JP2002000261A - 防菌剤 - Google Patents

防菌剤

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JP2002000261A
JP2002000261A JP2000194327A JP2000194327A JP2002000261A JP 2002000261 A JP2002000261 A JP 2002000261A JP 2000194327 A JP2000194327 A JP 2000194327A JP 2000194327 A JP2000194327 A JP 2000194327A JP 2002000261 A JP2002000261 A JP 2002000261A
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antibacterial agent
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Kazuya Hasegawa
和哉 長谷川
Kazuhiko Obuchi
和彦 大淵
Kenji Ozeki
健二 尾関
Masaaki Hamachi
正昭 濱地
Chieko Kumagai
知栄子 熊谷
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Ozeki Corp
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Ozeki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範な微生物、特に有害細菌に対して、生育
阻害効果を有する安全な防菌剤を提供する。 【解決手段】 ストレプトマイセス・フルビシムス(St
reptmyces fulvissimus)FERM P−16347ま
たはその変異体もしくは遺伝子組換体の培養物を防菌剤
として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範な微生物、特
に有害細菌に対して作用してその生育を阻害する安全な
防菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】食品および飲料の腐敗、変質やヒトの感
染症等には多くの微生物が関与しており、その防止に
は、これらの微生物を殺菌するか、あるいはその増殖を
抑制する方法が用いられている。殺菌は、加熱、放射線
・電子線照射、殺菌作用を持つ化学合成物質の添加等に
よって行われるが、食品やヒトに対するこれらの方法
は、変質や安全性の問題から必ずしも適しているとは限
らない。また、微生物の増殖を抑制する抗菌性物質とし
て、化学合成物質、植物から抽出される物質・成分、微
生物が産生する物質・成分等多くのものが知られてお
り、抗菌性を示す化学合成物質は、多量にかつ安価に製
造できることが可能であり、しかも多くの微生物に対し
て有効に作用するという利点がある。しかし、人体およ
び自然環境への安全性の観点から必ずしも適していると
は限らない。一方、植物や微生物から得られる物質・成
分は、特殊なものを除いて安全なものが多く、しかも時
間の経過と共に、自然環境下で分解され、生態系に与え
る影響も少ないことが知られている。例えば、微生物が
産生する抗菌性物質としてよく知られているものに、チ
ーズから分離された特殊な乳酸菌が産生するといわれて
いるナイシンがある。このナイシンは、ペプチドであ
り、欧州では実際に食品保存料として利用されているも
のである。しかしながら、その効果はグラム陽性菌にの
み抗菌性を示すといわれている。さらに、微生物が産生
する抗菌性物質の一つとして、細胞壁溶解酵素が注目さ
れている。それは、細胞壁溶解酵素も化学的防菌剤や保
存料と異なりタンパク質であるので、これ自身毒性がな
く、非常に安全な防菌剤であることや、細胞壁のみを特
異的に溶解し他の物質には作用しないという利点がある
ためである。しかし、細胞壁溶解酵素の欠点としては、
酵素であるため特異性が高く、特定の微生物はよく溶菌
するが、ごく近縁であっても別の構造の細胞壁を持つ微
生物には作用しないというようなことが挙げられる。例
えば、これまでに卵白リゾチームによる食品に対する防
菌の研究が数多くなされてきているが、その溶菌スペク
トルの狭さによって、対象菌がかなり限定されてしまっ
ているのが現状である。特にグラム陰性細菌に対して
は、効果が少なく、グリシンを併用してその効果を高め
ているという報告もある。つまり、これまでに発見され
た微生物が産生する抗菌物質の多くは、人体や環境への
安全性は高いものの、効果としては十分とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情に鑑み、本
発明は、広範な微生物、特に有害細菌に対して作用する
安全な防菌剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、偶然にも、本出願
人の出願に係る特開平11−5638号に開示されるス
トレプトマイセス・フルビシムス(Streptomyces fulvi
ssimus)TU−6株(FERM P−16347)によ
り生産される細胞壁溶解酵素を含む培養物が非常に広範
な微生物に対して生育阻害効果を有し、安全性の高いも
のであり、目的とする防菌剤として極めて好適であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、
【0005】ストレプトマイセス・フルビシムス(Stre
ptmyces fulvissimus)TU−6株(FERM P−1
6347)またはその変異体もしくは遺伝子組換体の培
養物を有効成分とすることを特徴とする防菌剤、とりわ
け、食品用保存料、特に、アルコール飲料の腐敗防止剤
および虫歯予防剤として有用な防菌剤を提供するもので
ある。本発明によれば、非常に広範な微生物、特に有害
細菌に対して、生育阻害効果を有する安全な防菌剤を提
供できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の防菌剤の有効成分を生産
する菌株は、ストレプトマイセス・フルビシムス TU
−6株である。この菌株は、平成9年7月24日より工
業技術院生命工学工業技術研究所に、受託番号FERM
P−16347の下に寄託されている。以後、本明細
書において本菌をTU−6株と略記する。このTU−6
株は、上記特開平11−56348号記載の細胞壁溶解
酵素(以下、TU−6酵素と略記する)を生産する菌株
である。本発明においては、所望により、本菌株のみな
らず、自体公知の方法により、TU−6株に変異処理お
よび遺伝子組換え処理を施してそのTU−6酵素の生産
性を修飾した変異体または遺伝子組換体を使用できる。
【0007】本発明の防菌剤の有効成分は、このTU−
6株またはその変異体もしくは遺伝子組換体を、生産培
地、例えば、0.5%ポリペプトン、0.1%キチン粉
末、0.1%硫酸マグネシウム、0.1%リン酸1カリ
ウム、0.1% 3−(N−モルホリノ)プロパンスル
ホン酸からなるpH7.0〜8.0、好ましくはpH
8.0の液体培地を用い、常法により、振盪培養または
通気攪拌培養を行って得られた培養液や、それから菌体
を除去した液体等の培養物自体およびその処理物であ
る。このような処理物としては、例えば、培養液から、
遠心分離またはろ過等の公知の方法により上清を分離
し、この上清を、例えば、排除分子量5,000から1
0,000の限外ろ過膜を用いた限外ろ過または硫安に
より濃縮し、あるいは濃縮せずに、凍結乾燥等の公知の
乾燥方法を用いて乾燥した粉末が挙げられる。また、乾
燥前に濃縮液を透析しておいてもよく、乾燥せず、液体
として使用してもよい。本発明の防菌剤はこの有効成分
単独でもよく、さらに、所望により、本発明の目的に反
しない範囲で適宜の添加剤や、他の溶菌酵素、抗菌剤等
と合し、自体公知の方法により、液体や固体の適宜の剤
形にしてもよい。
【0008】以下の実施例に示すごとく、本発明の防菌
剤は、TU−6酵素を含むものであり、その効果はTU
−6酵素の溶菌活性によると考えられる。すなわち、本
発明の防菌剤を用いて、例えば、代表的なグラム陽性細
菌である乳酸桿菌、乳酸球菌特に虫歯の原因菌であるう
蝕細菌(ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptoco
ccus mutans))、清酒やビールをはじめとするアルコー
ル飲料の腐敗、腐造の原因となっている火落菌および乳
酸菌、食中毒の原因の一つとなっている黄色ブドウ球菌
(スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus au
reus))およびバチルス・サブチルス(Bacillus subtili
s)や、代表的なグラム陰性細菌であるエシェリシア・コ
リ(Escherichia coli)やシュウドモナス・フルオレセン
ス(Pseudomonas fluorescens)を、TU−6酵素の酵
素反応至適条件下(40℃、pH4.0(マキルベイン
緩衝液中))で溶菌させたところ、グラム陽性、陰性に
関わらず上記の菌をよく溶解した。また、本発明品の溶
菌活性をアルコール(エタノール)が15%存在すると
いう条件下で検討したところ、アルコールが存在してい
ない条件で測定した結果と、全く遜色のない結果であっ
た。したがって、本発明の防菌剤の溶菌活性は、比較的
アルコールに対する耐性度が高く、清酒やビール等のア
ルコール飲料へ応用が可能であるということが判明し
た。さらに、本発明の防菌剤を、例えば、上記細菌の生
育用培地に添加したものと、添加していないものとの生
育度合いを比較したところ、本発明の防菌剤を添加した
培地では明らかに菌の生育が阻害されていた。特に、火
落菌や、う蝕細菌(Streptococcus mutans)に関しては完
全に増殖を阻害した。また、その結果を、代表的な細胞
壁溶解酵素であり、既に食品の防腐剤として利用されて
いる卵白リゾチームと比較したところ、卵白リゾチーム
ではほとんど効果がなく、本発明の防菌剤の方が明らか
に増殖阻害活性において優れていた。
【0009】一方、本発明の防菌剤を加熱処理(沸騰水
中、15分)して、本発明の防菌剤に含まれるTU−6
酵素を完全に失活させた後、同様に増殖阻害効果の検討
を行ったところ、増殖阻害効果の低下は見られたものの
完全に消失しなかった。このことより、本発明の防菌剤
の増殖阻害効果は、細胞壁溶解酵素の溶菌活性のみが働
いているのではなく、TU−6株の培養液中に含まれる
未知の物質との相乗効果よるものであることが判明し
た。また、本発明の防菌剤は熱に対して、安定であると
いえる。さらに、本発明の防菌剤に対して、公知の方法
であるサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhi
murium) TA98株を用いた変異原性試験(エイムス
テスト)を実施したところ、少なくとも0.1%濃度に
おいては変異原性がないという結果であり、本発明品は
安全であるということが判明した。
【0010】以上のことより、本発明の防菌剤を用いれ
ば、非常に広範囲の有害細菌の増殖を効果的に抑えるこ
とができ、本発明の防菌剤は、食品や、薬品の保存料と
して幅広く応用でき、特に、清酒醸造において問題とな
っている火落ちの防止や、ビールなどのアルコール飲料
の乳酸菌汚染防止剤としての用途ならびに、虫歯予防剤
としての用途に有用である。
【0011】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。「%」は、アルコール濃度を除いて、い
ずれもw/v%、アルコール濃度はv/v%である。 実施例1 本発明の防菌剤(以下、本発明品と称する)の溶菌スペ
クトルの検討 本発明品の溶菌スペクトルを、対象菌に対する溶菌活性
を測定することで検討した。溶菌活性を対象菌の菌体懸
濁液の、濁度の減少と見なし、以下の方法で濁度減少率
を測定した。対象菌菌体(対数増殖期)懸濁液の濁度
(OD660)が1.0、本発明の防菌剤が0.25%に
最終的になるようにマキルベイン緩衝液(pH4.0)
で調製し、2時間反応後の反応液の濁度を測定した。コ
ントロールとして本発明品を除いて同様に調製したもの
の濁度も、同様にして測定した。溶解率は、以下の式に
より求めた。結果を表1に示す。
【0012】
【数1】
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように、本発明品は、含
有する細胞壁溶解酵素であるTU−6酵素により、検討
した微生物を溶菌していた。また、グラム陽性細菌(乳
酸菌、火落菌等)のみならず、グラム陰性細菌(大腸
菌、シュウドモナス属等)もよく溶菌し、幅広い溶菌ス
ペクトルを持っていることがわかった。特に、清酒など
の火落ちの原因菌である火落菌、食中毒の原因菌の一つ
であるとされているスタフィロコッカス・オウレウス、
また、う蝕細菌であるストレプトコッカス・ミュータン
スをよく溶解し、火落ち予防、食中毒予防さらに虫歯予
防への有用性が示された。
【0015】実施例2 本発明品のアルコール存在下における溶菌活性の検討 本発明品のアルコール存在下での溶菌活性を検討するた
めに、実施例1の反応系に、アルコール(エタノール)
を15%存在させた場合と、存在させなかった場合の乳
酸菌および火落菌の溶解率を検討し、比較した。結果を
表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2より明らかなように、本発明品の溶菌
活性は、エタノールが少なくても、15%存在していて
も存在していない時と全く遜色がなかった。つまり、本
発明品は、アルコール濃度15%以下である清酒や、ビ
ールなどのアルコール飲料に直接作用させても、溶菌活
性は十分に効果が有るということが分かった。
【0018】実施例3 本発明品を用いた黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス
・オウレウス)の増殖阻害試験 濾過滅菌した本発明品の水溶液を、オートクレーブ済み
の一般細菌用培地であるブレインハートインヒュージョ
ンブイヨン「ニッスイ」(日水製薬(株)製)に最終濃
度0.25%になるように添加したものと、本発明品の
水溶液の代わりに滅菌した蒸留水を加えたものに、1白
金耳の食中毒の原因菌である黄色ブドウ球菌(スタフィ
ロコッカス・オウレウス)を植菌し、37℃で24時
間、振盪培養したときの濁度(OD660)の経時変化を
比較した。比較として卵白リゾチーム(シグマ社製)を
最終濃度0.25%となるように、同様に添加した場合
も行った。結果を図1に示す。例えば、吸光度変化が起
こるまでは、静菌効果があったとすると、図1から明ら
かなように、無添加区分と比較して、卵白リゾチームを
培地に0.25%になるように添加した場合、約2時間
の静菌効果がみられ、本発明品を同量添加した場合にお
いては、約6時間の静菌効果があった。したがって、本
発明品を食品などに作用させれば、食中毒の原因である
細菌の増殖を抑えることができる。またその効果は、防
腐剤として以前から用いられている卵白リゾチームと比
較してはるかに高かった。
【0019】実施例4 本発明品を用いた火落菌増殖阻害試験 濾過滅菌した本発明品の水溶液を、オートクレーブ済み
のSI培地(1%酵母エキス、0.5%ポリペプトン、
2.5%グルコース、1%酢酸ナトリウム、0.01%
硫酸マグネシウム、0.00025%硫酸マンガン、
0.00025%硫酸第一鉄、0.005%メバロン
酸、10%エタノール、pH5.1)に最終濃度0.2
5%、0.125%および、0.025%になるように
添加したものと、本発明品の水溶液の代わりに滅菌した
蒸留水を加えたものに、1白金耳の火落菌(S24)を
植菌し、30℃で120時間、静置培養したときの濁度
(OD660)の経時変化を比較した。比較として卵白リ
ゾチーム(シグマ社製)を最終濃度0.25%となるよ
うに、同様に添加した場合も行った。結果を図2に示
す。図2から明らかなように、無添加区分と比較して、
本発明品を培地に添加した区分はいずれの場合において
も火落菌S24の増殖が全く見られず、顕著な火落菌に
対する増殖阻害効果があった。一方、卵白リゾチームに
は、ほとんど火落菌への増殖阻害効果はみられなかっ
た。また、他の火落菌に関しても同様の検討を行った
が、いずれの場合においても同様の結果であった。この
本検討は、10%エタノールの存在下で行っており、本
発明品の増殖阻害効果は少なくとも10%エタノールの
存在下においても有効であるということが判明した。し
たがって、本発明品を作用させることによって、清酒や
ビールをはじめとするアルコール飲料の火落ちおよび乳
酸菌による雑菌汚染を防止できる。
【0020】実施例5 本発明品を用いたう蝕細菌(ストレプトコッカス・ミュ
ータンス)の増殖阻害試験 濾過滅菌した本発明品の水溶液を、オートクレーブ済み
の一般細菌用培地であるブレインハートインヒュージョ
ンブイヨン「ニッスイ」(日水製薬(株)製)に最終濃
度0.25%、0.125%および、0.025%にな
るように添加したものと、本発明品の水溶液の代わりに
滅菌した蒸留水を加えたものに、1白金耳の虫歯の原因
菌であるう蝕細菌(ストレプトコッカス・ミュータン
ス)を植菌し、37℃で24時間、静置培養したときの
濁度(OD660)の経時変化を比較した。比較として卵
白リゾチーム(シグマ社製)を最終濃度0.25%とな
るように、同様に添加した場合も行った。結果を図3に
示す。図3から明らかなように、無添加区分と比較し
て、本発明品を培地に添加した区分はいずれの場合にお
いても、う蝕細菌(ストレプトコッカス・ミュータン
ス)の増殖が全く見られず、顕著なう蝕細菌に対する増
殖阻害効果があった。一方、卵白リゾチームには、全く
う蝕細菌への増殖阻害効果はみられなかった。したがっ
て、本発明品を、例えば、ねり歯磨き、粉状歯磨き、マ
ウスウオッシュ、入れ歯洗浄剤等に混合することによっ
て、虫歯の原因の一つであるう蝕細菌の増殖を抑え、虫
歯予防剤として利用できるということが分かった。
【0021】実施例6 本発明品の熱に対する感受性の検討 実施例3、実施例4および実施例5と同様にして、本発
明品の最終濃度が0.25%になる場合において、培地
に添加する前に加熱処理(沸騰水中、15分間)したも
のと、していないものとのそれぞれの菌体に対する増殖
抑制効果を検討し、比較した。結果を図4、図5および
図6に示す。本実施例は、本発明品の中に存在するTU
−6酵素の溶菌活性を熱によって完全に失活させて、本
発明品の微生物の増殖阻害効果がTU−6酵素単独によ
るものか、もしくはTU−6酵素とは全く別の微生物に
対する増殖阻害活性を有する物質によるものかを明らか
にするために行ったものである。図4から明らかなよう
に、加熱処理を行って酵素を失活させても3時間程度の
静菌効果があったことより、本発明品の黄色ブドウ球菌
に対する増殖阻害効果は、TU−6酵素だけでなく他の
増殖阻害効果を持った物質も効いているということが分
かった。また、図5の火落菌(S24)の場合において
は、加熱処理の有無に関わらず、少なくとも120時間
は完全に火落菌の増殖を阻害しており、本発明品にTU
−6酵素以外の微生物の増殖阻害物質が存在することが
分かった。さらに、図6のう蝕細菌の場合においても、
加熱によってある程度の増殖阻害効果の低下が見られる
ものの、完全に効果を失わないという結果を得た。以上
の結果により、本発明品の増殖阻害効果は、その対象と
なる菌株によって多少異なるが、細胞壁溶解酵素の溶菌
活性のみが働いているのではなく、TU−6株の培養液
中に含まれる未知の物質との相乗効果よるものであるこ
とが判明した。また、この結果から、本発明の防菌剤は
熱に対して、安定であるといえる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来の卵白リゾチーム
を用いた防菌剤とは異なり、一つの防菌剤で、火落菌の
増殖を抑えたり、食中毒の原因菌である黄色ブドウ球菌
(スタフィロコッカス・オウレウス)の増殖を抑えた
り、またう蝕細菌であるストレプトコッカス・ミュータ
ンスの増殖を抑えたりと幅広い用途に対応した安全か
つ、熱に安定な防菌剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明品の黄色ブドウ球菌(スタフィロコッ
カス・オウレウス)に対する増殖阻害効果を検討した結
果を示す図である。
【図2】 本発明品の火落菌(S24)に対する増殖阻
害効果を検討した結果を示す図である。
【図3】 本発明品のう蝕細菌(ストレプトコッカス・
ミュータンス)に対する増殖阻害効果を検討した結果を
示す図である。
【図4】 本発明品の熱に対する感受性を黄色ブドウ球
菌(スタフィロコッカス・オウレウス)について検討し
た結果を示す図である。
【図5】 本発明品の熱に対する感受性を火落菌(S2
4)について検討した結果を示す図である。
【図6】 本発明品の熱に対する感受性をう蝕細菌(ス
トレプトコッカス・ミュータンス)について検討した結
果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/02 A61P 1/02 4C087 31/04 31/04 C12H 1/00 C12H 1/00 C12P 21/00 C12P 21/00 A //(C12N 1/20 (C12N 1/20 A C12R 1:465) C12R 1:465) (C12P 21/00 (C12P 21/00 A C12R 1:465) C12R 1:465) (72)発明者 尾関 健二 兵庫県西宮市今津出在家町4番9号 大関 株式会社総合研究所内 (72)発明者 濱地 正昭 兵庫県西宮市今津出在家町4番9号 大関 株式会社総合研究所内 (72)発明者 熊谷 知栄子 兵庫県西宮市今津出在家町4番9号 大関 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4B021 MC01 MK06 MK07 MP01 MP02 4B028 AC10 AG04 AP29 AS18 4B064 AH19 CA04 CA19 CC24 DA01 DA10 4B065 AA50X AB01 AC14 BD14 CA27 CA41 CA42 CA44 4C083 AA031 AA032 CC41 EE32 FF01 4C087 BC23 ZA67 ZB35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストレプトマイセス・フルビシムス(St
    reptmyces fulvissimus)TU−6株(FERM P−
    16347)またはその変異体もしくは遺伝子組換体の
    培養物を有効成分とすることを特徴とする防菌剤。
  2. 【請求項2】 食品用保存料である請求項1記載の防菌
    剤。
  3. 【請求項3】 アルコール飲料の腐敗防止剤である請求
    項1記載の防菌剤。
  4. 【請求項4】 虫歯予防剤である請求項1記載の防菌
    剤。
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