【発明の詳細な説明】
インターロイキン10での急性白血病の処置 発明の分野
本発明は、急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ性白血病(ALL)のような急
性白血病を処置するためのインターロイキン10(IL−10)の使用に関する。
発明の背景
AMLおよびALLは、有効な処置を行わなければわずか数ヶ月以内に死亡し得る急
性白血病である。例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine、第12
版(1991)、1552-1561頁、McGraw Hill,N.Y.,N.Y.Wilsonら(編)を参照の
こと。AML診断は、骨髄中の幼若白血病芽細胞の数の増加の形態学的認識に基づ
く。Bennetら、Br.J.Hematol.33:451(1976)を参照のこと。AML芽細胞はまた
、成熟単球/マクロファージに類似した形態学的特徴を含む種々の分化の形態学
的な徴候を示し得る。前出を参照のこと。ALL診断は、光学顕微鏡、生化学、お
よび膜分子分析に基づく。例えば、Clinical Medicine,第5巻、第16章、Spitt
ell(編)Harper & Row,Philadelphia,PA(1986)を参照のこと。
AMLおよびALLは共に急性白血病であるが、各々は異なる疾患を示し、自然な進
展、予後、および種々の治療剤に対する応答が異なる。例えば、Harrison's Pri
nciples of Internal Medicine,第12版(1991),1552-1561頁、McGraw Hill,N.
Y.,N.Y.Wilsonら(編)を参照のこと。例えば、AMLおよびALLは、異なる疫学
的プロフィール(AMLは小児よりも成人においてより普遍的である)、異なる細胞
遺伝学的変化、異なる悪性形質転換要求性、および特定の化学療法剤への応答の
異なるパターンを有する。さらに、AMLおよびALLは、異なる段階で造血前駆細胞
に影響を与える。
最近、癌治療に対する免疫学的アプローチが進歩している。これらのアプロー
チは、癌細胞が異常なまたは外来の細胞および分子に対する生体防御をどうにか
して逃れ、そしてこれらの防御を癌細胞を攻撃するために治療的に刺激し得ると
いう概念に基づいている。例えば、Klein,Immunology,623-648頁(Wiley−Inte
rscience,New York,1982)を参照のこと。癌治療に対する免疫学的アプローチ
は、種々の免疫エフェクターが直接または間接に腫瘍増殖を阻害し得るという最
近の観察を考慮すれば更新された興味を受けている。例えば、Herberman,Conce pts Immunopathol.
,第1巻、96-132頁(1985)(ナチュラルキラー細胞は腫瘍細胞
増殖を阻止する);Rosenbergら、Ann .Rev.Immunol.,第4巻、681-709頁(1988
)(癌を処置するためのIL-2活性化キラー細胞の臨床的使用);Ralphら、J .Exp .Med.
,第167巻、712-717頁(1988)(リンホカインによって刺激したマクロファ
ージによる殺腫瘍活性);Tepperら、Cell,第57巻、503-512頁(1989)(比-4は抗
腫瘍活性を有する);M.Cohen,Lymphokines and the Immune Response(CRC Pre
ss,Boca Raton,1990);などを参照のこと。
最近のデータは、新生物形成状態を処置するための、1つの特定の免疫エフェ
クターであるインターロイキン10(IL-10)の使用を支持する。例えば、国際特許
出願公開WO 92/12725およびWO 92/12726を参照のこと。さらに、いくつかの研究
により、IL-10が正常単球に対する免疫抑制効果を有し、それによって他の免疫
担当細胞の機能に影響を与えることが示されている。例えば、de Waal Malefyt
ら、Curr.Opin.Immunol.4:314(1992);Ysselら、J.Exp.Med.174:593(1991
);Fiorentimoら、J.Immunol.147:3815(1991);およびde Waal Malefytら、J.E
xp.Med.174:1209(1991)を参照のこと。
しかし、癌治療に対する免疫学的アプローチにおける広範な進歩ににもかかわ
らず、AMLおよびALLのような急性白血病を処置する方法についての大きな必要性
が残っている。
発明の要旨
本発明は、哺乳動物における急性白血病を処置するための方法を提供すること
によって先述の必要性を満たし、この方法は、治療有効量のインターロイキン10
をこの哺乳動物に投与する工程を包含する。本発明はまた、治療有効用量のイン
ターロイキン10を急性白血病を罹患している哺乳動物に投与する工程を包含する
、急性白血病芽細胞の増殖を阻害する方法を提供する。
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、IL-10の投与を中止した後でさえも
、IL-10のこの抗増殖効果が持続することを発見した。従って、本発明はまた、
哺乳動物における急性白血病を処置するための方法を提供し、この方法は、治療
有効量のインターロイキン10をこの哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、
このインターロイキン10は、インターロイキン10の投与を中止した後にも持続す
る急性白血病芽細胞に対する抗増殖効果を有する。
本発明の方法によれば、処置されるべき急性白血病は、急性骨髄性白血病(AML
)のような骨髄細胞白血病または急性リンパ球性白血病(ALL)のようなB細胞白血
病であり得る。投与されるべきIL-10は、ウイルスインターロイキン10およびヒ
トインターロイキン10からなる群より選択され得る。
図面の簡単な説明
本発明は以下の添付の図面を参照することによってより容易に理解され得る:
図1Aおよび1Bは、2人の特定の患者(図1Aにおいては患者番号2、図1
Bにおいては患者番号15)についての、IL-10濃度の関数としての、AML芽細胞増
殖に対するIL-10の影響を示すグラフである。特に、これらの図は、自然増殖を
試験した場合(白三角)、およびまた、G-CSF(黒丸)、GM-CSF(白丸)、およびIL-3(
黒三角)の存在下におけるAML芽細胞の増殖を試験した場合の結果を示す。増殖は
、培養7日後の3Hチミジン取り込みとして試験し、そして結果を3連の培養の平
均cpm±SDとして示す。
図2A、2B、2C、および2Dは、自然的なAML芽細胞増殖およびサイトカ
イン依存性AML芽細胞増殖に対するIL-10(10ng/ml)の効果を示すグラフである。
各図において、垂直軸は3Hチミジン取り込みによって示されたときの増殖を示す
。しかし、水平軸は増分測定値を示さない。むしろ、水平軸の左側に対応するデ
ータポイントが、IL-10を用いない場合の増殖を示し、一方、水平軸の右側に対
応するデータポイントは、IL-10を用いた場合の増殖を示す。これらの各図の結
果を、3連の培養の中央値のcpmとして示す。
図3Aおよび3Bは、患者番号2(図3A)および患者番号15(図3B)について
の自然的なAML芽細胞増殖およびサイトカイン依存性のAML芽細胞増殖に対するIL
-10(20ng/ml)の効果を示すグラフである。AML芽細胞は全培養期間を通してIL-10
と共に培養したか(陰を付けていないバー)、または最初の48時間のみIL-10と共
に培養してその後IL-10を除いて培養した(陰を付けたバー)かのいずれかである
。AML芽細胞は培地単独(Sp)中で培養するか、または造血増殖因子(G-CSF、GM-CS
F、IL-3)と共に培養した。IL-10中でプレインキュベートした細胞については、
増殖因子を48時間後に添加し、一方、IL-10が全培養期間を通して存在する場合
は、増殖因子をIL-10を共に添加した。増殖を、培養の7日後に3Hチミジンの取
り込みとしてアッセイした。結果を、IL-10を除いた対応する培養における増殖
と比較したIL-10を含む培養における増殖として定義した相対的応答(RR)で示す
。全培養を3連で行い、そして中央値のcpmを使用して相対的応答を算出した。
図4は、3人の異なるALL患者由来の芽細胞の増殖因子依存性増殖に対するIL-
10の効果を示すグラフである。結果を、3連の培養の平均cpm±SDとして示す。
図5Aおよび5Bは、AML芽細胞からのIL-1α(図5A、n=10)およびIL-1β(図
5B、n=27)の分泌に対するIL-10の効果を示すグラフである。結果を、IL-10(20
ng/ml)と共にまたは用いずに48時間培養したAML芽細胞由来の培養上清中のIL-1
濃度として示す。
図6A、6B、および6Cは、AML芽細胞からのIL-6(図6A、n=25)、TNFα(
図6B、n=25)、およびGM-CSF(図6C、n=18)のそれぞれの分泌に対するIL-10の
効果を示すグラフである。結果を、IL-10(20ng/ml)と共にまたは用いずに48時間
培養したAML芽細胞由来の上清中のサイトカイン濃度として示す。
発明の詳細な説明
本明細書中に援用した全参考文献はその全体が参考として援用される。
本明細書で使用する「インターロイキン10」または「IL-10」は、(a)米国特許
第5,231,012号に開示される成熟IL-10のアミノ酸配列(例えば、分泌リーダー配
列を欠く)を有し、そして(b)天然のIL-10に共通する生物学的活性を有するタン
パク質として定義する。本発明の目的のために、グリコシル化(例えば、CHO細胞
のような真核生物細胞中で産生される)IL-10と非グリコシル化(例えば、化学的
に合成されるかまたはE.coli中で産生される)IL-10とは等価であり、そして互
換的に使用され得る。また、Epstein-Barr Virusタンパク質BCRF1(ウイルスIL-
10)を含む変異タンパク質または他のアナログを含み、これはIL-10の生物学的活
性を保持している。
本発明における使用のために適切なIL-10は、タンパク質を分泌する活性化細
胞によって馴化された培養培地から得られ得、そして標準的な方法によって精製
され得る。さらに、IL-10またはその活性なフラグメントは、当該分野で公知の
標準的な方法を使用して化学的に合成し得る。Merrifield,Science233:341(198
6)およびAthertonら、Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach,
1989,I.R.L.Press,Oxfordを参照のこと。米国特許第5,231,012号もまた参
照のこと。
好ましくは、タンパク質またはポリペプチドはIL-10ポリペプチドをコードす
る単離された核酸を使用して、組換え技術によって得られる。分子生物学の一般
的な方法は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor,New York,第2版、1989、およびAusubelら(編)、Current
Protocols in Molecular Biology,Green/Woley,New York(1987および定期刊
行物)によって記載されている。適切な配列は、ゲノムライブラリーまたはcDNA
ライブラリーのいずれかから、標準的な技術を使用して得られ得る。ポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)技術を使用し得る。例えば、PCR Protocols:A Guide to Method
s and Applications,1990,Innisら、(編)、Academic Press,New York,NewYo
rkを参照のこと。
ライブラリーは、適切な細胞から抽出した核酸から構築する。例えば、米国特
許第5,231,012号(IL-10を作製するための組換え法を開示する)を参照のこと。有
用な遺伝子配列は、例えば、種々の配列データベース(例えば、核酸についてはG
enBankおよびBMPL、そしてタンパク質についてはPIRおよびSwiss-Prot、c/o Int
elligenetics,Mountain View,California、またはthe Genetics Computer Gro
up,University of Wisconsin Biotechnology Center,Madison,Misconsin)に
見出され得る。
ヒトIL-10をコードする配列を含むクローンは、アメリカンタイプカルチャー
コレクション(ATCC)、Rockville,Marylandに、受託番号68191および68192で寄
託されている。IL-10をコードする配列を有する他のクローンの同定は、発現ベ
クターを使用する場合は、核酸ハイブリダイゼーションまたはコードされるタン
パク質の免疫学的検出のいずれかによって行われる。米国特許第5,231,012号に
開示される寄託した配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブが、特に有用であ
る。オリゴヌクレオチドプローブ配列はまた、他の種の関連する遺伝子の保存さ
れた領域から調製され得る。あるいは、IL-10のアミノ酸配列に基づく縮重プロ
ーブを使用し得る。
標準的な方法を使用して、大量のポリペプチドを発現する形質転換された原核
生物細胞株、哺乳動物細胞株、酵母細胞株、または昆虫細胞株を生成し得る。発
現およびクローニングの両方に適した例示的なE.coli株として、W3110(ATCC Bi
,27325)、X1776(ATCC番号31244)、X2282、およびRR1(ATCC Mp/31343)が挙げられ
る。例示的な哺乳動物細胞株として、COS-7細胞、マウスL細胞、およびCHP細胞
が挙げられる。Sambrook(1989)、前出、およびAusubelら、1987、定期刊行物、
前出を参照のこと。
種々の発現ベクターを使用して、IL-10をコードするDNAを発現させ得る。原核
生物細胞または真核生物細胞内で組換えタンパク質の発現のために使用される従
来のベクターを使用し得る。好ましいベクターとして、Okayamaら、Mol.Cell.
Biol.3:280(1983);およびTakebeら、Mol.Cell.Biol.8:466(1988)に記載され
るpcDベクターが挙げられる。他のSV-40に基づく哺乳動物発現ベクターとして、
Kaufmanら、Mol.Cell.Biol.2:1304(1982)および米国特許第4,675,285号に開
示される発現ベクターが挙げられる。これらのSV-40に基づくベクターは、COS-7
サル細胞(ATCC番号CRL 1651)、ならびにマウスL細胞のような他の哺乳動物細胞
において特に有用である。Pouwelsら、(1989および定期刊行物)Cloning Vectors
:A Laboratory Manual,Elsevier,New Yorkもまた参照のこと。
IL-10は、形質転換されたまたはトランスフェクトされた、酵母細胞、昆虫細
胞、または哺乳動物細胞の分泌産物のような可溶性形態で産生され得る。次いで
、ペプチドを、当該分野に公知の標準的な手順によって精製し得る。例えば、精
製工程として、硫酸アンモニウム沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾
過、電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーなどが挙げられる。Methods
in E
nzymology Purification Principles and Practices(Springer-Verlag,New Yor
k,1982)を参照のこと。
あるいは、IL-10は、凝集塊または封入体のような不溶性の形態で産生され得
る。このような形態のIL-10は、当該分野で周知の標準的な手順によって精製さ
れる。精製工程の例として、遠心分離によって破壊された宿主細胞から封入体を
分離する工程、次いでペプチドが生物学的に活性なコンフォメーションを有する
ようにカオトロピック試薬および還元剤で封入体を可溶化する工程が挙げられる
。これらの手順の詳細については、例えば、Winklerら、Biochemistry 25:4041(
1986)、Winklerら、Bio/Technology 3:9923(1985);Kothsら、および米国特許第4
,569,790号を参照のこと。
宿主細胞をトランスフェクトするために使用するヌクレオチド配列を標準的な
技術を使用して改変して、種々の所望の特性を有するIL-10またはそのフラグメ
ントを作製し得る。このような改変されたIL-10は、例えば、アミノ酸の置換、
欠失、挿入、および融合によって、1次構造レベルで天然に存在する配列から変
化し得る。これらの改変を多数の組み合わせにおいて使用して、最終的な改変タ
ンパク質鎖を生成し得る。
アミノ酸配列変異体を、血清半減期を増加すること、精製または調製を容易に
すること、治療効力を改善すること、および治療的使用の間の副作用の重篤度ま
たは発生を減少させることを含む、種々の目的を念頭において調製し得る。アミ
ノ酸配列変異体は通常、天然には見出されない予め決定された変異体であるが、
他は、翻訳後変異体(例えば、グリコシル化変異体またはポリエチレングリコー
ル(PEG)に結合したタンパク質など)であり得る。このような変異体は、IL-10の
生物学的活性を保持している限りは本発明において使用され得る。
ポリペプチドをコードする配列の改変は、部位特異的変異誘発(Gillmanら、Ge
ne 8:81(1987))のような種々の技術によって容易に達成され得る。ほとんどの改
変は、所望の特性についての適切なアッセイにおける日常的なスクリーニングに
よって評価される。例えば、米国特許第5,231,012号は、IL-10活性を測定するた
めに適切な多数のインビトロアッセイを記載する。
好ましくは、ヒトIL-10をヒトの処置のために使用するが、ウイルスまたはマ
ウスのIL-10、またはいくつかの他の哺乳動物種由来のIL-10が、使用し得るかも
しれない。最も好ましくは、使用されるIL-10は組換えヒトIL-10である。ヒトお
よびマウスIL-10の調製は、米国特許第5,231,012号に記載されている。Epstein-
Barrウイルス由来のウイルスIL-10(BCRF1タンパク質)のクローニングおよび発
現は、Mooreら、Science 248:1230(1990)に開示されている。
IL-10をいう場合、その活性なフラグメント、アナログ、およびホモログが含
まれる。IL-10に対する活性なフラグメント、アナログ、およびホモログは、種
々の特徴的なIL-10活性を1つ以上有するタンパク質、ポリペプチド、またはペ
プチドを含む。これらのタンパク質性物質はいずれもグリコシル化され得るかま
たはグリコシル化され得ない。IL-10活性の例として、IL-2、リンホトキシン、I
L-3、またはGM-CSFのレベルの阻害または実質的な減少が挙げられる。IL-10活性
はまた、活性化されたマクロファージによるサイトカイン産生(例えば、IL-1、I
L-6、およびTNF-α)の阻害を含む。
IL-10活性を決定するための手順およびアッセイの例については、米国特許第5
,231,012号を参照のこと。この特許はまた、IL-10活性を有するタンパク質、な
らびに組換え技術および合成技術を含むこのようなタンパク質の産生を提供する
。
ポリペプチドIL-10を含有する薬学的組成物を調製するために、ポリペプチド
を、好ましくは不活性な薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と混合する。
薬学的キャリアは、ポリペプチドを患者に送達するのに適した、任意の適合性の
毒性のない物質であり得る。このような薬学的組成物の調製は、当該分野に公知
である;例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、およびU.S.Pharmac
opeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,PA(1984)を参
照のこと。
ポリペプチドと添加物との割合は、その両方が治療有効量で存在する限りは広
範に変動し得る。1用量あたりを基本とすると、ペプチドの量は、約1マイクロ
グラム(μg)から約10ミリグラム(mg)で変動する。
組成物は、経口的に摂取されるかまたは体内に注射され得る。経口使用のため
の処方物は、胃腸管内で生じるプロテアーゼからポリペプチドを保護するための
化合物を含有する。注射は、通常筋肉内、皮下、皮内、または静脈内である。あ
るいは、動脈内注射または他の経路が適切な環境下において使用され得る。
非経口的に投与される場合、組成物は、単回容量の注射可能な形態(溶液、懸
濁液、乳濁液)で薬学的キャリアと組み合わせて処方され得る。例えば、ポリペ
プチドは、種々の添加物および/または希釈剤とともにまたは用いずに、水、生
理食塩水、または緩衝化ビヒクルのような水溶性ビヒクルで投与され得る。適切
なキャリアの例は、普通の生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、およ
びハンクス溶液である。固定オイルおよびオレイン酸エチルのような非水溶性キ
ャリアもまた使用し得る。好ましいキャリアは、5%デキストロース/生理食塩
水である。キャリアは、最少量の、等張性および化学的安定性を増大させる基質
のような添加剤(例えば、緩衝液および保存料)を含み得る。しかし、IL-10は、
好ましくは凝集塊および他のタンパク質を実質的に含まない精製された形態で処
方される。さらに、亜鉛懸濁液のような懸濁液がポリペプチドを含むように調製
され得ることに留意されるべきである。このような懸濁液は、皮下(SQ)または筋
肉内(IM)注射に有用であり得る。
本明細書で使用する用語「治療有効量」は、急性白血病の症状または徴候を改
善するに十分な量を意味する。AMLおよびALLはともに、骨髄中の芽細胞の有核細
胞の30%を超えるまでの増加として定義される。症状および臨床的状態は、個々
の患者間で異なり得る。サイトカイン療法の間の臨床的症状の悪化は、例えば、
熱の上昇、骨髄不全の増加、末梢血または骨髄中の芽細胞の数の増加であり得る
。AML治療の効果を評価する場合、これは通常、骨髄および末梢血の値を調べる
ことによって行われる。AMLおよびALLは、50%を超える骨髄芽細胞の減少および
末梢血数値の減少が見られ、その結果、たとえ数値が正常値未満である場合でさ
えも輸液への依存が減少する場合、改善されたかまたは部分的に軽減したと考え
られ得る。AMLおよびALLの症例における治療に対する完全な緩和は、通常、骨髄
の正常な細胞性は芽細胞が5%未満であり、そしてさらに顆粒球および血小板に
ついての末梢血の正常数値として定義される。
処置され得る代表的な哺乳動物は、イヌおよびネコのような伴侶動物、および
ヒトを含む霊長類を含む。好ましくは、処置の標的動物の種に由来するIL-10を
使用する。特定の患者のための有効量は、処置される状態、患者の全身健康状態
、
投与の方法、経路、および用量ならびに副作用の重篤度のような因子に依存して
変化し得る。適切な用量の決定は、当該分野に公知のパラメータを使用して医者
によって行われる。一般に、用量は最適な用量よりいくらか少ない量で開始し、
そしてその後所望のまたは最適の効果が達成されるまで少しずつ増加させる。(
一般に、The Merck Manual §269「薬物動態および薬物投与」を参照のこと)。
少数のAML患者について芽細胞の増殖が増加したことを示す、以下に記載する
インビトロのデータを考慮して、処置は、IL-10での処置を受けている患者が芽
細胞増殖の増加を示すかどうかが明確にモニターされなければならない。さらな
る予防措置として、予期される患者を、例えば、インビトロ試験によって最初に
スクリーニングし得る。以下の実施例に記載される方法は、この目的のために使
用され得る。例えば、以下の実施例に示すように、適切なインビトロ試験は、患
者から白血病芽細胞を取り出す工程、インビトロでIL-10と共にまたは用いずに
この細胞を培養する工程、細胞増殖を測定する工程、およびIL-10と共に培養し
た細胞による増殖をIL-10を用いずに培養した細胞による増殖に対して比較する
工程を包含し得る。この方法において、増殖の測定は、例えば、以下の実施例に
記載される方法に従って、3Hチミジン取り込みについてアッセイすることによっ
て、達成され得る。患者をスクリーニングするための別の方法として、コロニー
形成またはサイトカイン分泌に対する影響を、IL-10の存在下および非存在下で
試験し得る。
IL-10の1日あたりの好ましい全用量は、体重キログラムあたり約1マイクロ
グラムから約500マイクログラムの範囲から選択される。より好ましくは、治療
有効量は、体重キログラムあたり約10マイクログラムから約200マイクログラム
の範囲から選択される。最も好ましくは、治療有効量は、体重キログラムあたり
約25マイクログラムから約100マイクログラムの範囲から選択される。投薬は、
所望の処置を達成するスケジュールに沿い、そして短期または長期にわたり定期
的であり得る。1日あたりの点滴の速度は、副作用、血球数、および効力のモニ
ターに基づいて、変化し得る。Gilmanら(編)(1990)Goodman and Gilman's:The P harmacological Bases of Therapeutic
s第8版、Pergamon Press;(1990)Remin gton's Pharmaceutical Sciences
,第17版、Mack Publishing Co.,Easton,
Penn.;Avisら(編)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medication s
.Dekker,New York;Liebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tab lets
Dekker,New York;およびLiebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage F orms:Disperse Systems
Dekker,New Yorkを参照のこと。
好ましくは、治療有効量はアンプルで与えられる単位用量である。あるいは、
薬学的有効量は、複数回用量を含むバイアルで与えられるか、またはいくつかの
他の形態で提供され得る。1日あたりの全用量は、単回の注射、持続点滴として
与えられ得るか、またはボーラス静脈内投与、または筋肉内注射のようないくつ
かの他の経路による投与のために、いくつかのより小さな用量に分割し得る。本
発明の組成物はまた、移植可能なまたは注入可能な薬物送達系(例えば、Urquhar
tら、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.24:199(1984);Lewis(編)、Controlled Re
lease of Pesticides and Pharmaceuticals(Plenum Press,N.Y.,1981);米国特
許第3,270,960号など)によって患者の体内に導入され得る。適切な環境下におい
て、IL-10はまた、リポソーム中にカプセル化し得る。
適切な環境下において、複数の薬剤を組み合わせて投与し得る。例えば、IL-1
0は他の化学治療剤または化学予防剤と同時投与し得るか、あるいはこれらと関
連してまたはこれらと共同して使用し得る。このような薬剤の例として、コルチ
コステロイド、スルファサラジン、スルファサラジンの誘導体、免疫抑制薬(例
えば、シクロスポリンA、メルカプトプリン、およびアザチオプリン)、および
他のサイトカインが挙げられる。例えば、Thornら(編)Harrison's Principles o f Internal Medicine
,McGraw-Hill,New York;Wyngaardenら(編)Cecil Text bo ok of Medicine
Saunders,Philadelphia;およびWeatherallら(編)Oxford Textb ook of Medicine
Oxford University Press,New Yorkを参照のこと。同時投与
は連続的または同時であり得る。一般に、同時投与は、複数の(2以上)治療薬が
特定の期間の間にレシピエントに存在することを意味する。代表的には、最初の
薬物の半減期以内に第2の薬物が投与される場合、2つの薬剤は同時投与された
と考える。
さらに、IL-10は、同種骨髄移植と共同して投与され得る。用語「共同して」
は、IL-10が移植の前、その間、またはその後のいずれかに投与されること(ある
いは化学療法の前、その間、またはその後の場合もあり得る)を意味する。本発
明の治療法はまた、再発した患者における急性白血病を制御するために使用し得
る。
本発明の広い範囲は以下の実施例を参照にして最も良く理解される。この実施
例は本発明を特定の実施態様に限定することを意図しない。実施例 材料および方法 患者−27人のAML患者および5人のALL患者を研究した。各患者についての臨床
的特徴を以下の表1に示す。 上記の表1において、急性白血病細胞は20%を超える芽細胞がフローサイトメ
トリー分析から判断して陽性に染色された場合に、陽性であると見なす。表1で
用いた分類の参考についてのさらなる情報については、例えば、Hayhoe,Blood
Reviews,2:186-193,Scotland(1988年9月)およびKnappら、Leukocyte Typing
IV White cell differentiation antigens,(Oxford University Press1989)
を参照のこと。培養培地−培養培地は、ゲンタマイシン100μg/mlおよび10%不活化ウシ胎児
血清(HiClone;USA)を添加した、グルタミンおよびヘペスを加えたRPMI 1640(Gib
co;UK)であった。
馴化培地−健康な個体由来の1×106/mlの末梢血単核細胞(PBMC)を、1μg/
mlのフィトヘマグルチニン(PHA HA 16;Wellcome,UK)を含む培養培地中で3日間
インキュベートした。次いで、培養物の上清を回収した。これを本明細書中以下
で「馴化培地」という。
サイトカイン−組換えヒトサイトカインを、AML芽細胞培養物中で以下の濃度
で使用した:IL-2(R&D Systems Europe,UK)20ng/ml;IL-3(R&D Systems Europe
;UK)40ng/ml;G-CSF(Hoffman La Roche;Switzerland)100ng/ml;GM-CSF(Sandoz;
Switzerland);100ng/ml.IL-10は、Schering-Plough Corp.,USAから提供された
。例えば、Bruserudら、Leukemia Res.17:507(1993),Lemollら、Leukemia 5:3
86(1991):Assanoら、Blood 72:1682(1988)を参照のこと。
細胞の調製−PBMCを密度勾配分離(Ficoll-Hypague,NyCoMed,Norway;比密度1
.0777)によって単離した。これらの単核細胞間で白血病芽細胞を高比率に達する
(>95%)ために、末梢血中に多数の芽細胞を有する患者のみを本研究に含めた。
細胞を液体窒素中で凍結保存した。Bruserud,Acta Oncol.31:53(1992)(特に、
使用した凍結法および融解法を記載する)を参照のこと。増殖アッセイ−Bruserudら、Leukemia Res.17:507(1993)およびBruserud,Ac
ta Oncol 31:53(1993)に詳細に記載されるように、5×104/ウェルの急性白血病
芽細胞を、平底マイクロタイタープレート(Costar;USA)(各ウェルは150μlの培
地を含む)で培養した。細胞を37℃で5%CO2の加湿雰囲気下でインキュベートし
た。37kBq/ウェルの3H-チミジン(TRA 310;Amersham,UK)を、培養物を回収し、
そして液体シンチレーション計数によって核の放射活性を測定する24時間前に添
加した。
コロニー形成アッセイ−AML芽細胞(2×106/ウェル)を、24ウェル組織培養プ
レート(Costar,USA)の各ウェルの200μl培養培地中で培養した。全培養を2連
で行った。20を超える細胞のコロニー数を培養の9日後に計数した。サイトカイン産生の分析−Bruserudら、Leukemia Res.19:15(1995)に記載さ
れるように、1×106/mlのAML芽細胞を24ウェル組織培養プレート(Costar,USA)
(各ウェルは2mlの培地を含む)中で培養した。培養物を上清を回収する前に48時
間インキュベートした。サイトカイン分泌を、培養物上清中のサイトカイン濃度
を決定することによって分析した。IL-1α、IL-1β、IL-1RA、IL-4、IL-6、TNF
α、およびGM-CSFの濃度をELISAアッセイ(Quantlkine ELISAキット、R&D System
Europe;UK)を使用して決定した。全アッセイは、製造者の指示に厳密に従って
行った。簡単にいうと、標準的なサンプルおよび上清の希釈物を培養培地中で調
製した。標準曲線を、2連の測定値の平均を使用して決定し、そして2連の間の
差異は一般に平均の10%未満であった。上清を、標準曲線の範囲内の測定された
濃度において得られる希釈で分析した。各アッセイについての最小の検出可能な
濃度は、IL-1αは0.3pg/ml,IL-1βは0.3pg/ml、IL-1RAは6.5pg/ml、IL-4は3pg
/ml、IL-6は0.35pg/ml.TNFαは4.8pg/ml、そしてGM-CSFは1.5pg/mlであった。
データの提示−増殖アッセイを3連で行った。3連培養物の1分あたりの計数
(cpm)の中央値を、統計学的解析のために使用した。有意な増殖を、1000を超え
るcpmに対応し、そして少なくとも3の標準偏差(SD)陰性コントロールを超える3
H-チミジン取り込みとして定義した。有意な増加/減少を、(i)少なくとも1500cp
mの変化、およびコントロール培養物における10%を超える応答の変化;または(
ii)増殖しないことから有意な増殖への変換のいずれかとして定義した。統計学
的解析のために、対のサンプルのWillcoxon's testを使用し(例えば、Wonnacott
およびWonnacott,Introductory statistics,第3版、Wiley 1977を参照のこと
)、そしてこれらの統計学的計算においてcpmの中央値を、増殖アッセイについて
使用した。
結果 AML 芽細胞の自然的なインビトロの増殖に対するIL-10の効果
16人の患者(患者1から16)由来のAML芽細胞を、培地単独中および種々の濃度
のIL-10(100〜0.01ng/mlの範囲)の存在下で、インビトロで培養し、そして7日
後に3H-チミジン取り込みをアッセイした。7人の患者については、AML芽細胞を
培地単独中で培養した場合には増殖は見られなかった。自然的なインビトロ増殖
を示した9人の患者については、IL-10は1ng/mlを超える濃度でプラトーになる
、増殖に対する用量依存的効果を示した。2人の患者についての結果(患者番号
2および患者番号15)を、図1Aおよび図1Bにそれぞれ示す(白三角)。
図2Aは、その細胞が培地単独中でインキュベートした場合に増殖を既に示し
た9人の患者についての自然的なAML芽細胞増殖に対するIL-10(10ng/ml)の効果
を示すグラフである。図2Aの左側は、IL-10を用いない培養物における増殖(3H
-チミジン取り込みとして示される)を示し、一方、この図の右側は比-10(10ng/m
l)と共に培養したものにおける増殖を示す。このデータから見られるように、IL
-10は、9人の選択された患者の内の2人(患者1および患者2)について、小さ
いが統計学的に有意なAML芽細胞増殖の増加を引き起こした。残りの7人の患者
については、IL-10はAML芽細胞増殖の用量依存的阻害を生じた(p=0.049)。6人
の患者(患者1、2、5、10、14、16)については、IL-10の効果は反復実験にお
いて再現された(データは示さない)。AML 芽細胞のサイトカイン依存的インビトロ増殖に対するIL-10の効果 G-CSF 依存的増殖−患者1〜16由来のAML芽細胞をG-CSF(100ng/ml)および異なる
濃度のIL-10(100〜0.01ng/mlの範囲)と共に培養した。次いで、3H-チミジン取り
込みを7日後にアッセイした。G-CSFは単独で10人の患者について有意なAML芽細
胞の増殖を引き起こし、そしてこれらの10人の患者の内9人について、IL-10は1
ng/mlを超える濃度でプラトーになる、AML芽細胞増殖に対する用量依存的効果を
示した。患者2および患者15についての結果を、図1Aおよび図1Bにそれぞれ
示す(黒丸)。全ての結果を比較した場合(100〜0.1ng/mlの濃度でのIL-10)、IL-1
0は4人の患者についてのみG-CSF増殖を増加し(患者2、8、13、および16)、一
方、6人の患者については増殖は変化しなかったかまたは減少したかのいずれか
であった。10ng/mlの濃度でのIL-10で試験した場合の結果を図2Bに示し、そし
てこの図に見られるように、増殖の増加は10人の患者の内3人でしか見られなか
った。
GM-CSF 依存的増殖−16人の患者由来のAML芽細胞(患者1から16)をGM-CSF(100n
g/ml)と共に培養し、これらの患者の内12人で有意な増殖が見られた。IL-10(100
〜0.01ng/mlの範囲の濃度で試験した)は5人の患者(患者2、6、8、13、16)に
ついて増殖を増加させたが、一方、7人の患者については増殖は変化しなかった
かまたは減少した(図2Cを参照のこと)。IL-10が芽細胞の増殖を有意に変化さ
せる場合、この効果は用量依存的であるようであり、1ng/mlを超える濃度で最大
になった。患者2および患者15についての結果は、図1Aおよび図1Bにそれぞ
れ示す(白丸)。
IL-3 依存的増殖−AML芽細胞をIL-3(20ng/ml)と共に培養し、次いで有意な増殖
が試験した16人の患者の内11人で見られた(データは示さない)。IL-10(100〜0.0
03ng/mlの範囲の濃度で試験した)は、11人の試験した患者の内3人の患者(患者
2、6、および9)について増殖を増加させたが、一方、8人の患者についての
は、増殖は変化しなかったか減少したかのいずれかであった。(図2Dを参照の
こと)。IL-10がAML芽細胞増殖の有意な変化を引き起こした場合、この効果は用
量依存的であるようであり、1ng/mlを超える濃度でプラトーであった。患者2お
よび患者15についての結果を図1Aおよび図1Bにそれぞれ示す。6人の患者(
患者1、2、5、10、14、16)については、サイトカイン依存的増殖(G-CSF、GM-
CSF、IL-3)に対するIL-10の効果は、反復実験で再現された(データは示さない)
。正常PBMCのPHA刺激増殖に対するIL-10の効果
IL-10の抗増殖効果がインビトロでの細胞に対する比-10調製物の毒性効果によ
るのではなかったことをさらに実証するために、正常PBMC(10人の健康な個体を
試験した)を至適濃度のフィトヘマグルチニンで刺激し、3日後に増殖をアッセ
イした。IL-10(20ng/ml)はPBMC増殖を変化させなかった。(データは示さない)。AML 芽細胞増殖はIL-10とのプレインキュベーション後に阻害される
AML芽細胞をIL-10(100および20ng/ml)と共にまたは用いずに培養培地中でイン
キュベートした。48時間後、細胞を洗浄し、細胞濃度を調節し、そして3Hチミジ
ン取り込みをアッセイする前にさらに5日間芽細胞を培養した。最後の5日間に
、AML細胞を、培地単独中で、そしてG-CSF、GM-CSF、G-CSF+GM-CSF、またはIL-
3と共に培養した。10人の患者を調査した;患者2についての結果を図3Aに示
し、そして患者15についての結果を図3Bに示す。IL-10とのプレインキュベー
ションによっては、AML芽細胞を最後の5日間に培地単独中で培養したかまたはI
L-3と共に培養した場合は、増殖は有意に変化しなかったかまたは増殖は有意に
減少した。自然的な増殖の阻害は、IL-10が全培養期間の間存在した場合に増殖
の増加を示した患者についてでさえ、見られた。(図3Aを参照のこと)。IL-10
プレインキュベーション後のサイトカイン依存性AML芽細胞増殖におけるわずか
な増加が、芽細胞を培養の最後の5日間にG-CSF(1/11)、GM-CSF(1/11)、およびG
-CSF+GM-CSF(3/11)と共に培養した場合に、数人の患者について見られることが
できた。しかし、この増加は全培養期間の間IL-10と共に培養したAML芽細胞につ
いてよりも少なかった。4人の患者を反復実験によって試験した(患者1、2、1
1、13)。その時AML芽細胞増殖に対するIL-10プレインキュベーションの阻害効果
が、
再現された(データは示さない)。AML 芽細胞のインビトロのコロニー形成に対するIL-10の効果
IL-10がクローン原性AML細胞の増殖を阻害し得るかどうかを調査するために、
5人の患者由来の芽細胞を、コロニー形成アッセイにおいて造血増殖因子と共に
培養した。培養物はIL-10(20ng/ml)と共にまたは用いずに調製した。全ての患者
について、芽細胞を、3Hチミジンアッセイから判断して最も強力な増殖応答を引
き起こすサイトカインとともに培養した。結果を以下の表2に示す。このデータ
から見られ得るように、IL-10は調査した5人の患者全てについてコロニー形成
を阻害した。 **結果は各ウェルの平均コロニー数±SDとして示す。全ての試験は2連で行った
。ALL 芽細胞のインビトロ増殖に対するIL-10の効果
5人のALL患者由来の芽細胞を、10%の馴化培地および20ng/mlのIL-2の存在下
で、IL-10(100〜0.03ng/ml)と共にまたは用いずに、インビトロで培養し、そし
て5日後に3Hチミジン取り込みをアッセイした。IL-10は調査した全ての患者に
ついてALL芽細胞増殖の用量依存的阻害を引き起こした。3人の患者についての
結果を図4に示す。詳細には、図4は、ALL患者28(黒丸)、患者29(黒三角)、お
よび患者30(白丸)由来の芽細胞の増殖因子依存的増殖に対するIL-10の効果を示
す。結果は、3連の培養の平均のcpm±SDとして示す。AML 芽細胞からのサイトカイン分泌に対するIL-10の効果
AML芽細胞を、インビトロで48時間培養し、そして培養物上清中の種々のサイ
トカイン濃度を決定した。細胞は、IL-10(20ng/ml)と共にまたは用いずに、培養
した。IL-1−分泌についての全ての結果を、AML芽細胞からの培養物上清中のIL-
1濃度として、図5Aおよび5Bに示す。詳細には、図5Aは10例(患者18〜27、
p=0.01)におけるIL-1αの分泌に対するIL-10の効果を示し;図5Bは患者1〜27
(p<0.0005)についてのIL-1β分泌に対するIL-10の効果を示す。IL-10が存在し
ない場合、IL-1αおよびIL-1βの分泌は共に、試験した全ての患者について検出
し得た。対照的に、IL-10の存在下では、調査した全ての患者について、IL-1α
およびIL-1βの分泌は阻害された。
AML芽細胞のIL-6、TNFα、およびGM-CSFの分泌をまた、上記のように試験した
。結果を、IL-10(20ng/ml)と共にまたは用いずに48時間培養したAML芽細胞から
の上清中のサイトカイン濃度として、図6A、6B、および6Cに示す。細胞を
培地単独中で培養した場合、試験した全ての患者(患者1〜20および22〜26)につ
いてIL-6が検出可能であった。そして図6Aに示すように、IL-10はIL-6の濃度
を有意に減少させた(n=25;p<0.0005)。TNFαは、細胞を培地単独中で培養した
場合、27人(患者1〜27)中25人の患者で検出し得、そして図6Bは、IL-10がTNF
αの分泌を有意に減少させたことを示す(n=25;p<0.001)。GM-CSFは研究した21
人の患者中18人の患者について検出されたが、図6Cに示すように、IL-10は18
人の患者全てについてGM-CSFの分泌の減少を引き起こした(n=18;p<0.0005)。
6人の患者について、IL-1β、IL-1α、およびTNFαの分泌を反復実験におい
て試験した。その時、IL-10の阻害効果が再現され得た(以下の表3を参照のこと
)。 患者18〜27について、増殖を、サイトカイン決定値と共に、IL-10と共にまた
は用いずに培養物中でアッセイした。これらの実験において、AML芽細胞を1×
106/mlの濃度で培養し、24時間後に3Hチミジンを添加し、そして48時間後に培
養物を回収した。IL-10を用いない培養物については、患者21、23、および25に
ついては有意な増殖は検出し得なかったが、一方、IL-10は有意な増殖を示した
7人の患者全てについて芽細胞の増殖を阻害した(n=7;平均阻害26%;範囲1〜
63%)。
本発明の多くの改変および変更が、当業者に明らかである。本明細書で記載し
た特定の実施態様は例示のためにのみ提供され、そして本発明はこれによっては
いかなるようにも限定されない。
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月26日(1999.11.26)
【補正内容】
請求の範囲
1.哺乳動物における急性白血病を処置するための薬学的組成物であって、治療
有効量のインターロイキン10を包含する、薬学的組成物。
2.前記急性白血病が急性骨髄性白血病である、請求項1に記載の薬学的組成物
。
3.前記急性白血病が急性リンパ性白血病である、請求項1に記載の薬学的組成 物
。
4.前記インターロイキン10が、ウイルスインターロイキン10およびヒトインタ
ーロイキン10からなる群より選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
5.治療有効用量の第2の治療的に活性な因子をさらに包含する、請求項1に記
載の薬学的組成物。
6.前記第2の治療的に活性な因子が、サイトカインである、請求項5に記載の薬学的組成物
。
7.前記第2の治療的に活性な因子が、化学治療剤である、請求項5に記載の薬 学的組成物
。
8.静脈内投与用に処方された、請求項1に記載の薬学的組成物。
9.請求項1に記載の薬学的組成物であって、該組成物を哺乳動物に投与した場 合、該
投与を中止した後にも持続する急性白血病芽細胞に対する抗増殖効果を有
する、薬学的組成物。
10.インターロイキン10の前記有効量が、約10μgから約200μg/kg/日の間
で
ある、請求項1に記載の薬学的組成物。
11.前記インターロイキン10の量が、約25μgから約100μg/kg/日の間であ
る、請求項1に記載の薬学的組成物。
12.同種間の骨髄移植と共同して投与されるために処方された、請求項1に記
載の薬学的組成物。
13.急性白血病芽細胞の増殖を阻害するための薬学的組成物であって、治療有
効量のインターロイキン10を包含する、薬学的組成物。
14.請求項13に記載の薬学的組成物であって、急性白血病を罹患している哺 乳動物に投与された場合、該組成物の抗増殖効果
が、該投与を中止した後にも持
続する、薬学的組成物。
15.前記急性白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項13に記載の薬学的 組成物
。
16.前記急性白血病が、急性リンパ芽球性白血病である、請求項13に記載の薬学的組成物
。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
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,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,GE,
HU,IL,IS,JP,KG,KR,KZ,LK,L
R,LT,LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO
,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,TJ,
TM,TR,TT,UA,UZ,VN