JP2001192598A - ボールペン用光輝性水性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用光輝性水性インキ組成物

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JP2001192598A
JP2001192598A JP2000002393A JP2000002393A JP2001192598A JP 2001192598 A JP2001192598 A JP 2001192598A JP 2000002393 A JP2000002393 A JP 2000002393A JP 2000002393 A JP2000002393 A JP 2000002393A JP 2001192598 A JP2001192598 A JP 2001192598A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光輝性顔料を用いた水性インキ組成物と比較
して、より強い光輝感と立体感を併せ持つ定着性が良好
な筆跡を得ることができる。 【解決手段】 必須成分として、多重層フィルム粉、水
溶性増粘樹脂、水溶性有機溶剤及び水を含有しており、
上記多重層フィルム粉がインキ組成物全量に対して0.
01〜20重量%含まれ、さらに多重層フィルム粉を筆
跡に定着させるバインダー成分として合成樹脂エマルジ
ョンが、インキ組成物全量に対して固形分で0.1〜4
0重量%含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強い光輝感と立体
感の筆跡が得られるボールペン用光輝性水性インキ組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金色、銀色等の金属光沢色の筆跡
を得るために光輝性顔料を用いた水性インキ組成物が提
供されている。例えば、特開平7−118592号はア
ルミニウム粉顔料を用いたボールペン用水性インキ組成
物である。また特開平8−151547号はパール顔料
を用いた水性インキ組成物である。また、特開平11−
29734号は有機顔料をアルミニウム粉顔料に固着剤
を用いて着色してなる水性メタリックインキである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
アルミニウム粉顔料、パール顔料等の光輝性顔料を用い
た水性インキ組成物の場合、強い光輝感と立体感を持つ
筆跡を得ることは困難であった。また、メタリック色を
得るためにこれらの光輝性顔料を染料又は顔料等の色材
で着色する方法が採られているが、着色する際、樹脂等
を用いているため光輝性が失われる問題があった。
【0004】本発明の目的は、従来の光輝性顔料を用い
た水性インキ組成物と比較して、より強い光輝感を持
ち、さらには従来のインキ組成物にはなかった強い立体
感を併せ持つ筆跡を得ることができるボールペン用光輝
性水性インキ組成物を提供するところにある。
【0005】本発明の更なる目的は、さらに筆跡の定着
性が優れているボールペン用光輝性水性インキ組成物を
提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
鋭意検討した結果、本発明では、必須成分として、多重
層フィルム粉、水溶性増粘樹脂、水溶性有機溶剤及び水
を含んでなるボールペン用光輝性水性インキ組成物を採
用した。なお、本発明でいう「多重層フィルム粉」と
は、多重層フィルムを細かく粉末にしたものをいい、多
重層が光の屈折により発色し、見る角度によって色彩が
変化する合成樹脂フィルム粉をいう。この「多重層フィ
ルム粉」には、透明性の高い着色をした多重層フィルム
粉も含まれる。
【0007】従って、この多重層フィルム粉を含有した
ボールペン用光輝性水性インキ組成物は、従来のアルミ
ニウム粉顔料、パール顔料などの光輝性顔料を用いた水
性インキ組成物と比較して、より強い光輝感と立体感を
有する筆跡を得ることができる。
【0008】しかしながら、水溶性増粘樹脂が含まれる
ボールペン用光輝性水性インキ組成物では、この水溶性
増粘樹脂により多重層フィルム粉の定着性をある程度高
めることは可能であるが、多重層フィルム粉はその形状
が大きいため、水溶性増粘樹脂では多重層フィルム粉を
筆跡に強く定着させることが困難であることを見出し
た。従って、多重層フィルム粉を含む水性インキ組成物
では、筆記後、摩擦などにより多重層フィルム粉が剥が
れやすく、強い光輝感と立体感を筆跡に持続的に与える
ことが困難であり、光輝感と立体感を有する筆跡の耐久
性が低い。
【0009】そこで、本発明では、さらに多重層フィル
ム粉を筆跡に定着させるバインダー成分を含有してなる
ボールペン用光輝性水性インキ組成物を採用した。この
ように、多重層フィルム粉を筆跡に定着させるバインダ
ー成分を用いると、多重層フィルム粉の定着性を向上さ
せ、光輝感と立体感を有する筆跡の耐久性を高めること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】(多重層フィルム粉)多重層フィ
ルム粉としては、多層フィルムの形態を有することによ
り光輝性を発色させることができる色材であれば特に制
限されない。このような多重層フィルム粉としては、例
えば、ダイヤ工業株式会社製の「クリスタルカラー」シ
リーズや、同社製の「レインボーフレーク」シリーズな
どが挙げられる。
【0011】前記「クリスタルカラー」シリーズとして
は、品番「X−5」、品番「X−20」、品番「X−4
0」、品番「X−701−30」、品番「X−701−
10」などがあり、それぞれの品番には、オパール、ト
パーズ、ブルートパーズ、エメラルド、コーラル、サフ
ァイヤ、ダイヤモンド、アクアマリーン、ペリドット、
ブルームーンなどの色調がある。すなわち、例えば、
「クリスタルカラー X−20」のシリーズとしては、
商品名「クリスタルカラー X−20 OPAL」、商
品名「クリスタルカラー X−20 TOPAZ」、商
品名「クリスタルカラー X−20 BLUETOPA
Z」、商品名「クリスタルカラー X−20 EMER
ALD」、商品名「クリスタルカラー X−20 CO
RAL」、商品名「クリスタルカラー X−20 SA
PHIRE」、商品名「クリスタルカラー X−20
DIAMOND」、商品名「クリスタルカラー X−2
0AQUAMARINE」、商品名「クリスタルカラー
X−20 PERIDOT」、商品名「クリスタルカ
ラー X−20 BLUEMOON」などがある。従っ
て、これらに相当する商品名「クリスタルカラー X−
5」シリーズ、商品名「クリスタルカラー X−40」
シリーズ、商品名「クリスタルカラー X−701−3
0」シリーズ、商品名「クリスタルカラー X−701
−10」シリーズなどがある。
【0012】また、「レインボーフレーク」シリーズと
しては、品番「No55」、品番「No501」、品番
「No510」、品番「No530」、品番「No55
0」、品番「No580」、品番「NoR−05」、品
番「NoR−15」、品番「No501−30」などが
あり、それぞれの品番には、クリスタル、レモンイエロ
ー、ディプエロー、アプリコット、ナイルグリーン、グ
リーン、ピンク、スカイブルー、ローヤルブルー、ラベ
ンダー、レッド、モナークグリーンなどの色調がある。
すなわち、例えば、「レインボーフレーク No55」
のシリーズとしては、商品名「レインボーフレーク N
o55 クリスタル」、商品名「レインボーフレーク
No55 レモンイエロー」、商品名「レインボーフレ
ーク No55 ディプエロー」、商品名「レインボー
フレーク No55 アプリコット」、商品名「レイン
ボーフレーク No55 ナイルグリーン」、商品名
「レインボーフレーク No55 グリーン」、商品名
「レインボーフレーク No55 ピンク」、商品名
「レインボーフレーク No55 スカイブルー」、商
品名「レインボーフレーク No55 ローヤルブル
ー」、商品名「レインボーフレーク No55 ラベン
ダー」、商品名「レインボーフレーク No55レッ
ド」、商品名「レインボーフレーク No55 モナー
クグリーン」などがある。従って、これらに相当する
「レインボーフレーク No501」のシリーズ、「レ
インボーフレーク No510」のシリーズ、「レイン
ボーフレークNo530」のシリーズ、「レインボーフ
レーク No550」のシリーズ、「レインボーフレー
ク No580」のシリーズ、「レインボーフレーク
NoR−05」のシリーズ、「レインボーフレーク N
oR−15」のシリーズ、「レインボーフレーク No
No501−30」のシリーズがある。
【0013】多重層フィルム粉は、インキ組成物全量中
0.01〜20重量%含まれていることが好ましい。上
記多重層フィルム粉がインキ組成物全量中0.01重量
%未満の場合は光輝性及び立体感が充分でない。多重層
フィルム粉がインキ組成物全量中20重量%を超える
と、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下
し、筆記性が低下する。多重層フィルム粉の最適配合量
は、0.05〜10重量%である。なお、多重層フィル
ム粉の粒度は、40メッシュ〜200メッシュのものが
好適である。
【0014】(バインダー成分)バインダー成分として
は、多重層フィルム粉を筆跡に定着させることができる
ものであれば特に制限されない。なお、このような多重
層フィルム粉を筆跡に強く定着させるために、バインダ
ー成分として水溶性合成樹脂を用いることが考えられ
る。しかし、多重層フィルム粉を強く定着させるため
に、水溶性合成樹脂の種類によってはその含有量を高く
すると、増粘樹脂の溶解性、着色剤の分散性に悪影響を
もたらす場合がある。また、インキの粘弾性に著しい変
化をもたらし、筆記適性が低下する場合がある。また、
たとえ筆跡に対する定着性が発揮されても、多重層フィ
ルム粉の強い光輝感と立体感が当該筆跡において低下す
る水性インキ組成物であってはならない。
【0015】本発明者らは、多重層フィルム粉を筆跡に
定着させるためのバインダー成分として合成樹脂エマル
ジョンを用いると、水溶性増粘樹脂の溶解性、着色剤の
分散性、インキの粘弾性、及びインキの発色に悪影響を
与えず、しかも多重層フィルム粉配合による強い光輝感
と立体感の効果を阻害することなく、筆跡への多重層フ
ィルム粉の定着性を高めることができることを見出し
た。
【0016】従って、多重層フィルム粉を含有する本発
明の水性インキ組成物は、これを用いて紙、金属、プラ
スチック、繊維製品等の基材上に筆記した場合、筆跡に
対して多重層フィルム粉の定着性を高めることができ、
耐久性のある筆跡とすることが可能であり、当該筆跡に
強い光輝感および立体感を与え続けることができる。こ
れは、合成樹脂エマルジョンの造膜性が、大きなフレー
ク形状を持つ多重層フィルム粉に対して適しており、多
重層フィルム粉配合による強い光輝感と立体感の効果を
阻害することなく、筆跡に強く定着させることができる
からである。
【0017】しかも、本発明におけるバインダー成分
は、水溶性合成樹脂ではなく、合成樹脂エマルジョンで
あることから、同時に配合される水溶性増粘樹脂の溶解
性、着色剤の分散性及びインキの粘弾性などの特性に悪
影響を与えることがない。従って、本発明のインキ組成
物は、インキの粘性、筆記適性、及び筆跡の色に影響を
与えることなく、多重層フィルム粉の定着性を向上する
ことができる。
【0018】この様なことから、本発明の多重層フィル
ム粉を含有したボールペン用光輝性水性インキ組成物
は、インキ特性や筆記適性などを低下させずに、従来の
アルミニウム顔料、パール顔料などの光輝性顔料を用い
た水性インキ組成物と比較して、より強い光輝感と立体
感を筆跡に与え続けることができる。
【0019】合成樹脂エマルジョンとしては、格別限定
されるものではなく、水分散性の合成樹脂エマルジョン
であれば用いることができる。しかし、インキ特性及び
筆記適性を考慮すると、水溶性増粘樹脂の溶解性やイン
キの粘度、着色剤の分散性、およびインキの発色に影響
を与えないものを用いることが重要である。また、多重
層フィルム粉配合による強い光輝感と立体感の効果を阻
害しないことが重要である。
【0020】また、合成樹脂エマルジョンの最低造膜温
度は20℃以下であることが好ましい。合成樹脂エマル
ジョンの最低造膜温度が20℃以下、特に0℃以下であ
ると、常温(25℃程度)では勿論、寒冷地でも皮膜化
でき、基材に対する筆跡の定着性を高めることができ
る。
【0021】また、合成樹脂エマルジョンは、アニオン
性又はノニオン性を有しているものを好適に用いること
ができる。アニオン性又はノニオン性を有する合成樹脂
エマルジョンは、例えばアニオン性又はノニオン性のモ
ノマーから合成樹脂をつくるか、又はアニオン性又はノ
ニオン性の乳化剤を用いることによって得ることができ
る。合成樹脂エマルジョンがアニオン性又はノニオン性
を有していると、インキ組成物の安定性を高めることが
できる。
【0022】また合成樹脂エマルジョンは、インキのp
Hが6以上において、着色剤の分散性や水溶性増粘樹脂
の溶解性に影響を与えないものが好ましい。
【0023】このような見地から、合成樹脂エマルジョ
ンとしては、例えば、アクリル系合成樹脂エマルジョ
ン、スチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョン、酢酸
ビニル系合成樹脂エマルジョンを用いることができる。
また、アクリル系合成樹脂エマルジョンとしては、例え
ば、アクリル酸エステル共重合体合成樹脂エマルジョン
が好適である。スチレン−アクリル系合成樹脂エマルジ
ョンとしては、例えば、スチレン−アクリル酸エステル
共重合体合成樹脂エマルジョンが好適である。また、酢
酸ビニル系合成樹脂エマルジョンには、例えば、酢酸ビ
ニル合成樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体合成樹脂エマルジョンが好適に用いられ
る。合成樹脂エマルジョンはこれらの合成樹脂の1種又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】具体的には、アクリル系合成樹脂エマルジ
ョンとしては、商品名「ニカゾールFX336」(日本
カーバイド工業株式会社製、アニオン性、pH7.5、
最低造膜温度0℃)、商品名「モビニールDM772」
(クラリアントポリマー株式会社製、アニオン性、pH
8.5、最低造膜温度12〜14℃)、商品名「モビニ
ール700」(クラリアントポリマー株式会社製、アニ
オン性、pH8.0、最低造膜温度5℃)などが挙げら
れる。また、酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョンとして
は、商品名「ニカゾールTG134A」(日本カーバイ
ド工業株式会社製、pH7.5、最低造膜温度0℃)、
商品名「モビニール507」(クラリアントポリマー株
式会社製、ノニオン性、pH6.5、最低造膜温度0
℃)などが挙げられる。
【0025】合成樹脂エマルジョンの含有量は特に制限
されないが、例えば、インキ組成物全量に対して固形分
で0.1〜40重量%が好適範囲である。合成樹脂エマ
ルジョンの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で
0.1重量%未満であると、筆跡に対する多重層フィル
ム粉の定着性が低下する。一方、合成樹脂エマルジョン
の含有量がインキ組成物全量に対して固形分で40重量
%を越えると、固形分が多くなり、ペン先における造膜
等で筆記適性が低下する。また筆跡が白色化し易くな
る。筆跡に対する多重層フィルム粉の定着性を一層優れ
たものとするには、合成樹脂エマルジョンの含有量を、
インキ組成物全量に対して固形分で少なくとも0.3重
量%とすることするが最適である。また、筆記適性を一
層優れたものにするには、合成樹脂エマルジョンの含有
量を、インキ組成物全量に対して固形分で多くとも20
重量%とすることが最適である。すなわち、合成樹脂エ
マルジョンの最適含有量は、0.3〜20重量%であ
る。
【0026】(水溶性増粘樹脂)水溶性増粘樹脂として
は、インキの粘度調整をするとともに、多重層フィルム
粉の分散及び沈降防止を図ることが出来る増粘樹脂を用
いることが重要である。一例を挙げれば、微生物産系多
糖類及びその誘導体が用いられる。例えば、プルラン、
ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノ
グルカン、デキストラン等を例示することができる。ま
た、水溶性植物系多糖類およびその誘導体が用いられ
る。例えば、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、
ロ−カストビ−ンガム、ガティガム、アラビノガラクタ
ンガム、アラビアガム、クイスシ−ドガム、ペクチン、
デンプン、サイリュ−ムシ−ドガム、ペクチン、カラギ
−ナン、アルギン酸、寒天等を例示することができる。
また、水溶性動物系多糖類およびその誘導体が用いられ
る。例えば、ゼラチン、カゼイン、アルブミンを例示す
ることができる。また、増粘樹脂として、N−ビニルア
セトアミド樹脂、架橋されたN−ビニルアセトアミド樹
脂等のN−ビニルアセトアミド系樹脂を用いることがで
きる。
【0027】本発明では上述した水溶性増粘樹脂の中で
も特に微生物産系多糖類及びその誘導体を好適に用いる
ことができる。また、上述した水溶性増粘樹脂は1種又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0028】水溶性増粘樹脂は、インキ組成物全量中
0.01〜40重量%含まれていることが好ましい。上
記水溶性増粘樹脂がインキ組成物全量中0.01重量%
未満の場合は多重層フィルム粉の沈降防止効果が充分で
ない。水溶性増粘樹脂がインキ組成物全量中40重量%
を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性
が低下し、筆記性が低下する。水溶性増粘樹脂の最適配
合量は、水溶性増粘樹脂の種類によってやや異なるが、
0.05〜20重量%である。なお、多重層フィルム粉
と共に合成樹脂エマルジョンを含有するインキ組成物で
は、水溶性増粘樹脂は多くとも10重量%含まれている
ことが好適である。水溶性増粘樹脂が10重量%を超え
て配合されると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流
動性が低下する。
【0029】(水溶性有機溶剤)水溶性有機溶剤は、ペ
ン先での乾燥防止とインキの凍結防止を図ることができ
るものを用いることが好ましい。例えば、エチレングリ
コ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル等
のグリコ−ル類、グリセリン等の多価アルコール類、エ
チレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリ
コ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピ
ルエーテル等のグリコ−ルエ−テル類を例示することが
できる。これらの有機溶剤は1種又は2種以上を混合し
て用いることができる。
【0030】水溶性有機溶剤は、インキ組成物全量中1
〜40重量%含まれていることが好ましい。上記水溶性
有機溶剤がインキ組成物全量中1重量%未満の場合はペ
ン先が乾燥しやすく、またインキが凍結しやすくなる。
水溶性有機溶剤がインキ組成物全量中40重量%を超え
ると、前記水溶性増粘樹脂の溶解性に影響を与えると共
に、筆跡が乾燥し難い。水溶性有機溶剤の最適配合量
は、水溶性有機溶剤の種類によってやや異なるが、5〜
20重量%である。
【0031】(着色剤)着色剤としては、溶解性及び分
散性を有するものが好ましい。具体的には、酸性染料、
直接染料、塩基性染料などの水溶性染料のほか、カーボ
ンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、銅フタロシア
ニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン
系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、イ
ンジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、
ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔
料などの有機顔料のほか、蛍光顔料、着色樹脂エマルジ
ョンなどが挙げられる。また、これらを顔料分散体とし
て用いることもできる。また、本発明では、着色剤は1
種又は2種以上を混合して使用することができる。ま
た、また、本発明の多重層フィルム粉と、アルミニウム
粉顔料、パール顔料等の光輝性顔料と混合して用いるこ
とができる。また、隠蔽性のある酸化チタン、アルキレ
ンビスメラミン誘導体、球状・偏平状等の各種形状のプ
ラスチックピグメント(合成樹脂粒子顔料)など、各種
の無機又は有機白色顔料などの隠蔽性顔料と混合して用
いることもできる。
【0032】本発明の水性インキ組成物では、着色剤は
必ずしも含まれていなくても差し支えない。着色剤は含
まれていないが多重層フィルム粉が含まれている水性イ
ンキ組成物でも、強い光輝感と強い立体感を筆跡に与え
ることができる。しかし、着色剤が含まれている上記各
水性インキ組成物では、着色剤の色相等によってその色
調に応じた強い輝きを筆跡に与えることができる点でき
わめて好ましい。
【0033】なお、着色剤は、インキ組成物全量中0.
05〜15重量%含まれていることが好ましい。上記着
色剤がインキ組成物全量中0.05重量%未満の場合は
当該着色剤の着色を視認し難い。着色剤がインキ組成物
全量中15重量%を超えると、インキとしては粘度が上
がりすぎ、流動性が低下する。着色剤の最適配合量は、
着色剤の種類によってやや異なるが、1〜10重量%で
ある。
【0034】(その他の添加物)なお、本発明において
はその他必要に応じて、ポリオキシエチレンアルカリ金
属塩、ジカルボン酸アミド、リン酸エステル、N−オレ
イルサルコシン塩等の潤滑剤、ベンゾトリアゾール、ト
リルトリアゾールジシクロヘキシルアンモニウムナイト
レート等の防錆剤、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタク
ロロフェノール系、クレゾール等の防腐防黴剤、各種界
面活性剤などを添加することができる。なお、光輝性顔
料としての多重層フィルム粉を分散させるために、界面
活性剤を用いることができる。
【0035】なお、本発明のインキ組成物の好適な粘度
範囲は500mPa・s〜10000mPa・sであ
る。本発明のインキ組成物はかかる粘度範囲に調整され
る。なお、この粘度はELD型粘度計(3゜R14コー
ン、回転数:0.5rpm、20℃)における測定値で
ある。
【0036】
【実施例】表1に示す組成及び配合量(重量部)で、
水、水溶性有機溶剤、多重層フィルム粉及び顔料ベース
等の各成分を混合攪拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂
を投入し、これを濾過した後脱泡し、実施例のボールペ
ン用光輝性水性インキ組成物を得た。また、合成樹脂エ
マルジョンを含むインキ組成物の場合は、同じく表1に
示す組成及び配合量(重量部)で、水及び水溶性有機溶
剤、及び必要に応じてその他の添加剤を混合して攪拌
し、これに多重層フィルム粉を投入して撹拌した後、水
溶性増粘樹脂を加えて攪拌する。次に、この混合液にカ
セイソーダによってpH8.5にpH調整を行ってから
顔料分散体を必要に応じて加えて攪拌する。続いて、合
成樹脂エマルジョンを加えて混合した。なお、かかる調
製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方
法などを採用した。
【0037】また比較のため、水、水溶性有機溶剤、ア
ルミニウム顔料やパール顔料などの光輝性顔料等の各成
分を混合攪拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投入
し、これを濾過した後脱泡し、比較例のボールペン用光
輝性水性インキ組成物を得た。いずれも、分散方法、脱
泡方法、濾過等は従来公知の方法を用いた。
【0038】
【表1】
【0039】表1中、各原料組成は下記の通りである。 (光輝性顔料) I)商品名「レインボーフレーク No55 クリスタ
ル」、ダイヤ工業株式会社、平均粒度120メッシュ II)商品名「レインボーフレーク No55 レモンイ
エロー」、ダイヤ工業株式会社、平均粒度120メッシ
ュ III)商品名「クリスタルカラー X−5 OPA
L」、ダイヤ工業株式会社、平均粒度−119〜+12
0メッシュ IV)アルミニウム粉顔料:商品名「WXM0630」、
東洋アルミニウム株式会社製、平均粒径約8μm V)パ−ル顔料:商品名「Iriodin302」、メルクジャパ
ン株式会社製、平均粒子径約5〜20μm
【0040】(水溶性増粘樹脂) I)ザンサンガム:商品名「KELZAN」、三晶株式
会社製 II)ウェランガム:商品名「K1C376」、三晶株式
会社製 III)ポリアクリル酸:商品名「カーボポール94
0」、BF Goodrich社製
【0041】(バインダー成分) I)アクリル系合成樹脂エマルジョン:商品名「ニカゾ
ールFX336」、日本カーバイド工業株式会社製、ア
ニオン性、pH7.5、最低造膜温度0℃ II)酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョン:商品名「モビ
ニール507」、クラリアントポリマー株式会社製、ノ
ニオン性、pH6.5、最低造膜温度0℃ III)アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン:
商品名「モビニールDM772」、クラリアントポリマ
ー株式会社製、アニオン性、pH8.5、最低造膜温度
12〜14℃ IV)メチルセルロース:商品名「セスカ MC25
S」、第一工業製薬株式会社製
【0042】(水溶性有機溶剤) I)グリセリン II)プロピレングリコール
【0043】(着色剤) I)顔料ベース:顔料ベースの顔料分散体は、下記のフ
タロシアニンブルーと下記の顔料分散用樹脂を次の割合
にて混合したものにトリエチルアミンを加えて溶解した
後、ボ−ルミルにて分散を行い、平均粒子径0.08μ
m、固形分濃度10重量%の青色顔料水分散体として得
た。なお、フタロシアニンブルーは大日本インキ化学工
業株式会社製、商品名「ファーストゲンブルーTGR」
を用いた。また、顔料分散用樹脂はスチレン−アクリル
共重合体(商品名「ジョンクリルJ683」、ジョンソ
ンポリマ−社製、重量平均分子量:8000)を用い
た。 フタロシアニンブルー 5重量部 顔料分散用樹脂 1重量部
【0044】(防腐防黴剤) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(商品名:
「プロクセルGXL」、ヘキスト合成株式会社製) (防錆剤)ベンゾトリアゾ−ル
【0045】(潤滑剤) ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル
(リン酸エステル系活性剤、商品名「フォスファノール
PE−510」、東邦化学工業株式会社製)(光輝性顔
料分散剤) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:商品名
「エマルゲンPI-20T」(花王株式会社製、ノニオン系活
性剤、HLB 13.2)
【0046】(試験サンプルの作成)次に、表1に示し
た実施例及び比較例の各インキ組成物を、ステンレス製
のボ−ルペンチップ(ボ−ル材質;炭化珪素)を一端に
連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるインキ収
容部に充填し、このインキ収容部を装填した各試験サン
プルのボールペンを作成した。
【0047】(評価試験)これらのボールペンを用いて
市販のルーズリーフ用紙に筆記し、各インキ組成物の光
輝感、立体感及び定着性を評価した。評価結果は表1に
併記した。
【0048】(光輝感)光輝感は筆記状態を目視観察に
より行い、光輝感が強いものを○、光輝感が小さいもの
を△、光輝感がないものを×として評価した。
【0049】(立体感)また、立体感についても筆記状
態を目視観察により行い、立体感が強いものを○、立体
感が小さいものを△、立体感がないものを×として評価
した。
【0050】(定着性)実施例に係る試験サンプルのボ
ールペンを用いて市販のルーズリーフ用紙に筆記し乾燥
後、その筆跡の上に市販のセロテープ(粘着テープ)を
貼り、剥がした後の状態を目視で観察し、以下の評価基
準により定着性を評価した。 ○:筆跡上に多重層フィルム粉又は光輝性顔料が残り、
セロテープを剥がす前の光輝感が失われていない ×:筆跡上に多重層フィルム粉又は光輝性顔料が剥が
れ、セロテープを剥がす前の光輝感が失われている
【0051】表1より、実施例は、宝石のアクアマリン
をイメージする強い光輝感及び強い立体感のある筆跡が
得られ、その筆記性も良好であった。これに対して比較
例はいずれも光輝感が得られず、また立体感が得られな
かった。一方、バインダー成分が含まれていない実施例
1〜3では、宝石のアクアマリンをイメージする強い光
輝感及び立体感のある筆跡が得られ、筆記性も良好であ
ったが、定着性が乏しかった。これに対して、バインダ
ー成分が含まれている実施例4〜6は、宝石のアクアマ
リンをイメージする強い光輝感及び立体感のある筆跡が
えられると共に、定着性の良好な筆跡が得られた。
【0052】
【発明の効果】本発明は、必須成分として、多重層フィ
ルム粉、水溶性増粘樹脂、水溶性有機溶剤及び水を含ん
でなるボールペン用光輝性水性インキ組成物であるの
で、従来の光輝性顔料を用いた水性インキ組成物と比較
して、より強い光輝感と立体感を持つ従来にない独特の
筆跡を得ることができる。特に、さらに多重層フィルム
粉を筆跡に定着させるバインダー成分を含有してなるボ
ールペン用光輝性水性インキ組成物の場合、強い光輝感
及び立体感を有するとともに、優れた定着性を有する筆
跡が得られ、強い光輝感及び立体感を持続する耐久性の
ある筆跡とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 智裕 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番 20号 株式会社サクラクレパス内 (72)発明者 山本 由紀 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番 20号 株式会社サクラクレパス内 Fターム(参考) 4J039 AB01 AB07 AD03 AD08 AD10 BA04 BA13 BA35 BC07 BC09 BC13 BC17 BC39 BC60 BD04 BE01 BE03 BE04 BE05 BE06 BE12 BE23 CA06 EA28 EA43 GA27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、多重層フィルム粉、水
    溶性増粘樹脂、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるボー
    ルペン用光輝性水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 多重層フィルム粉が、インキ組成物全量
    中0.01〜20重量%含まれている請求項1記載のボ
    ールペン用光輝性水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 さらに着色剤が含まれている請求項1又
    は2記載のボールペン用光輝性水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 さらに隠蔽性顔料が含まれている請求項
    1乃至3のいずれかの項に記載のボールペン用光輝性水
    性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 さらに多重層フィルム粉を筆跡に定着さ
    せるバインダー成分を含有してなる請求項1乃至4のい
    ずれかの項に記載のボールペン用光輝性水性インキ組成
    物。
  6. 【請求項6】 上記バインダー成分として合成樹脂エマ
    ルジョンを含有してなる請求項5記載のボールペン用光
    輝性水性インキ組成物。
  7. 【請求項7】 上記合成樹脂エマルジョンが、アニオン
    性又はノニオン性を有し、かつ最低造膜温度は20℃以
    下である請求項6記載のボールペン用光輝性水性インキ
    組成物。
  8. 【請求項8】 上記合成樹脂エマルジョンが、インキ組
    成物全量に対して固形分で0.1〜40重量%含まれて
    いる請求項6記載のボールペン用光輝性水性インキ組成
    物。
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