JP2000509393A - 小分子エリスロポエチン様物質 - Google Patents

小分子エリスロポエチン様物質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、EPO受容体に結合し、エリスロポエチン(EPO)様物質として作用する分子を同定するためのコンピュータ支援方法(100、102、104、106、200、202、204)を特徴とする。本発明の方法を使用して同定される好ましいEPOは、EPO活性のインビボまたはインビトロにおける一つ以上の生物検定において、EPO受容体のアゴニストとして作用する。

Description

【発明の詳細な説明】 小分子エリスロポエチン様物質 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、小分子エリスロポエチン様物質を同定するためのコンピュータ支援 方法とこれを設計するためのコンピュータ支援方法とに関する。 2.関連技術の説明 エリスロポエチン(EPO)は、未成熟赤血球細胞の増殖および分化の第1の調節 因子である。EPOは、低酸素症(血液または組織中の低酸素濃度)に応答して胎 児の肝臓および成人の腎臓で産生される。EPOは血流中を循環し、骨髄および他 の造血組織の前駆細胞のEPO受容体(EPOR)を標的とする。組換えヒトエリスロ ポエチン(rHuEPO)は、慢性腎不全、癌化学療法およびAZT治療による貧血患者 の治療に広範に使用される。 EPO受容体は、インターロイキン(IL)、コロニー刺激因子(CSF)および成長 ホルモンプロラクチンなどの他の造血増殖因子並びに毛様体神経因子(CNTF)の 受容体を含むサイトカイン受容体スーパーファミリーに属する。この受容体ファ ミリーの構造構成は3つの基本単位:リガンド結合細胞外ドメイン、短い膜貫通 ドメインおよび大きい細胞質ドメインからなる。このスーパーファミリーの細胞 外ドメインには、各々がIg定常領域のトポロジーを有する逆方向のβ鎖からなる 、サンドイッチ状に折りたたまれた約100個の残基を含有する2つの別々の領域が 含まれる。このファミリーのメンバーは細胞外ドメインの2つの特徴的な中心的 構造:N末端領域の1対の保存されたジスルフィド架橋、およびC末端領域のWSXWS ボックス(ここで、Xは任意のアミノ酸残基である)を共有する。この受容体ス ーパーファミリーのほとんどのメンバーについては、1つ以上のポリペプチド鎖 の重合化が高親和性受容体複合体を形成するために必須である。ホモダイマー複 合体はhGHRの活性型であることが明らかにされており、同様のモデルはG-CSF、 プロラクチンおよびEPO受容体についても示唆されている。 エリスロポエチンは2つのEPO受容体分子の二量体化を誘導して、2つのチロシ ンキナーゼ(JAK2)分子と結合することによって、細胞質ドメインがリン酸化さ れ 、関連する生物学的反応に至る事象のカスケードが開始される。 エリスロポエチンの重要性を考慮すると、EPO受容体と結合することができ、E POに通常誘発される応答を誘発することができる分子を同定することが非常に望 ましいと考えられる。 発明の概要 本発明は、EPO受容体と結合し、EPO様物質として作用する分子を同定するため の方法を特徴とする。本発明の方法を使用して同定される好ましいEPO様物質はE P0活性のインビトロまたはインビボにおける1つ以上の生物検定においてEPO受容 体のアゴニストとして作用する。好ましいEPO様物質はペプチド結合のない分子 、すなわち非ペプチド性EPO様物質である。好ましいペプチドEPO様物質は15個以 下のアミノ酸を有し、より好ましくは10以下のアミノ酸を有する。 本発明の方法は、特定の構造を有する分子の同定および設計を含む。本方法は 、EPO様物質として作用するペプチド、EMP1(EPO様ペプチド1:以下に記載)と 複合体を形成するEPO受容体の細胞外ドメイン(アミノ酸1〜225)のX線結晶構造 解析研究から得られる正確な構造情報の使用に基づく。この結晶構造解析データ により、EPO受容体結合および二量体化に重要なペプチドEPO様物質の原子が同定 される。さらに重要なことには、このデータにより、重要な接触原子の3次元的 配列が規定される。原子がこれらの接触原子の一部または全てと同様の3次元配 列を有する部分が含まれるような他の分子は、EPO様物質として作用しうる可能 性がある。さらに、本明細書に記載するペプチドEPO様物質よりもはるかに大き いEPO活性を有する分子を設計または同定するためにこの構造情報を使用するこ とができる。 本発明の好ましい態様の詳細を添付の図面および以下の説明に記載する。本発 明の詳細が公知になったら、当業者には数多くの別の革新および変更が明らかに なると思われる。 図面の簡単な説明 図1は、コンピュータシステムを使用したエリスロポエチン様物質と思われる 物質を同定するための第1の方法を示すフローチャートである。 図2は、コンピュータシステムを使用したエリスロポエチン様物質と思われる 物 質を同定するための第2の方法を示すフローチャートである。 種々の図面中の同一の参照番号および名称は同一の構成要素を示す。 発明の詳細な説明 本明細書の説明において、示される好ましい態様および実施例は本発明を制限 するものではなく一例であると考えるべきである。 EPO受容体の細胞外部分に結合する小分子EPO様物質の結晶構造を以下に示す。 ペプチド、EMP1(GGTYSCHFGPLTWCKPQGG;配列番号1)は、分子内ジスルフィド架 橋によって特徴づけられる。いくつかの証拠により、EMP1がEPO様物質として作 用できることが示唆されている。例えば、EMP1は受容体結合解析においてEPOと 競合し、EPOに応答するように操作された細胞系の細胞増殖を誘導する。EPOおよ びペプチドは共にEPO応答細胞において、リン酸化事象および細胞周期の進行に 似たカスケードを誘導する。さらに、EMP1は、新生赤血球細胞産生の2つの異な るインビボ解析でモニターしたとき、マウスにおいて大きな赤血球形成作用を明 らかにしている。このデータを組み合わせることにより、EPOと関連のない配列 を有するペプチドリガンドがEPO受容体に結合し、EPO受容体のアゴニスト構成物 または組立物を誘導することができるという考えが強く裏付けられる。 小分子エリスロポエチン様物質の設計 EMP1二量体の構造から、天然ホルモンより実質的に小型の分子がアゴニストと して作用し、適当な生物応答を誘発することができることが明らかである。この ペプチドは天然ホルモンより実質的に小さい受容体接触界面を有すると想定され る。EPO受容体の結合決定要因は、受容体と相互作用する小分子リガンドを設計 する際に助力となる腔および帯電残基を持たず、天然の状態で主に疎水性である ほぼ平坦な面を形成することである。 本明細書に示す構造データによって明らかにされる相互作用の簡略化したフレ ームワークを使用して、別のEPO様物質を同定することができる。EPO受容体との 結合および二量体EPO受容体の形成に重要なEMP1原子は、EMP1(ペプチド)とEBP (EPO受容体)との接触に関与する原子および二量体複合体(ペプチドーペプチ ド接触)の2つのEMP1分子間の接触に関与する分子を含む。表2に掲載する接触に 加えて、以下のEMP1-EMP1疎水性接触が重要である:各ペプチドのTyrP4、CysP6 、Phe P8 、TrpP13、およびCysP15。以下のEMP1-EBP疎水性相互作用も重要である:各ペ プチドのTyrP4、PheP8、およびTrpP13。重要な接触残基中に存在する原子の全て がEPO様物質に存在する必要はないことは当業者に理解される。EPO様活性に重要 であると考えられるのは、実際にはEPO受容体との重要な接触部のごく少数の原 子だけである。当業者は、本明細書の構造データを使用して構築できる二量体EM P1-EPO複合体モデルに基づいて、これらの重要な原子を同定することができる。 好ましいEPO様物質は、EMP1のEPO受容体接触原子と同様の位置に原子を有する 。さらに好ましいEPO様物質は、以下に記載する構造中に見られるEMP1の二量体 と構造的に類似している。これは、EMP1の二量体化がEPO受容体の二量体化の重 要な要因であるためである。 本発明の方法は所望の構造を有する化合物を同定するためのコンピュータに基 づいた方法を使用する。さらに具体的には、本発明は、ペプチドがヒトEPO受容 体のアミノ酸1〜225を含むエリスロポエチン受容体の一部と共結晶するとき、ペ プチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGG中の原子のサブセットの3次元座標を使用して、コ ンピュータ方法によりペプチドおよび非ペプチド性のEPO様候補アゴニストを決 定する。 これらのコンピュータに基づいた方法は大きく2つの部類:データベース法お よびデノボ(新規(de novo))設計法に分けられる。データベース法では、関 心のある化合物を化学構造データベースに存在する全ての化合物と比較して、関 心のある化合物と何らかが類似している化合物を同定する。データベース中の構 造は、NMRまたはx線結晶構造解析によって作成した実験データまたは2次元(す なわち、配列)データに基づいてモデル化した3次元構造に基づいている。デノ ボ設計法では、構造が関心のある化合物と何らかが類似する化合物のモデルを、 例えばx線結晶構造解析で作成したデータおよび/または理論的規則のような既 知の構造から得られる情報を使用したコンピュータプログラムによって作成する 。このような設計法は、原子ごとの方法で、または記憶させた小分子断片を一体 化することによって望ましい構造を有する化合物を構築することができる。 関心のある化合物と類似の活性を有する化合物を同定する際の、データベース 法およびデノボ法の成功の可否は、関心のある化合物の機能的に関連する部分を 同定できるか否かに依存する。医薬品に関しては、機能的に関連する部分をファ ルマコフォア(pharmacophore)(薬物が結合する受容体などの穴や部位)と呼ぶ 。ファルマコフォアは、生物活性例えばEPO活性に重要な構造的特徴および官能 基の配列である。 望ましいファルマコフォアを有する同定化合物の全てがEPO様化合物として作 用するわけではない。実際の活性は最終的には、関連ある生物検定において化合 物の活性を測定することによってのみ測定され得る。しかしながら、本発明の方 法を使用して、実際のEPO様物質を同定するために試験しなければならない化合 物の数を大幅に減らすことができるので、本発明の方法は極めて有用である。 EPO受容体の二量体化は活性に重要である。従って、好ましいEPO様物質は、EP O受容体二量体に結合するEMP1二量体の構造に基づくと考えられる。このように 、好ましいEPO様物質は以下に記載する構造に存在するRWJ61233ペプチドの両方 との重要な接触部を含む。このようなEPO様物質はEPO受容体の二量体を形成しや すい。 2次元データから推定される3次元構造を作成するために好適なプログラムには :コンコード(Concord)(ミズーリ州セントルイスのトリポスアソシエイテッ ド(Tripo Associated))、3-Dビルダー(3-D Builder)(英国オックスフォー ドのケミカルデザイン社(Chemical Design Ltd.))、カタリスト(Catalyst) (カリフォルニア州マウンテンビューのバイオキャド社(Bio-CAD Corp.))、 およびデイライト(Daylight)(イリノイ州アボットパークのアボットラボラト リーズ(Abbott Laboratories))が挙げられる。 3次元データベースを検索して望ましいファルマコフォアを保有する分子を同 定するために好適なプログラムには:MACCS-3DおよびISIS/3D(カリフォルニア 州サンレアンドロのモレキュラーデザイン社(Molecular Design Ltd.)、ケムD BS-3D(ChemDBS-3D)(英国オックスフォードのケミカルデザイン社(Chemical Design Ltd.))、およびシルビル(Sylbyl)/3DB(ミズーリ州セントルイスの トリポスアソシエイテッド(Tripo Associated))、カタリスト(Catalyst)( カリフォルニア州マウンテンビューのバイオキャド社(Bio-CAD Corp.))が挙 げられる。 ファルマコフォアの選択および設計のために好適なプログラムには:DISCO( イリノイ州アボットパークのアボットラボラトリーズ(Abbott Laboratories) )、およびケムDBS-3D(ChemDBS-3D)(英国オックスフォードのケミカルデザイ ン社(Chemical Design Ltd.))が挙げられる。 化学構造のデータベースはケンブリッジクリスタログラフィックデータセンタ ー(Cambridge Crystallographic DataCentre)(英国ケンブリッジ)およびケ ミカルアブストラクトサービス(Chemical Abstracts Service)(オハイオ州コ ロンブス)を使用することができる。 デノボ設計プログラムには、ルディ(カリフォルニア州サンジエゴのバイオシ ムテクノロジーズ社(Biosym Technologies Inc.)およびアラジン(Aladdin) (カリフォルニア州アービンのデイライトケミカルインフォメーションシステム ズ(Daylight Chemical Information Systems))が挙げられる。 当業者は、EPO様物質の設計は、本発明の方法を使用して設計または同定した 化学構造をわずかに構造の変更または調節する必要があることを認識している。 一般に、本発明の方法を使用して同定または設計された化合物を化学的に合成 し、次いで以下に記載する方法のうち任意のものを使用してEPO活性について試 験することができる。本発明の方法を使用して、EPO活性についてスクリーニン グしなければならないEPO様物質であると考えられる物質の数を大幅に減らすこ とができるので、本発明の方法は特に有用である。 本発明はハードウェアもしくはソフトウェアまたは両者を組み合わせて実施す ることができる。しかしながら、好ましくは本発明は、各々がプロセッサ、デー タ記憶システム(揮発性および不揮発性メモリーおよび/または記憶素子を含む )、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置を備えるプログ ラム可能なコンピュータで実行するコンピュータプログラムで実施される。プロ グラムコードを適用してデータを入力し、上記の機能を実施し、出力情報を作成 する。出力情報を既知の様式で1つ以上の出力装置に適用する。コンピュータは 、例えばパーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータまたは従来デザインの ワークステーションであってもよい。 各プログラムは好ましくは、コンピュータシステムと対話する高水準の手順的 またはオブジェクト指向的プログラミング言語で実施される。しかしながら、望 ましい場合には、プログラムをアセンブリ言語または機械語で実施してもよい。 いずれの場合でも、言語はコンパイルされた、すなわち翻訳された言語であって もよい。 このような各コンピュータプログラムは好ましくは、本明細書に記載する手順 を実施するためにコンピュータによって記憶媒体または装置を読み込むとき、コ ンピュータを構成して動作するため、一般的または特殊目的のプログラム可能な コンピュータによって読み込むことができる記憶媒体または装置(例えば、ROM または磁気ディスク)に記憶される。本発明のシステムはまた、このように構成 された記憶媒体によってコンピュータが特異的で予め規定された様式で動作して 本明細書に記載する機能を実施する、コンピュータプログラムで構成したコンピ ュータ読み込み可能記憶媒体として実行されると考えてもよい。 図1は、コンピュータシステムを使用した、EPO様物質と思われる物質を同定す るための第1の方法を示すフローチャートである。この方法は、プロセッサ、デ ータ記憶システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置 を備えるプログラム式コンピュータを使用し: (1)ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGGが、エリスロポエチン受容体のアミノ酸1〜 225を含む受容体の一部と共に結晶化されるとき、ペプチドの原子のサブセット の3次元座標を含むデータを入力装置を介してプログラム式コンピュータに入力 することによって、基準データを作成する段階と(ステップ100); (2)プロセッサを使用して、基準データセットとコンピュータデータの記憶シ ステムに記憶された化学構造のコンピュータデータベースとを比較する段階と( ステップ102); (3)3次元データベースを検索して望ましいファルマコフォアを保有する分子を 同定するために好適なプログラム(上記のプログラムまたは同等なものなど)を 使用して、基準データセットと構造が類似した部分を有する化学構造をデータベ ースから選択する段階と(ステップ104); (4)基準データセットと類似した部分を有する、選択した化学構造を出力装置 に出力する段階(ステップ106) とを含む。 図2は、コンピュータシステムを使用したエリスロポエチン様物質と考えられ る物質を同定するための第2の方法を示すフローチャートである。この方法は、 プロセッサ、データ記憶システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも 1つの出力装置を備えるプログラム式コンピュータを使用し: (1)ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGGが、エリスロポエチン受容体のアミノ酸1 〜225を含む受容体の一部と共に結晶化されるとき、ペプチドの原子のサブセッ トの3次元座標を含むデータを入力装置を介してプログラム式コンピュータに入 力することによって、基準データを作成する段階と(ステップ200); (2)化学構造モデルを作成するために好適なプログラム(上記のプログラムま たは同等のものなど)を使用して、基準データセットと構造が類似した部分を有 する化学構造のモデルを構築する段階と(ステップ202); (3)構築したモデルを出力装置に出力する段階(ステップ204) とを含む。 生物活性の確認 本発明の方法を使用して同定した分子がEPO様物質として作用することができ るかどうかを測定するために、EPO活性のインビトロまたはインビボにおける解 析を1つ以上を実施するべきである。例えば、EPO様分子はTF-1細胞(Kitamuraら 、J.Cell Physiol.140:323,1985)またはB6Sut細胞(Greenbergerら、Proc.N atl.Acad.Sci.USA 80:2931,1983)の増殖を刺激することができるはずであ るが、好ましくはEPO受容体を保有しない細胞の増殖を刺激しない。したがって 、好ましいEPO様物質はMo7e細胞(Avanziら、Br.J.Haematol.69:359,1988) の増殖を刺激しない。 EPO様物質と考えられる物質を、赤血球形成のマウスモデルで試験してもよい 。この検定では、EPO様物質と考えられる物質を、内因性基底量のEPOを発現する 正常なマウスに投与する。網状赤血球を好ましくはフローサイトメトリーによっ て計数し、EPO様候補アゴニストが網状赤血球量を増加させるかどうかを測定す る。網状赤血球量の増加は、EPO様候補アゴニストが赤血球形成を刺激している ことを示す。この検定に使用したマウスはすでにEPOを発現しているので、この 検定は比 較的感受性が低い。別法として、EPO様候補アゴニストを低酸素症発症-多血症マ ウス生物検定で検定してもよい。この検定では、低圧室でマウスを馴化して内因 性EPO量を低下させることによって、多血症を誘発する。EPO様物質と考えられる 物質を馴化したマウスに投与することができる。59Feの血中への取り込みが赤血 球形成の測定値として役立つ。この赤血球形成がEPO様候補アゴニストに起因す ることができる。 上記の解析は好適な解析法の一例である。当業者に周知の他のEPO活性検定法 も有用である。 EPO様候補アゴニストの生物活性を測定するためには、EPO様候補アゴニストの 種々の濃度における生物活性を測定することが好ましい。EPO様候補アゴニスト の所定の濃度での活性を、EPO自身の活性と比較することができる。 構造データ ペプチドEMP1に結合したヒトEPO受容体のアミノ酸1〜225のアミノ酸の座標を 、標準的なブルックハブン(Brookhaven)データベース形式で別添に示す。ファ ンデルワールス相互作用の一覧もこの別添に示す。本発明の方法によってこれら の座標をEPO様物質の設計および同定に使用することができる。 EBP-EMP1複合体の構造 残基1〜225を含むヒトEPO受容体の細胞外フラグメント(EPO結合タンパク質、 EBP)を大腸菌(Escherichia coli)で発現させ、記載のように精製した(Johns onら、Protein Express.Purif.7:104,1996)。EBPとEMP1との複合体の長斜方形 結晶を斜方晶空間群P212121の形で得た。細胞パラメーターはa=59.2Å、b=75.5 Å、c=132.2Åで、2つのEBP分子および2つのペプチド分子は非対称単位で、VM=2 .8Å3/ダルトンであった(Matthews,J.Mol.Biol.33:491,1968)。この結晶 構造を、重原子誘導体を使用し複数同形置換(MIR)によって測定した。各ペプ チドの残基1〜2および19〜20並びに受容体分子Iの残基1〜9、21〜23、164〜166 、221〜225および受容体分子IIの残基1〜9、21〜23、133〜135、221〜225は電子 密度が少ないか、または全く存在しないので、構造解析から除外する。 構造の解釈に影響を与える、電子密度の重大なとぎれは、アミノ末端α-ヘリ ックスを両受容体分子のD1の第1のβ鎖に結合する3つの残基(Arg21-Gly22-Pro2 3 )につ いて生ずる。分子パッキングダイアグラムは、この3-残基架橋部がどのように結 合されるかについて2つの可能性を与える、結晶構造解析的に関連のない第2の二 量体の結晶中での近接を示す。架橋部の結合性の最新の選択は、同様の分子パッ キングを共有するが、電子密度はこれら3つの残基についてあきらかになってい る、高解像度(2.5Å)での別の独立したEBP-ペプチド複合体の構造に基づいてい る。現時点では、このN末端α-ヘリックスが溶液中に存在するか、または結晶体 充填物中に存在するかどうかを解明する実験データはない。注目すべきことには 、このヘリックス領域は、hGHbp(残基32から始まる;deVosら、Science 255:30 6,1992)、PRLR(残基2から始まる、第1のβ鎖、残基6までは規定されたいかな る2次構造も存在しない;Somersら、Nature 372:478,1994)、INF-yRα(残基1 7から始まる;Walterら、Nature 376:230,1995)または組織因子(残基3から始 まる、第1のβ鎖、残基11までは規定されたいかなる2次構造も存在しない;Mull erら、Nature 370:662,1994)の既報の構造では観察されない。 EBPモノマーは2つの領域D1およびD2に折りたたまれ、各領域の長軸が互いに対 して約90°に配列されL字型を形成する;総分子寸法は45Å×52Å×62Åである 。N末端領域(D1、残基10〜114)およびC末端領域(D2、残基119〜220)は短い4 つの残基のα-ヘリックス架橋部に結合される。両領域は、全体的なトポロジー が、Ig領域よりもIII型フィブロネクチン(FBN-III)領域により密接に関連する (Borkら、J.Mol.Biol.,242,309,1994)。FBN-IIIの折り畳み部は、鎖A、B、E および鎖G、F、CおよびC'からなる、2つの逆平行のβ-プリーツシートを含み、 ヒト成長ホルモン(de Vosら、Science 255:306,1992)およびプロラクチン(S omersら、Nature 372:478,1994)受容体の2つの領域、インターフェロン-γ受 容体のα鎖のD1およびD2領域(INF-γRα)(Walterら、Nature 376:230,1995) 、CD4のD2領域(Wangら、Nature348:411,1990;Ryuら、Nature348:419,1990) 、組織因子の2つの領域(Mukkerら、Biochemistry 33:10864,1994;Harlosら、N ature 370:662,1994)、III型フィブロネクチンの強靭な繰り返し部分(Leagy ら、Science 258:987,1992)およびシャペロンタンパク質PapDのD2領域(Holmg renら、Nature 342:248,1989)に見られる。1つのβ-シート(鎖A、B、Eおよび D)の鎖Dが他(鎖G、F、C、C')に移行することにより、FBN-IIIのトポロジーは Ig定常領域と は異なり、それはC7鎖と規定される。EBPのD1およびD2領域の等価なβ-シートコ ア残基の重ね合わせは77Cα対が2.3Åのr.m.s.偏差を示し、これはhGHbp(1.1Å )およびPRLR(0.8Å)の対応する領域の重ね合わせよりかなり大きく、この2つ のEBP領域の折り畳みのサブクラス間の差を反映している。 D1では、短いα-ヘリックス(残基10〜20)が、厳密なFBN-IIIポロジーではな く、FBN-III折り畳みとIg折り畳みとのハイブリッドとして十分に記載されてい る第1のβ-サンドイッチ(残基24〜114)の手前に位置する。このh型折り畳みで は(Wangら、Nature 348:411,1990;Ryuら、Nature348:419,1990)、C'鎖は長く 、鎖Cと最初に相互作用し、次いで鎖Eと相互作用するようになり(ここで、C'は 呼び名を鎖Dと変更する)、4-オン-4鎖β-サンドイッチを形成する。D1は、Cys2 8 (βA)とCys38(βB)およびCys67(βC')とCys83(βE)を架橋する2つの保存 されたジスルフィド架橋を有する。この2つのジスルフィド架橋を形成するシス テイン対間の残基数はEBPでは9および15であり、これと比較してGHRおよびPRLR 双方では9および10である。鎖C'とEの間の長い連結によって、鎖C'の第2の半分 は鎖Dとなる。このh型トポロジーはこの2つのs型GHR領域のどちらにも見られな い。グリコシル化の可能な部位はβBおよびβC鎖を連結するループ領域の末端方 向に位置するAsn52残基に存在する。この細菌が発現するタンパク質中ではAsn52 はグリコシル化されないが、Asn52側鎖周辺の外側腔は炭水化物を容易に収容す ると思われる。 ヘリックス架橋部(残基115〜118)はD1とD2を連結し(Ile115、Asn116、Glu1 17 およびVal118の領域間ヘリックス架橋部のΦ、ψ捻れ角は、それぞれ-50°、- 27°、-76°、-21°、-99°、26°および-151°、38°である)、この受容体フ ァミリーの他のメンバ-hGHbp、PRLR、IFN-γRαおよび組織因子において観察さ れている。EBPでは、この領域の結合は、D1の11残基およびD2の12残基による水 素結合、疎水性相互作用および1つの塩架橋(Arg32とAsp122の間)の混ざり合い によってさらに制限され、2つの領域の総埋残面積[相互作用によって埋残され る分子の表面積は、1.7Åのプローブ球と標準的な原子半径を使用したプログラ ムMS(Connolly,J.Appl.Crystallog,16:439,1983)を使用して算出した(D aviesら、Ann.Rev.Biochem.59:439,1990)。異なるアルゴリズム(Connolly およびLeeら、J.Mol.Biol.,55:379,1971)とプローブ半径を使用したことに より、本明細書で報 告する値と他の(de Vosら、Science 255:306,1992)既報値との間には弱冠の 矛盾があるかもしれない。明確にするために、本明細書で報告する値は全て、受 容体間の比較を良好にするために同一の方法で計算されている]は950Åである 。 D2(残基119〜220)は、1つの遊離システインを使用し、ジスルフィド架橋を 使用しないで標準的なFBN-III(s型)トポロジーに折りたたまれ、D1にそれぞれ 3つおよび2つのジスルフィド架橋を有するが、D2には全く有しないGHRおよびPRL Rと一致する。α-ヘリックス架橋部以降において、D2は、hGHbp、PRLR、組織因 子およびIFNγ-Rαでは保存され、クラス1およびクラス2サイトカイン受容体の ほとんどでは配列に基づいているPro124を含む、不規則なコイル(残基118〜126 )を開始する(Bazan、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6934,1990)。この短 いコイルはGly124で終わり、hGHbp(Φ、ψ=63°、68°)およびPRLR(Φ、ψ=5 8°、38°)の等価なAla136およびAla101捻れ角と一致した正のΦ(Φ、ψ=52° 、40°)を有する。Pro124領域は、WSXWSモチーフを有する対応する膨らみに隣接 して平行な、類似の伸長した膨らみ構成体を形成する。WSAWS配列は修飾された 幅の広いβ-膨らみを形成し(Richardson、Adv.Prot.Chem.34:167,1981)、通 常ではEPORの膜貫通ドメインに連結されると思われるβG鎖の直前の伸長鎖領域 に配置される。 複合体の4次構造は、2つのペプチドと2つの受容体を含んで、T型組立体を形成 する。非共有ペプチド二量体は2つの受容体分子と相互作用して、ほぼ完全な2つ 折りの対称な配列を形成する。この二量体の2つのEBP分子のD2を重ね合わせるこ とにより、2つのD1領域の質量中心はわずかに0.8Å離れているだけで、完全な2 つ折りの対称体を乱すのに十分である。この二量体の角受容体の対応するD1およ びD2を別々に重ね合わせることにより、r.m.s.偏差は0.53Å(105D1Cα対)およ び0.47Å(93D2Cα対)である。 環状EMP1はCysP6とCysP15との間に1つのジスルフィド架橋を含み、GlyP9-ProP 10 -LeuP11-ThrP12残基を含む、わずかに歪んだ1型β-折り返し[β-折り返しのP roP10(i+1)およびLeuP11(i+2)は、それぞれΦ、ψ=-62°、-38°および-99 °、-60°である。LeuP11のカルボニル酸素はEBPと水素結合し、標準的なI型β- 折り返しの正常値0°±30°(i+2)からψ値を歪ませている]によって連結され る2つの短いβ鎖(残基4〜7および13〜16)と架橋する。各ペプチドは他のペプ チドパートナーと非 常に密接に結合し、この相互作用でその分子表面1220Å2のうち320Åを埋残する (Connelly,J.Appl.Crystallog.16:439,1983;Daviesら、Ann.Rev.Bioche m.59:439,1990;Richards、J.Mol.Biol.55:379,1971)。2つのペプチドの主 鎖間の4つの水素結合によって、4つの標準的な逆平行のβ-プリーツシートを形 成する(表2)。2つの対称な疎水性コアはペプチド二量体化によって一体化され 、ジスルフィド架橋並びにTyrP4、PheP8およびTrpP13の側鎖を含む。各疎水性コ アの構成は、コーナーにPheP8、TrpP13およびTyrP4(他のペプチド由来)の芳香 族環およびジスルフィド架橋(CysP6-CysP15)を置いた箱に似ている。ペプチド の両端の2つのグリシン残基は構造体を形成しない。 ペプチド二量体は、2つのEBP受容体分子間の深い割れ目に埋め込まれる。各ペ プチドモノマーの一部は両受容体分子と相互作用する。ペプチド二量体の結合の 結果重ね合わさった2つ折りの対称な相互作用により、実際に各EBPの結合部位は 同じである。EBPの4つの主要な接触領域は、D1では鎖AをBに(L1残基33〜34) 、鎖FをGに(L6残基90〜94)連結し、D2では鎖BをCに(L5残基148〜153)、鎖F をGに(L6鎖203〜205)連結する4つのループ領域(L1、L3、L5、L6)のセグメン ト由来である。ペプチド-EBP組立体の総埋残分子面積は、2つのペプチドおよびE BPについてそれぞれ840Åおよび880Åである。ペプチド-EBP相互作用は別個の疎 水性領域(67%)と極性領域(33%)とに分離することができる。疎水性コアはペ プチドと受容体との間に形成され、1つのEBP分子由来のPhe93、Met150およびPhe205 並びに一方のペプチド由来のPheP8およびTrpP13並びに他方のペプチド由来の TyrP4およびCysP15からなるペプチド疎水性ボックスを含む。極性相互作用は主 に、結合割れ目の底に位置し、D2では主にループL5と共存する。6つの水素結合 のうち5つは、主鎖を有する1つのペプチド由来のβ-折り返し主鎖のGlyP9、ProP 10およびLeuP11残基と保存されているTyrP4の側鎖水酸基との間で、他方のペプ チドパートナーと架橋し、ループL3と相互作用する(表2)。受容体間に埋残さ れた分子表面積が、各受容体分子由来のLeu175およびArg178に寄与されてわずか 75Å2である複合体の全体の安定性に対して、EBP-EBP相互作用は驚く程わずかに 寄与するだけである。 EMP1は、システイン以外にいくつかの保存された残基を有する配列のファミリ ーの1つである。このようなコンセンサスの残基のうち最も構造上重要なものは 、 TyrP4およびTrpP13であると考えられ、ジスルフィド架橋とともに、ペプチド-ペ プチド相互作用の疎水性コアに大きく寄与する。さらに、これら2つの芳香族残 基はペプチド-受容体相互作用および受容体二量体化において重要な役割を果た す。 溶液中のEBPの二量体化 溶液中のEMP1とEBPとの相互作用を解明するために、本発明者らはペプチド依 存性二量体構造を安定化する試みにおいて、2官能性スルフィドリル反応性架橋 物質DPDPB、[1,4-ジ-(2'-ピリジルジチオプロピオンアミド)ブタン]を使用し た。架橋物質の選択は、EBPを不活性化することが見出されたアミン反応性架橋 物質を用いた過去の実験に基づいた。EBPは、架橋試薬とおそらく反応する可能 性の高い1つの遊離スルフィドリル基(Cys181)を有する(DPDPB架橋物質自体は EBPのEPO結合能およびEMP1の増殖特性を不活性化しない)。二量体のEBP産物はE MP1、DPDPBおよびEBPを共インキュベーションすることによって形成される。二 量体産物の量はペプチド濃度と共に増加し、ペプチドが存在しない場合には多く の二量体産物が観察されない。ジスルフィド交換反応を介して形成されるDPDPB 架橋産物は、共有結合によって架橋されたEMP1媒介二量体について観察されるよ うに、還元によって容易に可逆的となるはずである。さらに、本発明者らは、EM P1の共有結合で架橋された二量体型を構築し、生物効力の増加を明らかにする( Johnsonら、作成中)。EBP二量体のD2のCys181残基は20.7Å離れ(Sγ-Sγ距離 )、DPDPB架橋物質の長さ16Å(および各端部の結合長さは約2Å)に近い。こ のように、EMP1は、結晶構造と一致した、溶液中の可溶性EBP二量体複合体の形 成を媒介する。 WSXWSモチーフ WSXWSボックスに対応するWSAWS配列(残基209〜213)は、D2のβ鎖の直前のβ -膨らみ中に生じる(Richardson,Adv.Prot.Chem.34:167,1981;Chanら、Pro teinScience,2:1574,1993)。このモチーフはリガンドと相互作用せず、受容 体-受容体相互作用に全く役割を果たさず、受容体-受容体界面および受容体-リ ガンド界面の対向面に位置される。WSAWSボックスは、D2の4本鎖β-シート由来 のいくつかの他の保存された側鎖に関係する、相互作用の複合体配列のセグメン トのみを表す。Trp209およびTrp212のインドール環系はβ-シートの外側凹面に 向いており、部分的にのみ溶媒に暴露されているだけであるが、Ala211側鎖は直 接溶液中を向 いている。Ser210およびSer213両者のアミドおよび水酸基は、カルボニル酸素で はなく側鎖の水酸基がβ-シート相互作用を形成する、修飾された幅の広いβ-膨 らみに似た(Richardson,Adv.Prot.Chem.34:167,1981;Chanら、Protein Sc ience,2:1574,1993)疑似β-シート型相互作用の隣接鎖Fの残基198および196 の主鎖と水素結合を形成する。β-膨らみの構成は、正常なβ-シートまたは伸長 鎖構造と同様に、β-シートの同じ側に2つのTrp残基を配置し、4つの残基を離し て拡散させるが、対向面には配置しない。膨らみの中心残基(Richardson,Adv .Prot.Chem.34:167,1981;Chanら、Protein Science,2:1574,1993)である 鎖FのArg197のグアニジニウム基が2つのTrpのインドール環の間に正確に位置づ けされ、伸長されたπ-カチオン系を形成する(Kumpfら、Science261:1708,199 3)。Trp209のピロール環の中心、Arg197のNεおよびTrp212のベンゼン環の中心 は直線上に位置づけされ、接合した系の3つの面が約4Åの間隔をおいて互いに対 して平行に積み重ねられる。また、Arg199側鎖の脂肪族部分はTrp209のインドー ル環と疎水性相互作用をし、2つの芳香族残基および2つの正に荷電したアミノ酸 残基の交互の積み重ねを完成させる。Glu157の側鎖はArg197と水素結合を形成し 、おそらくグアニジニウム基を配向しやすくし、系に弱冠の特異性と安定性を付 加しやすくする。 サイトカイン受容体の配列から同定された直線のWSXWSモチーフは、D2に大き な構造上の特徴を与える、より複雑な構成単位の成分のみを表すと思われる。芳 香族残基は、逆平行のβ-サンドイッチ構造において安定作用を有し、折り畳み 核としての役割を果たすことが過去に示唆されている(Finkelsteinら、Protein Eng.6:367,1993)。アルギニンのグアニジニウム基と芳香環のアミノ-芳香族 平行積み重ねはタンパク質の構造の共通の特徴であるが(Burleyら、Adv.Prot .Chem.,39:125,1988;Floccoら、J.Mol.Biol.235:709,1994)、π-カチオ ン系の平行3重積み重ねは、他のクラス-1サイトカイン受容体、hGHbpおよびPRLR では観察されるけれども、まれである(Kimら、Biochemistry 32:8465,1993) 。 hGHbp(YGEFS)およびPRLR(WSAWS)のWSXWSモチーフの構造上の等価物は、π -カチオン相互作用のよりさらに入り組んで複雑な配列に関与する。π-カチオン 系はhGHbpおよびPRLRで伸長されて、D2のβCとβC'を架橋するループ領域由来の 別の芳香族残基(hGHbpはTrp186で、PRLRはTrp156)およびTrpと第2の芳香族残 基との 間に積み重なる正に荷電した残基(hGHbpはArg211で、PRLRはArg147)を有する 。別のArg残基は、hGHbpのβF鎖(Arg211)またはPRLRのβC(Arg147)から与え られる;アルギニンと水素結合して、配向させるグルタミン残基も鎖を換える。 配列は、このArg-Gln交換はクラス-1サイトカイン受容体ファミリーの他のメン バーに共通であるだろうということを示唆している。hGHbpおよびPRLRの伸長さ れたπ-カチオン系は、5つの正に荷電した残基と3つの芳香族残基が交互の順番 で積み重ねられて、hGHbpではLys215、Tyr222、Arg213、Phe225、Arg211、Trp18 6 、Lys179を含み、PRLRではLys185、Trp191、Arg183、Trp194、Arg147、Trp156 、Lys149を含む。最初の芳香族-Arg-芳香族3残基はEBPのように約4Å離れている が、第2の系は、π-π相互作用に一致した約3.6Åの間隔で一体としてより密接 に積み重ねられる(Burleyら、Adv.Prot.Chem.,39:125,1988;Floccoら、J. Mol.Biol.,235:709,1994)。外側のリジンもその側鎖の脂肪族部分を使用し て、芳香族環と疎水性相互作用を形成する。クラス-1サイトカイン受容体スーパ ーファミリーの他のメンバーの配列に基づいた構造のモデル化により、このよう な構造が伸長されたπ-カチオン系はヒトトロンボポイエチン、IL-6および毛様 体神経栄養性因子受容体、並びにヒトIL-4受容体に存在すると思われる(Gustch inaら、Protein 21:140,1995)。IFN-γRαおよび組織因子はWSXWSモチーフを 有さないが、IFN-γRαの対応する配列TTEKS(残基213〜217)(Walterら、Natu re 376:230,1995)および組織因子のKSTDS(残基201〜205)(Mullerら、Bioch emistry 33:10864,1994;Harlosら、Nature 370:662,1994)は、非常に似たβ- 膨らみを維持する。これら5つのx線構造のコンセンサス配列は、位置2および5の セリンおよびトレオニンはその側鎖の水酸基と近隣鎖の主鎖との水素結合の共通 セットを維持することを示す。hGHbpにだけは水酸基を含有する残基が位置2に存 在しないが、Ser226は依然として等価な相互作用を維持する。Ser226からAlaへ の変異はhGHHとhGHと結合を不可能にして、細胞表面での発現がかなり低下する (Baumgartnerら、J.Biol.Chem.,269:29094,1994)。GM-CSFRαおよびIL-2R βでは、セリン残基の点突然変異によって細胞表面の発現が実質的に減少するが 、リガンドの結合に対してほとんどまたは全く影響を与えない(Roncoら、J.Bi ol.Chem.269:277,1994;Miyazakiら、EMBO Journal 10:3191,1991)。 EPORまたはクラス1サイトカイン受容体の他のメンバーの等価物におけるWSXWS モチーフの保存は生物活性に必須であることが提案されているので、受容体結合 部位の一部であると仮定した(Yoshimuraら、J.Biol.Chem.267:11619,1992; Quelle、Mol.Cell.Biol.12:4553 1992)。EPORでは、WSAWS配列の100個の突 然変異体の系統的な研究が、2つのトリプトファンとセリンの突然変異体のほと んどにより、分子は細胞表面に到達せず、小胞体内に保持された(Hiltonら、Pr oc.Natl.Sci.USA 92:190,1995;Hiltonら、J.Biol.Chem.271:4699,1996) 。さらに、WSAWS配列中のAla211からGluへの変異により、ERからゴルジ体への輸 送が良好になり、野生型と比較して細胞表面のEPOR分子の数が3〜5倍増加した( Hiltonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:190,1995;Hiltonら、J Biol.Chem .271:4699,1996)。これらの結果は、WSXWS配列はEPORおよび他の関連する受容 体のD2の構造および折り畳みに対して重要な役割を果たすという発明者らの結論 を裏付ける。 他のサイトカイン受容体複合体構造物との比較 ペプチド-EBP複合体の全体的な4次構造は、hGH-hGHR複合体の等価な配列と実 質的に異なる。成長ホルモンリガンドの1つの4-ヘリックス-束構造の非対称性に より、EBP-ペプチド複合体のほぼ完全な2つ折り(180°)回転と比較して、受容 体の非対称ホモ二量体化は受容体間の159°の回転に相当する。EBPおよびhGHbp 内のドメインの3次配列も弱冠異なる。等価なEBPおよびhGHbp D2領域を互いに重 ね合わせると、その対応するD1領域は12°回転および4.3Å翻訳分だけ異なる。 hGHがその受容体に結合する機序は十分に研究されており(Wells、Curr.Opin .Cell Biol.6:163,1994;Clacksonら、Science 267:383,1995)、逐次的であ る。ホルモンと1つの受容体との最初の高親和性(nM)結合により、受容体の埋 残面積は1130Å2となる。第2のhGHbp2はhGHの第2の結合部位との界面が実質的に 小さく(deVosら、Science 255:306,1992)、予め形成された1:1複合体とのみ 相互作用して、hGHで埋残された表面積は740Å2となり、第1のhGHbp1では440Å2 となる(deVosら、Science 255:306,1992;Wells,Curr.Opin.Cell Biol.6:1 63,1994;Clacksonら、Science 267:383,1995)。各hGHbpの結合決定因子は6つ の認識ループ(L1〜L6)を含み、そのうち3つ(L1〜L3)はD1のβ-サンドイッチ 構造 の1つの端部由来で、1つは領域問架橋部由来で、2つはD2由来である。 これら2つの受容体複合体、EBP-EMP1およびhGH-hGHbpは異なる二量体配列を有 し、おそらくこの場合は天然リガンドおよび合成リガンドのサイズおよび形状の 差を表すが、両受容体は等価なリガンド認識ループL1、L3、L5並びにEBPではL6 およびhGHbpではL1〜L6を有する。hGHのわずか1分子とだけ複合体形成した活性 のないPRLRも同一の接触ループ(L1〜L6)を使用する(Somersら、Nature 372:4 78,1994)。hGHbpおよびPRLRのリガンド認識部位の類似性に基づいて、天然のE POリガンドが結合するとき、EBPの結合部位が伸長してC鎖〜C'鎖の間に残基59〜 63(L2)を含み、D1のβGのカルボキシル末端から領域間架橋部の間に残基110〜 118(L4)を含む2つの別のループ、L2およびL4を含むことが予測されるだろう。 EBP、hGHbpおよびPRLR領域のこれらの6つのループは構造上等価な位置に存在す るが、各ループの相互作用部分(側面または尖端)は類似性を保っていても、サ イズ、アミノ酸組成および構成が異なる;L1、L2、L3、L5は主にそれらの尖端部 で相互作用し、L6は側面で相互作用する。EBPでは、L5ループはhGHbpおよびPRLR より3残基短く、L6はhGHbpおよびPRLRよりそれぞれ3残基および4残基長い。L2ル ープも3つの受容体間で異なる(6〜10残基)が、EBPではペプチド結合に関与せ ず、hGHbpではホルモンに接触するけれども、部分的に障害されている。1つの点 に関しては、この状況は抗体における相補性決定領域(CDR's)に類似している 。抗体の場合は、6つの結合ループの長さと配列の変更が種々の抗原に対する特 異性を示すが、フレームワーク自体は一定を保つ(Wilsonら、Ciba Foudation S ymposium.Wiley,Chichester,1991,159巻,13ページ)。 受容体の構造エピトープを形成する33の相互作用残基のうち9個のサブセット が機能的エピトープすなわち高親和性結合相互作用が起こるホットスポットを構 成することがhGH-hGHbp複合体について示されている(Wells、Cerr.Opin.Cell Biol.6:163,1994;Clacksonら、Science 267:383,1995)。この縮小したエピ トープは構造エピトープより実質的に小さく、ループL1、L3およびL5と接触して 配置される残基(Arg43、Glu44、Ile103、Trp104、Ile105、Pro106、Asp165およ びTrp169)を含み、最も重要な寄与(>4.5kcal/mol)はL3およびL5の2つの芳香 族残基(Trp104およびTrp169)に由来する(Wells、Curr.Opin.Cell Biol.6:1 63,1994;Clacks onら、Science 267:383,1995;Well、NProc.Natl.Acad.Sci.USA 93:1,1996 )。EBPでは、過去に示唆されたように、Phe93はhGHbpのTrp104と等価であるが (Wells、Curr.Opin.Cell Biol.6:163,1994;Clacksonら、Science267:383,1 995:Wells、Proc.Natl Acad.Sci.USA 93:1,1996;Jolliffeら、Nephrol.Dial .Trans.10:suppl.2,28,1995)、短いL5ループではTrp169と相同の残基はな い。EBP-EMP1複合体では、PheP8ペプチドの芳香族側鎖はhGHbpのTrp169側鎖の等 価な位置を占める。EPOがその受容体と結合するとき、ホルモンは結合界面の疎 水性コアに芳香族残基を提供し、および/またはEBPのL6ループは、3残基長く、 芳香族Phe205を含むので、hGHbpよりもホルモン結合の際により重要な役割を果 たすと仮定することができる。 これら3つのクラス-1受容体構造では、EBPではD2に存在するいくつかのループ (EBP1では残基164〜166およびEBP2では133〜135)並びにhGHbp(hGHbp1では残 基55〜58、73〜78およびhGHbp2では残基54〜60、73〜75)およびPRLR(残基31〜 33、84〜86)の両者ではD2に存在するいくつかのループが障害を受けている。に もかかわらず、これら3つのクラス-1サイトカイン受容体は3次構造全体は大きく 変わらない;D1およびD2は、2つの領域の長軸間の角度が約90°であるように、3 つ全ての受容体中にほぼ類似した全体配列を有する。これらの特定のL1〜L6ルー プが、リガンドの認識および結合に利用可能であることを可能にしているのは、 このような領域の配列である。IFN-γとそのクラス-2受容体IFN-γRαとの2:2複 合体では、D1およびD2は125度の角度で関連しており、受容体を細長くし、ホル モンとの相互作用に使用され得る結合決定因子を制限する;この時点でL1ループ はD1-D2界面に埋残されているが、他の5つのループ(L2〜L6)は依然としてリガ ンド相互作用に利用可能である。この細長い領域間配列は、サイトカイン受容体 スーパーファミリーとは関係が薄い、組織因子においても観察される(Mullerら 、Biochemistry 33:10864,1994;Harlosら、Nature370:662,1994)。 EBP分子の突然変異の解析は、EPOを結合するために最も重大なアミノ酸残基は L3ループではPhe93であることを示す(Jolliffeら、Nephrol.Dial.Trans.10:s uppl2,28,1995)。Phe93Ala突然変異体は野生型と比較して約1000倍IC50の増加 を示すが、他の突然変異体(Ser91Ala、Ser92Ala、Val94Ala、Met150AlaおよびH is 153Ala)はわずか2.5〜12.5倍のIC50の比較的わずかな増加を示す。Phe93の側鎖 は分子表面の66Å2を埋残するが、これは相互作用側鎖の中では最も大きい。hGH bpでは、対応するTrp104Alaの突然変異によってKdが、野生型と比較して2,500よ り大きい倍数だけ増加し、hGH結合および機能性エピトープの疎水性コアに対す る主要な寄与におけるこの残基の等価な重要性を示している(Wells、Curr.Opi n.Cell Biol.6:163,1994;Clacksonら、Science 267:383,1995;Bassら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA88:4498,1991)。 シグナル伝達に対する二量体化の役割 驚くべきことに、EBP-EMP1複合体構造物において、配列およびおそらく構造に 関連のない、天然リガンドに対するペプチドがEPO受容体の生物的に活性な二量 体化を誘発し、シグナル伝達および細胞増殖を促進することを発明者らは観察し ている。構造がこれまでに決定されている、3つのクラス-1サイトカイン受容体 複合体の比較は、4-ヘリックス束構造を有することが提唱されている(Boissel ら、J.Biol.Chem.268:15983,1993)天然型EPOホルモンが受容体の二量体化 を誘導するとき、hGH-hGHbp組み立て体に類似する可能性がより高いことを示唆 している。生物学的に関連のあるシグナルを産生する事象のカスケードを開始さ せるためには、複数の様式の生産的細胞外二量体形成によって、細胞質ドメイン と2つのJAK2分子細胞内二量体化が可能になることを示唆するだろう(Ihleら、S eminarsinlmmunology 5:375,1993;Klingmullerら、Cell 80:729,1995)。ペプ チド-EBP構造は次いでシグナル伝達を促進する唯一可能性のある二量体配列を示 す。 1つのArgからCysへの突然変異(ヒトではArg130およびマウスではArg129)を 含む、突然変異体EPOR分子は、EPOの不在下にて生物学的に活性な二量体を形成 することが示されており(Yoshimuraら、J.Biol.Chem.267:11619,1992;Watowi chら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2140,1992;Watowichら、Mol.Cell.Bio l.14:3535,1994)、細胞外受容体ホモ−二量体化がシグナル伝達に対してはそ れ自体で十分であることを示唆している。他の系では(Spencerら、Science 262 :1019,1993)、転写因子の特殊なセットの活性化が、細胞外ドメインおよび膜 貫通ドメインを有しない修飾された細胞膜受容体の細胞質ドメインの化学的な架 橋によって誘導されうることが報告されている。これらの受容体はサイトカイン 受容体スー パーファミリーとは関連がないが、受容体の活性化にはオリゴマー化が主要な役 割を有すること、および細胞外リガンド結合領域の主要な機能的役割が(リガン ドの存在下にて)二量体化およびオリゴマー化を可能にすることができ、細胞質 ドメインの同様の結合を誘導する。 突然変異実験は当初は、おそらく受容体のホモ-二量体化を促進することによ って、この細胞のシグナル伝達過程におけるWSXWSモチーフの役割を示唆してい た(Yoshimuraら、J.Biol.Chem.267:11619,1992;Quelleら、Mol.Cell Biol .12:4553,1992;Chibaら、Biochem.Biophys.Res.Comm.184:485,1992)。し かしながら、EPORの切断突然変異(Miuraら、Arch.Biochem.Biophys.306:200 ,1993)はWSXWSモチーフのこの役割を確認していない。EBP-EMP1複合体構造物 は、EPORのWSXWMSモチーフは、hGH-hGHbp複合体に関しては(deVosら、Science 255:306,1992)、受容体の二量体化による分子の対向面に位置することを示す 。EPOR、hGHRおよびPRLRの細胞外ドメインのリガンド結合していない構造物が存 在しない場合には、リガンド結合時に、WSXWSボックスに関係すると思われる何 らかの構成変化が生じたかどうかを判定することができない。D2の顕著な構造的 特徴および膜貫通ドメインへの明らかな接近とは別に、この領域と、シグナル伝 達過程になんらかの形で関係するいくつかの他の細胞表面分子との相互作用の可 能性を除外することはできない。 小分子エリスロポエチン様物質の設計 EMP1二量体の構造は、天然のホルモンよりかなり小さいペプチドがアゴニスト として作用して、適当な生物応答を誘発することができることを明らかにしてい る。このペプチドは天然のホルモンと受容体との接触界面より実質的に小さい接 触界面を形成すると想定することができる。EBPのペプチド結合部位は、通常で は小分子リガンドが受容体結合部位を特異的に標的とするために必須であるいか なる腔または荷電残基がなくても、ほぼ平面を形成し、本質的には主に疎水性で ある。hGHbpの研究(Wellsら、Science 267:383,1995;Wells、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 93:1,1996)は、観察された構造上の結合部位のごく小さい部分だ け、いわゆる機能的エピトープ(前記)が結合エネルギーの大部分に寄与するこ とを示し、この部位と相互作用するように設計された「最小の」ホルモンは、受 容 体を活性化するほど十分な相互作用をすると思われることを強く示した。さらに 、小ペプチドアゴニストとEBPとの相互作用の制限された部位は、hGHおよびhGHb pのアラニン走査から誘導されるさらに小さい機能的エピトープにほぼ正確に対 応する。従って、異なる方法によって、本発明者らはわずかな数の主要な相互作 用が受容体の機能的エピトープに寄与することができるという同様の結論に達し た。ここで、この簡略化した相互作用面の理解と突然変異の研究を組み合わせて 、機能的エピトープの最も重要な残基を同定する際の助力とすることができ、結 果として薬物設計のために従来よりも実用的な標的物質を提供することができる 。 データ収集、MIRおよび細分統計 結晶構造解析データを表1に要約する。生の結晶構造解析データを、結晶と検 出器の距離を120mmにし、40kVおよび55mAで動作するエリオット(Elliott)GX-1 8発生器に取り付けたシーメンス(Siemens)マルチワイヤーエリア検出器で収集 した。結晶と画像プレートの距離を150mmにし、50kVおよび80mAで動作するシー メンス(Siemens)発生器に取り付けたル徂画像プレートに2つの微分データセッ トを収集した。データは、生データについてはXENGEN(Howardら、J.App.Crys t.20:383,1987)を使用し、微分データについてはDENZO/SCALEPACK(Otwinows kiら、SERC Darsbury Laboratory,Warrington,1993)を使用して、集めて、拡 大し、縮小した。メリットの平均数値を0.64(25.0〜3.1Å)として、プログラ ムパッケージPHASEA(Furey,American Crystallographic Association Fortiet h Anniversary Meeting,New Orleans,LA,1990)を使用して、最初の多同形置 換異常分散(MIRAS)相を3.1Åまで計算した。相は、メリットの平均数値0.92( 25.0〜3.1A)まで、溶媒平坦化プロトコールを使用して、PHASESに細分化した 。マップの質は全般に良好で、複合体構造のほとんど(94%)は、図形プログラ ムO(Joneら、Acta Crystallogr A47:110,1991)を使用して、適合することが できた。アミノ酸残基の登録は、D1の2つのジスルフィド架橋の位置と、遊離Cys181 残基に結合することが正確に想定された酢酸水銀誘導体の2つのHgの位置から 立証された。ペプチドの解釈は、EBPとヨウ素かペプチド(TyrP4をp-ヨード-Phe と置換した)との複合体の別のデータセットから立証した。このペプチドを解像 度3.3Åまで解析し、差分フーリエ(Fiodo−Fnat)αMIRASはヨウ素原子の位置を 明確に示した。X-PLOR 3.1の スロー-クーリングプロトコール(Brungerら、Acta Crystallogr A46:585,1990 ;Brunger、X-PLOR、3.1版:x線とNMRのシステム(A System for X-ray and NMR )、エール大学出版、コネチカット州ニューヘブン、1992年)を使用して、構造 を細分化し、Fo-Fc、3FO-2FcおよびSIGMAA(Read、Acta Crystallogr.A42:140 ,1986)重み付け電子密度マップを使用して再構築した。細分化の2サイクルご との後に、モデルの偏りを少なくするための模擬アニーリング省略マップ(7〜1 0%)のセットを算出して、全構造を再構築した。数サイクルの細分化後に、個別 の温度要因を算出し、10サイクルの細分化およびモデル構築後では、R-値は8.0 〜2.8Åデータでは0.21で、F>1σ(13,984反射)であった。受容体I、受容体II およびペプチドの平均温度パラメータは、それぞれ10.5Å2、12.3Åおよび10.7 Åである。D1のループ領域に位置する、グリシンを含まない残基[EBP2のAsn164 ]だけが、ラマチャンドランプロットの許容外領域に存在する。構造決定の適度 な解像度(2.8Å)のために、溶媒分子はモデルには含まれなかった。 結合接触 結合接触を、一部表2に要約する:EBP-EMP1複合体の結合部位の水素結合相互 作用。複合体の対称性のために、ペプチド-1およびペプチド-2は2つのEBP分子と 等価な相互作用を形成する。距離(カットオフ3.9Å)と幾何学的な考慮とに基 づいて、HBPLUS(McDonaldら、J.Mol.Biol.238:777,1994)を使用して、水 素結合相互作用を解析した。 本発明の多数の態様を記載してきた。にもかかわらず、本発明の精神および範 囲から逸脱することなく、種々の修正が加えられることを理解されると思われる 。従って、本発明は特に例示した態様によって制限されるのではなく、添付の請 求の範囲によってのみ制限されることが理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ, VN (72)発明者 ストゥラ エンリコ エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ パーク ウエスト アベニュ ー 5172 (72)発明者 ジョンソン ダナ エル. アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 アッ パー ブラック エディー ロンリー コ ヘイジ ロード 1343 (72)発明者 ジョリフィー リンダ ケイ. アメリカ合衆国 ニュージャージー州 ベ リー ミード ダベンポート ウェイ 16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.プロセッサ、データ記憶システム、入力装置および出力装置を備えるプログ ラム式コンピュータを使用してエリスロポエチン様物質と考えられるものを同定 するためのコンピュータ支援方法であって: (a)ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGGが、エリスロポエチン受容体のアミノ酸1〜 225を含む該受容体の一部と共に結晶化されるとき、該ペプチドの原子のサブセ ットの3次元座標を含むデータを該入力装置を介してプログラム式コンピュータ に入力することによって、基準データセットを作成する段階、 (b)該プロセッサを使用して、該基準データセットと、該コンピュータデータ 記憶システムに記憶された化学構造のコンピュータデータベースとを比較する段 階、 (c)コンピュータ方法を使用して、該基準データセットと構造が類似した部分 を有する化学構造を該データベースから選択する段階、および (d)該基準データセットと類似した部分を有する選択された化学構造を該出力 装置に出力する段階 を含む方法。 2.プロセッサ、データ記憶システム、入力装置および出力装置を備えるプログ ラム式コンピュータを使用してエリスロポエチン様物質と考えられる物質を同定 するためのコンピュータ支援方法であって: (a)ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGGが、エリスロポエチン受容体のアミノ酸1〜 225を含む該受容体の一部と共に結晶化されるとき、該ペプチドの原子のサブセ ットの3次元座標を含むデータを該入力装置を介してプログラム式コンピュータ に入力することによって、基準データセットを作成する段階、 (b)コンピュータ方法を使用して、該基準データセットと構造が類似した部分 を有する化学構造のモデルを構築する段階、および (c)構築したモデルを該出力装置に出力する段階 を含む方法。 3.化合物がEPO様物質である、請求項1記載の方法を使用して選択される化学構 造を有する化合物。 4.化合物がペプチドではない、請求項3記載の化合物。 5.化合物がペプチドである、請求項3記載の化合物。 6.ペプチドが15個以下のアミノ酸を有する、請求項5記載の化合物。
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