JP2000515309A - 有機エレクトロルミネセント装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
気密で防水性のハウジング(66,67,68,69,70,71,72)により収容されたエレクトロルミネセント素子(62)を備え、優れたシェルフライルと寿命と極めて均一な発光表面を有するエレクトロルミネセント装置(61)を提供する。エレクトロルミネセント素子(62)と直接接触しないように、ハウジングは、ハウジングの成形部材(68)上に設けられた電気的リードスルー(69)を含む。エレクトロルミネセント装置(61)及び特にハウジングの簡易な製造方法も提供する。経済的な大量生産できる当該方法は、ハウジングの種々の部材のシルクスクリーン印刷を含む。
Description
【発明の詳細な説明】
有機エレクトロルミネセント装置
本発明は、正孔注入電極と電子注入電極との間に配置されたエレクトロルミネ
セント有機層を備えるエレクトロルミネセント素子と、第1成形部材、第2成形
部材及び前記エレクトロルミネセント素子の電極と接している電気的リードスル
ーを備えるハウジングとを含み、前記ハウジングは前記エレクトロルミネセント
素子を収容し、前記エレクトロルミネセント素子は前記第1成形部材上に載置さ
れ、前記第1及び第2成形部材はシーリング材からなる封止リング形態により互
いに接続されており、間隙が前記エレクトロルミネセント素子及び前記第2成形
部材との間に存在するエレクトロルミネセント装置に関する。
本発明は更に、かかるエレクトロルミネセント装置の製造方法に関する。
エレクトロルミネセント(EL)装置は、該装置が電力供給源と適切に接続さ
れた場合には、エレクトロルミネセント現象を利用して、光を放射する装置であ
る。発光が有機材料から発せられる場合に、前記装置は有機エレクトロルミネセ
ント装置と称される。特に、有機EL装置は、液晶ディスプレイ又は時計のバッ
クライトのような、大きな発光表面積を有する薄い光源として使用することがで
きる。有機EL装置が多数のEL素子を備える場合には、該装置をディスプレイ
として使用することもでき、該素子は別個に独立してアドレス可能であってもな
くてもよい。
有機層を、EL装置中にEL層として使用することは知られている。従来の有
機層は一般に、共役ルミネセント化合物を含む。前記化合物は、クマリンのよう
な低分子染料又は、ポリ(フェニレンビニレン)のような高分子化合物である。
EL素子は更に、有機層と接続されている2つの電極を備える。適切な電圧を印
加することにより、負電極、即ちカソードは電子を注入し、正電極、即ちアノー
ドは正孔を注入する。EL素子は層をスタックした形態である場合、少なくもと
1つの電極は、放射される光に対して透過性でなければならない。アノードに用
いられる従来の透過性の電極材料には、例えばインジウムすず酸化物(ITO)
がある。従来のアノード材料には、特に、Al,Yb,Mg:Ag,Li:Al
又はCaがある。従来のアノード材料には、ITOに加えて更に、例えば金及び
プラチナがある。必要に応じて、EL素子は、例えばオキサジアゾール又は第3
級アミンのような他の有機層を含むことができ、これは電荷移送又は電荷注入を
改善する作用を有する。
最初の段落に記載したような型のEL装置は、バローズ(Burrows)らによるApp
l.Phys.Lett.65(23),1994,2922に記載されている。かかる
従来の装置は、ITO層、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)から成
るEL層、N,N−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)1,1−
ビフェニル−4,4’ジアミンから成る正孔移送層及び、銀層が設けられている
、Mg:Ag層から成るスタックにより形成された有機エレクトロルミネセント
素子から成っている。前記EL素子は、ガラスでできている底板と頂板から成る
ハウジングにより包含されており、前記板はエポキシ系接着剤により相互に接続
されて封止されている。前記ITO層は更に、アノード用の電気的リードスルー
を形成し、Mg:Ag/Ag層は更にカソード用の電気的リードスルーを形成し
ている。前記リードスルーは、窒化けい素の層によって相互に電気的に絶縁され
ている。かかる従来の装置は、液晶ディスプレイ又は時計のバックライト又はデ
ィスプレイのような、耐久性を有する消費商品に使用するには不適切であるとい
う欠点を有している。数時間後には、発光表面の均一性の低下が発生し、これは
肉眼によっても観察することができる。前記低下は、該EL装置を操作していな
い場合でも起こり、該低下は例えば発光表面全体に亘り分散されるように形成さ
れるいわゆる“暗色斑点”により明らかになる。更にハウジング自体の存在によ
っても、該EL装置の劣下が発生する。例えば、エポキシ系接着剤は、該EL素
子に有害な物質を発する。更に、該EL装置の製造には、長時間が要される。例
えば、適切なエポキシ系接着剤を硬化するのに24時間かかる。
本発明の目的の1つは、これらの欠点を克服又は低減することである。本発明
は特に、前記装置が、極端(extreme)な周囲条件下であるとないとに拘わらず、
保管又は操作された場合であっても、時間の経過に従ってEL装置の発光表面の
均一性の低下が肉眼ではほとんど観察することができないEL装置を目的とする
。
本発明は特に、空気及び水の作用により生ずる“暗色斑点”を防止することにあ
る。更に他の目的は、通常の製造及び操作条件下でコンパクトかつ丈夫であり、
機械的負荷及び様々な熱負荷に対して十分な耐性を示すEL装置を提供すること
である。更に、例えば高価な真空装置を用いる必要性がなく、簡易かつ安価な方
法で前記EL装置のハウジングを製造することができるべきである。ハウジング
は、その存在や製造がEL素子の劣下を引き起こさないようにすべきである。例
えば所定の電圧でのルミナンスによって測定されたEL素子の性能は、不活性雰
囲気中で保管又は操作された対応する素子に匹敵すべきである。
これらの目的は、最初の段落に記載した型のEL装置により達成され、本発明
のEL装置は、前記シーリング材料が、ハウジングを気密かつ防水性とする低融
点金属合金であり、かつ、前記第2成形部材が前記封止リングから電気的に絶縁
された前記電気的リードスルーを備えることを特徴とする。
融成物又は融点近くの温度で得られる低融点金属又は低融点金属合金によりシ
ールされたハウジングを使用することで、EL装置を周囲条件下で少なくとも4
00時間操作又は少なくもと650時間保管した場合であっても、均一性が視覚
的に低下することがない発光表面を有するEL装置が得られることを可能にする
。特に肉眼で見える“暗色斑点”は、極端な(extreme)条件下における場合でな
くても観察されない。例えば、熱水及び氷水から成る熱浴及び冷浴に数日間繰り
返し曝しても、EL装置の発光表面の均一性には悪影響を及ぼさず、更に本発明
のEL装置は、機械的負荷及び種々の熱的負荷に対して優れた耐性を有すること
が明確になった。EL装置の厚みは、代表的には数ミリメートルで、本発明のハ
ウジングが設けられていないEL装置と同様の大きさのオーダーである。前記ハ
ウジングは、2〜3分で製造することができ、前記ハウジングのシーリングは約
10秒のみで実施できる。該ハウジングの製造には、高価な真空装置は必要とさ
れない。該装置の特性は、乾燥窒素中で操作又は保管しているEL装置の特性に
匹敵することを見い出した。ポリ(フェニレンビニレン)をEL層中に使用した
代表的な例においては、ルミナンスは5.5Vで200Cd/m2で、EL効率は
1.2%であった。
本発明者らにより実施された広範囲の実験によって、ハウジングが気密かつ防
水性であるべき程度は、ハウジング中に遮蔽材料として有機物質を用いられてい
ないような程度でなければならないことが示された。有機物質類中では最も優れ
た遮蔽材料と考えられていたエポキシ系接着剤及び高分子のハロゲン化又はハロ
ゲン化していない炭化水素類でさえ、不適当である。例えば、悪い遮蔽特性は別
にして、これらの材料と例えばガラスとの膨張係数の間の大きな差異と、結果と
して生じる接着問題は、欠点となることが明らかとなった。更に、これより導く
ことができる結論として、EL素子の有機EL層は、ハウジングにより完全にス
クリーンされなければならない。
本発明において、ハウジングをシールするために用いられる金属は選定に制限
があり、これは融点によるものである。シーリングに用いられる金属又は合金は
、該金属又は合金が融成物から製造される場合には、EL素子に対するダメージ
を防止するために低融点を有することが必須である。このことに関し、金属又は
合金は、融成物からの製造が有機EL層の熱的劣下を招かない場合には、低融点
を有すると考えられる。該素子の有機EL層と金属との間のスペースが大きくな
るに従い、又は、該素子が高温にさらされる間の時間が短くなるに従い、許容さ
れる融点は、より高くなることができる。EL装置の意図する用途がコンパクト
なハウジングを必要としない場合には、例えば400℃の融点を有する低融点ガ
ラスを用いることができる。しかし、融点は、金属がEL装置の通常の操作条件
下で融解する程低くてはならない。
上記より、適切な金属又は金属合金は80℃〜250℃の間の範囲の融点を有
することとなる。融点が90℃〜175℃の範囲である場合、好ましくは100
℃〜150℃の間である場合には、該金属はより広範囲な用途に適用することが
でき、最適な融点は約110℃である。
ハウジングは第1及び第2成形部材を備え、該第1及び第2成形部材は、シー
リング材料から成る封止リングにより相互連結され、間隙部が前記エレクトロル
ミネセント素子及び前記第2成形部材との間に存在する。全体のEL素子がシー
リング材料で被覆されている構造と異なり、成形部材同士を相互接続する封止リ
ングを使用することで、ハウジングとEL素子との間の直接接触及び、従って、
ハウジングが製造又は使用される間に、EL素子に物理的又は化学的にダメージ
を与えるリスクを軽減する。
それにも拘わらず、ハウジングの存在はEL素子の性能に悪影響を与えること
を見い出した。例えば、特定のEL装置の発光表面のブライトネスは、EL装置
の発光表面全体に亘り均一ではないことがおこり得る。これはEL装置がスピン
コートされた場合、特別の問題であると考えられる。更に、特定のブライトネス
を得るために必要とされる電圧は、EL素子がハウジング中に収容されている方
が、ハウジング中にEL素子が収容されていないよりも、より高くなることが生
ずることがあり、そうでなくても同等である。この場合、この後者の素子は不活
性雰囲気中で操作されている場合である。
従って本発明の目的は、更に、これらの悪影響を取り除くか又は少なくとも低
減させることである。それ由、本発明のEL装置は、前記第2成形部材が前記電
気的リードスルーを備えるハウジングを有することが、本発明の必須要素である
。
本発明者らは、該望ましくない欠点は、電気的リードスルーがEL素子、主に
第一成形部材と同じ成形部材上に位置することに依るものであることを見い出し
た。特に、その存在は、スピンコートにより均一な厚みの有機EL層を得ること
を困難若しくは不可能とするトポグラフィー(topography)を招くことを見い出
した。均一な厚みは、EL装置が均一なブライトネスを得るのに予め必要なもの
である。更に、ITOをアノードとして使用すると、電気的リードスルーの製造
に高温を要し、ITOの正孔注入効率及び/又は導電率は減少することを見い出
した。その結果、特定の電圧でのEL素子のブライトネスは減少し、広範な発光
表面の均一性が悪化する。第1成形部材の代わりに、第2成形部材に電気的リー
ドスルーを設けることにより、これらの製造は、EL素子の製造から別個に実施
できることとなり、その結果、EL装置の製造に関し、第1成形部材と第2成形
部材とが低融点金属合金の封止リングにより相互接続される。これにより、IT
Oは高温にさらされる必要はない。
更に、第1成形部材と第2成形部材とが各々、EL装置を製造するために課さ
れる多くのプロセス工程は、良好に均衡がとれており、このことはプロセスが、
高収量のものとなることを招く。この場合、他の全てのファクターは同一である
。この点に関し、収量を最適とするには、個々のプロセス工程の収量は同一であ
る
と考えられ、工程の総数は第1及び第2成形部材間で均等に貢献されるべきであ
ることに留意すべきである。
特に、本発明の好適例は、金属合金がIn,Sn,Bi,Pb,Hg,Ga及
びCdから成る群より選ばれる元素を含むことを特徴とする。多くのタイプの低
融点金属合金が低価格で市場で入手できる。市場で入手し得る合金の多くは、上
記元素を含む。融点の広範な範囲は別にして、前記金属は、酸化に対する感受性
、ガラスやインジウムすず酸化物のような組合わされるべき材料に対する接着性
、熱膨張係数、延性、寸法安定性、固化及び湿潤(wetting)における収縮率のよ
うな、ハウジングに対して重要な他の特性の広範な範囲をも提供する。毒性が重
要なファクターとなる適用用途においては、Sn(50重量%)Pb(32重量
%)Cd(18重量%)のようなHg又はCdを含有する合金は好ましくない。
多少フレキシブルなEL装置が必要な場合には、インジウム(融点157℃)又
は100℃の融点を有する。Sn(35重量%)Bi(35.7重量%)Pb(
28.6重量%)のような延性の低融点金属を用いることが有効である。固化に
より生ずる応力を低減するために、固化に関して、結晶領域を形成せずほとんど
収縮しない、融点が138℃のBi(58重量%)Sn(42重量%)のような
金属が好ましい。
特に適切な低融点金属合金には以下のものが含まれる。
Bi(54.1)In(29.6)Sn(16.3)融点81℃
Bi(44.0)Sn(14.5)Cd(7.0)Pb(34.4)融点91℃
Bi(51.6)Pb(40.2)Cd(9.2)融点92℃
Bi(40.0)Sn(20.0)Pb(40.0)融点95〜120℃
In(52)Sn(48)融点118℃
Bi(56.5)Pb(43.5)融点125℃
Bi(58)Sn(42)融点138℃
Sn(51.2)Pb(30.6)Cd(18.2)融点145℃
In(97)Ag(3)融点146℃
Pb(37)Sn(63)融点183℃
上記( )内の数字は重量%を示す。低融点と小さい収縮率とが固化に関して
所望される場合には、これらの合金のうち、融点が125℃以下のものが特に好
適である。後者の方の合金のうち、延性合金In(52重量%)Sn(48重量
%)が特に好ましい。
低融点金属又は低融点合金によるハウジングのシーリングは、驚く程簡単であ
ることが明確となった。公知であり、また大量生産及び大面積に適する方法が適
切であることがわかった。特に、適切な方法は、熱圧縮、はんだ付け、スプレー
コーティングであり、又は局所的な加熱が所望される場合には、例えばレーザー
による融解がある。特に適切な方法は、フォイル融解(foil-melting)、ディッ
プコーティング又はドロップキャスト(drop-casting)である。これらの方法は共
通して、金属を融成物から製造する。その結果、これらの方法は高価な真空装置
を必要とせず、更に、代表的には100ミクロメートルの比較的厚い層を、代表
的には約10秒の短時間で形成することが可能となる。気密及び防水性シールを
得るために、金属は十分に厚い厚みで融成物から製造できることが重要である。
適切な層は、1ミクロメートルを超える厚みを有し、例えば約10ミクロメート
ル、より好適には数百マイクロメートルである。フレチシビリティー(可撓性)
のような他の特性に関しては、1〜10ミクロメートルの小さい層厚みを用いる
ことが有効である。
本発明の特別な実施態様の一つは、低融点金属又は低融点合金に接合層を設け
る点に特色がある。金属を加える前に装置に接合層を設ければ、機械的負荷及び
種々の熱的負荷に対する抵抗をさらに改善することができる。接合層の使用によ
る更なる他の利点は、濡れ性(wettability)の相違を用いながら、パターンに従
って金属を設け得ることである。このようにして、ディップ−コーティングによ
りパターン化された低融点金属層を形成することができる。また、接合層は低融
点金属からEL素子に向かう原子の任意の拡散に対するバリアーとして作用する
。
接合層は、それが設けられる表面上のハンダ付け特性(solderability)を大い
に増進する。本発明の文書中では、接合層をハンダ付け可能な(solderable)層と
も称する。また、低融点金属合金の語とハンダの語は相互置換的に用いられる。
接合層は、例えば銀及び/又はニッケルケイ光体(phosphor)の無電界蒸着に
より設けることができる。特に好適な接合層の一つは、ハンダ付け可能な銀含有
ガラスペーストのスクリーン印刷により得られる。このようにして、真空装置を
使用しないで、短時間内にパターンに従って、代表的には数10ミクロメートル
の厚さを有する接合層を設けることができる。所要に応じて、異なる給源を同時
に又は順次に用いるか否かに拘わらず、例えばAg、Ni、Cr、Cu又はPt
を含有する適切な接合層を蒸着又はスパッタリングにより交互に(alternatively
)設けることができる。前述した様式により接合層のスタックを得ることもでき
る。特に、Cr/Ni、Cr/Ni/Ag、Pt/Ag及びpt/Cuのスタッ
クは、EL素子と低融点金属との間の接合層として好適に用いることができる。
Ni、Ni/Cu、Ni/Ag、Cr/Ni、Cr/Ni/Ag及びPt/Ag
に基づく蒸着層又はスパッター層は、ガラスと低融点金属との間の接合層として
好適に用いることができる。Crの代りにV又はTiを用いることができる。こ
のようにして設けた接合層は、100〜500nmの層厚さを有するのが代表的
である。
本発明の特別な実施態様の一つは、有機層がエレクトロルミネセントポリマー
を含有する点に特色がある。エレクトロルミネセントポリマーは好適なEL材料
である。これ等のEL材料は良好なルミネセント特性と、良好な導電性と、良好
な薄膜形成特性とを有する。スピン−コーティング等の簡易な技術を使用すると
、これ等の材料により、大表面積を有するEL層を製造することができる。好適
なポリマーは通常、可溶性のポリフェニレンフェニレンビニレン類、可溶性のポ
リチオフェン類及び可溶性のポリフェニレン類等の共役された「バックボーン」
を有する。ポリフェニレンビニレン類は特に好適なEL材料である。置換により
、特にフェニル環の2−及び5−位置での置換により、放射スペクトルを変える
ことができ、容易に可溶性でプロセス可能な変形体を得ることができる。更に、
前述のポリマーは通常容易に処理可能であり、アモルファス層を生成する。特に
好適なポリマーは2,5−アルキル−又はアルコキシ−置換ポリフェニレンビニ
レンである。
特に好適なポリフェニレンビニレンは例えば、
ポリ(2−メチル−5−(n−ドデシル)−p−フェニレンビニレン)、
ポリ(2−メチル−5−(3,7−ジメチルオクチル)−p−フェニレンビニレ
ン)、
ポリ(2−メチル−5−(4,6,6−トリメチルヘプチル)−p−フェニレン
ビニレン)ポリ(2−メトキシ−5−デシルオキシ−p−フェニレンビニレン)
、
ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニ
レン)(MEH−PPV)である。
有機EL層が2,5−置換ポリ(フェニレンビニレン)を有するEL素子と本
発明に係るハウジングとの組み合わせは、本発明者等が行なった実験が、本発明
の保護ハウジングの不存在下では、多くのポリ(フェニレンビニレン)変形体(
類)が長時間80〜100℃の温度に曝されるとポリ(フェニレンビニレン)変
形体(類)が既に劣化することを示したので、特に有利である。
本発明のさらに好適な実施態様の一つは、少なくとも部分的に低融点ガラス中
に取り囲まれている電気的リードスルーをハウジングが含有する点に特色がある
。EL素子の電極に電圧を印加するために、ハウジングは少なくとも2個の電気
的リードスルーを有さなければならない。短絡を排除するために、前述の電気的
リードスルーはハウジングの他の部材から電気的に絶縁されていなければならず
、且つ特に相互に電気的に絶縁されていなければならない。この目的の為に、窒
化珪素及び酸化珪素等のそれ自体既知の気密で防水性の絶縁体を用いることがで
きる。
しかし、低融点ガラスを絶縁体として用いることが好ましい。「低融点ガラス
」の語はここでは、前述のガラスを融解物から製造する場合、EL装置の作動に
悪影響を及ばさないほど融点が低いガラスを意味する。このことは有機EL層の
熱抵抗が与えられれば、形成される過程中で有機EL層がEL装置の部分を未だ
形成しない場合、低融点ガラスのみを設けることができることを意味する。初期
の実験は、少なくとも小さな発光表面を有するEL素子の場合には、ITO層上
に設けられた低融点ガラスは前述のITO層の特性に悪影響を及ばさないことを
明らかにしている。
約350℃の最低融点を有する低融点ガラスの多くの変形体(類)は、商業的
に入手できる。好適なガラスは、例えばセラミック材料を充填した硼酸鉛ガラス
である。パターンに従ってか否かを問わず、スクリーン印刷等のそれ自体既知の
方法により低融点ガラス層を設けることができる。これ等の方法において、ガラ
ス粉末をペーストに調製し、このペーストを基板上に設けた後、前記ペーストを
炉内で焼結することにより、電気的に絶縁された気密で防水性のガラスを形成す
る。
ハウジングの種々な変形が可能である。第一の変形においては、EL素子を二
つの成形部材、例えば2枚のガラスプレートにより取り囲み、これ等のガラスプ
レートを低融点金属又は金属合金から成る封止リングにより相互接続する。これ
等の部材の特定の形状は、ハウジングの密封に何個のそのようなリングが必要か
を決定する。例えば、文字盤と駆動機構とを相互連結する導管を有する時計のデ
ィスク状の文字盤を密封する為には、2箇の同心の封止リングが必要である。
前述の成形部材はそれ自体既知の気密で防水性の材料から製造することができ
る。好適な材料は、例えば高融点の金属、合金又はガラスである。光の放射に関
しては、少なくとも1つの成形部材を、放射される光に対して透過性の材料から
製造すると有利である。更に、スペースをセーブするために、この成形部材をE
L素子のための基板として使用すると有利である。
電気的リードスルーは多くの方法で実現することができる。例えば、ITO層
を有するガラスプレートのような導電性の透明な成形部材を電気的リードスルー
として使用でき、一方では電気的に絶縁性の透明な成形部材はパターン化された
又は各々独立してアドレス可能な(addressable)電気的リードスルー及び電極を
実現するのに好適である。低融点金属又は金属合金を電気的リードスルーとして
使用することにより、構成において簡易であるハウジングを得ることができる。
絶縁性の成形された部材中に電気的リードスルーを容易に設けることもできる。
本発明に依れば、第二の成形部材には電気的リードスルーを設ける。これは、
EL素子の電子注入電極即ちカソード、又は正孔注入電極即ちアノードと電気的
に接触することができる。第二の成形部材には2個の電気的リードスルーを設け
ることも可能であり、1個の電気的リードスルーはカソード用であり、1個の電
気的リードスルーはアノード用である。電気的リードスルーを更に必要とする場
合には、第二成形部材に更に必要な全電極を設けて、本発明が提供する利点を充
分に利用することが好ましい。所要に応じて、封止リングは電気的リードスルー
として作用することができる。
本発明のEL装置の好適な実施態様の一つは、電気的リードスルーを第二成形
部材中に導通させる点に特色がある。電磁的遮蔽が必要とされる場合に特に有用
である一つの例においては、第二成形部材は、金属のワイヤ又はストリップの形
状の電気的リードスルーを収容する小さな孔が設けられている金属プレートであ
り、電気的リードスルーは、金属プレートから金属の導線(ワイヤ)を電気的に
絶縁するように絶縁体により周囲を取り囲まれている。他の例においては、第二
成形部材はガラスプレートであり、ガラスプレートを通って金属の導線又はスト
リップが導通されている。
金属のワイヤの長さと諸特性は、第一及び第二成形部材が相互に接続された場
合、電極とワイヤ(の末端)との間に良好な電気的接触が確立されるように選定
する。所要に応じて、ワイヤの末端に、封止リングを製造した低融点金属合金の
滴を設けることができる。
成形部材を導通する電気的リードスルーを使用すると、不利な点がある。その
ような電気的リードスルーを多数有するEL装置を必要とする場合には、この構
造は著しく実用的でないのみならず、得られる解像度がむしろ限定され、即ち代
表的にはmmの大きさに限定される。多数の孔を製造することは厄介であり、成
形部材の機械的強度に悪影響を及ぼす。
これ等の不利な点を少なくとも低減するために、本発明のEL装置の好適な実
施態様の一つは、前述の電気的リードスルーを第二成形部材上に設ける点に特色
がある。好ましくは、封止リングから電気的リードスルーを絶縁するために、絶
縁体を電気的リードスルー上に設ける。封止リングと絶縁体との間の付着力を増
進するために、絶縁体に接合層を設ける。この接合層は、封止リング等のような
所要のパターンに従って低融点金属合金を選択的に堆積することにも用いること
が好ましい。気密で防水性のハウジングを得るのに好適に用い得る絶縁体、接合
層及び低融点金属合金の例は既に上述した通りであるが、EL素子により課され
る温度制約はこの場合には適用されないことに留意すべきである。
電気的リードスルー及び接合層は、金属粒子の添加により導電性とした低融点
ガラスから製することが好ましい。銀粒子は、前述のガラスから製した層をハン
ダ付け可能とするので、銀粒子を使用することが好ましい。絶縁層は、(絶縁性
)低融点ガラスから製することが好ましい。これ等の低融点ガラスを用いると、
これ等の低融点ガラスから製した層は、シルク−スクリーン印刷等の厚膜印刷技
術を用いてガラスペースト形状で適用させることができ、従って簡易で信頼性有
る製造プロセスを用いることができ、これは大量生産にも極めて好適である。シ
ルク−スクリーン印刷の解像度は約75ミクロメートルである。一段と良好な解
像度が必要な場合は、オフセット印刷を用いることができ、又は写真石版技術(
ホトリソグラフィー)を用いて電気的リードスルーをパターン化することができ
、或いはオフセット印刷を用いると共に写真石版技術を用いて電気的リードスル
ーをパターン化することができる。
ディップコーティング法及びシルク−スクリーン印刷法等の簡易な印刷法のみ
の使用により第2プレートを製造し得るEL装置の好適な一実施例は、電気的リ
ードスルーが銀粒子が充填された低融点ガラスを含み、電気的リードスルーは、
低融点金属合金から成る封止リングから、低融点ガラスのパターン化された層に
よって電気的に絶縁され、低融点金属合金から成る封止リングは、銀粒子が充填
された低融点ガラスのパターン化された接合層により支持されていることを特徴
とするものである。
適当な電気的絶縁を提供する為には、低融点ガラスの層は、低融点金属から成
る封止リングと電気的リードスルーとが互いに重なり合うところにのみ存在すれ
ば足りる。しかし封止リングの形状の低融点ガラスから成るパターン化された層
を提供し、これがパターン化された接合層中に含まれる封止リングの下に完全に
位置することが有利なことを見出した。
電気的リードスルーが設けられた第二成形部材は、EL装置の作動に関し、電
気的リードスルーがEL素子の所定の電極と接触することが不可欠なので、他の
問題を生ぜしめる。驚くべきことには、第一と第二成形部材を融解低融点金属合
金から成る封止リングにより一緒に接合すると、電極と電気的リードスルーとの
適正な整合(registration)を得るのに必要とされる整列(アライメント)(al
ignment)が達成されることを見出した。
従って、本発明は、
正孔注入電極と電子注入電極との間に配置されたエレクトロルミネセント有機
層を有するエレクトロルミネセント素子を第一プレート上に載置する段階と、
第一封止リングを含む所定のパターンに従って、第一プレート上に、接合層を
選択的に設ける段階と、
第二封止リングを含む所定のパターンに従って、第二プレート上に、低融点金
属合金層と、第一封止リングと嵌合する第二の封止リングから電気的に絶縁され
た電気的リードスルーとを選択的に設ける段階と、
第二封止リングを低融点金属合金の融点を超える温度に加熱することにより低
融点金属合金を融解する段階と、
第一及び第二封止リングを嵌合させることにより、前記第一及び第二のプレー
トを互いに接合させる段階とを有し、
一方前述のエレクトロルミネセント素子を収容する気密で防水性のハウジング
を形成する段階と、
一方前述の電気的リードスルーと前述のエレクトロルミネセント素子とを互い
に接触させる段階と、
一方前述のエレクトロルミネセント素子と前述の第二のプレートとの間に間隙
を形成する段階と、
前述の溶融低融点金属合金を固化させる段階と、
を有するエレクトロルミネセント装置の製造方法にも関するものである。
この方法の自己整列特性は、溶融金属合金が表面張力を最小としようとする事
項の結果である。電気的リードスルーと電極との適正な整合を確立するように第
一成形部材を第二成形部材に対して整列させるこの方法を用いると、150μm
又はそれ以上、例えば350μm、の解像度(resolution)が容易に達成される
。インターレース(interlaced)又はインターデジテート(interdegitated)電
極を使用することにより、この方法を用いて製造した表示装置の解像度をファク
トーで2ほど増加することができる。
電気的リードスルーを第二成形部材の上に設けると、末端(ends up)がハウジ
ングの内側上に位置する電気的リードスルーの末端部分には、上述したように接
合層が設けられ、その頂部上に低融点金属合金を設けることが好ましい。この構
造は、多数の電気的リードスルーを必要とするディスプレイ用途に用いることも
できる。
エレクトロルミネセント装置を製造する好適な方法の一つは、共通の第一及び
共通の第二のプレートを使用し、これにより多数の積層エレクトロルミネセント
装置を同時に製造することを特徴とするものであり、この方法は低融点金属合金
の固化後に、多数のエレクトロルミネセント装置を多数の個々のエレクトロルミ
ネセント装置に分離する段階を有する。多数のEL装置を共通の基板上に生成す
る製造方法を使用すると、製造工程が簡略化し、生産量が増大する。共通の基板
を一緒に接合した後にEL装置を分離すれば、EL装置にダメージを与えるリス
クは最小となる。前述の分離は、スピン−コーティング及び裁断(sawing)によ
り、従来方法で好便宜に達成することができる。EL層を、例えばスピン−コー
ティングを用いて溶液から製造しようとする場合には、EL層を上に設けようと
する基板は略々平面であることが必要である。本発明において、電気的リードス
ルーの存在により生ずる任意のトポグラフィー(topography)が第二成形部材に
より収容されると云うこの事実は、共通の基板を使用すれば特に有利である。
本発明のエレクトロルミネセント装置の一部分である気密で防水性のハウジン
グは、エレクトロルミネセント素子の他に大領域の素子を収容するのにも用いる
ことができ、この該素子は一方では堅固な密封により水及び酸素の影響から保護
されなければならず、他方では該素子をハウジング外部に位置する電圧源に接続
できるように電気的リードスルーを必要とする。電気的リードスルーを省略する
ことにより、一段と簡単なハウジングを得ることができる。そのようなハウジン
グは堅固に密封された保管貯蔵及び/又は輸送容器として有用である。
本発明のこれ等の目的及びその他の見地は、以下に記す実施例を参照すると明
瞭であり、詳細が明らかになるであろう。
図面において、
図1は本発明のEL装置の第一の実施態様の断面概略図であり、
図2は本発明のEL装置の第二の実施態様の断面概略図であり、
図3は本発明のEL装置の第三の実施態様の平面概略図であり、
図4は図3のI−I線に沿って切断された本発明のEL装置の第三の実施態様
の断面概略図であり、
図5A、図5B及び図5C本発明のEL装置の第三の実施態様の製造中の順次
の段階を概略的に示す図である。実施例1
図1は、本発明のEL装置1の第一の実施態様の断面概略図である。明確化の
ため、この図及び他の図は寸法通りには描かれてなく、若干の部分は他の部分に
比較して拡大した寸法で描かれている。EL装置1はEL素子2を含む。EL素
子2は、放射される光に対して透過性の正孔注入電極3と電子注入電極5との間
に配置されたエレクトロルミネッセンス有機層4を有する。EL素子2は、部材
6〜13により形成される気密で防水性のハウジングにより収容される。該ハウ
ジングは、放射される光に対して透過性のガラスプレート6の形態の第一成形部
材を含有する。該EL素子2はガラスプレート6の上に載置され、かくてガラス
プレート6はEL素子2の基板として作用する。ハウジングはさらにガラスプレ
ート7から成る第二成形部材を含有する。プレート6及び7は、気密で防水性の
ハウジングを堅固に密封するように、低融点金属合金10からなる封止リングに
より相互に連結されている。ハンダから成る封止リング10は、封止リング10
と同一形状の封止リング形態の導電性接合層8を介してプレート6に接合されて
いる。同様に、ハンダから成る封止リング10は、封止リング10と同一形状の
封止リング形態の接合層9を介してプレート7に接合されている。接合層8は正
孔注入電極3を含有する層の区分11を被覆し、これにより電極3と封止リング
10との間を電気的に接続する。従って、封止リング10は、電気的リードスル
ーとしても作用する。金属条片(ストリップ)形状の電気的リードスルー12を
プレート7に導通させて、電子注入電極5と接触させる。電気的リードスルー1
2は、電気的絶縁性の気密で防水性のフリットガラス13によりプレート7内で
気密で防水的に固定される。電気的リードスルー12は、封止リング10から電
気的に絶縁される。ガスを充填した間隙14がEL素子2とプレート7との間に
存在する。
例示の為に、EL装置1は次のようにして製造した。1.第一成形部材の製造
厚さ150nmのインジウムすず酸化物の層を設けて正孔注入電極3と区分1
1(供給者はBalzers)を形成した64×64×1mmの大きさのガラス板6を
、石鹸、水及びイソプロパノールにより順次清浄化する。厚さ約150nmの有
機EL層4を、ブラウンらによるSynth.Met.,66(1994),75に記載
した方法によって、トルエン中で合成された、ポリ〔2−メトキシ−5−(2,
7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン〕の0.6重量%
溶液からスピン−コーティングにより形成する。木綿バッド(bud)及び/又は
レーザーブレードにより、EL材料を端部に沿って除去する。大量生産にあたっ
ては、レーザー切除が余剰のEL材料を除去するのに特に好適な方法である。Y
bをマスクを介して真空蒸着させ、これにより厚さ200nmの電子注入電極5
を形成する。このようにして完成したEL素子2を第一のガラスプレート6の上
に載置する。マスクを用いて、厚さ約200nmのニッケル層と厚さ約200n
mの銀層とを順次導電管スパッター及び蒸着により順次に形成し、これにより第
一の封止リング形状のパターン化した接合層8が形成される。接合層8は僅か数
百nmの厚さなので、スピン−コーティング工程に悪影響を及ぼすことなくEL
層の前に設けることもできる。2.第二成形部材の製造
第一のプレートの製造とは異なる別の時間及び/又は場所で行なわれるプロセ
スにおいて、ガラスプレート6と同様の寸法の平坦な窓ガラスの第二のプレート
7をマスクを用いてサンドブラストして、数mmの幅を有するアパーチャを形成
する。ニッケル及び銅のような他の金属も同様に適当である、FerNiCoの可撓性
ストリップ12を薄いプラチナ被覆により酸化に対して保護したものを、該開口
を通して供給する。低融点ガラス(Nippon Electric Glass Co.Ltd.から入手で
きるLS0206型)のペーストを、該ストリップ12の周囲に被着させて、プ
レート7とストリップ12との間のギャップを充填する。該ガラスプレートを1
20℃の空気中で15分間乾燥した後、温度を緩徐に450℃に増加させ、この
温度で焼結プロセスを10分間行ない、これにより気密で防水性のフリットガラ
ス13を形成する。接合層8の形成に用いたと同様な方法と材料を用いて、第一
のプレート6の上に存在する第一の封止リングと嵌合する封止リング形状のパタ
ーン化された接合層9を第二のプレートに設ける。得られたプレートを、融点1
45℃の低融点金属合金Sn(50重量%)Pb(32重量%)Cd(18重量
%)(供給者はWitmetaal b.v.)を155℃の液体状に保ったものを収容する浴
中に浸漬する。浴からプレートを取り出した後には、接合層9にのみハンダが設
けられ、これにより第一のプレート6の上に存在する第一の封止リングと嵌合す
る第二の封止リングが形成される。該第二の封止リングはストリップ12から電
気的に絶縁されている。ストリップ12がハンダ付け可能であれば、ハンダをス
トリップ12の上に同様に堆積させる。3.第一及び第二の成形部材の接続
製造したプレート6及び7を155℃に保つ高温段階に置く。該段階は、低融
点金属合金の溶融を生ぜしめる。次いで、第一及び第二の封止リングを嵌合させ
ることによりプレート6及び7を接合させる。第一の封止リングが第二の封止リ
ングの上に略々位置するように、第一のプレートを第二のプレートの頂部上に置
けば充分である。このようにすると、融解した低融点金属合金の自己整列特性が
、二つの封止リングが最大に重なる最終位置に、二つの封止リングを引き寄せ、
それと同時に金属条片(ストリップ)12と電極5とを相互に接触させる。冷却
すると、封止リング10は固化して、EL素子2を収容する気密で防水性のハウ
ジングを形成する。封止リング10の厚さは200μmなので、EL素子12と
プレート7との間には間隙14が存在し、プレート6及び7の接合が乾燥窒素雰
囲気中で行なわれるので、間隙14は乾燥窒素ガスにより充填される。
このようにして完成したEL装置1を直流電力源に接続し、電気的リードスル
ー10及び12により各々電極3及び5に6Vの電圧を印加し、電極5を負極と
して用いると、オレンジ色を放射する発光面が現れる。肉眼では、発光面が極め
て均一に見える。6Vのとき、ルミナンスは約1000Cd/m2である。
前述の方法で製造したEL装置を、多数の耐久性試験により試験する。
最初の試験、即ち耐候試験では、このようにして得たEL装置を、その他は周
囲条件下で、80℃の水浴中に約10秒間浸漬し、然る後直ちに融解氷浴中に約
10秒間浸漬する。この処理を48時間反復する。乾燥後、6Vの電圧を電極3
及び5に印加すると、その結果オレンジ色を放射する発光面が現れる。この発光
面は“暗色斑点(dark spots)”を示さない。肉眼では、発光面の均一性は、乾
燥窒素雰囲気中で製造し直接測定したハウジングを有さない参照EL装置の発光
面の均一性と同様である。
第二の試験のシェルフライル試験では、EL装置を周囲条件下で保管し、6V
の電圧で規則的間隔でルミナンスと電流を測定する。少なくとも650時間の間
は、電流は略々一定であり、0.028Aに留まるが、ルミナンスは130Cd
/m2から115Cd/m2に僅かに減少する。この場合においても、発光面の均
一性は変わらない。ルミナンスの減少は、全表面領域に亘って均一に生ずる。6
50時間の後においても、発光面には依然として“暗色斑点”を有しない。実施例2
図2は本発明のEL装置21の第二の実施態様の断面概略図である。EL装置
21は第一の実施態様のEL装置と類似であり、同一の事項(items)は同一の
参照番号で示してあるが、プレート7を金属例えばニッケル又は銅製のプレート
27により置換している点で相違する。金属プレートは気密で防水性の絶縁され
た電気的リードスルー35を有し、電気的リードスルー35は、金属リング34
中に固定される電気的絶縁体33により周縁を取り囲まれた金属導線32から成
る。電気的リードスルー35は商業的に入手できる。電気的リードスルー35は
、例えばダイオードレーザー用の電気的リードスルーとして使用される。
第一成形部材の製造と第一及び第二の成形部材を一緒に接合することは、実施
例1に記載したと同様な方法を用いて行なう。例えば、第二のプレートは次のよ
うにして製造する。
銅プレート27を、石鹸、水及びイソプロパノールを用いて順次に清浄化する
。融点118℃で適当な量のハンダフラックスを含有する低融点金属合金In(
52重量%)Sn(48重量%)を用いて、低融点金属合金の封止リング10を
プレート27の端部に沿って設ける。ハンダフラックス中に存在する有機物質を
除去する為に、封止リングの表面を水及びイソプロパノールを用いて清浄化する
。次いで、プレート27中に幅1cmの孔を穿ち、この孔の中にダイオードレー
ザーフット(foot)(日本のシンコーから入手できる)を設置する。183℃、
即ち封止リング10の金属の融点よりもかなり高温で融解する通常のPb(37
重
量%)Sn(63重量%)のハンダを用い、ダイオードレーザーフット(foot)
をプレート27中に気密で防水的に固定する。
EL装置21を、実施例1の耐久性試験で試験すると、同様な結果が得られる
。実施例3
図3は本発明のEL装置の第三の実施態様の平面概略図である。セグメント化
(segmented)ディスプレイの形態のEL装置61を示してある。点線は図3の
観察側とは反対側に位置する若干の電気的リードスルー69の位置を示すのに用
いている。図4は図3のI−I線に沿って切断して示す断面概略図である。図5
A、図5B及び図5Cは本発明のEL装置の第三の実施態様の製造中の順次の段
階を概略的に示す図である。EL装置61は放射される光に対して透過性の電気
的絶縁性ガラスの第一プレート66を有し、第一プレート66の上には独立して
アドレス可能なELディスプレイ素子62が載置されていて、該素子62は、多
数の独立してアドレス可能な正孔注入電極を有するパターン化された正孔注入電
極層63と電子注入電極層65との間に配置されたEL層64を有する。該EL
装置61はさらに第二のプレート68を含有し、この第二のプレート68は、低
融点金属合金72から成る封止リングにより第一のプレート66に連結されて、
EL素子62と第二のプレート68との間に間隙73が存在するようにEL素子
62を収容する気密で防水性のハウジングを形成する。ハウジングの外部に位置
する電力源をEL素子62の電極に接続することを可能とするために、電気的リ
ードスルー69を第二のプレート68の上に設ける。プレート68上に存在する
電気的リードスルー69の列の中でも、若干の列のみを図3に実際に示してある
。電気的リードスルー69は、電気的絶縁性のパターン化された層70により封
止リング72から電気的に絶縁されている。図5Bに示すように、該層70は封
止リングの形状を有し、該層70は図5Cに示すようにアイテム71により示さ
れる封止リング状のパターン化された接合層の下側に完全に位置する。電気的リ
ードスルー69と電極63及び65との間の電気的接触は、封止リング72と同
様な合金により製造されている部材74を用いて確立される。電気的リードスル
ー69と電力供給部との間の好都合な接続を可能とする為に、電気的リードスル
ーには封止リング72と同様な合金により製造されている部材75が設けられる
。
第一及び第二のプレートをパターンに従ってハンダ付け可能とするために、且つ
、第一及び第二のプレートと低融点金属合金との間の接着を改善するために、パ
ターン化された接合層67及び71を設ける。
有機ELセグメント化ディスプレイ装置61は、次のようにして製造する。1.第一成形部材の製造
第一の形成された部分を説明的実施態様1に記したと同様な方法により処理す
るが、ITO被覆ガラスプレート66を54×54×1mmの寸法とし、従来方
法によりパターン化して1mm幅のスペースにより分割される1mm幅の複数の
ラインを有するパターン化された正孔注入電極層63を形成する。
また、図5C中でアイテム71により示されるパターンと同様な所望するパタ
ーンに従って、150nmの厚さのCr(50重量%)Ni(50重量%)層と
50nmの厚さのAu層を順次に真空蒸着させることにより、接合層67をプレ
ート66上に選択的に設けるが、部材75を得るために用いた区分71に相応す
る区分は存在しない。或いはまた、接合層67は僅か数百nmの厚さなので、ス
ピン−コーティングプロセスに悪影響を及ぼすことなく、EL層の前に設けるこ
ともできる。2.第二成形部材の製造
第一のプレートの工程とは異なる別の時間及び/又は場所で行なうプロセスに
おいて、64×64×1mmの寸法の平坦な窓ガラスの第二のプレート68に先
ず、1mm×20mm×20ミクロンの寸法を有しストリップの末端間で測定し
た電気抵抗が0.1Ωより小さい電気的リードスルー69のパターン化された層
を設ける。その結果、銀粒子を充填した低融点ガラスペースト層を、図5Aに示
すパターンに従って、プレート68上にシルクスクリーン印刷し、120℃で1
0分間乾燥する。銀粒子を充填した低融点ガラスペーストは、1重量部の低融点
硼酸鉛ガラス(日本電気ガラス株式会社が供給者であるLS−3124型)と、
1重量部のコード名がXH96054JSであって201gの銀粒子とバインダ
ーを含有しバインダーが等重量部のアルファ−テレピンオールとエチルセルロー
スを含有するペーストとを混合することにより調製される。低融点ガラスを添加
することにより、焼結時に気密で防水性の電気的リードスルーが確実に得られる
。
次いで、硼酸鉛ガラスペースト(日本電気ガラス株式会社が供給者であるLS−
3124型)を用いて図5Bに示すパターンに従って、厚さ20μmの電気的絶
縁性の低融点ガラス層70をスクリーン印刷し、これを120℃で空気中で10
分間乾燥する。参照番号70で示されるパターンの封止リングの幅は4〜6mm
である。次いで、両層を540℃の炉内で20分間焼結する。次いで、コード名
XH9700JSを有する銀粒子が充填された低融点ガラスペーストを図5Cに
示すパターンに従って、厚さ20ミクロンの層にスクリーン印刷し、これを47
0℃の炉内で5分間乾燥することによりパターン化された接合層71を設ける。
コード名XH9700JSを有する低融点ガラスペーストは、8重量%の硼酸鉛
ガラス粉末と92重量%の銀粒子から成る混合物75重量部と、バインダー25
重量部とを三方ローラー(three−way roller)を用いて混合す
ることにより調製される。前記バインダーは、50重量%のエチルセルロースと
等量部のアルファーテルピネオールを含有する。温度が室温迄下った後、接合層
71の表面上に存在する酸化物層をタングステンウールを用いて表面を充分に擦
ることにより除去する。次いで、得られたプレート68を融点118℃の低融点
金属合金In(52重量%)Sn(48重量%)を含有し、135℃で液状に保
たれている浴中に浸漬する。プレートを浴から取り出すと、ハンダがプレート6
8の銀メッキ区分71のみに付着する。3.第一及び第二成形部材の相互接続
前述したようにして得たプレート66及び68を、実施例1に記した方法を用
いて接合する。封止リング72と同じハンダ材料から製造された部材74であっ
て更に接合時には同様に融解状態にもあるものが、信頼性有る電気的接触の達成
を可能とする。封止リング72及び67が整列される場合に作動する融解ハンダ
の自己整列特性は、各電気的リードスルー69とEL素子の適正な(correct)電
極との電気的接触を確実にするので、この実施例では特に重要である。封止リン
グ72単独は既に200μmの厚さなので、EL素子62とプレート68との間
に存在する間隙73は、プレート66と68との接合を乾燥窒素雰囲気中で行な
うので、乾燥窒素ガスにより充填される。
電極に6Vの電圧を印加すると、オレンジ色光を放射するライン(line)パター
ンが直ちに現れる。正孔注入電極と共通陰極とのサブセット(subset)に電圧を
適切に印加することにより、ラインのいかなる組み合わせをもライトアップ(li
ght up)することができる。
このようにして製造したEL装置61を実施例1で記した耐久性試験で試験す
ると、EL装置1の場合に得たと同様な結果が得られる。
比較の為に、本発明に依らない参照装置を製造する。これは電気的リードスル
ー69をEL素子と同じプレート、即ち第一プレート上に設けた点で、EL装置
61とは相異する。全電極に6Vの電圧を印加すると、オレンジ色光を放射する
ラインパターンが直ちに現れる。しかし、ラインに沿って、光の均一性は、EL
装置61により得たものよりも著しく少ない。また、ラインパターンの最も光輝
有る部分のブライトネスは、6Vで作動するEL装置61により放射される光の
ブライトネスよりも著しく低い。ITOラインの電気的抵抗を測定すると、EL
装置61上に存在するITOの導電性は、参照装置中に存在するITOの導電性
よりも著しく高いことが見出される。本発明に依らない比較例
比較例として、本発明に依らないEL装置を製造する。これは接合層8及び9
を省略し、封止リング10を硬化したエポキシ接着剤で製した点で、EL装置6
1とは相違する。エポキシ接着剤の種類とエポキシ接着剤を硬化させる様式に左
右されて、EL装置の使用寿命は僅か数時間であり、短時間後に既に「暗色斑点
」が観測される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 フベレヒツ アーサー マリー ユージー
ン
オランダ国 5656 アーアー アインドー
フェン プロフ ホルストラーン 6
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.正孔注入電極と電子注入電極との間に配置されたエレクトロルミネセント有 機層を含むエレクトロルミネセント素子と、第1成形部材、第2成形部材及び 電気的リードスルーであって前記エレクトロルミネセント素子の電極と接触す る電気的リードスルーとを備えるハウジングとを含有し、前記ハウジングは前 記エレクトロルミネセント素子を収容し、前記エレクトロルミネセント素子は 前記第1成形部材上に載置され、前記第1及び第2成形部材は、シーリング材 料から成る封止リングにより相互に接続され、間隙が前記エレクトロルミネセ ント素子と前記第2成形部材との間に存在する、エレクトロルミネセント装置 において、前記シーリング材料はハウジングを気密かつ防水性にする低融点金 属合金であって、前記第2成形部材は前記封止リングから電気的に絶縁された 前記電気的リードスルーが設けられることを特徴とするエレクトロルミネセン ト装置。 2.前記電気的リードスルーは、前記第2成形部材を導通することを特徴とする 請求項1記載のエレクトロルミネセント装置。 3.前記電気的リードスルーを前記第2成形部材上に設けることを特徴とする請 求項1記載のエレクトロルミネセント装置。 4.電気的リードスルーは、銀粒子が充填された低融点ガラスを含み、電気的リ ードスルーは、低融点ガラスのパターン化された層により、低融点金属合金か ら成る封止リングから電気的に絶縁されており、低融点金属合金から成る封止 リングは銀粒子が充填された低融点ガラスのパターン化された接合層により支 持されることを特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネセント装置。 5.正孔注入電極と電子注入電極との間に配置されたエレクトロルミネセント有 機層を有するエレクトロルミネセント素子を第一プレート上に載置する段階と 、 第一封止リングを含む所定のパターンに従って、前記第一プレート上に、接 合層を選択的に設ける段階と、 第二封止リングを含む所定のパターンに従って、第二プレート上に、低融点 金属合金層と、前記第一封止リングと嵌合する前記第二の封止リングから電気 的に絶縁された電気的リードスルーとを選択的に設ける段階と、 前記第二封止リングを低融点金属合金の融点を超える温度に加熱することに より低融点金属合金を融解する段階と、 第一及び第二封止リングを嵌合させることにより、前記第一及び第二のプレ ートを互いに接合させる段階とを有し、 一方前記エレクトロルミネセント素子を収容する気密で防水性のハウジング を形成する段階と、 一方前記電気的リードスルーと前記エレクトロルミネセント素子とを互いに 接触させる段階と、 一方前記エレクトロルミネセント素子と前記第二のプレートとの間に間隙を 形成する段階と、 前記溶融低融点金属合金を固化させる段階と、 を有することを特徴とするエレクトロルミネセント装置の製造方法。 6.共通の第一及び共通の第二のプレートを使用し、これにより多数の積層エレ クトロルミネセント装置を同時に製造し、溶融低融点金属合金の固化後に、多 数の積層エレクトロルミネセント装置を多数の個々のエレクトロルミネセント 装置に分離する段階を有することを特徴とする請求項5記載のエレクトロルミ ネセント装置の製造方法。
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