JP2000510024A - イヤーマフラ - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
人の耳道の入口に対して、耳道において環境雑音のレベルを低減するよう結合するのに適したイヤーマフラ装置。該装置は、耳道を環境雑音から隔離するのに十分な、適切な寸法のもので、可聴音響周波数の広範囲にわたって耳道の入口における音響インピーダンスを実質的に減少させるように、少なくともほぼ1.15cm2の内部断面領域を有するマフラチューブを備えるものである。耳道への取付けのための接続チューブは、該イヤーマフラチューブに結合されている。接続チューブを耳道に対して密閉するのに適した弾力性のある密閉手段は、接続チューブの開放端に取り付けられている。該装置はさらに、耳にこれを固定するための手段を備える。周囲の空気から隔離された音源は、マフラチューブの一端の近くに取り付けることができる。
Description
【発明の詳細な説明】
[発明の名称] イヤーマフラ
[発明の背景]
本発明は、耳をダメージから保護し、望ましくない雑音の疲労効果を減少させ
、かつイヤホン及び関連装置による伝達を改善するための、耳道内の環境雑音の
低減に関するものである。詳しく言うと、本発明は、各耳に適した直径の、“マ
フラチューブ(消音チューブ)”と呼ばれるチューブを備えたセミインサート(半
挿入)タイプの耳防御器に向けられるもので、上記チューブは、耳道と空気でつ
ながり、適切な密閉装置の助けを借りて耳道に対して音響的にしっかりと結合さ
れている。イヤーマフラがイヤホン又は他の音を出す装置と組合せて使用される
場合、会話等の有用な信号に対する望ましくない環境雑音のマスク効果を低減し
、このようにして聴覚の伝達を改善する。
耳を過度の雑音から保護する又は防御する従来の装置は、3つのクラスに分け
られる:すなわち耳栓、イヤーマフ、及びセミインサートである。耳栓は耳道の
中に挿入され、イヤーマフは外耳全体を覆い、ヘッドバンド等の適切な支持手段
によって適所に保持され、セミインサートはイヤーマフに用いられるのと同様の
手段によって耳道の入口に対して保持される。各クラスの装置は、利点及び欠点
を有する。
耳栓は、音の可聴周波数域に論理的に均等に分布した実質的な雑音低減(減衰
)を提供することができる。これらは小型で安価である。しかしながら耳栓は、
耳道に不快感を生じさせることがある。また、耳垢に起因する衛生上の問題、及
び耳道の壁の炎症及びかぶれを引き起こし得る有害な物質を敏感な耳道に入れる
可能性をもたらす。さらに、大きさ及び形状が広範囲に異なる個々の耳道に適合
させなければならないという課題がある。
イヤーマフは、1,000Hzを超える音響周波数で最高の雑音減衰を提供すること
ができるが、低周波数では一般的に耳栓に劣る。これらの低周波数は、耳にあま
りダメージを与えないと思われるが、これは会話等の有用な信号の比較的強力な
マスキングをもたらし、疲労効果を有するこ
とがある。その大きさのために、従来のイヤーマフは邪魔で、長時間着用すると
不快になってくる。イヤーマフは頭の両側を圧迫し、頭に対する煩わしい加温効
果を有する。また、イヤーマフは残りの2つのクラスの耳防御器より高価である
。
利用可能なセミインサートは、個々の適合及び耳栓に固有の衛生上の問題を低
減し、イヤーマフに比べて邪魔でなく安価であるが、イヤーマフより少ない雑音
減衰を提供する傾向がある。過去に行われたセミインサートの有効性を向上させ
る試みは、耳道の外面に対する圧力を増加させ、その結果不快感をもたらした。
“共鳴耳栓”という名称の、注目すべき耳栓の変形例が過去に公知になった。
これらの耳栓は、耳道と空気でつながる小さな外部の囲いを備えた貫通孔のあい
た耳挿入物からなるものであった。貫通孔と囲いとの間の音響相互作用は、共鳴
周波数の広い近傍において音響減衰を増加させる共鳴効果をもたらした。実際に
は、上記の耳栓は、突出する囲いの壁、及び必要な耳挿入貫通孔を可能な限り短
くするよう、耳栓を外耳の形状に適合させる必要性のために、満足すべきもので
はなかった。そうでなければ、共鳴は、非常に低い周波数で生じ、高周波数では
減少した音響減衰をもたらすものであった。同じ理由により、囲いの大きさは、
その結果生じる低音響周波数での達成可能な音響減衰に対する制限により、比較
的小さくされるべきであった。
[発明の目的および要旨]
従って、本発明の目的は、耳道の入口の周囲にある軟らかい薄い織物に対する
必要な圧力を増加させることなく、かつ装置の大きさ及びコストをかなり増加さ
せることなく達成される増加した雑音減衰を備えた、イヤーマフラと呼ばれるセ
ミインサート耳防御器を提供することである。
本発明の他の目的は、一端が開いていて他端が閉じている適切な直径のマフラ
チューブにより達成される増加した雑音減衰を備えた、セミインサート耳防御器
を提供することである。
本発明の他の目的は、広い周波数域にわたって、耳道の音響入力インピーダン
スより、その開放端における音響インピーダンスが実質的に低いマフラチューブ
により達成される、雑音減衰の増加したセミインサート耳防御器を提供すること
である。
本発明のさらに他の目的は、チューブの内部断面領域を耳道の断面領域より実
質的に大きくすることにより、マフラチューブの開放端において、耳道の入口に
おける音響入力インピーダンスに比べて低い音響インピーダンスを達成すること
である。
本発明のさらに他の目的は、チューブの長さを所望の周波数における音の4分
の1波長に等しくして4分の1波長共鳴を生成することにより、マフラチューブ
の開放端において、耳道の入口における音響入力インピーダンスに比べて低い音
響インピーダンスを達成することである。
本発明のさらに他の目的は、少なくとも部分的に軽度の吸音材を充填したマフ
ラチューブを提供することによって、4分の1波長共鳴の鋭さを制御することで
ある。
本発明のさらに他の目的は、チューブと耳道との間のしっかりとした音響結合
を提供し、かつマフラチューブの作用を破壊的に変化させることのない接続チュ
ーブにより、マフラチューブを耳道に接続することである。
本発明のさらに他の目的は、所定の雑音環境及び伝達の要求に適合できる雑音
減衰の向上したイヤーマフラを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、会話、音楽、および他の有用な信号に対する伝達
能力を含む、雑音減衰の増加したイヤーマフラを提供することである。
本発明によれば、開放端と閉鎖端とを有する適切な直径のマフラチューブによ
り達成される、利用可能なセミインサート装置と比べて増加した雑音減衰を示し
、上記開放端は、弾力性のある密閉カフ(cuff)の助けを借りて耳道に対して音
響的にしっかりと結合されるセミインサート耳防御器が提供される。上記マフラ
チューブは、広範囲の可聴音響周波
数にわたり、開放端において、耳道の入口における音響インピーダンスより実質
的に低い音響インピーダンスを有するのに適した直径のものでなければならない
。ある好ましい実施形態では、上記チューブは、満足できる周波数域にわたって
、耳道入口における音響インピーダンスを十分に減少させ、耳における音響減衰
を有益に増加させるよう、少なくともおよそ1.15cm2の、好ましくはより大きい
内部断面領域、及び4ないし25cmの長さを有するものでなければならない。ある
実施形態では、上記チューブは、少なくとも部分的に軽度の吸音材を充填される
。
[図面の簡単な説明]
本発明の性質及び目的をより十分に理解するために、添付の図面とともに本発
明の好ましい様式に関する以下の詳細な説明を参照するものとする。
図1は、本発明のイヤーマフラ装置の前面部分断面図である。
図1aは、図1の線1a−1aに沿った図である。
図2は、頭の適所にある状態を示した、図1の装置の左側面の部分側断面図で
ある。
図3は、本発明のイヤーマフラ装置の第2の実施形態の前面部分断面図である
。
図3aは、図3の線3a−3aに沿った図である。
図4は、本発明のイヤーマフラ装置の第3の実施形態の前面部分断面図である
。
図5は、本発明の変形マフラチューブの他の実施形態の側面図である。
図6は、本発明の変形マフラチューブの他の実施形態の斜視図である。
図7は、マフラチューブの端に配置された電気音響変換器または同等の構成要
素を有する変形マフラチューブ構造を模式的に示す。
図8は、内部音響ネットワークを含むマフラチューブを示す。
図9は、図1のイヤーマフラ装置の斜視図である。
[発明の詳細な説明]
本発明の目的は、耳道における環境雑音のレベルを低減するにおいて、セミイ
ンサート耳防御器の有効性を向上させることである。当業者によって理解される
ように、セミインサート装置によって提供される雑音低減(音響減衰)は、Peが
耳道の入口における音圧、Paが周囲の空気における音圧、Asが音響減衰、Zeが耳
道の入口における音響インピーダンス、Zsがそこを通って音が耳道に入らなけれ
ばならないセミインサートによって提供される密閉の音響インピーダンスである
とした場合、式Pa/Pe=As=(Ze+Zs)/Zeによって論理的に説明される。有効な装
置ではそうであるように、ZsがZeよりはるかに大きい場合、上記の式は、音響(
雑音)減衰が密閉の音響インピーダンスに正比例し、耳道の入口における音響イ
ンピーダンスに反比例することを示すAs=Zs/Zeに近似することができる。本発
明によれば、雑音減衰は、比較的小さな音響インピーダンスZmを、耳道のインピ
ーダンスZeと並列に置くことによって増加される。Zmが十分に小さい場合、音響
減衰はAsm=Zs/Zmに近づき、音響減衰の改善度は、(Asm/As)=(Ze/Zm)となる。
極限では、上記改善度は耳道と分路インピーダンスとの比率に比例する。実際に
はその効果は幾分小さいものであるが、それでもやはり非常に大きなものとなる
ことができる。
構造的に、音響減衰の改善は、セミインサートに貫通孔をあけ、これを、適切
な直径を有し、耳道に結合するために一端が開いていて、他端が閉じているマフ
ラチューブと呼ばれるチューブに取り付けることによって達成される。そのよう
なチューブは、適切に設計された場合、開放端において、耳道の入口における音
響入力インピーダンスよりも実質的に低い音響インピーダンスを有することがで
きる。
上記マフラチューブの開放端における音響インピーダンスが、耳道の入口にお
ける音響インピーダンスと比べて小さくされることができる、2つの基本的な方
法がある。1つは、チューブの内部断面領域を耳道よりも実質的に大きく、かつ
チューブを、チューブの空気体積が耳道の空
気体積を実質的に超えるのに十分な長さにすることで、もう1つは、チューブの
長さを、所望の音響周波数における音の4分の1波長にほぼ等しくすることであ
る。効果は、両方の方法が組み合わされたとき、最大となる。
耳道の入口の近くにおける音響インピーダンスが過去に測定された。これらの
測定によれば、それは、平均して軽量減衰材で充填された1.7cm3の体積の空気の
音響インピーダンスにほぼ等しいものである。個々の値のうちで最低は、2.5cm3
の体積の空気の音響インピーダンスに達することができる。(音響インピーダン
スは体積に反比例する。)
1.15cm2の断面領域及び4cmの長さを有するチューブは、耳道の平均等価体積
のほぼ3倍で、最大等価体積の2倍を幾分下回る、4.6cm3の体積の空気を有する
。従って、セミインサート耳防御器によって提供される音響減衰を、約2ないし
3倍に増加させるであろう。これは、より通常の対数測定に換算すると約6ない
し10dBに相当する。ここで、デシベルでの音響減衰は、式(Pa/Pe)dB=20log(Pa/
Pe)によって定められる。この音響減衰の増分は、増加したコスト及び大きさに
鑑みて価値があると思われる最小である。一端が閉じた4cmの長さのチューブは
、2,000Hz周辺における4分の1波長共鳴を有する。この周波数領域において、
該チューブの開放端における音響インピーダンスは、チューブ内の空気の体積に
よって決定される音響インピーダンスより十分に低く減少し、音響減衰はさらに
向上し、その量はチューブ内の吸音に依存する。同じ周波数領域において、聴覚
の感度は最大値に近く、環境雑音の強度の減衰は非常に有益である。
上記マフラチューブを25cmに延長することによって、空気の体積は約29cm3に
増加し、低音響周波数でセミインサート装置によって提供される音響減衰の20dB
以上の論理的向上がこれに付随して得られる。この向上は、350Hz周辺における
4分の1波長共鳴によってさらに増加する。そのような低周波数領域における強
度の音響減衰は、強力な低周波数成分を有する雑音環境では望ましいものであろ
う。
マフラチューブが、延長される代わりに、その断面領域が1.5cm2になり、その
空気体積が平均的な耳道の入口における等価体積より約3.5倍大きくなるように
太さが拡大される場合、これにより音響減衰は、名目上は平均して約13dB、最大
の耳道の場合は10dB、向上する。4分の1波長共鳴の周波数は変化しないままな
ので、マフラチューブは依然として耳道に対して2,000Hzの周波数領域における
最低音響インピーダンスを提示する。しかしながら多くの条件の下では、10dBの
最少雑音低減向上は十分なものなので、4分の1波長共鳴は省くことができる。
そのような条件では、マフラチューブは、マフラチューブの端にある源、または
延長チューブによりマフラチューブに取り付けられた遠隔源からのより良好な音
伝達のために、その開放端からの距離が増加するにつれて先を細くすることがで
きる。マフラチューブの先を細くすることにより、源の音響インピーダンスをチ
ューブのインピーダンスに、より正確に一致させることが可能になり、源がより
効率的に作用するようにする。
約4cm2に達する断面領域及び約7cmの長さを有するマフラチューブが、適切
であると見なされた。このマフラチューブは、広い周波数域において40dBを超す
音響減衰を可能にし、これは商業的に入手可能な耳防御器によって今のところ可
能な音響減衰より実質的に多い。
一端が閉じられる代わりに、一方の耳のマフラチューブは、この端において対
側の耳に属するマフラチューブの対応する端に接続されることができる。そのよ
うな条件では、半波長共鳴が達成され、各チューブの長さは4分の1波長に等し
い。そのような構造は、各チューブ個々において、チューブの開放端における音
響インピーダンスに対して4分の1波長共鳴と本質的に同様の作用を有する。
所望の雑音低減を達成するのに十分なほど太いマフラチューブは、耳道の入口
で、外耳に常に快適に取り付けられるものではない。しばしば、より狭いチュー
ブによってマフラチューブを耳道に接続することが必要である。そのようなチュ
ーブがマフラチューブの所望の音響効果に干渉するのを可能な限り少なくするた
めに、上記チューブは、耳道入口周
辺における外耳の構造と適合できるような短さかつ広さのものでなければならな
い。実際には、0.8cm2の断面領域にほぼ等価な、長さが2cmで内部直径が1cmの
接続チューブが達成された。そのようなチューブの音響インピーダンスは、4分
の1波長共鳴の効果が無視された場合、約1,000Hzにおいて、10cm3の体積の空気
を備えた中型サイズのマフラチューブの音響インピーダンスに数値的には等しい
ものである。共鳴は、この周波数を幾分下方に移動させる。インピーダンスは、
低周波数においてより低く、高周波数においてより高い。これは、接続チューブ
が1,000Hz以下ではマフラチューブにほとんど干渉せず、1,000Hz以上では限定的
な作用を有することを意味する。それにもかかわらず、このような接続チューブ
の音響インピーダンスは、会話の伝達や音楽に対して有効な周波数域にわたって
、耳道の入口のインピーダンスより低く、接続チューブは、この周波数域におい
て、仮にその効果が1,000Hz以下よりも小さいとしても、環境雑音の減衰を向上
させることが可能である。マフラチューブなしでも、セミインサート耳防御器は
、1,000Hz以上で容認できる雑音低減をもたらす傾向があるので、減少した向上
効果は問題となるものではない。上記マフラチューブは、可聴音響周波数のうち
の実際的に有用な範囲にわたって環境雑音のほぼ均一の総合的低減を導くので、
実際に多くの条件の下で望ましいものとなることができるであろう。これは、会
話や音楽等の有用な信号の歪みを防止する。
マフラチューブ及び接続チューブの音響インピーダンスが数値的に等しい周波
数域では、これらは反対の符号を持つものなので、互いに相殺する傾向があり、
残留インピーダンスは非常に小さくなる。この領域では、雑音減衰の向上は最大
である。
耳道入口における雑音減衰は、マフラチューブの音響特性のみでなく、耳道の
入口に対するマフラチューブの密閉にも依存することも理解されなければならな
いであろう。容認できない不快感を引き起こすことなく密閉を最大にするために
、マフラチューブは、適切な形状をした、好ましくは軟らかく、貫通孔のあいた
栓(セミインサート)を介して耳道
に接続されなければならない。セミインサート耳防御器と接続するために現在使
用されている栓は、貫通孔がないか、または貫通孔が非常に小さいか、のいずれ
かの理由により適切なものではない。耳道の大きさ以上の広い貫通孔を備え、ソ
フトプラスチック、ゴム、または発泡プラスチックのいずれかからなる栓が特に
適切であることが分かった。そのような栓は、スリーブまたはカフの形状を有す
るものである。
チューブは、遠隔の源から耳道への音伝達のために、すでに19世紀、さらに恐
らくそれ以前に用いられていた。現在、チューブは商用航空機における乗客通信
システム、及び医療における聴診器などの適用において普及している。チューブ
はまた、いくつかの補聴器にも使用されている。補聴器を除くと、チューブはか
なり長く、およそ60cm以上でなければならない。それらはかなり細く作られ、断
面が平均的耳道にほぼ等しいか、それより幾分細いものである。これは、主に2
つの理由からなされている。第1に、太いチューブは、特にそれが長い時には邪
魔になる。第2に、耳道への音伝達は、チューブが耳道と同一の断面領域を有す
る時に最大となる。さもなければ、音響エネルギーの一部はチューブ内に反射さ
れる。これに基づいて、音響システムは、チューブと耳道との接続点、チューブ
の端、またはチューブ内のいずれにおいても音響反射を伴うことなく、チューブ
を通って耳道へ音を送るという明確な目的を持って考案されてきた。従って、チ
ューブは、本質的に耳道と同一の直径を持つように作られ、耳道に結合するため
に一端は開いており、波の反射を避けるように自由端で終わっている。これは複
数の方法のいずれかで達成される。ある方法では、チューブは、開いたままでも
閉じていてもよい自由端に音が到達するのを防ぐために、十分な長さにわたって
適切な吸音材で充填される。音響エネルギーは、該端に到達すると想定されない
ので、これは重要でない。別の方法では、チューブは、吸音材による吸音をより
有効にするよう、自由端に向かって先を細くされる。さらに別の方法では、チュ
ーブは、該チューブの音響インピーダンスをオープンな空気の音響インピーダン
スに適合させるよう、自由端に向か
って広げられる。音をチューブに送る電気音響変換器における波の反射を避ける
ために、変換器は、チューブの自由端の近くではなく、耳道の近くで、周縁的に
配置される。説明から、本システムは、耳道における環境雑音の容認できる受動
的な低減には不十分であることは明らかである。そのような低減を達成するため
には、チューブは実質的により太いものにしなければならないであろう。これに
より、耳道における波の反射が起こり、本システムの目的を無効にするであろう
。このため、能動的雑音低減が適用される。
イヤマフラー装置が音源からの音伝達のために用いられる場合、送信は、マフ
ラチューブの比較的大きな内部断面領域、およびチューブと耳道との接続点にお
ける音響反射によって低減される。しかしながら、その低減は、音源がチューブ
の閉鎖端の近傍に配置される場合は、わずかなものである。この配置では、マフ
ラチューブの比較的低い音響インピーダンスは、耳道の入口における比較的高い
インピーダンスと直列になっており、音源によって生成される音響エネルギーの
損失をほとんど引き起こさない。同時に環境雑音の低減が高いので、会話や音楽
または他の有用な信号を聞き取る際の重要なパラメータである、雑音に対する信
号の割合もまた高い。
ここで図面を参照すると、図1及び図1aは、キャップ14により一端が閉じら
れ、その延長部16、及び外耳により良好に適合するための縮小した直径を有する
接続チューブ18により耳道に接続される、円筒中空マフラチューブ12を備えた、
本発明のイヤーマフラ10の一実施形態を図示するものである。チューブ18の端は
、外耳との通信を提供するための開口28を定める。図2に示すように、耳道の周
囲の耳表面29に対する接続チューブのしっかりとした適合は、接続チューブ18に
取り付けられたソフトカフ20によって達成される。マフラチューブ12は、コット
ン、フェルト、又はナイロン繊維等の軽量吸音材22で充填され、チューブ12にし
っかりと取り付けられたホルダ26の助けを借りてチューブ12上に調節可能に設置
された弾力性のあるヘッドバンド24により、適所に保持される
。耳道入口の周囲のしっかりとした密閉を達成するために、弾力性のあるヘッド
バンドは、カフ20を幾分圧縮するように、接続チューブ部18を耳に対して緩やか
に押し付けるようにされる。イヤーマフの半分のみが図2に示されているが、他
の半分は頭の他側に対称に配置されている。
イヤーマフの構成要素は、当該技術において容易に入手できるプラスチック、
ゴム、および軽量金属または合金等の、任意の適切な材料で形成されることがで
きる。代表的なプラスチックは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、およ
びポリプロピレンを含む。シリコンゴムも使用することができる。適切な金属は
、アルミニウム、アルミニウム合金、およびステンレス合金を含む。
ある実施形態では、マフラチューブ12と延長部16を合わせると約13cmの長さに
なり、650Hz周辺で4分の1波長共鳴を生成し、これによってこの周波数の広い
近傍において環境雑音の低減をさらに増大する。全体の長さを減少または増加さ
せることは、最大の雑音低減の音響周波数を上方または下方にシフトさせるであ
ろう。吸音材22の量を減少または増加させることは、最大値を幾分明白にするで
あろう。チューブは1.4cmの直径を有し、約1.5cm2の断面領域に相当する。これ
を増加または減少させることによって、音響低減の量がそれそれ増加または減少
するであろう。しかしながら非常に太いチューブは邪魔になり、非常に細いチュ
ーブは雑音低減の量をなくしてしまうであろう。約1.15cm2の断面領域に相当す
る約1.2cm以下の直径を持つチューブは、もはや雑音低減の目的に有効にかなう
ものでないと推定される。
本発明の上述した実施形態の変形例が、図1に破線で示されている。直立の位
置に保持される代わりに、上記マフラチューブは、聴音器のチューブのような態
様で耳道からぶら下がっている。この位置は、構成に何らかの変更を伴うことな
く、単に耳道を回転軸として用いてイヤーマフラを下方向に回転させることによ
って得られる。しかしながら、聴診器タイプの形状に特に適した、幾分異なる構
成がこの実施形態に用いられることもできることは、当業者にとって理解される
ことであろう。
図1のイヤーマフラ装置の斜視図が図9に示される。
図3及び図3aを参照すると、イヤーマフラ30は、装置を図1及び図2の真っ
直ぐなチューブ12を備えた装置よりも突出しないものにするために、頭の形状に
概ね一致するように34で折り曲げられたマフラチューブ32を用いたものである。
図4に示されたさらなる実施形態では、イヤーマフラ装置40は、さらに突出し
ないようにするために、マフラチューブ42がU字形状を有するよう設計されてい
る。図5は、ぶら下がった位置における先の細くなったマフラチューブ50を示し
ている。このような先の細くなったチューブは、チューブの音響インピーダンス
をイヤホンまたは補聴器末端部等の音源の音響インピーダンスに一致させるため
に形成されることができ、上記音源は、音源からの音の送信を改善するための拡
大部52によって示される位置に配置される。さらに一般に、上記マフラチューブ
は、所定の雑音及び信号の条件における最適な音響性能のために様々な形状をと
ることができる。
さらなる実施形態が図6に示されているが、ここでは図1及び図2の単一のマ
フラチューブが、1本の太いチューブによって得られるのと同じ低音響インピー
ダンスを達成するために音響的に並列に接続された比較的細いチューブ60のセッ
トによって置き換えられている。並列に接続されたチューブの利点は、突出しな
いこと及びイヤーマフラの形状がより柔軟になることである。該チューブは、各
々が異なる音響周波数に共鳴し、この周波数の近傍において音響減衰を増加させ
るように、異なる長さのものとすることができる。
図7に示されるさらなる実施形態では、電気音響変換器72が、マフラチューブ
70の一端に配置されている。該装置は、装置の音響特性に破壊的に影響を与えな
いように十分な量の空気76によって装置から離されているキャップ74によって、
環境雑音から遮断されている。該装置は、環境雑音を中に入れないように密閉さ
れた開口を抜けてキャップを貫通するケーブル78を介して、外部の電源によって
電気的に供給されることが
できる。マフラチューブの外側の端に変換器を取り付けることは、その時チュー
ブの伝達インピーダンスが耳のインピーダンスと直列になり、信号出力の損失が
最小にされるので、特に有益である。これは、チューブのインピーダンスが雑音
低減のために耳のインピーダンスより小さいものでなければならないためである
。損失は、先の細くなったチューブが使用される時にさらに減少し、その自由端
におけるチューブの特性インピーダンスは変換器のインピーダンスと一致する。
もちろん、変換器は環境雑音に対して適切に密閉されなければならない。同様の
原理が、聴診器のチューブがマフラチューブに取り付けられるときに、聴診器に
対して使用されることができる。このためには、適切な貫通孔が、聴診器のチュ
ーブを受けるようにマフラチューブの閉鎖端に作られる。もちろん、他の音生成
装置を同様に取り付けることができる。一般に、聴診器または同様のチューブの
内部断面領域は、マフラチューブの音響特性を十分に保存するために、ほぼ0.3c
m2を超えるものであってはならないであろう。
別の実施形態が図8に図示され、マフラチューブ80は、耳道入口における雑音
低減をスペクトル状に形成するために、チューブの音響特性、特にその入力イン
ピーダンスに対して影響を与える目的で、貫通孔84を有し、マフラチューブ内に
配置され、かつ垂直ロッド86上において支持されたプレート82からなる音響ネッ
トワークを含むものである。同様の効果が、強固なプレートと内部のチューブの
壁との間に空気のスペースを残すか、または適切な長さの間隔でマフラチューブ
に狭窄部を導入するか、のいずれかによって得られることができる。そのような
狭窄部は、該チューブに波形チューブの外観を与える。
本発明は、図面に示されるような好ましい方法を参照して、特に示され、説明
されたが、その詳細における種々の変更は、クレームによって定義される本発明
の精神及び範囲を逸脱することなく実行できることは、当業者によって理解され
るであろう。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 [請求項1] 耳道における環境雑音のレベルを低減させるように設計され たセミインサートタイプの受動的耳防御器であって、 一端が軟らかい密閉カフにより耳道に結合するために開いており、他端が約2, 000Hzの音響周波数以下において4分の1波長共鳴を生成するのに十分な、かな りの波の反射を提供するよう閉じている、マフラチューブと呼ばれるチューブを 備え、 上記マフラチューブは、約4ないし25cmの長さ、および耳道より実質的に大き い、少なくともほぼ1.15cm2の内部断面領域を有することを特徴とする受動的耳 防御器。 [請求項2] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブと上記密閉カフは短い接続チューブによって隔てられてい て、 上記接続チューブは、マフラチューブへの有益な音響効果に対する干渉を低減 するよう、外耳の構造と一致するような短さ及び太さのものであることを特徴と する装置。 [請求項3] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブと上記接続チューブの両方の断面は円筒形で、該マフラチ ューブは、少なくとも、約1.15cm2の断面領域に等価な、ほぼ1.2cmの内側直径を 有するものであることを特徴とする装置。 [請求項4] 請求項1記載の装置において、 上記接続チューブは、少なくとも一部が弾力性のある材料からなることを特徴 とした装置。 [請求項5] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、4分の1波長共鳴の強度を、それを削減することなく 調整するために、軽量吸音材を含むことを特徴とした装置。 [請求項6] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、環境雑音の低減をスペクトル的に調整するために、貫 通孔のあいたプレートによってその長さを内部で分割されてい ることを特徴とした装置。 [請求項7] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、環境雑音の低減をスペクトル的に調整するために、プ レートの周囲とチューブの内壁との間に空気のスペースを残して、プレートによ ってその長さを内部で分割されていることを特徴とした装置。 [請求項8] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、環境雑音の低減をスペクトル的に調整するために、内 部断面領域に変化をもたらし、その可変領域の平均がほぼ1.15cm2よりも大きい 、波形状の壁を有することを特徴とした装置。 [請求項9] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、断面が長円形であることを特徴とした装置。 [請求項10] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、断面が矩形であることを特徴とした装置。 [請求項11] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、並列に接続され、単一のマフラチューブと同じ総音響 入力インピーダンスを有するチューブのセットによって置き換えられていること を特徴とした装置。 [請求項12] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、頭の形状に概ね一致するように折り曲げられているこ とを特徴とした装置。 [請求項13] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブは、U字形状に従って折り曲げられていることを特徴とし た装置。 [請求項14] 請求項1記載の装置において、 一方の耳に属する上記マフラチューブは、該チューブを耳にしっかりと留める ために、他方の耳に属するマフラチューブに対してバネで接続されていることを 特徴とした装置。 [請求項15] 請求項1記載の装置において、 各々一方の耳に属する上記マフラチューブは、調節可能なヘッドバンドによっ て頭の適所に保持されていることを特徴とした装置。 [請求項16] 請求項1記載の装置において、 イヤホンは、マフラチューブ内において、その閉鎖端の近くに配置され、周囲 の空気から隔離されていることを特徴とした装置。 [請求項17] 請求項1記載の装置において、 上記マフラチューブの閉鎖端は、離れた音源からの音伝達のために、ほぼ0.3c m2以下の内部断面領域のチューブを受けるように設計された比較的小さな貫通孔 を有することを特徴とした装置。 [請求項18] 請求項17記載の装置において、 上記離れた音源は聴診器からなることを特徴とした装置。 [請求項19] 耳道における環境雑音のレベルを低減するよう設計されたセ ミインサートタイプの受動的耳防御器であって、 短い接続チューブ及び軟らかい密閉カフにより耳道に結合するための一端が開 いていて、他端において周囲の空気から隔離された音源に接続される、マフラチ ューブと呼ばれるチューブを備え、 上記マフラチューブは、少なくともほぼ1.5cm2の内部断面領域を有し、 上記接続チューブは、マフラチューブの有益な音響効果に対する干渉を低減す るよう、外耳の構造と一致するような短さ及び太さであることを特徴とした受動 的耳防御器。 [請求項20] 請求項19記載の装置において、 上記マフラチューブの断面領域は、開放端では少なくともほぼ1.5cm2であるが 、上記端からの距離が増加するにつれて減少することを特徴とした装置。 [請求項21] 耳道における環境雑音のレベルを低減するよう設計されたセ ミインサートタイプの受動的耳防御器であって、 短い接続チューブ及び軟らかい密閉カフにより耳道に結合されるための一端が 開いている、マフラチューブと呼ばれるチューブを備え、 上記マフラチューブは、1,500Hz以下において半波長共鳴を生成するために、 少なくともほぼ1.15cm2の内部断面領域を有し、内部断面領域におけるかなりの 変更を伴うことなく、その他端において対側の耳に属する同一のマフラチューブ に接続され、 上記接続チューブは、マフラチューブの有益な音響効果に対する干渉を低減す るよう、外耳の構造と一致するような短さ及び太さであることを特徴とした受動 的耳防御器。 [請求項22] 耳の中において環境雑音を低減する方法であって、 (a)一端は閉じているが、他端は開いていて、開放端において、広範囲の音 響周波数にわたって耳道の入口における音響インピーダンスより実質的に小さい 音響入力インピーダンスを有する、細長い空気の充填されたマフラチューブであ って、該チューブの開放端は、該チューブを耳道にしっかりと結合するために、 その開放端において該チューブに設置された弾力性のある密閉カフを備えて、耳 道に結合するための形状をしたマフラチューブを提供し、 (b)上記密閉カフにより上記チューブを耳内で固定し、これにより耳の中に おいて環境雑音が十分に低減される、ことを特徴とした方法。
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-
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