JP2000511411A - 抗―肺炎球菌ワクチン用のコリン結合タンパク質 - Google Patents

抗―肺炎球菌ワクチン用のコリン結合タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明はコリンを結合するバクテリアコリン結合タンパク質(CBP)に関する。このようなタンパク質はグラム陽性バクテリア、特に連鎖球菌、更に特別には肺炎球菌の適当な株に対するワクチンに特に望ましい。また、バクテリアコリン結合タンパク質またはそのフラグメントをコードするDNA配列、バクテリアコリン結合タンパク質の抗体、バクテリアコリン結合タンパク質を含む医薬組成物、受動免疫化に使用するのに適したバクテリアコリン結合タンパク質の抗体、及びコリン結合タンパク質媒介付着の小分子インヒビターが提供される。また、バクテリアコリン結合タンパク質、またはバクテリアの存在の診断方法が提供される。特別な実施態様において、連鎖球菌コリン結合タンパク質はエノラーゼであり、これはフィブロネクチンに対する強いアフィニティーを示す。

Description

【発明の詳細な説明】 抗−肺炎球菌ワクチン用のコリン結合タンパク質 発明の分野 本発明は、一般的にコリン結合タンパク質、コリン結合タンパク質の単離法お よびこのようなタンパク質をコードする遺伝子に関する。本発明は、またこのよ うなタンパク質を使用して、バクテリアによる感染からの予防を達成するための 無細胞性ワクチン、および診断および受動免疫療法で使用するための該タンパク 質に対する抗体にも関連する。特に、本発明のコリン結合タンパク質は、肺炎球 菌に対するワクチンとして有用である。コリン結合タンパク質が接着性タンパク 質としての活性をもつことが立証された場合には、該タンパク質はバクテリア付 着に対する競合的阻害剤として有用であり、あるいは接着に関する小分子アンタ ゴニストを発見するためにも有用である。 発明の背景 抗菌ワクチン法 バクテリア中の輸出タンパク質は、多くの多様なかつ本質的な機能、例えば運 動性シグナル導入、巨大分子およびアセンブリー輸送、並びに必須栄養分の獲得 に関与している。病原性バクテリアについては、多くの輸出タンパク質が、コロ ニー化しかつ宿主を感染する付着体として、あるいは該宿主の免疫系に対して該 バクテリアを保護するための毒素として機能する、ビルレント決定基である[Mas ure等により1995年3月9日付けで出願された、国際公開No.WO 95/06732(吟味 のために、この特許の内容全体を特に本発明の参考としてここに組み込む)、Hoe pelman & Tuomanen,Infect.Immun.,1992,60:1729-33を参照のこと〕。しか しながら、他の輸出タンパク質は、接着を直接媒介することはない。 18世紀におけるジェンナーによる痘瘡ワクチンの開発以来、予防接種は、感染 性の微生物に対する武器庫における重要な武器となっている。抗体の導入に先立 ち、予防接種は、人々のウイルスまたはバクテリア感染に対する防禦にとって大 きな可能性を有していた。20世紀初頭における抗体の出現に伴って、バクテリア 感染に対する予防接種はそれ程重要ではなくなった。しかしながら、感染性バク テリアの抗生物質−耐性菌株の最近の反乱は、抗菌性ワクチンの重要性の復興を もたらした。 抗菌性ワクチンに関する一つの可能性は、死菌または弱毒化バクテリアの使用 である。しかしながら、全バクテリアワクチンについては、不十分な致死または 弱毒化による、致死または弱毒化バクテリアの病毒性の回復の可能性および不純 物としての毒性成分の内包を含む、幾つかの欠点がある。 これに代わるもう一つのワクチンは、バクテリアの炭水化物莢膜により免疫付 与することである。現在、ストレプトコッカスニューモニアエ(Streptococcus p neumoniae)に対するワクチンは、このバクテリアの23個の最も一般的な血清型を 含む莢膜で構成される複合体を使用している。これらのワクチンは、病理的感染 に対して最も敏感な個体、即ち若年者、老人および免疫無防備状態の個体におい ては、T細胞免疫応答を引き出す能力がないことから、無効である。最近の研究 は、このワクチンがこれら個体に対して僅かに50%の予防性をもつに過ぎないこ とを示した[Shapiro等,N.Engl.J.Med.,1991,325:1453-60]。 全バクテリアワクチンに対する代替品は、抗原がバクテリアの表面タンパク質 を含む、無細胞性ワクチンまたはサブユニットワクチンである。これらのワクチ ンは、全バクテリアまたは莢膜を主成分とするワクチンの、上記欠点の克服を恐 らく可能とする。更に、バクテリアの有毒性に対する輸出タンパク質の重要性が 与えられると、これらタンパク質は治療的介入にとって極めて重要なターゲット となる。あるバクテリアの全ての菌株に対して防禦するであろうワクチンで使用 する上で、特に重要なことは、該バクテリアの特定の種の全菌株の共通の抗原を 表すタンパク質である。しかしながら、これまで、グラム陽性バクテリアに対す る少数の輸出タンパク質のみが同定されているに過ぎず、これらの何れも、バク テリアの特定の種に対する共通の抗原を表していない。 最近、PhoAを含有する見掛け上の融合タンパク質が、グラム陽性およびグラム 陰性バクテリアの種に輸出された(Pearce & Masure,1992,Abstr.Gen.Meet. Am.Soc.Microbiol.,92:127,アブストラクトD-188)。このアブストラクトは、 E.コリおよびS.ニューモニアエ両者において発現可能なシャトルベクターにおけ るシグナル配列およびプロモータを欠いた、肺炎双球菌DNAの、E.コリPho遺伝子 の上流側への挿入を報告し、また形質膜を横切って輸出されたタンパク質のこの 輸送に関する同様な経路が、これらバクテリア両者に対して見出されるはずであ ることを示唆している。 以前の研究において、ストレプトコッカスニューモニアエ内の輸出タンパク質 を同定し、かつ変更するための、ランダムな翻訳遺伝子融合(PhoA突然変異誘発 )が、推定上の輸出タンパク質の識見をもたらした[Pearce等,Mol.Microbiol. ,1993,9:1037;1995年3月9日付けで公開された国際公開No.WO 95/06732;199 3年11月1日付けの米国特許出願No.08/116,541;1994年5月18日付けの米国特許 出願No.08/245,511]。この遺伝子融合技術と肺炎双球菌の接着に関する生体活 性のアッセイとを組み合わせると、最初の目標は、真核細胞に対する免疫原性付 着毒性決定基を遺伝的に同定し、かつ特徴付けして、そのバクテリア−宿主の関 連性を規定し、かつワクチン候補として機能させることである。接着を行う25個 を越える遺伝子座が、毒力の決定基として同定されている。 更に、肺炎双球菌により引き起こされる発病の分子的メカニズムが、明らかに されつつある[Cundell等,Infect.Immun.,1995,63:2493-2498;Wizemann等,P roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1996;Cundell等,J.Cell Biol.,1994,S18A: 45; Spellerberg等,Mol.Microb.,1996]。これら努力の結果として、多くのバ クテリア成分が、疾病を引き起こす複雑な相関過程に関与していることが示され た。しかしながら、この方法がほんの僅かの有力なワクチン候補を与えるに過ぎ なかったことも明らかである。 ワクチンにとって魅力あるターゲットであり得る、輸出肺炎双球菌タンパク質 に関する研究の何れも、肺炎双球菌表面タンパク質A(PspA)に関するものではな い[Yother等,J.Bacteriol.,1992,174:610を参照のこと〕。PspAは、これま でに全ての肺炎双球菌中に見出されていることから、S.ニューモニアエワクチン に対する一候補物質であることが報告されており、その精製タンパク質はマウス における防禦免疫性を誘導するのに利用でき、また該タンパク質に対する抗体が マウスに受動免疫を付与することが報告されている[Talkington等,Microb.Pa thog.,1992,13:343-355]。しかしながら、PspAは、該タンパク質のN-末端側の 半分における、菌株間の抗原性の変動性を示すことが明らかとなっており、該タ ンパク質は免疫原性および防禦性誘導エピトープを含んでいる(Yother等の上記 文献)。このタンパク質は、S.ニューモニアエの全ての菌株に対する共通の抗原 を示さず、従って最適のワクチン候補ではない。 肺炎双球菌コリン結合タンパク質 以前の研究は、PspA並びに他の表面輸出タンパク質の一つLytA、自己分解性ア ミダーゼが、テイコ酸(TA)、即ちS.ニューモニアエの細胞壁の結合部分と、コリ ン−依存性の様式で結合することを示した。TAは、固有の末端ホスホリルコリン 部分を含む。分子量84kDaを有し、かつ高度に可変性のタンパク質としてのPspA は、高いコリン濃度を伴って、その細胞表面から放出される。Lyt、即ち自己溶 菌酵素は、分子量36kDaのタンパク質であり、該肺炎双球菌の細胞壁を溶解する (自己溶解性)が、10%のコリンで洗浄することによる、高濃度のコリン条件下 で成育した、あるいはエタノールアミン中で成育した該細胞から放出されること はない。コリン結合タンパク質に関する報告は、以下に列挙するものを含む:Sa nchez-Puelles等,Gene,1990,89:69-75;Briese & Hakenback,Eur.J.Bioche m.,146:417-427; Yother & White,J.Bacteriol.,176:2976-2985;Sanchez-Be ato等,J.Bacteriol.,177:1098-1103;Wren,Micro.Review Mol.Microbiol. ,1991,5:797-803(これらの内容全体を本発明の参考とする)。 種々の付着に関する共有結合性または非−共有結合性のメカニズムが、グラム 陽性バクテリアの表面に備えられたタンパク質について記載されている。幾つか の連鎖球菌およびクロストリジウム(Clostridium)sp.は、その細胞壁の固有の 成分としてホスホリルコリンを有する。この分子は、テイコ酸(Cポリサッカライ ド)および該細胞壁に付着したリポテイコ酸(LTA)およびこれらバクテリアの形質 膜の末端構成物質である。種々の細胞機能を果たす、一群のコリン結合タンパク 質(CPBs)も記載されている。これらのタンパク質は、N-末端活性ドメインと、こ れら分子を該バクテリアの表面に係留する、反復C-末端シグナルコリン結合ドメ インとからなっている。このモチーフはクロストリジウムアセトブチリカム(C lostridium acetobutylicum)NCIB 88052由来の分泌された糖タンパク質の該C-末 端領域(Sanchez-Beato等,J.Bacteriol.,1995,177:1098-1103)、クロストリ ジウムディフィシル(Clostridium difficile)由来の毒素AおよびB(Von Eichel -Streiber & Sauerborn,Gene,1990,96:107-13;Von Eichel-Streiber等,J.B acteriol.,1992,174:6707-6710]、ストレプトコッカスミュータンス(Strepto coccus mutans)由来のグルカン−結合タンパク、ストレプトコッカスドウネイ(S treptococcus downei)およびS.ミュータンス由来の幾つかのグリコシルトランス フェラーゼ、肺炎双球菌および肺炎双球菌溶解ファージ由来のムレインヒドロラ ーゼ(LytA)(Ronda等,Eur.J.Biochem.,1987,164:621-4;Diaz等,J.Bacteri ol.,1992,174:5516-25;Romero等,Microb.Lett.,1993,108:87-92;Yother & White,J.Bacteriol.,1994,176:2976-85]、および同様に肺炎双球菌由来の 表面抗原(PspA)において同定されている。 肺炎双球菌接着の病理 S.ニューモニアエは、侵入性感染、例えば敗血症および髄膜炎の主な原因とな るグラム陽性バクテリアである(Tuomanen等,N.Engl.J.Med.,1995,322:128 0-1284)。この肺炎双球菌は、鼻咽頭上皮でコロニー形成し、次いで肺または鼻 咽腔の上皮に侵入して、血管裂孔に達する。このような輸送は、必要により、上 皮サイトから、下方の基底膜/細胞外マトリックスを介して生じ、内皮を横断す る。肺炎双球菌は、インビトロおよびインビボにおいて、上皮、内皮および基底 膜に接着することが立証されている(Plotkowski等,Am.Rev.Respir.Dis.,18 6,134;Cundell & Tuomanen,Microb.Path.,1994,17:361-374;Cundel等,Nat ure,1995,377:435-438;van der Flier等,Infect.Immun.,1995,63:4317-43 22)。 フィブロネクチンは、血漿(200-700mg/ml)、脳髄膜液および羊膜液等の体液中 に可溶性のダイマーとして(分子量550kDa)、該細胞外マトリックスおよび基底膜 中のより低溶解性のマルチマー(Ruoslahti,Ann.Rev.Biochem.,1988,57:375 -413)として存在する、哺乳動物の糖タンパク質である。フィブロネクチンは、 コラーゲン、インテグリン、および2種のヘパリンに対する結合サイトを包 含する多数のタンパク質に対する特異的結合サイトをもつ。口内連鎖球菌および 幾つかのグラム陰性バクテリアを含む、多くの微生物がフィブロネクチンと結合 する(Westerlund & Korhonen,Mol.Microbiol.,1993,9:687-694)。これら種 々の病原体は、全てフィブロネクチンのN-末端ヘパリン結合ドメインのタイプI (TypeI)繰り返し体をターゲットとしている。同族体フィブロネクチン結合タン パク質は、フィブロネクチン内の同一のターゲットに結合することと一致して、 類似するアミノ酸配列モチーフをもつことが明らかとなっている(Westerlund & Korhonen,1993の上記文献)。このパターンとは対照的に、ストレプトコッカス ニューモニアエは、固定化されたフィブロネクチンのカルボキシ末端ヘパリン結 合ドメインにおいて、該固定化フィブロネクチンに貪欲に付着することが分かっ ている(van der Flier等,Infect.Immun.,1995,63:4317-4322)。フィブロネ クチンのこのドメインは、幾つかの生物学的活性を有している。これは、主なプ ロテオグリカン結合ドメイン(HepII)を含み、かつタイプIII結合セグメント(III CS)内の2つの領域において、白血球のインテグリンVLA-4の結合をも支持する(W ayner等,Cell Biol.,1989,109:1321-1330;Guan & Hynes,Cell,1990,60:53 -61;Mould等,J.Biol.Chem.,1991,266:3579-3585)。該VLA-4結合ドメインは 、VLA-5によるフィブロネクチン結合のためのRGDモチーフを含むものとは異なっ ている(Pierschbacher等,Cell,1981,26:259-267)。該IIICSセグメントは、別 のスプライシングにかけられ、フィブロネクチンの幾つかの可溶性型には存在し ない(Guan & Hynes,1990の上記文献)。 VLA-4,α4β1(CD49d/CD29)は、リンパ球、単球、筋肉細胞およびメラノーマ 細胞上に存在するインテグリンであり、内皮細胞および筋原細胞上のVCAM-1およ び内皮下マトリックス中のフィブロネクチンのIIICSサイトに対する結合を媒介 する(Osborn等,Cell,1989,59:1203-1211;Mould等,J.Biol.Chem.,1990,2 54:4020-4024;Shimizu等,Immunological Reviews,1990,114:109-143;Rosen等 ,Cell,1992,69:1107-1119)。これらの相互作用は、単核細胞の炎症部位への 浸潤、メラノーマ細胞の転移および筋形成において重要である(McCarthy等,J. Cell Biol.,1986,102:179-188;Osborn等,1989の上記文献;Shimizu等,1990の 上記文献;Rosen等,1992の上記文献)。VLA-4は、フィブロネクチ ンのIIICSドメインをもつ25アミノ酸領域(CSI)を目標とし、その相互作用はトリ ペプチドLeu-Asp-Valにより遮断できる(Guan & Hynes,1990の上記文献;Komoriy a等,J.Biol.Chem.,1991,266:15075-15079;Mould等,1991の上記文献)。同 族モチーフIDSPは、VCAM-1ドメインIおよびIV中のVLA-4結合サイト中に存在す る(Clements等,J.Cell Sci.,1994,107:2127-2135)。VCAM-1およびフィブロ ネクチンに対するVLA-4上の結合サイトは、別々のものであるが、重なりあって いることが示唆されている(Elices等,Cell,1990,50:577-584; Pulido等,J. Biol.Chem.,1991,266:10241-10245;Vonderheide & Springer,J.Exp.Med. ,1992,175:1433-1442;Makarem,J.Biol.Chem.,1994,269:4005-4011)。肺 炎双球菌のフィブロネクチンの該HepII領域をターゲットとする能力が、以下の 可能性を生じた。即ち、これらバクテリアは、HepIIとVCAM-1との間の共通領域 を認識し、かつ該結合は、バクテリアのVLA-4の型により媒介される。このよう な相互作用は、基底膜を横切る肺炎双球菌の通過を促進することができた。脳へ の白血球の移動のためのVLA-4-VCAM-1相互作用も、髄膜炎における中枢神経系へ の肺炎双球菌の移行に対するある役割を示唆した。 従って、バクテリアによる発病に対する予防接種のための従来法に付随する上 記諸欠点から、当分野においては、サブユニットワクチンとして使用するのに適 しており、かつ受動免疫化で使用するのに適した抗体の誘発において使用するの に適したタンパク質抗原を同定する必要性が依然として存在する。 本明細書における任意の参考文献の引用は、このような参考文献が本発明の先 行技術として利用できることを認めるものではない。 発明の概要 本発明では、バクテリア表面抗原を提供し、該抗原はバクテリア感染に対する 動物の免疫化において使用するのに適したものである。より詳しくいえば、連鎖 球菌、好ましくは肺炎双球菌由来の新規なコリン結合タンパク質を提供する。 更なる態様においては、コリン結合タンパク質を単離し、かつ同定するための 方法およびこれらをコードする遺伝子を提供する。 最も広い局面において、本発明は、本明細書において一般的にコリン結合タン パク質と呼ぶ、以下の特徴を有する、連鎖球菌表面タンパク質に及ぶ: a) コリンに結合し、 b) 10%、好ましくは少なくとも10%のコリンの存在下で、ドゥルベコの燐酸 緩衝塩水(DPBS)中で、コリンアフィニティークロマトグラフィーカラムから溶出 し、但し本発明のバクテリア表面抗原は、PspAまたは自己溶菌酵素(LytA)ではな い。好ましい局面において、本発明の該コリン結合タンパク質は以下に列挙する 群から選択される1またはそれ以上の特徴を有する: c) 該バクテリアの宿主細胞への付着を阻害し、 d) 該バクテリアに感染した患者または該バクテリアによる感染症から回復し た患者由来の血清と反応し、 e) 10%のコリンを含有するDPBS中での溶出により、コリンアフィニティーカ ラムから単離された、精製コリン結合タンパク質に対して生成したウサギ抗−血 清と反応し、および f) バクテリアの溶解の必要なしに(即ち、完全なバクテリアとして)、フル オレセインイソチオシアネート(FITC)により標識される。 特定の例において、該バクテリア表面抗原は、肺炎双球菌から単離される。 更に別の局面において、本発明は該コリン結合タンパク質を主成分とするワク チンにも及ぶ。 特定の態様において、本発明は、本明細書に記載する、コリンと結合するバク テリア表面抗原群の全ての構成員に関連する。但し、この群はPspAまたはLytAを 含まない。 好ましい態様において、本発明は、エノラーゼ特にB.ズブチリスのエノラーゼ との高い配列類似性を有する、コリン結合タンパク質を提供する。 本発明は、また本発明のバクテリアコリン結合タンパク質(CBP)をコードする 単離された核酸、例えば組み換えDNA分子またはクローン化遺伝子、あるいはそ の縮重変異型にも関連する。好ましくは、該CBPをコードする該核酸分子、特に 組み換えDNA分子またはクローン化遺伝子は、あるヌクレオチド配列を有し、あ るいは発現に際して以下のような配列をもつアミノ酸をコードする、DNA配列ま たはそのフラグメントと相補性である: 特定の態様において、本発明の核酸は、好ましくはSEQ ID NO:18に記載したヌ クレオチド配列を有する、該コリン結合タンパク質CBP50の少なくとも一部(内 部フラグメント)をコードし、または好ましくはSEQ ID NO:20に記載したヌクレ オチド配列をもつ、結合タンパク質CBP112をコードする遺伝子の5'領域の一部で ある。 本発明のCBPをコードする該DNA配列、またはその一部は、同一のまたは別の種 の相補的配列およびゲノムクローンをスクリーニングするためのプローブとして 調製できる。本発明は、スクリーニングに利用可能なように調製されたこのよう なプローブにも及ぶ。例えば、該プローブは種々の公知のベクター、例えばファ ージλベクターをもつように調製できる。このようなプローブは診断、例えばグ ラム陽性バクテリア感染の種または菌株を確認し、並びにcDNAまたはCBPをコー ドするDNAをクローニングするために有用である。 本発明は、またここに明記する活性を有し、上に示し、かつSEQ ID NOS:1,2 ,3,4,5,6,7,8,9,10,19および21から選択されるアミノ酸配列を示す、C BPを包含する。 本発明の更なる態様において、このようにして決定された該組み換えDNA分子 またはクローン化遺伝子の完全なDNA配列は、発現制御配列に、機能可能に結合 することができ、該発現制御配列は適当な宿主中に導入できる。従って、本発明 は、本発明のCBPをコードするDNA配列およびより具体的には上記のSEQ ID NOS:1 8および20に示した配列から決定された、該DNA配列またはそのフラグメントを含 む、該クローン化遺伝子または組み換えDNA分子で形質転換された単細胞宿主に も及ぶ。 本発明の幾つかの好ましい態様の他の好ましい特徴によれば、組み換え発現系 が提供され、該系は生物学的に活性なCBPまたはその免疫学的に反応性の部分を 生成する。 該バクテリア表面抗原のこの概念は、特異的なファクタが、対応する特異的な 結合タンパク質、例えば前に記載したようなCBP等について存在することを意味 する。従って、各CBPの正確な構造は理解可能なように変動して、このコリン結 合および活性特異性を達成するであろう。このバクテリアの接着における該CBP の特異的かつ直接的関与が、診断並びに治療用途の広いスペクトルについての保 証を与える。 当然、本発明はCBPの調製のための幾つかの手段をも意図しており、該手段は ここに例示するような、公知の組み換え技術を包含し、従って本発明はこのよう な合成をもその範囲内に含むものとする。本明細書に記載するDNAおよびアミノ 酸配列の単離は、このような組み換え技術によって、該CBPの再生を単純化し、 従って本発明は、組み換えDNA技術により、宿主中での発現のために、開示され たDNA配列から調製される発現ベクターおよび結果として得られる形質転換宿主 にも及ぶ。 本発明の特定の利点は、抗-CBPワクチンの市販のために、十分な量のCBPの製 造をもたらすことである。もう一つの利点は、本発明が2またはそれ以上のCBP を含有する多成分ワクチンの調製を可能とすることにあり、従って該ワクチンの 潜在的な有効性が拡張され、かつ増大する。その第一の局面において、本発明は 該CBPを、単独でまたは2種以上の組み合わせとして、肺炎双球菌感染に対する 予防用のワクチンにおいて使用することを意図する。好ましくは、2種以上のCB Pを含有するワクチンは、更にPspA、LytAまたはその両者を含む。本発明によれ ば、CBPは組み換え法により調製できる。あるいはまた、CBPはバクテリアの培 養、例えば本明細書に記載され、かつ例示される精製法を利用して得ることがで きる。特定の態様において、肺炎双球菌由来のCBPの混合物は、例えばコリンア フィニティークロマトグラフィーにより得られ、またこれらを更に精製すること なく、直接使用して、動物を免疫化し、防禦抗体を誘発する。コリンアフィニテ ィー精製したタンパク質のこのような混合物は、PspAを発現するバクテリア、ま たはPspA発現を欠いたバクテリア(即ち、本明細書に例示するPspA-バクテリア )から得ることも可能である。 もう一つの局面において、本発明のCBPの1またはそれ以上をコードする該遺 伝子(例えば、cDNA)を、核酸を主成分とするワクチンとして、インビトロで哺 乳動物宿主内で発現するための、トランスジェニックベクター内で操作する。 更に別の態様においては、本発明の該CBPを、受動免疫、診断またはスクリー ニング用の抗体を生成するのに使用する。以下の特定の例では、受動免疫は、マ ウスモデルにおける肺炎双球菌感染による死亡を阻止する。 本発明の診断上の利用は、アッセイにおける本発明のCBPに対する結合パート ナー、特に抗体を使用して、バクテリア感染をスクリーニングすることにも及ぶ ものである。 該CBPに対する抗体は、天然産のおよび組み換えにより調製した抗体を包含す る。このような抗体は、発現ライブラリーをスクリーニングして、該CBPをコー ドする遺伝子または遺伝子群を得るのに使用できる。これらは、公知の遺伝子技 術により調製されるポリクローナルおよびモノクローナル抗体、並びに2−特異 性(キメラ)抗体、および抗体のバクテリア接着を調節する能力との関連で、付 随的な診断に適した他の機能を含む抗体を包含する。 かくして、該CBP、その類似体および/または同族体、並びにこれらに対して 生成し得る抗体は、例えば放射性物質の添加または放射性ヨウ素化により標識さ れている、該CBPに対する抗体を使用する、イムノアッセイを包含する種々の診 断技術、例えばラジオイムノアッセイと共に使用できる。 イムノアッセイにおいては、アンタゴニストまたはそれに対する抗体等をコン トロール量で調製し、酵素、特異的結合パートナーおよび/または放射性元素で 標識し、次いで細胞サンプルに導入できる。該標識した物質またはその結合パー トナーが、該サンプル内のサイトと反応する機会をもった後に、生成した全体を 公知の技術(これは付着した該標識の特性により変え得る)により調べることが できる。 放射性標識、例えば同意元素3H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、5 9 Fe、90Y、125I、131Iおよび186Reを使用した場合には、公知の通常利用可能な 計数手順を利用することができる。該標識が酵素である場合には、検出は現在使 用されている、当分野で公知の比色法、分光光度法、蛍光分光光度法、アンペロ メトリーまたは気体定量法により達成できる。 本発明は、バクテリア感染の存在の程度の定量的な分析のための、アッセイこ のような感染を模倣または遮断できる薬物または他の試薬を同定するための、テ ストキット形状で提供できるアッセイ系をも包含する。該系またはテストキット は、該CBPに対するラベルを結合した、本明細書で議論した放射性および/また は酵素技術の一つにより調節した標識された成分、そのアゴニストおよび/また はアンタゴニスト、および1種またはそれ以上の付随的な免疫化学的試薬を含む ことができ、該免疫化学的試薬の少なくとも一つは遊離のまたは固定化したリガ ンドであり、該標識成分、その結合パートナー、測定すべき成分の一つまたはそ の結合パートナーと結合できる。 特に、配列が本明細書のSEQ ID NOS:1-10、19および20に示されているCBPのタ ンパク質、その抗体、アンタゴニスト、アゴニスト、またはその活性フラグメン トは、バクテリア感染を治療しもしくは予防する等の、抗生物質療法が適当な場 合には、投与のための薬理処方物として調製できる。このような遊離のタンパク 質は、バクテリアCBP機能と競合し、従って接着等のバクテリアの病原活性を妨 害することができた。 好ましい1局面において、本発明は、連鎖球菌のコリン結合タンパク質を発現 する、バクテリアによる感染を治療するための方法並びに関連する組成物をも提 供し、該方法は、以下の諸特徴をもつコリン結合タンパク質からなる群から選択 される、付着阻害剤を肺に投与する工程を含む: コリン結合活性をもち、および 10%コリンの存在下で、クロマトグラフィーカラムから溶出される。 但し、該連鎖球菌のコリン結合タンパク質はPspAまたは自己溶菌酵素(LytA)では なく、該コントロール結合タンパク質に対する抗体、エノラーゼ、ヒンダードカ チオン性小分子、ペプチドWQPPRARI(SEQ ID NO:11)およびアミノ酸配列WQPPRARI (SEQ ID NO:11)を有するエピトープに対して特異的な抗体である。好ましくは、 該ヒンダードカチオン性小分子は、リジン、コリン、およびアルギニンからなる 群から選ばれる。更なる態様においては、該付着阻害剤は、抗生物質、ステロイ ド、非−ステロイド抗−炎症性薬剤等の他の薬物と共に投与される。 従って、純粋な状態にあるCBPおよびそのサブユニットを提供することが、本 発明の主な目的の一つである。 本発明の更なる目的は、CBPおよびそのサブユニットに対する抗体、および組 み換え手段を包含する該抗体の製造方法を提供することにある。 本発明の更なる目的は、侵入性、自発性または突発性の病理的状態が存在する と考えられる哺乳動物中の、該CBPおよびそのサブユニットの存在を検出するた めの方法を提供することにある。 更に別の本発明の目的は、該バクテリア、該CBPまたはそのサブユニットの量 または活性を調節して、このような存在または活性の有害な結果を変更し、ある いは有利な場合にはこのような活性を高めるように、哺乳動物を治療する方法を 提供することにある。 本発明の更に他の目的は、該バクテリアまたはそのサブユニットの量または活 性を調節して、侵入性、自発性または突発性の病理的状態の有害な結果を治療ま たは回避するように、哺乳動物を治療する方法を提供することにある。 更に別の本発明の目的は、治療法において使用するための薬理組成物を提供す ることにあり、該組成物はCBP、そのサブユニット、またはその結合パートナー を含有し、もしくはこれらを主成分とする。 その他の目的並びに利点は、以下の添付図および発明の詳細な説明を参照して 進められる、以下の記載を吟味することにより、当業者には明らかとなろう。 図面の簡単な説明 第1図は、バクテリア表面タンパク質を分離した、6%SDS-PAGEのウエスタンブ ロットを示す。レーンAは、LM91(PspA)由来のFITC標識した表面タンパク質を表 す。レーンBは、コリンアフィニティークロマトグラフィー処理後のLM91由来の FITC標識した表面タンパク質を表す。レーンCは、コリンアフィニティークロマ トグラフィー(CBRO)処理後のLM91タンパク質を表す。“FITC”は抗−FITC(マウ ス)抗体を使用したことを意味し、“Convalesc”は、ヒトの回復期(肺炎双球 菌感染後)の抗体を使用したことを示す。“CBP”は、抗-CBP抗体(ウサギ)を 使用したことを示す。 第2図は、第1図に記載したような、10%SDS-PAGEのウエスタンブロットを示 す図である。 第3図は、PN R6の、肺細胞A549に対する接着アッセイを示す図である。 第4図は、PN R6の、HUVEC(内皮)細胞への接着アッセイを示す図である。 第5図は、公知技術に関する図であり、フィブロネクチンおよびそのフラグメ ントを模式的に示した図である。 第6図は、肺炎球菌の、33kDaヘパリンII結合ドメインの組み換えフラグメン トに対する、直接的接着を示す図である。 第7図は、ヘパリンIIタイプIII#14およびIIICS領域に基づく、肺炎球菌の合 成ペプチドに対する、直接的接着を示す図である。 第8図は、コリンによるS.ニューモニアエ(pneumiae)接着の阻害を示す図であ る。バクテリアをコリンと共に予めインキュベートし、タンパク質を溶出し、か つコリンを洗い流し、かつバクテリアのフィブロネクチンに対する接着を評価し た。 第9図は、フィブロネクチンに対する肺炎球菌接着の、抗−コリン抗体、即ち TEPC15による阻害を示す図である。 第10図は、50kDaのタンパク質のアミノ末端配列と、B.ズブチリスのエノラー ゼとを比較した図である。 第11図は、酵母エノラーゼ(Sigma)による、フィブロネクチンに対する肺炎球 菌接着の阻害を示す図である。 第12図は、L-リジンによる、フィブロネクチンに対する肺炎球菌接着の阻害を 示す図である。 第13図は、フィブロネクチン−結合CnBr−活性化セファロース(SEPHARO0SE)4B (Sigma)カラムからの溶出液(レーンA)および酵母エノラーゼ(Sigma)(レーンB) のSDS-PAGEの結果を示す図である。S.ニューモニアエのフレンチプレス(French Press)溶解液を、該フィブロネクチン−セファロースカラムに適用した。該カラ ムを洗浄し、吸着したタンパク質を、0.01、0.1および0.5ML-リジンにより溶出 した。該0.5Mリジン溶出液を、銀染色によるSDS-PAGEによって分析した。該溶出 したタンパク質は、酵母エノラーゼに匹敵する見掛けの分子量を有していた。 第14図は、50kDaタンパク質(SEQ ID NO:14)とB.ズブチリスのエノラーゼ(SEQ ID NO:15)のDNAの、DNA配列の比較を示す図である。これら配列は、74%の配列 同一性を示した。 第15図は、50kDaタンパク質(SEQ ID NO:16)と、B.ズブチリスのエノラーゼ(SE Q ID NO:17)についての、推定アミノ酸配列の比較を示す図である。これらの配 列は72%の同一性を有し、85%正であった。 第16図は、抗-CBP抗−血清による、敗血症に対するマウスの受動防禦を示す図 である。(A)CF1マウスを、腹腔内経路で、D39(タイプ2)肺炎双球菌で、0.5mlP BS中の4.5x104(n=10/群;●)または8.4x104(n=5/群;■)の何れかの投与量にて 刺激した。実験群(−)は、0.5mlの1:10希釈のウサギ抗-CBP血清で、バクテリ アの接種後1時間処理した。コントロールマウス(--)は、前−免疫血清の接種を 受けた。生存率%は6日間に渡り毎日評価した。(B)異種血清型SIII(タイプ3 ; n=5/群;□)による刺激に対する受動防禦を、Aにおけるように、200cfuで 実施した。バクテリアを、抗−血清(●)と共に、腹腔内接種前30分間予備イン キュベートした。血液を24時間目において、cfuのためにサンプリングし、生存 率を12時間毎に72時間に渡り評価した。 第17図は、外因性の精製CBPによる、ヒト細胞に対する肺炎球菌の接着の競合 的阻害を示す図である。(A)タイプII肺細胞(LC)または(B)内皮細胞(EC)をCBP 処方物(1mg/ml)と共に15分間予備インキュベートし、洗浄し、次いでFITC−標識 したR6肺炎球菌と共にインキュベートした。E.コリDH5aをコントロールとして使 用した。接着量を蛍光強度により定量した。(C)CBPの、FITC−標識した肺炎球 菌の接着を阻害する能力の投与量依存性を示す。 第18図は、ヒト細胞および糖複合体に対するCbpA-突然変異体の接着を示す図 である。(A)タイプII肺細胞系A549(LC)の単層または(B)”臍帯静脈内皮細胞(E C)を、TNFα(10ng/ml,2時間)またはIL-1(5ng/ml,4時間)で処理することにより 活性化し、または未処理(残り)とした。R6およびCbpA-突然変異体をフルオレ セインで標識し、かつ該単層上に、30分間積層した。接着しなかったバクテリア を洗い流し、かつ接着したバクテリアを肉眼で定量し、コントロールに対する% として、即ちそれぞれ100%=498±81または174±81R6バクテリア/100残留LCおよ びECとして表した。実験は条件当たり6-8個のウエルを使用して5回実施した。 (C)テラサキ(Terasaki)プレートを、100μMの6'シアリルアセトン(6'SL)、ラ クト-N-ネオテトラオース(LnNT)、N-アセチルガラクトースアミン−β1,4-ガラ クトースHSA(GlcNAc-β1,4-Gal)、N-アセチルガラクトースアミン−β1,3-ガラ クトースHSA(GlcNAcβ1,3-Gal)、またはHSAで被覆した。R6(中実バー)またはC bpA-(点描バー)を、6'SL(OD6200.6)の場合を除き、全ての実験について、0.4 なるOD620まで成長させた。フルオレセインで標識したバクテリアを、30分間ウ エル内に入れ、該ウエルを洗浄し、接着したバクテリアを、40x視野当たりの数 として肉眼で計数した。これら数値は、コントロールに対する%として、即ちそ れぞれ40xの視野当たり、6'SLウエルについて100%=133±24R6、6'SL、LnNT、Glc NAc−β1,4-galおよびGlcNAcβ1,3-galについて32±8、20±、および15±4と して表した。実験は、各条件当たり6-12個のウエルを使用して3回実施した。 第19図は、幼少ラットにおける肺炎球菌担持に対するCbpAの寄与を示す図であ る。5日齢のラットの鼻咽腔でコロニー形成する能力を、コントロール菌株D39( 斜線を施したバー)、D39(iga')(点描バー)および同系cbpA欠乏菌株(中実のバー )間で比較した。縦軸は接種後の時間を示し、また横軸は鼻洗液中のコロニー数 (平均±SD,n=20/群)を示す。 詳細な説明 上で述べたように、本発明はバクテリア表面抗原を目的とし、該抗原はバクテ リア感染に対して動物を免疫化する差異に使用するのに適したものである。より 具体的には、肺炎球菌由来の新規なコリン結合タンパク質を提供する。肺炎球菌 の表面に見出されるこれらのタンパク質は、適当なアジュバントと共に処方した 場合に、肺炎球菌に対する、およびコリン結合タンパク質と交叉反応性の他のバ クテリアに対する予防用のワクチンで使用される。 以前に報告されているように、S.ニューモニアエは、カルボキシ−末端ヘパリ ンII結合ドメイン内のサイトにおいて、フィブロネクチンに接着する(Flier等, Infect.Immun.,1995,63:4317)。該タイプIII#14繰り返し体内の8アミノ酸の 広がりが接着を維持する。本発明は、部分的にはフィブロネクチンに対する該肺 炎球菌のアドヘジンが、約50kDaのコリン結合タンパク質であると考えられると いう発見に基づいている。このタンパク質は、解糖酵素エノラーゼとの著しい類 似性を有している。例えば、S.ニューモニアエのrsVCAMとの予備インキュベーシ ョンは、全フィブロネクチンに対する接着を96%阻害し、かつS.ニューモニアエ は、全フィブロネクチンに対する粘着の6%で、rsVCAMと直接的に接着する。更に 肺炎球菌は、配列WQPPRARI(SEQ ID NO:11)を有する、ヘパリンIIタイプIII#14領 域に基づいて、合成ペプチドFn5と直接結合する。Fn5に対する抗体は、S.ニュー モニアエの全フィブロネクチンに対する接着を、70%(1:100)を越える度合いで阻 害する。ここに例示するデータは、エタノールアミン対コリン中で成長したS.ニ ューモニアエが、接着における90%を越える減少をもたらすことを示す。CBP処方 物は、S.ニューモニアエのフィブロネクチンに対する粘着を、75-90%競合的に阻 害する。抗−コリン抗体は、S.ニューモニアエのフィブロネクチンに対する粘着 を、1:10〜1:5000の希釈率において、95%を越える阻害を示す。10%コリン中での S.ニューモニアエの予備処理は、フィブロネクチンに対する粘着の50%を越える 低下を結果する。 特定の態様において、本発明はここに記載する肺炎球菌のCBPの全構成員に関 連するが、この群はLytまたはPspAを含まない。特定の態様において、本発明のC BPはエノラーゼの同族体である。 該CBPの存在によってもたらされる、診断および治療両者の可能性は、該CBPが 、バクテリアとその宿主細胞との間の直接的および因果的なタンパク質−タンパ ク質相互作用に関与していると思われるという事実から生ずる。以前に示唆さ れ、かつ本明細書で更に追求されているように、本発明は、CBPが関係している 該結合反応に、薬理的に介入して、該CBPの結合により開始される活性化を調節 することを意図する。 更なる態様において、本発明は、コリン結合タンパク質を単離し、かつ同定す る方法並びにこれらをコードする遺伝子を提供する。より具体的には、本発明の コリン結合タンパク質をコードする遺伝子の単離は、該タンパク質の組み換え法 による製造を可能とし、これはコスト的に有利なワクチンの生産能力を大幅に増 大する。 本発明のコリン結合タンパク質、即ち連鎖球菌表面抗原は、以下の諸特徴を有 する: a) コリンに対する結合性、および b) 10%のコリンの存在下での、ドゥルベコの燐酸緩衝塩水(DPBS)中での、コ リンアフィニティークロマトグラフィーカラムからの溶出性。 但し、本発明の該連鎖球菌表面抗原はPspAまたは自己溶菌酵素(LytA)ではない。 好ましい局面において、本発明のコリン結合タンパク質は、以下に列挙する群か ら選ばれる1またはそれ以上の特徴をもつ: c) 該バクテリアの宿主細胞への付着を阻害し、 d) 該バクテリアに感染した患者または該バクテリアによる感染症から回復し た患者由来の血清と反応性であり、 e) 10%のコリンを含有するDPBS中での溶出により、コリンアフィニティーカ ラムから単離された、精製コリン結合タンパク質に対して生成した、ウサギ抗− 血清と反応性であり、および f) バクテリア溶解の必要なしに(即ち、完全なバクテリアとして)、フルオ レセインイソチオシアネート(FITC)により標識される。 以下の特定の例において、該連鎖球菌の表面抗原は、10%コリンを使用した溶 出によって、コリンアガロースカラム上でのアフィニティークロマトグラフィー により、肺炎双球菌から単離される。 ここに例示する更なる態様において、フィブロネクチンのヘパリンIIタイプII I#14領域に基づくペプチドは、本発明の連鎖球菌エノラーゼ類似体と結合する。 特定の態様において、該ペプチドは、アミノ酸配列WQPPRARI(SEQ ID NO:11)を有 するFn5である。このペプチドに対する全肺炎球菌の接着は合成により調製され る。従って、該遊離ペプチドは、インビボでのフィブロネクチンに対する、エノ ラーゼ−媒介接着を阻害することが予想される。更に、このペプチドに対して特 異的な抗体は、フィブロネクチンに対する肺炎球菌の接着を阻害する。特定の態 様において、抗-Fn5抗体は、S.ニューモニアエの全フィブロネクチンに対する粘 着を、70%を越えて阻害する。 本明細書で使用する用語「バクテリア(性)」とは、ここに例示するタンパク質と 相同のコリン結合タンパク質をもつグラム陽性バクテリアを意味する。本発明は 、より具体的には連鎖球菌のCBPおよびより一層具体的には肺炎球菌CBPを目的と する。 ここで使用する用語「バクテリア(または連鎖球菌または肺炎球菌)表面抗原 」、「コリン結合タンパク(CBP)」および具体的には列挙しないそのあらゆる変形 は、本発明においては互換的に使用され、また本明細書および特許請求の範囲を 通して使用されているように、単一のまたは多数のタンパク質を包含するタンパ ク質性物質を意昧し、また本明細書に記載され、かつ(SEQ ID NO:1-10,19およ び20)により特定されるアミノ酸配列データを有するタンパク質、並びに本明細 書および特許請求の範囲に記載された活性プロフィールにも及ぶ。従って、実質 的に等価なまたは変更された活性を示すタンパク質も、同様に目的の範囲内にあ る。これらの変更は熟考されたもの、例えばサイト−特異的な変異誘発により達 成された変更、または偶然のもの、例えば複合体またはそのサブユニットの生産 者である宿主中での突然変異を通して得られる変更何れであってもよい。また、 「バクテリア(または連鎖球菌または肺炎球菌)表面抗原」および「コリン結合 タンパク(CBP)」なる用語は、その範囲内に、本明細書で具体的に列挙されたタン パク質並びに実質的に全ての相同の、同族のおよび対立的な変異型をも包含する ことを意図する。 用語「エノラーゼ」とは、酵素2-ホスホ-D-グリセレートヒドロラーゼを意味 する。 本明細書に記載するアミノ酸残基は、“L”異性体形状にあることが好ましい 。 しかしながら、免疫グロブリン−結合の所定の機能特性が得られるポリペプチド により維持されている限り、その“D”異性体型の残基で、任意のL-アミノ酸残 基を置換することができる。NH2はポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離ア ミノ基を意味する。COOHはポリペプチドのカルボキシ末端に存在する遊離のカル ボキシル基である。本明細書で使用する略号は、標準ポリペプチド命名法に従っ ている(J.Biol.Chem.,1969,243:3552-59)。 本明細書において、全てのアミノ酸残基配列は、その左および右配向が、アミ ノ末端からカルボキシ末端に向かう公知の方向をとる方式により表されているこ とに注意すべきである。更に、アミノ酸残基配列の初めおよび終わりにおけるダ ッシュは、1またはそれ以上のアミノ酸残基の更なる配列に結合したペプチドを 示していることに注意すべきである。 CBP の精製 ストレプトコッカスニューモニアエの細胞壁の結合部分である、テイコ酸(TA) は、固有の末端ホスホリルコリン部分を含む。コリンと密接な関係にある、コリ ンアフィニティークロマトグラフィーまたはモノ-Qセフアロース(Mono-Q Sephar ose)を使用して、CBPを精製した。まず、これらタンパク質が、PspAではなく主 としてCBPを生成するように、遺伝的に変更された肺炎球菌の莢膜で包まれた菌 株から精製されることに注目することが重要である。この精製手順は以下の通り である。 全バクテリアを、コリン−アガロースまたはモノ-Qセファロースと共にインキ ュベートする。 バクテリアを洗浄剤で溶解し、未結合の物質を0.5MのNaClにより洗い流す。 CBPを0.5Mの塩化コリンまたは線形の塩化コリン勾配の下で溶出する。これら 2つの方法によって精製されたタンパク質の分子量を、以下の第1表にまとめた (第1図を参照のこと)。 第1表:肺炎球菌*の莢膜に包まれたPspAを欠いた菌株由来の、ワクチン候補 としてのコリン結合タンパク質の同定のための基準*:肩付き番号1は、有力なワクチン候補である、対象のタンパク質を表す。 該コリンアガロースアフィニティークロマトグラフィーからのCBPの精製が好 ましく、200〜40kDaの範囲の分子量をもつ即ち9種のタンパク質が、この方法で 同定可能である。37kDaのバンドも検出され、これはこのタンパク質に特異的な 抗血清をもつLytAであることが示された。これは十分に特徴付けされたCBPであ り、従って正のコントロールとして使用した。 ワクチン候補に関する基準 CBPを種々のテストに付して、これらが良好なワクチン候補であるか否かを決 定できる。ワクチン開発の基準および単離したCBPの特徴付けを、以下にまとめ る。該CBPは表面に露出される必要がある :全バクテリアをFITC(フルオレセインイ ソチオシアネート)で化学的に標識することができ、また標識したタンパク質は FITCに特異的な抗血清により検出される(第1表および第1図)。該CBP 112、7 5および80並びにLytAは、FITCにより効果的に標識され、このことはこれらタン パク質が表面に露出していることを示している。ワクチン候補は免疫原性である必要があり、従って候補CBPはヒト回復期の血清 と反応するはずである :該CBP 112、75および80は、肺炎球菌による疾患から回 復した個体から得た、プールしたヒト血清を使用した場合、強力なシグナルを与 えた(第1図)。ワクチン候補は抗原性である必要がある :コリンアガロースクロマトグラフィー により得たCBPを、ウサギに注射し、交叉反応性について得られた血清をテスト した。幾つかのタンパク質は強力なシグナルを与えた。顕著なのは、CBP 112、9 0、84、70および50であった(第1および2図)。良好なワクチン候補は、感染につき重要なサイトにおいて、該宿主内に存在する ターゲット細胞レセプタに対する接着を遮断できる :コントロールに対して比較 すると、これらCBP画分は、投与量依存性様式で、LCに対して45%およびECに対し て89%,、肺炎球菌の接着を遮断した(第3図)。これら結果に基づけば、該CBP の画分は、バクテリアと真核ターゲット細胞との結合に関与するアドヘジンを含 むものとかなりの確実性で考えることができる。これらCBP各々の、親バクテリ アの接着特性の遮断に対する寄与を、評価することができ、例えば肺炎球菌の上 皮(タイプII肺細胞)、内皮(ヒト臍帯静脈内皮細胞)細胞、およびGlcNAcβ1- 4-Gal、GlcNAcβ1-3-Gal、GlcNAcを含む固定化された糖複合体、または真核細胞 レセプタとの類似性を示すことが明らかにされている他の糖に対する肺炎球菌の 接着の遮断に対する寄与を評価できる。 全てではないが、CBPはアドヘジンとして機能することができ、同様に接着活 性はCBPの付随的な特徴であり得ることに注意すべきである。 好ましいワクチン候補は、臨床的な血清型における抗原性の可変性なしに、防 禦性免疫応答を誘導するであろう。各CBPに対する抗血清(モノクローナルまた はポリクローナル)は、天然のおよび組み換えCBPが免疫原性であるか否かを決 定するように、生成されるであろう。CBP特異的抗体は、関連する肺炎球菌の血 清型を、抗原可変性についてスクリーニングするのに利用されるであろう。 より好ましい局面において、該CBPに対する抗体、好ましくは種々の菌株また は血清型由来の抗体は、これらが肺炎球菌による感染に対する防禦性を確認する ためにテストされるであろう。例えば、受動的にまたは能動的に免疫化した動物 を、菌血症またはコロニー形成または好ましくはこれら両者のモデル内で、肺炎 球菌により刺激する。 ワクチン候補として好ましいCBPの選別において考慮すべきその他の基準は、 菌血症またはコロニー形成の有効性単独またはその組み合わせ、または莢膜ポリ サッカライドとの組み合わせに関する動物モデル内で、CBPを欠いた突然変異体 を、ビルレンスの弱化につきテストすることを含む。例えば、初期のデータは、 CBP112が有毒の透明なバクテリアにおいて発現されるが、その発現は無毒の不透 明なバクテリアにおいて減少することを示している。CBP をコードする遺伝子 上記のように、本発明はまた組み換えDNA分子またはクローン化遺伝子、ある いはその縮重変異型にも関連し、これは約50kDa〜112kDaの範囲内の分子量を有 し、好ましくは(SEQ ID NOS:1-10、19および20)に示されたアミノ酸配列をもつC BPまたはそのフラグメントをコードする。特定の局面において、50-112kDaのCBP をコードする核酸分子、特に組み換えDNA分子またはクローン化遺伝子は、ある ヌクレオチド配列を有し、また(SEQ ID NO:18または20)に示されたDNA配列と相 補的である。 本発明によれば、当業者の範囲内の、公知の分子生物学的、微生物学的および 組み換えDNA技術を利用することができる。このような技術は、文献に十分に説 明されている。例えば、Sambrook等,“Molecular Cloning:A Laboratory Manua l”,(1989);“Current Protocols in Molecular Biology”,Vols.I-III[Ausu bel,R.M.ed.(1994)];“Cell Biology;A Laboratory Handbook”,Vols.I-III [J.E.Celis,ed.(1994)];“Current Protocols in Immunology”,Vols.I-III[ Coligan,J.E.,ed.(1994)];“Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait ed.,19 84);“Nucleic Acid Hybridization”[B.D.Hames & S.J.Higgins eds.(1985)] ;“Transcription And Translation”[B.D.Hames & S.J.Higgins eds.(1984)]; “Animal Cell Culture”[R.I.Freshney,ed.(1986)];“Immobilized Cells A nd Enzymes”[IRS Press,1986)];B.Perbal,“A Practical Guide To Molecul ar Cloning”(1984)を参照のこと。 従って、本明細書で使用される場合、以下の用語は以下に記載する定義を有す る。 「レプリコン」とは、インビボでのDNAの複製の自律性単位として機能する、 即ちそれ自身の制御の下で複製できる任意の遺伝子エレメント(例えば、プラス ミド、染色体、ウイルス)である。 「ベクター」とは、プラスミド、ファージまたはコスミド等のレプリコンであ り、これに他のDNAセグメントが付着して、該付着セグメントの複製を起こすこ とができる。 「DNA分子」なる用語は、一本鎖形状または二本鎖ヘリックス形状にある、デ オキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミンまたはシトシン)のポリ マー形状のものを意昧する。この用語は、該分子の一次および二次構造のみを意 味し、該分子を任意の特定の三次形状に制限しない。従って、この用語は、特に 線形のDNA分子(例えば、制限フラグメント)、ウイルス、プラスミド、および 染色体中に見出される二本鎖DNAを包含する。特定の二本鎖DNA分子の構造を論ず る場合には、DNAの非転写ストランド(即ち、該mRNAに相同な配列をもつストラ ンド)に沿った、5'から3'に向かう方向における配列のみを与えるという、通常 の約定に従ってその配列を記載することができる。 「複製起点」とは、DNA合成に関与するDNA配列を意味する。 DNA「コード配列」とは、適当な調節配列の制御下に置かれた場合に、インビ ボでポリペプチドに転写され、翻訳される、二本鎖DNA配列である。該コード配 列の境界は、該5'(アミノ)末端における開始コドンおよび該3'(カルボキシ) 末端における、翻訳停止コドンにより決定される。コード配列は、原核生物の配 列、真核生物のmRNA由来のcDNA、真核生物(例えば、哺乳動物)のDNA由来のゲ ノムDNA配列、および合成DNA配列を包含するが、これらに制限されない。ポリア デニル化シグナルおよび転写終止配列は、通常該コード配列に対して3'側に位置 するであろう。 転写および翻訳制御配列は、宿主細胞内でコード配列の発現をもたらす、DNA 調節配列、例えばプロモータ、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、ターミ ネーター等である。 「プロモータ配列」とは、細胞内でRNAポリメラーゼを結合し、下流側(3'方 向)のコード配列の転写を開始することのできる、DNA調節領域である。本発明 を定義する目的で、該プロモータ配列は、該転写開始サイトによりその3'末端に おいて結合され、上流側(5'方向)に伸びて、バックグラウンドを越えて検出可 能なレベルまで転写を開始するのに必要な、最小数の塩基またはエレメントを含 む。このプロモータ配列内には転写開始サイト(有利にはヌクレアーゼSIによる マッピングによって定義される)並びにRNAポリメラーゼの結合を司るタンパク 質結合ドメイン(共通配列)が見出される。真核細胞のプロモータは、常にでは ないがしばしば“TATA”ボックスおよび“CAT”ボックスを含む。真核生物のプ ロモ ータは、該-10および-35共通配列に加えて、シャイン−ダルガルノ(Shine-Dalga rno)配列をも含む。 「発現調節配列」は、他のDNA配列の転写および翻訳を制御並びに調節するDNA 配列である。コード配列は、RNAポリメラーゼが該コード配列をmRNAに転写する 際に、細胞内で転写および翻訳制御配列の「制御下」に置かれ、これは次いで該 コード配列によってコードされるタンパク質に翻訳される。 「シグナル配列」を、該コード配列の前方に含むことができる。この配列は、 該ポリペプチドに対してN-末端のシグナルペプチドをコードし、該ペプチドは該 宿主細胞と連絡して、該ポリペプチドを細胞表面に導き、あるいは媒体中に該ポ リペプチドを分泌し、また該シグナルポリペプチドは、該タンパク質がこの細胞 から離れる前に、該宿主細胞により切り取られる。シグナル配列は、原核および 真核生物に固有の種々のタンパク質と結合していることが明らかにされた。 本発明のプローブに言及する際に本明細書で使用する用語「オリゴヌクレオチ ド」とは、2またはそれ以上、好ましくは3を越えるリボヌクレオチドで構成さ れる分子として定義される。その正確なサイズは、多くのファクタに依存し、結 果として最終的な機能および該オリゴヌクレオチドの用途に依存する。 本明細書で使用する用語「プライマー」とは、精製された制限消化物として天 然に産する、あるいは合成により製造できるものであって、核酸ストランドと相 補的なプライマー伸張生成物の合成を誘発する条件下、即ちヌクレオチドおよび 誘発剤、例えばDNAポリメラーゼの存在下で、適当な温度およびpH条件下に置か れた場合に、合成の開始点として機能できる。このプライマーは、一本鎖または 二本鎖であり得、また十分に長くて、該誘発剤の存在下で、該所定の伸張生成物 の合成を誘発できるものである必要がある。このプライマーの正確な長さは、温 度、プライマーの源およびその使用法を包含する多くのファクタに依存するであ ろう。例えば、ターゲット配列の複雑性に依存して、診断用途に対しては、該オ リゴヌクレオチドプライマーは、典型的には15-25またはそれ以上のヌクレオチ ドを含むが、より少ないヌクレオチドを含むこともできる。 発現制御配列があるDNA配列の転写および翻訳を制御し、かつ調節する場合、 該DNA配列は該発現制御配列と機能可能に結合している。この「機能可能に結合 」なる用語は、発現すべき該DNA配列の前方に適当な開始シグナル(例えば、ATG) を有し、かつ正確な読み取り枠を維持していて、該発現制御配列の制御下で該DN A配列の発現を可能とし、かつ該DNA配列によりコードされる該所定の生成物の製 造を可能とする。組み換えDNA分子内に挿入しようとする遺伝子が、適当な開始 シグナルを含まない場合、このような開始シグナルを該遺伝子の前方に挿入する ことができる。 「標準的なハイブリダイゼーション条件」なる用語は、ハイブリダイゼーショ ンおよび洗浄両者に対して、5xSSCおよび65℃と実質的に等価な、エンハンサー 濃度および温度条件を意味する。しかしながら、当業者は、このような「標準的 なハイブリダイゼーション条件」が、バックグラウンド中のナトリウムおよびマ グネシウムの濃度、ヌクレオチド配列の長さおよび濃度、ミスマッチの割合、ホ ルムアミドの割合等を包含する特定の条件に依存することを理解するであろう。 「標準的なハイブリダイゼーション条件」の決定に際して同様に重要なことは、 ハイブリッド化される2つの配列がRNA-RNA、DNA-DNAまたはRNA-DNAの何れであ るかにある。当業者は、このような標準的なハイブリダイゼーション条件を、周 知の方式に従って容易に決定できる。該方式において、ハイブリダイゼーション は、典型的には予想されたまたは測定されたTmよりも10-20℃低い温度にて行わ れ、必要ならば洗浄をより厳密に行う。 本明細書における該プライマーは、特定のターゲットDNA配列の種々のストラ ンドに対して相補的であるように選択される。このことは、該プライマーが十分 に相補的であって、該各ストランドとハイブリッド化する必要がある。従って、 このプライマー配列は、該鋳型の正確な配列を反映する必要はない。例えば、非 −相補的ヌクレオチドフラグメントは、該プライマーの5'末端に付着でき、その 際に該プライマー配列の残部は該ストランドと相補的である。また、非−相補的 塩基またはより長い配列を該プライマーに散在させることが可能であるが、該プ ライマー配列は、このストランドとの十分な相補性を有していて、これとハイブ リッド化でき、結果として該発現生成物の合成のための鋳型を形成することがで きる。 本明細書において使用する用語「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素 」とは、バクテリア酵素を意味し、その各々は特定のヌクレオチド配列において またはその近傍で二本鎖DNAを切断する。 細胞は、このようなDNAが該細胞の内部に導入されている場合、外因性または 異種DNAにより「形質転換され」ている。この形質転換DNAは染色体DNAに組み込 まれて、該細胞のゲノムを構成していても、また構成していなくてもよい。例え ば、原核細胞、酵母および哺乳動物においては、該形質転換DNAは、エピソーム エレメント、例えばプラスミド上に維持できる。真核細胞については、安定に形 質転換された細胞においては、該形質転換DNAは染色体内に組み込まれて、染色 体複製を通して娘細胞により継承される。この安定性は、該真核細胞の、該形質 転換ディスプレイを含有する一団の娘細胞からなる細胞性またはクローンを樹立 する能力により証明される。「クローン」とは、単一の細胞または有糸分裂の共 通の先祖由来の一団の細胞である。「細胞系」とは、多くの世代に渡りインビト ロで安定に成育することのできる一次細胞のクローンである。 2つのDNA配列は、該DNA配列の定められた長さに渡って、少なくとも約75%(好 ましくは、少なくとも約80%および最も好ましくは少なくとも約90または95%)の ヌクレオチドが対合した場合に、「実質的に相同」である。実質的に相同な配列 は、配列データバンクにおいて、または例えば該特定の系に対して定義された厳 密な条件下で行ったサザンハイブリダイゼーション実験において入手できる、標 準的なソフトウエアを使用して、該配列を比較することにより同定できる。適当 なハイブリダイゼーション条件の設定は、当業者の実施可能な範囲内にある。例 えば、Maniatis等の上記文献;上記のDNA Cloning,Vols.Iⅈ上記のNucleic A cid Hybridizationを参照のこと。 同様に、CBPをコードするDNA配列も本発明の範囲内にあるものと理解すべきで あり、該配列はSEQ ID NOS.1-5の一つと同一のアミノ酸配列を有するCBPをコー ドするが、精製された天然の(即ち、天然産の)遺伝子、例えばSEQ ID NO.11に より表されるオリゴヌクレオチドと縮重している。「縮重」なる用語は、異なる 3文字コドンを、1個の特定のアミノ酸を指定するのに使用することを意味する 。当分野では、各特定のアミノ酸をコードするのに、以下のコドンを互換的に使 用できることは周知である。 フェニルアラニン(PheまたはF) UUUまたはUUC ロイシン(LeuまたはL) UUA,UUG,CUU,CUC,CUAまたはCUG イソロイシン(IleまたはI) AUU,AUCまたはAUA メチオニン(MetまたはM) AUG バリン(ValまたはV) GUU,GUC,GUAまたはGUG セリン(SerまたはS) UCU,UCC,UCA,UCG,AGUまたはAGC プロリン(ProまたはP) CCU,CCC,CCAまたはCCG スレオニン(ThrまたはT) ACU,ACC,ACAまたはACG アラニン(AlaまたはA) GCU,GCG,GCAまたはGCC チロシン(TyrまたはY) UAUまたはUAC ヒスチジン(HisまたはH) CAUまたはCAC グルタミン(GlnまたはQ) CAAまたはCAG アスパラギン(AsnまたはN) AAUまたはAAC リジン(LysまたはK) AAAまたはAAG アスパラキン酸(AspまたはD) GAUまたはGAC グルタミン酸(GluまたはE) GAAまたはGAG システイン(CysまたはC) UGUまたはUGC アルギニン(ArgまたはR) CGU,CGC,CGA,CGG,AGAまたはAGG グリシン(GlyまたはG) GGU,GGC,GGAまたはGGG 終止コドン UAA(オーカー),UGA(アンバー)またはUGA(オパール) 上に定義したコドンがRNA配列に対するものであることを理解すべきである。D NAに対する対応するコドンは、Uの代わりにTを含む。 完全に縮重したオリゴヌクレオチドは、上記の縮重を考慮して、該CBPをコー ドするアミノ酸配列に基づいて設計することができる。同様に、アミノ酸をコー ドするコドンが、遺伝子コードの縮重のために確実に知られていない場合には、 該未知の位置にイノシンを含むことができる。 CBPをコードする核酸において、特定のコドンが異なるアミノ酸をコードする コドンに変更されるように、突然変異を行うことができる。このような突然変異 は、一般的に可能な最小限度のヌクレオチドの変更を行うことによりなされる。 この種の置換突然変異は、非−保存性の様式で(即ち、該コドンを、特定のサイ ズまたは特徴を有する一群のアミノ酸に属するアミノ酸から、他の群に属するア ミノ酸に変更することにより)、あるいは保存性の様式で(即ち、該コドンを、 特定のサイズまたは特徴を有する一群のアミノ酸に属するアミノ酸から、この同 一の群に属するアミノ酸のコドンに変更することにより)、得られるタンパク質 中の1個のアミノ酸を変えるように行うことができる。このような保存性の変更 は、一般的に、該生成するタンパク質のより少ない構造並びに機能上の変更をも たらす。非−保存性の変更は、該生成するタンパク質の構造、活性または機能の 一層の変化を来たし易い。本発明は、生成するタンパク質の活性または結合特性 を大幅に変更しない、保存性の変更を含む配列を包含するものと理解すべきであ る。該配列内のアミノ酸の代替物は、該アミノ酸が属する群の他の構成員から選 択することができる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸はアラニン、ロイシン 、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよび メチオニンを含む。芳香族リング構造を含むアミノ酸は、フェニルアラニン、ト リプトファンおよびチロシンである。極性且つ中性のアミノ酸はグリシン、セリ ン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンを包含 する。正に帯電した(塩基性)アミノ酸はアルギニン、リジンおよびヒスチジン を包含する。負に帯電した(酸性)アミノ酸はアスパラギン酸およびグルタミン 酸を含む。このような変更は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定し た見掛けの分子量または等電点に影響を与えないであろう。 特に好ましい置換は以下の通りである: −正電荷を維持できるようなArgのLysへの置換およびその逆; −負電荷を維持できるようなAspのGluへの置換換およびその逆; −遊離-OHを維持できるようなThrのSerへの置換換; −遊離のNH2を維持できるようなAsnのGlnへの置換換。 2つのアミノ酸配列は、少なくとも約70%のアミノ酸残基(好ましくは、少な くとも約80%、および最も好ましくは少なくとも約90または95%)が同一である場 合に、「実質的に相同」であるか、保存性の置換を表す。 該DNA構築体の「異種」領域は、天然の大きな分子と結合した状態では見られ ない、大きなDNA分子内のDNAの同定可能なセグメントである。従って、この異種 領域が哺乳動物の遺伝子をコードする場合、該遺伝子は、通常該起源としての生 物のゲノム中では哺乳動物ゲノムDNAとフランキング状態にない、DNAとフランキ ング状態にあるであろう。異種コード配列のもう一つの例は、該コード配列自体 が天然には見出されない構築体(例えば、該ゲノムコード配列が、イントロン、 または天然産の遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列を含むcDNA)である。 対立変異型または天然産の突然変異事象は、ここで定義したようなDNAの異種領 域には生じない。 本発明は、CBPをコードする核酸とハイブリッド化するのに使用できる、オリ ゴヌクレオチドの製造にも及ぶ。 上記のように、CBPをコードするDNA配列は、クローニングではなく、寧ろ合成 によって調製できる。このDNA配列は、該CBPアミノ酸配列に対する適当なコドン をもつように設計できる。一般的に、該配列を発現のために利用する場合、意図 した宿主に対する好ましいコドンを選択するであろう。完全な配列は、標準的な 方法により調製された重複オリゴヌクレオチドから組み立てられ、かつ完全なコ ード配列に組み込まれる。これについては、例えばEdge,Nature,1981,292:75 6;Nambair等,Science,1984,223:1299;Jay等,J.Biol.Chem.,1984,259:631 1を参照のこと。 合成DNA配列は、CBP類似体または「突然変異タンパク質」を発現するであろう 遺伝子の有利な構築を可能とする。また、DNAコード突然変異タンパク質は、天 然CBP遺伝子またはcDNAのサイト特異的突然変異誘発により製造でき、また突然 変異タンパク質は公知のポリペプチド合成を利用して直接製造することもできる 。 非−天然型のアミノ酸のタンパク質へのサイト特異的組み込みのための一般的 方法は、Christopher J.Noren,Spencer J.Anthony-Cahill,Michael C.Grif fith,Peter G.Schultz,Science,244:182-188(1989年4月)に記載されてい る。この方法は、非−天然型アミノ酸を含む類似体生成のために使用できる。CBP の組み換え法による製造 本発明のもう一つの特徴は、本明細書に記載する該DNA配列の発現である。当 分野で周知の如く、DNA配列は、適当な発現ベクター内でこれら配列を発現制御 配列と機能可能に結合し、該発現ベクターを使用して適当な単細胞宿主を形質転 換することにより発現させることが可能である。 このような、本発明のDNA配列の発現制御配列との機能可能な結合は、勿論ま だ該DNA配列の一部となっていない場合には、該DNA配列の上流側の正確な読み取 り枠内に、開始コドンATGを準備することを含む。 極めて多種の宿主/発現ベクターの組み合わせを、本発明のDNA配列の発現に おいて利用できる。有用な発現ベクターは、例えば染色体、非−染色体および合 成DNA配列のセグメントで構成できる。適当なベクターは、SV40の誘導体および 公知のバクテリアプラスミド、例えばE.コリプラスミドcol El、pCR1、pBR322、 pMB9およびその誘導体、プラスミド、例えばRP4、ファージDNAS、例えばファー ジλの多数の誘導体、例えばNM989、およびその他のファージDNA、例えばM13お よび繊維状一本鎖ファージDNA、酵母プラスミド、例えば2μプラスミドまたは その誘導体、真核細胞において有用なベクター、例えば昆虫および哺乳動物細胞 において有用なベクター、プラスミドおよびファージDNAの組み合わせ由来のベ クター,例えばファージDNAまたは他の発現制御配列を利用するように変性され たプラスミド、等を包含する。 多岐に渡る発現制御配列、即ち機能可能に結合したDNA配列の発現を制御する 配列の何れかを、これらのベクター内で使用して、本発明のDNA配列を発現させ ることができる。このような有用な発現制御配列は、例えばSV40の初期および後 期プロモータ、CMV、ワクシニア、ポリオーマまたはアデノウイルス、そのlac系 、trp系、TAC系、TRC系、LTR系、ファージλの主なオペレータおよびプロモータ 領域、fdコートタンパク質の制御領域、3-ホスホグリセレートキナーゼまたは他 の解糖酵素に対するプロモータ、酸性ホスファターゼ(例えば、Pho5)のプロモ ータ、酵母α−交配ファクタのプロモータ、および原核生物または真核生物もし くはそのウイルスの遺伝子の発現を調節することが知られているその他の配列、 およびこれらの種々の組み合わせを含む。 広範囲の単細胞宿主細胞も、本発明のDNA配列を発現するのに有用である。こ れらの宿主は、周知の原核生物および真核生物宿主、例えばE.コリ、シュードモ ナス(Pseudomonas)、バチルス(Bacillus)、ストレプトマイセス(Streptomyces) 菌株、酵母等の真菌類、およびCHO、R1.1、B-WおよびL-M等の動物細胞、アフリ カミドリサル(African Green Monkey)細胞(例えば、COS1、COS7、BSC1、BSC40お よびBMT10)、昆虫細胞(例えば、Sf9)、および組織培養物中のヒト細胞および植 物細胞を含むことができる。 全てのベクター、発現制御配列および宿主が、同等に良好に本発明のDNA配列 の発現のために機能する訳ではないことが理解されよう。また、全ての宿主が同 一の発現系において等しく良好に機能する訳でもない。しかし、当業者は、また 本発明の範囲から逸脱することなく、該所定の発現を達成するために不当な実験 を行うことなく、適当なベクター、発現制御配列および宿主を選択することがで きよう。例えば、ベクターを選択する場合、宿主も考慮する必要がある。という のは、該ベクターはその中で機能しなければならないからである。その際には、 該ベクターのコピー数、該コピー数の調節能力、および該ベクターによりコード される任意の他のタンパク質の発現、例えば抗生物質マーカーも考慮されるであ ろう。 発現制御配列の選択の際には、通常種々のファクタが考慮されるであろう。該 ファクタは、例えば該系の相対的長さ、その制御性、および発現すべき特定のDN A配列または遺伝子との、特に可能な二次的構造に関連するその相容性を包含す る。適当な単細胞宿主は、例えばその選択されたベクターとの相容性、その分泌 特性、タンパク質を正確に折り畳むその能力、およびその醗酵上の要求、並びに 発現すべき該DNA配列によりコードされる生成物の、該宿主に対する毒性、およ び該発現された生成物の精製し易さ等を考慮して選択されるであろう。 これらのおよびその他のファクタを考慮して、当業者は、本発明のDNA配列を 醗酵の際に、または大規模の動物培養において発現するであろう、種々のベクタ ー/発現制御配列/宿主の組み合わせを構築することができる。 更に、CBP同族体を、該タンパク質複合体/誘導されたサブユニットのヌクレ オチド配列から調製することも、本発明の範囲内にある。同族体、例えばフラグ メントは、例えばCBPまたはバクテリア性物質のペプシン消化によって製造でき る。他の同族体、例えば突然変異タンパク質は、CBPをコードする配列の標準的 なサイト−特異的突然変異誘発により製造できる。小分子等の「コリン結合活性 」を呈する同族体はプロモータまたは阻害剤の何れとして機能しようとも、公知 のインビボおよび/またはインビトロアッセイにより同定できる。 CBP に対する抗体 上記のように、バクテリア源からの精製により製造されたか、あるいは組み換 え法により製造されたかとは無関係に、本発明のCBPは、以下で詳細に記載され るように、診断および治療用の抗体の製造のために利用できる。かくして、本発 明の好ましいCBPは、抗原性をもち、より好ましくは免疫原性をもつ。 ある分子は、これが免疫系の抗原認識分子、例えば免疫グロブリン(抗体)ま たはT細胞抗原レセプタと、特異的に相互作用できる場合には、「抗原性」をも つ。抗原性ポリペプチドは、少なくとも約5個、好ましくは約10個のアミノ酸を 有する。分子の抗原性部分は、抗体またはT細胞レセプタ認識にとって免疫優性 の部分であり得、あるいはこれは、該抗原部分を免疫化のための担体分子に結合 することによって、該分子に対する抗体を生成するのに使用される部分であり得 る。抗原性をもつ分子は、それ自体が免疫原性である、即ち担体なしに体液性免 疫応答を誘発できる必要はない。 本発明の目的にとっての「抗体」は、CBP上の特異的エピトープと結合する抗 体およびそのフラグメントを含む、任意の免疫グロブリンである。この用語は、 ポリクローナル、モノクローナルおよびキメラ抗体を包含し、ここで最後に述べ たことは、米国特許第4,816,397号および同第4,816,567号に詳細に記載されてい る。 「抗体結合サイト」とは、抗原と特異的に結合する重および軽鎖可変および高 頻度可変領域を含む、抗体分子の構造的部分である。 本明細書で使用する、種々の文法上の形態に使用される「抗体分子」なる用語 は、完全な免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部 分を意味する。 本発明によれば、組み換え法により、化学的合成により生成された、または天 然のバクテリア源からの精製により生成されたCBP、および融合タンパク質を含 む、そのフラグメントまたは他の誘導体もしくは同族体は、抗-CBP抗体の製造の ために免疫原として使用できる。このような抗体はポリクローナル、モノクロー ナルおよびキメラ抗体、単鎖、FabフラグメントおよびFab発現ライブラリーを包 含するが、これらに限定されない。 当分野で公知の種々の手順を、CBPに対するポリクローナル抗体またはその誘 導体もしくは同族体の製造のために利用できる(例えば、Antibodies-A Laborat ory Manual,Harlow & Lane,eds.,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Col d Spring Harbor,New York,1988を参照のこと)。抗体の生産のために、種々 の宿主動物(例えば、ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、山羊等を含むがこれら に制限されない)を、CBPまたはその誘導体(例えば、融合タンパク質のフラグ メント)を注射することにより免疫化することができる。一態様において、該CB Pまたはそのフラグメントは、免疫原性担体、例えばウシ血清アルブミン(BSA)キ ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)と複合化することができる。種々のアジ ュバントを使用して、該宿主の種に依存して、免疫学的応答性を高めることがで きる。 該CBP、またはそのフラグメント、同族体もしくは誘導体に対するモノクロー ナル抗体を調製するために、培地内で連続的に細胞系により抗体分子を生成する 任意の技術を使用することができる(例えば、Antibodies-A Laboratory Manual ,Harlow & Lane,eds.,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Cold Spring H arbor,New York,1988を参照のこと)。該技術は、最初にKohler & Milsteinに より開発されたハイブリドーマ技術(1975,Nature,256:495-497)並びにトリオ ーマ技術、ヒトB-細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor等,1983,Immunology Today ,4:72)、およびヒトモノクローナル抗体を製造するためのEBV-ハイブリドーマ 技術(Cole等,1985,in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R. Liss,Inc.,pp.77-96)を包含するが、これらに制限されない。本発明の付随的 な態様においては、モノクローナル抗体は、最近の技術(PCT/US90/02545)を使用 して、無菌動物中で製造できる。本発明によれば、ヒト抗体を使用でき、ま たヒトハイブリドーマを使用し(Cote等,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. ,80:2026-2030)、あるいはヒトB-細胞をインビトロでEBVウイルスで形質転換す ることにより(Cole等,1985,in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R.Liss,Inc.,pp.77-96)得ることができる。実際に、本発明によれば、 適当な生物学的活性をもつヒト抗体分子由来の遺伝子と共に、CBPに対して特異 的なマウスの抗体分子由来の遺伝子をスプライシングすることにより、「キメラ 抗体」を製造するために開発された技術(Morrison等,1984,J.Bacteriol.,15 9:870;Neuberger等,1984,Nature,312:604-608;Takeda等,1985,Nature,314 :452-454)を利用でき、このような抗体は本発明の範囲内にある。このようなヒ トまたはヒト化キメラ抗体は、ヒトの疾患または障害(以下において説明する) の治療で使用するのに好ましい。というのは、該ヒトまたはヒト化抗体は、異種 間抗体よりも一層、免疫応答、特にアレルギー性応答自体を誘導することが困難 であるからである。 本発明によれば、単鎖抗体の製造のために記載された技術(米国特許第4,946, 778号)を、CBP-特異的単鎖抗体を製造するのに採用できる。本発明の付随的な 態様では、Fab発現ライブラリーの構築のために記載された技術(Huse等,1989, Science,246:1275-1281)を利用して、CBPに対して所定の特異性をもつモノクロ ーナルFabフラグメント、またはその誘導体または同族体の迅速且つ容易な同定 を可能とする。 抗体分子のイディオタイプを含む該抗体のフラグメントは、公知の方法により 製造できる。例えば、このようなフラグメントは、該抗体分子のペプシン消化に より製造できるF(ab')2フラグメント、該F(ab')2フラグメントのジスルフィドブ リッジを還元することにより製造できるFab'フラグメントおよび該抗体分子をパ パインおよび還元剤で処理することにより製造できるFabフラグメントを含むが 、これらに制限されない。 抗体の製造においては、該所定の抗体についてのスクリーニングは、当分野で 公知の技術、例えばラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合イムノソーベントア ッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射線アッセイ、ゲル核酸沈 降反応、免疫核酸アッセイ、インシチューイムノアッセイ(例えば、コロイド状 金、酵素または放射性同位元素標識を利用する)、ウエスタンブロット法、沈殿 反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血液凝集反応アッセイ)、補 体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳 動アッセイ等により達成できる。一態様においては、抗体結合は一次抗体上の標 識を検出することにより検出される。もう一つの態様においては、遺伝子一次抗 体は、二次抗体または該一次抗体に対する試薬の結合を検出することにより検出 される。更なる態様においては、該二次抗体は標識されている。イムノアッセイ における結合を検出するための多くの手段が、当分野で公知であり、これらは本 発明の範囲内にある。例えば、CBPの特異的なエピトープを認識する抗体を選別 するためには、このようなエピトープを含むCBPフラグメントに結合する生成物 に対して生成したハイブリドーマをアッセイすることができる。グラム陽性バク テリアの特定の菌株、特に肺炎双球菌由来のCBPに対して特異的な抗体の選別の ために、バクテリアの該当する菌株の細胞により発現された、または該細胞から 単離されたCBPとの正の結合に基づいて選別することができる。 上記抗体は、該CBPの局在化および活性と関連する当分野で公知の、例えばウ エスタンブロット法、その場でのCBPポリペプチドの映像化、適当な生理的サン プル中でのその濃度の測定等のために利用できる。 特定の態様においては、CBPの該活性を高めるまたは低下する抗体を生成でき る。このような抗体は、CBPを特徴付けするために上記したアッセイを利用して テストすることができる。 上記用語「アジュバント」とは、抗原に対する免疫応答を高める化合物または 混合物を意味する。アジュバントは、徐々に該抗原を放出する組織貯蔵部として および該免疫応答を非−特異的に高めるリンパ様系の活性化剤として機能するこ とができる(Hood等,Immunology,第2版,1984,Benjamin/Cummings:Menlo Par k,CA,p.384)。しばしば、アジュバントの不在下での、抗原単独での一次刺激 は、体液性または細胞性免疫応答の誘発をもたらさない。アジュバントは、完全 フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント、サポニン、水酸化ア ルミニウム等の無機ゲル、リゾレシチン等の界面活性剤、プルロニックポリオー ル、ポリアニオン、ペプチド、オイルまたは炭化水素エマルション、キーホー ルリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、および特に有用なヒトアジュ バント、例えばBCG(bacille Calmette-Guerin)およびコリネバクテリウムパルバ ム(Corynebacterium parvum)を包含するが、これらに制限されない。好ましくは 該アジュバントは薬理的に許容されるものである。 予防接種および受動免疫療法 グラム陽性バクテリア、特に肺炎双球菌に対する活発な免疫性は、免疫原的量 のCBPまたはその抗原性誘導体もしくはフラグメントおよびアジュバントで、免 疫化(予防接種)することにより誘発でき、ここで該CBPまたはその抗原性誘導 体もしくはフラグメントは、該ワクチンの抗原性成分である。 CBP単独または莢膜と結合したCBPは、バクテリア感染を発生することはできず 、また本発明のタンパク質による予防接種により誘発される活発な免疫性は、即 時的免疫応答および免疫学的記憶両者をもたらす可能性があり、従って該バクテ リアに対する長期の防禦を与える可能性がある。本発明のCBPまたはその抗原性 フラグメントは、ワクチンの調製のためのアジュバントとの混合物として調製で きる。好ましくは、該ワクチンの該抗原性成分として使用される、該CBPまたは その誘導体もしくはフラグメントは、アドヘジンである。より好ましくは、該ワ クチンの該抗原性成分として使用される、該CBPまたはその誘導体もしくはフラ グメントは、グラム陽性バクテリアの種の全てまたは多くの菌株に共通の、ある いはバクテリアの密接に関連した種に対して共通の抗原である。最も好ましくは 、該ワクチンの該抗原性成分は、共通の抗原としてのアドヘジンである。 アジュバントの選択は、予防接種すべき対象に依存する。好ましくは、製薬上 許容されるアジュバントを使用する。例えば、ヒト用のワクチンは、完全および 不完全フロイントアジュバントを含む、オイルまたは炭化水素エマルションアジ ュバントの使用を避けるべきである。ヒトに対して使用するのに適したアジュバ ントの一例は、ミヨウバン(アルミナゲル)である。しかしながら、動物用のワ クチンは、ヒトに対して使用することが不適当なアジュバントを含むことができ る。 抗原とアジュバントとを含む伝統的なワクチンに代るものは、該抗原をコード するDNAを、対象の組織に直接インビボで導入して、該対象の組織細胞により該 抗原を発現させることを含む。このようなワクチンを、本明細書においては「核 酸を主成分とするワクチン」と呼ぶ。定義により該CBP遺伝子は、シグナル配列 を含むので、該組織内の細胞中での該遺伝子の発現は、膜と結合した該発現タン パク質の分泌をもたらす。また、該発現ベクターは、該CBPシグナル配列の代わ りに、オートロガスシグナル配列を含むように操作できる。例えば、裸のDNAベ クター(例えば、Ulmer等,1993,Science,259:1745-1749を参照)、DNAベクタ ー輸送体(例えば、Wu等,1992,J.Biol.Chem.,267:963-967;Wu & Wu,1988 ,J.Biol.Chem.,263:14621-14624;1990年3月15日付けのHartmut等のカナダ 特許出願第2,012,311号)、または所定のCBP遺伝子を含むウイルスベクターを組 織内に注射できる。適当なウイルスベクターは、両種の宿主範囲をもつ細胞中に 封入されたレトロウイルス(Miller,1990,Human Gene Ther.,1:5-14;Ausubel 等,Current Protocols in Molecular Biology,§9を参照)、および弱毒化ま たは欠損DNAウイルス、例えば単純ヘルペスウイルス(HSV)(例えば、Kaplitt,19 91,Molec.Cell Neurosci.,2:320-330を参照)、乳頭腫ウイルス、エプシュタ インバール(Epstein Barr)ウイルス(EBV)、アデノウイルス(例えば、Stratford -Perricaudet等,1992,J.Clin.Invest.,90:626-630を参照)、アデノ関連ウ イルス(AAV)(例えば、Samulski等,1987,J.Virol.,61:3096-3101;Samulski等 ,1989,J.Virol.,63:3822-3828を参照)等(但し、これらに制限されない)を 包含する。完全にまたは殆ど完全にウイルス遺伝子を欠いた欠損ウイルスが好ま しい。欠損ウイルスは、細胞内に導入した後には、感染性ではない。 本発明の核酸を主成分とするワクチンを含むベクターを、当分野で公知の方法 により、例えばトランスフェクション、エレクトロポレーション、微量注入、形 質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、燐酸カルシウム沈殿法、リポフェクショ ン(リソソーム融合)、遺伝子ガンの使用、またはDNAベクター輸送体の使用に よって所定の宿主内に導入できる(例えば、Wu等,1992,J.Biol.Chem.,267: 963-967;Wu & Wu,1988,J.Biol.Chem.,263:14621-14624;1990年3月15日付 けのHartmut等のカナダ特許出願第2,012,311号を参照のこと)。 本発明のワクチン、即ちCBP抗原またはその抗原性誘導体もしくはフラグメン トを含むワクチン、またはCBP核酸ワクチンは、筋肉内、腹腔内、静脈内等の経 路を含む(但し、これらに制限されない)任意の非経口経路を介して投与するこ とができる。好ましくは、予防接種の所定の結果は、該抗原、結果として病原性 生物に対して免疫応答を誘発することであるから、リンパ節等のリンパ様組織ま たは脾臓に、直接あるいはウイルスベクターを攻撃させまたは選択することによ り間接的に、該ワクチンを投与する。免疫細胞は連続的に複製を行い、レトロウ イルスは複製細胞を必要とするので、該細胞はレトロウイルスベクターを主成分 とする核酸ワクチンにとって理想的なターゲットである。 受動免疫は、グラム陽性バクテリア、好ましくは連鎖球菌、より好ましくは肺 炎双球菌で感染している可能性のある動物対象に、本発明のコリン結合タンパク 質に対する抗血清、ポリクローナル抗体または中和モノクローナル抗体を、該患 者に投与することにより、付与することができる。受動免疫は長期に渡る予防を もたらさないが、以前に予防接種されていない対象のバクテリア感染の治療にと って価値ある手段であり得る。受動免疫は、グラム陽性バクテリアの抗生物質耐 性菌株の治療のために特に重要である。というのは、他の如何なる治療も利用で きないからである。好ましくは、受動免疫療法のために投与される該抗体は、オ ートロガス抗体である。例えば、該対象がヒトである場合、好ましくは該抗体を ヒトを起源とするものとするか、あるいは「ヒト化」されたものとして、該抗体 に対する免疫応答の可能性を最小化する。以下の特定の例においては、受動免疫 は、致死性のバクテリア感染に対して完全な防禦を達成する。 受動免疫と同様な治療法は、該バクテリアの、ターゲット細胞に対する付着を 阻害するのに十分な量のCBPタンパク質アドヘジンを投与することである。当業 者は、その所定量を、標準的な技術を利用して決定できる。 本発明の該能動または受動ワクチン、またはアドヘジンの投与は、グラム陽性 バクテリア、好ましくは連鎖球菌、より好ましくは肺炎双球菌で感染している動 物対象を防禦するのに使用できる。従って、本発明のワクチンは、家禽および七 面鳥等の鳥類、およびベット、哺乳動物、好ましくはヒトに使用できるが、本発 明の該ワクチンは、家畜動物(イヌおよびネコ)、農耕動物(ウシ、ヒツジ、ウ マ、ヤギ、ブタ等)、囓歯類、および家畜以外の動物を包含する(但し、これら に制限されない)他の哺乳動物種をも意図する。 グラム陽性バクテリア感染の診断 グラム陽性バクテリア由来のCBPに対して生成する可能性のある、本発明の抗 体は、グラム陽性微生物、特に肺炎球菌による感染の診断のために有用な試薬で ある。現時点では、グラム陽性バクテリアによる感染の診断は困難である。本発 明によれば、グラム陽性バクテリアにより感染している可能性のある対象由来の サンプル中の、グラム陽性バクテリアの存在は、該サンプル中のまたは該サンプ ル由来のバクテリアのCBPに対する抗体の結合を検出することによって検出でき る。本発明の一局面においては、該抗体は該バクテリアの固有の菌株または制限 された数の菌株に対して特異的てあり得、従って該特定の菌株(または複数の菌 株)による感染の診断が可能となる。また、該抗体はあるバクテリアの多くのま たは全ての菌株に対して特異的であり得、従ってこれら種による感染の診断が可 能となる。 グラム陽性バクテリアによる感染の診断では、必要により、当分野で公知の任 意のイムノアッセイフォーマットを利用できる。多くの可能なイムノアッセイフ ォーマットが、「CBPに対する抗体」なる表題を付したセクションに記載されて いる。これらの抗体はインビトロでの検出のために、例えば酵素、蛍光発光団、 発色団、放射性同位元素、染料、コロイド状金、ラテックス粒子および化学発光 試薬等のラベルで標識することができる。あるいはまた、該抗体は、インビボで の検出のために、例えば放射性同位元素(好ましくは、テクネチウムまたはヨウ 素)、磁気共鳴シフト試薬(例えばガドリニウムおよびマンガン)、または放射 線−不透過性試薬で標識することができる。 特定の態様においては、細胞中または細胞上のCBPの存在は、このような測定 に適用できる通常の免疫学的手順によって確認することができる。幾つかの有用 な手順が知られている。これら手順およびその応用は全て、当業者には馴染みの ものであり、従って本発明の範囲内で利用できる。例えば、「競合的手順」は、 米国特許第3,850,752号および同第3,654,090号に記載されている。「サンドイ ッチ法」は、米国特許第RE31,006号および同第4,016,043号に記載されている。 更に別の手順、例えば「二重抗体(double antibody)」法または“DASP”等も公知 である。 各例において、該CBPは、1またはそれ以上の抗体または結合パートナーと複 合体を形成し、また該複合体の一員は、検出可能なラベルで標識される。複台合 体が形成されたという事実および必要ならばその量は、ラベルの検出のために適 用できる公知の方法により測定できる。 これらの研究において最も一般的に使用されるラベルは放射性元素、酵素、紫 外線に暴露された場合に蛍光を発する化学物質等である。 多数の蛍光性物質が知られており、これらをラベルとして使用することができ る。これらは、例えばフルオレセイン、ローダミン、オーラミン、テキサスレッ ド(Texas Red)、AMCAブルーおよびルシフェールイエロー(Lucifer Yellow)を包 含する。特定の検出物質は、ヤギ内で生成され、イソチオシアネートを介してフ ルオレセインと結合した、抗−ウサギ抗体である。 該CBPおよびその結合パートナーも、放射性元素または酵素で標識することが できる。該放射性ラベルは通常利用可能な計数手順の何れかによって、検出する ことができる。好ましい同位元素は3H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58C o、59Fe、90Y、125I、131Iおよび186Reから選択することができる。 酵素ラベルも同様に使用することができ、現時点で使用されている比色法、分 光光度法、蛍光分光光度法、アンペロメトリー、気体定量法により検出できる。 該酵素は、カルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド等の架橋分 子との反応により、選択された粒子と結合する。これら手順で使用可能な多くの 酵素が公知であり、かつ利用できる。その好ましい例は、パーオキシダーゼ、β −グルクロニダーゼ、β-D-グルコシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、ウレアー ゼ、グルコースオキシダーゼ+パーオキシダーゼ、およびアルカリンホスファタ ーゼである。例えば、米国特許第3,654,090号、同第3,850,752号および同第4,01 6,043号は、その他の標識物質および方法を開示している。 本発明の更なる態様において、医療専門家が使用することが適当な市販のテス トキットを、可能性のあるターゲット細胞に対する所定の結合活性または所定の 結合活性誘発能の有無を決定するために、調製することができる。上記テスト法 に従って、一組のこのようなキットは、少なくとも該標識されたCBPまたはその 結合パートナー、例えばCBPに対して特異的な抗体および勿論選択された方法、 例えば「競合的」、「サンドイッチ」、「DASP」等に依存する指示を含むであろ う。該キットは、またバックグラウンド、安定化剤等の周辺試薬をも含むことが できる。 従って、テストキットは、所定のバクテリア結合活性の存在または細胞の該結 合活性能を立証するために、調製でき、該キットは以下の成分を含む: (a) 所定量の、本発明のCBPファクタまたはこれに対する特異的結合パートナー の、検出可能なラベルへの、直接的または問接的結合により得られる、少なくと も1種の標識された免疫化学的反応性成分、 (b) その他の試薬、および (c) 該キットを使用するための指示。 より具体的には、この診断用テストキットは、以下の成分を含む: (a) 一般的に固相に結合して、イムノソーベントを形成し、あるいはまた適当 なタッグに、あるいは複数のこのような最終生成物等(あるいはその結合パート ナー)各々に結合した、既知量の上記CBP(または結合パートナー)、 (b) 必要により、その他の試薬、および (c) 該キットを使用するための指示。 更なる変形において、このテストキットは、上記のような目的で調製され、か つ使用され、該キットは所定のプロトコール(例えば、「競合的」、「サンドイ ッチ」、「二重抗体」等)に従って動作し、以下の成分を含む: (a) 該CBPを検出可能なラベルと結合することにより得られる、標識成分と、 (b) 1またはそれ以上の付随的な免疫化学的試薬と、その少なくとも一つの試 薬はリガンドまたは固定化されたリガンドであり、該リガンドは (i) 該標識成分(a)と結合できるリガンド; (ii) 標識成分(a)の結合パートナーと結合できるリガンド; (iii) 測定すべき該成分の少なくとも一つと結合できるリガンド;および (iv) 測定すべき該成分の少なくとも一つの該結合パートナーの少なくとも一 つと結合できるリガンド からなる群から選ばれ、 (c) 該CBPと、これに対する特異的結合パートナーとの問の免疫化学的反応の、 1またはそれ以上の成分を検出および/または決定するための、プロトコールを 実施するための指示。 また、本発明の核酸およびその配列は、グラム陽性バクテリアによる感染の診 断において利用できる。例えば、該CBP遺伝子またはそのハイブリッド化可能な フラグメントを、グラム陽性バクテリアにより感染している可能性のある対象由 来のサンプルと、その場でのハイブリダイゼーションのために使用できる。もう 一つの態様においては、グラム陽性バクテリアの特異的な遺伝子セグメントを、 本発明のCBP遺伝子を主成分とするプローブによるPCR増幅を利用して、同定する ことができる。本発明の一局面においては、プローブによる、または該PCRプラ イマーによる該ハイブリダイゼーションを、厳密な条件下で、あるいは該バクテ リアの単一の菌株または限られた数の菌株あるいはその両者に対して特異的な配 列によって実施して、該特定の菌株(1または複数)による感染を診断すること を可能とする。また、該ハイブリダイゼーションは、それ程厳密でない条件下で 実施でき、あるいは該配列はバクテリア菌株の何れかまたは全部において相同で あり得、従って該種による感染の診断が可能となる。治療組成物及びCBPを含むワクチン 先に注目されたように、本発明はCBPの抗体を含む治療組成物(即ち、受動免 疫療法)、抗CBPワクチン(アジュバント、または核酸ワクチン中にCBPを含む) 、宿主細胞への付着の如き病原活性についてバクテリアCBPと競合するCBP、Fn5 の如きペプチド、またはFn5の抗体を提供する。このような組成物は医薬上許さ れるキャリヤー中に活性成分(抗体、ワクチン、またはCBP)を含む医薬組成物 であることが好ましい。 活性成分を含む治療組成物の調製は当業界で良く理解されている。典型的には 、このような組成物は液体溶液または懸濁液のような注射液として調製されるが 、注射前の液体中の溶解、または懸濁に適した固体形態がまた調製し得る。製剤 はまた乳化し得る。活性治療成分は医薬上許され、かつ活性成分と適合性である 賦形剤としばしば混合される。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキスト ロース、グリセロール、エタノール等及びこれらの組み合わせである。加えて、 所望により、組成物は少量の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、活性成分 の有効性を増進するpH緩衝剤を含むことができる。 活性成分は中和された医薬上許される塩形態として治療組成物に製剤化し得る 。医薬上許される塩として、酸付加塩(ポリペプチドまたは抗体分子の遊離アミ ノ基で生成される)及び無機酸、例えば、塩酸もしくはリン酸、または有機酸、 例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸等で生成される塩が挙げられる。 また、遊離カルボキシル基から生成される塩が無機塩基、例えば、水酸化ナトリ ウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化 第二鉄、及び有機塩基、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2− エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等から誘導し得る。 “A”(この場合、“A”は単一タンパク質、DNA分子、ベクター等である )を含む組成物は、組成物中の少なくとも約75重量%のタンパク質、DNA、ベ クター(A及びBが属する種のカテゴリーに応じて)が“A”である場合に“B ”(この場合、“B”は一種以上の汚染タンパク質、DNA分子、ベクター等を 含む)を実質的に含まない。“A”は組成物中A+B種の少なくとも約90重量% を構成することが好ましく、少なくとも約99重量%を構成することが最も好まし い。 “医薬上許される”という用語はヒトに投与された時に生理的に寛容され、典 型的にはアレルギー反応または同様の不利な反応、例えば、胃の不調、目眩等を 生じない分子物体及び組成物を表す。本明細書に使用される“医薬上許される” という用語は連邦の規制当局もしくは州政府により認可され、または動物中、更 に特別にはヒト中の使用について米国薬局方もしくはその他の一般に認められて いる薬局方にリストされていることを意味することが好ましい。“キャリヤー” という用語は希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクル(これらとともに 化合物が投与される)を表す。このような医薬キャリヤーは無菌の液体、例えば 、水及び油であってもよく、油として、石油、動物油、植物油または合成源の油 、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油等が挙げられる。水または食塩水溶 液並びにデキストロース水溶液及びグリセロール水溶液が、特に注射溶液につい てキャリヤーとして使用されることが好ましい。好適な医薬キャリヤーがE.W.Ma rtinにより“Remington's Pharmaceutical Sciences”に記載されている。 “治療有効量”という用語は宿主の活動、機能及び応答の臨床上有意な不全を 少なくとも約15%、好ましくは少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも90% 軽減し、最も好ましくは阻止するのに充分な量を意味するのに本明細書に使用さ れる。また、治療有効量は宿主の臨床上重大な症状の改善を生じるのに充分であ る。本発明の状況において、宿主の応答の不全は継続または広がっているバクテ リア感染症により証明される。宿主の臨床上重大な症状の改善として、バクテリ ア負荷の減少、定着宿主細胞からのバクテリアのクリアランス、感染症と関連す る発熱もしくは炎症の減少、またはバクテリア感染症と関連するあらゆる症候の 減少が挙げられる。 本発明によれば、本発明の治療組成物の一種以上の成分が非経口、経粘膜、例 えば、経口、鼻内、肺、もしくは直腸、または経皮で導入し得る。投与は、例え ば、静脈内注射により非経口であることが好ましく、また、細動脈内投与、筋肉 内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、心室内投与、及び頭蓋内投与が挙げ られるが、これらに限定されない。経口送出または肺送出が粘膜免疫を活性化す るのに好ましいかもしれない。肺炎球菌は一般に鼻咽頭粘膜及び肺粘膜に定着す るので、粘膜免疫が特に有効な防止措置であり得る。本発明の治療組成物に関し て使用される場合の“単位投薬量”という用語はヒト用の単位投薬量として好適 な物理的に不連続な単位を表し、夫々の単位が必要とされる希釈剤、即ち、キャ リヤー、またはビヒクルと混在して所望の治療効果を生じるように計算された所 定量の活性物質を含む。 別の実施態様において、活性化合物は小胞、特にリポソーム中で送出し得る(L anger,Science 249:1527-1533(1990);Treatら,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez-Berestein及びFidler(編集),Liss, New York,353-365頁(1989);Lopez-Berestein,上記文献,317-327頁を参照のこ と;一般に上記文献を参照のこと)。 更に別の実施態様において、治療化合物は徐放系中で送出し得る。例えば、ポ リペプチドは静脈内注入、移植可能な浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、 またはその他の投与の様式を使用して投与されてもよい。一実施態様において、 ポンプが使用し得る(Langer,上記文献; Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.1 4:201(1987);Buchwaldら,Surgery 88:507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.32 1:574(1989)を参照のこと)。別の実施態様において、ポリマー物質が使用し 得る(Medical Applications of Controlled Release,Langer及びWise(編集) ,CRC Pres.,Boca Raton,Florida(1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance,Smolen及びBall(編集),Wiley,New York(1984);Ranger及びPeppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(19 63)を参照のこと;また、Levyら,Science 228:190(1985);Duringら,Ann.Neuro l.25:351(1989);Howardら,J.Neurosurg.71:105(1989)を参照のこと)。更 に別の実施態様において、徐放系は治療標的、例えば、脳に接近して配置でき、 こうして全身投薬量の一部のみを必要とする(例えば、Goodson,Medical Appli cations of Controlled Release,上記文献,2巻,115-138頁(1984)を参照のこ と)。徐放装置は不適当な免疫活性化または腫瘍の部位に接近して被験者に導入 されることが好ましい。 その他の徐放系がLangerによる総説(Science 249:1527-1533(1990))に説明さ れている。 上記の活性成分の投与がバクテリア感染症に有効な治療レジメである被験者は ヒトであることが好ましいが、あらゆる動物であってもよい。こうして、当業者 により容易に理解されるように、本発明の方法及び医薬組成物はあらゆる動物、 特に哺乳類への投与、即ち、獣医用に特に適しており、これらの動物として、家 畜、例えば、ネコまたはイヌ被験者、飼育動物、例えば、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒ ツジ、及びブタ被験者、野生動物(野生または動物園中を問わない)、研究用動 物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ等が挙 げられるが、これらに限定されない。 本発明の治療方法及び治療組成物において、治療有効投薬量の活性成分が用意 される。治療有効投薬量は、当業界で公知であるように、患者の特性(年齢、体 重、性別、状態、合併症、その他の疾患等)に基いて医療当業者により決められ る。更に、更なるルーチン研究が行われるにつれて、更に特定の情報が種々の患 者の種々の症状の治療に適した投薬量レベルに関して出現し、当業者はレシピエ ントの治療状況、年齢及び全般の健康を考慮して適切な投薬量を確かめることが できる。一般に、静脈内の注射または注入について、投薬量は腹腔内投与、筋肉 内投与またはその他の投与の経路についてよりも低いかもしれない。投薬スケジ ュールは、循環半減期、及び使用される製剤に応じて変化し得る。組成物は治療 有効量の投薬製剤と適合する方法で投与される。投与されるのに必要とされる活 性成分の正確な量は医師の判断に依存し、夫々の個体について特別である。しか しながら、好適な投薬量は毎日の個体の体重1kg当たり約0.1mgから20mgまで、好 ましくは約0.5mgから約10mgまで、更に好ましくは1mgから数mgまでの活性成分 の範囲であってもよく、投与の経路に依存する。初期投与及びブースターショッ トに適したレジメがまた可変であるが、典型的には初期投与、続いてその後の注 射またはその他の投与による1時間以上の間隔の反復投与によるものである。ま た、血液中10ナノモル〜10μモルの濃度を維持するのに充分な連続静脈内注入が 意図されている。 その他の化合物と一緒の投与。バクテリア感染症の治療について、本活性成分 をバクテリア感染症を治療するのに使用される一種以上の医薬組成物と一緒に投 与してもよく、これらの医薬組成物として、(1)抗生物質、(2)バクテリア付 着の可溶性炭水化物インヒビター、(3)バクテリア付着のその他の小分子イン ヒ ビター、(4)バクテリアの代謝、輸送、または形質転換のインヒビター、(5) バクテリア溶解の刺激物質、または(6)その他のバクテリア抗原で誘導された抗 バクテリア抗体またはワクチンが挙げられるが、これらに限定されない。その他 の潜在的活性成分として、抗炎症剤、例えば、ステロイド及び非ステロイド抗炎 症薬が挙げられる。投与は同時であってもよく(例えば、本活性成分と抗生物質 の混合物の投与)、または連続(in serriatim)であってもよい。 それ故、特別な実施態様において、治療組成物は有効量の活性成分、及び一種 以上の下記の活性成分:抗生物質、ステロイド等を更に含んでもよい。例示製剤 が以下に示される。 製剤 静脈内製剤I 成分 mg/ml セフォタキシム 250.0 CBP 10.0 デキストロースUSP 45.0 重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2 エデテートジナトリウムUSP 0.1 注射用の水q.s.a.d. 1.0ml静脈内製剤II 成分 mg/ml アンピシリン 250.0 CBP 10.0 重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2 ジナトリウムエデテートUSP 0.1 注射用の水q.s.a.d. 1.0ml静脈内製剤III 成分 mg/ml ゲンタマイシン(硫酸塩として入れた) 40.0 CBP 10.0 重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2 ジナトリウムエデテートUSP 0.1 注射用の水q.s.a.d. 1.0ml静脈内製剤IV 成分 mg/ml CBP 10.0 デキストロースUSP 45.0 重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2 エデテートジナトリウムUSP 0.1 注射用の水q.s.a.d. 1.0ml静脈内製剤V 成分 mg/ml CBPアンタゴニスト 5.0 重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2 ジナトリウムエデテートUSP 0.1 注射用の水q.s.a.d. 1.0ml 本明細書に使用される“pg”はピコグラムを意味し、“ng”はナノグラムを意 味する。“ug”または“μg”はマイクログラムを意味し、“mg”はミリグラム を意味し、“ul”または“μl”はマイクロリットルを意味し、“ml”はミリリ ットルを意味し、“l”はリットルを意味する。 こうして、宿主細胞へのバクテリアのCBP介在性結合から生じる感染症を軽減 または抑制することが所望される特別な場合には、CBPもしくはその抗体、また はそのリガンドもしくはそのリガンドの抗体、例えば、Fn5が宿主細胞とのバク テリアに存在するするCBPの相互作用を阻止するのに導入し得る。 先に説明したように、CBPまたはその抗体は、好適なキャリヤーと一緒に、か つ特別なバクテリア感染症と関連する不利な医療上の症状を経験している患者へ のその治療のための種々の手段による投与に有効な濃度で、医薬組成物中で調製 し得る。種々の投与技術が利用されてもよく、それらの中に非経口技術、例えば 、皮下注射、静脈内注射及び腹腔内注射、カテーテル法等がある。CBPまたはそ れらのサブユニットの平均量は変化してもよく、特に適任医師または獣医の推奨 及び処方箋に基くべきである。 肺送出 また、コリン結合タンパク質、コリン結合タンパク質の抗体、エノラーゼ、ヒ ンダード陽イオン小分子(例えば、リシン、コリン、アルギニン等)、ペプチド WQPPRARI(配列番号11)、及びアミノ酸配列WQPPRARI(配列番号11)を有するエ ピトープに特異性の抗体からなる群から選ばれた、本発明の本付着抑制剤(また はその誘導体)の肺送出が本明細書中に意図されている。付着抑制剤(またはそ の誘導体)は哺乳類の肺に送出され、そこでそれは宿主細胞へのバクテリア結合 、即ち、連鎖球菌結合、好ましくは肺炎球菌結合を妨害し得る。特別な実施態様 において、このような付着抑制剤はフィブロネクチンへの連鎖球菌エノラーゼの 結合を抑制する。肺送出用のタンパク質の調製のその他の諭文が当業界で見られ る[Adjeiら,Pharmaceutical Research,7:565-569(1990);Adjeiら,Internatio nal Journal of Pharmaceutics,63:135-144(1990)(ロイプロリドアセテート);B raquetら,Journal of Cardiovascular Pharmacology,13(suppl.5):143-146(1 989)(エンドセリン−1);Hubbardら,Annals of Internal Medicine,III巻,2 06-212頁(1989)(α1−アンチトリプシン);Smithら,J.Clin.Invest.84:1145-11 46(1989)(α−1−プロテイナーゼ);Osweinら,“Aerosolization of Proteins ”,Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Derivery II,Keystone, Colorado,March,(1990)(組換えヒト成長ホルモン);Debsら,J.Immunol.140:3 482-3488(1988)(インターフェロン−γ及び腫瘍壊死因子α);Platzらの米国特 許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子)]。薬剤の肺送 出の方法及び組成物がWongらに1995年9月19日に発行された米国特許第5,451,56 9号に記載されている。 ネブライザー、計量投薬吸入装置、及び粉末吸入装置(これらの全てが当業者 に良く知られている)を含むが、これらに限定されない、治療製品の肺送出に設 計された広範囲の機械装置が本発明の実施における使用に意図されている。送出 装置の構造に関して、液体製剤の噴霧びん、噴霧化、微粒化またはポンプエアゾ ール適用、及び乾燥粉末製剤のエアゾール適用を含むが、これらに限定されない 当業界で知られているエアゾール適用のあらゆる形態が本発明の実施に使用し得 る。 本発明の実施に適した市販装置の幾つかの特別な例はMallinckrodt,Inc.(St. Louis,Missouri)製ウルトラベント・ネブライザー、Marquest Medical Product s.(Englewood,Colorado)製アコーンIIネブライザー、Glaxo Inc.(Research Triangle Park,North Carolina)製ベントリン計量投薬吸入装置、及びFisons C orp.(Bedford,Massachusetts)製スピンハラー粉末吸入装置である。 全てのこのような装置が付着抑制剤(または誘導体)の分配に適した製剤の使 用を必要とする。典型的には、夫々の製剤は使用された装置の型に特別であり、 治療に有益な通常の希釈剤、アジュバント及び/またはキャリヤーに加えて、適 当な噴射剤物質の使用を伴い得る。また、リポソーム、ミクロカプセルまたは微 小球、封入複合体、またはその他の型のキャリヤーの使用が意図されている。ま た、化学修飾された付着抑制剤が、化学修飾の型または使用される装置の型に応 じて異なる製剤中で調製されてもよい。 ジェットまたは超音波のネブライザーによる使用に適した製剤は、典型的には 溶液1ml当たり約0.1mgから2.5mgまでの生物活性付着抑制剤の濃度で水に溶解さ れた付着抑制剤(または誘導体)を含むであろう。また、製剤は緩衝剤及び単純 な糖(例えば、付着抑制剤安定化及び浸透圧の調節のため)を含んでもよい。ま た、ネブライザー製剤はエアゾールを生成する際に溶液の微粒化により生じる付 着抑制剤の表面誘発凝集を減少または防止するために表面活性剤を含んでもよい 。 計量投薬吸入装置用の製剤は一般に表面活性剤の助けにより噴射剤中に懸濁さ れた付着抑制剤(または誘導体)を含む微細粉末を含むであろう。噴射剤はこの 目的のために使用されるあらゆる通常の物質、例えば、クロロフルオロカーボン 、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、または炭化水素で あってもよく、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロ ロテトラフルオロエタノール、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ま たはこれらの組み合わせが挙げられる。好適な表面活性剤として、ソルビタント リオレエート及び大豆レシチンが挙げられる。また、オレイン酸が表面活性剤と して有益であり得る。 液体エアゾール製剤は生理学上許される希釈剤中に付着抑制剤及び分散剤を含 む。本発明の乾燥粉末エアゾール製剤は付着抑制剤及び分散剤の微細固体形態か らなる。液体エアゾール製剤または乾燥粉末エアゾール製剤では、製剤は微粒化 される必要がある。即ち、それは、微粒化投薬が実際に鼻通路または肺の粘膜に 達することを確実にするために液体または固体粒子に分解される必要がある。“ エアゾール粒子”という用語は鼻内投与または肺内投与に適し、即ち、粘膜に達 する液体または固体粒子を記載するために本明細書に使用される。その他の考慮 、例えば、送出装置の構造、製剤中の付加的な成分、及び粒子特性が重要である 。薬剤の肺内投与のこれらの局面は当業界で公知であり、製剤の操作、エアゾー ル適用手段及び送出装置の構造はせいぜい当業者によるルーチン実験を必要とす る。 特別な実施態様において、動的質量中央径は、薬剤粒子が肺胞に達することを 確実にするために5マイクロメートル以下であろう[Wearley,L.L.,Crit.Rev. in Ther.Drug Carrier Systems 8:333(1991)]。 エアゾール送出の系、例えば、加圧計量投薬吸入装置及び乾燥粉末吸入装置が Newman,S.P.,Aerosols and the Lung,編集者Clarke,S.W.及びDavia,D.,197- 22頁に開示されており、本発明と連係して使用し得る。 以下に詳しく説明される更に別の実施態様において、本発明のエアゾール製剤 は付着抑制剤に加えてその他の治療活性成分または薬理活性成分を含むことがで き、これらとして、抗生物質、ステロイド、非ステロイド抗炎症薬等が挙げられ るが、これらに限定されない。 液体エアゾール製剤。本発明はバクテリア感染症、例えば、連鎖球菌感染症、 特に肺炎球菌感染症を患っている被験者の治療用のエアゾール製剤及び投薬形態 を提供する。一般に、このような投薬形態は医薬上許される希釈剤中に付着抑制 剤を含む。医薬上許される希釈剤として、無菌の水、食塩水、緩衝食塩水、デキ ストロース等が挙げられるが、これらに限定されない。特別な実施態様において 、本発明または本発明の医薬製剤に使用し得る希釈剤は食塩加リン酸緩衝液、も しくは一般にpH7.0-8.0の範囲の緩衝食塩水溶液、または水である。 本発明の液体エアゾール製剤は、任意成分として、医薬上許されるキャリヤー 、希釈剤、可溶化剤または乳化剤剤、表面活性剤及び賦形剤を含んでもよい。 製剤はキャリヤーを含んでもよい。キャリヤーは循環系に可溶性であり、かつ 生理学上許される巨大分子であり、この場合、生理学上許されるとは当業者が治 療レジメの一部として患者への前記キャリヤーの注射を認めることを意味する。 キャリヤーはクレアランスに許されるプラスマ半減期で循環系中で比較的安定で あることが好ましい。このような巨大分子として、大豆レシチン、オレイン酸及 びソルビタントリオレートが挙げられ、ソルビタントリオレートが好ましいが、 これらに限定されない。 また、本実施態様の製剤はpH維持、溶液安定化、または浸透圧の調節に有益な その他の薬剤を含んでもよい。薬剤の例として、塩、例えば、塩化ナトリウム、 または塩化カリウム、及び炭水化物、例えば、グルコース、ガラクトースまたは マンノース等が挙げられるが、これらに限定されない。 更に、本発明は付着抑制剤及びその他の治療有効薬剤、例えば、抗生物質、ス テロイド、非ステロイド抗炎症薬等を含む液体エアゾール製剤を意図している。 エアゾール乾燥粉末製剤。 本エアゾール製剤は付着抑制剤及び分散剤の微細 粉末形態を含む乾燥粉末製剤として調製し得ることがまた意図されている。 粉末吸入装置から分配するための製剤は付着抑制剤(または誘導体)を含む微 細乾燥粉末を含み、また装置からの粉末の分散を促進する量、例えば、製剤の50 〜90重量%の量の増量剤、例えば、ラクトース、ソルビトール、蔗糖、またはマ ンニトールを含んでもよい。付着抑制剤(または誘導体)は遠位の肺への最も有 効な送出のために10mm(またはミクロン)未満、最も好ましくは0.5〜5mmの平 均粒子サイズを有する粒状形態で最も有利に調製されるべきである。 別の実施態様において、乾燥粉末製剤は付着抑制剤、分散剤そしてまた増量剤 を含む微細乾燥粉末を含むことができる。本製剤に関して有益な増量剤として、 装置からの粉末の分散を促進する量のラクトース、ソルビトール、蔗糖、または マンニトールの如き薬剤が挙げられる。 更に、本発明は付着抑制剤及び別の治療有効薬剤、例えば、抗生物質、ステロ イド、非ステロイド抗炎症薬等を含む乾燥粉末製剤を意図している。CBP の小分子アンタゴニストの同定 本発明のコリン結合タンパク質をコードする遺伝子の同定及び単離は、天然源 から単離し得るよりも大きい量で、または細胞のトランスフェクションまたは形 質転換後に発現されたCBPの活性を示すように特別に操作されているインジケー ター細胞中でタンパク質の発現を与える。それ故、コリン結合タンパク質の構造 に基くアゴニスト及びアンタゴニストの合理的設計に加えて、本発明は当業界で 知られている種々のスクリーニングアッセイを使用してコリン結合タンパク質の 特定のリガンドを同定する別法を意図している。CBPの小分子アンタゴニストの 例として、リシン、コリン、配列番号11を有するペンタペプチドが挙げられる。 おそらく、これらの型の分子の類縁体、例えば、アルギニンがまた宿主組織、特 にフィブロネクチンへのバクテリア付着を抑制するであろう。こうして、本発明 は一般に小分子CBP結合アンタゴニストを提供し、これはヒンダード陽イオン分 子、好ましくはヒンダードアミンである。 当業界で知られているあらゆるスクリーニング技術がコリン結合タンパク質ア ゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするのに使用し得る。本発明は 小分子リガンドまたはリガンド類縁体及び擬態のスクリーン、並びにコリン結合 タンパク質に結合し、in vivoのコリン結合タンパク質の活性、特にコリン結合 タンパク質により媒介される宿主細胞または組織へのバクテリアの付着に作用し 、または拮抗作用する天然リガンドのスクリーンを意図している。 CBPの一次配列の知識、及び既知の機能のタンパク質とのその配列の類似性が タンパク質のインヒビターまたはアンタゴニストとしての初期の手掛かりを与え ることができる。アンタゴニストの同定及びスクリーニングは、例えば、X線結 晶学、中性子回折、核磁気共鳴スペクトロメトリー、及びその他の構造決定に関 する技術を使用して、タンパク質の構造特性を決定することにより更に促進され る。これらの技術はアゴニスト及びアンタゴニストの合理的な設計または同定を 与える。 別のアプローチは組換えバクテリオファージを使用して大きいライブラリーを 生じる。“ファージ方法”(Scott及びSmith,1990,Science 249:386-390;Cwir laら,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.,87:6378-6382;Devlinら,1990,Science,24 9:404-406)を使用して、非常に大きいライブラリーが構築し得る(106-108化学物 体)。第二のアプローチは主として化学方法を使用し、そのうちのGeysen方法(Ge ysenら,1986,Molecular Immunology 23:709-715;Geysenら,1987,J.Immunologi c Method 102:259-274)及びFodorらの最近の方法(1991,Science 251,767-773) が例である。Furkaら(1988,14th International Congress of Biochemistry, 5巻,Abstract FR:013;Furka,1991,Int.J.Peptide Protein Res.37:487-493) 、Houghton(1986年12月に発行された米国特許第4,631,211号)及びRutterら(19 91年4月23日に発行された米国特許第5,010,175号)がアゴニストまたはアンタゴ ニストとして試験し得るペプチドの混合物を生成する方法を記載している。 別の局面において、合成ライブラリー(Needelsら,1993,“Generation and s creening of an oligonucleotide encoded synthetic peptide library,”Proc .Natl.Acad.Sci.USA 90:10700-4;Ohlmeyerら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922-10926;Lamら,国際特許公開WO 92/00252;Kocisら,国際特許公開WO 9 428028;これらの夫々が参考として本明細書にそのまま含まれる)等が本発明の コリン結合タンパク質リガンドをスクリーニングするのに使用し得る。 スクリーニングはコリン結合タンパク質を発現する組換え細胞を用いて、また は例えば上記のようにして組換え生産された精製タンパク質を使用して行い得る 。例えば、リガンドを結合する標識、可溶性または可溶化コリン結合タンパク質 (その分子のリガンド結合タンパク質を含む)の能力が前記文献に記載されたラ イブラリーをスクリーニングするのに使用し得る。 以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を更に充分に説明するために示され る。しかしながら、それらは本発明の広い範囲を限定するものと見なされるべき ではない。 実施例:予備の考察 本発明は、表面露出されたタンパク質であり、かつ感染の部位に見られる真核 細胞への肺炎球菌の結合に重要な付着因子として利用できるCBPのファミリーを 同定する。また、本発明は付着因子及びビルレンスの決定基として新規CBP、Cbp Aを同定し、特性決定する。更に、本発明は、これらのタンパク質が免疫原性で あり、こうしてまた保護抗原として機能し得ることを実証する。 アガロースビーズに結合されたコリンを使用して、LytAを含む少なくとも12の バクテリアコリン結合タンパク質(CBP)のファミリーを肺炎球菌の血清型II、Psp A-株から精製した。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)による全バクテリ アの標識は、これらのCBPの4種が表面露出され、一方、ヒト回復期血清がCBPの 5種と交差反応することを示唆した。肺炎球菌は型II肺細胞(LC)及び末梢血管系 の内皮細胞(EC)に結合することが既に示されていた。対照と較べて、CBPフラク ションは投薬量依存様式でLCへの肺炎球菌付着を45%阻止し、ECへの肺炎球菌付 着を89%阻止した。CBPフラクションを使用してウサギを免疫し、ポリクローナ ル抗体を受動免疫化研究に使用した。CBPの3種から得られたN末端アミノ酸配 列及び内部アミノ酸配列は既知のタンパク質配列に類似性を示さなかった。更に 、タンパク質のこのファミリーの優占員、CbpAはヒト回復期血清と反応した112k Da表面露出タンパク質である。相当する遺伝子の配列分析は特異なN末端配列及 びC末端領域中の6のC末端コリン結合ドメインを示した。 実施例1: 肺炎球菌コリン結合タンパク質の同定 物質及び方法 株。 使用したバクテリア株として、(1)R6、未莢膜形成(unencapsulated)D39 (型2)に由来する未莢膜形成バクテリア株、(2)莢膜形成AII、(3)PspA-である D39(莢膜形成)に由来するLM91、及び(4)未莢膜形成D39に由来するLyt-が挙げら れる。 細胞培養及びコリン結合タンパク質精製。バクテリアLM91 0.1mlの培養物(-80℃ 保存)を5時問にわたって37℃でC+Y半合成培地10ml中で培養した。次いでこの10 mlの培養物を使用して400mlのC+Yに接種し、この培養物を5%CO2中で5時間に わたって37℃で0.6のOD620までインキュベートした。この混合物にコリンアガロ ースビーズ(CAB)4mlを添加し、これを時折振とうしながら30分間にわたって5% CO2中で37℃でインキュベートした。バクテリア及びビーズを4℃で15分間にわ たって8000xgで遠心分離し、ペレットを残余培地(C+Y)50ml中で再度懸濁させた 。この50mlに、20μg/mlのロイペプチン、100μg/mlのPMSF及び250μlのトリ トンX100を0.5%の最終濃度まで添加した。溶液が透明になって、全てのバクテ リアが溶解されたことを示すまで、この混合物を20〜30分間回転させた。次いで CABをガラスフィルター上でDPBS/1M NaClで洗浄した。次いでCABを50mlのDPBS/1 M NaClの2回交換とともにインキュベートし、ビーズを再度ガラスフィルター上 で洗浄した。 コリン結合タンパク質の精製。コリン結合タンパク質(CBP)を5mlのDPBS/10%コ リンの3回洗浄で溶離した。溶離したCBPをウルタラフリー-20濃縮装置(ミリポ ア)で1.5mlに濃縮し、次いでPBSに対し透析した。 ウサギ抗CBP抗血清の調製。 上記のようにしてコリンアフィニティーカラムか ら単離したコリン結合タンパク質を濃縮し、ワクチン中で使用してウサギを免疫 して抗CBP抗血清を生じた。ニュージーランド白ウサギを緩衝液及び完全フロイ ントアジュバントの1:1エマルション1ml中精製CBP 500μgで背中の皮内注射に より免疫した。ウサギを3週、6週、9週、12週、及び15週で緩衝液対不完全フ ロイントアジュバントの1:11ml中精製CBP 250μgの皮下背側注射で追加免疫し た。ウサギを前採血し、夫々の追加免疫の約10日前に試験採血した。16週で 得られた血清を全ての実験に使用した。 下記の抗体を使用して、CBPをSDS-PAGE及びウェスタンブロットにより試験し た。(1)ポリクローナル抗肺炎球菌血清(ウサギまたは“ROB”)、(2)抗spAモノ クローナル抗体、(3)抗FITCモノクローナル抗体、(4)回復期ヒト抗肺炎球菌血清 及び(5)ポリクローナル抗CBP抗体。9種のCBPをSDS-PAGE/ウェスタンブロット で同定した。結果を図1及び2に示す。 実施例2:肺炎球菌コリン結合タンパク質の特性決定 SDS-PAGEにより単離したCBPをN末端アミノ酸配列分析にかけた。0.5Mの塩化 コリンから溶離したコリンアガロースカラムから得られたタンパク質フラクショ ンをSDSポリアクリルアミドゲルに適用し、PVDF膜に移し、タンパク質について 染色した。個々のバンドを切除し、N末端アミノ酸配列をエドマン分解により得 た。内部配列データをプロテアーゼ生成ペプチドフラグメントから得た。9種の CBPのうちの8種に関するアミノ酸配列を以下のように得た。 CBP84が延長因子G(EF-G)に85%同一であり、CBP50がエノラーゼに類似した以 外は、配列のいずれもが既に同定されていなかった。 実施例3: 肺炎球菌コリン結合タンパク質は付着を阻止する 実施例1で単離したCBPフラクションを付着アッセイに使用して、Tuomanen及 びCundellにより1995年6月6日に出願された国際特許PCT/US95/07209(これは 参考として本明細書にそのまま特別に含まれる)に記載されたようにして型II肺 細胞(LC)及び血管系の内皮細胞(EC)への肺炎球菌付着に関するその効果を測定し た。CBPフラクションは投薬量依存様式でLCへの肺炎球菌付着を45%阻止し、ま たECへの肺炎球菌付着を89%阻止した。 実施例4: 50KD コリン結合タンパク質は肺炎球菌付着を媒介する 細胞外マトリックスタンパク質、例えば、フィブロネクチンへの付着(図5を 参照のこと)は損傷上皮に侵入する手段を病原体に与える。ストレプトコッカス ・ニゥモニエ(肺炎連鎖球菌)はC末端ヘパリン結合ドメイン内の部位で固定化 フィブロネクチンに付着することが知られている[van der Flierら,Infect.Im mun.63:4317-4322(1995)]。他の研究者らは、この領域がまた白血球インテグリ ン付着レセプターα4β1を結合することを報告していた。また、血管細胞付着 分子−1(VCAM-1)はα4β1に活性な結合部位であるIIICSに相同の配列を含む ことが実証されていた。この実施例は、特に、S.ニゥモニエがα4β1のように フィブロネクチン及びVCAM-1を交差認識したことを評価する。 固定化フイブロネクチンへのS.ニゥモニエの付着を組換え可溶性VCAM-1と一緒 のバクテリアのプレインキュベーションにより96%抑制した。また、S.ニゥモニ エは75±18バクテリア/0.25mm2の密度でVCAM-1被覆ウェルに直接付着した。これ は全フィブロネクチンへの肺炎球菌の付着の6%に相当する。S.ニゥモニエ付着 特異性をフィブロネクチンの33kDaヘパリン結合ドメインのフラグメントへの付 着を評価することにより更に特性決定した。33kDaドメインの種々のフラグメン トがGST融合タンパク質として発現された。結果を図6に示す。バクテリアは組 換えフラグメント33/66、51、及び15にほぼ同等に付着した。III14領域に基く4 種の合成ペプチドを使用する更なる研究はペプチドFN5(WQPPRARI(配列番号11)) をS.ニゥモニエの付着を支持することができるものと同定した(図7)。 FN5の抗体は全フィブロネクチン及びVCAM-1の両方への肺炎球菌の付着を抑制し た(夫々、92%及び69%)。この実施例は、S.ニゥモニエがVCAM-1及びフィブロ ネクチンに同様のメカニズムにより結合し、これが白血球輸送経路への接近を肺 炎球菌に与え、疾患の進行を促進し得ることを示す。 S.ニゥモニエの表面の一種の付着因子は50kDaコリン結合タンパク質である。 コリンに結合された表面タンパク質を置換するための10%のコリン溶液中のバク テリアのプレインキュベーションはフィブロネクチンへの肺炎球菌の結合の50% より大きい減少をもらした(図8)。コリンに代えてエタノールアミンの存在下 で増殖されたバクテリア(その結果、それらはそれらの表面でコリン結合タンパ ク質を示さない)はフィブロネクチンに結合することができなかった(>85%の抑 制)(データは示されていない)。肺炎球菌結合を抗コリン抗体、TEPC15の1:10〜1 :5000希釈液により95%より大きく減少した(図9)。S.ニゥモニエからのコリ ン結合タンパク質の製剤はフィブロネクチンへの肺炎球菌の付着を競合的に抑制 した (75-90%の抑制)(データは示されていない)。 肺炎球菌の表面のタンパク質付着因子の同一性を確認するために、全細胞フレ ンチプレス溶解産物及びコリン結合タンパク質の製剤をSDS-PAGEにより分離し、 イモビロンPVDF膜にブロットした。次いで膜を数時間にわたってフィブロネクチ ン溶液とともにインキュベートした。未結合タンパク質を洗浄して除いた後に、 結合フィブロネクチンをケミルミネセンスにより検出した。約50kDaのバンドを 全細胞溶解産物及びコリン結合タンパク質製剤の両方中で観察した。このバンド のアミノ末端タンパク質配列決定はこのタンパク質を解糖酵素の同族体、エノラ ーゼ(2−ホスホノ−D−グリセレートヒドロリアーゼ)と同定した。BLASTア ルゴリズムにより分析した18アミノ酸ストレッチ中、16残基領域がバチルス・ス ブチリスからのエノラーゼと93%の同一性(15/16)を有することが示された(図1 0)。 バクテリアの添加の前のフィブロネクチン被覆ウェルへの解糖酵素エノラーゼ (シグマ)の添加はフィブロネクチンへの肺炎球菌付着の抑制を生じた(図11) 。抑制は投薬量依存性であった。最高の抑制(98%)が1000U/mlのエノラーゼで観 察された。エノラーゼ被覆ウェルへの肺炎球菌の直接の付着は観察されなかっ た。 エノラーゼはそのカルボキシ末端リシン残基を介してプラスミノーゲンに付着 することが示されていた。全フィブロネクチンへのS.ニゥモニエの付着はL−リ シン依存性である。リシンをバクテリアの添加の15分前にフィブロネクチン被覆 ウェルに添加した。肺炎球菌付着は夫々0.1M、0.5M、及び1MのL−リシンにより 67%、95%、及び99%抑制された(図12)。リシン類縁体、6−アミノヘキサン 酸は付着を抑制することができなかった。 S.ニゥモニエ フレンチプレス溶解産物をフィブロネクチン被覆セファロース ビーズのカラムに流した。付着タンパク質をL−リシン(0.01-0.5M)で競合的に 溶離し、SDS-PAGEにより分析した。約50kDaのバンドが全てのフラクション中で 観察された(図13)。このバンドは市販のエノラーゼ(シグマ)と同時移動した 。 エノラーゼ遺伝子の部分配列及び演繹アミノ酸配列を得た(配列番号10及び20 )。そのDNAと肺炎球菌及びB.スブチリスの演繹アミノ酸配列の比較を図14及 び15に夫々示す。DNAレベルで74%の同一性があり、アミノ酸レベルで72%の 同一性、85%の類似性がある。推定42塩基5'ストレッチ/14アミノ酸N末端スト レッチのみを欠いているCBP-50エノラーゼに関する更に完全な配列データを配列 番号18及び19に夫々示す。 フィブロネクチン及びVCAMへの結合に加えて、エノラーゼ同族体はビルレンス に関係する二つのその他の性質を有する。それは活性化真核細胞への結合の主要 な決定基である炭水化物で修飾されるα1酸糖タンパク質(AGP)に結合する。AGP をカラムに固定し、肺炎球菌溶解産物をカラムに通し、カラムに保持されたタン パク質を溶離した。50kDaタンパク質が特異的に溶離し、アミノ酸N末端配列決 定でエノラーゼ同族体であることが示された。エノラーゼ同族体の第二の性質は 、不透明コロニー形態に変化された相を有する無毒性肺炎球菌のないことが明ら かであることである。2%のコリンで処理された肺炎球菌から溶離されたタンパ ク質を不透明株及び透明株の間で比較する場合、不透明株は112kDaタンパク質及 び50kDaタンパク質を欠いている。これは、ビルレンスの欠如がエノラーゼ同族 体の発現の欠如と関連し、それ故、エノラーゼ同族体が真のビルレンス決定基で あることを示す。物質及び方法 バクテリア株及び増殖条件。S.ニゥモニエ型2(D39)及び同質遺伝子の未被包誘 導体R6x及びR6を使用した。肺炎球菌表面タンパク質A(pspA-)の生産を欠失した 肺炎球菌株LM34が記載されていた[McDanielら,Infect.Immun.,59:222-9(1991 )]。バクテリアを16-18時間にわたって37℃で5%のCO2中またはキャンドル吸光 ジャー中で5%のヒツジ血液を含むトリプシン大豆アガーで増殖させた。フィブ ロネクチン及び誘導タンパク質分解フラグメント。ヒトプラスマからのフィブロ ネクチンをシグマ(セントルイス、MO)及びギブコBRL(Gグランドアイランド、 NY)から購入した。分子篩により指示されたフラグメントを図5に図示する。ギ ブコBRLから購入されたタンパク質分解フラグメント(図5中の括弧中に示され る)はトリプシン30kDコラーゲン結合フラグメント、α−キモトリプシン120kD 細胞結合フラグメント及びα−キモトリプシン40kDヘパリン結合フラグメントを 含んでいた。Vercelottiらの方法[Vercelottiら,J.Lab.Clin.Med.,103:34-43 (1984);McCarthyら,1986,上記文献]に従って調製されたタンパク質分解フラ グメント(図5中のボックス中に示される)は27kDアミノ末端フラグメント、46 kDコラーゲン結合フラグメント、75kD細胞結合フラグメント、第二の66kdフラグ メントと混在した33kDヘパリン結合フラグメント(33/66kDフラグメント)、及び3 1kDカルボキシ末端フラグメントを含んでいた。33kDドメインからの組換えフラ グメント(図5を参照のこと)を他の文献[Huesbschら,Cir.Res.77:43(1995) ;Verf-ailleら,Blood 84:1802(1994)]に記載されたようにして調製した。 固定化フィブロネクチン、VCAM及びフラグメントへの結合アッセイ。フィブロネ クチン、その組換えフラグメント、またはrsVCAMを60ウェルのテラサキトレイ( 湿潤性ポリスチレン[プラズマ処理]、Robbins Scientific,Sunnyvale,CA) への受動吸着により非共有結合で固定した。簡単に言えば、基質を食塩加リン酸 緩衝液(DPBS)中で再生し(50mg/mg)、90分間にわたって37℃でテラサキトレイを 被覆させた。続いてポリスチレン表面を少なくとも3時問にわたって37℃で5% のウシ血清アルブミン(シグマ)でブロックした。使用前に、プレートをDPBSで 5回洗浄し、過剰の液体をウェルから除去した。この操作は吸着されたフィブロ ネクチン分子の好ましい稠密な多層充填(2.7μg/cm2)をもたらすことが示され た[van der Flierら,1995,上記文献]。 バクテリアを記載されたようにしてフルオレセインイソチオシアネートで標識 し[Geelenら,Infect.Immun.,61:1538-1543(1993)]、0.05%のグルコース並 びにCa++及びMg++を補給したDPBS中で再度懸濁させた。バクテリア懸濁液をS.ニ ゥモニエ1x107cfu/mlに等しいことが既に証明された0.04のA620にした。バクテ リア10μlを夫々のウェルに添加し、1時間にわたって37℃で静的にインキュベ ートした。未結合バクテリアをDPBSで5回洗浄することにより排除した。結合バ クテリアを3分間にわたって2.5%のグルタルアルデヒド溶液と一緒のインキュ ベーションにより表面に固定した。バクテリアを蛍光用にIF DM 510フィルター を備えた倒立顕微鏡(ニコン)で目視でカウントした。結合を0.25mm2の表面積 当たり付着されたバクテリアの数として表した。未被覆ウェルへの付着を引くこ とにより値を非特異的結合について修正し、3〜6ウェル/プレート/実験で少 なくとも3回の実験の平均±標準偏差として示す。幾つかの実験について、結合 をウサギポリクローナル抗肺炎球菌R6抗体または下記のモノクローナル抗体の一 種の存在下で行った。抗コリン(TEPC-15)、抗PspA Xi126及びXiR278[McDaniel ら,Microb.Pathog.,13:261-9(1992)];抗肺炎球菌表面付着因子A PsaA[Sam psonら,Infect.Immun.,62:319-324(1994)];抗VLA-4(R&D Systems);並び に抗VCAM-1(R&D Systems)。また、肺炎球菌結合の潜在的抑制を精製組換えPs pAまたはPsaAの存在下で評価した。 実施例5: 112KD コリン結合タンパク質、CbpAはヒト細胞への肺炎球菌付着 を媒介する この実施例において、新規な112kDa CBPを更に特性決定する。それは付着因子 として機能し、サイトカイン活性化ヒト細胞への付着を媒介し、鼻咽頭の肺炎球 菌定着に関与し、ビルレンスの決定基である。 固体マトリックスに固定したコリンを使用して、CBPのファミリーを肺炎球菌 のpspA-株から精製した。これらのCBPのポリクローナル抗体は肺炎球菌の致死攻 撃で腹腔内感染したマウスを受動的に保護した。タンパク質のこのファミリーの 優占員、CbpA(またはCBP-112)はヒト回復期血清と反応する112kDa表面露出タン パク質である。相当する遺伝子の配列分析は特異なN末端配列及びPspAに類似す る10反復コリン結合ドメインを含むC末端ドメインを示す。cbpA欠損突然変異体 はサイトカイン活性化ヒト細胞への付着の50%より大きい減少を示し、固定シア ル酸またはlaco-N-ネオテトラオースに結合することができなかった。また、こ の突然変異体は鼻咽頭定着の動物モデルでビルレンスの100倍減少を示す。敗血 症の腹腔内モデルについて親株とこの突然変異体の間に相違がない。CbpAに関す るこのデータはCBPファミリーの重要な機能をバクテリア付着及びビルレンスに 拡張し、新規な肺炎球菌ワクチン候補に相当する。 物質及び方法 株及び培地。 血清型2S.ニゥモニエ株D39、R6x(D39の未莢膜形成誘導体)株SII I(莢膜血清型3)(夫々ロックフェラー大学コレクションから得られた)。株P317 は6B莢膜血清型である。lytA欠損株が記載されていた[Tomasz,1988]。LM91は 既に報告されていた(Larry McDaniel,University of Alabama,Birmingham,AL )。全ての株をヒツジ血液(TSAB)を3%(v/v)の最終濃度まで補給したトリプシン 大豆アガーに塗布した。培養物を実施例1に記載されたようにして酵母エキス(C +Y培地)を補給した液体の半合成カゼイン加水分解産物培地中で通気しないで37 ℃で5%のCO2中で増殖させた。組込みプラスミドを含む肺炎球菌を1mg ml-1の エリスロマイシンの存在下で増殖させた。コロニー形態をカタラーゼ5000U(ワ ーシントン・バイオケミカル社、フリーホールド、NJ)が添加され たトリプシン大豆アガーで評価した。 CBPの単離。 固定化コリンアフィニティーマトリックスを調製するために、ビ ニルスルホン活性化アガロースビーズ(1g;シグマ、セントルイス、MO)を蒸留水 10mlで2回洗浄し、次いで炭酸ナトリウム緩衝液、pH11.5中10mMのコリン中で室 温で一夜回転させた。ビーズを追加のPBS 10mlで再度洗浄して未結合コリンを除 去した。 コリン−アガロースビーズを肺炎球菌の400mlの培養液(108cfu/ml)に添加し、 30分間インキュベートした。バクテリア−ビード複合体を15分間にわたって8000 xgで遠心分離によりペレットにし、C+Y培地50ml中で再度懸濁させた。バクテ リアをロイペプチン(20mg ml-1)及びフェニル−メチル−スルホニルフロリド(10 0mg ml-1)の存在下でトリトンX-100(0.5%;20分間の回転)で溶解した。溶解 産物を5分間にわたって1000xgで遠心分離してビーズをペレットにした。次いで ビーズを0.5MのNaClに調節した3倍容(30ml)の食塩加リン酸緩衝液(PBS)で洗浄 して、非特異的結合物質を除去した。特異的コリン結合物質を10%のコリン(w/v )の最終濃度に調節したPBSで溶離した。この溶離物をPBSに対し透析し、次いで セントリコン10ウルトラフィルター(アミコン社、ベバーリイ、MA)に通した。 レテンテート(retentate)はCBPを含んでいた。 分析方法及び免疫学的方法。CBPを7.5%のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリル アミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)及びイモビロン-P移動膜(ミリポア社、ベッドフ ォード、MA)への電気泳動移動後のウェスタンブロッティングにより分析した。 幾つかの実験について、肺炎球菌を付着アッセイに記載されたようにしてフルオ レセインイソチオシアネート(FITC)で標識した。ウェスタンブロット分析を夫々 1:1000の希釈で抗FITC(モレキュラー・プローブズ)、抗CBPまたは回復期血清 を用いて行った。結合抗体をアメーシャム(ケンブリッジ、MA)からのケミルミ ネセンス・キットで検出されるペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ血清で検出し た。回復期血清はバクテリア及びニゥモニアからの回収の1ケ月後に回収された 5人の患者から溜められた血清の混合物であった。これらの感染肺炎球菌の 莢膜血清型は3、7、14、22、及び23であった。 表現型変異体中のCBPのウェスタン分析について、株R6に由来する不透明変異 体及び透明変異体をC+Y培地中で等しい密度まで増殖させた(0.4のO.D.620)。細 胞をPBS中で洗浄し、2%のコリンクロリドを含み、または含まないPBS中で初期 の培養容積の1/20で再度懸濁させた。細胞を4℃で15分間インキュベートし、細 胞及び上澄み(溶離液)フラクションを分離した。溶離液中のタンパク質を10% のSDS-PAGEゲルで分離し、イモビロン-Pに移し、CBPの抗血清で探査した。 個々のCBPからの一次構造情報を得るために、コリンアフィニティーカラムか らの濃縮サンプルをSDSポリアクリルアミドゲルに適用し、分離したタンパク質 を電気泳動によりイモビロン-PSQ移動膜に移した。タンパク質を0.1%のアミノ ブラック:10%の酢酸:40%のメタノールによる染色後に同定した。個々に染色 されたタンパク質バンドを含む膜を切除し、N末端配列または内部配列分析のた めにロックフェラー大学タンパク質配列決定センターに提出した。 ウサギ抗CBP抗血清の調製。 抗血清を実施例1に記載された方法に従ってHRPIn c(デンバー、PA)により生成した。 cbpAのクローニング及び配列決定。プラスミド調製、制限エンドヌクレアーゼ消 化、結合、E.coliへの形質転換及びゲル電気泳動を含むDNA技術は当業界で知 られている通常の操作に従った。 cbpAに関する初期DNA配列情報(配列番号24)をアンカードPCRにより生成 されたDNAフラグメントから得た。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によ り精製された精製タンパク質(配列番号25)の内部フラグメントの部分一次構造 から誘導された縮重プライマーを使用して、これらのフラグメントを生成した。 更なる配列情報を既知のフラグメントの末端領域の鋳型及びアンカード普遍プラ イマーで生成されたPCR生成フラグメントから得た。ジーン・アンプ・キット( パーキン・エルマー・セタス)を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行っ た。色素標識ジデオキシターミネーター化学を使用して、DNA配列決定をABI3 73DNA配列決定装置でPCRフラグメントについて行った。 CbpAのアミノ末端アミノ酸配列(配列番号1)に相当する縮重オリゴヌクレオ チドを調製した(5'GCTCTTNCTCGATGTCTCNGTNGCCAT3';センス)(配列番号22)。 アンチセンスオリゴヌクレオチド(AGCATAGTCTTCTTCGACTTGTTGATCATC)(配列番号 23)をPspAの内部配列に類似する内部アミノ酸配列(配列番号10)に従って調製 した。LM91全染色体DNAを既に記載されたようにして調製し、AmpliTaq DNAポ リメラーゼとともに提供された推奨に従って上記のセンスプライマー及びアンチ センスプライマー夫々1mMを含むPCR反応混合物に添加した(20ng)。PCRの30サイ クルを55℃でオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションにより行った。約600b pのDNAバンドをアガロースゲル電気泳動後にウルトラフリー-MCフィルターユ ニット(0.45mm、ミリポア社、ベッドフォード、MA)で単離し、Sau3Aで消化し、 ベクターpJDC9のBamHI部位につないだ。この混合物をE.coli DH5αに形質転換し 、インサートとともにベクターを含む単一組換えクローンを同定した。 更なる配列情報を既知のフラグメントの末端をベースとするプライマー及び染 色体DNAの制限酵素フラグメントに固定された普遍プライマーを使用する“ア ンカード”PCRにより生成されたフラグメントから得た。ヌクレオチド配列決定 を色素標識ジデオキシターミネーター化学を使用してABI 3373 DNA配列決定装置 で行った。 cbpA欠損突然変異体を挿入重複突然変異誘発によりつくった。最初に、cbpAの ヌクレオチド554-1196に相当する643塩基対DNAフラグメントをPCRにより生成 した。このフラグメントはアミノ酸155-372のコーディング領域を含む。このフ ラグメントのSauIIIA消化は201塩基対及び195塩基対の2種のフラグメントを生 じ、これらをアガロースゲルから単離し、pJDC9のBamHI部位につなぎ、E.coli(D H5α)に形質転換した。肺炎球菌のD39株または6B株に形質転換された単一形質転 換体並びにSPRU625(D39)及びSPRU632(6B)と称される2種の形質転換体を同 定し、これらはウェスタン分析によりCbpAを発現しなかった。サザン分析はSPRU 625中でcbpAを分断するベクターの染色体組込みを確認した(データは示されて いない)。HindIIIまたはEcoRVで消化された染色体DNAを電気泳動により分離 し、ハイボンド-N(アメーシャム)に2方向に移した。膜を製造業者により推奨 されたようにしてホースラディッシュペルオキシダーゼ(アメーシャ ムRPN 3000)で標識された643塩基対PCRフラグメントで探査した。 サザン分析を電気泳動分離染色体DNAについて行い、HindIII及びEcoRVで消 化し、ハイボンド-N(アメーシャム)に2方向に移し、製造業者により推奨され たようにしてホースラディッシュペルオキシダーゼ(アメーシャムRPN 3000)で 標識された600 bp PCRフラグメントで探査した。 バクテリア付着アッセイ。 ヒト型II肺細胞系A549(ATCC)を10%のウシ胎児血 清(シグマ)を補給した栄養混合物F12 Ham培地(シグマ、セントルイス、MO) 中で培養した。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC;クロンチクス、サンジエゴ、CA)を 培地M199(シグマ)中で培養した。集密で、細胞をトリプシン-0.05%のEDTA( シグマ)で継代培養のために調製した。付着アッセイについて、細胞をテラサキ 60-ウェル培養皿(ロビンズ・サイエンティフィック、サニイベール、CA)に移 し、更に24〜48時間培養して集密単層を形成した。ヒト細胞を活性化するために 、幾つかの単層をTNFα(10ng/mlで2時間;ベーリンガー−マンハイム)またはI L-1β(5ng/mlで4時間;シグマ)とともにインキュベートした。付着アッセイ の前に、単層を組織培養培地で2回洗浄することにより、培養液を除去した。 0.4または0.6のOD620のバクテリアを炭酸塩緩衝液(0.05Mの炭酸ナトリウム、 0.1Mの塩化ナトリウム)1ml中で洗浄し、同緩衝液中で再度懸濁させ、20分間に わたって暗所で室温(LO)でFITC(シグマ;1mg ml-1)で標識した。炭酸塩緩衝 液で3回洗浄した後、バクテリアを抗生物質を含まない培地M199中で再度懸濁さ せ、ウェル当たり5x107の肺炎球菌を30分間にわたって37℃で5%のCO2の存在 下でインキュベートした。単層をM199で5回洗浄することにより未結合バクテリ アを除去した後、細胞及びバクテリアを3分間にわたって2.5%のグルタルアル デヒド中で固定し、PBSで5回洗浄した。付着肺炎球菌をエピフルオレセンスの ためにIFDM-510フィルターを備えた倒立顕微鏡(ジアフォト-TDM;ニコン社、メ ルビル、NY)で目視でカウントし、100の肺細胞当たりの付着バクテリアの数と して表した。6-9のウェルに関する値を平均し、夫々の実験を3-6回行った。 真核細胞への付着に影響するCBPの混合物の能力を試験するために、単層を0.2 %のゼラチンで被覆された96ウエル皿(ファルコン)に塗布し、集密で15分間に わたって濃度の範囲(1μg〜1mg ml-1)のCBPの混合物とともにインキュベート するようにアッセイを改良した。洗浄後に、CBP処理単層を30分間にわたって5x 105肺炎球菌で攻撃し、洗浄し、付着を485nmの励起及び530nmの放出でサイトフ ルオーII(パーセプティブ)中で測定して蛍光強さとして定量した。 テラサキプレートを一夜にわたって100Mの6'シアリルラクトース-HSA、ラクト −N−ネオテトラオース-HSA、N−アセチルグルコサミンーβ1,4−グルコー ス-HSAまたはN−アセチルグルコサミン−β1,3−グルコース-HSA(ネオス社 、ホーシャム、PA)で被覆することにより、糖接合体への付着を評価した。ウェ ルを洗浄し、1x107のFITC標識肺炎球菌を30分間にわたって37℃で添加した。 未結合細胞をPBSで3回洗浄して除き、付着を上記のようにして目視で定量した 。夫々の糖接合体を3回の実験中に18のウェル中で試験した。 全身攻撃に対する受動保護。異系交配CFIマウスを制度的ガイドライン及びNIHガ イドラインに従って特定の無病原体条件下に収容した。被包肺炎球菌をC+Y培地 中で5時間増殖させ、PBS中で希釈した。10匹のマウスの二つのグループは腹腔 への注射により4.5x104cfuのD39の接種を受けた。バクテリア攻撃の1時間後に 、マウスの一つのグループはウサギ抗CBP血清を腹腔内に受けた(0.5ml、PBS中1: 10)。対照動物は前免疫血清を受けた。第二の実験を更に高い攻撃投与量で行い 、5匹のマウスの二つのグループは夫々8.4x104cfuの肺炎球菌を受けた。SIII による攻撃について、5匹のマウスのグループは未処理SIIIまたは30分間にわた って抗CBP抗血清とともにプレインキュベートされたSIII200cfuを腹腔内に受け た。SIIIは10末満のバクテリアのLD50を有する高度に毒性の株である。 鼻咽頭攻撃。 肺炎球菌による生後1〜5日のSDラットの鼻咽頭定着を、2種の 莢膜血清型2(D39)及び6B(P317)の分離株を使用して既に記載されたようにし て行った。夫々の実験について、リターをランダム化し、肺炎球菌の株当たり10 匹の子犬のグループに分けた。夫々の子犬は親株(D39またはP317)またはcbpA中 に特定の突然変異を含む同質遺伝子突然変異体のPBS 10ml中104cfuの等しい鼻内 接種を受けた。追加の対照として、表面IgA1プロテアーゼ遺伝子、iga中に分断 を含む同質遺伝子株(P354)を使用した。定着を接種後の24時間及び120時間で評 価した。回収したバクテリアの正確な評価を保証するために、鼻洗浄液からの液 体を連続希釈し、塗布し、コロニーカウントを測定した。結果を夫々のグループ の幾何平均±標準偏差(n=20)として表す。 結果 CBPの特性決定。 実施例1のようにして、コリンアフィニティーマトリックス をバクテリアのpspA欠損株とともにインキュベートし、続いて細胞を溶解し、ビ ーズを高塩溶液で処理して非特異的結合物質を除去し、CBPを10%のコリン溶液 で溶離することにより、CBPの混合物を調製した。CBP、LytA(ムラミダーゼ)を ウェスタン分析による分取かつ分析操作により追跡し、陽性対照として利用した 。CBP製剤の電気泳動分析は45kDaより大きい少なくとも8種のタンパク質を示し た。112kDaの見掛分子量を有するタンパク質が最も多量であった。ムラミダーゼ 、LytAは36kDaの分子量で製剤中に存在し、その技術の特異性を確認した。 CBPのこの混合物が保護抗原を含むか否かを測定するために、ポリクローナル 抗体をCBP混合物に対して産生し、LD50より1000倍大きい濃度のバクテリアによ る腹腔内攻撃からマウスを受動的に保護する能力について試験した(図16A)。前 免疫血清を受けた動物のうちの9匹が抗CBP抗血清を受けた動物とは対照的に3 日で死亡した。2倍高い接種を使用する第二の実験において、前免疫処理した動 物の100%が1日で死亡し、一方、全ての抗CBP処理動物は6日生存した。次いで 抗血清を異種莢膜型(型3)により誘発される敗血症に対する保護について試験 した。腹腔内のSIII単独または前免疫血清と一緒のSIIIを受けた全ての対照マウ スは2x104cfu/mlから1x107cfu/mlまでのバクテリア密度の広範囲で24時間で菌 血性であった。対照的に、抗CBP血清または抗型III血清とともにSIIを受けた動 物は血液1ml当たり104未満のバクテリアを示した。この相違は36時間及び48時間 の生存に反映された。対照動物の半分が48時間までに死亡し、一方、抗CBPまた は抗型III抗体の動物のいずれもが同時間間隔中に死亡しなかった。 保護は最終的に解消され、全ての動物が処理にもかかわらず72時間までに死亡し た。 CBP混合物が付着因子を含んでいるかもしれないことを測定するために、CBP混 合物を内皮細胞及び上皮細胞への肺炎球菌の付着を抑制するその能力について試 験した。CBPと一緒の真核細胞のプレインキュベーションは上皮細胞への付着の 約50%の減少及び内皮細胞への付着の80%より大きい減少をもたらした(図17A) 。この現象は約60μg/mlのCBPを必要とする半最高活性で投薬量依存性であった (図17B)。 CBPの混合物が潜在的な保護抗原及び付着リガンドを含むという指示に基いて 、個々のCBPを更に研究した。生物活性CBP、肺炎球菌表面への特異的局在化及び ヒト回復期抗血清及び保護抗CBP血清との反応性に重要である特徴を探究した。 無傷肺炎球菌をFITCで標識し、次いでCBP分別にかけた。SDS-PAGE及び抗FITC抗 体を使用するウェスタンブロット分析は全細胞製剤及びCBP製剤の両方中にFITC で標識された4種のタンパク質を示した。これは天然バクテリア中の肺炎球菌細 胞外環境へのCBPのこのグループの接近と合致する。5種のCBPがヒト回復期抗血 清と反応し、その112kDaバンドを全肺炎球菌からの製剤中で顕著に標識した。こ の同じパターンが抗CBP抗血清を使用して生じ、その抗血清は無傷肺炎球菌及びC BP製剤中で112kDaバンドを顕著に標識した。 肺炎球菌表面への112kDaバンドの局在化並びに回復期抗血清及び全バクテリア または記載されたCBP分別操作から調製された保護ウサギ抗CBP血清とのその強い 反応性の結果として、112kDaタンパク質がCBP混合物の主要なタンパク質成分で あることが測定され、こうしてCbpAと称された。 cbpAのクローニング及び配列分析。CbpAの直接N末端アミノ酸分析はあらゆる公 表されたデータベースのタンパク質との類似性のない特異な配列(配列番号1) を明らかにした。対照的に、内部配列(配列番号10)はCBP、PspAの内部配列と 同じであった。pspA欠損株がcbpAを同定するのに使用されたので、この結果はps pAの遺伝子転移のための人工物ではなかったが、おそらく特異な5'コーディング 領域及びpspAと同様の3'コーディング領域を含む遺伝子に相当した。PCRに基 く戦略を使用して、cbpAをクローン化し、配列決定した。5'領域に特異なプロー ブを使用するサザン分析(実験操作の節を参照のこと)はLM91染色体中にcbpAの 唯一のコピーを示した(データは示されていない)。 cbpAの誘導タンパク質配列の分析は明らかな幾つかの特異な性質をもたらした 。cbpAは71kDaの見掛分子量を有する630aaのタンパク質である。これはSDS-PAGE によるその移動特性に基いて計算された分子量(112kDa)とは異なる。通常のN末 端シグナル配列の存在はSecA依存輸出を意味する。タンパク質は二つの異なるド メインを有する。N末端領域(1-340)は公表されたデータベースに入力されたタ ンパク質に対し明らかな類似性を有しない。ガニエール−ロビンソン分析は残基 10-350から6のαらせん領域を予測した。この同じ領域中の50aaより大きい長さ の5の超らせん構造が対コイルアルゴリズムで予測された。対照的に、C末端領 域(341-360)はPspAとほぼ同じである(>95%)。この類似性は相当するヌクレオチ ド配列に拡張する。共通の特徴はプロリンに富む領域(340-370)及びコリン結合 タンパク質の標示であるコリン結合モチーフに相当する20aa(381-584)の10のタ ンデム、直接反復配列である。 表現型変化及びコリン結合タンパク質の発現。 肺炎球菌の不透明変異体及び透 明変異体はCBP LytAの発現の相違を有することが示されたので、CBPの発現を抗C BP血清を用いて非莢膜形成株(R6x)の不透明変異体と透明変異体の間で比較した 。全てのバンドが両方の表現型中に存在したが、幾つかのバンドが不透明細胞型 と透明細胞型の間で異なった。透明生物は既に実証されたようにかなり多量のLy tAを有していた。加えて、透明変異体は増大された量のCbpA及びPspAを発現した 。対照的に、不透明肺炎球菌は更に多くのPspAを有していた。これらのデータに おいて、70kdと90KDの間の少ないバンドはPspA及びCbpAの分解生成物であること が明らかであった。コリンの存在にもかかわらず、約50kDaのタンパク質が透明 生物中に存在し、これがCBPではないことを示唆した。追加の対照として、これ らのCBP、LytA及びPspAの同一性を相当する遺伝子中に欠損を有する突然変異体 から得られた物質中のこれらのバンドの不在により確認した(データは示されて いない)。 CbpA-突然変異体の機能分析。 CbpAにより影響され得る生物活性を評価するた めに、遺伝子突然変異体を種々のアッセイで構築した。 半合成培地中の2種のCbpA-突然変異体の増殖速度は野生型と等しく、透明集 合変異体から不透明集合変異体への表現型変化の割合は親株から変化されなかっ た(データは示されていない)。また、肺炎球菌のその他の生理学的性質は、ス トレプトマイシン耐性マーカーのDNA形質転換の効率、静止期中の溶解、及び ペニシリン誘発溶解を含み、変化されなかった(データは示されていない)。 莢膜血清型2cbpA欠損突然変異体をヒト肺上皮細胞及び内皮細胞並びに糖接合 体に付着する能力について試験した。突然変異体は親株レベルの約80%に付着し た(図18A、B)。 これはこれらの真核細胞のレセプターであることが知られている糖である固定 化GalNAc-β1,4-Gal及びGalNAc-β1,3-Gal(Cundell)に付着する2種の株の均 等な能力と一致した(図18C)。しかしながら、親と突然変異体の間の付着の相違 がサイトカイン活性化細胞で検出された。サイトカイン活性化細胞への親株の付 着は静止細胞値の約135%に増大した。対照的に、cpbA欠損突然変異体の付着は 肺細胞または上皮細胞のいずれについても増大しなかった(図18A)。サイトカイ ン活性化細胞への付着のこの欠損はサイトカイン活性化細胞の肺炎球菌のレセプ ターであることが知られている精製糖接合体(シアル酸及びラクト−N−ネオテ トラオース、LnNT)への突然変異体の付着の不在と一致した(図18C)。 肺炎球菌伝播の乳児ラットモデルを使用して、ヒト上皮細胞への付着を媒介す るCbpAの能力が鼻咽頭に定着する肺炎球菌の能力と相関関係があることを測定し た。この動物モデルにおいて、肺炎球菌は少量の鼻内接種後の多くの日にわたっ て高レベルで粘膜表面に存続する。莢膜血清型2株及び同質遺伝子iga欠損突然 変異体(IgA1プロテアーゼは別の表面タンパク質である)である対照とは対照的に 、cbpA欠損突然変異体は乳児ラット鼻咽頭に定着するのに100倍より大きく有効 ではなかった(図19)。莢膜血清型6B株(P317)及び同質遺伝子cpbA欠損突然変異 体を比較して、同様の結果を得た。親株で攻撃した動物について24時間における 鼻洗浄液中の平均バクテリア力価は3.1x104cfu/ml(n=9)であった。対照的 に、6BcbpA-欠損株で攻撃した10匹の子犬のうちの6匹が検出できるバクテリア を宿しておらず(検出限界100cfu/ml)、2匹の子犬が100cfu/mlを宿しており、2 匹の子犬が200cfu/mlを宿していた。 鼻咽頭で得られた結果とは対照的に、ビルレンスの有意差が莢膜血清型2、cpb A欠損突然変異体による肺炎球菌誘発敗血症のモデルで検出されなかった。 検討 CBP表面タンパク質の特異なファミリーを研究するために、逆遺伝的アプロー チを開発し、それにより固定化コリンマトリックスを使用して無傷肺炎球菌から CBPを選択的に捕獲した。pspA欠損突然変異体LM91をCBPの源として選んで遺伝子 産物の精製を避けた。コリンマトリックスに保持されたタンパク質の精製及び電 気泳動分析は少なくとも8種のCBPを明らかにした。この混合物の幾つかの重要 な性質を発見した。CBP混合物の抗血清は、CBPが誘導された莢膜血清型2株によ る攻撃に対しマウスを保護した。加えて、抗血清はバクテリアのレベルを減少し 、異種の高度に毒性の血清型3株で攻撃されたマウスの生存を延長した。このよ うな交差保護は、幾つかのCBPが血清型間で保護エピトープを共有し得ることを 示唆する。 保護活性を有する抗血清を生じることに加えて、CBP混合物は肺上皮細胞及び 血管内皮細胞に直接適用された時に肺炎球菌付着を抑制した。これらの細胞は肺 炎球菌感染症(NEJM)の部位における肺炎球菌付着のin vitroモデルである。これ は、CBPがヒト細胞のレセプターに結合し、それによりCBP媒介バクテリア付着を 阻止することを示唆した。付着の損失をもたらす直接のCBPヒト細胞相互作用の 実証は、バクテリア付着に影響するものと遺伝子研究で同定された全てのその他 の肺炎球菌タンパク質からCBPを区別する。これらのその他の要素の損失が付着 するバクテリアの能力を低下するが、それらが構造付着因子の主要な特徴である 付着の競合的抑制を示すという指示がない。CBP混合物のこれらの付着特性及び ビルレンス特性が個々のCBPの更なる分析を促した。 CbpAを更なる研究のために選んだ。何となれば、それが混合物中で最も多量の CBPであり、それが表面露出され、全バクテリア及びCBP調製中の精製後の両方 で、ヒト回復期抗体及びマウス保護抗CBP血清の両方と強く反応したからである 。配列は71kDAの分子量を予想するが、タンパク質はSDS-PAGEで112kDaの見掛質 量で移動し、その差異がまた別のCBPであるPspAの特徴である。CbpAのコリン結 合ドメインはアミノ酸及びヌクレオチドレベルの両方でPspAのドメイン、ひいて はこれらの要素のキメラ遺伝子構造と同一であることが明らかである。2種のCB PのN末端ドメインは一次配列で非常に異なるが、それらは共通の構造特徴、例 えば、幾つかの大きいαらせん領域及び5つの超らせん領域を共有する。これは 、CbpA-bSPspA、トロポミオシン、トロポニン、及び連鎖球菌タンパク質のMタン パク質ファミリーの繊維タンパク質類縁体であり得ることを示唆するであろう。 CbpAのN末端ドメインはLnNT及びシアル酸を結合することができる一つまたは二 つのレクチンドメインを含むことが妥当と考えられる。このようなレクチンドメ インは株と血清型の間で保存して残るものと予想されるであろう。何となれば、 それらがビルレンスを保持するために標的ヒト糖接合体レセプターを結合する能 力を保持することが必要であるからである。この保存は抗CBP抗血清について観 察されたような種々の血清型間の交差保護に寄与し得る。 CbpAは不透明変異体と透明変異体の間の相転移と同時に起こる発現で変化する ことが明らかである。PspAの如き幾つかのCBPは不透明変異体で多量に発現され る。CbpAはLytAと同様に変化し、その結果、透明変異体が増大された量のこのタ ンパク質を発現する。不透明生物中の増大されたPspAの重要性及びこのCBPの機 能は知られていない。対照的に、透明形態によるLytA及びCbpAの増大された発現 は増大された付着及び定着と相関関係がある。定着におけるLytAの役割は実証で きなかった。対照的に、付着及び定着におけるCbpAの役割はcbpA欠損突然変異体 の分析により直接確認された。 肺炎球菌付着に関する2工程モデルが提案された。肺炎球菌は初期に真核細胞 の表面の表面糖接合体、例えば、GalNAc-β1,4-Gal及びGalNAc-β1,3-Galを結合 することにより宿主中の適所を標的とする。cbpA欠損突然変異体はこれらの細胞 または相当する糖接合体へのその付着性に影響されなかった。第二付着工程は侵 食をもたらすものと考えられ、ヒト細胞のサイトカイン活性化後に観察される。 新しい糖特異性が活性化細胞に現れ、増大された肺炎球菌付着をもたらす。 付着のこの第二レベルはバクテリア付着を抑制するシアル化糖接合体(6'SL)及び LnNTの能力により区別される。これらの糖は静止細胞のレセプター類縁体ではな い。cbpA欠損突然変異体はサイトカイン活性化細胞または固定化6'SL及びLnNTに 結合する能力を失った。肺炎球菌付着を抑制する精製CBPの能力と一緒に、これ らの結果は、CbpAが潜在的なレクチン活性を有する構造付着因子であり得ること を示唆する。サイトカイン活性化細胞は肺炎球菌細胞壁のホスホリルコリンを結 合し得る血小板活性化因子(PAF)レセプターを発現すると示唆される。ホスホリ ルコリンに付着されたCBPの存在はおそらくPAFレセプターへのホスホリルコリン 結合をマスクするであろう。肺炎球菌表面の遊離vsCBP結合ホスホリルコリン決 定基の相対数は知られていない。CbpA及びホスホリルコリンの両方が活性化ヒト 細胞への肺炎球菌結合に関与することが明らかである。 CbpAは肺炎球菌表面のタンパク質付着因子の最初の例に相当することが明らか である。それはおそらくN末端ドメインを介してC末端コリン結合リピート、及 びヒト細胞糖接合体により結合された細胞壁ホスホリルコリン間のブリッジとし て作用し得る。結合能力は活性化ヒト細胞に制限され、それ故、良性定着から侵 食への疾患の進行を進めるのに重要であり得る。これはまたCbpAが相変化を受け 、それが肺炎球菌の透明な定着上手な相変異体のマーカーであることを示唆する 結果と合致する。それ故、CBP、特にCbpA(CBP-112)はワクチン開発及び受動免疫 療法に魅力的な標的である。 本発明が種々の特別な物質、操作及び実施例を参照して本明細書に記載され、 説明されたが、本発明はその目的に選ばれた物質、及び操作の特別な物質組み合 わせに限定されないことが理解される。このような詳細の多数の変化が当業者に より理解されるように含まれる。 種々の文献が本明細書中に引用され、それらの夫々が参考として本明細書にそ のまま含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 39/09 38/43 39/395 D 39/09 N 39/395 R 45/00 48/00 45/00 C07K 14/315 48/00 16/12 C07K 14/315 C12N 1/21 16/12 C12P 21/08 C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 D 15/02 33/569 F C12P 21/08 33/577 B C12Q 1/68 C12N 5/00 B G01N 33/53 15/00 C 33/569 A61K 37/02 33/577 37/48 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,FI,J P,MX (72)発明者 ローズナウ カーステン アイ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト シックスティ サード ストリート 500 アパートメン ト 19シー (72)発明者 トゥーマネン エレイン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト シックスティ サード ストリート 430 アパートメン ト 12シー (72)発明者 ウィーゼマン テレーザ エム アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト シックスティ サード ストリート 504 アパートメン ト 120

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.連鎖球菌コリン結合タンパク質であって、そのタンパク質が連鎖球菌により 発現され、かつ下記の特徴: a)コリン結合活性、及び b)少なくとも約10%のコリンの存在下のクロマトグラフィーカラムからの溶離 を有し、但し、連鎖球菌コリン結合タンパク質がPspAまたは自己溶菌酵素(LytA) ではないことを条件とすることを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質。 2.c)宿主細胞へのバクテリアの付着を抑制すること、 d)感染された患者またはバクテリアによる感染から回復している患者からの血 清と反応性であること、 e)少なくとも約10%のコリン中の溶離によりコリンアフィニティーカラムから 単離された肺炎球菌タンパク質に対し産生されたウサギ抗血清と反応性であるこ と、及び f)連鎖球菌溶解を必要としないで(即ち、無傷バクテリア中で)フルオレセイ ンイソチオシアネート(FITC)により標識されること からなる群から選ばれた特徴の一つ以上を有する請求の範囲第1項に記載の連鎖 球菌コリン結合タンパク質。 3.ストレプトコッカス・ニゥモニエから単離される請求の範囲第1項に記載の 連鎖球菌コリン結合タンパク質。 4.112kDa、90kDa、84kDa、70kDa、及び50kDaからなる群から選ばれた少なくと も約10%のSDS-PAGEによる見掛分子量を有する請求の範囲第3項に記載の連鎖球 菌コリン結合タンパク質。 5.配列番号1−10、配列番号19、配列番号21及び配列番号25からなる群から選 ばれた部分アミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の連鎖球菌コリン結合 タンパク質。 6.検出可能な標識で標識された請求の範囲第1項に記載の連鎖球菌コリン結合 タンパク質。 7.配列番号19のアミノ酸配列を有する連鎖球菌コリン結合タンパク質。 8.配列番号25のアミノ酸配列を有する連鎖球菌コリン結合タンパク質。 9.請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の連鎖球菌コリン結合タンパク 質及び医薬上許されるアジュバントを含むことを特徴とするワクチン。 10.a)異なる連鎖球菌コリン結合タンパク質、 b)PspA、 c)自己溶菌酵素(LytA)、及び d)以上の一種以上のあらゆる組み合わせ からなる群から選ばれた抗原を更に含む請求の範囲第9項に記載のワクチン。 11.請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の連鎖球菌コリン結合タンパク 質及び医薬上許されるキャリヤーを含むことを特徴とする医薬組成物。 12.a)PspAまたは自己溶菌酵素(LytA)、 b)抗生物質、 c)コリン結合タンパク質が下記の特徴: i)コリン結合活性、及び ii)少なくとも約10%のコリンの存在下のクロマトグラフィーカラムから の溶離を有し、但し、連鎖球菌コリン結合タンパク質がPspAまたは自己溶菌酵素 (LytA)ではないことを条件とする、抗連鎖球菌コリン結合タンパク質ワクチン、 d)ステロイド、及び e)抗連鎖球菌ワクチン からなる群から選ばれた活性成分を更に含む請求の範囲第11項に記載の医薬組成 物。 13.コリン結合タンパク質が下記の特徴: i)コリン結合活性、及び ii)少なくとも約10%のコリンの存在下のクロマトグラフィーカラムから の溶離を有し、但し、連鎖球菌コリン結合タンパク質がPspAまたは自己溶菌酵素 (LytA)ではないことを条件とすることを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク 質の精製抗体。 14.請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の連鎖球菌コリン結合タンパク 質のモノクローナル抗体。 15.請求の範囲第14項に記載のモノクローナル抗体を産生する不死化細胞系。 16.検出可能な標識で標識された請求の範囲第13項または第14項に記載の抗体。 17.標識が酵素、蛍光を発する薬品、及び放射性元素からなる群から選ばれる請 求の範囲第16項に記載の抗体。 18.請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載のコリン結合タンパク質の抗体 及び医薬上許されるキャリヤーを含むことを特徴とする医薬組成物。 19.請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の連鎖球菌コリン結合タンパク 質、またはその少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントをコードする精製核酸 。 20.a)配列番号1−10、または19もしくは21もしくは25に示された配列を有する ポリペプチドをコードするDNA配列、 b)高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で(a)のDNA 配列にハイブリッドを形成するDNA配列、及び c)(A)または(B)の以上のDNA配列によりコードされたアミノ酸配列をコー ドするDNA配列 からなる群から選ばれたヌクレオチド配列を有するDNA分子である請求の範囲 第19項に記載の核酸。 21.請求の範囲第20項に記載の組換えDNA分子。 22.ヌクレオチド1から終止コドンTAAまで配列番号18に示されたヌクレオチド 配列を有する請求の範囲第21項に記載の組換えDNA分子。 23.配列番号24のコーディング領域に示されたヌクレオチド配列を有する請求の 範囲第21項に記載の組換えDNA分子。 24.DNA分子が発現調節配列に機能可能なように結合される請求の範囲第21項 に記載の組換えDNA分子。 25.請求の範囲第19項に記載の核酸から調製された別の種中の連鎖球菌コリン結 合タンパク質をコードする核酸についてスクリーニングすることができるオリゴ ヌクレオチド。 26.請求の範囲第24項に記載の組換えDNA分子で形質転換された単細胞宿主。 27.請求の範囲第24項に記載の組換えDNA分子を含むことを特徴とする核酸ワ クチン。 28.請求の範囲第1項に記載の連鎖球菌コリン結合タンパク質の存在の検出方法 であって、その連鎖球菌コリン結合タンパク質が a)連鎖球菌コリン結合タンパク質の存在または活性が疑われているサンプルを 結合パートナーへの連鎖球菌コリン結合タンパク質の結合が起こることを可能に する条件下で連鎖球菌コリン結合タンパク質の抗体と接触させ、そして b)結合がサンプルからの連鎖球菌コリン結合タンパク質と抗体の間で起こった か否かを検出することにより測定され、結合の検出がサンプル中の連鎖球菌コリ ン結合タンパク質のその存在または活性を示すことを特徴とする検出方法。 29.請求の範囲第1項に記載の連鎖球菌コリン結合タンパク質の遺伝子を有する バクテリアの存在の検出方法であって、 a)バクテリアの存在または活性が疑われているサンプルをその遺伝子へのオリ ゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションが起こることを可能にする条件 下で連鎖球菌コリン結合タンパク質遺伝子にハイブリッドを形成するオリゴヌク レオチドと接触させ、そして b)ハイブリダイゼーションがオリゴヌクレオチドと遺伝子の間で起こったか否 かを検出し、ハイブリダイゼーションの検出がサンプル中のバクテリアのその存 在または活性を示すことを特徴とする検出方法。 30.免疫有効投薬量の請求の範囲第9項に記載のワクチンを被験者に投与するこ とを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質を発現するバクテリアによる感染 症の防止方法。 31.免疫有効投薬量の請求の範囲第27項に記載のワクチンを被験者に投与するこ とを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質を発現するバクテリアによる感染 症の防止方法。 32.治療有効投薬量の請求の範囲第11項に記載の医薬組成物を被験者に投与する ことを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質を発現するバクテリアによる感 染症の治療方法。 33.治療有効投薬量の請求の範囲第18項に記載の医薬組成物を被験者に投与する ことを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質を発現するバクテリアによる感 染症の治療方法。 34.アミノ酸配列WQPPRARI(配列番号11)を有する15以下のアミノ酸残基のペプ チド、エノラーゼ、及びアミノ酸配列WQPPRARIに特異性の抗体からなる群から選 ばれたフィブロネクチンへの連鎖球菌付着のインヒビターを含むことを特徴とす る医薬組成物。 35.治療有効投薬量の請求の範囲第34項に記載の医薬組成物を被験者に投与する ことを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質を発現するバクテリアによる感 染症の治療方法。 36.フィブロネクチンへの連鎖球菌付着を抑制するヒンダード陽イオン小分子を 投与することを特徴とする連鎖球菌コリン結合タンパク質を発現するバクテリア による感染症の治療方法。 37.ヒンダード陽イオン小分子がリシン、コリン、及びアルギニンからなる群か ら選ばれる請求の範囲第36項に記載の方法。 38.ヒンダード陽イオン小分子がフィブロネクチンへのエノラーゼの結合を抑制 する請求の範囲第36項に記載の方法。 39.下記の特徴: a)コリン結合活性、及び b)少なくとも約10%のコリンの存在下のクロマトグラフィーカラムからの溶離 を有し、但し、連鎖球菌コリン結合タンパク質がPspAまたは自己溶菌酵素(LytA) ではないことを条件とするコリン結合タンパク質、コリン結合タンパク質の抗体 、エノラーゼ、ヒンダード陽イオン小分子、ペプチドWQPPRARI(配列番号11)、 及びアミノ酸配列WQPPRARI(配列番号11)を有するエピトープに特異性の抗体か らなる群から選ばれた付着抑制剤を肺に投与することを特徴とする連鎖球菌コリ ン結合タンパク質を発現するバクテリアによる感染症の治療方法。 40.ヒンダード陽イオン小分子がリシン、コリン、及びアルギニンからなる群か ら選ばれる請求の範囲第39項に記載の方法。
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