【発明の詳細な説明】
トランスジェニックマウス
発明の背景
1. 発明の分野
本発明は、ヒト疾患用モデル動物に関し、より詳細には、ヒト後天性免疫不全
症候群(AIDS)用モデル動物として使用できるトランスジェニックマウスに関す
る。
2. 関連技術の開示
HIV(Human immunodeficiency virus)感染は、1981年アメリカで最初の感
染患者が報告されて以来急速に世界に広がり、現在では2,000万人以上の感染者
がいると推定される。HIVは、主にヒトのCD4陽性血球系細胞(ヘルパーT
細胞とマクロファージ)に感染する。HIV感染症は潜伏期の後、CD4陽性T
細胞の減少を特徴とするAIDS(エイズ)を引き起こし死に至るきわめて予後の悪
い疾患である。現在でも、この疾患に対する有効な予防法(例えばワクチン)や
治療法は確立されていない。さらに、HIVが免疫不全を引き起こす機構もまだ
解明されていない。
これらの問題の解決を遅らせている要因の一つは、適切な小型のHIV感染モ
デル動物がないことである。チンパンジーや猿といった類人猿はHIV感染モデ
ル動物として利用されているが、管理コストの高さや施設の限定等の問題により
小動物のHIV感染モデル動物が待望されていた。
一方、最近、遺伝性免疫不全マウス(SCID マウス)にヒトの血球系細胞を移
植し、移植されたヒト由来の血球にHIVを感染させるマウスが感染モデル動物
として開発され、一部の研究者に利用されている(J.M.McCuneら,Science,2
47:564-566,1990)。
しかし、このマウスをHIV感染モデル動物として使用する場合、各個体ごと
にヒトの血球系細胞を移植し、数週間経過して移植した血球系細胞が定着した後
にHIVを感染させなければならない。移植後のGVH(移植片対宿主反応)を
防止するために、スキッドマウスを使用してはいるが、
移植したヒトの血球系細胞の定着が不十分であったり、定着しない場合も生じ得
る。このため、このマウスをHIV感染モデル動物の作出に利用する場合には、
作出に熟練した技術を要すること、個々のマウスの形質が移植効率を反映して一
定でないこと、HIVはマウス自体のリンパ球系細胞には感染しないのでHIV
による免疫不全は引き起こされないこと等の問題があった。
このため、遺伝的にHIVに感染し、形質が一定で、HIV感染患者にみられ
る免疫不全を発症する、小型のHIV感染モデル動物が待ち望まれていた。
一方、1996年には、HIV(T細胞親和性HIV株、T cell line tropic HIV
strain)がT細胞に侵入する際には、Tリンパ球細胞表面膜タンパク質である
CD4とともに、別のT細胞細胞表面タンパク質であるフーシン(fusin/CXCR4
)が必要であるということが明らかにされている(Y.C.Fengら,Science(Wash
.DC),272:872-877,1996およびJ.F.Bersonら,J.Virol.,70:6288-6295
,1996)。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも2種
類のヒトT細胞表面タンパク質を、同時にマウスのTリンパ球細胞表面に発現さ
せたトランスジェニックマウスを作出することに成功した。
発明の概要
本発明は、少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質を発現す
ることが可能なトランスジェニックマウスを提供する。
本発明の実施態様により、ヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質はHIV感染
に関与するものであり、好ましくはCD4およびフーシン(CXCR4)である
。また、ヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質をコードする遺伝子はマウスの同
一の染色体、好ましくは生殖細胞および体細胞の両方の染色体に組み込まれ、マ
ウスCD4陽性Tリンパ球細胞表面に同時に発現していることを特徴とする。さ
らに、ヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質を発現する形質は該トランスジェニ
ックマウスから子孫に遺伝すること
が可能である。
本発明の好適実施態様により、本発明はまた、マウスCD4陽性Tリンパ球に
ヒト由来のCD4とフーシンとを同時に発現しているトランスジェニックマウス
を提供する。
本発明はさらに、ヒトフーシン遺伝子およびヒトCD4遺伝子を含むトランス
ジーンを提供する。
トランスジーンの1つは、5’→3’方向に、マウスCD4転写制御領域、ヒ
トフーシンcDNA、およびポリA付加シグナルをこの順番で含むトランスジー
ンである。転写制御領域は、たとえばマウスCD4エンハンサー、プロモーター
、エキソンI、イントロンI、エキソンIIの一部、を含むことができ、特に図
1aに示されるコンストラクトaである。
もう1つのトランスジーンは、5’→3’方向に、マウスCD4エンハンサー
、改変ヒトCD4イントロンIIIを有するヒトゲノムCD4遺伝子改変体をこ
の順番で含むトランスジーンである。ヒトゲノムCD4遺伝子改変体は、好まし
くは、ヒトゲノムCD4遺伝子の約3kb上流域および約3kbの下流域を含む
。改変ヒトCD4イントロンIIIは、イントロンIIIの5‘側約1.5kb
の領域およびイントロンIIIの3’側約3kb領域から構成されのが好ましい
。本発明の実施態様により、トランスジーンは図1bに示されるものである。
本発明はさらにまた、少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク
質をコードする遺伝子を含む少なくとも2種類の異なるトランスジーンを一緒に
混合しマウスの受精卵にインジェクトし、得られた受精卵を仮親雌マウスに移植
し、マウスを出産させ、少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク
質を発現することが可能な仔マウスを選択することを含む、トランスジェニック
マウスの作出方法を提供する。この方法では、ヒトTリンパ球細胞表面膜タンパ
ク質およびトランスジーンはともに上記に定義したとおりであり、ヒトTリンパ
球細胞表面膜タンパク質は特にHIV感染に関与するものであり、本発明の実施
態様によりヒトCD4およびフーシンである。
以下では、添付した図面に例示した具体例を参照しながら、さらに具体的に説
明する。
図面の簡単な説明
図1a、1bは、ヒトゲノムCD4遺伝子(改変型)またはヒトフーシンcDNA
を含むトランスジーン(それぞれコンストラクトa、コンストラクトb)の構築
を示す。
図2は、ヒトCD4遺伝子およびヒトフーシン遺伝子を導入したトランスジェ
ニックマウスの末梢血リンパ球におけるヒトCD4およびヒトフーシンの発現に
ついてのフローサイトメトリーの結果を示す。
図3は、ヒトCD4遺伝子およびヒトフーシン遺伝子を導入したトランスジェ
ニックマウスの胸腺リンパ球におけるヒトCD4およびヒトフーシンの発現につ
いてのフローサイトメトリー分析の結果を示す。
好適実施態様の説明
本発明においてマウスのTリンパ球細胞表面に発現させ得るTリンパ球細胞表
面膜タンパク質としては、ヒトCD4、CD8、CD25、CD44、フーシン
(fusin,CXCR4)などを挙げることができる(A.N.Barclay,“The Leukocyte
Antigen Facts,Book”Academic Press)。これらはいずれもヒト由来のもので
あり、したがってHIVのようなヒトウイルスの感染モデル動物を作製する上で
好適である。フーシンは、CXC−ケモカインSDF−1のレセプターであるこ
とが知られており(E.Oberlinら,Nature,382:833-835,1996)、フーシン等の
膜貫通ケモカインレセプター類は造血系細胞の走化性因子として機能する(C.R
.Mackay,J.Exp.Med.,184:799-802,1996)。また、HIVにはマクロファー
ジ親和性株とT細胞親和性株があり、マクロファージ親和性株は感染後の潜伏期
に、一方T細胞親和性株はAIDS発症期に関与するが、これらのHIV株はヒ
ト細胞侵入時に互いに異なるケモカインレセプターを利用することが知られてい
る(P.M.Murphy,Annu.Rev.Immunol.,12:593-633、D.Unutmazら,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,94:1615-1618,1997およびJ.F.Bersonら,上掲)。本願
発明のトランスジェニックマウスは、HIV感染、特にそのT細胞親和性株感染
に関与する少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質を発現する
ことができる。ヒトCD4とヒトフーシンは、HIVがヒトT細胞に侵入するた
めに必要なTリンパ球細胞表面膜タンパク質であるため、これらがマウスCD4
陽性Tリンパ球細胞表面に同時に発現されていることが好適である。
上記のような細胞表面膜タンパク質をマウスのTリンパ球細胞に適切に発現さ
せることにより、多様なウイルス感染のモデル動物として使用可能なトランスジ
ェニックマウスを作出することができる。
本発明においては、少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質
をコードする遺伝子は生殖細胞および体細胞の双方の染色体に導入することがで
きる。これによって、ヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質をマウスのリンパ球
上に発現させ、かつ、安定して遺伝的に子孫に伝達される。本明細書中、「生殖
細胞」とは個体にあって生殖の目的に分化した細胞をいい、「体細胞」とは個体
を形成する細胞のうち生殖細胞以外のものの総称である。リンパ球は、体細胞の
分化を介して形成される。
少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質をコードする遺伝子
は、胚形成期に導入することが好ましく、これらの遺伝子を細胞分裂期の受精卵
細胞染色体に導入すると、メンデルの法則にしたがって導入遺伝子に由来する形
質が子孫に遺伝し、これによってマウスの形質改変を行うことができる。ここで
、胚形成期とは多細胞動物の個体発生初期をいう。
少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質をコードする遺伝子
は、CD4、CD8、CD25、CD44、フーシンなどの膜タンパク質をコー
ドするcDNAやゲノムDNAを特異的プローブまたは抗体を用いてスクリーニ
ングし、これをPCRなどの公知の方法を用いて増幅することによって得ること
ができる。あるいは、GenBank Accession No.M35160(GenBank)などのデータ
ベースの情報をもとに、DNAシンセサイ
ザーを用いて化学的に合成して得ることもできる。
このようにして得た少なくとも2種類のDNAを受精卵の核内に、インジェク
ションニードルを用いて同時に注入することにより、胚形成期にあるマウス胚に
導入する。その場合、目的の遺伝子を受精卵の核内(特に前核内)に直接注入して
もよく、または、適当な転写制御領域(たとえば、エンハンサー、プロモーター
、サイレンサー等を含む)、ポリA付加シグナルなどの配列であってマウスゲノ
ム上で目的遺伝子が適正に発現させるのに必要な該配列を含むトランスジーンを
作製し、これを受精卵の核内に注入してもよい。このとき、マイクロインジェク
ター、マイクロマニピュレーターなどを用いてインジェクションすることができ
、遺伝子導入効率の良さや作業の速さの理由から、マイクロインジェクターを使
用することが好ましい。目的の遺伝子は別々にまたは同時に受精卵に導入するこ
とができるが、たった1回の導入操作のため導入に要する時間が短いこと、およ
び受精卵が受けるダメージが少なくてすむことから同時に導入することが好まし
い。
本明細書中、トランスジーンとは、導入しようとする目的遺伝子のDNA配列
を含む、トランスジェニックマウスを作出するためにマウスゲノムに導入するコ
ンストラクトをいう。
トランスジーンは、上記のCD4やフーシンなどの少なくとも2種類のヒトT
リンパ球細胞表面膜タンパク質をコードするDNA配列の他に、これらのTリン
パ球細胞表面膜タンパク質遺伝子を適切に発現させるための転写制御領域(たと
えばエンハンサー、プロモーター、サイレンサーを含む)を含むことができる。
マウス体内で上記遺伝子を特異的に発現(転写)させるために、プロモーター、
エンハンサー、サイレンサーを含むマウス由来の転写制御領域をヒトTリンパ球
細胞表面膜タンパク質をコードする塩基配列の上流に含むことが好ましい。しか
しながら、転写制御領域がマウスの正常リンパ球の核クロマチン中で転写を適切
に促進することを前もって確認する必要がある。
本発明におけるトランスジーンは直鎖状、環状のいずれでもよいが、マウ
ス染色体上への組み込み(すなわち、インテグレーション)の効率から、直鎖状
のものとすることが好ましい。
少なくとも2種類のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質を発現させるための
トランスジーンを構築する場合には、少なくとも2種類の異なる該膜タンパク質
をコードする遺伝子を発現可能に一緒に含むトランスジーンを作製してもよく、
これらの異なる遺伝子を別個に含むトランスジーンを作製してもよい。
以下に、ヒトCD4をコードする遺伝子とフーシンをコードする遺伝子を別個
に含む2つのトランスジーンを作製する場合を例にとって、本発明をさらに詳し
く説明する。
ヒトフーシンcDNAを含むトランスジーン(コンストラクトa(図1a))
の作製は次のようにして行うことができる。
CD4エンハンサー、CD4プロモーター、およびCD4サイレンサーを含む
マウスCD4転写制御領域と、SV40由来のポリA付加シグナルをそれぞれ、
マウスCD4遺伝子を含むコスミド(S.Sawadaら,Mol.Cell Biol.,11:5506-
5515,1991)およびSV40遺伝子を含むプラスミド(例えばpSV2 ベクター;C
.Gorman,DNA Cloning,Vol.II,p.144,IRL Press)から適当な制限酵素を用
いて目的の領域を切り出して調製する。
ヒトフーシンcDNAを、このcDNAの上流および下流の配列をもとに作製
した合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、ヒト末梢血リンパ球由
来のcDNAライブラリー(たとえば、Human Peripheral Blood Leukocyte Qui
ck−CloneTM,Clontech)からPCRにて増幅して調製する。PCR法は通常、T
aqポリメラーゼ等の耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で変性(94℃、約30秒
〜1分)、アニーリング(30〜60℃、約30秒〜1分)および伸長反応(65〜
75℃、2〜5分)を1サイクルとして約20サイクル以上繰り返して実施される(J
.D.Watosonら,“Recombinant DNA”,second edition,pp.79-95,1992,Sci
entific American Books)。
ヒトフーシンcDNAの5'末端にマウスCD4転写制御領域を、またその3'
末端にSV40 polyAシグナルを、定法(T.Maniatisら,Mole
cular Cloning A Laboratory Mannual (1989),second edition,Cold Spring H
abor Laboratory Press)によって連結し、適切なベクターにクローン化して図1
aに示されるようなコンストラクトaを作製する。
ヒトCD4遺伝子を含む別のトランスジーン(コンストラクトb(図1b))
の作製を以下に説明する。
ヒトCD4遺伝子を、市販のヒトゲノムライブラリー(例えばヒトゲノムライ
ブラリー,Clontech社)からN.Killeenら,EMBO J.12:1547-1553,1993に記載
されるヒトCD4遺伝子の公知の核酸配列を基にして上記と同様にして調製した
。このようにして得たヒトCD4遺伝子を適当な制限酵素を用いてイントロンI
IIの5'側約1.5kbの領域と、イントロンIIIの3’側約3kbの領域
に切り分け、別々のプラスミドにクローニングした後、それらを結合させてイン
トロンIII改変体を得た。ヒトCD4遺伝子改変体は、ヒトCD4プロモータ
ーおよびヒトCD4サイレンサーとを含む転写制御領域(CD4サイレンサーは
実際にはヒトCD4イントロンIに含まれている。)と、ヒトCD4遺伝子のす
べてのエキソンと、イントロンIIIの一部を除くすべてのヒトCD4イントロ
ンと、CD4遺伝子の下流領域(約3kb)とを含むことができる。イントロンI
IIは20kb以上の大きさを有するため、イントロンIIIの全体を含むトラン
スジーンを作製すると、インジェクションの効率または導入効率が下がることか
ら、その一部を除くことが好ましい。
また、マウスCD4エンハンサーは、その公知の核酸配列(S.Sawadaら,Mol
.Cell Biol.,11:5506-5515,1991)を基にして上記と同様にして調製すること
ができる。エンハンサーは約4.5kbのBglII−EcoRI断片に含まれ
ている(図1b参照)。
上記のヒトCD4遺伝子の改変体の5’末端に、マウスCD4遺伝子のエンハ
ンサーを定法に従って連結し、適切なベクターにクローン化して図1bに示され
るようなコンストラクトbを作製する。
上記のようにして作製した2つのコンストラクトを用いてトランスジェニック
マウスを作出するためには、以下のようにして行うことができる。
すなわち、各クローン化コンストラクトを適当な制限酵素で処理してベクター
部分を切り離した後、アガロースゲル電気泳動により各ベクター部分とインサー
ト部分を分離し、インサート部分をゲルから抽出する。上記のコンストラクトを
それぞれ精製し、1〜10μg/mlの濃度の溶液とする。
ついで、上記コンストラクトを含有するこれらの溶液を混合し、マウスの受精
卵に1〜2plをマイクロインジェクターを用いて注入する。
トランスジェニックマウスの作出に使用するマウスは特に限定されず、例えば
、BDF1、CDF1、DBA/2、C57BL/6(B6)などを例示することができる。BDF1が、排卵
数、交尾率等の面から好ましい。また、トランスジェニックマウスが有する形質
が安定して子孫に伝えられていくかどうかを調べるためのマウスとしては、例え
ば、C57BL/6、DBA/2、BDF1などを使用することができ、C57BL/6を使用すること
が解析のしやすさの面から好ましい。
リンパ球には液性免疫を司るBリンパ球と細胞性免疫を司るTリンパ球とがあ
るが、上記の少なくとも2種類のヒト細胞表面膜タンパク質をマウスのTリンパ
球細胞上で発現させることにより、T細胞親和性株(T cell line tropic HIV
strain)であるHIV(La、IIIB BH8などの株)の感染モデル動物としてトラン
スジェニックマウスを作出することができる。
上記のようにして2つのコンストラクトを用いて処理したマウスの中から、ヒ
トCD4とヒトフーシンの遺伝子またはcDNAが同一の染色体に組み込まれた
ものを選択する。上記2つの遺伝子がトランスジェニックマウスの同一の染色体
に組み込まれていると、それらの遺伝子は同じ子孫に同時に伝違され、その形質
はメンデルの法則に従って子孫に安定に遺伝する。
したがって、子孫マウスが親と同じ形質を獲得でき、一定の形質を有するマウ
スを作出することができる。さらに、このようにして得たトランスジェニックマ
ウスを使用すると、極めて再現性の高い研究を施行することができる。
トランスジェニックマウスまたはその子孫マウスの胚に導入されたヒト遺伝子
の検出は、各マウスの尾からDNAを採取し、ポリヌクレオチドキナーゼを用い
て標識された32P−DNAを用いるサザンハイブリダイゼーシ
ョンにより分析することができる(M.Kriegler,“Gene Transfer and Expressi
on,A Laboratory Manual,Freeman and Company)。また、ヒトCD4とフーシ
ンとが組織特異的に発現しているかどうかについては、蛍光抗体フローサイトメ
トリー法、in-situ RT-PCR、in-situ抗体染色法、ノーザンブロッティング法な
どによって調べることができる(M.Kriegler,上掲)。
これらのヒト細胞表面タンパク質が末梢Tリンパ球および胸腺Tリンパ球で発
現しているかどうかを、マウス末梢血および胸腺からTリンパ球を分離して確認
することができる。この確認は、例えば、T細胞からのRNAの抽出や蛍光標識
したモノクローナル抗体を用いた蛍光抗体法などによって行うことができ、蛍光
抗体法を用いることが、簡便な操作で正確な結果を得られることから好ましい。
蛍光抗体法を使用する場合には、市販の抗ヒトCD4抗体を利用してもよいが
、ヒトCD4抗原を用いて常法に従って動物を免疫し、抗ヒトCD4ポリクロー
ナルまたはモノクローナル抗体を得てもよい(例えばG.KohlerとG.Milstein,
Nature 256:495,1975; T.Iwasakiら,Monoclonal A ntibody,Hybridoma and
ELISA(1987),Kodan-sha Scientific,日本)。抗ヒトCD4モノクローナル抗
体はDAKO社(デンマーク、MT310)から市販されている。抗フーシンモノク
ローナル抗体もPharmingen社(San Diego,CA;12G5)から市販されている。これ
らの抗体は、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、PE(フィコエリトリ
ン(phycoerythrin))、TRICOLORTM(TCとも称される;Caltag Laboratory,CA)
などで標識することができる。抗ヒトCD4および抗ヒトフーシン抗体は単独で
使用してもよく、それぞれを任意の他の抗体と組み合わせて使用してもよい。
蛍光標識したモノクローナル抗体と、トランスジェニックマウスまたはその子
孫のTリンパ球とを反応させて、ヒトCD4およびヒトフーシンがTリンパ球に
発現されているかどうかを、フローサイトメトリー(例えばBecton Dickinson I
mmunocytometry Systems,CAのFACSTMを使用)を用いて調べることができる。抗
ヒトCD4モノクローナル抗体または抗ヒトフー
シンモノクローナル抗体のいずれのモノクローナル抗体においても、対照と比較
して蛍光強度が増大すれば、上記のTリンパ球表面膜タンパク質が発現されてい
ることを示している。抗マウスCD4抗体と抗マウスCD8抗体(ともにPharmin
gen,CAから入手可能)を同時に上記反応に加えれば、三色フローサイトメトリー
により、ヒトCD4およびヒトフーシンを発現しているTリンパ球サブセットを
確定することができる。このような抗体の組合わせとしては、抗ヒトCD4−FI
TC、抗マウスCD4−PE、抗マウスCD8−TRICOLORや、抗ヒトフーシン+抗
マウスIgG2a-FITC、抗マウスCD4−PE、抗マウスCD8−TRICOLORなどを挙
げることができる。
ヒトCD4およびフーシンと同様にして、CD8,CD25,CD44等の他
のヒトTリンパ球細胞表面膜タンパク質をコードする遺伝子類をマウス染色体上
に組み込むための同じかまたは異なるトランスジーンに導入し、マウス受精卵に
インジェクションすることができる。CD8,CD25,CD44のゲノムDN
AまたはcDNAは、A.N.Barclayら,“The Leukocyte Antigen Facts,Book
”,Academic Pressに記載されている。
本発明のトランスジェニックマウスにおいては、後述の実施例で示されるよう
にヒトCD4とヒトフーシンはともにマウスCD4陽性Tリンパ球に特異的に発
現しており、したがってHIVがこのCD4陽性Tリンパ球に感染することが可
能であるり、ヒトCD4陽性Tリンパ球が標的とするヒトHIVと極めて類似し
た状態を提供することができる。このトランスジェニックマウスを用いることに
よりHIV感染の動物モデルをつくることができ、HIV感染の仕組やAIDS
の発症機構の研究、または様々な治療法や予防法の開発、特に抗ウイルス薬、遺
伝子治療、ワクチン等の開発などに利用することが可能となる。さらに、このマ
ウスはHIV−1に感染していなくても末梢血中のCD4陽性T細胞数が減少し
ていることも判明し、したがってヒトにおいてHIV−1感染後期にみられるA
IDSの症状と類似する表現型を呈する。それゆえ、このマウスはAIDS発症
機構の解明に役立つことが期待される。
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施
例は単に説明のための例示であって、本発明を限定する意図はないことが理解さ
れるべきである。
実施例実施例1:トランスジーン(コンストラクトaおよびb)の作製
図1に示す2つのコンストラクト(トランスジーン)を構築した。ヒトのフー
シン遺伝子(CXCR4)は以下のようにして得た。
(1)ヒトフーシン遺伝子(CXCR4)の調製
ヒトcDNA遺伝子の上流および下流の配列(H.Nomuraら,Int.Immunol.5:1239
-1249,1993)をもとに合成した下記のプライマー:を用いて、ヒト末梢血リンパ球由来のcDNAライブラリー(Human Peripheral Bloo
d Leukocyte Quick−CloneTM,Clonetech,Palo Alto,CA)からPCRにて増幅
して調製した。PCR条件は、94℃1分、55℃1分、72℃3分を1サイクルとし
て30サイクル繰り返した後、72℃15分とした。PCRに用いた酵素およびバッフ
ァーは、クローンドPfuDNAポリメラーゼ(cloned Pfu DNA polymerase,Strat
agene,La Jolla,CA)および付随のバッファーを用いた。
(2)コンストラクトaの作製
図1aに、マウスCD4遺伝子とトランスジーン(コンストラクトa)を示す
。
マウスCD4のエキソンIIとエキソンIIIとを含むHindIIIゲノムフラグメント
をマウスのコスミドクローン(コスミド6:S.Sawadaら,Mol.Cell Biol.,11
:5506-5515,1991)から切り出し、pBluescript KS(-)中にサブクローニングし
た。エキソンIIからの翻訳開始コドンを部位特異的突然変異誘発により除き、そ
の残部にSalI部位とNotI部位とを導入した。その結果できたNotIフラグメントは
、イントロンIの一部とエキソンIIの非翻訳領域とを含む。
このNotIフラグメントをpNN03ベクター(S.Sawadaら,上掲)のNotI部位にサ
ブクローニングした。このpNN03ベクターは、ポリリンカーが改変されたpUC18ベ
クターで、ポリリンカーの両端がNotI部位となっているものである。
SV40遺伝子を含むプラスミドpDD2(S.Sawadaら,Cell,77:917-929,199
4)から、ClaIとNotIとにより、SV40のポリアデニル化部位を含むClaI-NotI
フラグメントを得た。このフラグメントをクレノウDNAポリメラーゼI(Klen
ow DNA polymerase I)を用いて平滑末端化し、その後、同一の酵素で前もって
平滑末端化されたpNN03のSalI部位に挿入した。これにより、SalI部位は再構成
された。
ついで、上記(1)のようにして作製したhCXCR4のcDNAを含むSalIフラグ
メントを、このようにして再構成されたpNN03のSalI部位に挿入しプラスミドを
得た。
次に、コスミド6をHindIIIで処理して、すべてマウスCD4に由来する5'フ
ランキング領域、エキソンI、およびイントロンIの一部を含むフラグメントを
分離し、そのフラグメントを上記のようにして得たプラスミドのHindIII部位に
挿入した。この後、プラスミドのHindIII部位に挿入したエキソンIのKpnI部位
の上流の5'フランキング領域を、最小のプロモーターを含むマウスCD4のXba
I-KpnIフラグメント(487bp)で置き換えた。
339bpのマウスCD4の最小のエンハンサーを、EcoRIで切断した上記最終産物
プラスミドの5'末端のEcoRI部位に挿入し、コンストラクトaを得た。
上記の遺伝子のすべてのライゲーションは、T4DNAリガーゼを用いて行わ
れた。
図1aに示したマウスCD4遺伝子は、エンハンサー、プロモーター、エキソ
ンI〜エキソンII上流部分を含む。ここで、ATGは翻訳開始部位を示す。
図1中に示すコンストラクトaは、5’→3’方向に、マウスCD4転写
制御領域(すなわち、CD4エンハンサーとCD4プロモーターを含むマウスC
D4遺伝子上流域)、エキソンI、イントロンI、エキソンIIの一部、およびヒ
トフーシン(human CXCR4)cDNAをこの順序でつなげてある連結産物である
。フーシンcDNAの3’末端には、SV40由来のポリA付加シグナルが結合され
ている(図1a)。
図1a中、I、II、IIIはエキソンを表し、P、S、X、SpおよびHはそれ
ぞれ、制限酵素PstI、SacI、XbaI、SphI、およびHindIIIの認識部位である。な
お、PstIおよびSacIに関しては、全部位は示していない。
(2)コンストラクトbの作製
コンストラクトbを作製するために、ヒトCD4遺伝子をヒトゲノムライブラ
リー(λファージライブラリー;Clontech)から特異的プローブを用いてスクリ
ーニングした。
コンストラクトbの作製には、ヒトCD4遺伝子がEcoRI部位に挿入されてい
る2種類のプラスミド(pUCl3)、すなわちPuc/hg1およびPuc/hg6を使用した
(図1b)。Puc/hg1には、ヒトCD4遺伝子の5’末端の約3kb上流域、エキ
ソンI、イントロンI、エキソンII、イントロンII、エキソンIII、イントロンI
IIの5’側約1.5kbの領域が含まれている。Puc/hg6には、ヒトCD4イントロ
ンIIIの3’側約3kbの領域、ヒトCD4エキソンIV、イントロンIVからエキソン
X、およびヒトCD4遺伝子下流域約3kbが含まれている。
Puc/hg1およびPuc/hg6から、EcoRI消化を用いて図1に示す2つのフラグメ
ントを得た。ここで得られた2つのフラグメントをT4リガーゼでライゲーショ
ンし、別のプラスミドpNN03(S.Sawadaら,Cell,77:917-929,1994)にクローニ
ングして改変した。これにより大部分のイントロンIIIの領域を天然型ヒトCD
4遺伝子から除いた(図1b)。
この改変ヒトCD4遺伝子は、ヒトCD4遺伝子の転写制御領域(すなわち、
CD4プロモーターを含む約3kb)、ヒトCD4遺伝子のすべてのエキソンと
、イントロンIIIの一部分を除くすべてのイントロンと、ヒトCD4遺伝子の下
流領域(約3kb)とを含んでいた。
また、マウスCD4遺伝子のエンハンサーをマウスコスミドクローン(コスミ
ド6)からBaIIIおよびEcoRIにより切り出して得た。このエンハンサーは4.5kb
のサイズを有し、レポーターアッセイにより決定されるエンハンサー活性を有し
ていた(M.C.B.,vol.11,No.11,p5506-5516,1991)。
この後、上記のようにして得た改変ヒトCD4遺伝子の5’末端に、上記のよ
うにして得たマウス由来のCD4遺伝子エンハンサーを、T4リガーゼを用いて
ライゲーションした(図1b)。
(3)コンストラクトaおよびbの精製
実施例1および2で作製したコンストラクトaおよびコンストラクトbを制限
酵素(NotI)で処理してベクター部分とインサートを切り離した後、アガロース
ゲル電気泳動にて分離・精製し、10μg/mlの濃度の溶液に調製した。実施例2:トランスジェニックマウスの作出
(1)受精卵の採取とマニュピレーション
BDFlマウス(雌、4〜6週齢)に5単位のPMSG(pregnant mare serum gonado
tropin)を投与し、その48時間後に5単位のHCG(human chorionic gonado
tropin)をさらに投与し、過剰排卵を誘発させ、雄マウスと交尾させた。翌日、
交尾を確認したのちに、この雌マウスから卵管と子宮の一部をつけたまま取り出
し、そのものから、1mg/mlのヒアルロニダーゼを含む培養培地中で受精卵
を得た。
ついで、このコンストラクトaおよびコンストラクトbを含む溶液をマイクロ
インジェクターを用いて、上記のようにして得たマウスの受精卵の核小体にイン
ジェクションした。
(2)トランスジェニックマウスの作出
上記(1)に記載のようにしてコンストラクトaおよびコンストラクトbを導
入した受精卵を、仮親(BDF1、6〜15週齢)の卵管内に注入し、環境を制御した
施設で妊娠期間の終了まで飼育して、生まれてきた仔マウス
のゲノムに2つのコンストラクトが組み込まれているかどうかを調べた。
(3)マウスへの遺伝子の導入の確認
この仮親から生まれた仔マウス(4週齢)について、上記2つのコンストラク
トが組み込まれているか否かを、以下のようにして調べた。
すなわち、この仔マウスから尾を採取してDNAを得た。このDNAを、ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いて標識した32P−DNAプローブを用いたサザンハ
イブリダイゼーションで分析した。このプローブはヒトCD4cDNA(T.W.Ho
dgeら,Hum.Immunol.,30:99-104,1991)およびヒトフーシンcDNA(H.Homu
raら,Int.Immunol.,5:1239-1249,1993)より調製したものであり、以下のも
のである:
ヒトCD4およびヒトフーシンの発現は、トランスジェニックマウスから得た
Tリンパ球を蛍光標識したモノクローナル抗体を用いて調べた。このとき、ヒト
CD4に対するモノクローナル抗体(MT310)はDAKO社(Glostrup,Denmark)より
FITCラベルされたものを購入し、ヒトフーシンに対するモノクローナル抗体(12
G5)は、James A.Hoxie博士(Pensylvania University)より恵与された。なお
、12G5抗体はPharmingen社(Sab Diego,CA)から市販されている。
上記の2つの標識抗体を、上記の仔マウスから得たリンパ球と4℃で30分程度
反応させ、12G5にはさらに抗マウスIgG2a-FITC(Pharmingen)を反応させた。これ
らの抗体との結合による蛍光強度のプロファイルの変化を、フローサイトメトリ
ー法で調べて、対照マウスからの結果と比較した。
フローサイトメトリーの結果より、上記のコンストラクトaおよびbの両方が
導入されていることが示された仔マウスを、ダブルトランスジェニックマウスと
して選択した。さらに、蛍光強度の測定値に基づき、これら2つのタンパクの発
現量の最も多いマウス#12(雄)を得た(表1)。
表1
マウスCD4陽性Tリンパ球中のトランスジーンの発現
1)創始マウス(BDGF1)とB6マウスとを交配させて生まれた仔マウスのリンパ球
をフローサイトメトリー法で分析した。
2)仔マウス#20におけるヒトフーシンの発現は末梢CD4陽性リンパ球では
認められないが胸腺CD4陽性Tリンパ球で認められた。実施例3: トランスジーンによって導入された形質の安定性の確認
マウス#12をC57BL/6J雌マウスと交配し、出生したマウスの尾を採取してD
NAを得た。このDNAを上記実施例2と同様にして分析した。
ヒトCD4とヒトフーシンの発現を、実施例2と同様にフローサイトメトリー
でタンパクレベルで解析した。このとき、ヒトCD4に対するモノクローナル抗
体としてMT3310を用い、ヒトフーシンに対するモノクローナル抗体として12G5を
それぞれ用いた。トランスジーンの発現を図2および図3に示した。
図2および図3ともに、上段に非トランスジェニックマウス(対照、non-TGと
示す)についてのヒトCD4(hCD4)とヒトフーシン(hCXCR4)のフ
ローサイトメトリーの結果を、また、下段にトランスジェニックマウス(TG)
についての結果をそれぞれ示した。図2はマウス末梢血リンパ球における発現を
調べたものであり、図3はマウス胸腺リンパ球における発現示す。これらの細胞
は三色フローサイトメトリーで調べたものであり、このとき、抗ヒトCD4−FI
TC(DAKO社)、抗マウスCD4−PE(Pharmingen社)および抗マウスCD8−TR
ICOLORTM(Caltag社,Burlingame,CA)からなる組;または抗ヒトフーシン+抗
マウスIgG2a-FITC(Pharmingen社)、抗マウスCD4−PEおよび抗マウスCD8
−TRICOLORTMからなる別の組を用いた。
図2および図3に示すように、トランスジェニックマウスと非トランスジェニ
ックマウスとのリンパ球におけるヒトCD4とヒトフーシンの発現についてのフ
ローサイトメトリーの分析の結果、トランスジェニックマウスにおいて、ヒトC
D4とフーシンとがともに発現していることが示された。
しかも、図2および図3の三色フローサイトメトリー分析が示すように、それ
らのヒトタンパク質の発現はマウス末梢CD4陽性Tリンパ球およびマウス胸腺
CD4陽性Tリンパ球に限定されており、この発現は組織特異的であり、またコ
ンストラクトaおよびbに含まれるCD4転写制御領域の作用によるものである
ことを示した。このような作用は、マウス末梢リンパ球(図2)でも胸腺リンパ
球(図3)でも観察された。
すなわち、トランスジェニックマウスのCD4陽性Tリンパ球はヒトCD4お
よびヒトフーシン両分子をリンパ球細胞表面に発現していることが示された。な
お、ここには示さないが、これら2つの分子の発現量は、ヒトCD4陽性Tリン
パ球における発現量に比べて多かった。
以上より、トランスジェニックマウス#12およびその仔マウスのCD4陽性T
リンパ球においては、ヒトCD4とフーシンとが同時に発現されていた。したが
って、トランスジェニックマウスでは、例外なく両方のコンストラクトaおよび
bが導入されていること、および上記コンストラクトaおよびbは同じ染色体中
に組み込まれていた。この形質は、メンデルの法則に従って同時に子孫に伝わっ
ていくものと考えられる。
本発明において、開示される全ての変形または変更が文言的には添付の請求の
範囲の範囲内に包含され得ない程度であっても、それらの変形または変更が均等
論下に本発明の一部であると考えられる、と理解されるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年5月4日(1999.5.4)
【補正内容】
請求の範囲
1.マウスのCD4陽性Tリンパ球細胞表面上にヒトCD4およびヒトフーシン
(CXCR4)を同時発現することが可能なトランスジェニツクマウス。
2.前記同時発現が、同一染色体中への前記CD4およびフーシンをコードする
遺伝子の組み込みによるものである、請求項1に記載のトランスジェニックマウ
ス。
3.前記CD4およびフーシンを同時発現する形質がマウスの子孫に遺伝する、
請求項1に記載のトランスジェニックマウス。
4.下記の順序で5’→3’方向に、
マウスCD4エンハンサーと、マウスCD4プロモーターと、マウスCD4エキ
ソンIと、マウスCD4イントロンIと、マウスCD4エキソンIIの一部とを
含むマウスCD4転写制御領域、
ヒトフーシンcDNA、および
ポリA付加シグナル
を含むトランスジーン。
5.図1aに示されるコンストラクトaである、請求項4に記載のトランスジー
ン。
6.図1bに示されるコンストラクトbであるトランスジーン。
7.トランスジェニックマウスの作出方法であって、
(i)請求項4または5に記載のトランスジーンと請求項6に記載のトランスジ
ーンを一緒に混合し、
(ii)該混合物をマウスの受精卵にインジェクトし、
(iii)得られた受精卵を仮親雌マウスに移植し、
(iv)該移植マウスを出産させ、
(v)マウスのCD4陽性Tリンパ球細胞表面上にヒトCD4およびヒトフーシ
ンを同時発現することが可能な仔マウスを選択する
ことを含む、前記方法。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ
,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,
NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L
S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ
,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL
,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,
BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E
E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU
,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V
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