状配列と同一な少なくとも10ヌクレオチドの直鎖状配列を含む、単離された ポリヌクレオチド。 2.単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号15、配列番号18、配列番号 21,配列番号23、配列番号26、配列番号29、配列番号31、配列番号33、および配 列番号35からなる群より選択される配列に含まれるが、配列番号1、3、5およ び7のいずれにも含まれない直鎖状配列に少なくとも90%同一な、少なくとも40 個の連続するヌクレオチドの直鎖状配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。 3.前記選択される配列に含まれる配列に少なくとも90%同一な、少なくとも10 0個の連続するヌクレオチドの直鎖状配列を含む、請求項2に記載の単離された ポリヌクレオチド。 4.前記選択される配列を含む配列に少なくとも95%同一な、少なくとも40個の 連続するヌクレオチドの直鎖状配列を含む、請求項2に記載の単離されたポリヌ クレオチド。 5.単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号1、3、5、7、またはヒ ト細胞由来の任意の他のDNAとハイブリダイズしない条件下で、配列番号15、配 列番号18、配列番号21、配列番号23、配列番号26、配列番号29、配列番号31、配 列番号33、および配列番号35からなる群より選択される配列を有するDNAとハイ ブリダイズする、少なくとも40個の連続するヌクレオチドの直鎖状配列を含む、 単離されたポリヌクレオチド。 6.前記直鎖状配列が、少なくとも100個の連続するヌクレオチドである、請求 項5に記載の単離されたポリヌクレオチド。 7.単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号1、3、5、7、またはヒ ト細胞由来の他の任意のRNAとハイブリダイズしない条件下で、配列番号15、配 列番号18、配列番号21,配列番号23、配列番号26、配列番号29、配列番号31,配 列番号33、および配列番号35からなる群より選択される配列を有するRNAとハイ ブリダイズする、少なくとも40個の連続するヌクレオチドの直鎖状配列を含む、 単離されたポリヌクレオチド。 8.前記直鎖状配列が、少なくとも100個の連続するヌクレオチドである、請求 項7に記載の単離されたポリヌクレオチド。 9.前記直鎖状配列が、ガン性細胞内で重複遺伝子または過多のRNAに含まれる 、請求項2〜8のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド。 10.CH13-2a12-1ポリヌクレオチドであり、そして細胞増殖を制御するタンパ ク質またはRNA分子のコード領域に含まれる、請求項2〜8のいずれかに記載の 単離されたポリヌクレオチド。 11.CH14-2a16-1ポリヌクレオチドであり、そしてDNAまたはRNA結合活性を有 するタンパク質のコード領域に含まれる、請求項2〜8のいずれかに記載の単離 されたポリヌクレオチド。 12.ATCC受託番号98074として受託された組換え体プラスミド中に存在する、 請求項2〜8のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド。 13.ATCC受託番号97595として受託された組換え体ファージ中に存在する、請 求項2〜8のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド。 14.ATCC受託番号97594として受託されたλBCBT474 cDNAライブラリー中に存 在する、請求項2〜8のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド。 15.単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号15、配列番号18、配列番 号21、配列番号23、配列番号26、配列番号29、配列番号31、配列番号33、および 配列番号35からなる群より選択される配列に本質的に同一なポリヌクレオチドの 直鎖状配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。 16.単離されたポリペプチドであって、CH1-9a11-2、CH8-2a13-1、CH13-2a12- 1、およびCH14-2a16-1からなる群より選択されるポリヌクレオチドによりコード される配列と同一な、少なくとも5アミノ酸残基の直鎖状配列を含む、単離され たポリペプチド。 17.配列番号17、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号28、配列番 号30、配列番号32、配列番号34、および配列番号37からなる群より選択される配 列に含まれるが、配列番号2、4、6、および8のいずれにも含まれない直鎖状 配列に同一な、少なくとも5個の連続するアミノ酸の直鎖状配列を含む、単離さ れたポリペプチド。 18.前記選択される配列に含まれる配列に少なくとも90%同一な少なくとも15 個の連続するアミノ酸の直鎖状配列を含む、請求項17に記載の単離されたポリ ペプチド。 19.前記直鎖状配列が、ガン性細胞内の重複遺伝子または過多RNAにコードさ れる、請求項17または18に記載の単離されたポリペプチド。 20.ガン性細胞において過剰発現される、請求項17または18に記載の単離 されたポリペプチド。 21.前記群より選択されるポリヌクレオチドがCH1-9a11-2ポリヌクレオチドで あり、そして前記ポリペプチドが膜貫通ポリペプチドである、請求項17または 18に記載の単離されたポリペプチド。 22.単離されたポリペプチドであって、配列番号17、配列番号20、配列番号22 、配列番号24、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、および配列 番号37からなる群より選択される配列に本質的に同一であるが、配列番号2、4 、6、および8のいずれにも含まれないアミノ酸の直鎖状配列を含む、単離され たポリペプチド。 23.請求項17〜22のいずれかに記載のポリペプチドのコード配列を含む、 単離されたポリヌクレオチド。 24.請求項22に記載のポリペプチドに特異的な、モノクローナルまたは単離 されたポリクローナル抗体。 25.ガン性細胞内の遺伝子重複を検出する方法であって、以下の工程: a)臨床サンプルに含まれるDNAを、請求項2〜8に記載のポリヌクレオチドを 含む試薬と反応させる工程であって、該臨床サンプルは、ガン性細胞を有すると 疑われる個体から得られている工程;および b)該試薬と該臨床サンプル内の該DNAとの間で形成された任意の複合体量を、 該試薬とコントロールサンプル内のDNAとの間で形成された任意の複合体量と比 較する工程; を包含する、方法。 26.ガン性細胞内のRNAの過多を検出する方法であって、以下の工程: a)臨床サンプルに含まれるRNAを、請求項2〜8に記載のポリヌクレオチドを 含む試薬と反応させる工程であって、該臨床サンプルは、ガン性細胞を有すると 疑われる個体から得られている工程;および b)該試薬と該臨床サンプル内の該RNAとの間で形成された任意の複合体量を、 該試薬とコントロールサンプル内のRNAとの間で形成された任意の複合体量と比 較する工程; を包含する、方法。 27.ガン性細胞における遺伝子重複またはRNAの過多を決定する方法であって 、以下の工程: a)請求項2〜8に記載のポリヌクレオチドを含むプライマーを用いて、臨床サ ンプル内のDNAまたはRNAを増幅して増幅されたポリヌクレオチドを生じる工程で あって、該臨床サンプルは、ガン性細胞を有すると疑われる個体から得られてい る工程;および b)DNAまたはRNAから増幅されたポリヌクレオチドの量を、コントロールサンプ ル由来のDNAまたはRNAから増幅されたポリヌクレオチドの量と比較する工程; を包含する、方法。 28.個体内の遺伝子重複に関連するガンをスクリーニングする方法であって、 以下の工程: a)請求項25に記載の方法に従って、該個体由来の細胞内の遺伝子重複を決定 する工程;および b)工程a)で決定した任意の遺伝子重複と、該ガンの危険性の増加との相関を示 す工程; を包含する、方法。 29.個体内のRNAの過剰発現に関連するガンをスクリーニングする方法であっ て、以下の工程: a)請求項26に記載の方法に従って、該個体由来の細胞内のRNAの過剰発現を 決定する工程;および b)工程a)で決定した任意のRNAの過剰発現と、該ガンの危険性の増加との相関 を示す工程; を包含する、方法。 30.個体内の遺伝子重複またはRNAの過剰発現に関連するガンをスクリーニン グする方法であって、以下の工程: a)請求項27に記載の方法に従って、該個体由来の細胞内の遺伝子重複または RNAの過剰発現を決定する工程;および b)工程a)で決定した任意の遺伝子重複またはRNAの過剰発現と、該ガンの危険 性の増加とを相関させる工程; を包含する、方法。 31.乳ガンに対するスクリーニング方法である、請求項28〜30のいずれか に記載の方法。 32.臨床サンプル内で示される、個体に含まれる細胞内の遺伝子重複またはRN Aの過多を検出するための診断キットであって、適切な包装内に試薬および緩衝 液を含み、該試薬は請求項2〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、 診断キット。 33.ガン性細胞内でのタンパク質発現の変化を検出するための方法であって、 以下の工程: a)臨床サンプルに含まれるポリペプチドを、請求項24に記載の抗体を含む試 薬と反応させる工程であって、該臨床サンプルは、ガン性細胞を有すると疑われ る個体から得られている工程;および b)該試薬と該臨床サンプル内の該ポリペプチドとの間で形成された任意の複合 体量を、該試薬とコントロールサンプル内のポリペプチドとの間で形成された任 意の複合体量と比較する工程; を包含する、方法。 34.臨床サンプル内に存在するポリペプチドを検出するための診断キットであ って、適切な包装内に試薬および緩衝液を含み、ここで該試薬が請求項24に記 載の抗体を含む、診断キット。 35.請求項2〜8または請求項23のいずれかに記載のポリヌクレオチドによ って遺伝的に変化させた、宿主細胞。 36.薬学的候補物をスクリーニングする方法であって、以下の工程: a)請求項35に記載の細胞の子孫を第1群および第2群に分離する工程; b)該第1群の細胞を、該薬学的候補物で処理する工程; c)該第2群の細胞を、該薬学的候補物で処理しない工程;および d)処理細胞の表現型を非処理細胞の表現型と比較する工程; を包含する、方法。 37.ガン療法における使用のための薬学的調製物であって、請求項2〜8また は請求項23に記載のポリヌクレオチドを含み、該調製物はガン性細胞の病状を 減少させ得る、薬学的調製物。 38.ガン性細胞を有する個体を処置するための方法であって、請求項37に記 載の薬学的調製物を投与する工程を含む、方法。 39.ガン療法における使用のための薬学的調製物であって、請求項24に記載 の抗体を含み、該調製物はガン性細胞の病状を減少させ得る、薬学的調製物。 40.ガン性細胞を有する個体を処置するための方法であって、請求項39に記 載の薬学的調製物を投与する工程を含む、方法。 41.免疫原性形態の請求項17または18に記載のポリペプチド、および薬学 的に適合性の賦形剤を含む、薬学的調製物。 42.ガンの処置のための方法であって、請求項41に記載の薬学的調製物の投 与工程を含む、方法。 43.ガン内で重複または過剰発現される遺伝子に対応するcDNAを得るための方 法であって、以下の工程: a)コントロール細胞由来のRNA調製物を供給する工程; b)少なくとも2種の異なるガン細胞由来のRNA調製物を供給する工程; c)工程a)および工程b)のRNA調製物に対応するcDNAを、それぞれの調製物内の 異なるRNAに対応する異なるDNAが別々に提示されるように提示する工程; d)工程a)のコントロール細胞と比較して、工程b)のガン細胞内に多量に存在す るRNAに対応するcDNAを選択する工程; e)コントロール細胞由来の消化したDNA調製物を供給する工程; f)少なくとも2種の異なるガン細胞由来の消化したDNA調製物を供給する工程 ; g)工程d)のcDNAを、工程e)および工程f)の消化したDNA調製物とハイブリダイ ズさせる工程;および h)工程d)のcDNAから、工程e)のコントロール細胞と比較して、工程f)のガン細 胞内で重複している遺伝子に対応するcDNAをさらに選択する工程; を包含する、方法。 44.工程b)でRNAを供給するために使用した前記2種の異なるガン細胞が、染 色体の同じ領域内で重複遺伝子を共有する、請求項43に記載の方法。 45.少なくとも3種の異なるガン細胞由来のRNA調製物を工程b)で供給する、 請求項43に記載の方法。 46.工程b)でRNAを供給するために使用した前記3種の異なるガン細胞が、染 色体の同じ領域内で重複遺伝子を共有する、請求項43に記載の方法。 47.工程a)のコントロール細胞が培養されていない、請求項43に記載の方法 。 48.消化したミトコンドリアDNA調製物を供給する工程;工程h)のcDNAを、該 消化したミトコンドリアDNA調製物とハイブリダイズさせる工程;および工程h) のcDNAから、消化したミトコンドリアDNA調製物とハイブリダイズしない遺伝子 に対応するcDNAをさらに選択する工程;をさらに包含する、請求項43に記載の 方法。 49.i)コントロール細胞由来のRNA調製物を供給する工程; j)少なくとも2種の異なるガン細胞由来のRNA調製物を供給する工程; k)工程h)のcDNAを、工程i)および工程j)のRNA調製物とハイブリダイズさせる 工程;および l)工程h)のcDMAから、工程i)のコントロール細胞と比較して、工程j)のガン細 胞内に多量に存在するRNAに対応するcDNAをさらに選択する工程; をさらに包含する、請求項43に記載の方法。 50.前記cDNAが対応する前記遺伝子が、工程e)のコントロール細胞と比較して 、工程j)で前記RNAを供給するために使用した少なくとも1種のガン細胞で重複 していない、請求項49に記載の方法。 51.工程b)で前記RNA調製物を供給するために使用された前記2種の異なるガ ン細胞が、乳ガン細胞である、請求項43に記載の方法。 52.工程b)で前記RNA調製物を供給するために使用された前記2種の異なるガ ン細胞が、通常の型のガン由来であり、ここで、該ガンの型が、肺ガン、グリア 芽細胞腫、膵臓ガン、結腸ガン、前立腺ガン、肝細胞腫、および骨髄腫からなる 群より選択される、請求項43に記載の方法。 53.工程f)で前記消化したDNA調製物を供給するために使用された前記2種の 異なるガン細胞が、乳ガン細胞である、請求項43に記載の方法。 54.工程f)で前記消化したDNA調製物を供給するために使用された前記2種の 異なるガン細胞が、通常の型のガン由来であり、ここで、該ガンの型が、肺ガン 、グリア芽細胞腫、膵臓ガン、結腸ガン、前立腺ガン、肝細胞腫、および骨髄腫 からなる群より選択される、請求項43に記載の方法。 55.ガン中で欠失または過少発現されている遺伝子に対応するcDNAを得るため の方法であって、以下の工程: a)コントロール細胞由来のRNA調製物を供給する工程; b)染色体の同じ領域に欠失遺伝子を共有する、少なくとも2種の異なるガン細 胞由来のRNA調製物を供給する工程; c)工程a)および工程b)のRNA調製物に対応するcDNAを、それぞれの調製物内の 異なるRNAに対応する異なるcDNAが別々に提示されるように提示する工程;およ び d)工程a)のコントロール細胞と比較して、工程b)のガン細胞内で少量で存在す るRNAに対応するcDNAを選択する工程; を包含する、方法。 56.e)コントロール細胞由来の消化したDNA調製物を供給する工程; f)少なくとも2個の異なるガン細胞由来の消化したDNA調製物を供給する工程 ; g)工程d)のcDNAを、工程e)および工程f)の消化したDNA調製物とハイブリダイ ズさせる工程;および h)工程d)のcDNAから、工程e)のコントロール細胞と比較して、工程f)のガン細 胞内で欠失されている遺伝子に対応するcDNAをさらに選択する工程; をさらに含む、請求項55に記載の方法。 57.ガン内で重複しているかまたは発現が変化した遺伝子を特徴づけるための 方法であって、請求項43〜56のいずれかの方法に従って該遺伝子に対応する cDNAを得る工程、および次いで該cDNAを配列決定する工程、を包含する、方法。 58.ガンの処置のための候補薬物をスクリーニングする方法であって、請求項 43〜56のいずれかの方法に従ってガン内で重複しているかまたは発現が変化 した遺伝子に対応するcDNAを得る工程、およびcDNAが遺伝的に変化した細胞に対 する該候補薬物の影響を、cDNAが遺伝的に変化していない細胞に対する影響と比 較する工程、を包含する、方法。
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