JP2001081202A - 熱伝導性成形体およびその製造方法ならびに導体回路用樹脂基板 - Google Patents

熱伝導性成形体およびその製造方法ならびに導体回路用樹脂基板

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JP2001081202A JP25601099A JP25601099A JP2001081202A JP 2001081202 A JP2001081202 A JP 2001081202A JP 25601099 A JP25601099 A JP 25601099A JP 25601099 A JP25601099 A JP 25601099A JP 2001081202 A JP2001081202 A JP 2001081202A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱伝導性が良好な熱伝導性成形体およびその製
造方法ならびに導体回路用樹脂基板 【解決手段】ポリベンザゾール短繊維を含む高分子組成
物に磁場を印加させて組成物中のポリベンザゾール短繊
維を一定方向に配向させたのちに固化させる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導性が良好な
熱伝導性成形体およびその製造方法ならびに導体回路用
樹脂基板に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電子機器の高性能化、小型化、軽
量化にともなう半導体パッケージの高密度実装化やLS
Iの高集積化、高速化などによって、電子機器から発生
する熱対策が非常に重要な課題になっている。通常、発
熱する素子の熱を拡散させるには、熱伝導性が良い金属
やセラミックス製のプリント配線基板を使用する方法、
基板内に熱を放散させるサーマルビアホールを形成する
方法、半導体パッケージ材料として熱伝導性が良い金属
やセラミックスあるいは樹脂を使用する方法、発熱源と
放熱器の間や熱源と金属製伝熱板の間に接触熱抵抗を下
げる目的で熱伝導率の大きなグリスや柔軟性のある熱伝
導性ゴム材料を介在させる方法、冷却ファンやヒートパ
イプ、熱拡散板を使用する方法などが実施されている。
【0003】半導体パッケージなどの電子部品を実装す
る配線基板に使用される従来の樹脂基板、すなわちガラ
スクロスエポキシ基板などは、他の金属基板やセラミッ
ク基板と比較すると、機械的性質や寸法精度、スルーホ
ール加工性、多層化などは比較的に良好であるけれど
も、熱伝導性が劣ることが一つの欠点であった。
【0004】そこで、高い熱伝導性を要求される樹脂基
板には、樹脂中に熱伝導率が大きい酸化アルミニウムや
窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化アルミニウムなどの
金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物な
どの電気絶縁性充填剤を充填する方法が検討されていた
が、必ずしも充分な熱伝導性は得られていなかった。
【0005】
【発明が課題しようとする課題】特開平9−25587
1号公報によれば、ポリベンザゾール短繊維を含有する
熱可塑性樹脂組成物および成形品が提唱されている。こ
の発明は、耐衝撃性、強靭性、電気絶縁性、熱伝導性を
備える硬質の樹脂組成物および基板材料やケース材料な
どの成形品である。しかし、この成形品はポリベンザゾ
ール短繊維をランダムに分散させたものであるため、ポ
リベンザゾール短繊維の特徴である繊維方向に大きい熱
伝導率を生かしていない。そのため、ポリベンザゾール
短繊維を多量に添加しても、得られる成形品の熱伝導率
はさほど向上しなかった。
【0006】また、本出願人による特願平11−166
089号公報のポリベンザゾール短繊維を含有する熱硬
化性樹脂組成物およびそれを用いた熱伝導成形品もポリ
ベンザゾール短繊維をランダムに分散させたものであ
り、同様にポリベンザゾール短繊維の繊維方向に大きい
熱伝導率を十分に生かせなかった。
【0007】一方、特開平11−17369号公報は、
有機繊維を合成樹脂中に、その樹脂の長さ方向に配した
一定直径の合成樹脂線材からなる放熱材である。この放
熱材は、プルトルージョンロッドからなる直径5mm以
下で、長さが4mm以上の合成樹脂線材を配置するもの
であり、本発明の目的とする熱伝導性成形体や導体回路
用樹脂基板を得ることができない。
【0008】本出願人による特願平11−79228号
公報によれば、特開平11−17369号公報では得ら
れなかった板状などの熱伝導性成形体が製造できるけれ
ども、ポリベンザゾール長繊維を高分子中に長繊維状と
して配列しているので、後工程の切断加工が困難なこと
が問題であった。
【0009】なお、本出願人による特願平11−874
83号公報では、熱伝導率が20W/m・K以上の反磁
性充填材を高分子中に一定方向に配向させているけれど
も、反磁性充填材としてポリベンザゾール短繊維は対象
として考えられていなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために鋭意検討した結果、ポリベンザゾール短繊維が高
分子中に一定方向に配向されてなることを特徴とする熱
伝導性成形体が、熱伝導性に異方性があり、かつ熱伝導
性にすぐれること、および、ポリベンザゾール短繊維が
磁場中で磁力線に沿って配向する性質を有することを応
用し、容易に製造できる熱伝導性成形体の製造方法を見
出し本発明に到達した。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、ポリベンザ
ゾール短繊維が高分子中に一定方向に配向されてなるこ
とを特徴とする熱伝導性成形体、さらに、ポリベンザゾ
ール短繊維を含む高分子組成物に磁場を印加させて組成
物中のポリベンザゾール短繊維を一定方向に配向させた
のちに固化させることを特徴とする熱伝導性成形体の製
造方法、ならびに厚み方向にポリベンザゾール短繊維が
磁場配向された導体回路用樹脂基板である。
【0012】本発明で使用するポリベンザゾール短繊維
は、ポリベンザゾールポリマーより構成される短繊維で
あり、ポリベンザゾール(PBZ)とは、ポリベンゾオ
キサゾールホモポリマー(PBO)、ポリベンゾチアゾ
ールホモポリマー(PBT)およびそれらPBO、PB
Tのランダムコポリマー、シーケンシャルコポリマー、
ブロックコポリマーあるいはグラフトコポリマーを意味
するものである。ポリベンザゾール短繊維の直径、断面
形状等については特定するものではないけれども、ポリ
ベンザゾール短繊維の長さは3mm以下であることが好
ましい。3mmよりも長いポリベンザゾール短繊維を用
いると、高分子に均一に分散しにくく、組成物としての
粘度が上昇して成形性が悪化するので好ましくない。よ
り好ましいポリベンザゾール短繊維の長さは2mm以
下、さらに好ましくは1mm以下、さらに好ましくは
0.5mm以下である。
【0013】高分子に含有させるポリベンザゾール短繊
維の量は、高分子100重量部に対して0.1〜50重
量部が好ましい。0.1重量部よりも少ないと熱伝導性
の向上効果が小さく、50重量部を越えて含有させると
組成物の粘度が増大して流動性が損なわれて成形加工が
困難になり、かつ気泡の混入が避けられないので不適で
ある。さらに好ましいポリベンザゾール短繊維の添加量
は0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量
部である。
【0014】ポリベンザゾール短繊維は、ポリベンザゾ
ール長繊維を一定長さに切断する方法などによって製造
することが可能であり、市販品(東洋紡績株式会社製
商品名=ザイロン)を容易に入手することができる。ポ
リベンザゾール短繊維の引張強度については、4GPa
以上で、かつ初期引張弾性率が140GPa以上を有す
ることが好ましい。引張強度、初期引張弾性率がこの範
囲であるポリベンザゾール短繊維を使用することによっ
て、本発明の熱伝導性成形体および配線基板はより高い
熱伝導性およびその異方性を発現することができる。
【0015】なお、ポリベンザゾール短繊維以外の繊維
として、少量のアラミド繊維やポリエステル繊維、脂肪
族ポリアミド繊維、ビニロン繊維などの有機繊維、天然
繊維、炭素繊維、金属繊維、さらにこれらの繊維を複合
した複合繊維からなる短繊維や長繊維、あるいはそれら
の少量の織布や不織布などを混在させることも可能であ
る。
【0016】本発明で用いる高分子の種類は特に限定す
るものではない。目的とする熱伝導性成形体および配線
基板の硬さや熱伝導率、機械的強度、耐熱性、電気的特
性、耐久性、信頼性などの要求性能に応じて熱可塑性樹
脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、架橋ゴムな
どを選択できる。ポリベンザゾール短繊維を高濃度で充
填する場合に使用する原料となる高分子としては、液状
物あるいは溶融状態での粘度が低い高分子が好ましい。
また、高分子を溶剤で溶解して低粘度化することによっ
て、ポリベンザゾール短繊維の濃度を大きくしたり、磁
場雰囲気での配向を促したりすることもできる。
【0017】高分子として使用する熱可塑性樹脂や熱可
塑性エラストマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンプロピレン共重合体などのエチレンαオ
レフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アセタール、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオ
ロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレ
ンアクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニ
レンエーテルおよび変性PPE樹脂、脂肪族および芳香
族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
メタクリル酸およびそのメチルエステルなどのポリメタ
クリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリ
エーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテ
ルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹
脂、アイオノマー等の熱可塑性樹脂、スチレンブタジエ
ンまたはスチレンイソプレンブロック共重合体とその水
添ポリマーおよびスチレン系熱可塑性エラストマー、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑
性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド
系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー等が
挙げられる。
【0018】熱硬化性樹脂や架橋ゴムとしては、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾ
シクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂、熱硬化型ポリ
フェニレンエーテルおよび変性PPE樹脂、天然ゴム、
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエン
共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロ
プレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチ
レン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴムおよ
びハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、
シリコーンゴム等の架橋ゴム等が挙げられる。
【0019】本発明の熱伝導性成形体は、これらの高分
子のなかでもシリコーンゴム、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビス
マレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フッ素樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂より選ばれる少なくと
も1種の高分子を用いることが耐熱性や電気的信頼性の
観点から好ましい。
【0020】さらに、これらの高分子は、ポリベンザゾ
ール短繊維を混合する際には低粘度の液体、または加熱
溶融時には低粘度化することが可能で、かつ磁場を印加
したときにポリベンザゾール短繊維が配向しやすい。誘
電率、誘電正接が小さくて高周波領域での特性を要求さ
れる配線基板用途などには、フッ素樹脂や熱硬化型ポリ
フェニレンエーテル樹脂や変性PPE樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂が好ましい。さらに、これらの高分子から選
択される複数の高分子からなるポリマーアロイを使用し
ても差し支えない。また、架橋性高分子についての架橋
方法については熱硬化性に限定せず、光硬化性、湿気硬
化性などの公知の架橋方法による高分子を使用すること
ができる。
【0021】本発明の熱伝導性成形体に、さらに他の熱
伝導性充填剤として熱伝導率が大きい酸化アルミニウム
や窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、炭化ケイ
素、水酸化アルミニウムなどの金属酸化物、金属窒化
物、金属炭化物、金属水酸化物などの金属や合金からな
る球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状、ウィスカー状な
どの少量の充填剤を併用しても差し支えない。
【0022】高分子中にポリベンザゾール短繊維を一定
方向に配向させる方法としては、流動場あるいはせん断
場を利用する方法、磁場を利用する方法、電場を利用す
る方法などが挙げられる。いずれの方法によってもポリ
ベンザゾール短繊維を高分子中で一定方向に配向させる
ことができ、本発明の熱伝導性成形体を得ることができ
る。けれども、本発明ではポリベンザゾール短繊維の磁
化率の異方性を利用し、磁場を印加してポリベンザゾー
ル短繊維を配向させる方法が、特に任意の方向にポリベ
ンザゾール短繊維を配向させることができ、すぐれた熱
伝導性およびその異方性を有す熱伝導性成形体を製造す
る方法として適している。なお、本発明者らがポリベン
ザゾール繊維(東洋紡績株式会社製 ザイロンHM)の
異方性磁化率χを磁気異方性トルク計(株式会社玉川
製作所)で測定したところ、6.1×10−7であっ
た。
【0023】すなわち、ポリベンザゾール短繊維を含む
高分子組成物に磁場を印加させて組成物中のポリベンザ
ゾール短繊維を一定方向に配向させて固化させることが
本発明の熱伝導性成形体の製造方法の特徴である。
【0024】外部から磁場を印加して高分子組成物中の
ポリベンザゾール短繊維を磁力線に沿って一定方向に配
向させ、配向したポリベンザゾール短繊維の繊維方向の
高熱伝導性を生かし、一定方向の熱伝導率を著しく向上
させた熱伝導性成形体を得ることができる。
【0025】例えば、板状の熱伝導性成形体の厚み方向
にポリベンザゾール短繊維を揃えて配向させるには、厚
み方向に永久磁石や電磁石のN極とS極を対向させ磁力
線の向きが所望のポリベンザゾール短繊維の配向方向に
対応するように設置する。一方、板状の熱伝導性成形体
の面内の縦方向と横方向あるいは縦横の水平方向に一定
方向の熱伝導性を向上させる場合には、厚み方向に対し
て垂直の方向に磁石のN極とS極を対向させればポリベ
ンザゾール短繊維を面内の方向に揃えて配向させること
ができる。あるいは、磁石のN極とN極、またはS極と
S極を厚み方向に対向させてもポリベンザゾール短繊維
を面内方向に揃えることができる。
【0026】また、磁力線は必ずしも直線状でなくても
良く、曲線状や矩形、あるいは2方向以上であってもか
まわない。すなわち、任意の一定方向にポリベンザゾー
ル短繊維を配向させて熱伝導性の異方性を付与させるこ
とが可能である。また、磁石については必ずしも両側に
対向させる必要はなく、片側のみに配置した磁石によっ
ても原料組成物中のポリベンザゾール短繊維を配向させ
ることが可能である。
【0027】外部磁場として使用する磁場発生手段とし
ては永久磁石でも電磁石でもコイルでも差し支えないけ
れども、磁束密度としては0.05テスラ〜30テスラ
の範囲が実用的なポリベンザゾール短繊維の配向が達成
できる。また、本発明はポリベンザゾール短繊維の非常
に弱い異方性磁化率を利用するので、より強い磁場雰囲
気で、ポリベンザゾール短繊維を十分に配向させてか
ら、熱硬化反応や冷却させることによってマトリックス
の高分子を固化させる必要がある。配向しやすい好まし
い磁束密度は0.5テスラ以上、さらに好ましくは1テ
スラ以上である。
【0028】ポリベンザゾール短繊維と高分子との濡れ
性や接着性を向上させるために、ポリベンザゾール短繊
維の表面をあらかじめ脱脂や洗浄処理したり、紫外線照
射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、イ
オン注入などの活性化処理を施すことが好ましい。さら
に、これらの表面処理後にシラン系やチタン系、アルミ
ニウム系などの通常のカップリング剤で処理することに
よって、さらに多量のポリベンザゾール短繊維を容易に
分散混合しやすくなり、得られる成形品の一層の高熱伝
導率化が達成できる。
【0029】本発明の熱伝導性成形体は、高い熱伝導性
が要求される放熱板や配線基板、放熱ゴムシート、半導
体パッケージ用部品、ヒートシンク、ヒートスプレッダ
ー、筐体などに応用することができる。
【0030】本発明の導体回路用樹脂基板は、基板の厚
み方向にポリベンザゾール短繊維が磁場配向されたこと
を特徴とする。この基板上に導体回路を形成する方法と
しては、基板と導体箔を張り合わせて回路を形成する方
法、あらかじめ回路が形成されている導体回路を基板と
張り合わせる方法、導体回路を印刷などで直接形成する
方法など公知の方法で得ることができる。
【0031】なお、ポリベンザゾール短繊維は電気絶縁
性にすぐれ、本発明の配線基板に用いる樹脂基板も電気
絶縁性が良好なために、導体回路を積層する際に使用す
る接着剤は、公知の電気絶縁性の接着剤を用いれば良
い。接着剤中に、酸化アルミニウムや窒素ホウ素などの
熱伝導性充填剤を配合すると放熱特性がさらに向上す
る。
【0032】図8〜図11は、発熱する半導体素子と伝
熱部材である放熱器、配線基板、ヒートシンク、筐体な
どの間に、本発明で得られる板状の熱伝導性成形体を介
在させた例である。 図8はボールグリッドアレイ型半
導体パッケージ8aと放熱器9の間隙に本発明の熱伝導
性成形体1を配置し、さらに本発明の導体回路樹脂基板
7を用いた例である。
【0033】図9は本発明の熱伝導性成形体1をチップ
サイズ半導体パッケージ8bと導体回路樹脂基板7の間
隙に配置した例である。
【0034】図10は本発明の熱伝導性成形体1をピン
グリッドアレイ型半導体パッケージ8cとヒートシンク
10の間隙に配置し、さらに本発明の導体回路樹脂基板
7を用いた例である。
【0035】図11は本発明の熱伝導性成形体1を発熱
する複数の半導体素子11と筐体12の間隙に配置し、
さらに本発明の導体回路樹脂基板7を用いた例である。
【0036】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳し
く説明する。なお、下記の実施例、比較例の熱伝導率
は、レーザーフラッシュ式熱伝導率計(真空理工株式会
社製TC−7000)で測定して算出した値である。
【0037】比較例1、比較例2はポリベンザゾール短
繊維を配向させずに高分子中に充填した従来の成形体で
あり熱伝導率は小さい。本発明の実施例1〜実施例5の
熱伝導成形体は、ポリベンザゾール短繊維を含む高分子
組成物に磁場を印加させて組成物中のポリベンザゾール
短繊維を一定方向に配向させて固化させた熱伝導成形体
であり、その配向させた繊維方向の熱伝導率が大きい特
徴がある。実施例6は本発明の導体回路樹脂基板の例で
あり、比較例3の配線基板よりも熱抵抗が小さく放熱特
性が良い。
【0038】
【実施例1】不飽和ポリエステル樹脂(株式会社日本触
媒製 エポラックG157)100重量部に、ポリベン
ザゾール短繊維(東洋紡績株式会社製 ザイロンHM:
直径11μm、長さ0.5mm)5重量部を混合し真空
脱泡した組成物aを調製した。アルミニウム製の厚み
1.5mm、縦20mm、横20mmの板状の金型内に
組成物aを充填し、図4(1)、図4(2)、図4(3)に示
すように厚み方向に磁束密度6テスラのN極とS極が対
向する磁場雰囲気で、ポリベンザゾール短繊維を十分に
配向させた後に加熱硬化させ、板状の熱伝導性成形体を
得た。得られた熱伝導性成形体の厚み方向および面内方
向の熱伝導率はそれぞれ2.5W/m・K、0.3W/m
・Kであった。熱伝導性成形体のポリベンザゾール短繊
維は図1のように厚み方向に揃って配向していた。
【0039】
【実施例2】実施例1と同様に調整した組成物aをアル
ミニウム製の厚み1.5mm、縦20mm、横20mmの
板状の金型内に充填し、図5(1)、図5(2)、図5(3)
に示すように厚み方向に対して垂直方向に磁石のN極と
S極が対向する磁束密度6テスラの磁場雰囲気でポリベ
ンザゾール短繊維を十分に配向させた後に加熱硬化さ
せ、板状の熱伝導性成形体を得た。得られた熱伝導性成
形体の厚み方向および面内X方向、面内Y方向の熱伝導
率はそれぞれ0.3W/m・K、2.2W/m・K、
0.4W/m・Kであった。熱伝導性成形体のポリベン
ザゾール短繊維は図2のように面内方向に揃って配向し
ていた。
【0040】
【実施例3】液状エポキシ樹脂(スリーボンド株式会社
製 TB2280C)100重量部に、ポリベンザゾー
ル短繊維(東洋紡績株式会社製 ザイロンHM:直径1
1μm、長さ1mm)3重量部を混合し真空脱泡して組
成物bを調製した。組成物bをアルミニウム製の厚み3
mm、縦20mm、横20mmの板状の金型内に充填
し、図4(1)、図4(2)、図4(3)に示すように厚み方
向に磁束密度10テスラのN極とS極が対向する磁場雰
囲気でポリベンザゾール短繊維を十分に配向させた後に
加熱硬化させ、板状の熱伝導性成形体を得た。得られた
熱伝導性成形体の厚み方向および面内方向の熱伝導率は
それぞれ1.1W/m・K、0.3W/m・Kであった。熱
伝導性成形体のポリベンザゾール短繊維は図1のように
厚み方向に揃って配向していた。
【0041】
【実施例4】実施例3と同様に調整した組成物bをアル
ミニウム製の厚み3mm、縦20mm、横20mmの板
状の金型内に充填し、図5(1)、図5(2)、図5(3)に
示すように厚み方向に対して垂直方向に磁石のN極とS
極が対向する磁束密度10テスラの磁場雰囲気でポリベ
ンザゾール短繊維を十分に配向させた後に加熱硬化さ
せ、板状の熱伝導性成形体を得た。得られた熱伝導性成
形体の厚み方向および面内X方向、面内Y方向の熱伝導
率はそれぞれ0.3W/m・K、1.2W/m・K、0.3W
/m・Kであった。熱伝導性成形体のポリベンザゾール
短繊維は図2のように面内方向に揃って配向していた。
【0042】
【実施例5】液状シリコーンゴム(GE東芝シリコーン
株式会社製 TSE3070)100重量部に、ポリベ
ンザゾール短繊維(東洋紡績株式会社製 ザイロンH
M:直径11μm、長さ0.1mm)20重量部、酸化ア
ルミニウム粉末(昭和電工株式会社製 AS−20)5
0重量部を混合し真空脱泡した組成物cを調製した。ア
ルミニウム製の厚み0.5mm、縦20mm、横20mm
の板状の金型内に組成物cを充填し、図4(1)、図4
(2)、図4(3)に示すように厚み方向に磁束密度10
テスラのN極とS極が対向する磁場雰囲気でポリベンザ
ゾール短繊維を十分に配向させた後に加熱硬化させ、柔
軟なゴムシート状の熱伝導性成形体を得た。得られた熱
伝導性成形体の厚み方向および面内方向の熱伝導率はそ
れぞれ4.1W/m・K、0.5W/m・Kであった。熱伝導
性成形体のポリベンザゾール短繊維は図1のように厚み
方向に揃って配向していた。
【0043】
【実施例6】実施例1と同様に調整した組成物cをアル
ミニウム製の厚み0.5mm、縦20mm、横20mmの
板状の金型内に充填し、図5(1)、図5(2)、図5(3)
に示すように厚み方向に対して垂直方向に磁石のN極と
S極が対向する磁束密度10テスラの磁場雰囲気でポリ
ベンザゾール短繊維を十分に配向させた後に加熱硬化さ
せ、柔軟なゴムシート状の熱伝導性成形体を得た。得ら
れた熱伝導性成形体の厚み方向および面内X方向、面内
Y方向の熱伝導率はそれぞれ0.5W/m・K、3.8W/m
・K、0.5W/m・Kであった。熱伝導性成形体のポリ
ベンザゾール短繊維は図2のように面内方向に揃って配
向していた。
【0044】
【実施例7】スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成
工業株式会社製 タフテックH1053)100重量部
に、溶剤としてトルエン2000重量部を加えて溶解
し、ポリベンザゾール短繊維(東洋紡績株式会社製 ザ
イロンHM:直径11μm、長さ1mm)5重量部を混
合して溶液状の組成物dを調製した。組成物dをアルミ
ニウム製の縦20mm、横20mm、深さ40mmの箱
状の金型内に充填し、図4(1)、図4(2)、図4(3)に
示すように厚み方向に磁束密度6テスラのN極とS極が
対向する磁場雰囲気でポリベンザゾール短繊維を十分に
配向させた後に溶剤のトルエンを揮発させ加熱乾燥後、
ゴムシート状の熱伝導性成形体を得た。得られた熱伝導
性成形体の厚み方向および面内方向の熱伝導率はそれぞ
れ1.2W/m・K、0.3W/m・Kであった。熱伝導性成
形体のポリベンザゾール短繊維は図1のように厚み方向
に揃って配向していた。
【0045】
【比較例1】不飽和ポリエステル樹脂(株式会社日本触
媒製 エポラックG157)100重量部に、ポリベン
ザゾール短繊維(東洋紡績株式会社製 ザイロンHM:
直径11μm、長さ0.5mm)5重量部を混合し真空脱
泡して組成物aを調製した。アルミニウム製の厚み1.
5mm、縦20mm、横20mmの板状の金型内に組成
物aを充填して加熱硬化させ、板状の熱伝導性成形体を
得た。得られた熱伝導性成形体の厚み方向および面内方
向の熱伝導率はそれぞれ0.3W/m・K、0.4W/m・K
であった。熱伝導性成形体のポリベンザゾール短繊維は
配向せず図3のようにランダムに分散していた。
【0046】
【比較例2】液状シリコーンゴム(GE東芝シリコーン
株式会社製 TSE3070)100重量部に、ポリベ
ンザゾール短繊維(東洋紡績株式会社製 ザイロンH
M:直径11μm、長さ0.1mm)20重量部、酸化ア
ルミニウム粉末(昭和電工株式会社製 AS−20)5
0重量部を混合し真空脱泡した組成物cを調製した。ア
ルミニウム製の厚み0.5mm、縦20mm、横20mm
の板状の金型内に組成物cを充填し加熱硬化させ、柔軟
なゴムシート状の熱伝導性成形体を得た。得られた熱伝
導性成形体の厚み方向および面内方向の熱伝導率はそれ
ぞれ0.2W/m・K、0.3W/m・Kであった。熱伝導性
成形体のポリベンザゾール短繊維は配向せず図3のよう
にランダムに分散していた。
【0047】
【実施例8】実施例1にて得られた板状の熱伝導性成形
体にエポキシ系接着剤を塗布後、35μmの銅箔をプレ
スで加圧接着し、銅箔をエッチングして導体回路5を形
成して、図6のような配線基板6を作製した。トランジ
スター(株式会社東芝製 TO−220)を半田付け
し、反対面を冷却ファンで冷却しながら通電し、トラン
ジスターと導体回路樹脂基板の温度差より熱抵抗を求め
たところ、0.35℃/Wであった。
【0048】
【比較例3】比較例1にて得られた板状の熱伝導性成形
体にエポキシ系接着剤を塗布後、35μmの銅箔をプレ
スで加圧接着し、銅箔をエッチングして導体回路6を形
成して、図7のような配線基板14を作製した。トラン
ジスター(株式会社東芝製TO−220)を半田付け
し、反対面を冷却ファンで冷却しながら通電し、トラン
ジスターと配線基板の温度差より熱抵抗を求めたとこ
ろ、0.68℃/Wであった。
【0049】
【発明の効果】本発明の熱伝導性成形体の製造方法によ
れば、ポリベンザゾール短繊維を高分子中で一定方向に
配向させて固化させてあるので、その任意に配向した繊
維方向の熱伝導性がすぐれた熱伝導性成形体を容易に製
造することができる。さらに、本発明の導体回路用樹脂
基板は、基板の厚み方向にポリベンザゾール短繊維が磁
場配向しているのでその方向の熱抵抗が小さい。従っ
て、発熱量が大きいCPU(中央演算素子)や電源、プ
ラズマディスプレイ用などの様々なデバイスを実装する
際に放熱特性にすぐれる有用な電気製品を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】厚み方向にポリベンザゾール短繊維を配向した
本発明の熱伝導性成形体
【図2】面方向にポリベンザゾール短繊維を配向した本
発明の熱伝導性成形体
【図3】従来の成形体中のポリベンザゾール短繊維の分
散状態を示す概観図
【図4】本発明の熱伝導性成形体の製造方法を示す図
【図5】本発明の熱伝導性成形体の他の製造方法を示す
【図6】本発明の熱伝導性成形体を使用した配線基板
【図7】従来の熱伝導性成形体を使用した配線基板
【図8】本発明の熱伝導性成形体および導体回路用樹脂
基板を使用した例
【図9】本発明の熱伝導性成形体および導体回路用樹脂
基板を使用した例
【図10】本発明の熱伝導性成形体および導体回路用樹
脂基板を使用した例
【図11】本発明の熱伝導性成形体および導体回路用樹
脂基板を使用した例
【符号の説明】
1 熱伝導性成形体 2 ポリベンザゾール短繊維 3 金型 4 磁石 5 導体回路 6 本発明の導体回路用樹脂基板 7 導体回路樹脂基板 8a、8b、8c 半導体素子 9 放熱器 10 ヒートシンク 11 半導体素子 12 筐体 13 従来のポリベンザゾール短繊維を含む成形体 14 従来の配線基板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月8日(1999.10.
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ポリベンザゾール短繊維は、ポリベンザゾ
ール長繊維を一定長さに切断する方法などによって製造
することが可能であり、市販品(東洋紡績株式会社製
商品名=ザイロン)を容易に入手することができる。ポ
リベンザゾール短繊維の引張強度については、4GPa
以上で、かつ初期引張弾性率が140GPa以上を有す
ることが好ましい。引張強度、初期引張弾性率がこの範
囲であるポリベンザゾール短繊維を使用することによっ
て、本発明の熱伝導性成形体および導体回路用樹脂基板
はより高い熱伝導性およびその異方性を発現することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 (72)発明者 飛田 雅之 東京都北区田端5丁目10番5号ポリマテッ ク株式会社R&Dセンター (72)発明者 小嶋 秀明 東京都北区田端5丁目10番5号ポリマテッ ク株式会社R&Dセンター Fターム(参考) 4F072 AA02 AB05 AC02 AD05 AD23 AD38 AD47 AH02 AH04 AJ04 AK05 AL11 AL13 AL14 5F036 AA01 BB08 BD21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリベンザゾール短繊維が、高分子中に一
    定方向に配向されてなることを特徴とする熱伝導性成形
  2. 【請求項2】ポリベンザゾール短繊維の長さが、3mm
    以下、含有量が、高分子100重量部に対して0.1〜
    50重量部である請求項1に記載の熱伝導性成形体
  3. 【請求項3】ポリベンザゾール短繊維を含む高分子組成
    物に、磁場を印加させ、組成物中のポリベンザゾール短
    繊維を一定方向に配向させたのちに、固化させることを
    特徴とする熱伝導性成形体の製造方法
  4. 【請求項4】厚み方向にポリベンザゾール短繊維が磁場
    配向されたことを特徴とする導体回路用樹脂基板
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