JP2000509754A - α―オレフィン―シクロオレフィン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

α―オレフィン―シクロオレフィン共重合体及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (1)0〜39モル%の下記式(A) 〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕で表されるα−オレフィン成分および61〜100モル%の下記式(B) 〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕で表されるシクロオレフィン成分から実質的になり、(2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηsp/cが0.1〜10dL/gの範囲にある、α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体、その水添共重合体およびそれらの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体及びその製造方法 技術分野 本発明は、α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体及びそれらの製造方法 に関する。更に詳しくは、本発明は、α−オレフィンに由来する構成単位とシク ロオレフィンに由来する構成単位との交互配列性が高い、すなわち交互共重合性 が高く、化学的な均質性の高いα−オレフィン−シクロオレフィン共重合及びそ の製造方法に関するものである。これらのα−オレフィン−シクロオレフィン共 重合体を前駆体として、それに水素添加処理を行った水素α−オレフィン−シク ロオレフィン共重合体は、光学的に均一性、透明性が高く、光ディスク基板をは じめとする光学材料用途に好適である。 背景技術 光ディスク基板、光学用レンズ等の光学材料に用いられるプラスチックには、 透明性の他に、光学等方性(低複屈折性)、寸法安定性、耐候性、熱安定性等の 様々な特性が要求される。従来、これらの光学用途には、ポリカーボネートある いはポリメタクリル酸メチルが主として用いられてきたが、ポリカーボネートは 固有複屈折率が大きく、成形物に光学異方性が生じやすいこと、またポリメタク リル酸メチルは吸水率が極めて高いため寸法安定性に乏しいこと、また耐熱性も 低いことが欠点となっている。 現在の光ディスク基板にはポリカーボネートが専ら用いられているが、近年、 光磁気記録ディスク(MOD)の大容量化、あるいはデジタルビデオディスク(DVD)の 開発に代表される記録密度の高密度化 の進展に伴い、かかるポリカーボネートの複屈折の大きさ、吸湿によるディスク の反りの問題が懸念されるようになってきている。 かかる状況に鑑み、ポリカーボネートの代替材料として環状オレフィン系重合 体の開発が盛んに行われている。これらの重合体の製造方法は下記の2つのタイ プに大別される。 (1)メタセシス触媒により環状オレフィンを開環重合した後、重合体主鎖に生 じる不飽和二重結合を水素添加する。 (2)チーグラー・ナッタ触媒、あるいはカミンスキー触媒により、エチレンな どのα−オレフィンと環状オレフィンとを環状オレフィンを開環させることなく 共重合する。 (1)の製造方法では、重合体の一次構造は一義的に決まるため化学的に均質 性が高く、従って成形物の透明性の高い重合体が得られるという長所がある反面 、耐熱性の高い重合体を得るには高価な多環状オレフィンをモノマーとして用い る必要がある。例えば、現在上市されている日本ゼオン(株)製非晶性ポリオレ フィン樹脂〔商標名ZEONEX〕、日本合成ゴム(株)製非晶性ポリオレフィン樹脂 〔商標名ARTON〕では、いづれもジシクロペンタジエンと対応するジエノファイ ルとのDiels-Alder型付加体であるテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10. 〕−3−ドデセンの誘導体がモノマーとして用いられているが〔Polymer Prepri nts,Japan Vol.44,No.1,81-83(1995)〕、これらの多環状モノマーは合成、及 び精製にコストがかかり、経済性に欠けるという欠点がある。 (2)の製造方法では、高価な多環状オレフィンを用いなくとも耐熱性の高い 重合体が得られるため、経済的な利点は大きい。例えば、エチレン−ノルボルネ ン共重合体では、ノルボルネン(以下、NBと略記する。)成分の組成割合を増や すことによりガラス転移温度が140℃以上の該共重合体が得られることが知られ ている〔B.L. Goodall et al,Macromol.Symp.89,421-423(1995)〕。しかし、この製造方法 の本質的な問題点として、重合体の化学的な均質性が得られにくいことが挙げら れる。一般に、共重合体の場合、モノマーの反応性はモノマーの組成比及び濃度 、重合温度、触媒濃度などのパラメーターにより様々に変化するため、重合の進 行中、生成する共重合体の組成比を一定に保つことは難しい。 α−オレフィンにエチレンを用いたエチレン−環状オレフィン共重合体は数多 く提案されているが、そのほとんどが重合反応中のエチレン圧力を一定に保ちな がら重合したものであり、この場合重合の進行とともに下記のモノマーの組成比 〔環状オレフィン〕/〔エチレン〕 は低下していき、そのため共重合体への環状オレフィンの導入率が低下していく ことになる。かかる共重合組成比のばらつきは重合体の密度の揺らぎにつながり 、光散乱の割合を増加させ透明性を低下させる原因となる。また、一般に環状オ レフィンに比べてエチレンの反応性のほうが高いため、結晶性のエチレンホモポ リマー、オリゴマー、あるいは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体が 生成しやすく、これらも透明性を低下させる大きな原因となる。 これらの欠点を解決するため、触媒を工夫することによりエチレンと環状オレ フィンとの交互共重合性を高めた例(特開平6−339327号公報)、およびポリエ チレン、あるいはエチレンブロックの生成を抑えた例(特開平6−271628号公報 、特開平8−12712号公報)などが提案されているが、光ディスク基板のような 光学的な均一性、透明性が厳しく要求される用途を満足する重合体を得ることは 困難であるのが実状である。 以上の状況から、高価な環状オレフィンを用いずに、光学用途に耐え得る光学 的な均一性、透明性を有し、かつ、耐熱性も高い環状 オレフィン系重合体を製造する方法はいまだ実現されておらず、その開発が望ま れていた。 ジシクロペンタジエン(以下、DCPDと略記する。)は様々な環状オレフィンを 合成する際の出発原料の1つであり、それ自体最も安価な環状オレフィンでもあ る。しかしながら、それをモノマーとするα−オレフィン−DCPD共重合体は、該 共重合体中にDCPDに由来する不飽和二重結合が残存するためと思われるが、これ まであまり検討されていなかった。 エチレン−DCPD共重合体そのものは既に公知である。バナジウム化合物と有機 アルミニウム化合物からなるチーグラー・ナッタ触媒を用いて、エチレンとDCPD の共重合を行い、DCPD成分が6〜100mol%の組成比であるエチレン−DCPD共重合 体を得たことが文献で報告されている〔H.Schnecko,et al,Angew.Macromol.Ch em.,20,141-152(1971)〕。かかる報告はバナジウム系触媒では、エチレンとDC PDとがランダム共重合することを示唆している。 一方、カミンスキー触媒を用いたエチレン−DCPD共重合体の報告例はわずかで ある。特公平7−13084号公報では、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ ムジクロリドとアルミノキサンを触媒として、エチレンとDCPDとの共重合例が開 示されている。しかし、得られた共重合体におけるDCPD成分の組成比は20mol% 以下に留まる。特許第2504495号、特開平7−224122号公報および特開平8−597 44号公報には使用し得るモノマーの一候補としてDCPDが記載されているが、その 詳細を知る手がかりはない。 さらに、米国特許第4948856号には、エチレンとDCPDを含むノルボルネンタイ プのモノマーの共重合体が開示され、交互共重合体が好ましいことが開示されて いる。しかし、ここに開示された方法では交互共重合性の高められた共重合体を 得ることはできず、開示さ れたノルボルネンタイプのモノマーのうちでDCPDの使用については具体的な例示 は存在しない。 発明の開示 本発明は、化学的に均質性が高く、光学用途に好適なα−オレフィン−シクロ オレフィン共重合体およびその製造方法を提供することを目的とする。 本発明者は、カミンスキー触媒を用いたα−オレフィンとDCPDとの共重合反応 を鋭意検討した結果、DCPDの反応性に関して従来のバナジウム系触媒とは大きく 異なる点を見いだした。すなわち、カミンスキー触媒を用いると、DCPDのホモ重 合体は全く得られず、またエチレンと共重合させた場合、どんなにDCPD対エチレ ンの組成比を大きくしても共重合体のDCPD成分が50モル%を超えることはない。 このことはカミンスキー触媒下では、DCPD成分の連鎖がほとんど起こり得ないこ とを示している。 かかる知見は驚くべきものである。なぜなら、これまで数多く報告されている NBを用いたカミンスキー触媒による重合においては、NBのホモ重合体が得られる こと〔W.Kaminsky et al,Stud.Surf.Sci.Catal.56(Catal.Olefin Polym),425 -438(1990)〕、またNB成分の組成が50モル%を超えるエチレン−ノルボルネン共 重合体が得られること〔W.Kaminsky et al,Macromol.Chem.,Macromol.Symp. 47,83-93(1991)〕などから、NB成分の連鎖が容易に起こることは公知の事実 だからである。 本発明者は、かかるDCPD及び触媒の特性に着目し、カミンスキー触媒を用いて 、α−オレフィンに対するDCPDのモノマー組成比を一定値以上に保って共重合体 を製造すると、α−オレフィン成分とDCPD成分との交互配列性が高く、また結晶 性のα−オレフィンのホモ ポリマー、オリゴマー、あるいはブロックポリマーの生成が抑えられ、従って化 学的に均質性の高いα−オレフィン−DCPD共重合体が得られることを見いだした 。さらに、該共重合体に水素添加処理を行って不飽和二重結合を水素化した水添 α−オレフィン−DCPDの共重合体は、光学的な均一性および透明性に優れ、光デ ィスク基板をはじめとする光学用途に好適であることを見いだし、本発明を完成 するに至った。 すなわち、本発明は、 (1)0〜39モル%の下記式(A) 〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるα−オレフィン成分および61〜100モル%の下記式(B) 〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるシクロオレフィン成分から実質的になり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0. 1〜10dL/gの範囲にある、 交互共重合性の高められたα−オレフィン−シクロオレフィン共重 合体(以下、共重合体(X)ということがある)を提供する。 従って、本発明に係る上記共重合体は、式(A)および(B)で表される繰り 返し単位から成る共重合体に加えて、共重合体(X)中に式(A)で表される繰 り返し単位を実質的に含まず、従って式(B)で表される繰り返し単位から実質 的になる共重合体をも包含する。 また、本発明は、 (1)下記式(A),(B),(C)および(D) 〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 〔式中、nは0または1であり、mは0または1〜3の正の整数であり、pは0 または1であり、R3〜R22は同一または異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン 原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または炭素数1〜12の飽和もしくは不飽 和脂肪族炭化水素基であり、またはR19とR20とでもしくはR21とR22とでアル キリデン基を形成していてもよく、またはR19またはR20とR21またはR22とは それらが結合している2個の炭素原子といっしょになって、少なくとも1個の二 重結合を有していてもよく、もしくは芳香族環であってもよい環を形成していて もよい〕 〔式中、qは2〜8の整数である〕 で表される繰り返し単位から実質的になり、式(A),(B),(C)および(D) で表される繰り返し単位のモル%を、それぞれ〔A〕,〔B〕,〔C〕および〔 D〕とすると、その組成比が(〔A〕+〔B〕)/(〔C〕+〔D〕)=95〜99 .9/0.1〜5、〔A〕/〔B〕=0〜39/61〜100および〔D〕/〔C〕=0〜95 /5〜100の範囲にあり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 交互共重合性の高められたα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体(以下、 共重合体(Y)ということがある)を提供する。 すなわち、本発明に係る上記共重合体は、繰り返し単位(B)および(C)か らなり、その組成比が〔B〕/〔C〕=95〜99.9/0.1〜5の範囲にある共重合 体を包含する。 また、本発明に係る上記共重合体は、繰り返し単位(B),(C)及び(D) からなり、その組成比が〔B〕/(〔C〕+〔D〕)=95〜99.9/0.1〜5の範 囲にあり、かつ〔D〕/〔C〕=1〜95/5〜99の範囲にある共重合体を包含す る。 また、本発明に係る上記共重合体は、繰り返し単位(A),(B)及び(C)から なり、その組成比が(〔A〕+〔B〕)/〔C〕=95〜99.9/0.1〜5、〔A〕 /〔B〕=1〜24/76〜99の範囲にある共重合体を包含する。 さらに、本発明に係る上記共重合体は、繰り返し単位(A),(B),(C)及び (D)からなり、その組成比が(〔A〕+〔B〕)/(〔C〕+〔D〕)=95〜9 9.9/0.1〜5、〔A〕/〔B〕=1〜24/76〜99および〔D〕/〔C〕=1〜95 /5〜99の範囲にある共重合体を包含する。 さらに、本発明は、共重合体(X)に含まれる不飽和二重結合の少なくとも99 %を、水素添加処理により水素化した、交互共重合性の高められた水添タイプの α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体(以下、共重合体(XH)というこ とがある)を提供する。すなわち、これらのα−オレフィン−シクロオレフィン 共重合体(XH)は、 (1)0〜39モル%の下記式(AH〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるα−オレフィン成分および61〜100モル%の下記式(BH〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるシクロオレフィン成分から実質的になり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 ようなものであってよい。共重合体(以下、共重合体(X)ということがある) を提供する。 また、本発明は、共重合体(Y)に含まれるオレフィン系不飽和二重結合の少 なくとも99%を、水素添加処理により水素化した、交互共重合性の高められた水 添タイプのα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体(以下、共重合体(YH )ということがある)を提供する。すなわち、これらの共重合体(YH)は、 (1)下記式(AH),(BH),(CH)および(DH〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 〔式中、nは0または1であり、mは0または1〜3の正の整数であり、pは0 または1であり、R3〜R22は同一または異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン 原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水 素基であり、またはR19とR20とでもしくはR21とR22とでアルキリデン基を形 成していてもよく、またはR19またはR20とR21またはR22とはそれらが結合し ている2個の炭素原子といっしょになって、芳香族環であってもよい環を形成し ていてもよい〕 〔式中、qは2〜8の整数である〕 で表される繰り返し単位から実質的になり、式(AH),(BH),(CH)および( DH)で表される繰り返し単位のモル%を、それぞれ〔AH〕,〔BH〕,〔CH〕 および〔DH〕とすると、その組成比が(〔AH〕+〔BH〕)/(〔CH〕+〔DH 〕)=95〜99.9/ 0.1〜5、〔AH〕/〔BH〕=0〜39/61〜100および〔DH 〕/〔CH〕=0〜95/5〜100の範囲にあり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 ようなものであってよい。 また、本発明は、炭素数2以上のα−オレフィンとDCPDとを共重合させるにあ たり、中心金属がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる少なくとも1 種のメタロセンと少なくとも1種の助触媒とを含む触媒の存在下に、重合開始か ら重合反応系に加えたDCPDの反応率が60%に達するまでの間、反応系に存在する モノマーのモル比(F)を下記式(I) F=〔ジシクロペンタジエン〕/〔α−オレフィン〕>4 (I) を満足する範囲に保ちながら共重合するか、または共重合後にさらに水素添加す ることを含むα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体の製造方法を提供する 。 かかる製造方法の中でも、用いるα−オレフィンがエチレンである製造方法が 好ましい。また、メタロセンの中心金属が、ジルコニウムであり、助触媒がアル ミノキサンであることが好ましい。また、メタロセンの中心金属が、ジルコニウ ムであり、助触媒がイオン性ホウ素化合物であることも好ましい。 かかるモノマー比を保持する期間については、重合反応系に加えたジシクロペ ンタジエンの反応率が70%に達するまで、反応系に存在するモノマーのモル比( F)を、式(I)を満足する範囲とすることが好ましい。 さらに、本発明におけるモノマー比(F)の範囲が、さらにF>5.5であるこ とがより好ましい。 本発明者は、さらに触媒の反応性まで含めたα−オレフィンとDCPDとの共重合 反応を鋭意検討した結果、また用いるメタロセンの種 類によってモノマーの反応性がかなり異なることをも見いだした。かかる触媒に よるモノマー反応性比の違いを考慮に入れて重合反応系中のモノマーの組成比を コントロールして重合を行うことにより、共重合組成のばらつきが少なく、かつ 、交互共重合性の高い、すなわち化学的に均質性が高いα−オレフィン−DCPD共 重合体が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。 従って、本発明は、炭素数2以上のα−オレフィンとDCPDとを共重合させるに あたり、中心金属がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる少なくとも 1種のメタロセンと少なくとも1種の助触媒とを含む触媒の存在下に、重合開始 から重合反応系に加えたDCPDの反応率が60%に達するまでの間、重合反応系に存 在するモノマーのモル比(F=〔DCPD〕/〔α−オレフィン〕)を下記式(II) 38/62<F/(F+rα)<48/52 (II) を満足する範囲に保ちながら共重合するか、または共重合後にさらに水素添加す ることを含むα−オレフィン−DCPD共重合体の製造方法を提供する。ここで、rα は重合途中にある共重合体の成長末端がα−オレフィン成分であるときの、DC PDに対するα−オレフィンの反応速度比を表す。 上記本発明の方法は、α−オレフィンがエチレンである場合に特に好適に適用 できる。また、メタロセンが中心金属がジルコニウムからなるメタロセンであり 、助触媒がアルミノキサンであることが好ましい。また、メタロセンが中心金属 がジルコニウムからなるメタロセンであり、助触媒がイオン性ホウ素化合物であ ることも好ましい。 かかるモノマー比を保持する期間については、重合開始から重合反応系に加え たDCPDの反応率が70%に達するまでの間、重合反応系に存在するモノマーのモル 比(F)を、式(I)を満足する範囲と することが好ましい。 図面の簡単な説明 図1は、参考例1において、VOCl3-Et2AlClを触媒として得られたDCPDのホモ ポリマーの1H-NMRスペクトル(400MHz)である。重溶媒にo−ジクロロベンゼン を用い、80℃で測定した。 図2は、参考例2において、VOCl3-Et2AlClを触媒として得られたDCPD成分を3 9モル%含むエチレン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトル(400MHz)である。重 溶媒にo−ジクロロベンゼンを用い、80℃で測定した。 図3は、実施例2において、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロ ペンタジエニル)ジルコニウムクロライド〔iPr(Cp)(Flu)ZrCl2〕-PMAO(ポリメチ ルアルミノキサン)を触媒として得られたDCPD成分を39モル%含むエチレン−DCP D共重合体の1H-NMRスペクトル(400MHz)である。重溶媒にo−ジクロロベンゼ ンを用い、80℃で測定した。 図4は、参考例4において、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2-PMAOを触媒として得られたDC PD成分を50モル%含むエチレン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトル(400MHz)で ある。重溶媒にo−ジクロロベンゼンを用い、80℃で測定した。 図5は、参考例5において、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2-PMAOを触媒として得られたDC PD成分を28モル%含むエチレン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトル(270MHz)で ある。重溶媒にo−ジクロロベンゼンを用い、80℃で測定した。 図6は、実施例21において、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムクロ ライド〔Et(Ind)2ZrCl2〕-〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4-を触媒として得られたDC PD成分を45モル%含むエチレン−DC PD共重合体からの水添共重合体の1H-NMRスペクトル(270MHz)である。重溶媒に o−ジクロロベンゼンを用い、80℃で測定した。 図7は、実施例22において、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2−〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4- を触媒として得られたDCPD成分を43モル%含むエチレン−DCPD共重合体からの 水添共重合体の1H-NMRスペクトル(270MHz)である。重溶媒にo−ジクロロベン ゼンを用い、80℃で測定した。 図8は、実施例23において、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2−〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4- を触媒として得られたDCPD成分を42モル%含むエチレン−DCPD共重合体からの 水添共重合体の1H-NMRスペクトル(270MHz)である。重溶媒にo−ジクロロベン ゼンを用い、80℃で測定した。 図9は、参考例1において、VOCl3-Et2AlClを触媒として得られたDCPDのホモ ポリマーからの水添ホモポリマーの1H-NMRスペクトル(400MHz)である。重溶媒 にo−ジクロロベンゼンを用い、80℃で測定した。 図10は、参考例2において、VOCl3-Et2AlClを触媒として得られたDCPD成分を3 9モル%含むエチレン−DCPD共重合体からの水添共重合体の1H-NMRスペクトル(4 00MHz)である。重溶媒にo−ジクロロベンゼンを用い、80℃で測定した。 図11は、参考例5および6で求めた、共重合反応における仕込みモノマー比と 生成重合体の組成比との関係を示す。 A:メタロセンにiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共 重合における仕込みDCPDモル分率〔DCPD/(エチレン+DCPD)〕と生成重合体中 のDCPD成分のモル分率との関係を表す曲線。 B:メタロセンにiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を用いた場合の、エチレン とNBとの共重合における仕込みNBモル分率〔NB/(エチレン+NB)〕と生成重合 体中のNB成分のモル分率との関係を示す曲線。 図12は、参考例7および8で求めた、40℃におけるエチレン圧力とトルエン及 びDCPDに対するエチレンの溶解度(モル分率)との関係を示す。 C:40℃におけるエチレン圧力とトルエンに対するエチレンの溶解度(モル分 率、エチレン/(エチレン+トルエン))との関係を表す直線。 D:40℃におけるエチレン圧力とDCPDに対するエチレンの溶解度(モル分率、 エチレン/(エチレン+DCPD))との関係を表す直線。 図13は、参考例9,10および11で求めた、エチレンとDCPDとの共重合反応にお ける仕込みDCPDモル分率と生成重合体中のDCPD成分のモル分率との関係を示す。 E:メタロセンに1Pr(Cp)(Flu)ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共 重合における仕込みDCPDモル分率〔DCPD/(エチレン+DCPD)〕(%)と生成重 合体中のDCPD成分のモル分率(%)との関係を表す曲線。 F:メタロセンにEt(Ind)2ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共重合 における仕込みDCPDモル分率〔DCPD/(エチレン+DCPD)〕(%)と生成重合体 中のDCPD成分のモル分率(%)との関係を表す曲線。 G:メタロセンにMe2Si(Ind)2ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共重 合における仕込みDCPDモル分率〔DCPD/(エチレン+DCPD)〕(%)と生成重合 体中のDCPD成分のモル分率(%)との関係を表す曲線。 図14は、参考例9,10および11で実施した、Finemann-Rossの方法によるF’2 /f’とF’(f’−1)/f’とのプロットであ る。ただし、F’=〔エチレン〕/〔DCPD〕であり、f’=共重合体中のエチレ ン成分/DCPD成分である。 H:メタロセンにiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共 重合反応におけるF’2/f’とF’(f’−1)/f’との関係を表す直線。 I:メタロセンにEt(Ind)2ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共重合 反応におけるF’2/f’とF’(f’−1)/f’との関係を表す直線。 J:メタロセンにMe2Si(Ind)2ZrCl2を用いた場合の、エチレンとDCPDとの共重 合反応におけるF’2/f’とF’(f’−1)/f’との関係を表す直線。 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明について詳しく説明する。共重合体(X) 本発明の共重合体(X)は、0〜39モル%の下記式(A)および61〜100モル %の(B)で表わされる繰り返し単位から実質的になる。 ここで、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 ここで、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 上記式(A)で表わされる繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位中0〜39モ ル%、好ましくは1〜38モル%、さらに好ましくは5〜35モル%である。上記式 (B)で表わされる繰り返し単位の割合は、61〜100モル%、好ましくは62〜99 モル%、さらに好ましくは65〜98モル%である。 共重合体(X)は、濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度 ηSP/cが0.1〜10dL/g、好ましくは、0.2〜3dL/gの範囲にある。共重合体(Y) 本発明の共重合体(Y)は、下記式(A),(B),(C)および(D)で表わさ れる繰り返し単位からなる。 ここで、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 ここで、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 ここで、nは0または1である。mは0または1−3の正の整数であり、0ま たは1が好ましい。pは0または1である。R3〜R22は同一または異なり、そ れぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または炭素数 1〜12の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基である。炭素数6〜10の芳香族炭 化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられ、これら はメチル基等の炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい。炭素数1〜 12の飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、シク ロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。炭素数1 〜12の不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル基、プロペニル基等のアルケニ ル基等が挙げ られる。 あるいは、R19とR20とでもしくはR21とR22とでメチリデン基、エチリデン 基等のアルキリデン基を形成していてもよく、またはR19またはR20とR21また はR22とはそれらが結合している2個の炭素原子といっしょになって、少なくと も1個の二重結合を有していてもよく、もしくは芳香族環であってもよい環を形 成していてもよい。 ここで、qは2〜8の整数であり、2,3または4が好ましい。 共重合体(Y)において、式(A),(B),(C)および(D)で表わされる繰り 返し単位のモル%を、それぞれ〔A〕,〔B〕,〔C〕および〔D〕とすると、 その組成比は以下のようになる。 (〔A〕+〔B〕)/(〔C〕+〔D〕)は、95〜99.9/0.1〜5、好ましく は95〜98/2〜5である。また、〔A〕/〔B〕は、0〜39/61〜100、好まし くは1〜38/62〜99である。また、〔D〕/〔C〕は、0〜95/5〜100、好ま しくは0〜80/20〜100である。 共重合体(Y)の濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηS P /cは、0.1〜10dL/g、好ましくは0.2〜3dL/gの範囲である。製造方法 本発明の方法において、重合反応系に供給されるα−オレフィンとしては、エ チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテン、1 −オクテン、1−デセン、1−ドデセン 、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどの炭素数が2〜 18のα−オレフィンを例示することができる。これらのうち、重合活性および重 合体の分子量の観点からエチレンおよびプロピレンが好ましく、エチレンが特に 好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いてもよ い。 本発明に用いられる環状オレフィンはDCPDであるが、重合体の物性を考慮し、 必要に応じて下記一般式(III)および/または(IV)で表される環状オレフィ ンを、本発明の目的を損なわない範囲で少量重合系に加えてもよい。 ここで、n,m,pおよびR3〜R22は式(C)に対して規定したものと同じ である。 ここで、qは式(D)に対して規定したものと同じである。 その量はDCPDに対して10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。 本発明によれば、カミンスキー触媒が用いられる。カミンスキー触媒は、周知 のようにメタロセンと助触媒とを含むものである。 メタロセンとしては下記一般式(V)で表されるものが好ましく 用いられる。 〔式中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる群から選ばれる金 属であり、R26とR27は同一もしくは異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子 、炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基 または炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、R24とR25は同一もしくは異な り、それぞれ中心金属Mとともにサンドイッチ構造を形成することのできる単環 状もしくは多環状炭化水素基であり、R23はR24基とR25基を連結するブリッジ であって、例えば であり、ここでR28〜R31は同一もしくは異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン 原子、炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキ シ基または炭素数6〜12のアリールオキシ基であるか、あるいはR28とR29また はR30とR31とは環を形成していてもよい〕 上記式(V)で表されるメタロセンにおいて、中心金属Mはジルコニウムであ ることが触媒活性の面で最も好ましい。R26およびR27は同一または異なっても よく、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子(特に塩素原子) であることが好ましい。R24およびR25における望ましい環状炭化水素基として は、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基を例示することが できる。これらは水素原子またはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert− ブチル基等のアルキル基、あるいはフェニル基、ベンジル基などにより置換され ていてもよい。R28〜R31は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニ ル基であるのが好ましく、R23としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基 などの低級アルキレン基、イソプロピリデンなどのアルキリデン基、ジフェニル メチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェ ニルシリレンなどの置換シリレン基を好ましく例示することができる。 中心金属Mがジルコニウムであるメタロセンとしては、以下の化合物を例示す ることができる。 ジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ ニルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウム ジクロリド、ジベンジルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ リド、メチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン− ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン−ビス( 1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−ビス(1−イン デニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン−ビス(1−インデ ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス〔1−(2,4,7− トリメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン−ビス 〔1−(2,4,7−トリメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジベ ンジルシリレン−ビス〔1−(2,4,7−トリメチル)インデニル〕ジルコニ ウムジクロリド、メチレン−ビス〔1−(2,4,7−トリメチル)インデニル 〕ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス〔1−(2,4,7−トリメチル) インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン−ビス〔1−(2, 4,7−トリメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン −ビス〔1−(2,4,7−トリメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド 、フェニルメチルシリレン−ビス〔1−(2,4,7−トリメチル)インデニル 〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス〔1−(2,4−ジメチル )インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン−ビス〔1−(2 ,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシリレン− ビス〔1−(2,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、メチレ ン−ビス〔1−(2,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、エ チレン−ビス〔1−(2,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド 、ジフェニルメチレン−ビス〔1−(2,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニ ウムジクロリド、イソプロピリデン−ビ ス〔1−(2,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、フェニル メチルシリレン−ビス〔1−(2,4−ジメチル)インデニル〕ジルコニウムジ クロリド、ジメチルシリレン−ビス〔1−(4,5,6,7−テトラヒドロ)イ ンデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン−ビス〔1−(4,5 ,6,7−テトラヒドロ)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシ リレン−ビス〔1−(4,5,6,7−テトラヒドロ)インデニル〕ジルコニウ ムジクロリド、メチレン−ビス〔1−(4,5,6,7−テトラヒドロ)インデ ニル〕ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス〔1−(4,5,6,7−テト ラヒドロ)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン−ビス〔 1−(4,5,6,7−テトラヒドロ)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、 イソプロピリデン−ビス〔1−(4,5,6,7−テトラヒドロ)インデニル〕 ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン−ビス〔1−(4,5,6, 7−テトラヒドロ)インデニル〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン− (9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニ ルシリレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ ド、ジベンジルシリレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニ ウムジクロリド、メチレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコ ニウムジクロリド、エチレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジル コニウムジクロリド、ジフェニルメチレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタ ジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シ クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン−(9− フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ レン−(9−フルオレニ ル)〔1−(3−tertブチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド 、ジフェニルシリレン−(9−フルオレニル)〔1−(3−tertブチル)シクロ ペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシリレン−(9−フルオ レニル)〔1−(3−tertブチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロ リド、メチレン−(9−フルオレニル)〔1−(3−tertブチル)シクロペンタ ジエニル〕ジルコニウムジクロリド、エチレン−(9−フルオレニル)〔1−( 3−tertブチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニル メチレン−(9−フルオレニル)〔1−(3−tertブチル)シクロペンタジエニ ル〕ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)〔1− (3−tertブチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、フェニル メチルシリレン−(9−フルオレニル)〔1−(3−tertブチル)シクロペンタ ジエニル〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−(9−フルオレニル) 〔1−(3−メチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェ ニルシリレン−(9−フルオレニル)〔1−(3−メチル)シクロペンタジエニ ル〕ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシリレン−(9−フルオレニル)〔1 −(3−メチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、メチレン− (9−フルオレニル)〔1−(3−メチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウ ムジクロリド、エチレン−(9−フルオレニル)〔1−(3−メチル)シクロペ ンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン−(9−フルオレ ニル)〔1−(3−メチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、 イソプロピリデン−(9−フルオレニル)〔1−(3−メチル)シクロペンタジ エニル〕ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン−(9−フルオレニ ル)〔1−(3−メチル)シクロペンタ ジエニル〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−〔9−(2,7−ジ− tertブチル)フルオレニル〕(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド 、ジフェニルシリレン−〔9−(2,7−ジ−tertブチル)フルオレニル〕(シ クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシリレン−〔9−( 2,7−ジ−tertブチル)フルオレニル〕(シクロペンタジエニル)ジルコニウ ムジクロリド、メチレン−〔9−(2,7−ジ−tertブチル)フルオレニル〕( シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−〔9−(2,7− ジ−tertブチル)フルオレニル〕(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ リド、ジフェニルメチレン−〔9−(2,7−ジ−tertブチル)フルオレニル〕 (シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−〔9− (2,7−ジ−tertブチル)フルオレニル〕(シクロペンタジエニル)ジルコニ ウムジクロリド、フェニルメチルシリレン−〔9−(2,7−ジ−tertブチル) フルオレニル〕(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ リレン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ フェニルシリレン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク ロリド、ジベンジルシリレン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコ ニウムジクロリド、メチレン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコ ニウムジクロリド、エチレン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコ ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン−(1−インデニル)(シクロペンタジエ ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−(1−インデニル)(シクロペ ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン−(1−インデ ニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビ ス(シクロペンタジエニ ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン−ビス(シクロペンタジエニ ル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシリレン−ビス(シクロペンタジエニ ル)ジルコニウムジクロリド、メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ ニウムジクロリド、エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク ロリド、ジフェニルメチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク ロリド、イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ リド、フェニルメチルシリレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ クロリド、イソプロピリデン−(1−インデニル)〔1−(3−tertブチル)シ クロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、インプロピリデン−(9−フル オレニル)〔1−(3−イソプロピル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジ クロリド、イソプロピリデン−〔1−(2,4,7−トリメチル)インデニル〕 (シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−(シクロペンタ ジエニル)〔1−(3−tertブチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジク ロリド、エチレン−(シクロペンタジエニル)〔1−(3−フェニル)シクロペ ンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−(9−フルオレニ ル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ジメチルシリレン−ビス (1−インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレン−ビス(1−インデニル )メチルジルコニウムモノクロリド。 本発明において、特に好ましいメタロセンとしては、イソプロピリデン−(9 −フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル メチレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド 、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)〔1−(3−メチル)シクロペンタ ジエニル〕ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル )〔1−(3−tertブチル)シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド、 イソプロピリデン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク ロリド、ジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびイソプロピリ デン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを挙げることができる。 かかるメタロセンの濃度は一般にはその重合活性に応じて決定すればよいが、 重合反応系に加えたDCPDを基準にとると、DCPD1モルに対して10-6〜10-2モル、 好ましくは10-5〜10-3モルの濃度にて使用されるのがよい。 助触媒としては有機アルミニウムオキシ化合物であるアルミノキサンが好まし く用いられる。アルミノキサンは、線状構造では一般式(VI)で、環状構造では 一般式(VII)で例示することができる。 式(VI)および(VII)おいて、R32〜R37は同一または異なり、メチル基、 エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基 またはベンジル基であり、好ましくはメチル基またはエチル基、特に好ましくは メチル基である。mは2以上の整数、好ましくは5から100までの整数である。 アルミノキサンは、吸着水を含む化合物または結晶水を含む塩類(例えば硫酸 銅水和物)とトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物とを不活 性溶媒(例えばトルエン)中で反応させるなどの従来公知の方法によって製造す ることができる。なお、アルミノキサンには該製造方法に由来する少量の有機ア ルミニウム化合物が含まれていても差し支えない。 該アルミノキサンによってメタロセンを活性化することができ、重合活性が得 られる。メタロセンの活性化は溶液中で行われるが、アルミノキサンの溶液中に メタロセンを溶解させて行うのが好ましい。かかる活性化の際に用いる溶媒とし ては、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が好ましく、その中でもトルエンが 最も好ましい。アルミノキサンによるメタロセンの活性化は、通常、重合反応に 用いる前に行われるが、その際活性化に費やされる時間は1分から10時間であり 、好ましくは3分から1時間である。活性化は−40〜110℃、好ましくは0〜80 ℃の温度範囲で行われる。 アルミノキサン溶液の濃度は、1重量%から飽和限界までの範囲で特に制限は ないが、5〜30重量%であるのが好ましい。メタロセンに対するアルミノキサン の割合は、メタロセン1モルに対してアルミノキサン30〜20,000モル、好ましく は100〜5,000モルである。メタロセンに対するアルミノキサンの量が少なすぎる と、充分な重合活性が得られず好ましくない。逆にアルミノキサンの量が多すぎ るのは、重合活性は高いものの高価なアルミノキサンを多く使うため経済的でな く、さらには重合後の精製が困難になるため好ましくない。 アルミノキサンに加えて好適に用いられる助触媒としては、イオン性ホウ素化 合物を挙げることができる。イオン性ホウ素化合物とは、具体的には下記一般式 (VIII)〜(XI)で表される化合物のこ とである。 〔R38 3C〕+〔BR39 4- …(VII) 〔R38 XNH4-x+〔BR39 4- …(IX) 〔R38 xPH4-x+〔BR39 4- …(X) Li+〔BR39 4- …(XI) 〔式(VIII)〜(XI)において、各R38は同一または異なり、炭素数1〜8の 脂肪族炭化水素基または炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。各R39は同一 または異なり、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。xは1,2,3または 4である。〕 上記式(VIII)〜(XI)で表されるイオン性ホウ素化合物において、R38と してはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基またはフェニ ル基等のアリール基を例示することができる。R39としてはフッ素化された芳香 族炭化水素基および部分的にフッ素化された芳香族炭化水素基が好ましく、なか でもペンタフルオロフェニル基が特に好ましい。xは好ましくは3である。 具体的な化合物としては、N,N−ジメチルアニリニウム−テトラキス(ペン タフルオロフェニル)ボレート、トリチル−テトラキス(ペンタフルオロフェニ ル)ボレートおよびリチウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート を例示することができる。 該イオン性ホウ素化合物は、カチオンに転換されたメタロセンを安定化させる 働きをし、従って最初にメタロセンをカチオン化するため適当なアルキル化剤と 併用して用いることが、重合をスムーズに進行させる点でより好ましい。かかる アルキル化剤としては、アルキルリチウム化合物、アルキルアルミニウム化合物 が好ましく、具体的にはメチルリチウム、ブチルリチウム、トリメチルアルミニ ウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムおよびトリn−ブ チルアルミニウムを挙げることができる。 メタロセンに対する該イオン性ホウ素化合物の割合は、メタロセン1モルに対 してイオン性ホウ素化合物0.5〜10モル、好ましくは0.8〜3モル、より好ましく は0.9〜1.5モルであってよい。アルキル化剤はメタロセン1モルに対して2〜50 0モルで用いられる。助触媒にアルミノキサンを用いる場合と比べて、メタロセ ンに対するイオン性ホウ素化合物の必要量は大幅に少なく、また触媒活性も高く なる傾向にある。従って、メタロセンおよび助触媒の量を少なくすることができ 、経済的にも、また重合後の精製の面でも利点は大きい。 これらの助触媒は、通常、そのまま用いるか、あるいは先に述ベたように炭化 水素溶媒(例えばトルエン)の溶液として取り扱われるが、担体上に担持して用 いることも可能である。適切な担体としては、シリカゲル、アルミナ等の無機化 合物、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン等を微細化したポリオレフィン粉 末がある。 本発明において、重合反応は、通常、炭化水素系溶媒を使用して行われる。炭 化水素溶剤は、DCPDおよびα−オレフィンだけでなく、得られる重合体をも溶解 する。炭化水素溶剤は、用いられる触媒を溶解し、触媒を不活化しない。具体的 には、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロペン タン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素およびベンゼン、ト ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。これらの原料、得られる重 合体および触媒の溶解性の点で、これらの炭化水素系溶媒のなかでも芳香族炭化 水素が好ましく、特にトルエンが好ましく使用される。 カミンスキー触媒により得られたエチレン−DCPD共重合体にDCPD成分の連鎖が ほとんど存在しないことは、1H-NMRスペクトルの解析から明らかである。先に述 べたように、バナジウム系触媒ではDCPD 成分が任意の割合で入ったエチレン−DCPD共重合体が得られるが、バナジウム系 触媒により得られたDCPDホモポリマーおよびDCPD成分を39モル%含むエチレン− DCPD共重合体の1H-NMRスペクトルを図1および図2に示す。 カミンスキー触媒により得られたDCPD成分を39モル%含むエチレン−DCPD共重 合体およびDCPD成分を50モル%含むエチレン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトル を図3および図4に示す。 図1のホモポリマーのスペクトルよりDCPD成分の連鎖が生じると、0.6−3.4pp m付近にアルキル基のブロードなシグナルが観察されることが分かる。図2の共 重合体のスペクトルでは、DCPD成分の組成比が39モル%であり、すなわち50モル %以下であるにもかかわらず、かかるブロードなシグナルがシャープなシグナル と重なる形で現れていることが分かる。 それに対し、カミンスキー触媒により得られた同じ組成比の共重合体(図3) では、1.85ppm付近のシグナルの切れ込み(空隙)から分かるように、ブロード なシグナルはほとんど現れていない。これはDCPD成分を最大限50モル%含む共重 合体(図4)でも同様である。 一方、本発明の共重合体は、完全な交互重合体でない限り、少なくとも2個の 連続したエチレン成分単位の連鎖を有することは明らかである。一般に、DCPD成 分のモル分率が減少するに従い、2個のエチレン単位の連鎖だけでなく、3個以 上のエチレン単位の連鎖も必然的に生じる。連鎖するエチレン単位が少なければ 、望ましくない結晶成分が生じる。このことは、図5に示すDCPD成分が28モル% 、すなわち、エチレン成分が72モル%含まれる共重合体1H-NMRスペクトルから理 解されるであろう。このスペクトルは、複数の連続するエチレン単位の連鎖に基 づくδ1.3ppm付近にシャープな強いピー クを有する。これに対して、参考例2で得られた共重合体は、61モル%のエチレ ン成分を含むにもかかわらず、図3に示すように、エチレン成分のブロック形の 結合に基づくピークを示さない。 先に述べたように、本発明の共重合体の高い交互共重合性を評価するための基 準として、DCPD成分単位間の連鎖に対応するものと、エチレン成分単位がブロッ ク状にいっしょに結合している連鎖に対応するものとを採用することができる。 前者としては、その1H-NMRスペクトルのδ1.85ppmにおける切れ込みの強度(H1 .85 )のδ3.05ppmにおけるピークの強度(H3.05)に対する比(H1.85/H3.0 5 )が好ましく用いられる。これは、本発明の方法によっては得ることができな いけれども、チーグラー−ナッタ触媒を用いて得ることができる、もっぱらDCPD −DCPD結合からなる共重合体のもっとも高いピークの1つが、図1にみられるよ うに、ちょうどδ1.85における切れ込み部分にあるからである。もちろん、切れ 込み部分は隣接する2つの強いピークの間にはさまれているので、それらの基部 に影響される。従って、H1.85/H3.05比は0になることはないけれども、良好 な基準となりうる。本発明で得られるH1.85/H3.05比は0.15未満、好ましくは 0.1未満であろう。例えば、参考例2で得られたDCPD連鎖を含む共重合体は、0.1 5よりもはるかに大きい0.28のH1.85/H3.05比を示す(図2)。これに対して 、参考例4で得られたDCPD−DCPD結合を含まない共重合体は0.06のH1.85/H3. 05 比を示し、実施例2で得られたDCPD−DCPD結合を含まない共重合体は0.03のH1.85 /H3.05比を示し、これらは0.15よりはるかに小さい。 一方、エチレンブロック結合を示す基準としては、重合体の1H-NMRスペクトル のポリエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックに基づくδ1.3ppmにおける ピーク領域(I1.3)のδ3.05ppmにおけ るピーク領域(I3.05)に対する比(I1.3/I3.05)を挙げることができる。 本発明においては、1/4×(I1.3/I3.05)が0.05未満であってよく、0.03 未満であるのがさらに好ましい。ここで、1/4は1つのエチレン成分中に含ま れる4個のプロトンに対応する補正因子であり、δ3.05はDCPD成分中の1個のメ チン部分に対応する。 すなわち、カミンスキー触媒により得られたエチレン−DCPD共重合体は、バナ ジウム系触媒によるものとは異なり、DCPD成分の連鎖をほとんど含んでいないこ とを示しており、従ってDCPD成分のモル分率が高くなればなるほど、交互共重合 性が高くなることになる。 本発明の製造方法では、重合反応系のモノマー比(F)が制御される。共重合 反応においては、モノマーの反応性を把握する手段の1つとして、仕込みモノマ ー比と生成重合体の組成比との相関を表す共重合曲線が用いられる。 ミラー対称である代表的なメタロセン、イソプロピリデン−(9−フルオレニ ル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用いて得られたエチレン −DCPD共重合体ならびにエチレン−NB共重合体の共重合曲線を図11に示す。DCPD 成分の連鎖はほとんど起こらないため、Fをどんなに大きくしても、共重合体中 のDCPD成分のモル分率は高くなるものの、50モル%を越えることはない(参考例 4参照)。従って、重合反応系に存在するDCPDをエチレンに対して常に過剰の状 態、言い換えればFをある一定値以上に保って重合を行うことにより、共重合体 中でエチレン成分とDCPD成分とが交互配列している割合が大きい、すなわち、交 互共重合性が高く、化学的にも均質性の高いエチレン−DCPD共重合体が得られる 。 図11によれば、エチレン−NB共重合体においてもモノマー比をある一定範囲内 に保って重合することにより、原理的には交互共重合 性の高い共重合体を得ることは可能であるが、モノマー比を上限と下限の定まっ たある一定範囲に維持することは現実にはかなり困難である。一方、本発明では モノマー比(F)の下限が定められているのみであり、反応の制御が極めて容易 であることに特徴がある。さらに好ましい特徴として、結晶性のポリエチレン、 あるいは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体の生成が大幅に抑えられ ることが挙げられる。 例えば、C2対称である代表的なメタロセンであるエチレン−ビス(1−イン デニル)ジルコニウムジクロリドは、エチレンとNBとの共重合においてポリエチ レンまたはエチレンブロックを含む共重合体が生成しやすいことが知られている が、本発明において該メタロセンを用いると、かかる結晶質の重合体の生成が大 幅に低減される。これは、本発明の特徴である、環状オレフィンに対して相対的 にエチレン量を抑えて重合したことによるものである。 本発明の第1の方法におけるモノマー比(F)は4以上であり、好ましくは5. 5以上である。Fが4未満であると、共重合体のエチレン成分が多くなり、化学 的な均質性が低下し、さらには耐熱性(ガラス転移温度)も低くなるために好ま しくない。本発明の第1の方法においては、重合開始時から重合反応系に加えた DCPDの反応率が60%に達するまでの間、Fを上記の範囲の値に維持する必要があ る。 また、先に述べたように、共重合反応におけるモノマーの反応性を把握するに は、仕込みモノマー比と生成重合体の組成比との相関を表す共重合組成曲線が一 般に用いられる。これは、様々な異なるモノマー組成で重合を行い、重合反応の 初期(反応率数%程度)において生成する共重合体の組成を求めることにより得 られるものである。モノマーM1とM2を共重合させる場合、重合系内のモノマ −の濃度比(=〔M1〕/〔M2〕)をFとし、生成共重合体の組成比(=d〔M1 〕/d〔M2〕)をfとすると、下記のような式(XII)の関係にあることが知 られている。 f=F(r1F+1)/(F+r2) (XII) 〔井上祥平、宮田清蔵、「高分子材料の化学」、丸善、応用化学シリーズ4、p1 13〕 ここで、r1は共重合体の成長末端がM1成分であるときの、M2に対するM1の 反応速度比を表し、モノマーの相対反応性を示す値としてモノマー反応性比と呼 ばれるものである。同様に、r2は共重合体の成長末端がM2成分であるときのM1 に対するM2の反応速度比を表す。r1およびr2は共重合組成曲線から求めるこ とが可能であり、F2/fとF(f−1)/fとをプロットした直線の傾きおよ び切片からr1およびr2がそれぞれ求められる(Finemann-Rossの方法)。 この考えをα−オレフィンとDCPDとの共重合にあてはめ、DCPDをモノマーM1 とし、α−オレフィンをモノマーM2とする。前述したように、本発明者は、カ ミンスキー触媒によるα−オレフィンとDCPDとの共重合では、DCPD成分の連鎖は ほとんど生成しないことを見いだした。従って、α−オレフィンにおけるモノマ ー反応性比をrαとし、DCPDにおけるモノマー反応性比をrDとすると、rD=0 とみなしてよく、上記式(XII)から下記の式(XIII)を導くことができる。 f=F/(F+rα) (XIII) rαは重合条件、特に用いるメタロセンの種類によって異なった値となる。メ タロセンは、一般式(V)おいて配位子R22およびR23ならびにそれらを結びつ けている中心金属Mに関してCS対称性(ミラー対称性)にあるものと、それら がC2対称性にあるものと に大きく分類することができる。 CS対称性である代表的なメタロセンであるイソプロピリデン−(9−フルオレ ニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびC2対称性である代 表的なメタロセン、エチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド およびジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを用 いたエチレンとDCPDとの共重合における共重合組成曲線を図13に示す。 DCPD成分の連鎖はほとんど起こらないため、F(=〔DCPD〕/〔エチレン〕) の値をどんなに大きくしても、共重合体中のDCPD成分のモル分率は高くなるもの の、50モル%を超えることはない。また、C2対称性のメタロセンでは、CS対称 性のメタロセンに比べるとDCPD成分が入りにくい傾向にある。すなわち、rαが 大きい。従って、DCPD成分が同じ組成にある共重合体を得ようと思えば、Fの値 がより大きい条件下で重合を実施することが必要となる。 本発明の製造方法では重合反応系のモノマーのモル比(F)が制御されるので あるが、本発明の第2の方法ではかかる触媒等によるモノマーの反応性の違いを 考慮して、式(XIII)のf値(=共重合体のDCPD成分/α−オレフィン成分) を所定の範囲に保持するようにF値を制御する。 化学的に均質性の高い共重合体を得るには、交互共重合性が高いことに加えて 組成比のばらつきが少なく、fの範囲としては38/62<f<48/52、より好まし くは38/62<f<46/54であるのが望ましい。f値が38/62より小さいと、DCPD 成分が少ないため耐熱性が不足し、またエチレン成分が多くなるためポリエチレ ンまたはエチレンブロックを含む共重合体が生成しやすく好ましくない。f値が 48/52より大きいと、交互共重合性は高くなるがfの下限との開きが大きくなる ため望ましくない。また、CS対称性のメタロセン、 イソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ クロリドの場合にはf値が1に近いほど分子量が下がる傾向にあり、分子量分布 の観点からも望ましくない。 本発明におけるα−オレフィン−DCPD共重合体の共重合組成比のばらつきは、 DSC測定により得られるガラス転移温度付近のDSC曲線により評価することができ る。一般に、重合体のガラス転移温度は、DSC曲線の変曲点として測定されるが 、曲線の立ち下がり点と立ち上がり点の温度差、すなわち、ガラス転移による熱 容量変化が生じる幅(以下、これをΔTgと略する)に着目すると、組成比のばら つきの大きいものは変化がブロードでΔTgが大きく、組成比のそろっているもの は変化がシャープでΔTgが小さい。昇温速度20℃/分で測定した場合、ΔTgが15 ℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。 本発明の第2の方法においては、重合開始時から重合反応系に加えたDCPDの反 応率が60%に達するまでの間、Fを式(I)の範囲の値に維持する。ここで、「 重合反応系に加えたDCPDの反応率」とは、重合開始時に重合反応系に存在したDC PDおよび重合反応途中で重合反応系に添加されたDCPDの合計の反応率(重合率) を示す。より好ましくは、該反応率が70%に達するまでの間である。該反応率が 60%に達する前に重合反応を停止してももちろん目的とする共重合体は得られる が、経済性の面で好ましくない。 α−オレフィンにエチレンを用いた場合、重合反応系に存在するエチレンの量 は、その圧力(窒素などの不活性ガスとの混合ガスを使用する場合にはその分圧 )に依存するであろう。従って、重合中のF値を制御するには、具体的に以下の 3通りの方法を挙げることができる。 (1)反応系に所定量のDCPDを導入後、重合中エチレンを供給し て反応容器内のエチレン圧力を一定に保持しながら、反応系にさらに追加量のDC PDを導入する。 (2)反応系に所定量のDCPDを導入後、重合の進行にあわせてエチレンの圧力 を低下させてゆく。 (3)DCPD全部を先ず反応系に導入し、次に一定の圧力下にエチレンを反応系 に供給する。 上記(1)の方法では、プロセスの制御は容易であるけれども、DCPDの最終反 応率を上げるには限界がある。一方、(2)の方法では、両モノマーの濃度が徐 々に低下し、そのため反応速度も低下するが、高いDCPD反応率で重合を完結させ ることが可能である。しか、(1)の方法でも、エチレンの供給圧力もしくは分 圧が低下すれば、反応系中のエチレン濃度を低く保持することは可能である。従 って、DCPDの濃度が反応の進行につれて低下する場合でも、重合中に、高いDCPD の反応率が得られるまでFを式(I)を満足する範囲に維持することは可能であ る。この方法では、DCPDは少しづつ添加されてもよいが、より正確な添加方法と して下記の2つの連続法を挙げることができる。 (1a)反応系に先ずDCPDを、エチレンの圧力もしくは分圧に対応する溶解モ ル濃度の4倍を超える量で導入し、次にDCPDをさらに反応系に一定の添加速度( VD)で連続的に導入する。 (1b)反応系に先ずDCPDを、エチレンの圧力もしくは分圧に対応する溶解モ ル濃度の4倍を超える量で導入し、次にDCPDをさらに反応系に重合反応で消費さ れるエチレンのモル消費速度(VE)のDCPDのモル供給速度(VD)に対する比を 次の範囲:VD/VE=38/62〜48/52(モル/モル)を満足する一定の値にして 連続的に導入する。 (1a)の方法は(1b)の方法よりもプロセスの制御が容易で ある。しかし、DCPDの添加速度が大きすぎる場合には、(1a)の方法と上記( 3)の方法には、プロセス制御のし易さに差異がなくなり、よって(1a)の添 加方法を採用するメリットが見いだせない。一方、添加速度が小さすぎる場合に は、重合反応の進行にあわせてFを4を超える範囲内に維持することは困難にな る。従って、DCPDの反応率が60%になるまでFが4を超える範囲内に維持される ようにVDを設定することが必要でる。これに対して、(1b)の方法では、DCP Dはエチレンの消費速度(VE)に合わせて添加されるから、系中存在するモノマ ーのモル比はDCPDの添加が終了するまで一定に維持することができる。従って、 (1b)の方法は、均一組成の共重合体を得るためにもっとも好ましい方法であ る。かかる制御は、流量計によりエチレンの消費速度を監視し、この速度をDCPD の供給装置にフィードバックすることにより、困難なしに行うことができる。こ の制御方法では、生成共重合体中のDCPD成分のモル分率は反応容器中にあらかじ め導入されるDCPDの量により制御することができる。DCPDの量がエチレンの溶解 度に対して比較的多ければ共重合体中のDCPD成分のモル分率は高くなり、この量 が少なければモル分率は低くなる。従って、DCPDの量は、得られる共重合体中の DCPD成分の所望のモル分率に対応するVD/VE比を考慮して設定されるのが好ま しい。この方法は、また、エチレンの圧力もしくは分圧が低下される場合に、高 いDCPDの反応率が達成されるまで、重合中Fを式(I)を満足する範囲内で一定 に維持することができるので好ましい。 (3)の方法は制御がもっとも容易である。この方法では、DCPDの濃度は反応 の初期の段階では十分に高いので、反応系内のDCPDに対するエチレンの濃度比は 4を超える範囲内に維持されるが、この濃度比は反応の進行につれて徐々に低下 する。エチレンの圧力が高 い場合、DCPDの反応率が60%になる前にDCPDの濃度が下がり、DCPD対エチレンの 濃度比を4を超える範囲に維持できなくなるであろう。そのような場合には、エ チレンの圧力もしくは分圧を下げることが必要となる。本発明では、NB成分を用 いる場合と異なり、上記したように2個のDCPD成分単位間の直接的な結合が形成 されないので、上記の制御が可能なのである。 本発明の方法に従う共重合反応においては、DCPDが消尽されたあとでも、触媒 が失活しない限り重合は進行する。従って、DCPDの枯渇後も反応が継続されれば 、得られる生成物はポリエチレンまたはエチレン成分のモル分率が極めて高い共 重合体を必ず含むこととなる。従って、DCPDの最終反応率を考慮して反応を停止 させることが極めて望ましい。もちろん、DCPDの最終反応率は60%、または70% にまで必ずしも制御されることを要さない。DCPDの最終反応率は、モノマーの供 給方法や反応条件によって決まるであろうから、一般には95%以下、好ましくは 90%以下、より好ましくは85%以下の範囲で選択されるのがよい。得られる重合 体の均質性を維持し、DCPDの反応率を高めるためには、一般にエチレンの圧力を 下げることが好ましい。 溶媒として好ましく使用されるトルエンおよび溶媒としても考慮すべきDCPDに 対するエチレンの溶解性は、図12に示される。本発明において、重合反応系内に かけるエチレン圧力は、トルエン中のDCPD濃度と図12とを勘案して決定されるが 、10kg/cm2以下、好ましくは5kg/cm2以下、より好ましくは2kg/cm2である 。エチレン圧力が10kg/cm2を超えると、Fを本発明の範囲内に保持することが 困難となるために好ましくない。逆に、エチレン圧力が低すぎるのは反応速度が 遅くなり、またFが高くなりすぎるために好ましくなく、0.1kg/cm2以上、特に 0.25kg/cm2以上であることが望ま しい。重合を0.5〜1気圧の範囲で実施するのが、反応速度の面及びFの範囲の 面からより好ましい。 DCPDを反応系に供給する方法については、工業的には通常一定速度で添加して いく方法が用いられる。その供給速度は、用いる触媒の重合活性および反応性、 溶媒量、DCPDの初期濃度等を勘案して決められるが、重合開始時に反応系内に存 在するDCPDをaモルとすると、10-4a〜10-1aモル/分の速度が好ましく用いら れる。 供給速度が10-4aモル/分より遅いと、Fを本発明の範囲内に維持することが 困難である。また、供給速度が10-1aモル/分より速いと、重合の進行よりもDC PDの供給速度の方が速くなりすぎ、トータルでのジシクロペンタジエンの反応率 を上げることが困難となり、好ましくない。 DCPDを反応系に供給するもう1つの好ましい方法としては、エチレンの消費速 度に合わせてDCPDを供給する方法が挙げられる。重合中、一定圧に保ったエチレ ンの消費量はガス流量計等により容易にモニターすることができる。従って、エ チレンの消費速度に合わせて、例えば、重合初期の反応速度の速いときはDCPDの 供給速度も速くし、重合末期に反応速度が低下したときにはDCPDの供給速度も抑 えるようにすることにより、Fをより正確にコントロールすることが可能である 。 重合が進行するに従い反応溶液の粘性は増加していくため、溶液内でエチレン が均一に拡散するように、充分な攪拌を行う必要がある。例えば、溶液粘度が50 0cpsを超えるような高粘度状態において攪拌が充分に行われないと、溶液内のエ チレン分布にむらを生じ、それが共重合体の化学的な均質性を低下させる原因と なる。 本発明において、重合開始時における溶媒中のDCPD濃度は、一般には5重量% 以上70重量%以下、好ましくは7重量%以上50重量% 以下、より好ましくは10重量%以上30重量%以下である。DCPD濃度が5重量%未 満であると、Fを本発明の範囲内に維持するのが困難であり、しかも経済的でな いために好ましくない。また、70重量%を超えると、重合が進行するに従い溶液 の粘性が上がりすぎるために好ましくない。 一般に、重合反応温度は重合体の分子量さらには触媒活性に影響を及ぼすが、 本発明においては、モノマー比(F)に対する影響にも考慮する必要がある。エ チレン、プロピレン等のα−オレフィンは気体であるため、溶媒に対する溶解度 はその圧力もしくは分圧のみならず、温度にも依存するからである。温度を上げ れば、溶解度は低下し、Fは大きくなる。かかる諸条件を勘案して重合温度は設 定されるが、一般には0〜110℃、好ましくは10〜80℃、より好ましくは15〜50 ℃である。重合温度が0℃より低いと触媒活性が低いために好ましくなく、110 ℃を超えると触媒の失活、副反応等が起こりやすいために好ましくない。 重合反応終了後、反応混合物を常法によって処理することにより共重合体が得 られるが、カミンスキー触媒により得られた重合体にはアルミノキサンに由来す るアルミニウムが残存しやすく、精製に留意する必要がある。光ディスクを始め とする光学材料用途には、残存アルミニウムが好ましくは100ppm以下、より好ま しくは10ppm以下、特に1ppm以下であるのがよい。 本発明の方法により得られるα−オレフィン−DCPD共重合体はDCPD成分を38〜 50モル%、特に38〜48モル%含むのが好ましい。α−オレフィンとしてエチレン を用いたエチレン−DCPD共重合体のガラス転移温度は、およそ140〜190℃、特に 140〜180℃の範囲にある。 しかしながら、本発明の特徴は重合体組成の均質性にあり、従っ てこの特徴を常にTg範囲により記述することは難しい。一般に、重合体の均質性 は、そのTgと組成との関係およびそのTgのシャープさにより示される。本発明に おいて、エチレン−DCPD共重合体のTgの範囲は下記式により表すことができる。 −22.7+2.84mD+0.0262mD 2<Tg<−2.7+2.84mD+0.0262mD 2 ここで、mDは重合体中のDCPD成分のモル分率(%)を表し、38%<mD<50% の範囲にある。 Tgは一般にmDが多くなれば高くなるが、常にそうであるとは限らない。mDが 同一であっても、共重合体組成の分布が広い場合と狭い場合とではTgは異なる。 上記したように、DCPD−DCPD結合はチーグラー−ナッタ触媒を用いる場合に生じ る。従って、重合反応中に反応系のDCPDおよびエチレンの濃度を正確に維持しな い限り、DCPD成分のモル分率が50モル%よりも大幅に高い共重合体およびエチレ ン成分のモル分率が50モル%よりも大幅に高い共重合体がいっしょに生じる。こ の場合、TgおよびmDは上記の式を満たさない。すなわち、本発明で用いるメタ ロセン触媒を使用しても、結晶性のポリエチレンまたはエチレン成分のモル分率 が高い成分がいっしょに生じ、そのためモノマーの供給を本発明に従って正確に 制御しない限り、TgおよびmDは上記の式を満たさないのである。これに対して 、本発明の共重合体は極めて均質であり、従って上記式の範囲内のTgとmDとの 関係を示す。 さらに、本発明のα−オレフィン−DCPD共重合体の特徴は、ガラス転移温度の シャープさにより示される。本発明の共重合体は、DSC曲線の立ち下がり点と立 ち上がり点との温度差(ΔTg)が15℃以下、好ましくは13℃以下である。本発明 の方法に該当しないプロセスまたは条件により製造された共重合体は、いずれも 好ましくないポリエチレンまたは共重合されたエチレンブロック成分の融点に対 応する極めて広いTg範囲またはピークを有する。 本発明により得られるα−オレフィン−DCPD共重合体の分子量は、濃度0.5g /dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cで表示すると、0.1〜1 0dL/g、好ましくは0.2〜3dL/gである。0.1dL/gより小さいと成型物の力 学特性が低下するために好ましくなく、10dL/gを越えると樹脂溶融粘度が高す ぎ、溶融成形が困難になるために好ましくない。 得られる重合体の分子量は、重合反応系に所定量の水素を供給する、触媒濃度 を変える、重合温度を変える等の公知の方法により制御することができる。エチ レン−DCPD共重合体の分子量は、所望により、少量の1−ヘキセンの如き液体α −オレフィンを添加することにより制御することができる。α−オレフィンの添 加量は、DCPD1モルに対して0.03モル以下、好ましくは0.02モル%以下であって よい。共重合体(XH 本発明の共重合体(XH)は、0〜39モル%の下記式(AH)および61〜100モ ル%の(BH)で表わされる繰り返し単位から実質的になる。 ここで、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 ここで、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 上記式(AH)で表わされる繰り返し単位は、全繰り返し単位中0〜39モル% 、好ましくは〜38モル%、さらに好ましくは5〜35モル%である。上記式(BH )で表わされる繰り返し単位の割合は、61〜100モル%、好ましくは62〜99モル %、さらに好ましくは65〜98モル%である。 共重合体(XH)は、濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度 ηsp/cが0.1〜10dL/g、好ましくは0.2〜3dL/gの範囲にある。共重合体(YH 本発明の共重合体(YH)は、下記式(AH),(BH),(CH)および(DH)で 表わされる繰り返し単位からなる。 ここで、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 ここで、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である。 飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等 の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられる。 ここで、nは0または1である。mは0または1〜3の正の整数であり、0ま たは1が好ましい。pは0または1である。R3〜R22は同一または異なり、そ れぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または炭素数 1〜12の飽和脂肪族炭化水素基である。炭素数6〜10の芳香族炭化水素基として は、フェニル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられ、これらはメチル基等の 炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい。炭素数1〜12の飽和脂肪族 炭化水素としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シ クロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。 あるいは、R19とR20とでもしくはR21とR22とでメチリデン基 、エチリデン基等のアルキリデン基を形成していてもよく、またはR19またはR20 とR21またはR22とはそれらが結合している2個の炭素原子といっしょになっ て、芳香族環であってもよい環を形成していてもよい。 ここで、qは2〜8の整数であり、2,3または4が好ましい。 共重合体(YH)において、式(AH),(BH),(CH)および(DH)で表わさ れる繰り返し単位のモル%を、それぞれ〔AH〕,〔BH〕,〔CH〕および〔DH 〕とすると、その組成比は以下のようになる。 (〔AH〕+〔BH〕)/(〔CH〕+〔DH〕)は、95〜99.9/0.1〜5、好ま しくは95〜98/2〜5である。また、〔AH〕/〔BH〕は、0〜39/61〜100、 好ましくは1〜38/62〜99である。また、〔DH〕/〔CH〕は、0〜95/5〜10 0、好ましくは0〜80/20〜100である。 共重合体(YH)の濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηsp /cは、0.1〜10dL/g、好ましくは0.2〜3dL/gの範囲である。 本発明の水添タイプのα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体(XH)は 、高いレベルの交互共重合性を有し、従って高い均質性を有する。このことは、 前駆体であるα−オレフィン−DCPD共重合体が高いレベルの交互共重合性および 高い均質性を有していることから容易に理解することができる。このことは、ま た、参考例1および2で得られた水添DCPDホモポリマーおよび水添エチレン−DC PD共重合体の1H-NMRスペクトルと実施例21〜23で得られた水添エチレン−DCPD共 重合体のそれとの比較からも明らかである。参考例1において、触媒としてVOCl3 -Et2AlClを用いて得られたDCPDホモポリマーの水素添加により得られた、水添D CPDホモポリマーの1H-NMRスペクトルを示す図9からわかるように、水添DCPDホ モポリマーは約δ0.7〜3.0ppmの範囲で極めてブロードなピークを示す。これら のピークが広いのは、トリシクロ〔4.3.0.12.5〕デカン(以下、トリシ クロデカンと略記する。)成分単位間の結合にもとづく。参考例2において、VO Cl3-Et2AlClを触媒として用いて得られたエチレン−DCPD共重合体の水素添加に より得られた、水添エチレン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトルを示す図10から 、水添エチレン−DCPD共重合体はδ1.07,1.3,1.47,1.65,1.8,2.0および2.4 ppm付近でシャープなピークを示すことがわかる。しかし、これらのピークは、 水添DCPDホモポリマーのスペクトルのδ0.7〜3.0ppmでみられるブロードなピー クと重なっている。これは、この共重合体は、39モル%の、すなわち、50モル% より大幅に少ないトリシクロデカン成分を含んでいるにもかかわらず、トリシク ロデカン成分の連鎖を含んでいることを示唆している。また、水添エチレン−DC PD共重合体のスペクトルのδ2.2ppmにみられる切れ込みは、水添DCPDホモポリマ ーのスペクトルのδ2.2ppmにみられるショルダーに対応する深い底部を有してい ない。これに対して、実施例21〜23で得られた水添エチレン−DCPD共重合体の1H -NMRスペクトルでは、対応する切れ込みはほぼ基線に達する深い底部を有してい る。これは、これらのスペクトルにおけるピークがトリシクロデカン成分の連鎖 にもとづくブロードなピークと重なっていないこと、すなわち、本発明の水添エ チレン−DCPD共重合体がトリシクロデカン成分の連鎖を有していないことを示し ている。もちろん、本発明の水添エチレ ン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトルにおいても、δ1.07〜1.8ppmにおけるピー クはシャープであるが、それらのピーク間の切れ込みは深い底部を有していない 。しかし、これはこれらの領域に極めて多くのピークが存在するためであって、 トリシクロデカン成分の連鎖にもとづくものではない。 上記を考慮すると、測定された1H-NMRスペクトルのδ2.20ppmにおける切れ込 みの強度(H’2.20)のδ2.40におけるピークの強度(H’2.40)に対する比( H’2.20/H’2.40)は、水添エチレン−DCPD共重合体中のトリシクロデカン成 分の連鎖の存在を示す良好な基準となるということができる。本発明では、この H’2.20/H’2.40比は0.07以下、好ましくは0.05以下であるのがよい。例えば 、参考例2で得られた水添エチレン−DCPD共重合体におけるH’2.20/H’2.40 比は0.13であるが、実施例21〜23で得られた共重合体のそれはそれぞれ0.038,0 .031および0.024である。 本発明の方法により得られる水添α−オレフィン−DCPD共重合体は重合体組成 が均質であることを特徴とする。対応するα−オレフィン−DCPD共重合体の場合 と同様に、水添α−オレフィン−DCPD共重合体の均質性もTgとその組成との関係 およびTgのシャープさにより示される。本発明の水添タイプのエチレン−シクロ オレフィン共重合体のTgの範囲は下記式により示すことができる。 −32.7+2.84mT+0.0262mT 2<Tg<−7.7+2.84mT +0.0262mT 2 ここで、mTは重合体中のトリシクロデカン成分のモル分率(%)を示し、38% <mT<50%の範囲内にある。そのDSC曲線における立ち下がり点と立ち上がり点 との温度差(ΔTg)は15℃以下、好ましくは13℃以下である。製造方法(水素添加処理) 本発明により得られたα−オレフィン−DCPD共重合体(共重合体(X)および 共重合体(Y))は、重合体中に不飽和二重結合を含むため、そのままでは熱安定 性に乏しく、溶融成形するには適さないが、該共重合体に水素添加処理を行って 不飽和二重結合を水素化することにより、熱安定性が大幅に改善され、溶融成型 が可能となる。 かかる水添α−オレフィン−DCPD共重合体の水添率(不飽和二重結合の水素化 率)は99%以上、好ましくは99.5%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上で ある。水添率が99%より低いと熱安定性が不充分であり、溶融成形時に着色など が起こりやすく、好ましくない。なお、主鎖に不飽和二重結合を有する開環重合 体の場合には、水添によりそのガラス転移温度は大幅に低下するが、本発明のα −オレフィン−DCPD共重合体の場合は、不飽和二重結合が側鎖に位置し、かつ、 環構造をなしているために、水添の前後でガラス転移温度はほとんど変化せず、 好ましい。 通常、カミンスキー触媒により得られた重合体の末端は、水素等の分子量調節 剤を使用しない限り不飽和二重結合となっていることが多い。かかる末端二重結 合は溶融成形時に架橋反応を起こして、ゲル・フィッシュアイを発生させること があり、好ましくないが、本発明では水添により末端二重結合のない共重合体が 得られるという利点がある。 水素添加処理は、水添触媒を用いて周知の方法により実施すればよい。本発明 のα−オレフィン−DCPD共重合体を水素化するにあたっては、該重合体をいった ん単離し、精製した後、水素化を実施してもよいが、経済性を考慮すると重合後 、その溶液状態のまま水素化を実施するのがより望ましい。かかる場合、重合溶 液中に含まれる未反応のDCPDも同時に水添され、トリシクロ〔4.3.0.12, 5 〕デカンとなるが、水素化後精製する際に容易に除去可能であり、何ら問題と はならない。また、重合溶液中に水添触媒を添加する前に、カミンスキー触媒を 失活させておくことが、水添共重合体の物性、特に分子量の観点から好ましい。 続けて行う水素化反応を妨げることなくカミンスキー触媒を失活させるには、例 えば、該重合溶液にメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ ール等の脂肪族アルコールを極微量添加する方法を挙げることができる。 本発明の水素添加に用いられる触媒は、特に制限がなく、オレフィン類の水添 反応に一般に用いられるものであってよい。これらの触媒は、一般に、不均一系 触媒と均一系触媒とに分類される。好ましい不均一系触媒は、ニッケル、パラジ ウムおよび白金、並びにシリカ、カーボン、珪藻土、アルミナ、酸化チタン等に 担持されたこれらの金属を含む固体触媒を含む。特に、ニッケル/シリカ、ニッ ケル/珪藻土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/珪藻 土およびパラジウム/アルミナを挙げることができる。また、ニッケル触媒とし てラニーニッケル、白金触媒として酸化白金および白金黒などを用いることもで きる。均一系触媒としては、周期律表の第VIII族の金属の化合物を含む触媒系お よび特にNi,CoまたはFe化合物および周期律表の第I〜III族の金属の有機金属 化合物、例えば、ナフテン酸コバルト/トリエチルアルミニウム、コバルトアセ チルアセトネート/イソブチルアルミニウム、鉄アセチルアセトネート/イソブ チルアルミニウム、コバルトオクタノエート/n−ブチルリチウムおよびニッケ ルアセチルアセトネート/トリエチルアルミニウムからなる触媒系を挙げること ができる。また、Ru,Rh等の化合物、例えば、カルボニルクロロヒドリド−トリ ス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニル−ト リス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドーテトラキス(トリフ ェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)ロ ジウムおよびヒドリドカルボニル(トリフェニルホスフィン)ロジウムを好まし く用いることもできる。 水素添加反応の条件は用いられる触媒によって変わるけれども、水素添加反応 は一般に1〜100気圧の水素圧下に50〜200℃、好ましくは80〜180℃の温度で行 うことができる。反応時間は、触媒の活性に依存するが、一般には10分〜10時間 、好ましくは30分〜5時間の範囲内である。触媒の種類および反応条件によって はトルエンの如き不飽和溶媒も同時に水素化され、経済的に望ましくない。従っ て、そのような副反応が生じない条件を選ぶことが好ましい。もちろん、少量の 溶媒が水素化されるのであれば、この水素化された溶媒は容易に除去することが できる。 本発明により得られた水添タイプのα−オレフィン−シクロオレフィン共重合 体は、射出成形、押し出し成形等の周知の方法により、溶融成形することができ る。成形する際の樹脂溶融温度は、成型物に要求される物性、および用いる共重 合体の溶融粘度、熱分解温度等を勘案して設定されるが、通常200〜380℃、好ま しくは240〜340℃の範囲内で設定される。樹脂溶融温度がそれ未満であると樹脂 の流動性が充分でなく、均一な成型物を得るのが困難となるため好ましくなく、 それ以上では樹脂の熱劣化による着色等が起こりやすくなるため好ましくない。 溶融成形時における樹脂の熱安定性を向上させるため、イルガノックス1010,10 76(チバガイギー社製)等、汎用的な酸化防止剤を少量添加してもよい。 以下に実施例により本発明を詳述する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら 限定されるものではない。 トルエン(溶媒)、DCPD,NBおよび5−エチリデン−2−ノルボ ルネンは、すべて蒸留精製を行い充分に乾燥したものを用いた。 メタロセンについて、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロペン タジエニル)ジルコニウムジクロリドは文献〔J.A.Ewen et al,J.Am.Chem.Sco. ,110,6255-6266(1988)〕に従い合成した。ジメチルシリレン−ビス(1−イン デニル)ジルコニウムジクロリドも文献〔W.A.Herrmann et al,Angew.Chem.Int .Ed.Engl.,28,1511-1512(1989)〕に従い合成した。エチレン−ビス(1−イン デニル)ジルコニウムジクロリドはAldrich社より購入したものを用いた。 イオン性ホウ素化合物は、トリチル−テトラキス(ペンタフルオロフェニル) ボレートを東ソー・アクゾ(株)より購入し、そのまま使用した。 アルミノキサンは東ソー・アクゾ(株)よりポリメチルアルミノキサン(PMAO )を購入し、濃度2Mのトルエン溶液に調製して使用した。 トリイソブチルアルミニウム〔(iBu)3Al〕は関東化学(株)より濃度1Mのn −ヘキサン溶液を購入し、そのまま使用した。 オキシ三塩化バナジウム(VOCl3)は関東化学(株)より購入し、そのまま使用 した。 ジエチルアルミニウムクロライド(Et2AlCl)は関東化学(株)より濃度1Mの n−ヘキサン溶液を購入し、そのまま使用した。 実施例で行った測定は以下の方法で行なった。 ガラス転移温度(Tg):TA Instruments製2920型DSCを使用し、昇温速度は20 ℃/分で測定した。 分子量:濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηsp/cを 測定した。 光線透過率:島津製作所(株)製紫外可視分光器(UV-240)を使 用して測定した。 ヘイズ値:日本電色工業(株)製自動デジタルヘイズメーターUDH-20Dを使用 して測定した。 重合体中の残存アルミニウム濃度:ICP発光分析法により定量した。 参考例1 バナジウム系触媒を用いて、DCPDのホモ重合を行った。 窒素置換した容量50mLのシュレンク中に87mgのオキシ三塩化バナジウム(VOCl3 )を量りとり、これに濃度1Mのn−ヘキサン溶液にあるジエチルアルミニウム クロライド(Et2AlCl)2.5mLを添加し、室温で5分間攪拌して活性化させた。引き 続きトルエン15mLおよびDCPD 6.6gを加え、室温で13.5時間重合を行った後、常 法に従って後処理を行い、重合体0.40gを得た。濃度0.5g/dLのトルエン溶液 中30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.049dL/gであった。このDCPDのホモポ リマーの1H-NMRスペクトルを図1に示す。 このようにして得られたDCPDホモポリマーを、オートクレーブ中で、10mLのト ルエンに70mgのこのDCPDホモポリマーおよび5mgのトリイソブチルアルミニウム を溶解して、水素化した。水素化を10気圧の水素化圧下に140℃で6時間行い、 次いで常法により後処理して、58mgの水添重合体を得た。この水添DCPDホモポリ マーの1H-NMRスペクトルを図9に示す。 参考例2 バナジウム系触媒を用いて、エチレンとDCPDの共重合を行った。 参考例lにおいて、トルエン15mLおよびDCPD 6.6gを加えた後、さらにシュレ ンク系内にエチレンをフローさせ、エチレン圧1kg/cm2雰囲気下とした。その まま室温で95時間重合を行った後、常法に従って後処理を行い、重合体1.40gを 得た。得られた重合体はト ルエン不溶部分が多く、またDCS測定の結果、ポリエチレンあるいはエチレンブ ロックに由来する結晶融点が130℃付近にブロードなシグナルとして観察された 。そこで濾過によりトルエン溶解部分だけ取り出したところ、0.62gであった。 この共重合体におけるDCPD成分のモル分率は39モル%、濃度0.5g/dLのトルエ ン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.49dL/gであった。この共重合 体の1H-NMRスペクトルを図2に示す。 このようにして得られたエチレン−DCPD共重合体を、オートクレーブ中で、10 mLのトルエンに70mgのこのエチレン−DCPD共重合体および5mgのトリイソブチル アルミニウムを溶解して、水素化した。水素化を10気圧の水素化圧下に140℃で 6時間行い、次いで常法により後処理して、58mgの水添重合体を得た。この水添 エチレン−DCPD共重合体の1H-NMRスペクトルを図10に示す。 参考例3 メタロセンにイソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニ ル)ジルコニウムジクロリド〔以下、これをiPr(Cp)(Flu)ZrCl2と略記する〕を用 い、また助触媒にPMAOを用いてDCPDのホモ重合を試みた。 窒素置換した容量50mLのシュレンク中に4.2mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を量りとり 、これに濃度2Mに調製したPMAOのトルエン溶液5mLを添加し、25℃で10分間攪 拌して活性化させた。引き続きトルエン10mLおよびDCPD 3.3gを加え、40℃で18 時間重合を行ったが、重合体は全く得られなかった。 参考例4 カミンスキー触媒でのエチレンとDCPDとの共重合において、DCPD成分が最大限 どのくらい入るのかを調べるため、モノマー比(F)が極めて大きい条件で、か つ低収率で共重合体が得られるように短 時間重合を実施した。 参考例3と同様に、窒素置換した容量50mLのシュレンク中に4.2mgのiPr(Cp)(F lu)ZrCl2を量りとり、これに濃度2Mに調製したPMAOのトルエン溶液5mLを添加 し、25℃で10分間攪拌して活性化させた。引き続きDCPD 17.2gを加え、温度40 ℃に昇温した後、シュレンク系内にエチレンをフローさせ、エチレン圧1kg/cm2 雰囲気下とした。図12からこの重合開始時のモノマー比(F)を概算すると51 になる。エチレンのフローを開始してから5分後に反応を停止し、後処理したと ころ0.16gの重合体を得た。 かかる重合体の1H-NMR測定によりDCPD成分の組成比は50モル%であり、DSC測 定によりガラス転移温度は189℃であった。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30 ℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.16dL/gであった。この共重合体の1H-NMRス ペクトルを図4に示す。 参考例5 エチレンとDCPDとの共重合曲線を求めるために、容量100mLのオートクレーブ を使用し、反応温度40℃にてかかる共重合反応を実施した。メタロセンとしてiP r(Cp)(Flu)ZrCl2を用い、またPMAOを用いた。共重合曲線を求める常法として、 様々な仕込みモノマー比にて重合を行い、重合率を10%以下に抑えて共重合体を 取り出し、その組成比を求めた。その結果を図11(A)に示す。 参考例6 参考例5のDCPDをNBに代えて、同様にして、エチレンとNBとの共重合曲線を求 めた。その結果を図11(B)に示す。 参考例7 容量100mLのオートクレーブを使用し、40℃におけるトルエンに対するエチレ ンの溶解性を調べた。所定量のトルエンを入れたオートクレーブ内に所定量のエ チレンを導入し、40℃にて平衡状態にな った後その圧力を読みとり、かかる圧力下でのエチレンの溶解量を算出した。エ チレンの圧力と溶解度(モル分率)との関係を図12(C)に示す。 参考例8 参考例7のトルエンをDCPDに代えて、同様にして、DCPDに対するエチレンの溶 解性を調べた。その結果を図12(D)に示す。 参考例9 エチレンとDCPDとの共重合組成曲線を求めるために、容量100mLのオートクレ ーブを使用し、重合温度40℃にてかかる共重合反応を実施した。メタロセンにiP r(Cp)(Flu)ZrCl2を用い、また助触媒にメタロセンの1,000倍モルのPMAOを用いた 。 エチレンをオートクレーブを液化窒素で冷却することによりオートクレーブ内 に所定量導入し、40℃に昇温した後の内圧からトルエン溶媒中に溶けている初期 濃度を見積もった。共重合組成曲線を求める常法として、様々な仕込みモノマー 比にて重合を行い、重合率を10%以下に抑えて共重合体を取り出し、その組成比 を求めた。その結果を図13中のEに示す。 この結果を基にFinemann-Rossのプロットを行ったが、rαをより正確に求め るため、rαが切片ではなく直線の傾きとなるようF’=〔エチレン〕/〔DCPD 〕(=1/F)、f’=共重合体のエチレン成分/DCPD成分(=1/f)として F’2/f’とF’(f’−1)/f’とをプロットした。その結果を図14中の Hに示す。rD=0であるから原点を通る直線の傾きからrα=1.4と求められた 。かかる値を式(II)に代入すると、2.2<F<16.8となった。 参考例10 メタロセンにエチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド〔以 下、これをEt(Ind)2ZrCl2と略記する〕を用い、その 他は参考例9と同様にしてエチレンとDCPDとの共重合組成曲線を求めた。その結 果を図13中のFに示す。参考例9と同様にF’2/f’とF’(f’−1)/f ’とをプロットした。その結果を図14中のIに示す。rD=0であるから原点を 通る直線の傾きからrα=3.3と求められた。かかる値を式(II)に代入すると 、5.2<F<39.6となった。 参考例11 メタロセンにジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ リド〔以下、これをMe2Si(Ind)2ZrCl2と略記する〕を用い、その他は参考例9と 同様にしてエチレンとDCPDとの共重合組成曲線を求めた。その結果を図13中のG に示す。参考例9と同様にしてF’2/f’とF’(f’−1)/f’とをプロ ットした。その結果を図14中のJに示す。rD=0であるから原点を通る直線の 傾きからrα=2.7と求められた。かかる値を式(II)に代入すると、4.3<F< 32.4となった。 実施例1 メタロセンとして、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2を用い、以下のようにしてエチレンとD CPDとの共重合反応を行った。 容量500mLの3ツ口フラスコに羽根付きの攪拌棒をセットし、容器内を窒素ガ スで置換した後、容器内にトルエン90mLおよびDCPD30gを仕込んだ。次に、予め 40mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を濃度2Mに調製した。PMAOのトルエン溶液46mLに溶 解させ、25℃で10分間攪拌して活性化させたメタロセン−PMAO溶液を添加した。 続いて、温度を40℃に上げた後、容器内をエチレンで置換し、重合を開始した。 容器内のエチレン圧力が1気圧になるように保ちながらエチレンを供給し、ガ ス流量計によってエチレンの取り込み量をモニターし た。重合開始後5分間隔で、その間に取り込まれたエチレンに対して0.6倍モル のDCPDを容器内に導入することを続けた。重合を開始して1時間後、微量のイソ プロパノールを添加して反応を終了させた。重合開始後に容器内に加えたDCPDの 総量は39.4gであった。該反応混合物を塩酸で酸性にした大量のメタノール中に 放出して沈殿物を析出させ、濾別、アセトン、メタノールおよび水での洗浄およ び乾燥を経て共重合体63.4gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分の組成比は43モル%であり、ガラス転移温度は16 2℃であった。従って、DCPDの反応率は71%であった。図12に基づいて本重合反 応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が12.3、終了時が6.6と 算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、またポリエチレンに相 当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンあるいは部分結 晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かった。濃度 0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.58dL/gで あり、充分に高い値であった。 実施例2 実施例における仕込量について、トルエン90mLを200mLに、iPr(Cp)(Flu)ZrCl2 を40mgから20mgに、PMAOのトルエン溶液を46mLから23mLにそれぞれ変更し、それ 以外の重合条件は実施例1と同様にしてエチレンとDCPDとの共重合反応を行った 。 重合を開始して1.5時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了さ せた。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は42.5gであった。該反応混合物 を実施例1と同様にして後処理し、共重合体60.3gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は39モル%であり、ガラス転移温度は 142℃であった。従って、DCPDの反応率は62%であっ た。図12に基づいて本重合反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開 始時が8.1、終了時が6.3と算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示 し、またポリエチレンに相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポ リエチレンあるいは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成してい ないことが分かった。1H-NMRによりH1.8/H3.05は0.03と推計され、これはDCP D成分の連鎖が存在しないことを示し、また1/4×(I1.3/I3.05)は0.02と 推計され、これは望ましくない結晶部分を生じさせるエチレン成分ブロックの量 は、もしあっても、無視できる程度であることを示している。濃度0.5g/dLの トルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.68dL/gであり、充分に 高い値であった。この共重合体の1H-NMRスペクトルを図3に示す。 実施例3 重合装置として攪拌翼を備えた容量500mLのステンレス製オートクレーブを使 用し、メタロセンにiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を用い、以下のようにしてエチレンとDCP Dとの共重合反応を行った。 オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、容器内にトルエン80mLおよびDCPD 60gを仕込んだ。次に、予め40mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を濃度2Mに調製したPM AOのトルエン溶液46mLに溶解させ、25℃で10分間攪拌して活性化させたメタロセ ン−PMAO溶液を添加した。いて、温度を40℃に上げた後、容器内をエチレンで置 換し、さらにエチレンの圧力を2kg/cm2に加圧して重合を開始した。ガス質量 流量計によってエチレンの取り込み量を連続的にモニターし、エチレンが80ミリ モル取り込まれる度にエチレンの圧力を2.0→1.6→1.2→0.8→0.4→0.2kg/cm2 と下げていった。なお、1kg/cm2以下の圧力は窒素との混合ガス中での分圧で ある。重合を開始して4時間後、エチレンの圧力(分圧)を0.2kg/cm2まで下げ た時点での微量のイソプロパノールを添加して反応を終了させた。該反応混合物 を実施例1と同様に後処理して共重合体56.1gを得た。 得られた共重合体におけるDCPD成分のモル分率は46モル%であり、ガラス転移 温度は175℃であった。従って、DCPDの反応率は75%であった。図12に基づいて 本重合反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が10.8、終了時 が27.5と算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、また、ポリエ チレンに相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンある いは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分か った。1H-NMRによりH1.85/H3.05は0.06と推計され、これはDCPD成分の連鎖が 存在しないことを示し、また1/4×(I1.3/I3.05)は0.00と推計され、こ れは望ましくない結晶部分を生じさせるエチレン成分ブロックが存在しないこと を示している。還元粘度ηsp/cは0.46dL/gであり、充分に高い値であった。 実施例4 実施例3と同じ重合装置、メタロセンを用い、以下のようにしてエチレンとDC PDとの共重合反応を行った。 オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、容器内にトルエン100mLおよびDCP D 40gを仕込んだ。次に、予め40mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を濃度2Mに調製したP MAOのトルエン溶液46mLに溶解させ、25℃で10分間攪拌して活性化させたメタロ セン−PMAO溶液を添加した。続いて、温度を40℃に上げた後、容器内をエチレン で置換し、さらにエチレンの圧力を2kg/cm2に加圧し、重合を開始した。ガス 質量流量計によってエチレンの取り込み量を連続的にモニターした。エチレンが 80ミリモル取り込まれる度にエチレンの圧力を2.0→1.7→1.4→1.1→0.8→0.5kg /cm2と下げていった。なお、 1kg/cm2以下の圧力は窒素との混合ガス中での分圧である。さらに、それと同 時に、重合開始後5分間隔で、その間に取り込まれたエチレンに対して0.4倍モ ルの量のDCPDを容器内に導入することを続けた。重合を開始して3時間後、エチ レンの圧力(分圧)を0.5kg/cm2まで下げた時点で微量のイソプロパノールを添 加して反応を終了させた。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は21.2gであ った。該反応混合物を実施例1と同様に後処理して、共重合体54.4gを得た。 得られた共重合体におけるDCPD成分のモル分率は45モル%であり、ガラス転移 温度は171℃であった。従って、DCPDの反応率は71%であった。図12に基づいて 本重合反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が7.3、終了時 が11.8と算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、またポリエチ レンに相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンあるい は部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かっ た。1H-NMRによりH1.85/H3.05は0.05と推計され、これはDCPD成分の連鎖が存 在しないことを示し、また1/4×(I1.3/I3.05)は0.00と推計され、これ は望ましくない結晶部分を生じさせるエチレン成分ブロックが存在しないことを 示している。還元粘度ηsp/cは0.50dL/gであり、充分に高い値であった。 実施例5 実施例1で用いた40mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2に代えて、メタロセンにEt(Ind)2Z rCl2を38mg用い、それ以外の重合条件は実施例1と同様にしてエチレンとDCPDと の共重合反応を行った。 重合を開始してから3時間後に微量のイソプロパノールを添加して反応を終了 させた。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は41.7gであった。該反応混合 物を塩酸で酸性にした大量のメタノール 中に放出して沈殿物を析出させ、濾別、アセトン、メタノールおよび水での洗浄 および乾燥を経て共重合体62.9gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分の組成比は41モル%であり、ガラス転移温度は15 2℃であった。従って、DCPDの反応率は67%であった。図12に基づいて本重合反 応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が12.3、終了時が7.7と 算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、またポリエチレンに相 当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンあるいは部分結 晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かった。1H-N MRによりH1.85/H3.05は0.03と推計され、これはDCPD成分の連鎖が存在しない ことを示し、また1/4×(I1.3/I3.05)は0.02と推計され、これは望まし くない結晶部分を生じさせるエチレン成分ブロックの量が、もしあっても、無視 できる程度であることを示している。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で 測定した還元粘度ηsp/cは0.73dL/gであり、充分に高い値であった。 実施例6 メタロセンにiPr(Cp)(Flu)ZrCl2、助触媒にトリチル−テトラキス(ペンタフ ルオロフェニル)ボレート(以下これを〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4-と表記する 。)を用い、以下のように実施例1に沿ってエチレンとDCPDとの共重合反応を行 った。 実施例1と同じ重合装置を用いた。容器内を窒素ガスで置換した後、容器内に トルエン140mLおよびDCPD 30gを仕込んだ。次に、予め10mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2 および21.4mgの〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4-をトリイソブチルアルミニウムの 溶液(濃度1Mのn−ヘキサン溶液)1.5mLに溶解させ、25℃で5分間攪拌して活 性化させた触媒溶液を添加した。その後は実施例1と全く同様にして重合を 行った。重合を開始して1時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終 了させた。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は37.4gであった。該反応混 合物を実施例1と同様に後処理して、共重合体62.3gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は44モル%であり、ガラス転移温度は 166℃であった。従って、DCPDの反応率は73%であった。図12に基づいて本重合 反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が12.1、終了時が6.0 と算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、またポリエチレンに 相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンあるいは部分 結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かった。濃 度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.55dL/g であり、充分に高い値であった。 実施例7 iPr(Cp)(Flu)ZrCl2に代えて、9.6mgのEt(Ind)2ZrCl2を用い、それ以外の重 合条件は実施例6と同様にしてエチレンとDCPDとの共重合反応を行った。 重合を開始して2時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了させ た。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は40.5gであった。該反応混合物を 実施例1と同様に後処理して、共重合体63.3gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は42モル%であり、ガラス転移温度は 158℃であった。従って、DCPDの反応率は70%であった。図12に基づいて本重合 反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が12.1、終了時が6.9 と算出される。DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、またポリエチレンに 相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンあるいは部分 結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かった。濃 度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.78dL/g であり、充分に高い値であった。 比較例1 重合反応開始後に新たにDCPDを加えなかったこと以外は実施例1と同条件で重 合を行った。重合を開始して60分後、微量のイソプロパノールを添加して反応を 終了させた。該反応混合物を実施例1と同様に後処理して、共重合体34.6gを得 た。得られた共重合体におけるDCPD成分のモル分率は36モル%であった。従って 、DCPDの反応率は84%であった。図12に基づいて本重合反応におけるモノマー比 (F)を概算すると、重合開始時が12.3、終了時が2.0と算出される。DSCにてガ ラス転移温度は130℃と測定されたが、熱容量の変化がブロードに現れ、明瞭な ガラス転移温度ではなかった。ただし、ポリエチレンに相当する結晶融点は観察 されなかった。還元粘度ηsp/cは0.75dL/gであった。 比較例2 重合反応中、エチレンの圧力を2kg/cm2で一定に保持したこと以外は実施例 3と同条件で重合を行った。重合を開始して1時間後、微量のイソプロパノール を添加して反応を終了させた。該反応混合物を実施例1と同様に後処理して、共 重合体80.9gを得た。 得られた共重合体におけるDCPD成分のモル分率は32モル%であった。従って、 DCPDの反応率は93%であった。図12に基づいて本重合反応におけるモノマー比( F)を概算すると、重合開始時が10.8、終了時が0.76と算出される。DSC測定で は120℃近辺に大きな吸熱ピークが現れ、ポリエチレンまたは部分結晶質のエチ レンブロックに相当する結晶融点が観察された。共重合体をトルエンに再溶解し たところ、未溶解部分が認められた。トルエン溶解部分を取り出し てDSC測定を行うと、ブロードは不明瞭ながらガラス転移温度が観察され、114℃ であった。還元粘度ηsp/cは0.85dL/gであった。 実施例8 容量300mLのオートクレーブに実施例1で得られたエチレン−DCPD共重合体15 g、トルエン90mLおよび水添触媒であるRuClH(CO)(PPh3)3 0.08gを加え、水素 圧40kg/cm2、170℃で5時間水素化反応を行った。反応混合物をメタノール中に 再沈殿し、濾別、洗浄および乾燥を行って、共重合体14.8gを得た。 得られた共重合体の1H-NMRスペクトル(溶媒はD化o−ジクロロベンゼン)に は、5.5〜5.8ppmに現れるDCPDの不飽和結合によるシグナルは完全に消滅してお り、水添率は99.9%であった。また、4.8〜5.0ppm付近の共重合体の末端二重結 合を示すピークも同時に水添されていた。還元粘度ηsp/cは0.58dL/gであり 、水添による分子量の低下は認められなかった。ガラス転移温度は160℃であり 、水添の前後でほとんど変化がなかった。 実施例9 実施例4と全く同様にして重合を行い、極微量のイソプロパノールを添加して 反応を終了させた。該反応混合物にさらに0.2gの水添触媒RuClH(CO)(PPh3)3を 添加して、水素圧40kg/cm2、170℃で5時間水添を行った。実施例1と同様に後 処理して、水添エチレン−DCPD共重合体54.2gを得た。 得られた共重合体の1H-NMRスペクトルには、不飽和結合によるシグナルは全く 観測されず、水添率は99.9%であった。また、13C-NMR測定により求められた水 素化されたDCPD成分のモル分率は45モル%、ガラス転移温度は170℃、還元粘度 ηsp/cは0.49dL/gであり、これらは実施例4で得られた値とほとんど同じで あった。 実施例10 実施例8および実施例9で得られた水添エチレン−DCPD共重合体をさらに精製 して、重合体中の残存アルミニウム量を10ppm以下にした。かかる共重合体にイ ルガノックス1010を0.5重量%加え、樹脂温度300℃にて射出成形を実施し、それ ぞれ厚み1.2mmの平板を得た。かかる平板の透明性はどちらも極めて高く、550nm の波長における光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ91.8%、1.0%(実施例8 から得られた共重合体)および92.0%、0.8%(実施例9から得られた共重合体 )であった。 比較例3 比較例1および比較例2で得られたエチレン−DCPD共重合体を、実施例8に従 ってそれぞれ水添して水添率99.9%以上の水添エチレン−DCPD共重合体を得た。 実施例10と同様に、該共重合体中の残存アルミニウム量を10ppm以下になるまで さらに精製した後、イルガノックス1010を0.5重量%加え、樹脂温度300℃にて射 出成形を実施し、それぞれ厚み1.2mmの平板を得た。 かかる平板は実施例10のものとは異なり、透明性が低く、ヘイズが認められた 。特に比較例2から導かれた共重合体は白濁が著しく、透明性に欠けるものであ った。550nmの波長における光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ82.3%、10.6 %(比較例1から導かれた共重合体)および48.6%、43.9%(比較例2から導か れた共重合体)であった。 比較例4 DCPD 30gの代わりにNB 21gを用い、その他の重合条件は実施例1に従って エチレンとNBとの共重合を行った。 重合を開始してから30分後に微量のイソプロパノールを加えて反応を終了させ た。重合開始後に容器内に加えたNBの総量は5.6gで あった。該反応混合物を実施例1と同様に後処理してエチレン−NB共重合体21.7 gを得た。得られた共重合体におけるNB成分のモル分率は67モル%であり、ガラ ス転移温度は208℃であった。従って、NBの反応率は71%であった。NBに対する エチレンの溶解度がDCPDと同程度であるとすると、モノマー比(F)は、重合開 始時が12.2、終了時が4.3と概算される。かかる共重合体をよく精製して残存ア ルミニウムを100ppm以下にした後、射出成形を試みたが溶融粘度が極めて高く、 均一な成型物を得ることはできなかった。 実施例11 実施例3においてDCPD 60gに加え、DCPDの5モル%にあたる2.7gの5−エチ リデン−2−ノルボルネンを仕込んだ以外は実施例3と同様にして共重合反応を 行ったところ、共重合体55.8gを得た。 得られた共重合体におけるDCPD成分および5−エチリデン−2−ノルボルネン 成分のモル分率は、それぞれ43モル%および3モル%であり、ガラス転移温度は 170℃であった。従って、DCPDの反応率は70%であった。5−エチリデン−2− ノルボルネンに対するエチレンの溶解度がDCPDと同程度であるとすると、モノマ ーのモル比(F)は、重合開始時が10.7、終了時が32.7と概算される。DSC測定 では明瞭なガラス転移温度を示し、またポリエチレンに相当する結晶融点は全く 観察されなかったことから、ポリエチレンあるいは部分結晶性のエチレンブロッ クを含む共重合体は生成していないことが分かった。還元粘度ηsp/cは0.44dL /gであり、充分に高い値であった。 実施例12 メタロセンにiPr(Cp)(Flu)ZrCl2、助触媒にトリチル−テトラキス(ペンタフ ルオロフェニル)ボレート(以下これを〔(C6H5)3C〕+ 〔B(C6F5)4-と表記する。)を用い、以下のようにしてエチレンとDCPDとの共 重合反応を行った。 容量500mLの3ツ口フラスコに羽根付きの攪拌棒をセットし、容器内を窒素ガ スで置換した後、容器内にトルエン170mL、DCPD 30gおよびトリイソブチルアル ミニウム溶液(濃度1Mのn−ヘキサン溶液)2.3mLを仕込んだ。 次に、温度を40℃に上げた後、容器内をエチレンで充分に置換した。続いて、 42mgの〔(C6H5)3C〕+B〔(C6F5)4-および20mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を加え、重 合を開始させた。重合中、容器内のエチレン圧力が1気圧を保持するようにエチ レンを供給し続け、同時に0.5g/分の速度で新たにDCPDを容器内に滴下し続け た。 重合を開始して1時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了させ た。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は30gであった。該反応混合物を塩 酸で酸性にした大量のメタノール中に放出して沈殿物を析出させ、濾別、アセト ン、メタノールおよび水での洗浄および乾燥を経て共重合体59.1gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は42モル%であり、ガラス転移温度は 157℃であった。従って、DCPDの反応率は76%であった。図12に基づいて本重合 反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が10.2、終了時が4.2 と算出される。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、曲線の立ち下がり点と立ち上が り点の温度差を表すΔTgは8.9℃であった。また、ポリエチレンに相当する結晶 融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンあるいは部分結晶性のエチ レンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かった。濃度0.5g/dL のトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.52dL/gであり、充分 に高い値であった。 実施例13 実施例12で用いたiPr(Cp)(Flu)ZrCl2に代えて、メタロセンにEt(Ind)2ZrCl2を 用い、以下のように実施例12に沿ってエチレンとDCPDとの共重合を行った。 実施例12と同じ重合容器内にトルエン140mL、DCPD 30gおよびトリイソブチル アルミニウム溶液(濃度1Mのn−ヘキサン溶液)2.2mLを仕込んだ。40℃に昇温 後、容器内をエチレンで充分に置換した。続いて、42mgの〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5 )4-および19mgのiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を加え、重合を開始させた。重合中、容 器内のエチレン圧力が1気圧を保持するようエチレンを供給し続け、同時に0.25 g/分の速度で新たにDCPDを容器内に滴下し続けた。 重合を開始して2.5時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了さ せた。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は37.5gであった。該反応混合物 を実施例12と同様に後処理して、共重合体66.1gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は40モル%であり、ガラス転移温度は 150℃であった。従って、DCPDの反応率は74%であった。図12に基づいて本重合 反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が11.9、終了時が6.6 と算出される。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは10.0℃であった。また、 ポリエチレンに相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレ ンあるいは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないこと が分かった。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/ cは0.75dL/gであり、充分に高い値であった。 実施例14 メタロセンにMe2Si(Ind)2ZrCl2、助触媒にはポリメチルアルミノ キサン(PMAO)を用い、以下のようにしてエチレンとDCPDとの共重合を行った。 重合装置は実施例12と同じものを用いた。容器内を窒素ガスで置換した後、容 器内にトルエン130mL、DCPD 30gおよび濃度2Mに調製したPMAOのトルエン溶液 2mLを仕込んだ。次に、温度を40℃に上げた後、容器内をエチレンで充分に置換 した。続いて、予め20mgのMe2Si(Ind)2ZrCl2を濃度2MのMAOのトルエン溶液22m Lに溶解させ、25℃で10分間攪拌して活性化させたメタロセン−MAO溶液を添加し 、重合を開始した。重合中、容器内のエチレン圧力が1気圧を保持するようエチ レンを供給し続け、同時に0.2g/分の速度で新たにDCPDを容器内に滴下し続け た。 重合を開始して3時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了させ た。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は36gであった。該反応混合物を実 施例12と同様に後処理して、共重合体61.5gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は42モル%であり、ガラス転移温度は 158℃であった。従って、DCPDの反応率は72%であった。図12に基づいて本重合 反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が11.1、終了時が5.7 と算出される。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは9.5℃であった。また、ポ リエチレンに相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレン あるいは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが 分かった。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/c は0.71dL/gであり、充分に高い値であった。 実施例15 実施例12におけるDCPDの添加速度を、重合開始時から最初の20分 間を0.8g/分、次の20分間を0.5g/分、最後の20分間を0.2g/分というよう に変更し、それ以外の重合条件は実施例12と同様にしてエチレンとDCPDとの共重 合反応を行った。 重合を開始して1時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了させ た。重合開始後に容器内に加えたDCPDの総量は30gであった。該反応混合物を実 施例12と同様に後処理して、共重合体58.9gを得た。 得られた共重合体のDCPD成分のモル分率は43モル%であり、ガラス転移温度は 161℃であった。従って、DCPDの反応率は77%であった。図12に基づいて本重合 反応におけるモノマー比(F)を概算すると、重合開始時が10.2、終了時が4.1 と算出される。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは8.6℃であった。また、ポ リエチレンに相当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレン あるいは部分結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが 分かった。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/c は0.50dL/gであり、充分に高い値であった。 比較例5 重合反応開始後に新たにDCPDを加えなかったこと以外は実施例13と同条件で重 合を行った。重合を開始して2時間後、微量のイソプロパノールを添加して反応 を終了させた。該反応混合物を実施例12と同様に後処理して、共重合体35.9gを 得た。 得られた共重合体におけるDCPD成分のモル分率は35モル%であった。従って、 DCPDの反応率は86%であった。DSCにてガラス転移温度は130℃と測定されたが、 熱容量の変化がブロードに現れ、明瞭なガラス転移温度ではなく、ΔTgは19.6℃ であった。また、ポリエチレンに相当する結晶融点がわずかに観察された。還元 粘度ηsp/ cは0.80dL/gであった。 実施例16 容量300mLのオートクレーブに実施例12で得られたエチレン−DCPD共重合体15 g、トルエン90mLおよび水添触媒であるRuClH(CO)(PPh3)3 50mgを加え、水素圧4 0kg/cm2、170℃で5時間水素化反応を行った。反応混合物をメタノール中に再 沈殿し、濾別、洗浄および乾燥を行って、共重合体14.8gを得た。 得られた共重合体の1H-NMRスペクトル(溶媒はD化o−ジクロロベンゼン)に は、5.5〜5.8ppmに現れるDCPDの不飽和結合によるシグナルは完全に消滅してお り、水添率は99.9%であった。また、4.8〜5.0ppm付近の共重合体の末端二重結 合を示すピークも同時に水添されていた。還元粘度ηsp/cは0.50dL/gであり 、水添による分子量の低下はほとんど認められなかった。ガラス転移温度は154 ℃であり、水添の前後でほとんど変化がなかった。 実施例17 実施例13で得られたエチレン−DCPD共重合体を、実施例16と同様にして水素化 反応を行い、水添率99.9%以上の水添エチレン−DCPD共重合体を得た。かかる重 合体の還元粘度ηsp/cは0.72dL/gであり、水添による分子量の低下はほとん ど認められなかった。ガラス転移温度は148℃であり、水添の前後でほとんど変 化がなかった。 実施例18 実施例16および実施例17で得られた水添エチレン−DCPD共重合体をさらに精製 して、重合体内の残存アルミニウム量を10ppm以下にした。かかる共重合体にイ ルガノックス1010を0.5重量%加え、樹脂温度300℃にて射出成形を実施し、それ ぞれ厚み1.2mmの平板を得た。かかる平板の透明性はどちらも極めて高く、550nm の波長に おける光線透過率およびヘイズ値はそれぞれ92.1%、0.8%(実施例5から得ら れた共重合体)および91.7%、1.0%(実施例6から得られた共重合体)であっ た。 比較例6 比較例5で得られたエチレン−DCPD共重合体を、実施例16に従い水添して水添 率99.9%以上の水添エチレン−DCPD共重合体を得た。実施例18と同様に、該共重 合体内の残存アルミニウム量を100ppm以下になるまでさらに精製した後、イルガ ノックス1010を0.5重量%加え、樹脂温度300℃にて射出成形を実施し、それぞれ 厚み1.2mmの平板を得た。かかる平板は実施例18のものとは異なり、透明性が低 く、ヘイズが大きいものであった。550nmの波長における光線透過率およびヘイ ズ値は74.7%および18.3%であった。 実施例19 攪拌機を備える500mLのステンレススチール製反応容器にトルエン200g、DCPD 50g、1−ヘキセン395gおよびトリイソブチルアルミニウム 780mgを窒素雰囲 気下に入れた。1気圧の反応系内窒素圧力下に窒素出口を閉じた。温度を30℃に 設定した後、1.5kg/cm2のエチレン圧力下にエチレンを反応容器に加えて、反応 容器内のエチレンの分圧を0.5kg/cm2のレベルに維持した。次に、〔(C6H5)3C〕+ 〔B(C6F5)4-を35mgおよびEt(Ind)2ZrCl2を16mg添加し、重合を開始した。重 合中、エチレンの分圧を0.5kg/cm2に保持し、エチレンの消費速度を装置に設け た流量計によりモニターした。 重合の開始から3時間後に微量のイソプロパノールを添加して反応を停止させ た。反応混合物を実施例12と同様に後処理して、51.0gの共重合体を得た。 得られた共重合体中のDCPD成分のモル分率は40モル%であり、ガ ラス転移温度は141℃であった。DCPDの反応率は78%であった。図12に基づきこ の反応のモル比(F)を概算すると、重合開始時が21.0、60%のDCPD消費時が8. 4、70%のDCPD消費時が6.2と算出された。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは11.1℃であった。また、 ポリエチレンに相当する130℃付近には結晶融点は全く観察されなかったことか ら、ポリエチレンまたは結晶性のエチレンブロックを含む共重合体は生成してい ないことが分かった。1H-NMRによりH1.85/H3.05は0.03と推計され、これはDC PD成分の連鎖が存在しないことを示し、1/4×(I1.3/I3.05)は0.08と推 計され、これは望ましくない結晶部分を生じるエチレン成分ブロックの量は、も しあっても、無視できる程度であることを示している。濃度0.5g/dLのトルエ ン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.58dL/gであり、充分に高い値 であった。 実施例20 攪拌機を備える500mLのステンレススチール製反応容器にトルエン 200g、DCP D 33g、1−ヘキセン 407gおよびトリイソブチルアルミニウム780mgを窒素雰 囲気下に入れた。1気圧の反応系内窒素圧力下に窒素出口を閉じた。温度を30℃ に設定した後、1.5kg/cm2のエチレン圧力下にエチレンを反応容器に加えて、反 応容器内のエチレンの分圧を0.5kg/cm2のレベルに維持した。次に、〔(C6H5)3C 〕+CB(C6F5)4-を38mgおよびEt(Ind)2ZrCl2を16mg添加し、重合を開始した。重 合中、エチレンの分圧を0.5kg/cm2に保持し、エチレンの消費速度を装置に設け た流量計によりモニターした。次に、エチレン消費速度(VE、モル/分)のDCP D添加速度(VD、モル/分)に対する比(VE/VD)を58/42に保持しながら、 17gのDCPDを添加した。このコントロールは、流量計によりエ チレン消費速度を観察し、この速度をDCPD供給装置にフィードバックすることに より行った。 重合の開始から102分後に微量のイソプロパノールを添加して反応を停止させ た。反応混合物を実施例12と同様に後処理して、54.0gの共重合体を得た。 得られた共重合体中のDCPD成分のモル分率は42モル%であり、ガラス転移温度 は148℃であった。DCPDの反応率は83%であった。図12に基づきこの反応のモル 比(F)を概算すると、重合開始時が15.0、60%のDCPD消費時が8.4、70%のDCP D消費時が6.2と算出された。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは8.6℃であった。また、ポ リエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックに相当する結晶融点は全く観察 されなかったことから、ポリエチレンまたは結晶性のエチレンブロックを含む共 重合体は生成していないことが分かった。1H-NMRによりH1.85/H3.05は0.02と 推計され、これはDCPD成分の連鎖が存在しないことを示し、1/4×(I1.3/ I3.05)は0.02と推計され、これは望ましくない結晶部分を生じるエチレン成分 ブロックの量は、もしあっても、無視できる程度であることを示している。濃度 0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.41dL/gで あり、充分に高い値であった。 実施例21 2Lの反応容器にトルエン600g、DCPD 150g、1−ヘキセン0.50gおよびト リイソブチルアルミニウム1.2gを窒素雰囲気下に入れた。反応容器をエチレン で置換した。温度を30℃に設定した後、常圧下にエチレンを反応容器に流入させ 、〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4-を0.114gおよびEt(Ind)2ZrCl2を51mg添加し、重 合を開始 した。常圧下にエチレンを反応容器に流入させ続けた。重合中、エチレンの消費 速度を装置に設けた流量計によりモニターした。22.8Lのエチレンが容器に流入 した時点で微量のイソプロパノールを添加して反応を停止させた。反応混合物を 実施例12と同様に後処理して、150gの共重合体を得た。 得られた共重合体中のDCPD成分のモル分率は45モル%であり、ガラス転移温度 は145℃であった。DCPDの反応率は83%であった。図12に基づきこの反応のモル 比(F)を概算すると、重合開始時が10.3、60%のDCPD消費時が4.1と算出され た。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは6.1℃であった。また、ポ リエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックに相当する結晶融点は全く観察 されなかったことから、ポリエチレンまたは結晶性のエチレンブロックを含む共 重合体は生成していないことが分かった。1H-NMRによりH1.85/H3.05は0.04と 推計され、これはDCPD成分の連鎖が存在しないことを示し、1/4×(I1.3/ I3.05)は0.01と推計され、これは望ましくない結晶部分を生じるエチレン成分 ブロックの量は、もしあっても、無視できる程度であることを示している。濃度 0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.59dL/gで あり、充分に高い値であった。 得られた重合体3.6gをオートクレーブ中でトルエン20.4gに溶解した。この 溶液にコバルトトリアセチルアセトネート〔Co(acac)3〕30mgおよびトリイソブ チルアルミニウム50mgを添加した。次いで、水素化を20気圧の水素圧下に130℃ で2時間行った。水素化後、反応混合物に、攪拌下に、塩酸で酸性にした大量の メタノールを滴下して沈殿させた。次に、沈殿を濾過により回収し、順次にアセ トン、メタノールおよび水で洗浄し、最後に乾燥して、3.4gの水 添共重合体を得た。図6に示す1H-NMRスペクトルにおいて、δ5.54および5.64pp mにおける出発共重合体のDCPD成分中のC=C2重結合によるピークは完全に消 失しており、これはC=C2重結合の99.9%より多くが水素化されたことを示し ている。このスペクトルは、δ1.07,1.3,1.47,1.65,1.8,2.0および2.4ppm 付近に多重のしかし極めてシャープなピークを示す。H’2.20/H’2.40は0.03 8と推計され、これはトリシクロデカン環成分とエチレン成分に関して高いレベ ルの交互共重合性を示している。このようにして得られた共重合体は、140℃の 明瞭なガラス転移温度および7.8℃のΔTgを示した。濃度0.5g/dLのトルエン溶 液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0.55dL/gであり、充分に高い値であ った。 実施例22 500mLの反応容器にトルエン80g、CPD 20gおよびトリイソブチルアルミニ ウム 300mgを窒素雰囲気下に入れた。反応容器をエチレンで置換した。温度を30 ℃に設定した後、常圧下にエチレンを反応容器に流入させ、〔(C6H5)3C〕+〔B(C6 F5)4-を28mgおよびiPr(Cp)(Flu)ZrCl2を13mg添加し、重合を開始した。常圧 下にエチレンを反応容器に流入させ続けた。重合中、エチレンの消費速度を装置 に設けた流量計によりモニターした。22.8Lのエチレンが容器に流入した時点で 少量の溶液をサンプリングした。サンプリングした溶液を実施例12と同様に後処 理して、共重合体を得た。 得られた共重合体中のDCPD成分のモル分率は43モル%であり、ガラス転移温度 は155℃であった。DCPDの反応率は75%であった。図12に基づきこの反応のモル 比(F)を概算すると、重合開始時が10.3、60%のDCPD消費時が4.1と算出され た。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは6.1℃であった。また、ポ リエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックに相 当する結晶融点は全く観察されなかったことから、ポリエチレンまたは結晶性の エチレンブロックを含む共重合体は生成していないことが分かった。1H-NMRによ りH1.85/H3.05は0.03と推計され、これはDCPD成分の連鎖が存在しないことを 示し、1/4×(I1.3/I3.05)は0.01と推計され、これは望ましくない結晶 部分を生じるエチレン成分ブロックの量は、もしあっても、無視できる程度であ ることを示している。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘 度ηsp/cは0.59dL/gであり、充分に高い値であった。 サンプリング後の重合体溶液をオートクレーブに移し、コバルトトリアセチル アセトネート〔Co(acac)3〕107mgおよびトリイソブチルアルミニウム 300mgを添 加した。次いで、水素化を27気圧の水素圧下に130℃で2時間行った。水素化後 、反応混合物に、攪拌下に、塩酸で酸性にした大量のメタノールを滴下して沈殿 させた。次に、沈殿を濾過により回収し、順次にアセトン、メタノールおよび水 で洗浄し、最後に乾燥して、18.5gの水添共重合体を得た。図7に示す1H-NMRス ペクトルにおいて、δ5.54および5.64ppmにおける出発共重合体のDCPD成分中の C=C2重結合によるピークは完全に消失しており、これはC=C2重結合の99 .9%より多くが水素化されたことを示している。このスペクトルは、δ1.07,1. 3,1.47,1.65,1.8,2.0および2.4ppm付近に多重のしかし極めてシャープなピ ークを示す。H’2.20/H’2.40は0.031と推計され、これはトリシクロデカン 環成分とエチレン成分に関して高いレベルの交互共重合性を示している。このよ うにして得られた共重合体は、149℃の明瞭なガラス転移温度および9.2℃のΔTg を示した。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/c は0.45dL/gであり、充分に高い値であった。 実施例23 3Lのステンレススチール製反応容器にトルエン1380g、DCPD 201gおよびト リイソブチルアルミニウム3.4gを窒素雰囲気下に入れた。1気圧の反応系内窒 素圧力下に窒素出口を閉じた。温度を30℃に設定した後、2.0kg/cm2のエチレン 圧力下にエチレンを反応容器に加えて、反応容器内のエチレンの分圧を1.0kg/c m2のレベルに維持した。次に、〔(C6H5)3C〕+〔B(C6F5)4-を225mgおよびiPr(C p)(Flu)ZrCl2 125gを、等量に分けて少しずつ5回にわたり添加して、重合を行 った。重合中、エチレンの分圧を1.0kg/cm2に保持し、エチレンの消費速度を装 置に設けた流量計によりモニターした。次に、エチレン消費速度(VE、モル/ 分)のDCPD添加速度(VD、モル/分)に対する比(VE/VD)を60/40に保持 しながら、139gのDCPDを添加した。このコントロールは、流量計によりエチレ ン消費速度を観察し、この速度をDCPD供給装置にフィードバックすることにより 行った。 重合の開始から173分後でかつ55.4Lのエチレンが反応容器に流入した時点で 、少量の溶液をサンプリングした。サンプリングした溶液を実施例12と同様に後 処理して、共重合体を得た。 得られた共重合体中のDCPD成分のモル分率は42モル%であり、ガラス転移温度 は148℃であった。DCPDの反応率は70%であった。図12に基づきこの反応のモル 比(F)を概算すると、重合開始時が6.6、60%のDCPD消費時が4.1と算出された 。 DSC測定では明瞭なガラス転移温度を示し、ΔTgは13℃であった。また、ポ リエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックに相当する結晶融点は全く観察 されなかったことから、ポリエチレンまたは結晶性のエチレンブロックを含む共 重合体は生成していないことが分かった。1H-NMRによりH1.85/H3.05は0.03と 推計され、これ はDCPD成分の連鎖が存在しないことを示し、1/4×(I1.3/I3.05)は0.00 と推計され、これは望ましくない結晶部分を生じるエチレン成分ブロックが存在 しないことを示している。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還 元粘度ηsp/cは0.56dL/gであり、充分に高い値であった。 サンプリング後の重合体溶液をオートクレーブに移し、コバルトトリアセチル アセトネート〔Co(acac)3〕3.0gおよびトリイソブチルアルミニウム5.1gを添 加した。次いで、水素化を45気圧の水素圧下に130℃で3時間行った。水素化後 、反応混合物に、攪拌下に、塩酸で酸性にした大量のメタノールを滴下して沈殿 させた。次に、沈殿を濾過により回収し、順次にアセトン、メタノールおよび水 で洗浄し、最後に乾燥して、305gの水添共重合体を得た。図8に示す1H-NMRス ペクトルにおいて、δ5.54および5.64ppmにおける出発共重合体のDCPD成分中の C=C2重結合によるピークは完全に消失しており、これはC=C2重結合の99 .9%より多くが水素化されたことを示している。このスペクトルは、δ1.07,1. 3,1.47,1.65,1.8,2.0および2.4ppm付近に多重のしかし極めてシャープなピ ークを示す。H’2.20/H2.40は0.024と推計され、これはトリシクロデカン環 成分とエチレン成分に関して高いレベルの交互共重合性を示している。このよう にして得られた共重合体は、143℃の明瞭なガラス転移温度および9.6℃のΔTgを 示した。濃度0.5g/dLのトルエン溶液中、30℃で測定した還元粘度ηsp/cは0 .53dL/gであり、充分に高い値であった。 産業上の利用可能性 本発明によれば、交互共重合性が高く、化学的な均質性の高いα−オレフィン −DCPD共重合体を得ることができる。従って、該α− オレフィン−DCPD共重合体を前駆体として、それに水素添加処理を行った水添α −オレフィン−DCPD共重合体は、光学的に均一性、透明性が高く、光ディスク基 板をはじめとする光学材料用途に好適である。本発明により、高価な多環状オレ フィンを用いることなく、光学用途に好適な環状オレフィン系共重合体を提供で きるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,CN,JP,K R,MX,SG,US (72)発明者 竹内 正基 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社 東京研究センター内 (72)発明者 岩田 薫 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社 東京研究センター内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(1)0〜39モル%の下記式(A) 〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるα−オレフィン成分および61〜100モル%の下記式(B) 〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるシクロオレフィン成分から実質的になり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 2.(1)下記式(A),(B),(C)および(D) 〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 〔式中、nは0または1であり、mは0または1〜3の正の整数であり、pは0 または1であり、R3〜R22は同一または異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン 原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または炭素数1〜12の飽和もしくは不飽 和脂肪族炭化水素基であり、またはR19とR20とでもしくはR21とR22とでアル キリデン基を形成していてもよく、またはR19またはR20とR21またはR22とは それらが結合している2個の炭素原子といっしょになって、少なくとも1個の二 重結合を有していてもよく、もしくは芳香族環であってもよい環を形成していて もよい〕 〔式中、qは2〜8の整数である〕 で表される繰り返し単位から実質的になり、式(A),(B),(C)および(D) で表わされる繰り返し単位のモル%を、それぞれ〔A〕,〔B〕,〔C〕および 〔D〕とすると、その組成比が(〔A〕+〔B〕)/(〔C〕+〔D〕)=95〜 99.9/0.1〜5、〔A〕/〔B〕=0〜39/61〜100および〔D〕/〔C〕=0〜 95/5〜100の範囲にあり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 3.DSC曲線において、ポリエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックの 溶融に起因するピークが実質的に見られない、請求項1記載のα−オレフィン− シクロオレフィン共重合体。 4.DSC曲線における立ち下がり点と立ち上がり点との温度差を示すΔTgが15 ℃以下である、請求項1記載のα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 5.ガラス転移温度(Tg:℃)下記式 −22.7+2.84mD+0.0262mD 2<Tg<−2.7+2.84mD+0.0262mD 2 〔式中、mDは重合体中の環状オレフィン成分のモル分率を表し、38%〜50%の 範囲にある〕 を満足し、α−オレフィンがエチレンである、請求項1記載のα−オレフィン− シクロオレフィン共重合体。 6.1H-NMRスペクトルにおけるδ1.85ppmにおける切れ込み部の強度(H1.85 )のδ3.05ppmにおけるピークの強度(H3.05)に対する比(H1.85/H3.05) が0.15以下であり、α−オレフィンがエチレンである、請求項1記載のα−オレ フィン−シクロオレフィン 共重合体。 7.1H-NMRスペクトルにおける、ポリエチレンおよび/またはエチレン成分ブ ロックに起因するδ1.3ppmにおけるピーク領域(I13)のδ3.05ppmにおけるピー ク領域(I3.05)に対する比(I1.3/I3.05)の1/4が0.05以下であり、α −オレフィンがエチレンである、請求項1記載のα−オレフィン−シクロオレフ ィン共重合体。 8.炭素数2以上のα−オレフィンとジシクロペンタジエンとを共重合させる にあたり、中心金属がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる少なくと も1種のメタロセンと、少なくとも1種の助触媒とを含む触媒の存在下に、重合 開始から重合反応系に加えたジシクロペンタジエンの反応率が60%に達するまで の間、反応系に存在するモノマーのモル比(F)を下記式(I) F=〔ジシクロペンタジエン〕/〔α−オレフィン〕>4 (I) を満足する範囲に保ちながら重合することを含むα−オレフィン−シクロオレフ ィン共重合体の製造方法。 9.炭素数2以上のα−オレフィンとジシクロペンタジエンとを共重合させる にあたり、中心金属がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる少なくと も1種のメタロセンと少なくとも1種の助触媒とを含む触媒の存在下に、重合開 始から反応系に加えたジシクロペンタジエンの反応率が60%に達するまでの間、 反応系に存在するモノマーのモル比(F=〔ジシクロペンタジエン〕/〔α−オ レフィン〕)を下記式(II) 38/62<F/(F+rα)<48/52 (II) を満足する範囲に保ちながら重合することを含むα−オレフィン−ジシクロペン タジエン共重合体の製造方法。 10.α−オレフィンがエチレンである、請求項8または9に記載 の方法。 11.メタロセンの中心金属がジルコニウムであり、助触媒がアルミノキサンで ある、請求項8または9に記載の方法。 12.メタロセンの中心金属がジルコニウムであり、助触媒がイオン性ホウ素化 合物である、請求項8または9に記載の方法。 13.重合反応系に加えたジシクロペンタジエンの反応率が70%に達するまで、 反応系に存在するモノマーのモル比(F)が式(I)または(II)を満足する範 囲にある、請求項8または9に記載の方法。 14.前記モノマー比(F)がF>5.5である、請求項8または9に記載の方法 。 15.(1)0〜39モル%の下記式(AH〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるα−オレフィン成分および61〜100モル%の下記式(BH〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 で表されるシクロオレフィン成分から実質的になり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 16.(1)下記式(AH),(BH),(CH)および(DH〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕 〔式中、R2は水素原子または炭素数1〜16の飽和脂肪族炭化水素基である〕〔式中、nは0または1であり、mは0または1〜3の正の整数であり、pは0 または1であり、R3〜R22は同一または異なり、それぞれ水素原子、ハロゲン 原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水 素基であり、またはR19と R20とでもしくはR21とR22とでアルキリデン基を形成していてもよく、または R19またはR20とR21またはR22とはそれらが結合している2個の炭素原子とい っしょになって、芳香族環であってもよい環を形成していてもよい〕 〔式中、qは2〜8の整数である〕 で表される繰り返し単位から実質的になり、式(AH),(BH),(CH)および( DH)で表わされる繰り返し単位のモル%を、それぞれ〔AH〕,〔BH〕,〔CH 〕および〔DH〕とすると、その組成比が(〔AH〕+〔BH〕)/(〔CH〕+〔 DH〕)=95〜99.9/0.1〜5、〔AH〕/〔BH〕=0〜39/61〜100および〔DH 〕/〔CH〕=0〜95/5〜100の範囲にあり、 (2)濃度0.5g/dLのトルエン溶液の、30℃における還元粘度ηSP/cが0.1 〜10dL/gの範囲にある、 α−オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 17.DSC曲線において、ポリエチレンおよび/またはエチレン成分ブロックの 溶融に起因するピークが実質的に見られない、請求項15記載のα−オレフィン− シクロオレフィン共重合体。 18.DSC曲線における立ち下がり点と立ち上がり点との温度差を示すΔTgが15 ℃以下である、請求項15記載のα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 19.ガラス転移温度(Tg:℃)が下記式 −32.7+2.84mT+0.0262mT 2<Tg<−7.7+2.84mT+0.0262mT 2 〔式中、mTは重合体中の環状オレフィン成分のモル分率を表し、38%〜50%の 範囲にある〕 を満足し、α−オレフィンがエチレンである、請求項15記載のα−オレフィン− シクロオレフィン共重合体。 20.1H-NMRスペクトルにおけるδ2.20ppmにおける切れ込み部の強度(H’2.2 0 )のδ2.40ppmにおけるピークの強度(H’2.40)に対する比(H’2.20/H’2 .40 )が0.07以下であり、α−オレフィンがエチレンである、請求項15記載のα −オレフィン−シクロオレフィン共重合体。 21.炭素数2以上のα−オレフィンとジシクロペンタジエンとを共重合させる にあたり、(1)中心金属がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる少 なくとも1種のメタロセンと、少なくとも1種の助触媒とを含む触媒の存在下に 、重合開始から重合反応系に加えたジシクロペンタジエンの反応率が60%に達す るまでの間、反応系に存在するモノマーのモル比(F)を下記式(I) F=〔ジシクロペンタジエン〕/〔α−オレフィン〕>4 (I) を満足する範囲に保ちながら重合し、(2)得られた共重合体を水添率が99%以 上になるまで水素化することを含むα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体 の製造方法。 22.炭素数2以上のα−オレフィンとジシクロペンタジエンとを共重合させる にあたり、(1)中心金属がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムからなる少 なくとも1種のメタロセンと少なくとも1種の助触媒とからなる触媒の存在下に 、重合開始から反応系に加えたジシクロペンタジエンの反応率が60%に達するま での間、反応系に存在するモノマーのモル比(F=〔ジシクロペンタジエン〕/ 〔α−オレフィン〕)を下記式(II) 38/62<F/(F+rα)<48/52 (II) 〔ただし、rαは重合途中にある共重合体の成長末端がα−オレフィン成分であ るときの、DCPDに対するα−オレフィンのモノマー反応性比を表す〕 を満足する範囲に保ちながら重合し、(2)得られた共重合体を水添率が99%以 上になるまで水素化することを含むα−オレフィン−シクロオレフィン共重合体 の製造方法。 23.α−オレフィンがエチレンである、請求項21または22に記載の方法。 24.メタロセンの中心金属がジルコニウムであり、助触媒がアルミノキサンで ある、請求項21または22に記載の方法。 25.メタロセンの中心金属がジルコニウムであり、助触媒がイオン性ホウ素化 合物である、請求項21または22に記載の方法。 26.重合反応系に加えたジシクロペンタジエンの反応率が70%に達するまで、 反応系に存在するモノマーのモル比(F)が式(I)または(II)を満足する範 囲にある、請求項21または22に記載の方法。 27.前記モノマー比(F)がF>5.5である、請求項21または22に記載の方法 。 28.請求項15〜20のいずれかに記載のα−オレフィン−シクロオレフィン共重 合体から主としてなる光学材料。
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