JP5015366B2 - 熱伝導性成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な熱伝導性と電気絶縁性を兼ね備えた熱伝導性成形体及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、電子機器等において半導体素子や電源、光源、部品等が発生する熱を効率よく外部へ放散させるための放熱部材及び伝熱部材として好適な熱伝導性成形体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化、軽量化に伴う半導体パッケージの高密度実装化、LSIの高集積化及び高速化等によって、電子機器から発生する熱対策が非常に重要な課題になっている。そうした中、プリント配線基板、半導体パッケージ、放熱板、筐体等を熱伝導性に優れる材料で形成する方法や、放熱板等の放熱部材と発熱源との間に熱伝導性を有する成形体(熱伝導性成形体)を介在させる方法等が従来放熱手段として採られている。
【0003】
従来の熱伝導性成形体としては、熱伝導性を向上させることを目的に、酸化アルミニウムや窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、黒鉛化炭素繊維等の熱伝導性充填材を高分子材料に配合してなる熱伝導性高分子組成物からなるものが知られている。例えば特開平9−283955号公報には、特定の平均アスペクト比の黒鉛質炭素繊維をシリコーンゴム等のマトリックス樹脂中に分散した熱伝導性シートが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平9−283955号公報に開示される熱伝導性シートは、炭素繊維が導電性であるために、プリント配線やリードピンに近接した位置で用いられる場合など、電気絶縁性を要求される用途には使用できないという問題があった。
【0005】
尚、特許第2695563号公報には、電気絶縁性を有する被膜で被覆された炭素繊維を、その被膜に対して相溶性を有する合成樹脂に均一分散した伝熱材料が提唱されている。ところが、この方法で炭素繊維を電気絶縁性被膜で被覆させることは必ずしも容易でなく、またその組成や製造方法、電気的性質に関しての詳細な記載がなく問題になっていた。
【0006】
また、特開平5−266880号公報、特開平8−31422号公報、特開平8−306359号公報によれば、リチウム二次電池の負極材料として、ホウ素化合物を含有する特定の炭素粉末が記載されている。また、特開平2−200819号公報には、ホウ素化合物を含有する特定の炭素素材が、高強度、高弾性の黒鉛繊維として開示されている。しかし、これらはいずれも熱伝導性を要求される用途とは異なる分野で検討されていた。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、良好な熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備え、電子機器等における放熱部材又は伝熱部材として好適な熱伝導性成形体及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、高分子材料に強磁性体を含まない繊維状の黒鉛化炭素粉末を配合した熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成形してなる熱伝導性成形体であって、前記黒鉛化炭素粉末は、その製造過程における炭素化処理又は黒鉛化処理をホウ素化合物の存在下にて行うことで形成されたものであり、前記ホウ素化合物が窒化ホウ素を含むことで前記黒鉛化炭素粉末は窒化ホウ素を含むホウ素化合物(但し、強磁性体を除く)の被膜を表面に備えてなり、その黒鉛化炭素粉末が、一定方向に配向していることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱伝導性成形体において、前記ホウ素化合物が、炭化ホウ素と窒化ホウ素の混合物、又は窒化ホウ素であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、高分子材料にホウ素化合物を含有し、かつ強磁性体を含まない黒鉛化炭素粉末を配合した熱伝導性高分子組成物に対して磁場を印加し、前記黒鉛化炭素粉末を一定方向に配向させた状態で前記熱伝導性高分子組成物を固化させる熱伝導性成形体の製造方法であって、前記黒鉛化炭素粉末は、その製造過程における炭素化処理又は黒鉛化処理をホウ素化合物の存在下にて行うことで形成されたものであり、前記ホウ素化合物が窒化ホウ素を含むことで前記黒鉛化炭素粉末は窒化ホウ素を含むホウ素化合物(但し、強磁性体を除く)の被膜を表面に備えてなることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の熱伝導性成形体の製造方法において、前記熱伝導性高分子組成物に対して6〜10テスラの磁場を印加することを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における熱伝導性成形体は、高分子材料に熱伝導性充填材として特定の黒鉛化炭素粉末が配合されてなる熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成形したものであり、その熱伝導性成形体中における黒鉛化炭素粉末は一定方向に配向している。
【0012】
まず、熱伝導性充填材として用いられる黒鉛化炭素粉末について説明する。
ここで用いられる黒鉛化炭素粉末にはホウ素化合物が含有されており、本実施形態の場合には、ホウ素化合物よりなる被膜が黒鉛化炭素粉末の表面に形成されている。具体的なホウ素化合物としては、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭窒化ホウ素、酸化ホウ素、塩化ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ニッケル、三フッ化ホウ素−メタノール錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体等の有機ホウ素化合物、金属ホウ素等が挙げられる。その中でも、熱伝導性及び電気絶縁性に優れる窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭窒化ホウ素が好ましく、特に窒化ホウ素が好適である。これらのホウ素化合物は、単独で含有させても、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0013】
黒鉛化炭素粉末に含有されるホウ素化合物の量は、ホウ素換算で黒鉛化炭素粉末の0.1〜20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜15重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%よりも少ないと電気絶縁性が不足し、逆に20重量%を超えると、熱伝導性が低下するため好ましくない。
【0014】
黒鉛化炭素粉末の原料としては、例えば、ナフタレンやフェナントレン等の縮合多環炭化水素化合物、石油系ピッチや石炭系ピッチ等の縮合複素環化合物等が挙げられる。その中でも石油系ピッチ又は石炭系ピッチが好ましく、特に光学的異方性ピッチ、すなわちメソフェーズピッチが好ましい。
【0015】
黒鉛化炭素粉末の形態としては、繊維状、球状、鱗片状、ウィスカー状、マイクロコイル状、ナノチューブ状等が挙げられるが、特に限定されない。黒鉛化炭素粉末の大きさも特には限定されないが、繊維状のものの場合、繊維直径は5〜20μm、平均粒径は20〜800μmが好ましい。繊維直径及び平均粒径を上記の範囲とすることにより、高分子材料への配合を容易化できるとともに、得られる熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体の熱伝導性を向上させることができる。繊維直径が5μmよりも小さい場合や平均粒径が800μmよりも大きい場合は、高分子材料中に高濃度で黒鉛化炭素粉末を充填することが困難になる。一方、繊維直径が20μmを超える場合は生産性が悪くなり、また平均粒径が20μmよりも小さいと、かさ比重が小さくなって製造工程中の取扱い性や作業性に問題が生じることがあるので好ましくない。尚、黒鉛化炭素粉末の平均粒径の値は、レーザー回折方式による粒度分布から算出することができる。
【0016】
前記被膜を有する黒鉛化炭素粉末の熱伝導率は特に限定されないが、繊維状のものの場合、繊維の長さ方向における熱伝導率で200W/m・K以上が好ましく、より好ましくは400W/m・K以上、特に好ましくは1000W/m・K以上である。
【0017】
また、高分子材料に熱伝導性充填材として配合される黒鉛化炭素粉末は、カップリング剤やサイジング剤で処理することによって表面を改質させて用いてもよい。この場合、高分子材料との濡れ性や充填性を向上させたり、界面の剥離強度を改良したりすることができる。
【0018】
次に、高分子材料について説明する。
高分子材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、架橋ゴム等が挙げられる。
【0019】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸類(ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリル酸エステル)、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、アイオノマー等が挙げられる。
【0020】
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体及びスチレン−イソプレンブロック共重合体とそれらの水添物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0021】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE樹脂等が挙げられる。
【0022】
架橋ゴムとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0023】
これらの高分子材料の中でも電気的及び熱的信頼性の点から、シリコーンゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フッ素樹脂、PPE樹脂及びポリアセタール樹脂が好ましい。また、誘電率、誘電正接が小さく、かつ高周波領域での周波数特性を要求される配線基板用途には、フッ素樹脂や熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE樹脂及びポリオレフィン系樹脂が好ましい。これらの高分子材料は、一種を単独で用いても、二種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、二種以上の高分子材料からなるポリマーアロイを使用してもよい。また、高分子材料の架橋方法については特に限定されず、熱硬化、光硬化、湿気硬化等、公知の架橋方法を採用することができる。
【0024】
続いて、上記の黒鉛化炭素粉末を高分子材料に配合して得られる熱伝導性高分子組成物、及びその熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成形した熱伝導性成形体について説明する。
【0025】
高分子材料に配合される黒鉛化炭素粉末の量は、目的とする最終製品の要求性能によって適宜決定されるが、100重量部の高分子材料に対して5〜500重量部が好ましく、10〜300重量部がより好ましく、20〜200重量部が特に好ましい。この配合量が5重量部よりも少ないと、得られる熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体の熱伝導率が小さくなって放熱特性が低下する。逆に500重量部を超えると配合組成物の粘度が増大して黒鉛化炭素粉末を均一に分散させることが困難になり、また気泡の混入が避けられず好ましくない。
【0026】
熱伝導性高分子組成物には、上述の黒鉛化炭素粉末の他に、その他の熱伝導性充填材、難燃材、軟化剤、着色材、安定剤等を必要に応じて配合してもよい。その他の熱伝導性充填材としては、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物等が挙げられる。また、その形態としては、球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状、ウィスカー状、マイクロコイル状、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ状等が挙げられる。尚、併用する充填材が導電性である場合には、得られる熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体の電気絶縁性を損ねるおそれがあるので、その配合量をなるべく少なくする方が好ましい。また、粘度を低下させるために揮発性の有機溶剤や反応性可塑剤を添加してもよい。
【0027】
熱伝導性成形体をシート状に成形する場合、その厚みは特に限定されないが、実用性の点から0.05〜10mmの範囲が好ましい。
熱伝導性成形体の熱伝導率及び電気絶縁性については特に限定されないが、熱伝導率は1W/m・K以上が好ましく、より好ましくは2W/m・K以上、特に好ましくは5W/m・K以上である。電気絶縁性は、表面抵抗値で106Ω/□以上が好ましく、より好ましくは108Ω/□以上、特に好ましくは109Ω/□以上である。
【0028】
次に上記の熱伝導性成形体の使用方法を説明する。
熱伝導性成形体は、電子機器等において半導体素子や電源、光源、部品等が発生する熱を効率よく外部へ放散させるための放熱部材及び伝熱部材等として用いられる。具体的には、シート状に加工して半導体素子等の発熱部材と放熱器等の放熱部材との間に介在させて用いたり、放熱板、半導体パッケージ用部品、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、ダイパッド、プリント配線基板、冷却ファン用部品、ヒートパイプ、筐体等に成形加工して用いられたりする。
【0029】
図1は、シート状の熱伝導性成形体を伝熱部材として用いた例を示す図である。図1(a)に示す例では、半導体素子11(ボールグリッドアレイ型半導体パッケージ)と放熱板12との間に熱伝導性成形体13が介在されている。図1(b)に示す例では、半導体素子11(チップサイズ型半導体パッケージ)とプリント配線基板14との間に熱伝導性成形体13が介在されている。図1(c)に示す例では、半導体素子11(ピングリッドアレイ型半導体パッケージ)とヒートシンク15との間に熱伝導性成形体13が介在されている。図1(d)に示す例では、複数の半導体素子11と筐体16との間に熱伝導性成形体13が介在されている。また、図2は、熱伝導性成形体をプリント配線基板として用いた例を示す図である。同図に示すプリント配線基板17は、熱伝導性高分子組成物を板状に成形してなる基板18を備え、その基板18上には銅箔などからなる導電層19が形成されている。
【0030】
次に、熱伝導性成形体の製造方法を説明する。
黒鉛化炭素粉末の原料としてピッチを用いる場合は、紡糸、不融化、炭素化及び黒鉛化の各工程を経て黒鉛化炭素繊維を製造し、その黒鉛化炭素繊維を粉砕又は切断することにより黒鉛化炭素粉末とする。尚、粉砕又は切断は、黒鉛化処理の後に限定されるものでなく、不融化処理の後に行っても、炭素化処理の後に行ってもよいが、繊維の縦割れが比較的防げることから炭素化処理の後に行うことが好ましい。また、炭素化処理の後に粉砕又は切断した場合には、黒鉛化処理の際に、粉砕又は切断して新たに露出した面において縮重合反応、環化反応が進みやすい傾向にあることから、熱伝導性に優れた黒鉛化炭素粉末を得やすいという利点もある。
【0031】
紡糸工程における紡糸方法としては、メルトスピニング法、メルトブロー法、遠心紡糸法、渦流紡糸法等が挙げられるが、紡糸時の生産性や得られる黒鉛化炭素粉末の品質の観点からメルトブロー法が好ましい。メルトブロー法の場合、数十ポイズ以下の低粘度で紡糸し、かつ高速冷却することによって、黒鉛層面が繊維軸に平行に配列しやすくなるという利点もある。
【0032】
メルトブロー法の場合、紡糸孔の直径は0.1〜0.5mmが好ましく、0.15〜0.3mmがより好ましい。紡糸孔の直径が0.1mmよりも小さいと目詰まりが生じやすく、また紡糸ノズルの製作が困難になるため好ましくない。逆に0.5mmを超えると、繊維直径が25μm以上と大きくなりやすく、また繊維直径がばらつきやすくなり品質管理上も好ましくない。紡糸速度は、生産性の面から毎分500m以上が好ましく、毎分1500mm以上がより好ましく、毎分2000m以上が特に好ましい。紡糸温度は、原料ピッチの軟化点以上でピッチが変質しない温度以下であればよいが、通常は300〜400℃、好ましくは300〜380℃である。前記紡糸温度との関係から、原料ピッチの軟化点は好ましくは230〜350℃、より好ましくは250〜310℃である。
【0033】
不融化工程における不融化処理の方法としては、二酸化窒素や酸素等の酸化性ガス雰囲気中で加熱処理する方法、硝酸やクロム酸等の酸化性水溶液中で処理する方法、光やγ線等により重合処理する方法等が挙げられるが、空気中で加熱処理する方法が簡便なことから好ましい。空気中で加熱処理する方法を採る場合、好ましくは平均昇温速度3℃/分以上で、より好ましくは5℃/分以上で、350℃程度まで昇温させながら加熱処理することが望ましい。
【0034】
続く炭素化工程における炭素化処理及びは黒鉛化工程における黒鉛化処理は、不活性ガス雰囲気中で加熱処理することによって行われる。炭素化処理の際の処理温度は好ましくは250℃以上、より好ましくは500℃以上である。また黒鉛化処理の際の処理温度は好ましくは2500℃以上、より好ましくは3000℃以上である。
【0035】
本実施形態における黒鉛化炭素粉末は、炭素化処理又は黒鉛化処理の少なくとも一方をホウ素化合物の存在下にて行うことにより得られる。その方法としては、炭素化処理又は黒鉛化処理の際にホウ素化合物を混合する方法、予め原料ピッチにホウ素化合物を混合させておき、その混合物を紡糸する方法等が挙げられる。
【0036】
粉砕又は切断処理には、ビクトリーミル、ジェットミル、高速回転ミル等の粉砕機、又はチョップド繊維で用いられる切断機等が用いられる。粉砕又は切断を効率よく行うためには、ブレードを取付けたロータを高速に回転させることにより、繊維軸に対して直角方向に繊維を寸断する方法が適切である。この粉砕又は切断処理によって生じる黒鉛化炭素粉末の平均粒径は、ロータの回転数、ブレードの角度等を調整することにより制御される。繊維の粉砕方法としてはボールミル等の磨砕機による方法もあるが、この方法の場合、繊維の直角方向への加圧力が働いて繊維軸方向への縦割れの発生が多くなるので不適当である。
【0037】
上記のようにして得られた黒鉛化炭素粉末を高分子材料に配合し、攪拌、脱泡、混練等の操作を施すことにより、熱伝導性高分子組成物が得られる。そして、その熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成形することで熱伝導性成形体が得られる。
【0038】
熱伝導性高分子組成物中における黒鉛化炭素粉末を一定方向に配向させる方法としては、流動場又はせん断場を利用する方法、磁場を利用する方法、電場を利用する方法等が挙げられる。その中でも、熱伝導性高分子組成物に磁場を印加して黒鉛化炭素粉末を磁力線と平行に配向させる方法が、効率的で、なおかつ配向方向を任意に設定できることから好ましい。前記黒鉛化炭素粉末が磁場により効果的に配向する理由としては、六方晶グラファイト構造の窒化ホウ素の結晶構造が黒鉛の結晶構造と同形状であるために両方の反磁性体が類似した磁気異方性を示すためと考えられる。
【0039】
磁場配向を利用して熱伝導性成形体を製造する場合には、金型のキャビティ内に注入された前記熱伝導性高分子組成物に対して磁場を印加し、その熱伝導性高分子組成物中に含まれる黒鉛化炭素粉末を一定方向に配向させた状態で熱伝導性高分子組成物を固化させる。
【0040】
例えば図3に示すような板状の熱伝導性成形体21において黒鉛化炭素粉末を厚み方向(図3におけるZ軸方向)に配向させる場合には、図4(a)に示すように、磁力線Mの向きが熱伝導性成形体21(図3参照)の厚み方向に一致するように磁場発生手段22を配置して、金型23のキャビティ23a内に注入された熱伝導性高分子組成物24に対して磁場を印加する。また、熱伝導性成形体21の面内方向(図3におけるX軸方向、Y軸方向等)に黒鉛化炭素粉末を配向させる場合には、図4(a)に示すように、磁力線Mの向きが熱伝導性成形体21(図3参照)の面内方向に一致するように磁場発生手段22を配置して、金型23のキャビティ23a内に注入された熱伝導性高分子組成物24に対して磁場を印加する。
【0041】
尚、図4(a),(b)に示す例では、一対の磁場発生手段22を金型23を間に挟んで配置させるようにしたが、各例において一方の磁場発生手段22を省略してもよい。また、図4(a),(b)に示す例では、互いのS極とN極とが対向するように一対の磁場発生手段22を配置したが、S極同士又はN極同士が対向するように一対の磁場発生手段22を配置してもよい。さらに、磁力線Mは必ずしも直線状でなくてもよく、曲線状や矩形状でもよい。また、磁力線Mが一方向だけでなく2方向以上に延びるように磁場発生手段22を配置してもよい。
【0042】
前記磁場発生手段22としては、永久磁石、電磁石等が挙げられる。磁場発生手段によって形成される磁場の磁束密度は、0.05〜30テスラの範囲が好ましく、より好ましくは0.5テスラ以上、特に好ましくは2テスラ以上である。
【0043】
以上詳述した本実施形態によれば次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態における黒鉛化炭素粉末は、熱伝導性及び電気絶縁性を有するホウ素化合物よりなる被膜を表面に有することで、良好な熱伝導性と電気絶縁性の双方を兼ね備えている。このため、この黒鉛化炭素粉末が配合された熱伝導性成形体を電気絶縁性が要求される用途において放熱部材又は伝熱部材として使用した場合でも、電気的な障害を発生させることなくその機能を発揮することができる。
【0044】
・ 例えば繊維状の黒鉛化炭素粉末の場合、繊維の長さ方向における熱伝導性が非常に優れている。従って、この繊維状の黒鉛化炭素粉末が配合された熱伝導性成形体では、黒鉛化炭素粉末を一定方向に配向させることによってその配向方向における熱伝導性を著しく向上させることができ、熱伝導性に異方性を有する熱伝導性成形体を得ることができる。
【0045】
・ ホウ素化合物よりなる被膜は、黒鉛化炭素粉末の製造過程における炭素化処理又は黒鉛化処理をホウ素化合物の存在下にて行うことにより形成されるので、その被膜の形成を容易かつ確実とすることができる。
【0046】
・ 熱伝導性と電気絶縁性に特に優れる窒化ホウ素によって被膜を形成することで、熱伝導性と電気絶縁性を一層向上させることができる。
【0047】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
尚、各例において、熱伝導率はレーザーフラッシュ法、表面抵抗値はJIS−K6911に準拠して測定した。
【0048】
(黒鉛化炭素粉末の試作例1)
メソフェーズピッチ100%を原料に紡糸、不融化、炭素化の各工程を経て得られる炭素繊維を粉砕して炭素粉末を得た。この炭素粉末に対し、炭化ホウ素と窒化ホウ素の混合物(重量比で1:1)を混合した後、窒素雰囲気下で3000℃まで加熱して黒鉛化処理を行い、黒鉛化炭素粉末を得た。
【0049】
この黒鉛化炭素粉末の表面を電子顕微鏡及びESCA(X線光電子分光法)にて分析したところ、表面に炭化ホウ素及び窒化ホウ素よりなる被膜が観察された。黒鉛化炭素粉末の繊維直径、平均粒径、繊維の長さ方向における熱伝導率及びホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)を測定した結果を表1に示す。
【0050】
(黒鉛化炭素粉末の試作例2)
メソフェーズピッチ80重量%と窒化ホウ素20重量%の混合物を紡糸して不融化した後、窒素雰囲気下で2000℃まで段階的に加熱して炭素化し、さらに3200℃まで加熱して黒鉛化処理を行い、黒鉛化炭素粉末を得た。
【0051】
この黒鉛化炭素繊維の表面を電子顕微鏡及びESCAにて分析したところ、表面に窒化ホウ素よりなる被膜が観察された。黒鉛化炭素粉末の繊維直径、平均粒径、繊維の長さ方向における熱伝導率及びホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)を測定した結果を表1に示す。
【0052】
(黒鉛化炭素粉末の試作例3)
メソフェーズピッチ100%を原料に紡糸、不融化、炭素化の各工程を経て得られる炭素繊維を粉砕して炭素粉末を得た。この炭素粉末を窒素雰囲気下で3000℃まで加熱して黒鉛化処理を行い、黒鉛化炭素粉末を得た。
【0053】
この黒鉛化炭素繊維の表面には、ホウ素化合物よりなる被膜は観察されなかった。黒鉛化炭素粉末の繊維直径、平均粒径、繊維の長さ方向における熱伝導率及びホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)を測定した結果を表1に示す。
【0054】
(黒鉛化炭素粉末の試作例4)
メソフェーズピッチ100%を原料に紡糸、不融化した後、窒素雰囲気下で2000℃まで段階的に加熱して炭素化し、さらに3200℃まで加熱して黒鉛化処理を行い、黒鉛化炭素粉末を得た。
【0055】
この黒鉛化炭素繊維の表面には、ホウ素化合物よりなる被膜は観察されなかった。黒鉛化炭素粉末の繊維直径、平均粒径、繊維の長さ方向における熱伝導率及びホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)を測定した結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
(実施例1)
試作例1の黒鉛化炭素粉末をシランカップリング剤で表面処理し、その処理後の黒鉛化炭素粉末120重量部を不飽和ポリエステル樹脂(株式会社日本触媒製エポラック)100重量部に混合して熱伝導性高分子組成物を調製した。続いて、その熱伝導性高分子組成物を所定の金型のキャビティ内に注入し、磁力線の向きが熱伝導性成形体の厚み方向に一致する磁場(磁束密度6テスラ)を印加して熱伝導性高分子組成物中の黒鉛化炭素粉末を十分に配向させた後に加熱硬化させて、厚み1.5mm×縦20mm×横20mmの板状の熱伝導性成形体を得た。
【0057】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は厚み方向に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0058】
(実施例2)
実施例1において、磁力線の向きが熱伝導性成形体の面内方向(Y軸方向)に一致する磁場をキャビティ内の熱伝導性高分子組成物に印加するように変更した。それ以外は実施例1と同様にして板状の熱伝導性成形体を作製した。
【0059】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は面内方向(Y軸方向)に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向及びY軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0060】
(実施例3)
試作例1の黒鉛化炭素粉末をシランカップリング剤で表面処理し、その処理後の黒鉛化炭素粉末80重量部を液状エポキシ樹脂(スリーボンド株式会社製 TB2280C)100重量部に混合して熱伝導性高分子組成物を調製した。続いて、その熱伝導性高分子組成物を所定の金型のキャビティ内に注入し、磁力線の向きが熱伝導性成形体の厚み方向に一致する磁場(磁束密度10テスラ)を印加して熱伝導性高分子組成物中の黒鉛化炭素粉末を十分に配向させた後に加熱硬化させて、厚み3mm×縦20mm×横20mmの板状の熱伝導性成形体を得た。
【0061】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は厚み方向に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0062】
(実施例4)
実施例3において、磁力線の向きが熱伝導性成形体の面内方向(Y軸方向)に一致する磁場をキャビティ内の熱伝導性高分子組成物に印加するように変更した。それ以外は実施例3と同様にして板状の熱伝導性成形体を作製した。
【0063】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は面内方向(Y軸方向)に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向及びY軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0064】
(実施例5)
試作例2の黒鉛化炭素粉末をシランカップリング剤で表面処理し、その処理後の黒鉛化炭素粉末110重量部と酸化アルミニウム粉末(昭和電工株式会社製 AS−20)60重量部とを、液状シリコーンゴム(GE東芝シリコーン株式会社製 TSE3070)100重量部に混合して熱伝導性高分子組成物を調製した。続いて、その熱伝導性高分子組成物を所定の金型のキャビティ内に注入し、磁力線の向きが熱伝導性成形体の厚み方向に一致する磁場(磁束密度10テスラ)を印加して熱伝導性高分子組成物中の黒鉛化炭素粉末を十分に配向させた後に加熱硬化させて、厚み0.5mm×縦20mm×横20mmの板状の熱伝導性成形体(アスカーC硬度17)を得た。
【0065】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は厚み方向に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0066】
(実施例6)
実施例5において、磁力線の向きが熱伝導性成形体の面内方向(Y軸方向)に一致する磁場をキャビティ内の熱伝導性高分子組成物に印加するように変更した。それ以外は実施例5と同様にして板状の熱伝導性成形体(アスカーC硬度17)を作製した。
【0067】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は面内方向(Y軸方向)に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向及びY軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0068】
(実施例7)
スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成工業株式会社製 タフテックH1053)100重量部に溶剤としてトルエン2000重量部を加えて溶解し、そこに試作例2の黒鉛化炭素粉末40重量部を混合して熱伝導性高分子組成物を調製した。続いて、その熱伝導性高分子組成物を所定の金型のキャビティ内に注入し、磁力線の向きが熱伝導性成形体の高さ方向に一致する磁場(磁束密度8テスラ)を印加して熱伝導性高分子組成物中の黒鉛化炭素粉末を十分に配向させた後に加熱硬化させて、高さ40mm×縦20mm×横20mmの熱伝導性成形体を得た。
【0069】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は高さ方向に揃って配向していた。熱伝導性成形体の高さ方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
(比較例1)
実施例1において、試作例1の黒鉛化炭素粉末に代えて試作例3の黒鉛化炭素粉末を使用するように変更するとともに、熱伝導性高分子組成物を硬化させる際の磁場の印加を省略した。それ以外は実施例1と同様にして熱伝導性成形体を作製した。
【0071】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は一定方向に配向せずランダムに分散していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向及びY軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表3に示す。
【0072】
(比較例2)
比較例1において、磁力線の向きが熱伝導性成形体の厚み方向に一致する磁場(磁束密度6テスラ)を印加して熱伝導性高分子組成物中の黒鉛化炭素粉末を十分に配向させた後に加熱硬化させるように変更した。それ以外は比較例1と同様にして熱伝導性成形体を作製した。
【0073】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は厚み方向に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表3に示す。
【0074】
(比較例3)
実施例5において、試作例2の黒鉛化炭素粉末に代えて試作例4の黒鉛化炭素粉末を使用するように変更するとともに、熱伝導性高分子組成物を硬化させる際の磁場の印加を省略した。それ以外は実施例1と同様にして熱伝導性成形体を作製した。
【0075】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は一定方向に配向せずランダムに分散していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向及びY軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表3に示す。
【0076】
(比較例4)
比較例3において、磁力線の向きが熱伝導性成形体の厚み方向に一致する磁場(磁束密度10テスラ)を印加して熱伝導性高分子組成物中の黒鉛化炭素粉末を十分に配向させた後に加熱硬化させるように変更した。それ以外は比較例3と同様にして熱伝導性成形体(アスカーC硬度17)を作製した。
【0077】
この熱伝導性成形体中の黒鉛化炭素粉末は厚み方向に揃って配向していた。熱伝導性成形体の厚み方向(Z軸方向)における熱伝導率、面内方向(X軸方向)における熱伝導率及び表面抵抗値を測定した結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
表2に示すように、ホウ素を含有する黒鉛化炭素粉末を使用した実施例1〜7の熱伝導性成形体は、熱伝導率の値と表面抵抗値の値がともに大きく、このことから熱伝導性と電気絶縁性がともに優れていることが示された。それに対して、表3に示すように、ホウ素を含有しない黒鉛化炭素粉末を使用した比較例1〜4の熱伝導性成形体は、熱伝導率の値は大きいが表面抵抗値の値は小さく、このことから熱伝導性には優れるが電気絶縁性に劣ることが示された。
【0079】
また、実施例1〜7において、黒鉛化炭素粉末の配向方向における熱伝導率の値が、その他の方向における熱伝導率の値に比べて著しく大きく、実施例1〜7の熱伝導性成形体は熱伝導性に異方性があることが示された。
【0080】
(実施例8)
実施例1の板状の熱伝導性成形体を使って配線基板を作製した。熱伝導性成形体を基板とし、その基板上にエポキシ系接着剤を塗布し、厚さ35μmの銅箔をプレスで加圧接着した後、銅箔をエッチングすることにより、基板上に導体回路を形成した。その配線基板上にトランジスタ(株式会社東芝製 TO−220)を半田付けし、反対面を冷却ファンで冷却しながら通電し、トランジスタと配線基板の温度差より熱抵抗を求めたところ、0.23℃/Wであった。
【0081】
(比較例5)
比較例2の板状の熱伝導性成形体を使って実施例8と同様にして配線基板を作製した。そして、その配線基板上にトランジスタ(株式会社東芝製 TO−220)を半田付けし、反対面を冷却ファンで冷却しながら通電したが、回路がショートして作動しなかった。
【0086】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1及び2に記載の発明によれば、良好な熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備えることができる。
【0087】
また、被膜の形成を容易かつ確実とすることができる。
【0088】
請求項3及び4に記載の発明によれば、良好な熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備えた熱伝導性成形体を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(d)は熱伝導性成形体の使用例を示す側面図。
【図2】 同じく熱伝導性成形体の使用例を示す断面図。
【図3】 四角板状の熱伝導性成形体を示す斜視図。
【図4】 (a),(b)は熱伝導性成形体の製造方法を示す概念図。
【符号の説明】
13,21…熱伝導性成形体、18…熱伝導性成形体としての基板。
Claims (4)
- 高分子材料に強磁性体を含まない繊維状の黒鉛化炭素粉末を配合した熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成形してなる熱伝導性成形体であって、
前記黒鉛化炭素粉末は、その製造過程における炭素化処理又は黒鉛化処理をホウ素化合物の存在下にて行うことで形成されたものであり、前記ホウ素化合物が窒化ホウ素を含むことで前記黒鉛化炭素粉末は窒化ホウ素を含むホウ素化合物(但し、強磁性体を除く)の被膜を表面に備えてなり、その黒鉛化炭素粉末が、一定方向に配向していることを特徴とする熱伝導性成形体。 - 前記ホウ素化合物が、炭化ホウ素と窒化ホウ素の混合物、又は窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性成形体。
- 高分子材料にホウ素化合物を含有し、かつ強磁性体を含まない黒鉛化炭素粉末を配合した熱伝導性高分子組成物に対して磁場を印加し、前記黒鉛化炭素粉末を一定方向に配向させた状態で前記熱伝導性高分子組成物を固化させる熱伝導性成形体の製造方法であって、
前記黒鉛化炭素粉末は、その製造過程における炭素化処理又は黒鉛化処理をホウ素化合物の存在下にて行うことで形成されたものであり、前記ホウ素化合物が窒化ホウ素を含むことで前記黒鉛化炭素粉末は窒化ホウ素を含むホウ素化合物(但し、強磁性体を除く)の被膜を表面に備えてなることを特徴とする熱伝導性成形体の製造方法。 - 前記熱伝導性高分子組成物に対して6〜10テスラの磁場を印加することを特徴とする請求項3に記載の熱伝導性成形体の製造方法。
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