【発明の詳細な説明】
染料昇華転写印刷のための装置、受容媒体、並びにその方法
本発明は、染料昇華転写印刷のための方法、受容媒体、並びに、その装置に関
する。
熱拡散型の染料転写印刷においては、染料供与体シートおよび受容体シート(
あるいは、その他の形態の染料供与媒体並びに染料受容媒体)を、互いにぴった
りと接触するように保持し、染料シートの所定の領域が、例えば、変調走査レー
ザービームあるいはサーマルヘッドによって、加熱される。これによって、所定
の領域から受容体シートに染料が拡散し、受容体シート上に対応する画像が形成
される。
染料転写印刷の別の方法に、昇華を利用したものがある。本発明は、この方法
を対象にしたものである。昇華転写では、供与体シートと受容体シートとの間に
、通常数ミクロンの隙間が存在する。供与体シートを加熱することにより、染料
が蒸気相に移る。蒸気となった染料は、隙間を横切って、受容体シートの比較的
温度の低い表面上で凝縮する。これが、真の昇華工程であり、間違って「昇華転
写」と称されることのある熱拡散転写(上述)とは異なるものである。
通常、供与体シート及び/あるいは受容体シートの表面に載置されるマイクロ
ビーズのようなスペーサ粒子が、隙間を形成する。
レーザー転写工程における昇華の利点は、レーザー拡散転写に比べて、所定量
の染料転写に必要なエネルギーが少ないことである。さらに、隙間があるために
、供与体シートと受容体シートとの間に粉末微粒子が存在しても、これに起因す
る画像欠陥が起こりにくいという利点もある。
しかし、昇華転写の場合、受容体の加熱が充分でなく、転写された染料(カラ
ー印刷の場合には、複数の染料)が受容体内で充分に拡散しない可能性がある、
という問題がある。この結果、染料強度が充分でなく、簡単に拭い取られてしま
う可能性がある。また、この方法では、染料が、すべて、受容体内で分子レベル
で分散するというよりは、集まって、微小結晶を形成しているため、効果的な発
色が行えない可能性もある。
これらの問題を克服するために、通常、印刷後に染料の受容体への定着を行う
。定着を行う場合、炉で受容体を加熱して、染料を受容体内に充分に拡散させる
方法もあるが、この方法は時間がかかり、熱効率も悪い。例えば米国特許第5162
291に記載されるように、受容体を溶媒蒸気にさらす方法もあるが、この方法は
難しく、また、溶媒蒸気が有毒で燃えやすい可能性もあるので、換気と火事に注
意する必要もある。
本発明は、受容体内で画像を定着する際の問題を解決するためになされたもの
であり、昇華転写印刷の改良された方法、受容媒体、ならびに、装置を提供する
ことを目的とする。
本発明は、染料昇華転写印刷の方法であって、赤外吸収剤が受容媒体内に含ま
れ、染料転写後、前記受容媒体を赤外線のフラッシュあるいはバーストで露光す
ることにより、前記受容媒体中に転写された染料を定着させる(赤外線によって
吸収剤を加熱することにより、受容媒体上の染料を加熱し、その結果、受容媒体
内に染料を拡散させる)、ことを要旨とする。
また、本発明は、受容媒体内に一種類あるいは複数種類の染料を定着するため
の方法であって、前記受容媒体内に赤外吸収剤が含まれ、染料が載った前記受容
媒体を赤外線のフラッシュあるいはバーストで露光する、ことを要旨とする。
本発明は、更に、受容媒体であって、赤外線のフラッシュあるいはバーストで
照射された場合に、前記受容媒体に転写された染料を定着するのに適した量並び
に構成で、その内部に赤外吸収剤を備える、ことを要旨とする。また、本発明は
、染料昇華転写印刷用の装置であって、染料受容媒体への印刷後、前記受容媒体
上
に画像を定着させるように、赤外線のフラッシュあるいはバーストを印可する赤
外線源を備える、ことを要旨とする。更に、本発明は、受容媒体に一種類あるい
は複数種類の染料を定着するための装置であって、前記受容媒体への印刷後、赤
外線のバーストあるいはフラッシュで前記受容媒体を露光する手段を備える、こ
とを要旨とする。
本発明では、受容媒体内の赤外吸収剤による赤外線の吸収によって、転写され
た染料が加熱される。加熱された染料は、表面から受容媒体内に拡散して、画像
を定着し、その結果、画像のダメージを防ぎ、染料吸収の効果を最大限に引き出
す。
フラッシュは、染料の定着を効率よく、かつ迅速に行う方法である。フラッシ
ュがエネルギーを素早く送るため、受容体基体中に有意な割合で熱が拡散するこ
とはない。そのため、加熱効果が表面近傍に局在化して、エネルギーが効率よく
利用される。そのため、染料は横に広がらず、解像度を下げることなく、鮮明な
画像を形成することができる。この後者の効果を考慮すると、炉で定着等する際
のように染料が大きく広がって粒状感やムラを目立たなくする効果が期待できな
いので、粒状感やムラがないように元画像を形成することが望ましい。
吸収剤により、受容媒体中でほぼ均一に赤外エネルギーを吸収することができ
、その結果、画像を均一に定着することができる。吸収剤を使わないと、特に、
受容媒体の染料濃度が低い領域で、受容媒体が、フラッシュから必要な量の熱を
受け取ることができず、充分に染料を定着できない可能性がある。
短時間で高強度のバーストとして電磁線を出力できるようなものならば、任意
の適当な赤外線源を用いることができる。線源として、フラッシュランプ、例え
ば、写真スタジオのフラッシュランプのようなものを用いてもよい。また、線源
が、コンデンサーからの放電により点灯されるキセノンあるいはクリプトン管を
備えることが望ましい。
受容媒体をより均一に照射できるように、二つ以上の放電管を用いて、赤外フ
ラッシュを出力するようにすることが望ましい。6個から10個の放電管を用い
ることが好ましく、特に、8個が好ましい。
また、放電管の端では、放射される光の強度が減少する傾向があるため、放電
管は、定着を目的としてフラッシュで露光される受容媒体の部分の長さよりも長
いことが望ましい。これは、部分的には、放電管内における電極の存在に基づき
、部分的には、放電管に沿ったすべての点が照射に寄与するという事実に基づく
。放電管の長さが長ければ長いほど、定着領域において、より均一な照射を行う
ことができ、定着領域の端部で照射強度が低くなるという問題を軽減することが
できる。
複数のフラッシュ管に別々に給電することが望ましい。例えば、一つの電荷蓄
積コンデンサーから別々の誘導子あるいは抵抗器を通して、複数のフラッシュ管
に給電する。このような構成をとることにより、別々の放電管からのエネルギー
の放出を変化させることで、端に配列された放電管に対応する部分の照射強度が
不足することを補償することができる。例えば、放電管アレイの端部に位置する
放電管を制御して、中心の放電管よりも明るいフラッシュを放射するようにして
もよい。また、端部に近い放電管ほど、出力強度が大きくなるように、放電管を
制御してもよい。
定着領域における光の強度を更に均一にするためには、受容媒体からフラッシ
ュ源を遠ざければよい。この場合には、フラッシュの強度損失が増加するため、
放電管からの総出力エネルギーを増やす必要がある。
フラッシュ源と受容媒体との間に、光を拡散、屈折、あるいは、散乱させて、
より均一な照射を行うための手段を設ける構成が望ましい。この手段は、例えば
、フラッシュ源と受容媒体との間に置かれたすりガラスのウィンドウの形態をと
ってもよく、あるいは、放電管からの照射が最も明るい領域の強度を減らすよう
に
設計された一組の遮蔽縞が設けられたウィンドウでもよい。ここで、ウィンドウ
上に設けられる縞は、つや消し部でも、あるいは、フィルター素子でもよい。こ
の手段が、均一な照射を行うためのレンズ配列、例えば、連続配置された円筒形
レンズ、を含むようにしてもよい。
フラッシュの持続時間は、約0.1μsないし約500msの間、好ましくは、約50
μsないし約5msの間である。より好ましくは、パルスの長さが、約0.15ない
し約1msの間であり、約0.5msがもっとも好ましい。受容媒体の表面上でフラ
ッシュが放出するエネルギー(例えば、広帯域パルスエネルギー測定器によって
測定された)が、約0.5ないし約10Jcm-2の間であり、好ましくは、約1ないし4
Jcm-2の間である。
フラッシュの持続時間の上限は、例えば、熱が吸収される領域からの熱の拡散
能力によって決まる。フラッシュ時間が長いということは、拡散が必要となる表
面層に対して最初にすべての熱を集中させることなく、受容体の厚み全体がエネ
ルギーにより加熱されることになるため、エネルギーの利用効率が悪いことを意
味する。
フラッシュの持続時間の下限は、主に二つの要因に基づいて設定される。第一
に、パルス時間が短い場合、エネルギーが非常に高速で入るため、温度が瞬間的
に非常に高くなって、定着した染料の再昇華がかなりの割合で起こり、画像から
再昇華された染料が失われる可能性がある。また、短いパルス時間で高いエネル
ギーを印可することにより、温度が非常に高くなって、染料の分解が始まり、染
料の炭化による黒い斑点ができる。第二に、パルス時間が短くなることにより、
フラッシュ管から放射される光のバランスが短波長側にシフトして、赤外吸収剤
への結合の効率が悪くなる。この短波長側へのシフトにより、パルスの持続時間
が短い場合、赤外線領域のみでなく、スペクトルの可視光領域と紫外線領域にお
いても、総放射量が増加する。この結果、多量のエネルギーが染料に直接吸収さ
れ、昇華による損失量が増加する可能性がある。
パルスの持続時間を長くすることにより、また、放出面積を増やすことにより
、赤外線放射の割合を相対的に増やすことができる。これらの要因は、どちらも
、放射温度を下げることにつながり、より長波長側で放射を行うことができるか
らである。ただし、効率(放射出力/電気エネルギー入力)は下がる可能性があ
る。
従って、総放射効率と、受容体内に紫外吸収剤がさらに備えられているかどう
かに関わらず、赤外領域での放射の比率と、高温での染料の再昇華と分解の起こ
りやすさと、を考慮して、最適なパルスの持続時間を決定すればよい。
放出されるエネルギーの下限は、染料が受容体内に拡散できるように充分高い
定着温度を実現するために必要な量に基づいて、決定される。
エネルギーの上限は、エネルギーを浪費しないようにシステムのコストを制限
する必要性に基づいて、また、高エネルギー状態において望ましくない副作用を
起こす危険性に基づいて、決定される。例えば、高エネルギー状態では、受容体
基板の大部分が加熱されるために、受容体基板が許容できないほどに変形するこ
とも考えられる。
短いフラッシュ時間の主な利点は、熱の局在化が染料拡散の温度依存性に結び
つく、ということである。炉で定着を行う場合、140℃で一分間の定着を行う必
要がある。一方、本発明では、約300℃の温度の場合、1ms未満で定着が行われ
る。
反射手段を、赤外線源、例えば、一個あるいは複数個のフラッシュ管の後ろに
設置して、光を前方に向かわせるようにしてもよい。反射手段は、平面反射板で
もよいが、例えば放電管アレイの側面端部からの光を反射するような側面素子を
含むようにすることが望ましい。これによって、光が逃げて、照射面の端部が中
心部よりも暗くなるのを防ぐことができる。このような側面素子は、反射手段の
平面背部に対して垂直、あるいは、外側に広がるような形に折り曲げることによ
って、端部に近づけば近づくほど、より多くの光を集めるようにしてもよい。こ
れにより、中心よりも端部の照射が少なくなる、ということがない。
ミラーのような反射手段を、放電管の端部に備えるようにしてもよい。この場
合には、放電管が反射手段を貫通するように、反射手段に穴をあける必要がある
。
また、反射手段が、放電管を収容可能なように、2つの対向する側面に開口部
を有する、5面体の箱型に折った容器として形成してもよい。反射手段は、例え
ば、アルミニウム、アルミ蒸着された反射シート、あるいは、白色の拡散反射板
からなるようにしてもよい。
赤外線に対して部分的に透過性のある受容媒体を用いる場合、受容媒体の赤外
線源とは反対側に別の反射手段を備えて、受容媒体を透過した残りの光を反射す
るような構成も望ましい。この反射体は、例えば、アルミニウムあるいはアルミ
蒸着された反射シート、または、白色の拡散反射板である。また、受容体自身が
光を反射するように設計された基板を備えるようにしてもよい。この基板は、例
えば、染料受容材の層が形成された白色の基板である。
高性能の実現のためには、赤外線源から放射されるエネルギーと、受容媒体内
の赤外吸収剤の吸収との間に波長適合性があることが望ましい。赤外線源に、望
ましくは、近赤外領域に、強い赤外ピークが存在し、赤外吸収剤に対応する吸収
が存在することが望ましい。任意の適当な吸収剤を用いることができるが、スペ
クトルの可視領域に対して実質的に透過性のあるものが好ましい。
フィルターを用いて、赤外線源からの光の特性を変更するようにしてもよい。
フィルターが、例えば、エネルギーのスペクトル分布を変えるような染料を含む
ようにすることもできる。また、フィルターを用いて、光に含まれる可視光及び
/あるいは紫外線の割合を減少させるようにしてもよい。このような構成をとる
ことにより、ほとんど受容媒体のみを確実に加熱することができるようになり、
また、染料が多量の熱を直接吸収して、再昇華によって画像から染料が失われる
ことがないようにできる。このようなフィルターを用いる場合には、赤外エネル
ギーの一部がフィルターによって除去される可能性があるため、より高エネルギ
ーの定着フラッシュが必要になる。フラッシュの持続時間が短いほどフラッシュ
管から放射される可視光の割合が高くなるため、フラッシュの持続時間が短い場
合に、このようなフィルターが特に好適に用いられる。
上述したように、吸収剤は、望ましくは、赤外線源のピーク波長で吸収する。
このピーク波長は、例えば、キセノンフラッシュランプでは、800nmである。
これによって、光エネルギーが効率よく熱に変換される。最終画像を干渉するこ
とがないように、吸収剤の可視光学濃度が低いことが望ましい。可視領域での平
均光学濃度は、望ましくは、透過性に関して約0.3未満であり、更に望ましくは
約0.15以下である。
適当な濃度で適当な染料を受容媒体に加えることによって、スペクトルの可視
領域において吸収剤が受容媒体に与える色を中和するような構成も好適である。
例えば、受容媒体にシアン及びマジェンタ染料を加えることにより、黄色がかっ
た色を補償することができる。この結果、受容媒体は、淡いグレー色を呈するこ
とになる。
吸収剤としては、置換フタロシアニン染料、スクアリリウム染料、シアニン染
料、あるいは、スペクトルの可視領域での吸収が小さく、800nm付近に強い吸
収が存在するような当業者に周知の他の染料を用いることができる。受容媒体の
可視色を補償するために加えられる染料としては、アゾ染料、アントラキノン染
料、あるいは、その他任意の種類の可溶染料を用いることができる。ただし、吸
収剤によって生じた色の偏在を中和するような組み合わせと量で染料を用いる必
要がある。赤外吸収剤並びに染料は、いずれも、受容媒体の受容層の構成に応じ
て、水あるいは溶媒に溶けるようなものでもよい。
吸収剤は、所定の濃度で、あるいは、受容媒体の印刷面に向かって増加するよ
うな濃度で、前記受容媒体中に分布している。また、吸収剤が、受容媒体の表面
近傍あるいは表面上の層内に備えられるような構成が望ましい。これによって、
所望の位置、即ち、染料に、直接熱を供給することができ、受容媒体の不必要な
部分を加熱するようなエネルギーの浪費を防止できる。
受容媒体は、任意の適当な形態を採ることができる。受容体の典型的な構成と
しては、(ICI社製の)メリネックス等の二軸延伸ポリエステル等からなる基
体を、赤外吸収剤と色中和用染料とを含む可溶性ポリエステルの被膜で覆ったも
のが挙げられる。被膜の厚さは、通常、約0.5ないし5μmの間、好ましくは、
約1ないし4μmの間である。
主定着フラッシュの前に低エネルギーの予備フラッシュを印可する構成も望ま
しい。予備フラッシュにより、染料が凝集して、主定着フラッシュによって気化
されることがない。予備フラッシュおよび主フラッシュは、任意の適当な方法で
実現されればよいが、例えば、同じフラッシュ源を異なったパワー出力で操作す
る、ランプと基体との距離を変える、フラッシュ源と受容体との間に一つあるい
は複数のフィルターを配置する、等の方法を取ることができる。後者の場合には
、一つのフィルターだけを使って主フラッシュを実現し、複数のフィルターを組
み合わせることによって予備フラッシュを実現することが可能である。
(受容媒体上を三回移動して、各回に、シアン、マゼンタ、イエロ等の異なっ
た色の染料で印刷を行うような)カラー印刷では、各回の印刷実行の間に、所定
割合で染料の定着を行うことが望ましい。本発明は、小型で簡単な装置を用いて
、迅速に、かつ容易に定着を行うことができるため、このような状況で特に有用
である。染料がすべて存在している最終定着段階で用いられるエネルギー量に比
べて、これらの中間定着段階におけるエネルギー量は、低くてもよい。定着エネ
ルギー量を低くすることにより、異なった色間の色ズレの原因となる基体の熱歪
みを減少させることができる。中間定着フラッシュが受容媒体の表面で放出する
エ
ネルギー量は、望ましくは、約約1.2ないし約1.8Jcm-2の間である。
受容層を支持する基体が、赤外線に対して透過性である場合には、受容体の印
刷側に光の放射を向けるようにしても、あるいは、非印刷側に放射を向けるよう
にしてもよい。非印刷側への光の放射が望ましい場合には、光が透過する(ガラ
ス板等の)透明支持板上に印刷面が上になるように受容媒体を保持するような構
成をとってもよい。このようにコンパクトで簡単な構成を採った場合、受容体の
印刷側が支持板との接触によって損傷されることがない。ただし、受容基体に吸
収されたエネルギーが、効率よく受容層に送られない可能性があるため、非印刷
側への光の放射が、印刷側からの放射ほど、エネルギー効率が高くない場合もあ
る。また、(吸収層を通過するビームの減衰により)受容層の底部は、頂部に比
べてより多くのエネルギーを吸収する傾向がある。
受容媒体全体で同時に定着を行う必要はなく、例えば、一時に一つの印刷領域
を定着しながら、漸次定着を行うようにしてもよい。従って、フラッシュ領域を
横切って進むような、あるいは、フラッシュ領域が横切るような多重フラッシュ
で、受容媒体を露光するようにしてもよい。
本発明は、透明受容媒体等の任意の種類の受容媒体に適用することができるが
、特に、高解像度が必要となる印刷に適用することが有用である。見る場合に拡
大する必要があり、小さな傷さえも目立つような35mmスライドの印刷に、特に
好適である。
また、本発明は、任意の染料昇華転写システムに適用することが可能である。
レーザーダイオード等から出力されるレーザービーム、LED、超音波、あるい
は、(マスクまたは空間光変調器(spatial light modulator)等を通る)白熱
光源あるいはフラッシュを用いて、染料供与媒体を加熱することができる。
上述したように、赤外線のフラッシュを用いることが特に有効である。また、
必ずしも必要ではないが、受容体内に吸収剤を備えることが望ましい。以上の観
点から、本発明は、染料昇華転写印刷の方法で、赤外線のフラッシュで受容媒体
を露光することにより画像を前記受容媒体内に定着させる、ことを要旨とする。
また、染料昇華転写装置で、受容媒体内に画像を定着させるように、赤外線のフ
ラッシュを印可するための赤外線源を備える、ことを要旨とする。更に、受容媒
体に一種類あるいは複数種類の染料を定着するための方法で、染料が載った前記
受容媒体を赤外線のフラッシュあるいはバーストで露光する、ことを要旨とする
。
上述の構成は、(本発明を実行するもっとも好適な方法である)受容媒体内で
の赤外吸収剤の使用、並びに、赤外線リッチのフラッシュの使用を強調している
が、本発明は、任意の適当な波長の電磁線(望ましくは不可視である電磁線)の
フラッシュを受容媒体内に備えられる適当な吸収剤と組み合わせて用いることに
よりフラッシュ定着を行う構成にも適用できる。即ち、本発明は、染料昇華転写
印刷の方法で、望ましくは不可視の電磁線を吸収する吸収剤が受容媒体内に含ま
れ、染料転写後、前記受容媒体を前記電磁線のフラッシュあるいはバーストで露
光することにより、前記受容媒体内に転写された染料を定着させる、ことを要旨
とする。また、本発明は、このような吸収剤を含む受容媒体や、このような方法
を実現する装置の形態でも実現される。
ここで、例えば、電磁線が紫外線(UV)であり、受容媒体が、適当な紫外吸
収剤を含むように構成してもよい。一般に、このような吸収剤は、受容媒体を有
意に色づけることがないため、更に染料を加えて、受容媒体の色を中和する必要
はない。UVフラッシュ源としては、例えば、フラッシュ時間の短い上述したフ
ラッシュ管を用いることができる。及び/あるいは、生成されるUV光の量を増
加させるように低圧のガスを用いることもできる。
また、フラッシュ管から出力されるUV光とIR(赤外)光の両方を利用可能
なように、受容媒体が、UV吸収剤とIR吸収剤の両方を備えるような構成でも
よい。
本発明の実施例を図面に基づいて、以下に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるフラッシュ定着装置の概略を示す。
図2は、代替フラッシュ源の斜視図である。
図3は、図2の反射体を平面に展開した様子を示す。
図1に示すように、定着装置1は、複数の、この場合には、一対の、キセノン
(あるいはクリプトン)フラッシュ管2と、フラッシュ管2の後ろに配置される
反射体3と、薄いガラス製の支持板4と、別の反射体5、とを備える。
キセノン管2に瞬間的に高電圧のパルスを印加すると、例えば250Vに充電さ
れていたコンデンサーの放電が開始され、キセノン管2はフラッシュ(閃光)を
放射する。このフラッシュ技術は、確立された技術であり、コンパクトカメラ等
に組み込まれたもの等、写真用フラッシュガンに利用されている。
反射体3は、フラッシュから放射された光をできるだけ多くガラス板4に向か
わせる役割を果たす。反射体3は、例えば、適当な基体をアルミニウム、銀、あ
るいは金で被覆することにより形成される。
内部に赤外吸収剤を備え、染料熱転写法による印刷対象となる受容体シート6
は、ガラス製の支持板4の上、支持板4と第二の反射体5との間に、載置される
。受容体シート6が、赤外線に対して透過である場合には、ガラス板4に印刷面
が接触するような配置でも、あるいは、非印刷面が接触するような配置でもよい
。受容体シート6が赤外線を通さない場合には、ガラス板4に印刷面を接触させ
る必要がある。
受容体シート6が赤外線透過性である場合には残ったエネルギーが受容体シー
ト6を透過する。エネルギー効率を上げるために、第二の反射体5を用いて、こ
の残りの光を受容体シート6に向けて反射する。反射体5は、例えば、適当な基
体上にアルミニウム、銀、あるいは金を被覆した鏡面であっても、あるいは、白
色散乱面であってもよい。
受容体シート6がガラス板4上に置かれると、放電管2が適当なエネルギーの
入力を利用して発光し、赤外線リッチなフラッシュ光を生成する。赤外線は、受
容体シート6内の赤外吸収剤に吸収されて、シートを加熱し、受容体シート6上
に印刷された染料を定着する。
このような定着装置並びに方法は、簡単で制御可能、かつ、高速の定着システ
ムを実現する。これは、単に一つの好適な実施例に過ぎず、この実施例を様々に
変更・修正可能である。
例えば、放電管を、最初は、低エネルギーで発光させて、染料を予備定着させ
て、次に、より高いエネルギーで発光させて、完全に定着させる。予備定着する
ことにより、より高いエネルギーのフラッシュの間に、染料が再昇華して受容体
シート6から分離するのを防ぐことができる。
また、図示されるような固定システムの代りに、放電管で照射される領域上で
、受容体シート6を動かして、一時にシート6の一つの領域を定着する等の方法
で、漸次シート6を定着するようにしてもよい。あるいは、ガラス板4を固定し
て、放電管を代りに動かすようにしてもよい。
さらに、フィルターを用いて、受容体シート6に到達するフラッシュの特性を
変更するようにしてもよい。フィルターを用いることにより、可視光及び/ある
いは紫外線の割合を減少させて、その結果、受容体シート6のみが確実に加熱さ
れるようにする。また、大量の熱が直接染料に吸収されて、昇華によって画像か
ら染料が失われないようにする。このようなフィルターを用いるためには、赤外
エネルギーの一部がフィルターで除去されるため、より高エネルギーのフラッシ
ュが必要になる。フラッシュ管2は、フラッシュ時間が短いほど高比率で可視光
を放射するため、フラッシュ時間が短い場合に、特に、このようなフィルターが
好適に用いられる。
フィルターを組み合わせることにより、充分なエネルギーのフラッシュより前
に、低エネルギーの予備フラッシュを放射して、上述した予備定着を実現するよ
うにしてもよい。
本発明に従うフラッシュ定着は、特に、カラー印刷に有用である。カラー印刷
では、異なった色の印刷を実行する間に、壊れやすい染料層を定着することが望
ましい場合がある。フラッシュ定着は、染料が転写された装置の部分近傍で行わ
れる高速の工程であるため、このような中間定着を容易に実行することができる
。受容体シートに色染料がすべて印刷された状態で実行される最終完全定着のエ
ネルギーに比べて低いエネルギーで、中間定着を実行するようにしてもよい。
装置に、放電管2からの光を散乱あるいは屈折する等、光を分散して、より均
一な光強度の分布を実現する手段を備えるようにしてもよい。例えば、ガラス板
4をすりガラスにしてもよいし、あるいは、一番明るい領域で光の強度を減少さ
せるように、(すりガラスあるいはフィルター等の)遮蔽縞領域を備えるように
してもよい。
本発明は、特に、35mmスライドの定着に有用であり、図2及び図3は、この
ようなスライドに特に適した放電管源の構成を示す。定着領域を均一に照射する
ように、8個の放電管2が用いられている。
好適な放電管の一例は、Tec-West USA社によって製造された、長さ50mm
で直径4mmのキセノン管である。このキセノン管は、200ないし950nmの領域
でスペクトルを形成し、250nm、450nm、825nm、900nmにピークを有する
(キセノン管の最大エネルギー定格は45Jであり、最小200VDC、公称300VDC
、最大400VDCのアノード電圧並びに-4KVのトリガー電圧を有する)。(各管
を介して放電されるエネルギーが)各管ごとに約18Jで操作されることが望まし
い。
放電管2は、5面体の箱型反射体7内部に配置され、管から放射された光を受
容媒体のフラッシュ定着領域に向けて反射する。
箱7は、折られたアルミニウムブランク8から形成されている。ブランク8の
2つの対向する側面9a、9bには、放電管2の端部を収容するための開口部10
が設けられている。側面端部9c、9dは、定着領域の端部範囲に向けてより多
くの光が反射されるように、図1に示すように、わずかに外側に角度をつけて配
置される。
複数の管2に別個に給電して、アレイの端部に近い管ほどフラッシュを明るく
して、均一な照射を実現するように、個々のエネルギー出力を変えることができ
るようにした構成も望ましい。
上記の装置で、紫外線あるいは他の不可視な電磁線を用いて、受容体シートに
フラッシュを放射して定着するようにしてもよい。この場合、受容体シートには
、用いられる電磁線に対応した適当な吸収剤が含まれる。例えば、図示されるフ
ラッシュ管が、紫外線リッチのフラッシュを放射するのに適した種類のものでも
よい。赤外フラッシュ用の管と同様な管を用いて、フラッシュの持続時間をより
短くすることにより、及び/あるいは、低圧のガスを用いることにより、紫外線
リッチのフラッシュを放射することができる。この場合、受容体シートには、チ
バガイキーにより製造されたTinuvin(商標)吸収剤等の適当な紫外吸収剤を備
えるようにする。
受容体シートが二種類以上の吸収剤を備えるように構成して、二種類以上の異
なった波長の電磁線を吸収させるようにしてもよい。例えば、受容媒体が、赤外
吸収剤と紫外吸収剤の両方を含むようにしてもよい。この場合、フラッシュ管か
らの赤外線と紫外線の両方を用いて、受容体シートにおいて染料の定着を行うこ
とができる。実施例1
この実施例では、二種類の受容体が用いられた。各受容体は、ポリエステル樹
脂と、赤外吸収染料と、その他の色染料との混合物を含む透明材である。赤外吸
収染料の量を変えることによって、透明材の吸収特性を変更した。透明材に含ま
れる赤外吸収染料のレベルが高くなれば、スペクトルの可視領域において不要な
吸収が起こる。この実施例で用いられた赤外吸収剤は、約800nmに最大吸収が
存在するが、スペクトルの可視部において多少の吸収が残ったままである。これ
によって、受容体の色がくすんだ黄色になる。他の染料を入れることによって、
吸収を補正して、受容体を視覚的に淡いグレー色にした。以下に二種類の組成を
示す。
1)メイヤー・バーを用いた手作業被膜の組成 SC101743=ヘキサデカ(2-チオナフタレン)銅IIフタロシアニン
C2=CIソルベントブルー63
M3=N-2-アセトキシエチル-4-(4-シアノ-3-メチルイソチアゾ-5-リルアゾ)-
N-エチル-3-メチルアニリン
被膜の厚みは約3.8μmであり、790nmにおけるOD(光学濃度)は、0.44で
あった。また、未印刷の受容体の可視領域におけるODをSakura PDA65(コ
ニカ)並びにMacbeth TR 1224測定器でそれぞれ測定した結果は、0.06並びに0
.09であった。
2)機械被膜の組成
被膜の厚みは約3.2μmであり、790nmにおけるODは、0.45であった。また
、未印刷の受容体の可視領域におけるODをSakura並びにMacbeth測定器でそれ
ぞれ測定した結果は、0.06並びに0.09であった。
上述した透明材の内部には、スペーサ粒子が組み込まれ、被膜厚さ1.05μm及
び基部厚さ23μmでODが2.88の染料シートから、レーザー昇華転写印刷によっ
て印刷が行われた。染料シートの被膜を形成するために用いられた溶液の組成は
フォロンブリリアントブルー(Sandoz) 223g
ポリ(ビニルブチラル)BX1(セキスイ) 148.7g
SC101743 148.7g
2μmトスパール (東芝) 22.4g
シクロヘキサノン 200g
THF 3257.2g
であった。
ボーウェンズ・インターナショナル社製の電子フラッシュガン(光源をより集
中させるために、標準よりも小さな寸法のキセノン充填フラッシュ管を用いて改
良したEsprit125モデル)を用いて、印刷済みの透明板を定着させた。キセノン
充填管から、サンプルに約2Jcm-2のエネルギーが放射されたが、そのエネルギ
ーの内60%は、0.25ms内に放出された。約4cm2の面積のディスク上における
平均入射エネルギーを記録するScientech365出力エネルギー計を用いて、エネル
ギー濃度を求めた。フラッシュガン上の反射体の光学特性を最適化していないた
め、サンプルごとにエネルギー濃度にいくらかのバラツキが見られた。この結果
、サンプルの端部、特に角は、中心に比べて定着性能が悪かった。
上記のように定着を行った透明板印刷物と、炉で定着を行った透明板印刷物と
を比較した。最初に、フラッシュ定着後の正方形印刷物におけるODを測定し、
次に、印刷物の表面に粘着テープを張り、テープを剥がしてから、もう一度OD
を再測定して、OD損失を算出するという方法で、定着効率を測定した。
各透明板印刷物を、異なった光学濃度を有する、左、中央、右ブロックという
3つの等しい面積の領域で印刷した。定着を実行する前、以下に示す実施例1の
6種類の形態の各々で用いられた透明板印刷物は、同一の条件下で印刷されたた
め、そのODは、ほとんど変わらなかった。但し、染料シートと焦点のバラツキ
のために、わずかにOD値が異なっていた。後述する6種類の形態における各印
刷物の各ブロックでの平均OD値を以下に示す。
ブロック1=1.02±0.04
ブロック2=0.54±0.02
ブロック3=0.16±0.01 定着後、各印刷物のODを測定した。3つのブロックの各々で9個所ずつ、総
計27個所の地点で測定を行った。6種類の異なった定着形態における結果を以下
に示す。各ブロックにおいて定着後測定された最大並びに平均OD、並びに、テ
ープを張りつけてからはがした後の最大および平均OD損失率を示す(印刷物の
各ブロックに関して数回行った測定の平均を平均ODとした)。実際のOD測定
値は、染料シートと焦点のバラツキによってブロックごとに変動するため、この
方法により、定着効率と均一性を求めた。ODの測定には、Sakura濃度計を用い
た。
下記に示す結果は、上述した機械被覆受容体に関するものである。鉛被覆した
受容体でも、同様の結果が得られる。
1)炉定着−140℃で1分間
2)フラッシュ板に接触させた透明板印刷物に1回フラッシュ(エネルギー密度
=1.8ないし1.9Jcm-2)
3)フラッシュ板から5mm離れた透明板印刷物に1回フラッシュ(エネルギー
密度=1.55ないし1.65Jcm-2)4)フラッシュ板から10mm離れた透明板印刷物に1回フラッシュ(エネルギー
密度=1.3ないし1.4Jcm-2)
5)フラッシュ板に置いた透明板印刷物に2回フラッシュ
6)フラッシュ板に置いた透明板印刷物に1回フラッシュ
ただし、透明板の非印刷側がフラッシュ板に面している
上記の結果からわかるように、概して、ブロック1および3に比べて、ブロック
2の定着性能が高かった。これは、ブロック2が真ん中のブロックであり、フラ
ッシュ管の光強度が一番高い部分に対応していたためである。フラッシュ管の光
学特性を最適化して、定着領域全体にもっと均一にエネルギーを広げることによ
り、及び/あるいは、定着工程でフラッシュ領域を横切るように透明板を動かす
ことにより、これを補償することができる。この結果、透明板の各部分を、フラ
ッシュ管の主フラッシュ領域で露光することができる。
また、5mmの間隔を設けた場合と間隔がまったくない場合との間には、比較
的小さな差しかなかった一方で、5mmの間隔を設けた場合と10mmの間隔を設
けた場合との間には、大きな相違があった。これは、定着用のエネルギーの有効
閾値が狭い範囲に存在することを意味する。
画像を1回のフラッシュでなく2回のフラッシュで露光してもODは改善され
なかったが、安定性の改善は見られた(OD損失率にして、およそ2倍の改善)。
これは、用いられたフラッシュが1回のフラッシュで画像を充分に定着するよう
に最適化されていなかったことを示す。一回目のフラッシュのエネルギーを増加
することによって、これを補正することができる。
受容体を介して画像を定着させた場合には(即ち、フラッシュガンから受容体
シートの印刷面を遠ざけた場合)、ODと安定性の両方が悪くなった。これは、
受容体層の下側に光エネルギーが優先的に放出されるためだと思われる。実施例2
フラッシュガンを用いて、(最大強度の半分までの)フラッシュの持続時間を
約100μsとした。スペーサを用いることにより、サンプルにおけるエネルギー
濃度を変化させた。
ここで用いた染料シートは、実施例1の染料シートと同様の組成であった。
二種類の組成の受容体を用いて、二組の実験を行った。第一の組の実験で用い
た皮膜は、実施例1の手作業被膜の組成と同一であった。第二の組の実験で用い
た皮膜は、実施例1の手作業被膜の組成と同様であるが、そこに、第二の赤外吸
収剤Pro-jet 900NP(ゼネカ社)0.171gを更に加えたものである。これは、S
C101743と同じ量である。
記録された値は、実施例1で規定したブロック1の平均である。
SC101743のみを用いた場合の定着結果
Pro-jet 900NPを加えた場合の定着結果
これらの結果から、短いフラッシュ時間の条件下では、最大ODに対して最適
エネルギー密度が明確に規定されることがわかる。また、(昇華あるいは分解に
よる)染料損失により、入力エネルギー密度が高い場合に達成されるODが制限
される、ということもわかる。入力エネルギー密度が低い場合には、充分な
エネルギーが供給されないため、定着が完全には起こらない。IR吸収剤を一種
類だけ用いた場合の最適エネルギー密度が1.22Jcm-2であるのに対して、IR
吸収剤を組み合わせて用いた場合(この場合には、IRの総エネルギー吸収が大
きくなる)には、最適エネルギー密度が1.04Jcm-2である。実施例3
この実施例では、染料シートと、実施例1の透明板として手作業被膜とを用い
て、フラッシュランプの前にフィルターを配置した。
フラッシュの持続時間は、約100μsであり、エネルギー密度は2.4Jcm-2で
あった。このエネルギー量は、フィルターを用いなかった場合には、染料損失と
変色を生じるレベルである。KB4フィルター(淡青色:590nmでの吸光度0.8
)をフラッシュランプと透明板との間に置くと、透過エネルギー量が1.18Jcm- 2
に減少した。更に、430nmよりも短波長側を遮蔽するフィルターをKB4と組
み合わせた場合には、エネルギー量が0.74Jcm-2まで減少した。
実施例1と同様に印刷された透明板を、最初、二枚のフィルターを組み合わせ
たものを介して予備定着させて、次にKB4フィルターのみを介して定着させた
。(二枚のフィルターを介した)最初のフラッシュでは、定着は完了しなかった
が、昇華することなく受容体に染料が入った。(KB4フィルターのみを介した
)二度目のフラッシュで、定着工程を完了させた。この結果を、標準的な条件下
での炉定着と比較した。
この表からわかるように、このような条件下では、炉定着のODよりもフラ
ッシュ定着のODのほうがわずかに高く、また、テープをはがした場合の画像損
失がかなり少なかった。実施例4
この実施例では、フラッシュの持続時間をまで伸ばした。染料シートは実施例
1と同じものを用いた。用いられた受容体シートの組成は、以下の通りである。
結果を以下に示す。
このような条件では、定着工程をよりよく制御できた。また、フラッシュエネ
ルギーの増加に伴い、定着効率が単調増加し、やがて飽和した。密に印刷された
領域では、フラッシュ定着によるODが炉定着によるODよりも大きかった。
また、別の実験を行って、SC101743を用いた場合の結果と同様な結果が、Pr
o-Jet 830NPを用いた組成でも得られた。この場合の主な相違は、効率が少
し上がったことのみであった。
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