JP2001012002A - 開閉屋根の開閉移動部構造 - Google Patents

開閉屋根の開閉移動部構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動屋根支持部材の横移動変形を吸収して可
動屋根の支持点移動を阻止するとともに、該可動屋根か
ら可動屋根支持部材に及ぼす水平力を一定に保持するこ
とにより、可動屋根の変形および部材応力を一定値に保
って、屋根部分の軽量化を達成した場合にも可動屋根の
円滑な開閉作動を可能とする。 【解決手段】 固定屋根16の開口部18の相対向する
鉛直壁20および棚板22,24間に跨って可動屋根1
2,14を移動自在に配置する。可動屋根の支持部26
に、可動屋根が開口部の上記鉛直壁方向へ移動するのを
阻止する水平車輪32と、可動屋根の荷重を支持する鉛
直車輪34とを設ける。水平車輪に対し、移動阻止方向
への相対変位を許容する変位許容隙間δを設ける。変位
許容隙間に、変形量に対して荷重変動が略一定の荷重一
定領域のばね特性を備えた皿ばねを介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定屋根に形成し
た開口部を可動屋根の移動によって開閉する開閉屋根の
開閉移動部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】開閉屋根は、例えば特開平10−299
155号公報に開示されるように、固定屋根に形成した
開口部を可動屋根が移動して開閉するようになってい
る。このとき、可動屋根は両端部に設けた車輪が、開口
部の両側辺に設けたレールを転動することにより、円滑
に移動できるようになっている。
【0003】ところで、従来用いられる可動屋根は、図
7(a)に示すように上方に湾曲してアーチ構造となっ
た可動屋根1や同図(b)に示すように平坦なフラット
構造となった可動屋根2がある。これら可動屋根1,2
は図8に示すようなキールアーチや固定屋根3の構造梁
等の可動屋根支持部材4で支持したり、図示省略したが
観戦用スタンドの柱・梁により支持したりする場合があ
る。尚、上記固定屋根3はドーム屋根として構築され、
図8では開閉屋根全体を楕円形状として示してあり、ま
た、可動屋根1,2によって開閉される開口部5は開閉
屋根の長軸方向に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の開
閉屋根では、アーチ構造となった可動屋根1では、図7
(a)に示したように自重により開き方向に変形力が作
用し、両端部には外向きのスラスト力F1が発生すると
ともに、フラット構造の可動屋根2では、同図(b)に
示したように中央部が垂れ下がる方向の変形力が作用
し、両端部には内向きの引張力F2 が発生する。このた
め、可動屋根1,2の両端部を支持する可動屋根支持部
材4には、上記スラスト力F1や引張力F2等の水平力が
作用することになる。また、環境温度の変化や風による
吹き上げ力あるいは吹き下げ力によっても、同様の力が
作用することになる。
【0005】つまり、アーチ構造の可動屋根1では可動
屋根支持部材4にスラスト力F1 が作用すると、この可
動屋根支持部材4は開口部5の幅を広げる方向に横移動
し、この横移動によって可動屋根1は更に開き方向に大
きく変形することになる。このように可動屋根1が更に
開き変形されると、該可動屋根1を構成する構造部材の
応力が大きく増加することになる。また、上記可動屋根
支持部材4の横移動量は、図8に示したように複数の移
動屋根1が移動する際に、複数枚が近接した部分Pでは
それぞれのスラスト力F1 が集合されるため大きくな
り、かつ単独枚が離隔した部分Qでは小さくなる。この
ため、固定屋根3や可動屋根1の軽量化の要求によって
各部材の剛性を必要最小限度に抑えようとする際に、可
動屋根1個々の変形量および構造部材の応力を正確に把
握することは著しく困難になる。このような状況の中で
固定屋根3および可動屋根1を軽量化した場合には、予
期しない変形や過大応力が発生して可動屋根1の車輪が
可動屋根支持部材4に設けた図外のレールから脱輪する
等のおそれがある。
【0006】また、フラット構造の可動屋根2にあって
も、両端部に発生する上記引張力F2によって可動屋根
支持部材4が開口部5の幅を狭める方向に横移動される
ため、上記アーチ構造の可動屋根1の場合と同様に該フ
ラット構造の可動屋根2の変形量や部材応力の把握が著
しく困難になってしまうという課題があった。
【0007】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、可動屋根支持部材の横移動変形を吸
収して可動屋根の支持点移動を阻止するとともに、該可
動屋根から可動屋根支持部材に及ぼす水平力を一定に保
持することにより、可動屋根の変形および部材応力を一
定値に保って、屋根部分の軽量化を達成した場合にも可
動屋根の円滑な開閉作動を可能とする開閉屋根の開閉移
動部構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の開閉屋根の開閉移動部構造は、固定屋根に
形成された開口部の相対向する側辺間に可動屋根が移動
自在に配置される開閉屋根において、上記可動屋根の支
持部に、該可動屋根が上記開口部の上記側辺方向へ移動
するのを阻止する水平方向規制部材と、該可動屋根の荷
重を支持する鉛直方向規制部材とを設けるとともに、上
記水平方向規制部材に、これの規制方向の相対変位を許
容する変位許容隙間を設け、この変位許容隙間に、変形
量に対して荷重変動が略一定の荷重一定領域のばね特性
を備えたばね部材を介装したことを特徴とする。
【0009】この構成によれば、可動屋根は水平方向規
制部材および鉛直方向規制部材によって位置規制されつ
つ開口部の相対向する側辺に沿って開閉移動するように
なっており、該可動屋根の支持部に開口部の側辺方向へ
の水平力が作用して開口部の両側辺が横移動した場合
に、この両側辺の横移動は変位許容隙間に介装したばね
部材の変形によって吸収され、可動屋根の支持点が移動
するのを阻止することができる。また、該ばね部材は荷
重一定領域のばね特性を備えるため、可動屋根から固定
屋根に及ぼす水平力を一定に保持し、水平方向規制部材
および鉛直方向規制部材と固定屋根との相対位置が変化
するのを防止することができる。従って、屋根部分の軽
量化を図るために可動屋根の変形および部材応力を当初
の設計値通りに施工した場合にも、可動屋根は脱輪した
り落下することなく円滑に開閉作動される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1〜図6は本発明の開
閉屋根の開閉移動部構造の一実施形態を示し、図1は開
閉屋根の片側部分の断面図、図2は可動屋根の支持部の
平面図、図3は該支持部の正面図、図4は図2中A−A
線断面図、図5は図2中B−B線断面図、図6は皿ばね
のばね特性図である。
【0011】本発明の開閉屋根の開閉移動部構造の基本
構成は、固定屋根16に形成された開口部18の相対向
する側辺間に跨って可動屋根12,14が移動自在に配
置される開閉屋根10において、上記可動屋根12,1
4の支持部26に、該可動屋根12,14の上記開口部
18の上記側辺方向へ移動するのを阻止する水平方向規
制部材32と、該可動屋根12,14の荷重を支持する
鉛直方向規制部材34とを設けるとともに、上記水平方
向規制部材32に、これの規制方向の相対変位を許容す
る変位許容隙間δを設け、この変位許容隙間δに、変形
量に対して荷重変動が略一定となる荷重一定領域Rのば
ね特性Sを備えたばね部材52を介装し、このばね部材
52の荷重一定領域Rによって上記変位許容隙間δの相
対変位部分を弾発支持する。
【0012】即ち、本実施形態の開閉移動部構造を備え
た開閉屋根10は、図1に示すように可動屋根12,1
4が上下2段に配置された場合を示し、各可動屋根1
2,14は同様の構造をもって固定屋根16側に支持さ
れ、この固定屋根16に形成した開口部18を開閉する
ようになっている。固定屋根16には開口部18の両側
に沿って鉛直壁20が設けられ、この鉛直壁20の内面
には上下2段に棚板22,24が水平に設けられ、これ
ら鉛直壁20および棚板22,24の結合体が開口部1
8の側辺となって配置される。それぞれの棚板22,2
4の上面には、上記可動屋根12,14がそれぞれ支持
部26を介して移動自在に支持される。
【0013】上記可動屋根12,14の各支持部26は
同様の構成となり、その1つを図2〜図5に示す。この
支持部26は図1に示したトラス構造として構成される
屋根本体28の端部を取り付ける支持部本体30と、こ
の支持部本体30の側方に設けられる水平方向規制部材
としての水平車輪32と、支持部本体30の下方に設け
られる鉛直方向規制部材としての鉛直車輪34とを備え
る。水平車輪32および鉛直車輪34はそれぞれ2個が
1組となり、それぞれは車輪支持部材36,38に回転
自在に取り付けられる。各車輪支持部材36,38の中
央部は、上記支持部本体30の側方および下方からそれ
ぞれ突設されるブラケット40,42にピン44,46
を介して回動自在に取り付けられている。
【0014】ここで、上記水平車輪32を取り付けた上
記ブラケット40を、上記支持部本体30にボルト48
を介して相対移動可能に取り付ける。即ち、ブラケット
40は、その中央部にボルト48を摺動自在に挿通して
これの頭部48aに係止させるとともに、このブラケッ
ト40と支持部本体30との間に変位許容隙間δを設け
てボルト48のねじ部48bを支持部本体30にナット
50で止める。これによってブラケット40は、水平車
輪32とともに上記変位許容隙間δの範囲内で支持部本
体30に対して相対移動が可能となっている。
【0015】上記変位許容隙間δには、ばね部材として
の皿ばね52が上記ボルト48に挿通されて介装され、
この皿ばね52によってブラケット40が支持部本体3
0から離れる方向に押圧されて弾発支持される。本実施
形態では上記皿ばね52は4枚が使用され、これら皿ば
ね52は隣接されるものどうしで表裏が交互に配置され
る。皿ばね52は図6に示す非線形のばね特性Sを備
え、変形量xに対して荷重P変動が略一定となる荷重一
定領域Rが存在し、そして、上記変位許容隙間δに介装
された状態で皿ばね52は該荷重一定領域Rに設定され
る。
【0016】上記鉛直壁20および上記棚板22,24
には、水平車輪32および鉛直車輪34に対応する位置
に第1レール54および第2レール56が開口部18の
両側辺に沿って連続して配置され、第1レール54に水
平車輪32が当接して転動するとともに、第2レール5
6に鉛直車輪34が当接して転動する。そして、水平車
輪32が第1レール54に当接することにより、可動屋
根12,14の開口部18両側方向(図1中左右方向)
の移動を阻止するとともに、鉛直車輪34は第2レール
56に当接して可動屋根12,14の荷重を支持する。
【0017】ところで、上記車輪支持部材36には、鉛
直壁20に対向する側の中央部に鍔部58を設ける一
方、該鉛直壁20には鍔部58に係合する1対のL字状
ストッパー60を、車輪支持部材36を両側から挟むよ
うに固定し、水平車輪32が第1レール54から離れる
方向の移動を阻止してある。また、同様に車輪支持部材
38の棚板22,24側中央部に鍔部62を設けるとと
もに、棚板22,24に該鍔部62に係合する1対のL
字状ストッパー64を固定し、鉛直車輪34が浮き上が
るのを阻止してある。
【0018】以上の構成により本実施形態の開閉屋根の
開閉移動部構造にあっては、可動屋根12,14が図外
の駆動手段、例えばウインチに巻き取られるロープを接
続するなどして移動することにより、開口部18を開閉
することができる。これら可動屋根12,14の移動時
には、水平車輪32が第1レール54に当接して転動す
ることにより、開口部18両側方向の位置が規制される
とともに、鉛直車輪34は可動屋根12,14の荷重を
支持しつつ第2レール56を転動する。
【0019】従って、可動屋根12,14の両端部にス
ラスト力や引張力等の水平力が作用した場合に、この水
平力は水平車輪32が第1レール54を押圧する方向ま
たは引き離す方向に作用する。このとき、本実施形態で
は変位許容隙間δを設けて皿ばね52を介装してあるの
で、上記第1レール54を横移動させる水平力は皿ばね
52が変形しつつ変位許容隙間δが相対変位(δの間隔
変化)することで吸収される。また、上記皿ばね52の
ばね特性は荷重一定領域Rに設定されているため、可動
屋根12,14から開口部18の両側辺、つまり鉛直壁
20に作用する水平力を一定に保持することができる。
従って、可動屋根12,14の変形および部材応力を当
初の設計値に保って施工した場合にも、鉛直車輪34が
開口部18の両側方向に位置変化することがないので、
鉛直車輪34は脱輪することなく第2レール56を転動
する状態を維持し、可動屋根12,14を円滑に移動す
る。
【0020】また、上記皿ばね52を設けたことによ
り、地震による水平方向の振動を効果的に吸収すること
ができる。このとき、図1に示すように上記皿ばね52
と並列関係をもってオイルダンパー等の粘性減衰部材7
0を設置することにより、この粘性減衰部材70によっ
て地震振動を減衰できる。
【0021】ところで、本実施形態では可動屋根12,
14を2段に構成したが、これに限ることなく可動屋根
は1段または3段以上の複数段に構成したものにあって
本発明を適用できることは勿論である。
【0022】また、上記皿ばね52は4枚用いた場合を
示したが、この枚数に限ることなく皿ばね52の許容支
持力に応じてその枚数を任意に決定することができる。
このとき、ばね部材としては皿ばね52に限ることな
く、荷重一定領域Rを備える限りにおいていかなる種類
のばね、例えばコイルスプリングや板ばねを用いること
もできる。
【0023】更に、水平方向規制部材および鉛直方向規
制部材として水平車輪32および鉛直車輪34を用いた
場合を示したが、これら車輪に代えて摺動部材やベアリ
ングを用いたころ部材等を用いても構成することができ
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の開閉屋根の
開閉移動部構造にあっては、水平方向規制部材に設けた
変位許容隙間に荷重一定領域を備えたばね部材を介装し
たので、開口部の相対向する側辺に作用する水平力は該
ばね部材の変形によって吸収され、可動屋根の支持点が
移動するのを阻止することができる。また、該ばね部材
は荷重一定領域のばね特性が用いられるため、可動屋根
から固定屋根に及ぼす水平力を一定に保持し、水平方向
規制部材および鉛直方向規制部材と固定屋根との相対位
置が変化するのを防止することができる。従って、可動
屋根の変形および部材応力を当初の設計値通りに施工し
て屋根部分の軽量化を図った場合にも、可動屋根の脱輪
や落下を防止して、円滑に開閉作動させることができる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す開閉屋根の片側部分
の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す可動屋根の支持部の
平面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す可動屋根の支持部の
正面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す図2中A−A線断面
図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す図2中B−B線断面
図である。
【図6】本発明の一実施形態を示す皿ばねのばね特性図
である。
【図7】従来の可動屋根における水平力を示す説明図で
ある。
【図8】従来の開閉屋根を示す概略平面図である。
【符号の説明】
10 開閉屋根 12,14 可動屋根 16 固定屋根 18 開口部 20 鉛直壁(側辺) 22,24 棚板(側辺) 26 支持部 32 水平車輪(水平方向規制部材) 34 鉛直車輪(鉛直方向規制部材) 52 皿ばね(ばね部材) δ 変位許容隙間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定屋根に形成された開口部の相対向す
    る側辺間に可動屋根が移動自在に配置される開閉屋根に
    おいて、 上記可動屋根の支持部に、該可動屋根が上記開口部の上
    記側辺方向へ移動するのを阻止する水平方向規制部材
    と、該可動屋根の荷重を支持する鉛直方向規制部材とを
    設けるとともに、上記水平方向規制部材に、これの規制
    方向の相対変位を許容する変位許容隙間を設け、この変
    位許容隙間に、変形量に対して荷重変動が略一定の荷重
    一定領域のばね特性を備えたばね部材を介装したことを
    特徴とする開閉屋根の開閉移動部構造。
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