JP2000516449A - 細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア由来タンパク質をコードしている遺伝子とその使用法 - Google Patents

細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア由来タンパク質をコードしている遺伝子とその使用法

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Abstract

(57)【要約】 分子量が約45〜60kDaであり、細胞結合と細胞侵入に関与しているタンパク質をコードするミコバクテリウム属菌株由来の遺伝子またはそのフラグメントをクローン化した。その遺伝子およびコードされたタンパク質は、免疫原性製剤あるいは診断用として利用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア由来タンパク質をコードしている 遺伝子とその使用法 発明の属する技術分野 本発明は分子生物学の分野、特に、細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテ リア由来タンパク質をコードする遺伝子およびその使用法に関する。 関連出願のレファレンス 本出願は1996年7月10日出願の同時係属出願第08/677,970の 一部継続出願である。 発明の背景 結核(TB)は、世界における、とりわけ、開発途上国での最大の死亡原因で ある。毎年、8百万から9百万の人々が、臨床診断において新たに結核であると 診断され、約3百万人が死亡している。最近まで、米国では結核による死亡率が 減少する傾向にあったが、ここにきて、これが逆転して、増加傾向を示している 。これは、薬剤耐性菌の増加に深く関連している。結核菌複合体は、ミコバクテ リア菌の1種であり、遺伝子的側面で深く関連している。重要な菌種として、ヒ トにおける結核の最大の原因菌であるヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 、ある特定のヒト結核の別の原因菌であるマイコバクテリウム・アフリカヌム(M ycobacterium africanum)、ウシ結核の原因菌であるウシ結核菌(Mycobacterium bovis)の3種類がある。これらのミコバクテリア菌は、単一の宿主内だけで病原 性であるということはない。 また、結核はヒトにとっての重要な疾病であるだけでなく、多くの国において 動物の疾病としても大きな問題になっている。ウシ結核菌が牛に感染すると、牛 の結核を発病するので、感染の症候のある牛はすべて屠殺される。このことによ る経済的損失は甚大である。さらに、感染した牛は、ヒト疾病のレザバーとなる 可能性もある。多数の感染症例では、吸入された結核菌は、肺胞マクロファージ により消化されて死菌となるか、あるいはそうでない場合には、限定的であるが 静脈内で増殖して結核結節と呼ばれる局所部位内に存在し続けることになる。こ のように感染部位が限定的となるために、その感染主要部位が、外部から観察で きるような徴候を示すことなく、そのまま存在することになる。この菌が感染し たヒトでは、生涯に亘り発病のリスクを負うことになり、そのうちの約10%の ヒトが実際に結核を発病する。結核菌は肺の中の感染部位から次第に広がり、リ ンパ管や血液を通して身体の別の部位に移り、菌が存在する部位においては、特 徴的な固形の乾酪性(チーズのような)壊死を引き起こす。最悪の場合には、こ の壊死反応が気管に広がり、その壊死部分が液状化すると菌が全身で急速に増殖 することになる。病原性の炎症症候はまず身体の運動系に現れ、次第に身体的衰 弱、発熱、胸痛、咳、血痰となって、結核菌が原因となる際だった特徴症状が出 てくることになる。 結核の効果的な治療法としては抗生物質による治療法がある。しかし、この薬 剤は高価であり、多剤を組み合わせて長期に亘り投与する必要があり、ここで、 薬剤投与に関連して問題が発生する、つまり、長期に亘り抗生物質を投与するた めに、薬剤耐性菌が出現してしまうのである。結核にはすでに認知されているワ クチンを使用できる。ウシ結核菌を弱毒化させたBCG(カルメット・ゲラン菌 結核予防接種ワクチン)がそれである。このBCGワクチンは1921年に開発 されたが、その弱毒化に関してはまだ不明な点がある(参考文献1。この出願書 内には、多様な参考文献を括弧を付けて示し、その文献に記載されたもので、本 発明が関係する技術内容についてはより詳しく説明してある。引用した各文献の 詳細は、本出願書の明細書の最後の部分、つまり、クレームの項のすぐ前に記載 している。参考文献で開示されている内容は、この出願書内で参考文献名を示し て取り入れている。) TBに対するワクチンとしてのBCGの有効性については論議のあるところで 、種々の治験でも0〜70%と推定され幅がある。ヒト結核菌のビルレンスと病 原性に関しての分子的な検討はまだ多くはなされていない。いくつかのビルレン ス因子、特にシグマ因子については最近確認されている(文献2)。結核菌は、 HeLa細胞のような、非細菌毒性細胞に侵入し、一度侵入すると、増殖して生 き残ることが培養試験により確認されている(文献3)。結核菌株(H37Ra )由来のDNA分子(長さが1535bp)が、細菌の侵入の仲介をし、哺乳動 物細胞内で生存することが最近報告されている。この結核菌由来のDNAフラグ メ ントを大腸菌由来の非細菌毒性株に導入すると、その菌に対して侵入力を与え、 その菌は、ヒトのマクロファージ内で24時間に亘り生存することができること が報告されている。mce遺伝子(ミコバクテリア細胞侵入遺伝子)は、長さが 1535bpで、分子量が22〜27kDaのタンパク質をコードしているDN Aフラグメント上の、182〜810位に広がっているオープンリーディングフ レーム(ORF)にマップされている。 ミコバクテリア菌の感染は重篤な疾病の原因となる。ワクチンや抗原を含む他 の物質の担体のような免疫原性の製剤や診断用試薬の抗原としてのタンパク質を 提供するために、細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア菌由来のタンパ ク質をコードした遺伝子を提供できることは有益なことである。細胞結合と細胞 侵入に関与しているミコバクテリアタンパク質をコードした遺伝子を、ミコバク テリア菌の特別な同定と診断およびミコバクテリア菌の感染が原因となる疾病に 対する免疫付与に使用した場合、特に望ましく有益である。 発明の概要 本発明では、細胞結合と細胞侵入に関与しているタンパク質をコードしている ウシ結核菌の遺伝子を分離して、クローン化した結果、その遺伝子には、分子量 が約45〜60kDaのタンパク質がコードされていることを発見した。これと 対応する遺伝子が、ヒト結核菌を含む他の結核菌複合体でも検出された。 従って、本発明の1つの態様によれば、本発明は、ミコバクテリア菌または上 記のタンパク質断片の細胞結合と細胞侵入に関与している、分子量が約45〜6 0kDaであるミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしている、分離核酸分 子を提供する。 ミコバクテリア菌は、マイコバクテリウム・アフリカヌムを含む他の種類の菌 の複合体や、ヒト結核菌およびウシ結核菌の結核菌複合体の菌株の1種である。 核酸分子によりコードされた細胞結合と細胞侵入に関与しているこのタンパク 質には、表2に示したように、アミノ酸成分が含まれている。 本発明の核酸分子は、図5に示したような制限酵素地図を有している。この制 限酵素地図は、ウシ結核菌由来のBCGの遺伝子のものである。この核酸分子は 、結核菌複合体由来の他のミコバクテリア菌における対応遺伝子の制限酵素地図 を 有している。 この核酸分子には、図6に示したような、ウシ結核菌由来BCGのDNA配列 (SEQ.ID.No:2)または結核菌複合体由来の別のミコバクテリア菌における対応遺 伝子をコードしている配列が含まれている。 この核酸分子は、また、ウシ結核菌由来BCGでの配列である、図7に示した ようなアミノ酸配列(SEQ.ID.No:3)、または、結核菌複合体由来の別のミコバク テリア菌における対応タンパク質をコードした配列を有している。 本発明の別の態様によれば、本発明は、対になったプライマーである4879 (SEQ.ID.No:12)と4882(SEQ.ID.No:15)の1組、または4879(SEQ.ID.No:1 2)と4865(SEQ.ID.No:11)の1組,または4879(SEQ.ID.No:12)と4812( SEQ.ID.No:10)の1組、または、5'プライマー(SEQ.ID.No:19)と3'プライマー(SE Q.ID.No:18)の1組,または、5'プライマー(SEQ.ID.No:20)と3'プライマー(SEQ.I D.No:18)の1組,または5'プライマー(SEQ.ID.No:21)と3'プライマー(SEQ.ID.No :18)の1組、または、5'プライマー(SEQ.ID.No:22)と3'プライマー(SEQ.ID.No:1 8)の1組を含むプライマーを使用したポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により 増幅可能な分離DNA分子を提供する。このDNA分子は、結核菌複合体、特に 、ヒト結核菌およびウシ結核菌由来のものである。 本発明のさらに別の態様によれば、本発明には、宿主の形質転換をするベクタ ーが含まれ、このベクターは、本発明で提供される核酸分子またはDNA分子で 構成されている。本発明は、さらに、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバ クテリア菌由来の遺伝子を含んでいるプラスミドにも関連しており、このプラス ミドは「pBCGcepx」と呼ばれ、そのATCC(アメリカ培養コレクション)の寄 託番号は97511である。 このベクターは、異種または同種の宿主内において、コードされたタンパク質 をリピド化、または非リピド化された形で発現するようになっている。従って、 本発明のさらに別の態様によれば、本発明は、宿主の形質転換をする発現ベクタ ーを提供すし、このベクターは、本発明で提供される核酸分子またはDNA分子 から構成され、宿主が細胞結合と細胞侵入に関与しているタンパク質を発現する ように、その核酸分子またはDNA分子に協働的に結合されている発現配列から 構成されるものである。その発現配列には、宿主からそのタンパク質が分泌され るように、プロモータとリーダ配列をコードした核酸部分が含まれる。この発現 配列は、宿主からタンパク質がリピド化されて形で発現されるように、リピド化 シグナルをコードしている核酸部分も含む。この宿主として、例えば、大腸菌、 ボルデテラ属菌、バチルス属菌、ヘモフィルス属菌、モラクセラ属菌、真菌、酵 母またはバキュロウイルスのグループから選択してよく、セムリキ森林熱ウイル ス発現系を使用してもよい。 本発明の追加の態様によれば、本発明は、本発明で提供された発現ベクターを 含んでいる形質転換宿主を提供する。本発明は、さらに、本発明が提供している 形質転換宿主により産生可能な、細胞結合と細胞侵入に関与している組み換えミ コバクテリア菌由来タンパク質またはそのタンパク質断片も含む。 本発明のさらに別の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの有効成分であ る、本発明により提供される核酸分子、DNA分子またはタンパク質および薬学 的に受け入れ可能な担体またはそのベクターから成る免疫原性成分を提供する。 上記の少なくとも1個の有効な成分は、宿主に投与された時に、免疫応答を誘起 するものである。 本発明の提供する免疫原性成分を、宿主にin vivo投与するために、ワクチン として調製することもできる。そのような目的のために、その成分を微少粒子、 カプセル、ISCOMまたはリポソームとして調製してもよい。この免疫原性成 分を、免疫系の特定細胞または粘膜表面に到達するようにターゲッティング分子 と組み合わせた形で提供してもよい。本発明にかかる免疫原性成分(ワクチンを 含む)は、少なくとも1個の別の免疫原性または免疫刺激物質から構成されるよ うにしてもよく、この免疫刺激物質として、少なくとも1個のアジュバントまた は少なくとも1個のサイトカインがある。 本発明の別の態様によれば、本発明は、さらに、宿主における免疫応答を誘起 させる方法を提供し、その方法は、ヒトを含む霊長動物のような疾病にかかりや すい宿主に、上記の免疫原性成分の有効量を投与するステップから成る。この免 疫応答は、体液性または細胞性の免疫応答が含まれ、ミコバクテリア菌が原因と なる疾病の感染防御を与える。 さらに別の態様によれば、本発明は、細胞結合と細胞侵入に関与するミコバク テリア菌由来タンパク質を宿主に運搬するために、上述した核酸分子またはDN A分子を含むベクターから成る生きたベクターを提供する。このベクターは、サ ルモネラ菌、アデノウイルス、ポックスウイルス、ワクシニア、ポリオウイルス から選択してよい。 この発明で提供される核酸分子とDNA分子は、診断分野においても有用であ る。従って、本発明のさらに別の態様によれば、本発明は、診断対象の試料内に 細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質をコードし ている核酸分子が存在しているかどうかを決定する方法も提供し、その方法は、 (a)試料内に含まれ、特別なハイブリダイゼーションが可能なタンパク質をコ ードしている核酸分子またはDNA分子およびその他の任意の核酸分子との複合 体を産生させるために、試料と本発明で提供された核酸またはDNA分子を接触 させるステップ、および(b)その複合体の産生を測定するステップから成る。 さらに、本発明は、試料内に、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテ リア菌由来タンパク質をコードした核酸が存否を決定するキットを提供し、それ は、(a)本発明で提供された核酸またはDNA分子、(b)試料中に含まれ、 核酸またはDNA分子とハイブリダイゼーションをすることのできるタンパク質 をコードしている核酸またはDNA分子およびその他の任意の核酸から成る複合 体を産生させるために、その核酸またはDNA分子を試料と接触させる方法、お よび(c)その複合体の産生を測定する手段から成る。 本発明には、さらに、ミコバクテリア菌の検出のための遺伝子増幅検出分析法 の使用法の提供も含まれる。従って、本発明の態様によれば、本発明は、身体の 組織や体液のような試料中のミコバクテリア菌の検出の方法を提供し、その方法 は、一対になったプライマー、つまり、プライマー4879(SEQ.ID.No:12)と4 882(SEQ.ID.No:15)の1組、または4879(SEQ.ID.No:12)と4865(SEQ.I D.No:11)の1組,または4879(SEQ.ID.No:12)と4812(SEQ.ID.No:10)の1 組を提供すること、 このプライマーと試料を接触させること、 細胞結合と細胞侵入に関与したミコバクテリア菌由来タンパク質をコードした、 増幅可能なDNA配列を増幅させるためのPCR増幅を実施すること、 試料中にミコバクテリア菌が存在していることを示す、増幅したDNA配列を検 出することから成る。 さらに別の態様によれば、本発明にはプライマー4879(SEQ.ID.No:12)、4 882(SEQ.ID.No:15)、4865(SEQ.ID.No:11)、4812(SEQ.ID.No:10)から 成るプライマー群から選択されたオリゴヌクレオチドプライマーの提供が含まれ る。 さらに、本発明の別の態様によれば、本発明は、細胞結合と細胞侵入に関与し ている、実質的に純粋な組み換えミコバクテリア菌由来タンパク質またはその断 片を生成させる方法を提供し、その方法は、上述したように宿主をベクターで形 質転換させること、タンパク質を発現させるために形質転換させた宿主を増殖さ せること、タンパク質を分離して、別のタンパク質様物質や細胞物質を精製する ことから成る。このタンパク質断片を、開始コドン側に5'端部切除部位を含む遺 伝子を有するベクターから発現させてもよい。 さらに別の態様によれば、本発明は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコ バクテリウム属菌から分離し精製した、分子量が約45〜60kDaのミコバク テリア菌由来タンパク質を提供する。このタンパク質はミコバクテリウム属菌由 来のものか、あるいは、上述したような組み換え手段により得たものである。 本発明により提供されるタンパク質様物質を、有効成分として、免疫原性成分 に含めてもよい。 本発明には、本発明にかかる核酸分子、DNA分子、タンパク質を薬品として 使用する方法も含まれる。本発明は、さらに本発明にかかる核酸、DNA分子、 タンパク質を有効薬剤成分として、およびミコバクテリア菌の感染が原因となる 疾病の感染防御の調剤成分として使用する方法も含む。 本発明は、長所として以下の点が挙げられる。 ― ミコバクテリウム属菌株由来の、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバ クテリア菌由来タンパク質をコードしている分離精製した核酸分子であること、 ―細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア菌由来タンパク質であること、 ―ミコバクテリア菌の特異的な同定のための診断キットおよび免疫原性試薬を含 むこと。 図面の簡単な説明 以下の一般的な説明と特定の例を図面を参照して読むことにより、本発明をさ らに詳しく理解するであろう。 図1は、そのパネルA,B,Cにより、細胞結合と細胞侵入に関与しているミ コバクテリア菌由来タンパク質をコードしている遺伝子のPCRによる増幅の状 態を示したものである。 図2は、そのパネル(A)と(B)により、細胞結合と細胞侵入に関与してい るミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしている遺伝子のサザンブロット分 析を示している。 図3は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質 をコードしている遺伝子を含むプラスミドを図示したものである。 図4は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質 をコードしている遺伝子を含んだDNA分子のヌクレオチド塩基配列(SEQ.ID.1) を示したものである。 図5は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質 をコードしている遺伝子の制限酵素分析を示したものである。 図6は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質 をコードしている遺伝子の塩基配列(SEQ.ID.No:2)を示したものである。 図7は、ヌクレオチド配列(SEQID.No:2)と、細胞結合と細胞侵入に関与してい るミコバクテリア菌由来タンパク質の推定のアミノ酸配列(SEQ.ID.No:3)を示し たものである 図8は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質 をコードしたウシ結核菌遺伝子のDNA塩基配列(BCGINV-33)(SEQ.ID.No:2)と、 ヒト結核菌のDNA断片の塩基配列(MTMCE)(SEQ.ID.No:17)を比較を示したもので ある。 図9は、ヒト結核菌を臨床的に分離した分離菌における、細胞結合と細胞侵入 に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質をコードした遺伝子の同定を示 したものである。 図10は、ヒト結核菌の別の菌株における、細胞結合と細胞侵入に関与してい るミコバクテリア菌由来タンパク質をコードした遺伝子のキャラクタリゼーショ ンを示したものである。 図11は、パネルAとBにより、他の菌とミコバクテリア菌を特異的に区別し て同定する状態を示したものである。 図12は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク 質をコードした遺伝子を含む発現プラスミドの全長と、その遺伝子の5'末端の3 個の端部切断部を示したものである。 図13は、パネルAとBで構成されているが、この中には、細胞結合と細胞侵 入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質の発現と、図12の発現プラ スミドからの端部切断部の発現に関するウエスタンブロット分析結果が示されて おり、パネルAは、全細胞抽出液に関しての分析であり、パネルBはペレット化 した封入体に関しての分析である。 図14は、パネルAとBで構成されているが、ここには、タンパク質被覆ラテ ックスビーズでインキュベートしたHeLa細胞の電子顕微鏡写真が示されてい る。パネルAは、そのタンパク質が、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバ クテリア菌由来タンパク質であり、細胞の侵入(矢印)があるHeLa細胞を示 している。パネルBは、そのタンパク質がウシ血清アルブミンであり、細胞侵入 のないHeLa細胞を示している。 発明の一般的説明 図1において、ウシ結核菌BCG由来の、細胞結合と細胞侵入に関与している ミコバクテリア菌由来タンパク質をコードした遺伝子のPCRによる増幅法が図 示されている。この遺伝子のことを、この出願では、時々、「mce」遺伝子と 呼ぶことがある。細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タン パク質のことを、この出願でも時に「mcep」と呼ぶことがある。図1で示し た種々のプライマーの塩基配列を下記の表1にリストにしてある。 ヒト結核菌のmec遺伝子をコードしたORF1配列(181〜810bp) (これは1535bpの挿入断片の一部である)の5'末端と3'末端に対応した2 つのプライマーである4676(SEQ.ID.No:4)と4677(SeQ.ID.No:5)を、BC G由来の対応mce遺伝子を増幅するために、Arrudaらが公表している配列に従 って設計した。BCG・DNAを使用したPCR実験とその後の電気泳動では、 予想したDNAバンドを産生することはなかった(パネルA、レーン2;パネル B、レーン2;図1)。一方、対照として使用したプラスミドpzx7(図1では、 「pBmce」とレベル。レーン1,パネルA)のほうは予想した増幅産物を産生し た。別の一対のオリゴマーである、4414(SEQ.ID.No:6)と4448(SEQ.ID.N o:9)(これは、オープンリーディングフレームにおいて、末端から約20の塩基 を取り除いている)は、BCGと対照プラスミドに対して正確な大きさを有する 予想した通りの産物を生み出した。対になったプライマーである4776(SEQ.I D.No4)/4448(SEQ.ID.No.9)、4414(SEQ.ID.No.6)/4447(SEQ.ID.No .8)、4415(SEQ.ID.No.16)/4447(SEQ.ID.No.8)を使用して別の増幅実験 を実施し、その産物をゲル電気泳動法により分析し、その結果を図1に示した。 4676/4448の対と4414/4448の対のプライマーだけが、すで に公表されているヒト結核菌のmce遺伝子配列を基礎にしたPCR反応法を、 BCG・DNAに実施することにより、予想した増幅産物を産生することができ た。プラスミドpZX7(図では、「pBmce」または「plasmid」とレベル)を使用し た対照実験では、すべて予想した大きさに増幅されているフラグメントを産生し た。 ウシ結核菌BCG由来の対応遺伝子をクローン化するために、mce遺伝子特 異的プローブを使用して、サザンブロット・ハイブリダイゼーション法により、 遺伝子のウシ結核菌のゲノム内の特定フラグメントを同定した。 ウシ結核菌BCG・DNAの制限酵素消化試験およびPCR増幅産物(441 4/4448の対のプライマー;レーン2;パネルあ、図1)をプローブとして 使用したサザンブロット分析の結果、SalIおよびXhoIによる消化産物上の1. 5kbおよび5kbのフラグメントに、mce遺伝子が存在することが明らかに なった。この場合、対応バンドは切断され、適当に消化されているpUC18およびp Bluescript II sk(+)プラスミドにそれぞれ結合させた。 コンピテント大腸菌の形質転換の後に得たライブラリを、ハイブリダイゼーシ ョンによるmce遺伝子の探知に使用し、2つの陽性クローンを同定した。これ らのクローンを増殖させ、プラスミドを分離して、2つのプラスミドを特定した 。その1つは、mce遺伝子特異的プローブとハイブリダイズする約5kbのD NA挿入断片に含まれるプラスミドpBCGcepxであり、他方は、mce遺伝子特異 的プローブに同じようにハイブリダイズする1.5kb SalI挿入断片を含むプ ラスミドpBCGceSである(図3)。 プラスミドpBCcepSとpBCGcepXの挿入断片の塩基配列決定をプライマー・ウオ ーク法により実施した。プラスミドpBCGceSには、ウシ結核菌BCG遺伝子を含 んでいる1.5kb挿入断片(図3で黒いボックスで示した部分)と無規則に縦 列をなしている1.5kb・SalI・挿入断片(図3で、灰色のボックスで示し た部分)が含まれていた。挿入断片から得た配列データをインテリジェネテッッ ク(Intellignetics)社の配列組立プログラム(sequence assembly program)を使 用して、その配置を決定した。pBCGcepSの1.5kb・SalI・挿入断片は、よ り大きいpBCGcepXクローンの内部フラグメントであることが判明した。プラスミ ドpBCGcepXにクローン化させた4740bp・DNAフラグメントの完全な配列 (SEQ.ID.No:1)を図4に示した。 すでに記載した(文献4)ヒト結核菌のmce遺伝子のORF(オープン・リ ーディング・フレーム)は、本発明が提供するBCG遺伝子の内部配列の1つで ある。対応するヒト結核菌のORFは2336位で始まり、その後の602bp は、ウシ結核菌BCG配列と同じである。2つの配列はその後分岐し、ヒト結核 菌配列は終止コドン21bpで終了し、BCG・ORFはさらに423bpだけ 延びる。ウシ結核菌BCG遺伝子の推定の開始点も、ヒト結核菌mce遺伝子の GTG開始配列の505上流である。それ故に、配列は全く異なっている。コー ド配列の同一性と、プラスミドpZX7(文献4)とpBCGcepXとの間の5'配列と3'配 列における差違を図示している核酸配列の配置を図8に示している。 図5は、pBCGcepXにおける4.7kb挿入断片のエンドヌクレアーゼ消化部位 をリストしたチャートを示したものである。 4740bp・DNA配列の可能なORFを探した。ORFが配列の1802位 と3383位との間に見つかった(図4)。このORFのDNA配列(SEQ.ID.No :2)を図6に示した。ORFはATGで開始され、TGAには終止コドンはない 。ORFは1581のヌクレオチド長さである。細胞結合と細胞侵入に関与して いるウシ結核菌BCGのミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしているDN A配列での、その他の推定ATGおよびGTG開始コドンを図4の中でボックス で囲んで示している。Arrudaら(文献4)が提案したMcePタンパク質の開始 コドンは、図4において、ヌクレオチドの2336位として示されている。この ORFは、分子量が約55kDaで、527アミノ酸のタンパク質をコードして いる。このタンパク質は、転写後プロセッシングがなされている間に取り除かれ N末端にあるシグナル配列を有する前駆タンパク質である。細胞結合と細胞侵入 に関与しているウシ結核菌BCG・タンパク質の配列が図7に示されている(SEQ .ID.No:3)。ヒト結核菌mce遺伝子と上記のウシ結核菌BCG遺伝子のORF I(文献4)翻訳フレームは同じである。それ故、文献4に記載されたヒト結核 菌のMcePタンパク質もまた本発明にかかるウシ結核菌BCG由来のタンパク 質の内部ポリペプチドである。 上述したように、ヒト結核菌H37Ra(文献4)の細胞侵入を仲介する先行 技術での遺伝子は、ウシ結核菌BCGから始めて分離した遺伝子とは全く異なっ ている。 図9には、臨床的に得たヒト結核菌の分離菌の遺伝子と、ウシ結核菌BCGの 遺伝子に対応する遺伝子の同定法が図示されている。別の12の臨床的に得た分 離菌由来のDNAについて、組み合わせプライマー4676/4677(公表さ れているヒト結核菌のmce遺伝子の位置は図9の下部に示している)を使用し て、PCR増幅を実施したが、予想した大きさの個別増幅産物は観察されなかっ た。これとは対照的に、組み合わせプライマー4676/4448および441 4/4448を使用した増幅の場合には、約600bpのフラグメント(図9) が産生され、この大きさは、細胞結合と細胞侵入に関与している、ウシ結核菌B CG・タンパク質の遺伝子の配列から推定した通りの正確なものであった。さら に、臨床的に得たヒト結核菌の分離菌であるTB243(米国で得たもの)由来 のDNAのPCR増幅を、ウシ結核菌BCG由来のpBCGcepXに挿入したフラ グメントの配列を基礎にして作製した組み合わせプライマーを使用して実施した 。3383位での推定の終止コドンまでの3'側配列を基礎にしてプライマー48 79を設計した(図10の底部)。対になっているプライマー4879/486 5を使用して、BCGのDNAとヒト結核菌(TB243)のDNAをPCR増 幅させた場合には、予想した大きさ(約2.6kb)を有する単一の増幅産物が 産生された。対になったプライマー4879/4812を使用したPCR増幅で は、正確なサイズのバンドを産生したが、誤ったプライミングの場合には、サイ ズの小さい産物が産生されたのみである。次に、すでに説明したようなヒト結核 菌であるH37Ra・mce遺伝子(文献4)のORF1の終止コドンをスパン するためのプライマー4880を設計した。組み合わせたプライマー4879/ 4660では、約1.1kbの増幅産物を産生することはなかった。このPCR 増幅反応では、適切でないが、増幅産物が産生されはするけれども、ウシ結核菌 BCGまたは臨床的に得たヒト結核菌の分離菌DNAを含んでいる1.1kb産 物を産生するということはなかった。プラスミドpZX7(文献4)を使用したPC R増幅反応において、プライマーの組み合わせでは増幅産物は産生されなかった 。このプラスミドでの挿入断片には、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバ クテリア菌由来タンパク質をコードしているウシ結核菌BCG遺伝子で見られた 5'配列がなかったが、このことは予想されたことである。プラスミドpZX7とウシ 結核菌BCGDNAおよびヒト結核菌(TB243)DNAについて、4676 /4880,4676/4661,4879/4882のような他のプライマー 組み合わせを使用したPCR増幅を行った。対になったオリゴマー4676/4 880(プライマー4880は、公表されているヒト結核菌mceORFの終止 コドンに隣接している配列をスパンする)を使用したpZX7の増幅では、予想した 大きさのDNAフラグメントを産出した。同じ対になったプライマーを使用した 場合、BCG遺伝子およびヒト結核菌の臨床的に得た分離菌からの遺伝子の増幅 は可能であったが、そのことは、非特異的プライミングが原因ではなかった。ウ シ結核菌BCG遺伝子、ヒト結核菌遺伝子の、プライマー4676/4881を 使用した増幅では、正確なサイズのバンドを産生したが、プラスミドpZX7を使用 した場合には、増幅産物はなかった(図10,レーンN、Q、K)。再度、 プライマー4879と4882(後者のプライマーは、ウシ結核菌BCG配列の 終止コドンをスパンする配列を構成する。)の対を使用したPCR増幅を行った 場合、BCG配列を基礎に予想された増幅産物が観察された。 ウシ結核菌BCGのDNAに対する、結核菌H37Ra(文献4)の配列を基 礎にして作製したプライマーを使用した、これらのPCR増幅実験から、ウシ結 核菌BCG遺伝子は別であることは明白である。本発明が提供する細胞結合と細 胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしている遺伝子 は、ヒト結核菌から臨床的に得た多数の分離菌に存在しており、分子量が約55 ,000であるタンパク質をコードしている。このように、ヒト結核菌であるH 37Ra(文献4)の細胞侵入の仲介に関与しているタンパク質をコードしてい る従来技術の遺伝子は、天然に存在しているものであり、細胞結合および細胞侵 入に関与し、その分子量が45,000〜60,000であるミコバクテリア菌 由来タンパク質をコードしている遺伝子の切断変種である。先行技術の遺伝子と 本発明の遺伝子の出所が互いに異なっていることを反映しているかもしれない。 診断的実施例においては、本発明の遺伝子は、ミコバクテリア菌を他の病原菌 から識別・区別する場合に有益である。ヒト結核菌から臨床的に得た分離菌およ び百日咳菌、モラクセラ・カタラーリス、緑膿菌、インフルエンザ菌のような他 の病原菌のDNAに関するxhoI制限酵素消化物のサザンブロット分析に、pBCGc epxの4.7kb長さの挿入断片をプローブとして使用することにより、非ミコ バクテリア細菌における同種配列の欠如を示すことができる。ヒト結核菌から得 た分離菌の全部に、上記で説明した特別な5kbフラグメントがあり、これによ り、これらの分離菌と他の病原菌を区別することができる(図11)。 図12は、細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア菌由来タンパク質を 発現するための、発現プラスミドの構造を示したものである。ATG開始コドン を有する完全な長さのmcep遺伝子とGTG開始コドンを有する5'切断断片を 得るために、EcoRI-HindIII挿入断片を、適切なプライマーを使用した染色体D NAのPCR増幅法により用意した。このEcoRI-HindIII挿入断片をプラスミドp ET-23b(+)に挿入する。 発現ベクターを大腸菌細胞に形質転換して、ミコバクテリア菌由来タンパク質 を発現させる。タンパク質発現は、主に、封入体に起こることが判明している。 ウエスタンブロット分析(図13)の結果、多く切断された配列があれば、最も 高い発現レベルが得られ、コード遺伝子の長さが増加するにつれて発現レベルは 低下することが分かっている。 図14は、Hela細胞を、ミコバクテリア菌由来タンパク質(mcep)と、無関 係なタンパク質(BSA)との両方をコーティングしたラテックスビーズに接触させ ることで侵入比較分析を実施した結果を示したものである。電子顕微鏡写真には 、mcepタンパク質を塗布したビーズで、HeLa細胞の侵入が見られ、BS Aを塗布したほうには侵入がないことを示している。本発明の種々の実施例を、 ワクチン接種、診断、例えば、ミコバクテリア菌の感染の治療、免疫の誘導、そ の他の診断試薬の分野で広く応用できることは当業者には明白である。さらに、 その使用に関して非制限の論議が以下に示される。1. ワクチン調剤とその使用 ワクチンとして使用するのに適している免疫原性成分を、細胞結合と細胞侵入 に関与している、核酸分子および本発明の核酸分子によりコードされている、免 疫原性のミコバクテリア菌由来タンパク質から調製できる。このワクチンは免疫 応答を誘起し、抗―細胞結合抗体および抗―細胞侵入タンパク質抗体を含む抗体 の産生を誘起し、細胞性免疫応答を成立させる。 ワクチンを含む上記免疫原性成分は、注射可能な製剤、液体、またはエマルシ ョンとしても調製できる。このタンパク質および核酸を、薬学的に受け入れ可能 な医薬品添加物と混合してもよい。そのような医薬品添加物として水、生理食塩 水、デキストロース、グリセロール、エタノール、およびそれらを組み合わせた ものがある。この免疫原性成分およびワクチンには、さらに湿潤剤、乳化剤、p H緩衝剤、ワクチンの有効性を強化するアジュバントのような補助物質を添加し てもよい。免疫原性成分およびワクチンは、非経口で、あるいは注射により、皮 下および皮内、筋肉内経由で投与してもよい。別の代替法として、本発明により 作製された上記免疫原性成分を粘膜表面で免疫応答が誘起されるように調剤して 投与してもよい。このように、この免疫原性成分を、例えば、経鼻または経口( 胃内)で粘膜表面に投与してもよい。代替法として、坐薬および経口製剤を含む 投 与の他のモードでもよい。坐薬には、ポリアルカリングリコールやトリグリセリ ドなどの結合剤や担体を使用してもよい。経口製剤には、例えば、製薬用のサッ カリン、セルロース、炭酸マグネシウムのような、通常使用されている医薬品添 加物を使用してもかまわない。これらの成分を溶液、懸濁液、錠剤、ピル、徐放 剤および/または核酸分子の形で使用してもよい。 このワクチンを、製剤に合った方法で、治療上の観点から有効で、防御効果が あり、かつ免疫原性を発揮すると考えられる用量を投与する。投与量は、治療対 象である患者の身体状態、例えば、抗体を合成する患者本人の免疫系の機能、必 要な場合には、細胞性免疫を誘起できる機能などにより違ってくる。投与が必要 な有効成分の正確な用量は、担当医師の判断により決定する。しかし、この適切 な投与量の範囲については、当業者には容易に決定可能なことであり、タンパク 質およぼ/または核酸分子の量でのミクログラムのオーダである。最初の投与量 とブースタ量は一定ではなく、適当な量を当初用量として、その後に適当な量を 投与することになる。このワクチンの用量は投与経路と投与対象の体重により違 ってくる。 細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリア菌由来タンパク質をコードして いる核酸分子を、DNAの投与、例えば、遺伝子免疫注射や、サルモネラ菌、ア デノウイルス、ポックスウイルス、ワクシニア、ポリオウイルスのような生きた ベクターの構築法などの直接的な方法での免疫に使用してもかまわない。異種抗 原を免疫系に運搬する生きたベクターに関する論議が、例えば、O'haganにより なされている(文献5)。遺伝子免疫のためにDNAを患者に直接に注射するプ ロセスについて、例えば、Ulmerらにより報告されている(文献6)。 抗原とアジュバントを一緒に投与することにより、免疫原性を大きく改善する ことができ、この場合、このアジュバントは、0.05〜1.0%リン酸緩衝生 理溶液の形で使用する。アジュバントは、抗原の免疫原性を強化させるが、それ 自体が必ずしも免疫原性である訳ではない。つまり、アジュバントは、抗原をそ の投与部位近くに局所的に保持することで、免疫系の細胞にゆっくりと徐放をす るための貯蔵効果を発揮させる役割をする。また、アジュバントは、免疫系の細 胞を抗原貯蔵場所に引き寄せ、免疫細胞を刺激して免疫応答を誘起する役割をす る。 例えば、ワクチンなどによる宿主での免疫応答を改善するために、免疫刺激剤 またはアジュバントが長年使用されている。リポポリサッカライドのような内因 性アジュバントは、通常は、死菌ワクチンまたは弱毒化ワクチンの成分である。 外因性アジュバントは、代表的には抗原と共有結合をした免疫調整剤であり、宿 主免疫応答を強化するように調製されている。このように、アジュバントは、非 経口的に投与された抗原に対する免疫応答を強化するものとして同定されている 。これらのアジュバントの中には、有毒で、望ましくない副作用を引き起こし、 ヒトおよび動物の使用には適さないものもある。実際、ヒトおよび動物用のアジ ュバントとしては、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム(これらを総称し てミョウバンと呼ぶ)だけが、通常使用されている。ジフテリアトキソイド、破 傷風トキソイドに対する抗体応答を増加させるミョウバンの有効性はよく認識さ れており、HBsAGワクチンではミョウバンが常に同時投与されている。 広い範囲の外因性アジュバントが、抗原に対して潜在的な免疫応答を誘起する ことが可能である。このようなアジュバントとして、膜タンパク抗原と複合して いるサポニン、鉱物オイルを含むポリマー、死菌ミコバクテリアと鉱物オイル、 完全フロイント・アジュバント、ムラミルペプチド(MDP)およびリポ多糖( LPS)、リピドAのような細菌産生物、リポソームがある。体液性免疫応答と 細胞性免疫応答を効果的に誘起するために、免疫原をアジュバントの中で乳状化 させて使用されている。2. ハイブリダイゼーション・プローブとしての配列の使用 本発明にかかる、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タ ンパク質をコードしているヌクレオチド配列の同定と、ミコバクテイルウム属菌 のどの菌種由来の遺伝子のクローン化も可能である。 本発明にかかる、ヌクレオチド配列は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミ コバクテリア菌由来のタンパク質をコードしている他の遺伝子の相補的伸長部を 有する複合体分子を選択的に形成させるために使用可能である。使用法にもよる が、これらの他の遺伝子に対するプローブの多様なハイブリダイゼーション条件 を使用して、多様な選択性を実現することが可能である。選択性の範囲を広げる ために、複合体を形成させる場合に、使用する塩類の濃度を低くする、つまり、 0.02M〜0.15MのNaCLを使用し、および/または、温度を高くする 、つまり、約50℃〜70℃にするなどの比較的に厳しいハイブリダイゼーショ ン条件を使用している。使用する塩の濃度を0.15M〜0.9M、温度を約3 0℃〜55℃にするなどの緩やかなハイブリダイゼーション条件が必要である場 合もある。また、ハイブリッド複合体を多様化させるために、ホルムアルデヒド を添加して、そのハイブリダイゼーション条件を厳しいものにしてもよい。この ように、特定のハイブリダイゼーション条件を容易に操作することが可能であり 、一般的に望む結果にあわせて自由に選択が可能である。一般的に、50%ホル ムアルデヒドの存在下でのハイブリダイゼーションのための温度は、ターゲット フラグメントに対して96〜100%の相同性のあるプローブでは42℃、90 〜95%であれば37℃、85〜90%であれば、32℃ということになる。 臨床診断の例では、ハイブリダイゼーションの結果を確認するために、本発明 にかかる遺伝子の核酸配列をラベルのような適当な指示物と組み合わせて使用し てもよい。多様な指示物が知られており、例えば、検出シグナルを提供できる放 射線、酵素またはアビジン/ビオチンのようなその他のリガンド、ジギトキシゲ ンなどがある。さらに別の診断の例では、ウレアーゼ、アルカリ性ホスファター ゼまたはペルオキシダーゼなどの酵素タグも使用できる。遺伝子配列を含む試料 との特定のハイブリダイゼーションを特定するために使用される酵素タグの場合 に、ヒトの目に見える反応をするか、または蛍光分光光度計を使用した比色指示 物質の使用が知られている。 本発明の核酸配列は、溶液ハイブリダイゼーション法および固相手順を採用し たハイブリダイゼーションにおけるハイブリダイゼーションプローブとして有用 である。固相手順を使用する例では、例えば、臨床試料から得た浸出液、体液( 血清、淡、気管支肺胞洗浄液)、組織からの試験用DNA(またはRNA)を選 択したマトリックス表面に吸収させるか付着させる。固定した単鎖核酸を、適当 な条件下で、本発明の遺伝子の核酸配列から成る選択したプローブと特異的にハ イブリダイズさせる。選択条件は、G+C含有量、標的核酸の種類、核酸の出所 、ハイブリダイゼーションプローブの大きさにより要求される特定基準を基礎に し た環境により異なってくる。非特異的に結合したプローブ分子を除去するために ハイブリダイゼーションをした表面の洗浄の後、ラベルまたは指示物により、特 異的なハイブリダイゼーションが検出されるか、または定量化される。ミコバク テリウム属菌の多様な菌種の中で保存されている核酸配列部分を選択するのが好 ましい。選択したプローブの長さは少なくとも18bpであり、約30〜90b p以上の範囲である。3. 遺伝子の発現 宿主細胞に適合する菌種由来のレプリコンと制御配列を含むベクターを、細胞 結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしてい る遺伝子の発現のために使用できる。このベクターは通常複製部位を運搬すると 同時に形質転換された細胞が表現型を選択することが可能な配列を作製する。例 えば、大腸菌を、アンピシリンとテトラサイクリン抵抗性の遺伝子を含み、それ により形質転換された細胞を同定する簡便な方法を提供するプラスミドpBR322を 使用して形質転換させることができる。プラスミドpBR322またはその他の細菌性 プラスミドまたはファージには、宿主が発現に使用できるプロモータを含ませて もよいし含むように修飾することができる。 さらに、宿主に適合できるレプリコンと制御配列を含むファージベクターを、 これらの宿主の形質転換ベクターとして使用してもよい。例えば、組み換えファ ージ・ベクターを作製する際に、大腸菌K12株LE392のような宿主細胞の 組み換えDNA構築に通常使用されているプロモータには、β−ラクタマーゼ (ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモータおよび米国特許第4,952, 496で開示されているT7RNAポリメラーゼプロモータ系のような、その他 の細菌性プロモータが含まれる。プロモータのヌクレオチド配列に関する詳細は すでに知られており、当業者はそれを機能的に遺伝子に結合させることが可能で ある。使用する特別なプロモータを望む結果次第でどのように選択してもよい。 遺伝子の発現に適当である宿主として、大腸菌、ボルデテラ属菌、バチルス属菌 、ヘモフィリス属菌、真菌のような細菌、酵母を含み、哺乳動物細胞またはバキ ュロウイルス発現系も使用可能である。 本発明によれば、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タ ンパク質は、特に、天然に存在するタンパク質が、ミコバクテリア菌株の培養に より精製された時のように、微量の有毒物質やその他の汚染物を含んでいる場合 には、組み換え法により、作製することが好ましい。汚染を最小限にした方法で 宿主から分離できる異種系での組み換え技術で作製したタンパク質を使用するこ とにより、この問題を避けることができる。遺伝子発現のために特に望ましい宿 主として、LPSを有している、つまり、エンドトキシンを含まないグラム陽性 細菌がある。そのような宿主として、バチルス属菌がある、これは特に細胞結合 と細胞侵入に関与し、分子量が約45,000〜60,000である、非発熱原 性のミコバクテリア菌由来タンパク質の産生に有用である。微生物の寄託 本発明にかかるウシ結核菌株BCG由来で、細胞結合と細胞侵入に関与し、分 子量が約45,000〜60,000である、ミコバクテリア菌由来タンパク質 をコードしている遺伝子を含んでいるベクターを、ATCC(アメリカ培養コレ クション、12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,USA、ブタベスト 条約により。本出願日の前。)に寄託した。寄託したベクターのサンプルは、こ の米国特許が認められた後すぐに、一般に入手可能となり、そのときに、この寄 託物に関する制限は取り払われる。この寄託所からの入手が困難な場合には、利 用可能なサンプルは提供可能である。寄託した微生物に関する実施例は本発明の ための単なる説明のためであり、ここで記載した発明が寄託された微生物に限定 されることはない。本出願書で開示している抗原と同等で類似している抗原をコ ードしている、同等で類似しているすべてのベクターは、本発明の範囲内にある 。寄託の概要 上述した開示は本発明の一般的説明である。下記の例を参照することにより、 本発明をより完全に理解できるであろう。これらの例は、単に例示のために記載 したもので、発明の範囲を制限するものではない。形態の変形および他の同等物 との入れ替えは、環境の変化で発生するが、それは考慮の範囲内である。また特 別な用語が使用されているが、そのような用語は説明的意味をもつのみであり特 別な制限的な意味を有するものではない例1 この例は、組み換えDNA法を説明するものである。制限酵素とクローンベク ターは、New England biolabs社、Gibco/BRL Life Techonologies社、Boehringe r Mannheim and Stratagene社などの会社から入手した。DNA分離プロトコル に使用した試薬は、Sigma Biochemical社から購入した。組み換えDNA操作の 大部分は、標準のプロトコルに従って実施した(文献7)。塩基配列決定は、ジ デオキシターミネータ化学を使用して、キットに試薬を入れてApplied Biosyste ms社の自動シーケンサー(370A)で、メーカーが提供したプロトコルに従って実施 した。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチドの合成をApplied Biosyste ms社の合成機で実施した。合成ポリヌクレオチドをApplied Biosystems社のOP Cカートリッジにより、メーカのプロトコルに従って精製した。例2 この例は、ウシ結核菌BCG・DNAの分離について記載している。ウシ結核 菌BCG・DNAの分離は、文献(文献8)で記載されている技術を改良して使 用した。ウシ結核菌BCG(コンノート社)の接種菌培養物(A600で3.4, 10mL)を、ADCとTween80(Sigma社、0.05%)で強化した100mL のMiddlebrook7H9培地(Difco Lab社)に接種した。この培養物をローラボトル 内で14日間37℃でインキュベートし、その後、細胞をぺレット化するために 、その培養物の50mLを遠心分離(6,000gで10分間)した。そのペレ ットを、200μg/mLのプロテナーゼK(Gibco/BRL社)と10mg/mLの 鶏卵白色リゾチーム(Sigma社)を含む1mLのTE緩衝液(10mM トリス− HCL、pH7.5,1mM EDTA)に再懸濁させた。その懸濁液を37℃ で60分間インキュベートし、遠心分離を行い(12,000g、1分)、 ラスビード付き2mLネジ蓋チューブに、その容量が4分の1になるまで移し、 10分間強く混ぜた。その後、そのビーズを静置し、その上清を新鮮なチューブ に移した後、10分間室温で遠心分離した。その結果生じたリゼートを新しいチ ューブに移し、0.5mLの100%エタノールを添加した。そのチューブを数 回逆さにして混合し、その混合物を室温で3〜5分間インキュベートした。その 後、DNAをペレット化するために遠心分離した(1,000g、2分間)。そ の上清は廃棄した。そのペレットを1mLの95%エタノールで洗浄して、その 後、室温で15分間空気乾燥させた。最後にそのペレットを0.2mLのTE緩 衝液で溶解させ、DNAの波長260nmでの光学的濃度を分光光度計で測定し た。このプロトコルにより約80μgのDNAを得た。例3 この例は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク 質をコードしているウシ結核菌BCG遺伝子のPCR増幅を記載したものである 。ウシ結核菌BCG染色体DNAと、Riley博士提供(文献4)のヒト結核菌H 37Ra由来の1535bpの挿入断片を含むpZX7プラスミド(Stratagene社のp Bluescript[+])のPCR増幅を行った。PCR増幅に使用したプライマーとその 塩基配列を表1に示す。これらのプライマーの、ヒト結核菌(文献4に記載)の mce遺伝子をコードしているORF1を基準とした対応位置を図1において、 濃い太線で示した。増幅を「ホットスタート手順」を使用して行った。本質的に は、dNTP(最終容量100μl中0.2mM)、緩衝液、1対のプライマー(そ れぞれ100pM)を含んでいる40μl反応混合液を薄壁チューブ内で調製し ーブを70℃で5分間加熱した。その後、そのチューブを5分間室温まで冷やし 、緩衝液(10倍の濃度のものをメーカより提供された)、酵素1ユニット gまたはプラスミドの50ng)を含んでいる反応混合液(60μl)を添加し た。チューブをパーキンエルマ・シータス(Perkin-Elmer Cetus)熱サイクラーに 入れて、下記のパラメータを基礎にしてサイクルシーケンスを開始した。 ステップ1:93℃で1分間 ステップ2:93℃で1分間、60℃で1分間; 72℃で1分間;10サイクル反復。 ステップ3:93℃で1分間、60℃で1分間; 60℃で1分間(自動延長、5秒) 20サイクル反復 ステップ4:72℃で1分間、および ステップ5:4℃で保持。 このチューブを4℃に保温して、その10μlアリコットを0.8%アガロース ゲルに載せ、そのバンドを目で観察して写真を取った。例4 この例は、ウシ結核菌BCGライブラリの構築について記載している。 ウシ結核菌BCG・DNAの制限酵素消化とその後のPCR法で増幅した産物 (対にしたプライマー4414/4448;レーン2;パネルA、図2)をプロ ーブとして使用したサザンブロット法により、1.5kbおよび5kbフラグメ ントのSalIおよびXhoIによる消化物(図3)上での遺伝子の存在が示された。 対応するバンドを切り取り、消化産物pUC18とpBluescript II sk(+)にそれぞれ 連結させた。これらのプラスミドのコンピテント大腸菌細胞への形質転換の後に 得たライブラリを、ハイブリダイゼーションによる遺伝子のプローブに使用して 、2つの陽性クローンを同定した。2つのクローンを作製するために、これらを 増殖させ、分離し分析した。プラスミドpBCGcepXには、推定の遺伝子を含んでい る約5kbのDNA挿入断片が含まれ、もう一方のプラスミドpBCGcepには、約 1.5kbのSalI挿入断片に(これもmce遺伝子特異的プローブとハイブリ ダイズされる)が含まれていた(図4のパネルA,Bでの濃い太線)。 サザンブロット分析のために、ウシ結核菌BCG・DNA(1.2μg)を、 エンドヌクレアーゼであるEco RI、Hind III、Nde I、Bgl II、Dra III、Sac I 、Sal I、XhoI(それぞれに5〜10ユニットを使用)で消化させた。標準の緩 衝液と条件で、4時間、合計容量20μlについて、酵素消化を行った。消化物 をローディング緩衝液と混合して、0.8%のアガロースゲルに入れた(図2, パネルA)。このゲルを標準試薬とプロコルを使用してナイロン膜に移し、DN Aをその膜に固定させた。プライマーである4414および4448(図1,レ ーン4,パネルA)を使用して実施したBCG・DNAのPCR反応による増幅 産物を対応バンドをゲルから切り取り、DNAを抽出することで分離した。分離 したDNAを、ハイブリダイゼーションのプローブとして使うために、「ランダ ムプライミングシステムI」キットを使用して、32pで標識した。膜で事前ハ イブリダイゼーションをさせ、標識したプローブとのハイブリダイゼーションを 1夜55℃で起こさせ、その後洗浄した。そのブロットをフィルムに室温で1夜 曝露させ、オートラジオグラフを作製した(図2,パネルB)。 制限酵素であるSalIとXhoIを使用してウシ結核菌BCG・DNAの酵素消化 を行い、その消化物を0.8%アガロースゲルに移した。1.5kbと5kbの バンド(図2,パネルB)を切除した。DNAを、これらのアガローススライス から分離し、T4・DNAリガーゼを使用して、SalIで消化したpUC18またはXho Iで消化したpBluescript II sk(+)に結合させた。 コンピタント大腸菌K12株(TG1)細胞を形質転換させるために結合反応 を使用し、コロニーをアンピシリンを入れたLB寒天で平板培養した。この培養 物をニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell)に移し、上記のサザンブロット 手順で使用した標識したポリヌクレオチドでのプローブした。陽性コロニーを同 定、分離、増殖させ、プラスミドを精製し、SalIとXhoIによる消化の後、挿入 されたDNAの分析を実施した。2つのクローン(その1つには、約5kbのXh oI挿入断片[pBCGcepX]を含み、他方には1.5kbのSalI挿入断片[pBCGcepS] を含む)が同定された。これらのクローンを増殖させ、プラスミドを高い精度の 精製が可能なキット(Qiagen)を使用して分離し、遺伝子の配列決定を実施した。例5 この例は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク 質をコードしている遺伝子を使用したサザンハイブリダイゼーションによる、結 核菌の他の病原菌からの特異的な識別同定について記載している。 細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク質をコード しており、分子量が約45〜60kDaである、分離した核酸分子は、ミコバク テリア菌を他の病原菌から特異的に識別する場合に有益である。 ウシ結核菌BCG(Connaught社)由来の染色体DNA(1μg)、結核菌の 臨床的に得た分離菌であるTB199(米国),TB421(ウガンダ)、TB 458(ブラジル)、百日咳菌(B.pertussis)、モラクセラ・カタラーリス、緑 膿菌、インフルエンザ菌(Eagan株)を、制限酵素XhoIを使用して消化させた。こ の消化物を消化させていない染色体BCG・DNAと一緒に0.8%アガロース ゲルで電気泳動にかけ、そのブロットをナイロン膜に移した。プラスミドpBCGce pXの5kb・XhoI挿入断片を32Pで標識して分離して、サザンブロット分析の ためのプローブとして使用した。このブロットを洗浄してフィルムに曝露させた 。そのゲルと48時間の曝露後のラジオグラフを図11に示した。例6 この例は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来タンパク 質を発現させる発現ベクターの構築について記載している。 プライマーを使用して、ウシ結核菌染色体DNAのPCR増幅を実施し、例3 で概略した手順を使用して、EcoRIとHinndIIIの制限酵素部位への取り入れを行 い、発現ベクターへのクローン化を促進させた。3'末端には、普通のプライマー を使用したが、5'末端の配列は挿入断片の分子の長さにより異なった。このプラ イマーについては、下記の表3に記載した。全長のミコバクテリア菌タンパク質 (ATG開始コドン)と全長の5'端部切断部配列(GTG開始コドン)をコード した1連のEcoRI-HindIII挿入断片を作製した。 挿入断片をNovagen社から得たpET-23b(+)ベクターのEcoRI-HindIIIにクローン 化した(図12)。このベクターには、挿入断片のすぐ上流に11アミノ酸T7 標識を有しているので、T7標識抗体アルカリホスファターゼ接合体(Novagen社 )を使用して、ウエスタンブロットにより産生されたミコバクテリア菌由来のタ ンパク質を容易に検出することができる。例7 この例は、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア菌由来のタンパ ク質の発現について記載している。 例6に記載された方法で調製した多様なプラスミドをコンピテント大腸菌 BL21(DE3)pLysS細菌細胞に形質転換した。発現構造を含んでいる細菌の1夜培養 物を、アンピシリンおよびクロラムフェニコールを含む100ml新鮮LBブイ ヨン内で3時間増殖させ、1mM・IPTGで誘導した。5時間の誘導の後、細 胞をペレット化して、1mg/mlのリゾチームの50mMトリスpH8/1m MEDTA溶液での処理により溶解させ、その後、0.1%デオキシコール酸を 追加した。その溶解物を10mg/mlDNAseで消化させることで、染色体 DNAを脱離させた。リゼートをペレット化して、1%NonidetP-40を含む50 mMトリスpH8/1mMEDTA/100mMNaCl緩衝液と0.1%トリ トンX−100で数回洗浄した。侵入タンパク質の大部分を含んでいるこのペレ ットを50mMトリスpH8/1mMEDTA中で保存した。この産物を回転タ ンパク質ゲル分析とウエスタンブロット法により分析した。 タンパク質ゲル分析とウエスタンブロット分析により、ミコバクテリア菌由来 タンパク質の発現が、最も多くの端部切断のコード配列を含んでいるプラスミド 構築物を使用した時に最良であることが判明した。このコード配列がpET-23b発 現構築物に使用されるにつれて、発現レベルが確実に減少した。全長のコード配 列を有している構築物は、他に較べて非常に弱い発現であった。例8 この例は、発現ミコバクテリア菌由来タンパク質によるHeLa細胞の侵入に ついて記載している。 全長mce遺伝子を発現している大腸菌を、アンピシリンとクロラムフェニコ ールを含んだ100mlの新鮮LBブイヨン中で、類似した細胞の1夜培養物1 0mlを接種物として使用して、3時間増殖させた。細胞を、例7で記載した方 法により、IPTGで誘導し、遠心分離をした後、集めた。ペレットを、例7の 方法で処理した。ペレット化させた封入体を、50mMトリス−HCL(pH8 .0)と1m・MEDTAの溶液に入れた。ペレットを混ぜながら再懸濁し、7 0℃で10分間インキュベートし、その後、再度かき混ぜた。その懸濁液を遠心 分離し、澄んだ上清を50μlの再懸濁させたビーズ(ポリビーズ・ポリスチレ ンミクロスフィア、平均サイズは1ミクロン、Polyscience社)に添加し、1m M・DTTを含む50mMトリス−HCL(pH8.0)で洗浄した。そのビー ズと 上清を室温で1夜ゆっくりかき混ぜながらインキュベートした。その後、そのビ ーズを遠心分離により分離し、10mg/mlのBSAを含む1mlのトリス緩 衝液(50mM)に懸濁させた。インキュベーションを室温で30分間続行した 後、同じ緩衝液でそのビーズを2回洗浄した。最終的に、そのビーズを1mlの PBSに再懸濁させた。 上記の手順の間に、10%のFCSを含むDMEMに入れたHeLa細胞を、 6個のウオール付きのプレート(1ウエル当たり4x105細胞)に植菌した。 これらを1夜、5%炭酸ガスを入れたインキュベータ内で37℃で増殖させた。 その細胞を新鮮培地で洗浄した、100μlの懸濁ラテックスビーズを各ウエル に添加して、37℃で4時間インキュベートした。その中の培地を取り除いて、 細胞をPBSで洗浄した。その細胞を固定し、標準のプロトコルを使用して、ト ロント大学EM施設部のEMオペレータが電子顕微鏡観察を行った。ビーズ(パ ネルA)を含んだ、あるいは、含んでない(対照:パネルB)個々の細胞の電子 顕微鏡写真を図14で示した。 無関係なタンパク質を塗布したビーズを対照として使用した。上述したように 、溶液にしたミコバクテリア菌由来タンパク質を塗布したビーズをインキュベー トする当初のステップ以外を例外として、その他のビーズは正確に調製した。 開示の概要 開示の概要として、本発明は細胞結合と細胞侵入に関与し、分子量が約45〜 60kDaである、ミコバクテリア菌のタンパク質をコードした分離した核酸分 子およびその核酸分子によりコードされる分離・精製タンパク質、およびそのフ ラグメントを提供することである。本発明の範囲内で、修正は可能である。
【手続補正書】 【提出日】平成11年5月14日(1999.5.14) 【補正内容】 (1)特許請求の範囲を別紙のとおり補正する。 (2)明細書第1頁第8行にある「同時係属出願」の記載を、「同時係属米国出 願」に訂正する。 (3)明細書第1頁第15行にある「結核菌複合体」の記載を、「結核菌複合体 (tuberculosis complex)」に変更する。 (4)図7A〜図7Eを別紙のとおり補正する。 特許請求の範囲 1.ミコバクテリウム(Mycobacterium)属の菌株の、細胞結合及び細胞侵入に 関与し、45〜60kDaの分子量を有するミコバクテリアタンパク質をコード することを特徴とする単離された核酸分子。 2.前記ミコバクテリウム属菌株が、結核菌複合体中の菌種に属する請求項1 に記載の核酸分子。 3.前記ミコバクテリウム属菌株が、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis )またはウシ結核菌(Mycobacterium bovis)に属する菌株である請求項2に記載の 核酸分子。 4.前記ミコバクテリアタンパク質が実質的に下記のアミノ酸組成を有する請 求項1〜3のいずれかに記載の核酸分子。 アミノ酸 残基数 ロイシン 53 アルギニン 32 トレオニン 45 アラニン 60 バリン 40 セリン 43 プロリン 38 アスパラギン酸 29 イソロイシン 24 アスパラギン 23 チロシン 16 グリシン 45 フェニルアラニン 14 グルタミン酸 15 リシン 15 グルタミン 12 トリプトファン 7 メチオニン 7 システイン 6 ヒスチジン 3 5.実質的に図5に示したような、ウシ結核菌BCG株の制限酵素地図、ある いは結核菌複合体由来の他のミコバクテリア菌の細胞結合及び細胞侵入に関与す るミコバクテリアタンパク質をコードする対応する遺伝子の対応する制限酵素地 図を有する請求項1〜4のいずれかに記載の核酸分子。 6.配列番号:2(SEQ.ID.No2)のウシ結核菌BCG株のDNA配列、あるいは 結核菌複合体由来のその他のミコバクテリアの細胞結合及び細胞侵入に関与する ミコバクテリアタンパク質をコードする対応する遺伝子のDNA配列を有する請 求項1〜5のいずれかに記載の核酸分子。 7.配列番号:3(SEQ.ID.No.3)のウシ結核菌BCG株のアミノ酸配列、ある いは結核菌複合体由来の他のミコバクテリアの細胞結合及び細胞侵入に関与する 対応するアミノ配列をコードしている請求項1〜5のいずれかに記載の核酸分子 。 8.以下の配列のプライマーの組合せ: プライマー4879(配列配列番号:12(SEQ.ID.No:12))とプライマー48 82(配列番号:15(SEQ.ID.No:15))の組合せ; プライマー4879(配列番号:12(SEQ.ID.No:12))とプライマー4865 (配列番号:11(SEQ.ID.No:11))の組合せ; プライマー4879(配列番号:12(SEQ.ID.No.12))とプライマー4812 (配列番号:10(SEQ.ID.No:10))の組合せ; 5'プライマー(配列番号:19(SEQ.ID.No:19))と3'プライマー(配列番号: 18(SEQ.ID.No:18))の組合せ; 5'プライマー(配列番号:20(SEQ.ID.No:20))と3'プライマー(配列番号: 18(SEQ.ID.No:18))の組合せ; 5'プライマー(配列番号;21(SEQ.ID.No:21))と3'プライマー(配列番号: 18(SEQ.ID.No:18))の組合せ;及び 5'プライマー(配列番号:22(SEQ.ID.No:22))と3'プライマー(配列番号: 18(SEQ.ID.No:18))の組合せ; のいずれかを有する1対のプライマーによるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に よって増幅可能な単離DNA分子。 9.結核菌複合体からのミコバクテリウム属菌株に由来する請求項8に記載の DNA分子。 10.ヒト結核菌の菌株またはウシ結核菌の菌株に由来する請求項8に記載の DNA分子。 11.請求項1〜7の何れかに記載の核酸分子または請求項8〜10のいずれ かに記載のDNA分子を有することを特徴とする宿主の形質転換のためのベクタ ー。 12.前記タンパク質を前記宿主に発現させるためのDNA配列を更に有する 請求項11に記載のベクター。 13.請求項12に記載の発現ベクターを含む形質転換された宿主。 14.請求項13に記載の形質転換宿主により製造され得る細胞結合及び細胞 侵入に関与する組換えミコバクテリアタンパク質。 15.ATCC寄託番号が97511であるプラスミドpBCGcepXにより特定さ れる特性を有し、細胞結合と細胞侵入に関与するミコバクテリウム属菌株からの ミコバクテリアタンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とするプラスミ ド。 16.組織または体液中のミコバクテリウム属菌株を検出する方法において、 プライマー4879(配列配列番号:12)とプライマー4882(配列番号 :15)の組合せ;プライマー4879(配列番号:12)とプライマー486 5(配列番号:11)の組合せ;またはプライマー4879(配列番号:12) とプライマー4812(配列番号:10)の組合せからなる1対のプライマーを 供与する工程、 プローブと試料とを接触させる工程、 細胞結合及び細胞侵入に関与するミコバクテリアタンパク質をコードする核酸 配列をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅する工程、及び 試料中のミコバクテリウム菌株の存在を示す増幅されたDNA配列を検出する 工程 を有することを特徴とする検出方法。 17.プライマー4879(配列番号:12)、4882(配列番号:15) 、4865(配列番号:11)及び4812(配列番号:10);並びに配列番 号18、配列番号 19、配列番号:20、配列番号:21及び配列番号:22 のいずれかの配列を有するプライマーからなる群から選択されたオリゴヌクレオ チドプライマー。 18.細胞結合及び細胞侵入に関与し、45〜60kDaの分子量を有する実 質的に純粋なミコバクテリアタンパク質またはその断片の製造方法であって、 請求項12に記載のベクターによって宿主を形質転換する工程、 形質転換された宿主を培養し、前記タンパク質またはその断片を発現させる工 程、及び 他のタンパク質性及び細胞性物質を含まない前記タンパク質またはその断片を 単離精製する工程 を有することを特徴とする製造方法。 19.前記断片が開始コドンに対して5'端部欠失を有する遺伝子を含むベクタ ーから発現する請求項18に記載の製造方法。 20.細胞結合及び細胞侵入に関与し、45〜60kDaの分子量を有するミ コバクテリアタンパク質及びその免疫原性断片。 21.結核菌複合体中のミコバクテリウム属菌株のものである請求項20に記 載のタンパク質及びその免疫原性断片。 22.前記ミコバクテリウム属菌株が、ヒト結核菌の菌株またはウシ結核菌の 菌株である請求項21に記載のタンパク質及びその免疫原性断片。 23.下記のアミノ酸組成: アミノ酸 残基数 ロイシン 53 アルギニン 32 トレオニン 45 アラニン 60 バリン 40 セリン 43 プロリン 38 アスパラギン酸 29 イソロイシン 24 アスパラギン 23 チロシン 16 グリシン 45 フェニルアラニン 14 グルタミン酸 15 リシン 15 グルタミン 12 トリプトファン 7 メチオニン 7 システイン 6 ヒスチジン 3 を実質的に有する請求項20〜22のいずれかに記載のタンパク質。 24.免疫原性の組成物であって、 有効成分として、請求項1〜7のいずれかに記載の単離核酸分子の少なくとも 1つ、請求項8〜10のいずれかに記載の単離DNA分子の少なくとも1つ、請 求項14に記載の組換えミコバクテリアタンパク質の少なくとも1つ、並びに請 求項20〜23のいずれかに記載のタンパク質及びその免疫原性断片の少なくと も1つからなる群から選択された少なくとも1つの成分と、 薬学的に許容される担体と を含むことを特徴とする免疫原性組成物。 【図7】【図7】【図7】【図7】【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 M 33/569 F 33/569 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ミコバクテリウム属菌(Mycobaterium)の細胞結合と細胞侵入に関与しており 、そのフラグメントの分子量が約45〜60kDaであるミコバクテリア由来タ ンパク質(mycobaterial protein)をコードしている分離した核酸分子。 2.上記ミコバクテリウム属菌が結核菌複合体(tuberculosis complex)である請 求項1に記載の核酸分子。 3.上記ミコバクテリウム属菌がヒト結核菌(Mycobaterium tuberculosis)であ る請求項2に記載の核酸分子。 4.上記ミコバクテリウム属菌がウシ結核菌(Mycobaterium bovis)である請求項 2に記載の核酸分子。 5.上記ミコバクテリア菌由来タンパク質が実質的に下記のアミノ酸構成である 請求項1に記載の核酸分子。 アミノ酸 残基数 ロイシン 53 アルギニン 32 トレオニン 45 アラニン 60 バリン 40 セリン 43 プロリン 38 アスパラギン酸 29 イソロイシン 24 アスパラギン 23 チロシン 16 グリシン 45 フェニルアラニン 14 グルタミン酸 15 リシン 15 グルタミン 12 トリプトファン 7 メチオニン 7 システイン 6 ヒスチジン 3 6.実質的に図5に示したような、ウシ結核菌株BCGの制限酵素地図または結 核菌複合体由来の他のミコバクテリア菌に対応する制限酵素地図を有している請 求項1に記載の核酸分子。 7.図6に示したような、ウシ結核菌株BCGのDNA配列(SEQ.ID.No.2)また は結核菌複合体由来のその他のミコバクテリアにおける対応遺伝子の配列を有す る請求項1に記載の核酸分子。 8.図7に示したようなウシ結核菌株BCGのアミノ酸配列(SEQ.ID.No.3)また は結核菌複合体由来の他のミコバクテリアにおける対応配列をコードしている請 求項1に記載の核酸分子。 9.対のプライマーである4879(SEQ.ID.No:12)と4882(SEQ.ID.No:15)の 1組、または4879(SEQ.ID.No:12)と4865(SEQ.ID.No:11)の1組,または 4879(SEQ.ID.No:12)と4812(SEQ.ID.No:10)の1組、または、5'プライマ ー(SEQ.ID.No:19)と3'プライマー(SEQ.ID.No:18)の1組,または、5'プライマー( SEQ.ID.No:20)と3'プライマー(SEQ.ID.No:18)の1組,または5'プライマー(SEQ. ID.No:21)と3'プライマー(SEQ.ID.No:18)の1組、または、5'プライマー(SEQ.ID .No:22)と3'プライマー(SEQ.ID.No:18)の1組の配列を有する対になったプライ マーを使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅可能な分離DNA分 子。 10.結核菌複合体のミコバクテリウム株由来の請求項9に記載のDNA分子。 11.ヒト結核菌のミコバクテリア菌由来の請求項9のDNA分子。 12.ウシ結核菌のミコバクテリア菌由来の請求項9のDNA分子。 13.請求項1の核酸分子または請求項9のDNA分子から成る、宿主の形質転 換のためのベクター。 14.上記タンパク質を上記宿主に発現させるDNA配列から成る請求項13に 記載のベクター。 15.請求項14に記載の発現ベクターを含む形質転換された宿主。 16.請求項15に記載の形質転換宿主により作製することができる細胞結合と 細胞侵入に関与している組み換えミコバクテリアタンパク質または上記タンパク 質のフラグメント。 17.ATCC寄託番号が97511であるプラスミドpBCGcepX同定特性を有す るミコバクテリウム属菌の細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバクテリア由 来タンパク質をコードしている遺伝子を含むプラスミド。 18.(a)核酸分子またはDNA分子および試料中に存在するタンパク質をコ ードし、そのタンパク質と特異的にハイブリダイゼーションを起こすすべての核 酸分子から成る複合体を作製するために、請求項1の核酸分子または請求項9の DNA分子を試料と接触させること、(b)その複合体の産生を測定するステッ プから成り、試料中に、細胞結合と細胞侵入に関与しており、分子量が約45〜 60kDaであるミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしている核酸が存在 するかどうかを決定する方法。 19.(a)請求項1の核酸分子または請求項9のDNA分子、(b)核酸分子 またはDNA分子およびその試料の中に存在しているタンパク質をコードしてお り、その核酸分子またはDNA分子とハイブルダイゼーションを起こすことがで きるタンパク質から構成される複合体を作製するために、その核酸分子を試料と 接触させる手段および(c)その複合体の産生を測定し同定する手段から成る、 試料中に、細胞結合と細胞侵入に関与しており、その分子量が約45〜60kD aであるミコバクテリア菌由来タンパク質をコードしている核酸が存在するかど うかを決定する診断キット。 20.対になっているプライマーである4879(SEQ.ID.No.12)と4882(SEQ .ID.No.15)の1組、4879(SEQ.ID.No12)と4865(SEQ.ID.No.11)の1組、 4879(SEQ.ID.No.12)と4812(SEQ.ID.No.10)の1組を提供すること、その 試料をプローブと接触させること、細胞結合と細胞侵入に関与しているミコバク テリア菌由来タンパク質をコードしている増幅可能な核酸配列を増幅させるため にPCR増幅を実施すること、試料中のミコバクテリウム属菌の存在を 示す増幅されたDNA配列を検出することから成る、組織や体液中のミコバクテ リウム属菌を検出する方法。 21.請求項14に記載のベクターで宿主を形質転換する請求項14に記載の方 法。 22.請求項14に記載のベクターで宿主を形質転換すること、形質転換させた 宿主を増殖してタンパク質とそのフラグメントを発現させること、タンパク質を 他のタンパク質様の物質および細胞性物質から分離し精製することから成る、細 胞結合と細胞侵入に関与しており、分子量が約45〜60kDaである、実質的 に純粋な組み換えミコバクテリア菌由来タンパク質を作製する方法。 23.開始コドンに5'端部切断部を有するベクターから上記フラグメントが発現 される請求項22に記載の方法。 24.分子量が約45〜60kDaである、細胞結合と細胞侵入に関与している 分離・精製したミコバクテリア菌由来タンパク質またはそのフラグメント。 25.結核菌複合体であるミコバクテリウム属菌株由来である請求項24に記載 のタンパク質。 26.ヒト結核菌である菌株由来である請求項24に記載のタンパク質。 27.ウシ結核菌である菌株由来である請求項24に記載のタンパク質。 28.請求項22の手順により作製される請求項24のタンパク質。 29.成分が実質的に下記のアミノ酸である請求項24に記載のタンパク質。 アミノ酸 残基数 ロイシン 53 アルギニン 32 トレオニン 45 アラニン 60 バリン 40 セリン 43 プロリン 38 アスパラギン酸 29 イソロイシン 24 アスパラギン 23 チロシン 16 グリシン 45 フェニルアラニン 14 グルタミン酸 15 リシン 15 グルタミン 12 トリプトフアン 7 メチオニン 7 システイン 6 ヒスチジン 3 30.有効成分として、請求項1で記載された少なくとも1つの分離核酸分子、 請求項9に記載された少なくとも1つのDNA分子、請求項16に記載の少なく とも1個の組み換えミコバクテリア菌由来タンパク質および請求項24に記載の 少なくとも1つのタンパク質で構成されるグループから選択された少なくとも1 つの成分と薬学的に受け入れ可能な担体から成る免疫原性成分。 31.宿主に、請求項30に記載された免疫的に有効な量の免疫原性成分を投与 する手段から成る宿主内に免疫応答を起こさせる方法。
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