JP2006076802A - 水素生成装置およびこれを備えた燃料電池システム並びに水素生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易的な構成により原料ガス中に含有された硫黄成分の濃度を充分低濃度レベルにして長期間に亘って改質触媒の触媒活性を維持可能な水素生成装置およびそれを備えた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 水素生成装置101は、硫黄化合物を有する原料ガスから改質反応により水素ガスを含む改質ガスを生成する第1の改質触媒体23が充填された改質器5を備える装置であって、前記第1の改質触媒体23の上流に改質触媒及び硫化水素吸着剤を含む脱硫層21、22を備える装置である。
【選択図】 図2
【解決手段】 水素生成装置101は、硫黄化合物を有する原料ガスから改質反応により水素ガスを含む改質ガスを生成する第1の改質触媒体23が充填された改質器5を備える装置であって、前記第1の改質触媒体23の上流に改質触媒及び硫化水素吸着剤を含む脱硫層21、22を備える装置である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、水素生成装置およびこれを備えた燃料電池システム並びに水素生成方法に関し、特に、簡易的な構成により原料ガス中に含有された硫黄成分の濃度を充分低濃度レベルにして長期間に亘って改質触媒の触媒活性を維持可能な水素生成装置およびそれを備えた燃料電池システム並びに水素生成方法に関する。
高効率で小規模発電可能な燃料電池システムは、発電時に発生する熱エネルギーを利用するシステム構築が容易であると共に高いエネルギー利用効率化が実現できるため、分散型発電システムとして好適である。
燃料電池システムは、その発電本体部として燃料電池を有し、この燃料電池を発電の仕組で区分すると、例えば、固体高分子型燃料電池(以下、PEFCという。)やリン酸型燃料電池(以下、PAFCという。)がある。
ところで、これらのPEFCやPAFCでは発電燃料として水素ガスが必要であるため、PEFC等を備えた燃料電池システムには通常、発電燃料としての水素ガスを生成する燃料改質装置(水素生成装置)が設けられている。そして、燃料電池は、水素生成装置から送出した水素リッチな改質ガス(水素ガス)および空気(酸素ガス)を各々、アノードおよびカソードで消費することにより発電する。
ここで水素生成装置では、炭化水素系原料ガス(以下、単に原料ガスという。)と水蒸気からなる混合ガスを改質して水素ガスを生成する水蒸気改質法、炭化水素原料ガスを空気で酸化して水素ガスを生成する部分酸化法、および両者を組む合わせたオートサーマル法といった所望の水素生成方法によって原料ガスから水素ガスを生成することになる。原料ガス例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガスおよびLPガス(これらのガスのうちの2種類以上を混合した原料ガスを含む)が挙げられる。
以下、水素生成装置における水素ガス生成過程について概説する。なおここでは、水素生成方法として水蒸気改質法を例に改質ガスの生成過程を説明する。
水素生成装置の改質器に導かれた、原料ガスと水蒸気からなる混合ガスの水蒸気改質反応を、Ni系やRu系のような改質触媒を600℃〜700℃程度に加熱し維持することによって進行させる。
この改質反応の際に改質器から送出される改質ガス中には、未反応原料ガス(例えばメタンガス)および未反応水蒸気並びに炭酸ガスの他、一酸化炭素ガス(以下、COガスという。)が副生成物として含まれている。なお、これらの副生成物の含有率は、改質触媒の性能や水素生成装置の運転温度に依存するが、通常8〜15容量%である。
PEFCに供給する改質ガス中のCOガス濃度は50ppm程度を越えると、燃料電池の発電性能が著しく劣化する。このため、改質ガスのPEFCへの供給前に、改質器から送出された改質ガスは予め、その下流側に配置された、COガス濃度を低減させるための変成器に送られる。
この変成器では、改質器から送られた改質ガス中のCOガスが、下記(1)式に示した水とのシフト反応で炭酸ガスに変換され、これにより、改質ガス中のCOガス濃度は0.5容量%程度まで低減される。なおシフト反応では、炭酸ガスと共に水素ガスも生成される。
CO+H2O→CO2+H2 ・・・(1)
続いて、変成器から送出された改質ガスは、その下流側に配置された、COガス濃度を更に低濃度に低減させるための選択酸化器に導かれ、これにより、改質ガス中のCOガス濃度は、燃料電池の発電性能劣化を来たさないレベルになる。
続いて、変成器から送出された改質ガスは、その下流側に配置された、COガス濃度を更に低濃度に低減させるための選択酸化器に導かれ、これにより、改質ガス中のCOガス濃度は、燃料電池の発電性能劣化を来たさないレベルになる。
なお、この選択酸化器では、変成器から送られた改質ガス中のCOガスが、下記(2)に示したCOガスと酸素ガスとの酸化反応で炭酸ガスに変換され、これにより、改質ガス中のCOガス濃度は50ppm以下、望ましくは10ppm以下にまで低減される。
2CO+O2→2CO2 ・・・(2)
こうして水素生成装置における水蒸気改質反応およびシフト反応並びにCOガス酸化反応を経た水素リッチな改質ガスが、水素生成装置からPEFCやPAFCのアノードに向けて供給される。
こうして水素生成装置における水蒸気改質反応およびシフト反応並びにCOガス酸化反応を経た水素リッチな改質ガスが、水素生成装置からPEFCやPAFCのアノードに向けて供給される。
ところで、以上に説明した水素生成装置に供給する燃料用原料ガス中には、硫黄化合物を含有させることがある。具体的には、都市ガスやLPガス中には、サルファイド類、メルカプタン類等の硫黄化合物を含む付臭剤が、漏洩検知の目的で添加されている。
一方、こうした硫黄化合物の改質反応への影響は、改質触媒の種類に依存して相違し一概に言えないものの、水蒸気改質反応に繁用されるNi系やRu系の改質触媒では、極めて低濃度の硫黄であってもその活性低下を進行させることが知られている。
このため、都市ガスやLPガスのような原料ガスは、水素生成装置に供給される前に、事前に適切に脱硫処理が実行されている。しかし、従来から頻繁に行われているゼオライト系吸着剤の吸着脱硫処理では、脱硫処理後の原料ガスに含まれる硫黄濃度の下限は、1〜10ppb程度である。そしてこの硫黄濃度レベルにある原料ガスによるNi系やRu系改質触媒の長時間使用において、改質触媒の触媒活性の維持を見込むことが困難であることが判明してきた。
このような不具合に対応して、原料ガスに含まれる硫黄濃度を0.1〜1ppbにまで低減可能な水素化脱硫法という手法が提案されている(従来例としての特許文献1参照)。
特許第3242514号公報
硫黄成分の改質触媒への影響は、以下のように結論付けられる。
都市ガスやLPガスに添加されるサルファイド類、メルカプタン類等の付臭剤(硫黄化合物)は、水蒸気改質条件下において硫化水素に転化され、この硫化水素が改質触媒の活性金属を被毒して原料ガス転化率の低下を招く。特に、Ni系やRu系の改質触媒については活性が高く水蒸気改質反応に好適である一方、これらの触媒は、硫黄被毒され易く、常温吸着脱硫(ゼオライト系吸収脱硫処理)を施した原料ガスを使用しても長期に亘って適正な改質反応を維持できない。
また、Pt系、Rh系およびPd系の改質触媒を使用した場合には、硫黄被毒の耐性に優れているものの、水蒸気改質反応に対する活性が充分でなくかつコストアップにも繋がる。即ち、上記の改質触媒の何れも硫黄被毒対策に対して一長一短がある。
確かに従来例に記載の水素化脱硫法によれば、こうした問題に技術的には対処可能であるが、この水素化脱硫法をそのまま採用すると、原料ガスに水素ガスを添加するための装置を別途、設ける必要がある。このため、従来例に記載の方法を使った装置では、脱硫装置の全体構成を複雑化かつ大型化させるという不具合が内在している。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、簡易的な構成により原料ガス中に含有された硫黄成分の濃度を充分低濃度レベルにして長期間に亘って改質触媒の触媒活性を維持可能な水素生成装置およびそれを備えた燃料電池システムを提供することを目的とする。
また本発明は、簡易的な脱硫法により原料ガス中に含有された硫黄成分の濃度を充分低濃度レベルにして水素ガスを製造する水素生成方法を提供することを目的とする。
本発明に係る水素生成装置は、硫黄化合物を有する原料ガスから改質反応により水素ガスを含む改質ガスを生成する第1の改質触媒体が充填された改質器を備える水素生成装置であって、前記第1の改質触媒体の上流に改質触媒及び硫化水素吸着剤を含む脱硫層を備える装置である。
ここで、硫化水素吸着剤が、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属または前記金属の酸化物であっても良い。
これにより、前記改質触媒の改質反応により生成した水素ガスの一部を流用することにより前記原料ガス中に含有された硫黄化合物を硫化水素に転化させたうえで、この転化された硫化水素が前記脱硫層により確実に吸着及び吸収される。このため、原料ガス中に含有された硫黄成分の濃度を充分に低濃度レベルにして前記第1の改質触媒体の触媒活性が長期間に亘って維持され得る。
前記脱硫層の一例は、前記改質触媒からなる第2の改質触媒体を有し、前記硫化水素吸着剤が、前記第1の改質触媒体と前記第2の改質触媒体との間に配置されているものであっても良い。
こうすると、前記第2の改質触媒体の改質反応により生成された水素ガスの一部を流用することにより前記原料ガス中に含有された硫黄化合物を硫化水素に転化させたうえで、この転化された硫化水素が前記第2の改質触媒体の下流にある硫化水素吸着剤により確実に吸着及び吸収される。
前記脱硫層の他の例は、前記改質触媒と前記硫化水素吸着剤とを混合して構成される層である。
こうすると、前記改質触媒の改質反応により生成された水素ガスの一部を流用することにより前記原料ガス中に含有された硫黄化合物を硫化水素に転化させると共に、この転化された硫化水素が前記脱硫層に含まれる前記硫化水素吸着剤により確実に吸着及び吸収される。
こうして、前記改質触媒の前記改質反応によって水素ガスが生成され、前記水素ガスによって前記原料ガスに含有された硫黄化合物が硫化水素に転化され、前記硫化水素は、前記脱硫層に含まれる前記金属または前記金属の酸化物によって前記原料ガスから除去される。
ここで、前記第1の改質触媒体は、Pt、Pd、Rh、RuおよびNiのうちの少なくとも一つの金属を含み、前記第2の改質触媒体は、Pt、RhおよびPdのうちの少なくとも一つの金属を含むものであっても良い。
Pt系、Rh系およびPd系の改質触媒は、硫黄被毒耐性に優れ、原料ガス中に含有された硫黄化合物を硫化水素に転化するための水素ガスを生成する前記第2の改質触媒体として好適である。
Ru系およびNi系の改質触媒は、高い触媒活性を有し、脱硫処理した原料ガスから改質ガスを生成する改質反応を本格的に実行させる前記第1の改質触媒体として好適である。勿論、Ru系およびNi系の改質触媒に比べて触媒活性の劣るPt系、Pd系およびRh系の改質触媒であっても、前記第1の改質触媒体として使用することは可能である。
前記脱硫層の温度を、650℃以下に維持することが望ましい。
前記金属(硫化水素吸着剤)または前記金属の酸化物(硫化水素吸着剤)の使用温度が650℃を超えると、高温に曝された脱硫剤の焼結を進行させ、その反応表面積の減少によって反応を阻害する可能性がある。
なお、本発明に係る燃料電池システムは、以上に述べた水素生成装置と燃料電池とを備え、前記水素生成装置から流出した前記改質ガスを前記燃料電池に供給するものである。
また、本発明に係る水素生成方法は、硫黄化合物を含む原料ガスから第1の改質触媒に基づく改質反応により水素ガスを生成するステップと、前記硫黄化合物が前記水素ガスに反応することにより転化された硫化水素を、前記原料ガスから除去するステップと、前記硫化水素が除去されたガスから第2の改質触媒に基づく改質反応により水素ガスを含む改質ガスを生成するステップと、を含む方法である。
である。
である。
また、この水素生成方法は、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属または前記金属の酸化物を含んだ脱硫層によって前記硫化水素を、前記原料ガスから除去する方法であっても良い。
この方法により、前記第1の改質触媒の改質反応により生成した水素ガスの一部を流用することにより前記原料ガス中に含有された硫黄化合物を硫化水素に転化させたうえで、この転化された硫化水素が前記脱硫層により確実に吸着及び吸収される。
なお、前記脱硫層が前記第1の改質触媒を含み、この水素生成方法が、前記脱硫層において前記水素ガスが生成されると共に前記硫化水素が前記原料ガスから除去される方法であっても良い。
本発明によれば、簡易的な構成により原料ガス中に含有された微量の硫黄成分を除去可能にして長期間に亘って改質触媒の触媒活性を維持し得るような水素生成装置およびそれを備えた燃料電池システムが得られる。
また本発明によれば、簡易的な脱硫法により原料ガス中に含有された硫黄成分を充分に低濃度レベルにまで除去しつつ水素ガスを製造する水素生成方法も得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態による燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。
本実施の形態による燃料電池システム100の主要部は、後ほど詳しく説明するように、水素生成装置101と燃料電池9とによって構成されている。
水素生成装置101は、1〜10ppb程度に脱硫処理された燃料用の原料ガスと気化された水蒸気とを用いて水素リッチな改質ガスを生成するものである。
燃料電池9は、水素生成装置101により生成され、そのアノード(図示せず)に導かれた改質ガスとカソード(図示せず)に導かれた空気とを消費して、電力を出力するための所定の発電動作を実行するものである。
最初に、この水素生成装置101に導かれる原料ガスと水蒸気に関するガス供給系統の構成を、図1を参照して説明する。
水素生成装置101に脱硫された燃料用の原料を供給するために、燃料電池システム100は、原料供給装置1と原料脱硫装置2とを有している。原料供給装置1によって原料脱硫装置2に供給される原料ガス例としては、天然ガス、メタノール、ガソリンがある。
原料ガスとして天然ガスを使用するこの実施の形態では、原料供給装置1に天然ガスを常時供給可能にするインフラストラクチャー(図示せず)から送られる天然ガス昇圧用のブースター(図示せず)が設けられている。図1に示すように、このインフラストラクチャーと原料供給装置1との間は、配管aによって接続され、インフラストラクチャーから供給された天然ガスは、この配管aを介して原料供給装置1に導かれる。
原料脱硫装置2は、硫黄化合物を吸着するためのゼオライト系の吸着剤を有している。そして、原料供給装置1と原料脱硫装置2との間は、配管bによって接続され、天然ガスが、この配管bを介して原料供給装置1から原料脱硫装置2に導かれる。
原料脱硫装置2と水素生成装置101との間は、配管cによって接続され、原料脱硫装置2により所定の硫黄濃度レベルに脱硫された原料ガスは、この配管cを介して水素生成装置101に導かれる。
一方、脱イオン処理等の浄化処理を施した改質水を気化したうえで、水素生成装置101に供給するため、水タンク15と水素生成装置101との間の配管途中に、改質水供給装置3と蒸発装置4とが配置されている。なお、改質水供給装置3は水タンク15から蒸発装置4に対し改質水を圧送するためのプランジャーポンプ(図示せず)を、蒸発装置4は改質水を蒸発するための加熱器(図示せず)を、各々内蔵している。
また、蒸発装置4の内部の詳細な図示を省くが、改質器5において生成した熱を、上記蒸発装置4の加熱器に供給して改質水を加熱させる構成であっても良い。
なおここで、水タンク15と改質水供給装置3との間は、配管nによって接続され、水タンク15に貯水した改質水は、この配管nを介して改質水供給装置3に導かれる。
改質水供給装置3と蒸発装置4との間は、配管oによって接続され、この配管oを通過する改質水が、改質水供給装置3から蒸発装置4に圧送供給される。
蒸発装置4と配管cの途中の所定の位置との間は、配管pによって接続されている。即ち、配管pは配管cの途中から分岐して蒸発装置4に至るように延びている。そして、蒸発装置4によって気化された水蒸気は、この配管pを介して配管cの内部を流れる脱硫された原料ガスと、この分岐箇所において混合される。こうして原料ガスと水蒸気とを混合した混合ガスは、配管cにおける上記分岐箇所の下流を流れて水素生成装置101(改質器5)の内部に導かれる。
次に、水素生成装置101の内部構成を、図1を参照して説明する。
水素生成装置101は、水蒸気改質反応によって改質ガスを生成する改質器5と、この改質器5に対して水蒸気改質反応に必要な熱を供給する改質加熱器17と、改質器5から流出した改質ガス中のCOガス濃度を低減するためのシフト反応を進行させる変成器6と、変成器6から流出した改質ガス中のCOガス濃度を更に低減されるための酸化反応を進行させる選択酸化器7と、この選択酸化器7に対して上記の酸化反応に必要な空気を連続供給可能な第1の空気供給装置8(ブロア)と、によって構成されている。
ここで、改質器5の内部空間(後ほど詳しく説明)には、水蒸気改質反応を触媒するための改質触媒体が充填されている。ここでは改質触媒として、耐熱性担体であるアルミナに、Ptを担持した改質触媒および同じくRuを担持した改質触媒が使用されている。
変成器6の内部空間には、シフト反応を触媒するための変成触媒体が充填されている。ここでは変成触媒として、セリア−ジルコニア系担体にPtを担持した変成触媒が使用されている。
選択酸化器7の内部空間には、COガスを酸化する酸化反応を触媒するためのCOガス酸化触媒体が充填されている。ここではCOガス酸化触媒として、アルミナにPtを担持したCOガス酸化触媒が使用されている。
改質加熱器17は、凝縮装置13(後ほど説明)から排出され、発電で消費されなかった除湿済みの改質ガス(以下、オフガスという。)が主として燃焼されるバーナ29(図2参照)を内蔵している。そして、改質器5の改質触媒体は、このバーナ29におけるオフガス燃焼で生成された燃焼ガスとの熱交換により、水蒸気改質反応に必要な所定の温度に加熱されかつ保温される。
次に、水素生成装置101の内部の配管構成を、図1を参照して説明する。
改質器5と変成器6との間は、配管dによって接続され、改質器5により生成された改質ガスは、この配管dを介して変成器6に供給される。
変成器6と選択酸化器7との間は、配管eによって接続され、変成器6のシフト反応によりCOガス濃度を低減させた改質ガスは、この配管eを介して選択酸化器7に供給される。
配管eの途中から分岐して延びる配管gは、第1の空気供給装置8の空気流の下流側に接続されると共に、大気に連通する空気取り入れ口(図示せず)と繋がる配管fは、この第1の空気供給装置8の空気流の上流側に接続されている。即ち、第1の空気供給装置8は、配管fを介してその内部に導入した空気を、ブロアによって配管gに送風して、これにより、配管eの上記分岐位置に空気を供給でき、変成器6から流出した改質ガスと、空気とを上記分岐位置で混合させた混合ガスが、選択酸化器7に供給される。
また、選択酸化器7から配管hが燃料電池9のアノード入口に延びており、この配管hを介して水素生成装置101により生成かつ精製された水素リッチな改質ガスは、燃料電池9のアノードに供給される。
なおここで、改質加熱器17と凝縮装置13との間は、配管uによって接続され、かつ燃料電池9のアノード出口と凝縮装置13との間は、配管iによって接続され、これにより、配管iを介して燃料電池9の内部の発電で消費されなかったオフガスが燃料電池9のアノード出口から凝縮装置13に供給され、そこで除湿されたうえで、配管uを介して除湿されたオフガスが凝縮装置13から改質加熱器17に供給され、そこで燃焼処理される
なお、変成器6および選択酸化器7に充填される触媒は、既に述べたように、水素生成装置で汎用されるPt系触媒であるが、これに替えて変成触媒としてはCu−Zn系触媒やFe−Cr系触媒、COガス酸化触媒としてはRu系触媒等を使用してもよく、また同様の機能を有する他の触媒を使用しても良い。
なお、変成器6および選択酸化器7に充填される触媒は、既に述べたように、水素生成装置で汎用されるPt系触媒であるが、これに替えて変成触媒としてはCu−Zn系触媒やFe−Cr系触媒、COガス酸化触媒としてはRu系触媒等を使用してもよく、また同様の機能を有する他の触媒を使用しても良い。
次に、燃料電池9に接続する配管構成を、図1を参照して説明する。
燃料電池9のアノードには配管hを介して水素生成装置101から改質ガスが供給され、かつそのカソードには複数の配管j、k、lを介して第2の空気供給装置16から空気が供給され、燃料電池9の内部において、これらの供給ガスを消費して電力を出力ための発電が実行される。
燃料電池9の例として、固体高分子電解質膜を電解質として用いたPEFCが採用されているが、その構成の詳細な説明は省略する。
なお、発電動作に伴って発熱する燃料電池9は、水タンク15から供給される冷却水によって適宜冷却され、所定の発電性能を発揮し得るように構成されている。
次に、燃料電池システム100における燃料電池9の冷却構成を、図1を参照して説明する。
燃料電池9の冷却構成(およびその周辺構成)は主として、燃料電池9の冷却に供される冷却水を供給する冷却水循環装置10と、燃料電池9の内部を流れる冷却水の温度を検知する冷却水温度検知器12と、燃料電池9を熱交換により冷却した後に昇温した冷却水に内在する熱を放熱させると共に燃料電池9のカソードに供給する空気を加湿するための熱交換器11と、燃料電池9に対して発電に必要な空気を供給するための第2の空気供給装置16と、によって構成されている。
ここで、冷却水循環装置10は、水タンク15から燃料電池9に冷却水を供給可能なプランジャーポンプ(図示せず)を有し、熱交換器11は、パーフルオロスルホン酸樹脂膜(図示せず)を有し、第2の空気供給装置16は、空気を連続供給可能なブロア(図示せず)を有している。なお、冷却水温度検知器12の一例は、サーミスタである。
また、冷却水循環装置10と燃料電池9の内部に形成された冷却水用水路(図示せず)の入口との間は、配管rによって接続され、かつ冷却水循環装置10と水タンク15との間は、配管qによって接続されており、これにより、水タンク15から供給される冷却水は、配管qを介して冷却水循環装置10に送られた後、その冷却水は、配管rを介して冷却水循環装置10により燃料電池9の冷却水用水路の入口に圧送供給される。
燃料電池9の冷却水用水路の出口(排水口)と熱交換器11との間は、配管sによって接続され、これにより、燃料電池9の冷却水用水路から排出され、燃料電池9との熱交換により昇温した冷却水は、この配管sを介して熱交換器11に供給される。
この熱交換器11と水タンク15との間は、配管tによって接続され、これにより、熱交換器11における第2の空気供給装置16から送風された空気との熱交換により冷却された冷却水は、配管tを介して水タンク15に戻される。
第2の空気供給装置16には空気導入用の配管jが接続され、この第2の空気供給装置16と熱交換器11の間は、配管kによって接続され、この熱交換器11と燃料電池9のカソードとの間は、配管lによって接続されている。これにより、既に述べたように、配管jを介して大気から第2の空気供給装置16に導かれた空気は、この第2の空気供給装置16によって配管kを介して熱交換器11に圧送され、そこで所定の湿度に加湿された後、配管lを介して燃料電池9のカソードに供給される。
次に、燃料電池システム100で使用される水分(水および水蒸気)の処理の構成を、図1を参照して説明する。
燃料電池システム100の水分処理系統は主として、燃料電池9から排出され、発電で消費されなかったオフガスおよび空気を凝縮することにより除湿する凝縮装置13と、この凝縮装置13から流出した凝縮水を浄化する浄水装置14と、この浄水装置14によって浄化された水を貯水する水タンク15と、によって構成されている。
ここで凝縮装置13において、適宜の凝縮機構によりオフガスおよび空気に含有される水蒸気を凝縮することにより、乾燥状態のオフガスと空気が得られる。なお、凝縮装置13と燃料電池9との間は、配管mによって接続され、これによって、燃料電池9から排出され発電で消費されなかった空気は、配管mを介して凝縮装置13に供給される。
そして、乾燥状態のオフガスは、配管uを介して凝縮装置13から改質加熱器17に、乾燥状態の空気は大気中に、各々放出される。
浄化装置14は、スチレン系でスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂と弱塩基性アニオン交換樹脂とを含むイオン交換樹脂を用いて構成され、これにより水中のイオン成分を除去している。
凝縮装置13と浄水装置14との間は、配管vによって接続され、浄水装置14と水タンク15との間は、配管wによって接続され、これにより凝縮装置13に溜まった凝縮水は、この配管vを介して浄化装置14に送られ、そこでイオン成分等の不純物が除去された後、配管wを介して水タンク15に供給される。
なおここでは、図示を省略しているが、燃料電池システム100の構成要素の各々の動作を制御する制御装置があり、この制御装置によって燃料電池システムの動作が適宜制御されつつ所定の発電動作が実行されている。
以下、水素生成装置101に内蔵された改質器5および改質加熱器17の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る改質器および改質加熱器の構成(改質器の周辺構成)を模式的に示した断面図である。
改質器5の周辺構成は、混合ガスの供給口20aと改質ガスの排出口20bを除いて軸方向上方を塞ぎかつ円筒状の燃焼筒28の領域を除いて軸方向下方を塞いだ円筒状の外側筐体24と、第1の筒状空間25を隔てて外側筐体24の内部に配置され、混合ガスの供給口20aを除いて軸方向上方を塞ぎ、かつ軸方向下方の全域を開放した円筒状の内側筐体26と、配管u(図1参照)から導かれたオフガスと、ブロア(図示せず)により供給された空気とを混合して燃焼させることにより高温の燃焼ガスを生成するバーナ29と、外側筐体24の下蓋を貫通するようにして内側筐体26の内部に延び、第2の筒状空間27を隔てて高温の燃焼ガスを軸方向に上下移動させるように軸方向上方を塞ぎかつその下方をバーナ29に接続した燃焼筒28と、原料脱硫装置2(図1参照)により所定の硫黄濃度レベルまで脱硫処理された原料ガスと蒸発装置4(図1参照)により気化された水蒸気との混合ガスを導くように配管cに接続され、外側筐体24の上蓋を貫通するように内側筐体26の上蓋に形成された供給口20aと、この混合ガスの改質反応により生成された改質ガスを下流側(変成部6)に流出させるように配管d(図1参照)に接続され、外側筐体24の上蓋に形成された排出口20bと、混合ガス流の上流にあって第2の筒状空間27に配置された環状のPt系改質触媒体21(第2の改質触媒体)と、このPt系改質触媒体21に対して混合ガス流の下流にあって第2の筒状空間27に配置された環状のセリア−ジルコニア系酸化物22(硫化水素吸着剤;以下、単にセリア−ジルコニア系酸化物22という。)と、このセリア−ジルコニア系酸化物22に対して混合ガス流の下流にあって第2の筒状空間27に配置された環状のRu系改質触媒体23(第1の改質触媒体)と、を有している。なおここで脱硫層は、Pt系改質触媒からなるPt系改質触媒体21とセリア−ジルコニア系酸化物22からなる硫化水素吸着剤と、によって構成される。
即ち、材料系の相違するPt系改質触媒体21とRu系改質触媒体23とセリア−ジルコニア系酸化物22とが何れも内側筐体26の内部の第2の筒状空間27に存在している。
より詳しくは、Pt系改質触媒体21とRu系改質触媒体23とが、互いに2層に区分けされ分離された状態で内側筐体26と燃焼筒28との間の第2の筒状空間27に配置されかつ、Pt系改質触媒体21とRu系改質触媒体23との間に挟まれたセリア−ジルコニア系酸化物22も第2の筒状空間27に配置されている。
なお、これらの改質触媒体21、23および酸化物22は、適宜の固定手段により第2の筒状空間27に位置するように支持されている。
またここで、改質器5は、外側筐体24と、内側筐体26と、供給口20aと、排出口20bと、Pt系改質触媒体21と、セリア−ジルコニア系酸化物22と、Ru系改質触媒体23と、によって構成されるものであり、改質加熱器17は、バーナ29と、燃焼筒28と、によって構成されるものである。
Pt系改質触媒体21は、その温度を300℃以上に維持してガス流の上流側に配置され、原料脱硫装置2により除去し切れなかった原料ガス中に残存する硫黄化合物を硫化水素に転化するための水素ガスを改質反応により生成する役割を担っている。
Ru系改質触媒体23は、その入口温度を500℃程度に、その出口温度を650℃以上にして軸方向に所定の温度勾配を持たせて、ガス流の下流側に配置され、所望の転化率を達成するように混合ガスから水蒸気改質反応によって改質ガスを生成する役割を担っている。なおここで、転化率とは、下記(3)式により定義され、改質触媒の触媒活性の指標として使用される。
転化率(%)=((CO2+CO)/(CO2+CO+CH4))×100・・・(3)
セリア−ジルコニア系酸化物22は、その望ましい温度範囲が200℃以上かつ600℃以下に設定されたうえで、Pt系改質触媒体21とRu系改質触媒体23との間に配置され、Pt系改質触媒体21により硫黄化合物から転換された硫化水素を吸着及び吸収する役割を担っている。
セリア−ジルコニア系酸化物22は、その望ましい温度範囲が200℃以上かつ600℃以下に設定されたうえで、Pt系改質触媒体21とRu系改質触媒体23との間に配置され、Pt系改質触媒体21により硫黄化合物から転換された硫化水素を吸着及び吸収する役割を担っている。
即ち、セリア−ジルコニア系酸化物22によって硫化水素を適切に吸着及び吸収させるには、セリア−ジルコニア系酸化物22を200℃程度に加熱することが必要である。
また、セリア−ジルコニア系酸化物22が600℃を越えて加熱されると、後ほど説明するように、セリア−ジルコニア系酸化物22の焼結を進行させ、その反応表面積の減少によって吸着及び吸収の反応が阻害されることになる。
なお、バーナ29により生成された高温の燃焼ガスが燃焼筒28をその軸方向に上昇および下降する間に高温燃焼ガスと熱交換することによって、Pt系改質触媒体21およびRu系改質触媒体23並びにセリア−ジルコニア系酸化物22は各々、上記の温度にまで適切に加熱されることになる。
なおここで、内側筐体26の軸方向下端と外側筐体24の下蓋との間に下部環状隙間30dを形成しかつ内側筐体26の軸方向上端と外側筐体24の上蓋との間に上部環状隙間30uを形成するように、両者の軸方向の位置関係が設定され、これによりRu系改質触媒体23から流出した改質ガスが第1の筒状空間を通って適切に下流に送られるように構成されている。
次に、本実施の形態に係る燃料電池システム100の発電動作を、図1および図2を参照して説明する。ここでは、改質器5の内部における原料ガスの脱硫処理に関連する動作を中心に説明し、これに直接関係しない燃料電池システム100の動作は簡素化して説明する。
なお改質器5に供給する原料ガス例としては天然ガス、メタノールまたはガソリンがあり、原料ガスの改質方法例としては水蒸気を使って改質する水蒸気改質法または空気を使って改質する部分改質法がある。
以下、天然ガスを原料ガスとした水蒸気改質法を前提に燃料電池システム100の動作を説明するが、本実施の形態によって得られる作用および効果は勿論、これに限定されるものではない。
天然ガスに含有される硫黄化合物を、所定の硫黄濃度レベル(1〜10ppb程度)にまで除去するため、原料供給装置1から流出した天然ガスは原料脱硫装置2に導入され、この原料脱硫装置2の脱硫処理によって天然ガスに含有された硫黄成分は選択的に脱硫剤に吸着及び吸収される。
また、改質器5における水蒸気改質反応に必要となる水は、水タンク15から改質水供給装置3により蒸発装置4に供給される。そして、改質水供給装置3から供給された水は蒸発装置4により加熱され水蒸気になる。この蒸発装置4で生成される水蒸気は、既に説明した原料脱硫装置2により脱硫処理された天然ガスと、配管pと配管cとの合流位置で混合される。
こうして、脱硫された天然ガスと水蒸気との混合ガスは、水素生成装置101の改質器5の供給口20aに供給されると、図2に細い実線矢印で示した経路を通過する間に改質ガスに転化され、その後、この改質ガスは改質器5の排出口20bから流出する。
即ち、配管c(図1参照)を流れて供給口20aに流入した天然ガスと水蒸気を含む混合ガスが、供給口20aから内側筐体26の上蓋に沿って径方向に広がって内側筐体26の側壁によりその流れを90°変えられて第2の筒状空間27を下方に流れる。そしてこの混合ガスが、第2の筒状空間27に沿って、第2の筒状空間27に配置された改質触媒体21、23および酸化物22を通流して下降する間に、燃焼ガスと熱交換しつつ水蒸気改質反応により改質され改質ガスに転化される共に、後ほど詳しく説明するように脱硫処理された後、この改質ガスは外側筐体24の下蓋によりその流れを再び90°変えられてその下蓋に沿って径方向に下部環状隙間30dを通過して広がる。
続いてこの改質ガスは、外側筐体24の側壁によりその流れを再び90°変えられて第1の筒状空間25に流れ込み、この第1の筒状空間25に沿って上昇する。更に、この改質ガスは、外側筐体24の上蓋によりその流れを再び90°変えられて、上部環状隙間30uを通過した後、上蓋に配置された排出口20bに集まるようにその上蓋に沿って径方向に移動して排出口20bから下流側に流出する。
こうして、混合ガス流の上流側にある硫黄被毒耐性に優れたPt系改質触媒体21に基づく水蒸気改質反応により生成した水素ガスを使って、原料脱硫装置2では除去できなかった天然ガス中に残存する微量の硫黄化合物を硫化水素に転化したうえで、その下流にあるセリア−ジルコニア系酸化物22によりこの硫化水素を効率的に吸着及び吸収でき、天然ガス中の硫黄成分が充分な低濃度レベル(0.1〜1ppb程度)になる。
そして、硫化水素を除去したガスを、混合ガス流の下流側にある改質触媒活性に優れたRu系改質触媒体23を通すように流すことにより、このRu系改質触媒体23に基づく水蒸気改質反応により天然ガスの高い転化率が確保され得る。
なお、改質器5により生成された改質ガスには、未反応天然ガス、水素ガス、水蒸気、二酸化炭素ガスおよびCOガスが副生成物として8〜15容量%含まれている。
例えば、この改質ガス中には、上記の改質触媒体21、23の温度に依存して変化するものの、水蒸気を除いた各副産物の含有割合の平均的な値として、水素ガスは約80%含まれ、二酸化炭素ガスおよびCOガスは各々約10%含まれている。
このため、改質器5により生成された改質ガス中のCOガス濃度を、改質器5の下流に設置した変成器6におけるシフト反応によって0.5%程度にまで低減し、更に、変成器6の下流に設置した選択酸化器7における酸素ガス(第1の空気供給装置8から供給される空気に含有)とCOガスとの化学反応よって、改質ガスに含まれるCOガス濃度を10ppm以下にまで低減させる。こうして改質ガスは、PEFCに供給してもそれを劣化させない良質の改質ガスに精製される。
精製された改質ガスは、燃料電池9のアノードに供給される。一方、第2の空気供給装置16および熱交換器11によって加湿された空気が、燃料電池9のカソードに供給される。これにより、これらの改質ガスと空気とを燃料電池9の内部で消費して所定の電力を出力するための発電がなされる。なお燃料電池9の発電と同時に、その内部では熱が生成されるため、冷却水循環装置10によって供給される冷却水を燃料電池9の内部に流すことにより、この熱に起因する燃料電池9の温度上昇を防止して燃料電池9を所定の温度範囲内になるように冷却している。
即ち、燃料電池9の内部を流れる冷却水の温度は、冷却水温度検知器12によって検知され、この冷却水温度検知器12によって検知される冷却水の温度が略一定になるように、冷却水循環装置10による冷却水の循環量の増減が制御装置(図示せず)により制御されて、その結果として燃料電池9の温度が所定の温度範囲内となるように制御されている。
燃料電池9の発電の際に、この燃料電池9から排出され発電で消費されなかったオフガスおよび空気は凝縮装置13に導かれ、ここで所定の凝縮機構によってこれらのオフガスおよび空気に含有された水蒸気が凝縮され、これによってオフガスおよび空気は適切に除湿される。そして除湿されたオフガスは、水素生成装置101の改質加熱器17に供給され、除湿された空気は大気中に放出される。
凝縮装置13の凝縮水は、浄水装置14に存在するイオン交換樹脂によって浄化された後、水タンク15に戻される。水タンク15に戻された凝縮水は、再び改質水供給装置3によって蒸発装置4に供給されることになる。
以上に説明した燃料電池システム100によれば、原料脱硫装置2により除去できなかった原料ガス中に残存する微量の硫黄化合物によって、改質触媒の被毒が経時的に進行して改質触媒の触媒活性を徐々に低下させてしまうという不具合に適切に対応可能である。即ち、改質器5の内側筐体26に内部には混合ガス流の上流に硫黄被毒耐性に優れたPt系改質触媒体21が充填され、このPt系改質触媒体21の混合ガス流の下流にセリア−ジルコニア系酸化物22が充填され、このセリア−ジルコニア系酸化物22の混合ガス流の下流に改質活性の高いRu系改質触媒体23が充填されている。
このような構成により、Pt系改質触媒体21の改質反応により生成した水素ガスの一部を流用することにより原料ガス中に含有された硫黄化合物を硫化水素に転化させたうえで、この転化された硫化水素が内側筐体26に内在するセリア−ジルコニア系酸化物22により確実に吸着及び吸収される。
また、原料ガス中に含有された硫黄化合物を水素ガスにより硫化水素に転化させるには、硫黄化合物を所定温度以上に曝すことが必要であるが、本実施の形態は、改質加熱器17によって硫黄化合物を容易に加熱できて好適と言える。
そして、このような燃料電池システム100を約3000時間運転しても水蒸気改質反応における原料ガス転化率が90%以上に維持され得ることが判明した。
なおこの比較として、Ru系改質触媒体23を内側筐体26の内部に一様に充填した改質器を使用した場合には、燃料電池システムを約3000時間運転すると、その転化率が85%になるという結果が得られた。
こうした転化率の相違から、この実施の形態に係る燃料電池システム100においては、混合ガス流の上流側にあるPt系改質触媒体21により原料ガス中に含有された硫黄化合物が硫化水素に転化され、セリア−ジルコニア系酸化物により転化された硫化水素を吸着及び吸収可能なため、混合ガス流の下流側にあるRu系改質触媒体23が硫黄被毒されることなく、その高い触媒活性が維持されているものと推察される。
簡易な常圧ガス通流式の反応実験装置(以下、常圧通流式反応装置という。)を使用して、図2に示した触媒構成により得られた高い転化率維持の原理を確認する基礎実験の内容を、以下に説明する。併せて、この常圧通流式反応装置を使った、各種の触媒構成に基づく実施例(メタンガス転化率測定)およびそれの比較例を説明する。
(基礎実験)
最初に、第1の常圧通流式反応装置を使用した上記の基礎実験を説明する。
最初に、第1の常圧通流式反応装置を使用した上記の基礎実験を説明する。
図3は、第1の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
第1の常圧通流式反応装置102は、所定量の水を貯蔵する水タンク32と、水タンク32に貯蔵された水を蒸発装置34に加圧供給する水供給装置33と、水供給装置33によって供給された供給水を水蒸気に気化する蒸発装置34と、改質ガス生成用の原料ガスに相当する反応ガスを溜めるガス供給源31と、反応ガスと水蒸気とを混合した混合ガスから水蒸気改質反応により改質ガスを生成するペレット状(3mm〜5mmの球状)の改質触媒片を集合させた改質触媒体35と、この改質触媒体35を囲むようにして、水蒸気改質反応に必要な温度レベルにまで改質触媒体35を加熱する電気炉36と、によって構成されている。
ここで、図3に示すように、水タンク32と水供給装置33との間および水供給装置33と蒸発装置34との間は、所定の配管によって接続されている。
また、蒸発装置34から改質触媒体35に向けて延びる配管とガス供給装置31から改質触媒体35に向けて延びる配管とが所定の配管接合位置JCで一本化され、一本化された配管が改質触媒体35に接続するように構成されている。
即ちこれらの配管は、配管接合位置JCにおいて水蒸気および反応ガスからなる混合ガスが生成され、この混合ガスが改質触媒体35に供給可能に配設されている。
ここで、図3に示した第1の常圧通流式反応装置102を使用して、以下の実験条件により改質触媒の材質をパラメータとして、硫黄化合物による触媒活性への影響を評価した。
反応ガスとしてのメタンガスは、毎分100mLの割合で、かつ(CH3)3CSHを硫黄化合物として0.1%含むアルゴンガスは毎分1mLの割合で、ガス供給源31から配管接合位置JCに向けて供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水は、イオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、スチーム/カーボン比(S/C)が3になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され、水蒸気に気化された後、この水蒸気は、配管接合位置JCに向けて供給される。
また、改質触媒体35の材質としてPt系触媒AとRh系触媒BとPd系触媒CとRu系改質触媒体D(比較例)とNi系触媒E(比較例)とが使用され、各々の触媒A、B、C、D、Eがペレット状に処理されて10mL、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。
また、改質触媒体35の温度が650℃になるように改質触媒体35を電気炉36により加熱させ、水蒸気および反応ガスからなる混合ガスを改質触媒体35に導いてから50時間後のメタンガス転化率を評価した。その評価結果の一覧が図4に示されている。
図4に示すように、Ru系改質触媒DとNi系触媒EよりもPt系触媒AとRh系触媒BとPd系触媒Cは、硫黄化合物を含む反応ガスに対し高転化率を維持することが判明した。即ち、図4から理解されるとおり、Pt系触媒AとRu系触媒BとPd系触媒Cは、Ru系触媒DとNi系触媒よりも硫黄被毒耐性に優れていることが裏付けられた。
なお、Pt系触媒AとRh系触媒BとPd系触媒Cとを使用した際には、反応後のガス中に硫化水素が含有されており、硫黄化合物(CH3)3CSHが適切に硫化水素に転化されたことも確認できた。
次に、図3に示した第1の常圧通流式反応装置102を使用して、以下の条件により硫化水素を吸着及び吸収する脱硫剤が改質反応に及ぼす影響を検証した。但しここでは、図3に図示した改質触媒体35を、以下に示す脱硫剤35に変更している。
反応ガスとしてのメタンガスは、毎分100mLの割合でガス供給源31から配管接合位置JCに向けて供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水は、イオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、スチーム/カーボン比(S/C)が3になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され、水蒸気に気化された後、この水蒸気は、配管接合位置JCに向けて供給される。
また、硫化水素を吸着及び吸収する脱硫剤35が10mL、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。より具体的には、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属(図5にはMn、CoおよびFeを例示)またはこれらの金属の酸化物(図5にはCuO、ZnO、Ce2O3、ZrO2およびZrCe複合酸化物を例示)含んだ脱硫剤35をペレット状に成形させた。
そして、硫化水素を吸着及び吸収する脱硫剤35の温度が650℃になるように電気炉36によって各種の脱硫剤35を加熱させ、水素ガス還元処理を実行した後、メタンガス転化率評価を行った。その評価結果の一覧が図5に示されている。
図5によると、ここに示された金属又は金属酸化物を含み、硫化水素を吸着及び吸収する脱硫剤35には何れも、改質触媒としてメタン転化に何ら機能しないことが確認された。
次に、図3に示した第1の常圧通流式反応装置102を使用して、以下の条件により硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤の硫化水素除去性能を検証した。但しここでも、図3に図示した改質触媒体35を、以下に示す脱硫剤35に変更している。
水素ガスは毎分80mLの割合で、COガスは毎分10mLの割合で、二酸化炭素ガスは毎分10mLの割合で、および硫化水素を50ppm含む窒素ガスは、毎分10mLの割合で各々、ガス供給源31から供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水は、イオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、露点90℃になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され水蒸気に気化された後、この水蒸気は配管接合位置JCに向けて供給される。
また、硫化水素を吸収及び吸着するペレット状の脱硫剤35が10mL、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。より具体的には、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属酸化物(図6にはMnO2、CoO、CuO、ZnO、Ce2O3、ZrO2、Fe2O3およびZrCe複合酸化物を例示)からなる脱硫剤35をペレット状に成形させ、この脱硫剤35が400〜800℃になるように電気炉36によって加熱した。
図6は、脱硫剤の加熱温度をパラメータにとって、硫化水素を吸着及び吸収する脱硫剤の硫化水素除去性能を確認した評価結果の一覧図であり、硫化水素を脱硫剤に通流させた時点から脱硫剤の下流側で硫化水素検出器(図示せず)により硫化水素を検出する迄の時間が示された図である。
なお、本評価実験では脱硫剤35をペレット状に成形しているが、脱硫剤35をハニカム状に成形しても良く、これを所定の担体(例えばAl2O3)に担持するものであっても良く、脱硫剤35の硫化水素除去性能は、これらの形態の相違によって変化しない。もっとも、脱硫剤35を担体に担持させると、脱硫剤35の量を減らすことが可能になる。
図6から理解されるとおり、脱硫剤35の使用温度(内側筐体26の内部雰囲気の温度)を高くするに連れて硫化水素検出時間が短縮して、脱硫剤35の温度上昇に伴ってそれの硫化水素除去性能が劣化している。こうした現象は、高温に曝された脱硫剤35の焼結を進行させ、その反応表面積の減少によって反応を阻害することに起因するものと推察される。また、例えばZnO材料を800℃程度に加熱すると、ZnO材料は揮発してしまって使用できなくなることにも起因するものと考えられる。
このことから硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35の使用温度は700℃以下、望ましくは650℃以下に調整される必要がある。
なお、改質触媒の改質反応温度も700℃以下であり、脱硫剤35の望ましい使用温度はこの温度に符合するものである。
また図6によれば、ZrCe複合酸化物(セリア−ジルコニア系酸化物)は全ての使用温度範囲に亘って他の酸化剤に比較して極めて高い硫化水素除去性能を示しており、ZrCe複合酸化物は脱硫剤として最適な材質である。特に、ZrCe複合酸化物では、仮に高温域(例えば700℃を超える温度域)であっても安定に硫化水素除去性能を確保でき好適である。
なおここでは、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属酸化物を、最初に充填する材料として記載しているが、これらの材料は脱硫処理に伴って還元されて徐々に金属に転化するものである。即ち、図6中に記載した硫化水素検出時間は、金属酸化物(MnO2等)とそれに対応する金属(Mn)とが共存した状態におけるデータとみなして良い。そして、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属酸化物とそれらに対応する金属とは何れも、硫化水素の脱硫剤として同等の効果を奏することが確認されている。
(実施例1)
以上に説明した基礎実験の結果を踏まえ、硫黄化合物を硫化水素に転化するための代表的な触媒としてPt系触媒Aを選び、代表的な脱硫剤としてセリア−ジルコニア系酸化物を選び、水蒸気改質反応を促進する代表的な改質触媒としてRu系触媒Dを選んで、常圧通流式反応装置を使用して、電気炉36で囲まれた触媒構成の相違に基づくメタンガス転化率への影響を評価した。
以上に説明した基礎実験の結果を踏まえ、硫黄化合物を硫化水素に転化するための代表的な触媒としてPt系触媒Aを選び、代表的な脱硫剤としてセリア−ジルコニア系酸化物を選び、水蒸気改質反応を促進する代表的な改質触媒としてRu系触媒Dを選んで、常圧通流式反応装置を使用して、電気炉36で囲まれた触媒構成の相違に基づくメタンガス転化率への影響を評価した。
勿論、これらの材料と同等の性能を有する触媒であれば、そのような触媒を使用しても同様の効果が得られる。例えば、Pt系触媒Aに代わりにRh系触媒BやPd系触媒Cを使っても良く、Ru系触媒Dの代わりにNi系触媒Eを使っても良い。
更に、Pt系触媒、Rh系触媒およびPd系触媒では改質反応に対する活性が劣るものの、上記Ru系触媒Dに代用してこれらの触媒を使用することも可能である。
図7は、本発明の実施例1による第2の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
第2の常圧通流式反応装置103の構成は、電気炉36に囲まれる触媒材料および脱硫剤を除いて図3で示した第1の常圧通流式反応装置102の構成と同じであり、両者に共通する構成の説明は省略する。
図7に示した第2の常圧通流式反応装置103を使用して、以下の実験条件によりメタンガス転化率を測定した。
改質触媒体35aと、この改質触媒体35aに対してガス流の下流にある硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35bとが、電気炉36に囲まれる領域に充填されている。より詳しくは、改質触媒体35aは、Pt系触媒Aを10mL、脱硫剤35bは、セリア−ジルコニア系酸化物を5mL各々、充填することにより構成されている。
反応ガスとしてのメタンガスは、毎分100mLの割合で、かつ(CH3)3CSHを硫黄化合物として1%含むアルゴンガスは、毎分1mLの割合で、ガス供給源31から配管接合位置Pに向けて供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水はイオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、スチーム/カーボン比(S/C)が3になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され水蒸気に気化された後、この水蒸気は配管接合位置JCに向けて供給される。
改質触媒体35aと脱硫剤35bとは電気炉36により加熱され、これによって改質触媒体35aの入口温度が500℃、その出口温度が550℃、硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35bの温度が550℃に維持された。
こうした条件に基づく実験の結果、実験開始から100時間経過後であっても、メタンガス転化率は50%以上に維持されかつ脱硫剤35bを通過したガス中に硫化水素と硫黄化合物(CH3)3CSHの何れも検出されなかった。
このことからPt系触媒Aが硫黄被毒耐性に優れていることに加え、このPt系触媒Aの水蒸気改質反応に基づいて生成された水素ガスにより硫黄化合物(CH3)3CSHが適切に硫化水素に転化されつつ、その硫化水素がセリア−ジルコニア系酸化物により吸着及び吸収されていることが裏付けられた。
(実施例2)
図8は、本発明の実施例2に係る第3の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
図8は、本発明の実施例2に係る第3の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
第3の常圧通流式反応装置104の構成は、電気炉36に囲まれる触媒材料および脱硫剤を除いて図3で示した第1の常圧通流式反応装置102の構成と同じであり、両者に共通する構成の説明は省略する。
図8に示した第3の常圧通流式反応装置104を使用して、以下に示す実験条件によりメタンガス転化率を測定した。
改質触媒体35aおよび硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35bを混合した混合層37が、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。より詳しくは、混合層37は、10mLのPt系触媒A(改質触媒)と5mLのセリア−ジルコニア系酸化物(硫化水素を吸着及び吸収する脱硫剤)とを混合させている。
即ち、混合層37としての脱硫層は、改質触媒(Pt系触媒A)と硫化水素吸収脱硫剤(セリア−ジルコニア系酸化物)とを混合して構成される層である。
反応ガスとしてのメタンガスは毎分100mLの割合で、かつ(CH3)3CSHを硫黄化合物として1%含むアルゴンガスは、毎分1mLの割合で、ガス供給源31から配管接合位置JCに向けて供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水は、イオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、スチーム/カーボン比(S/C)が3になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され水蒸気に気化された後、この水蒸気は配管接合位置JCに向けて供給される。
混合層37は電気炉36により加熱され、これによって混合層37の入口温度が450℃、その出口温度が550℃に維持された。
こうした条件に基づく実験の結果、実験開始から100時間経過後であっても、メタンガス転化率は50%以上に維持されかつ脱硫剤35bを通過したガス中に硫化水素と硫黄化合物(CH3)3CSHの何れも検出されなかった。
このことからPt系触媒Aが硫黄被毒耐性に優れていることに加え、Pt系触媒Aとセリア−ジルコニア系酸化物を混合した混合層であっても同様に、Pt系触媒Aの水蒸気改質反応に基づいて生成された水素ガスにより硫黄化合物(CH3)3CSHが適切に硫化水素に転化されつつ、その硫化水素がセリア−ジルコニア系酸化物により吸着及び吸収されていることが判明した。
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3に係る第4の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
図9は、本発明の実施例3に係る第4の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
第4の常圧通流式反応装置105の構成は、電気炉36に囲まれる触媒材料および脱硫剤を除いて図3で示した第1の常圧通流式反応装置102の構成と同じであり、両者に共通する構成の説明は省略する。
図9に示した第4の常圧通流式反応装置105を使用して、以下の実験条件によりメタンガス転化率を測定した。
第2の改質触媒体35aと、この第2の改質触媒体35aに対してガス流の下流にある硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35bと、この脱硫剤35bに対してガス流の下流にある第1の改質触媒体35cとが、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。より詳しくは、第2の改質触媒体35aは、Pt系触媒Aを10mL、脱硫剤35bは、セリア−ジルコニア系酸化物を5mL、および第1の改質触媒体35cは、Ru系触媒Eを10mL、各々充填されている。
反応ガスとしてのメタンガスは、毎分100mLの割合で、かつ(CH3)3CSHを硫黄化合物として1%含むアルゴンガスは、毎分1mLの割合で、ガス供給源31から配管接合位置JCに向けて供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水は、イオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、スチーム/カーボン比(S/C)が3になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され水蒸気に気化された後、この水蒸気は配管接合位置JCに向けて供給される。
第2の改質触媒体35aおよび第1の改質触媒体35c並びに脱硫剤35bは、電気炉36により加熱され、これによって、第2の改質触媒体35aの入口温度が500℃に、脱硫剤35bの温度が550℃に、第1の改質触媒体35cの出口温度が650℃に維持された。
実験の結果、実験開始から100時間経過後であっても、メタンガス転化率は81%を維持していた。
(比較例1)
ここでは実施例3に対する比較実験として、第2の改質触媒体35aとして、Ru系触媒Eが10mL、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。
ここでは実施例3に対する比較実験として、第2の改質触媒体35aとして、Ru系触媒Eが10mL、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。
なお、第2の改質触媒体35a以外の比較例1による装置構成および実験条件は、実施例3に示したものと同じであり、ここではこれらの説明を省略する。
実験の結果、実験開始から100時間経過後では、メタンガス転化率は56%にまで低下した。
こうした実施例3および比較例1の実験結果の対比から以下の知見が得られた。
実施例3に示した触媒構成では、混合ガス流の上流側にあるPt系改質触媒体(実施例3の第2の改質触媒体35a)は硫黄被毒され難いため、このPt系改質触媒体により反応ガス中に含有された硫黄化合物が効果的に硫化水素に転化され、セリア−ジルコニア系酸化物(実施例3の脱硫剤35b)により転化された硫化水素を適切に吸着及び吸収できるため、混合ガス流の下流側にあるRu系改質触媒体(実施例3の第1の改質触媒体35c)が硫黄被毒されずに、高いメタンガス転化率が維持される。
一方、比較例1に示した触媒構成では、混合ガス流の上流にあるRu系改質触媒体(比較例1の第2の改質触媒体35a)は、それ自体が硫化水素を吸収してしまって硫黄により徐々に被毒される。そして、混合ガス流の上流にあるRu系改質触媒体の被毒が進行した後は、Ru系改質触媒体はもはや硫黄化合物を効果的に硫化水素に転化できず、セリア−ジルコニア系酸化物(比較例1の脱硫剤35b)により硫化水素を適切に吸着及び吸収できない。このため、混合ガス流の下流にあるRu系改質触媒体(比較例1の第1の改質触媒体35c)も硫黄被毒されてメタンガス転化率が大幅に低下する。
(実施例4)
図10は、本発明の実施例4に係る第5の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
図10は、本発明の実施例4に係る第5の常圧通流式反応装置の構成を模式的に示した図である。
第5の常圧通流式反応装置106の構成は、電気炉36に囲まれる触媒材料および脱硫剤を除いて図3で示した第1の常圧通流式反応装置102の構成と同じであり、両者に共通する構成の説明は省略する。
図10に示した第4の常圧通流式反応装置106を使用して、以下の実験条件によりメタンガス転化率を測定した。
第2の改質触媒体35aおよび硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35bを混合した混合層37と、この混合層37に対してガス流の方向下流にある第1の改質触媒体35cとが、電気炉36に囲まれた領域に充填されている。より詳しくは、混合層37は、第2の改質触媒体35aの材料としてPt系触媒Aを10mLおよび硫化水素を吸収及び吸着する脱硫剤35bとしてセリア−ジルコニア系酸化物を5mL各々混合して充填される。
即ち、混合層37としての脱硫層は、改質触媒(Pt系触媒A)と硫化水素吸収脱硫剤(セリア−ジルコニア系酸化物)とを混合して構成される層である。
また、第1の改質触媒体35cは、Ru系触媒Eを10mL充填されている。
反応ガスとしてのメタンガスは、毎分100mLの割合で、かつ(CH3)3CSHを硫黄化合物として1%含むアルゴンガスは、毎分1mLの割合で、ガス供給源31から配管接合位置JCに向けて供給される。
同時に、水タンク32から水供給装置33により供給された供給水はイオン交換処理によりイオン成分を取り除かれ、イオン成分を取り除かれた供給水は、スチーム/カーボン比(S/C)が3になるように調整されつつ蒸発装置34に供給され水蒸気に気化された後、この水蒸気は、配管接合位置JCに向けて供給される。
混合層37および第1の改質触媒体35cは電気炉36により加熱され、これによって、混合層37の入口温度が500℃に、第1の改質触媒体35cの出口温度が650℃に維持された。
実験の結果、実験開始から100時間経過後であっても、メタンガス転化率は80%を維持していた。
(比較例2)
ここでは実施例4に対する比較実験として、混合層37は、第2の改質触媒体35aの材料としてのRu系触媒Eを10mLおよび脱硫剤35bとしてのセリア−ジルコニア系酸化物を5mL、各々混合して充填されている。
ここでは実施例4に対する比較実験として、混合層37は、第2の改質触媒体35aの材料としてのRu系触媒Eを10mLおよび脱硫剤35bとしてのセリア−ジルコニア系酸化物を5mL、各々混合して充填されている。
なお、混合層37以外の装置構成および実験条件は、実施例3に示したものと同じであり、ここではこれらの説明を省略する。
実験の結果、実験開始から100時間経過後では、メタンガス転化率は54%にまで低下した。
こうした実施例4および比較例2の実験結果の対比から以下の知見が得られた。
実施例3と同様に、実施例4に示した触媒構成では、混合ガス流の上流にあるPt系改質触媒体(実施例4の第2の改質触媒体35a)は硫黄被毒され難いため、このPt系改質触媒体により反応ガス中に含有された硫黄化合物が効果的に硫化水素に転化されると共に、セリア−ジルコニア系酸化物(実施例4の脱硫剤35b)により転化された硫化水素を適切に吸着及び吸収できるため、混合ガス流の下流側にあるRu系改質触媒体(実施例4の第1の改質触媒体35c)が硫黄被毒されずに、高いメタンガス転化率が維持される。
一方、比較例1と同様に、比較例2に示した触媒構成では、混合ガス流の上流にあるRu系改質触媒体(比較例2の第2の改質触媒体35a)は、それ自体が硫化水素を吸収してしまって硫黄により徐々に被毒される。そして、混合ガス流の上流にあるRu系改質触媒体の被毒が進行した後は、このRu系改質触媒体はもはや硫黄化合物を効果的に硫化水素に転化できず、セリア−ジルコニア系酸化物(比較例2の脱硫剤35b)により硫化水素を適切に吸着及び吸収できない。このため、混合ガス流の下流にあるRu系改質触媒体(比較例2の第1の改質触媒体35c)も硫黄被毒されてメタンガス転化率が大幅に低下する。
ここまで、サルファイド類、メルカプタン類等の硫化化合物が原料ガス中に含有されたことを前提にして、サルファイド類、メルカプタン類等の硫化化合物を適切に除去可能な構成および動作を述べたが、本発明による燃料電池システム100に基づき、水蒸気改質反応に使用される水分中に硫化化合物が混入した場合であっても同様に、水分中の硫化化合物を適切に除去できる。
本発明に係る燃料電池システムによれば、別途設備を設けることなく簡易的な構成により、かつ確実な脱硫法により原料ガス中に含有された微量の硫黄成分を除去可能にして長期間に亘って改質触媒の触媒活性を維持することができ、例えば、家庭用の燃料電池システムとして有用である。
1 原料供給装置
2 原料脱硫装置
3 改質水供給装置
4 蒸発装置
5 改質器
6 変成器
7 選択酸化器
8 第1の空気供給装置
9 燃料電池
10 冷却水循環装置
11 熱交換器
12 冷却水温度検知器
13 凝縮装置
14 浄水装置
15 水タンク
16 第2の空気供給装置
17 改質加熱器
20a 供給口
20b 排出口
21、35a 第2の改質触媒体
22 硫化水素の吸収及び吸着する脱硫剤
23、35c 第1の改質触媒体
24 外側筐体
25 第1の筒状空間
26 内側筐体
27 第2の筒状空間
28 燃焼筒
29 バーナ
30u 上部環状隙間
30d 下部環状隙間
31 ガス供給源
32 水タンク
33 水供給装置
34 蒸発装置
35 改質触媒体(又は脱硫剤)
35b 脱硫剤
36 電気炉
37 混合層
100 燃料電池システム
101 水素生成装置
102〜106 常圧通流式反応装置
2 原料脱硫装置
3 改質水供給装置
4 蒸発装置
5 改質器
6 変成器
7 選択酸化器
8 第1の空気供給装置
9 燃料電池
10 冷却水循環装置
11 熱交換器
12 冷却水温度検知器
13 凝縮装置
14 浄水装置
15 水タンク
16 第2の空気供給装置
17 改質加熱器
20a 供給口
20b 排出口
21、35a 第2の改質触媒体
22 硫化水素の吸収及び吸着する脱硫剤
23、35c 第1の改質触媒体
24 外側筐体
25 第1の筒状空間
26 内側筐体
27 第2の筒状空間
28 燃焼筒
29 バーナ
30u 上部環状隙間
30d 下部環状隙間
31 ガス供給源
32 水タンク
33 水供給装置
34 蒸発装置
35 改質触媒体(又は脱硫剤)
35b 脱硫剤
36 電気炉
37 混合層
100 燃料電池システム
101 水素生成装置
102〜106 常圧通流式反応装置
Claims (12)
- 硫黄化合物を有する原料ガスから改質反応により水素ガスを含む改質ガスを生成する第1の改質触媒体が充填された改質器を備える水素生成装置であって、前記第1の改質触媒体の上流に改質触媒及び硫化水素吸着剤を含む脱硫層を備えることを特徴とする水素生成装置。
- 硫化水素吸着剤が、Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属または前記金属の酸化物であることを特徴とする請求項1記載の水素生成装置。
- 前記脱硫層は、前記改質触媒と前記硫化水素吸着剤とを混合して構成される層である請求項2記載の水素生成装置。
- 前記脱硫層は、前記改質触媒からなる第2の改質触媒体を有し、
前記硫化水素吸着剤が、前記第1の改質触媒体と前記第2の改質触媒体との間に配置されている請求項2記載の水素生成装置。 - 前記改質触媒の改質反応によって水素ガスが生成され、前記水素ガスによって前記原料ガスに含有された硫黄化合物が硫化水素に転化される請求項2記載の水素生成装置。
- 前記硫化水素は、前記脱硫層に含まれる前記金属または前記金属の酸化物によって前記原料ガスから除去される請求項5記載の水素生成装置。
- 前記第1の改質触媒体は、Pt、Rh、Pd、RuおよびNiのうちの少なくとも一つの金属を含み、前記第2の改質触媒体は、Pt、RhおよびPdのうちの少なくとも一つの金属を含む請求項3または4記載の水素生成装置。
- 前記脱硫層の温度を650℃以下に維持する請求項1記載の水素生成装置。
- 請求項1に記載の水素生成装置と燃料電池とを備え、前記水素生成装置から流出した改質ガスが前記燃料電池に供給される燃料電池システム。
- 硫黄化合物を含む原料ガスから第1の改質触媒に基づく改質反応により水素ガスを生成するステップと、
前記硫黄化合物が前記水素ガスに反応することにより転化された硫化水素を、前記原料ガスから除去するステップと、
前記硫化水素が除去されたガスから第2の改質触媒に基づく改質反応により水素ガスを含む改質ガスを生成するステップと、を含む水素生成方法。 - Mn、Co、Cu、Zn、Ce、ZrおよびFeのうちの少なくとも一つの金属または前記金属の酸化物を含んだ脱硫層によって前記硫化水素を、前記原料ガスから除去することを特徴とする請求項10記載の水素生成方法。
- 前記脱硫層が前記第1の改質触媒を含み、前記脱硫層において前記水素ガスが生成されると共に前記硫化水素が前記原料ガスから除去される請求項11記載の水素生成方法。
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|---|---|---|---|
| JP2004259413A JP2006076802A (ja) | 2004-09-07 | 2004-09-07 | 水素生成装置およびこれを備えた燃料電池システム並びに水素生成方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
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-
2004
- 2004-09-07 JP JP2004259413A patent/JP2006076802A/ja not_active Withdrawn
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