JP2000513355A - 有機賦型剤を使用する、ポリマーの生体接着特性を増強するための方法および組成物 - Google Patents

有機賦型剤を使用する、ポリマーの生体接着特性を増強するための方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 薬物送達系に使用されるポリマーの生体接着特性を増強するための方法および組成物が提供される。ポリマーの生体接着特性は、ポリマー中に無水物オリゴマーを組み込むことによって増強され、組織表面(例えば、粘膜)に接着するポリマーの能力を増強する。ポリマーの生体接着特性を増強する無水物オリゴマーは、二塩基酸モノマー(好ましくはクレブス解糖サイクル中に見出される二塩基酸モノマー、特にフマル酸)から合成されるオリゴマーを含む。オリゴマーは、タンパク質、多糖、および合成生体適合性ポリマーを含む広い範囲のポリマー内に組み込まれ得る。1つの実施態様において、無水物オリゴマーは使用されるポリマー内に組み込まれて、薬物または診断剤を含有する薬物送達系(例えば、ミクロスフェア)を形成またはコートし得る。オリゴマーは、製造前に可溶化されてポリマーとブレンドされ得るか、あるいは既存の系のこのポリマーでのコーティングとして使用され得るかのいずれかである。ポリマー(例えば、ミクロスフェアの形態)は、粘膜に接着する改善された能力を有し、従って、胃腸管、気道、排泄管、および生殖管の粘膜を含む、任意の範囲の粘膜表面を介して薬物または診断剤を送達するために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 有機賦型剤を使用する、ポリマーの生体接着特性を 増強するための方法および組成物 発明の背景 本発明は、一般に、ポリマー性薬物送達系の分野である。 薬物送達のための制御放出系は、しばしば、身体の特定領域に薬物を投与する ために設計される。胃腸管を経る薬物送達の場合、薬物が所望の作用部位を実質 的に越えて送達されないこと、およびその薬物が局所的効果を発揮する機会もし くは血流中に侵入する機会をもつ前に除去されないことが重要である。薬物送達 系が適切な内臓の内層(lining)に接着するよう作成され得る場合、その内容物は 、標的された組織に、接触の近さおよび持続時間の関数として送達される。 経口的に摂取される生成物は、胃腸管の上皮表面または粘液内層のいずれかに 接着し得る。生物活性物質の送達のためには、ポリマー性薬物送達デバイスを上 皮または粘液層に接着させることが有利であり得る。胃腸管における生体接着は 、以下の2段階で進行する:(1)粘液基質との合成材料の接触点での粘弾性変形 、および(2)接着性合成材料と粘液または上皮細胞との間での結合の形成。一般 に、組織へのポリマーの接着は、(i)物理的もしくは機械的結合、(ii)一次もし くは共有化学結合、および/または(iii)二次化学結合(すなわち、イオン結合)に よって達成され得る。物理的もしくは機械的結合は、粘液の裂け目または粘膜の 襞における接着性材料の堆積および含有に起因し得る。生体接着特性に寄与する 二次化学結合は、分散性相互作用(すなわち、ファンデルワールス相互作用)およ びより強力な特異的相互作用(水素結合を含む)からなる。水素結合の形成を主に 担う親水性官能基は、ヒドロキシル基およびカルボキシル基である。 いくつかのミクロスフェア(microsphere)処方物が、経口薬物送達の手段と して提案されてきた。これらの処方物は、一般に、カプセル化された化合物を保 護し、そしてその化合物を血流に送達するように働く。腸用のコート処方物が、 経口投与された薬物を胃酸から保護するため、および放出を遅延させるために長 い間広く使用されてきた。化合物を血流に送達するようおよびカプセル化された 薬物を保護するように設計された他の処方物は、PCT/US90/06430およびPCT/US90 /06433に記載されるゼイン、Steinerに対する米国特許第4,976,968号に記載され る「プロテイノイド(proteinoid)」 、またはThe UAB Research Foundation and Southern Research Instituteによる欧州特許出願0 333 523に記載される合成ポ リマーのような疎水性タンパク質から形成される。EPA 0 333 523は、ワクチン の経口投与に使用するための、抗原を含む直径10マイクロメーター未満の微粒子 を記載する。この微粒子は、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(グリコリド )、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリヒドロキシ酪酸およびポ リ無水物のようなポリマーから形成され、そして腸でパイアー斑を通じて基本的 にサイズの関数として吸収される。 Ducheneら(Drug Dev.Ind.Pharm.、14:283-318(1988))は、薬物送達のための生 体接着性系の薬学的および医学的局面の概説である。ポリカルボフィルおよびア クリル酸ポリマーは、最良の接着特性を有すると注目された。「生体接着」は、材 料が生物学的組織に長時間接着する能力として定義される。生体接着は、明らか に、胃が空であることおよび腸の蠕動から、ならびに線毛運動による移動から生 じる不適切な残留時間の問題に対する1つの解決策である。十分な生体接着が生 じるためには、生体接着剤と受容組織との間に密接な接触が存在しなければなら ず、生体接着剤は、組織表面の裂け目および/または粘液に浸透しなければなら ず、そして機械的、静電的、または化学的結合が形成されなければならない。ポ リマーの生体接着特性は、そのポリマーの性質と周囲媒質の性質との両方によっ て影響される。 他は、生体接着性ポリマーの使用を探索した。PCT WO93/21906は、生体接着性 ミクロスフェアを製作する方法、およびインビトロでミクロスフェアと胃腸管の 選択されたセグメントとの間の生体接着力を測定する方法を開示する。Smartら( J.Pharm.Pharmacol.、36:295-299(1984))は、粘膜ディッシュと接触するポリマ ーコートガラスプレートを使用して粘膜への接着を試験する方法を報告する。ア ルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、ペク チン、およびポリビニルピロリドンを含む種々のポリマー性材料を試験した。Gu rneyら(BiOmaterials、5:336-340(1984))は、接着が物理的または機械的結合; 二次化学結合;および/または一次化学結合、イオン結合、または共有結合によ って影響され得ることを報告した。Parkら(J.M.AndersonおよびS.W.Kim(編)、「R ecent Advances in Drug Delivery」、Plenum Press、New York、1984、163-183 頁の「Alternative Approaches to Oral Controlled Drug Delivery:Bioadhesive s and In-Situ Systems」)は、ムチン/上皮表面へのポリマーの接着性を決定する ために、細胞中で蛍光プローブを使用することの研究を報告し、高電荷密度を有 するアニオン性ポリマーは、接着性ポリマーとして好ましいようであることを指 摘した。WO 92/11871は、薬学的化合物の持続放出のための組成物を開示する。 ここで、この組成物は、薬学的化合物と遊離可能に結合したイオン交換樹脂粒子 が組み込まれた腐食性ポリマーマトリックスを含有する。ポリマーは、好ましく は、ポリビニルピロリドン、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)また はそれらの混合物のような生体接着性である。 Mikosら(J.Colloid Interface Sci.、143:366-373(1991))およびLehrら(J.Con trolled Rel.Soc.、13:51-62(1990))は、薬物送達におけるポリ無水物およびポ リアクリル酸それぞれの生体接着特性の研究を報告した。Lehrらは、インビトロ 系を使用してアクリル酸のコポリマーから生成された微粒子をスクリーニングし 、そしてコポリマー「ポリカルボフィル(Polycarbophil)」が接着を増大させたこ とを決定した。 一般に、胃腸(IG)粘液は、Spiro,R.G.(Annual Review of Biochemistry、39:5 99-638(1970));Labat-Robert,J.およびDecaeus,C.(Pathologie et Biologie(Pa ris)、24:241(1979));ならびにHorowitz,M.I.(Alimentary Canal(C.F.Code編)1 063-1085頁(Washingto:American Physiological Society,1967)の「Mucopolysa ccharides and Glycoproteins of the Alimentary Tract)により記載されるよう に、95%の水ならびに5%の電解質、脂質、タンパク質および糖タンパク質か ら作られる。 粘膜を通じてのポリマー性薬物送達系(例えば、ポリマー性ミクロスフェア)か らの薬剤の吸収を制御するかまたは増大させる方法についての必要性が存在する 。この系の鼻経路または胃腸経路の通過を遅延させる方法についての必要性もま た 存在する。したがって、本発明の目的は、ポリマー性薬物送達系(例えば、ミク ロスフェア、錠剤、カプセル、およびステント)の生体接着特性を改善する方法 を提供することである。本発明の別の目的は、粘膜(口腔粘膜および鼻粘膜、な らびに胃腸管および生殖管の粘膜を含む)へのミクロスフェアのような薬物送達 系の接着を改善する方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、多様 な治療的適用において広範な薬物または診断剤を送達するために使用され得る、 粘膜への結合能力が改善されたポリマー性薬物送達系を提供することである。本 発明の別の目的は、腸粘膜を横切る組込みについて改善された能力を有するポリ マー性薬物送達系(ここで、薬物送達系の粒子は、サイズ範囲が0.1〜10μm である)を提供することである。 発明の要旨 増強された生体接着特性を有するポリマーが提供され、ここで無水物のモノマ ーまたはオリゴマーが、ポリマー中に組み込まれる。ポリマーは、組織表面(例 えば、粘膜)に接着する改善された能力を有する薬物送達系を形成するために使 用され得る。無水物オリゴマーは有機二塩基酸モノマーから形成され、好ましく は、これはクレブス解糖サイクル中に通常見出される二塩基酸である。ポリマー の生体接着特性を増強する無水物オリゴマーは、5000以下(代表的には100〜500 0ダルトンの間)の分予量を有するか、または無水物結合によって結合しそして カルボン酸モノマーとの無水物結合で終わる20以下の二塩基酸単位を含む。 オリゴマー賦形剤は、タンパク質、多糖、および合成生体接着性ポリマーを含 む広い範囲の親水性および疎水性ポリマー中にブレンドされ得るか、または組み 込まれ得る。1つの実施態様において、オリゴマーは使用されるポリマー内に組 み込まれて、薬物または診断剤を含有する薬物送達系(例えば、ミクロスフェア )を形成またはコートし得る。別の実施態様において、適切な分子量を有するオ リゴマーは、治療剤または診断剤をカプセル化するために単独で使用され得る。 さらに別の実施態様において、無水物オリゴマーは金属酸化物粒子と組み合わさ れて、有機添加剤単独よりも生体接着を改善し得る。有機色素は、それらの電荷 および疎水性/親水性に起因して、ポリマーに組み込まれた場合にポリマーの生 体接着特性を増加させ得るか、または減少させ得るかのいずれかである。 ポリマー(例えば、ミクロスフェアの形態)は、粘膜に接着する増加した能力 を有し、従って、胃腸管、気道、排泄管、および生殖管の粘膜を含む、任意の範 囲の粘膜表面を介して薬物または診断剤を送達するために使用され得る。 図面の簡単な説明 図1は、生理食塩水中のインスリンの投与後と、FeOを含有するフマル酸オリ ゴマー/ポリ(ラクチド-co-グリコリド)ミクロスフェア中のインスリンの投与後 との、ラットの血液グルコースレベルを比較するグラフである。 図2(a〜c)は、実施例12に記載されるポリマーについての、破砕強度(mN/cm2 )およびパーセント結合(%)を比較するグラフである。 図3(a〜c)は、実施例13に記載されるような、36時間にわたる[P(FA:SA)20: 80]:FAO、PCL:FAO、およびPCL:MAの分解についての、時間(時)に沿ったpH変化 を比較するグラフである。 図4は、実施例3および11に記載されるポリマーについての、破砕強度(mN/cm2 )およびパーセント結合(%)を比較するグラフである。 発明の詳細な説明 粘膜のような組織表面に増加した接着性を有する、そこに組み込まれた無水物 オリゴマーを有するポリマーが提供される。ポリマーに組み込まれたオリゴマー は、例えば、末端基がメチル化または「ブロック化」されたフマル酸、セバシン 酸、またはマレイン酸の無水物オリゴマーであり得る。1つの実施態様において 、ポリマーは、治療薬剤または診断薬剤を含有するポリマー性ミクロスフェアの ような薬物送達系を形成するのに使用され得る。通常生体付着性ではない広範な 種々の異なるポリマーへのオリゴマー化合物の組込みは、粘膜のような組織表面 に対する付着性を劇的に増加させる。オリゴマー化合物を組み込んだポリマーは 、ポリマー性ミクロスフェアのような広範な種々の薬物送達系を形成するために 使用され得る。これは、治療薬剤または診断薬剤を全身(胃腸管、分泌管、気道 、生殖管を含む)の粘膜へと送達するのに使用され得る。オリゴマー化合物は、 ポ リマー成型錠剤もしくはポリマーコート錠剤、浸透圧ポンプ、または粘膜と相互 作用し得る任意のデバイスへ組み込まれ得る。さらに、金属酸化物が、オリゴマ ーと共にポリマーの生体接着性特性をさらに増大させるために組み込まれ得る。 無水物オリゴマー 本明細書中で使用される用語「無水物オリゴマー」は二塩基酸または無水物結 合により結合したポリ二塩基酸をいい、そして無水物結合による酢酸のような一 塩基酸へ結合するカルボキシ末端基を有する。無水物オリゴマーは分子量5000ダ ルトン未満、代表的には100〜5000ダルトン(すなわち、無水物結合で結合され た1と20との間の二塩基酸単位を含むものとして規定される。)を有する。1つ の実施態様において、この二塩基酸は、クレブス解糖サイクルに通常見い出され るような二塩基酸である。無水物オリゴマー化合物は、高い化学反応性を有する 。 オリゴマーは、二塩基酸の過剰量の無水酢酸との環流反応により、形成され得 る。過剰量の無水酢酸は、真空下でエバポレートされ、そして得られるオリゴマ ーは無水物結合により結合した1と20との間の二塩基酸単位を含む種の混合物で あり、例えば、トリエンまたは他の有機溶媒からの再結晶により精製される。オ リゴマーは濾過により回収され、そして例えばエーテルで洗浄される。この反応 は、無水物結合ににより互いに結合した末端カルボン酸基を有する一塩基酸およ び多塩基酸の無水物オリゴマーを形成する。 無水物オリゴマーは、加水分解に不安定である。ゲルパーミエーションクロマ トグラフィーにより分析されるように、例えば、分子量はフマル酸オリゴマー(F AO)について200〜400、およびセバシン酸オリゴマー(SAO)については2000〜40 00のオーダー上にあり得る。無水物結合は、フーリエ変換赤外線分光学によって 、通常、1700cm-1でのカルボン酸のピークに対応する消滅を伴う、1750cm-1およ び1820cm-1における二重ピークという特徴によって、検出され得る。 1つの実施態様において、オリゴマーは、例えば、Dombらの米国特許第4,757. 128号、Dombの米国特許第4,997,904号およびDombらの米国特許第5,175,235号に に記載される二酸からの作製され得る。例えば、セバシン酸、ビ ス(p-カルボキシ-フェノキシ)プロパン、イソフタル酸、フマル酸、マイレン酸 、アジピン酸またはドデカンジオン酸のようなモノマーが、使用され得る。 有機色素 有機色素は、その電荷および親水性/疎水性のために、ポリマーマトリックス に組み込まれるかまたはポリマーの表面に結合した場合に、種々のポリマーの生 体接着特性を変化させ得る。生体接着特性に影響し得る色素の部分的なリストは 以下を含む:酸性フクシン、アルシアンブルー、アリザリンレッドs、オーラミ ンo、アズールaおよびアズールb、ビスマルクブラウンy、ブリリアントクレシル 青液ald、ブリリアントグリーン、カーミン、シバクロンブルー3GA、コンゴーレ ッド、クレシルバイオレットアセテート、クリスタルバイオレット、エオシンb 、エオシンy、エリスロシンb、ファストグリーンfcf、ギムザ、ヘマトキシリン 、インジゴカーミン、ヤヌスグリーンb、ジェンナー染色液、マラカイトグリー ンオキザラート、メチルブルー、メチレンブルー、メチルグリーン、メチルバイ オレット2b、ニュートラルレッド、ナイルブルー、オレンジII,オレンジG、オ ルセイン、パラオサニリンクロリド、フロキシンb、ピロニンbおよびピロニンy 、反応性の青色4および青色72、反応性の茶色10、反応性の緑色5および緑色19 、反応性の赤色120、反応性の黄色2、3、13および86、ローズベンガル、サフ ラニンo、スダンIIIおよびIV、スダンブラックBならびにトルイジンブルー。 ポリマー 無水物オリゴマーおよび有機色素は、溶解、分散、または混和によって、広範 な種々の異なるポリマーへ組み込まれて、ポリマーの組織への結合能力を改善し 得る。例えば、オリゴマーを使用されるポリマー中に組み込み、ポリマー性ミク ロスフェアのような薬物送達系を形成またはコーティングし得る。 使用され得る代表的なポリマーは、ポリアクリル酸を含むカルボキシル基を含 むポリマーのような親水性ポリマーを含む。ポリ無水物、ポリ(ヒドロキシ酸) およびポリエステル、ならびにそれらのブレンドおよびコポリマーを含む生物腐 食性ポリマーもまた使用され得る。使用され得る代表的な生物腐食性ポリ(ヒド ロキシ酸)およびそれらのコポリマーは、ポリ乳酸、ポリ(グリコール酸)、ポ リ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシバレリル酸)、ポリ(カプロラクトン )、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、およびポリ(ラクチド−コ−グリ コライド)を含む。ポリ無水物およびポリオルトエステルのような不安定性結合 を含有するポリマーは、必要に応じて加水分解反応性を低減させた改変形態にお いて使用され得る。キトサンのような正荷電ヒドロゲル、およびポリスチレンの ような熱可塑性ポリマーもまた、使用され得る。 使用され得る代表的な天然ポリマーは、ゼイン、改変ゼイン、カゼイン、ゼラ チン、グルテン、血清アルブミン、またはコラーゲンのようなタンパク質、およ びデキストラン、ポリヒアルロン酸、およびアルギン酸のような多糖を含む。代 表的な合成ポリマーは、ポリホスファゼン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ リアクリルアミド、ポリシロキサン、ポリウレタン、およびそれらのコポリマー を含む。セルロースもまた、使用され得る。本明細書中で定義される用語「セル ロース」は、アルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、 ヒドロキシアルキルセルロース、およびニトロセルロースのような天然セルロー スおよび合成セルロースを含む。例示的なセルロースは以下を含む:エチルセル ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー ス、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプ ロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレ ート、セルローストリアセテートおよびセルロースサルフェートのナトリウム塩 。 アクリル酸およびメタクリル酸もしくはエステルのポリマーおよびそのコポリ マーは、使用され得る。使用され得る代表的なポリマーは、ポリ(メチルメタク リレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ( イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシル メタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレー ト)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソ ブチルアクリレート)およびポリ(オクタデシルアクリレート)を含む。 使用され得る他のポリマーは、ポリアルキレン(例えばポリエチレンおよびポ リプロピレン);ポリスチレンのようなポリアリールアルキレン;ポリ(エチレ ングリコール)のようなポリ(アルキレングリコール);ポリ(エチレンオキシド) のようなポリ(アルキレンオキシド);およびポリ(エチレンテレフタラート)のよ うなポリ(アルキレンテレフタラート)。さらに、使用され得る、本明細書中で定 義されるポリビニルポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、 ポリビニルエステルおよびポリビニルハライドを含む。例示的なポリビニルポリ マーは、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルフェノール、およびポリビニルピ ロリドンを含む。 温度またはずりもしくは他の物理的力の関数として粘性を変えるポリマーもま た、使用され得る。ポリ(オキシアルキレン)ポリマーおよびポリ(エチレンオキ シド)-ポリ(プロピレンオキシド)(PEO-PPO)コポリマー、またはポリ(エチレン オキシド)-ポリ(ブチレンオキシド)(PEO-PBO)コポリマーのようなコポリマー 、ならびにこれらのポリマーのポリ(αヒドロキシ酸)(乳酸、グリコール酸、 およびヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ならびにポリバレロラクトンを含 むがこれらに限定されない)のようなポリマーとのコポリマーおよびブレンドは 、合成され得るか、または商業的に入手され得る。例えば、ポリオキシエチレン およびポリオキシプロピレンコポリマーのようなポリオキシアルキレンコポリマ ーが米国特許第3,829,506号;同3,535.307号;同3,036.118号;同2,979.578号; 同2,677,700号;および同2,675,619号に記載されている。 ポリオキシアルキレンコポリマーは、例えば、BASFにより商標PluronicsTMで 販売されている。これらの物質は、室温以下での粘性の溶液であり、より高い体 温で固まるものとして適応される。この挙動を有する他の物質は公知であり、そ して本明細書中で記載されるように利用され得る。これらには、KluceITM(ヒド ロキシプロピルセルロース)、および精製konjacグルコマンナンガムを含む。 高温は液体だが、体温で固体もしくはゲル化しているポリマー溶液もまた、利 用され得る。種々の熱可逆性ポリマーが公知であり、これは、天然ゲル形成材料 (例えば、上記のような、アガロース、寒天、ファーセララン、β−カラゲナン 、β-1,3,-グルカン(例えば、カードラン)、ゼラチン、またはポリオキシアル キ レン含有化合物)を含む。特定の例は、Dunnの米国特許第4,938,763号に記載さ れるインビボでの使用のための熱硬化性の生体分解性ポリマーを含む。 これらのポリマーは、Sigma Chemical Co.、St.Louis,MO;Polysciences,W arrenton,PA;Aldrich,Milwaukee,WI;Fluka,Ronkonkoma,NY;およびBioRa d,Richmond,CAのような供給源から得られ得るか、またはこれらまたは他の供 給者から得られるモノマーから標準技術を使用して合成され得る。 ポリマー性ミクロスフェアの形成 広範な種々のポリマーを使用して、ミクロスフェアのポリマー表面が無水物オ リゴマーをそこに組込み、ミクロスフェアの生体接着特性(例えば、ミクロスフ ェアの粘膜への接着する能力)を増強させたミクロスフェアを形成し得る。ポリ マーの生体接着特性を増強するオリゴマーは、好ましくは、オリゴマー/ポリマ ー比が0.1%と95%との間、好ましくは、1%と50%との間、そしてより好まし くは25%と50%との間で、ミクロスフェアの形成の前にポリマーへ組み込まれる 。本明細書中で用いられる用語「ミクロスフェア」は、単一の球状、マイクロカ プセル(ポリマーの芯および外層を有する)、および不揃いな形の粒子を有する ミクロスフェアを含む。一般に、ミクロスフェアは、nm範囲から5mmまでの直径 を有する。ミクロスフェアは、その全体が無水物オリゴマーを組み込んだポリマ ーから製造されるか、またはこのオリゴマーを組み込んだポリマーの外皮のみを 有し得る。 1つの実施態様において、ポリ乳酸ミクロスフェアは、溶媒エバポレーション 、ホットメルトマイクロカプセル化、相転換ナノカプセル化、およびスプレー乾 燥を含む、方法を用いて、製造され得る。ビス-カルボキシフェノキシプロパン およびセバシン酸もしくはポリ(フマル-コ-セバシン)からなるポリ無水物は、 ホットメルトマイクロカプセル化により調製され得る。ポリスチレンミクロスフ ェアは、溶媒エバポレーションにより調製され得る。ヒドロゲルミクロスフェア は、PCT WO93/21906、1993年11月11日公開に記載のように、アルギン酸、キトサ ン、アルギン酸/ポリエチレンイミン(PEI)およびカルボキシメチルセルロー ス(CMC)のようなポリマー溶液をリザーバから、微小液滴形成デバイスを通し て撹拌したイオン浴へ滴下させることにより調製され得る。 無水物オリゴマーは、形成の前または後のいずれかでポリマー性ミクロスフェ アへと組み込まれ得る。例えば、無水物オリゴマーは、以下に記載の方法のよう な方法を介して溶液中のオリゴマーの粒子の微細に粉砕された分散またはミクロ スフェアが形成する前のポリマーの分散により、ミクロスフェアへと組み込まれ 得る。あるいは、オリゴマー化合物は、例えば、溶液中のミクロスフェアを分散 させるか、またはオリゴマー化合物の分散に次いでエバポレーションまたは濾過 による溶媒の除去により、ミクロスフェアの形成後にポリマーへと組み込まれ得 る。 A.溶媒エバポレーション 溶媒エバポレーション技術を用いるミクロスフェアの形成法は、E.Mathiowitz ら、J.Scanning Microscopy、4:329(1990);L.R.Beckら、Fertil,Steril,31: 545(1979);およびS.Benltaら、J.Pharm.Sci.73:1721(1984)に記載される。 ポリマーおよびオリゴマーは揮発性の有機溶媒(例えば、塩化メチレン)に溶解 される。必要に応じて、組み込まれるべき物質は溶液に添加され、そしてその混 合物は、ポリ(ビニルアルコール)のような表面活性剤を含む水性溶液に懸濁さ れる。得られる乳濁液は、固体のマイクロスフェアを残してほとんどの有機溶媒 がエバポレートするまで撹拌される。異なるサイズの(1と1000μmとの間)お よび形態のミクロスフェアは、この方法により得られ得る。この方法は、ポリエ ステルおよびポリスチレンのような比較的安定なポリマーに有用である。しかし 、ポリ無水物のような不安定なポリマーは製造プロセスの間に、水の存在のため に分解し得る。これらのポリマーについては、完全に無水の有機溶媒において実 施した以下のいくつかの方法が最も有用である。 B.ホットメルトマイクロカプセル化 ミクロスフェアは、ポリエステルおよびポリ無水物のようなポリマーから、Ma thiowitzら、Reactive Polymers、6:275(1987)に記載のようなホットメルトマイ クロカプセル化方法を使用して形成され得る。この方法において、3と75000ダ ルトンとの間の分子量を有するポリマーの使用が好ましい。この方法に おいて、ポリマーはまず、溶解し、次いで組み込まれるべき物質の50μm未満に 篩いをかけた固体粒子と混合される。混合物を非混和性溶媒(例えば、シリコン 油)中に懸濁し、そして、連続的な撹拌でポリマーの融点より5℃上まで加熱す る。一旦乳化剤が安定化されると、ポリマー粒子が固体化するまで冷却される。 得られたミクロスフェアは、石油エーテルでのデカントにより洗浄されて、自由 流性粉末を与える。1と1000μmとの間のサイズを有するミクロスフェアは、こ の方法により得られる。 C.溶媒抽出 この方法は、主にポリ無水物用に設計され、そして例えば、PCT WO 93/21906 に記載される。この方法において、組み込まれるべき物質およびオリゴマーは、 塩化メチレンのような揮発性有機溶媒中の選択されたポリマーの溶液中に分散し ているかまたは溶解している。この混合物を有機油(例えば、シリコン油)中で 撹拌することにより懸濁して乳濁液を形成する。1〜300μmの範囲のミクロス フェアがこの手順により得られ得る。 D.スプレー乾燥 スプレー乾燥技術を用いるミクロスフェアの形成法は、米国出願番号第08/467 .811号に記載される。この方法において、ポリマーおよびオリゴマーは、塩化メ チレンのような有機溶媒中に溶解している。あるいは、オリゴマーはポリマー溶 媒に可溶性ではない場合、オリゴマーは微小化され得、分散され得、そしてポリ マー溶液でスプレーされ得る。既知量の組み込まれるべき物質は、ポリマー溶液 中に懸濁する(不溶性薬剤)か、または共溶解(可溶性薬剤)している。次いで 、溶液または分散は、スプレー乾燥される。0.1と10μmとの間のミクロスフェ アが得られる。この方法は、腸管の造影のためのミクロスフェアを調整するのに 有用である。この方法を使用して、オリゴマーに加えて、ガスのような診断造影 剤は、ミクロスフェアに組み込まれ得る。 E.相転換 ミクロスフェアは、相転換法を使用してポリマーから形成され得る。ここで、 ポリマーおよびオリゴマーは、「良好な」溶媒に溶解し、組み込まれるべき物質 の細かい粒子(例えば、薬物)は、ポリマー溶液に混合または溶解され、そして 混合物は、自発的にポリマー性ミクロスフェアを生成するように好ましい条件下 でポリマーにとって強度の非溶媒へとそそぎ込まれる。ここで、ポリマーは、粒 子でコーティングされるか、または粒子はポリマー中に分散されているかのいす れかである。この方法を使用して、例えば、100nmと10μmとの間を含む広範な 範囲のサイズの微粒子を生成し得る。使用され得る例示的なポリマーは、ポリビ ニルフェノールおよびポリ乳酸を含む。組み込まれ得る物質は、例えば、傾向色 素のような造影剤、またはタンパク質もしくは核酸のような生物学的に活性な分 子を含む。このプロセスにおいてポリマーは、有機溶媒に溶解され、次いで非溶 媒に接触され、溶解したポリマーの相転換を起こして、必要に応じて、薬物また は他の物質を組み込んだ狭いサイズの分布を伴う小さな球状の粒子を形成する。 有利には、懸濁液は、沈澱の前に形成される必要はない。このプロセスは、以 下の表に列挙されるもののような熱可塑性ポリマーからのミクロスフェアを形成 するために使用され得る: 表1は相転換実験の結果を示し、以下を含む:ポリマー種の相関、分子量、濃度 、粘度、溶媒:非溶媒対、および最終産物の形態。粘度の単位はセンチポアズで あ り、そして濃度の単位は最初のポリマー濃度に対する(w/v)である。 F.タンパク質マイクロカプセル化 タンパク質ミクロスフェアは、Mathiowltzらの米国特許第5,271,961号に記載 されるように非溶媒中での相分離に続く溶媒除去により形成され得る。使用され 得るタンパク質は、ゼインのようなプロラミンを含む。さらに、タンパク質の混 合物あるいはタンパク質および生体分解性ポリマー材料(例えば、ポリ乳酸)の 混合物が使用され得る。1つの実施態様において、プロラミン溶液および組み込 まれる物質は、プロラミン溶媒との限定された混合性を有する第二の液体と接触 し、そして混合物は撹拌されて分散を形成する。次いで、プロラミン溶媒を除去 して、架橋または熱変性なしに熱安定なプロラミンミクロスフェアを生成する。 使用され得る他のプロラミンは、グリアジン、ホルデイン、およびカフィリンを 含む。ミクロスフェアに組み込まれ得る物質は、オリゴマー化合物に加えて、医 薬、農薬、栄養物、および造影剤を含む。 G.低温ミクロスフェア成型 制御放出ミクロスフェアの超低温成型方法は、Gombotzらの米国特許第5,019,4 00号に記載される。この方法において、ポリマーは組み込まれるべき溶解もしく は分散した物質、および無水物オリゴマーとともに溶媒に溶解し、そして混合物 は、ポリマー-物質溶液の凝固点未満で液体非溶媒を含む容器中に噴霧化される 。これは、ポリマー液滴を凍結させる。液滴およびポリマーについての非溶媒は 温められ、液的中の溶媒が融解し、そして非溶媒中に抽出され、ミクロスフェア を強固にする。 オリゴマー化合物に加えて、タンパク質、短鎖ペプチド、多糖、核酸、脂肪、 ステロイド、ならびに有機薬物および無機薬剤のような生物学的因子は、ミクロ スフェアに組み込まれ得る。ミクロスフェアを形成するために使用され得るポリ マーは、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(カプロラクトン) 、ポリカーボネート、ポリアミド、およびポリ無水物を含む。この方法により生 成されるミクロスフェアは、一般に5と1000μmの間の、好ましくは30と50μ mの間の、そしてまた0.1と5μmの間の範囲である。 H.二重壁マイクロカプセル 多重壁ポリマーミクロスフェアは、2つの親水性ポリマーを水性溶液に溶解す ることによって調製され得る。組み込まれるべき物質およびオリゴマーは、ポリ マー溶液中に分散または溶解しており、そして混合物は連続相中に懸濁されてい る。次いで、溶媒を緩徐にエバポレートし、1つのポリマーおよび第二のポリ間 の外層により形成される内核を有するミクロスフェアを作製する。連続相は、有 機油、揮発性有機溶媒、または第一のポリマー混合物とは可溶性でない第三のポ リマーを含む水性溶液のいずれかであり得る。そして、混合物が撹拌するにつれ これは最初の2つのポリマーの分離を起こす。 多重層ポリマー性薬物、タンパク質、または細胞送達系は、この方法を用いて 2つ以上のポリマーから調製され得る。それらの相図により示されるように特定 の濃度で互いに可溶性でない任意の2つ以上の生体分解性、または非分解性、水 溶性ポリマーが使用され得る。多重層マイクロカプセルは、ポリマーの均一な時 限の相を有し、そして金属化合物に加えて生物学的活性薬剤(薬物もしくは細胞 )または診断剤(例えば、色素)を含む範囲の物質を組み込み得る。 第一のポリマーからなるポリマー性核および第二のポリマーの均一コーティン グ、ならびにポリマーの少なくとも1つへ組み込まれ得る物質を含有するミクロ スフェアは、米国特許第4,861,627号に記載のように作製され得る。 I.ヒドロゲルミクロスフェア ゲルタイプのポリマーからなるミクロスフェア(例えば、アルギン酸)は、伝 統的なイオンゼラチン化技術により生成される。ポリマーはまず、水性溶液に溶 解され、組み込まれるべき物質および無水物オリゴマーと混合され、次いで微小 液滴形成デバイスを通して押し出す。これは、いくつかの場合、窒素ガスの流れ を使用して液滴を破壊する。緩徐に撹拌するイオン強化浴は、押し出しデバイス の下に配置され、形成する微小液滴を受け取る。ミクロスフェアはゼラチン化が 起こるのに充分な時間を確保するために20〜30分間で浴中に残してインキュベ ートする。ミクロスフェア粒子サイズは、異なるサイズの押し出し器を使用する か、窒素ガスまたはポリマー溶液流速を変化させることにより制御される。 キトサンミクロスフェアは、ポリマーを酸溶液に溶解しトリポリホスフェート と架橋させる異により調製され得る。カルボキシメチルセルロース(CMC)ミク ロスフェアは、ポリマーを酸溶液に溶解し、そしてミクロスフェアを鉛イオンで 沈澱させることにより調製され得る。アルギン酸/ポリエチレンイミド(PEI) は、アルギン酸マイクロカプセル上のカルボキシル基の量を低減させるために調 製され得る。これらの系の利点は、異なる化学の使用による、それらの表面特性 をさらに変化させる能力である。負荷電ポリマー(例えば、アルギン酸、CMC) の場合において、異なる分子量の正荷電配位子(例えば、ポリリジン、ポリエチ レンイミン)は、イオン結合され得る。 微小化オリゴマー粒子は、ゼラチンの前にヒドロゲル溶液と混合され得、ある いは他のヒドロゲルミクロスフェアは、凍結乾燥され得、そして浸漬またはスプ レーによりオリゴマー溶液でコートされる。 J.色素の組込み 本発明の別の実施態様において、色素は、微粉化固体粒子としてか、油性もし くは水性キャリア中に乳濁化し、そしてポリマーマトリックス中に分散されるか 、あるいはポリマー溶媒中に可溶化されるかのいずれかで組み込まれて、バルク ポリマー相中への分散をもたらし得る。色素はまた、従来のカップリング化学反 応(例えば、グルタルアルデヒドまたはカルボジイミドを用いて)および当業者 に公知の他のカップリング法を用いてポリマーの表面に固定化されて、ポリマー 送達系の生体接着特性を増加させ得る。 ミクロスフェアの改変 必要に応じて、無水物オリゴマーを組み込んだポリマーミクロスフェアはまた 、共有結合的または非共有結合的のいずれかで、ミクロスフェアの特異的結合お よび送達を促進するために、表面に標的分子を組み込んでいることもあり得る。 ポリマーの生体接着特性を変更する分子はまた、ミクロスフェアに結合され得る 。 例えば、ポリマーは、生分解の間に到達し得るカルボキシル基またはポリマー 表面上のカルボキシル基の数を増加させることによって改変され得る。ポリマー はまた、ポリマーにアミノ基を結合させることによって改変され得る。ポリマー は、当該分野で入手可能な多くの異なるカップリング化学の任意のものを用いて 、生体接着特性を有するリガンド分子をポリマーミクロスフェアの表面に露出し た分子に共有結合させることによって改変され得る。 レクチンは、ミクロスフェアに共有結合されて、ムチンおよび粘膜の細胞層を 標的化し得る。有用なレクチンリガンドは、以下から単離されるレクチンを含む :Abrus precatroius、Agaricus bisporus、Anguilla anguilla、Arachishypoga ea、Pandeiraea simplicifolia、およびBauhinia purpurea。 任意の正に荷電したリガンド(例えば、ポリエチレンイミンまたはポリリジン )の任意のミクロスフェアへの結合は、ビーズをコートしているカチオン性基の 粘膜の正味の負電荷に対する静電気的誘引力に起因して生体接着を改善し得る。 ムチン層のムコ多糖およびムコタンパク質(特に、シアル酸残基)は、負電荷コ ーティングを担っている。ムチンに対する高結合親和性を有する任意のリガンド はまた、適切な化学を用いてほとんどのミクロスフェアに共有結合され得、そし て腸へのミクロスフェアの結合に影響を与えることが予想され得る。例えば、ム チンまたは他の無傷のムチンの成分に対して惹起されたポリクローナル抗体は、 ミクロスフェアに共有結合的にカップリングした場合、増大した生体接着性を提 供する。同様に、腸管の管腔表面に露出した特定の細胞表面レセプターに対する 抗体は、適切な化学を用いてミクロスフェアにカップリングした場合、ビーズの 滞在時間を増加する。リガンドの親和性は、静電気的電荷にのみ基づく必要はな いが、ムチン中での可溶性または炭化水素基への特異的親和性のような他の有用 な物理的パラメーターに基づいてもよい。 純粋かまたは部分的に精製された形態のいずれかであるムチンの任意の天然の 成分の、ミクロスフェアへの共有結合は、ビーズ−腸界面の表面張力を減少させ 、そしてムチン層中でのビーズの可溶性を増大させる。有用なリガンドには、以 下が含まれる:シアル酸、ノイラミン酸、n-アセチル-ノイラミン酸、n-グリコ リルノイラミン酸、4-アセチル-n-アセチルノイラミン酸、ジアセチル-n-アセチ ル ノイラミン酸、グルクロン酸、イズロン酸、ガラクトース、グルコース、マンノ ース、フコース、天然に存在するムチンの化学処理によって調製された任意の部 分的に精製された画分(例えば、ムコタンパク質、ムコ多糖、およびムコ多糖− タンパク質複合体)、および粘膜表面上のタンパク質または糖構造に対して免疫 反応性の抗体。 付加的なカルボン酸側鎖(例えば、ポリアスパラギン酸およびポリグルタミン 酸)を含有するポリアミノ酸の結合もまた、生体接着性を増加させ得る。15,000 〜50,000kDaの分子量範囲のポリアミノ酸の使用は、ミクロスフェアの表面に結 合した120〜425アミノ酸残基の鎖を生じる。ポリアミノ鎖は、ムチン鎖における 鎖の絡み合いによって、およびカルボキシル電荷を増大させることによって、生 体接着を増大させる。 治療剤および診断剤 ポリマーの生体接着特性を改善する無水オリゴマーを組み込んだポリマーは、 任意の広範な治療剤および診断剤を含有したミクロスフェアまたは錠剤のような 薬物送達系を形成またはコートするために使用され得る。薬物送達系は、例えば 、経口、直腸、経鼻、または経膣投与によって投与され得る。 1つの実施態様において、オリゴマーを組み込んだポリマーは、ポリマーじゅ うに分散されてか、またはミクロスフェアの1つまたはそれ以上の領域内に分散 されてのいずれかで、薬物を含有する生体接着性ミクロスフェアを形成するため に使用され得る。抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生生物(蠕虫、原生動物)剤、 抗ガン剤、抗体およびその生物活性なフラグメント、抗原およびワクチン処方物 、ペプチド薬物、抗炎症剤、ならびにオリゴヌクレオチド薬物を含む任意の広範 な材料が、標準的な技術を用いてミクロスフェア中に組み込まれ得る。材料は、 有機化合物、無機化合物、タンパク質、多糖、および核酸(例えば、DNAおよびR NA)であり得る。 有用なタンパク質の例には、インスリン、成長ホルモン(ソマトメジン(soma tometin)を含む)、トランスフォーミング増殖因子、および他の増殖因子のよ うなホルモン、経口ワクチンのための抗原、ラクターゼまたはリパーゼのような 酵素、ならびにパンクレアチンのような消化補助剤が含まれる。有用な抗ウイル ス剤の例は、プロテアーゼインヒビターを、単独で、あるいはHIVまたはB型も しくはC型肝炎の処置のためのヌクレオシドとの組合せで含み得る。有用な抗ガ ン剤には、シスプラチンおよびカルボプラチン、BCNU、5FU、バンコマイシン、 メトトレキサート、アドリアマイシン、カンプトセシン、ならびにタキソールが 含まれる。有用な抗原の例には、抗体およびその生物活性なフラグメントが含ま れる。有用なオリゴヌクレオチドの例には、アンチセンス、アプタマー、リボザ イム、リボヌクレアーゼPの外部誘導(external guide)配列、およびトリプレ ックス形成剤が含まれる。オリゴマーを組み込んだポリマーおよび診断剤または 治療剤はまた、当該分野で利用可能な方法を用いて錠剤として処方され得る。 ポリマーへの無水物オリゴマーの組込みは、粘膜に結合するそれらの能力を増 強する。ポリマーへの有機色素の組込みもまた、それらの生体接着性特性を増大 させる。従って、オリゴマーまたは有機色素のポリマーへの組込みは、哺乳動物 の粘膜(消化管全体、呼吸器、排泄器および生殖管を含む)へのポリマーの接着 を増強し得、従ってポリマーに取り込まれた薬物の送達を増強し得る。従って、 薬物送達系は、予め選択された薬物または診断薬剤の消化管、膣または呼吸器へ の送達に使用され得る。例えば、ミクロスフェアの形態のポリマーは、薬学的に 受容可能なキャリア(例えば、懸濁物または軟膏)で粘膜に例えば、鼻、口、直 腸、または膣を介して送達され得る。例えば、経口または局所的な投与のための 薬学的に受容可能なキャリアは、公知であり、そしてポリマー物質との適合性に 基づいて決定される。他のキャリアとしては、MetamucilTMのようなかさ薬剤(bu lking agent)が挙げられる。 膣の内層または他の粘膜内層を有する開口部(例えば、直腸)への適用のため のミクロスフェアまたは他の薬物送達系に取り込まれ得る治療薬剤または診断薬 剤としては、殺精子剤、酵母またはトリコモナス処置物および抗痔瘻処置物が挙 げられる。オリゴマー含有ポリマーは、消化管送達および膣送達系を含む任意の 粘膜接着送達系に使用され得る。例えば、オリゴマーを取り込んだポリマーは、 避妊薬またはホルモンの送達に使用される膣リングの接着を改善するため、また は浸透圧ポンプの滞留時間を改善するために使用され得る。ミクロスフェアはま た、化学療法薬剤の腫瘍細胞への接着および送達のために処方され得る。 生体接着性を促進するオリゴマー化合物を取り込んだミクロスフェアのような ポリマー物質は、腸疾患の処置に使用される広範な薬物(例えば、スルホンアミ ド(例えば、スルファサラジン)およびグルココルチコイド(例えば、ベタメタ ゾン))の経口投与のために使用される。他の有用な薬物の例としては、潰瘍処 置物(例えば、Marion PhamaceuticalsのCarafateTM)、神経伝達物質(例えば 、L-DOPA)、降圧薬または利尿剤(saluretics)(例えば、Searle Pharmacetutic alsのMetolazone)、炭酸脱水酵素インヒビター(例えば、Lederle Pharmaceuti calsのAcetazolamide)、インスリン様薬物(例えば、グリブリド)、スルホニ ル尿素クラスの血糖低下剤、合成ホルモン(例えば、Brown PharmaceuticalsのA ndroid FおよびICN PharmaceuticalsのTestred(メチルテストステロン)、およ び抗寄生体剤(例えば、メベンダゾール(mebendzole)(VermoxTM、Jannsen Pharm aceutical))、および増殖因子(例えば、線維芽細胞増殖因子(「FGF」)、血 小板由来増殖因子(「PDGF」)、上皮増殖因子(「EGF」)、およびトランスフ ォーミング増殖因子-β(「TGF-β」))が挙げられる。 生体接着性を増強するためにオリゴマーおよびスルファサラジンのような薬物 を取り込んだポリマーミクロスフェア、は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸 炎およびクローン病)の処置に特に有用である。潰瘍性大腸炎では、炎症は、大 腸に限定されるが、クローン病では、炎症病変は、口から直腸まで消化管全体に 見出され得る。スルファサラジンは、これらの疾患の処置に使用される薬物の1 つである。スルファサラジンは、サルファピリジン(抗生物質)、および5-アミ ノサリチル酸(抗炎症剤)まで、大腸内で細菌によって切断される。5-アミノサ リチル酸は、活性な薬物であり、そして局所的に必要とされる。ポリマー薬物送 達系は、腸管中に延長した時間の間薬物を保持することによって治療を改善し得 る。クローン病については、上部小腸における5-アミノサリチル酸の保持が重要 である。なぜなら、細菌は、大腸内でサルファサラジンを切断し、そして上部小 腸における炎症を処置するための通常の方法は、5-アミノサリチル酸の局所投与 によるからである。 ポリマーミクロスフェアはまた、経口ワクチンのために使用され得る。ワクチ ンとして使用するための抗原を取り込んだミクロスフェアは、消化管における種 々の保持時間を有するように作製され得る。種々の保持時間(他の因子の中でと りわけ)は、1以上のタイプの抗体(IgG、IgM、IgA、IgEなど)の産生を刺激し 得る。 ミクロスフェアのサイズは、単独またはポリマー組成物を含む他の因子と組み 合わせて、ミクロスフェア組込みを至適化するために選択され得る。本明細書中 で使用される場合、用語「ミクロスフェア」は、5mm(5000μm)以下のオーダ ーの直径を有するポリマー粒予またはカプセルとして定義され、これは、マイク ロメータースケールで、1mm未満、または例えば、ナノメータースケールで1000 nm未満、例えば、100ナノメーターと1000ナノメーターとの間の直径を有する粒 子またはカプセルを含む。 1つの実施態様において、10μm未満の直径を有するミクロスフェアが使用さ れ得る。増強された組込みは、ポリマーミクロスフェアがオリゴマーとともに装 填され、そして3μmよりも小さいように作製される場合、達成される。1つの 実施態様において、腸に関連したリンパ組織(特に、リンパ細胞および食細胞) への組込みを増強するために、2μmと5μmとの間の直径を有するミクロスフ ェアが使用され得る。さらに、2μm未満(必要に応じて、直径1μm未満)の 直径のミクロスフェアが、非リンパ細胞および非食細胞による組込みを増強する ために使用され得る。組込みを減少させるためには、10μmよりも大きい直径を 有するミクロスフェアが、例えば、消化管へのミクロスフェア中の薬物または診 断薬剤の送達を増強するために使用され得る。 オリゴマー含有または色素含有ポリマーはまた、画像化における使用のための 放射線不透過性物質の経口または静脈内投与のためのミクロスフェアをコートま たは形成するために使用され得る。画像化のための好ましい方法において、バリ ウムのような放射線不透過性物質は、それに取り込まれた金属化合物を有するポ リマーでコートされる。他の放射性不透過性物質の例は、気体または気体発生化 合物を含む。他の放射性物質または磁性物質は、放射線不透過性物質の代わりに 、または放射線不透過物質に加えて使用され得る。 無水物オリゴマーまたは色素を取り込むポリマーはまた、バルーン血管形成術 後の血管の再狭窄を防止するための脈管周囲処置として使用されるシステムを形 成またはコートするために使用され得る。E.Edelmanら、Proc.Natl.Acad.Sc i.,USA 30:1513-1517(1993)に記載のように、オリゴマー含有システムは、損傷 血管壁の外側に移植され得、そして生物接着性特性は、システムを移植部位に維 持し、そして抗増殖性薬剤または血栓溶解性薬剤を血管壁に送達するために使用 される。 無水物オリゴマーまたは色素を取り込むポリマーはまた、抗不整脈剤の制御放 出のための適用において使用され得る。R.Levyら、J.Pharm.Sci.,83:156-16 43(1994)は、不整脈を防止するために薬物の送達のために心臓に付着された非生 物接着性ポリマー移植物の使用を記載する。無水物オリゴマーを取り込む生物接 着性ミクロスフェアは、心膜嚢への付着後に、部位特異的様式で、心臓に増殖因 子または他の生物活性薬物を送達するために使用され得る。アルギン酸ミクロス フェアを使用する生物活性薬物の心臓への送達は、K.Haradaら、J.Clin.Inve st.,94:623-630(1994)により記載されている。 薬物送達デバイス 任意の広範な異なるポリマー薬物送達システムの生物接着は、無水物オリゴマ ー化合物のポリマー中への組込みにより増強され得る。1つの実施態様において 、コーティングおよび他のシステムはまた、システムの生物接着性を改善するよ うに、オリゴマーを取り込むポリマーから形成され得る。例えば、オリゴマーを 取り込むポリマーのコーティングは、マイクロメーターサイズのミクロスフェア からミリメーターサイズのポンプ(例えば、浸透ポンプ)の範囲の制御放出薬物 送達システム上に、または膣リングのような送達システム上にコートされ得る。 システムの生物接着性はこのように改善され得、それゆえそれらの薬物送達適用 における有効性は増強され得る。 フィルムおよびコーティングは、例えば、フィルムキャスティング、押し出し 、メルトキャスティング、プレッシング、モールディング、およびコーティング 技術(例えば、パンコーティング)を含む、当該分野において利用可能な方法を 使 用して形成され得る。1つの実施態様において、例えば、オリゴマー化合物は、 大きな錠剤のコーティングのための流動床により適用されるコーティング中に取 り込まれ得る。生物接着性薬物送達システムのの利点は、増加したバイオアベイ ラビリティー、消化酵素または他の加水分解プロセスによる不活化からの不安定 薬物の保護、および減少した投薬レジメのための増加した患者のコンプライアン スを含む。本発明は、以下の非限定的実施例からさらに理解される。 実施例1:転相により生成されるナノ粒子におけるインスリン送達 ナノ粒子(nanoparticle)を、転相プロセスにより生成した。フマル酸をFish er Chemicalsから購入し、そして95%エタノール中の5%溶液から1回再結晶し た。フマル酸を無水酢酸中で(250ml当たり20g)約3.5時間還流することによっ てオリゴマー化した。還流後、過剰の無水酢酸を真空下での蒸発により除去し、 そして還流した溶液を4℃で一晩貯蔵した。必要であれば、過剰の液体酢酸を濾 過を介して除去し、そして保持物を加熱してトルエン中に溶解することにより精 製した。次いで、得られた溶液を温めながら濾過し、そして保持物を流し出した 。濾液を4℃で一晩結晶化させ、次いでエーテルで2回洗浄して、いかなる残り のトルエンも除去した。フマル酸オリゴマー沈澱物(FAO)(240と280との間のM W)を濾過により採集し、真空下で乾燥し、そして-20℃で、密封したアンバーガ ラスジャー中で貯蔵した。 次に、0.1gのフマル酸オリゴマー(FAO)および0.2gのポリ(ラクチド-コ- グリコリド)(PLGA、50:50)を10mlの塩化メチレン中に溶解した。0.022グラ ムの微粉化FeOをポリマー溶液に添加した。 20mgの亜鉛−インスリン(U.S.Biochemicals)を1.0mlの100mMTris(pH10.0) に添加し、0.25mlの0.3 NHlを添加して、インスリンを溶解し、5.5のpHを有する 溶液を得、そしてさらなる0.75mlの脱イオン水をこの溶液に添加し、これは透明 のままであった。最終インスリン濃度は10mg/mlであった。50mlの10%ZnSO4を0. 5mlのインスリン溶液に添加し、結晶を形成させた。 次いで、亜鉛−インスリン懸濁物をポリマー溶液に添加し、そしてVirtis-she arミキサーを最高設定で使用して乳化した。この混合物を1Lの石油エーテ ル中に迅速に分散した。ナノスフェア(nanosphere)(1マイクロメーター未満 )を真空濾過により採集し、風乾し、液体窒素を用いて凍結し、そして24時間凍 結乾燥した。得られたFAO/PLGAミクロスフェア中のFeOはまた、Transmission El ectron Microscopic(「TEM」)可視化のための電子密度トレーサー(electron dense tracer)を提供した。 FAO/PLGAナノスフェアは、インスリンを、3日間の期間にわたって放出した。 1.6%インスリン(w/w)を装填したナノスフェアのインビトロ放出研究は、60% のインスリンが2時間以内に放出され、そして95%が72時間以内に放出されたこ とを示した。カプセル化されたインスリンが製造プロセスにより不活化されない ことを確実にするために、25mgのナノスフェアをPBS中で2匹の絶食した300gの ラットにI.P.注射し、そしてラット尾静脈由来の血液サンプルを、注射後1.5、 4、および6時間で試験した。平均絶食血液グルコースレベルは87±0.5mg/dlで あった。1.5時間後、レベルは48±2mg/dlに低下し、4時間後、レベルは8±0. 5mg/dlであり、そして6時間後、レベルは38±14mg/dLに増加した。 インビボ研究 10%(W/W)微粉化FeOを装填したナノ粒子の投与後のインスリン送達を、ラッ トモデルにおいて研究した。5匹の300gの絶食させたラットにMetofarneで麻酔 をかけ、そして胃管によって以下の処方物を摂食させた: ラット1および2:0.5ml生理食塩水 ラット3: 24I.U.インスリン/0.5ml生理食塩水(非結晶質懸濁液) ラット4および5:20Ii.U.インスリンおよび10%(W/W)FeOを含有する50mg FAO/PLGAナノスフェア 尾静脈からの血液サンプルを最初のベースラインとして採取し、そして続いて 5mlの5%の滅菌グルコース溶液からなる、皮下グルコース負荷の注入後のグル コース耐性についてラットを試験した。Tutwilerら、Diabetes,27:856-867(197 8)。摂食後の1、3、4、および5時間目に、血中サンプルを再び採取し、そし て血漿グルコースレベルを、Trinder グルコースアツセイを使用して、505nmで 分光光度的に測定した。絶食血液グルコースベースラインレベルに対し て正規化したグルコースレベルを、経時的に図1に示す。 ネガティブコントロール(ラット1および2)は、グルコース負荷に対して予 想される応答を示した。血中グルコースレベルは35%および31%まで上昇し、次 いでベースラインまで落ち始めた。ラット番号3(これは、経口インスリン溶液 を受けた)は、血清グルコースレベルにおいてより大きな上昇(3時間までに62 %)を示し、次いでまたべースラインへ戻った。これはカプセル化されていない インスリンのいくらか極めて限定されたバイオアベイラビリティーを示す。 ラット4におけるグルコースレベルは最初の1時間でベースライン以下に落ち 、2〜3時間で上昇した血清グルコースレベルを有し、次いでグルコースレベル は3.5時間後にベースライン以下まで落ちた。 ラット5は3時間までに血糖において4%のみの上昇を有し、次いでグルコー スレベルはベースライン以下まで落ちた。ラット4は極めて高い絶食グルコース レベルを有し、そして極めて不安定な測定血液レベルをさらに有し、そして5時 間後に死亡した。 インスリン装填ナノスフェアを摂食させたラットは、ナノスフェアを与えてい ないラットよりも、グルコース負荷を良好にコントロールし得るように思われ( 約30%上昇に対して3時間で4%の上昇)、従ってこれはカプセル化インスリン の組込みおよび活性を意味する。さらに、5時間目では、インスリンスフェア( sphere)を摂食させたラットのみが、ベースライン(絶食レベル)より有意に低 い血液グルコースレベルを示した。 5時間後に採取したラット4からの組織サンプルの光学顕微鏡検査は、インス リン装填ナノスフェアの広範囲の分布を実証した。小腸の粘膜上皮、バイエル板 (「PP」)、固有層、乳び管、胃壁の血管ならびに脾臓および組織サンプル中に おいても血管を横切るスフェアを多数観察した。 実施例2:オリゴマーミクロスフェアのホットメルト製造 フマル酸およびセバシン酸(Fisher Scientific)を、95%エタノール中のモ ノマーの5%溶液から再結晶した。モノマーを、無水酢酸中(250ml当たり20g) で0.5時間〜3.5時間還流することによって別々に重合化し、そして過剰 の無水酢酸を真空エバポレーションによって除去し、そして還流した溶液を4℃ で一晩保存した。還流の期間の増大は、オリゴマーの分子量を増大させた。過剰 の酢酸を必要な場合濾過を介して除去し、そして濃縮物を暖めたトルエン中で融 解することによって精製した。次いで、溶液を濾過し、4℃で一晩結晶化させ、 そしてエーテルで2回洗浄し、残留トルエンを抽出した。オリゴマー沈澱物を濾 過によって回収し、真空下で乾燥させ、そして密封したこはく色のガラスビンの 中で-20℃にて保存した。 ミクロスフェアのホットメルト製造のために、オリゴマーを一緒(FAO、およ びSAO)に融解するか、さもまなくば融解混和さもなくば微粉化粒子としての封 入によって生体接着性を改善するために賦形剤としての他のポリマーと組み合わ せるかのいずれかであり得る。混合物を、(シリコンオイルのような)非混和性 の溶媒中で連続的な撹拌で懸濁し、そしてポリマーの融点より5℃高温で加熱し た。一旦エマルジョンが安定化したら、系を冷却させ、ミクロスフェアを固化さ せる。オイルを石油エーテルで洗浄することによって除去し、流れるように動く 粉末を得る。これは、0.5〜1000μmのサイズを有するミクロスフェアからなる 。 ホットメルト手順を使用して、(92:8モル)(1:1w/w)比のFAO:SAOミクロス フェアを作製した。偏光した光で調べた場合、スフェアは高度な結晶性をみせた 。SEMは、薄片のない粗い表面構成を示した。分子量は、平均3000DAであり、そ して示差走査熱量測定(DSC)によって測定した場合の融解温度は63℃であった 。 種々の薬物またはタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA))を、FAO :SAO(92:8)ミクロスフェア中へ装填し得る。10% BSAを装填したホットメルト F AO:SAO(92:8)ミクロスフェアは、SEMによって調べた場合、白色のけばだった表 面コーティーングを有していた。これは冷却の間の結晶化に起因したのかもしれ ない。 18%アセトアミノフェン(W/W)を装填した FAO:SAO92:8)ミクロスフェアをホ ットメルトを使用して作製した。ミクロスフェアを熱油浴中で緩徐に冷却させ、 そして撹拌は一晩続けた。生じたミクロスフェアは直径において平均200μmで あった。 FAO:SAOのモル比は、変化させ得る。FAO:SAO(50:50)ミクロスフェアもまた、 上記の手順を使用して作製した。 実施例3:インビトロでの腸粘膜へのFAO:SAO「ホットメルト」処方物の 接着性のバイオアッセイ ミクロスフェアの腸組織への接着性を定量化するためのインビトロアッセイを 使用して、実施例2に記載されるように作製したホットメルトミクロスフェアを 試験した(Jacobら、Proceed,.Intern.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater, 22:312-313(1995))。上記のミクロスフェア処方物を使用して、裏返した嚢実験 (everted sac experiment)を行った。ラット空腸の6cmのセグメントを、リン 酸緩衝化生理食塩水(PBS)でフラッシュし、裏返し(evert)、そしてPBSで満 たした嚢を作った。嚢を37℃にて5mlのPBS中で60mgのミクロスフェアと回転さ せながら撹拌してインキュベートした。30分間後、嚢を取り出し、そして非結合 ミクロスフェアを回収し、蒸留水で洗浄し、凍結させ、そして24時間凍結乾燥さ せた。非結合のビーズの重量を使用して腸に結合したビーズの量を決定した。 *ミクロスフェアは粘膜に結合され、そして腸嚢から排出された。これは、ミク ロスフェア-粘膜付着が、粘膜-組織結合強度より強いことを示唆する。** P(FA:SA)50:50を、賦形剤なしで基剤ポリマーの指示薬として使用した。ポリ マーおよび賦形剤の間の全ての比率は、他に特に明記されない限り、1:1w/w である。 ポリカプロラクトン(PCL)を、生体接着性についてのネガティブコントロール として含めた。PCLスフェア中のフマル酸モノマーの含有は、PCLスフェアの生体 接着性を改良することに対する効果をほとんど全く有さなかった。 50%のTonopaqueミクロスフェアを有するFAO:SAO(92:8)が製造され、そして色 は茶色にみえたが、一方でトノパック(tonopaque)なしのミクロスフェアは、色 は白/黄褐色であった。Tonopaqueビーズは、大量の粘膜分泌を生じた(ビーズ は、粘膜に結合され、そして腸嚢から排出された)。純粋なオリゴマーのビーズ は、粘膜に結合し、そして腸嚢上に存在したままだった。 粘膜分泌現象をさらに研究するために、裏返した嚢を、60分間インキュベート し、そして間隔ごとに試験した。より小さなFAO:SAO(92:8)(50%のTonopaqueを 有する)ミクロスフェア(<200μm)は、全60分間組織に接着した。より大きな ミクロスフェア(200〜600μm)は、15分間粘膜に数多く接着し、粘膜分泌を生じ 、そして残りの45分間の間に粘膜と共に排出された。 実施例4:オリゴマーミクロスフェア由来のアセトアミノフェンの インビトロでのバイオアベイラビリティー FAO:SAO 92:8 18%アセトアミノフェンミクロスフェアを、実施例2に記載の ホットメルト方法を用いて作製し、裏返した嚢実験において使用し、そして薬物 の放出を測定し、バイオアベイラビリティーに関する情報を得た。放出を腸組織 および粘膜液および漿膜液をホモジナイズすることによって測定した。ホモジネ ートを遠心分離し、そして上清液体を、アセトアミノフェンについてアッセイし た。 インビトロでの裏返した腸のインキュベーション後の組織区画におけるアセト アミノフェン(mg/dl)の分布を、以下に示す: 粘膜液 漿膜液 腸壁 カプセル化したもの 12±2 5±1 27±4 コントロール 39±1 13±1 19±7 粘膜/漿膜比 カプセル化したもの 2.4 コントロール 3.0 カプセル化したサンプルについて、より少ないアセトアミノフェンが、粘膜液 (腸管腔区画)から漿膜液(血液区画)中に輸送されたが、腸壁における薬物の 量はより高く、より少ない薬物が、粘膜区画において現れた。より低いカプセル 化した粘膜/漿膜比は、腸壁を介する、および周囲の粘膜液中へよりも漿膜液中 へのより効率的な放出を示す。 分析はまた、裏返した嚢実験に関して、18%のアセトアミノフェンでロードし たFAO:SAO(92:8)を用いて実施した。より多くのアセトアミノフェンは、粘膜液 または漿膜液中に入るのではなく、腸壁に留まっていた。カプセル化した剤形お よびコントロールの剤形についてのアセトアミノフェン分布の分析(全用量の% )を、下記に示す。 粘膜液 漿膜液 腸壁 カプセル化したもの 53.0±13.7 2.2±0.4 44.8±13.5 コントロール 86.5± 1.5 5.7±0.9 7.9±0.9 アセトアミノフェンの平均回収率は、93.9±3.0%(n=8)であった。明らかに、 カプセル化した薬物は、粘膜または漿膜区画のいずれか中へ放出されず、GI粘膜 の近傍に保持された。 実施例5:オリゴマーナノスフェアの逆相製造 オリゴマー(FAO:SAO)をまた、逆相方法を用いてナノスフェア中に形成した。 本発明の方法において、ポリマーおよびオリゴマー、またはオリゴマーの混合物 を、オリゴマーおよび添加薬物を含む、適切な溶媒およびカプセル化する基質の 微粉にした粒子に溶解し、そして混合するか、またはポリマー溶液に懸濁する。 混合物を、ポリマーについて非溶媒中に注ぎ、好ましい条件下でポリマー化ナノ スフェアを自然に生成し、ここでポリマーが、粒子でコートされるか、または粒 子がポリマーに分散されるかのいずれかである。本発明の方法を使用して、10nm 〜10μmの間の広範なサイズの微粒子を生成し得る。 詳細には、FAO(240〜280の間のMW)の5%w/v アセトン溶液を、SAO(3000〜40 00の間のMW)の5%w/v塩化メチレン溶液と混合し、1:1w/wの比(92:8モル比) のオリゴマーを得た。混合した場合、2つの溶液は、混和性のままだった。10ml の混合した溶液を、400mlの石油エーテル中に沈澱させた。生じた沈澱を、濾過 および空気乾燥によって回収した。ミクロスフェアのサイズは、0.1〜5μ mの間におよんだ。 実施例6:基剤ポリマーを含むオリゴマーミクロスフェアの溶媒抽出製造。 オリゴマーを、実施例1および2に記載のように調製した。 FAO:SAO:PLA(91.5:8.2:0.3)(モル比)の溶媒抽出ミクロスフェアを、アセトン中 のFAO(240と280の間の分子量)の5%(w/v)溶液と塩化メチレン中のSAO(3000と 4000の間の分子量)の5%(w/v)溶液を混合することにより調製し、1:1 w/wの比 のオリゴマーを産生した。10mlのオリゴマー溶液を使用して、0.5gのポリ乳酸(P LA、分子量=24 kDa)を溶解した。PLAを、基剤ポリマーとして添加してミクロス フェアの硬度を増加させた。溶液を、5滴のSPAN-85界面活性剤とともに200mlの ミネラルオイル中に滴下し、14時間撹拌した。得られたスフェアは、100μmの 平均直径であった。 10% BSAを有する溶媒抽出FAO:SAO:PLA(91.5:8.2:0.3)ミクロスフェアの調製 を、0.4gの微粉化されたBSA(粒子サイズ範囲は1〜100μmであった;平均は約 30μmであった)と混合された3.6mlの上記溶液を使用することにより達成し、 そして3滴のSPAN 85とともにトウモロコシ油中に滴下し、そして14時間撹拌し た。 SAOを有さないFAOおよびPLA 24 kDaを含むミクロスフェアもまた、溶媒除去に より製造した。ミクロスフェアを、微粉化粒子(平均サイズ30μm、範囲1〜10 0μm)として12% BSA(w/w)とともに装填した。1mlのアセトン中の0.18gのFAO (240と280の間の分子量)(0.9mmol)を、24mlの塩化メチレン中の2.4gのPLA 24 kDa(0.1mmol)と混合した。5mlの混合物を70mgの微粉化BSAと混合し、そして3 滴のSPAN 85とともに200mlのミネラルオイル中に分散させた。乳濁液を、オーバ ーヘッド撹拌機を用いて14時間600rpmの速度で連続的に撹拌した。得られたスフ ェアを殻およびコアの全体にランダムに装填されたBSA用いて2重壁化し、そし てそれらは約100μmの平均直径であった。 実施例7:基剤ポリマーを含むオリゴマーナノスフェアの相反転製造。 FAO:SAO:PLA(91.5:8.2:0.3)(モル比)を含む、ナノスフェアを、相反転技術を 用いて作製した。アセトン中の5% FAO(分子量=240〜280)(w/v)の5mlのアリ コートおよび塩化メチレン中の5% SAO(3000と4000の間の分子量)(w/v)を混合 して1:1のw/w比のオリゴマーを産生した。混合した場合、2つの溶液は混和した ままであった。0.2gのPLA(24 kDa)を添加して、2%のPLA(w/v)を含むオリゴマ ー溶液を得た。PLAを基剤ポリマーとして添加して、最終的なミクロスフェアの 硬度を増加した。溶液を、400mlの石油エーテル(非溶媒)中に分散させた。 90:10のモル比のFAO:PLA(24kDa)からなるナノスフェアを、相反転技術を用い て製造した。ストック溶液を、1mlのアセトン中の0.18gのFAO(0.9mmol)と24ml の塩化メチレン中の2.40gのPLA 24kDa(0.1mmol)を混合することにより調製した 。5mlの混合物を、400mlの石油エーテル中に分散させ、そして得られたナノス フェアを濾過により回収し、そして風乾した。 10%微粉化BSA(w/w)を用いて装填されたFAO:PLA(24kDa)(90:10)ナノスフェア を、相反転技術を用いて調製した。1mlのアセトン中の0.18gのFAO(0.9mmol)と2 4mlの塩化メチレン中の2.40gのPLA 24kDa(0.1mmol)を混合することにより調製 された5mlのストック溶液を使用して、57mgの微粉化BSAを懸濁した。タンパク 質-ポリマー混合物を、400mlの石油エーテル中に分散させ、そして得られたナノ スフェアを濾過により回収し、そして風乾した。 PLA 24kDaナノスフェアのコントロール処方物を、相反転技術を用いて製造し た。塩化メチレン中の5mlの5%(w/v)のPLA 24kDaを、400mlの石油エーテル中 に分散させ、そして得られたナノスフェアを濾過により回収し、そして風乾した 。 裏返された袋(everted sac)実験を、上記処方物由来の相反転されたミクロス フェアを利用して実施した。この生物検定の結果は、26〜42%の範囲の接着を示 した。オリゴマーがミクロスフェアの表面上に取り込まれているか、またはミク ロスフェアの全体に分布しているかは分からない。 実施例8:オリゴマーミクロスフェアの溶媒蒸発製造。 FAO:PLA(24kDa)(99.95:0.05,m/m;60:40,w/w)ミクロスフェアを、溶媒蒸発 技術を用いて製造した。0.18gのFAO(0.9mmol)を1mlのアセトン中に溶解し、9m lの塩化メチレン中の0.12gのPLA 24kDa(0.005mmol)と混合した。混合物を、600 mlの蒸留水、50mlの2% PVA(w/v)および3滴のTween 20の撹拌漕中に分散させ た。混合物を20分間、1000rpmの速度で、オーバーヘッド撹拌を用いて撹拌した 。スフェアを濾過により回収し、蒸留水を用いて洗浄し、そして風乾した。SEM 分析は、荒い多孔性の表面構成を有する1〜100μmの範囲のサイズの不規則な スフェアを示した。 溶媒蒸発FAO:PLA(24kDa(98.9:1.1,m/m;42.8:57.2,w/w)ミクロスフェアもま た、製造した。0.18gのFAO(0.9mmol)を1mlのアセトン中に溶解し、9mlの塩化 メチレン中の0.24gのPLA 24kDa(0.010mmol)と混合した。混合物を、600mlの蒸 留水、50mlの2% PVA(w/v)および3滴のTween 20の撹拌漕中に分散させた。混 合物を20分間、1000rpmの速度で、オーバーヘッド撹拌機を用いて撹拌した。ス フェアを濾過により回収し、蒸留水を用いて洗浄し、そして風乾した。1〜100 μmの範囲のサイズのスフェアが最終産物であった。 実施例9:オリゴマーミクロスフェアの分解。 ホットメルト手順により製造されたオリゴマーミクロスフェアを分解研究にお いて使用して、種々の保存条件に対する異なるオリゴマー比の安定性を決定した 。スフェアを4℃で保存し、そしてオーブン中で37℃、1ヶ月の持続時間の間イ ンキュベートした。2つの比のFAO:SAO混合物(FAO:SAO(92:8)および(50:50))を 使用した。ミクロスフェア試料を、次の29日間にわたって種々の時間で回収した 。ポリマー分子量決定についてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、そ して化学的結合の決定について、Fourier変換赤外線分光光度計(FTIR)を用いて 分析を実施した。 FAO:SAO(50:50)ミクロスフェアは、経時的な特徴的なFTIR スキャンおよび分 子量の一貫性により証明されたように、4℃で安定でありそして37℃で中程度に 安定であることが見出された。FAO:SAO(92:8)ミクロスフェアは、分子量の低下 により、そして約1700cm-1でのカルボン酸のピークの出現により証明されたよう に、4℃で比較的安定であったが、37℃では不安定であった。 実施例10:色素のミクロスフェアへの組込みによる生体接着の増強 生体接着力を、Chickeringら、I.Control.Release(1995)34:251-61によっ て以前に記載された生体接着カトランスデューサーを使用して定量した。カトラ ンスデューサーは、ミクロスフェアが小径金属ワイヤを介して接着される感受性 微量天秤を利用する。組織試料を、生理学的生理食塩水(pH7.4に緩衝化)に浸 し、そして37℃を維持するために設計された特別なチャンバに置く。組織チャン バは、モーターのついたステージに置き、そしてポリマーミクロスフェアと接触 させる。ミクロスフェアは、7分間、組織と接触させたままにする。最後に、組 織試料を、ミクロスフェアがらゆっくりと引き出し、そして同時力対位置および 力対時間データを記録する。これらの実験の目的について、各ミクロスフェア- 組織組織相互作用の破壊応力を計算し、そして主要な比較値として使用した。破 壊応力(FS)は、ミクロスフェアの直径(d)に対するピーク伸長荷重(PTL)を 正常化することによって計算した応力値である: 記載したすべての実験について、使用した組織はラットの十二指腸であった。 2つの実行を、組織の各2cmの区画、コントロールスフェア各1つ、および染色 したスフェアで実施した。 1.スダンレッド スダンレッドまたはスダンIII (1-{[4-(フェニルアゾ)フェニル]アゾ}-2-ナフタレノール)は、分子量352g/ molを有する疎水性色素である。ポリスチレンミクロスフェア(400〜700μm) のラット腸組織への接着におけるスダン レッド色素の効果を試験するために、 ミクロスフェアを、溶媒エバボレーション法によって調製した。10mgのスダン レッド色素を含む塩化メチレン中の50 kDa(w/v)の20%ポリスチレンの10ml を、50mlの2%PVA(w/v)および3滴のTween 20を含む600mlの蒸留水の撹拌浴 に分散させた。混合物を、20分間1000rpmの速度にてオーバーヘッドスターラー で撹拌した。スフェアを、濾過によって回収し、滅菌水で洗浄し、、および風乾 させた。1〜1000μmのサイズの範囲のスフェアを回収し、そしてふるい分けた 。コントロールスフェアを、色素を封入せずに同じ技術を使用して製造した。 コントロールスフェア(色素なし)について得られた破壊応力は、平均して43 .44±5.59mN/cm2(n=24)であった。スダン レッドミクロスフェアは、20.24 ±2.37 mN/cm2(n=24)の平均破壊応力を有した。結果として、すべての他の要 因が同一であったため、本発明者らは、スダン色素の組込み平均破壊応力を53% 減少させると総論付けた。 2.アズール(Azure)II アズール IIは、メチレンブルーおよびメチレンアズール(メチレンブルーの 酸化変形)の混合物を含む疎水性色素である。メチレンブルーすなわち(3,7-ビ ス(ジメチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウムクロリド)は、320g/molの分子量 を有する。アズール II 装填スフェアでの張力計の研究は、56.61±10.04mN/cm2 (n=13)の平均破壊応力、または色素を含まないコントロールスフェアを29% 越える増加を生じた。 実施例11:インビトロでのプレポリマーを含有する「ホットメルト」 ミクロスフェアと腸粘膜との間の生体接着力の測定 プレポリマーおよび基剤ポリマーの両方を含有するミクロスフェアは、実施例 2に記載のホットメルト製造手順において製造した。600〜850μmの範囲の直径 における個々のミクロスフェアを、小径金属ワイヤ上にマウントした。生体接着 力を、実施例10に記載の生体接着カトランスデューサーを使用して定量した。す べての実験について、組織は、ラット空腸であった。2つの実行を、2つの異な るビーズを利用して組織の各2cm区画上で実施した。 ほとんどの部分について、プレポリマー含有ミクロスフェアは、基剤ポリマー 単独からなるミクロスフェアよる高い生体接着相互作用を示した。非常に低い分 子量の賦形剤(例えば、FAOおよびMA)を含有するミクロスフェアは、最も高い 生体接着力を示した。この実施例では、P(FA:SA)50:50は、ポリ(フマル酸-co- セバシン酸無水物)50:50であり、SAOはセバシン酸オリゴマーであり、FAOはフ マル酸オリゴマーであり、PCLはポリ(カプロラクタム)32 kDa)であり、そし てMAはFisher Scientificから購入したマレイン酸無水物(MW=98.06)である。 混和物のすべての重量比は、特に規定しない限り1:1である。伸長実験を、以 下のポリマー試料でCAHN電子天秤を使用して実施した: 1:1 w/wのオリゴマー装填について、P(FA:SA)50:50、P(FA:SA)50:50:SAO、P (FA:SA)50:50:FAO、PCL(32kDa)、PCL:FAO、PCL:MA、およびFAO:SAO。 力は、7分間の接着時間後の腸組織からのミクロスフェアを除去するのに必要 とされる重量(mg)として、Chickeringら、J.Control.Release(1995)34:25 1-61に記載のChan電子天秤を使用して測定し、そして力の単位(mN)に変換した 。次いで、これらの力を、各場合について、組織と接触した表面領域による分割 によって規準化した。表面領域を、組織の表面レベル以下を貫通するミクロスフ ェアの球状キャップの保護によって決定した(面積=πR2−π(R-a)2、ここで「 R」はミクロスフェアの半径、および「a」は貫通深度)。すべての力/表面積値 は、測定値の標準誤差(SEM)とともに示した。半径は、以下の表2に列挙する 。 表2 1:1ポリマー/オリゴマーw/w比を有するミクロスフェアの破壊応力実施例12:腸の組織と種々の量のオリゴマー賦形剤を含む「ホットメルト」ミ クロスフェアとの間の生体接着力のインピトロでの測定 ポリマーおよびオリゴマーの両方(フマル酸プレポリマー(FAO)または無水 マレイン酸(MA)のいずれか)を、様々な比で含むミクロスフェアを、実施例2 に記載のように、ホットメルト製造手順において製造した。オリゴマーの装填を 、オリゴマー対ポリマーの重量パーセントとして与える。オリゴマーおよびポリ マーを最初に計量し、そして次いでホットメルト手順の間、共溶解した。生体接 着力を、実施例10に記載された生体接着カトランスデューサーを使用して定量し た。全ての実験において、組織はラット空腸であった。約600μmと850μmとの 間の直径範囲の個々のミクロスフェアを、小さな直径金属ワイヤ上に取り付けた 。2つの実行(run)を、2つの異なるビーズを利用して組織の各2cm切片上で 行った。オリゴマー含有ミクロスフェアは、増加した生体接着力測定値を示し、 そして力は、一般に、オリゴマー含有量の増加と共に増加した。生体接着力を、 以下のポリマーサンプルにおいて、実施例10および11に記載されるように測定し た:1%、5%、10%、および25%のオリゴマー装填について、 [P(FA:SA)20:80]:FAO、PCL:FAO、およびPCL:MA。結果を以下の表3に示す。 表3 種々のポリマー/オリゴマー W/W比でのミクロスフェアの破壊応力 上記の結果を、さらなる分析のために、図2(a〜c)でグラフにする。データは 、オリゴマー物質の生体接着性物質(例えば、P(FA:SA)20:80)への添加は、ポ リマーと粘膜組織との間の生体接着力を増加することを実証する。オリゴマー物 質の相対的非生体接着性ポリマー(例えば、PCL)への添加はまた、ポリマーの 生体接着性を増加する。 データは、オリゴマー物質が、生体接着性であることが知られているポリマー (例えば、P(FA:SA)20:80)、ならびにあまり生体接着性でないポリマー(例え ば、PCL)の両方のポリマーの生体接着性を増加するという理論を支持する。 実施例13:P(FA:SA)およびPCLにおける増加性のオリゴマー装填の分解 および特徴付け ポリマーおよびオリゴマーの両方を含むミクロスフェアを、実施例2に記載の ように、様々な比で、ホットメルト製造手順において製造した。オリゴマーの装 填を、オリゴマー対ポリマーの重量パーセントとして与える。オリゴマーおよび ポリマーを最初に計量し、そして次いでホットメルト手順の間、共に溶解した。 以下のポリマーを製造した:1%、5%、10%、および25%のオリゴマー装填に ついて、[P(FA:SA)20:80]:FAO、PCL:FAO、およびPCL:MA。 上記のポリマー組成物を、フーリー変換赤外分光法(FTIR)を使用して特徴付 け、ポリマーの嵩含有量(bulk content)に関する情報を得た。ポリマーミクロ スフェア(約40mg)を、1.0mlのリン酸緩衝液(pH7.4、0.1M、37℃)中で36時間 まで分解した。約4時間毎に緩衝液を交換した。緩衝液中のそれぞれのミクロス フェアのバイアルを各時点で回収し、緩衝液のpHを記録し、そしてミクロスフェ アを2回、蒸留水で洗浄し、次いで、凍結乾燥した。次いでミクロスフェアを、 ポリマー組成物の測定のために、FTIRを使用して特徴付けた。オリゴマーの存在 を、1700cm-1でのカルボン酸の吸収、ならびに FAO の増加による約3100cm-1の 肩部(shoulder)により証拠付ける。オリゴマーは、FTIRにより証拠づけられる ように、長期時間(いくつかの場合8時間まで)ポリマーシステム内に留まった 。 pH分析からのデータを図3(a〜c)に示す。緩衝液のpHの減少は、ポリマーシ ステムからのオリゴマーの放出、ならびにP(FA:SA)20:80の分解に起因する。図 3(a〜c)は、全てのシステムについて最初のpHの減少を示し、これはオリゴマ ーの迅速な放出を示す。そしてpHは数時間低いままであり、これはこの時間枠に わたるオリゴマーの放出を示す。P(FA:SA)20:80(図3(c))を組み込むシステム のpHは、P(FA:SA)の分解および酸性分解産物の放出、ならびにオリゴマーFAOの 放出により、低いままである。しかし、全てのシステムにおいて、pHにおける減 少は、オリゴマー物質が、長期間で(4〜8時間以上)システム内に留まること を証拠づける。FTIR分析はこれを確認する。 本実施例ならびに実施例12におけるデータは、オリゴマー物質が、生体接着 性であることが知られているポリマー(例えば、P(FA:SA)20:80)、ならびにあ まり生体接着性でないポリマー(例えば、PCL)の両方のポリマーの生体接着性 を増加することを実証する。データはまた、オリゴマー物質が、長期間ポリマー ミクロスフェアシステム内に留まり、そして一旦そのシステムが液体環境に曝さ れると、迅速に放出されないことを実証する。 実施例3および11のデータは、図4において組み合わせる。図4に示すように 、オリゴマーが添加されてもされなくても、分解強度とポリマーミクロスフェア の結合%との間に直接的な関係がある。一般に、最も高い結合程度を有するこれ らのミクロスフェアはまた、最も高い破壊応力を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/34 A61K 47/34 47/36 47/36 47/42 47/42 (72)発明者 ジェイコブ,ジュリス エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02780,トーントン,レイク リッジ ド ライブ 95 (72)発明者 ハーツオグ,ベンジャミン エイ. アメリカ合衆国 ロードアイランド 02906,プロビデンス,ガバナー ストリ ート 85 (72)発明者 カリノ,ジェラルド ピー. アメリカ合衆国 ロードアイランド 02906,プロビデンス,フォレスト スト リート 59 (72)発明者 マシオウィッツ,エディス アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02146,ブルックリン,ローソン ロード 184

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  1. 【特許請求の範囲】 1.ポリマーの生体接着性を改善する方法であって、該ポリマーの粘膜に接着す る能力を増強するに有効な量で該ポリマー中に無水物オリゴマーを組み込む工程 を包含し、ここで該無水物オリゴマーが、無水物結合によって結合した20以下の 二塩基酸単位を含むか、または5000ダルトン以下の分子量を有する、方法。 2.前記無水物オリゴマーが、イオン結合または共有結合によって前記ポリマー に伴われる、請求項1に記載の方法。 3.前記無水物オリゴマーが、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、 セバシン酸、およびカルボキシフェノール酸からなる群から選択されるジカルボ ン酸モノマーを含む、請求項1に記載の方法。 4.前記無水物オリゴマーが、ビス(p-カルボキシフェノキシ)メタン、ビス(p- カルボキシフェノキシ)プロパン、およびビス(p-カルボキシフェノキシ)ヘキサ ン、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、ピメリン酸、イタ コン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-フェニレンジプロピオン酸、および 1,10-ドデカン二酸からなる群から選択されるジカルボン酸モノマーを含む、請 求項1に記載の方法。 5.前記ポリマーがミクロスフェアの形態であり、そして該ミクロスフェアの形 成の間に該ポリマー中に前記無水物オリゴマーを組み込むことによって該ミクロ スフェアの生体接着性を改善する工程を包含し、それによって該ミクロスフェア の粘膜に接着する能力を増強する、請求項1に記載の方法。 6.前記無水物オリゴマーが、ミクロスフェアの少なくとも表面上の粒子の微細 分散物の形態である、請求項5に記載の方法。 7.前記無水物オリゴマーを組み込む前記ポリマーが、異なる材料から形成され るミクロスフェアの表面上にコートされる、請求項5に記載の方法。 8.前記ポリマーが、タンパク質および多糖からなる群から選択される、請求項 1に記載の方法。 9.前記ポリマーが、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリア リールアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリ アルキレンテレフタラート、ポリビニルポリマー、ポリホスファゼン、ポリアク リルアミド、ポリシロキサン、ポリウレタン、アクリル酸およびメタクリル酸の ポリマー、セルロース、ポリ無水物、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ酸)、なら びにそれらのブレンドおよびコポリマーからなる群から選択される、請求項1に 記載の方法。 10.前記ミクロスフェアが、治療剤または診断剤をさらに含む、請求項5に記 載の方法。 11.前記診断剤が、ガス、ガス発生剤、および放射線不透過化合物からなる群 から選択される、請求項10に記載の方法。 12.前記ポリマーが、治療剤を含有する薬物送達デバイスを規定またはコート する、請求項1に記載の方法。 13.前記ポリマーが、外科的インプラントデバイスを規定またはコートする、 請求項1に記載の方法。 14.前記ミクロスフェアが10μm以上の直径を有する、請求項1に記載の方法 。 15.前記ミクロスフェアが2〜5μmの間の直径を有する、請求項1に記載の 方法。 16.前記ミクロスフェアが2μm未満の直径を有する、請求項1に記載の方法 。 17.前記ミクロスフェアが1μm未満の直径を有する、請求項1に記載の方法 。 18.患者に治療剤または診断剤を送達するための方法であって、ミクロスフェ ア内の治療剤または診断剤を薬学的に受容可能なキャリア中で患者の粘膜に投与 する工程を包含し、ここで該ミクロスフェアの表面が、そこに組み込まれた該粘 膜への該ポリマーの接着を改善する無水物オリゴマーを有するポリマーを含み、 そしてここで該無水物オリゴマーが、無水物結合によって結合した20以下の二塩 基酸単位を含むか、または5000ダルトン以下の分子量を有する、方法。 19.前記ミクロスフェアが、経鼻投与、経膣投与、直腸投与、および経口投与 からなる群から選択される経路によって投与される、請求項18に記載の方法。 20.胃腸粘膜、気道粘膜、排泄管粘膜、生殖管粘膜からなる群から選択される 粘膜にミクロスフェア内の薬物を投与する工程を包含する、請求項18に記載の 方法。 21.前記ミクロスフェアが10μm以上の直径を有する、請求項18に記載の方 法。 22.前記ミクロスフェアが〜5μmの間の直径を有する、請求項18に記載の 方法。 23.前記ミクロスフェアが2μm未満の直径を有する、請求項18に記載の方 法。 24.前記ミクロスフェアが1μm未満の直径を有する、請求項18に記載の方 法。 25.ポリマーの粘膜への接着を改善するに有効な量で無水物オリゴマーを組み 込むポリマーを含む組成物であって、ここで該無水物オリゴマーが、無水物結合 によって結合した20以下の二塩基酸単位を含むか、または5000ダルトン以下の分 子量を有する、組成物。 26.前記無水物オリゴマーが、イオン相互作用または共有結合によって前記ポ リマーに結合する、請求項25に記載の組成物。 27.前記無水物オリゴマーが、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸 、セバシン酸、およびカルボキシフェノール酸からなる群から選択されるジカル ボン酸モノマーを含む、請求項25に記載の組成物。 28.前記ポリマーがミクロスフェアの形態である、請求項25に記載の組成物 。 29.前記無水物オリゴマーが、ミクロスフェアの少なくとも表面上の粒子の微 細分散物の形態である、請求項28に記載の組成物。 30.前記無水物オリゴマーを組み込む前記ポリマーが、異なる材料から形成さ れるミクロスフェアの表面上にコートされる、請求項28に記載の組成物。 31.前記ポリマーが、タンパク質および多糖からなる群から選択される、請求 項25に記載の組成物。 32.前記ポリマーが、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリ アリールアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポ リアルキレンテレフタラート、ポリビニルポリマー、ポリホスファゼン、ポリア クリルアミド、ポリシロキサン、ポリウレタン、アクリル酸およびメタクリル酸 のポリマー、セルロース、ポリ無水物、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ酸)、な らびにそれらのブレンドおよびコポリマーからなる群から選択される、請求項2 5に記載の組成物。 33.前記ミクロスフェアが、治療剤または診断剤をさらに含む、請求項28に 記載の組成物。 34.前記診断剤が、ガス、ガス発生剤、および放射線不透過化合物からなる群 から選択される、請求項33に記載の組成物。 35.前記ポリマーが、治療剤を含有する薬物送達デバイスを規定またはコート する、請求項25に記載の組成物。 36.前記ミクロスフェアが10μm以上の直径を有する、請求項28に記載の組 成物。 37.前記ミクロスフェアが2〜5μmの間の直径を有する、請求項28に記載 の組成物。 38.前記ミクロスフェアが2μm未満の直径を有する、請求項28に記載の組 成物。 39.前記ミクロスフェアが1μm未満の直径を有する、請求項28に記載の組 成物。 40.生体接着性ミクロスフェアを形成する方法であって、5000ダルトン以下の 分子量を有する無水物オリゴマーの該ミクロスフェアを形成する工程を包含す る、方法。 41.前記ミクロスフェアが、治療剤または診断剤をさらに含む、請求項40に 記載の方法。
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