【発明の詳細な説明】
抗不整脈薬として用いられるデオキシおよび酸素置換された糖含有14−アミノス
テロイド化合物
発明の背景
本発明は、抗不整脈薬として用いられるデオキシおよび酸素置換された糖含有
14−アミノステロイド化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医
薬組成物に関する。
健康で、構造的に正常な心臓において、各拍動毎に発生する全心筋の正確な逐
次的電気的活性化に続く非活性化は、正常な心臓調律として特徴づけられる。不
整脈は、正常な心臓調律に干渉しうる異常な電気的活性化の発生として特徴づけ
られる。異常な電気的活性化は、心臓の収縮をトリガーする電気的波(すなわち
、心筋の脱分極、続く再分極)の開始および/または電気的波の均一な伝播を干
渉しうる。
不整脈は一般的に2つの型に分類される:1)上室性不整脈(例えば、心房細
動および粗動)および2)心室性不整脈(例えば、心室頻脈性不整脈および心室
細動)である。
上室性不整脈は一般的に生命を脅かすものではない。これらの不整脈を有する
個体は、軽微なものから重篤な強度のものまでの広範囲な症状を経験することが
ある。これらの個体は、拍動の欠損、拍動の過剰および/または粗動の身体的感
覚を感じ、時々ふらふらしたりまたはめまいを感じることがあり、そして短呼吸
および/または胸痛を経験することがある。この状態は一般的に命に別状がない
ので、より積極的な治療薬、例えば、慣用の抗不整脈薬が処方されることは殆ど
ない。なぜなら、命に別状のない状態にとっては、それらの治療薬に通常伴う副
作用は許容できぬものであるからである。
上室性不整脈は直ちに生命を脅かすものではないが、心房頻脈性不整脈を患う
者は、頻脈性不整脈によって血栓が循環するのを誘導するために発作の危険性が
高まる。さらに慢性上室性不整脈を患う者は、慢性心不全(CHF)を発達させ
ることがある。うっ血性心不全(CHF)は、進行性疾患であり、心臓が次第に
末梢組織に酸素血を輸送するのに十分な心拍出量(CO)(単位時間にわたり心臓
から拍出される血液量)を供給することができなくなる。心臓が最初に不全とな
るとき、残りの体部はCOの損失を代償し、そのような代償メカニズムはついに
はCHFとして知られる症候群を結果として招く。CHFが進行すると、構造上
および血行力学的損傷が起きる。このような構造上の損傷は、それ自身を巨視的
には心筋における心室肥大として、および微視的には心室壁における間質性、血
管周囲性および置換性線維形成、心筋毛細管密度の減少、および心筋細胞死とし
て明らかになる。心筋組織の線維形成が起きると、残留する生心筋細胞の仕事負
荷がより大きくなるので、心機能を損なうことになる。
ジギタリスおよび他の強心配糖体は、心変力作用(すなわち、心収縮性の亢進
)を有するとして知られる。強心配糖体は心臓の電気生理学的特性に影響を及ぼ
すことも知られている。電気生理学的作用は、自律神経系を介して間接的に(Ros
en MR.;Weingart R)、または心細胞膜への薬剤の効果を介して直接的に(Weing
art R;Hoffman)のどちらかによって作用を及ぼすことも知られている。強心配
糖体は、心房から心室へ頻脈性不整脈の伝播を遮断することにより作用する。不
整脈は心房にとどまる。本発明の14−アミノステロイド化合物は心房における不
整脈を終了させ、心臓全体を正常洞調律に戻すことが発見されている。このよう
に、本発明の14−アミノステロイド化合物は、他の強心配糖体を上回る増大した
抗不整脈効果を示す。
心臓作用性ステロイド核含有化合物は以下に示す特許に記載されている。1987
年7月16日に公開されたChiodiniらのPCT出願 WO87/04167は、3-位がアミ
ノ糖残基で置換され、14-位がアセタール結合アミノグリコシドステロイド誘導
体を記載している。この化合物は高血圧の治療に有効であることがこの開示に述
べられている。1990年8月17日に公開されたGuinaのフランス特許第2,642,973号
は、ジギタリス様化合物、2,3-ジオキシメチル-6-メチル-3-β-D-グルコース-ス
トロファンチジンを記載しており、この化合物は、3-位がグルコース部分、およ
び17-位がラクトン部分、および、14-位がヒドロキシル基で置換されたステロイ
ド核を含む。本開示には、この化台物はジギタリスが処方される心機能不全に由
来する病理学的状態を防ぎ、動脈のカルシウム沈着による高血圧に由来
する病理学的状態を防ぐのに有効であることが記載されている。Guinaの化合物
は、また陽性変力作用物質、末梢血管拡張薬、および抗不整脈薬であると言われ
ている。1987年7月16日に公開されたChiodiniらのPCT出願 WO87/04168は
、3-位アミノ糖(2-アミノまたは2-アルキルアミノ-2-デオキシ-ヘキソピラノシ
ル、3-アミノまたは3-アルキルアミノ-3-デオキシ-ヘキソピラノシル、3-アミノ
または3-アルキルアミノ-3,6-ジデオキシ-ヘキソピラノシル、3-アミノまたは3-
アルキルアミノ-2,3,6-トリデオキシ-ヘキソピラノシル、4-アミノまたは4-アル
キルアミノ-2,4,6-トリデオキシ-ヘキソピラノシル残基など)および17-位に環
状アミド(ラクタム)を有するアミノグリコシドステロイドを開示している。14
-位は、水素で置換されている。この化合物は血圧降下薬として有効であると述
べられている。1991年11月14日に公開されたKennyらのPCT出願 WO91/1717
6は、昇圧薬として有効な、3-位に糖部分(ペントース、ヘキソースまたはそれ
らの組み合わせなど)、および17-位にラクトン環を有するステロイド配糖体を
開示しており、14-位はOH、HまたはF、Cl、BrまたはNH2で置換されて
いる。1991年12月5日にSiemannらに特許されたDD 296502 A5は心機能不全治療
のためのステロイドアミドを開示しており、これは3-位がスルホニルアミノ基で
置換され、17-位が5または6員ラクトン環で置換されていて、14-位がヒドロキ
シ基で置換されている。LaBellaの米国特許第5,144,017号(1992年9月1日)は
心刺激薬として有効とされているステロイド化合物を開示しており、これは3-位
がグリコジド基(β-D-グルコシド、α-L-ラムノシド、トリジギトキソシドなど
)で置換され、17-位がアセトキシ基またはアミノ基で置換されており、14-位に
ヒドロキシ基を有する。McCallの米国特許第5,175,281号(1992年12月29日)は
脊髄性外傷、頭部外傷および引き続く脳血管痙彎の治療、心肺蘇生および心筋梗
塞後の損傷の予防に有効なピリミジニルピペラジニルステロイド化合物を開示し
ており、これは、3-位がヒドロキシ、CH3O、COOH、またはベンゾキシで
あり、14-位が水素であり、ならびに17-位が複素環アミンである。1988年4月27
日にWunderwaldらに特許されたDD 256,134 A1は、心臓作用性のステロイドの製
造法を開示しており、ステロイド分子の3-位がモルホリノホルミルオキシ残基で
置換されており、ステロイド分子の17-位がラクトン環で置換されてお
り、14-位がヒドロキシ、水素またはオレフィンで置換されている。前記化合物
は心収縮性を増大させるのに有効であるといわれている。1992年10月15日に公開
されたIchikawaらの特開平4-290899号は強心ステロイド化合物を開示しており、
これはステロイド核の3-位がオリゴ糖で置換されており、さらに前記オリゴ糖は
3つのグルコピラノシル部分からなり、14-位がOH基で置換されており、なら
びに17-位がラクトン環で置換されている。Templetonらの、36J.Med.Chem.42〜4
5頁(1993)は14-ヒドロキシ-21-ノル-5β,14β-プレグナンおよび5β,14β-プ
レグナンC-3α-L-ラムノシドおよびトリス-β-D-ジギトキソシド誘導体の合成法
を開示している。前記化合物は有効な強心薬であると報告されている。これらの
誘導体はC-17βCOCH2OH、CH2OH、CO2H、CO2Me、CH2NH2、
またはCH2NO2基を有しており、心筋のジギタリス受容体認識部位に結合する
。Templetonらの、1 J.Chem.Sci.Perkin.Trans.,2503〜2517頁(1992)は
、20α-および20β-アセトアミド-、アミノ-、ニトロ-およびヒドロキシ-3β-グ
リコシド(α-L-ラムノピラシドおよびトリス-β-D-ジギトキソシド)および14-
ヒドロキシ5β,14β-プレグナンのゲニン誘導体のC-20オキシム、ヒドラゾンお
よびアミジノヒドラゾンとの合成法を開示している。これらの化合物は強心薬と
して有効であると主張されている。Adeoti,S.B.らの12 Tetrahedron Letters,
3717〜3730頁(1989)はステロイド分子に14β-アミノ官能基の導入する方法を
開示している。前記方法は、心臓作用性14β-アミノ-5β-プレグナン-3β,20β
ジオールの調製を可能にする。
14-アミノステロイド化合物は心収縮性を増大させることによりCHFの治療
に有効であることが示されている。これらの化合物はジギタリスの副作用なしに
心収縮性を増大させる治療上の利点を提供する。これらの14-アミノステロイド
は以下に示す特許に記載され、これらを全て引用により本明細書に組み込む:19
85年11月12日に発行されたJarreauらの米国特許第4,552,868号;1986年4月22日
に発行されたJarreauらの米国特許第4,584,289号;および1989年12月5日に発行
されたJarreauらの米国特許第4,885,280号。これら3つの特許は、陽性変力作用
を有する14-アミノステロイド化合物を記載している。米国特許第4,552,868号の
特許は、上室性抗不整脈特性を有する14-アミノステロイド化合物
をも開示している。1995年3月30日に公開されたLiuらのPCT出願WO95/0855
8は、本発明の14-アミノステロイド化台物をより有効な変力作用物質として記載
している。本発明は上室性不整脈および/または心房細動の治療におけるこれら
化合物の驚くべき利点に関するものである。
発明の概要
上室性不整脈および/または心房細動に罹患しているヒトまたは他の哺乳類の
治療法であり、前記ヒトまたは他の哺乳類に安全で有効な量の、下記の式で示さ
れるデオキシおよび酸素置換された糖含有する14-アミノステロイド化合物およ
びそれらの薬剤学的に許容可能な酸塩またはエステルを投与することからなる。
用語の定義および用法
下記は本明細書に用いられる定義のリストである。
「アミノステロイド」は、ステロイド核にアミノ基を有するステロイド環化合
物である。
「アルキル」は、1から8個の炭素原子、および好ましくは、特記しない限り
、1から4個の炭素原子を有する、非置換または置換の、直鎖、環状または分枝
鎖の、飽和炭化水素鎖である。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、およびブチル;メチルのように脂肪族炭化水素より1Hを除
くこ
とに由来する一価の基を含むがこれらに限定されない。低級アルキル基は1〜6
個の炭素原子を含む。
本明細書で用いられる「ヘテロアルキル」は、3から8員を有する、非置換ま
たは置換の、飽和鎖であり、炭素原子および1または2個のへテロ原子を含む。
「アルケニル」は、2から8個の炭素原子、好ましくは、2から4個の炭素原
子を有し、かつ少なくとも1つのオレフィン性二重結合を有する、非置換または
置換の、直鎖または分枝鎖の、飽和炭化水素鎖である。
「アルキニル」は、2から8個の炭素原子、好ましくは、2から4個の炭素原
子を有し、かつ少なくとも1つの三重結合を有する、非置換または置換の、直鎖
または分枝鎖の、飽和炭化水素鎖である。
「アセテート」:CH3COO-基を含む酢酸塩。
「アセトキシ」:アセチルオキシ。CH3COO-基。
「アセチル」:アシル基 CH3CO-。
「アグリコン」:配糖体(グリコシド)の成分、例えば、糖でない植物ピグメ
ント。
本明細書で用いられる「炭素環式(カルボサイクリック)環」または「カルボ
サイクル」は、通常3から8原子の、好ましくは5から7原子を含む、非置換ま
たは置換の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素環である。
本明細書で用いられる「複素(ヘテロサイクリック)環」または「ヘテロサイ
クル」は、環に炭素原子およびl個以上のヘテロ原子を有する、非置換または置
換の、飽和または不飽和または芳香族環である。複素環は通常3から8個の、好
ましくは5から7個原子を含む。特記しない限り、ヘテロ原子は窒素、イオウ、
および酸素から独立して選ばれる。
「アリール」は芳香族性炭素環式環である。アリール基は、フェニル、トリル
、キシリル、クメニル、およびナフチル;すなわち、例えば、ベンゼンからフェ
ニルのような、芳香族炭化水素から1原子を除くことに由来する有機基を含むが
、これらに限定されない。「ヘテロアリール」は芳香族性複素環である。好まし
いヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ピラジニル、
オキサゾリル、チアゾリル、キノリニル、ピリミジニル、およびテトラゾリルを
含む
が、これらに限定されない。
「アルコキシ」は、炭化水素鎖がアルキルまたはアルケニルである炭化水素鎖
置換基を有する酸素原子(すなわち、-O-アルキルまたは-O-アルケニル)であ
り、メトキシのように、分子の残りの部分に酸素により結合しているアルキル基
である。好ましいアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびア
ルキルオキシを含むがこれらに限定されない。
「ヒドロキシルアルキル」はヒドロキシ置換基(すなわち、-OH)を有し、
ならびに他の置換基を有することもある置換炭化水素鎖である。好ましいヒドロ
キシアルキル基は、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フエニルヒドロキ
シアルキルを含むがこれらに限定されない。
「カルボキシアルキル」はカルボキシ置換基(すなわち、-COOH)、なら
びに他の置換基を有することもある置換炭化水素鎖である。好ましいカルボキシ
アルキル基は、カルボキシメチル、カルボキシエチル、およびそれらの酸および
エステルを含むがこれらに限定されない。
「オキソシラン」は酸素およびケイ素の繰り返し単位Si-O-Si-O-であり
、当該技術では「シロキサン」としても知られている。
「アミノアルキル」はジメチルアミノアルキルのような、炭化水素鎖(すなわ
ち、アルキル)がアミン部分で置換されたもの(すなわち、NH-アルキル-)で
ある。
「アルキルアミノ」は1または2個のアルキル置換基を有するアミノ部分(す
なわち、-N-アルキル)である。
「アルケニルアミノ」は1または2個のアルケニル置換基を有するアミノ部分
(すなわち、-N-アルケニル)である。
「アルキニルアミノ」は1または2個のアルキニル置換基を有するアミノ部分
(すなわち、-N-アルキニル)である。
「アルキルイミノ」は1または2個のアルキル置換基を有するイミノ部分(す
なわち、N=アルキル-)である。
「アリールアルキルオキシ」は、アリールアルキル置換基を有する酸素原子で
あり、例えば、フェニルメトキシまたはフェニルメチレンオキシなど。 「ヘテロアリールアルキルオキシ」は、例えば、下記の式であらわされるよう
な、「ヘテロアリールアルキル」置換基を有する酸素原子である。
「アリールアルキル」は、アリール基で置換されたアルキル部分である。好ま
しいアリールアルキル基は、ベンジルおよびフェニルエチルを含む。
「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル部分
である。
「アリールアミノ」は、アリール基で置換されたアミノ部分(すなわち、-N
H-アリール)である。
「アリールオキシ」は、アリール置換基を有する酸素原子(すなわち、-O-ア
リール)である。
「アシル」または「カルボニル」は、カルボン酸からヒドロキシを除去して形
成される部分(すなわち、R-C(=O)-)である。好ましいアルキルアシル基は
、アセチル、プロピオニル、およびブタノイルを含むがこれらに限定されない。
「アシルオキシ」は、アシル置換基を有する酸素原子(すなわち、-O-アシル
)であり、例えば、-O-C(=O)-アルキルである。
「アシルアミノ」は、アシル置換基を有するアミノ部分(すなわち、-N-アシ
ル)であり、例えば、-NH-C(=O)-アルキルである。
「ベンゾキシ」:ベンゾイルオキシ基。
「ベンゾイル」:安息香酸に由来するアリール基、C6H5CO-。「べンゾイルオキシ」:すなわち、ベンゾキシ。安息香酸に由来する基、C6H5
COO-。
「カルバメート」:カルバミン酸の塩;-NCO2-基を含み、当該技術でウレタ
ンまたはカルバミンエステルとしても知られる。
「カルボキシ」:酸性カルボキシル基を示す接頭語。
「エステル」:アルコール(塩基)と有機酸とから水の脱離により形成される有
機塩;カルボン酸の官能基誘導体は、単純加水分解によりカルボン酸に変換され
る化合物である。最も一般的なこのような誘導体は、ヒドロキシ基がアルコキシ
基で置換されたエステルである。
「配糖体(グリコシド)」:別の物質と糖との天然化合物であり、糖+プリンシプ
ル(principle)(例えば、コニフェリンからはグルコース+プリンシプルとして
コニフェリルアルコールを得る)に加水分解する。例えば、グルコシドはグルコ
ースを、フルクトシドはフルクトースを、ガラクトシドはガラクトースを得る。
炭水化物の環状アセタールである。
「ハロ」、「ハロゲン」、または「ハライド」は、クロロ、ブロモ、フルオロ、ま
たはヨード原子基である。クロロ、ブロモ、およびフルオロは、好ましいハライ
ドである。
「ラクトン」:酸のヒドロキシおよびカルボキシル基から水分子が失われて形成
されるヒドロキシカルボン酸の分子内エステルの種類であり、環中のカルボキシ
ル-オキシ群-OCO-を特徴とし、親である酸におけるヒドロキシ基の位置に従
って分類される。
「薬剤学的に許容可能な」塩は、酸性(例えば、カルボキシル)基で形成され
るカチオン塩、または塩基性(例えば、アミノ)基で形成されるアニオン塩であ
る。多くのそのような塩は、1987年9月11日に公開されたJohnstonらのPCT出
願87/05297号に記載されているように、当該技術で既知であり、この記載
を本明細書に援用する。好ましいカチオン塩は、アルカリ金属塩(ナトリウムお
よびカリウムなど)およびアルカリ土類(マグネシウムおよびカルシウムなど)
を含む。適切なアニオン塩は、ハライド(クロライドなど)塩、同様に、カルボ
キシレート(マレートなど)塩を含む。好ましいアニオン塩は、マレート塩を含
む。
「塩」:酸および塩基の間の反応から生産される物質;金属(陽)および非金属
(陰)基の化合物:M OH(塩基)+HX(酸)=MX(塩)+H2O(水)。
「ステロイド核」:ステロール、胆汁酸、強心配糖体、サポニン、および性ホル
モンを含む脂質化合物族の一般名。
「置換基」:親化合物の水素を置換するあらゆる原子または基。
「置換する」:化合物中の1つの元素または基を置換基で置き換えること。
「置換された」:置換をうけた化合物に関する。
「置換」:(通常、有機)分子中の原子または原子群が他のものに交換される反応
。
置換基群は、それ自身が置換されうる。このような置換は1つ以上の置換基を
伴いうる。このような置換は、これらに限定されるものではないが、C.Hansch
およびA.Leoの「化学および生物学における相関分析用の置換基定数(Substitue
nt Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology)」(1979
)に列挙されたものを含み、この記載を本明細書に援用する。好ましい置換基に
は、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミノ
アルキル(例えば、アミノメチルなど)、シアノ、ハロ、カルボキシ、アルコキシ
アセチル(例えば、カルボエトキシなど)、チオール、アリール、シクロアルキル
、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル(例えば、ピペリジニル、モル
ホリニル、ピペラジニル、ピロリジニルなど)、イミノ、チオオキソ、ヒドロキ
シアルキル、アリールオキシ、アリールアルキル、およびこれらの組み合わせを
含むがこれらに限定されない。
「単糖」は、単一の糖部分である;例えば、ヘキソース、2-デオキシグルコー
ス、6-デオキシヘキソース、2,6-ジデオキシヘキソース、など、ラムノース、グ
ルコース、アラビノース、ジギトキソース、フルクトース、ガラクトース;ラム
ノピラノース、ヘキソピラノース、6-デオキシグルコース、4,6-ジデオキシグル
コピラノース、マンノース、シマロース、キシロース、リキソース、リボース、
ジギタロース、4-アミノ-2,4,6-トリデオキシリキソヘキソピラノース、4-アミ
ノ-4,6-ジデオキシグルコピラノース、2,3-ジデオキシラムノピラノース、4-メ
トキシ-4,6-ジデオキシラムノピラノースがある。
「オリゴ糖」は2-8個の単糖の糖残基を有する糖であり、好ましくは、2-3
個の単糖を有する。オリゴ糖の最後の単糖残基は、「末端」オリゴ糖残基として
しられる。
「単糖」または「オリゴ糖」残基は、環またはいす形立体配置のいずれかで図
示することができる。従って例えば、グルコース(単糖)は、下記のように表す
ことができる。
発明の詳細な説明
本発明は、ヒトまたは他の哺乳類における上室性不整脈および/または心房細
動の治療に使用されるある種のデオキシまたは酸素置換された糖含有14-アミノ
ステロイド化合物を包含する。本発明に用いられる特定の化台物および組成物は
、
従って薬剤学的に許容可能でなければならない。本明細書に用いられるように、
「薬剤学的に許容可能な」成分は、上室性不整脈および/または心細動の治療に
おいてヒトおよび/または他の哺乳類での使用に適し、かつ過度の副作用(毒性
、刺激、およびアレルギー反応など)が存在せず、応分の利益/危険比が釣り合
うものである。活性物質
下記の一般式であらわされる、デオキシまたは酸素置換された糖含有14-アミ
ノステロイド化合物およびそれの薬剤学的に許容可能な酸の塩またはエステル。
製造方法
下記の実施例は本発明化合物の製造方法を例示するものであり、なんら限定を
意図するものではない。
実施例1 (3β,5β,14β.17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシ ル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸メチルエステルの合成 無水MeOH(40ml)中の(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ
-2',4'-O-ジベンゾイル-α-L-マンノピラノシル)-オキシ]-アンドロスタン-17-
カルボン酸メチルエステル(6.2g,9.2mmol)撹拌溶液に周囲温度でNaOMe(4.0g,73
.6mmol)を加える。混合物をN2下、24時間撹拌する。減圧下で溶媒除去し、白色
固体残渣を得る。粗混台物をCHCl3およびH2O中で分配する。水層をCHCl3で3
回抽出する。合一させた抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて粗生成物
を得る。クロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/MeOH/NH4OHを500:10:3滴から
500:40:12滴の勾配溶出)により精製し、純粋な(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-
3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カ
ルボン酸メチルエステルを白色結晶として得る。
実施例2 (3β,5β,148,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシ ル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸メチルエステルの合成 (3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシ
ル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸メチルエステル[ここで実施例10
に記載したように調製]は、下記の手順によっても合成することができる。
無水MeOH(2L)とCH2Cl2(1L)との混合物中の(3β,5β,14β,17β)-14-アミ
ノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-2',4'-O-ジベンゾイル-α-L-マンノピラノシル)-オキ
シ]-アンドロスタン-17-カルボン酸メチルエステル(200g,0.29mol)[ここで実
施例26に記載したように調製]溶液に周囲温度でNaOMe(16g,0.30mol)を撹拌し
ながら加える。反応混台物を24時間撹拌し、次いでNaHCO3(54g,0.65mol)を加え
てクエンチする。これを2時間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮し、オイル状残渣
を得る。残渣を次いで10%ヘプタン/メチルt-ブチルエーテル(2.25L)中に2
時間スラリー化させ、濾過し、再び水(1L)中で2時間スラリー化させる。濾過お
よび乾燥後、白色固体として生成物を得る。
薬理活性の評価
全動物モデルにおいて電気生理学的特性を評価する。本発明の新規なデオキシ
および酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物の洞結節機能、心拍数
、心房有効不応期、房室結節有効不応期、洞結節回復時間に好ましい影響を与え
、ならびに心房細動/粗動不応期および心房粗動を終了させる能力を評価する。医薬組成物
本発明のデオキシおよび酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物は
、ヒトまたは他のほ乳類に、経口剤形および注射(静脈内、筋肉内、腹腔内、お
よび皮下)を含むがこれらに限定されない種々の経路によって投与される。本発
明のデオキシおよび酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化台物を含む多
くの他の剤形は、下記に定義するような適切な薬剤学的賦形剤を用いて、当業者
によって容易に処方することができる。患者のコンプライアンスおよび慢性療法
を考慮して、経口剤形が一般的に最も好ましい。急性用としては、不整脈を急速
に終了させる静脈用剤形が好ましい。
本明細書に用いられる「医薬組成物」という用語は、安全で有効な量の新規な
デオキシおよび酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物活性成分、ま
たはそれらの混合物と、薬剤学的に許容可能な賦形剤からなる組み合わせを意味
する。
本明細書に用いられる「安全で有効な量」という句は、健全な医学的判断の範
囲内で有意に症状および/または治療される状態を緩和するのに十分多く、重篤
な副作用を避けるのに十分に少ない(応分の利益/危険比での)、化合物または
組成物の量を意味する。本明細書において本発明の方法に用いられる医薬組成物
用の活性成分の安全で有効な量は、治療する特定の条件、治療をうける患者の年
齢および身体的条件、症状の重症度、治療の期間、併用療法の性質、用いる特定
の活性成分、用いる特定の薬剤学的に許容可能な賦形剤、担当医師の知識および
専門意見の範囲内の因予等により変化する。
本明細書に用いられる「薬剤学的に許容可能な賦形剤」という用語は、当業者
に既知のいかなる生理学的に不活性な、薬理学的不活性物質をも含み、用いるた
めに選ばれた特定のデオキシまたは酸素置換された糖含有14-アミノステロイド
化合物活性成分の物理的および化学的特性と矛盾しないものである。薬剤学的に
許容可能な賦形剤は、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、結合剤、滑沢剤、滑剤
(glidants)、崩壊剤、溶剤、補助溶剤(co-solvents)、緩衝剤系、界面活性剤、
保存剤、甘味剤、着香料、薬剤学的等級色素または顔料、および増粘剤を含むが
、これらに限定されない。
本明細書に用いられる「経口剤形」という用語は、組成物を個体の胃腸管に、
前記個体の口を経由して体内分布させる、全身的に投与するあらゆる医薬組成物
を意図する。本発明の目的のために、剤形は、コーティングまたは非コーティン
グされた錠剤、溶液、懸濁液、あるいはコーティングまたは非コーティングされ
たカプセルの形態である。
本明細書で用いられる「注射」という用語は、ヒトまたは他の哺乳類に活性成
分を含む溶液または乳濁液の体内分布を通して、全身的に投与することを意図す
るあらゆる医薬組成物を意味し、静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下注射により
個体の循環系に前記溶液または乳濁液を体内分布させるために個体の皮膚を穿刺
することによる。
全身性体内分布速度は、下記の因子のいずれか1つ以上を操作することにより
、当業者により十分に制御される。
(a)活性成分の適正化;
(b)薬剤学的許容可能な賦形剤;但し、変量が選ばれる特定の活性成分の活
性に干渉しないこと;
(c)賦形剤および併用薬のタイプ、前記賦形剤の望ましい濃さおよび透過性
(膨潤特性);
(d)賦形剤自身および/または賦形剤内の時間依存的な状態;
(e)顆粒化活性成分の粒子サイズ;
(f)賦形剤のpH依存的状態。
上記に記載したように、薬剤学的に許容可能な賦形剤は、樹脂、充填剤、結合
剤、滑沢剤、溶剤、滑剤、崩壊剤、補助溶剤、界面活性剤、保存剤、甘味剤、着
香料、緩衝剤系、薬剤学的等級色素または顔料、および増粘剤を含むが、これら
に限定されない。
好ましい溶媒は水である。
ここで有効なもののなかで着香料は、レミントン薬品科学(Remington's Pharm
aceutical Sciences)、第18版、Mack Publishing Company社、1990、1288〜13
00頁に記載されたものを含み、本明細書に援用する。ここでの使用に適する医薬
組成物は、一般的に0〜2%の着香料を含む。
ここで有効なもののなかで色素または顔料は、米国薬学協会および英国薬学会
(American Pharmaceutical Association & the Pharmaceutical Society of Gr
eat Britain)による薬剤学的賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical
Excipients)、81〜90頁、1986に記載されたものを含み、本明細書に援用する。
ここでの使用に適する医薬組成物は、一般的に0〜2%の色素または顔料を含む
。
好ましい補助溶剤は、エタノール、グリセリン、プロプレングリコール、ポリ
エチレングリコールを含むがこれらに限定されない。ここでの使用に適する医薬
組成物は、0〜50%の補助溶剤を含む。
好ましい緩衝剤系は、酢酸、ホウ酸、炭酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、
酒石酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、グルタ
ル酸およびグルタミン酸、ならびにこれらのナトリウム、カリウムおよびアンモ
ニウム塩を含むがこれらに限定されない。特に好ましいのは、リン酸、酒石酸、
クエン酸、および酢酸およびこれらの塩である。本発明の医薬組成物は、一般的
に0〜5%の緩衝剤系を含む。
好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンモノアルキルエーテル、スクロースモノエステルおよびラノリン
エステルおよびエーテル、硫酸アルキル塩、脂肪酸のナトリウム、カリウム、お
よびアンモニウム塩を含むがこれらに限定されない。本発明の医薬組成物は、0
〜2%の界面活性剤を含む。
好ましい保存剤は、フェノール、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル
、o-フェニルフェノール、安息香酸およびその塩、ホウ酸およびその塩、ソルビ
ン酸およびその塩、クロロブタノール、べンジルアルコール、チメロサール、酢
酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀、ニトロメルソール、塩化べンザルコニ
ウム、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン、およびプロピルパラベンを含
むがこれらに限定されない。特に好ましいのは、安息香酸の塩、塩化セチルピリ
ジニウム、メチルパラベン、およびプロピルパラベンである。本発明の医薬組成
物は、一般的に0〜2%の保存剤を含む。
好ましい甘味剤は、スクロース、グルコース、サッカリン、ソルビトール、マ
ンニトール、およびアスパルテームを含むがこれらに限定されない。特に好まし
いのは、スクロースおよびサッカリンである。本発明の医薬組成物は、0〜5%
の甘味剤を含む。
好ましい増粘剤は、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ア
ルギン酸ナトリウム、カルボメール、ポビドン、アラビアゴム、グアゴム、キサ
ンサンゴムおよびトラガントを含むがこれらに限定されない。特に好ましいのは
、メチルセルロース、カルボメール、キサンサンゴム、グアゴム、ポビドン、ナ
トリウムカルボキシメチルセルロース、およびケイ酸アルミニウムマグネシウム
である。本発明の医薬組成物は、0〜5%の増粘剤を含む。
好ましい充填剤は、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、三塩基性リン
酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、圧縮性糖、デンプン、硫酸カルシウ
ム、デキストロおよび微結晶性セルロースを含むがこれらに限定されない。本発
明の医薬組成物は、0〜75%の充填剤を含む。
好ましい滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクを
含むがこれらに限定されない。本発明の医薬組成物は、0.5〜2%の滑沢剤を含
む。
好ましい滑剤は、タルクおよびコロイド状二酸化ケイ素を含むがこれらに限定
されない。本発明の医薬組成物は、1〜5%の滑剤を含む。
好ましい崩壊剤は、デンプン、デンプングリコレートナトリウム、クロスポビ
ドン、クロスカルメロースナトリウム、および微結晶セルロースを含むがこれら
に限定されない。本発明の医薬組成物は、4〜15%の崩壊剤を含む。
好ましい結合剤は、アラビアゴム、トラガント、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、プレゼラチン化デンプン、ゼラチン、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、スクロースお
よびソルビトールなどの糖溶液、およびエチルセルロースを含むがこれらに限定
されない。本発明の医薬組成物は、1〜10%の結合剤を含む。
本発明の化合物は、本発明の医薬組成物の重量に基づき0.1%から99.9%含ま
れる。好ましくは本発明の化合物は、本発明の医薬組成物の重量に基づき約20%
から約80%含まれる。
従って、本発明の医薬組成物は、15〜95%のデオキシおよび酸素置換された糖
含有14-アミノステロイド化合物活性成分、またはその混合物と、0〜2%の着
香料と、0〜50%の補助溶剤、0〜5%の緩衝剤系、0〜2%の界面活性剤、0
〜2%の保存剤、0〜5%の甘味剤、0〜5%の増粘剤と、0〜75%の充填剤、0
.5〜2%の滑沢剤と、1〜5%の滑剤と、4〜15%の崩壊剤と、1〜10%の結合
剤とを含む。
適切な医薬組成物を本明細書に記載する。当業者は、本明細書に記載する非限
定的実施例を変更することにより広範な医薬組成物を達成することができる。
本発明のデオキシまたは酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物と
ともに用いられる薬剤学的に許容可能な賦形剤の選択は、化合物の投与方法によ
って基本的に決定される。化合物が注射される場合、好ましい薬剤学的担体は、
pH約7.4に調整された無菌生理食塩水である。局所適用に適切した薬剤学的
に許容可能な担体は、クリーム、ゲル、テープ等の使用に適したものを含む。
本発明のデオキシおよび酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物の
好ましい投与方法は、経口である。それゆえ、好ましい単位剤形は、安全で有効
な量の本発明のデオキシまたは酸素置換された糖含有14.アミノステロイド化合
物を含む、錠剤、カプセル等である。経口投与用の単位剤形の調製に適する薬剤
学的に許容可能な担体は、当該技術でよく知られている。それらの選択は、味、
コスト、および貯蔵安定性などの二次的要件におうものであり、本発明の目的に
は重要ではなく、当業者は容易に決定することができる。
錠剤、カブセル、顆粒およびバルク粉末などの固形形態を含む種々の経口剤形
を用いることができる。これらの経口剤形は安全で有効な量の、好ましくは0.lm
gから5.0mgのデオキシおよび酸素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物
を含む。より好ましくはこれらの経口剤形は、0.25〜1.0mgのデオキシおよび酸
素置換された糖含有14-アミノステロイド化合物を含む。錠剤は、圧縮錠、倍散
、腸溶コーティング錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、または多層錠とする
ことができ、適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色料、着香料、流れ誘
導剤(flow-inducing agents)および融解剤を含む。液体経口剤形は、水溶液、
乳濁剤、懸濁液、非発泡顆粒から再構成された溶液および/または懸濁液、なら
びに発泡顆粒から再構成された発泡調製品含み、適切な溶剤、保存剤、乳化剤、
懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、融解剤、着色料および着香料を含む。経口投与に好
ましい担体は、ゼラチン、プロピレングリコール、綿実油およびゴマ油を含む。
本発明の組成物を局所的に患者に投与することもでき、すなわち、患者の上皮
または上皮組織上に直接配置するかまたは組成物を塗るものである。このような
組成物は、例えば、ローション、クリーム、溶液、ゲルおよび固体などを含む。
これらの局所的組成物は、安全で有効な量の、好ましくは0.5mgから2.0mgのデオ
キシおよび酸素置換された糖含有14-アミノステロイドを含む。より好ましくは
これらの局所用組成物は、1.0mgのデオキシおよび酸素置換された糖含有14-アミ
ノステロイドを含む。局所投与用に適切な担体は、連続フィルムとして皮膚上の
適所に留まり、発汗または水に浸漬されることにより失われるのを防ぐのが好ま
しい。一般的に、担体は事実上有機物であり、そこにデオキシおよび酸素置換さ
れた糖含有14-アミノステロイドを分散または溶解させることができる。担体は
薬剤学的に許容可能な皮膚軟化薬、乳化剤、濃化剤および溶媒を含むことが
できる。
本発明の組成物は、吸入経路によって投与することもできる。このような組成
物は、水またはグリコールなどの溶媒、メチルまたはプロピルパラベンのような
保存剤および窒素または二酸化炭素などの噴霧剤を含むマトリックスに調製する
。
さらに、本発明の組成物は、シリコーンエラストマー、エチレンビニルアセテ
ートコポリマーまたは乳酸-グリコール酸コポリマーから形成される皮下植込錠
によって投与することもできる。
本発明の新規の化合物を含有する医薬組成物の調製の仕方を例示するために、
下記の医薬組成物実施例は存在し、限定を意図するものではない。
医薬組成物実施例 実施例1
(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシ
ル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸、メチルエステルを含む即時放出性
経口剤形(錠剤)は下記の組成物を有する。活性成分 量
(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ- 1.0mg
3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシル)
オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸、
メチルエステル賦形剤
微結晶セルロース 28.5mg
ラクトース、含水 67.2mg
クロスポビドン 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.3mg製造法:(10,0O0錠用)
1)10.0gの薬剤と、285.0gの微結晶セルロースと、672.0gのラクトースと、30.
0g
のクロスポビドンとをPatterson-Kelley(PK)または他の適切なブレンダー中で混
合し、
2)上記混合物をPKまたは適切なブレンダー中で3.0gのステアリン酸マグネシウ
ムとブレンドし、
3)上記最終ブレンドを適切な打錠機で100.0mg錠に打錠する。
実施例2
(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシ
ル)塩酸塩を含み、静脈内(I.V)注射に適する非経口用剤形は下記の組成物を有
する。活性成分 量
(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ- 1.0mg
3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシル)
オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸、
メチルエステル賦形剤
マンニトール 200.0mg
クエン酸/クエン酸ナトリウム pHを5.5〜6.5の間に
調整するのに十分な量製造法:(1000バイアル用)
1)1.0gの薬剤と、200.0gのマンニトールと、十分な量のクエン酸ナトリウムお
よびクエン酸30.0gとを2200.0mlの注射用無菌脱イオン水に溶解させ、
2)上記溶液を0.22ミクロンの滅菌メンブランフィルターを通して濾過し、
3)2.2mlの上記無菌溶液をI型ガラスバイアル中に充填し、次いで適切な凍結
乾燥機で凍結乾燥し、
4)凍結乾燥後のバイアルを、ブロモブチルまたは他の適切な栓(stopper)で
栓して封印する。使用直前に凍結乾燥生成物を2.0mlの注射用無菌水で溶く。実施例3
(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシ
ル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸、メチルエステルを含む持効性経口
剤形(錠剤)は下記の組成物を有する。活性成分 量
(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ- 5.0mg
3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシル)
オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸、
メチルエステル賦形剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 120.0mg
ラクトース、含水 120.0mg
ステアリン酸マグネシウム 12.0mg
コロイド状二酸化ケイ素 4.0mg製造法:(10,000錠用)
1)50.0gの薬剤、1.2kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、1.2kgのラク
トースとを最初にツインシェルPatterson-Kelleyまたは適切なミキサ一中で混合
し、
2)上記混合物に120gのステアリン酸マグネシウムおよび40gのコロイド状二酸
化ケイ素を添加し、これを適切なミキサー中で軽くブレンドし、
3)上記ブレンドを適切な打錠機で重量261.0mgの錠剤に打錠する。
種々の実施例
上記3つの実施例に加えて、薬剤活性成分は多くの異なる剤形に処方される。
1) 溶媒(例えば、水、グリコール)、保存剤(メチルまたはプロピルパラベン
)および噴霧剤(窒素、二酸化炭素)または他の適切な賦形剤を含む医薬
エアゾール、
2) カカオ脂またはプロピレングリコールを含む坐剤、
3) シリコーンエラストマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマーまたは
乳酸-グリコール酸コポリマーおよびヒドロゲルまたは他の適切なポリマ
ーを含む皮下植込錠、
4) 市販の移植装置、
5) イオン泳動の補助を伴うかあるいは伴わない、体内分布のためのエチレン
-ビニルアセテートコポリマー膜におけるシリコーン液または他の適切な
成分を含む経皮用システム、
6) 親水コロイドポリマー(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ−プロ
ピルセルロース、ポビドン)および他の適切なポリマーを含む頬粘膜付着
性パッチ。
治療法
本発明の新規化合物は、上室性不整脈および/または心房細動に罹患したヒト
または他の哺乳類の治療において有効である。上述のように、稀少事例を除き、
上室性不整脈は、生命を脅かすものでないので、慣用の抗不整脈薬を用いると望
ましくない副作用が伴うため積極的に治療されることは一般的にない。従って、
中程度から重度として特徴づけられる、このタイプの不整脈は、通常積極的には
治療されず、症状を緩和させるだけである。しかしながら、このタイプの不整脈
を治療せずにおくと発作を起こすことがあり、慢性となるとCHFを起こすこと
がある。本発明化合物は、慣用の強心配糖体薬の多くが示すよりも一般的に良好
な耐容性を示し、かつ異なる電気生理学的効果を示す。直ちには命に別状のない
状態でも、不快感を経験している上室性不整脈を示す人の症状を緩和させること
のできる許容可能な療法とすることができる。
本発明は、上室性不整脈および/または心房細動に罹患したヒトまたは他の哺
乳類の治療法に関するものであり、前記ヒトまたは他の噛乳類に安全で有効な量
の、組成物の重量に基づき、15〜90%の置換された糖含有14-アミノステロイド
化合物、および10〜85%の薬剤学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を投与
することによる。
不整脈治療用のこれらのユニークなデオキシおよび酸素置換された糖含有14-
アミノステロイド化合物の有効性を示すために、以下の臨床実施例を示すが、こ
れらは限定を意図するものではない。
臨床実施例 実施例1
患者Xは「頻脈-徐脈」症候群を有する。ジゴキシンは彼の頻脈を制御するが
、幾分か症候性であるような低心拍数を起こす。彼の徐脈エピソードはあまり頻
繁ではない。(3β,5β,14β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マン
ノピラノシル)-オキシ]-アンドロスタン-17-カルボン酸メチルエステルに切り変
えて投与する。重度な徐脈なしに頻脈が制御される。
実施例2
患者Yはジゴキシン投与中であり、心室率(ventricular rate)85の心房細
動を有する。しかし、彼は心予備力を殆ど有しない。主治医は彼の心拍出量を増
加させるのに彼を洞調律内におくことを好んでいる。ジゴキシンから(3β,5β,1
4β,17β)-14-アミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシル)-オキシ]-
アンドロスタン-17-カルボン酸メチルエステルに切り変える。洞調律に変わり、
心室充填への心房収縮の付加的寄与のために心拍出量が増加した。患者は、有意
に改善した。
実施例3
患者Zはジゴキシン投与中であり、心室率85の心房細動を有する。彼は心予
備力が低いので、変力作用支援を要する。しかし、主治医は患者が不整脈による
発作を起こすのを懸念している。患者は頻繁な卒倒の病歴を有するので、医者は
抗凝血化するのを望まなかった。ジゴキシンから(3β,5β,14β,17β)-14-ア
ミノ-3-[(3',6'-ジデオキシ-α-L-マンノピラノシル)-オキシ]-アンドロスタン-
17-カルボン酸メチルエステルに切り変える。洞調律に変わり、改善した。心室
充填への心房収縮の付加的寄与のために心拍出量が増加した。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,
UG,US,UZ,VN,YU,ZW
(72)発明者 リオン,ロバート,アーサー.
アメリカ合衆国 45150 オハイオ州 ミ
ルフォード シャロウクリーク ドライブ
5940
(72)発明者 チァン,イ―チ.
アメリカ合衆国 13815 ニューヨーク州
ノルウィック ギボン ロード(番地な
し)