JP2000512131A - プリオン蛋白結合蛋白およびその使用法 - Google Patents

プリオン蛋白結合蛋白およびその使用法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、プリオン蛋白結合蛋白(PrPBPs)及びそれを用いた診断、治療及び除去方法を特徴とする。本発明はPrPBPの単離のための融合蛋白試薬を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 プリオン蛋白結合蛋白およびその使用法 発明の背景 本発明は、プリオン蛋白結合蛋白、核酸、およびその使用法に関する。 プリオン疾患は、急性進行性で致死的かつ治療不能な神経変性症候群である。 ヒトのプリオン疾患には、偶然汚染された非経口治療物質(死体から抽出される 下垂体ホルモン等)および移植された組織(角膜や硬膜移植片等)を介して伝染 されうるクロイツフェルト−ヤーコプ病(CJD)がある。現在までに、カナダ 赤十字は、後にCJDを発病したドナーや、家族にCJD患者のいるドナーによ る汚染の危険性があるとして、1200万ドルを越える血液製剤をカナダ市場か ら回収している。また北米では、英国のウシ海綿状脳症と同じく、ヒツジおよび ヤギのスクレイピーが一般的かつ経済的に重要なプリオン関連疾患である。ウシ 海綿状脳症はまた、人間の牛肉消費およびこれらの種からの生物学的産生品の調 製に対して、健康および経済の面で大きな意味をもつ。 プリオン疾患の病理学的特徴は、海綿状の変化(つまり通常は灰白質において 主に発生する脳の微細空洞化)、ニューロン細胞の損失、ニューロン細胞の損失 とは比例しない星状細胞の増殖、および時には脳の個別プラーク中の異常アミロ イド形成蛋白の蓄積である。プリオン疾患における神経変性は、アルツハイマー 症、筋萎縮側索硬化症、およびパーキンソン症等の他のより一般的な神経変性症 候群と同じある基本的メカニズムをもつ可能性がある。 これらの疾患を伝染させる物質は、感染物質中で核酸成分の化学的または物理 的証拠が複製可能に検出されていないため、ウイルスおよびウイロイドとは大き く異なる(Prusiner,Science 216:136-144,1982)。プロテイナーゼK消化を 利用したスクレイピー物質の精製方法により、スクレイピーに冒されたハムスタ ーの脳中にPrP27−30と呼ばれる27−30kD耐プロテアーゼ蛋白が発 見された(Bolton et al.,Science 218:1309-1311,1982)。PrP27−30 はスクレイピー物質の活性とともに精製され、その後、伝達可能物質の主たる (または唯一の)高分子であることが示された(McKinley et al.,Cell 35:57- 62,1983)。PrP27−30は後に、やはり疾患を伝染しうるスクレイピー物 質蛋白(PrPSCと呼ばれる)の33−37kD完全形の蛋白分解消化産生物で あると判断された。 PrP27−30のアミノ酸配列の一部を決定し、cDNAをクローニングす ると、この蛋白をコードする遺伝子は宿主に由来することがわかった(Oesch et al.,Cell 40:735-746,1985)。この細胞蛋白は正常な脳から単離され、PrPS C と異なりプロテアーゼに感受性であり、スクレイピー疾患を発生する活性とは 無関係である(Bendheim et al.,Ciba Found.Symp.164-177,1988)。感染粒 子関連のPrPSCは、正常細胞の前駆体PrPCに由来すると仮定される(Prusi ner,Science 252:1515-1522,1991)。近年、PrPCからPrPSCへの無細胞 PrPSCを触媒とした転化が報告されている(Kocisko et al.,Nature 370:471 -473,1994)。プロテアーゼ感応性の正常細胞アイソフォームであるPrPCは 、進化過程で保存されてきた未知の機能をもつ膜蛋白である。近年、グリコシル ホスファチジルイノシトール(GPI)結合された蛋白であるPrPCが、コン カバナリンA刺激(stimulation)によってT細胞の活性化を修飾することが示 されており(Cashman et al.,Cell 61:185-182,1990)、この蛋白の重要な機 能上の役割を示唆している。 種と種との間のプリオン疾患の伝染は、主にPrPアミノ酸配列によって決定 される「種のバリア」によって制限される。さらに、最近の形質転換(トランス ジェニック)実験でも、やはりプリオン物質の形成に参画する、PrPとは異な る種特異的な高分子の役割を示唆している。プリオン疾患をもつヒトの脳抽出物 を接種した、高レベルのヒトキメラPrPCを発現しているトランスジェニック マウスは、ヒトプリオンに耐性があった。ヒトプリオンに感染するのは、マウス のPrP遺伝子を切除した場合、またはヒト−マウスキメラプリオン遺伝子が発 現した場合のみであった。これらの発見は、ヒトよりもマウスプリオン蛋白に対 する親和性が高い種特異的な結合蛋白が存在する可能性を示唆している(Tellin g et al.,Cell 83:79-90,1995)。 現在のところ、感度の高い診断テストは市場にでておらず、またヒトプリオン 疾患の治療法もない。 発明の概要 本発明は、全般的には実質的に純粋なプリオン蛋白結合蛋白(PrPBPs) に関する。これら蛋白は、飽和可能なもしくは置換可能な形式でプリオン蛋白( PrP)に結合するという特徴を有している。好ましくは、この結合は高い親和 性を有し、その結果、適切な機能的な兆候を生じさせる。この適切な機能的兆候 の例としては、細胞増殖の阻止又は細胞死のレベルの上昇などである。以下に、 二つのPrPBPsについて述べる。これら蛋白はマウス細胞から単離されたも のであり、細胞表面蛋白である。これらPrPBPsをコードする遺伝子のクロ ーニング及び特徴決定について本明細書において述べる。他の好ましいPrPB Psは、哺乳動物、特にヒトや家畜又はペットなどの種類に由来することが好ま しいように思われるが、これに限られず、いかなる生物から由来する細胞又は組 織サンプルより単離されたものでもよい。 また本発明は、PrPBPsをコードする精製された核酸、ベクター、及びこ れら核酸を含む細胞、PrPBPsに対して特異的に結合する抗体及び組換えP rPBPを生産する方法をも含む。この方法は、PrPBPをコードするDNA を用いて細胞を形質転換して細胞内で発現するような位置に組み込み、そして、 形質転換した細胞をDNAが発現可能な条件下で培養し、最終的に組換えPrP BPを回収する。 これらPrPBPsはプリオン関連疾患と同様に非プリオン関連疾患の治療、 検出にも有用である。この非プリオン関連疾患は、例えば、例えば筋ジストロフ ィや異常な細胞増殖または異常な細胞死に関連した疾患で見られるような種々の 変異性症候群などである。これらPrPBPsはプリオンを含むことが明らかな 場合又は予想されるサンプルからプリオンを取り除くためにも役立つ。 本発明の他の側面としては、PrP部分とアルカリフォスファターゼ部分とを 含む融合蛋白質を包含している。好ましくは、この蛋白はPrPドメインの内、 結合活性と機能活性とをそのまま維持している。これらPrP−AP融合蛋白は 、細胞、組織、体液、他の生物学的サンプル中のPrPBPs又はPrPSCなど の ラベリング、検出又は同定のための有用な親和性試薬となり得る。 さらに、PrP−AP融合蛋白は細胞サンプル中のPrPBP蛋白の同定及び アフィニティ精製を行う際にも、また、PrPBP蛋白をコードする配列のクロ ーニングにも有効である。本発明に従った一つの特定の方法としては、細胞表面 にPrPBPsの発現が最も少ないというバックグラウンドを有するカエルの卵 母細胞を用いた方法である。この方法は、前記卵母細胞に、PrP−AP融合蛋 白に関連するcDNAライブラリの集合又は単離クローン由来のインビトロで転 写されたmRNAを注入する。そして、PrP−APが結合し得る蛋白を発現し ている細胞を同定し、これによってPrPBPをコードするcDNAクローンの 大まかな同定が可能となる。最終的にこれら細胞からcDNAを精製して、Pr PBPをコードする配列が回収されることになる。 また、本発明に関連する側面としては、生物学的サンプル中のPrPSCを検出 する方法及びキットに関する。好ましい形態としては、この方法は次の工程から 構成される。すなわち、(a)生物学的なサンプル中のPrPCを破壊する(こ の破壊する方法としては、例えば蛋白溶解性の変性を用いることができる)。次 に(b)この生物学的サンプルをPrPBPと接触させる。そして最終的に(c )生物学的サンプル中におけるPrPBPとPrPSCとの間で形成される複合体 を検出する。この複合体形成の検出は生物学的サンプル中にPrPSCが存在して いることを示す。この検出解析に使用されるPrPBPは、融合蛋白(例えばP rPBP−AP)、又はPrPSCと結合し得るPrPBPフラグメント又はその アナログである。好ましい形態においては、複合体形成は直接標識されたPrP BP(又はそのフラグメント、又はそのアナログ)を用いることによって検出さ れる。他の好ましい形態としては、複合体形成は、例えばPrPBP(又はフラ グメント、又はそのアナログ)に対する抗体を用いることによって間接的に検出 される。さらに他の好ましい形態としては、PrPSCの検出はPrPBP:Pr PSC複合体中における標識されたPrPSCが生物学的サンプル中に存在する非標 識PrPSCに置換される量を測定することによって検出される。 本発明のもう一つの関連する側面としては、生物学的サンプルからPrPSCを 取り除くための方法及びキットに関する。好ましい形態としては、この方法は次 の工程から構成される。(a)PrPBP(又はそのフラグメント、又はそのア ナログ)又はPrPBP融合蛋白と生物学的サンプルを十分な時間処理する。そ して、この処理により、PrPBP:PrPSC複合体を形成させる。(b)生物 学的サンプルからPrPBP:PrPSC複合体を回収する。こうした除去方法に おいては、生物学的サンプル(例えば、移植用に調整された細胞又は臓器など) にPrPBP(又はフラグメント又はそのアナログ)を混合して、PrPSCを回 収し又はPrPSCを不活性化をする。 他の形態としては、PrPBP(又はフラグメント又はそのアナログ)に結合 したPrPSCは抗PrP抗体によって検出してもよい。 PrPSCに結合するPrPBPsは、診断又は他の解析においてPrPSCの定 量を行う際に用いることもできる。 仮に、得られたPrPBPがPrPSCに対して結合せず、その代わりにPrPC にのみ結合する場合には、そのようなPrPBPは、PrPSCとPrPCとの双 方を含むサンプルからPrPCを取り除くために用いることができる。その後、 PrPSC、PrPC双方に結合し得る抗体を用いれば、サンプル中に残存するP rPSCを検出することができる。 本発明のさらにもう一つの関連する側面としては、動物(例えば、ヒト)にお けるプリオン疾患の治療又は予防方法に関する。好ましい形態としては、この方 法はPrPBP:PrPSC複合体形成を拮抗する物質、PrPCからPrPSCへ の転換を阻止する物質、又はPrPBP−PrPSC複合体に起因した生物学的活 性を抑制する物質を治療に効果的な量において動物に投与することを含む。さら に好ましいもう一つの形態は、この方法はPrPCからPrPSCへの転換を拮抗 する物質を治療に効果的な量において動物に投与する方法を含む。 もう一つの治療アプローチとしては、本発明は、動物におけるPrPBP:P rPSC複合体に起因した生物学的活性を抑制する方法が含まれる。好ましい形態 としては、この方法は、物質(例えば、PrPBPに対する抗体、PrPBP、 又はこれらのフラグメント又はそのアナログ)を動物に投与してPrPBP:P rPSC複合体相互作用を阻害することが含まれる。さらに、PrPBPsを用い た処置は、生体内における細胞毒性を有するシグナルの発生を阻止してPrPC とPrPSCとの相互作用を防止する。 本発明のもう一つの側面は、PrPBP(又はフラグメント又はそのアナログ )とPrPとの結合相互作用を低下させるための物質を同定する方法に関する。 好ましい形態としては、本発明は次の工程から構成される。すなわち、(a)P rPBPとPrPとを試験物質と混合する。(b)試験物質の存在下におけるP rPBPのPrPに対する結合量を測定する。そして(c)コントロールサンプ ルと比較して、試験物質がPrPBPのPrPに対する結合能を低下させるかど うかを同定する。 もう一つの治療的なアプローチでは、本発明は機能的に活性化されたPrPB Pを抑制することにより神経変性症候群を治療する方法に関する。好ましい形態 としては、この方法は、物質、例えば小さな分子のアンタゴニスト又はアゴニス ト、PrPBPs由来の細胞内シグナルの生成を阻止又は促進するペプチド又は 疑似ペプチドを動物に注入する。 特定の疾患、例えば神経変性疾患、ガン及び免疫学的疾患は、PrPBPの一 つであるカドヘリンとPrPCとの相互作用を増大又は減少させる分子を投与す ることによって治療され得る。例えば、カドヘリン全体又はカドヘリンのPrP 結合部位は内在のカドヘリンとPrPCとの相互作用を阻害するために用いるこ とができる。 さらに、神経変性疾患、ガン及び免疫学的疾患の治療に有用な物質は、選択さ れた試験物質がカドヘリンとPrPCとの間の結合を増大又は減少させるかどう かを決定することによって同定され得る。 上記において「プリオン蛋白結合蛋白」すなわち「PrPBP」には、「プリ オン蛋白」すなわち「PrP」と飽和可能な又は置換可能な形式で結合し得るい かなる蛋白をも含まれる。好ましくは、この結合は、通常の生理学的条件下にお いて「高親和性」であり、形態依存的である。本発明によるPrPBPsは、通 常の細胞の存在状態において、少なくとも一時の間、細胞表面上に発現されてい ることが望ましく、また、宿主細胞の細胞質、細胞質のオルガネラ又は核におい て常に又は一時的に自然の状態で発現されているものであってもよい。PrPB Psは特定の細胞、組織又は生物において、その蛋白のファミリーとして存在し ているものであってもよい。PrPBPsはいかなる生物(特にヒトのような哺 乳動物、又は家畜、例えばヒツジ、ウシ、ネコ及びヤギ)由来のものも本発明に 包含される。 ここで「高親和性」の結合とは、親和性定数(プリオン蛋白とPrPBPとの 親和性定数)が100μM以下、10μM以下、1μM以下、100nM以下、 好ましくは10nM以下、さらに好ましくは2nM以下又はちょうど1nMであ ることを意味する。 ここで「飽和可能な」結合とは、結合(プリオン蛋白とPrPBPとの結合) が特定の最大値に達した後はその増加が停止するような結合を意味する。こうし た結合は、一蛋白あたりの結合部位の数が限られ、また結合部位が特異的である ことを示す。これは、細胞表面に非特異的に付着する蛋白の特性、例えば非特異 的及び結合の増加が止まることがないという特性とは相反する結合である。 ここで「形態依存的結合」とは、通常の生理学的結合特性をそのまま残してい る蛋白のように翻訳後に正しく修飾され、折りたたまれ(ホールディングされ) 、輸送が行われている非変性蛋白において生じる結合を意味する。 ここで「拮抗的な(競合的な)」結合とは、競合する蛋白群の一つ(例えば、 PrP)が非標識の場合に、この非標識の蛋白の濃度が増加することにより進行 的に阻害されるような結合(プリオン蛋白とPrPBPの結合)を意昧する。 また、「プリオン疾患」とは、急性進行性、致死的な及び治療不可能な脳変性 疾患群を意味し、これらには、例えばクロイツフェルト−ヤーコプ病(CJD) 、クールー、ゲルストマン−ストラウスラー症候群及びヒトの致死的な家系性不 眠症(Prusiner、Science 252:1515−1522,19 91)、ヒツジ及びヤギのスクレイピー、及び畜牛における海綿状の脳障害、同 様に近年報告されている他の反芻動物や猫におけるプリオン疾患などが含まれる が、これらのものに限定されない。 「プリオン疾患の治療」とは、プリオン疾患に伴う症状の発生を減少、予防又 は遅延させることを意味する。このプリオン疾患に関連する疾患としては特に、 最終的に海綿状への変性、神経細胞の消失、星状細胞の増殖、PrPSC蛋白の増 殖及び痴呆、及び死に至らしめる種々の疾患が含まれる。 「実質的に純粋」とは、目的の物質が重量(乾燥重量)として少なくとも60 パーセントとなるように調整されていることを意味する。好ましくは、この調整 品は少なくとも75パーセント、さらに好ましくは少なくとも90パーセント、 最も好ましくは少なくとも99パーセントの重量パーセントとして目的物質が含 まれている。この純度は、いかなる適切な方法、例えばポリアクリルアミド・ゲ ル電気泳動法又はHPLC解析によって測定することもできる。 「精製されたDNA」とは、コーディング配列が、生物内の天然に存在するゲ ノムでは両端に(5’末端及び3’末端に)隣接している配列を直接隣接してい ないことを意味する。従って、この「精製されたDNA」には、例えば、組換え DNA)すなわちベクターに導入されたもの、自己複製可能なプラスミド又はウ イルスに導入されたもの、原核生物又は真核生物のゲノムDNA内に導入された DNAも含まれる。さらに、このDNAには、他の配列とは独立して単離された 分子(例えば、PCR又は制限酵素処理によって生成されたcDNA又はゲノム DNA)も含まれる。また、この「精製されたDNA」には、ポリペプチド配列 をコードする遺伝子の融合遺伝子の一部に含まれている組換えDNAが含まれる 。 「形質転換された細胞」とは、(ここで用いているものの例として)PrPB PをコードするDNA分子が組換えDNA技術によって導入された細胞(又は、 前記DNA分子がその祖先の細胞に導入された場合の子孫の細胞)を意味する。 「発現のために配置させる」とは、DNA配列の転写、翻訳を誘導するDNA 配列の近傍にDNA分子を配置させることを意味する(これにより、例えばPr PBPの産生を可能にさせる)。 「精製された抗体」とは、少なくとも重量として60パーセントの純度におい て、天然で関連している他の蛋白や自然に発生する有機分子から精製された抗体 を意味する。好ましくは、この調整品は少なくとも75パーセント、さらに好ま しくは少なくとも90パーセント、さらに最も好ましくは少なくとも99パーセ ントの重量パーセントである。この抗体は、例えばPrPBP特異的抗体である 。精製されたPrPBP抗体は、例えば組換え技術によって生成されたPrPB Pを用いたアフィニティ・クロマトグラフィや、スタンダードな技術を用いて得 ることができる。 「特異的な結合」とは、抗体が、天然の状態でPrPBPを含むサンプル、例 えば、生物学的サンプル中のPrPBPを認識し結合するが、他の物質は実質的 に認識せず又結合しないことを意味する。 「アルカリフォスファターゼ」とは、検出可能なシグナルを発生させ得る活性 を有するアルカリフォスファターゼ蛋白の画分のすべてを意味する。 上述したように本願発明は、プリオン疾患の診断及び治療のための二つの非常 に重要な効果をもたらす。第一に、本願発明はPrPBPsを同定及び単離する 際に用いることができるPrP融合蛋白を提供し、これにより、これらPrPB Psをコードする遺伝子又はcDNAをクローン可能とすることがである。特に 、一つの好ましいPrP融合蛋白は、アルカリフォスファターゼと融合させて作 られる。このPrP−AP蛋白は種々の効果を有する。例えば、PrP−AP蛋 白は、PrPの通常の形態に最小限の影響しか与えないため、PrPのPrPB Psに対する結合(及び、特に、高親和性結合)を維持できるという利点を有す る。また、このPrP−AP融合蛋白は、通常の細胞内のPrP機能を引き起こ させる活性を維持している。この点は、従来のPrP発現構築体に比べて非常に 有利な点である。おそらく最も重要な点としては、このPrP−AP融合蛋白は 、PrPBPsと特異的に結合可能であり、またに高親和性を有している。従っ て、この融合蛋白は、組織源からPrPBPsを取得又は単離する有用な親和性 試薬となり得る。また、これは新たなPrPBPsを同定する手段を提供するも のとなり、また、これら蛋白(例えば、ゲル上の新たな蛋白バンドとして存在す る蛋白)の迅速な精製を可能にする。ここで精製された蛋白は、cDNAのクロ ーニングやゲノムの配列のような蛋白のミクロ的な配列決定のために用いること ができる。一つの特定の技術としては、PrP−AP融合蛋白は、新たなPrP BPSの同定及びクローニングに用いることができる。この同定としては、cD NAライブラリ由来のインビトロで転写させたmRNAを用いてマイクロインジ ェクションを行ったカエルの卵母細胞をスクリーニングし、融合蛋白と特異的に 結合するクローンを選択する。このPrPBPによるスクリーニングの方法は、 次の点で有利である。通常では細胞内の発現レベルが非常に低く又は通常ではP rP−AP結合に利用し得ないPrPBPsの同定が可能になる。さらに、Pr P− AP融合蛋白は測定が容易な酵素であるアルカリフォスファターゼを含んでいる ことから、実験又は治療、診断条件においてPrPBPsの定量化又は視覚化を 行う道具として役立つ。 本発明のもう一つの重要な側面としては、プリオン蛋白と飽和可能な又は置換 可能な形式で結合するプリオン蛋白融合を提供する。これらPrPBPsは種々 の利点を有している。第一に、これら蛋白はPrPsと特異的に結合することか ら、これらを検出可能なマーカーで標識することにより、細胞、組織、又は生物 学的液体中のPrPSCの存在を分析する簡便な手段を提供し得る。また、標識さ れた場合には、これら蛋白は、PrPに結合する他の薬学的物質の同定を行うた めの薬剤(ドラッグ)スクリーニング・プロトコル(例えば、拮抗的(競合的) 結合解析)において用いることができる。このようなPrPSCに対する特異的な 又は飽和可能な結合親和性を有していることから、PrPBPsは感染した細胞 、組織又は生物学的液体を二次的な分離技術を通してPrPSCを回収するか、又 は体内におけるPrPSC活性の回復を中和することによって、治療するためのよ き候補となる物質を提供する。PrPBPsは、プリオン疾患に苦しめられてい る患者の治療に使用し得るという点においても、また利点を有している。例えば 、PrPBPs、ペプチド・フラグメント又はそのアナログを体内に注入するこ とにより、これらがプリオン蛋白群のいずれかと結合することによって、PrPC からPrPSCへの転換を抑制することに使用し得る。 本発明の他の特徴及び効果は詳細な説明からさらに明らかになり、またクレー ムにおいて明らかとされる。 図面の説明 図1Aは、ネズミのPrP−AP融合蛋白発現ベクターの概略図である。 図1Bは、分泌されたアルカリフォスファターゼを発現する対照プラスミドの 概略図である。 図2は、PrP−AP融合蛋白がPrPCおよびAP双方の免疫学上の決定基 を含むことを示す放射能写真である。APを発現するCMV/SEAPベクター (レーン1および2)またはPrP−APを発現するAPtagベクター(レー ン3および4)でトランスフェクトされた、35[S]−メチオニン標識されたC OS細胞の上清を、成熟蛋白のN末端の17のアミノ酸に対する抗APモノクロ ーナル抗体(レーン1および3)またはPrPウサギポリクローナル抗体を用い て免疫沈降を行った。各免疫沈降反応には等価AP活性を加えた。 図3は、PrP−APが、PrPCドメインを介して選択細胞系に特異的に付 着することを示す棒グラフである。これらの異なるマウス細胞系を60mmプレ ート(約100,000個の細胞)中で融合するまで培養し、3mlのCOS細 胞の検査上清を加えて室温で90分間インキュベートし、洗浄、溶解を行い、ア ルカリフォスファターゼの活性を判定した。結果は次の通りである。対照:疑似 トランスフェクトされたCOS細胞由来の調整済み媒体で、検出可能なアルカリ フォスファターゼ活性を含まなかった。SEAP:CMV/SEAP構築体でト ランスフェクトされたCOS細胞由来の上清で、対照と比べて表面結合をまった く示さなかった。PrP−AP:PrP−AP構築体でトランスフェクトされた COS細胞由来の上清で、表面結合を示した。SEAPおよびPrP−AP上清 は同じアルカリフォスファターゼ活性(1時間あたり約5000D単位)を含ん でいた。 図4は、APではなくPrP−APが「間接免疫蛍光」プロトコルによって細 胞表面分子を認識する様子を示す2枚の写真パネルである。G8細胞(マウスの 筋細胞系)をプロテアーゼを用いずに機械的に解離させ、PrP−AP蛋白また はAP蛋白でインキュベートし、洗浄し、抗APモノクローナル抗体でインキュ ベートし、洗浄し、フルオレセインイソチオシアネートでタグされたヤギの抗マ ウス免疫グロブリンでインキュベートし、洗浄し、蛍光顕微法で検査した。Pr P−APでインキュベートした細胞(左側のパネル)の蛍光信号は、APでイン キュベートした細胞(右側のパネル)と比較すると、PrP−AP融合蛋白のP rPドメインに起因する特定の細胞表面結合を示す。 図5は、PrP−AP結合がそのPrPCドメインを介して競合かつ置換可能 であることを示すグラフである。35mmプレート中のNIH 3T3細胞を、 上記と同じく、代謝的に35[S]−メチオニン標識されたPrP−AP構築体で トランスフェクトされたCOS細胞から得られた上清でインキュベートした。そ の後、細胞を洗浄し、溶解し、結合された放射能をβ計数法で定量した。35[S ]−PrP−APの結合は、いわゆる「コールド(放射能活性のない)」未標識 PrP−APの濃度増加によって進行的に競合されるが、同じ濃度をもつCMV /SEAPトランスフェクトされたCOS細胞由来のAPでは競合されない。 図6は、PrP−APに接触させたG8筋細胞系培養物中の細胞数の減少を示 す2枚の写真パネルである。複数の24ウェルプレート(well plates)中の姉 妹G8培養細胞を、APを25%v/v含むCOS細胞上清中またはPrP−A Pを25%v/v含むCOS細胞上清中で、3日間インキュベートした。PrP −APに接触させた培養細胞は、一貫してAPに接触させた培養細胞よりも濃度 が低く、PrPBP結合が細胞の成長または生存能力またはこの両方に影響する ことを示唆する。 図7は、クローン6のPrPBPの核酸配列(配列番号1)および推定アミノ 酸配列(配列番号2)である。 詳細な説明 PrP−AP融合蛋白を、PrPBPのマーカおよび「親和性試薬」として機 能するように構成した。新規のPrPBP群は選択マウス細胞系の表面上で検出 された。これらPrPBP群は、競合的、飽和可能、かつ形態依存的な形式で、 PrP−AP融合蛋白のPrP部分に高い親和性で結合した。PrP結合蛋白検出システムの作成 PrPBP検出システムを作成するために、プリオン蛋白部分とアルカリフォ スファターゼ部分とからなる可溶性組換え融合蛋白(PrP−APと称する)を 、ヒト胎盤から分泌された熱安定性のAPと、ネズミPrP遺伝子とをインフレ ームとなるように構成した(図1A)。ネズミPrPフラグメント(Locht et al .,PNAS 83:6372-6,1986;GenBank Accession #M13685)は、標準的PCRによっ てマウスの脳のcDNAから生成され、開始メチオニンから(従ってPrPリー ダ配列を含む)GPIアンカー付着信号配列の最初のArg229まで(従ってG PIアンカーの付着を回避する)の完全長のオーープンリーデンフレームが含ま れている。この配列の増幅に用いたPCRプライマーは、 5’AGA CAT AAG CTT GCA GCC ATC ATG GC G AAC CTT GGC 3’(前進プライマー)と、 5’GAG ATT GGA TCC TCT TCT CCC GTC GT A ATA G 3’(逆向きプライマー)とであった。 これらのプライマーは適切な制限サイト(前進:HindIII、逆向き:Ba mHI)を含むように設計された。これは、カセット挿入部位の下流にAP遺伝 子を含むAPtag−2発現ベクターのHindIII−BglIIサイト中へ 連結させる(Cheng and Flanagan,Cell 79:157-168,1994)ためである。PC R産生物がこのベクター中に連結されると、BamHI−BglII接合部は、 融合蛋白のプリオン部分とアルカリフォスファターゼ部分との間にGly−Se r−Ser−Glyリンカーが挿入される。APtag−2発現ベクターは、S V40複製起点とCMVプロモータとを含み、COS細胞中でベクターの増幅と 高レベルのタンパクの発現を可能にする。融合蛋白のAP部分にのみ結合する蛋 白を検出可能となるが、この検出を制御するために、本来のリーダ配列を有する APを、同様にCMVプロモータとSV40起点とを含むpCDNA1ベクター を用いて、発現させた(Invitrogen,San Diego,CA)。この構築体をCMV/ SEAPと名付けた(図1B)。PrP−AP融合蛋白はPrPCおよびAP両方の免疫決定基を含む COS細胞は、PrP−AP融合蛋白ベクターまたはCMV/SEAPベクタ ーのいずれかを用いて、標準的なDEAE−デキストラン技術によってトランス フェクトされた。PrP−APがトランスフェクトされたCOS細胞上清(図2 、レーン3および4)を、35[S]−メチオニンでインキュベートし、APモノ クローナル抗体を用いて(MIA 1801,human placenta;Medix Biotech,San Carl os,CA;lane 3)標準的技術(Antibodies,A Laboratory Manual,Harlow & Lan e,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,1988)に従って 免疫沈降させると、予想通り、97kDに顕著なバンドを示し、これはAPの存 在およびPrP−APの設計と一致する。PrPウサギポリクローナル抗体(Be ndheim et al.,Nature 310:418-21,1984;lane 4)を用いた同じ上清の免疫沈降 もまた97kDバンドを形成し、PrP−APトランスフェクトされたCOS細 胞系が、APおよびPrP抗体の両方と免疫反応する97kDを分泌したことを 示す。さらに、CMV/SEAPがトランスフェクトされたCOS細胞系上清( 図2、レーン1および2)も、上記と同じく35[S]−メチオニンでインキュベ ートし、抗AP抗体(レーン1)を用いて免疫沈降させると、予想通り67kD 蛋白を発現し、その分子量は融合蛋白の設計と一致し、該蛋白中のAPの存在を 示した。これら同一のCOS細胞系上清を、PrPに対するポリクローナル抗体 を用いて免疫沈降した場合、67kD蛋白は検出されず、CMV/SEAP蛋白 内にプリオン部分がないことを示した。 PrP−APおよびAPはともに、トランスフェクトされたCOS細胞におい て、上清1mlあたり約5μgの蛋白濃度で、発現かつ分泌され、どちらも同じ 上清AP活性を呈した(Cheng and Flanagan,Cell 79:157-168,1994で説明さ れた方法で測定)。トランスフェクトされなかった、または疑似トランスフェク トされたCOS細胞系は、AP活性または免疫検出可能なPrPCは含まなかっ た。このデータは、PrP結合蛋白の分布、機能、および分子特性の決定に使用 されるPrP−AP「親和性試薬」の構築および発現が成功したことを示す。選択細胞系表面上のPrPBPsの検出 PrP−AP蛋白が細胞上のPrPBPを検出可能かどうかを判断するために 、マウス、ヒト、霊長類および神経/神経芽細胞腫細胞系由来の数種類の異なる 細胞系を、60mmプレート(約100,000個の細胞)中で、DMEM/1 0%のウシ胎仔血清(FCS)存在下で融合するまで培養した。これらの細胞を リン酸緩衝溶液(PBS)で洗浄し、DMEM/5%FCSまたは疑似トランス フェクトされたCOS細胞系由来の調整済み媒体にPrP−AP融合蛋白または CMV/SEAP蛋白(すなわちPrP部分が欠如している)を含む3mlのC OS細胞系上清で、室温で75〜90分問インキュベートした。PrP−APト ランスフェクトされた細胞上清は、平均5000D単位/時間のAP活性を発現 し(Cheng and Flanagan,supra)、約5μg/mlのPrP−AP融合蛋白の 存 在を示した。その後、細胞を洗浄、溶解し、65℃で10分間加熱して、内在ホ スファターゼを不活性化し、アルカリフォスファターゼの活性を上記と同じく判 定した。特にAP活性の判定は、ELISAリーダ(EAR 400 AT Easy Reader, SLT Instruments,Austria)によって、リン酸p−ニトロフェニルから転換した 黄色い生成物を405nmで測定した。 3つの異なるマウス細胞系から入手した結果を図3に示す。NIH 3T3お よびL929細胞は、胚性繊維芽細胞から得た。G8細胞はミオブラストイド( myoblastoid)(筋の系統)である。 やはり陽性反応を示したのは、ヒト神経芽細胞腫系SK−N−SHおよびSK −N−MCならびにグリオーマ細胞系U87およびU373、ヒト腎臓内皮(H EK)細胞、霊長類COS細胞、マウスおよびヒト末梢リンパ球、ならびにマウ スおよびヒトの解離脳細胞であった。PrPBPはほぼ遍在し、上記に示す種に おいて制限的に観察された結合には見えない。しかし、これらは末梢赤血球およ びアフリカツメガエルの卵母細胞には存在しなかった。 PrP−APトランスフェクトされたCOS細胞の上清からのPrP−AP融 合蛋白でインキュベートした場合、熱処理したG8、NIH 3T3、およびL 929細胞系で高いAP活性が検出された(図3の「prpap」参照)。この 結果から、PrPBPはG8、NIH 3T3、およびL929細胞系の表面上 に豊富に存在し、PrP−AP融合蛋白由来のPrPと高い親和性で結合できる ことがわかる。これらのマウス細胞系を疑似トランスフェクトされた(つまりP rP−AP融合蛋白が存在しない、図3の「コントロール」参照)COS細胞の 上清からの調整済み培地でインキュベートした場合は、AP活性はほとんどまた はまったく検出されなかった。また、これらの細胞系をCMV/SEAPトラン スフェクトされたCOS細胞からの上清でインキュベートした場合もAP活性は ほとんどまたはまったく検出されず、G8、NIH 3T3、およびL929細 胞系中でAP活性の増加が検出されるのは、PrP−AP融合蛋白のAP部分に のみ結合する他の蛋白ではなく、特定のPrPBPが検出されるためであること を示す。これらの実験では、SEAPおよびPrP−AP上清は同じアルカリフ ォスファターゼ活性(1時間あたり−5000D単位)を含んでいた。筋細胞が PrPBPを高レベルで発現したことは、PrPCを過剰に発現しているトラン スジェニック動物中での筋細胞の選択的な弱さ(vulnerablility)と一致する( Westway et al.,Cell 76:117-129,1994)。 他の技術を用いてPrPBPを検出し、かつその細胞局在性を求めるために、 間接免疫蛍光法を用いて懸濁液中の細胞をPrP−AP融合蛋白で標識した。細 胞をプロテアーゼなしで機械的に解離し、ハンクス緩衝塩類溶液(HBSS)中 で粉砕し、PrP−APまたはAP蛋白で室温で60分間インキュベートし、氷 冷HBSS中で3回洗浄し、その後、抗APモノクローナル抗体(MIA 1801,hum an placenta,Medix Biotech,San Carlos,CA)で30分間氷上でインキュベート した。その後、細胞を4℃に保ち、再び洗浄し、蛍光イソチオシアネートに結合 されたヤギの抗マウスIgGでインキュベートし(Jackson Immunoresearch,Ph iladelphia,PA)、洗浄し、蛍光顕微鏡分析(Orthoplan蛍光顕微鏡上)または フローサイトメトリー(Facscan;Becton Dickinson,Oakville,Ontario,Canad a)によって検査した。 G8細胞(マウス筋細胞系)の蛍光顕微鏡分析の結果を図4に示す。PrP− AP蛋白でインキュベートした場合は、G8細胞の細胞表面がはっきりと標識さ れた(図4、左パネル)が、AP蛋白では標識されなかった(図4、右パネル) 。これらの結果は、G8細胞の細胞表面上に特異的なマウスPrPBPが存在す ることを示す。COS細胞、NIH 3T3細胞、およびL929細胞等の他の 細胞系も、G8で説明したのと同じ結果を示した。 G8および他の細胞系の表面上でPrPBPに結合するPrPの特定の部位を 同定するために、上記と同じ実験を行った。但し、ここではPrP蛋白の選択さ れたドメインに特異的なドメイン阻害抗体の存在下で行った。この目的のために 有用なドメイン阻害抗体には、PrPカルボキシ末端に特異的な抗体(「蛋白質 X」による種特異的な結合を決定すると仮定される、Telling et al.,Cell 83: 79-80,1995)、中間コドン領域96−176に特異的な抗体(PrPCからPr PSCへの認識−転換およびPrPCペプチドのアポトーシス特性に重要と仮定さ れる、Forloni et al,Nature 362:543-546)、ならびにアミノ末端オクタペプ チド反復領域(家族CJD中で顕著に現れる、Prusiner,Ann.Rev.Microbiol . 48:655-686,1994)に特異的な抗体などがある。結合ドメインの構造上の特徴 およびアミノ酸配列を用いて、PrPBPに高い親和性で結合する他の物質を形 成する。PrPBP結合の特徴 PrPBPがPrPに競合的な形式で結合するかどうかを判定するために、上 記で示したPrP−AP結合活性を有する細胞系中で、35[S]標識されたPr P−APを検査した。35mmの培養皿中で融合するまで成長させた細胞を、35 [S]−メチオニンで代謝的に標識されたCOS細胞の上清で、上記と同じくイ ンキュベートした。その後、細胞を洗浄、溶解し、結合した放射能をβ−計数法 で定量した。 NIH 3T3細胞についての結果を図5に示す。35[S]標識されたPrP −APによるPrPBPへの結合は、インキュベートさせる非標識のPrP−A P濃度を増加させることによって阻害され、標識されたPrP−APが非標識の PrPによって競合的に置換されることを示す。さらに、35[S]標識されたP rP−APによる)PrPBPへの結合は、CMV/SEAP融合蛋白から由来 したAPの濃度増加によっては阻害されず、結合が融合蛋白のAP部分ではなく PrP部分で起こっていることを示す。 PrPBPとPrPとの間の結合親和性、および所与の細胞個体群上に存在す る結合サイトの総数を求めるために、G8細胞を用いてChengおよびFlannaganの 技術(Cell 79:157-168,1994)を変形した技術に従って、スキャッチャード分 析を行った。PrP−APおよびCMV/SEAPでトランスフェクトされたC OS細胞の上清をAmicon限外濾過細胞中で濃縮し、その後、HBHA緩衝液(0 .5mg/ml BSA、0.1%NaN3、20mMのHEPES(pH7. 0)のハンクスの平衡塩類溶液)中で連続希釈した。リガンドの希釈シリーズで 平衡インキュベーションを行った後、細胞をHBHA中で十分洗浄し、溶解し、 上記で説明した結合AP活性を熱量測定的に解析した。Kd親和性調査のために PrP−APの結合量および総量を求め、Bmax判定(細胞ごとの結合サイト数 )をAPの特異的な活性から計算した(1pmolのPrP−APは、解析条件 下お よびインキュベーション期間中は約3OD単位に対応する)。精製した35[S] 標識されたPrP−APに特異的な結合量は、未標識のPrP−APとの競合か ら簡単に計算することができ、Bmax値は35[S]標識されたPrP−AP競合 調査のXインターセプトから計算できる。コンピュータプログラムLIGAND を用いて、スキャッチャードデータのグラフ化および分析を行った。G8細胞は 解離定数(Kd)1.48x10-9Mで−1x105のPrP−AP結合サイトを 有することがわかった。この高親和性結合は、特定の受容体−リガンド相互作用 と一致する。 PrPの形態がPrPBPへの高親和性結合にとって重要かどうかを決定する ために、35[S]標識されたPrP−APを100℃で5分間煮沸して、その形 態を分裂させた。この処理はNIH 3T3細胞への結合を完全に切断し、Pr P蛋白の形態がPrPBPへの高親和性結合に重要なことを示す。PrPとPrPBPとの結合は細胞増殖および生存力に影響するような生物学的 信号を形質導入する PrPBPの生理学的機能を求めるために、PrPBPを含むことがわかって いるG8筋細胞系をPrP−AP蛋白またはAP蛋白のいずれかでインキュベー トして、細胞の増殖を測定した。24ウェルプレート中の姉妹G8培養細胞を、P rP−APまたはAPを25%v/v含むCOS細胞上清中で3日間インキュベ ートした。2つの発現蛋白で3日間インキュベートした後、細胞を培養ウェル中 の8つの高出力フィールド中でカウントした。その結果、G8筋芽細胞系の自発 増殖は、APのみの場合(238±24.5細胞;p=0.002、Mann-Whitn ey nonparametic test)に比べて、PrP−APが存在した場合(64±9. 8SEM細胞)において、より抑制された。 定性的には、PrP−APに接触させたG8培養細胞は、APに接触させたも のに比べて、より小さく、位相が暗く(phase-dark)、未吸着の(unattached)細 胞を含んでいるように見え、増殖の低下はおそらく細胞死が増えたためであるこ とを示唆する(図6)。PrP−APに接触させたG8培養細胞中で観察された 細胞数の減少は、PrPのPrPBPへの結合は細胞増殖を阻害する信号また は細胞死を促進する信号を誘導することを強く示唆する。PrPBPの特徴 上述したPrPBPが本当に蛋白であることを証明するために、姉妹NIH3 T3培養細胞を0.25%トリプシンの存在下また非存在下で、カルシウムを含 まないHBSS中で30分間室温でインキュベートし、その後、PrP−APイ ンキュベーションを行い、上記と同じく結合されたAP活性を熱量測定分析した 。この比較的穏やかな蛋白質分解は、PrP−APの表面結合をバックグラウン ドレベルまで完全に解離させるのに十分であった(ペアードt−テスト(paired t-test)によってp<0.001)。これらの結果は、PrPBPは本当に蛋 白である、または少なくとも蛋白質のバックボーンに存在するという考えと一致 した。ライブラリの調製 2つのpcDNA3.1プラスミドライブラリを、以下のようにG8細胞から 調製した。すべてのRNAをTRIzol(GIBCO BRL)で抽出し、polyA +mRNAをOligotex dT(Qiagen)を用いて単離した。二重鎖cD NAの合成は、dTまたはランダムヘキサマープライマーのいずれかでTime Saver cDNAキット(Pharmacia)を用いて行った。その後、cDN AをT4 DNAポリメラーゼで末端を平滑化し、Bam HIオリゴをアダプ ターとして接合させ、S−500カラム(Pharmacia)上でサイズを細分画した 。その後、サイズが選択されたcDNAをpcDNAa中へ連結し、ライブラリ は標準的技術によって高効率のコンピテントE.Coli(Invitrogen)へエレ クトロポレートされた。プラスミドの調製、インビトロ転写、およびマイクロインジェクション 双方のpcDNA3.1プラスミドライブラリは、約0.5x106の独立ク ローンを含んでいた。PrPリガンドのmRNAの発現量は「中の下(low mode rate)」(転写産物の0.01%内)であり、この発現量より次のようなことが 予想された。すなわち、正方向の完全長cDNAが細胞中の対応するmRNAの ほぼ1/10の頻度でpCDNA3中でうまくクローニングされ得ると仮定する と、単独に陽性のクローンを同定するには、少なく見積って1〜5x105個の クローンの検査が必要と推定された。ライブラリをE.Coli中で増幅して、 それぞれ1,500〜2,000コロニー毎に集合(プール)体を形成した。各 集合はレプリカ平板法を行い、一方のフィルタはプラスミドDNAの成長および 調製に用い、他方は保存した。集合体由来のプラスミドは、プラスミドMIDI キット(Qiagen)を用いて調製し、mRNAはmMessage mMachine(Ambion,Aus tin TX)を用いて集合体からインビトロで転写されキャップされた。上記と同じ くアフリカツメガエルの卵母細胞を調製し(Seguela,P.et al.,J.Neurosci. 16:448-455,1996)、ナノリットル注射器(World Precision Instruments)を 用いて卵母細胞1個あたり50nL(75〜125ngのmRNA)をマイクロ インジェクション(微量注入)した。PrP−BPのクローニングおよび特徴決定 10〜20個の卵母細胞は500,000個分のG8細胞に相当するメンブレ ン領域を所有し、この上でPrP−AP結合を簡単に検出できると推定した。P rP−AP上清で4時間室温でインキュベートして卵母細胞のPrPBP発現を 注射後48時間モニターした。その後、卵をHBHAで6回洗浄した。細胞内皮 ホスファターゼを不活性化させる均一加熱を加熱ブロック中で65℃で行った。 AP緩衝液(100mMトリ−HCl、pH9.5、100mM NaCl、5 mM MgCL2)中で0.33mg/mlのNBTおよび0.17mg/ml のBCIPで0.5〜12時間インキュベーションして、結合AP活性を検出し た。 すべての注入シリーズには、ベクター(pcDNA3.1、Invitrogen)のみ を注入した卵からなるネガティブ対照と、ELF−1プラスミドクローン(Chan g et al.k,79:157-168,1994)から調製し、MEK−4−AP融合蛋白を用い て検出したmRNAを注入した卵からなるポジティブ対照とが含まれた。 33の集合(約660のアフリカツメガエルの卵母細胞を含む)をスクリーニ ングしたところ、どれも有意なPrP結合を示さなかったが、その後の34番目 の集合のPrP−AP結合が陽性であることがわかった。その後の集合体もPr P結合は陰性であった。集合34は、適切なストックバクテリア培養物を希釈し て、それぞれ約200のcDNAクローンを含む10の集合体に分別した。これ らのうち、もっとも高いPrP結合を示した集合群を選択して、1つの陽性クロ ーンが単離されるまでさらに分別を行った。結合活性をテストした32個のcD NAクローンのうち、クローン6がバックグラウンドに対して最高レベルのPr P−AP結合活性を示した。クローン7は並のPrP−AP活性を示した。配列決定 クローン6および7中のcDNAインサートを標準的方法で配列決定した。 相同性検索のために、BLASTネットワークサーバ(National Library of Medicine)を用いて、EMBLおよびGENBANK核酸データベースの最新版 を利用し、かつBLASTおよびBLITZネットワークサーバ(Heidelberg) の両方を用いて蛋白質データベースを調べた。 クローン6中のcDNAインサートは、プロトカドヘリン−43の一画分(プ ロトカドヘリン−43のアミノ酸67−252)をコードした。クローン6のこ の部分の核酸および推定アミノ酸配列を図7に示す。プロトカドヘリン−43は サノら(EMBO J.12:2249-2256,1993)に記載されている。プロトカドヘリン− 43の配列情報は、GENBANK L11373(プロトカドヘリン−43) で入手できる。 クローン7中のcDNAインサートは、OB−カドヘリン−1の一部分(アミ ノ末端カドヘリン反復)をコードしていた。OB−カドヘリン−1はオザキら( J.Biol.Chem.269:12092-12098,1994)に記載されている。OB−カドヘリン −1配列情報は、DBJ D21253(マウスOB−カドヘリン)およびSw issProt P55287(ヒトOB−カドヘリン)より入手できる。 一次および二次スクリーニング規準に合致するクローンが同定されると、一連 の実験を行う。例えばノーザンブロット分析を行って、ハイブリッド形成するm RNA種のサイズを明らかにしたり、またサイズの異なる複数の関連のある転写 産物写しがあるかどうかを判断する。異なる細胞、臓器、および種のノーザンブ ロット、ならびに異なる進化および疾患状態(特にマウススクレイピー)の組織 を用いるブロットは、PrPBPの細胞特異性および調節に関する重要な情報を 与える。細胞表面のPrP−AP結合とPrPBP発現との間の差は、PrPB Pを可溶性型として発現する細胞があることを示唆する。さらに、アミノ酸配列 を用いて、PrPBPに対する有効な抗体プローブの生産を容易にする免疫性配 列が同定される。また生理学的に適切なPrPBPの配列を同定することで、プ リオン疾患およびその他の神経変性疾患の理解をさらに深め、かつ相互作用を阻 害する小分子治療物の開発、またはこれらの疾患の治療としてこの形質導入分子 を不活性化させる様々な研究が可能となる。 または、PrPBSは、PrP−AP親和性カラムおよび標準的カラム精製技 術を用いて、PrPBP蛋白の精製によってクローニングしてもよい。有用なP rPBP源には、組織、細胞、またはメンブレンのホモジェネートがある。カラ ム単離の後、PrPBPの特徴を生化学的が決定され、分子量、pK、およびグ リコシル化等の特性についての情報を与える。さらに、この蛋白をミクロ的に配 列決定して、データベースの検索と、変性オリゴヌクレオチドおよび標準的なハ イブリッド形成スクリーニングまたはPCR増幅技術を用いるcDNAクローニ ングとを容易にすることができる。カドヘリン カドヘリンは初期においては、カルシウム依存性でホモフィリックな細胞間接 着分子であり、発生学的形成および組織の維持における細胞間認識および接着現 象にて、他のファミリーの接着分子(インテグリン、免疫グロブリンファミリー 接着分子、およびセレクチンを含む)と共同で作用すると認識されていた。 カドヘリンスーパーファミリーは、細胞外の「カドヘリンモチーフ」(約11 0個のアミノ酸を有する)の所有によって規定される多種の蛋白のグループであ る。「カドヘリンモチーフ」は、折りたたみ構造によって反復するドメインを有 し、免疫グロブリン折りたたみ構造と一部同様の三次構造的特徴を有する。それ と対照的に、カドヘリンの細胞質ドメインは著しく多様であり、これらの分子の 広く異なる機能を反映している。配列相同性分析からの示唆によれば、カドヘリ ンスーパーファミリーは、標準的カドヘリンおよびプロト(原形)カドヘリンの 、少なくとも二つのサブファミリーを含むと考えられる。他の見解によればカド ヘリンは、標準的カドヘリン、デスモソーム用カドヘリン、プロトカドヘリン、 およびカドヘリンに関連した他の蛋白の、四つの機能的サブグループに分けられ る(Suzuki,J.Cell.Biochem.61:531-542,1996)。 最初に認識されたカドヘリンは、E−カドヘリン(またはウボモルリン)であ り、発生の初期段階において、割球のカルシウム依存性の圧密化(compaction) に介在することが発見された。初期の標準的カドヘリンは全て、五つの細胞外カ ドヘリンドメインを有するホモフィリックな接着分子であった。このグループに はさらに、M−カドヘリン、N−カドヘリン、P−カドヘリン、およびR−カド ヘリンが含まれる。より最近に発見された標準的カドヘリン(これらによりサブ ファミリーを構成するかもしれない)は、カドヘリン5〜13を含む。これらの 新しい非典型的な「標準的」カドヘリンのいくつか(カドヘリン5および8を含 む)は、L細胞に形質導入されたときにはホモフィリックな結合作用を実施しな いようである。しかし同じカドヘリンは、細胞間の接触点にてカルシウム依存性 の局在化を示し、ヘテロフィリックなリガンドの存在を示唆する(Suzuki,J.Ce ll.Biochem.61:531-542,1996)。ホモフィリックな結合を示す標準的カドヘリン でさえも、ヘテロフィリックな結合リガンドを有すると考えられる。これは、イ ンテグリンαEβ7がE−カドヘリンと結合すること(Cepek,Nature 372:190- 193,1994)、および繊維芽細胞増殖因子がN−カドヘリンと結合することによっ て示唆される。 カドヘリンのヘテロフィリックなリガンドが、今後さらに多数同定される可能 性が高い。我々は、PrP−AP融合蛋白を検出試薬およびカエル卵母細胞の発 現システムとして用い、プリオン蛋白がカドヘリン蛋白にとっての新たなリガン ドとして作用することを実証した。 標準的カドヘリンの接着部位および特異性決定部位は、カドヘリンの最も多い N末端ドメインであるEC1に含まれると考えられている(Shapiro et al.,Nat ure 374:327-337,1995)。大多数の標準的カドヘリンの細胞質ドメインにおける C末端は、よく保全され、カテニンに対するそれらの結合を反映している。そし てそれにより、細胞の細胞骨格を表している(Ozawa et al.,1990,Hirano et al .,1992)。例外は、T−カドヘリン(カドヘリン−13)およびカドヘリン8の スプライスバリアントである。カドヘリン13は、膜貫通ドメインを有さず、プ リオン蛋白と同様に、グリコシル−ホスファチジルイノシトールの末端を介して 細胞表面に結合する。カドヘリン8は細胞によって、膜アンカ−手段が完全に欠 如した溶解性アイソフォームとして分泌されることがある(Suzuki et al.,1996 )。 プロトカドヘリンは、特徴づけが不完全な大きな蛋白グループであり、カドヘ リンの細胞外ドメインを有する点で、標準的カドヘリンとの相同性がある。しか し、特徴づけられたプロトカドヘリンは全て、五つより多くのカドヘリンドメイ ンを有するようであり、標準的カドヘリンのドメインEC3およびEC5との類 似が最も際立っている(Sano et al.,EMBO J.12:2249-2256,1993)。このように 、標準的カドヘリンのEC1結合モチーフは、プロトカドヘリンには含まれない 。当然の結果として、プロトカドヘリンのホモフィリックな接着作用は、この蛋 白ファミリーの全ての既知の蛋白によって実施されるわけではない。 プロトカドヘリンはまた、標準的カドヘリンのものとは異なる、多様な細胞質 ドメインを有する。このことは、プロトカドヘリンの特別な機能的役割を示唆す る。したがって、プロトカドヘリンは、現在知られていない新規のヘテロフィリ ックな分子に結合すると仮定されてきた。 カドヘリンの機能は、現時点では全ては解明されていない。いくつかの標準的 カドヘリンは明らかに、発生の細胞層分離および形態形成に関与している。N− カドヘリンは、軸索の伸長において重要な役割を果たす。カドヘリンはまた、成 熟した組織における細胞間認識の維持に関与する。さらに、転移ガンなどの、認 識が欠乏する疾病に関与すると考えられる。ベータカテニンのために、wntガ ン原遺伝子生成物と競合することから、腫瘍形成での役割が示唆される。天庖瘡 は、デスモソーム用カドヘリンの免疫認識が介在する自己免疫性疾患である。カ ドヘリンはさらに、神経変性疾患、筋肉疾患、および免疫学的疾患に関与する可 能性がある。プリオン蛋白のカドヘリンとの結合への関与は、プリオン蛋白のカ ドヘリン機能への作用、またはカドヘリンのプリオン蛋白機能への作用を、妨害 または促進する作用剤の開発につながる。PrPBPのPrPとの結合はカルシウム依存性である 標準的カドヘリンは、カルシウム依存性のホモフィリックな細胞間接着への関 与を通じて初めて認識された。さらなる研究により、カルシウムは接着相互作用 自体には必要ないが、カドヘリンの折りたたみ構造間のカルシウム結合部位と反 応することによって、その分子を細胞表面上でより堅固で安定したものにするこ とが明らかになった(Shapiro et al.,Nature 374:327-337,1995)。ホモフィリ ックな結合相互作用に関与しないカドヘリンファミリー構成物でさえ、カルシウ ムによって誘発されることによって細胞間接着点に局在化する(このことは、ヘ テロフィリックなリガンドへのカルシウム介在の結合を示唆する)。 最初にG8およびCOS細胞の表面上にて同定されたPrPBPが、カルシウ ム依存性結合というカドヘリン蛋白の主要な特徴を有するかどうかを更に調査す るために、以下の実験を行った。PrP−AP上清を2mMのEDTA(エチレ ンジアミン四酢酸)を用いて室温で2時間培養して、その培地内のカルシウムを キレート化した。並行して、集密的COSおよびG8細胞を、1mMのEDTA を含むPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)の中で5分間培養して、細胞を容器の 底から引き離した。続いて細胞を、DMEM5%FCS(ウシ胎仔血清)内で一 回洗浄した。コントロール細胞は、1.3mMのCaCl2および1mMのMg Cl2のみを含むHBHAの中で培養した。その間実験細胞は、1mMのEDT Aを含むPBSの中で室温で30分間培養して、その培地内のカルシウムを除去 した。第一のグループであるネガティブコントロール細胞は、ペレット状にして (pelleted)DMEM5%(PrP−APを含まない)の中に再度懸濁させた。 第二のグループであるポジティブコントロール細胞(培地にカルシウムが存在す る)、および第三のグループである実験細胞(EDTAで処理された)は、ED TA処理されたPrP−APの中で室温にて1.5時間再度懸濁させ、その後コ ールド(非放射性の)HBHA内で三回洗浄した。続いて、これらの細胞を前述 したとおりに溶解し、これらの細胞の上清におけるPrP−AP作用を検査した 。 カルシウムキレート化剤であるEDTAの存在下では、COSおよびG8細胞 の双方への結合は有意に減少していた(COSおよびG8細胞の双方において、 p<0.0001、N=6)。これは、最適な結合のためにはCa2+などの二価 の陽イオンの存在が必要であることを示す。PrPBPのPrPとの結合は、カルシウムに依存した、トリプシンに対する耐 性を示す カルシウムとの結合によって、いくつかのカドヘリンは、トリプシン消化から 保護される(Takeichi,J.Cell.Biol.75:464-474,1977)。これはおそらく、カル シウム結合が、プロテアーゼ感受性部位を遮断する構造的変化を誘発することに よる。 最初にG8およびCOS細胞の表面上にて同定されたPrPBPが、カルシウ ム存在下での蛋白質分解に対する耐性というカドヘリン蛋白の主要な特徴を有す るかどうかを更に調査するために、以下の実験を行った。集密的な(コンフルエ ントな)COSおよびG8細胞を、0.25%トリプシンおよび10mMのCa Cl2、もしくは0.25%トリプシンおよび1mMのEDTAを含むPBSの 中で、37℃で20分間培養し、その後DMEM5%FCS内で三回洗浄した。 1本のエッペンドルフチューブ(eppendorf tube)当たり約1×106個の細胞 が分布しており、これらの細胞をHBHA培地で二回洗浄した。細胞をPrP− AP上清を用いて室温で1.5時間培養し、その後コールドHBHA内で三回洗 浄した。続いて細胞を氷上で、50mMのトリス、150mMのNaCl、1% トリトン−X100、0.02%NaN3(pH8.0)の中に懸濁した。その 懸濁液を、マイクロ遠心分離した。上清は、加熱ブロック上で65℃にて12分 間均一に加熱し、内因性細胞ホスファターゼを不活性化した。結合APの作用が 、AP緩衝液(100mMのトリス−HCl(pH9.5)、100mMのNa Cl)5mMのMgCl2で、0.5から12時間)の中で、NBTおよびBC IPを用いて検出された。 Ca2+イオンの存在下では、PrP−APのCOSおよびG8細胞との結合は 、PrP−APを用いた培養に先立って細胞をトリプシン処理したにもかかわら ず保持された。Ca+2が不在の場合には、PrP−AP結合には有意の減少が見 ら れた(COS細胞においてp<0.001、G8細胞においてp<0.05、N =4)。このデータは、COSおよびG8細胞の表面上のPrPBP類が、Ca2+ の存在下ではトリプシンによる蛋白質分解から保護されるという、カドヘリン 分子の既知の特徴を示す(Takahashi et al.,Oncogene 8:2925-2929,1993)。し たがって、このデータは、PrPがカドヘリンファミリー構成物に結合するとい う見解を支持する。ヒトPrPBPの単離およびクローニング ヒトPrPBPは、マウスのそれに関して上述したと同様に単離できる。詳細 には、組換えヒトPrP−AP融合遺伝子は、マウスPrP遺伝子の代わりにク レッツシュマーら(Kretzschmar et al.DNA 5:315-324,1986)によって説明され るヒトPrP cDNAを用いて、本質的に上述のとおりに構築される。ヒトP rPフラグメントは、以下のプライマを用いてスタンダードなPCR増幅によっ て生成される: 5’AGA CAT AAG CTT GCA GCC ATC ATG GC G AAC CTT GGC 3’(前進プライマ);および 5’GAG ATT GGA TCC TCT CTG GTA ATA GG C CTG 3’(逆向きプライマ)。 続いてこのフラグメントは、APタグ−2発現ベクターの中へインフレームとな るようにクローン化される(Cheng and Flanagan,supra)。このベクターから発 現された融合蛋白生成物を用いて、上述のいずれかのアフィニティ技術によって (例えばヒトPrPBP産生細胞からの沈降によって)、ヒトPrPBPは単離 される。単離された蛋白が実際にヒトPrPBPであるかの検証も、上述のとお りに実施できる。 単離後、ヒトPrPBP蛋白はミクロ的に配列決定してもよい。このアミノ酸 配列は、ハイブリッド形成スクリーニングのためのオリゴヌクレオチドの設計に 使用してもよく、もしくはいずれかの適切なヒトcDNAまたはゲノムDNAラ イブラリーからのヒトPrPBPをコードする配列の増幅のためのPCRプライ マの設計に使用してもよい。 代替案としては、ヒトPrP−AP融合蛋白を使用して、pcDNA3.1ク ローニングシステムおよび上述の技術によって、ヒトPrPBPを発現するcD NAクローンを単離することができる。もしくは好ましくは、さらに他の代替技 術において、マウスPrPBPをコード化する配列(上述したもの)をプローブ として用いて、ヒトの脳cDNAライブラリーの、低減された緊縮条件下でのス クリーニングを実施する。ここでも、ハイブリッド形成プローブとしてマウスP rPBP配列を使用してもよいし、または異なる種間で保全されるであろうマウ スPrPBP配列の領域に基づいてPCRプライマを設計し、それをヒト配列の 増幅に使用することが可能である。PrPBP蛋白の発現 本発明によるPrPBPは一般的に、適切な発現担体に含まれる、PrPBP をコードするcDNAフラグメントの全体または一部を用いて、適切なホスト細 胞を形質転換させることにより生成される。 分子生物学の分野において知識を有する者にとっては、組換え蛋白を供給する ために、多様な発現システムのいずれを使用してもよいことは明らかであろう。 本発明にとって、厳密にどのホスト(宿主)細胞を使用したかは決定的事項では ない。PrPBPは、原核細胞ホスト(例えばE.coli)または真核細胞ホ スト(例えばSaccharomyces cerevisiae)例えばSf21細胞である昆虫細胞、 もしくは、例えばNIH 3T3、HeLa、または好ましくはCOS細胞であ る哺乳類細胞)において産生される。このような細胞は、多様な供給元から入手 できる(例えばAmerican Type Culture Collection,Rockland,MD;さらに、例 えばAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley &S ons,New York,1994を参照のこと)。形質転換または形質導入の方法、および選 択する発現方法は、選択したホストシステムによって決まる。形質転換またはト ランスフェクションの方法は、例えばAusubel et al.(supra)に記載されている 。発現担体は、例えばCloning Vectors:ALaboratory Manual(P.H.Pouwels et al .,1985,Supp.1997)に記載されたものから選択できる。 代替案として、PrPBPは、安定して形質導入された哺乳類細胞系によって 産生されることもできる。哺乳類細胞の安定した形質導入に適した数々のベクタ ーが、一般的に入手可能である。例えば、Pouwels et al.(supra)を参照された い。このような細胞系の構築方法も、例えばAusubel et al.(supra)などから一 般的に入手可能である。一例として、PrPBPをコードするcDNAは、ジヒ ドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子を含む発現ベクター内にクローン化さ れる。プラスミドの、およびそれに従ってPrPBPをコードする遺伝子の、ホ スト細胞の染色体への組込みは、細胞培養液に0.01〜300μMのメトトレ キセートを含有させること(Ausubel et al.,supraに記載されたとおり)によっ て、選択される。この優性選択は、多数の細胞の種類において実施することがで きる。形質導入された遺伝子のDHFR介在による増幅によって、組換え蛋白の 発現を増加させることができる。遺伝子増幅を担う細胞系の選択方法は、Ausube l et al.(supra)に記載されている。これらの方法は一般的に、培地中のメトト レキセートの含有レベルを徐々に増加させながら、長時間の培養を行う。本目的 で一般的に使用される、DHFRを保持する発現ベクターは、pCVSEII− DHFRおよびpAdD26SV(A)(Ausubel et al.,supraに記載されたと おり)を含む。上述したホスト細胞のいずれか、または好ましくはDHFRを欠 失(欠損)したCHO細胞系(例えばCHO DHFR-細胞、ATCC Accession No.CRL 9096)は、安定して形質導入された細胞系のDHFR選択、またはDH FR介在の遺伝子増幅のために好ましいホスト細胞である。 組換えPrPBPは発現させた後は、例えばアフィニティー・クロマトグラフ ィによって単離される。一例としては、抗PrPBP抗体(例えば本明細書に記 載したとおりに生成したもの)をカラムに付着させることにより、PrPBPの 単離に使用できる。アフィニティー・クロマトグラフィに先立って、PrPBP を保持している細胞の溶解および分別は、スタンダードな方法によって実施して もよい(例えばAusubel et al.,supra参照のこと)。 組換え蛋白は単離後、必要であれば、例えば高性能液体クロマトグラフィによ ってさらに精製できる(Fisher,Laboratory Techniques In Biochemistry And M olecular Biology ,eds.,Work and Burdon,Elsevier,1980参照のこと)。 本発明のポリペプチド、特に短いPrPBPフラグメントは、化学的合成によ っても生成できる(例えばSolid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.,1984 The Pierce Chemical Co.,Rockford,ILに記載の方法による)。 ポリペプチドの発現および精製に関する以上の一般的な技術は、有用なPrP BPフラグメントまたはそのアナログ(本明細書に記載のもの)の生成および単 離にも使用できる。抗PrPBP抗体 PrPBPに特異的な抗体を生成するために、PrPBPをコードする配列は 、そのC末端融合としてグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)を発現 させてもよい(Smith et al.,Gene 67:31-40,1988)。融合蛋白は、グルタチオ ンセファローズのビーズ上で精製され、グルタチオンで溶出され、トロンビンを 用いて(操作した分裂部位において)分裂され、そしてウサギを免疫感作するに 必要な度合いまで精製される。一次免疫は完全フロイントアジュバンドを用いて 実施され、続く免疫感作は不完全フロイントアジュバンドを用いて実施される。 抗体価の変化は、GST−PrPBP融合蛋白のトロンビン分裂されたフラグメ ントを用いて、ウェスタンブロット法および免疫沈降分析法によって監視される 。免疫血清は、CNBrセファローズが結合したPrPBP蛋白を用いてアフィ ニティ精製される。抗血清の特異性は、関連のないGST蛋白のパネルを用いて 判定される。 GST融合蛋白の代替または補助免疫原として、PrPBPの比較的ユニーク な免疫原性領域に相当するペプチドを生成し、導入されたC末端のリシンを通じ てKLH(keyholel impet hemocyanin)と結合させることができる。これらの 各ペプチドに対する抗原は、BSAに抱合されたペプチド上で同様に、アフィニ ティ精製される。特異性は、ペプチド抱合体を用いてELISAおよびウェスタ ンブロット法によって検査される。また、GST融合蛋白として発現したPrP BPを使用してウェスタンブロット法および免疫沈降法によって検査される。 代替案として、モノクローナル抗体を、上述のPrPBPおよびスタンダード なハイブリドーマ技術を用いて生成してもよい(例えばKohler et al.,Nature 2 56:495,1975;Kohler et al.,Eur.J.Immunol.6:511,1976;Kohler et al.,Eur.J.I mmunol.6:292,1976;Hammerling et al.,In Monoclonal Antibodies and T CellH ybridomas,Elsevier,NY,1981;Ausubel et al.,supraを参照のこと)。生成後、 モノクローナル抗体も、ウェスタンブロット法および免疫沈降分析法によって( Ausubel et al.,supraに記載の方法によって)PrPBP特異的認識が検査され る。PrPBPを特異的に認識する抗体が、本発明においては有用とされる。こ のような抗体は例えば、哺乳動物が産生するPrPBPのレベルを監視するイム ノアッセイにおいて利用できる(例えば、PrPBPの量または亜細胞性位置を 検出するため)。他の代替手順として、モノクローナル抗体は、上述のPrPB Pおよびフアージディスプレイライブラリーを使用して生成することができる( Vaughan et al.,Nature Biotech 14:309-314,1996)。 本発明の抗体は好ましくは、一般的に保全される領域外に位置し、電荷を有す る残基の高頻度の発生などを基準として抗原性を示すと思われる、PrPBPの フラグメントを使用して生成される。具体的な一例として、これらのフラグメン トはスタンダードなPCRの技術によって生成され、pGEX発現ベクター内に クローン化される(Ausubel et al.,supra)。融合蛋白はE.coli内に発現 され、Ausubel et al.に記載されるとおり、グルタチオンアガロースの親和性マ トリックスを用いて精製される。発生し得る問題である抗血清の低親和性または 特異性を最小限にする試みとして、各蛋白に対しこのような融合体を二つまたは 三つ形成し、各融合体を少なくとも二匹のウサギに注入する。抗血清は、好まし くは少なくとも三回の追加免疫注入を含む一連の注入により産生される。プリオン疾患検出アッセイ PrPBPは一般的に、プリオン疾患の検出または監視において有用である。 PrPBPは例えば、スタンダードな検出アッセイによって生物学的サンプル( 例えば組織生検または体液)内にPrPSCが存在するか否かの監視をするために 利用できる。ここで言う検出アッセイは、例えば標識されたPrPBP、標識さ れたPrPBP融合蛋白、または標識されたPrPSCなどの、検出可能に標識さ れた要素に依存する方法を含むが、それに限られない。本発明による検出アッセ イは、PrPSCの直接検出を含むことができ、または間接検出(例えば、Pr PBPをPrPに結合し、その後PrPBPに対抗させる第二の標識された抗体 を用いて、その複合体を検出することによる)を含むことができる。これらの検 出方法に使用するPrPBP(例えばマウスまたはヒトPrPBP)は、組換え によっていずれかの細胞内で産生されるが、ホスト細胞としてはCOS細胞が好 適である(例えばCullen,Meth.Enzymol.152:684-704,1988の方法によれば)。代 替案として、PrPBPは、PrP−AP蛋白およびスタンダードな技術を用い てアフィニティ精製によって単離できる。一つの特に好適な実施形態では、本発 明の検出方法において、溶解性PrPBP結合ドメインが発現され使用される。 他の好適な実施形態では、PrPBP結合ドメインは、マウスおよびヒトPrP BPコード化配列の双方を含む融合蛋白として発現される。これらの融合蛋白は 同様に、前述した検出方法で使用される。 一つの実施例においては、プリオン病原体を含むことが判明しているまたは疑 われている生物学的サンプルは、以下のように検査される。生物学的サンプルは 、スタンダードな技術に従いプロテアーゼで処理される(例えばPrusiner et al .,Science 216:136-144,1982に記載のとおり)。プロテアーゼ不活性化処理後に サンプルは、既知の濃度にて存在する、検出可能に標識されたPrPBP(また はフラグメントまたはそのアナログ)またはPrPBP融合蛋白のどちらかを用 いて培養される。そこで得られた複合体は、例えばフィルタ結合、免疫沈降法、 ゲル電気泳動分離、沈降、または濾過などによって単離または同定される。単離 された複合体は続いて、スタンダードな方法に従い分析され測定される。これら の検出アッセイにおいては、直接的または間接的に可視化されるいずれの適切な 標識を用いてもよい。これらの標識には、いずれの放射性、蛍光性、染色原性( chromogenic)(例えばアルカリフォスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシ ダーゼ)、または化学発光性標識、もしくは、標識されたハプテン特異的抗体ま たは他の結合物質(例えばアビジン)を用いて可視化されるハプテン(例えばジ ゴキシゲニンまたはビオチン)が含まれるが、それらに限られない。免疫学をベ ースにした解析が実施される場合、(上述の)PrPBPまたはPrP(Bendhe im et al.,Nature 310:418-21,1984)に対抗するよう生成されたポリクローナル またはモノクローナル抗体を、いずれのスタンダードなイムノ解析の形態(例 えば、ELISA)ウェスタンブロット法、またはRIA解析)にて使用でき、 それにより複合体形成を測定できる。このようなイムノ解析の例は、例えばAusu bel et al.,supraに記載される。適切なコントロールサンプルに比べて、標識さ れた複合体を高いレベルで含むと判定されたサンプルは、プリオン蛋白が存在し ていること、すなわちプリオン関連疾患の罹患を示している。 他の検出解析では、生物学的サンプル内のPrPSCは、固形支持体(例えばニ トロセルロース、イモビロン、アガロースビーズ、シアンに活性化されたアガロ ース、または組織培養ウェル)上で担持され、PrPBP(またはフラグメント またはそのアナログ)またはPrPBP融合蛋白による結合が検出される。代替 形態では、PrPBPまたはPrPBP融合蛋白は固形支持体に固定され、Pr PSCの結合が検出される。これらの解析形態では、上述のとおりいずれのスタン ダードな方法によって検出が実施されてもよく、例えば固形支持体に関与してい るPrPSCの検出は、前述のとおりPrPBPを用いて直接的または間接的に実 施される。代替案として、捉えられたPrPSC:PrPBP複合体内のPrPSC は、PrPSCに対抗する抗体を用いて検出できる(Bendheim et al.,Nature 310 :418-21,1984)。同様に、放射性または蛍光性マーカー、もしくは代わりにアル カリフォスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼを含む(がそれに限ら れない)酵素マーカーなどの、いずれかの適切な標識を使用できる。そして検出 は、染色原性または蛍光原性基質を添加することにより実施できる。 上記のように、PrPCと結合するがPrPSCとは結合しないPrPBPは、 生物学的サンプルからPrPCを除去することに使用できる。サンプル内に残存 するPrPSCは、例えばPrPSCおよびPrPCの双方に結合する抗体などの試 薬に結合させることにより定量できる。このように、PrPCと結合するがPr PSCとは結合しないPrPBPであっても、PrPSC用の解析において使用でき る。 さらに他の検出解析では、検出可能に標識されたPrPSCはPrPBPを用い て培養され、その後PrPSCを含むことが疑わしい生物学的サンプルと共に培養 される(もし所望であれば、プロテアーゼ処理後)。この結果得られた複合体は 、上述のとおり通常の方法に従って測定および定量化される。この解析形態では 、 コントロールサンプルとの比較で、PrPSC:PrPBP複合体内の標識された PrPSCの存在の減少が見られると、生物学的サンプル内にPrPSCが存在する ことを示すと理解される。それは、サンプル内の標識されないPrPSCが、複合 体内の標識されたPrPSCを競合的に置換するからである。プリオン除染 本明細書で説明する方法および構成は、プリオン蛋白による汚染が明らかな又 は疑わしい生物学的サンプルの除染に有用である。詳細に言えば、PrPBPは PrPSCに結合可能なため、生物学的サンプルをPrPBPと共に培養し、例え ば二次隔絶法(secondary sequestration)または分離法などのスタンダードな 方法を用いてPrPBP複合体を除去することができる。代替案として、単純に 、PrPBPを生物学的サンプルと共に培養し、PrPと複合させ、それによっ てPrPの影響を阻止してもよい。プリオン関連疾患および他の神経変性疾患の治療 本発明の方法および構成は、ヒトを含む哺乳類のプリオン疾患の治療および防 止手段を提供する。この治療は、例えばPrPBP:PrPSC複合体形成に関連 する生物学的事象を阻害、抑制、低減、または中和するアンタゴニストを用いて 動物を治療することによって、直接実施してもよい。このようなアンタゴニスト は、本発明の分子および機能的解析を用いて単離することができる。例えば本発 明は、PrPBP:PrPSC複合体の相互作用に拮抗可能な物質(例えばペプチ ド、小さな分子の阻害物質、または疑似体)を同定する手段を提供する。これら のアンタゴニストには以下を含むが、それに限られない:PrPBP;PrPSC と結合してPrPSCの生物学的作用を制限および不活性化するPrPBPフラグ メントまたはアナログ;抗PrPBP抗体;PrPBPと相互作用して、PrP BP−PrP複合体形成を阻止することにより、その複合体形成に起因する一連 の生物学的作用を妨害するPrP、PrPSC、またはPrPCのフラグメントも しくはアナログ;PrPSC、PrPBP、またはPrPBP:PrPSC複合体形 成に関連する生物学的作用を干渉および阻止し、例えば細胞抽出物、哺乳類血清 、 または哺乳類細胞が培養されている生育培地に存在する、薬学的物質を含むペプ チドまたは非ペプチド分子。 本発明に有用なアンタゴニスト分子には、以下を含む:高親和性をもってPr PSCに結合し、PrPSCを、PrPCからの更なる自身のコピーの補充が不可能 な状態にさせる能力を有するものとして選択された分子;高親和性をもってPr PCに結合し、それのPrPSCへの転換を阻止することが可能な分子;PrPCと PrPSCまたはその複合体との相互作用を阻止することにより、細胞毒性シグナ ルの生成を阻止することが可能な分子;隣接するPrPC発現細胞による溶解性 の毒性媒介物(例えば活性酸素類および腫瘍壊死因子)の生成を妨害することが 可能な分子;またはこれらの前述の機構のいずれかの組み合わせ。 例えばPrPBPである候補のアンタゴニストの効力は、プリオン蛋白と相互 作用する能力に依存する。この相互作用は、スタンダードな結合技術および機能 的解析(例えば本明細書に記載のもの)をいくつでも用いて容易に分析される。 一つの具体例として、候補のアンタゴニストは、インビトロでPrPSCとの相互 作用が検査される。候補のアンタゴニストの、PrPSCが介在する生物学的作用 を変調する能力は、本明細書に記載の機能的テストのいずれによっても分析でき る。 本発明においては、PrPBP:PrPSC複合体形成の減少、またはPrPB P:PrPSCが介在するインビトロでの生物学的作用の減少を促進する分子は有 用だと考えられる。このような分子は、例えばプリオン疾患の発生を治療または 防止する治療物質として利用できる。 テストアンタゴニストが生体内インビボでプリオン疾患の発生に対する保護を 供与するかどうかの評価は通常、このような疾患が発生すると知られている動物 を使用して行われる(例えば、Chandler,Lancet 6:1378-1379,1961;Eklund et al.,J.Infectious Disease 117:15-22,1967;Field,Brit.J.Exp.Path.8:129-239 ,1969)。適切な動物(例えばマウスまたはハムスタ)は、スタンダードな方法 に従ってテスト物質で処理される。そして、未処理のコントロール動物との比較 で、プリオン関連疾患の発病率の減少または発生の遅延が、保護を表す指標とし て検出される。テスト物質は、以前にプリオン病原体が注入された動物に投与 してもよい。またはその代わりに、プリオンおよびテスト物質を事前培養し、プ リオン/テスト物質混合物をテスト動物に注入することにより、テスト物質のプ リオン病原体を中和する作用を試験してもよい。プリオン疾患の治療または防止 に利用される分子(例えば上述のアンタゴニスト)は、「抗プリオン治療物質」 と称される。 本発明による抗プリオン治療物質は、薬学的に容認される希釈剤、キャリヤ、 または賦形剤と共に、投薬単位の形状で投与してもよい。例えば典型的な薬学的 実施手法を用いてもよく、それによりこのような抗プリオン治療物質を、プリオ ン疾患を患うまたはその症候を表す前段階にある、もしくはプリオン疾患の発生 の危険がある動物に投与するために適切な製剤または組成物を提供することがで きる。いずれの適切な投与の経路を使用してもよく、例を挙げると、非経口、静 脈内、皮下、筋肉内、頭蓋内、眼窩内、眼内、心室内、包(関節包)内、脊髄内 、(クモ膜下)槽内、腹腔内、鼻腔内、エアロゾール、または経口の投与が考え られる。 当業界で周知の製剤作成方法は、例えば”Remington's Pharmaceutical Scien ces”に記載される。非経口の投与用の製剤は例えば、賦形剤、滅菌水または塩 水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、野菜由来の油 類、もしくは水素添加したナフタレンを含むことが可能である。抗プリオン治療 物質の放出を制御するために、生物学的適合性があり生分解性のラクチドポリマ ー、ラクチド/グリコリドのコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキ シプロピレンのコポリマーを使用できる。抗プリオン治療物質の、他の本質的に 有用な非経口の放出システムは、エチレン−ビニルアセテートのコポリマー粒子 、浸透ポンプ、埋込み可能な注入システム、およびリポソームを含む。吸入用の 製剤は例えばラクトースなどの賦形剤を含んでもよい。または、例えばポリオキ シエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココレート(glycocholate)、およびデ オキシコレート(deoxycholate)を含む水溶液でもよい。もしくは、点鼻薬の形状 での投与のための油性溶液か、ゲル状であってもよい。 本発明の方法は、例えばヒト、家庭向きのペット、または家畜などのいずれの 動物においても、本明細書に記載の疾病を減少させるまたは防止することに利用 できる。ヒトでない動物の治療の場合、使用する抗プリオン治療物質は、その類 に特異的であることが好ましい。 他の実施形態 本発明は一般的に、PrP−AP融合蛋白を用いて本明細書に記載のとおりに 単離されるいずれのPrPBPをも含み、または上述のマウスPrPBPを用い て相同スクリーニングまたはPCR増幅によって単離されるいずれのPrPBP をも含む。同様に本発明には、結合作用を破壊しないように修飾されたPrP− AP融合蛋白およびPrPBPも含まれる(それらの結合作用は、例えば本明細書 に記載のとおりに検査される)。これらの変形は、特定の突然変異、欠失、挿入 、または翻訳後修飾を含むことができ、またはその蛋白(例えばPrPBP)を 更に大きな融合蛋白の一構成要素として包含することを伴うこともできる。 このように本発明は、他の実施形態においては、PrPBPポリペプチドと実 質的に同一であり、適切なPrP(例えば本明細書に記載のとおりに検査された もの)と結合するいずれの蛋白をも含む。このようなホモログ(相同体)には、 以下を含む:実質的に純粋で自然に存在する他の哺乳類PrPBPおよび対立遺 伝子バリアント;自然突然変異体;誘発変異体;高緊縮条件下で、または好適さ に劣るが低緊縮条件下(例えば、2X SSCで40℃にて、少なくとも40個 のヌクレオチドの長さのプローブを用いた洗浄)でマウスPrPBPのDNA配 列とハイブリッド形成するDNAに、コードされた蛋白;およびPrPBPに対 抗する抗血清に特異的に結合される蛋白。同じホモログという用語には、PrP BP部分を含むキメラポリペプチドをも含む。 本発明はさらに、自然に存在するいずれのPrPBPポリペプチドのアナログ を含む。アナログは、自然に存在するPrPBP蛋白とは、アミノ酸配列の相違 、翻訳後修飾、またはその双方によって異なることが可能である。本発明による PrPBPアナログは同様に、PrPに結合する性能を保持しなければならない 。本発明のアナログは一般的に、自然に存在するPrPBPアミノ酸配列の全体 または一部との、少なくとも85%、より好ましくは90%、最も好ましくは9 5%または99%の同一性を示す。配列比較の長さは、少なくとも15個のアミ ノ 酸残基であり、より好ましくは少なくとも25個のアミノ酸残基であり、さらに 好ましくは少なくとも35個のアミノ酸残基である。修飾は、ポリペプチドのイ ンビボ及びインビトロでの化学的誘導体形成をも含む。その化学的誘導体形成は 、例えばアセチル化、カルボキシル化、またはグリコシル化を含む。このような 修飾は、ポリペプチド合成またはプロセシングの間に、または単離された修飾酵 素を用いた処理に続いて実施され得る。アナログはまた、自然に存在するPrP BPとは、一次配列における変性によって異なることが可能である。これらの変 性には、自然の遺伝的バリアントおよび誘発された遺伝的バリアントの双方(例 えば、放射線照射またはエタンメチル硫酸(ethanemethylsulfate)の露出による ランダムな変異誘発、もしくはSambrook,Fritsch及びManiatisによるMolecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd ed.),CSH Press,1989またはAusubel et al.,supra に記載の部位特異的突然変異誘発から得られるもの)を含む。さらに変性 には、例えばD−アミノ酸残基、もしくは、βまたはγアミノ酸などの自然に存 在しない又は合成のアミノ酸であるL−アミノ酸以外の残基を包含する、環化さ れたペプチド、分子、およびアナログが含まれる。 ポリペプチド全体に加え、本発明はPrPBPフラグメントをも含む。本明細 書にて使用するとおり、「フラグメント」という用語は、少なくとも5個、好ま しくは少なくとも20個、より好ましくは少なくとも30個の連続的なアミノ酸 を意味し、さらに好ましくは少なくとも50個の連続的なアミノ酸、そして最も 好ましくは少なくとも60個から80個もしくはそれ以上の連続的なアミノ酸を 意味する。PrPBPのフラグメントは、当業者に知られている方法によって生 成され得るし、もしくは通常の蛋白プロセシング(例えば、発生期のポリペプチ ドからの、生物学的作用には必要のないアミノ酸の除去、もしくは、選択的mR NAスプライシングまたは選択的蛋白プロセシング事象によるアミノ酸の除去) から得ることができる。 本明細書に記載された全ての刊行物および特許出願を、各刊行物および特許出 願に対して個別に明確に引用して援用するとの旨を記した場合と同様に、本願に 引用して援用する。 他の実施形態は、請求の範囲内である。
【手続補正書】 【提出日】平成10年12月4日(1998.12.4) 【補正内容】 (1)明細書第12頁12行、第21頁17行に記載の「図7」を『図7A及び 7B』に補正する。 (2)明細書第13頁3行に記載の「(前進プライマー)」を『(前進プライマ ー)(配列番号3)』に補正する。 (3)明細書第13頁5行に記載の「(逆向きプライマー)」を『(逆向きプラ イマー)(配列番号4)』に補正する。 (4)明細書第27頁15行に記載の「(前進プライマ)」を『(前進プライマ ー)(配列番号5)』に補正する。 (5)明細書第27頁17行に記載の「(逆向きプライマ)」を『(逆向きプラ イマー)(配列番号6)』に補正する。 (6)明細書第38頁29行に記載の「請求の範囲内である。」の次に下記の通 り配列表を追加する。 (7)図3を別紙の通り補正する。 【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 C07K 14/47 C07K 14/47 19/00 19/00 C12Q 1/02 C12Q 1/02 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 L 33/53 33/566 33/566 A61K 37/02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.プリオン蛋白の存在に関連した疾病の治療に使用し得る治療物質を同定する 方法であって、 a)テスト物質の存在下で選択されたプリオン結合蛋白のPrPSC又はPrPC に対する結合量を測定し、 b)前記テスト物質の非存在下で選択されたプリオン結合蛋白の前記PrPSC 又は前記PrPCに対する結合量を測定し、 ここで、テスト物質の存在下で選択されたプリオン結合蛋白のPrPSC又はP rPCに対する結合量が、前記テスト化合物の非存在下で選択されたプリオン結 合蛋白の前記PrPSC又は前記PrPCに対する結合量よりも低いときに、前記 テスト化合物が、プリオン蛋白の存在に関連した疾病の治療に使用し得る治療物 質であることが示される方法。 2.前記選択されたプリオン結合蛋白がカドヘリンであることを特徴とする請求 の範囲1に記載の方法。 3.前記カドヘリンがプロトカドヘリン43であることを特徴とする請求の範囲 2に記載の方法。 4.前記カドヘリンがOB−カドヘリン−1であることを特徴とする請求の範囲 2に記載の方法。 5.前記選択されたプリオン結合蛋白が配列番号2の配列を有することを特徴と する請求の範囲1に記載の方法。 6.プリオン結合蛋白をコードする核酸分子を同定する方法であって、 a)哺乳動物cDNA分子の集合物を形質導入したカエルの卵母細胞の個体群 を準備し、 b)検出可能に標識されたPrPに前記カエルの卵母細胞の個体群を接触させ 、 c)検出可能に標識されたPrPに結合したカエルの卵母細胞を選択し、 d)前記c工程において選択された卵母細胞内に存在するcDNAと同一のc DNA分子が形質導入されたカエルの卵母細胞の第二の個体群を調整し、 e)検出可能に標識されたPrPにカエルの卵母細胞の前記第二の個体群を接 触させ、 f)前記第二の個体群中で検出可能に標識されたPrPに結合するカエルの卵 母細胞を同定し、 g)前記f工程で同定されたカエルの卵母細胞を形質導入するために使用した cDNAと同一のcDNA分子を取得する、ことを含む方法。 7.PrPと、全ての又は一つのアルカリフォスファターゼ蛋白とを含む融合蛋 白。 8.生物学的サンプルからPrPSCを回収する方法であって、 a)PrPSCとPrP結合蛋白との間で複合体が形成可能な条件において、前 記生物学的サンプルを請求の範囲1のPrPBPと接触させ、 b)生物学的サンプルからPrPSC−PrP結合蛋白複合体を回収する、こと を含む方法。 9.プリオン蛋白の存在に関連した疾病を治療する方法であって、 前記方法が、カドヘリン全体又はカドヘリンのPrP結合部分を投与すること を含む方法。 10.前記カドヘリンがプロトカドヘリン43であることを特徴とする請求の範 囲9に記載の方法。 11.前記カドヘリンがOB−カドヘリン−1であることを特徴とする請求の範 囲9に記載の方法。 12.前記選択されたプリオン結合蛋白が配列番号2の配列を有することを特徴 とする請求の範囲10に記載の方法。 13.選択されたカドヘリンとPrPCと間の望ましくないレベルの相互作用に 関連する疾病の治療に使用し得る治療用物質を同定する方法であって、 a)テスト化合物存在下で、前記選択されたカドヘリンのPrPCに対する結 合量を測定し、 b)前記テスト化合物非存在下で、前記選択されたカドヘリンのPrPCに対 する結合量を測定し、 前記テスト化合物存在下で前記選択されたカドヘリンのPrPCに対する結合 量が低下している場合に、前記テスト化合物が前記選択されたカドヘリンとPr PCと間の望ましくないレベルの相互作用に関連する疾病の治療に使用し得る治 療用物質であることを示す方法。 14.カドヘリンとPrPCと間の望ましくないレベルの相互作用に関連する疾 病の治療方法であって、 カドヘリン全体又はカドヘリンのPrPC結合部分を投与することを含む方法 。 15.疾病は癌であることを特徴とする請求の範囲14に記載の方法。 16.疾病は神経変性疾患であることを特徴とする請求の範囲15に記載の方法 。 17.疾病は免疫学的疾患であることを特徴とする請求の範囲15に記載の方法 。 18.前記カドヘリンがプロトカドヘリン43であることを特徴とする請求の範 囲15に記載の方法。 19.カドヘリンがOB−カドヘリン−1であることを特徴とする請求の範囲1 5に記載の方法。
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