JP2002020102A - 水素製造装置の起動方法およびその停止方法 - Google Patents

水素製造装置の起動方法およびその停止方法

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JP2002020102A
JP2002020102A JP2000198527A JP2000198527A JP2002020102A JP 2002020102 A JP2002020102 A JP 2002020102A JP 2000198527 A JP2000198527 A JP 2000198527A JP 2000198527 A JP2000198527 A JP 2000198527A JP 2002020102 A JP2002020102 A JP 2002020102A
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gas
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Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
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Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転コストや設置面積の低減、危険な窒素お
よび水素ボンベ交換などの作業が不要となる水素製造装
置の起動方法およびその停止方法を提供する。 【解決手段】 起動時は、触媒燃焼部14で水素と空気
により燃焼反応を起し、水蒸気改質部13を昇温し、開
始温度に達したら水蒸気、原料炭化水素を供給し、ガス
変成後の水素含有ガスが安定するまでPSA部17を迂
回し、安定後PSA部17に供給する。停止時はPSA
部17を停止し、触媒燃焼部14からの排ガス中の酸素
濃度を低下させ、反応系内に循環させて可燃性ガス濃度
を低下させ、最終的に窒素、二酸化炭素、水蒸気に置換
し運転を停止する。結果、運転コストや設置面積の低
減、窒素および水素ボンベ交換などの作業が不要とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気改質部を含
む水素製造装置、または燃料電池システムやそれ以外の
用途に用いられる水素製造装置の起動および停止方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な水素製造装置の起動・停止は、
ボンベに充填された窒素などの不活性ガスを使用する。
起動時は、ボンベより窒素を系内に流しながら、バーナ
などで昇温、脱硫用の水添ガスとして水素ボンベより水
素を供給する。停止時は、窒素で可燃性ガスを置換して
から降温操作を行う。この方式により、触媒の酸化を防
止できるとともに、安全に操作を行なうことができる。
しかしながら、この方式の欠点としては、窒素ボンベや
水素ボンベなどが必要であり、コスト高、設置スペース
が大きくなるという問題点がある。また、不活性ガスを
切らしている場合には、起動・停止操作が行えず、ボン
ベの取り替えが面倒でかつ高圧であるため、危険であ
る。そのほか、小型装置(例えば、家庭用や車載用燃料
電池の水素製造装置)や諸事情などで、窒素ボンベや水
素ボンベなどを設置できない場合も考えられ、さらに水
素および窒素のインフラが整備されていないなどの問題
点もある。
【0003】なお、原料炭化水素の供給を停止したの
ち、触媒が酸化しない程度まで徐々に降温してから、空
気で置換する方法も考えられる。しかしながら、この方
法によれば、可燃性ガス中に空気を供給するため、危険
をともなうといった問題が懸念される。さらに、水蒸気
改質部の加熱は、バーナの使用が一般的であるが、可燃
性ガス濃度が低下すると燃焼が停止してしまうという問
題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術を背景になされたもので、水素製造装置におい
て窒素ボンベや水素ボンベなどのボンベを必要としない
ので、コストの低減を図ることができ、またボンベの設
置スペースが不必要となるため装置のコンパクト化が図
れるとともに、面倒で危険をともなうボンベの取り替え
作業に要する時間も削減できる水素製造装置の起動方法
およびその停止方法を提供するものである。また、本発
明は、ボンベを設置できない家庭用燃料電池や車載用燃
料電池、およびその他の燃料電池、オンサイト水素製造
装置などで、水素ボンベや窒素ボンベ、またバーナや、
特別な電力などを使用せず、安全な水素製造装置の起動
方法およびその停止方法を提供することを、その目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
原料炭化水素の硫黄分を除去する脱硫部と、上記脱硫部
で脱硫された原料炭化水素に水蒸気を加えて水蒸気改質
することで水素含有ガスを生成する水蒸気改質部と、上
記水素含有ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素および水素
に転換するガス変成部と、該ガス変成部でガス変成され
た水素含有ガスを高純度水素に精製するPSA部と、水
素含有の可燃性ガスと空気中の酸素とを燃焼反応させ
て、上記水蒸気改質部を加熱する触媒燃焼部とを備えた
水素製造装置の起動方法において、上記触媒燃焼部に、
高純度水素と空気とを供給して触媒燃焼反応を起こさせ
ることで上記水蒸気改質部を昇温させ、該水蒸気改質部
の温度が水蒸気改質の開始温度に達したとき、上記水蒸
気および上記原料炭化水素の供給を開始する水素製造装
置の起動方法である。
【0006】請求項2記載の発明は、上記ガス変成後の
水素含有ガスの水素含有量が安定するまで、該水素含有
ガスは上記PSA部を迂回し上記触媒燃焼部に供給して
燃焼させ、上記水素含有ガスが安定してから上記PSA
部に供給を開始し高純度水素に精製する請求項1に記載
の水素製造装置の起動方法である。
【0007】請求項3記載の発明は、上記高純度水素
は、燃料電池に供給される請求項1または請求項2記載
の水素製造装置の起動方法である。
【0008】請求項4記載の発明は、上記脱硫部が、原
料炭化水素に水添脱硫用水素を添加したのち、上記原料
炭化水素中の硫黄分を脱硫して除去する水添脱硫部であ
る請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の水素
製造装置の起動方法である。
【0009】請求項5記載の発明は、上記PSA部から
得られた高純度水素を貯蔵する水素貯蔵部を有する請求
項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の水素製造装
置の起動方法である。
【0010】請求項6記載の発明は、上記水素貯蔵部内
の高純度水素を、水添脱硫用水素として上記水添脱硫部
に供給する請求項5に記載の水素製造装置の起動方法で
ある。
【0011】請求項7記載の発明は、原料炭化水素の硫
黄分を除去する脱硫部と、上記脱硫部で脱硫された原料
炭化水素に水蒸気を加えて水蒸気改質することで水素含
有ガスを生成する水蒸気改質部と、上記水素含有ガス中
の一酸化炭素を二酸化炭素および水素に転換するガス変
成部と、該ガス変成部でガス変成された水素含有ガスを
高純度水素に精製するPSA部と、水素含有の可燃性ガ
スと空気中の酸素とを燃焼反応させて、上記水蒸気改質
部を加熱する触媒燃焼部とを備えた水素製造装置の停止
方法において、上記PSA部を停止し、上記ガス変成後
の水素含有ガスは該PSA部を迂回し上記触媒燃焼部に
供給して燃焼させ、上記触媒燃焼部への空気の供給量を
徐々に下げて、該触媒燃焼部から排出された燃焼ガス中
の酸素濃度を低下させ、該触媒燃焼部からの燃焼ガスを
水素製造装置の反応系内に供給し、上記原料炭化水素と
水蒸気の供給量を徐々に減らしながら、この反応系内の
可燃性ガスの濃度を低下させ、その後、上記触媒燃焼部
への空気の供給を停止し、上記反応系内の温度が低下し
たのち上記水素製造装置を停止する水素製造装置の停止
方法である。
【0012】請求項8記載の発明は、上記高純度水素
は、燃料電池に供給される請求項7記載の水素製造装置
の停止方法である。
【0013】請求項9記載の発明は、上記脱硫部が、原
料炭化水素に水添脱硫用水素を添加したのち、上記原料
炭化水素中の硫黄分を脱硫して除去する水添脱硫部であ
る請求項7または請求項8記載の水素製造装置の停止方
法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面に基
づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る
水素製造装置の起動方法を示す系統図である。図2は、
本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の停止方法を
示す系統図である。図1において、符号10は、都市ガ
ス,LPG,灯油,メタノールなどを原料とする水素製
造装置である。なお、ここでは、都市ガスを採用してい
る。以下、この水素製造装置10の各構成部を説明す
る。符号11は、都市ガスを水添脱硫部(脱硫部)12
へ供給する圧縮機である。この水添脱硫部12は、上流
側の水素化触媒層と、下流側の脱硫剤層とに分かれてい
る。水添脱硫部12では、圧縮機11により供給された
都市ガスに、後述するPSA部17で圧力吸着分離され
た高純度水素(精製水素)の一部を水添脱硫用水素とし
て添加することにより、都市ガス中の硫黄分が脱硫され
る。
【0015】水素化触媒としては、ニッケル−モリブデ
ンまたはコバルト−モリブデンなどの酸化物、または硫
化物をシリカやアルミナなどの担体に担持させたNiM
ox触媒またはCoMox触媒などが挙げられる。低圧
下では、ニッケル−モリブデン触媒が好ましい。また、
脱硫剤としては、酸化亜鉛やニッケル系収着剤などが単
独または適宜担体に担持して用いられる。水素化触媒層
では、原料炭化水素中の硫黄分が水素化されて硫化水素
が生成される。その反応温度は、300〜400℃であ
り、高純度水素を用いて脱硫を行うことで、脱硫効果も
上がり、改質触媒の寿命も延びることになる。脱硫剤層
では、例えば、H2 S+ZnO=ZnS+H2 Oの反応
が起きる。なお、脱硫後の原料炭化水素は、水蒸気改質
部13に供給される。ここでは、原料炭化水素中の硫黄
化合物を水添脱硫方法を採用したが、そのほか例えば硫
黄化合物を、直接、触媒に吸着させる方法でもよい。こ
の場合の触媒としては、例えばニッケル,亜鉛,銅など
の金属やその酸化物、または硫化物、さらにはゼオライ
トや活性炭などが挙げられる。活性炭としては、ナトリ
ウムなどのアルカリ金属を添着したもの、臭素を吸着し
た活性炭などを使用することができる。
【0016】この水蒸気改質部13は、脱硫された都市
ガスに水または水蒸気を添加し、さらに改質触媒を接触
させて水蒸気改質することで、高濃度水素含有ガスを製
造する。この水蒸気改質部13には、ルテニウムまたは
ニッケルなどの元素をアルミナ,シリカなどの担体に担
持した改質触媒が充填されている。このうち、ルテニウ
ム系触媒の方が、炭素数の多い灯油などの原料を使用す
る場合は、炭素析出を抑制できるので好ましい。水蒸気
改質部13では、脱硫された炭化水素の水蒸気改質が行
なわれる。ここでの反応を、次に示す。
【0017】符号14は、水蒸気改質部13の周囲に外
装されて、水素と空気中の酸素とを触媒燃焼させる触媒
燃焼部である。なお、触媒燃焼部14は、水蒸気改質部
13内に内装されていてもよく、さらには、伝熱性の高
い熱交換型の反応器などでもよい。触媒燃焼部14の触
媒としては、アルミナなどに白金,パラジウムなどを担
持した触媒が用いられる。水素製造装置10の起動時の
水蒸気改質部13の温度は、380℃以上、例えば38
0〜500℃である。380℃未満では、反応転化率が
低く、また水素,メタン,一酸化炭素などを含む可燃性
ガスを触媒燃焼部で再利用する際に、これらの可燃性ガ
スの酸化反応が進まないという不都合が生じる。そし
て、最終的には800℃位が好ましい。
【0018】符号15は、水蒸気改質部13で製造され
た高濃度水素含有ガス中の一酸化炭素を、二酸化炭素お
よび水素に転換する変成触媒が充填されたガス変成部で
ある。変成触媒としては、鉄−クロム(例えば、Fe2
3 −Cr2 3 系触媒)や、銅−亜鉛などの酸化物で
ある銅系触媒が用いられる。反応温度は、Fe2 3
Cr2 3 系触媒の場合では、300〜450℃、銅系
触媒については200〜250℃までが好ましい。ここ
での反応は、CO+H2 O=CO2 +H2 となる。
【0019】符号16は、上記ガス変成部15でガス変
成された高濃度水素含有ガスを冷却して、このガス中に
含まれる水分を凝縮させて除去するKO(ノックアウ
ト)ドラムである。符号17は、水蒸気が除去されたガ
ス変成後の高濃度水素含有ガスから高純度水素を圧力吸
着分離するPSA(Pressure Swing A
bsorption)部である。ここでいう圧力吸着分
離とは、高濃度水素含有ガスから吸着剤により水素以外
の不純なガスを吸着除去し、吸着せずに透過した高純度
水素を精製する方法である。符号18は、PSA部17
で精製された高純度水素を貯蔵する水素貯蔵タンク(水
素貯蔵部)である。水素貯蔵タンク18は、起動時に触
媒燃焼用および水添ガス用に必要な量の水素を貯蔵でき
るものとし、コンパクト化を図るため、水素吸蔵合金が
充填されたタンクが好ましい。
【0020】符号19は、水素貯蔵タンク18に一時貯
蔵された高純度水素が供給される固体高分子型燃料電池
(以下、燃料電池19という)である。その用途として
は、例えば家庭用燃料電池,車載用燃料電池などが挙げ
られる。この燃料電池19は、電解質材料を有してい
る。この電解質材料は、一般にイオン交換基としてスル
フォン酸基をもつ高分子イオン交換膜を有する。セルに
水素(燃料)、酸素(酸化剤)を供給すると、次式の反
応によって電気エネルギーを外部へ取り出すことができ
る。
【0021】 H2 →2H+ +2e- (1) 1/2O2 +2H+ +2e- →H2 O (2) (全反応)H2 +1/2O2 →H2 O (3) 式(1)によって生成された水素イオンは、高分子イオ
ン交換膜中のイオン交換基を介して水(xH2 O)とと
もに移動し、式(2)のように酸素と反応して水(H2
O)を生成する。なお、燃料電池19から排出された空
気(酸素)は、触媒燃焼部14に供給してもよい。PS
A部17で不純物が除去された高純度水素は、水分調整
されたのちに燃料電池19に供給され、ここで水を生成
しながら電気エネルギーが得られる。このPSA部17
で精製分離された高純度水素中の不純物は、10ppm
以下である。そのため、固体高分子型燃料電池19の電
極が一酸化炭素によって被毒され、電池性能が低下する
恐れが解消される。そして、PSA部17で得られた高
純度水素の一部は、水添脱硫部12の水添脱硫用水素と
して再利用することができる。なお、燃料電池19の余
剰分の高純度水素も、水添脱硫用水素として用いること
もできる。
【0022】符号20は、PSA部17で吸着除去され
たオフガスが、一時貯蔵されるオフガスホルダ(オフガ
ス貯蔵部)であり、水蒸気改質部13を加熱するための
燃料として触媒燃焼器14に供給される。また、このオ
フガスホルダ20には、起動時および停止時に、KOド
ラム16で水分が除去されたガス変成後の高濃度水素含
有ガスがPSA部17を迂回して供給される。さらに、
燃料電池19の反応しない水素の余剰ガスも一時オフガ
スホルダ20に貯蔵され触媒燃焼部14に供給させて、
反応系内の熱源として利用される。
【0023】記号E1は、圧縮機11から水添脱硫部1
2に供給される都市ガスと、触媒燃焼部14からの燃焼
ガスとを熱交換して、都市ガスを300〜400℃の水
添脱硫温度まで高める熱交換器である。記号E2は、水
蒸気改質部13に供給ポンプPにより供給される水と、
触媒燃焼部14からの燃焼ガスとを熱交換して、水蒸気
改質用の水蒸気を発生させる熱交換器である。記号E3
は、ガス変成部15でガス変成された高濃度水素含有ガ
ス(200〜350℃)と燃料電池19からの余剰分の
高純度水素およびオフガスホルダ20に貯蔵されたオフ
ガスとを熱交換して、ガス変成後の高濃度水素含有ガス
を常温近くまで冷却する熱交換器である。熱交換器E3
により触媒燃焼部14に再利用される水素,メタン,一
酸化炭素などを含む可燃性ガスは、380℃以上に加熱
・昇温される。380℃未満ではメタンの酸化反応が円
滑に行われないからである。
【0024】なお、ここでの水素製造装置10は、圧縮
機11,水添脱硫部12,水蒸気改質部13,触媒燃焼
部14,ガス変成部15,PSA部17,水素貯蔵タン
ク18より構成されている。しかしながら、水蒸気改質
部13の後段にガス変成部15を設けなくてもよいが、
ガス変成部を設けた方が水素の量も増え、一酸化炭素も
減らせるとともに、PSA部での高純度水素の吸着分離
が常温という比較的低温で行われるので、熱効率として
はガス変成部を設置した方が好ましい。図中、符号21
は、4方弁形式の流路切り換え装置(以下、4方弁とい
う)である。
【0025】上記構成の水素製造装置10の起動方法お
よびその停止方法について、以下詳述する。まず、図1
に基づき、起動時の操作を説明する。図1に示すよう
に、バルブV11を開き、系外の空気を4方弁21を経
て触媒燃焼部14に供給する。次いで、バルブV10を
開いて、水素吸蔵合金が充填された水素貯蔵タンク18
から高純度水素を、4方弁21を介して触媒燃焼部14
に供給する。このようにして、空気と水素が供給される
ことで、この触媒燃焼部14内で触媒燃焼反応が行われ
る。触媒燃焼部14の燃焼ガス(排ガス)は、熱交換器
E1,E2により熱交換され、その後、バルブV13を
通って系外へ排出される。触媒燃焼部14内での燃焼反
応が進み水蒸気改質部13の温度(380〜800℃)
が安定したなら、バルブV3を開いて、供給ポンプPか
ら圧送された水が熱交換器E2によって水蒸気となり、
水蒸気改質部13に供給される。それから、バルブV2
を開き、水素貯蔵タンク18より水添脱硫用水素を水添
脱硫部12に供給し、同様に、V1を開いて都市ガス
(原料炭化水素)を水添脱硫部12に供給し、圧縮機1
1を起動する。これにより、水素貯蔵タンク18からの
水添脱硫用水素が、圧縮機11によって水添脱硫部12
に供給される都市ガスに添加される。その後、都市ガス
および水添脱硫用水素は、熱交換器E1によって熱交換
され、300〜400℃まで加熱・昇温される。
【0026】都市ガスを水添脱硫部12に徐々に供給し
ながら、水蒸気改質部13における改質反応を開始して
高濃度水素含有ガスを製造する。この高濃度水素含有ガ
スはガス変成部15に供給されてガス中の一酸化炭素が
変成触媒により、二酸化炭素および水素に転換される。
ガス変成部15でガス変成された高濃度水素含有ガスは
熱交換器E3で冷却されて、このガス中に含まれる水分
がKOドラム16によって凝縮除去される。水分除去後
の高濃度水素含有ガスの水素含有量が安定するまでバル
ブV16を開いてPSA部17を迂回させ、そのガスの
一部または全部をオフガスホルダ20に貯蔵する。次い
で、貯蔵された水素含有ガスは、熱交換器E3によって
加温されて、バルブV9を開くとともに4方弁21を介
して触媒燃焼部14に供給し燃焼される。このように、
起動時に高濃度水素含有ガスが安定するまでPSA部1
7をバイパスするのは、PSA部17における運転を最
適に行うためであり、PSA部17から吸着分離される
高純度水素が安定するためである。
【0027】その後、ガス変成後の高濃度水素含有ガス
が安定してから、バルブV4,V5,V6を開弁しPS
A部17の運転を開始する。このうち、バルブV4,V
5を開弁することで、ガス変成後の高濃度水素含有ガス
が熱交換器E3、KOドラム16を通過してPSA部1
7に供給され、この高濃度水素含有ガスからPSA部1
7の吸着剤に吸着されなかった高純度水素が精製分離さ
れ水素貯蔵タンク18に貯蔵される。一方、バルブV6
を開弁することで、PSA部17で除去されたメタン,
一酸化炭素,二酸化炭素,水蒸気,水素などのオフガス
がオフガスホルダ20、熱交換器E3、バルブV9およ
び4方弁21を通過して触媒燃焼部14に供給される。
【0028】水添脱硫部12内および水蒸気改質部13
内での反応が安定し、PSA部17内で高純度水素が安
定的に精製分離されるようになったとき、バルブV7,
V8,V12を開き、バルブV16を閉じる。このよう
にして、バルブV7を介して水素貯蔵タンク18から燃
料電池19に高純度水素が供給される。一方、バルブV
12を介して、系外の空気が燃料電池19に供給され
る。これにより、燃料電池19内でイオン反応が発生し
て、外部へ電気エネルギーを取り出すことができる。さ
らに、バルブV8を介して、燃料電池19から余剰分の
高純度水素が、オフガスホルダ20、熱交換器E3、バ
ルブV9、4方弁21を通って触媒燃焼部14へ供給さ
れる。そして、バルブV10を閉弁することで、水素貯
蔵タンク18から触媒燃焼部14へ向かう高純度水素の
供給が停止される。
【0029】なお、このシステム起動時には、このよう
に触媒燃焼方式を採用することで、あらかじめ水素貯蔵
タンク18に貯蔵された高純度水素を触媒燃焼部14に
供給するだけで、容易に系内の水素製造の各反応を開始
させることができる。同様に、水添脱硫用水素も水素貯
蔵タンク18より供給することができる。これにより
に、従来必要とされていた脱硫用の水素ボンベおよび起
動時の窒素ボンベが不要となる。その結果、ボンベの設
置面積の低減や運転コストの低減など、さらにはボンベ
交換作業が不要になるなどの効果が得られる。また、P
SA部17で精製分離された高純度水素の一部を水添脱
硫用水素として用いたことで、脱硫効率も高まり、水蒸
気改質触媒の寿命も延びるとともに、燃料電池19に不
純物の少ない高純度水素を供給できるので、電極の一酸
化炭素による被毒による電池性能の低下も防ぐことがで
きる。なお、図中のバルブ14は、この起動時および運
転時において常時閉じている。
【0030】次に、図2に基づいて、停止時の操作を説
明する。図2に示すように、まずバルブV7,V8,V
12を閉じ、水素貯蔵タンク18から燃料電池19への
高純度水素の供給および系外からの空気の供給を停止
し、燃料電池19内でのイオン反応を停止させる。次
に、バルブV4,V5,V6を閉じPSA部17を停止
する。ガス変成されて水分が除去された改質ガス(高濃
度水素含有ガス)は、PSA部17を迂回して、バルブ
V16、オフガスホルダ20、熱交換器E3、バルブV
9および4方弁21を通って触媒燃焼部14に供給し燃
焼される。次に、バルブV11を調整して、系外からの
空気の供給量を徐々に絞り、触媒燃焼部14からの燃焼
ガス中の酸素濃度をゼロにする。なお、このとき、燃焼
ガスの酸素濃度の調整や急激な温度低下を防止するた
め、バルブV10および必要ならばバルブV15を調整
することで、水素貯蔵タンク18内の高純度水素や系内
の都市ガスを補助燃料としてこの触媒燃焼部14へ供給
してもよい。このような酸素濃度の調整は、触媒燃焼部
14に供給される空気の量を徐々に減らしていく際、例
えばそれが不十分な場合には、触媒燃焼部14の燃焼ガ
ス中に誤って酸素が混入されてしまい、水蒸気改質部1
3などの系内へ酸素が含まれる恐れを解消するためであ
る。続いて、バルブV1を調整することで、都市ガスの
供給量を徐々に落としながらバルブV14を開き、触媒
燃焼部14からの燃焼ガスを圧縮機11で反応系内へ徐
々に供給して循環させる。このとき、燃焼ガスの排気バ
ルブであるバルブV13を閉めて燃焼ガスの排気を停止
する。
【0031】そして、バルブV2,V3を調整すること
で、水素貯蔵タンク18から系内への水添脱硫用水素の
供給、および、供給ポンプPによる系内への水蒸気の供
給を徐々に減らしながら、反応系内(水添脱硫部12、
水蒸気改質部13、触媒燃焼部14、ガス変成部15)
の可燃性ガス濃度を低下させる。最終的に、バルブV1
を完全に閉めて都市ガスの供給を停止する。さらに、バ
ルブV2,V3を閉弁、さらに必要であれば、バルブV
10,V15を閉弁して、水添脱硫用水素の供給、水蒸
気の供給、補助燃料の触媒燃焼部への供給を停止する。
それから、バルブV10を閉じ(必要であれば、バルブ
V15も閉じる)、補助燃料の触媒燃焼部14への供給
を停止する。続いて、系内の可燃性ガスを、完全に窒
素、二酸化炭素および水蒸気に置換し、バルブV11を
閉弁して触媒燃焼部14への空気の供給を停止する。さ
らに、系内(水蒸気改質部13)の温度が100℃以下
まで低下したなら、圧縮機11を停止し、全ての運転を
停止する。なお、停止時の温度は、系内の水分が除去で
きるので、常温まで下げるのが好ましい。なお、系内の
ガスをパージする必要がある場合には、バルブV13を
開放し、バージが終了したなら全てのバルブV1〜V1
6を閉弁する。このとき、系内の圧力を保ったまま全て
のバルブV1〜V16を閉弁すれば、停止中に外部から
空気が系内に流れ込むことがない。その結果、次回の起
動操作時に触媒の酸化を防止することができる。
【0032】以上のように、このシステム停止時におい
ては、徐々に可燃性ガスの濃度を下げながら、酸素を含
まない燃焼ガス(排ガス)を反応系内へリサイクルさせ
る。これにより、最終的に窒素と二酸化炭素と水蒸気に
変換され停止する。その結果、各触媒の活性が低下した
り、特にルテニウム系の触媒などの場合には高温で猛毒
を発生するなどの不具合がある触媒の酸化を防止した
り、さらに置換用のボンベなどが不要となる。また、こ
の触媒燃焼方式では低濃度でも酸化反応を行えるため、
停止操作時に可燃性ガスの濃度を徐々に減らしていく際
に、不完全燃焼を防止し、燃焼反応を継続することがで
きる。
【0033】
【発明の効果】本発明にあっては、窒素ボンベ、水素ボ
ンベを使用せずに水素製造装置の起動・停止が行えるの
で、運転コストや設置面積の低減、危険な窒素および水
素ボンベ交換などの作業が不要となるといった効果を得
ることができる。また、起動・停止の操作は、シーケン
スを組むことで自動化も行うことができる。水蒸気改質
部の昇温が触媒燃焼方式によるため、装置のコンパクト
化、低NOx 化などの効果も得ることができる。また、
高純度水素精製部として、ガス変成部およびPSA部を
採用し、固体高分子型燃料電池に不純物の少ない高純度
水素を供給するので、電極の被毒も少なく電池の性能低
下を防止することができる。さらには、車載用や家庭用
の燃料電池向けなどの水素製造装置でボンベを置けない
場合にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の起
動方法を示す系統図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の停
止方法を示す系統図である。
【符号の説明】 10 水素製造装置 11 圧縮機 12 水添脱硫部(脱硫部) 13 水蒸気改質部 14 触媒燃焼部 15 ガス変成部 17 PSA部 18 水素貯蔵タンク(水素貯蔵部) 19 固体高分子型燃料電池(燃料電池) 20 オフガスホルダ(オフガス貯蔵部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/04 H01M 8/04 X Y J 8/06 8/06 G 8/10 8/10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料炭化水素の硫黄分を除去する脱硫部
    と、 上記脱硫部で脱硫された原料炭化水素に水蒸気を加えて
    水蒸気改質することで水素含有ガスを生成する水蒸気改
    質部と、 上記水素含有ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素および水
    素に転換するガス変成部と、 該ガス変成部でガス変成された水素含有ガスを高純度水
    素に精製するPSA部と、 水素含有の可燃性ガスと空気中の酸素とを燃焼反応させ
    て、上記水蒸気改質部を加熱する触媒燃焼部とを備えた
    水素製造装置の起動方法において、 上記触媒燃焼部に、高純度水素と空気とを供給して触媒
    燃焼反応を起こさせることで上記水蒸気改質部を昇温さ
    せ、 該水蒸気改質部の温度が水蒸気改質の開始温度に達した
    とき、上記水蒸気および上記原料炭化水素の供給を開始
    する水素製造装置の起動方法。
  2. 【請求項2】 上記ガス変成後の水素含有ガスの水素含
    有量が安定するまで、該水素含有ガスは上記PSA部を
    迂回し上記触媒燃焼部に供給して燃焼させ、上記水素含
    有ガスが安定してから上記PSA部に供給を開始し高純
    度水素に精製する請求項1に記載の水素製造装置の起動
    方法。
  3. 【請求項3】 上記高純度水素は、燃料電池に供給され
    る請求項1または請求項2記載の水素製造装置の起動方
    法。
  4. 【請求項4】 上記脱硫部が、原料炭化水素に水添脱硫
    用水素を添加したのち、上記原料炭化水素中の硫黄分を
    脱硫して除去する水添脱硫部である請求項1〜請求項3
    のうち、何れか1項に記載の水素製造装置の起動方法。
  5. 【請求項5】 上記PSA部から得られた高純度水素を
    貯蔵する水素貯蔵部を有する請求項1〜請求項4のう
    ち、何れか1項に記載の水素製造装置の起動方法。
  6. 【請求項6】 上記水素貯蔵部内の高純度水素を、水添
    脱硫用水素として上記水添脱硫部に供給する請求項5に
    記載の水素製造装置の起動方法。
  7. 【請求項7】 原料炭化水素の硫黄分を除去する脱硫部
    と、 上記脱硫部で脱硫された原料炭化水素に水蒸気を加えて
    水蒸気改質することで水素含有ガスを生成する水蒸気改
    質部と、 上記水素含有ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素および水
    素に転換するガス変成部と、 該ガス変成部でガス変成された水素含有ガスを高純度水
    素に精製するPSA部と、 水素含有の可燃性ガスと空気中の酸素とを燃焼反応させ
    て、上記水蒸気改質部を加熱する触媒燃焼部とを備えた
    水素製造装置の停止方法において、 上記PSA部を停止し、上記ガス変成後の水素含有ガス
    は該PSA部を迂回し上記触媒燃焼部に供給して燃焼さ
    せ、 上記触媒燃焼部への空気の供給量を徐々に下げて、該触
    媒燃焼部から排出された燃焼ガス中の酸素濃度を低下さ
    せ、 該触媒燃焼部からの燃焼ガスを水素製造装置の反応系内
    に供給し、 上記原料炭化水素と水蒸気の供給量を徐々に減らしなが
    ら、この反応系内の可燃性ガスの濃度を低下させ、 その後、上記触媒燃焼部への空気の供給を停止し、上記
    反応系内の温度が低下したのち上記水素製造装置を停止
    する水素製造装置の停止方法。
  8. 【請求項8】 上記高純度水素は、燃料電池に供給され
    る請求項7記載の水素製造装置の停止方法。
  9. 【請求項9】 上記脱硫部が、原料炭化水素に水添脱硫
    用水素を添加したのち、上記原料炭化水素中の硫黄分を
    脱硫して除去する水添脱硫部である請求項7または請求
    項8記載の水素製造装置の停止方法。
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